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JP4736373B2 - 近赤外線吸収材及びそれを用いた表示装置 - Google Patents

近赤外線吸収材及びそれを用いた表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、近赤外線を吸収することができると共に、光の干渉によって生ずる干渉むらを十分に抑制することができ、例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)の表示画面上に貼着されて用いられる近赤外線吸収材及びそれを用いた表示装置に関するものである。
近年、電子ディスプレイは、テレビジョン用やモニター用等として広く普及している。特に、ディスプレイの薄型化や大型化が進んでおり、その一つとしてプラズマディスプレイパネルが注目されている。プラズマディスプレイパネルは、その発光体より近赤外線を発生し、コードレスフォン等の周辺機器を誤動作させるため、近赤外線を吸収する機能が求められている。
そのような近赤外線吸収機能を発揮する近赤外線吸収材として、近赤外線を吸収する色素及び染顔料を用いたもの(例えば、特許文献1を参照)等が知られている。そして、近赤外線吸収材による近赤外線吸収層は、近赤外線を吸収する色素及び染顔料が樹脂に分散されたコーティング剤を透明樹脂フィルム上に塗布して形成される。このような近赤外線吸収層は、通常2〜20μm程度の厚みを有している。
特開平11-305033号公報(第2頁及び第3頁)
ところが、透明樹脂フィルム上に近赤外線吸収層を設けた場合には、透明樹脂フィルムの屈折率と近赤外線吸収層の屈折率とは通常異なっており、透明樹脂フィルム上に屈折率の異なる近赤外線吸収層を2〜20μmの厚みで積層すると、それらの間で光の干渉作用が起こる。そのため、近赤外線吸収層の表面に光の干渉によって生ずる干渉むら、即ち水上の油膜のような模様が生じ、外観を損なうという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、近赤外線を吸収することができると共に、光の干渉によって生ずる干渉むらを十分に抑制することができる近赤外線吸収材及びそれを用いた表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明における第1の発明の近赤外線吸収材は、透明樹脂フィルムの一方の面に第一の干渉層を介して近赤外線吸収層を設けると共に、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1%以下であり、透明樹脂フィルムの屈折率が1.55〜1.70であり、近赤外線吸収層の屈折率が1.45〜1.65でかつ膜厚が2〜20μmであり、第一の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(近赤外線吸収層の屈折率)} 1/2 ±0.03でかつ光学膜厚が125〜165nmであり、更に第一の干渉層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率と近赤外線吸収層の屈折率との中間の屈折率となるように構成され、加えて透明樹脂フィルムの近赤外線吸収層が設けられていない他方の面に、透明樹脂フィルム側から順に、第二の干渉層、ハードコート層及び減反射層が設けられ、ハードコート層の屈折率が1.45〜1.55でかつ膜厚が2〜20μmであり、第二の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(ハードコート層の屈折率)} 1/2 ±0.03でかつ光学膜厚が125〜165nmであり、更に第二の干渉層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率とハードコート層の屈折率との中間の屈折率であることを特徴とするものである。
の発明の近赤外線吸収材は、第1の発明において、近赤外線吸収層が色調を補正する色素を含有していることを特徴とするものである
の発明の表示装置は、第1又は2の発明の近赤外線吸収材が、表示画面上に設けられて構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明の近赤外線吸収材においては、透明樹脂フィルムの一方の面に第一の干渉層を介して近赤外線吸収層を設けると共に、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1%以下に設定されている。このように近赤外線吸収層を設けたことにより近赤外線を吸収することができると共に、第一の干渉層を設け、かつ反射率の振幅の差の最大値を1%以下という小さい値に設定したことにより、光の干渉によって生ずる干渉むらを十分に抑制することができる。
また、透明樹脂フィルム、近赤外線吸収層及び第一の干渉層の屈折率が特定され、更に第一の干渉層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率と近赤外線吸収層の屈折率との中間の屈折率となるように構成されている。このため、各層の屈折率が相互の関係において適正範囲に規定され、光の干渉によって生ずる干渉むらを効果的に低減させることができる。
更に透明樹脂フィルムの近赤外線吸収層が設けられていない他方の面に、透明樹脂フィルム側から順に、第二の干渉層、ハードコート層及び減反射層が設けられている。従って、近赤外線吸収材は近赤外線の吸収に加え、減反射性を発揮することができると共に、光の干渉によって生ずる干渉むらを抑制することができる。
加えて、ハードコート層及び第二の干渉層の屈折率が特定され、更に第二の干渉層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率とハードコート層の屈折率との中間の屈折率に設定されている。このため、光の干渉によって生ずる干渉むらを一層抑制することができると共に、減反射性をより高めることができる。
の発明の近赤外線吸収材においては、近赤外線吸収層が色調を補正する色素を含有している。このため、例えば表示装置の表示画面の発光色の色純度及びコントラストを向上させることができる。
の発明の表示装置では、近赤外線吸収材が表示画面上に設けられて構成されている。従って、例えば電子画像表示装置、特にプラズマディスプレイパネルにおいて、光の干渉による干渉むらが少なく外観に優れるとともに、近赤外線吸収効果により例えばリモートコントロール操作等の誤動作を防ぎ、更に減反射層によりディスプレイ前面の反射を抑えることで、鮮明な画像を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の近赤外線吸収材10は、透明樹脂フィルム11の一方の面に、第一の干渉層13を介して近赤外線吸収層12が設けられて構成されている。この近赤外線吸収材10は、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1%以下に設定されている。ここでいう反射率は、近赤外線吸収層12の表面における反射率であり、透明樹脂フィルム11の裏面における反射率は含まれない。
