明 細 書 絶縁性フィルム 技術分野
本発明は絶縁性フィルムに関する。 さらに詳しくは本発明は、 電気的特性およ び耐熱性が良好で、 特に高い絶縁破壊電圧を有する絶縁性フィルムに関する。 背景技術
シンジオタクチックポリスチレンからなる延伸フィルムは、 耐熱性、 耐薬品性、 耐熱水性、 誘電特性、 電気絶縁性等に優れ、 様々な用途への適用が期待されてい る。 特に該延伸フィルムは、 誘電特性に優れ、 高い電気絶縁性と耐熱性を有する ためにコンデンサ一の絶縁体として用いられている。 例えば特許文献 1〜 4には、 シンジオタクチックポリスチレンを用いたコンデンサー用のフィルムが提唱され ている。
(特許文献 1 ) 特開平 3— 1 2 4 7 5 0号公報
(特許文献 2 ) 特開平 6— 8 0 7 9 3号公報
(特許文献 3 ) 特開平 7— 1 5 6 2 6 3号公報
(特許文献 4 ) 特開平 8— 2 8 3 4 9 6号公報 発明の開示
しかし、 近年のハイブリツドカーに搭載される高性能コンデンサーにおいては、 絶縁破壊電圧が高く耐熱性に優れたフィルムが要求されている。 また、 コンデン サ一の静電容量を向上させ、 コンデンサ一を小型化するには、 絶縁体となるフィ ルムをさらに薄膜化する必要がある。 しかし、 薄膜化すると延伸時に破断が発生 し易くなり、 またフィルムの巻取り性など力低下したりしてフィルムの取り扱い 性が低下し、 フィルム自体の生産性が低下する。 またフィルムの取り扱い性が低 下するとコンデンサ一の生産効率も低下する。
そこで、 本発明の目的は、 高い絶縁破壊電圧を有し、 耐熱性、 取り扱い性に優 れた絶縁性フィルムを提供することにある。
本発明者らは、 上記課題を解決するために鋭意検討した結果、 シンジォ夕クチ ックポリスチレンおよび粒子を含有し、 特定の配向構造を有する二軸延伸フィル ムは、 高い絶縁破壊電圧を有し、 耐熱性および取り扱い性に優れることを見出し、 本発明を完成した。
すなわち本発明は、 (i) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体および ( i i ) 粒子、
を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下であるニ軸延 伸絶縁性フィルムである。
本発明は、 (1) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、 および
(1 i) 0. 01質量%以上1. 5質量%以下の、 平均粒径が 0. 以上 3.
0 a m以下、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状架橋高分子粒子 A 1、
を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下であるニ軸延 伸絶縁性フィルム (以下、 フィルム (1) ということがある) を包含する。
また本発明は、 (1) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、
( 1 1 -1) 0. 01質量%以上1. 5質量%以下の、 平均粒径が 0. 以 上 3. 0 m以下、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下であるシリカ粒子 A 2、 お よび
( i i - 2) 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下の、 平均粒径が 0. 01 m 以上 0. 5 m以下、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下である不活性微粒子 B 2、 を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下であるニ軸延 伸絶縁性フィルム (以下、 フィルム (2) ということがある) を包含する。
また本発明は、 U ) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、
(i 1) 0. 01質量%以上5. 0質量%以下の、 平均粒径が 0. 01 //m以上 3. 0 zxm以下の微粒子、 および
( i i i) 3質量%以上 48質量%以下の、 スチレン系重合体とは誘電率が 0. 2以上異なる樹脂 X、
を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下であるニ軸延 伸絶縁性フィルム (以下、 フィルム (3) ということがある) を包含する。
また本発明は、 (i) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、
( i i) 0. 01質量%以上1. 5質量%以下の、 平均粒径が 0. 以上 3. 0 m以下、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下の不活性微粒子 A 4、 および (i i i) 0. 1質量%以上 8質量%以下の酸化防止剤、
を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下であるニ軸延 伸絶縁性フィルム (以下、 フィルム (4) ということがある) を包含する。 発明を実施するための最良の形態
〔共通事項〕
以上のように本発明には、 フィルム (1) 〜 (4) の態様があるが、 まず、 こ れらに共通する事項について説明する。
(スチレン系重合体)
本発明におけるスチレン系重合体は、 シンジオタクチック構造のスチレン系重 合体である。 すなわち炭素一炭素結合から形成される主鎖に対して、 側鎖である フェ二ル基ゃ置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもの である。 一般にタクティシティ一は、 同位体炭素による核磁気共鳴法 (13C— NMR法) により定量され、 連続する複数個の構成単位の存在割合、 例えば 2個 の場合はダイアツド、 3個の場合はトリアツド、 5個の場合はペンタッド等によ つて示すことができる。 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体とは、 ラセ ミダイアツド (r) で 75%以上、 好ましくは 85%以上、 あるいはラセミペン タッド (r r r r) で 30%以上、 好ましくは 50 %以上のシンジオタクティシ ティ一を有する。 スチレン系重合体は、 ポリスチレン、 ポリ (アルキルスチレ ン)、 ポリ (ハロゲン化スチレン)、 ポリ (アルコキシスチレン)、 ポリ (ハロゲ ン化アルキルスチレン)、 ポリ (ビニル安息香酸エステル)、 ポリ (ビニルナフタ レン)、 ポリ (ァセナフチレン)、 あるいはこれらの芳香族環の一部が水素化され た重合体やこれらの混合物、 またはこれらの構造単位を含む共重合体を指称する。
ここでポリ (アルキルスチレン) としては、 ポリ (メチルスチレン)、 ポリ (ェチルスチレン)、 ポリ (プロピルスチレン)、 ポリ (プチルスチレン)、 ポリ (フエニルスチレン) 等が挙げられる。 ポリ (ハロゲン化スチレン) としては、 ポリ (クロロスチレン)、 ポリ (プロモスチレン)、 ポリ (フ口才ロスチレン) 等 がある。 また、 ポリ (アルコキシスチレン) としては、 ポリ (メトキシスチレ ン)、 ポリ (ェトキシスチレン) 等が挙げられる。 これらのうち、 特に好ましい スチレン系重合体としては、 ポリスチレン、 ポリ (P—メチルスチレン)、 ポリ
(m—メチルスチレン)、 ポリ (p—夕一シャリ一ブチルスチレン)、 ポリ (p— クロロスチレン)、 ポリ (m—クロロスチレン)、 ポリ (p—フルォロスチレン)、 またスチレンと p—メチルスチレンとの共重合体が挙げられる。
さらに、 本発明におけるスチレン系重合体は、 共重合成分を含有させて共重合 体として使用してもよい。 その場合においては、 その好ましいコモノマーとして は、 上述の如きスチレン系重合体のモノマーのほか、 エチレン、 プロピレン、 ブ テン、 へキセン、 ォクテン等のォレフィンモノマー、 ブタジエン、 イソプレン等 のジェンモノマー、 環状ジェンモノマーやメ夕クリル酸メチル、 無水マレイン酸、 ァクリロニトリル等の極性ビニルモノマー力 S挙げられる。
スチレン系重合体の重量平均分子量は、 好ましくは 1. 0 X 1 04以上 3. 0 X 1 06以下、 より好ましくは 5. 0 1 04以上1. 5 X 1 06以下、 さらに好 ましくは 1. 1 X 1 05以上 8. 0 X 1 05以下である。 重量平均分子量を 1. 0 X 1 04以上とすることで、 強伸度特性に優れ、 耐熱性がより向上したフィル ムを得ることができる。 また、 重量平均分子量が 3. 0 X 1 06以下であると、 延伸張力が好適な範囲となり、 製膜時等において破断等が発生しにくくなる。 このようなシンジオタクチック構造のスチレン系重合体の製造方法は、 例えば 特開昭 62- 1 87 70 8号公報に開示されている。 すなわち、 不活性炭化水素 溶媒中または溶媒の不存在下において、 チタン化合物および水と有機アルミニゥ ム化合物、 特にトリアルキルアルミニウムとの縮合生成物を触媒として、 スチレ ン系単量体 (上記スチレン系重合体に対応する単量体) を重合することにより製 造することができる。 また、 ポリ (ハロゲン化アルキルスチレン) については、
特開平 1一 1 4 6 9 1 2号公報に、 水素化重合体は特開平 1一 1 7 8 5 0 5号公 報にそれぞれ開示されている。
本発明におけるシンジオタクチック構造のスチレン系重合体には、 必要に応じ て公知の帯電防止剤等の添加剤を適量配合することができる。 これらの配合量は、 スチレン系重合体 1 0 0質量部に対して 1 0質量部以下が好ましい。 1 0質量部 を超えると、 延伸時に破断を起こしやすくなり、 生産安定性が不良となるので好 ましくない。 このようなシンジオタクチック構造のスチレン系重合体は、 従来の ァ夕クチック構造のスチレン系重合体に比べて耐熱性が格段に優れている。
(粒子)
本発明のフィルムは粒子を含有する。 粒子の平均粒径は、 好ましくは 0 . 0 1 /zm以上 3 . O xm以下である。 粒子の平均粒径がこの範囲にあると、 良好な電 気的特性を維持しながら、 巻取り性および加工性等の取り扱い性を良好なものと することができる。 粒午の平均粒径が小さすぎると、 取り扱い性に劣る傾向にあ る。 他方大きすぎると、 フィルム中のポイドの大きさが増大するため、 電気的特 性に劣る傾向にある。
本発明のフィルムは、 フィルム 1 0 0質量%中に、 粒子を 0 . 0 1質量%以上 5 . 0質量%以下含有する。 粒子の含有量がこの範囲にあることにより、 フィル ムの絶縁破壊電圧を良好に保ったまま、 巻取り性および加工性を良好なものとす ることができる。
粒子は、 有機系粒子であってもよいし、 無機系粒子であってもよい。 有機系粒 子としては、 高分子樹脂粒子が好ましく、 例えば架橋ポリスチレン樹脂粒子、 架 橋シリコーン樹脂粒子、 架橋アクリル樹脂粒子、 架橋スチレン—アクリル樹脂粒 子、 架橋ジビニルベンゼン一アクリル樹脂粒子、 架橋ポリエステル樹脂粒子、 ポ リイミド樹脂粒子、 メラミン樹脂粒子等が挙げられる。 このうち滑り性および耐 削れ性に優れるという観点から、 シリコーン樹脂粒子、 架橋ポリスチレン樹脂粒 子が特に好ましい。
また、 無機系粒子としては、 (1 ) 二酸化ケイ素 (水和物、 ケィ砂、 石英等を 含む) ; ( 2 ) 各種結晶形態のアルミナ; (3 ) S i 02成分を 3 0質量%以上含
有するケィ酸塩 (例えば非晶質もしくは結晶質の粘土鉱物、 アルミノシリケート (焼成物や水和物を含む)、 温石綿、 ジルコン、 フライアッシュ等) ; (4) Mg、
Z n、 Z r , および T iの酸化物; ( 5 ) C a、 および B aの硫酸塩; (6) L i、
Ba、 および C aのリン酸塩 (1水素塩や 2水素塩を含む) ; (7) L i、 Na、 および Kの安息香酸塩; (8) C a、 B a、 Zn、 および Mnのテレフタル酸 塩; (9) Mg、 Ca、 Ba、 Zn、 Cd、 Pb、 S r、 Mn、 Fe、 Co、 お よび N iのチタン酸塩; (10) Ba、 および Pbのクロム酸塩; (1 1) 炭素 (例えばカーボンブラック、 グラフアイト等) ; (12) ガラス (例えばガラス粉、 ガラスビーズ等) ; (13) C a、 および Mgの炭酸塩; (14) ホ夕ル石; (1 5) スピネル型酸化物等が挙げられる。 このうち、 滑り性および耐削れ性に優れ るという観点から、 炭酸カルシウム粒子、 シリカ粒子が好ましく、 シリカ粒子が 特に好ましい。
本発明においては、 1種類の粒子を含有する態様でもよいが、 絶縁破壊電圧を 低下させずに取り扱い性の向上効果を高くすることができるという観点から、 2 種類以上の粒子を含有する態様が好ましい。 そのような場合は、 組成の異なる 2 種類以上の粒子を含有する態様、 平均粒径の異なる 2種類以上の粒子を含有する 態様、 形状の異なる 2種類以上の粒子を含有する態様、 もしくはこれらを組み合 わせた態様でもよいが、 少なくとも平均粒径の異なる 2種類以上の粒子を含有す る態様が特に好ましい。
(厚み方向の屈折率)
本発明のフィルムは、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下 である。 厚み方向の屈折率を上記範囲とすることによって、 絶縁破壊電圧を高く することができる。 また、 フィルム製造工程におけるフィルム破断の頻度が低下 し、 生産性を向上することができる。 厚み方向の屈折率が高すぎる場合は、 フィ ルム製造工程におけるフィルム破断の頻度が増加する傾向にあり、 フィルムの生 産性が低下する。 他方、 低すぎる場合は、 絶縁破壊電圧が低くなる傾向にあり、 電気的特性に劣るものとなる。 また、 コンデンサーの製造工程におけるフィルム 破断の頻度が増加し、 コンデンサーの生産性が低下する。 さらに、 フィルムの厚
み斑が悪くなる傾向にあり、 品質の安定したコンデンサーを得にくくなる。 厚み方向の屈折率を上記範囲とするには、 後述するような製造方法を採用する ことによって達成される。 すなわち、 本発明において好ましい厚み方向の屈折率 は、 フィルムの延伸倍率を特定の範囲とし、 かつ、 延伸工程において、 一軸方向 の延伸に次いで実施される一軸方向と垂直な方向の延伸において、 延伸の温度を 複数段階に分け、 この第 1段階の温度と最終段階の温度とで特定の温度差をつけ ることで達成される。
(その他の添加剤)
本発明のフィルムは、 成形性、 力学物性、 表面性等を改良するため、 他の樹脂 成分を含有していてもよい。
含有することができる他の樹脂成分としては、 例えばァ夕クチック構造のスチ レン系重合体、 アイソ夕クチック構造のスチレン系重合体、 ポリフエ二レンエー テル、 スチレン一無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。 これらは、 シンジォ タクチック構造のスチレン系重合体と相溶しやすく、 延伸用予備成形体を作成す るときの結晶化の制御に有効である。 そのため、 その後の延伸性が向上し、 延伸 条件の制御が容易で、 かつ力学物性に優れたフィルムを得ることができるため好 ましい。 このうち、 ァ夕クチック構造および Zまたはアイソ夕クチック構造のス チレン系重合体を含有させる場合は、 シンジオタクチック構造のスチレン系重合 体と同様のモノマーからなるものが好ましい。 また、 これら相溶性樹脂成分の含 有割合は、 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体 1 0 0質量部に対して、 好ましくは 4 0質量部以下、 さらに好ましくは 2 0質量部以下、 特に好ましくは 1 0質量部以下とすれば良い。 相溶性樹脂成分の含有割合が 4 0質量部を超える と、 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体の長所である耐熱性の向上効果 が低くなつてしまう。
また、 他の樹脂成分のうち、 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体に非 相溶な樹脂としては、 例えばポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリブテン、 ポリ ペンテン等のポリオレフィンカ挙げられる。 またポリエチレンテレフ夕レート、 ポリブチレンテレフ夕レート、 ポリエチレンナフ夕レート等のポリエステルが挙
げられる。 またナイロン 6やナイロン 6, 6等のポリアミドが挙げられる。 ポリ フエ二レンスルフイド等のポリチォエーテル、 ポリカーボネート、 ポリアクリレ ート、 ポリスルホン、 ポリエーテルエーテルケトン、 ポリエーテルスルホン、 ポ リイミド、 テフロン (登録商標) 等のハロゲン化ビニル系重合体、 ポリメタクリ ル酸メチル等のアクリル系重合体、 ポリビニルアルコール等、 前記相溶性の樹脂 以外の樹脂が挙げられる。 さらに前記相溶性の樹脂を含む架橋樹脂が挙げられる。 これらの樹脂は、 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体と非相溶であるた め、 少量含有する場合は、 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体中に島状 に分散させることができ、 延伸後に程良い光沢を与えたり、 表面の滑り性を改良 するのに有効である。 非相溶性樹脂成分の含有割合は、 シンジオタクチック構造 のスチレン系重合体 100質量部に対して、 好ましくは 30質量部以下、 さらに 好ましくは 20質量部以下、 特に好ましくは 10質量部以下である。 また、 製品 として使用する温度が高い場合は、 比較的耐熱性のある非相溶性樹脂成分を含有 することが好ましい。
