以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
<半導体装置の構造について>
本実施の形態および以下の実施の形態の半導体装置は、不揮発性メモリ(不揮発性記憶素子、フラッシュメモリ、不揮発性半導体記憶装置)を備えた半導体装置である。本実施の形態および以下の実施の形態では、不揮発性メモリは、nチャネル型MISFET(MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を基本としたメモリセルをもとに説明を行う。また、本実施の形態および以下の実施の形態での極性(書込・消去・読出時の印加電圧の極性やキャリアの極性)は、nチャネル型MISFETを基本としたメモリセルの場合の動作を説明するためのものであり、pチャネル型MISFETを基本とする場合は、印加電位やキャリアの導電型等の全ての極性を反転させることで、原理的には同じ動作を得ることができる。
本実施の形態の半導体装置の構造について、図1〜図5を参照して説明する。図1は、本実施の形態の半導体装置の要部平面図であり、図2は、本実施の形態の半導体装置の要部斜視図であり、図3〜図5は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。図1には、不揮発性メモリのメモリセルが複数、アレイ状に形成されたメモリ領域(メモリセルアレイ領域)の一部が示されている。図2には、メモリセル領域に形成された複数のメモリセルのうちの1つのメモリセルの斜視図が模式的に示されている。また、図3は、図1のA−A線の断面図にほぼ対応し、図4は、図1のB−B線の断面図にほぼ対応し、図5は、図1のC−C線の断面図にほぼ対応している。なお、上記図3〜図5では、後述の絶縁膜IL3は、図示を省略している。
図1〜図5に示されるように、半導体装置のメモリ領域には、複数のメモリセルMCが、アレイ状に配置されている。なお、半導体装置において、複数のメモリセルMCがアレイ状に配置されている領域(平面領域)を、メモリ領域と称することとする。
メモリ領域には、それぞれX方向に延在する複数のフィン(突出部)FAが、Y方向に等間隔に並んで配置されている。なお、X方向およびY方向は、半導体基板SBの主面に沿う方向であるが、X方向とY方向とは、互いに交差する方向であり、より特定的には、互いに直交する方向である。図示しないが、フィンFAは、メモリ領域の端部において終端しており、X方向において両端を有する。
各フィンFAは、例えば、半導体基板SBの主面から選択的に突出した直方体の突出部(凸部)であり、壁状(板上)の形状を有している。フィンFAは、半導体基板SBの一部であり、半導体基板SBの活性領域として機能する。平面視において、Y方向に隣り合うフィンFA同士の間は、素子分離膜(素子分離領域)STで埋まっており、フィンFAの周囲は、素子分離膜STで囲まれている。フィンFAは、メモリセルMCを形成するための活性領域である。半導体基板SBは、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる。
但し、各フィンFAの一部(上部)は、素子分離膜STの上面よりも高い位置にある。このため、各フィンFAの下部は、平面視において、半導体基板SBの主面を覆う素子分離膜STで囲まれているが、各フィンFAの一部(上部)は、素子分離膜STよりも上に突出している。つまり、隣り合うフィンFA同士の間の全ての領域が素子分離膜STにより埋め込まれているわけではなく、各フィンFAは、下部が、素子分離膜STに埋め込まれた(囲まれた)状態になっているが、各フィンFAの上部は、素子分離膜STの上面よりも上に突出しており、素子分離膜STで囲まれてはいない。各フィンFAは、半導体基板SBの一部からなるため、素子分離膜STの下に存在する半導体基板SBと一体的に繋がっている。
また、メモリ領域には、それぞれY方向に延在する複数の制御ゲート電極CGおよび複数のメモリゲート電極MGが配置されている。すなわち、複数のフィンFA上には、Y方向に延在する複数の制御ゲート電極CGおよび複数のメモリゲート電極MGが配置されている。各制御ゲート電極CGおよび各メモリゲート電極MGは、複数のフィンFA上と、フィンFA間の素子分離膜ST上とを、Y方向に延在している。このため、平面視においては、各制御ゲート電極CGおよび各メモリゲート電極MGは、X方向に延在する複数のフィンFAと交差するように、Y方向に延在している。
制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは、互いに隣り合った状態で、Y方向に延在している。但し、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間には絶縁膜MZ,HKが介在しているため、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは接していない。また、フィンFAと制御ゲート電極CGとは、接触してはおらず、フィンFAと制御ゲート電極CGとの間には、絶縁膜GF,HKが介在している。また、フィンFAとメモリゲート電極MGとは、接触してはおらず、フィンFAとメモリゲート電極MGとの間には、絶縁膜MZが介在している。絶縁膜GF,HKは、制御トランジスタのゲート絶縁膜用の絶縁膜であり、絶縁膜MZは、メモリトランジスタのゲート絶縁膜用の絶縁膜である。
各フィンFAには、互いに隣り合ってY方向に延在する制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGをX方向に挟むように、制御ゲート電極CG側にドレイン用の半導体領域MDが形成され、メモリゲート電極MG側にソース用の半導体領域MSが形成されている。すなわち、X方向において、互いに隣り合う1つの制御ゲート電極CGおよび1つのメモリゲート電極MGは、半導体領域MSと半導体領域MDとの間に位置している。半導体領域MDおよび半導体領域MSは、フィンFA内に形成されたn型の半導体領域である。各半導体領域MDは、X方向においてその半導体領域MDを間に挟んで隣り合う2つの制御ゲート電極CG同士の間に形成されている。また、半導体領域MSは、X方向においてその半導体領域MSを間に挟んで隣り合う2つのメモリゲート電極MG同士の間に形成されている。
各メモリセルMCは、X方向に延在するフィンFAと、互いに隣り合ってY方向に延在する制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGとの、各交点に形成される。各メモリセルMCは、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、半導体領域MDおよび半導体領域MSを有する。
X方向に隣り合う2つのメモリセルMCは、半導体領域MDまたは半導体領域MSを共有している。半導体領域MDを共有する2つのメモリセルMCは、半導体領域MDに対して、X方向に鏡面対称となっており、半導体領域MSを共有する2つのメモリセルMCは、半導体領域MSに対して、X方向に鏡面対称となっている。また、Y方向に配列する複数のメモリセルMCの制御ゲート電極CGは、Y方向に延在する1本の制御ゲート電極CGにより形成され、また、Y方向に配列する複数のメモリセルMCのメモリゲート電極MGは、Y方向に延在する1本の制御ゲート電極CGにより形成される。
各フィンFAには、X方向に、複数のメモリセルMCが形成されており、X方向に配列された複数のメモリセルMCの半導体領域MDは、層間絶縁膜IL1,IL2を貫通するコンタクトホール内に形成されたプラグ(コンタクトプラグ)PGを介して、X方向に延在する配線からなるソース線SLに電気的に接続されている。また、Y方向に配列された複数のメモリセルMCの半導体領域MSは、層間絶縁膜IL1,IL2を貫通するコンタクトホール内に形成されたプラグPGを介して、Y方向に延在する配線からなるビット線BLに電気的に接続されている。ソース線SLには、ビット線BLとは異なる層の配線を用いることもでき、例えば、ソース線SLは、ビット線BLよりも上層の配線で構成することもできる。
フィンFAは、半導体基板SBの主面から、主面に対して垂直な方向に突出する、例えば直方体の突出部である。フィンFAは、長辺方向(X方向)に任意の長さ、短辺方向(Y方向)に任意の幅、高さ方向に任意の高さを有する。フィンFAは、必ずしも直方体である必要はなく、短辺方向における断面視にて、長方形の角部が丸みを帯びていてもよい。また、各フィンFAの側面は、半導体基板SBの主面に対して垂直であってもよいが、垂直に近い傾斜角度を有していてもよい。つまり、各フィンFAの断面形状は、直方体であっても、台形であってもよい。また、平面視でフィンFAが延在する方向が各フィンFAの長辺方向であり、長辺方向に直交する方向が各フィンFAの短辺方向である。つまり、フィンFAの長さ(X方向の寸法)は、フィンFAの幅(Y方向の寸法)よりも大きい。また、フィンFAは、長さ、幅、および、高さを有する突出部であれば、その形状は問わない。例えば、フィンFAは、平面視で、蛇行するパターンであってもよい。
図2では、層間絶縁膜IL1,IL2および配線(ソース線SLおよびビット線BL)の図示を省略している。メモリ領域の半導体基板SBを構成するフィンFAの上部にはメモリセルMCが形成されている。図2にも示されるように、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、フィンFAを跨ぐようにY方向に延在している。
次に、図3〜図5を参照して、メモリセルMCの構造について、更に説明する。
1つのフィンFA上には複数のメモリセルMCがX方向に並んで形成されているが、図3では、1つのメモリセルMCが示されている。
メモリ領域の半導体基板SBには、半導体基板SBの突出部であるフィンFAが形成されている。フィンFAの下部は、半導体基板SBの主面上に形成された素子分離膜STで囲まれている。つまり、フィンFA間は、素子分離膜STで分離されている。フィンFAは、半導体基板SBの主面から、局所的に上方に突出している。
フィンFA内には、フィンFAの上面から下部に亘ってp型半導体領域であるp型ウエルPWが形成されている。言い換えると、フィンFAは、半導体基板SBのp型ウエルPW内に形成されている。半導体領域MD,MSは、フィンFA内に形成されているため、p型ウエルPW内に形成されていることになる。
フィンFAの上面上および側面上には、絶縁膜GFを介して制御ゲート電極CGが形成されており、フィンFAの長辺方向(X方向)において、制御ゲート電極CGに隣り合う領域には、絶縁膜MZを介してメモリゲート電極MGが形成されている。制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間には、絶縁膜MZが介在しており、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間は、絶縁膜MZで電気的に分離されている。また、メモリゲート電極MGとフィンFAの上面および側面との間には、絶縁膜MZが介在している。絶縁膜MZは、メモリゲート電極MGとフィンFA(の上面および側面)との間の領域と、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の領域との、両領域にわたって連続的に延在している。
絶縁膜GFは、シリコンからなる半導体基板SBの突出部であるフィンFAの上面および側面を熱酸化して形成した酸化シリコン膜(熱酸化膜)であり、制御ゲート電極CGとフィンFAの表面(上面および側面)との間に形成されている。また、絶縁膜MZは、絶縁膜(酸化シリコン膜)MZ1と、絶縁膜MZ1上に形成された絶縁膜(窒化シリコン膜)MZ2と、絶縁膜MZ2上に形成された絶縁膜(酸化シリコン膜)MZ3との積層膜からなる。このうち、絶縁膜MZ1は、シリコンからなる半導体基板SBの突出部であるフィンFAの上面および側面を熱酸化して形成した酸化シリコン膜(熱酸化膜)からなる。また、絶縁膜MZ2は、窒化シリコン膜からなり、絶縁膜MZ3は、酸化シリコン膜からなる。
また、後述の図28のように高誘電率絶縁膜からなる絶縁膜HKを形成した場合には、制御ゲート電極CGの下面および側面に接するように絶縁膜HKが形成されている。この場合は、制御ゲート電極CGとフィンFAの表面(上面および側面)との間には、絶縁膜GFと絶縁膜GF上の絶縁膜HKとの積層膜が介在し、絶縁膜GFがフィンFAに接し、絶縁膜HKが制御ゲート電極CGに接している。また、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間には、絶縁膜HKと絶縁膜MZとの積層膜が介在し、絶縁膜HKが制御ゲート電極CGに接し、絶縁膜MZがメモリゲート電極MGに接している。この場合は、メモリゲート電極MGは、絶縁膜HKと絶縁膜MZとの積層膜を介して、制御ゲート電極CGと隣り合っている。また、制御ゲート電極CGとサイドウォールスペーサSWとの間には、絶縁膜HKが介在し、また、制御ゲート電極CGと素子分離膜との間には、絶縁膜HKが介在している。制御ゲート電極CGとフィンFAとの間に介在する絶縁膜GFと絶縁膜HKとの積層膜が、制御ゲート電極CG(制御トランジスタ)のゲート絶縁膜として機能する。
絶縁膜MZは、メモリゲート電極MG(メモリトランジスタ)のゲート絶縁膜として機能し、電荷保持(電荷蓄積)機能を有する。すなわち、絶縁膜MZ2は、メモリセルMCの電荷蓄積部(電荷蓄積層)であり、絶縁膜MZは、電荷蓄積部(電気蓄積層)を有する絶縁膜である。絶縁膜MZは、電荷保持機能が必要であるため、電荷蓄積層(ここでは絶縁膜MZ2)を電荷ブロック層(ここでは絶縁膜MZ1,MZ3)で挟んだ構造を有しており、電荷蓄積層(ここでは絶縁膜MZ2)のポテンシャル障壁高さに比べ、電荷ブロック層(ここでは絶縁膜MZ1,MZ3)のポテンシャル障壁高さが高くなる。つまり、絶縁膜MZ2は、電荷蓄積機能を有する絶縁膜(トラップ性絶縁膜)であり、絶縁膜MZ1および絶縁膜MZ3のそれぞれのバンドギャップは、絶縁膜MZ2のバンドギャップよりも大きい。但し、絶縁膜MZのうち、ゲート絶縁膜として機能するのは、メモリゲート電極MGとフィンFAの表面(上面および側面)との間に介在する部分であり、絶縁膜MZのうち、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間に介在する部分は、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとを電気的に分離する絶縁膜として機能する。同様に、絶縁膜HKのうち、ゲート絶縁膜として機能するのは、制御電極CGとフィンFAの表面(上面および側面)との間に介在する部分であり、絶縁膜HKのうち、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間に介在する部分は、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとを電気的に分離する絶縁膜として機能する。
フィンFAの短辺方向(Y方向)において、制御ゲート電極CGは、フィンFAの上面および両側面に沿って延在し、更に、フィンFAを囲む(挟む)素子分離膜ST上に延在している。同様に、フィンFAの短辺方向(Y方向)において、メモリゲート電極MGは、フィンFAの上面および両側面に沿って延在し、更に、フィンFAを囲む(挟む)素子分離膜ST上に延在している。
また、素子分離膜STとメモリゲート電極MGとの間には、絶縁膜MZが介在している。但し、素子分離膜ST上には熱酸化膜は形成されないため、絶縁膜MZ1を熱酸化法で形成した場合には、素子分離膜STとメモリゲート電極MGとの間に介在する絶縁膜MZは、絶縁膜MZ1は有しておらず、素子分離膜ST上の絶縁膜(窒化シリコン膜)MZ2と絶縁膜MZ2上の絶縁膜(酸化シリコン膜)MZ3との積層膜からなる。
