I/O のために構築された AR 体験: プロセス
2018年7月24日火曜日
この記事は ARCore プロダクト マーケティング、Karin Levi による Google Developers Blog の記事 "Creating AR Experiences for I/O: Our Process" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
数週間前に開催された Google I/O で、Google の AR 開発プラットフォームである ARCore のメジャー アップデートが発表されました。Cloud Anchors などの新しい API が追加されたことで、マルチユーザーに対応した協調動作する AR 体験、2D 画像をアクティブ化して 3D オブジェクトにする Augmented Images などが実現します。これらすべてのアップデートによって、既存の AR の使用方法が変わり、デベロッパーはより魅力的で没入感の高い AR アプリを作成できるようになります。
Google は、これらの新しい機能を使用して、プラットフォームをテストすることにしました。実際の体験を構築して、これらの機能をどのように活用できるのかを紹介しました。すべてのデモは、I/O AR & VR サンドボックス デモエリアで展示されました。これらのデモはオープンソース化していますので、このような体験の構築が簡単であることを確認していただけます。とても満足できるデモに仕上がったので、舞台裏で獲得できた知見とインサイトを共有したいと考えています。
Light Board はマルチプレーヤー型の卓上 AR ゲームで、2 人のプレーヤーが浮遊しているゲームボード上で色付きの物体を相互に発射します。
Light Board を作成しているときは、対象とするエンドユーザーを常に念頭に置くことが重要でした。I/O デモエリアを訪れたデベロッパーが試せる、シンプルで楽しいゲームにしたいと考えていました。デモエリアを通るデベロッパーがプレイできるのはほんの数分なので、プレーヤー(ゲーマー以外も)が気軽に手にして、簡単な少しの設定でプレイできるようにする必要がありました。
Light Board では、アートワークに重点を置きました。ゲームの外観を I/O 2018 のデザインと装飾様式に合致させる必要がありました。そうすることで、アプリが会場の景色の延長上にあるかのように見えます。それを踏まえて、私たちのデザイン上の指針には、明るいアクセント色、シンプルな形状のグラフィック、自然な物理的マテリアルという 3 つの目標がありました。
Light Board ゲームボードの主要なアートワーク
このアートワークは、Maya と Cinema 4D で作成しました。また、Substance Painter を使用して、物理学に基づいてモデルのマテリアルを作成しました。エンジニアリングの場合と同じように、アートアセットを作成するときも試行錯誤が非常に重要です。これを念頭に置いて、この比較的シンプルなプロジェクトの場合も、コンテンツ パイプラインを注意深く作成しました。これにより、最終的なデザインを決定する前に、さまざまな外観とボードスタイルをすばやく試すことができました。
エンジニアリングの観点から、Unity ゲームエンジンを開発環境として選択しました。Unity により、いくつかの重要なメリットがもたらされます。第 1 に、すばらしい外観の 3D グラフィックをすばやく作成できます。第 2 に、エンジンのコンポーネントが既に完成しているため、ゲームプレイ コードの試行錯誤をすぐに開始することができました。アートワークの場合と同様に、最終決定を下す前に、ゲームプレイのオプションをテストすることができました。また、Unity では、ほんの少し手間をかければ、Android と iOS の両方がサポートされます。
また、マルチプレーヤー型ゲームの側面を処理するために Firebase Realtime Database を使用しました。このイベントでのネットワーク パフォーマンスについて懸念していましたが、データベースの持続的な特性により、不安定なネットワークへの耐性が向上すると考えました。結果として、ゲームは非常にうまく機能し、ゲームを終了してからも無料でゲームに再参加できる機能を搭載できました。
私たちは Light Board の作成を大いに楽しむことができました。AR アプリのビルドだけでなく、Cloud Anchors などのすばらしい機能を簡単に使用できる例として、Light Board を活用していただきたいと考えています。オープンソース レポジトリにアクセスして、Light Board をお試しください。
