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JP4285059B2 - 透明導電性材料及びタッチパネル - Google Patents

透明導電性材料及びタッチパネル Download PDF

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JP4285059B2
JP4285059B2 JP2003117699A JP2003117699A JP4285059B2 JP 4285059 B2 JP4285059 B2 JP 4285059B2 JP 2003117699 A JP2003117699 A JP 2003117699A JP 2003117699 A JP2003117699 A JP 2003117699A JP 4285059 B2 JP4285059 B2 JP 4285059B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止性、表面硬度および透過率に優れ、かつ着色を低減した透明導電材料、ならびにそれを用いたタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、画面表示に直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが用いられている。これは光を透過する入力装置を液晶表示装置、CRTなどの各種ディスプレイ上に配置したものであり、ディスプレイの表示に対し直接的に入力できる。これらタッチパネルの代表的な型式のひとつとして、透明電極基板2枚を透明電極層が向かい合う様に配置した抵抗膜式タッチパネルがある。
【0003】
抵抗膜式タッチパネル用の透明電極基板として、ガラスもしくは透明樹脂版や各種の熱可塑性高分子フィルムの基板上に、酸化錫を含有するインジウム酸化物(ITO)や酸化亜鉛などの金属酸化物による透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。このようにして得られた電極基板は、金属酸化物層の反射および吸収に由来する可視光短波長域の透過率低下により全光線透過率が低下すると同時に、黄色もしくは茶色に呈色することが多い。そのためタッチパネルの下に配置される表示装置の発色を正確に反映することが難しいといった問題があった。
【0004】
上述の問題を解決するために、導電層と基材との間に、導電層、基材のどちらよりも屈折率の高い高屈折率層を挿入するか、あるいは導電層、基材のどちらよりも屈折率の低い低屈折率層を挿入する方法が提案されている。しかし、これらはいずれも全光線透過率を向上させる効果は得られるが、黄色もしくは茶色に透過光が呈色する問題については未解決であった。
また、色素を用いて色を補正する方法も提案されているが、これは色の問題については解決できても、色素が特定波長を吸収するため全光線透過率が低下し、視認性が悪化するという問題があった。
【0005】
さらに、上記の透過色と透過率の問題を両方共に改善する方法として、導電層と基材の間に高屈折率層、低屈折率層からなる多層光学膜を積層する方法が提案されている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−286066号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の方法でタッチパネルを作製すると、パネルの表面にホコリが付着しやすく帯電性に問題があった。また、高屈折率層、低屈折率層、導電層の3つ薄層を順次積層した構成であるので、透過率に係わる光の干渉の制御等の光学設計が難しかった。
本発明の目的は、帯電防止性、表面硬度および透過率に優れ、かつ着色を低減した透明導電材料、ならびにそれを用いたタッチパネルを提供することにある。
【0008】
【発明を解決するための手段】
本発明者は、前記問題点に鑑み鋭意検討した結果、導電層を積層した基材面とは反対側に色調補正機能及び帯電防止機能を有する複合層を形成することにより前記問題が解決できることを見出し、本発明を完成した。本発明を以下に示す。
【0009】
(1)基材の一の面に導電層を積層し、他の面にハードコート層を含む一層以上の層を介して高屈折率層と低屈折率層とからなる複合層を積層した透明導電材料であって、複合層が色調補正機能を有し、かつ高屈折率層が帯電防止機能を有することを特徴とする透明導電材料。
(2)高屈折率層が導電性金属酸化物の微粒子を50重量%以上含む層である前記(1)の透明導電材料。
【0010】
(3)複合層の最大の光線透過率を示す波長が可視領域において400〜500nmの範囲である前記(1)または(2)の透明導電材料。
(4)基材が10〜500μmの厚みを持つプラスチックフィルムである前記(1)〜(3)のいずれかの透明導電材料。
【0011】
(5)ハードコート層が粗面化されることにより防眩効果を有する層である前記(1)〜(4)のいずれかの透明導電材料。
(6)高屈折率層の屈折率が1.60〜2.40であり、かつ低屈折率層の屈折率が1.30〜1.55である前記(1)〜(5)のいずれかの透明導電材料。
【0012】