さらに、 本発明のフィルムには、 その物性を阻害しない範囲で、 帯電防止剤、 着色剤、 耐候剤等の添加剤を加えることができる。
本発明の絶縁性フィルムの好ましい態様であるフィルム (1) 〜 (4) は、 以 上の共通事項に加え、 それぞれ以下の特徴を有する。
〔態様 1〕
本発明の態様 1のフィルム (1) は、
( i ) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、 および
(1 1) 0. 01質量%以上1. 5質量%以下の、 平均粒径が 0. 5/zm以上 3. 0 m以下、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状架橋高分子粒子 A 1、
を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下である。
フィルム (1) は、 さらに U i ) 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下の、 平均粒径が 0. 01 //m以上 2. 6 m以下であり、 平均粒径が球状架橋高分子 粒子 A 1の平均粒径より 0. 4 /xm以上小さい不活性微粒子 B 1を含有すること 力好ましい。 球状架橋高分子粒子 A 1は、 シランカップリング剤で表面処理され
ていることが好ましい。 球状架橋高分子粒子 A 1は、 シリコーン樹脂粒子である ことが好ましい。 不活性微粒子 B 1は、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状シ リカ粒子であること力好ましい。 フィルムの厚みは、 0. 4 m以上 6. 5 m 未満であることが好ましい。 本発明は、 フィルム (1) を用いたコンデンサーを 包含する。
(スチレン系重合体)
フィルム (1) におけるスチレン系重合体は、 共通事項の項で説明したとおり である。
(球状架橋高分子粒子 A 1 )
本発明のフィルム (1) は、 平均粒径が 0. 5 m以上 3. 0 zm以下、 粒径 比が 1. 0以上 1. 3以下である球状架橋高分子粒子 A 1を 0. 01質量%以上 1. 5質量%以下含有する。
球状架橋高分子粒子 A 1の平均粒径は 0. 以上 3. 0/ m以下、 好まし くは 0. 6/zm以上 2. 0 m以下、 さら好ましくは 0. 8/zm以上 1. 6 以下である。 平均粒径が 0. 5 xm未満であると滑り性や巻取り性に劣る。 他方、 3. 0 mを超えると絶縁破壊電圧が低くなる。 特にコンデンサ一用途において は、 スペースファク夕一の増大や絶縁欠陥の増加が起こるため好ましくない。 球状架橋高分子粒子 A 1は、 粒径分布がシャープであることが好ましく、 具体 的には分布の急峻度を表わす相対標準偏差が 0. 5以下であることが好ましい。 相対標準偏差が小さくなり、 粒径分布が急峻になると、 フィルム表面の大突起の 高さが均一となる。 これにより巻取り性がより良好となり、 また粗大粒子や粗大 突起が少なくなり、 欠陥が減少し、 絶縁破壊電圧をより向上させることができる。 このような観点から、 球状架橋高分子粒子 A 1の粒径分布を表す相対標準偏差は、 より好ましくは 0. 4以下、 さらに好ましくは 0. 3以下、 特に好ましくは 0. 2以下である。
また球状架橋高分子粒子 A 1の形状は、 実質的に球状もしくは真球状である。 球状もしくは真球状であると、 効果的に滑り性を付与することができる。 具体的 には、 粒子における球状の度合いを表す粒径比が 1. 0以上 1. 3以下である必
要がある。 粒径比は、 好ましくは 1. 0以上 1. 2以下、 さらに好ましくは 1. 0以上 1. 1以下である。 粒径比が大きくなると、 粒子が球状ではなくなる方向 なので粒子の周囲にボイドができやすくなり、 絶縁欠陥が生じやすくなり、 絶縁 破壊電圧が低くなるため好ましくない。
球状架橋高分子粒子 A 1の見掛けのヤング率は、 好ましくは 1 O kgZmm2 以上 100 k gZmm2以下、 より好ましくは 10 k gZmm2以上 50 k gZ mm2以下である。 見かけのヤング率が 10 k gZmm2以上であると、 フィル ム延伸時に粒子が変形しにくくなり、 その形状が保たれるため、 滑り性や巻取り 性をより向上させることができる。 また、 見かけのヤング率が 100 k gZmm 2以下であると、 粒子がフィルムから脱落しにくくなり、 絶縁破壊電圧をより向 上させることができる。
フィルム (1) における球状架橋高分子粒子 A 1の含有量は、 0. 01質量% 以上 1. 5質量%以下、 好ましくは 0. 11質量%以上 1. 5質量%以下、 より 好ましくは 0. 26質量%以上 0. 9質量%以下である。 含有量が 0. 01質 量%未満であると巻取り性が悪化する。 他方、 含有量が 1. 5質量%を超えると フィルム表面が粗くなり、 耐削れ性が悪化し、 絶縁破壊電圧が低くなる。 特にコ ンデンサ一としたときは、 スペースファクターの増大や絶縁破壊電圧の低下が起 こるため好ましくない。
球状架橋高分子粒子 A 1として、 架橋ポリアクリル樹脂粒子、 架橋ポリスチレ ン樹脂粒子、 架橋アクリル一スチレン共重合体樹脂粒子、 シリコーン樹脂粒子等 が挙げられる。
(シリコーン樹脂粒子)
中でもシリコーン樹脂粒子が最も好ましい。 シリコーン樹脂粒子は、 下記式 (1)
RS i 03/2 (1)
ここで、 Rは炭素数 1以上 6以下のアルキル基およびフエニル基から選 ばれる少なくとも一種である。
で表わされる単位が 80質量%以上であるシリコーン樹脂からなる粒子である。
上記単位は下記構造式 (2 ) を意味する。
R
I
—— 0― Si— 0—
I
o
I ( 2 )
ここで、 Rは前記と同じであり、 炭素数 1以上 6以下のアルキル基お よびフエ二ル基から選ばれる少なくとも一種である。
前記式 (1 ) や構造式 (2 ) における Rは、 炭素数 1以上 6以下のアルキル基 およびフエニル基から選ばれる少なくとも一種である。 アルキル基としては、 例 えばメチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基、 ペンチル基、 へキシル基等が 挙げられる。 これらは二種以上であってもよい。 Rが複数種である場合、 例えば Rがメチル基とェチル基である場合は、 メチルトリメトキシシランとェチルトリ メトキシシランの混合物を出発原料として用いる等により製造することができる。 もっとも、 製造コストや合成方法の容易さ等を考慮すると、 Rがメチル基のシリ コーン樹脂 (ポリメチルシルセスキォキサン) 粒子が特に好ましい。
このようなシリコーン樹脂粒子は、 従来から知られている製造方法、 例えばォ ルガノトリアルコキシシランを加水分解、 縮合する方法 (例えば特公昭 4 0一 1 4 9 1 7号公報あるいは特公平 2— 2 2 7 6 7号公報等) やメチルトリクロロシ ランを出発原料とするポリメチルシルセスキォキサン粒子の製造方法 (例えばべ ルギ一国特許 5 7 2 4 1 2号) 等に準じて製造することができる。
シリコーン樹脂粒子は、 界面活性剤の存在下で重合されていることが好ましい。 この方法により得られたシリコ一ン樹脂粒子を用いることで、 粗大突起の少なレ 高絶縁性フィルムを得ることができる。 界面活性剤としては、 例えばポリオキシ エチレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、 ポ リオキシエチレンソルビ夕ンアルキルエステル、 アルキルベンゼンスルホン酸塩 等が挙げられる。 中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル、 ポリオキシェチ レンアルキルフエニルエーテル、 アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく用い られる。 ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、 ポリオキシエチレンラウ
リルエーテルが挙げられる。 ポリオキシェチレンアルキルフエニルエーテルとし て、 ノニルフエノールのエチレンォキシド付加物が挙げられる。 アルキルべンゼ ンスルホン酸塩として、 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム力挙げられる。 (表面処理)
球状架橋高分子粒子 A 1は、 シランカップリング剤で表面処理して用いると絶 縁破壊電圧がさらに向上する。 表面処理に用いるシランカップリング剤としては、 不飽和結合を有するビニルトリエトキシシラン、 ビニルトリクロルシラン、 ビニ ルトリス ()8—メトキシェトキシ) シラン等が挙げられる。 アミノ系シランの Ν 一 (j8—アミノエチル) 一ァ一アミノプロピルメチルジメ卜キシシラン、 N— ( jS—アミノエチル) 一ァーァミノプロビルトリメトキシシラン、 ァーアミノブ 口ビルトリメトキシシラン、 ァーァミノプロピルトリエトキシシラン、 N—フエ 二ルーアーァミノプロピル卜リメトキシシラン等が挙げられる。 また、 エポキシ 系シランの jS— (3, 4—エポキシシクロへキシル) ェチルトリメトキシシラン、 τ—ダリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 ァーグリシドキシプロピルメチ ルジェトキシシラン、 ァ一グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等力 S挙げら れる。 また、 メ夕クリレート系シランのァ一メ夕クリロキシプロピルメチルジメ トキシシラン、 ァーメタクリロキシプロビルトリメトキシシラン、 ァーメ夕クリ ロキシプロピルメチルジェトキシシラン、 ァーメタクリロキシプロピル卜リエト キシシラン等が挙げられる。 さらにはァ一メルカプトプロビルトリメトキシシラ ン、 アークロロプロビルトリメトキシシラン等が挙げられる。 これらの中で、 ェ ポキシ系シランからなるシラン力ップリング剤が取り扱い易さ、 添加したときの 色の付きにくさ等の観点から好ましい。
シランカツプリング剤による表面処理は以下の方法で行なうことが好ましい。 まず、 合成直後の球状架橋高分子粒子 A 1のスラリー (水スラリーまたは有機溶 媒スラリー) を濾過し、 もしくは遠心分離機等で処理して、 球状架橋高分子粒子 A 1を分離する。 その後、 乾燥前もしくは乾燥後にシランカップリング剤を分散 させた水もしくは有機溶媒で再度スラリー化し、 加熱処理する。 その後、 再度粒 子を分離し、 次いで分離粒子を乾燥し、 シランカップリング剤の種類によっては
さらに熱処理を施すことにより行うことができる。
本発明において、 シランカツプリング剤で表面処理された球状架橋高分子粒子 A 1、 特にシランカツプリング剤で表面処理されたシリコーン樹脂粒子を用いる ことで絶縁破壊電圧がより向上するメカニズムは、 はつきりとはしていないが、 一つは、 シランカップリング剤が粒子に吸着することにより、 シンジォ夕クチッ クポリスチレンと粒子の親和性が向上し、 延伸の際にボイドの発生が抑えられる ことにより絶縁破壊電圧が向上するメ力ニズム等が推測される。
(不活性微粒子 B 1)
本発明のフィルム (1) は、 球状架橋高分子粒子 A 1に加えて、 さらに不活性 微粒子 B 1を含有していることが好ましレ^ 不活性微粒子 B 1を含有することに よって、 滑り性を保持したまま絶縁破壊電圧をより高くすることができる。
不活性微粒子 B 1の平均粒径は、 球状架橋高分子粒子 A 1の平均粒径よりも小 さいことが好ましい。 不活性微粒子 B 1の平均粒径と球状架橋高分子粒子 A 1の 平均粒径との差は、 好ましくは 0. 4;um以上、 より好ましくは 0. 5^m以上、 さらに好ましくは 0. 7 tm以上である。 平均粒径の差を 0. 4 //m以上とする ことで、 より効率的に滑り性や巻取り性を向上させることができる。 さらに、 耐 削れ性を良好なものとすることができる。
不活性微粒子 B 1の平均粒径は、 好ましくは 0. 01 111以上2. 6^m以下、 より好ましくは 0. 以上 0. 8 /m以下、 さらに好ましくは 0. 2 zm以 上 0. 6 m以下である。 平均粒径が 0. 01 m未満であると、 滑り性ゃ卷取 り性の向上効果が小さくなる。 また、 平均粒径を 2. 6 m以下とすることで、 耐削れ性を良好なものとすることができる。
また、 不活性微粒子 B 1は、 前述した球状架橋高分子粒子 A 1と同様の観点か ら、 粒径分布がシャープであることが好ましい。 分布の急峻度を表わす相対標準 偏差は、 好ましくは 0. 5以下、 より好ましくは 0. 4以下、 さらに好ましくは 0. 3以下、 特に好ましくは 0. 2以下である。
さらに、 不活性微粒子 B 1は、 その形状が実質的に球状もしくは真球状である ことが好ましい。 具体的には、 粒子における球状の度合いを表す粒径比が、 好ま
しくは 1. 0以上 1. 3以下、 より好ましくは 1. 0以上 1. 2以下、 さらに好 ましくは 1. 0以上 1. 1以下である。 形状をより球状にすることで、 絶縁欠陥 を抑制することができ、 絶縁破壊電圧をより高くすることができる。
不活性微粒子 B 1の含有量は、 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下が好まし レ^ 含有量が少なくなると滑り性が悪くなる。 よって 0. 05質量%未満である と滑り性の向上効果が低い。 他方、 含有量を 2. 0質量%以下とすることで、 絶 縁破壊電圧をより高くすることができる。 このような観点から、 不活性微粒子 B 1の含有量は、 より好ましくは 0. 1質量%以上 0. 6質量%以下、 さらに好ま しくは 0. 2質量%以上 0. 4質量%以下である。
不活性微粒子 B 1の種類としては、 球状架橋高分子粒子 A 1と同じ種類のもの を使用することができるが、 球状架橋高分子粒子 A 1とは異なる機能を付与でき るという観点で、 球状架橋高分子粒子 A 1とは異なる種類の粒子であることが好 ましい。 例えば (1) 二酸化ケイ素 (水和物、 ケィ砂、 石英等を含む) ; (2) 各 種結晶形態のアルミナ; (3) S i〇2成分を 30質量%以上含有するケィ酸塩 (例えば非晶質もしくは結晶質の粘土鉱物、 アルミノシリケート (焼成物や水和 物を含む)、 温石綿、 ジルコン、 フライアッシュ等) ; (4) Mg, Zn、 Z r、 および T iの酸化物; ( 5 ) C a、 および B aの硫酸塩; ( 6 ) L i、 B a、 およ び C aのリン酸塩 (1水素塩や 2水素塩を含む) ; (7) L i、 Na、 および の 安息香酸塩; (8) Ca、 Ba、 Zn、 および Mnのテレフタル酸塩; ( 9 ) Mg、 Ca、 Ba、 Zn、 Cd、 Pb、 S r、 Mn、 Fe、 Co、 および N iのチタン 酸塩;(10) Ba、 および Pbのクロム酸塩; (11) 炭素 (例えばカーボンブ ラック、 グラフアイト等) ; (12) ガラス (例えばガラス粉、 ガラスビーズ 等) ; ( 13 ) C a、 および M gの炭酸塩; (14) ホ夕ル石; (15) スピネル型 酸化物等が挙げられる。 良好な滑り性、 耐削れ性が得られるという観点で炭酸力 ルシゥム粒子、 球状シリカ粒子が好ましく、 球状シリカ粒子が特に好ましい。 各種の粒子は、 最終的にフィルム (1) に含有されていれば含有させる方法に 限定はない。 例えば、 スチレン系単量体の重合中の任意の過程で添加あるいは析 出させる方法、 溶融押出する任意の過程で添加する方法が挙げられる。 またこれ
らの粒子を効果的に分散させるため、 分散剤、 界面活性剤等を用いることができ る。
(その他の添加剤)
フィルム (1) に含有させることができるその他の添加剤は、 共通事項の項で 説明したとおりである。
(厚み方向の屈折率)
本発明のフィルム (1) は、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 655 0以下である。 厚み方向の屈折率は、 好ましくは 1. 6100以上 1. 6450 以下、 さらに好ましくは 1. 6150以上 1. 6350以下、 特に好ましくは 1. 6200以上 1. 6250以下である。 厚み方向の屈折率が 1. 6050未満で あると、 絶縁破壊電圧が低くなる。 また、 コンデンサ一の製造工程においてフィ ルムが破断しゃすくなる。 またフィルムの厚み斑が悪くなり品質の安定したコン デンサ一を得ることができない。 他方、 厚み方向の屈折率が 1. 6550を超え るようなフィルムを製造する場合は、 フィルムの製造工程においてフィルム破断 が多発してしまい、 フィルムを得ることが非常に困難である。
厚み方向の屈折率を上記範囲とするには、 後述する特別な製造方法とする必要 がある。 すなわち本発明における厚み方向の屈折率は、 一軸方向の延伸に次いで 実施される該ー軸方向と垂直な方向の延伸において、 延伸の温度を複数段階に分 け、 この第 1段階の温度と最終段階の温度とで後述する温度差をつけることで達 成される。
(フィルム厚み)
フィルム (1) の厚みは、 好ましくは 0. 4/ m以上 6. 未満、 より好 ましくは 0. 5; m以上 5. 未満、 さらに好ましくは 0. 6 m以上 4.