制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの側面(絶縁膜MZを介して隣り合う側とは反対側の側面)上には、絶縁膜からなるサイドウォールスペーサ(サイドウォール、側壁絶縁膜)SWが形成されている。制御ゲート電極CGの側面上のサイドウォールスペーサSWは、制御ゲート電極CGに沿って延在し、メモリゲート電極MGの側面上のサイドウォールスペーサSWは、メモリゲート電極MGに沿って延在している。サイドウォールスペーサSWの隣には、層間絶縁膜IL1が形成されている。層間絶縁膜IL1は、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよびサイドウォールスペーサSWからなる構造体が形成されていない領域におけるフィンFAおよび素子分離膜ST上に形成されている。層間絶縁膜IL1の上面は、平坦化されている。
制御ゲート電極CGは、いわゆるメタルゲート電極であり、金属膜(金属伝導を示す導電膜)からなる。メモリゲート電極MGは、いわゆるシリコンゲート電極であり、シリコン膜(ポリシリコン膜)からなる。メモリゲート電極MGの上部には、金属シリサイド層SC2が形成されている。
本実施の形態では、メモリゲート電極MGは、p型の不純物が導入されたp型のシリコン膜からなり、より特定的には、p型のポリシリコン膜からなる。
ここで、「半導体がn型の導電性を示す」、「半導体の導電型がn型である」および「n型の半導体」とは、その半導体における多数キャリアが電子であることを意味する。また、「半導体がp型の導電性を示す」、「半導体の導電型がp型である」および「p型の半導体」とは、その半導体における多数キャリアが正孔であることを意味する。
制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを挟むように、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの外側には、ドレイン用の半導体領域MDおよびソース用の半導体領域MSが設けられている。一対の制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGを挟む半導体領域MD,MSのうち、半導体領域MDが制御ゲート電極CG側に位置し、半導体領域MSがメモリゲート電極MG側に位置する。半導体領域MSは、n−型半導体領域(エクステンション領域)EX1とそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域SD1とを有し、また、半導体領域MDは、n−型半導体領域(エクステンション領域)EX2とそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域SD2とを有している。このため、半導体領域MSおよび半導体領域MDは、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。
フィンFAにおいて、n−型半導体領域EX1,EX2は、それぞれサイドウォールスペーサSWの下方に形成されている。すなわち、フィンFAにおいて、n−型半導体領域EX1は、メモリトランジスタのチャネル領域(フィンFAにおけるメモリゲート電極MGの直下の領域)に隣接し、また、n−型半導体領域EX2は、制御トランジスタのチャネル領域(フィンFAにおける制御ゲート電極CGの直下の領域)に隣接している。フィンFAにおいて、n+型半導体領域SD1は、n−型半導体領域EX1に隣接(X方向に隣接)する位置に形成され、また、n+型半導体領域SD2は、n−型半導体領域EX2に隣接(X方向に隣接)する位置に形成されている。
n+型半導体領域SD1の表層部とn+型半導体領域SD2の表層部とには、金属シリサイド層SC1が形成されている。すなわち、n+型半導体領域SD1が形成されている領域におけるフィンFAの上面および側面と、n+型半導体領域SD2が形成されている領域におけるフィンFAの上面および側面とに、金属シリサイド層SC1が形成されている。
制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、サイドウォールスペーサSW、半導体領域MS、半導体領域MD、金属シリサイド層SC1および金属シリサイド層SC2を覆うように、層間絶縁膜IL1上に層間絶縁膜IL2が形成されている。層間絶縁膜IL2の上面は、平坦化されている。層間絶縁膜IL2上には、配線M1が形成され、配線M1は、層間絶縁膜IL2,IL1を貫通するコンタクトホール内に設けられたプラグPGを介して、半導体領域MSまたは半導体領域MDなどに電気的に接続されている。なお、制御ゲート電極CGの給電領域(図示せず)では、制御ゲート電極CGにプラグが接続され、メモリゲート電極MGの給電領域(図示せず)では、メモリゲート電極MGにプラグが接続されている。
メモリセルMCは、スプリットゲート型のメモリセルであり、制御ゲート電極(選択ゲート電極)CGを有する制御トランジスタ(選択トランジスタ)とメモリゲート電極MGを有するメモリトランジスタとの2つのMISFETを接続したものである。
ここで、電荷蓄積部を含むゲート絶縁膜(ここでは絶縁膜MZ)およびメモリゲート電極MGを備えるMISFETをメモリトランジスタといい、また、ゲート絶縁膜(ここでは絶縁膜GF,HK)および制御ゲート電極CGを備えるMISFETを制御トランジスタという。なお、制御トランジスタは、メモリセル選択用トランジスタであるため、選択トランジスタとみなすこともできる。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、不揮発性メモリのメモリセルを構成するゲート電極である。また、一対の半導体領域MD,MSは、メモリトランジスタ用のソース・ドレイン領域(ソースまたはドレイン領域)と、制御トランジスタ用のソース・ドレイン領域とを兼ねている。
フィンFAの長辺方向(X方向)における半導体領域MDと半導体領域MSとの間の距離が、メモリセルMCのチャネル長に相当し、フィンFAの短辺方向(Y方向)における制御ゲート電極CGまたはメモリゲート電極MGがフィンFAの上面および側面と対向する(重なる)領域が、メモリセルMCのチャネル幅に相当する。制御トランジスタおよびメモリトランジスタは、フィンFAの表面(上面および側面)をチャネルとして利用するFINFETである。
<半導体装置の製造工程>
本実施の形態の半導体装置の製造方法を、図面を参照して説明する。
図6〜図34は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。図6〜図34のうち、図6〜図10には、上記図4に相当する断面(上記図1のB−B線に相当する位置での断面)が示されている。なお、図6〜図10の各工程段階では、上記図1のB−B線に相当する位置での断面と、上記図1のC−C線に相当する位置での断面とは、互いに同じである。また、図11〜図34のそれぞれにおいては、各図の左から順に、上記図3に相当する断面(上記図1のA−A線に相当する位置での断面)と、上記図4に相当する断面(上記図1のB−B線に相当する位置での断面)と、上記図5に相当する断面(上記図1のC−C線に相当する位置での断面)とが示されている。
半導体装置を製造するには、図6に示されるように、まず、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)SBを用意(準備)する。
次に、半導体基板SBの主面上に、絶縁膜ZF1、絶縁膜ZF2および半導体膜SM1を順に形成する。絶縁膜ZF1は、例えば酸化シリコン膜からなり、例えば酸化法またはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法を用いて形成することができる。絶縁膜ZF2は、例えば窒化シリコン膜からなり、例えばCVD法を用いて形成することができる。半導体膜SM1は、例えばシリコン膜(ポリシリコン膜)からなり、例えばCVD法を用いて形成することができる。この段階では、半導体基板SBの主面全面上に、絶縁膜ZF1とその上の絶縁膜ZF2とその上の半導体膜SM1との積層膜が形成された状態になっている。
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、半導体膜SM1をパターニング(加工)する。この際、絶縁膜ZF2は、エッチングストッパとして機能する。パターニングされた半導体膜SM1により、図7に示されるように、半導体膜パターンSM1aが形成される。これにより、絶縁膜ZF2上には、それぞれX方向に延在する複数の半導体膜パターンSM1aが、Y方向に並んだ状態になる。図7は、半導体膜パターンSM1aの短手方向(Y方向)に沿う断面図であるため、各半導体膜パターンSM1aは、図7の紙面に略垂直な方向(すなわちX方向)に延在している。ここで形成した半導体膜パターンSM1aの幅(Y方向の幅)によって、後で形成されるフィンFAの間隔(Y方向の間隔)を決めることができる。
次に、複数の半導体膜パターンSM1aのそれぞれの側面上に、ハードマスクHM1を形成する。図7には、この段階が示されている。ハードマスクHM1は、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、絶縁膜ZF2上に、複数の半導体膜パターンSM1aを覆うように、ハードマスクHM1形成用の絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)をCVD法などを用いて形成してから、この絶縁膜を異方性ドライエッチング技術によりエッチバックする。これにより、複数の半導体膜パターンSM1aのそれぞれの側面上に、ハードマスクHM1形成用の絶縁膜がサイドウォールスペーサ状に選択的に残存して、ハードマスクHM1が形成される。この際、半導体膜パターンSM1aの上面は露出され、また、絶縁膜ZF2は、ハードマスクHM1とは異なる材料からなるため、エッチングストッパとして機能する。ハードマスクHM1は、隣り合う半導体膜パターンSM1a同士の間を完全に埋め込んではいない。ハードマスクHM1は、平面視において各半導体膜パターンSM1aを囲むように環状に形成される。
次に、図8に示されるように、ウェットエッチング技術を用いて半導体膜パターンSM1aを選択的に除去する。この際、ハードマスクHM1と絶縁膜ZF2とは、エッチングされずにそのまま残存する。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることで、ハードマスクHM1の一部を除去する。すなわち、ハードマスクHM1のうち、X方向に延在する部分を残し、その他の部分、つまり、Y方向に延在する部分を除去する。これにより、ハードマスクHM1は環状構造ではなくなり、X方向に延在するパターンのみとなる。すなわち、絶縁膜ZF2上には、X方向に延在するパターンであるハードマスクHM1が、Y方向に複数並んで配置される。
次に、図9に示されるように、ハードマスクHM1をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜ZF2、絶縁膜ZF1および半導体基板SBに対して異方性ドライエッチングを行う。この際、ハードマスクHM1で覆われずに露出する部分の絶縁膜ZF2、絶縁膜ZF1および半導体基板SBを順にエッチングして除去するが、半導体基板SBについては、厚みの途中までエッチングを行う。これにより、絶縁膜ZF2、絶縁膜ZF1および半導体基板SBが、ハードマスクHM1と同じ平面形状を有するように加工(パターニング)され、ハードマスクHM1の直下に、フィンFAが形成される。フィンFAは、半導体基板SBの一部からなり、板状(壁状)に加工された半導体基板SBからなるパターンである。例えば、ハードマスクHM1で覆われずに露出した領域の半導体基板SBの主面を100〜250nm掘り下げることで、半導体基板SBの主面からの高さ100〜250nmを有するフィンFAを形成することができる。この段階では、フィンFA上には、絶縁膜ZF1、絶縁膜ZF2およびハードマスクHM1が残存している。
このようにして、半導体基板SBの上面には、半導体基板SBの一部からなり、半導体基板SBの上面に沿うX方向に延在する複数のフィン(突出部)FAが形成される。
次に、図10に示されるように、半導体基板SB上に、フィンFAと絶縁膜ZF1と絶縁膜ZF2とハードマスクHM1とからなるパターンを覆い、かつ該パターン間を埋めるように、酸化シリコン膜などからなる絶縁膜ZF3をCVD法などを用いて堆積する。それから、この絶縁膜ZF3に対してCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法による研磨処理を行うことで、絶縁膜ZF2の上面を露出させる。これにより、この絶縁膜ZF3からなる素子分離膜STが形成される。この際の研磨処理により、ハードマスクHM1は除去される。図10には、この段階が示されている。なお、絶縁膜ZF3を形成する前にハードマスクHM1を除去しておき、その後、絶縁膜ZF3の堆積と研磨処理とを行うこともできる。素子分離膜STは、平坦な上面を有している。また、この段階では、素子分離膜STの平坦な上面の高さ位置は、絶縁膜ZF2の上面の高さ位置とほぼ同じである。
次に、図11に示されるように、絶縁膜ZF2および絶縁膜ZF1をエッチングなどにより除去する。
次に、素子分離膜STをエッチングして、素子分離膜STの上面の高さを低くする。すなわち、素子分離膜STに対してエッチング処理を施すことで、素子分離膜STの上面を後退(下降)させる。この際、素子分離膜STの上面は、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向において後退(下降)し、素子分離膜STの上面の高さ位置は、フィンFAの上面の高さ位置よりも低くなる。これにより、フィンFAの側面の一部(上部)は、素子分離膜STの上面から上方に突出した状態になり、フィンFAの側面の一部(上部)と上面全体とが露出される。図11には、この段階が示されている。この段階では、半導体基板SBの主面上に素子分離膜STが形成され、素子分離膜STからフィンFAが突出した状態になっている。なお、この段階でも、素子分離膜STの上面は、平坦である。
このようにして、半導体基板SB上に、各フィンFAを囲むように、素子分離膜STが形成される。各フィンFAは、一部が素子分離膜STの上面から突出している。
次に、図12に示されるように、イオン注入法を用いて半導体基板SBにp型の不純物(例えばホウ素(B))を導入することにより、p型ウエル(p型半導体領域)PWを形成する。p型ウエルPWは、フィンFA内の全体およびフィンFAの下の半導体基板SBの一部に広がって形成される。
次に、各フィンFAの露出部の表面に、熱酸化法などを用いて絶縁膜GFを形成する。すなわち、各フィンFAの上面と側面(素子分離膜STで覆われない部分の側面)とに、絶縁膜GFを形成する。これにより、素子分離膜STから突出する部分のフィンFAは、絶縁膜GFで覆われた状態になる。絶縁膜GFは、酸化シリコン膜からなり、例えば2nm程度の膜厚を有している。絶縁膜GFは、制御トランジスタのゲート絶縁膜用の絶縁膜である。
次に、図13に示されるように、半導体基板SBの主面上に、すなわち、素子分離膜ST上に、フィンFAおよび絶縁膜GFを覆うように、シリコン膜PS1を形成(堆積)する。
