JP2007008780A - Izoスパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 特定の性状を有する酸化インジウム粉末と酸化亜鉛粉末とを、又はこれらの粉末を主成分とする原料粉末を混合粉砕して微粉末を得る混合粉砕工程、前記微粉末を成型して成型物を得る成型工程、前記成型物を加圧下、酸素雰囲気中1100〜1250℃で焼結して焼結体を得る焼結工程を含むことを特徴とするIZOスパッタリングターゲットの製造方法である。
Description
これら表示機器に使用される透明導電膜としては、インジウムスズ酸化物(以下、ITOと略称する。)膜が主流を占めている。それは、このITO膜が、光線透過率が高く、導電性に優れているほか、エッチング加工が可能であり、さらに基板との密着性にも優れているからである。通常、このITO膜は、スパッタリング法やイオンプレーティング法、蒸着法によって製膜されている。
また、ITOは結晶性を有することから、エッチング加工に際し、透明導電膜の結晶粒の界面の部位からエッチングされる。これにより、透明導電膜のエッチング部位に、この結晶粒子が取り残され、表示素子とした場合に導通による表示不良の原因になるという問題もある。
(1)酸化インジウム粉末と酸化亜鉛粉末とを、又はこれらの粉末を主成分とする原料粉末を混合粉砕して微粉末を得る混合粉砕工程、前記微粉末を成型して成型物を得る成型工程、前記成型物を加圧下、酸素雰囲気中1100〜1250℃で焼結して焼結体を得る焼結工程を含むことを特徴とするIZOスパッタリングターゲットの製造方法であって、前記酸化インジウム粉末の比表面積が8〜10m2/gであり、前記酸化亜鉛粉末の比表面積が10m2/g以上であるIZOスパッタリングターゲットの製造方法、
(2)酸化インジウム粉末と酸化亜鉛粉末とを、又はこれらの粉末を主成分とする原料粉末を混合粉砕して微粉砕を得る混合粉砕工程、前記微粉末を成型して成型物を得る成型工程、前記成型物を加圧下、酸素雰囲気中1100〜1250℃で焼結して焼結体を得る焼結工程を含むことを特徴とするIZOスパッタリングターゲットの製造方法であって、前記酸化インジウム粉末の粒度分布のメジアン径が1〜2μmであり、前記酸化亜鉛粉末の粒度分布のメジアン径が65nm〜0.2μmであり、前記混合粉砕工程後の平均メジアン径が0.5〜1μmであるIZOスパッタリングターゲットの製造方法、
(3)前記成型工程の前に、仮焼しないことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のIZOスパッタリングターゲットの製造方法、及び
(4)前記焼結体の密度が6.5g/cm3以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のIZOスパッタリングターゲットの製造方法、
を提供するものである。
本発明は、特定の性状を有する酸化インジウム粉末と酸化亜鉛粉末とを、又はこれらの粉末を主成分とする原料粉末を用いることで、製造工程の削減と焼結温度を低くすることを可能とするものである。
本発明で原料として用いる酸化インジウム粉末及び酸化亜鉛粉末の比表面積は、スパッタリングターゲット表面のホワイトスポット(白色斑点むら)と呼ばれる欠損の発現を低減するために、各々8〜10m2/g及び10m2/g以上であることを要する。
また、本発明で原料として用いる酸化インジウム粉末及び酸化亜鉛粉末の粒度分布のメジアン径は、ホワイトスポットの発現を低減するために、各々1〜2μm及び65nm〜0.2μmであることを要する。混合粉砕工程後の微粉末の平均メジアン径は、微細にするほど良いが、0.5〜1μmとなるように粉砕する。この範囲内であれば、高密度のIZOスパッタリングターゲットを得ることができ、粉砕時の粉砕機などからの不純物の混入量を低減させることが可能となる。なお、前記の原料となる粉末は、前記比表面積及びメジアン径を、両方満足することが好ましい。