上記の透明樹脂フィルム11を形成する透明樹脂基材は、屈折率(n)が1.55〜1.70である。この透明樹脂基材として例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET、n=1.65)、ポリカーボネート(PC、n=1.59)、ポリアリレート(PAR、n=1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、n=1.65)等が好ましい。これらのうち、特にPETフィルムが成形の容易性、入手の容易さ及びコストの点で好ましい。また、透明樹脂フィルム11の厚みは、好ましくは25〜400μm、更に好ましくは50〜200μmである。この厚みが25μm未満の場合や400μmを越える場合には、近赤外線吸収材10の製造時及び使用時における取り扱い性が低下して好ましくない。
この透明樹脂フィルム11には、近赤外線吸収層12に含まれる近赤外線吸収剤を紫外線から保護するために、紫外線吸収剤を含むことが望ましい。紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤で良く、例えばサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、環状イミノエステル系化合物等が好ましい。これらの紫外線吸収剤のうち、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び環状イミノエステル系化合物が好ましい。紫外線吸収剤の添加量としては、波長380nm以下の紫外線の光線透過率が5%以下になるように設定するのがよい。その添加量は、透明樹脂フィルム11中に3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。波長380nm以下の光線透過率が5%を越える場合、近赤外線吸収材10に対して紫外線遮蔽効果が十分に望めないため好ましくない。
透明樹脂フィルム11上に、第一の干渉層13及び近赤外線吸収層12を積層することにより、光の干渉によって生ずる干渉むらを低減させることが必要である。そのためには、近赤外線吸収層12の屈折率が1.45〜1.65でかつ膜厚が2〜20μmである。しかも、第一の干渉層13の屈折率が{(透明樹脂フィルム11の屈折率)×(近赤外線吸収層12の屈折率)}1/2±0.03でかつ光学膜厚が125〜165nmに設定される。更に、第一の干渉層13の屈折率が透明樹脂フィルム11の屈折率と近赤外線吸収層12の屈折率との中間の屈折率となるように構成される。即ち、透明樹脂フィルム11の屈折率>第一の干渉層13の屈折率>近赤外線吸収層12の屈折率、又は近赤外線吸収層12の屈折率>第一の干渉層13の屈折率>透明樹脂フィルム11の屈折率の関係を満たすように設計されることが好ましい。ここで、光学膜厚とは層の屈折率(n)と層の厚み(d)との積(n×d)を表す。
この場合、前述のように光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1%以下、即ち近赤外線吸収材10の表面における反射スペクトルを測定した際の波長500〜650nmにおける近赤外線吸収層12と透明樹脂フィルム11との間の干渉光に起因する振幅の差の最大値が1%以下にならなければならない。振幅の差の最大値は、更に好ましくは0.5%以下である。その差が1%を越えると光の干渉が目立ち、本実施形態の目的を達成することができなくなる。例えば、図2に示すように、後述する実施例1では光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が0.8%、図3に示すように、後述する実施例3では光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が0.3%である。
第一の干渉層13の屈折率は、{(透明樹脂フィルム11の屈折率)×(近赤外線吸収層12の屈折率)}1/2±0.02の範囲内であることが更に好ましい。第一の干渉層13の屈折率は、{(透明樹脂フィルム11の屈折率)×(近赤外線吸収層12の屈折率)}1/2であるときに最も光の干渉を低減させることができる。第一の干渉層13の屈折率及び光学膜厚が上記の範囲外である場合には、干渉むらの低減効果が低くなるため好ましくない。また、近赤外線吸収層12の屈折率が上記範囲外である場合には、同様の理由で好ましくない。近赤外線吸収層12の膜厚が2μm未満の場合には、十分な近赤外線吸収性能を発揮することが難しくなるため好ましくない。一方、膜厚が20μmを越える場合には、近赤外線吸収材10の耐屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。
第一の干渉層13は屈折率、厚みが前記範囲内であれば良く、その材料及び層の形成方法は特に限定されない。第一の干渉層13を形成する材料は例えば有機物、無機物の単独又は混合物を用いることができる。有機物としては例えば(メタ)アクリレート〔以下、アクリルとメタクリルを(メタ)アクリルと総称する。〕等の反応性単量体や重合体が、無機物としては例えば珪素化合物や金属、金属酸化物等が挙げられる。また、第一の干渉層13の形成方法は従来公知の方法を用いることができ、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライコート法や、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等のウェットコート法が挙げられる。特に、これらの方法のうち、厚みを正確に制御できる観点から目的に応じた方法が採用される。
第一の干渉層13には、上記機能以外の他の機能を付与することができる。例えば、透明樹脂フィルム11又は近赤外線吸収層12に対する密着性を向上させる機能等が挙げられる。また、樹脂材料から透明樹脂フィルム11を作製するとき、即ち延伸やキャストをするとき、同時に表面に第一の干渉層13を膜として形成させることが可能である。例えば、透明樹脂フィルム11がPETフィルムの場合、その上に積層する層との密着性を向上させるために、PETフィルムの製造時にインラインでPETフィルム表面にポリエステル系樹脂等からなる接着剤を塗布して易接着層を形成する。この易接着層の屈折率及び膜厚を第一の干渉層13の条件に合わせることにより易接着層が第一の干渉層13を兼ねることができる。
第一の干渉層13の上に形成する近赤外線吸収層12は近赤外線吸収剤を含み、屈折率、膜厚が前記範囲内であることが好ましく、近赤外線吸収層12の形成方法は特に限定されない。例えば、近赤外線吸収層12をウェットコーティング法により形成する方法が挙げられる。近赤外線吸収剤としては、従来公知のもので良く、特に限定されないが、例えば、ポリメチン系色素、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール金属錯塩系、ナフトキノン、アントロキノン、トリフェニルメタン系、アミニウム系、ジインモニウム系等が挙げられる。
市販の近赤外線吸収剤としては、例えば、KAYASORBIRG−022、KAYASORBIRG−023、KAYASORBIRG−040(以上、日本化薬株式会社製)、イーエクスカラーIR1、イーエクスカラーIR3、イーエクスカラー810K、イーエクスカラー812K、イーエクスカラー814K、イーエクスカラー905B(以上、株式会社日本触媒製)、SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159(以上、三井化学株式会社製)、CIR−1080、CIR−1081(以上、日本カーリット株式会社製)等が挙げられる。