(7)高屈折率層及び低屈折率層がウェットコーティング法により層形成成分を塗布し形成した層である前記(1)〜(6)のいずれかの透明導電材料。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかの透明導電材料を用いてなるタッチパネル。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の透明導電材料は、基材の一方の面に導電層を積層し、他の面にハードコート層を含む一層以上の層を介して高屈折率層及び低屈折率層からなる複合層を積層した透明導電材料である。
さらに本発明の透明導電材料は、複合層が色調補正機能を有し、かつ高屈折率層が帯電防止機能を有することを特徴とする。また、本発明の透明導電材料は、高屈折率層、低屈折率層、導電層の3つの薄膜を順次積層した構成ではなく、光の干渉の制御が容易なので光学設計が容易になる。基材、導電層の説明は後述することにし、まず、複合層について説明する。
【0014】
本発明において複合層は、高屈折層及び低屈折層からなるものであるが、反射防止による透過率制御の要件を満たす限り、特に限定されるものではなく、2層以上の層構造として形成することができる。
例えば、基材側から順に、高屈折率層、低屈折率層を積層した2層構造、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を積層した3層構造、高屈折率層、低屈折層、高屈折率層、低屈折率層を積層した4層構造が挙げられる。ここで、生産性、コスト、光線透過率制御効果の観点より、2層構造のものが好ましく挙げられる。但し、後述するように帯電防止機能を持たせる層は表面の低屈折率層の直下の層となる高屈折率層であることが好ましい。
【0015】
それぞれの層における屈折率は、以下の要件を満たす範囲で、必要に応じて設計することができる。
低屈折率層はその直下の高屈折率層より低屈折率であるとの意味であるが、その屈折率は1.30〜1.55の範囲にあることが好ましい。屈折率が1.55を超える場合は十分な透過率向上効果を得ることが難しくなり、また1.30未満の場合は層を形成するのは現実的に材料の入手性などの点から困難となる。一方、高屈折率層は直上に積層される低屈折率層より屈折率が高いとの意味であるが、2層構造を有する場合等、その屈折率は1.60〜2.40の範囲内にあることが好ましい。1.60未満では十分な透過率向上効果を得ることが難しく、また2.40を超える層を形成するのは一般的に困難である。
また中屈折率層とは、積層する高屈折率層より屈折率が低く、低屈折率層より屈折率が高い層との意味であり、この要件を満たせば屈折率は特に限定されない。
【0016】
本発明において、複合層は色調補正機能を有することを特徴とする。即ち、本発明の透明導電材料は、複合層に色調補正機能を有することにより、紫色から青色にかけての透過光を向上させ、透過率を低下させずに透過光の着色を低減させることができる。
【0017】
具体的には、導電層は紫から青色の光である400〜500nmの光に対する反射及び吸収が、500〜800nmの反射及び吸収より大きいため透過光が黄色となり導電材料を黄色に着色するので、本発明において複合層は400〜500nmの光に対する透過率を500〜800nmの透過率に対して高くすることとし、導電層からの透過光のバランスを補正でき、導電材料の着色を低減させることができる。
本発明の複合層において可視領域における最大の光線透過率を示す波長が400〜500nmであること、さらに410〜470nmであることが好ましい。最大の光線透過率を示す波長が400〜500nm以外となると色調補正が十分とはいえず、着色が強くなる場合があるので好ましくない。
【0018】
複合層において可視領域における最大の光線透過率を示す波長が400〜500nmとする光線透過率の制御は、それぞれの層の光学膜厚を100〜125nmとして設計することができる。
【0019】
本発明の透明導電材料において、高屈折率層はさらに帯電防止機能を有すことを特徴とする。
帯電防止機能を有することにより、パネルの表面にホコリが付着し易い等の問題を解消できる。
高屈折率層が帯電防止機能を有する場合には、高屈折率層は導電性金属酸化物を主成分として形成され、必要に応じて高屈折率化するための無機成分、有機成分やその他バインダー成分が添加されて形成される。
【0020】
ここで、導電性金属酸化物の具体例としては、例えば、酸化錫、リンドープ酸化錫、酸化アンチモン錫、酸化インジウム錫、酸化亜鉛アルミニウム、五酸化アンチモンなどが挙げられ、高い帯電防止性能を得るという観点から、酸化錫、酸化インジウム錫、酸化アンチモン錫、酸化亜鉛アルミニウムが好ましく挙げられる。
【0021】
前述の導電性金属酸化物は帯電防止性能の観点から、高屈折層の形成成分中に50重量部以上含まれることが好ましく、80重量部以上含まれることがより好ましい。
また、導電性金属酸化物は微粒子であることが好ましく、導電性微粒子の平均粒子径は好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。導電性金属酸化物の粒子径が0.2μmを超える場合、層形成成分を塗布したときに透明性が著しく低下する傾向にある。
【0022】
前述の高屈折率化するための無機成分の具体例としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウムが挙げられる。
【0023】
前述の高屈折率化するための有機成分としては、屈折率が1.60〜1.80であるような重合性単量体であり、具体的には、例えば、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
