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JP2008262048A - ディスプレイ用減反射性近赤外線低減材及びこれを用いた電子画像表示装置 - Google Patents

ディスプレイ用減反射性近赤外線低減材及びこれを用いた電子画像表示装置 Download PDF

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JP2008262048A
JP2008262048A JP2007105064A JP2007105064A JP2008262048A JP 2008262048 A JP2008262048 A JP 2008262048A JP 2007105064 A JP2007105064 A JP 2007105064A JP 2007105064 A JP2007105064 A JP 2007105064A JP 2008262048 A JP2008262048 A JP 2008262048A
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Takuya Kamimura
卓也 上村
Yasuhiro Kimura
育弘 木村
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NOF Corp
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Abstract

【課題】近赤外線吸収効果を一層高めることができると共に、近赤外線の吸収及び可視光線の透過についての耐久性を向上させることができ、かつ近赤外線吸収色素の添加量を抑えることができるディスプレイ用減反射性近赤外線低減材及びそれを用いた電子画像表示装置を提供する。
【解決手段】近赤外線遮蔽材10は、透明基材11の一方の面に近赤外線吸収色素を含有してなる近赤外線吸収層12が設けられ、他方の面に減反射層13が設けられて構成されている。近赤外線吸収層12を構成する近赤外線吸収色素はスルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩と、フタロシアニン系化合物とを含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等の電子画像表示装置の表示画面上に設けられ、周辺電子機器の誤作動を招く近赤外線を吸収する近赤外線吸収機能と、外光の映り込みを抑制して優れた視認性を発現する減反射機能とを兼ね備えた、ディスプレイ用減反射性近赤外線低減材及びこれを用いた電子画像表示装置に関する。
近年の高度情報化社会において、電子画像表示装置(電子ディスプレイ)等の光エレクトロニクス機器はテレビジョンやパーソナルコンピューターのモニター用等として著しい進歩を遂げ、広く普及している。さらに、電子ディスプレイの大型化や薄型化に伴ってプラズマディスプレイが注目を浴びているが、外光の映り込みによる視認性の低下、プラズマディスプレイの構造や動作原理上発せられる近赤外線によるリモートコントロール機等の周辺機器の誤動作等といった問題がある。
これらの問題を解決するために、プラズマディスプレイ用フィルターには、外光の映り込みを抑制して視認性を向上させる減反射材、プラズマディスプレイの発光体から発せられる近赤外線を吸収する近赤外線低減材が用いられている。リモートコントロール機等に使用されている820nm、880nm及び980nmの光の波長を含む800〜1100nmの波長領域の光を吸収するため、従来数種類の近赤外線吸収色素を組合せた近赤外線吸収フィルタを用いる手法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。さらに、本出願人は既にこの種の近赤外線遮蔽材について提案している(特許文献2を参照)。すなわち、近赤外線遮蔽材は、近赤外線吸収色素として従来のジイモニウム塩とは異なるスルホンイミドをアニオン成分とする特定のジイモニウム塩を用いている。
特開平11−305033号公報(第2頁及び第3頁) 特開2007−72442号公報(第2頁及び第5〜8頁)
前記特許文献1に記載の近赤外線吸収フィルタでは、例えば近赤外線吸収色素として日本化薬(株)製のKayasorbIRG−022、日本触媒(株)製のExclor IR−1及び三井東圧(株)製のSIR−159が用いられている(特許文献1の第3頁表1)。しかしながら、日本化薬(株)製のKayasorbIRG−022はジイモニウム塩ではあるが、光の波長820nmにおける吸収能が高くない。また、日本触媒(株)製のExclor IR−1はフタロシアニン系化合物であり、従来から近赤外線吸収色素として用いられている化合物であって、ジイモニウム塩に比べて近赤外線吸収機能が低いものである。さらに、三井東圧(株)製のSIR−159はジチオール系化合物であり、このジチオール系化合物もフタロシアニン系化合物と同様に近赤外線吸収機能が低いものである。
このように、これら3種類の近赤外線吸収色素は近赤外線吸収機能がいずれも低いことから、それらの近赤外線吸収色素を組合せても、その効果の向上は望めず、満足できる近赤外線吸収効果を得ることはできなかった。しかも、そのように近赤外線吸収機能が十分に発現されないため、耐久性の向上を図ることは難しかった。さらに、前記3種類の近赤外線吸収色素を用いるため、可視光線透過率が低下する傾向を示し、その耐久性も不十分であった。また、特許文献2に記載の近赤外線吸収色素は特許文献1に記載の近赤外線吸収色素に比べて近赤外線吸収効果に優れているが、要求される近赤外線吸収効果及びその耐久性についてはいまだ十分ではなかった。
加えて、特許文献1に記載されている3種類の近赤外線吸収色素を用い、近赤外線吸収性を高めるためには近赤外線吸収色素の添加量を増大させる必要があり、効率が悪く、無駄が生じていた。なお、特許文献1に記載の近赤外線吸収フィルタでは前記3種類の近赤外線吸収色素の合計量がポリエステル樹脂440重量部当たり5.3重量部という少量であるが、近赤外線の透過率が約20%であり(特許文献1の図1)、近赤外線吸収効果が劣り、近赤外線吸収効果を高めようとすれば添加量を増大する必要があった。
そこで、本発明の目的とするところは、近赤外線吸収効果を一層高めることができると共に、近赤外線の吸収及び可視光線の透過についての耐久性を向上させることができ、かつ近赤外線吸収色素の添加量を抑えることができるディスプレイ用減反射性近赤外線低減材及びそれを用いた電子画像表示装置を提供することにある。
本発明者らは、前記問題点に鑑み近赤外線吸収色素について鋭意検討した結果、前記ジイモニウム塩に加えて特定のフタロシアニン系化合物を併用することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明における第1の発明のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材は、透明基材の一方の面に近赤外線吸収色素を含有してなる近赤外線吸収層が設けられ、他方の面に減反射層が設けられているディスプレイ用減反射性近赤外線低減材であって、前記近赤外線吸収色素は下記の一般式(1)で表わされるスルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩と、フタロシアニン系化合物とを含有することを特徴とする。
Figure 2008262048