近赤外線吸収層12を形成する場合には、前記の近赤外吸収剤を有機バインダーに溶解又は分散させて行うことが好ましい。近赤外吸収剤は不安定な物質であるため、このような有機バインダーに溶解又は分散させて使用することが望ましい。有機バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)等のポリスチレン系化合物;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキル;ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル;ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、更に飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの有機バインダーは、単独又は2種類以上混合して使用される。これらのうち、屈折率等の観点からポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂の屈折率は、1.58〜1.60である。
前記近赤外線吸収層12には、例えばディスプレイパネルの発光色の色純度及びコントラストを向上させるために、色調を補正する色素を含有することが望ましい。この色調を補正する色素としては、可視光線の領域に所望の吸収波長を有する一般の染料で良く、例えばスクアリリウム系、アゾメチン系、シアニン系、キサンテン系、アゾ系、テトラアザポルフィリン系、ピロメテン系等の一般に市販されている色素を挙げることができる。
次に、本実施形態においては、図1(b)に示すように、透明樹脂フィルム11の近赤外線吸収層12が設けられていない他方の面に、透明樹脂フィルム11側から順に、第二の干渉層14、ハードコート層15並びに高屈折率層16及び低屈折率層17からなる減反射層18を設けることができる。このような層構成を採用することにより、近赤外線吸収層12に基づいて不要な近赤外線を吸収できる上に、減反射層18に基づいて外光の反射を低減させることができると共に、第二の干渉層14に基づいて光の干渉により生ずる干渉むらを低減させることができる。
減反射層18側のハードコート層15における干渉むらを低減させるには、ハードコート層15の屈折率が1.45〜1.55でかつ膜厚が2〜20μmである。第二の干渉層14の屈折率は{(透明樹脂フィルム11の屈折率)×(ハードコート層15の屈折率)}1/2±0.03の範囲内でかつ光学膜厚が125〜165nmである。更に、第二の干渉層14の屈折率が透明樹脂フィルム11の屈折率とハードコート層15の屈折率との中間の屈折率、即ち透明樹脂フィルム11の屈折率>第二の干渉層14の屈折率>ハードコート層15の屈折率の関係にある。
第二の干渉層14の屈折率は、{(透明樹脂フィルム11の屈折率)×(ハードコート層15の屈折率)}1/2±0.02の範囲内であることがより好ましい。第二の干渉層14の屈折率は、{(透明樹脂フィルム11の屈折率)×(ハードコート層15の屈折率)}1/2であるときに最も干渉むらを低減でき、更にその±0.03の範囲内で、かつ透明樹脂フィルム11の屈折率>第二の干渉層14の屈折率>ハードコート層15の屈折率の関係にあるならば、干渉むらを効果的に低減させることができる。
第二の干渉層14の屈折率及び光学膜厚が、上記の範囲外である場合には、干渉むらの低減効果が小さくなるため好ましくない。また、ハードコート層15の屈折率が1.45未満の場合には、ハードコート層15を形成する材料として比較的軟らかく、高価な低屈折率の材料を添加しなければならなくなるため、硬度が低下したり、コストが嵩む等の問題が生じて好ましくない。一方、屈折率が1.55を越える場合には、透明樹脂フィルム11との屈折率差が小さくなって減反射効果が弱くなり好ましくない。ハードコート層15の膜厚については、2μm未満の場合には、近赤外線吸収材10は十分な硬度が得られ難くなるため好ましくない。また、膜厚が20μmを越える場合には、近赤外線吸収材10は耐屈曲性等が低下するため好ましくない。
第二の干渉層14は屈折率、厚みが前記範囲内であれば良く、その材料、層の形成方法は特に限定されない。第二の干渉層14を形成する材料は例えば有機物、無機物の単独又は混合物が用いられる。有機物としては、例えば(メタ)アクリレート等の反応性単量体や重合体が用いられ、無機物としては、例えば珪素化合物や金属、金属酸化物等が用いられる。第二の干渉層14は、前記第一の干渉層13を形成する材料と同種の材料を用い、その組成を調整して前記のような屈折率の関係を有するように形成することが好ましい。このように構成すれば、第一の干渉層13及び第二の干渉層14の製造効率を向上させることができる。更に、第二の干渉層14の光学膜厚を第一の干渉層13の光学膜厚と略同一になるように構成することにより、光の干渉によって生ずる干渉むらの抑制効果を向上させるべく、層構成の設計を容易にすることができる。
また、第二の干渉層14の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライコート法や、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等のウェットコート法が挙げられる。これらの方法のうちから、特に厚みを正確に制御できる観点で選択することが好ましい。
第二の干渉層14には本実施形態の目的を損なわない限り、他の機能を付与することができる。例えば、透明樹脂フィルム11とハードコート層15との密着性向上の機能等が挙げられる。また、樹脂材料から透明樹脂フィルム11を作製するとき、即ち延伸やキャストするとき、同時に表面に第二の干渉層14を膜として形成させることが可能である。例えば、透明樹脂フィルム11がPETフィルムの場合、その上に積層する層との密着性を向上させるために、PETフィルムの製造時にインラインでPETフィルム表面にポリエステル系樹脂等からなる接着剤を塗布して易接着層を形成する。この易接着層の屈折率及び膜厚を第二の干渉層14の条件に合わせることにより易接着層が第二の干渉層14を兼ねることができる。
第二の干渉層14上に形成されるハードコート層15は屈折率、膜厚が前記範囲内であることが好ましく、その材料及び形成方法は特に限定されない。ハードコート層15を形成する材料として具体的には、例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等の硬化物が挙げられる。これらのうち生産性及び硬度の両立の観点より、紫外線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。
紫外線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物としては特に限定されるものでない。例えば、公知の紫外線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを一種類以上混合したもの、紫外線硬化性ハードコート材として市販されているもの、或いはこれら以外に本実施形態の目的を損なわない範囲において、その他の成分を更に添加したものを用いることができる。
紫外線硬化性の多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではないが、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールの(メタ)アクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、そしてポリウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