【0024】
その他バインダー成分としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどの重合性単量体及びこれらの重合体が挙げられる。これらはウェットコーティング時のバインダーとして用いることができる。
【0025】
また、導電性金属酸化物や高屈折率化するための無機材料は、必要に応じて、その微粒子表面を各種カップリング剤などにより修飾したものを使用できる。
各種カップリング剤としては例えば、有機置換された珪素化合物や、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属アルコキシドや、有機酸塩などが挙げられる。
本発明の導電材料の複合層側の表面抵抗値は、1010Ω以下であることが好ましく、高屈折率層成分の種類、その量によって、適宜、調整することができる。
【0026】
本発明において、低屈折率層の形成成分としては、酸化珪素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、フッ化セリウムなどの無機物や含フッ素有機化合物を単独または混合物として用いることができるが、膜強度の観点からは酸化珪素、低屈折率の点より含フッ素有機化合物が好ましい。
また前述の主成分に加えて、非フッ素系単量体やその重合体などをバインダーとして用いることができる。
【0027】
低屈折率層を無機物と有機物を組み合わせて形成する場合、前述の酸化珪素などの無機物は微粒子であることが好ましく、その平均粒径は、層の厚みを大きく超えないことを要し、特に0.1μm以下であることが好ましい。平均粒径が大きくなると、光散乱が生じるなど、低屈折率層の光学性能が低下する傾向にある。
また必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤などにより修飾したものを使用できる。各種カップリング剤としては例えば、有機置換された珪素化合物や、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属アルコキシドや、有機酸などが挙げられる。
特に表面を(メタ)アクリル基などの反応性基で修飾した微粒子を使用することは、硬度の高い透明材料を形成することができる点で好ましい。
【0028】
また、含フッ素有機化合物は特に限定されるものではないが、例えば多官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、含フッ素イタコン酸エステル、含フッ素マレイン酸エステル、含フッ素珪素単量体化合物などの単量体、及びそれらの重合体などが挙げられ、1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。反応性の観点より含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。ここで(メタ)アクリルは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。)。
単量体としては単官能および多官能の重合性基を有する構造のものが挙げられ、特に多官能含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが硬度、屈折率の点より好ましい。これら含フッ素有機化合物を硬化させることにより、低屈折率かつ高強度の層を形成することができる。
【0029】
本発明において、複合層の各層には前述の化合物以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含んでも構わない。その他の成分とは特に限定されるものではなく、例えば、無機充填剤、無機または有機顔料、重合体、および重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、光吸収剤、レベリング剤などの添加剤などが挙げられる。またウェットコーティング法において塗布し、これを乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
【0030】
本発明において、高屈折率層、低屈折率層などについて積層方法は従来公知の方法を用いることができ、例えば蒸着、スパッタ、CVD、イオンプレーティングなどのドライコート法や、ディップコート、ロールコート、グラビアコート、ダイコートなどのウェットコート法が挙げられる。
生産性、コストの面より、特にウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティングにおける塗布方法としては公知のもので良く、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法などが代表的なものとして挙げられる。ロールコート法など、連続的に積層できる方法が生産性の点より好ましい。
【0031】
ウェットコーティング法においては、高屈折率層の形成成分、低屈折率層の形成成分などを塗布した後、重合開始剤の存在下、熱や紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射や加熱により硬化反応を行って層を形成することができる。ここで、活性エネルギー線による硬化反応は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下にて行うことが好ましい。