5/ m未満、 特に好ましくは 1. 0 _im以上 3. 5 m未満である。 フィルム厚 みが 0. 4 //m未満であると、 フィルム破断が生じやすく取り扱い性に劣る傾向 にある。 他方、 6. 5 m以上であると、 コンデンサ一としたときに電極間距離 が長くなることにより、 静電容量が低くなる傾向にある。
コンデンサ一の絶縁体として用いられるフィルムの場合、 一般的にフィルム厚
みが薄い方がコンデンサーの静電容量が高くなり好ましい。 しかし、 フィルム厚 みを薄くしてゆくと、 フィルムにしわが入りやすくなつたり、 フィルムが破断し やすくなつたりして、 取り扱い性が低下する。 またフィルム厚みを薄くしてゆく と、 添加した粒子が脱落しやすくなる。 またフィルム厚みが薄くなることにより 絶縁破壊電圧の絶対値が低くなる等の問題が生じる。 そのためそれらをバランス させることが不可欠となる。 本発明は、 フィルム厚みを薄くしても上記の問題が 生じることが無いように、 後述する特別な製造方法により、 特定の粒子と配向構 造を有する新規の構成の高絶縁性フィルムを得るものである。
(中心線平均表面粗さ: Ra)
フィルム (1) の中心線平均表面粗さ (Ra) は、 l l nm以上 89nm以下 であること力好ましい。 中心線平均表面粗さ (Ra) が l l nm以上であると、 滑り性がより良好となり作業性がより向上する。 さらに、 ロール状に巻取る際に はブロッキングが抑制され、 巻き形状が良好なロールを得やすくなる。 また、 中 心線平均表面粗さ (Ra) が 89 nm以下であると、 卷きズレ、 端面ズレが生じ にくくなる。 このような観点から、 中心線平均表面粗さ (Ra) の下限は、 好ま しくは 21 nm以上、 さらに好ましくは 31 nm以上である。 また、 中心線平均 表面粗さ (Ra) の上限は、 好ましくは 79 nm以下、 さらに好ましくは 69η m以下、 特に好ましくは 59 nm以下である。
(10点平均粗さ: Rz)
フィルム (1) は、 その 10点平均粗さ (Rz) が 900 nm以上 3, 000 nm以下であることが好ましい。 10点平均粗さ (Rz) が 900 nm以上であ ると、 ロールとして巻き上げる際に、 フィルムの横滑りが抑制され、 巻取り性が 良好なものとなる。 また、 10点平均粗さ (Rz) を 3, O O Onm以下とする ことで、 絶縁破壊電圧をより高くすることができる。 このような観点から、 10 点平均粗さ (Rz) の下限は、 好ましくは 950 nm、 さらに好ましくは 1, 0 50 nm、 特に好ましくは 1, 250 nmであり、 また、 10点平均粗さ (R z) の上限は、 好ましくは 2, 600 nm, さらに好ましくは 2, 250 nm, 特に好ましくは 1, 950 nmである。 特にフィルム厚みが薄い場合は、 厚い場
合に比べてフィルムに腰がないため、 巻取り性がより悪い傾向にある。 そのため
10点平均粗さ (Rz) を上記範囲とすることが特に効果的である。
(フィルム (1) の製造方法)
フィルム (1) は、 一部の特別な製造条件を除けば、 基本的には従来から知ら れている、 あるいは当業界に蓄積されている方法で製造することができる。 以下、 フィルム (1) の製造方法について詳記する。
先ず、 主にシンジオタクチック構造のスチレン系重合体からなる樹脂組成物を 加熱溶融し、 未延伸シートを作成する。 具体的には融点 (Tm、 単位 ) 以上 (Tm+70 ) 以下の温度で加熱溶融しシート状に押し出して、 冷却固化して 未延伸シートを得る。
次いで、 この未延伸シートを二軸方向に延伸する。 延伸は、 縦方向 (機械軸方 向)、 横方向 (機械軸方向と垂直な方向) を同時に延伸してもよいし、 任意の順 序で逐次延伸してもよい。 例えば逐次延伸の場合には、 先ず一軸方向に (ガラス 転移点温度 (Tg、 単位 ) -1 O )以上 (Tg+70t:) 以下の温度で、 好 ましくは 2. 3倍以上 6. 0倍以下、 より好ましくは 2. 5倍以上 5. 0倍以下、 さらに好ましくは 2. 8倍以上 4. 6倍以下の倍率で延伸する。 次いで該ー軸方 向と垂直な方向に Tg以上 (Tg + 80t:) 以下の温度で、 好ましくは 2. 5倍 以上 7. 0倍以下、 より好ましくは 2. 7倍以上 5. 0倍以下、 さらに好ましく は 2. 9倍以上 4. 7倍以下の倍率で延伸する。
なお、 上記一軸方向と垂直な方向の延伸の際には、 前段階の延伸で結晶化が進 んでいるためか延伸が難しくなり、 製膜中に破断が起こりやすくなる。 特にフィ ルム厚みの薄いフィルムを製膜する場合において、 また特に延伸倍率が 3. 2倍 を超える領域において破断が起こりやすくなる。 この対策を検討した結果、 延伸 の温度を一定とするのではなく、 複数段階に分け、 この第 1段階の温度と最終段 階の温度とで温度差をつけることが有効であることが判明した。 温度差は、 最終 段階の温度が第 1段階の温度より 4 以上高いことが好ましく、 7 以上高いこ とがより好ましく、 1 1で以上高いことがさらに好ましく、 21で以上高いこと が特に好ましい。 また、 温度差が大きすぎるのも延伸性が低くなる、 延伸後のフ
イルムの厚み斑が悪くなる等のため好ましくなく、 温度差の上限は 4 9で以下が 好ましく、 3 9 以下がさらに好ましく、 2 9で以下が特に好ましい。 第 1段階 と最終段階の温度差を上記範囲とすることで、 フィルム厚みの薄いフィルムの製 膜において従来困難であった高い延伸倍率を達成することができる。 これによつ て厚み斑が少ない良好なフィルムを得ることができ、 かつ本発明における厚み方 向の屈折率を達成することができる。 さらに、 フィルム厚みを薄くしても破断が 起こりにくいため、 本発明における好ましいフィルム厚みを達成することができ る。
一軸方向と垂直な方向の延伸を実施する工程において第 1段階と最終段階との 温度差をつけるには、 1の延伸ゾーンの中でゾーンの入口 (第 1段階) と出口 (最終段階) とで温度差をつけてもよいし、 温度の異なる 2以上の連続した延伸 ゾーンを設けて最初の延伸ゾーン (第 1段階) と最後の延伸ゾーン (最終段階) とで温度差をつけてもよい。 ここでゾーンとは、 テン夕一等においてシャッター 等で区切られた 1の領域を示す。 いずれの場合も第 1段階と最終段階の間をさら に分割し、 第 1段階から最終段階に向かって温度を傾斜的に上昇させるのが好ま しく、 特に直線的に上昇させると良い。 例えば、 温度の異なる 2以上の連続した 延伸ゾーンによる場合は、 最初の延伸ゾーンと最後の延伸ゾーンの間に、 さらに 1以上の延伸ゾーンを設けることが好ましく、 1以上 1 0以下の延伸ゾーンを設 けることがさらに好ましい。 延伸ゾーンの合計を 1 3以上とすることは、 設備コ ストの面から不利である。 延伸は、 例えばフィルムを幅方向に延伸する場合は、 最終段階を出た直後のフィルム幅を、 第 1段階に入る直前のフィルム幅で除した 値が目標の延伸倍率となるようにすればよく、 傾斜的にフィルム幅を増加させる ことが好ましく、 特に直線的に増加させると良い。 縦方向と横方向を同時に延伸 する場合においても、 同様に延伸の温度を複数段階に分け、 この第 1段階の温度 と最終段階の温度とで温度差をつけるようにする。
次いで、 フィルム (1 ) は、 (T g + 7 0で) 〜Tmの温度で熱固定される。 熱固定の温度は、 好ましくは 2 0 0で以上 2 6 0 以下、 より好ましくは 2 2 0で以上 2 5 0で以下、 さらに好ましくは 2 3 0で以上 2 4 0 以下である。 熱
固定温度が高すぎると、 特にフィルム厚みの薄いフィルムを製造する際に、 破断 が起きやすくなり、 また厚み斑が悪化してしまう。 熱固定の後に必要に応じて熱 固定温度より 20 :〜 9 Ot:低い温度下で弛緩処理をするのが、 寸法安定性が良 くなるため好ましい。
〔態様 2〕
本発明の態様 2のフィルム (2) は、
(i) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、
( i i - 1) 0. 01質量%以上 1. 5質量%以下の、 平均粒径が 0. 6 m以 上 3. 以下、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下であるシリカ粒子 A2、 お よび '
( i i - 2) 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下の、 平均粒径が 0. 01 以上 0. 5/zm以下、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下である不活性微粒子 B 2、 を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下である。
シリカ粒子 A 2の平均粒径は、 不活性微粒子 B 2の平均粒径より 0. 3/zm以 上大きいことが好ましい。 不活性微粒子 B 2は、 無機微粒子であることが好まし レ 不活性微粒子 B 2は、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状シリカ粒子であ ることが好ましい。 シリカ粒子 A2は、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状シ リカ粒子であることが好ましい。 フィルムの厚みは、 0. 4 m以上 6. 5 未満であることが好ましい。 本発明は、 フィルム (2) を用いたコンデンサーを 包含する。
(スチレン系重合体)
フィルム (2) におけるスチレン系重合体は、 共通事項の項で説明したとおり である。
(シリカ粒子 A 2)
フィルム (2) は、 平均粒径が 0. 6//m以上 3. 0 m以下、 粒径の相対標 準偏差が 0. 5以下であるシリカ粒子 A2を 0. 01質量%以上 1. 5質量%以 下含有する。
シリカ粒子 A 2の平均粒径は、 0. 以上 3. 0 以下、 好ましくは 0.
7//m以上 2. O m以下であり、 さらに好ましくは 0. 8 zm以上 1. 6wm 以下、 特に好ましくは 0. 9^1!1以上1. 3 m以下である。 平均粒径が 0. 6 m未満であるとエアー抜け性力低くなり、 巻取り性が悪化する。 他方、 平均粒 径が 3. 0 mを超えると絶縁破壊電圧が低くなり、 特にコンデンサー用途にお いては、 スペースファクターの増大や絶縁欠陥の増加が起こる。
ここで、 シリカ粒子 A 2の平均粒径は、 後述する不活性微粒子 B 2の平均粒径 より 0. 3 /zm以上大きいことが好ましい。 その差は、 さらに好ましくは 0. 5 ; m以上、 特に好ましくは 0. 7 j m以上である。 平均粒径の差を大きくするこ とで、 フィルム表面においてシリカ粒子 A 2による高突起が散在し、 これによつ てフィルム間のエア一抜け性が良好となる。 同時に、 不活性微粒子 B 2による低 突起が存在することにより、 フィルム同士の滑り性が良好なものとなり、 フィル ムをロール状に卷取る際には、 エア一抜け性と滑り性とのバランスが良く、 高速 で巻き上げても巻き姿の良好なフィルムロールを得ることができる等、 巻取り性 がさらに良好なものとなる。
また、 本発明におけるシリカ粒子 A2は、 粒径分布がシャープであることが好 ましい。 具体的には、 分布の急峻度を表わす相対標準偏差が 0. 5以下である。 相対標準偏差が小さくなり、 粒径分布が急峻であると、 フィルム表面の突起の高 さが均一となる。 これにより巻取り性が良好となり、 また粗大粒子や粗大突起が 少なくなる方向であり、 欠陥が減少し、 絶縁破壊電圧を向上させることができる。 他方、 相対標準偏差が大きくなると、 粗大粒子や粗大突起が増加し、 欠陥が多く なり、 絶縁破壊電圧が低くなるため好ましくない。 このような観点から、 シリカ 粒子 A 2の粒径分布を表す相対標準偏差は、 好ましくは 0. 4以下、 さらに好ま しくは 0. 3以下、 特に好ましくは 0. 2以下である。
フィルム (2) におけるシリカ粒子 A 2の含有量は、 0. 01質量%以上1. 5質量%以下、 好ましくは 0. 05質量%以上 1. 0質量%以下、 より好ましく は 0. 1質量%以上 0. 5質量%以下、 さらに好ましくは 0. 2質量%以上 0. 4質量%以下である。 含有量が 0. 01質量%未満であるとエアー抜け性が低く なり、 巻取り性が悪化する。 他方、 含有量が 1. 5質量%を超えるとフィルム表
面が粗くなりすぎ、 耐削れ性が悪化し、 絶縁破壊電圧が低くなる。 また、 特にコ ンデンサー用途においては、 スペースファクターの増大が起こるため好ましくな い。
シリカ粒子 A2としては、 その形状が実質的に球状もしくは真球状である球状 シリカ粒子力好ましレ^ そのような態様とすることで、 巻取り性の向上効果およ び絶縁破壊電圧の向上効果をより高めることができる。 具体的には、 粒子におけ る球状の度合いを表す粒径比が 1. 0以上 1. 3以下であることが好ましい。 粒 径比は、 さらに好ましくは 1. 0以上 1. 2以下、 特に好ましくは 1. 0以上 1. 1以下である。
ここで、 シリカ粒子 A2の好ましい態様である球状シリカ粒子、 および後述す る不活性微粒子 B 2の好ましい態様である球状シリカ粒子は、 例えばオルトケィ 酸ェチル [S i (OC2H5) J の加水分解から、 含水シリカ [S i (OH) 4] 単分散球を作り (下記 [式 1])、 更にこの含水シリカ単分散球を脱水化処理 してシリカ結合 [≡S i—〇—S i三] を三次元的に成長させることにより.製造 できる (下記式) (日本化学会誌 '81、 No. 9、 P. 1503)。
S i (〇C2H5) 4 + 4H20 → S i (OH) 4 + 4C2H5OH ≡S i -OH + HO-S i≡ → ≡S i一 O— S i≡ + H20 (不活性微粒子 B 2)
本発明のフィルム (2) は、 前述のシリカ粒子 A 2に加えて、 さらに不活性微 粒子 B 2を含有する。 不活性微粒子 B 2を含有することによって、 滑り性が良好 なものとなり、 それにより巻取り性が良好なものとなり、 かつ絶縁破壊電圧が高 くなる。
不活性微粒子 B 2の平均粒径は、 0. O l ^m以上 0. 以下、 好ましく は 0. 05 ΠΙ以上 0. 以下、 より好ましくは 0. l /m以上 0. 5 xm 以下、 さらに好ましくは 0. 2//m以上 0. 4; m以下である。 平均粒径が 0. 01 m未満であると、 十分な滑り性が得られず、 すなわち十分な巻取り性が得 られない。 他方、 平均粒径が 0. 5 imを超えると、 フィルム表面における低突 起の高さが高くなりすぎ、 それにより滑り性が高くなりすぎ、 巻取り時に端面ズ
レを起こしやすくなる。 また耐削れ性が悪化し、 絶縁破壊電圧が低下するため好 ましくない。 なお、 前述のとおり、 不活性微粒子 B 2の平均粒径は、 シリカ粒子
A 2の平均粒径よりも小さいことが好ましく、 その差は 0 . 3 m以上であるこ とが好ましい。
また、 本発明における不活性微粒子 B 2は、 前述したシリカ粒子 A 2と同様の 観点から、 粒径分布がシャープであることが必要であり、 分布の急峻度を表わす 相対標準偏差が 0 . 5以下であることが好ましい。 不活性微粒子 B 2における粒 径の相対標準偏差は、 好ましくは 0. 4以下、 さらに好ましくは 0. 3以下、 特 に好ましくは 0 . 2以下である。
さらに、 不活性微粒子 B 2の含有量は、 フィルム (2 ) 中、 好ましくは 0 . 0 5質量%以上 2 . 0質量%以下である。 含有量が少ないと滑り性が悪くなり、 0. 0 5質量%未満では十分な滑り性が得られない。 他方、 含有量が多くなると、 粒 子によるボイドの頻度が高くなるためか絶縁破壊電圧が低くなる傾向であるため 好ましくない。 また、 滑り性が高くなりすぎる傾向にあり、 巻取り時に端面ズレ を起こしやすくなる。 このような観点から、 不活性微粒子 B 2の含有量は、 好ま しくは 0 . 1質量%以上 1 . 0質量%以下、 さらに好ましくは 0 . 1質量%以上 0 . 6質量%以下であり、 特に好ましくは 0 . 1質量%以上 0 . 3質量%以下で ある。
不活性微粒子 B 2としては、 種々のものを使用することができる。
有機微粒子としては、 架橋ポリスチレン樹脂粒子、 架橋シリコーン樹脂粒子、 架橋アクリル樹脂粒子、 架橋スチレン一アクリル樹脂粒子、 架橋ジビニルペンゼ ン—アクリル樹脂粒子、 架橋ポリエステル樹脂粒子、 ポリイミド樹脂粒子、 メラ ミン樹脂粒子等が挙げられる。
また、 無機微粒子としては、 (1 ) 二酸化ケイ素 (水和物、 ケィ砂、 石英等を 含む) ; (2 ) 各種結晶形態のアルミナ; (3 ) S i〇2成分を 3 0質量%以上含 有するケィ酸塩 (例えば非晶質もしくは結晶質の粘土鉱物、 アルミノシリケ一ト (焼成物や水和物を含む)、 温石綿、 ジルコン、 フライアッシュ等) ; (4 ) M g、 Z n、 Z r、 および T iの酸化物; (5 ) C a、 および B aの硫酸塩; (6 ) L i、
Ba、 および C aのリン酸塩 (1水素塩や 2水素塩を含む) ; (7) L i、 Na、 および Kの安息香酸塩; (8) C a、 B a、 Zn、 および Mnのテレフタル酸 塩; (9) Mg、 Ca、 Ba、 Zn、 Cd、 Pb、 S r、 Mn、 Fe、 Co、 お よび N iのチタン酸塩; (10) Ba、 および Pbのクロム酸塩; (1 1) 炭素 (例えばカーボンブラック、 グラフアイト等) ; (12) ガラス (例えばガラス粉、 ガラスビーズ等) ; (13) Ca、 および Mgの炭酸塩; (14) ホ夕ル石; ( 1 5) スピネル型酸化物等が挙げられる。 良好な滑り性および耐削れ性が得られる という観点から、 無機微粒子であることが好ましく、 中でも炭酸カルシウム粒子、 シリカ粒子が好ましく、 シリカ粒子が特に好ましい。
不活性微粒子 B 2は、 その形状が実質的に球状もしくは真球状であることが好 ましい。 具体的には、 粒子における球状の度合いを表す粒径比が、 好ましくは 1. 0以上 1. 3以下、 より好ましくは 1. 0以上 1. 2以下、 さらに好ましくは 1. 0以上 1. 1以下である。 形状をより球状にすることで、 絶縁破壊電圧をより高 くすることができる。 従って、 前述した不活性微粒子 B 2の特に好ましい種類と 合わせて、 不活性微粒子 B 2としては、 球状シリカ粒子が特に好ましい。 なお、 球状シリカ粒子は、 例えば前述した製造方法により得ることができる。
本発明においては、 本発明の目的を達成する上で不可欠であるシリカ粒子 A 2 および不活性微粒子 B 2以外にも、 本発明における目的の達成を阻害しない限り において他の種類もしくは他の粒径の微粒子もしくは無機充填剤等の不活性粒子 を含んでいてもよい。 他の不活性粒子を含有する場合は、 その含有量は 4. 0質 量%以下が好ましく、 より好ましくは 2. 5質量%以下、 さらに好ましくは 1. 0質量%以下、 特に好ましくは 0. 5質量%未満である。 他の不活性粒子の含有 量が多くなると、 フィルム表面の耐摩耗性が悪くなるため好ましくないばかり力 絶縁破壊電圧が低下する場合がある。
以上のような、 本発明で用いる各種の粒子は、 最終的なフィルムに含有されて いれば含有させる方法に限定はない。 例えば、 スチレン系単量体の重合中の任意 の過程で添加あるいは析出させる方法、 溶融押出する任意の過程で添加する方法 が挙げられる。 またこれらの粒子を効果的に分散させるため、 分散剤、 界面活性
剤等を用いることができる。
フィルム (2) においては、 シリカ粒子 A 2および不活性微粒子 B 2の特に好 ましい態様として、 それぞれに球状シリ力粒子を用いた態様を例示することがで きる。 2種類の球状シリカ粒子を用いた場合においても、 各々の粒子における平 均粒径がそれぞれ重なりのない特定の範囲にあり、 かつ各々の粒子における粒径 の相対標準偏差がそれぞれ特定の範囲にあるため、 粒径分布曲線においては、 2 種類の粒子は明瞭に区別することができる 2つの粒径ピークを示す。 すなわちシ リカ粒子 A 2と不活性微粒子 B 2とを明瞭に区別することができる。 なお、 2つ の粒径ピークがそれぞれ裾野の部分で重なって、 谷部分を形成する場合は、 谷部 分において極小値を示す点を境界として、 2つの粒径ピークに分解する。
(その他の添加剤)
フィルム (2) に添加してもよいその他の添加剤は、 共通事項の項で説明した とおりである。
(厚み方向の屈折率)
本発明のフィルム (2) は、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 655 0以下、 好ましくは 1. 6100以上 1. 6450以下、 より好ましくは 1. 6 150以上 1. 6350以下、 さらに好ましくは 1. 6200以上 1. 6250 以下である。 厚み方向の屈折率が 1. 6050未満であると、 絶縁破壊電圧が低 くなる。 また、 コンデンサ一の製造工程においてフィルムが破断しやすく取り扱 い性に劣る。 またフィルムの厚み斑が悪く品質の安定したコンデンサーを得るこ とができないため好ましくない。 他方、 厚み方向の屈折率が 1. 6550を超え るようなフィルムを製造する場合は、 フィルムの製造工程においてフィルム破断 が多発してフィルムを得ることが非常に困難となる。
厚み方向の屈折率を上記範囲とするには、 後述する特別な条件が必要である。 すなわち本発明における厚み方向の屈折率は、 一軸方向の延伸に次いで実施され る該ー軸方向と垂直な方向の延伸において、 延伸の温度を複数段階に分け、 この 第 1段階の温度と最終段階の温度とで後述する温度差をつけることで達成される。 (フィルム厚み)
フィルム (2) の厚みは、 好ましくは 0. 4 zm以上 6. 5 m未満、 より好 ましくは 0. 以上 5. 5//m未満、 さらに好ましくは 0. 6 xm以上 4.