(式中におけるRは、同一又は異なる基であって、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、フェニル基、及びフェニルアルキレン基からなる群より選ばれる基を示し、R及びRは、それぞれ同一又は異なる基で、それぞれフルオロアルキレン基を示すか、それらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基を示す)
第2の発明のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材は、第1の発明において、前記ジイモニウム塩は、ブルーシフト効果を発現する化合物であることを特徴とする。
第3の発明のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材は、第1又は第2の発明において、光の波長380〜780nmの可視光線領域に吸収を有する色調補正色材としての染料又は顔料を含有することを特徴とする。
第4の発明の電子画像表示装置は、第1から第3のいずれかの発明に係るディスプレイ用減反射性近赤外線低減材が、表示画面上に直接又は表示画面の前面に配置された透明プレート上に貼付されて構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
すなわち、第1の発明のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材では、近赤外線吸収色素は前記一般式(1)で表わされるスルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩と、フタロシアニン系化合物とを含有する。一般式(1)で表わされるジイモニウム塩及びフタロシアニン系化合物は共に近赤外線吸収機能に優れ、また両近赤外線吸収色素が相俟って近赤外線吸収機能を一層高めることができる。加えて、両近赤外線吸収色素は可視光線の透過を妨げることなく、その機能を維持することができる。また、近赤外線吸収色素として特にフタロシアニン系化合物を併用することにより、近赤外線吸収機能についての耐久性を向上させることができる。従って、近赤外線低減材は近赤外線吸収効果を一層高めることができると共に、近赤外線の吸収及び可視光線の透過についての耐久性を向上させることができ、かつ近赤外線吸収色素の添加量を抑えることができる。よって、リモートコントロール機等の周辺機器の誤動作を抑えることができると共に、可視光線透過率を減ずることなく、また外光等の映り込みを抑制することができる。
第2の発明のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材では、ジイモニウム塩はブルーシフト効果を発現する化合物であることから、第1の発明の効果に加えて、近赤外線領域の短波長側に極大吸収を移行させることができ、近赤外線領域の短波長側まで近赤外線の透過率を抑えることができる。
第3の発明のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材では、光の波長380〜780nmの可視光線領域に吸収を有する色調補正色材としての染料又は顔料を含有する。これらの染料又は顔料は所望とする色彩を付与することができるため、プラズマディスプレイ等の電子画像表示装置より発せられる各色の鮮明性及び色再現性の向上に寄与することができる。
第4の発明の電子画像表示装置では、ディスプレイ用減反射性近赤外線低減材が、表示画面上に直接又は表示画面の前面に配置された透明プレート上に貼付されて構成されている。このため、電子画像表示装置の表示画面、特にプラズマディスプレイに用いられたときに、リモートコントロール機等の周辺機器の誤動作を防止し、外光等の映り込みを抑制することができる。
以下、本発明の最良の形態と思われる実施形態について詳細に説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態におけるディスプレイ用減反射性近赤外線低減材(以下、単に近赤外線低減材ともいう)10は、透明基材11の一方の面に近赤外線吸収色素を含有してなる近赤外線吸収層12が設けられ、他方の面に減反射層13が設けられて構成されている。
透明基材11は透明性を有していれば特に制限されないが、反射を抑えるため、屈折率(n)が1.55〜1.70の範囲内のものが好ましい。係る透明基材11としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET、n=1.65)、ポリカーボネート(PC、n=1.59)、ポリアリレート(PAR、n=1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、n=1.65)等が好ましい。これらのうち、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが成形の容易性、入手の容易性及びコストの点で好ましい。
また、透明基材11の厚さは、25〜400μmが好ましく、50〜200μmがさらに好ましい。この厚さが25μm未満又は400μmを超える場合には、近赤外線低減材10の製造時及び使用時における取扱い性が低下してしまうので好ましくない。さらに、透明基材11には、近赤外線吸収層12に含まれる近赤外線吸収色素が紫外線によって劣化しないように保護するために、紫外線吸収剤を含むことが望ましい。紫外線吸収剤としては公知の紫外線吸収剤でよく特に制限されないが、サリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、環状イミノエステル系化合物等が好ましく、これらのうちベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、環状イミノエステル系化合物が特に好ましい。
紫外線吸収剤の含有量としては、波長380nm以下の紫外線の光線透過率が5%以下になるように添加するのが好ましく、3%以下になるように添加するのがより好ましく、1%以下になるように添加するのが特に好ましい。波長380nm以下の光線透過率が5%を超える場合、近赤外線吸収色素に対して十分な紫外線吸収効果が望めず、近赤外線吸収層12の耐光性を低下させてしまうため好ましくない。
次に、近赤外線吸収層12に含まれる近赤外線吸収色素としては、主として下記の一般式(1)で表されるスルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩が用いられる。
Figure 2008262048
(式中におけるRは、同一又は異なる基であって、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、フェニル基、及びフェニルアルキレン基からなる群より選ばれる基を示し、R及びRは、それぞれ同一又は異なる基で、それぞれフルオロアルキレン基を示すか、それらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基を示す)
一般式(1)において、アニオン成分のR及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよいフルオロアルキル基、又はそれらが一緒になって形成されるフルオロアルキレン基であれば、置換されているフッ素原子の数や炭素数には特に制限されない。これらのうちR及びRは、下記の一般式(2)で表される炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基がさらに好ましい。