【0032】
上記の硬化に用いられるエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などの線源が使用される。
【0033】
エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2 が好ましい。照射量が、50mJ/cm2 未満の場合は、硬化が不十分となるため、表面層の耐摩耗性や硬度が低下する。また、照射量が5000mJ/cm2 を超えると、表面層が着色して透明性が低下する傾向にある。
また加熱で硬化する場合には、従来公知の熱重合開始剤を各層の形成成分に配合し、熱重合開始剤の熱分解温度以上に加熱して硬化させることが一般的である。
【0034】
本発明の導電材料は、透明基材と複合層の間に、ハードコート層を含めた一層以上の層を積層することを特徴とする。この層は無機物、有機物、もしくはこれらの混合物を用いることができる。その厚みはそれぞれ0.005〜30μmが好ましく、層の積層方法は特に限定されない。
またこれらの層にはハードコート性、防眩性、ニュートンリング防止、特定波長の光の遮断、層間の密着性の向上、導電性の機能を付与することができる。
本発明において、ハードコート層の硬度は鉛筆硬度で3H以上が好ましい。
【0035】
本発明において、ハードコート層を積層することにより導電材料の表面を硬くすることができる。ハードコート層を形成する成分の具体例としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート(ここで(メタ)アクリレートとは、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルを示す。以下化合物が変わっても同様である。)、多官能(メタ)アクリレート、そしてテトラエトキシシランなどの反応性珪素化合物などの硬化物が挙げられる。
ここで、硬度の向上の観点より、エネルギー線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。
また、ここで基材とハードコート層との屈折率が大きく異なるような場合は干渉による外観の悪化を伴う場合があるので干渉防止層を設けることが好ましい。
【0036】
さらに、ハードコート層に凹凸を設けて防眩機能を持たせることもできる。防眩性付与のためには、ハードコート層の形成成分中に、アクリル系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系などの樹脂粒子を配合して使用される。これらの樹脂粒子は、単独、もしくは複数混合して使用してもよい。これらの樹脂粒子の粒径は1〜5μmのものが好ましい。
【0037】
また、ハードコート層を積層する方法は特に限定されず、有機材料を用いた場合には、ロールコートやダイコートなどの一般的なウェットコート法により積層することができる。コーティングされた層は、適宜過熱によるか、または紫外線、電子線などの活性エネルギー線を照射して硬化させる。
【0038】
また、ハードコート層の厚みは2〜25μmがより好ましい。厚みが2μm未満になると、十分な硬度を得ることが難しくなり、一方、厚みが25μmを超えると耐屈曲性の低下などの問題が生じる傾向にある。
また、ハードコート層を2層以上積層する場合には厚みの合計が前記範囲内であればよく、1層の厚みは特に限定されない。
【0039】
本発明に用いる基材としては特に限定されるものではなく、公知の全てのものが使用可能である。基材の材質としては、例えば、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル共重合体、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、非晶質ポリオレフィンなどの透明樹脂を好ましく挙げることができる。
特にPETやPCが入手の容易さ、コストの点で好ましい。
【0040】
また、基材の形状としては、例えば板状もしくはフィルム状のものが挙げられる。生産性、運搬性の点からプラスチックフィルムが好ましく挙げられる。その際、その厚みとしては10〜500μmのものが透明性、作業性の点より好ましく挙げられ、さらに好ましくは50〜200μmである。
ここでいう透明とは光線透過率で30%以上を示し、より好ましくは50%以上、更に好ましくは80%以上、より更に好ましくは90%以上である。
【0041】
本発明に用いる導電層の形成成分としては特に限定されないが、金属もしくは金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、金、銀、銅、白金、ニッケル、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、酸化アンチモン錫(ATO)などの導電層が好ましく挙げられる。
これらの中では、導電性、透明性、安定性の観点より酸化インジウム錫(ITO)、酸化アンチモン錫(ATO)が好ましく挙げられる。
【0042】
ここで、導電層の積層方法は特に限定されず、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、めっき法などのドライコーティング法が例示される。
これらの中では層の厚み制御の観点より蒸着法、スパッタリング法が特に好ましい。
【0043】
導電層の膜厚は、幾何学膜厚で10〜60nmの範囲であり、好ましくは15〜30nmである。光学膜厚10nm未満では表面抵抗値が高くなり、光学膜厚が60nmより厚い場合は透明性が低下する。