紫外線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物に含まれるその他の成分は特に限定されるものではない。例えば、無機又は有機の微粒子状充填剤、無機又は有機の微粒子状顔料及びそれ以外の無機又は有機微粒子;重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤等が挙げられる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる場合には、任意の量の溶媒を添加することができる。
ハードコート層15の形成方法は、有機材料を用いた場合にはロールコート法、ダイコート法等の一般的なウェットコート法が採用される。形成されたハードコート層15には必要に応じて加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射を施し、硬化反応を行うことができる。
次に、減反射層18は単層構造又は多層構造をとることができる。単層構造の場合、ハードコート層15上に該ハードコート層15よりも屈折率の低い層(低屈折率層)を1層形成する。また、多層構造の場合、ハードコート層15の上に屈折率の異なる層を多層積層する。多層構造にすることによって、反射率をより効果的に下げることができる。具体的には、ハードコート層15側から見て順に高屈折率層16及び低屈折率層17からなる2層構造や、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層からなる3層構造や、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層からなる4層構造等が挙げられる。減反射効果の観点からは3層以上が好ましく、生産性及び生産コスト観点からは単層又は2層構造のものが好ましい。
減反射層18の形成方法は特に限定されず、例えばドライコーティング法、ウェットコーティング法等の方法を採ることができる。生産性、生産コストの面より、特にウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法は公知の方法で良く、例えばロールコート法、スピンコート法、そしてディップコート法等が代表的なものとして挙げられる。これらの中では、ロールコート法等、連続的に減反射層18を形成できる方法が生産性の点より好ましい。
減反射層18の機能を発揮させるために、低屈折率層17の屈折率としては、形成される層がその直下の層より低屈折率であることが好ましく、その屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。屈折率が1.50を越える場合にはウェットコーティング法では十分な減反射効果を得ることが難しく、一方屈折率が1.35未満の場合には十分に硬い層を形成することが困難となる傾向にある。
更に、2層構造を有する場合には、高屈折率層16は直上に形成される低屈折率層17より屈折率を高くすることが必要であるので、その屈折率は1.60〜1.90であることが好ましい。屈折率が1.60未満では十分な減反射効果を得ることが難しく、一方ウェットコーティング法で屈折率が1.90を越える層を形成するのは困難となる傾向にある。また、中屈折率層を設けた多層構造とする場合には、積層する高屈折率層より屈折率が低く、低屈折率層より屈折率が高くなるという要件を満たす限り、その屈折率は特に限定されない。
減反射層18の厚みは、透明樹脂フィルム11の種類、形状、減反射層18の構造によって異なるが、一層あたり可視光線の波長と同じ厚み又はそれ以下の厚みが好ましい。例えば、可視光線に対して減反射効果を発揮させる場合には、高屈折率層16の光学膜厚nH・dは500≦4nH・d(nm)≦750、及び低屈折率層17の光学膜厚nL・dは、400≦4nL・d(nm)≦650を満たすように設計される。但し、nH、nLはそれぞれ高屈折率層16及び低屈折率層17の屈折率、dは層の厚みである。
高屈折率層16を構成する材料は特に限定されるものではなく、無機材料又は有機材料を用いることができる。無機材料として、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム錫(以後、ITOと略記する。)等の微粒子が挙げられる。特に、ITO等の導電性微粒子を用いた場合には、近赤外線吸収材の表面抵抗率を下げることができ、帯電防止能も更に付与することができるため好ましい。特に、導電性の面より酸化錫及びITO、屈折率の点より酸化チタン、酸化セリウム及び酸化亜鉛が好ましい。また、有機材料としては例えば屈折率が1.60〜1.80であるような重合性単量体を含む組成物を重合硬化したもの等を用いることができる。
無機材料の微粒子を含む高屈折率層16は、ウェットコーティング法により形成することができる。その場合には、前記屈折率が1.60〜1.80であるような重合性単量体のみならず、それ以外の重合性単量体及びその重合体を含む組成物をウェットコーティング時のバインダーとして用いることができる。無機材料の微粒子の平均粒径は高屈折率層の厚みを大きく越えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。平均粒径が大きくなると、散乱が生じる等、高屈折率層16の光学性能が低下するため好ましくない。また、必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤等により修飾することができる。各種カップリング剤としては例えば、有機基で置換された珪素化合物、更にアルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン等の金属のアルコキシド、有機酸塩等が挙げられる。
低屈折率層17を構成する材料としては、酸化珪素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、フッ化セリウム等の無機物や、フッ素を含む単量体(以下、含フッ素単量体という。)の単独若しくは混合物又は含フッ素単量体の重合体を含む組成物を用いることができる。また、フッ素を含まない単量体(以下、非フッ素単量体という。)やその重合体をバインダーとして用いることができる。含フッ素単量体は特に限定されるものではなく、例えば含フッ素単官能(メタ)アクリレート、含フッ素多官能(メタ)アクリレート、含フッ素イタコン酸エステル、含フッ素マレイン酸エステル、含フッ素珪素化合物等の単量体、及びそれらの重合体等が挙げられる。これらの中では、反応性の観点より含フッ素(メタ)アクリレートが好ましく、特に含フッ素多官能(メタ)アクリレートが、硬度及び屈折率の点より最も好ましい。これら含フッ素有機化合物を硬化させることにより、低屈折率かつ高硬度の層を形成することができる。
含フッ素単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1−(メタ)アクリロイロキシ−1−パーフルオロアルキルメタン、1−(メタ)アクリロイロキシ−2−パーフルオロアルキルエタン等が挙げられる。パーフルオロアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分枝状又は環状のものが挙げられる。
