二・二六事件、青年将校にほだされた56歳の「歌人将軍」
二・二六事件、青年将校にほだされた56歳の「歌人将軍」
午後9時を過ぎていた。1936年2月20日。予備役陸軍少将の斎藤瀏が京都からの旅を終え、東京駅の降車口(現在の丸の内北口)改札を出ると、陸軍中尉の栗原安秀が軍服姿で待っていた。
「話したいことがあります」。2人は銀座・交詢社前の料理店「水茶屋」に向かった。27歳の栗原は、6日後に帝都を揺るがす二・二六事件の首謀者の一人だ。
かたや56歳の斎藤は、歌人としても知られていた。長女の史も、のちに高名な…