Figure 2008262048
(式中におけるn及びn´は、1〜8の整数を表す)
係るアニオン成分の好ましい具体例としては、例えばパーフルオロアルカンスルホニル基が同一であるビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド、パーフルオロアルカンスルホニル基が異なるペンタフルオロエタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド、ノナフルオロメタンスルホンヘプタフルオロプロパンスルホンイミド等が挙げられるが、これらの中でもパーフルオロアルカンスルホニル基が同一で、かつnとn´が1又は2であるビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド又はビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミドが、近赤外線吸収能力の点でさらに好ましい。
また、一般式(1)のアニオン成分におけるR及びRの好ましい別の例としては、下記の一般式(3)で表され、R及びRが一緒になって形成される炭素数2〜12のパーフルオロアルキレン基が挙げられる。このアニオン成分は、近赤外線吸収色素の耐熱性をより向上させる点で好ましい。
Figure 2008262048
(式中におけるmは、2〜12の整数を表す)
ここで、mは2〜8が好ましく、mが3である1,3‐ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミドが特に好ましい。
一般式(1)のRは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、フェニル基、及びフェニルアルキレン基からなる群より選ばれる置換基であって、これらは同一であっても異なっていてもよい。これらのうち、炭素数1〜8の直鎖又は側鎖を有するアルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基等が好ましく、炭素数2〜6の直鎖アルキル基及びハロゲン化アルキル基が特に好ましい。炭素数2〜6の直鎖アルキル基及びハロゲン化アルキル基の具体例としては、エチル基、2,2,2‐トリフルオロエチル基、2,2,2‐トリクロロエチル基、パーフルオロエチル基、パークロロエチル基、プロピル基、3,3,3‐トリフルオロプロピル基、3,3,3‐トリクロロプロピル基、パーフルオロプロピル基、パークロロプロピル基、ブチル基、4,4,4‐トリフルオロブチル基、4,4,4‐トリクロロブチル基、パーフルオロブチル基、パーククロロブチル基、アミル基、5,5,5‐トリフルオロアミル基、5,5,5‐トリクロロアミル基、パーフルオロアミル基、パークロロアミル基、ヘプチル基、6,6,6‐トリフルオロヘプチル基、6,6,6‐トリクロロヘプチル基、パーフルオロヘプチル基、パークロロヘプチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソアミル基等が挙げられる。
一般式(1)におけるRの好ましい例としては、下記の一般式(4)で表されるフェニルアルキレン基が挙げられ、このアルキレン基の炭素数は1〜8であることが特に好ましい。このようなRの場合、近赤外線吸収色素の耐熱性を向上させることができる。
Figure 2008262048
(式中におけるAは、炭素数1〜18の直鎖又は側鎖を有するアルキレン基を表し、環Bは置換基を有していてもよいベンゼン環を表す)
さらに、一般式(4)のフェニルアルキレン基におけるフェニル基は、置換基を有していなくてもよく、或いはアルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、及びハロゲンからなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していてもよい。これらのうち、置換基を有していないフェニル基が好ましく、具体的にはベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピレン基、フェニル‐α‐メチルプロピレン基、フェニル‐β‐メチルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルペンチレン基、フェニルオクチレン基等が挙げられ、ベンジル基及びフェネチル基が最も好ましい。
また、前記ジイモニウム塩としては、ブルーシフト効果を発現する化合物であることが好ましい。このようなブルーシフト効果を有することにより、ジイモニウム塩の光の吸収波長が短波長側(可視光線側)へとシフトし、近赤外線領域における透過率を短波長側まで十分に抑えることができる。ここでブルーシフト効果とは、近赤外線吸収色素が一般式(1)で表されるジイモニウム塩であるため、極大吸収波長が従来のジイモニウム塩よりも短波長側にシフトする効果を意味する。このようなブルーシフト効果の短波長側にシフトする波長範囲としては、10〜60nmが好ましく、10〜30nmがさらに好ましい。短波長側にシフトする波長範囲が60nmを超えると長波長側の吸収が十分でなくなるため好ましくなく、10nmを下回る場合には十分なブルーシフト効果が得られないため好ましくない。
このようなブルーシフト効果を有するジイモニウム塩としては、ビス{ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸}‐N,N,N’,N’‐テトラキス(p‐ジベンジルアミノフェニル)‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス(1,3‐ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミド酸)‐N,N,N’,N’‐テトラキス(p‐ジベンジルアミノフェニル)‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス{ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド酸}‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(4‐フッ化)ベンジルアミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス(1,3‐ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミド酸)‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(4‐フッ化)ベンジルアミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス{ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸}‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(2,2,2‐トリフルオロエチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス{ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸}‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(4,4,