含フッ素多官能(メタ)アクリレートとしては、含フッ素2官能(メタ)アクリレート、含フッ素3官能(メタ)アクリレート及び含フッ素4官能(メタ)アクリレートが好ましい。含フッ素2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,2−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロアルキルブタン、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロアルカン等が好ましい。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが、パーフルオロアルキル基は直鎖状のものが好ましい。これらの含フッ素2官能(メタ)アクリレートは、使用に際して単独又は混合物として用いられる。
含フッ素3官能(メタ)アクリレートの例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は、炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが好ましい。また、含フッ素4官能(メタ)アクリレートの例としては、α,β,ψ,ω−テトラキス{(メタ)アクリロイルオキシ}−αH,αH,βH,γH,γH,χH,χH,ψH,ωH,ωH−パーフルオロアルカン等が好ましい。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜14の直鎖状のものが好ましい。含フッ素4官能(メタ)アクリレートは、単独又は混合物として用いることができる。
含フッ素珪素化合物の具体的な例としては、(1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキル)トリメトキシシラン等が好ましい。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のものが好ましい。前記含フッ素単量体の重合体又はその他の含フッ素単量体の重合体としては、前記含フッ素単量体の単独重合体、共重合体、又は非フッ素単量体との共重合体等の直鎖状重合体、鎖中に炭素環や複素環を含む重合体、環状重合体、櫛型重合体等が挙げられる。前記非フッ素単量体としては、従来公知のものを用いることができる。例えば単官能又は多官能(メタ)アクリレートやテトラエトキシシラン等の珪素化合物等が挙げられる。
低屈折率層17を形成する有機又は無機の微粒子としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、酸化珪素微粒子、有機重合体の微粒子等が挙げられる。微粒子の平均粒径は低屈折率層17の厚みを大きく越えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。平均粒径が大きくなると、光の散乱が生じる等、低屈折率層17の光学性能が低下するため好ましくない。また、必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤等により修飾することができる。各種カップリング剤としては例えば、有機基で置換された珪素化合物、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン等の金属のアルコキシド、有機酸塩等が挙げられる。特に、表面を(メタ)アクリロイル基等の反応性基で修飾することにより、硬度の高い膜を形成することができる。
更に、減反射層18には前記の化合物以外に本実施形態の目的を達成できる範囲において、その他の成分を含んでいても良い。その他の成分としては特に限定されるものではなく、例えば無機又は有機の顔料、重合体、重合開始剤、光重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、レベリング剤等が挙げられる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させることができる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。減反射層18はウェットコーティング法により成膜した後、必要に応じて紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射や加熱によって硬化反応を行うことにより得ることができる。活性エネルギー線による硬化反応は窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下にて行うことが好ましい。
本実施形態の近赤外線吸収材10の近赤外線吸収層12が形成されている面に接着層を設け、他部材に接着できるように構成することができる。接着層を形成する材料としては特に限定されるものではないが、例えばアクリル系粘着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等を挙げることができる。また、この接着層には特定波長域の光の吸収、コントラスト向上、色調補正等の機能の少なくとも一つを付与することができる。例えば、近赤外線吸収材10の透過光色が黄色味を帯びている等、好ましくない場合には色素等を添加して色調補正を行うことができる。
本実施形態の近赤外線吸収材10は、近赤外線吸収効果、光の干渉抑制効果、更には減反射効果を必要とする用途に用いることができる。特に、電子画像表示装置の表示画面上に好適に適用することができる。電子画像表示装置としては、例えば、ブラウン管、プラズマディスプレイパネル、液晶表示装置等が挙げられるが、これらの中でも、表示装置から不要な近赤外線が放出されるプラズマディスプレイパネルに好適に使用することができる。そして、その表示画面上に接着層を介して近赤外線吸収材を接着させて用いることができる。
さて、透明樹脂フィルム11の一方の面に近赤外線吸収層12を設けた近赤外線吸収材10を得る場合には、例えばPETフィルム上に、干渉層用塗液を所定の光学膜厚を有するように層の厚みを調整して塗布し、乾燥後、紫外線を照射して硬化させ、第一の干渉層13を形成する。その上に、近赤外線吸収層用塗液を塗布し、乾燥させることにより、第一の干渉層13上に近赤外線吸収層12が設けられた近赤外線吸収材10を作製することができる。そして、近赤外線吸収材10は、例えばプラズマディスプレイパネルの表示画面上に近赤外線吸収層12側が接着層を介して接着される。その状態で、表示画面側から近赤外線吸収材10に近赤外線を含む光が当たったときには、850〜1100nmの波長を有する近赤外線は近赤外線吸収層12を透過する際にほとんど吸収される。更に、近赤外線吸収材10に当たった光のうち、近赤外線吸収層12の表面で反射する反射光、透明樹脂フィルム11の表面で反射する反射光等による光の干渉による干渉むらが第一の干渉層13によって緩和される。