本発明の製造にかかるIZOスパッタリングターゲットの原料は、酸化インジウム及び酸化亜鉛を主成分とする限り、該ターゲットの特性を向上させる目的で、他の成分を添加してもよい。例えば、IZOスパッタリングターゲットのバルク電気抵抗値を低くするために、100〜2000ppm程度の錫、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、ゲルマニウム、セリウム等の正4価の元素を添加することができる。
IZOスパッタリングターゲットは、次のようにして製造される。酸化インジウム粉末と酸化亜鉛の粉末との、又はこれらの粉末を主成分とする混合物を湿式粉砕した微粉末を、スプレードライヤー等を用いて乾燥させた粒子をプレス成型し焼結した後、その成型物の焼結体に切削加工を施すことにより製造することができる。
混合粉砕工程とは、上記酸化インジウム粉末と酸化亜鉛粉末とを、又はこれらの粉末を主成分とする原料粉末は、湿式混合粉砕機、例えば湿式ボールミルやビーズミル、超音波などを用いて、均一に混合・粉砕して微粉末を得る工程である。粉砕した微粉末の粒径は、前記のようにIZOスパッタリングターゲットの密度、及び粉砕時の粉砕機などからの不純物の混入量低減の観点より調整する。
ついで、得られた微粉末を乾燥させる。微粉末の乾燥には、スプレードライヤー、一般の粉末用乾燥機等を使用することができる。
乾燥した微粉末は、金型に充填して一般のコールドプレス機等を用いて所望の形状にプレス成型する成型工程を経る。プレス成型は、一軸プレス、冷間静水圧プレス(CIP)等を用いてすることができる。
プレス成型して得られた成型物は、焼結工程を経て、IZOスパッタリングターゲット用焼結体となる。焼結は、酸素雰囲気下で行われる。酸素雰囲気とは、酸素濃度が21%〜50%未満、好ましくは21%〜40%未満であることをいう。この範囲内であれば、効率よく焼結することが可能であり、焼成炉が焼損することもない。なお、空気雰囲気でも焼結することもできる。また、焼結は、焼結密度を高くし、焼結炉を含めた焼結装置がコストアップしないようにする目的で、加圧下、大気圧超〜0.5MPaで行われる。
焼結温度は1100〜1250℃、好ましくは1150〜1250℃であり、この範囲内にあれば、焼結密度は高くなり、製造コストを低減することができる。焼結時間は焼結密度を高くし、製造コストを低減するために、2〜48時間、好ましくは10〜36時間であり、焼結時の好ましい昇温速度は2〜24℃/分である。
得られた成型物の焼結体からスパッタリングターゲットを製作するには、この焼結体をスパッタリング装置への装着に適した形状に切削加工して、これに装着用治具の取付をすればよい。この際、該ターゲットの平均表面粗さを向上させるために、鏡面加工をしてもよい。この鏡面加工には、化学研磨、機械研磨、化学機械研磨等の一般的な研磨方法を用いることができる。
実施例1
比表面積が9m2/gである酸化インジウム粉末90重量部と比表面積が12m2/gである酸化亜鉛粉末10重量部とを、湿式ビーズミルを用いて24時間混合粉砕した。媒体には、1mmφのジルコニアビーズを使用した。混合粉砕後、スプレードライヤーで乾燥させて得た微粉末を、金型に充填してコールドプレス及び冷間等方圧プレスを用いて1t/cm2でプレス成型した。得られたられた成型物を、焼成炉に装入し、0.15MPaの加圧下において酸素濃度25%の酸素雰囲気中1230℃で24時間焼結した。得られたIZOスパッタリングターゲット用焼結体は、仮焼工程が無いにもかかわらず、6.72g/cm3と高密度の焼結体であった。
メジアン径が1.5μmである酸化インジウム粉末90重量部とメジアン径が0.1μmである酸化亜鉛粉末10重量部とを、湿式ビーズミルを用いて24時間混合粉砕し、粉砕後のメジアン径を0.8μmとした。媒体には、1mmφのジルコニアビーズを使用した。混合粉砕後、スプレードライヤーで乾燥させて得た微粉末を、金型に充填してコールドプレス及び冷間等方圧プレスを用いて1t/cm2でプレス成型した。得られた成型物を、焼成炉に装入し、0.12MPaの加圧下において酸素濃度30%の酸素雰囲気中1180℃で24時間焼結した。得られたIZOスパッタリングターゲット用焼結体は、仮焼工程が無いにもかかわらず、6.65g/cm3と高密度の焼結体であった。