4‐トリフルオロブチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス{ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸}‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(4,4,4‐トリクロロブチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス{ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸}‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(パーフルオロブチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス(1,3‐ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミド酸)‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(2,2,2‐トリフルオロエチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス(1,3‐ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミド酸)‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(4,4,4‐トリフルオロブチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス(1,3‐ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミド酸)‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(4,4,4‐トリクロロブチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム、ビス(1,3‐ジスルホニルヘキサフルオロプロピレンイミド酸)‐N,N,N’,N’‐テトラキス{p‐ジ(パーフルオロブチル)アミノフェニル}‐p‐フェニレンジイモニウム等が挙げられる。これらのジイモニウム塩は、単独又は2種類以上を適宜混合して用いることができる。
次に、近赤外線吸収色素としては、前記ジイモニウム塩に加えてフタロシアニン系化合物が用いられる。このフタロシアニン系化合物は、4分子のイソインドールが環状につながり、ポルフィリン類似構造を有する化合物であり、その誘導体を含んでいる。このフタロシアニン系化合物は、近赤外線吸収機能が高く、その耐久性に優れた色素(染料)である。フタロシアニン化合物の誘導体としては、フッ素を含有するフタロシアニン化合物、フタロシアニン化合物の金属錯体、含フッ素フタロシアニン金属錯体等が好ましい。
フタロシアニン系化合物として具体的には、イーエクスカラーIR1、イーエクスカラーIR3、イーエクスカラーHA−1、イーエクスカラー810K(=IR−10A)、イーエクスカラー812K(=IR−12)、イーエクスカラー814K(=IR−14)、イーエクスカラー905B、イーエクスカラー907B、イーエクスカラー910B(以上、(株)日本触媒製)、PROJET800NP、PROJET830NP、PROJET900NP、PROJET925NP(以上、アビシア(株)製)が挙げられる。
近赤外線低減材10の近赤外線吸収層12には、前記ジイモニウム塩及びフタロシアニン系化合物以外の他の近赤外線吸収色素を含有することができる。そのような他の近赤外線吸収色素としては特に制限されないが、例えばポリメチン系、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチオール系、ナフトキノン系、アントロキノン系、トリフェニルメタン系、アミニウム系、ジイモニウム塩系等の色素が挙げられる。このような色素は市販されているものでもよく、例えばNK−5037、NK−5060、NK−5706、NK−8953、NK−8689、NK−8758、NK−9014、NK−9026(以上、(株)林原生物化学研究所製)等のシアニン系色素、SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159(以上、三井化学(株)製)等のジチオール系色素、CIR−1080、CIR−1081(以上、日本カーリット(株)製)、KAYASORBIRG−022、KAYASORBIRG−023、KAYASORBIRG−040(以上、日本化薬(株)製)等のジイモニウム塩系色素が挙げられる。
前記透明基材11上に近赤外線吸収層12を形成する方法は特に制限されるものではなく、均一に形成できる方法が好ましい。例えば、近赤外線吸収色素を含む溶液をウェットコーティング法により形成する方法が挙げられる。近赤外線吸収層12を形成する際には、前記の近赤外線吸収色素を、溶解又は分散させた有機バインダーを用いて行うことができる。有機バインダーとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等のポリスチレン系化合物;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキル;ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル;ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリウレタン、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
近赤外線吸収層12中における近赤外線吸収色素の含有量は、有機バインダー、近赤外線吸収色素等の合計量(固形分)中に3〜7質量%程度であることが好ましい。この場合、近赤外線吸収色素として前記ジイモニウム塩を主成分とし、フタロシアニン系化合物を少量成分とすることが好ましい。近赤外線吸収色素の含有量が3質量%を下回る場合には所望の近赤外線吸収機能が得られず、7質量%を上回る場合には可視光線透過率が低下したりして好ましくない。
上記近赤外線吸収層12には、本発明の効果を損なわない範囲において、有機バインダー以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、表面改質剤、光安定剤等が挙げられ、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の溶媒を添加することができる。
また、近赤外線吸収層12の厚さは、2〜20μm程度が好ましい。近赤外線吸収層12の厚さが2μm未満の場合には、近赤外線吸収機能を十分に発現させることが難しくなるため好ましくない。その一方、厚さが20μmを超える場合には、近赤外線低減材10について耐屈曲性が低下する等の問題が生じるため好ましくない。近赤外線吸収層12について光の波長800〜1000nmの近赤外線領域における透過率は、40%以下が好ましく、30%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。近赤外線透過率が40%を超えると、近赤外線吸収機能を十分に発現することができず、リモートコントール機等の周辺機器に誤作動を及ぼしかねない等の点から好ましくない。