また、透明樹脂フィルム11の一方の面に近赤外線吸収層12を設け、他方の面に減反射層18を設けた近赤外線吸収材10を得る場合には、上記の近赤外線吸収材10の近赤外線吸収層12が設けられていない面に、干渉層用塗液を所定の光学膜厚となるように層の厚みを調整して塗布し、乾燥後、紫外線を照射することにより第二の干渉層14を得る。その上にハードコート層用塗液を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、ハードコート層15を形成する。更にその上に高屈折率層用塗液及び低屈折率層用塗液を順に塗布、乾燥し、硬化させることにより、ハードコート層15上に減反射層18として高屈折率層16及び低屈折率層17が設けられ、減反射性を有する近赤外線吸収材10を作製することができる。得られた近赤外線吸収材10によれば、外光が減反射層18を通過するときに低屈折率層17及び高屈折率層16の各界面で反射した光の干渉作用により、反射が抑えられる。逆に、プラズマディスプレイパネルの表示画面からの光は高屈折率層16及び低屈折率層17の順に通過し、その際の光の干渉作用により透過率が向上し、表示画面が明るく視認性を向上させることができる。その上、第二の干渉層14の屈折率が透明樹脂フィルム11の屈折率とハードコート層15の屈折率との中間の屈折率に設定されているため、ハードコート層15に起因する干渉むらが抑えられる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態の近赤外線吸収材10においては、透明樹脂フィルム11の一方の面に第一の干渉層13を介して近赤外線吸収層12を設けると共に、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1%以下に設定されている。このように、近赤外線吸収層12を設けたことにより近赤外線を吸収することができる。しかも、第一の干渉層13を設け、反射率の振幅の差の最大値を1%以下という小さい値に設定したことにより、近赤外線吸収層12表面での反射光と透明樹脂フィルム11表面での反射光等とによる光の干渉によって生ずる干渉むらを十分に抑制することができ、油膜のような模様の形成を抑えることができる。
・ また、近赤外線吸収材10では、透明樹脂フィルム11、近赤外線吸収層12及び第一の干渉層13の屈折率が前記のように特定され、更に第一の干渉層13の屈折率が透明樹脂フィルム11の屈折率と近赤外線吸収層12の屈折率との中間の屈折率となるように構成されている。このため、各層の屈折率が相互に適正範囲に規定され、干渉むらを効果的に低減させることができる。
・ 更に、近赤外線吸収材10においては、透明樹脂フィルム11が25〜400μmという取り扱い易い膜厚を有するポリエチレンテレフタレートフィルムで構成されている。このため、近赤外線吸収材10の製造時及び使用時における透明樹脂フィルム11の取り扱い性を良好にすることができる。また、透明樹脂フィルム11が紫外線吸収剤を含有し、波長が380nm以下の紫外線の透過率が5%以下となるように構成されている。従って、透明樹脂フィルム11を紫外線から効果的に保護することができ、近赤外線吸収材10の耐久性を向上させることができる。
・ しかも、近赤外線吸収材10においては、近赤外線吸収層12が色調を補正する色素を含有しているため、例えばプラズマディスプレイパネル等の表示装置の表示画面の発光色の色純度及びコントラストを向上させることができる。
・ 近赤外線吸収材10には、更に透明樹脂フィルム11の近赤外線吸収層12が設けられていない他方の面に、透明樹脂フィルム11側から順に、第二の干渉層14、ハードコート層15及び減反射層18が設けられている。従って、近赤外線吸収材10は近赤外線の吸収に加え、減反射性を発揮することができる。加えて、上記ハードコート層15及び第二の干渉層14の屈折率が特定され、更に第二の干渉層14の屈折率が透明樹脂フィルム11の屈折率とハードコート層15の屈折率との中間の屈折率に設定されている。このため、光の干渉による干渉むらを一層抑制することができると同時に、減反射性を一層高めることができる。例えば、プラズマディスプレイパネルは大型であることから、その表示画面には背景が映り込みやすく、視認性が低下するが、上記のように近赤外線吸収効果と減反射効果とを兼ね備えることにより、視認性を向上させることができる。
・ また、例えば電子画像表示装置では、近赤外線吸収材10が表示画面上に設けられて構成されている。従って、特にプラズマディスプレイパネルにおいて、光の干渉による干渉むらが少なく外観に優れるとともに、近赤外線吸収効果により例えばリモートコントロール操作等の誤動作を防ぎ、更に減反射層18によりディスプレイパネルの表示画面の反射を抑えることで、鮮明な画像を得ることができる。
・ 更に近赤外線吸収材10は、ディスプレイパネルの表示画面上に設けられたとき、主として2〜20μmの厚みを有するハードコート層15により、使用に耐える優れた硬度を発揮することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。尚、各製造例で調製した近赤外線吸収層用及び減反射層用の塗液の硬化物の屈折率は以下のようにして測定した。
まず、屈折率1.49のアクリル樹脂板(旭化成工業株式会社製の商品名:「デラグラスA」)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、近赤外線吸収層用及び減反射層用の塗液をそれぞれ乾燥膜厚で光学膜厚が550nm程度になるように層の厚みを調整して塗布した。次いで、溶媒乾燥後、必要に応じて紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用い、400mJの紫外線を照射して硬化した。
その後、アクリル樹脂板の裏面をサンドペーパーで粗面化し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計(日本分光株式会社製の商品名「U−best 50」)により、波長400〜650nmにおける反射率(5°、−5°正反射率)を測定し、その反射率の極小値又は極大値を読み取った。そして、反射率の極値より以下の式を用いて各層の屈折率を計算した。
Figure 0004736373
得られた近赤外線吸収材の物性は以下に示す方法で測定し、評価した。
1)分光反射率
(透明樹脂フィルムの一方の面に近赤外線吸収層を設け、他方の面には何も設けない場合)
近赤外線吸収材の裏面(透明樹脂フィルム側)をサンドペーパーで粗面化し、黒色塗料で塗りつぶしたものについて、前述の分光光度計により、光の波長400〜800nmの反射スペクトル(5°、−5°正反射スペクトル)を測定した。これにより、近赤外線吸収層の反射スペクトルが得られる。
(透明樹脂フィルムの一方の面に近赤外線吸収層を設け、他方の面に減反射層を設けた場合)
近赤外線吸収材の近赤外線吸収層の表面をサンドペーパーで粗面化し、黒色塗料で塗りつぶしたものについて、前述の分光光度計により、光の波長400〜800nmにおける反射スペクトル(5°、−5°正反射スペクトル)を測定した。これにより、減反射層の反射スペクトルが得られ、その反射スペクトルから最小反射率(%)が得られる。
2)全光線透過率及びヘイズ値
ヘイズメータ(日本電色工業株式会社製の商品名「NDH2000」)を用いて全光線透過率(%)及びヘイズ値(%)を測定した。
3)光の干渉の強度
分光反射率測定で得られた反射スペクトルより、600nm近辺の干渉の反射率幅を読み取り、光の干渉の強度(%)とした。
4)外観
三波長蛍光灯管の下で近赤外線吸収材の外観を観察し、光の干渉がはっきりと見える場合を×、殆ど観察されない場合を〇として評価した。
5)近赤外線透過率
分光光度計(株式会社 島津製作所製の商品名「UV−1600PC」)を用いて透過スペクトルを測定し、光の波長850nm、950nm及び1100nmにおける透過率(%)を測定した。
〔製造例1−1、干渉層用塗液(IF−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20質量部、テトラメチロールメタントリアクリレート10質量部、平均粒径0.05μmの酸化錫微粒子70質量部、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカル製の商品名:「IRGACURE907」)2質量部を2−ブタノール1000質量部に溶解乃至分散して干渉層用塗液(IF−1)を調製した。その硬化物の屈折率は1.61であった。