5 m未満、 特に好ましくは 1. 0 z^m以上 3. 5 zm未満である。 フィルム厚 みが 0. 4 //m未満であると、 フィルム破断が生じやすく取り扱い性に劣る傾向 にある。 他方、 6. 5 m以上であると、 コンデンサ一にしたときに電極間距離 が長くなることにより、 静電容量が低くなる傾向にある。
コンデンサ一の絶縁体として用いられるフィルムの場合、 一般的にフィルム厚 みが薄い方がコンデンサ一の静電容量が高くなり好ましい。 しかしながら実際に フィルム厚みを薄くしてゆくと、 フィルムにしわが入りやすくなつたり、 フィル ムが破断しやすくなつたりして取り扱い性が低下する。 また添加した粒子が脱落 しゃすくなり、 その結果、 絶縁破壊電圧が低くなる。 またフィルム厚みが薄くな ることにより絶縁破壊電圧の絶対値力 s低くなる等の問題が生じる。 そのため、 そ れらをバランスさせることが不可欠となる。 本発明は、 フィルム厚みを薄くして も上記の問題が生じることが無いように、 後述する特別な製造方法により、 特定 の粒子と配向構造を有する新規の構成の高絶縁性フィルムを得るものである。 (中心線平均表面粗さ: Ra)
フィルム (2) は、 その中心線平均表面粗さ (Ra) が l l nm以上 89 nm 以下であることが好ましい。 中心線平均表面粗さ (Ra) が l l nm以上である と、 滑り性が良好となり作業性が向上する。 さらに、 ロール状に巻取る際にはブ ロッキングが抑制され、 巻き形状が良好なロールを得やすくなる。 また、 中心線 平均表面粗さ (Ra) が 89nm以下であると、 巻きズレ、 端面ズレが生じにく くなる。 このような観点から、 中心線平均表面粗さ (Ra) の下限は、 好ましく は 21 nm、 さらに好ましくは 31 nmである。 また、 中心線平均表面粗さ (R a) の上限は、 好ましくは 79nm、 さらに好ましくは 69 n m、 特に好ましく は 59 nmである。
( 10点平均粗さ ·· R z )
フィルム (2) は、 その 10点平均粗さ (Rz) が 900 nm以上 3, 000 nm以下であることが好ましい。 10点平均粗さ (Rz) が 900 nm以上であ
ると、 ロールとして巻き上げる際に、 フィルムの横滑りが抑制され、 巻取り性が 良好なものとなる。 また、 1 0点平均粗さ (R z) を 3, O O O nm以下とする ことで、 絶縁破壊電圧をより高くすることができる。 このような観点から、 1 0 点平均粗さ (R z) の下限は、 好ましくは 950 nm、 より好ましくは 1, 0 5 O nm、 さらに好ましくは 1 , 2 50 nmである。 また、 1 0点平均粗さ (R z) の上限は、 好ましくは 2, 600 nm、 より好ましくは 2, 2 50 nm、 さ らに好ましくは 1, 950 nmである。 特にフィルム厚みが薄い場合は、 厚い場 合に比べてフィルムに腰がないため、 巻取り性がより悪い傾向にある。 そのため 1 0点平均粗さ (Rz) を上記範囲とすることが特に効果的である。
(フィルム (2) の製造方法)
本発明のフィルム (2) は、 一部の特別な条件を除けば、 基本的には従来から 知られている、 あるいは当業界に蓄積されている方法で得ることができる。 以下、 フィルム (2) の製造方法について詳記する。
先ず、 主にシンジオタクチック構造のスチレン系重合体からなる樹脂組成物を 加熱溶融し、 未延伸シートを作成する。 具体的には融点 (Tm、 単位で) 以上 (Tm+ 70V.) 以下の温度で加熱溶融しシート状に押し出して、 冷却固化して 未延伸シートを得る。 得られた未延伸シートの固有粘度は、 0. 35〜0. 9 d
1 の範囲であることが好ましい。
次いで、 この未延伸シートを二軸方向に延伸する。 延伸は、 縦方向 (機械軸方 向)、 横方向 (機械軸方向と垂直な方向) を同時に延伸してもよいし、 任意の順 序で逐次延伸してもよい。 例えば逐次延伸の場合には、 先ず一軸方向に (ガラス 転移点温度 (Tg、 単位 ) - 1 OX ) 以上 (Tg+ 70t:) 以下の温度で 2. 7倍以上 4. 9倍以下、 好ましくは 2. 8倍以上 4. 6倍以下、 さらに好ましく は 2. 9倍以上 4. 1倍以下、 特に好ましくは 3. 3倍以上 3. 8倍以下の倍率 で延伸する。 次いで該ー軸方向と垂直な方向に Tg以上 (Tg + 80 ) 以下の 温度で 2. 7倍以上 5. 0倍以下、 好ましくは 2. 9倍以上 4. 7倍以下、 さら に好ましくは 3. 0倍以上 4. 3倍以下、 特に好ましくは 3. 5倍以上 3. 9倍 以下の倍率で延伸する。
なお、 上記一軸方向と垂直な方向の延伸の際には、 前段階の延伸で結晶化が進 んでいるためか延伸が難しくなり、 製膜中に破断が起こりやすくなる。 特にフィ ルム厚みの薄いフィルムを製膜する場合において、 また特に延伸倍率が 3 . 2倍 を超える領域において破断が起こりやすくなる。 この対策を検討した結果、 延伸 の温度を一定とするのではなく、 複数段階に分け、 この第 1段階の温度と最終段 階の温度とで温度差をつけることが有効であることが判明した。 温度差は、 最終 段階の温度が第 1段階の温度より 4 以上高いことが好ましく、 7で以上高いこ とがより好ましく、 1 1で以上高いことがさらに好ましく、 2 0 以上高いこと 力特に好ましい。 また、 温度差が大きすぎるのも延伸性が低くなる、 延伸後のフ イルムの厚み斑が悪くなる等のため好ましくなく、 温度差の上限は 4 9 T:以下が 好ましく、 3 9で以下がさらに好ましく、 2 9で以下が特に好ましい。 第 1段階 と最終段階の温度差を上記範囲とすることで、 フィルム厚みの薄いフィルムの製 膜において従来困難であった高い延伸倍率を達成することができ、 これによつて 厚み斑が良好なフィルムを得ることができ、 かつ本発明における厚み方向の屈折 率を達成することができる。 さらに、 フィルム厚みを薄くしても破断が起こりに くいため、 本発明における好ましいフィルム厚みを達成することができる。
一軸方向と垂直な方向の延伸を実施する工程において第 1段階と最終段階との 温度差をつけるには、 1の延伸ゾーンの中でゾーンの入口 (第 1段階) と出口 (最終段階) とで温度差をつけてもよいし、 温度の異なる 2以上の連続した延伸 ゾーンを設けて最初の延伸ゾーン (第 1段階) と最後の延伸ゾーン (最終段階) とで温度差をつけてもよい。 ここでゾーンとは、 テン夕一等においてシャツ夕一 等で区切られた 1の領域を示す。 いずれの場合も第 1段階と最終段階の間をさら に分割し、 第 1段階から最終段階に向かって温度を傾斜的に上昇させるのが好ま しく、 特に直線的に上昇させるとよい。 例えば、 温度の異なる 2以上の連続した 延伸ゾーンによる場合は、 最初の延伸ゾーンと最後の延伸ゾーンの間に、 さらに 1以上の延伸ゾーンを設けることが好ましく、 1以上 1 0以下の延伸ゾーンを設 けることがさらに好ましい。 延伸ゾーンの合計を 1 3以上とすることは、 設備コ ストの面から不利である。 延伸は、 例えばフィルムを幅方向に延伸する場合は、
最終段階を出た直後のフィルム幅を、 第 1段階に入る直前のフィルム幅で除した 値が目標の延伸倍率となるようにすればよく、 傾斜的にフィルム幅を増加させる ことが好ましく、 特に直線的に増加させると良い。 縦方向と横方向を同時に延伸 する場合においても、 同様に延伸の温度を複数段階に分け、 この第 1段階の温度 と最終段階の温度とで温度差をつけるようにする。
次いで、 フィルム (2) は、 (Tg + 70で) 〜Tmの温度で熱固定される。 熱固定の温度は、 好ましくは 200で以上 260で以下、 より好ましくは 22 0 以上 25 Ot:以下、 さらに好ましくは 230で以上 240で以下である。 熱 固定温度が高すぎると、 特にフィルム厚みの薄いフィルムを製造する際に、 破断 力起きやすくなり、 また厚み斑が悪化する。 熱固定の後に必要に応じて熱固定温 度より 20 〜 90で低い温度下で弛緩処理をするのが、 寸法安定性が良くなる ため好ましい。
〔態様 3〕
本発明の態様 3のフィルム (3) は、
(1) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、
(1 1) 0. 01質量%以上 5. 0質量%以下の、 平均粒径が 0. 0 以上 3. 0 m以下の微粒子、
(i i i) 3質量%以上 48質量%以下の、 スチレン系重合体とは誘電率が 0. 2以上異なる樹脂 X、
を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下である。
樹脂 Xの融点は、 スチレン系重合体の融点 (Tms、 単位: 1 ) に対して、 (Tms -30) で以上 (Tms +30) で以下の範囲にあることが好ましい。 樹脂 Xは、 ポリエチレンテレフ夕レート樹脂およびポリエチレンナフ夕レート 樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
微粒子は、 ( i i — 1) 0. 01質量%以上1. 5質量%以下の、 平均粒径が 0. 6μιη以上 3. 0 _im以下、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下の不活性微粒 子 A 3であり、 さらに、 ( i i 一 2) 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下の、 平均粒径が 0. 01 //111以上0. 5/zm以下、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下
の不活性微粒子 B 3を含み、 不活性微粒子 A 3の平均粒径が不活性微粒子 B 3の 平均粒径より 0. 3 zzm以上大きいこと力好ましい。 不活性微粒子 A 3は、 粒径 比が 1. 0以上 1. 3以下の球状粒子であることが好ましい。 不活性微粒子 A 3 は、 球状高分子粒子であることが好ましい。 不活性微粒子 A3は、 球状シリカ粒 子であることが好ましい。 不活性微粒子 B 3は、 粒径比が 1 0以上 1. 3以下 の球状シリカ粒子であることが好ましい。 態様 3は、 フィルム (3) を用いたコ ンデンサーを包含する。
(スチレン系重合体)
フィルム (3) におけるスチレン系重合体は、 共通事項の項で説明したとおり である。
(微粒子)
本発明のフィルム (3) は、 平均粒径が 0. O l ^m以上 3. O /zm以下の微 粒子を含有する。 含有する微粒子の平均粒径が上記範囲にあると、 良好な電気的 特性を維持しながら、 巻取り性および加工性等の取り扱い性を良好なものとする ことができる。 微粒子の平均粒径が小さすぎると、 取り扱い性に劣る傾向にある。 他方、 微粒子の平均粒径が大きすぎると、 フィルム中のボイドの大きさが増大す るため、 電気的特性に劣る傾向にある。 このような観点から、 微粒子の平均粒径 は、 好ましくは 0. 以上 2. Ο ΙΏ以下、 さらに好ましくは 0. 1 m 以上 1. 6 /m以下、 特に好ましくは 0. 2 /m以上 1. 3 以下である。 フィルム (3) は、 フィルム (3) 1 0 0質量%中に、 微粒子を 0. 0 1質 量%以上 5. 0質量%以下含有する。 微粒子の含有量を上記範囲にすることによ り、 フィルム (3) の絶縁破壊電圧を良好に保ったまま、 巻取り性および加工性 を良好なものとすることができる。 このような観点から、 微粒子の含有量は、 好 ましくは 0. 1質量%以上 3. 5質量%以下、 より好ましくは 0. 2質量%以上 2. 0質量%以下、 さらに好ましくは 0. 3質量%以上 0. 7質量%以下である。 以上のような微粒子は、 有機系微粒子であってもよいし、 無機系微粒子であつ てもよい。
有機系微粒子としては、 高分子樹脂粒子が好ましく、 例えば架橋ポリスチレン
樹脂粒子、 架橋シリコーン樹脂粒子、 架橋アクリル樹脂粒子、 架橋スチレンーァ クリル樹脂粒子、 架橋ジビニルベンゼン一アクリル樹脂粒子、 架橋ポリエステル 樹脂粒子、 ポリイミド樹脂粒子、 メラミン樹脂粒子等が挙げられる。 このうち滑 り性および耐削れ性に優れるという観点から、 シリコーン樹脂粒子、 架橋ポリス チレン樹脂粒子が特に好ましい。
また、 無機系微粒子としては、 (1) 二酸化ケイ素 (水和物、 ケィ砂、 石英等 を含む) ; (2) 各種結晶形態のアルミナ; (3) S i〇 2成分を 30質量%以上 含有するケィ酸塩 (例えば非晶質もしくは結晶質の粘土鉱物、 アルミノシリケ一 ト (焼成物や水和物を含む)、 温石綿、 ジルコン、 フライアッシュ等) ; (4) M g、 Zn、 Z r、 および T iの酸化物; (5) C a、 および B aの硫酸塩; (6) L i、 B a、 および C aのリン酸塩 ( 1水素塩や 2水素塩を含む) ; ( 7 ) L i、 Na、 および Kの安息香酸塩; (8) C a、 Ba、 Zn、 および Mnのテレフ夕 ル酸塩; (9) Mg、 C a、 Ba、 Zn、 Cd、 Pb、 S r、 Mn、 Fe、 Co、 および N iのチタン酸塩 ; (10) B a、 および P bのクロム酸塩; (1 1) 炭素 (例えばカーボンブラック、 グラフアイト等) ; (12) ガラス (例えばガラス粉、 ガラスビーズ等) ; (13) C a、 および Mgの炭酸塩; (14) ホ夕ル石; (1 5) スピネル型酸化物等が挙げられる。 このうち、 滑り性および耐削れ性に優れ るという観点から、 炭酸カルシウム粒子、 シリカ粒子が好ましく、 シリカ粒子が 特に好ましい。
本発明においては、 1種類の微粒子を含有する態様でもよい力 絶縁破壊電圧 を低下させずに取り扱い性の向上効果を高くすることができるという観点から、 2種類以上の微粒子を含有する態様が好ましい。 そのような場合は、 組成の異な る 2種類以上の微粒子を含有する態様、 平均粒径の異なる 2種類以上の微粒子を 含有する態様、 形状の異なる 2種類以上の微粒子を含有する態様、 もしくはこれ らを組み合わせた態様でもよいが、 少なくとも平均粒径の異なる 2種類以上の微 粒子を含有する態様力 S特に好ましい。
2種類以上の微粒子を含有する態様のうち、 特に好ましい態様としては、 U i一 1)平均粒径が 0. 6 m以上 3. 0 //m以下、 粒径の相対標準偏差が 0.