近赤外線吸収層12には、プラズマディスプレイから動作原理上発せられるNe光の輝線をカットするために、波長570〜610nmに極大吸収波長を有する特定波長吸収色素を含有させることが好ましい。このような特定波長吸収色素は特に限定されないが、例えばスクアリリウム系、アゾメチン系、シアニン系、キサンテン系、アゾ系、テトラアザポルフィリン系、ピロメテン系等の色素が挙げられ、スクアリリウム系、シアニン系又はテトラアザポルフィリン系の色素が好ましい。
近赤外線吸収層12には、ディスプレイの発光色の色純度及びコントラスト向上のために、色調を補正する色材を含有させることが好ましい。このような色調補正の色材としては、可視光線領域に所望の吸収を有する一般の染料又は顔料が用いられる。染料では例えばスクアリリウム系、アゾメチン系、シアニン系、キサンテン系、アゾ系、テトラアザポルフィリン系、ピロメテン系等の染料、顔料では例えばアゾ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、アンスラキノン系、ジオキサジン系等の顔料が挙げられる。
図1(b)に示すように、前記透明基材11の他方の面には、ハードコート層14を形成することが好ましい。ハードコート層14を形成することにより、近赤外線低減材10をディスプレイ表面に適用した場合、十分な表面強度を付与することができ、耐久性を向上させることができる。ハードコート層14の厚さは、1〜20μmであることが好ましい。この厚さが1μm未満の場合には、近赤外線低減材10に十分な硬度を持たせることが難しくなるため好ましくない。一方、厚さが20μmを超える場合には、近赤外線低減材10について耐屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。
ハードコート層14を形成する材料は常法に従って選択され、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート及びテトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等の硬化物が挙げられる。ここで、本明細書における(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの双方を含む意味を表す。これらのうち生産性及び硬度を両立させる観点より、紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。このような紫外線硬化性の多官能アクリレートとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールのアクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジアクリレート及びポリウレタンアクリレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以上混合したものを用いることができる。
紫外線硬化性の多官能アクリレートには、本発明の効果を損なわない限りその他の成分を含んでいても良い。その他の成分としては、例えば無機又は有機の微粒子状充填剤、無機又は有機の微粒子状顔料及びそれ以外の無機又は有機微粒子、導電性を有する無機金属微粒子又は有機化合物、その他の重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤等が挙げられる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる場合には、任意の量の溶媒を添加することができる。
また、ハードコート層14の形成方法は、有機材料を用いた場合には、ロールコート法、ダイコート法等、一般的なウェットコート法を採用することができる。ウェットコート後には必要に応じて加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射により硬化反応を行うことができる。
次に、減反射層13は、単層構成又は多層構成とすることができる。単層構成の場合には、ハードコート層14上に該ハードコート層14よりも低い屈折率の層(低屈折率層)を1層形成する。また多層構成の場合には、例えば図1(b)に示すように、ハードコート層14側から見て順に高屈折率層15及び低屈折率層16からなる2層で構成される。減反射効果の観点からは2層以上の構成が好ましく、生産性、生産コスト及び色再現性の観点からは単層構成が好ましい。
減反射層13の形成方法としては、生産性及び生産コストの面より、ウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法は常法に従って実施され、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法等が挙げられる。これらの方法の中では、ロールコート法等の連続的に減反射層13を形成できる方法がさらに好ましい。
減反射層13の機能を発現させるために、低屈折率層16の屈折率としては、形成される層がその直下の層よりも低屈折率であることを要件とし、その屈折率は1.20〜1.45の範囲にあることが好ましい。屈折率が1.45を超える場合にはウェットコーティング法では十分な減反射効果を得ることが難しく、1.20未満の場合は十分に硬い層を形成することが困難となる傾向にある。また、2層構成とする場合には、高屈折率層15は直上に形成される低屈折率層16より屈折率を高くすることが必要であるため、その屈折率は1.60〜1.90の範囲内であることが好ましい。屈折率が1.60未満では十分な減反射効果を得ることが難しく、またウェットコーティング法で1.90を超える層を形成するのは困難となる傾向にある。
減反射層13の厚さは、透明基材11の種類、形状、減反射層13の構成によって異なるが、一層当たり可視光線の波長と同じ厚さ又はそれ以下の厚さが好ましい。例えば、可視光線に減反射効果を現す場合には、高屈折率層15の光学膜厚n・dは500≦4n・d(nm)≦750、及び低屈折率層16の光学膜厚n・dは、400≦4n・d(nm)≦650を満たすように設計される。但し、n及びnはそれぞれ高屈折率層15及び低屈折率層16の屈折率、dは層の厚さを表す。
高屈折率層15を構成する材料としては、無機材料又は有機材料を用いることができる。無機材料としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム錫等の微粒子が挙げられる。特に、導電性の面より酸化錫、酸化インジウム錫等の導電性微粒子を用いることが好ましい。その場合には表面抵抗率を下げることができ、帯電防止能をさらに付与することができる。また、屈折率の点より酸化チタン、酸化セリウム又は酸化亜鉛が好ましい。前記有機材料としては、例えば屈折率が1.60〜1.80である重合性単量体を含む組成物を重合硬化したもの等を用いることができる。これらの材料は単独又は2種以上混合して用いることができる。無機材料の微粒子の平均粒子径は層の厚さを大きく超えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。微粒子の平均粒子径が大きくなると、散乱が生じる等、高屈折率層15の光学機能が低下するため好ましくない。
低屈折率層16を構成する材料としては、中空酸化珪素、コロイダル酸化珪素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、フッ化セリウム等の無機物や、含フッ素有機化合物の単体又は混合物を用いることができる。また、フッ素を含まない有機化合物(以下、非フッ素系有機化合物と略記する)の単体若しくは混合物又は重合体をバインダー樹脂として用いることができる。