【0044】
さらに、基材と導電層との間に、例えば硬度の向上を目的としたハードコート層や、透過率向上を目的としたアンダーコート層、他に防眩、ニュートンリング防止、密着性の向上、特定波長に対する光の遮断などの機能付与を目的とした一層以上の機能層を積層することができる。
機能層の積層方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。機能層の形成成分は、その目的により異なるが、例えば、成分として酸化珪素などの無機物、紫外線硬化型で、かつ多官能のアクリレートなどの有機物、もしくはこれらの混合物を用いることができる。層の厚みは0.005〜20μmが好ましく、屈折率は1.40〜1.70の範囲内であることが好ましい。また、層の積層方法は特に限定されず、ドライコーティング法、ウェットコーティング法を用いることができる。
【0045】
また、前述の機能層に本発明の効果を損なわない範囲においてその他の成分を含ませても構わない。その他の成分とは特に限定されるものではなく、例えば無機充填剤、無機または有機顔料、重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、光吸収材、レベリング剤などの添加剤が挙げられる。またウェットコーティング法において、層の形成成分を塗布後、乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
本発明の透明導電材料は、JIS Z8729に定められるL***表色系における透過色差が、−3<a*<+3、−3<b*<+3の範囲であることが好ましい。
【0046】
本発明の透明導電材料は、導電材料として高い光線透過率および優れた色調を必要とする用途に用いることができる。特に有機、無機エレクトロルミネッセンスディスプレイや液晶ディスプレイなどの電子画像表示装置や、抵抗膜式タッチパネルなどの電極基板などに用いることができる。
【0047】
また、必要に応じて接着層等を設け、対象物に貼り合わせて用いることができる。接着に用いられる材料としては特に限定されるものではないが、例えば、シリコン系粘着剤、アクリル系粘着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤などを挙げることができる。
【0048】
本発明の透明導電材料を抵抗膜式タッチパネルの上部電極基板として用いる場合には、これをそのまま用いることができる。この場合、表面において減反射機能が十分ではなく、さらに反射防止機能を向上させる必要があれば、複合層側の表面に接着層を設け、これに減反射層を有する基材を貼り合わせることができる。
【0049】
本発明の透明導電材料を抵抗膜式タッチパネルの下部電極基板として用いる場合には透明導電材料をそのまま、もしくはガラス、プラスチックなどの基材に貼り合わせて用いることができる。また、その裏側に光線透過率を向上させるために直接もしくは1層以上の層を介して、少なくとも1層以上からなる減反射層を形成するか、減反射層を有する基材を貼り合せることができる。減反射層は特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
【0050】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、層の屈折率は以下の手順に従って測定した。
【0051】
(1)屈折率1.63のPETフィルム(商品名:A4100、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、乾燥後の層の光学膜厚(n×d)が100nm程度になるように層の厚さを調製しながら各層用塗液を塗布する。
(2)塗布層を乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(岩崎電気株式会社製紫外線照射装置、120W高圧水銀灯、400mJ)することにより硬化する。
(3)PETフィルムの裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(「U−best50」、日本分光株式会社製)により、380〜780 nmの+5°、−5°正反射スペクトルを測定する。
(4)反射スペクトルより読み取った反射率の極大値または極小値を用いて下記式(1)より層の屈折率を計算する。
但し、nMはPETフィルムの屈折率、nは層の屈折率である。
【0052】
【数1】
Figure 0004285059
【0053】
製造例1(ハードコート層用塗液(HC−1)の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部、トリアクリル酸テトラメチロールメタン20重量部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン10重量部、光重合開始剤(商品名:IRGACURE184、チバガイギー株式会社製)4重量部、イソプロパノール100重量部を混合してハードコート層用塗液(HC−1)を調製した。
【0054】
製造例2(高屈折率層用塗液(H−1)の調製)
酸化インジウム錫微粒子(平均粒径:0.06μm)80重量部、テトラメチロールメタントリアクリレート15重量部、ブチルアルコール900重量部、光重合開始剤(商品名:IRGACURE 907、チバガイギー株式会社製)5重量部を混合し高屈折率層用塗液(H−1)を調製した。溶媒乾燥後の硬化物の屈折率は1.64であった。