シリコン膜PS1は、多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜)からなり、CVD法などを用いて形成することができる。シリコン膜PS1の膜厚(堆積膜厚)は、例えば100〜200nm程度とすることができる。成膜時はシリコン膜PS1をアモルファスシリコン膜として形成してから、その後の熱処理で、アモルファスシリコン膜からなるシリコン膜PS1を、多結晶シリコン膜からなるシリコン膜PS1に変えることもでき、これは、後述のシリコン膜PS2,PS2a,PS2bについても同様である。
次に、CMP法などによりシリコン膜PS1を研磨処理することで、シリコン膜PS1の上面を平坦化する。シリコン膜PS1を研磨処理しても、フィンFA、絶縁膜GFおよび素子分離膜STは露出されず、フィンFAの上方には、シリコン膜PS1が残存している。
次に、シリコン膜PS1に、n型の不純物(例えばリン(P)またはヒ素(As))をイオン注入法などを用いて導入する。その後、半導体基板SBに対して熱処理(アニール処理)を必要に応じて施すことで、シリコン膜PS1に導入した不純物を拡散させることもできる。
また、ここでは、シリコン膜PS1の成膜後にイオン注入でシリコン膜PS1中にn型不純物を導入する場合について説明したが、他の形態として、シリコン膜PS1の成膜時にシリコン膜PS1にn型不純物を導入することもできる。シリコン膜PS1の成膜時にn型不純物を導入する場合には、シリコン膜PS1の成膜用のガスにドーピングガス(n型不純物添加用のガス)を含ませることで、n型不純物が導入されたシリコン膜PS1を成膜することができる。シリコン膜PS1の成膜時にn型不純物を導入した場合には、シリコン膜PS1へのn型不純物のイオン注入を省略することができる。また、シリコン膜PS1の成膜後にイオン注入でシリコン膜PS1中にn型不純物を導入する場合には、シリコン膜PS1の成膜時には、ノンドープのシリコン膜を成膜することができる。
いずれにしても、この段階では、シリコン膜PS1は、n型不純物が導入されたn型のシリコン膜(ドープトポリシリコン膜)である。
次に、シリコン膜PS1上に、すなわちシリコン膜PS1の平坦な上面上に、絶縁膜ZF4を形成する。絶縁膜ZF4は、例えば窒化シリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。絶縁膜ZF4の膜厚(堆積膜厚)は、例えば50〜100nm程度とすることができる。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて絶縁膜ZF4上にフォトレジストパターンを形成してから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、絶縁膜ZF4およびシリコン膜PS1をエッチングする。これにより、図14に示されるように、シリコン膜PS1と絶縁膜ZF4とからなる積層膜がパターニングされて、ダミー制御ゲート電極DGとその上のキャップ絶縁膜CP1とからなる積層体(積層構造体)LM1が形成される。ダミー制御ゲート電極DGは、パターニングされたシリコン膜PS1からなり、キャップ絶縁膜CP1は、パターニングされた絶縁膜ZF4からなる。キャップ絶縁膜CP1は、ダミー制御ゲート電極DGと同じ平面形状を有している。その後、フォトレジストパターンは除去する。
ダミー制御ゲート電極DGは、ダミーのゲート電極(擬似的なゲート電極)であり、後で制御ゲート電極CGに置き換えられる。このため、ダミー制御ゲート電極DGは、製造後の半導体装置で使用されるゲート電極ではない。
積層体LM1は、Y方向に延在しており、Y方向に延在する積層体LM1が、X方向に複数配置(配列)されている。平面視においては、各積層体LM1は、X方向に延在する複数のフィンFAと交差するように、Y方向に延在している。各積層体LM1は、複数のフィンFA上と、フィンFA間の素子分離膜ST上とを、Y方向に延在している。積層体LM1の形成位置は、後で制御ゲート電極CGが形成される位置と一致している。
積層体LM1が形成されると、積層体LM1で覆われない部分のフィンFAおよび素子分離膜STが露出される。すなわち、積層体LM1で覆われない部分では、フィンFAの表面(上面および側面)と素子分離膜STの上面とが露出される。積層体LM1で覆われない部分のフィンFAの表面の絶縁膜GFは、積層体LM1を形成する際のドライエッチングや、その後のウェットエッチングなどにより除去され得る。
一方、積層体LM1で覆われた部分の絶縁膜GFは、エッチングされずに残存する。このため、積層体LM1とフィンFA(の上面および側面)との間には、絶縁膜GFが介在している。すなわち、積層体LM1を構成するダミー制御ゲート電極DGとフィンFA(の上面および側面)との間には、絶縁膜GFが介在している。また、絶縁膜GFを熱酸化法で形成した場合は、素子分離膜ST上には絶縁膜GFは形成されないため、積層体LM1(ダミー制御ゲート電極DG)と素子分離膜STとの間には絶縁膜GFは形成されておらず、積層体LM1は、素子分離膜ST上に直接的に形成されている。
次に、図15に示されるように、半導体基板SB上に、絶縁膜MZ1、絶縁膜MZ2および絶縁膜MZ3を順に形成することにより、絶縁膜MZを形成する。
絶縁膜MZ1は、酸化シリコン膜からなり、熱酸化法により形成することができる。絶縁膜MZ2は、窒化シリコン膜からなり、CVD法などにより形成することができる。絶縁膜MZ3は、酸化シリコン膜からなり、熱酸化法、CVD法、あるいはその組み合わせにより形成することができる。絶縁膜MZ1の膜厚は、例えば4nm程度であり、絶縁膜MZ2の膜厚は、例えば7nm程度であり、絶縁膜MZ3の膜厚は、例えば9nm程度である。絶縁膜MZ3として、酸化シリコン膜の代わりに酸窒化シリコン膜を用いることもできる。
絶縁膜MZは、積層体LM1で覆われない部分のフィンFAの表面(上面および側面)上と、積層体LM1で覆われない部分の素子分離膜STの上面上と、積層体LM1の表面(上面および側面)上とに、連続的に形成される。絶縁膜MZを形成すると、素子分離膜ST、フィンFAおよび積層体LM1が、絶縁膜MZで覆われた状態になる。
絶縁膜MZは、絶縁膜MZ1とその上の絶縁膜MZ2とその上の絶縁膜MZ3との積層膜からなる。すなわち、絶縁膜MZは、複数の絶縁膜が積層された積層絶縁膜である。
但し、絶縁膜MZ1を熱酸化法で形成した場合には、積層体LM1で覆われない部分のフィンFAの表面(上面および側面)には、絶縁膜MZ1が形成されるが、素子分離膜ST上には絶縁膜MZ1は形成されない。この場合は、素子分離膜ST上に形成された部分以外の絶縁膜MZは、絶縁膜MZ1とその上の絶縁膜MZ2とその上の絶縁膜MZ3との積層膜からなるが、素子分離膜ST上に形成された部分の絶縁膜MZは、絶縁膜MZ2とその上の絶縁膜MZ3との積層膜からなる。一方、絶縁膜MZ1をCVD法で形成した場合には、積層体LM1で覆われない部分の素子分離膜ST上にも絶縁膜MZ1が形成されるため、絶縁膜MZ全体が、絶縁膜MZ1とその上の絶縁膜MZ2とその上の絶縁膜MZ3との積層膜からなる。
次に、図15に示されるように、半導体基板SB上に、すなわち絶縁膜MZ上に、積層体LM1を覆うように、メモリゲート電極MG形成用の膜としてシリコン膜PS2を形成(堆積)する。シリコン膜PS2は、多結晶シリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。積層体LM1で覆われていない部分の素子分離膜ST上でのシリコン膜PS2の上面の高さ位置が、積層体LM1の上面の高さ位置よりも高くなるように、シリコン膜PS2の堆積膜厚を設定する。すなわち、シリコン膜PS2の堆積膜厚は、積層体LM1の高さよりも大きく、例えば200〜300nm程度とすることができる。
次に、図16に示されるように、CMP法などによりシリコン膜PS2を研磨処理することで、シリコン膜PS2の上面を平坦化する。シリコン膜PS2を成膜した段階では、シリコン膜PS2の上面には、積層体LM1やフィンFAを反映した凹凸が形成されているが、シリコン膜PS2の上面を研磨することで、シリコン膜PS2の上面は平坦化される。これにより、シリコン膜PS2は、平坦な上面を有した状態になる。
次に、図17に示されるように、シリコン膜PS2をエッチングして、シリコン膜PS2の上面の高さを低くする。すなわち、シリコン膜PS2に対してエッチング処理を施すことで、シリコン膜PS2の上面を後退(下降)させる。これにより、シリコン膜PS2の上面が、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向において後退(下降)し、シリコン膜PS2の上面の高さ位置は、積層体LM1の上面(すなわち積層体LM1を構成するキャップ絶縁膜CP1の上面)の高さ位置よりも低くなる。この段階で、シリコン膜PS2の上面の高さ位置が、積層体LM1を構成するダミー制御ゲート電極DGの上面の高さ位置と、ほぼ同じになっていれば、より好ましい。このため、積層体LM1の一部(キャップ絶縁膜CP1)とその表面上の絶縁膜MZとが、シリコン膜PS2の平坦な上面から上方に突出し、その突出する部分の積層体LM1の表面上の絶縁膜MZが露出された状態になっている。なお、この段階でも、シリコン膜PS2の上面は、平坦である。
次に、シリコン膜PS2に、p型の不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入法などを用いて導入する。その後、半導体基板SBに対して熱処理(アニール処理)を必要に応じて施すことで、シリコン膜PS2に導入した不純物を拡散させることもできる。
なお、シリコン膜PS2にp型不純物をイオン注入する際には、積層体LM1を構成するダミー制御ゲート電極DG中にはp型不純物が注入されないようにすることが好ましい。このため、シリコン膜PS2に対するp型不純物のイオン注入を行う際には、絶縁膜MZおよびキャップ絶縁膜CP1を突き抜けてダミー制御ゲート電極DG中にp型不純物が注入されてしまうような注入エネルギーは用いずに、絶縁膜MZおよびキャップ絶縁膜CP1で遮蔽されてダミー制御ゲート電極DG中にはp型不純物が注入されなくなるような注入エネルギーを用いることが好ましい。別の見方をすると、シリコン膜PS2にp型不純物をイオン注入する際に、キャップ絶縁膜CP1を突き抜けてダミー制御ゲート電極DG中にp型不純物が注入されないように、キャップ絶縁膜CP1の厚さを設定しておくことが好ましい。このため、イオン注入時に、シリコン膜PS2において比較的浅い位置(上面に近い位置)にp型不純物が注入される場合もあるが、そのような場合でも、イオン注入後に熱処理(アニール処理)を行うことで、シリコン膜PS2全体にp型不純物を拡散させることができる。また、シリコン膜PS2のエッチバック工程の後に、シリコン膜PS2にp型不純物をイオン注入することで、シリコン膜PS2中のp型不純物の濃度分布を均一にしやすくなる。
また、ここでは、シリコン膜PS2の成膜後にイオン注入でシリコン膜PS2中にp型不純物を導入する場合について説明したが、他の形態として、シリコン膜PS2の成膜時にシリコン膜PS2にp型不純物を導入することもできる。シリコン膜PS2の成膜時にp型不純物を導入する場合には、シリコン膜PS2の成膜用のガスにドーピングガス(p型不純物添加用のガス)を含ませることで、p型不純物が導入されたシリコン膜PS2を成膜することができる。シリコン膜PS2の成膜時にp型不純物を導入した場合には、シリコン膜PS2へのp型不純物のイオン注入を省略することができる。シリコン膜PS2の成膜後にイオン注入でシリコン膜PS2中にp型不純物を導入する場合には、シリコン膜PS2の成膜時には、ノンドープのシリコン膜を成膜することができる。
いずれにしても、この段階では、シリコン膜PS2は、p型不純物が導入されたp型のシリコン膜(ドープトポリシリコン膜)である。一方、ダミー制御ゲート電極DGは、n型不純物が導入されたn型のシリコン膜(ドープトポリシリコン膜)からなる。
次に、図18に示されるように、半導体基板SB上に、すなわちシリコン膜PS2上に、シリコン膜PS2の平坦な上面から突出する部分の積層体LM1および絶縁膜MZを覆うように、絶縁膜ZF5を形成する。絶縁膜ZF5は、後述のキャップ絶縁膜CP2を形成するための絶縁膜であり、例えば窒化シリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。絶縁膜ZF5は、シリコン膜PS2の上面上と、シリコン膜PS2の上面から突出する部分の積層体LM1の表面上の絶縁膜MZ上とに、形成される。
次に、図19に示されるように、異方性エッチング技術により、絶縁膜ZF5をエッチバック(エッチング処理)することにより、シリコン膜PS2上で、かつ絶縁膜MZを介して積層体LM1の側面上に、絶縁膜ZF5をサイドウォールスペーサ状に残してキャップ絶縁膜CP2を形成する。この際、キャップ絶縁膜CP2となる部分以外の絶縁膜ZF5は除去され、また、シリコン膜PS2は、エッチングストッパとして機能することができる。キャップ絶縁膜CP2は、シリコン膜PS2の上面上に形成されるが、シリコン膜PS2の上面から突出する部分の積層体LM1に絶縁膜MZを介して隣り合うように形成される。キャップ絶縁膜CP2で覆われない部分のシリコン膜PS2の上面は露出される。
次に、図20に示されるように、キャップ絶縁膜CP2をエッチングマスクとして用いて、シリコン膜PS2をエッチングすることにより、メモリゲート電極MGを形成する。この際のエッチングは、異方性のエッチング(ドライエッチング)が好ましい。
キャップ絶縁膜CP2をエッチングマスクとして用いてシリコン膜PS2をエッチングするため、キャップ絶縁膜CP2で覆われない部分のシリコン膜PS2がエッチングされて除去され、キャップ絶縁膜CP2の下のシリコン膜PS2は、エッチングされずに残存する。すなわち、キャップ絶縁膜CP2とキャップ絶縁膜CP2の下に残存するシリコン膜PS2とからなる積層体(積層構造体)LM2が形成される。この段階では、積層体LM1の両方の側面上に、絶縁膜MZを介して積層体LM2が形成されている状態となっている。積層体LM1の両方の側面上に形成された積層体LM2のうちの一方の積層体LM2である積層体(積層構造体)LM2aにおいて、キャップ絶縁膜CP2の下に残存するシリコン膜PS2が、メモリゲート電極MGとなる。このため、積層体LM2aは、メモリゲート電極MGとその上のキャップ絶縁膜CP2とからなる。積層体LM1の両方の側面上に形成された積層体LM2のうちの他方の積層体LM2である積層体LM2bは、後で除去される。積層体LM2aと積層体LM2bとは、積層体LM1を挟んでほぼ対称な構造を有している。
次に、図21に示されるように、フォトリソグラフィ技術を用いて、積層体LM2aを覆いかつ積層体LM2bを露出するようなフォトレジストパターン(図示せず)を形成してから、そのフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いることで、積層体LM2b(積層体LM2を構成するキャップ絶縁膜CP2およびシリコン膜PS2)をエッチングにより除去する。この際、積層体LM2aはフォトレジストパターンで覆われているため、エッチングされずに残存する。その後、フォトレジストパターンは除去し、図21にはこの段階が示されている。この段階では、積層体LM1の両方の側面のうち、一方の側面上に絶縁膜MZを介して積層体LM2aが形成されている状態となる。