含フッ素有機化合物としては、例えば含フッ素単官能(メタ)アクリレート、含フッ素多官能(メタ)アクリレート、含フッ素イタコン酸エステル、含フッ素マレイン酸エステル、含フッ素珪素化合物等の単量体及びそれらの重合体等が挙げられる。これらの中では、反応性の観点より含フッ素(メタ)アクリレートが好ましく、特に含フッ素多官能(メタ)アクリレートが硬度及び屈折率の点から最も好ましい。これら含フッ素有機化合物を硬化させることにより、低屈折率かつ高硬度の層を形成することができる。
含フッ素単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1−(メタ)アクリロイロキシ−1−パーフルオロアルキルメタン、1−(メタ)アクリロイロキシ−2−パーフルオロアルキルエタン等、含フッ素多官能(メタ)アクリレートとしては、含フッ素2官能(メタ)アクリレート、含フッ素3官能(メタ)アクリレート及び含フッ素4官能(メタ)アクリレートが好適である。含フッ素2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,2−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロアルキルブタン、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロアルカン等、含フッ素3官能(メタ)アクリレートの例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート等、含フッ素4官能(メタ)アクリレートの例としては、α,β,ψ,ω−テトラキス{(メタ)アクリロイルオキシ}−αH,αH,βH,γH,γH,χH,χH,ψH,ωH,ωH−パーフルオロアルカン等が挙げられ、それぞれ炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが好ましい。
上記含フッ素有機化合物の重合体又はその他の含フッ素有機化合物の重合体としては、含フッ素有機化合物の単独重合体、共重合体、又は非フッ素系有機化合物との共重合体等の直鎖状重合体、鎖中に炭素環や複素環を含む重合体、環状重合体、櫛型重合体等が挙げられる。前記非フッ素系有機化合物としては、従来公知のものを用いることができ、例えば単官能又は多官能(メタ)アクリレート、テトラエトキシシラン等の珪素化合物等が挙げられる。
低屈折率層16を構成するその他の材料としては、有機又は無機微粒子として従来公知のものを用いることができる。例えば、中空酸化珪素微粒子、コロイダル酸化珪素微粒子、有機重合体微粒子等が挙げられる。これら微粒子の平均粒子径は、低屈折率層16の厚さを大きく超えないことが好ましく、0.1μm以下であることが特に好ましい。平均粒子径が大きくなると、光の散乱が生じる等、低屈折率層16の光学性能が低下するため好ましくない。さらに、必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤等により修飾することができる。そのようなカップリング剤としては、例えば有機置換された珪素化合物や、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン等の金属アルコキシドを含む有機酸塩等が挙げられる。特に、表面を(メタ)アクリロイル基等の反応性基で修飾することにより、硬度の高い膜を形成することができる。
また、減反射層13には上記化合物以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含んでいても差し支えない。その他の成分として例えば無機又は有機顔料、その他の重合体、重合開始剤、光重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、レベリング剤等が挙げられる。また、ウェットコーティング法によって成膜後乾燥させる場合には、任意の量の溶媒を添加することができる。
減反射層13はウェットコーティング法により成膜した後、必要に応じて紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射や加熱により硬化反応を行うことにより形成することができる。このような活性エネルギー線による硬化反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下にて行うことが好ましい。
図1(c)に示すように、透明基材11の近赤外線吸収層12が形成される面及び減反射層13が形成される面には、光の干渉むらを低減させ得る第1の干渉層17及び第2の干渉層18がそれぞれ設けられることが好ましい。該第1の干渉層17を設ける場合には、透明基材11上に第1の干渉層17、その上に近赤外線吸収層12となる順に積層することが好ましく、前記第2の干渉層18を設ける場合には、透明基材11上に第2の干渉層18、ハードコート層14及び減反射層13の順に積層することが好ましい。この場合、近赤外線吸収層12とハードコート層14の干渉むらを低減できるため、優れた視認性を得ることができる。
第1の干渉層17及び第2の干渉層18を形成する材料として具体的にはアクリレート等の反応性単量体、重合体等の有機物、又は珪素化合物や、金属、金属酸化物等の無機物の単独又は混合物を用いることができる。第1の干渉層17及び第2の干渉層18には本発明の効果を損なわない限り、他の機能を付与することができる。そのような機能としては、例えば密着性等が挙げられる。
また、第1の干渉層17及び第2の干渉層18の形成方法としては、従来公知の方法が採用される。そのような形成方法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライコート法や、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等のウェットコート法が挙げられる。これらの方法のうち、目的に応じて特に厚さを正確に制御できる方法を選択することが好ましい。
近赤外線低減材10における透明基材11の近赤外線吸収層12が形成されている面には、接着層を設けることができる。係る接着層を形成する材料は特に制限されるものではないが、例えばアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等を用いることができる。また、この接着層には特定波長域の光の遮断、コントラストの向上、色調の補正等の機能を1種又は2種以上付与することができる。例えば、近赤外線低減材10の透過光が黄色味を帯びている等、好ましくない場合には色素等を添加して色調補正を行うことができる。
近赤外線低減材10は、近赤外線吸収効果及び減反射効果を必要とする用途に用いることができ、特に電子画像表示装置の表面に好適に使用することができる。電子画像表示装置としては、例えばブラウン管、プラズマディスプレイ、液晶表示装置等が挙げられるが、これらの中でも電子画像表示装置から不要な近赤外線が放出されるプラズマディスプレイに好適に使用することができる。近赤外線低減材10を表示画面上に配置する場合には、近赤外線低減材10を表示画面上に直接、又は表示画面の前面に配置された透明プレート上に貼付することにより行われる。この場合、接着層等の層を介して行うこともできる。