3 月に、スマートフォンを使って空間に描画できる Android アプリである Just a Line を発表しました。このアプリは、ARCore の能力を示す実験として作成されました。Google I/O では、このアプリに Cloud Anchors を追加して、一方のユーザーが Android を、もう一方のユーザーが iOS を使用している場合でも、2 人のユーザーが同じ場所で同時に描画できるようにしました。
両方のアプリはネイティブでビルドされています。Android バージョンは Android Studio で記述され、iOS バージョンは xCode でビルドされています。ARCore の Cloud Anchors を使用すると、Just a Line で 2 つのスマートフォンをペア設定して、ユーザーが共有空間で同時に描画できるようになります。ペア設定は Android 端末および iOS 端末で機能し、描画は、Firebase Realtime Database を介してリアルタイムで同期されます。iOS 向けのオープンソース コードはこちらに、Android 向けのオープンソース コードはこちらにあります。

「Illusive Images」のデモは、3 つのアートワークで構成される拡張画廊です。各アートワークでは、拡張画像に関する別々のユースケースとユーザー エクスペリエンスを紹介しています。鑑賞者が左右に移動したり、オブジェクトの周りを歩いたり、特定の方向から見たときに、2D アートワークが 3D に変容し、物理的な額から飛び出したアートワークの空間に入り込むことができます。
拡張画像の視覚的デザインの特性のため、さまざまなレベルの機能を使ってデータベースを作成する実験を何回も行いました。最適な結果を得るために、アートワークのキャンバスのサイズを変更して、反復処理をすばやく行いました。また、輝度とコントラストのレベルを変更したり、増大したりしました。これらのバリエーションにより、デザインの意図を損なっていない最適化された画像の作成が可能になりました。
このアプリは Unity と ARCore を使ってビルドされおり、その大部分のアセットは Cinema 4D で作成されました。Mograph アニメーションは fbx として Unity にインポートされ、アートワークに相対した鑑賞者の位置によって完全に駆動されます。プロジェクトの例はこちらにあります。
デベロッパーが簡単に開発できるように、チームが作成したすべてのデモをオープンソース化しています。これらのデモが役立つことを願っています。また、こちらのウェブサイトも用意していますので、詳細を確認して、すぐに AR 体験の構築を始めることができます。
Reviewed by Hak Matsuda - Developer Relations Team
数週間前に開催された Google I/O で、Google の AR 開発プラットフォームである ARCore のメジャー アップデートが発表されました。Cloud Anchors などの新しい API が追加されたことで、マルチユーザーに対応した協調動作する AR 体験、2D 画像をアクティブ化して 3D オブジェクトにする Augmented Images などが実現します。これらすべてのアップデートによって、既存の AR の使用方法が変わり、デベロッパーはより魅力的で没入感の高い AR アプリを作成できるようになります。
Google は、これらの新しい機能を使用して、プラットフォームをテストすることにしました。実際の体験を構築して、これらの機能をどのように活用できるのかを紹介しました。すべてのデモは、I/O AR & VR サンドボックス デモエリアで展示されました。これらのデモはオープンソース化していますので、このような体験の構築が簡単であることを確認していただけます。とても満足できるデモに仕上がったので、舞台裏で獲得できた知見とインサイトを共有したいと考えています。
Light Board - マルチプレーヤー型ゲーム
Light Board はマルチプレーヤー型の卓上 AR ゲームで、2 人のプレーヤーが浮遊しているゲームボード上で色付きの物体を相互に発射します。
Light Board を作成しているときは、対象とするエンドユーザーを常に念頭に置くことが重要でした。I/O デモエリアを訪れたデベロッパーが試せる、シンプルで楽しいゲームにしたいと考えていました。デモエリアを通るデベロッパーがプレイできるのはほんの数分なので、プレーヤー(ゲーマー以外も)が気軽に手にして、簡単な少しの設定でプレイできるようにする必要がありました。
Light Board では、アートワークに重点を置きました。ゲームの外観を I/O 2018 のデザインと装飾様式に合致させる必要がありました。そうすることで、アプリが会場の景色の延長上にあるかのように見えます。それを踏まえて、私たちのデザイン上の指針には、明るいアクセント色、シンプルな形状のグラフィック、自然な物理的マテリアルという 3 つの目標がありました。
Light Board ゲームボードの主要なアートワーク