次に、図22に示されるように、絶縁膜MZのうち、積層体LM2aで覆われずに露出する部分をエッチング(例えばウェットエッチング)によって除去する。この際、積層体LM2aの下と積層体LM2aおよび積層体LM1間とに位置する絶縁膜MZは、除去されずに残存し、他の領域の絶縁膜MZは除去される。これにより、積層体LM1,LM2で覆われない部分のフィンFAおよび素子分離膜STは露出される。また、絶縁膜MZのうち、絶縁膜MZ3,MZ2を除去し、絶縁膜MZ1を残す場合もあり得るが、そのような場合でも、後で金属シリサイド層SC1を形成する前には、積層体LM2aで覆われない部分の絶縁膜MZ1も除去される。
図22からも分かるように、積層体LM2a(メモリゲート電極MG)とフィンFAとの間の領域と、積層体LM2a(メモリゲート電極MG)と素子分離膜STとの間の領域と、積層体LM2a(メモリゲート電極MG)と積層体LM1(ダミー制御ゲート電極DG)との間の領域と、にわたって絶縁膜MZが連続的に延在している。積層体LM1と積層体LM2aとは、間に絶縁膜MZを介在して互いに隣り合っており、従って、ダミー制御ゲート電極DGとメモリゲート電極MGとは、間に絶縁膜MZを介在して互いに隣り合っている。
このため、この段階では、ダミー制御ゲート電極DG(積層体LM1)のゲート長方向(X方向)における一方の側面に上に絶縁膜MZを介してメモリゲート電極MGが形成されており、絶縁膜MZは、メモリゲート電極MG(積層体LM2a)の下と、メモリゲート電極MG(積層体LM2a)とダミー制御ゲート電極DG(積層体LM1)との間とに、連続的に延在している。そして、絶縁膜MZを介在して互いに隣り合うダミー制御ゲート電極DG(積層体LM1)およびメモリゲート電極MG(積層体LM2a)は、複数のフィンFAに跨がるようにY方向に延在している。
次に、図23に示されるように、積層体LM1,LM2をマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、積層体LM1,LM2で覆われない部分のフィンFAに対してヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物をイオン注入することにより、フィンFA内にn−型半導体領域EX1,EX2を形成する。n−型半導体領域EX1は、メモリゲート電極MGとゲート長方向(X方向)に隣接する位置のフィンFAに形成され、また、n−型半導体領域EX2は、ダミー制御ゲート電極DGとゲート長方向(X方向)に隣接する位置のフィンFAに形成される。
次に、積層体LM1および積層体LM2aの側面(絶縁膜MZを介して互いに隣合う側面とは反対側の側面)上に、絶縁膜からなるサイドウォールスペーサSWを形成する。
サイドウォールスペーサSW形成工程は、例えば次のようにして行うことができる。すなわち、半導体基板SB上に、すなわち、素子分離膜STおよびフィンFA上に、積層体LM1,LM2aを覆うように、サイドウォールスペーサSW形成用の絶縁膜(例えば窒化シリコン膜)をCVD法などを用いて形成(堆積)する。それから、この絶縁膜を異方性エッチング技術によりエッチバックすることによって、図23に示されるように、積層体LM1および積層体LM2aの側面上に選択的にこの絶縁膜を残して、サイドウォールスペーサSWを形成する。
次に、図23に示されるように、積層体LM1,LM2およびサイドウォールスペーサSWをマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、積層体LM1,LM2およびサイドウォールスペーサSWで覆われない部分のフィンFAに対してヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物をイオン注入することにより、フィンFA内にn+型半導体領域SD1,SD2を形成する。n+型半導体領域SD1は、積層体LM2aの側壁上のサイドウォールスペーサSWとゲート長方向(X方向)に隣接する位置のフィンFAに形成される。また、n+型半導体領域SD2は、積層体LM1の側壁上のサイドウォールスペーサSWとゲート長方向(X方向)に隣接する位置のフィンFAに形成される。n+型半導体領域SD1は、n−型半導体領域EX1よりも不純物濃度が高く、n+型半導体領域SD2は、n−型半導体領域EX2よりも不純物濃度が高い。
このようにして、n−型半導体領域EX1とそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域SD1とにより、メモリトランジスタのソースまたはドレイン用の半導体領域、ここではソース領域として機能するn型の半導体領域MSが形成される。また、n−型半導体領域EX2とそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域SD2とにより、制御トランジスタのソースまたはドレイン用の半導体領域、ここではドレイン領域として機能するn型の半導体領域MDが形成される。
他の形態として、サイドウォールスペーサSWを形成した後に、積層体LM1,LM2およびサイドウォールスペーサSWで覆われない部分のフィンFAの表面上にエピタキシャル半導体層(図示せず)を形成してから、その後に、そのエピタキシャル半導体層およびフィンFAに対してn型不純物のイオン注入を行ってn+型半導体領域SD1,SD2を形成することもできる。この場合は、フィンFAとその表面上のエピタキシャル半導体層とを合わせたものに、n+型半導体領域SD1,SD2が形成されることになる。
また、n−型半導体領域EX1,EX2を形成するためのイオン注入の際や、n+型半導体領域SD1,SD2を形成するためのイオン注入の際には、キャップ絶縁膜CP1,CP2をマスクとして機能させて、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGへn型不純物がイオン注入されるのを防止することが好ましい。特に、メモリゲート電極MGへn型不純物がイオン注入されてしまうのを、防止することが好ましい。このため、キャップ絶縁膜CP2を突き抜けてメモリゲート電極MG中にn型不純物が注入されないように、キャップ絶縁膜CP2の厚さを設定しておくことが好ましい。また、上記シリコン膜PS2中に導入したp型不純物の濃度は、n+型半導体領域SD1,SD2を形成した後でもメモリゲート電極MGがp型の導電型を維持できるような濃度に設定しておくことが好ましい。いずれにしても、この段階では、メモリゲート電極MGは、p型のシリコン膜からなり、ダミー制御ゲート電極DGは、n型のシリコン膜からなる。
次に、ソースおよびドレイン用の半導体領域(n−型半導体領域EX1,EX2およびn+型半導体領域SD1,SD2)などに導入された不純物を活性化するための熱処理である活性化アニールを行う。
次に、図24に示されるように、いわゆるサリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)プロセスを行うことによって、n+型半導体領域SD1,SD2の各表層部に金属シリサイド層SC1を形成する。
金属シリサイド層SC1形成工程は、例えば次のようにして行うことができる。すなわち、まず、n+型半導体領域SD1,SD2の表面を覆う金属膜(例えばニッケル膜)を、スパッタリング法などを用いて形成する。それから、熱処理を施すことによって、n+型半導体領域SD1,SD2の各表層部分を金属膜と反応させることにより、n+型半導体領域SD1,SD2の各表層部に金属シリサイド層SC1を形成する。金属シリサイド層SC1は、例えば、上記金属膜がニッケル膜の場合はニッケルシリサイド層である。その後、未反応(余剰)の金属膜を除去する。図24には、この段階の断面図が示されている。未反応の金属膜を除去した後、2度目の熱処理を行う場合もある。また、キャップ絶縁膜CP1,CP2が存在することで、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGの各表層部には、金属シリサイド層SC1は形成されない。
また、上述のように、サイドウォールスペーサSWを形成した後に、積層体LM1,LM2およびサイドウォールスペーサSWで覆われない部分のフィンFAの表面上にエピタキシャル半導体層(図示せず)を形成した場合には、金属シリサイド層SC1は、そのエピタキシャル半導体層に形成され得る。
次に、図25に示されるように、半導体基板SB上に、すなわち、素子分離膜STおよびフィンFA上に、積層体LM1,LM2aおよびサイドウォールスペーサSWを覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL1を形成(堆積)する。層間絶縁膜IL1は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上に該窒化シリコン膜よりも厚く形成された酸化シリコン膜との積層膜などからなり、例えばCVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜IL1の上面のいずれの領域も、積層体LM1,LM2aの上面の高さ位置よりも高くなるように、層間絶縁膜IL1の堆積膜厚を設定する。
次に、図26に示されるように、層間絶縁膜IL1の上面を、CMP法などを用いて研磨する。この研磨工程を、以下では「図26の研磨工程」と称することとする。この図26の研磨工程により、図26に示されるように、メモリゲート電極MGおよびダミー制御ゲート電極DGの各上面が露出される。
図26の研磨工程では、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGの各上面が露出するまで、層間絶縁膜IL1を研磨する。このため、図26の研磨工程では、キャップ絶縁膜CP1,CP2も研磨されて除去され、また、サイドウォールスペーサSWの各上部も研磨され得る。
なお、図26の研磨工程では、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGの各上面が露出するまで研磨処理を行うが、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの一部(上部)が、図26の研磨工程で研磨されて除去される場合もあり得る。そのような場合であっても、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの他部(上部以外)は残存する。いずれにしても、図26の研磨工程を行うと、層間絶縁膜IL1から、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGの各上面が露出した状態になる。また、サイドウォールスペーサSWの各上面も露出した状態になる。また、層間絶縁膜IL1は、平坦な上面を有した状態になる。
また、図26の研磨工程では金属シリサイド層SC1を研磨しなくて済むので、研磨工程を行いやすくなる。すなわち、本実施の形態とは異なり、メモリゲート電極MGとダミー制御ゲート電極DGとのうちのいずれか1つ以上において、上部に金属シリサイド層SC1が形成されていた場合には、図26の研磨工程で金属シリサイド層SC1も研磨しなければならず、スクラッチの問題が発生する懸念がある。それに対して、本実施の形態では、キャップ絶縁膜CP1,CP2によってダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGの上部に金属シリサイド層SC1が形成されないようにしている。これにより、図26の研磨工程では金属シリサイド層SC1を研磨しなくて済むので、金属シリサイド層SC1を研磨することに起因したスクラッチの懸念を解消することができる。
次に、図27に示されるように、ダミー制御ゲート電極DGをエッチングして除去する。この工程を、以下では「図27のエッチング工程」と称することとする。図27のエッチング工程においては、ダミー制御ゲート電極DGの上面とメモリゲート電極MGの上面とが露出した状態で、エッチング処理(ウェットエッチング処理)が行われる。
図27のエッチング工程は、ダミー制御ゲート電極DGに比べて、メモリゲート電極MG、絶縁膜GF、絶縁膜MZ、サイドウォールスペーサSWおよび層間絶縁膜IL1がエッチングされにくい条件で、エッチングを行う。すなわち、図27のエッチング工程は、ダミー制御ゲート電極DGのエッチング速度(エッチングレート)に比べて、メモリゲート電極MG、絶縁膜GF、絶縁膜MZ、サイドウォールスペーサSWおよび層間絶縁膜IL1の各エッチング速度(エッチングレート)が低くなる条件で、エッチングを行う。これにより、図27のエッチング工程で、ダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングすることができる。なお、本願において、「第1部材に比べて第2部材がエッチングされにくい」などと言うときは、第1部材のエッチング速度(エッチングレート)に比べて第2部材のエッチング速度(エッチングレート)が低くなることを意味する。
図27のエッチング工程を行う段階では、メモリゲート電極MGは、p型のシリコン膜からなり、ダミー制御ゲート電極DGは、n型のシリコン膜からなる。n型のシリコン膜とp型のシリコン膜とは、同じエッチング液を用いたときにエッチング速度を異ならせることが可能であり、エッチング液の選択によっては、p型のシリコン膜のエッチングを抑制しながら、n型のシリコン膜を選択的にエッチングすることが可能である。本実施の形態では、p型のシリコン膜のエッチングを抑制しながらn型のシリコン膜を選択的にエッチングすることが可能なエッチング液(好適にはアンモニア水のようなアルカリ溶液)を図27のエッチング工程で用いることで、メモリゲート電極MGのエッチングを抑制しながらダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができる。メモリゲート電極MGに対するダミー制御ゲート電極DGのエッチング選択比(ダミー制御ゲート電極DGのエッチング速度をメモリゲート電極MGのエッチング速度で割った値)は、10以上が好ましい。
メモリトランジスタのゲート電極としての機能と信頼性の観点から、メモリトランジスタのゲート電極は、シリコンからなることが好ましい。本実施の形態では、メモリゲート電極MGを、p型のシリコン膜により形成したことで、メモリトランジスタのゲート電極としての機能と信頼性を向上させることができ、ひいては、不揮発性メモリの信頼性を向上させることができる。そして、メモリゲート電極MGを、p型のシリコン膜により形成し、ダミー制御ゲート電極DGを、n型のシリコン膜により形成したことで、図27のエッチング工程において、ダミー制御ゲート電極DGの上面とメモリゲート電極MGの上面とが露出した状態でエッチング処理を行っても、ダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができる。
図27のエッチング工程でダミー制御ゲート電極DGが除去されたことにより、溝(凹部、窪み部)TRが形成される。溝TRは、ダミー制御ゲート電極DGが除去された領域であり、ダミー制御ゲート電極DGを除去するまでダミー制御ゲート電極DGが存在していた領域に対応している。溝TRの底部では、絶縁膜GFが層状に残存している。このため、溝TRの底面は、絶縁膜GFの上面により形成され、溝TRの一方の側面は、サイドウォールスペーサSWにより形成され、溝TRの他方の側面は、絶縁膜MZ(MZ1)により形成されている。
次に、図28に示されるように、半導体基板SB上に、すなわち溝TRの内面(底面および側面)上を含む層間絶縁膜IL1上に、高誘電率ゲート絶縁膜用の絶縁膜として、絶縁膜HKを形成する。絶縁膜HKは、高誘電率絶縁膜からなる。それから、図29に示されるように、半導体基板上に、すなわち絶縁膜HK上に、溝TR内を埋めるように、メタルゲート電極用の導電膜として、金属膜MEを形成する。
溝TRの底面および側面上に絶縁膜HKが形成されるが、溝TRは絶縁膜HKでは完全には埋まらず、金属膜MEを形成することにより、溝TRは絶縁膜HKと金属膜MEとにより完全に埋まった状態になる。