以上の実施形態によって発揮される作用及び効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態における近赤外線低減材で10は、近赤外線吸収層12を構成する近赤外線吸収色素は前記一般式(1)で表わされるスルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩と、フタロシアニン系化合物とを含有する。一般式(1)で表わされるジイモニウム塩及びフタロシアニン系化合物は共に近赤外線吸収機能に優れ、また両近赤外線吸収色素が相俟って作用し、近赤外線吸収機能を一層高めることができる。加えて、両近赤外線吸収色素は可視光線の透過を妨げることなく、その機能を維持することができる。また、近赤外線吸収色素として特にフタロシアニン系化合物を併用することにより、近赤外線吸収機能についての耐久性を向上させることができる。従って、近赤外線低減材10は近赤外線吸収効果を一層高めることができると共に、近赤外線の吸収及び可視光線の透過についての耐久性を向上させることができ、かつ近赤外線吸収色素の添加量を抑えることができ、コストの低減を図ることができる。よって、リモートコントロール機等の周辺機器の誤動作を抑えることができると共に、可視光線透過率を減ずることなく、また外光等の映り込みを抑制することができる。
その上、透明基材11の他方の面には減反射層13が設けられているため、近赤外線吸収層12と相俟って近赤外線吸収機能及び可視光線透過機能が相乗的に高められる。従って、近赤外線領域における透過率を抑え、可視光線領域における透過率を高く維持することができ、プラズマディスプレイ等のディスプレイにおいて鮮明な画像を得ることができる。
・ 前記ジイモニウム塩がブルーシフト効果を発現する化合物であることにより、近赤外線領域の短波長側に極大吸収を移行させることができ、近赤外線領域の短波長側まで近赤外線の透過率を抑えることができる。
・ 近赤外線低減材10に、光の波長380〜780nmの可視光線領域に吸収を有する色調補正色材としての染料又は顔料を含有することにより、これらの染料又は顔料は所望とする色彩を付与することができ、プラズマディスプレイ等の電子画像表示装置より発せられる各色の鮮明性及び色再現性の向上に寄与することができる。
・ 電子画像表示装置は、近赤外線低減材10が、表示画面上に直接又は表示画面の前面に配置された透明プレート上に貼付されて構成される。このため、電子画像表示装置の表示画面、特にプラズマディスプレイに用いられたときに、リモートコントロール機等の周辺機器の誤動作を防止することができると共に、外光等の映り込みを抑制することができ、所望とする鮮明な画像を得ることができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
本実施例においては、光の波長820nm、850nm及び950nmにおける近赤外線の透過率がいずれも5%以下となるように設計を試みた。なお、透過率は分光光度計((株)島津製作所製、製品名「UV−1600PC」)を用いて測定した。また、視感度平均透過率Y、透過色度x、透過色度yは、色差計(日本電色工業(株)製、製品名「SQ2000」)を用いて「JIS Z8722」及び「JIS Z8729」に準拠して測定した。なお、光源はC光源、2°視野を用いた。
〔製造例1−1、近赤外線吸収層用塗液「NIRA−1」の調製〕
近赤外線吸収色素として、前記一般式(1)で表されるジイモニウム塩(日本カーリット(株)製、製品名「CIR−1085F」)5.0質量部、フタロシアニン系化合物として含フッ素フタロシアニン系金属錯体((株)日本触媒製、製品名「IR−10A」)2.0質量部、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、製品名「ダイヤナールBR‐80」)100質量部、溶剤としてメチルエチルケトン450質量部及びトルエン450質量部を混合攪拌して溶解し、近赤外線吸収層用塗液「NIRA−1」を調製した。
〔製造例1−2、近赤外線吸収層用塗液「NIRA−2」の調製〕
近赤外線吸収色素として、一般式(1)で表されるジイモニウム塩(日本カーリット(株)製、製品名「CIR−1085F」)5.0質量部、含フッ素フタロシアニン系金属錯体((株)日本触媒製、製品名「IR−10A」)2.0質量部、色調補正色材を構成する染料としてのテトラアザポルフィリン化合物(山田化学工業(株)製、製品名「TAP−2」)0.5質量部、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、製品名「ダイヤナールBR‐80」)100質量部、溶剤としてメチルエチルケトン450質量部及びトルエン450質量部を混合攪拌して溶解し、近赤外線吸収層用塗液「NIRA−2」を調製した。
〔製造例1−3、近赤外線吸収層用塗液「NIRA−3」の調製〕
近赤外線吸収色素として、ジイモニウム塩(日本化薬(株)製、製品名「IRG−022」)5.0質量部、含フッ素フタロシアニン系金属錯体((株)日本触媒製、製品名「IR−10A」)3.0質量部、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、製品名「ダイヤナールBR−80」)100質量部、溶剤としてメチルエチルケトン450質量部及びトルエン450質量部を混合攪拌して溶解し、近赤外線吸収層用塗液「NIRA−3」を調製した。
〔製造例1−4、近赤外線吸収層用塗液(NIRA−4)の調製〕
近赤外線吸収色素として、ジイモニウム塩(日本化薬(株)製、製品名「IRG−022」)5.0質量部、含フッ素フタロシアニン系金属錯体((株)日本触媒製、製品名「IR−10A」)3.0質量部、テトラアザポルフィリン化合物(山田化学工業(株)製、製品名「TAP−2」)0.5質量部、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、製品名「ダイヤナールBR−80」)100質量部、溶剤としてメチルエチルケトン450質量部及びトルエン450質量部を混合攪拌して溶解し、近赤外線吸収層用塗液「NIRA−4」を調製した。
〔製造例2、ハードコート層用塗液「HC−1」の調製〕
アンチモンドープ酸化錫の30質量%メチルエチルケトン分散液(石原産業(株)製、製品名「SNS−10M」)17質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート95質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ(株)の商品名:「IRGACURE184」)5質量部を混合してハードコート層用塗液「HC−1」を調製した。
〔製造例3、低屈折率層用塗液「L−1」の調製〕
含フッ素反応性重合体〔パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)104質量部と、ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノイル〕パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液11質量部との重合反応により得られ、数平均分子量72,000、質量平均分子量118,000であるヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテル重合体5質量部と、メチルエチルケトン(MEK)43質量部、ピリジン1質量部、α‐フルオロアクリル酸フルオライド1質量部との反応により得られる固形分13質量%、α‐フルオロアクリロイル基の導入率40モル%である含フッ素反応性重合体〕50質量部(固形分)、変性中空シリカ微粒子〔イソプロピルアルコール(IPA)分散中空シリカゾル(触媒化成(株)の商品名:「ELCOM NY‐1001SIV」、平均粒径60nm〕2000質量部、γ‐アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)の商品名:「KBM5103」)70質量部、蒸留水80質量部より得られる平均粒子径0.06μmの変性中空シリカ微粒子〕50質量部(固形分)、光重合開始剤〔チバ・スペシャルティケミカルズ(株)の商品名:「IRGACURE907」〕2質量部、及びIPA2000質量部を混合して、低屈折率層用塗液「L−1」を調製した。