5以下の不活性微粒子 A 3を 0. 01質量%以上 1. 5質量%以下と、 (i i一 2) 平均粒径が 0. 01 111以上0. 5 m以下、 粒径の標準偏差が 0. 5以下 の不活性微粒子 B 3を 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下との 2種類の不活性 微粒子を構成成分として含み、 不活性微粒子 A 3の平均粒径が不活性微粒子 B 3 の平均粒径より 0. 3 m以上大きい態様を例示することができる。 このような 態様とすることによって、 微粒子の添加による電気的特性の低下を最小限に抑制 することができ、 かつ巻取り性および加工性等の取り扱い性の向上効果をより高 くすることができる。
(不活性微粒子 A 3)
不活性微粒子 A 3の平均粒径は、 好ましくは 0. 6 zm以上 3. 以下、 より好ましくは 0. 以上 2. 以下、 さら好ましくは 0. 8 /m以上
1. 6 111以下、 特に好ましくは0. 以上 1. 3 m以下である。 不活性 微粒子 A 3の平均粒径が上記範囲にあると、 エアー抜け性を向上させることがで き、 巻取り性の向上効果を高くすることができる。 不活性微粒子 A 3の平均粒径 が小さすぎると、 十分なエアー抜け性が得られなくなる傾向にあり、 すなわち巻 取り性の向上効果が低くなる。 他方大きすぎると、 フィルム中のポイドの大きさ が増大する傾向にあり、 すなわち電気的特性の向上効果が低くなる。
また、 不活性微粒子 A 3の粒径の相対標準偏差は、 好ましくは 0. 5以下、 よ り好ましくは 0. 4以下、 さらに好ましくは 0. 3以下、 特に好ましくは 0. 2 以下である。 粒径の相対標準偏差が上記範囲にあると、 不活性微粒子 A 3の粒径 分布がシヤープであることを意味し、 フィルム表面の突起の高さが均一となり、 これにより巻取り性の向上効果を高くすることができる。 また、 粗大粒子や粗大 突起が少なくなり、 これにより欠陥が減少し、 絶縁破壊電圧の向上効果を高くす ることができる。
不活性微粒子 A 3の含有量は、 フィルム (3) 100質量%中に、 好ましくは 0. 01質量%以上 1. 5質量%以下、 より好ましくは 0. 05質量%以上 1. 0質量%以下、 さらに好ましくは 0. 1質量%以上 0. 5質量%以下、 特に好ま しくは 0. 2質量%以上 0. 4質量%以下である。 不活性微粒子 A3を上記範囲
の量含有することによって、 フィルム (3 ) の絶縁破壊電圧を良好に保ったまま、 取り扱い性の向上効果を高くすることができる。 不活性微粒子 A 3の含有量が少 なすぎると、 エアー抜け性に劣る傾向にあり、 巻取り性の向上効果が低くなる。 他方多すぎると、 フィルム表面が粗くなりすぎる傾向にあり、 それによつてフィ ルム表面の耐削れ性が悪化する傾向にあり、 絶縁破壊電圧の向上効果が低くなる。 また、 特にコンデンサー用途においては、 スペースファクターが増大する傾向に ある。
不活性微粒子 A 3は、 粒径比が 1 . 0以上 1 . 3以下の球状粒子であることが 好ましい。 粒径比は、 さらに好ましくは 1 . 0以上 1 . 2以下、 特に好ましくは 1 . 0以上 1 . 1以下である。 粒径比が上記範囲にあると、 卷取り性の向上効果 および絶縁破壊電圧の向上効果をより高くすることができる。
不活性微粒子 A 3は、 前述の微粒子と同様の有機系微粒子および無機系微粒子 を用いることができる。
有機系微粒子としては、 高分子樹脂粒子が好ましく、 滑り性および耐削れ性に 優れるという観点からシリコーン樹脂粒子、 架橋ポリスチレン樹脂粒子が特に好 ましい。 このような高分子樹脂粒子は、 前述のとおり球状であることが好ましく、 すなわち球状高分子樹脂粒子が好ましい。 このうち、 滑り性および耐削れ性によ り優れるという観点から球状シリコーン樹脂粒子、 球状架橋ポリスチレン樹脂粒 子が特に好ましい。
また、 無機系微粒子としでは、 滑り性および耐削れ性に優れるという観点から、 炭酸カルシウム粒子、 シリカ粒子が好ましく、 シリカ粒子が特に好ましい。 この ような無機系微粒子は、 前述のとおり球状であることが好ましく、 滑り性および 耐削れ性により優れるという観点から球状シリカ粒子が特に好ましい。
(不活性微粒子 B 3 )
不活性微粒子 B 3の平均粒径は、 好ましくは 0 . 0 1 zm以上 0. 以下、 より好ましくは 0 . 0 5 m以上 0 . 5 m以下、 さらに好ましくは 0 . 1 im 以上 0 . 5 m以下、 特に好ましくは 0 . 2 m以上 0 . 4 /z m以下である。 不 活性微粒子 B 3の平均粒径が上記範囲にあると、 適度な滑り性を得ることができ、
巻取り性の向上効果を高くすることができる。 不活性微粒子 B 3の平均粒径が小 さすぎると、 十分な滑り性が得られなくなる傾向にあり、 すなわち巻取り性の向 上効果が低くなる。 他方大きすぎると、 フィルム表面における低突起の高さが高 くなりすぎ、 それにより滑り性が高くなりすぎる傾向にあり、 巻取り時に端面ズ レを起こしやすくなる等巻取り性の向上効果力低くなる。 さらに、 耐削れ性が悪 化する傾向にあり、 絶縁破壊電圧の向上効果が低くなる。
また、 不活性微粒子 B 3は、 前述の不活性微粒子 A 3と同様の観点から、 粒径 分布がシャープであることが好ましく、 不活性微粒子 B 3の粒径の相対標準偏差 は、 好ましくは 0. 5以下、 より好ましくは 0 . 4以下、 さらに好ましくは 0 . 3以下、 特に好ましくは 0 . 2以下である。
不活性微粒子 B 3の含有量は、 フィルム (3 ) 1 0 0質量%中に、 好ましくは 0 . 0 5質量%以上 2 . 0質量%以下、 より好ましくは 0 . 1質量%以上 1 . 0 質量%以下、 さらに好ましくは 0 . 1質量%以上 0 . 6質量%以下、 特に好まし くは 0 . 1質量%以上 0 . 3質量%以下である。 不活性微粒子 B 3を上記範囲の 量含有することによって、 フィルム (3 ) の絶縁破壊電圧を良好に保ったまま、 取り扱い性の向上効果を高くすることができる。 不活性微粒子 B 3の含有量が少 なすぎると、 滑り性に劣る傾向にあり、 巻取り性の向上効果が低くなる。 他方多 すぎると、 ポイドの頻度が増加する傾向にあり、 絶縁破壊電圧の向上効果が低く なる。 また、 滑り性が高くなりすぎる傾向にあり、 巻取り時に端面ズレを起こし やすくなる等巻取り性の向上効果が低くなる。
不活性微粒子 B 3は、 前述の不活性微粒子 A 3と同様の観点から、 粒径比が 1 . 0以上 1 . 3以下の球状粒子であることが好ましく、 さらに好ましくは 1 . 0以 上 1 . 2以下、 特に好ましくは 1 . 0以上 1 . 1以下である。
以上のような不活性微粒子 B 3は、 前述の微粒子と同様の有機系微粒子および 無機系微粒子を用いることができる。 このうち、 無機系微粒子が好ましく、 滑り 性および耐削れ性に優れるという観点から、 炭酸カルシウム粒子、 シリカ粒子が 好ましく、 シリカ粒子が特に好ましい。 このような無機系微粒子は、 前述のとお り球状であることが好ましく、 滑り性および耐削れ性により優れるという観点か
ら球状シリ力粒子が特に好ましい。
不活性微粒子 A 3と不活性微粒子 B 3は、 不活性微粒子 A 3の平均粒径が不活 性微粒子 B 3の平均粒径より 0 . 3 /z m以上大きいこと力好ましい。 その差は、 さらに好ましくは 0 . 5 m以上、 特に好ましくは 0 . 7 m以上である。 不活 性微粒子 A 3の平均粒径と不活性微粒子 B 3の平均粒径との差を大きくすること で、 フィルム表面において不活性微粒子 A 3による高突起が散在する態様となり、 これによつてフィルム間のエアー抜け性が良好となる。 同時に、 不活性微粒子 B 3による低突起が存在する態様となり、 フィルム同士の滑り性が良好となる。 こ れらによって、 フィルムをロール状に卷取る際には、 エアー抜け性と滑り性との バランスが良く、 高速で巻き上げても巻き姿の良好なフィルムロールを得ること ができる等、 巻取り性の向上効果が高まる。
本発明で用いられる微粒子は、 最終的なフィルムに含有されていれば含有させ る方法に限定はない。 例えば、 スチレン系単量体の重合中の任意の過程で添加あ るいは析出させる方法、 溶融押出する任意の過程で添加する方法が挙げられる。 またこれらの微粒子を効果的に分散させるため、 分散剤、 界面活性剤等を用いる ことができる。
(樹脂 X)
フィルム (3 ) は樹脂 Xを含有する。 樹脂 Xは、 上記スチレン系重合体の誘電 率とは 0 . 2以上異なる誘電率を有する樹脂である。 スチレン系重合体にこのよ うな樹脂 Xを配合すると、 スチレン系重合体と樹脂 Xのそれぞれのドメインが印 加電圧を分担するためか、 絶縁破壊電圧が高くなる。 スチレン系重合体の誘電率 と樹脂 Xの誘電率との差は、 好ましくは 0 . 4以上、 さらに好ましくは 0 . 5以 上である。 このような態様とすることによって、 絶縁破壊電圧をより高くするこ とができる。
また、 本発明における樹脂 Xは、 スチレン系重合体の融点 (T m s、 単 位: 1 C) に対して、 (Tm s— 3 0 ) 以上 (Tm s + 3 0 ) 以下の範囲に融 点を有することが好ましい。 樹脂 Xの融点が上記範囲にあると、 スチレン系重合 体と樹脂 Xとを混合する際に、 その混合状態が良好なものとなり、 すなわち樹脂
Xの分散状態が良好なものとなり、 絶縁破壊電圧の向上効果が高くなる。 このよ うな観点から、 樹脂 Xの融点は、 (Tms— 20) で以上 (Tms +20) で以 下の範囲にあることが好ましく、 (Tms— 15) :以上 (Tms + 15) :以 下の範囲にあることがさらに好ましく、 (Tms— 5) で以上 (Tms + 5) X: 以下の範囲にあることが特に好ましい。
さらに、 樹脂 Xの融点とスチレン系重合体の融点との差が 1 以上であると、 樹脂 Xの分散状態がより良好なものとなるためか、 絶縁破壊電圧の向上効果をよ り高くする事ができるため好ましい。 このような観点から、 樹脂 Xの融点とスチ レン系重合体の融点との差は、 2で以上であることがさらに好ましく、 3で以上 であること力特に好ましい。
以上のような樹脂 Xとしては、 例えばポリエチレンテレフ夕レート (PET) 樹脂、 ポリエチレンナフ夕レート (PEN) 樹脂、 ポリプチレンテレフ夕レート (PBT) 樹脂等のポリエステル、 ポリプロピレン等のポリオレフイン、 ナイ口 ン 6やナイロン 6, 6等のポリアミド、 ポリフエ二レンスルフイド等のポリチォ エーテル、 ポリカーボネート、 ポリアクリレート、 ポリスルホン、 ポリエーテル エーテルケトン、 ポリエーテルスルホン、 ポリイミド、 ハロゲン化ビニル系重合 体、 ポリメ夕クリル酸メチル等のアクリル系重合体、 ポリビニルアルコール等を 好ましく例示することができる。 このうち、 絶縁破壊電圧をより高くすることが できるという観点から、 ポリエステルが好ましく、 ポリエチレンテレフ夕レート (PET) 樹脂、 ポリエチレンナフ夕レート (PEN) 樹脂がさらに好ましい。 中でも、 ポリエチレンテレフ夕レート (PET) 樹脂が特に好ましい。
本発明のフィルム (3) は、 樹脂 Xを 3質量%以上 48質量%以下配合した樹 脂組成物からなる二軸延伸フィルムである。 樹脂 Xを上記範囲の量配合すること によって、 得られるフィルムの電気的特性を良好なものとすることができる。 具 体的には、 絶縁破壊電圧を高くすることができる。 このような観点から、 樹脂 X の配合量は、 樹脂組成物 100質量%中に、 好ましくは 4質量%以上 40質量% 以下、 さらに好ましくは 6質量%以上 3 δ質量%以下、 特に好ましくは 9質量% 以上 24質量%以下である。
(その他の添加剤)
フィルム (3) に添加してもよいその他の添加剤は、 共通事項の項で説明した とおりである。
(厚み方向の屈折率)
本発明のフィルム (3) は、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 655 0以下である。 厚み方向の屈折率は、 好ましくは 1. 6100以上 1. 6400 以下、 さらに好ましくは 1. 6130以上 1. 6380以下、 特に好ましくは 1. 6150以上 1. 6360以下である。 厚み方向の屈折率を上記範囲とすること によって、 絶縁破壊電圧を良好なものとすることができる。 また、 フィルム製造 工程におけるフィルム破断の頻度が低下し、 生産性を良好なものとすることがで きる。 厚み方向の屈折率が高すぎると、 フィルム製造工程におけるフィルム破断 の頻度が増加する傾向にあり、 フィルムの生産性が低下する。 他方低すぎると、 絶縁破壊電圧が低くなる傾向にあり、 電気的特性に劣るものとなる。 また、 コン デンサ一の製造工程におけるフィルム破断の頻度が増加する。 さらに、 フィルム の厚み斑が悪くなる傾向にあり、 品質の安定したコンデンサーを得ることができ ない。
厚み方向の屈折率を上記範囲とするには、 例えば後述する製造方法を採用する。 すなわち本発明における厚み方向の屈折率は、 一軸方向の延伸に次いで、 あるい は一軸方向の延伸と同時に実施される該ー軸方向と垂直な方向の延伸において、 延伸の温度を複数段階に分け、 この第 1段階の温度と最終段階の温度とで特定の 温度差をつけることで達成される。
(フィルム厚み)
本発明のフィルム (3) の厚みは、 好ましくは 0. 3 im以上 12 m未満、 より好ましくは 0. 4 m以上 6. O m未満、 さらに好ましくは 0. 5 m以 上 3. 5 zm未満である。 フィルム厚みを上記範囲とすることによって、 静電容 量の高いコンデンサーを製造することができる。
コンデンサ一の絶縁体として用いられるフィルムは、 一般的にフィルム厚みが 薄レ ^方がコンデンサーの静電容量が高くなり好ましい。 しかしながら実際にフィ
ルム厚みを薄くしてゆくと、 フィルムにしわが入りやすくなり、 フィルムが破断 しゃすくなる。 また添加した粒子が脱落しやすくなり、 その結果、 絶縁破壊電圧 が低くなる。 また、 フィルム厚みが薄くなることにより絶縁破壊電圧の絶対値が 低くなる等の問題が生じる。 そのため、 それらをバランスさせることが不可欠と なる。 本発明は、 フィルム厚みを薄くしても上記の問題が生じることが無いよう に、 後述する製造方法を採用することにより、 特定の微粒子と配向構造を有する 新規の構成のフィルム (3) を得るものである。
(中心線平均表面粗さ: Ra)
本発明のフィルム (3) は、 その少なくとも片面の中心線平均表面粗さ (R a) が 11 nm以上 89 nm以下であることが好ましい。 表面粗さ (Ra) を上 記範囲とすることによって、 巻取り性の向上効果を高くすることができる。 また、 耐ブロッキング性が向上し、 ロールの外観を良好なものとすることができる。 表 面粗さ (Ra) 力 S低すぎると、 滑り性が低くなりすぎる傾向にあり、 巻取り性の 向上効果が低くなる。 他方高すぎると、 滑り性が高くなりすぎる傾向にあり、 巻 取り時に端面ズレを起こしやすくなる等巻取り性の向上効果が低くなる。 このよ うな観点から、 表面粗さ (Ra) の下限は、 好ましくは 21 nm、 さらに好まし くは 31 nmである。 また、 表面粗さ (Ra) の上限は、 好ましくは 79nm、 さらに好ましくは 69 nm、 特に好ましくは 59 nmである。
(10点平均粗さ: Rz)
本発明のフィルム (3) は、 その少なくとも片面の 10点平均粗さ (Rz) が 900 nm以上 3, 000 nm以下であることが好ましい。 10点平均粗さ (R z) を上記範囲とすることによって、 巻取り性の向上効果を高くすることができ る。 10点平均粗さ (Rz) が低すぎると、 ロールとして巻き上げる際にエアー 抜け性が低くなる傾向にあり、 フィルムが横滑りしゃすくなる等巻取り性の向上 効果が低くなる。 フィルム厚みが薄い場合は、 フィルムの腰がなくなるため、 ェ ァー抜け性がさらに低くなる傾向にあり、 巻取り性の向上効果がさらに低くなる。 他方、 10点平均粗さ (Rz) が高すぎると、 粗大突起が多くなる傾向にあり、 絶縁破壊電圧の向上効果が低くなる。 このような観点から、 10点平均粗さ (R