絶縁膜HKは、窒化シリコンよりも誘電率が高い絶縁材料膜、いわゆるHigh−k膜である。なお、本願において、High−k膜、高誘電率膜、高誘電率絶縁膜あるいは高誘電率ゲート絶縁膜と言うときは、窒化シリコンよりも誘電率(比誘電率)が高い膜を意味する。
絶縁膜HKとしては、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜または酸化ランタン膜などの金属酸化物膜を用いることができ、また、これらの金属酸化物膜は、窒素(N)およびケイ素(Si)の一方または両方を更に含有することもできる。絶縁膜HKは、例えば、ALD(Atomic layer Deposition:原子層堆積)法またはCVD法により形成することができる。絶縁膜HKの形成膜厚は、例えば1〜3nm程度とすることができる。ゲート絶縁膜に高誘電率膜(ここでは絶縁膜HK)を用いた場合は、ゲート絶縁膜に酸化シリコン膜を用いた場合に比べて、ゲート絶縁膜の物理的膜厚を増加させることができるため、リーク電流を低減できるという利点を得られる。
金属膜MEとしては、例えば、窒化チタン(TiN)膜、窒化タンタル(TaN)膜、窒化タングステン(WN)膜、炭化チタン(TiC)膜、炭化タンタル(TaC)膜、炭化タングステン(WC)膜、窒化炭化タンタル(TaCN)膜、チタン(Ti)膜、タンタル(Ta)膜、チタンアルミニウム(TiAl)膜またはアルミニウム(Al)膜などの、金属膜を用いることができる。なお、ここで言う金属膜とは、金属伝導を示す導電膜を言い、単体の金属膜(純金属膜)や合金膜だけでなく、金属伝導を示す金属化合物膜(窒化金属膜や炭化金属膜など)も含むものとする。このため、金属膜MEは、金属伝導を示す導電膜であり、単体の金属膜(純金属膜)や合金膜に限定されず、金属伝導を示す金属化合物膜(窒化金属膜や炭化金属膜など)であってもよい。また、金属膜MEを積層膜(複数の膜が積層された積層膜)とすることもできるが、その場合、その積層膜の最下層は金属膜(金属伝導を示す導電膜)とする。また、その積層膜を、複数の金属膜(金属伝導を示す導電膜)の積層膜とすることもできる。金属膜MEは、例えばスパッタリング法などを用いて形成することができる。
金属膜MEの好適な一例として、金属膜MEを、窒化チタン(TiN)膜と該窒化チタン膜上のアルミニウム(Al)膜との積層膜とすることができる。この場合、まず絶縁膜HK上に例えば2〜3nm程度の窒化チタン膜を形成してから、その窒化チタン膜上に、溝TR内を埋めるように、アルミニウム膜を形成することになる。この際、窒化チタン膜よりもアルミニウム膜を厚くすることが好ましい。アルミニウム膜は、低抵抗であるため、後で形成する制御ゲート電極CGの低抵抗化を図ることができる。また、後で形成される制御ゲート電極CGにおけるゲート絶縁膜に接する部分(ここでは窒化チタン膜)の材料の仕事関数で、その制御ゲート電極CGを備える制御トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。
次に、図30に示されるように、溝TRの外部の不要な金属膜MEおよび絶縁膜HKをCMP法などの研磨処理によって除去することにより、溝TR内に絶縁膜HKおよび金属膜MEを埋め込む。この工程を、以下では「図30の工程」と称することとする。
すなわち、図30の工程では、溝TRの外部の金属膜MEおよび絶縁膜HKを除去し、溝TR内に絶縁膜HKおよび金属膜MEを残す。これにより、溝TR内に絶縁膜HKを介して金属膜MEが埋め込まれた状態になる。
このようにして、ダミー制御ゲート電極DGが除去された領域である溝TR内に、絶縁膜HKを介して、メタルゲート電極である制御ゲート電極CGが形成される。溝TRに埋め込まれた金属膜MEが、制御トランジスタの制御ゲート電極CGとなり、溝TRに埋め込まれた絶縁膜HKが、制御トランジスタのゲート絶縁膜として機能する。
本実施の形態では、ダミー制御ゲート電極DGを除去して制御ゲート電極CGに置換し、この制御ゲート電極CGを制御トランジスタのゲート電極として用いている。このため、ダミー制御ゲート電極DGは、ダミーのゲート電極(擬似的なゲート電極)であり、リプレイスメントゲート電極または置換用ゲート電極とみなすことができ、制御ゲート電極CGは、制御トランジスタを構成するゲート電極とみなすことができる。
また、本実施の形態では、金属膜MEを用いて制御ゲート電極CGを形成しているため、制御ゲート電極CGをメタルゲート電極とすることができる。制御ゲート電極CGをメタルゲート電極としたことで、制御ゲート電極CGの空乏化現象を抑制し、寄生容量をなくすことができるという利点を得られる。また、トランジスタ素子の小型化(ゲート絶縁膜の薄膜化)も可能になるという利点も得られる。
絶縁膜HKは、溝TRの底面上と側面上とに形成され、制御ゲート電極CGは、底面および側面が絶縁膜HKに隣接する。制御ゲート電極CGとフィンFAとの間には、フィンFA側から順に絶縁膜GFと絶縁膜HKとが介在している。また、制御ゲート電極CGとサイドウォールスペーサSWとの間には、絶縁膜HKが介在し、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間には、制御ゲート電極CG側から順に絶縁膜HKと絶縁膜MZとが介在している。また、制御ゲート電極CGと素子分離膜STとの間には、絶縁膜HKが介在している。フィンFAと制御ゲート電極CGとの間の絶縁膜GFおよび絶縁膜HKが制御トランジスタのゲート絶縁膜として機能するが、絶縁膜HKは高誘電率膜であるため、高誘電率ゲート絶縁膜として機能する。
また、図27のエッチング工程でダミー制御ゲート電極DGをエッチングして除去した後も、溝TRの底部では絶縁膜GFが層状に残存しているため、制御ゲート電極CGを形成すると、制御ゲート電極CGとフィンFAとの間には、絶縁膜HKと絶縁膜GFとが介在することになる。すなわち、絶縁膜HKとフィンFAとの間(界面)に、界面層として絶縁膜GFが介在することになる。高誘電率膜である絶縁膜HKを、フィンFAの表面(シリコン面)上に直接的に形成せずに、絶縁膜HKとフィンFAとの界面に、薄い酸化シリコン膜又は酸窒化シリコン膜からなる界面層(ここでは絶縁膜GF)を設けた場合、トラップ準位などの欠陥数を減らして、駆動能力や信頼性を向上させることができる。
次に、図31に示されるように、メモリゲート電極MGの上部(表層部)に、金属シリサイド層SC2を形成する。
すなわち、まず、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの上面上を含む層間絶縁膜IL1上に、金属シリサイド層SC2形成用の金属膜(例えばニッケル膜)を、スパッタリング法などを用いて形成する。それから、熱処理を施すことによって、メモリゲート電極MGの上部(表層部)を、金属シリサイド層SC2形成用の金属膜と反応させることにより、図31に示されるように、メモリゲート電極MGの上部(表層部)に、金属シリサイド層SC2を形成する。その後、未反応の金属膜(金属シリサイド層SC2形成用の金属膜)をウェットエッチングなどにより除去する。図31には、この段階の断面図が示されている。その後、更に熱処理を行うこともできる。未反応の金属膜(金属シリサイド層SC2形成用の金属膜)をウェットエッチングなどにより除去する際には、制御ゲート電極CGのエッチングを抑制または防止することが好ましいため、金属シリサイド層SC2形成用の金属膜を選択的にエッチングできるようなエッチング液を用いることが好ましい。金属シリサイド層SC2形成用の金属膜がニッケル膜の場合は、金属シリサイド層SC2はニッケルシリサイド層からなる。
このように、いわゆるサリサイドプロセスを行うことによって、メモリゲート電極MGの上部(表層部)に金属シリサイド層SC2を自己整合的に形成し、それによって、メモリゲート電極MGの抵抗を低減することができる。
金属シリサイド層SC2の形成を省略することもできるが、金属シリサイド層SC2を形成した方が、より好ましい。金属シリサイド層SC2を形成したことで、シリコンゲート電極であるメモリゲート電極MGの抵抗を低減することができるため、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させることができ、例えば動作速度を向上させることができる。
次に、図32に示されるように、半導体基板SB上に、すなわち層間絶縁膜IL1上に、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG(金属シリサイド層SC2)を覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL2を形成(堆積)する。層間絶縁膜IL2は、酸化シリコン膜などからなり、CVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜IL2の形成後、層間絶縁膜IL2の上面をCMP法により研磨するなどして、層間絶縁膜IL2の上面の平坦性を高めることもできる。
次に、図33に示されるように、フォトリソグラフィ技術を用いて層間絶縁膜IL2上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして、層間絶縁膜IL2,IL1をドライエッチングすることにより、コンタクトホール(貫通孔)を形成する。それから、コンタクトホール内に、接続用の導電体部として、タングステン(W)などからなる導電性のプラグPGを形成する。
例えば、コンタクトホールの内部(底面および側壁上)を含む層間絶縁膜IL2上に、バリア導体膜とタングステン膜とを順にコンタクトホール内を埋めるように形成してから、コンタクトホールの外部の不要なタングステン膜およびバリア導体膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグPGを形成することができる。プラグPGは、n+型半導体領域SD1,SD2、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGの上などに形成される。
次に、図34に示されるように、プラグPGが埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に絶縁膜IL3を形成する。それから、絶縁膜IL3の所定の領域に配線溝を形成した後、配線溝内にシングルダマシン技術を用いて配線M1を埋め込む。配線M1は、例えば、銅を主成分とする銅配線(埋込銅配線)である。配線M1は、プラグPGを介して、n+型半導体領域SD1、n+型半導体領域SD2、メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGなどと電気的に接続される。
その後、デュアルダマシン法などにより2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。また、配線M1およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
以上のようにして、本実施の形態の半導体装置が製造される。
本実施の形態では、メモリゲート電極MGはp型のシリコン膜により形成され、ダミー制御ゲート電極DGは、n型のシリコン膜により形成されているが、これは、図27のエッチング工程で、メモリゲート電極MGのエッチングを抑制または防止しながらダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングするためである。これについて、図35を参照して説明する。
図35は、各種シリコン膜のエッチングレートを示すグラフである。図35には、グラフの左から順に、ノンドープのポリシリコン膜、n型のポリシリコン膜、p型のポリシリコン膜、ノンドープのアモルファスシリコン膜、n型のアモルファスシリコン膜、およびp型のアモルファスシリコン膜のそれぞれについてのエッチングレート(エッチング速度)が示されている。ここでは、エッチング液として、アルカリ性の薬液(アンモニア水など)を用いた場合が示されている。但し、エッチングレートの絶対値は、エッチング液の濃度にもよるため、図35のグラフは、各種のシリコン膜のエッチングレートを相対的に比較するために用いるべきである。また、図35のグラフにおいて、「poly−Si」は、ポリシリコン膜を意味し、「a−Si」は、アモルファスシリコン膜を意味する。
図35のグラフでは、p型のポリシリコン膜は、ノンドープのポリシリコン膜およびn型のポリシリコン膜に比べて、エッチングレートが非常に小さく、また、p型のアモルファスシリコン膜は、ノンドープのアモルファスシリコン膜およびn型のアモルファスシリコン膜に比べて、エッチングレートが非常に小さい。すなわち、ノンドープのシリコン膜およびn型のシリコン膜の各エッチングレートに比べて、p型のシリコン膜のエッチングレートを十分に小さくすることが可能であることが分かる。
このため、本実施の形態では、図27のエッチング工程を行う段階で、メモリゲート電極MGはp型のシリコン膜により構成され、ダミー制御ゲート電極DGはn型のシリコン膜により構成されている。これにより、図27のエッチング工程において、ダミー制御ゲート電極DGとメモリゲート電極MGとの両方が露出した状態でエッチングを行った際に、p型のシリコン膜からなるメモリゲート電極MGのエッチングを抑制または防止しながら、n型のシリコン膜からなるダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができる。
なお、図35のグラフからも分かるように、ノンドープのシリコン膜のエッチングレートに比べて、p型のシリコン膜のエッチングレートを十分に小さくすることが可能である。このため、本実施の形態の変形例として、ダミー制御ゲート電極DGをノンドープ(アンドープ)のシリコン膜により形成することもできる。すなわち、上記シリコン膜PS1をノンドープのシリコン膜として形成しておき、その後もシリコン膜PS1(ダミー制御ゲート電極DG)に不純物ができるだけ注入されないようにすることで、図27のエッチング工程を行う段階で、メモリゲート電極MGがp型のシリコン膜により構成され、ダミー制御ゲート電極DGがノンドープのシリコン膜により構成されているようにすることもできる。この場合も、図27のエッチング工程において、ダミー制御ゲート電極DGとメモリゲート電極MGとの両方が露出した状態でエッチングを行った際に、p型のシリコン膜からなるメモリゲート電極MGのエッチングを抑制または防止しながら、ノンドープのシリコン膜からなるダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができる。
但し、ダミー制御ゲート電極DGは、ノンドープのシリコン膜により形成されている場合よりも、n型のシリコン膜により形成されている場合の方が、より好ましい。なぜなら、図35のグラフにも示されるように、ノンドープのシリコン膜とp型のシリコン膜とのエッチングレートの差に比べて、n型のシリコン膜とp型のシリコン膜とのエッチングレートの差の方が大きいからである。このため、ダミー制御ゲート電極DGは、ノンドープまたはn型のシリコン膜により形成することができるが、n型のシリコン膜により形成すれば、より好ましい。これにより、図27のエッチング工程において、メモリゲート電極MGに対するダミー制御ゲート電極DGのエッチング選択比を、より高めることができ、メモリゲート電極MGのエッチングをより的確に抑制または防止しながら、ダミー制御ゲート電極DGをより的確に除去することができる。