比表面積が9m2/gである酸化インジウム粉末を90重量部と比表面積が3m2/gである酸化亜鉛粉末10重量部とを、湿式ビーズミルを用いて24時間混合粉砕した。媒体には、1mmφのジルコニアビーズを使用した。混合粉砕後、スプレードライヤーで乾燥させて得た微粉末を、金型に充填してコールドプレス及び冷間等方圧プレスを用いて1t/cm2でプレス成型した。得られた成型物を、焼成炉に装入し、空気雰囲気中で1400℃、大気圧で24時間焼結した。得られたIZOスパッタリングターゲット用焼結体の密度は6.10g/cm3と低いものであった。
メジアン径が1.5μmである酸化インジウム粉末90重量部とメジアン径が1.0μmである酸化亜鉛粉末10重量部とを、湿式ビーズミルを用いて24時間混合粉砕し、粉砕後のメジアン径を1.2μmとした。媒体には、1mmφのジルコニアビーズを使用した。混合粉砕後、スプレードライヤーで乾燥させて得た微粉末を、金型に充填してコールドプレス及び冷間等方圧プレスを用いて1t/cm2でプレス成型した。得られた成型物を、焼成炉に装入し、空気雰囲気中で1200℃、大気圧で24時間焼結した。得られたIZOスパッタリングターゲット用焼結体の密度は6.00g/cm3と低いものであった。
比較例1及び比較例2において、混合粉砕後、かつプレス成型前に、空気雰囲気中1200℃で仮焼を2時間行い、得られた仮焼粉末を湿式ビーズミルを用いて粉砕する以外は、比較例1及び比較例2と同様にしてIZOスパッタリングターゲット用焼結体を得た。得られた焼結体の密度は、各々6.73g/cm3、6.73g/cm3と高くなった。前記密度の上昇は仮焼を行ったことによるものであり、実施例1及び実施例2よりも高密度の焼結体を得られたが、仮焼工程及び粉砕工程が追加されたことで生産性は低下した。
Claims (4)
- 酸化インジウム粉末と酸化亜鉛粉末とを、又はこれらの粉末を主成分とする原料粉末を混合粉砕して微粉末を得る混合粉砕工程、前記微粉末を成型して成型物を得る成型工程、前記成型物を加圧下、酸素雰囲気中1100〜1250℃で焼結して焼結体を得る焼結工程を含むことを特徴とするIZOスパッタリングターゲットの製造方法であって、前記酸化インジウム粉末の比表面積が8〜10m2/gであり、前記酸化亜鉛粉末の比表面積が10m2/g以上であるIZOスパッタリングターゲットの製造方法。
- 酸化インジウム粉末と酸化亜鉛粉末とを、又はこれらの粉末を主成分とする原料粉末を混合粉砕して微粉砕を得る混合粉砕工程、前記微粉末を成型して成型物を得る成型工程、前記成型物を加圧下、酸素雰囲気中1100〜1250℃で焼結して焼結体を得る焼結工程を含むことを特徴とするIZOスパッタリングターゲットの製造方法であって、前記酸化インジウム粉末の粒度分布のメジアン径が1〜2μmであり、前記酸化亜鉛粉末の粒度分布のメジアン径が65nm〜0.2μmであり、前記混合粉砕工程後の平均メジアン径が0.5〜1μmであるIZOスパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記成型工程の前に、仮焼しないことを特徴とする請求項1又は2に記載のIZOスパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記焼結体の密度が6.5g/cm3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のIZOスパッタリングターゲットの製造方法。
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