z) の下限は、 より好ましくは 950 nm、 さらに好ましくは 1, 050 nm、 特に好ましくは 1, 250 nmである。 また、 10点平均粗さ (Rz) の上限は、 より好ましくは 2, 600 nm、 さらに好ましくは 2, 250 nm、 特に好まし くは 1, 950 nmである。
(フィルム (3) の製造方法)
本発明のフィルム (3) は、 一部の特別な条件を除けば、 基本的には従来から 知られている、 あるいは当業界に蓄積されている方法で得ることができる。 以下、 本発明のフィルム (3) の製造方法について詳記する。
先ず、 主にシンジオタクチック構造のスチレン系重合体に樹脂 Xを所定量配合 した樹脂組成物を加熱溶融し、 未延伸シートを作成する。 具体的には樹脂組成物 の融点 (Tm、 単位:で) 以上 (Tm+70で) 以下の温度で加熱溶融しシート 状に押し出して、 冷却固化して未延伸シートを得る。
次いで、 この未延伸シートを二軸方向に延伸する。 延伸は、 縦方向 (機械軸方 向) および横方向 (機械軸方向と垂直な方向) を同時延伸してもよいし、 任意の 順序で逐次延伸してもよい。 例えば逐次延伸の場合には、 先ず一軸方向に (樹脂 組成物のガラス転移点温度 (Tg、 単位:で) 一 l Ot) 以上 (丁 + 70で) 以下の温度で 2. 7倍以上 4. 8倍以下、 好ましくは 2. 9倍以上 4. 4倍以下、 さらに好ましくは 3. 1倍以上 4. 0倍以下の倍率で延伸する。 次いで該ー軸方 向と垂直な方向に Tg以上 (Tg + 80 :) 以下の温度で 2. 8倍以上 4. 9倍 以下、 好ましくは 3. 0倍以上 4. 5倍以下、 さらに好ましくは 3. 2倍以上 4. 1倍以下の倍率で延伸する。
一軸方向と垂直な方向の延伸の際には、 前段階の延伸で結晶化が進んでいるた めか、 延伸が難しくなり、 製膜中に破断が起こりやすくなる。 特にフィルム厚み の薄いフィルムを製膜する場合において、 また特に延伸倍率が 3. 2倍を超える 領域において破断が起こりやすくなる。
この対策を検討したところ、 上記一軸方向と垂直な方向の延伸において、 その 延伸速度を特定の範囲とすることが有効であることが判明した。 すなわち延伸速 度が速すぎると、 延伸による分子の高次構造変化が、 延伸によるフィルムの形状
変化の速さに追随できなくなり、 該高次構造に歪が生じやすくなり、 フィルム破 断が生じやすくなる。 他方遅すぎると、 延伸途中においてフィルムの結晶化が先 行してしまい、 延伸応力にバラツキが生じるためか、 延伸斑や厚み斑が生じやす くなり、 それにより破断が生じやすくなる。 このような観点から、 延伸速度は、 好ましくは 5 0 0 % 分以上、 より好ましくは 1, 0 0 0 %Z分以上、 さらに好 ましくは 2, 0 0 0 %ノ分以上、 特に好ましくは 4, 0 0 0 %Z分以上である。 また、 延伸速度は、 好ましくは 3 0 , 0 0 0 %Z分以下、 より好ましくは 1 5 , 0 0 0 %/分以下、, さらに好ましくは 9 , 0 0 0 %/分以下、 特に好ましくは 6 , 0 0 0 %/分以下である。
さらに、 上記一軸方向と垂直な方向の延伸において、 その延伸温度を一定とす るのではなく、 複数段階に分け、 この第 1段階の温度と最終段階の温度とで温度 差をつけることが有効であることが判明した。 温度差は、 最終段階の温度が第 1 段階の温度より 4 以上高いこと力好ましく、 7 以上高いことがより好ましく、 1 I t:以上高いことがさらに好ましく、 1 5 以上高いことが特に好ましい。 ま た、 温度差は、 4 9で以下が好ましく、 3 9 以下がより好ましく、 2 9 T:以下 がさらに好ましく、 2 0で以下が特に好ましい。 温度差が大きすぎると、 フィル ム破断が生じやすくなつたり、 延伸後のフィルムの厚み斑が悪くなる傾向にある。 このように、 第 1段階と最終段階の温度差を上記範囲とすることで、 フィルム厚 みの薄いフィルムの製膜において従来困難であった高い延伸倍率を達成すること ができ、 これによつて厚み斑が良好なフィルムを得ることができ、 かつ本発明に おける厚み方向の屈折率を達成することができる。 さらに、 フィルム厚みを薄く しても破断が生じにくいため、 本発明における好ましいフィルム厚みを達成する ことができる。
一軸方向と垂直な方向の延伸を実施する工程において第 1段階と最終段階との 温度差をつけるには、 1の延伸ゾーンの中でゾーンの入口 (第 1段階) と出口 (最終段階) とで温度差をつけてもよいし、 温度の異なる 2以上の連続した延伸 ゾーンを設けて最初の延伸ゾーン (第 1段階) と最後の延伸ゾーン (最終段階) とで温度差をつけてもよい。 ここでゾーンとは、 テン夕一等においてシャッター
等で区切られた 1の領域を示す。 いずれの場合も第 1段階と最終段階の間をさら に分割し、 第 1段階から最終段階に向かって温度を傾斜的に上昇させるのが好ま しく、 特に直線的に上昇させると良い。 例えば、 温度の異なる 2以上の連続した 延伸ゾーンによる場合は、 最初の延伸ゾーンと最後の延伸ゾーンの間に、 さらに 1以上の延伸ゾーンを設けることが好ましく、 1以上 1 0以下の延伸ゾーンを設 けることがさらに好ましい。 延伸ゾーンの合計を 1 3以上とすることは、 設備コ ストの面から不利である。 延伸は、 例えばフィルムを幅方向に延伸する場合は、 最終段階を出た直後のフィルム幅を、 第 1段階に入る直前のフィルム幅で除した 値が目標の延伸倍率となるようにすればよく、 傾斜的にフィルム幅を増加させる ことが好ましく、 特に直線的に増加させると良い。 縦方向と横方向を同時に延伸 する場合においても、 同様に延伸の温度を複数段階に分け、 この第 1段階の温度 と最終段階の温度とで温度差をつけるようにする。
本発明においては、 上記の延伸速度の態様および延伸温度の態様のうち、 少な くともいずれか 1つの態様を採用するが、 両方の態様を採用することがより好ま しく、 延伸工程が安定化し、 本発明における屈折率および好ましいフィルム厚み を達成しやすくなる。
次いで、 (T g + 7 0で) 〜Tmの温度で熱固定する。 熱固定の温度は 2 0 0で以上 2 6 0で以下であり、 好ましくは 2 2 0 以上 2 5 0で以下であり、 さ らに好ましくは 2 3 0 以上 2 4 0で以下である。 熱固定温度が高すぎると、 特 にフィルム厚みの薄いフィルムを製造する際に、 フィルム破断が生じやすくなり、 また厚み斑が悪化してしまう。 熱固定の後に必要に応じて熱固定温度より 2 o
〜9 0で低い温度下で弛緩処理をすると、 寸法安定性が良くなる。
〔態様 4〕
本発明の態様 4のフィルム (4 ) は、
( i ) シンジオタクチック構造のスチレン系重合体、
( 1 i ) 0 . 0 1質量%以上 1 . 5質量%以下の、 平均粒径が 0 . 以上 3 . 以下、 粒径の相対標準偏差が 0 . 5以下の不活性微粒子 A 4、 および ( i i i ) 0 . 1質量%以上 8質量%以下の酸化防止剤、
を含有し、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 6550以下である。 フィルム (4) は、 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下の、 平均粒径が 0. 01 m以上 0. 5 ^ m以下で、 平均粒径は不活性微粒子 A 4の平均粒径よりも 0. 2//m以上小さく、 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下の不活性微粒子 B4を 含有すること力好ましい。
不活性微粒子 A 4は、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状粒子であることが 好ましい。 不活性微粒子 A4は、 球状高分子粒子であることが好ましい。 不活性 微粒子 A4は、 球状シリカ粒子であることが好ましい。 不活性微粒子 B 4は、 粒 径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状シリカ粒子であることが好ましい。 酸化防止 剤の熱分解温度は、 250で以上であることが好ましい。 フィルム (4) は、 厚 みが 0. 4 /m以上 6. 5 m未満であることが好ましい。 本発明はフィルム (4) を用いたコンデンサーを包含する。
(スチレン系重合体)
フィルム (4) におけるスチレン系重合体は、 共通事項の項で説明したとおり である。
(酸化防止剤)
本発明のフィルム (4) は、 酸化防止剤を含有するので、 絶縁破壊電圧を高く することができる。
かかる酸化防止剤としては、 生成したラジカルを捕捉して酸化を防止する一次 酸化防止剤、 あるいは生成したパーオキサイドを分解して酸化を防止する二次酸 化防止剤のいずれであってもよい。 一次酸化防止剤として、 フエノール系酸化防 止剤、 アミン系酸化防止剤が挙げられる。 二次酸化防止剤として、 リン系酸化防 止剤、 硫黄系酸化防止剤が挙げられる。
フエノール系酸化防止剤として、 2, 6—ジー t一ブチル—4ーメチルフエノ ール、 2, 6—ジ— tーブチルー 4一ェチルフエノール、 2— t—ブチルー 4一 メトキシフエノール、 3— t一ブチル—4ーメトキシフエノール、 2, 6—ジー t _ブチル— 4一 〔4, 6—ビス (ォクチルチオ) 一 1, 3, 5—トリアジンー 2—ィルァミノ〕 フエノール、 n—ォク夕デシル一 3— (3, 5—ジ一 t—ブチ
ルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオネート等のモノフエノール系酸化防止剤 が挙げられる。 '
また、 2, 2 ' ーメチレンビス (4ーメチルー 6— t一ブチルフエノール)、 2, 2, ーメチレンビス (4—ェチル一 6— t—ブチルフエノール)、 4, 4 ' —チォビス (3—メチルー 6— t—ブチルフエノール)、 4, 4' ーブチリデン ビス (3—メチルー 6_ t—ブチルフエノール)、 N, N' 一ビス 〔3— (3, 5—ジー t—プチルー 4—ヒドロキシフエニル) プロピオニル〕 ヒドラジン、 N、 N, —へキサン一 1, 6—ジィルビス [3— (3, 5—ジ— t一ブチル—4—ヒ ドロキシフエニル) プロピオンアミド]、 3, 9一ビス 〔1, 1ージメチル一 2 - ίβ - (3— t—ブチル一4ーヒドロキシー 5—メチルフエニル) プロピオ二 ルォキシ〕 ェチル〕 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ 〔5. 5〕 ゥンデ力 ン等のビスフエノール系酸化防止剤が挙げられる。
また、 1, 1, 3—トリス (2—メチルー 4ーヒドロキシ— 5— t—ブチルフ ェニル) ブタン、 1, 3, 5—トリメチル一2, 4, 6—トリス (3, 5—ジー t—ブチル—4ーヒドロキシベンジル) ベンゼン、 ペン夕エリスリ! ^一ルテトラ キス 〔3— (3, 5—ジー tーブチルー 4—ヒドロキシフエニル) プロピオネー ト〕、 ビス 〔3, 3—ビス一 (4ーヒドロキシー 3— t—ブチルフエニル) プチ リックアシッド〕 グリコールエステル、 1, 3, 5—トリス (-,3,, 5, ージー t—ブチルー 4, ーヒドロキシベンジル) 一 s e c—トリアジン一 2, 4, 6— (1 H, 3H, 5H) トリオン、 d— α—トコフエノール等のフエノール系酸化 防止剤が挙げられる。
アミン系酸化防止剤として、 アルキル置換ジフエニルァミン等が挙げられる。 リン系酸化防止剤としては、 トリフエニルホスファイト、 ジフエ二ルイソデシ ルホスファイト、 フエニルジイソデシルホスファイト、 4, 4' ーブチリデンー ビス (3—メチル—6_ t—ブチルフエニルジトリデシル) ホスファイト、 ォク 夕デシルホスフアイト、 トリス (ノニルフエニル) ホスファイト、 ジイソデシル ペン夕エリスリ! ^一ルジホスファイト、 9, 10—ジヒドロー 9 _ォキサ一 10 —ホスファフェナントレン一 10—オキサイド、 10— (3, 5—ジ _ tーブチ
ル—4ーヒドロキシベンジル) 一 9 , 1 0—ジヒドロ— 9一ォキサ一 1 0—ホス ファフェナントレン一 1 0—オキサイド、 1 0—デシロキシ一 9, 1 0—ジヒド 口 _ 9一ォキサ一 1 0—ホスファフェナントレン、 トリス (2 , 4—ジ一 tーブ チルフエニル) ホスファイト、 サイクリックネオペン夕ンテトライルビス (2, 4—ジー t一ブチルフエニル) ホスファイト、 サイクリックネオペン夕ンテトラ ィルビス (2 , 6—ジ— t一プチルー 4—メチルフエニル) ホスファイト、 2, 2 ' —メチレンビス (4 , 6—ジー t一ブチルフエニル) ォクチルホスファイト 等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、 ジラウリル一 3 , 3 ' 一チォジプロピオネート、 ジミリスチル— 3, 3 ' 一チォジプロビオネ一卜、 ジステアリル— 3, 3 ' ーチ ォジプロピオネート、 ペン夕エリスリ! ^一ルテトラキス (3—ラウリルチオプロ ピオネート)、 2—メルカプトべンズイミダゾール等が挙げられる。
酸化防止剤は、 特に耐腐食性により優れ、 絶縁破壊電圧の向上効果をより高め ることができるという観点から、 一次酸化防止剤が好ましく、 フエノール系酸化 防止剤が特に好ましい。
酸化防止剤は、 その熱分解温度が 2 5 0 以上であることが好ましい。 熱分解 温度が低すぎる場合は、 溶融押出時に酸化防止剤自体が熱分解してしまい、 工程 を汚染してしまう、 ポリマーが黄色く着色してしまう等の問題が生じやすくなる 傾向にあり好ましくない。 このような観点から、 酸化防止剤の熱分解温度は、 よ り好ましくは 2 8 O t:以上、 さらに好ましくは 3 0 Ο ΐ:以上、 特に好ましくは 3 2 0で以上である。 本発明における酸化防止剤は、 熱分解しにくい方が好ましぐ 熱分解温度は高い方力好ましいが、 現実的には、 その上限は 5 0 0で以下程度で ある。
また、 酸化防止剤の融点は、 9 0で以上であることが好ましい。 融点が低すぎ る場合は、 溶融押出時に酸化防止剤がポリマーより早く融解してしまい、 押出機 のスクリュー供給部分においてポリマーがスリップしてしまう傾向にある。 それ によって、 ポリマーの供給が不安定となり、 フィルムの厚み斑が悪くなる等の問 題が生じる。 このような観点から、 酸化防止剤の融点の下限は、 より好ましくは
1 2 O t:, さらに好ましくは 1 5 O :、 特に好ましくは 2 0 0 である。 他方、 酸化防止剤の融点が高すぎる場合は、 溶融押出時に酸化防止剤が融解しにくくな り、 ポリマー内での分散が悪くなつてしまう傾向にある。 それにより、 酸化防止 剤の添加効果が局所的にしか発現しない等の問題が生じる。 このような観点から、 酸化防止剤の融点の上限は、 好ましくは 3 0 0で、 より好ましくは 2 5 0で、 さ らに好ましくは 2 2 O :, 特に好ましくは 1 7 0 である。
以上のような酸化防止剤として、 市販品をそのまま用いることもできる。 市販 品としては、 例えば、 ペン夕エリスリトールテトラキス 〔3— (3 , 5—ジー t —ブチルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオネート〕 (チバ ·スペシャルテ ィ 'ケミカルズ社製:商品名 I R GAN O X 1 0 1 0 )、 N, N, 一ビス 〔3— ( 3 , 5—ジ一 t一プチルー 4—ヒドロキシフエニル) プロピオニル〕 ヒドラジ ン (チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ社製:商品名 I R GANO X 1 0 2 4 )、 N, Ν ' 一へキサン一 1 , 6—ジィルビス 〔3— (3 , 5—ジー t—ブチル—4 ーヒドロキシフエニル) プロピオンアミド〕 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカル ズ社製:商品名 I R GANO X 1 0 9 8 ) 等が挙げられる。