また、ダミー制御ゲート電極DGをn型のシリコン膜により形成しておけば、ダミー制御ゲート電極DG中に意図せずして少量のp型不純物が導入された場合でも、ダミー制御ゲート電極DGはn型シリコンで構成された状態を維持でき、メモリゲート電極MGに対するダミー制御ゲート電極DGの高いエッチング選択比を確保しやすくなる。このため、半導体装置の製造工程の管理が行いやすくなる。この点でも、ダミー制御ゲート電極DGは、n型のシリコン膜により形成(構成)されていることが、より好ましい。
<不揮発性メモリの動作について>
次に、不揮発性メモリの動作例について、図36を参照して説明する。
図36は、本実施の形態の「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図36の表には、「書込」、「消去」および「読出」時のそれぞれにおいて、選択したメモリセルMCのメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmg、ソース領域(半導体領域MS)に印加する電圧Vs、制御ゲート電極CGに印加する電圧Vcg、および、ドレイン領域(半導体領域MD)に印加する電圧Vd、が記載されている。なお、図36の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。また、本実施の形態では、メモリトランジスタの絶縁膜MZ中の電荷蓄積部である絶縁膜MZ2への電子の注入を「書込」、ホール(正孔)の注入を「消去」と定義する。
なお、図36の表において、Aの欄は、書込み方法がSSI方式で、かつ消去方法がBTBT方式の場合に対応し、Bの欄は、書込み方法がSSI方式で、かつ消去方法がFN方式の場合に対応し、Cの欄は、書込み方法がFN方式で、かつ消去方法がBTBT方式の場合に対応し、Dの欄は、書込み方法がFN方式で、かつ消去方法がFN方式の場合に対応している。
書込み方式は、いわゆるSSI(Source Side Injection)方式と呼ばれるソースサイド注入によるホットエレクトロン注入で書込みを行う書込み方式と、いわゆるFN方式と呼ばれるFN(Fowler Nordheim)トンネリングにより書込みを行う書込み方式とがある。
SSI方式の書込みでは、例えば図36の表のAの欄またはBの欄の「書込動作電圧」に示されるような電圧を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルの絶縁膜MZ中の絶縁膜MZ2中に電子を注入することで書込みを行う。この際、ホットエレクトロンは、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の領域の下方のチャネル領域(ソース、ドレイン間)で発生し、メモリゲート電極MGの下の絶縁膜MZ中の電荷蓄積部である絶縁膜MZ2にホットエレクトロンが注入される。注入されたホットエレクトロンは、絶縁膜MZ2中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。すなわち、メモリトランジスタは書込み状態となる。
FN方式の書込みでは、例えば図36の表のCの欄またはDの欄の「書込動作電圧」に示されるような電圧を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルにおいて、メモリゲート電極MGから電子をトンネリングさせて絶縁膜MZ中の絶縁膜MZ2に注入することで書込みを行う。この際、電子はメモリゲート電極MGからFNトンネル効果により絶縁膜MZ3をトンネリングして絶縁膜MZ中に注入され、絶縁膜MZ2中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。すなわち、メモリトランジスタは書込み状態となる。
消去方法は、いわゆるBTBT方式と呼ばれるBTBT(Band-To-Band Tunneling:バンド間トンネル現象)によるホットホール注入により消去を行う消去方式と、いわゆるFN方式と呼ばれるFNトンネリングにより消去を行う消去方式とがある。
BTBT方式の消去では、BTBTにより発生したホールをフィンFA側から絶縁膜MZ中の絶縁膜MZ2に注入することにより消去を行う。例えば図36の表のAの欄またはCの欄の「消去動作電圧」に示されるような電圧を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加する。これにより、BTBT現象によりホールを発生させ電界加速することで選択メモリセルの絶縁膜MZ中の絶縁膜MZ2中にホールを注入し、それによってメモリトランジスタのしきい値電圧を低下させる。すなわち、メモリトランジスタは消去状態となる。
FN方式の消去では、例えば図36の表のBの欄またはDの欄の「消去動作電圧」に示されるような電圧を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルにおいて、メモリゲート電極MGからホールをトンネリングさせて絶縁膜MZ中の絶縁膜MZ2に注入することで消去を行う。この際、ホールはメモリゲート電極MGからFNトンネル効果により絶縁膜MZ3をトンネリングして絶縁膜MZ中に注入され、絶縁膜MZ2中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が低下する。すなわち、メモリトランジスタは消去状態となる。
読出し時には、例えば図36の表のAの欄、Bの欄、Cの欄またはDの欄の「読出動作電圧」に示されるような電圧を、読出しを行う選択メモリセルの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と消去状態におけるしきい値電圧との間の値にすることで、書込み状態と消去状態とを判別することができる。
<検討の経緯について>
本発明者は、スプリットゲート型のメモリセルについて検討してきた。スプリットゲート型のメモリセルを構成するメモリゲート電極(メモリゲート電極MGに対応)と制御ゲート電極(制御ゲート電極CGに対応)のうち、制御ゲート電極については、メタルゲート電極を適用することで、制御ゲート電極の空乏化現象を抑制し、寄生容量をなくすことができるという利点を得られる。また、制御ゲート電極のゲート長が小さくなったときの短チャネル効果を改善できるという利点も得られる。また、メタルゲート電極と高誘電率ゲート絶縁膜の各材料の選択で、制御トランジスタのしきい値電圧の調整が可能になる。
一方、メモリゲート電極については、機能と信頼性の観点から、メタルゲート電極を適用しない方が望ましい場合がある。例えば、制御トランジスタに比べると、メモリトランジスタの方がより高い信頼性が要求されるが、信頼性の観点では、メタルゲート電極よりも、長年の使用実績があるシリコンゲート電極の方が、信頼性を確保しやすい。また、メモリセルの消去にFN方式を用いる場合は、ホール生成効率の観点から、メモリゲート電極はメタルゲート電極ではなくシリコンゲート電極であることが望ましく、p型のシリコンゲート電極であれば、更に好ましい。
このため、制御ゲート電極については、メタルゲート電極を適用し、一方、メモリゲート電極については、メタルゲート電極を適用せずにシリコンゲート電極を適用することを検討している。このようなメモリセルを有する半導体装置を製造するには、メタルゲート電極を適用する制御ゲート電極については、いわゆるゲートラストプロセスで形成し、メタルゲート電極を適用しないメモリゲート電極は、いわゆるゲートファーストプロセスで形成すればよい。ゲートファーストプロセスでは、完成製品で使用するゲート電極を形成してから、ソース・ドレイン用の半導体領域を形成する。一方、ゲートラストプロセスでは、ダミーのゲート電極を一旦形成してから、ソース・ドレイン用の半導体領域を形成し、その後、ダミーのゲート電極を除去し、その除去領域に、完成製品で使用する実際のゲート電極を形成する。すなわち、ゲートラストプロセスでは、ダミーのゲート電極を除去して実際に使用するゲート電極に置換する工程が存在する。
このため、メタルゲート電極を適用しないメモリゲート電極をゲートファーストプロセスで形成し、メタルゲート電極を適用する制御ゲート電極をゲートラストプロセスで形成する場合は、ダミーの制御ゲート電極を除去して実際に使用する制御ゲート電極に置換する必要がある。このダミーの制御ゲート電極を除去する際には、メモリゲート電極が除去されないようにする必要がある。このため、製造工程を工夫しないと、製造工程の管理が難しくなり、半導体装置の製造工程を行いにくくなってしまう。製造工程の管理が難しくなり、半導体装置の製造工程を行いにくくなることは、半導体装置の製造歩留まりの低下や、半導体装置の製造コストの増加につながる。
<主要な特徴と効果について>
本実施の形態では、メモリセルを構成するメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGのうち、メモリゲート電極MGは、いわゆるゲートファーストプロセスで形成し、制御ゲート電極CGは、いわゆるゲートラストプロセスで形成する。
このため、本実施の形態の半導体装置の製造工程は、半導体基板SB(フィンFA)上に絶縁膜GF(第1絶縁膜)を介してダミー制御ゲート電極DGを形成する工程(図12〜図14の工程)と、ダミー制御ゲート電極DGと隣り合うように、半導体基板SB(フィンFA)上に絶縁膜MZ(第2絶縁膜)を介してメモリゲート電極MG(第1ゲート電極)を形成する工程(図15〜図22の工程)と、を有している。なお、絶縁膜MZは、内部に電荷蓄積部を有する絶縁膜である。本実施の形態の半導体装置の製造工程は、更に、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGを覆うように層間絶縁膜IL1(第1層間絶縁膜)を形成する工程(図25の工程)と、層間絶縁膜IL1を研磨してダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGを露出させる工程(図26の研磨工程)と、を有している。本実施の形態の半導体装置の製造工程は、更に、ダミー制御ゲート電極DGをエッチングにより除去する工程(図27のエッチング工程)と、ダミー制御ゲート電極DGが除去された領域である溝TR(第1溝)内に、制御ゲート電極CG(第2ゲート電極)を形成する工程(図28〜図30の工程)と、を有している。
なお、フィンFAは、半導体基板SBの一部であり、半導体基板SBの活性領域として機能する。このため、フィンFA上に絶縁膜GFを介してダミー制御ゲート電極DGが形成されることは、半導体基板SB上に絶縁膜GFを介してダミー制御ゲート電極DGが形成されることに対応し、また、フィンFA上に絶縁膜MZを介してメモリゲート電極MGが形成されることは、半導体基板SB上に絶縁膜MZを介してメモリゲート電極MGが形成されることに対応する。
本実施の形態の半導体装置の製造工程の主要な特徴のうちの一つは、メモリゲート電極MGはp型のシリコン膜からなり、ダミー制御ゲート電極DGは、ノンドープまたはn型のシリコン膜(より好ましくはn型のシリコン膜)からなることである。本実施の形態の半導体装置の製造工程の主要な特徴のうちの他の一つは、ダミー制御ゲート電極DGを除去する工程(図27のエッチング工程)では、ダミー制御ゲート電極DGとメモリゲート電極MGとが露出された状態で、ダミー制御ゲート電極DGに比べてメモリゲート電極MGがエッチングされにくい条件でエッチングを行って、ダミー制御ゲート電極DGを除去することである。
これにより、ダミー制御ゲート電極DGをエッチングにより除去する際に、メモリゲート電極MGがエッチングされてしまうのを的確に抑制または防止できるため、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、ダミー制御ゲート電極DGとメモリゲート電極MGとが露出された状態で、ダミー制御ゲート電極DGをエッチングして除去することができることも、半導体装置の製造歩留まりの向上に有効である。従って、半導体装置の製造コストを低減することができる。また、ダミー制御ゲート電極DGのエッチング残りやメモリゲート電極MGの過剰なエッチングを防止できるため、製造された半導体装置の信頼性を向上させることができる。以下、このことについて、検討例も参照しながら、具体的に説明する。
図37および図38は、本発明者が検討した検討例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、上記図1のA−A線に相当する位置での断面図が示されている。図37は、上記図26に相当する工程段階であり、ダミー制御ゲート電極DG101を除去する直前の段階が示されている。図38は、上記図27に相当する工程段階であり、ダミー制御ゲート電極DG101を除去した直後の段階が示されている。
図37に示されるダミー制御ゲート電極DG101は、本実施の形態のダミー制御ゲート電極DGに相当するものであり、図37および図38に示されるメモリゲート電極MG101は、本実施の形態のメモリゲート電極MGに相当するものである。しかしながら、本実施の形態とは異なり、図37および図38に示される検討例では、ダミー制御ゲート電極DG101とメモリゲート電極MG101とは、同じ導電型のシリコン膜により形成されており、具体的にはいずれもn型のポリシリコン膜により形成されている。そして、検討例の場合は、図37および図38に示されるように、ダミー制御ゲート電極DG101は露出するがメモリゲート電極MG101は露出しないような開口部OPを有するフォトレジストパターンPR101をエッチングマスクとして、ダミー制御ゲート電極DG101を選択的にエッチングして除去する必要がある。そうすることにより、フォトレジストパターンPR101の開口部OPから露出するダミー制御ゲート電極DG101をエッチングにより除去するとともに、メモリゲート電極MG101については、フォトレジストパターンPR101で覆われていることで、エッチングされないようにすることができる。
しかしながら、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジストパターンを形成する際には、フォトマスクの合わせずれなどに起因して、フォトレジストパターンの形成位置が、設計位置からずれる場合がある。図39および図40も、検討例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、図37および図38にそれぞれ対応する工程段階が示されているが、図39および図40は、図37および図38に示される検討例において、フォトレジストパターンPR101の形成位置が図の右側にずれた場合に対応している。
フォトレジストパターンPR101の形成位置が図37の右側にずれた場合には、図39に示されるように、フォトレジストパターンPR101の開口部OPから、ダミー制御ゲート電極DG101だけでなくメモリゲート電極MG101も露出してしまう虞がある。この図39の状態でエッチングを行うと、図40に示されるように、ダミー制御ゲート電極DG101だけでなくメモリゲート電極MG101もエッチングされて除去されてしまう。これは、メモリゲート電極MG101とダミー制御ゲート電極DG101とが同じ導電型(n型)のシリコン膜により形成されているため、フォトレジストパターンPR101の開口部OPからダミー制御ゲート電極DG101だけでなくメモリゲート電極MG101も露出していると、ダミー制御ゲート電極DG101だけでなくメモリゲート電極MG101もエッチングされてしまうからである。