〔製造例1−2(干渉層用塗液(IF−2)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30質量部、テトラメチロールメタントリアクリレート20質量部、平均粒径0.05μmの酸化錫微粒子50質量部、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカル製の商品名:「IRGACURE907」)2質量部を2−ブタノール1000質量部に溶解乃至分散して干渉層用塗液(IF−2)を調製した。その硬化物の屈折率は1.58であった。
〔製造例1−3、近赤外線吸収層用塗液(NIRA−1)の調製〕
近赤外線吸収色素として、ジイモニウム塩化合物(日本化薬株式会社製の商品名:「KAYASORB IRG−022」)3.2質量部、含フッ素フタロシアニン系化合物(株式会社日本触媒製の商品名:「Excolor IR−1」)0.5質量部、ジチオール金属錯体系化合物(三井化学株式会社製の商品名:「SIR−159」)1.6質量部、バインダーとして線状飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製の商品名:「バイロン300」)440質量部、溶剤としてメチルエチルケトン490質量部及びトルエン490質量部を混合攪拌して溶解し、近赤外線吸収層用塗液NIRA−1を調製した。
〔製造例1−4、近赤外線吸収層用塗液(NIRA−2)の調製〕
近赤外線吸収色素として、ジイモニウム塩化合物(日本化薬株式会社製の商品名:「KAYASORB IRG−022」)3.2質量部、含フッ素フタロシアニン系化合物(株式会社日本触媒製の商品名:「Excolor IR−1」)0.5質量部、ジチオール金属錯体系化合物(三井化学株式会社製の商品名:「SIR−159」)1.6質量部、色調補正色素(旭電化工業株式会社製の商品名:「TY−167」)0.5質量部、バインダーとして線状飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製の商品名:「バイロン300」)440質量部、溶剤としてメチルエチルケトン490質量部及びトルエン490質量部を混合攪拌して溶解し、近赤外線吸収層用塗液NIRA−2を調製した。
〔製造例1−5、ハードコート層用塗液(HC−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70質量部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン30質量部、光重合開始剤(チバガイギー株式会社製の商品名:「IRGACURE184」)4質量部、及びイソプロパノール100質量部を混合してハードコート層用塗液(HC−1)を調製した。その硬化物の屈折率は1.52であった。
〔製造例1−6、低屈折率層用塗液(L−1)の調製〕
1,10−ジアクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン70質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10質量部、シリカゲル微粒子分散液(日産化学株式会社製の商品名:「XBA−ST」)60質量部、及び光重合開始剤(日本化薬株式会社製の商品名:「KAYACURE BMS」)5質量部を混合して低屈折率層用塗液(L−1)を調製した。そのL−1の重合硬化物の屈折率は1.42であった。
〔製造例1−7、高屈折率層用塗液(H−1)の調製〕
平均粒径0.07μmのITO微粒子85質量部、テトラメチロールメタントリアクリレート15質量部、光重合開始剤(日本化薬株式会社製の商品名:「KAYACURE BMS」)5質量部及びブチルアルコール900質量部を混合し、高屈折率層用塗液(H−1)を調製した。そのH−1の重合硬化物の屈折率は1.64であった。
参考例1)
厚みが100μmの紫外線吸収剤入りポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製の商品名:「HB3」)の一方の面に第一の干渉層として、干渉層用塗液IF−1をスピンコーターにより、光学膜厚が110〜125nmになるように層の厚みを調整して塗布した。干渉層用塗液IF−1を乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cm2の紫外線を照射し、干渉層用塗液IF−1を硬化させた。
その上に、近赤外線吸収層用塗液NIRA−1をバーコーターにて乾燥膜厚が10μm程度になるように塗布し、90℃で1時間乾燥させ、近赤外線吸収材を作製した。得られた近赤外線吸収材は、図1(a)に示した構造を有している。図1(a)に示すように、透明樹脂フィルム11の表面には第一の干渉層13を介して近赤外線吸収層12が形成されている。得られた近赤外線吸収材10について、分光反射率、全光線透過率、ヘイズ値、光の干渉の強度、外観及び近赤外線透過率を測定し、評価した。その結果を表1に示した。更に、光の波長(nm)と反射率(%)との関係を図2に示した。
参考例2)
近赤外線吸収用塗液をNIRA−1からNIRA−2に替えた以外は、参考例1と同様にして近赤外線吸収材を作製した。得られた近赤外線吸収材について、分光反射率、全光線透過率、ヘイズ値、光の干渉の強度、外観及び近赤外線透過率を参考例1と同様に測定し、評価した。それらの結果を表1に示した。
(実施例3)
参考例1で作製した近赤外線吸収材の、近赤外線吸収層が形成されていない他方の面に、第二の干渉層として干渉層用塗液IF−2をスピンコーターにより、光学膜厚が110〜125nmになるように層の厚みを調整して塗布した。干渉層用塗液IF−2の乾燥後、窒素雰囲気化で400mJ/cm2の紫外線を照射することにより干渉層用塗液IF−2を硬化させた。
その上にハードコート層用塗液HC−1をバーコーターを用いて乾燥膜厚が5μm程度になるように塗布し、400mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させた。次に、スピンコーターを用いて、その上に高屈折率用塗液H−1を光学膜厚が150nmとなるように及び低屈折率層塗液L−1を光学膜厚が150nmとなるように、第二の干渉層と同様にして順次塗布、乾燥、硬化し、近赤外線吸収材を作製した。得られた近赤外線吸収材は、図1(b)に示す構造を有している。
図1(b)に示すように、前記図1(a)の構成に加えて、透明樹脂フィルム11の他方の面には、第二の干渉層14を介してハードコート層15が設けられ、ハードコート層15の表面には減反射層18として高屈折率層16及び低屈折率層17が設けられている。この近赤外線吸収材10の分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ値、光の干渉の強度、外観及び近赤外線透過率を測定、評価した結果をそれぞれ表1及び図3に示した。
(実施例4)
参考例2で作製した近赤外線吸収材の近赤外線吸収層が形成されていない他方の面に、実施例3と同様にして減反射層18を形成し、減反射性を有する近赤外線吸収材10を作製した。得られた近赤外線吸収材10について、分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ値、光の干渉の強度、外観及び近赤外線透過率を実施例3と同様にして測定し、評価した。それらの結果を表1に示した。
(比較例1)
第一の干渉層13を形成しない以外は参考例1と同様にして近赤外線吸収材を作製し、分光反射率、全光線透過率、ヘイズ値、光の干渉の強度、外観及び近赤外線透過率を実施例1と同様にして測定、評価した。それらの結果を表1及び図4に示した。