(実施例1)
透明基材11として厚さが100μmの紫外線吸収剤入りPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、製品名「HB3」)の一方の面に、ハードコート層用塗液HC−1を乾燥膜厚が5μmとなるようにバーコーターを用いて塗布後、400mJ/cmの出力で紫外線を照射して硬化させた。次いで、ハードコート層14上に低屈折率層塗液L−1を、光学膜厚が110〜125nmとなるようにスピンコーターを用いて塗布、乾燥後、窒素雰囲気下400mJ/cmの出力で紫外線を照射して硬化させることにより、減反射層13を形成した。
続いて、PETフィルムの他方の面に、近赤外線吸収層用塗液NIRA−1を、乾燥膜厚8μmとなるようにバーコーターを用いて塗布後、130℃で5分間乾燥することにより、近赤外線低減材10を作製した。
(実施例2)
近赤外線吸収層用塗液として、「NIRA−1」に代えて「NIRA−2」を用いた以外は実施例1と同様にして、近赤外線低減材10を作製した。
(比較例1)
近赤外線吸収層用塗液として、「NIRA−1」に代えて「NIRA−3」を用いた以外は実施例1と同様にして、近赤外線低減材を作製した。
(比較例2)
近赤外線吸収層用塗液として、「NIRA−1」に代えて「NIRA−4」を用いた以外は実施例1と同様にして、近赤外線低減材を作製した。
以上のようにして得られた近赤外線低減材10について、光学物性値と、80℃、95%RH(相対湿度)の条件下に48時間放置した後の耐久性を測定し、それらの結果を表1に示した。なお、耐久性は試験前後における視感度平均透過率Y、透過色度x、透過色度y、590nm、820nm、850nm及び950nmにおける透過率の変化量が、いずれも3%未満の場合には○、いずれか一つでも3%以上5%未満の場合には△、いずれか一つでも5%を超える場合には×とした。
Figure 2008262048
実施例1、2及び比較例1、2の近赤外線低減材は、いずれも近赤外線透過率が一定の目標値を満足するように設計及び作製されている。しかし、実施例1、2の近赤外線低減材10は、比較例1、2に示す従来の近赤外線低減材と比較し、ブルーシフト効果を有するジイモニウム塩及びフタロシアニン系化合物を使用しているため、光の波長が800〜1000nmである近赤外線の透過率を1〜5%という低い透過率に抑えることができた。それと同時に、一般式(1)で表されるジイモニウム塩以外の他の近赤外線吸収色素の添加量を減らすことができ、近赤外線吸収層12中に含まれる近赤外線吸収色素の総添加量を少なくすることができ、コストダウンを図ることができた。加えて、比較例1〜3に示す従来タイプの近赤外線低減材よりも耐久性に優れ、ディスプレイ用減反射性近赤外線低減材10として好適であることが確認された。
なお、本実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
・ 近赤外線吸収層12等に紫外線吸収剤を配合し、近赤外線吸収色素を紫外線から保護するように構成することもできる。
・ 透明基材11と近赤外線吸収層12との間にハードコート層14を設けることも可能である。
・ 前記近赤外線吸収色素として、前記一般式(1)で表されるジイモニウム塩を複数使用し、光の吸収波長が所望波長の範囲となるように調整することもできる。
・ 前記透明基材11の他方の面には、ハードコート層14を介してぎらつき防止層等を設けることができる。この場合、近赤外線低減材10の表面硬度を高めることができると共に、近赤外線低減材10表面のぎらつきを防止することができる。
さらに、前記実施形態又は実施例より把握される技術的思想について以下に記載する。
・ 近赤外線の透過率が1〜5%であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、近赤外線の吸収性を格段に向上させることができる。
・ 前記透明支持体が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、透明支持体は紫外線の透過率が抑えられ、近赤外線吸収層に含まれる近赤外線吸収色素を紫外線から効果的に保護することができ、近赤外線低減材の耐久性を向上させることができる。
・ 前記透明基材と減反射層との間には、ハードコート層を設けることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、近赤外線低減材の表面硬度を高めることができる。
(a)は本発明の実施形態におけるディスプレイ用減反射性近赤外線低減材の一例を示す断面図、(b)は透明基材の近赤外線吸収層とは反対側の面に、ハードコート層を介して高屈折率層及び低屈折率層よりなる減反射層を形成した近赤外線低減材を示す断面図及び(c)は透明基材の両面に光の干渉層を設け、一方の干渉層上に近赤外線吸収層を設け、他方の干渉層上にハードコート層を介して高屈折率層及び低屈折率層よりなる減反射層を形成した近赤外線低減材を示す断面図。
符号の説明
10…ディスプレイ用減反射性近赤外線低減材、11…透明基材、12…近赤外線吸収層、13…減反射層。

Claims (4)

  1. 透明基材の一方の面に近赤外線吸収色素を含有してなる近赤外線吸収層が設けられ、他方の面に減反射層が設けられているディスプレイ用減反射性近赤外線低減材であって、前記近赤外線吸収色素は下記の一般式(1)で表わされるスルホンイミドをアニオン成分とするジイモニウム塩と、フタロシアニン系化合物とを含有することを特徴とするディスプレイ用減反射性近赤外線低減材。
    Figure 2008262048
    (式中におけるRは、同一又は異なる基であって、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、フェニル基、及びフェニルアルキレン基からなる群より選ばれる基を示し、R及びRは、それぞれ同一又は異なる基で、それぞれフルオロアルキレン基を示すか、それらが一緒になって形成するフルオロアルキレン基を示す)
  2. 前記ジイモニウム塩は、ブルーシフト効果を発現する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材。
  3. 光の波長380〜780nmの可視光線領域に吸収を有する色調補正色材としての染料又は顔料を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディスプレイ用減反射性近赤外線低減材が、表示画面上に直接又は表示画面の前面に配置された透明プレート上に貼付されて構成されていることを特徴とする電子画像表示装置。
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