フォトレジストパターンPR101の形成位置がずれてもフォトレジストパターンPR101の開口部OPからメモリゲート電極MG101が露出されないようにするためには、フォトレジストパターンPR101の開口部OPをメモリゲート電極MG101からある程度離れさせる必要がある。しかしながら、そうしてしまうと、今度はフォトレジストパターンPR101の形成位置が図37の左側にずれた場合には、図41に示されるように、フォトレジストパターンPR101の開口部OPから、メモリゲート電極MG101だけでなくダミー制御ゲート電極DG101も露出されなくなってしまう虞がある。図41も、検討例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、図37に対応する工程段階が示されているが、図41は、図37に示される検討例において、フォトレジストパターンPR101の形成位置が図の左側にずれた場合に対応している。
図41に示されるように、フォトレジストパターンPR101の開口部OPから、メモリゲート電極MG101だけでなくダミー制御ゲート電極DG101も露出されない場合には、エッチング工程を行っても、ダミー制御ゲート電極DG101はエッチングされず除去することはできない。このため、エッチング工程を終了しても、図41の構造が維持され、メモリゲート電極MG101だけでなくダミー制御ゲート電極DG101も残存してしまう。
このように、検討例の場合は、メモリゲート電極MG101とダミー制御ゲート電極DG101とが同じ導電型のシリコン膜により形成されているため、メモリゲート電極MG101とダミー制御ゲート電極DG101との両方が露出した状態でダミー制御ゲート電極DG101のエッチング工程を行うことが許容されず、それゆえ様々な制約が発生してしまう。このため、製造工程の管理が難しくなり、半導体装置の製造工程が行いにくくなってしまうため、半導体装置の製造歩留まりの低下や、半導体装置の製造コストの増加を招いてしまう。
それに対して、本実施の形態では、メモリゲート電極MGはp型のシリコン膜により形成され、ダミー制御ゲート電極DGはノンドープまたはn型のシリコン膜(より好ましくはn型のシリコン膜)により形成されている。ノンドープまたはn型のシリコン膜とp型のシリコン膜とは、同じエッチング液を用いてもエッチング速度を異ならせることが可能であり、エッチング液の選択によっては、p型のシリコン膜のエッチングを抑制しながら、ノンドープまたはn型のシリコン膜を選択的にエッチングすることが可能である。本実施の形態では、p型のシリコン膜からなるダミー制御ゲート電極DGに比べて、ノンドープまたはn型のシリコン膜からなるメモリゲート電極MGがエッチングされにくい条件でエッチングを行うことで、ダミー制御ゲート電極DGとメモリゲート電極MGとの両方が露出した状態でエッチングを行っても、ダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができる。これにより、ダミー制御ゲート電極DGを的確に除去するとともに、メモリゲート電極MGがエッチングされるのを的確に抑制または防止することができる。
本実施の形態では、メモリゲート電極MGとダミー制御ゲート電極DGとの両方が露出した状態で、ダミー制御ゲート電極DGをエッチングにより除去するため、ダミー制御ゲート電極DGを露出しかつメモリゲート電極MGを覆うようなフォトレジストパターン(上記フォトレジストパターンPR101に相当)を形成せずに済む。このため、上記検討例に関連して説明したような上記フォトレジストパターンPR101の形成位置のずれに起因した問題も生じずに済み、ダミー制御ゲート電極DGを選択的に除去することに伴う制約が少なくなる。このため、本実施の形態では、製造工程の管理が容易となり、半導体装置の製造工程を行いやすくなる。従って、半導体装置の製造歩留まりの向上や、半導体装置の製造コストの低減を図ることができる。また、本実施の形態では、上記フォトレジストパターンPR101に相当するものを形成せずに済むことで、半導体装置の製造工程数を抑制することもでき、これも、半導体装置の製造コストの低減に寄与する。また、ダミー制御ゲート電極DGのエッチング残りやメモリゲート電極MGの過剰なエッチングを防止できるため、製造された半導体装置の信頼性を向上させることもできる。
また、本実施の形態では、上記フォトレジストパターンPR101に相当するものを形成せずに済むため、ダミー制御ゲート電極DGの上面全体が露出された状態で、図27のエッチング工程を行うことができる。このため、図27のエッチング工程において、ダミー制御ゲート電極DGの露出面積を大きくすることができるため、図27のエッチング工程でダミー制御ゲート電極DGのエッチング残りが生じるのを防止しやすくなる。この観点でも、図27のエッチング工程の管理が容易となり、図27のエッチング工程を行いやすくなる。従って、半導体装置の製造歩留まりの向上や、半導体装置の製造コストの低減を図ることができる。
また、図27のエッチング工程では、ダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングするが、メモリゲート電極MGだけでなく、露出する各絶縁膜もできるだけエッチングされないようにすることが好ましい。具体的には、図27のエッチング工程は、ダミー制御ゲート電極DGに比べて、メモリゲート電極MG、絶縁膜GF、絶縁膜MZ、サイドウォールスペーサSWおよび層間絶縁膜IL1がエッチングされにくい条件で、エッチングを行うことが好ましい。これにより、図27のエッチング工程では、メモリゲート電極MG、絶縁膜GF、絶縁膜MZ、サイドウォールスペーサSWおよび層間絶縁膜IL1がエッチングされるのを抑制または防止しながら、ダミー制御ゲート電極DGを的確にエッチングすることができる。このため、ダミー制御ゲート電極DGは、メモリゲート電極MGに対するエッチング選択性を有するだけでなく、各種絶縁膜に対するエッチング選択性を有することが望ましい。ノンドープまたはn型のシリコン膜は、p型シリコン膜に対するエッチング選択性を有するだけでなく、各種絶縁膜(例えば酸化シリコン膜や窒化シリコン膜など)に対するエッチング選択性も有している。このため、本実施の形態のように、メモリゲート電極MGをp型のシリコン膜により形成し、ダミー制御ゲート電極DGをノンドープまたはn型のシリコン膜により形成すれば、必然的に、ダミー制御ゲート電極DGは、各種絶縁膜に対するエッチング選択性を有することができる。従って、図27のエッチング工程において、ダミー制御ゲート電極DGを的確に除去できるとともに、露出された絶縁膜(ここでは絶縁膜GF、絶縁膜MZ、サイドウォールスペーサSWおよび層間絶縁膜IL1)が不必要なエッチングを受けてしまうのを抑制または防止することができる。従って、図27のエッチング工程でメモリゲート電極MGがエッチングされないようにすることはもちろんのこと、露出する各絶縁膜もエッチングされないようにするという観点で、ダミー制御ゲート電極DGを構成する材料として、ノンドープまたはn型シリコンは特に好適である。
また、図27のエッチング工程を行う直前の段階で、ダミー制御ゲート電極DGは、ノンドープまたはn型のシリコン膜からなり、メモリゲート電極MGは、p型のシリコン膜からなる必要がある。このため、図27のエッチング工程を行う前に、メモリゲート電極MGにn型の不純物が注入されてしまうのは、できるだけ防ぐことが望ましい。このため、メモリゲート電極MG上にキャップ絶縁膜CP2が形成された状態で、n−型半導体領域EX1,EX2を形成するためのイオン注入や、n+型半導体領域SD1,SD2を形成するためのイオン注入を行うことが好ましい。これにより、n−型半導体領域EX1,EX2を形成するためのイオン注入や、n+型半導体領域SD1,SD2を形成するためのイオン注入の際に、メモリゲート電極MGにn型不純物がイオン注入されるのを抑制または防止することができる。このため、p型のシリコン膜からなるメモリゲート電極MGの実効的なp型不純物濃度の変動を防ぐことができ、図27のエッチング工程で、メモリゲート電極MGが意図せずしてエッチングされてしまうのを、的確に防止することができる。
また、図27のエッチング工程では、ドライエッチングではなく、ウェットエッチングを採用することが好ましい。ドライエッチングではなく、ウェットエッチングを用いることで、ダミー制御ゲート電極DGの下地(ここでは絶縁膜GFやフィンFA)にダメージを与えることなく、ダミー制御ゲート電極DGをエッチングして除去することができる。
また、本実施の形態では、p型のシリコン膜からなるメモリゲート電極MGのエッチング速度が、ノンドープまたはn型のシリコン膜からなるダミー制御ゲート電極DGのエッチング速度よりも低くなるように、図27のエッチング工程のエッチング条件を選択する必要がある。このため、ノンドープまたはn型シリコンよりもp型シリコンの方がエッチング速度が低くなるようなエッチング液を、図27のエッチング工程で用いることが好ましい。
このため、図27のエッチング工程では、アンモニア水を好適に用いることができる。アンモニア水を用いたウェットエッチングにより、p型シリコン膜により形成されたメモリゲート電極MGのエッチングを抑制または防止しながら、ノンドープまたはn型のシリコン膜により形成されたダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができ、また、露出した各絶縁膜のエッチングを抑制または防止することができる。
また、図27のエッチング工程では、まず、APM(Ammonia-Hydrogen Peroxide Mixture)を用いたウェットエッチングによりダミー制御ゲート電極DGの表面(表層部分)をエッチングしてから、その後に、アンモニア水を用いたウェットエッチングによりダミー制御ゲート電極DG全体を除去することもできる。なお、APMは、アンモニアと過酸化水素と水の混合液である。先にAPMを用いたウェットエッチングを行うことで、ダミー制御ゲート電極DGの上面に形成されていた異質な表面層を的確に除去することができ、その後のアンモニア水を用いたウェットエッチングにより、比較的高いエッチングレートでダミー制御ゲート電極DGをエッチングして除去することができる。これにより、ダミー制御ゲート電極DGのエッチング残りが生じるのをより的確に防止できるとともに、図27のエッチング工程に要する時間も抑制することができる。
なお、ダミー制御ゲート電極DGの上面に形成されていた異質な表面層とは、図26の研磨工程に起因して、ダミー制御ゲート電極DGの上面に、ダミー制御ゲート電極DGの内部とは異質な表面層が形成されたものであり、例えば、研磨工程で使用した研磨スラリーなどの残留物の付着などに起因して形成され得る。このような異質な表面層は、アンモニア水よりもAPMの方が除去しやすいため、図27のエッチング工程で、まずAPMを用いたウェットエッチングを行うことで、ダミー制御ゲート電極DGの上面に形成されていた異質な表面層を除去することができる。しかしながら、APMのウェットエッチングだとダミー制御ゲート電極DGのエッチング速度が低いため、APMを用いたウェットエッチングからアンモニア水を用いたウェットエッチングに切り換えて、ダミー制御ゲート電極DG全体を除去することで、図27のエッチング工程に要する時間を短縮することができる。
また、図27のエッチング工程を、APMを用いたウェットエッチングと、その後のアンモニア水を用いたウェットエッチングとにより行う場合は、APMを用いたウェットエッチングの後、処理対象の半導体ウエハ(半導体基板SB)を大気中にさらすことなく、連続的にアンモニア水を用いたウェットエッチングを行うことが好ましい。これにより、APMを用いたウェットエッチング処理とアンモニア水を用いたウェットエッチング処理との間に、ダミー制御ゲート電極DGの表面に不要な酸化膜が形成されるのを防ぐことができるため、ダミー制御ゲート電極DGのエッチング残りが生じるのを、より的確に防止できる。例えば、ウェットエッチング処理装置の処理層内のAPMからなる薬液中に、処理対象の半導体ウエハを所定の時間、浸漬した後、半導体ウエハを浸漬させた薬液をAPMからアンモニア水に置換し、アンモニア水からなる薬液中に半導体ウエハが浸漬された状態を所定の時間、維持することで、図27のエッチング工程を行うことができる。
また、図27のエッチング工程では、まず、酸系の薬液を用いたウェットエッチングによりダミー制御ゲート電極DGの表面(表層部分)をエッチングしてから、その後に、アンモニア水を用いたウェットエッチングによりダミー制御ゲート電極DG全体を除去することもできる。先に酸系の薬液を用いたウェットエッチングを行うことで、ダミー制御ゲート電極DGの上面に形成されていた異質な表面層を的確に除去することができる。上記酸系の薬液としては、フッ酸(希フッ酸)、FPM(Hydrofluoric acid-Hydrogen Peroxide Mixture)、塩酸(希塩酸)またはHPM(Hydrochloric acid-Hydrogen Peroxide Mixture)を好適に用いることができる。なお、HPMは、塩酸と過酸化水素と水の混合液であり、FPMは、フッ酸と過酸化水素と水の混合液である。
図27のエッチング工程を、酸系の薬液を用いたウェットエッチングと、その後のアンモニア水を用いたウェットエッチングとにより行う場合は、酸系の薬液を用いたウェットエッチングの後、アンモニア水を用いたウェットエッチングを行う前に、処理対象の半導体ウエハ(半導体基板SB)が大気中にさらされてしまう。これは、アンモニア水はアルカリ性の薬液であるため、処理層内の酸系の薬液中に半導体ウエハを浸漬した状態で、その薬液をアンモニア水に置換することはできないからである。このため、ダミー制御ゲート電極DGの表面に不要な酸化膜が形成されるのを防ぐ観点では、アンモニア水を用いたウェットエッチング処理の前に行うウェットエッチング処理としては、酸系の薬液よりも、アルカリ性であるAPMを用いたウェットエッチングの方が、より好ましい。
また、メモリゲート電極MGは、p型のシリコン膜からなるが、メモリゲート電極MGのp型不純物濃度が、1×1020/cm3以上であれば、より好ましい。これにより、図27のエッチング工程で、メモリゲート電極MGのエッチング速度(エッチングレート)を十分に低くすることができ、メモリゲート電極MGがエッチングされるのを、的確に抑制または防止することができる。また、メモリゲート電極MGのp型不純物濃度が1×1020/cm3以上であれば、メモリゲート電極MG中に意図せずして少量のn型不純物が導入された場合でも、メモリゲート電極MGはp型シリコンで構成された状態を十分に維持でき、メモリゲート電極MGに対するダミー制御ゲート電極DGの高いエッチング選択比を確保しやすくなる。
また、ダミー制御ゲート電極DGは、n型のシリコン膜からなることが好ましいが、ダミー制御ゲート電極DGのn型不純物濃度が、1×1020/cm3以上であれば、より好ましい。これにより、図27のエッチング工程で、ダミー制御ゲート電極DGのエッチング速度(エッチングレート)を的確に高めることができるため、ダミー制御ゲート電極DGのエッチング残りが生じるのを、より的確に防止することができる。また、ダミー制御ゲート電極DGのn型不純物濃度が、1×1020/cm3以上であれば、ダミー制御ゲート電極DG中に意図せずして少量のp型不純物が導入された場合でも、ダミー制御ゲート電極DGはn型シリコンで構成された状態を十分に維持でき、メモリゲート電極MGに対するダミー制御ゲート電極DGの高いエッチング選択比を確保しやすくなる。
(実施の形態2)
図42〜図53は、本実施の形態2における半導体装置の製造工程中の要部断面図である。本実施の形態2では、上記実施の形態1との相違点を中心に説明し、上記実施の形態1と同様な点については、その繰り返しの説明は省略する。