【0055】
製造例3(高屈折率層用塗液(H−2)の調製)
酸化ジルコニウム微粒子(平均粒径:0.04μm)80重量部、テトラメチロールメタントリアクリレート15重量部、ブチルアルコール900重量部、重合開始剤(商品名:IRGACURE 907、チバガイギー株式会社製)5重量部を混合することにより高屈折率層用塗液(H−1)を調製した。溶媒乾燥後の硬化物の屈折率は1.75であった。
【0056】
製造例4(低屈折率層用塗液(L−1)の調製)
シリカゲル微粒子分散液(商品名:XBA−ST、日産化学工業株式会社製)90重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、光重合開始剤(製品名:IRGACURE907、チバスペシャリティケミカル製)5重量部を混合して低屈折率用塗液(L−1)を調製した。L−1の重合硬化物の屈折率は1.49であった。
【0057】
製造例5(低屈折率層用塗液(L−2)の調製)
1,2,9,10−テトラアクリロイルオキシ−4,4,5,5,6,6,7,7−オクタフルオロデカン50重量部、シリカ微粒子(商品名:XBA−ST、日産科学株式会社製)120重量部、2’,2’−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオン酸(2−ヒドロキシ)−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナデカフルオロウンデシル10重量部、ブチルアルコール900重量部、光重合開始剤(商品名:KAYACURE BMS、日本化薬株式会社製)5重量部を混合し低屈折率層用塗液(L−2)を調製した。L−2の重合硬化物の屈折率は1.47であった。
【0058】
実施例1
厚みが188μmのPETフィルム(商品名:A4100、東洋紡績株式会社製、屈折率1.63)上に、製造例1で調製したハードコート層用塗液(HC−1)をバーコーターにより乾燥膜厚4μm程度になるように塗布し、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により120W高圧水銀灯を用いて400mJの紫外線を照射して硬化し、ハードコート処理PETフィルムを作製した。
【0059】
上記ハードコート処理PETフィルム上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)の引き上げ速度を調整し、製造例2にて調製した高屈折率層塗液(H−1)を420nmで光線透過率が最小となる層の厚さに塗布した。その後、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射しこれを硬化した。
【0060】
高屈折率層の上に、同様にして、製造例4にて調製した低屈折率層用塗液(L−1)をそれぞれ、420nmで光線透過率が最大となるように膜厚を調製しながら塗布し、これを硬化した。
【0061】
このフィルムを100℃で1時間予備乾燥を行った後、ITO(インジウム:錫=92:8)ターゲットを用いるスパッタリングにより、膜厚15nmの導電層を前記の層の反対側に形成し、透明導電材料を作製した。
得られた透明導電材料の模式図を図1に示す。
【0062】
次に、これを用いて透過率の最大波長、全光線透過率、透過色差(a*、b*)、表面抵抗値、視感度反射率および表面硬度を以下の方法により測定した。その結果をそれぞれ表1に示す。
【0063】
1.透過率の最大波長:分光光度計(商品名:UV1600、株式会社島津製作所製)を用いて380〜780nmの透過スペクトルを測定し、そのスペクトルより透過率の最大値を示す波長を確認した。
2.全光線透過率:ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業株式会社製)を用いて全光線透過率を測定した。
3.透過色差:色差計(商品名:SQ−2000、日本電色株式会社製)を用いて透過色差a*、b*を測定した。
4.表面抵抗値:表面抵抗計(商品名:LorestaMP MCP−T350、三菱化学株式会社製)により測定した。
5.視感度反射率:分光光度計(商品名:UV1600、株式会社島津製作所製)を用いて反射スペクトルを測定し、そのスペクトルより視感度反射率を求めた。
6.表面硬度:鉛筆硬度試験機(商品名:鉛筆硬度試験機、株式会社安田精機製作所製)を用いて測定した。
【0064】
実施例2
低屈折率層用塗液にL−1の代わりにL−2を塗布して乾燥すること以外は実施例1と同様にして透明導電材料を作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表1に示す。
【0065】
実施例3
高屈折率層および低屈折率層を透過率の最大波長が460nmとなるように調整して塗布すること以外は実施例1と同様にして透明導電材料を作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表1に示す。
【0066】
実施例4
高屈折率層および低屈折率層を透過率の最大波長が460nmとなるように調整して塗布すること以外は実施例2と同様にして透明導電材料を作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表1に示す。
【0067】
比較例1