本発明のフィルム (4 ) は、 上記酸化防止剤を、 フィルム (4 ) の質量を基準 として 0 . 1質量%以上 8質量%以下含有する。 酸化防止剤の含有量を上記範囲 とすることによって、 絶縁破壊電圧に優れる。 酸化防止剤の含有量が少なすぎる 場合は、 酸化防止剤の添加効果が十分でなく、 絶縁破壊電圧が低下する傾向にあ り、 電気的特性に劣るものとなる。 このような観点から、 酸化防止剤の含有量の 下限は、 好ましくは 0 . 2質量%、 より好ましくは 0 . 5質量%、 さらに好まし くは 1質量%である。 他方、 含有量が多すぎる場合は、 フィルム中において酸化 防止剤が凝集しやすくなる傾向にあり、 酸化防止剤に起因する欠点が増加する傾 向にあり、 絶縁破壊電圧が低くなる。 このような観点から、 酸化防止剤の含有量 の上限は、 好ましくは 7質量%、 より好ましくは 5質量%、 さらに好ましくは 3 質量%である。
酸化防止剤は、 1種類を単独で用いてもよいし、 2種以上を併用してもよい。 2種類以上を併用する場合は、 2種類以上の一次酸化防止剤を用いる態様でもよ
いし、 2種類以上の二次酸化防止剤を用いる態様でもよいし、 1種類以上の一次 酸化防止剤と 1種類以上の二次酸化防止剤を併用してもよい。 例えば、 一次酸化 防止剤と二次酸化防止剤との 2種類の酸化防止剤を併用することによって、 一次 酸化および二次酸化の両方の酸化を防止することが期待できる。 本発明において は、 中でも一次酸化防止剤を単独で用いる態様、 あるいは 2種類以上の一次酸化 防止剤を用いる態様が、 絶縁破壊電圧の向上効果をより高くすることができると いう観点から好ましく、 特にフエノール系酸化防止剤を単独で用いる態様、 ある いは 2種類以上のフエノール系酸化防止剤を用いる態様が好ましい。
(不活性微粒子 A 4)
本発明のフィルム (4) は、 不活性微粒子 A 4を含有する。 不活性微粒子 A4 の平均粒径は、 0. 以上 3. 0 以下である。 不活性微粒子 A 4の平均 粒径を上記範囲とすることによって、 高い絶縁破壊電圧を保ったまま、 フィルム のエアー抜け性を良好なものとすることができ、 巻取り性に優れたフィルム
(4) を得ることができる。 不活性微粒子 A4の平均粒径が小さすぎる場合は、 十分なエアー抜け性が得られなくなる傾向にあり、 巻取り性に劣るものとなる。 他方、 大きすぎる場合は、 フィルム中のボイドの大きさが増大する傾向にあり、 絶縁破壊電圧が低くなる。 このような観点から、 不活性微粒子 A 4の平均粒径は、 好ましくは 0. 2 以上 2. O m以下、 さら好ましくは 0. 4 ΠΙ以上 1. 6 m以下、 特に好ましくは 1. 0^111以上1. 2 m以下である。
また、 不活性微粒子 A 4の粒径の相対標準偏差は、 0. 5以下である。 粒径の 相対標準偏差を上記範囲とすることによって、 フィルム表面の突起の高さが均一 となり、 巻取り性に優れたフィルム (4) を得ることができる。 また、 粗大粒子 や粗大突起が少なくなり、 絶縁破壊電圧に優れたフィルム (4) を得ることがで きる。 このような観点から、 不活性微粒子 A 4の粒径の相対標準偏差は、 好まし くは 0. 4以下、 さらに好ましくは 0. 3以下、 特に好ましくは 0. 2以下であ る。
さらに、 不活性微粒子 A 4は、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状粒子であ ることが好ましい。 粒径比は、 さらに好ましくは 1. 0以上 1. 2以下、 特に好
ましくは 1 . 0以上 1 . 1以下である。 粒径比が上記範囲にあると、 巻取り性の 向上効果および絶縁破壊電圧の向上効果をより高くすることができる。
不活性微粒子 A 4の含有量は、 フィルム (4 ) 1 0 0質量%に対し、 0 . 0 1 質量%以上 1 . 5質量%以下である。 不活性微粒子 A 4の含有量を、 上記範囲に することによって、 高い絶縁破壊電圧を保ったまま、 フィルムの取り扱い性を良 好なものとすることができる。 不活性微粒子 A 4の含有量が少なすぎる場合は、 エアー抜け性に劣る傾向にあり、 巻取り性に劣るものとなる。 他方、 多すぎる場 合は、 フィルム表面が粗くなりすぎる傾向にあり、 それによつてフィルム表面の 耐削れ性が悪化する傾向にあり、 絶縁破壊電圧に劣るものとなる。 また、 特にコ ンデンサー用途においては、 スペースファクタ一が増大する傾向にある。 このよ うな観点から、 不活性微粒子 A 4の含有量は、 好ましくは 0 . 0 5質量%以上 1 . 0質量%以下、 さらに好ましくは 0. 1質量%以上 0 . 5質量%以下、 特に好ま しくは 0 . 2質量%以上 0 . 4質量%以下である。
以上のような不活性微粒子 A 4は、 有機系微粒子であってもよいし、 無機系微 粒子であってもよい。
有機系微粒子としては、 例えばポリスチレン樹脂粒子、 シリコーン樹脂粒子、 アクリル樹脂粒子、 スチレン—アクリル樹脂粒子、 ジビニルベンゼン一アクリル 樹脂粒子、 ポリエステル樹脂粒子、 ポリイミド樹脂粒子、 メラミン樹脂粒子等の 高分子樹脂粒子が挙げられる。 中でも、 滑り性および耐削れ性に優れるという観 点から、 シリコーン樹脂粒子、 ポリスチレン樹脂粒子力特に好ましい。 このよう な高分子樹脂粒子は、 前述の通り球状であることが好ましく、 すなわち球状高分 子樹脂粒子が好ましい。 このうち、 滑り性および耐削れ性により優れるという観 点から、 球状シリコーン樹脂粒子、 球状ポリスチレン樹脂粒子が特に好ましい。 また、 無機系微粒子としては、 (1 ) 二酸化ケイ素 (水和物、 ケィ砂、 石英等 を含む) ; (2 ) 各種結晶形態のアルミナ; (3 ) S i〇2成分を 3 0質量%以上 含有するケィ酸塩 (例えば非晶質もしくは結晶質の粘土鉱物、 アルミノシリケ一 ト (焼成物や水和物を含む)、 温石綿、 ジルコン、 フライアッシュ等) ; (4 ) M g、 Z n、 Z r、 および T iの酸化物; (5 ) C a、 および B aの硫酸塩; (6 )
L i、 B a、 および C aのリン酸塩 ( 1水素塩や 2水素塩を含む) ; ( 7 ) L i、 Na、 および Kの安息香酸塩; (8) C a, Ba、 Zn、 および Mnのテレフ夕 ル酸塩; (9) Mg、 Ca、 Ba、 Zn、 Cd、 Pb、 S r、 Mn、 Fe、 Co、 および N iのチタン酸塩; (10) Ba、 および Pbのクロム酸塩; ( 1 1 ) 炭素 (例えばカーボンブラック、 グラフアイト等) ; (12) ガラス (例えばガラス粉、 ガラスビーズ等) ; (13) C a、 および Mgの炭酸塩; (14) ホタル石; (1 5) スピネル型酸化物等が挙げられる。 このうち、 滑り性および耐削れ性に優れ るという観点から、 炭酸カルシウム粒子、 シリカ粒子が好ましく、 シリカ粒子が 特に好ましい。 このような無機系微粒子は、 前述の通り球状であることが好まし く、 滑り性および耐削れ性により優れるという観点から、 球状シリカ粒子が特に 好ましい。
(不活性微粒子 B 4)
フィルム (4) は、 不活性微粒子 A 4の他に、 平均粒径および粒径の相対標準 偏差が特定の範囲にある不活性微粒子 B 4を含有することが好ましい。
不活性微粒子 B 4の平均粒径は、 0. O l jum以上 0. 5 //m以下である。 不 活性微粒子 B 4の平均粒径を上記範囲とすることによって、 適度な滑り性を得る ことができ、 巻取り性の向上効果を高くすることができる。 不活性微粒子 B4の 平均粒径が小さすぎる場合は、 滑り性が低くなる傾向にあり、 巻取り性の向上効 果が低くなる。 他方、 大きすぎる場合は、 フィルム表面における低突起の高さが 高くなりすぎる傾向にあり、 それにより滑り性が高くなりすぎ、 巻取り時に端面 ズレを起こしやすくなる等巻取り性の向上効果力低くなる。 さらに、 耐削れ性が 悪化する傾向にあり、 絶縁破壊電圧の向上効果が低くなる。 このような観点から、 不活性微粒子 B 4の平均粒径は、 好ましくは 0. 05 /111以上0. 以下、 より好ましくは 0. 08 Π以上 0. 以下、 さらに好ましくは 0. 1 zm 以上 0. 3 m以下である。
不活性微粒子 B 4の平均粒径は、 不活性微粒子 A 4の平均粒径よりも 0. 2 m以上小さいことが好ましい。 不活性微粒子 A 4の平均粒径と不活性微粒子 B 4 の平均粒径との差をこのようにすることによって、 フィルム表面において不活性
微粒子 A 4による高突起が散在する態様となり、 これによつてフィルム間のエア 一抜け性が良好となる。 同時に, 不活性微粒子 B 4による低突起が存在する態様 となり、 フィルム同士の滑り性が良好となる。 これらによって、 フィルムをロー ル状に巻取る際には、 エアー抜け性と滑り性とのバランスが良く、 高速で巻き上 げても巻き姿の良好なフィルムロールを得ることができる等、 巻取り性の向上効 果を高くすることができる。 このような観点から、 不活性微粒子 B4の平均粒径 は、 不活性微粒子 A 4の平均粒径よりも 0. 4 / m以上小さい態様がより好まし く、 0. 6 m以上小さい態様がさらに好ましく、 0. 8 zm以上小さい態様が 特に好ましい。
また、 不活性微粒子 B 4は、 前述の不活性微粒子 A 4と同様の観点から、 その 粒径の相対標準偏差が 0. 5以下である。 不活性微粒子 B 4の粒径の相対標準偏 差は、 好ましくは 0. 4以下、 さらに好ましくは 0. 3以下、 特に好ましくは 0. 2以下である。
さらに、 本発明における不活性微粒子 B 4は、 前述の不活性微粒子 A 4と同様 の観点から、 粒径比が 1. 0以上 1. 3以下の球状粒子であることが好ましく、 さらに好ましくは 1. 0以上 1. 2以下、 特に好ましくは 1. 0以上 1. 1以下 である。
本発明のフィルム (4) は、 不活性微粒子 B 4を、 フィルム (4) 100質 量%中に、 0. 05質量%以上 2. 0質量%以下含有することが好ましい。 不活 性微粒子 B 4の含有量を上記範囲にすることによって、 高い絶縁破壊電圧を保つ たまま、 フィルムの取り扱い性の向上効果を高くすることができる。 不活性微粒 子 B 4の含有量が少なすぎる場合は、 滑り性が低くなる傾向にあり、 巻取り性の 向上効果が低くなる。 他方、 多すぎる場合は、 フィルム中のボイドの頻度が増加 する傾向にあり、 絶縁破壊電圧の向上効果が低くなる。 また、 滑り性が高くなり すぎる傾向にあり、 巻取り時に端面ズレを起こしやすくなる等巻取り性の向上効 果が低くなる。 このような観点から、 不活性微粒子 B 4の含有量は、 より好まし くは 0. 1質量%以上 1. 0質量%以下、 さらに好ましくは 0. 1質量%以上 0. 5質量%以下、 特に好ましくは 0. 1質量%以上 0. 3質量%以下である。
不活性微粒子 B 4としては、 前述の不活性微粒子 A 4と同様の有機系微粒子お よび無機系微粒子を用いることができる。 このうち、 無機系微粒子が好ましく、 滑り性および耐削れ性に優れるという観点から、 炭酸カルシウム粒子、 シリカ粒 子が好ましく、 シリカ粒子が特に好ましい。 このような無機系微粒子は、 前述の 通り球状であることが好ましく、 滑り性および耐削れ性により優れるという観点 から、 球状シリカ粒子が特に好ましい。
不活性微粒子 A 4および不活性微粒子 B 4は、 最終的なフィルムに含有されて いれば含有させる方法に限定はない。 例えば、 スチレン系単量体の重合中の任意 の過程で添加あるいは析出させる方法、 溶融押出する任意の過程で添加する方法 が挙げられる。 またこれらの微粒子を効果的に分散させるため、 分散剤、 界面活 性剤等を用いることができる。
本発明においては、 不活性微粒子 A 4および不活性微粒子 B 4の特に好ましい 態様として、 それぞれに球状シリ力粒子を用いた態様を例示することができるが、 そのような場合においても、 各々の粒子における平均粒径がそれぞれ重なりのな い特定の範囲にあり、 かつ各々の粒子における粒径の相対標準偏差が小さいため、 粒径分布曲線においては、 上記 2種類の粒子は明瞭に区別することができる 2つ の粒径ピークを示し、 すなわち不活性微粒子 A 4と不活性微粒子 B 4とを明瞭に 区別することができる。 なお、 2つの粒径ピークがそれぞれ裾野の部分で重なつ て、 谷部分を形成する場合は、 谷部分において極小値を示す点を境界として、 2 つの粒径ピークに分解することとする。
(その他の添加剤)
フィルム (4) に添加してもよいその他の添加剤は、 共通事項の項で説明した とおりである。
(厚み方向の屈折率)
本発明のフィルム (4) は、 厚み方向の屈折率が 1. 6050以上 1. 655 0以下である。 厚み方向の屈折率は、 好ましくは 1. 6100以上 1. 6400 以下、 より好ましくは 1. 6130以上 1. 6380以下、 さらに好ましくは 1. 6150以上 1. 6360以下である。 厚み方向の屈折率を上記範囲とすること
によって、 絶縁破壊電圧を高くすることができる。 また、 フィルム製造工程にお けるフィルム破断の頻度が低下し、 生産性を向上することができる。 厚み方向の 屈折率が高すぎる場合は、 フィルム製造工程におけるフィルム破断の頻度が増加 する傾向にあり、 フィルムの生産性が低下する。 他方、 低すぎる場合は、 絶縁破 壊電圧が低くなる傾向にあり、 電気的特性に劣るものとなる。 また、 コンデンサ 一の製造工程におけるフィルム破断の頻度が増加し、 コンデンサーの生産性が低 下する。 さらに、 フィルムの厚み斑が悪くなる傾向にあり、 品質の安定したコン デンサ一を得にくくなる。
厚み方向の屈折率を上記範囲とするには、 後述するような製造方法を採用する ことによって達成される。 すなわち、 本発明において好ましい厚み方向の屈折率 は、 フィルムの延伸倍率を後述する特定の範囲とし、 かつ、 該延伸工程において、 一軸方向の延伸に次いで実施される該ー軸方向と垂直な方向の延伸において、 延 伸の温度を複数段階に分け、 この第 1段階の温度と最終段階の温度とで特定の温 度差をつけることで達成される。
(フィルム厚み)
本発明のフィルム (4 ) は、 フィルム厚みが 0 . 4 Ai m以上 6 . 5 /z m未満で あることが好ましい。 さらに好ましくは 0 . 4 / m以上 6. 未満であり、 特に好ましくは 0 . 5 m以上 3 . 5 m未満である。 フィルム厚みを上記範囲 とすることによって、 静電容量の高いコンデンサ一を得ることができる。
コンデンサーの絶縁体として用いられるフィルムは、 フィルム厚みが薄い方が コンデンサ一の静電容量が高くなり好ましいことは一般的によく知られている。 しかしながら、 実際にフィルム厚みを薄く (薄膜化) してゆくと、 フィルムにし わが入りやすくなつたり、 フィルムが破断しゃすくなつたりして取り扱い性が低 下する。 また添加した粒子が脱落しやすくなり、 その結果、 絶縁破壊電圧が低く なる。 また、 フィルム厚みが薄くなることにより絶縁破壊電圧の絶対値が低くな る等の問題が生じる。 そのため、 それらをバランスさせることが不可欠となる。 本発明は、 フィルム厚みを薄くしても上記の問題が生じることが無いように、 酸 化防止剤および特定の粒子を有する新規の構成のフィルム (4 ) を、 後述する製
造方法により得るものである。
(中心線平均表面粗さ: Ra)