(比較例2)
第一の干渉層13及び第二の干渉層14を形成しない以外は実施例3と同様にして減反射性を有する近赤外線吸収材を作製し、分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ値、光の干渉の強度、外観及び近赤外線透過率を実施例3と同様にして測定し、評価した。それらの結果を表1に示した。
Figure 0004736373
表1に示した結果より、参考例1、2及び実施例3、4においては、850〜1100nmの波長を有する近赤外線の透過率が2.8〜10.2%であり、近赤外線が十分に吸収されたことが確認された。更に、参考例1、2及び実施例3、4で作製した近赤外線吸収材は適切な屈折率の第一及び第二の干渉層を有しており、光の干渉の強度が0.8%以下であり、光の干渉によって生ずる干渉むらが低減されて優れた外観を有している。それに対し、比較例1及び2では光の干渉の強度が1.5%であり、光の干渉が大きく、近赤外線吸収材の表面に縞模様が目立つ外観を呈していた。
加えて、図2及び図3の結果から、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値は0.8%(参考例1)及び0.3%(実施例3)であり、光の干渉むらが低減され、外観は良好であった。一方、図4の結果から、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値は1.5%(比較例1)であり、光の干渉むらは低減されず、外観は不良であった。
(実施例5及び6)
実施例3及び4で作製した減反射性を有する近赤外線吸収材の近赤外線吸収層の表面に、アクリル系粘着シート(製品名:「ノンキャリア」、リンテック株式会社製)をハンドローラーを用いてそれぞれ均一に貼り合わせた。次いで、その粘着シートを介して近赤外線吸収材をプラズマディスプレイの表面に直接貼り合せ、光の干渉の強度及びディスプレイ消灯時の干渉むらによる外観を評価し、その結果を表2に示した。
但し、光の干渉の強度は、減反射性を有する近赤外線吸収材をディスプレイに貼り合わせた状態の分光反射率を分光反射率計(「URE−30」、ウシオ電機株式会社製)により測定した後、600nm近辺の干渉の反射率幅を読み取って評価した。また、光の干渉による外観については、ディスプレイを3波長蛍光灯のもとで観察し、干渉むらが殆ど目立たない場合を○、はっきりと認められる場合を×として2段階で評価した。
(比較例3)
比較例2で作製した減反射性を有する近赤外線吸収材を使用し、実施例5及び6と同様にプラズマディスプレイに貼り合わせ、光の干渉の強度及びディスプレイ消灯時の干渉むらによる外観を評価し、表2に示した。
Figure 0004736373
表2に示したように、実施例5及び6では、近赤外線吸収材のフィルムを表示画面に貼り合せたとき、表示画面の表面における反射は十分に抑えられ、非常に鮮明で見やすい画像であった。また、プラズマディスプレイの消灯時にも干渉むらが殆ど認められず、良好な外観を示した。一方、比較例3では干渉層を設けていないため、ディスプレイ消灯時における干渉むらが大きく目立ち、外観が不良であった。
尚、本実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記実施形態の近赤外線吸収層12又は減反射層18の表面に凹凸を形成し、干渉むらを抑制するように構成することもできる。
更に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 第一の干渉層及び第二の干渉層は同種の材料により形成されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の近赤外線吸収材。このように構成した場合、第一の干渉層及び第二の干渉層を効率良く形成することができる。
・ 第一の干渉層及び第二の干渉層の光学膜厚は略同一になるように形成されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の近赤外線吸収材。このように構成した場合、干渉むらの抑制効果を向上させるべく、層構成の設計を容易にすることができる。
・ 第一の干渉層は透明樹脂フィルムの成形時に同時に形成されたものである請求項1又は請求項2に記載の近赤外線吸収材。このように構成した場合、第一の干渉層を透明樹脂フィルムの成形時に同時に形成することにより、第一の干渉層を透明樹脂フィルムの成形後に製作する必要がなく、透明樹脂フィルム及び第一の干渉層の製造効率が良い。
・ 第二の干渉層は透明樹脂フィルムの成形時に同時に形成されたものである請求項又は請求項2に記載の近赤外線吸収材。このように構成した場合、第二の干渉層を透明樹脂フィルムの成形時に同時に形成することにより、第二の干渉層を透明樹脂フィルムの成形後に製作する必要がなく、透明樹脂フィルム及び第二の干渉層の製造効率が良い。
(a)は透明樹脂フィルムの一方の面に近赤外線吸収層を設けた近赤外線吸収材を示す断面図、(b)は透明樹脂フィルムの一方の面に近赤外線吸収層を設け、他方の面に減反射層を設けた近赤外線吸収材を示す断面図。 参考例1における光の波長と反射率との関係を示すグラフ。 実施例3における光の波長と反射率との関係を示すグラフ。 比較例1における光の波長と反射率との関係を示すグラフ。
符号の説明
10…近赤外線吸収材、11…透明樹脂フィルム、12…近赤外線吸収層、13…第一の干渉層、14…第二の干渉層、15…ハードコート層、18…減反射層。

Claims (3)

  1. 透明樹脂フィルムの一方の面に第一の干渉層を介して近赤外線吸収層を設けると共に、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1%以下であり、透明樹脂フィルムの屈折率が1.55〜1.70であり、近赤外線吸収層の屈折率が1.45〜1.65でかつ膜厚が2〜20μmであり、第一の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(近赤外線吸収層の屈折率)} 1/2 ±0.03でかつ光学膜厚が125〜165nmであり、更に第一の干渉層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率と近赤外線吸収層の屈折率との中間の屈折率となるように構成され、加えて透明樹脂フィルムの近赤外線吸収層が設けられていない他方の面に、透明樹脂フィルム側から順に、第二の干渉層、ハードコート層及び減反射層が設けられ、ハードコート層の屈折率が1.45〜1.55でかつ膜厚が2〜20μmであり、第二の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(ハードコート層の屈折率)} 1/2 ±0.03でかつ光学膜厚が125〜165nmであり、更に第二の干渉層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率とハードコート層の屈折率との中間の屈折率であることを特徴とする近赤外線吸収材。
  2. 近赤外線吸収層が色調を補正する色素を含有していることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の近赤外線吸収材が、表示画面上に設けられて構成されていることを特徴とする表示装置。
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