高屈折率層用塗液にH−1の代わりにH−2を塗布して乾燥すること以外は実施例1と同様にして透明導電材料を作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表1に示す。
【0068】
比較例2
ハードコート層を塗布しないこと以外は実施例1と同様にして透明導電材料を作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表1に示す。
【0069】
比較例3
高屈折率層を塗布しないこと以外は実施例1と同様にして透明導電材料を作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表1に示す。
【0070】
比較例4
高屈折率層および低屈折率層を塗布しないこと以外は実施例1と同様にして透明導電材料を作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表1に示す。
【0071】
実施例1〜4で作成した透明導電材料は高導電性であり、また透過色差の絶対値が小さいことから着色の少ないことが明らかとなった。それに加えて表面の帯電防止性、表面硬度や透過率も優れていること、さらにハードコート層だけ塗布した場合(比較例4)よりも反射防止性能に優れることが明らかとなった。
【0072】
一方、比較例1のように高屈折率層に帯電防止機能を有しないものは、表面抵抗値が高く、ほこりがつきやすくなるという欠点があり、比較例2のようにハードコート層を塗布しないものは表面硬度が悪くなることが明らかとなった。
また比較例3のように高屈折率層を塗布しないものは表面抵抗値が高くほこりがつきやすくなるだけでなく、着色が見られた。
また比較例4のようにハードコート層だけ塗布したものについて表面強度は得られるが、表面抵抗値の高さに起因してほこりがつきやすく、透過色差のb*が大きくなって着色が見られることが明らかとなった。
【0073】
実施例5、6
厚さ2mm厚のガラス板(商品名:FL2.0、日本板硝子株式会社製)に実施例1と同様にしてスパッタリング法によりITO(インジウム:錫=92:8)の導電層を形成した。
次にこれと実施例1または2で作成した透明導電材料を導電層同士が向かいあうようにそれぞれ配置し、四辺を両面粘着テープにより貼りあわせ、抵抗膜式タッチパネルのモデルを作製した(実施例5は実施例1の透明導電材料を、実施例6は実施例2の透明導電材料を使用した。)。得られたタッチパネルの模式図を図2に示す。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表2に示す。
【0074】
また、得られたタッチパネルをCRTディスプレイ上に装着し、その機能を確認した。実施例5、6のタッチパネルを装着したとき、CRTディスプレイの発色をすべて正確に表示でき、かつ、傷やほこりがつきづらかった。
【0075】
比較例5、6
透明導電材料として、比較例5は比較例1で作製したフィルム、比較例6は比較例4で作製したフィルムをそれぞれ使用すること以外は実施例5と同様にして抵抗膜式タッチパネルのモデルを作製した。
次に実施例1と同様に測定を行い、その結果をそれぞれ表2に示す。
【0076】
表2から、実施例5、6のタッチパネルは透過色差が低く、着色の目立たないことに加えてほこりや傷がつきづらくなることが明らかとなった。
一方、帯電防止機能を付与させていないフィルムを使用したタッチパネル(比較例5、6)は表面抵抗値が高くほこりがつきやすい結果となり、色調補正機能を付与していないフィルムを使用したタッチパネル(比較例6)では透明性が悪く画面が非常に強い黄色味を帯びている結果となった。
【0077】
【表1】
Figure 0004285059
【0078】
【表2】
Figure 0004285059
【0079】
【発明の効果】
本発明の透明導電材料は、帯電防止性や表面硬度に優れており、また透過光の着色が少ない上に、透過率も高いため視認性に優れ、タッチパネルなどの電極基板として有用である。また、高屈折率層、低屈折率層、導電層の3つの薄膜を順次積層した構成ではないので光学設計が容易である。さらに、本発明の透明導電材料を用いたタッチパネルは鮮明な画像が得られるので有用である。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で作製した透明導電材料を示す模式図である。
【図2】 図2は実施例5で作製したタッチパネルの模式図である。
【符号の説明】
A・・・低屈折率層、B・・・高屈折率層、C・・・ハードコート層、D・・・基材(PETフィルム)、E・・・導電層、F・・・両面テープ、G・・・導電層、H・・・ガラス板

Claims (3)

  1. 基材の一の面に導電層を積層し、他の面にハードコート層を含む一層以上の層を介して高屈折率層と低屈折率層とからなる複合層を積層した透明導電材料であって、複合層が色調補正機能を有し、複合層の最大の光線透過率を示す波長が可視領域において410〜470nmの範囲、かつ高屈折率層が帯電防止機能を有することを特徴とする透明導電材料。
  2. 高屈折率層の屈折率が1.60〜2.40であり、かつ低屈折率層の屈折率が1.30〜1.55である請求項1に記載の透明導電材料。
  3. 請求項1または2に記載の透明導電材料を用いてなるタッチパネル。
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