本実施の形態2の半導体装置の製造工程は、絶縁膜MZ形成工程までは、上記実施の形態1における製造工程と同様である。上記実施の形態1と同様にして絶縁膜MZを形成した後、上記図15に相当する図42に示されるように、半導体基板SB上に、すなわち絶縁膜MZ上に、積層体LM1を覆うように、シリコン膜PS2aを形成(堆積)する。シリコン膜PS2aは、上記シリコン膜PS2に相当するものであり、多結晶シリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。
シリコン膜PS2aは、n型不純物が導入されたn型のシリコン膜(ドープトポリシリコン膜)である。成膜用のガスにドーピングガス(n型不純物添加用のガス)を含ませることで、シリコン膜PS2aの成膜時にシリコン膜PS2aにn型不純物を導入することができるが、他の形態として、ノンドープのシリコン膜PS2aの成膜後にイオン注入でシリコン膜PS2a中にn型不純物を導入することもできる。
次に、上記実施の形態1(図16)において上記シリコン膜PS2を研磨処理したのと同様に、本実施の形態2においても、図43に示されるように、CMP法などによりシリコン膜PS2aを研磨処理することで、シリコン膜PS2aの上面を平坦化する。
次に、図44に示されるように、シリコン膜PS2aをエッチングして、シリコン膜PS2aの上面の高さを低くする。このシリコン膜PS2aの上面の高さを低くするエッチング工程は、手法自体は上記実施の形態1の上記図17の工程と同様であるが、エッチング終了時点(図44)でのシリコン膜PS2aの上面の高さ位置が、上記図17のシリコン膜PS2の上面の高さ位置と相違している。
すなわち、上記図17におけるシリコン膜PS2の上面の高さ位置よりも、図44におけるシリコン膜PS2aの上面の高さ位置が低くなっており、具体的には、本実施の形態2(図44)の場合は、シリコン膜PS2aの上面の高さ位置は、積層体LM1を構成するダミー制御ゲート電極DGの上面の高さ位置よりも低くなっている。このため、図44では、積層体LM1の一部(ダミー制御ゲート電極DGの上部とキャップ絶縁膜CP1)とその表面の絶縁膜MZとが、シリコン膜PS2aの平坦な上面から上方に突出した状態になっている。なお、この段階でも、シリコン膜PS2aの上面は、平坦である。
次に、図45に示されるように、半導体基板SB上に、すなわちシリコン膜PS2a上に、積層体LM1を覆うように、シリコン膜PS2bを形成(堆積)する。シリコン膜PS2bは、多結晶シリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。シリコン膜PS2bの上面のいずれの領域も、積層体LM1の上面の高さ位置よりも高くなるように、シリコン膜PS2bの堆積膜厚を設定し、例えば、シリコン膜PS2bの堆積膜厚は、150〜250nm程度とすることができる。
シリコン膜PS2bは、p型不純物が導入されたp型のシリコン膜(ドープトポリシリコン膜)である。成膜用のガスにドーピングガス(p型不純物添加用のガス)を含ませることで、シリコン膜PS2bの成膜時にシリコン膜PS2bにp型不純物を導入することができるが、他の形態として、ノンドープのシリコン膜PS2bの成膜後にイオン注入でシリコン膜PS2b中にp型不純物を導入することもできる。
また、シリコン膜PS2bの成膜前に、SPM(Sulfuric acid-Hydrogen Peroxide Mixture)による洗浄処理を行うなどして、シリコン膜PS2aの表面に極薄い酸化膜(酸化シリコン膜)を形成し、その後で、シリコン膜PS2bを成膜することもできる。その場合、シリコン膜PS2bとシリコン膜PS2aとの界面に薄い酸化膜が介在することになるが、その酸化膜は非常に薄いため、シリコン膜PS2bとシリコン膜PS2aとの間の電気伝導は可能である。シリコン膜PS2bとシリコン膜PS2aとの界面に薄い酸化膜が介在した場合には、その酸化膜は、シリコン膜PS2b中のp型不純物とシリコン膜PS2a中のn型不純物との相互拡散を防止する作用を奏することができる。
次に、図46に示されるように、CMP法などによりシリコン膜PS2bを研磨処理することで、シリコン膜PS2bの上面を平坦化する。このシリコン膜PS2bの研磨工程は、上記シリコン膜PS2の研磨工程(図16の工程)と基本的には同じである。
次に、図47に示されるように、シリコン膜PS2bをエッチングして、シリコン膜PS2bの上面の高さを低くする。このシリコン膜PS2bの上面の高さを低くするエッチング工程は、手法自体は上記実施の形態1の上記図17の工程と同様である。これにより、シリコン膜PS2bの上面が、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向において後退(下降)し、シリコン膜PS2bの上面の高さ位置は、積層体LM1の上面の高さ位置よりも低くなる。この段階で、シリコン膜PS2bの上面の高さ位置が、積層体LM1を構成するダミー制御ゲート電極DGの上面の高さ位置と、ほぼ同じになっていれば、より好ましい。このため、積層体LM1の一部(キャップ絶縁膜CP1)とその表面の絶縁膜MZとが、シリコン膜PS2bの平坦な上面から上方に突出した状態になっている。なお、この段階でも、シリコン膜PS2bの上面は、平坦である。
本実施の形態2における図47の段階が、上記実施の形態1における上記図17の段階に対応している。本実施の形態2における図47の構造が、上記実施の形態1における上記図17の構造と相違しているのは、上記図17の構造におけるp型のシリコン膜PS2が、図47の構造では、n型のシリコン膜PS2aとその上のp型のシリコン膜PS2bとの積層膜PS2cに置き換わっている点である。それ以外は、本実施の形態2における図47の構造と、上記実施の形態1における上記図17の構造とは、基本的には同じである。なお、積層膜PS2cは、平坦な上面を有するシリコン膜PS2aと、そのシリコン膜PS2aの平坦な上面上に形成されたシリコン膜PS2bとの積層膜であり、シリコン膜PS2bの上面も平坦である。また、p型のシリコン膜PS2bの好適なp型不純物濃度は、上記実施の形態1におけるp型のシリコン膜PS2の場合と同様である。
以降の工程は、本実施の形態2も上記実施の形態1とほぼ同様である。このため、これ以降は、上記実施の形態1の上記図18〜図34の工程を、上記実施の形態1とほぼ同様に行う。従って、これ以降の工程の説明は、上記実施の形態1の上記図18〜図34の工程の説明において、「シリコン膜PS2」を「積層膜PS2c」に読み替えれば、本実施の形態2にも適用できるため、ここではその繰り返しの説明は概ね省略するが、特徴的な部分について、以下に説明する。
図48は、上記実施の形態1の上記図20と同じ工程段階が示されている。本実施の形態2では、上記実施の形態1におけるシリコン膜PS2の代わりに、積層膜PS2cを用いているため、図48に示されるように、メモリゲート電極MGは、n型のシリコン膜PS2aとその上のp型のシリコン膜PS2bとの積層膜PS2cにより形成される。メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2aは、平坦な上面を有しており、シリコン膜PS2aと、シリコン膜PS2aの平坦な上面上に形成されたシリコン膜PS2bとの積層膜PS2cにより、メモリゲート電極MGが形成される。このため、図48では、積層体LM2aは、n型のシリコン膜PS2aとp型のシリコン膜PS2bとの積層膜PS2cからなるメモリゲート電極MGとその上のキャップ絶縁膜CP2とからなり、キャップ絶縁膜CP2は、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2b上に配置されている。
図49は、上記実施の形態1の上記図26と同じ工程段階が示され、図50は、上記実施の形態1の上記図27と同じ工程段階が示されている。上記実施の形態1における「図26の研磨工程」に相当する工程を、本実施の形態2では、「図49の研磨工程」と称することとする。また、上記実施の形態1における「図27のエッチング工程」に相当する工程を、本実施の形態2では、「図50のエッチング工程」と称することとする。
本実施の形態2では、図26の研磨工程に相当する図49の研磨工程を行うと、図49に示されるように、ダミー制御ゲート電極DGおよびメモリゲート電極MGの各上面が露出するが、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2bの上面が露出され、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2aは露出されない。それ以外は、本実施の形態2における図49の研磨工程も、上記実施の形態1における図26の研磨工程と同様であるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
また、本実施の形態2では、図27のエッチング工程に相当する図50のエッチング工程を行うと、図50に示されるように、ダミー制御ゲート電極DGが選択的にエッチングされて除去される。
図50のエッチング工程は、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2b(の上面)とダミー制御ゲート電極DG(の上面)とが露出された状態で、行われる。このため、本実施の形態2では、図50のエッチング工程において、ノンドープまたはn型のシリコン膜からなるダミー制御ゲート電極DGに比べて、メモリゲート電極MGを構成するp型のシリコン膜PS2bがエッチングされにくい条件でエッチングを行う。より具体的には、図50のエッチング工程では、ダミー制御ゲート電極DGに比べて、メモリゲート電極MGを構成するp型のシリコン膜PS2b、絶縁膜GF、絶縁膜MZ、サイドウォールスペーサSWおよび層間絶縁膜IL1がエッチングされにくい条件で、エッチングを行う。これにより、図50のエッチング工程で、ダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができる。図50のエッチング工程では、メモリゲート電極MGを構成するn型のシリコン膜PS2aは、p型のシリコン膜PS2bで覆われており、露出していないため、エッチングされることはない。それ以外は、本実施の形態2における図50のエッチング工程も、上記実施の形態1における図50のエッチング工程と同様であるので、繰り返しの説明は省略する。
図51は、上記実施の形態1の上記図31と同じ工程段階が示され、図52は、上記実施の形態1の上記図34と同じ工程段階が示されている。
本実施の形態2でも、上記実施の形態1と同様にして、図51に示されるように、メモリゲート電極MGの上部(表層部)に金属シリサイド層SC2を形成する。但し、本実施の形態2の場合は、図51に示されるように、金属シリサイド層SC2は、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2bの上部(表層部)に形成される。それ以外は、本実施の形態2における金属シリサイド層SC2形成工程は、上記実施の形態1における金属シリサイド層SC2形成工程と同様であるので、繰り返しの説明は省略する。
本実施の形態2の場合は、製造された半導体装置においては、図52に示されるように、メモリゲート電極MGが、n型のシリコン膜PS2aとシリコン膜PS2a上のp型のシリコン膜PS2bとの積層膜からなり、メモリゲート電極MGを構成するp型のシリコン膜PS2bの上部(表層部)に金属シリサイド層SC2が形成されている。この金属シリサイド層MC2は、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2bに接しているが、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜PS2aには接していない。それ以外については、本実施の形態2の半導体装置の構造(図52)は、上記実施の形態1の半導体装置の構造(図1〜図5および図34)と同様であるので、繰り返しの説明は省略する。
上記実施の形態1では、製造された半導体装置において、メモリゲート電極MG全体がp型シリコン膜により形成されていた。しかしながら、特性、信頼性、あるいは、動作法などの要求から、メモリゲート電極MGをn型のシリコン膜により形成したい場合があり得、そのような場合は、本実施の形態2を適用することが好ましい。例えば、メモリゲート電極がp型シリコンからなる場合よりも、n型シリコンからなる場合の方が、メモリトランジスタのしきい値電圧を低くすることができる。
本実施の形態2では、製造された半導体装置において、メモリゲート電極MGの下部がn型のシリコン膜PS2aにより形成されているため、メモリゲート電極をn型のシリコン膜により形成したい場合の要求を満たすことができる。例えば、本実施の形態2では、メモリゲート電極MGの下部がn型のシリコン膜PS2aにより形成されているため、メモリゲート電極MG全体がp型シリコン膜により形成されている上記実施の形態1の場合よりも、メモリトランジスタのしきい値電圧を低くすることができる。このため、メモリトランジスタのしきい値電圧を低くしたい場合などには、本実施の形態2は適している。
そして、本実施の形態2では、ダミー制御ゲート電極DGをノンドープまたはn型のシリコン膜により形成し、メモリゲート電極MGを、n型のシリコン膜PS2aとシリコン膜PS2a上のp型のシリコン膜PS2bとの積層膜により形成している。これにより、図50のエッチング工程で、ダミー制御ゲート電極DGとメモリゲート電極MG(のシリコン膜PS2b)との両方が露出した状態でエッチングを行っても、ダミー制御ゲート電極DGを選択的にエッチングして除去することができる。このため、上記フォトレジストパターンPR101に相当するものを形成することなく、メモリゲート電極MGがエッチングされるのを抑制または防止しながら、ダミー制御ゲート電極DGを的確に除去することができる。従って、本実施の形態2においても、上記実施の形態1で説明したような効果を得ることができる。
また、本実施の形態2の場合は、メモリゲート電極MGを、n型のシリコン膜PS2aとシリコン膜PS2a上のp型のシリコン膜PS2bとの積層膜により形成したことで、図50のエッチング工程に関連した効果以外に、以下のような効果も得ることができる。
すなわち、p型シリコン膜上とn型シリコン膜上とに、それぞれ金属シリサイド層をサリサイドプロセスで形成した場合には、p型シリコン膜上に形成された金属シリサイド層の方が、n型シリコン膜上に形成された金属シリサイド層よりも、シート抵抗が低くなる傾向にある。また、p型シリコン膜上に形成された金属シリサイド層の方が、n型シリコン膜上に形成された金属シリサイド層よりも、厚さが薄くなる傾向にある。このため、メモリゲート電極全体をn型シリコン膜により形成した場合よりも、本実施の形態2のように、メモリゲート電極MGを、n型のシリコン膜PS2aとその上のp型のシリコン膜PS2bとの積層膜により形成した場合の方が、メモリゲート電極MGの上部に形成した金属シリサイド層SC2のシート抵抗をより低くすることができる。これにより、メモリゲート電極MGの抵抗を低減でき、半導体装置の性能向上、例えば動作速度の向上を図ることができる。また、メモリゲート電極全体をn型シリコン膜により形成した場合よりも、メモリゲート電極MGをn型のシリコン膜PS2aとその上のp型のシリコン膜PS2bとの積層膜により形成した場合(本実施の形態2)の方が、メモリゲート電極MGの上部に形成した金属シリサイド層SC2の厚さを制御しやすく、金属シリサイド層SC2が制御ゲート電極CGに接触してしまうリスクを低減できる。これにより、半導体装置の信頼性を、より向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。