このアートワークは、Maya と Cinema 4D で作成しました。また、Substance Painter を使用して、物理学に基づいてモデルのマテリアルを作成しました。エンジニアリングの場合と同じように、アートアセットを作成するときも試行錯誤が非常に重要です。これを念頭に置いて、この比較的シンプルなプロジェクトの場合も、コンテンツ パイプラインを注意深く作成しました。これにより、最終的なデザインを決定する前に、さまざまな外観とボードスタイルをすばやく試すことができました。
エンジニアリングの観点から、Unity ゲームエンジンを開発環境として選択しました。Unity により、いくつかの重要なメリットがもたらされます。第 1 に、すばらしい外観の 3D グラフィックをすばやく作成できます。第 2 に、エンジンのコンポーネントが既に完成しているため、ゲームプレイ コードの試行錯誤をすぐに開始することができました。アートワークの場合と同様に、最終決定を下す前に、ゲームプレイのオプションをテストすることができました。また、Unity では、ほんの少し手間をかければ、Android と iOS の両方がサポートされます。
また、マルチプレーヤー型ゲームの側面を処理するために Firebase Realtime Database を使用しました。このイベントでのネットワーク パフォーマンスについて懸念していましたが、データベースの持続的な特性により、不安定なネットワークへの耐性が向上すると考えました。結果として、ゲームは非常にうまく機能し、ゲームを終了してからも無料でゲームに再参加できる機能を搭載できました。
私たちは Light Board の作成を大いに楽しむことができました。AR アプリのビルドだけでなく、Cloud Anchors などのすばらしい機能を簡単に使用できる例として、Light Board を活用していただきたいと考えています。オープンソース レポジトリにアクセスして、Light Board をお試しください。
Just a line - 友人と一緒に描画
3 月に、スマートフォンを使って空間に描画できる Android アプリである Just a Line を発表しました。このアプリは、ARCore の能力を示す実験として作成されました。Google I/O では、このアプリに Cloud Anchors を追加して、一方のユーザーが Android を、もう一方のユーザーが iOS を使用している場合でも、2 人のユーザーが同じ場所で同時に描画できるようにしました。
両方のアプリはネイティブでビルドされています。Android バージョンは Android Studio で記述され、iOS バージョンは xCode でビルドされています。ARCore の Cloud Anchors を使用すると、Just a Line で 2 つのスマートフォンをペア設定して、ユーザーが共有空間で同時に描画できるようになります。ペア設定は Android 端末および iOS 端末で機能し、描画は、Firebase Realtime Database を介してリアルタイムで同期されます。iOS 向けのオープンソース コードはこちらに、Android 向けのオープンソース コードはこちらにあります。
Illusive Images - 命を吹き込まれた美術展
「Illusive Images」のデモは、3 つのアートワークで構成される拡張画廊です。各アートワークでは、拡張画像に関する別々のユースケースとユーザー エクスペリエンスを紹介しています。鑑賞者が左右に移動したり、オブジェクトの周りを歩いたり、特定の方向から見たときに、2D アートワークが 3D に変容し、物理的な額から飛び出したアートワークの空間に入り込むことができます。
拡張画像の視覚的デザインの特性のため、さまざまなレベルの機能を使ってデータベースを作成する実験を何回も行いました。最適な結果を得るために、アートワークのキャンバスのサイズを変更して、反復処理をすばやく行いました。また、輝度とコントラストのレベルを変更したり、増大したりしました。これらのバリエーションにより、デザインの意図を損なっていない最適化された画像の作成が可能になりました。
このアプリは Unity と ARCore を使ってビルドされおり、その大部分のアセットは Cinema 4D で作成されました。Mograph アニメーションは fbx として Unity にインポートされ、アートワークに相対した鑑賞者の位置によって完全に駆動されます。プロジェクトの例はこちらにあります。
デベロッパーが簡単に開発できるように、チームが作成したすべてのデモをオープンソース化しています。これらのデモが役立つことを願っています。また、こちらのウェブサイトも用意していますので、詳細を確認して、すぐに AR 体験の構築を始めることができます。
Reviewed by Hak Matsuda - Developer Relations Team