本発明のフィルム (4) は、 その少なくとも片面の中心線平均表面粗さ (R a) が 7 nm以上 89 nm以下であることが好ましい。 中心線平均表面粗さ (R a) を上記範囲とすることによって、 巻取り性の向上効果を高くすることができ る。 また、 耐ブロッキング性が向上し、 ロールの外観を良好なものとすることが できる。 中心線平均表面粗さ (Ra) が低すぎる場合は、 滑り性が低くなりすぎ る傾向にあり、 巻取り性の向上効果が低くなる。 他方、 高すぎる場合は、 滑り性 が高くなりすぎる傾向にあり、 巻取り時に端面ズレを起こしやすくなる等巻取り 性の向上効果が低くなる。 このような観点から、 中心線平均表面粗さ (Ra) の 下限は、 好ましくは l l nm、 より好ましくは 21 nm、 さらに好ましくは 31 nmである。 また、 中心線平均表面粗さ (Ra) の上限は、 好ましくは 79nm、 より好ましくは 69nm、 さらに好ましくは 59 nmである。
(10点平均粗さ : Rz)
また、 本発明のフィルム (4) は、 その少なくとも片面の 10点平均粗さ (R z) が 200 nm以上 3, 000 nm以下であること力好ましい。 10点平均粗 さ (Rz) を上記範囲とすることによって、 巻取り性の向上効果を高くすること ができる。 10点平均粗さ (Rz) が低すぎる場合は、 ロールとして巻き上げる 際にエアー抜け性が低くなる傾向にあり、 フィルムが横滑りしやすくなる等巻取 り性の向上効果が低くなる。 特に、 フィルム厚みが薄い場合は、 フィルムの腰が 無くなるため、 エアー抜け性がさらに低くなる傾向にあり、 巻取り性の向上効果 がさらに低くなる。 他方、 10点平均粗さ (Rz) が高すぎる場合は、 粗大突起 が多くなる傾向にあり、 絶縁破壊電圧の向上効果が低くなる。 このような観点か ら、 10点平均粗さ (Rz) の下限は、 より好ましくは 600 nm以上、 さらに 好ましくは 1, 000 nm以上、 特に好ましくは 1, 250 nm以上である。 ま た、 10点平均粗さ (Rz) の上限は、 より好ましくは 2, 600 nm以下、 さ らに好ましくは 2, 250 nm以下、 特に好ましくは 1, 950 nm以下である。 (フィルム (4) の製造方法)
本発明のフィルム (4 ) は、 一部の特別な製造方法を除けば、 基本的には従来 から知られている、 あるいは当業界に蓄積されている方法で得ることができる。 以下、 本発明のフィルム (4 ) の製造方法について詳記する。
先ず、 シンジオタクチック構造のスチレン系重合体に酸化防止剤を所定量配合 した樹脂組成物を加熱溶融し、 未延伸シートを作成する。 具体的には樹脂組成物 の融点 (Tm、 単位:で) 以上 (Tm+ 7 0 t:) 以下の温度で加熱溶融し、 シ一 卜状に押し出して、 冷却固化して未延伸シートを得る。
次いで、 この未延伸シートを二軸に延伸する。 延伸は、 縦方向 (機械軸方向) および横方向 (機械軸方向と垂直な方向) を同時延伸してもよいし、 任意の順序 で逐次延伸してもよい。 例えば逐次延伸の場合は、 先ず一軸方向に (樹脂組成物 のガラス転移点温度 (T g、 単位: ) - 1 O t:) 以上 (T g + 7 0で) 以下の 温度で 2 . 7倍以上 4. 8倍以下、 好ましくは 2 . 9倍以上 4. 4倍以下、 さら に好ましくは 3 . 1倍以上 4. 0倍以下の倍率で延伸し、 次いで該ー軸方向と垂 直な方向に T g以上 (T g + 8 0で) 以下の温度で 2 . 8倍以上 4. 9倍以下、 好ましくは 3 . 0倍以上 4. 5倍以下、 さらに好ましくは 3 . 2倍以上 4. 1倍 以下の倍率で延伸する。
なお、 上記一軸方向と垂直な方向の延伸の際には、 前段階の延伸で結晶化が進 んでいるためか、 延伸が難しくなり、 製膜中に破断が起こりやすくなる。 特にフ イルム厚みが 3 程度の薄いフィルムを製膜する場合において、 また特に延伸 倍率が 3 . 2倍以上の領域において破断が起こりやすくなる。
この対策を検討したところ、 上記一軸方向と垂直な方向の延伸において、 その 延伸速度を特定の範囲とすることが有効であることが判明した。 すなわち、 延伸 速度が速すぎる場合は、 延伸による分子の高次構造変化が、 延伸によるフィルム の形状変化の速さに追随できなくなり、 該高次構造に歪が生じやすくなるためか、 フィルム破断が生じやすくなる。 他方、 遅すぎる場合は、 延伸途中においてフィ ルムの結晶化が先行してしまい、 延伸応力にバラツキが生じるためか、 延伸斑や 厚み斑が生じやすくなり、 それにより破断が生じやすくなる。 このような観点か ら、 延伸速度の下限は、 好ましくは 5 0 0 %/分以上、 より好ましくは 1, 0 0
0 % 分以上、 さらに好ましくは 2 , 0 0 0 %ノ分以上、 特に好ましくは 4 , 0 0 0 % 分以上である。 また、 延伸速度の上限は、 好ましくは 3 0, 0 0 0 %/ 分以下、 より好ましくは 1 5 , 0 0 0 % 分以下、 さらに好ましくは 9 , 0 0 0 %Z分以下、 特に好ましくは 6 , 0 0 0 % 分以下である。
また、 他の有効な手段として、 上記一軸方向と垂直な方向の延伸において、 そ の延伸温度を一定とするのではなく、 複数段階に分け、 この第 1段階の温度と最 終段階の温度とで温度差をつけることが有効であることが判明した。 温度差の下 限は、 最終段階の温度が第 1段階の温度より 4 以上高いことが好ましく、 7で 以上高いことがより好ましく、 1 2 以上高いことがさらに好ましく、 1 5で以 上高いことが特に好ましい。 また、 温度差の上限は、 4 9で以下が好ましく、 3 9 以下がより好ましく、 2 9で以下がさらに好ましく、 2 O t:以下が特に好ま しい。 温度差が大きすぎる場合は、 フィルム破断が生じやすくなる。 また、 延伸 後のフィルムの厚み斑が悪くなる傾向にある。 このように、 第 1段階と最終段階 の温度差を上記範囲とすることで、 フィルム厚みの薄いフィルムの製膜において 従来困難であった高い延伸倍率を達成することができ、 これによつて厚み斑が良 好なフィルムを得ることができる。
一軸方向と垂直な方向の延伸を実施する工程において、 第 1段階と最終段階と の温度差をつけるには、 1の延伸ゾーンの中でゾーンの入口 (第 1段階) と出口 (最終段階) とで温度差をつけてもよいし、 温度の異なる 2以上の連続した延伸 ゾーンを設けて最初の延伸ゾーン (第 1段階) と最後の延伸ゾーン (最終段階) とで温度差をつけてもよい。 ここでゾーンとは、 テン夕一等においてシャツ夕一 等で区切られた 1の領域を示す。 いずれの場合も、 第 1段階と最終段階の間をさ らに分割し、 第 1段階から最終段階に向かって温度を傾斜的に上昇させるのが好 ましく、 特に直線的に上昇させると良い。 例えば、 温度の異なる 2以上の連続し た延伸ゾーンによる場合は、 最初の延伸ゾーンと最後の延伸ゾーンの間に、 さら に 1以上の延伸ゾーンを設けることが好ましく、 1以上 1 0以下の延伸ゾーンを 設けることがさらに好ましい。 延伸ゾーンの合計を 1 3以上とすることは、 設備 コストの面から不利である。 延伸は、 例えばフィルムを幅方向に延伸する場合は、
最終段階を出た直後のフィルム幅を、 第 1段階に入る直前のフィルム幅で除した 値が目標の延伸倍率となるようにすればよく、 傾斜的にフィルム幅を増加させる ことが好ましく、 特に直線的に増加させると良い。 縦方向と横方向を同時に延伸 する場合においても、 同様に延伸の温度を複数段階に分け、 この第 1段階の温度 と最終段階の温度とで温度差をつけるようにする。
本発明においては、 本発明における好ましい厚み方向の屈折率を達成するため の手段として、 これらの手段を好ましく例示することができる。 さらに、 これら の手段によると、 フィルム厚みを薄くしても破断が生じにくいため、 本発明にお ける好ましいフィルム厚みを達成するための手段として、 これらの手段を好まし く例示することができる。 また、 本発明においては、 上記の延伸速度の態様およ び延伸温度の態様のうち、 少なくともいずれか 1つの態様を採用することが好ま しい力 両方の態様を採用することがより好ましく、 延伸工程が安定化し、 本発 明における好ましい屈折率および好ましいフィルム厚みを達成しやすくなる。 次いで、 (丁^ + 7 0で) 〜Tmの温度で熱固定する。 熱固定の温度は 2 0 0 X:以上 2 6 0 以下であり、 好ましくは 2 2 0で以上 2 5 0で以下であり、 さ らに好ましくは 2 3 0 以上 2 4 0 以下である。 熱固定温度が高すぎる場合は、 特にフィルム厚みの薄いフィルムを製造する際に、 フィルム破断が生じやすくな り、 また厚み斑が悪化してしまう。 熱固定の後に必要に応じて熱固定温度より 2 O t:〜 9 0で低い温度下で弛緩処理をすると、 寸法安定性が良くなる。 実施例
次に本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明する。
実施例 1〜7、 比較例 1〜3
実施例 1〜7、 比較例 1〜 3の各種特性値は下記の方法で測定、 評価した。 ( 1 ) 粒子の平均粒径および粒径比
( 1 - 1 ) 粉体の平均粒径および粒径比
試料台上に、 粉体を個々の粒子ができるだけ重ならないように散在させ、 金ス パッ夕一装置によりこの表面に金薄膜蒸着層を厚み 2 0 0〜3 0 O Aで形成し、
走査型電子顕微鏡を用いて 1万〜 3万倍で観察し、 日本レギユレ一ター (株) 製 ルーゼックス 500にて、 少なくとも 100個の粒子についてその面積相当粒径 (D i )、 長径 (D 1 i ) および短径 (D s i ) を求めた。
(1-2) フィルム中の粒子の平均粒径および粒径比
試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、 日本電子 (株) 製ス パッタリング装置 (J I S— 1100型イオンスパッタリング装置) を用いてフ イルム表面に、 0. 13Paの真空下で 0. 25kV、 1. 25mAの条件でィ オンエッチング処理を 10分間施した。 さらに、 同じ装置で金スパッ夕一を施し、 走査型電子顕微鏡を用いて 1万〜 3万倍で観測し、 日本レギユレ一ター (株) 製 ルーゼックス 500にて、 少なくとも 100個の粒子についてその面積相当粒径 (D i )、 長径 (D 1 i ) および短径 (D s i ) を求めた。
粉体の平均粒径および粒径比については上記 (1— 1) 項、 フィルム中の粒子 の平均粒径および粒径比については上記 (1一 2) 項から得られた値を下記式に 用いて、 粒子の個数 nとし、 面積相当粒径 (D i) の数平均値を平均粒径 (D) とした。
また、 下記式から得られた長径の平均値 (D 1) と短径の平均値を (Ds) か ら、 粒径比は D 1 ZDsとして算出した。
(2) 粒子の粒径の相対標準偏差
粉体の相対標準偏差については前記 (1一 1) 項、 フィルム中の粒子の相対標 準偏差については前記 (1— 2) 項で求められた各々の粒子の面積相当粒径 (D i ) および平均粒径 (D) から、 下記式により求めた。
∑ (D i - D) Vn
相対標準偏差
D
(3) フィルムの表面粗さ
(3- 1) 中心線平均表面粗さ (Ra)
非接触式三次元粗さ計 (小坂研究所製、 ET— 30HK) を用いて波長 780 nmの半導体レーザー、 ビーム径 1. 6 /zmの光触針で測定長 (Lx) lmm, サンプリングピッチ 2 / m、 カットオフ 0. 25mm、 厚み方向拡大倍率 1万倍、 横方向拡大倍率 200倍、 走査線数 100本 (従って、 Y方向の測定長 Ly = 0. 2mm) の条件にてフィルム表面の突起プロファイルを測定する。 その粗さ曲面 を Z= f (X, y) で表わしたとき、 次の式で得られる値をフィルムの中心線平 均表面粗さ (Ra、 単位 nm) として定義する。
(3-2) 10点平均粗さ (Rz)
ピーク (Hp) の高い方から 5点と谷 (Hv) の低い方から 5点をとり、 次の 式によりその平均粗さを Rz (単位 nm) とした。 (Npi + Ifp2 + ^p3't-Hp4 + Hp5)-( v\^HvZ + Hv3 + HvA' ifv5)
5
(4) 熱収縮率
無張力の状態で 1 50での雰囲気中 30分におけるフィルムの収縮率 (単 位%) を求めた。
(5) 屈折率
ナトリウム D線 (589 nm) を光源としたアッベ屈折計を用いて 23 6 5%RHにて測定し、 厚み方向の屈折率を n Zとした。
(6) 絶縁破壊電圧 (BDV)
J I S C 2 1 5 1に示される方法に従って測定した。 23で相対湿度 5
0%の雰囲気にて、 直流耐電圧試験機を用い、 上部電極は直径 25 mmの真鍮製 円柱、 下部電極は直径 75 mmのアルミ製円柱を使用し、 100VZ秒の昇圧速 度で昇圧し、 フィルムが破壊し短絡した時の電圧を読み取った。 測定は 41回実 施し、 大きい方の 10個、 小さい方の 10個を除き、 21個の中央値を絶縁破壊 電圧 (BDV) の測定値とした。
10 o , 12 ot:での測定は熱風オーブンに電極、 サンプルをセッ卜し、 耐 熱コードで電源に接続し、 オーブン投入後 1分で昇圧を開始して測定した。
(7) 延伸性
二軸延伸フィルムを 100万 m製膜する間に破断の発生する回数により、 以下 の如く判断した。
延伸性◎ : 10万111の製膜当り 破断が 1回未満
延伸性〇 : 10万111の製膜当り 破断が 1回〜 2回未満
延伸性△ : 10万 mの製膜当り 破断が 2回〜 4回未満
延伸性 X : 10万 mの製膜当り 破断が 4回〜 8回未満
延伸性 X X : 10万111の製膜当り 破断が 8回以上
(8) フィルムの巻取り性
フィルムの製造工程において、 フィルムを 550mm幅で 6, 000mのロー ル状に 10 OmZ分の速度で巻き上げ、 その巻上げ状況、 ロールの外観により次 のように格付けした。
A: ロールの卷き姿良好
B : ロールの表面に 1個以上 5個未満のピンプル (突起状盛り上がり) が見られるがほぼ良好
C : ロールの表面に 5個以上のピンプル (突起状盛り上がり) が見られ、 外観不良
D: ロールのフィルム端面ズレが起き、 巻き姿不良
[シランカップリング剤で表面処理されたシリコーン樹脂粒子の調製]
撹拌翼付きの 10リットルのガラス容器に 0. 06質量%の水酸化ナトリウム を含む水溶液 7, O O Ogを張込み、 上層へポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル 0. 01質量%を含む1, 000 gのメチルトリメトキシシランを静かに注入 し、 2層を形成したのち、 10〜15 でわずかに回転させながら 2時間界面反 応させ、 球状粒子を生成させた。 その後、 系内の温度を 70でとして約 1時間熟 成させ、 冷却後、 減圧濾過機で濾過し、 水分率約 40%のシリコーン樹脂粒子の ケーク状物を得た。 次に別のガラス容器に、 シランカップリング剤としてァ—グ リシドキシプロビルトリメトキシシランを 2質量%分散させた水溶液 4, 000 gを張込み、 そこへ先の反応で得られたケーク状物を全量加えスラリー化し、 内 温 70で、 撹拌下 3時間かけて表面処理を行い、 冷却後、 減圧濾過機で濾過処理 し、 ケーク状物を得た。 続いて、 このケーク状物を純水 600 gに全量加えて再 度スラリー化し、 常温で 1時間撹拌し、 その後再度減圧濾過機にて濾過処理する ことにより、 余分の乳化剤およびシランカップリング剤が除去された水分率約 4 0%のケーク状物を得た。 最後に、 このケ一ク状物を、 100でで 15 t o r r にて 10時間減圧処理し、 凝集粒子の少ない、 シランカップリング剤で表面処理 されたシリコーン樹脂粒子の粉末約 400 gを得た。
得られたシリコーン樹脂粒子の粉末は、 平均粒径 1. 3; m、 相対標準偏差 0. 14、 粒径比 1. 1であった。 実施例 1
重量平均分子量 3. 0X 105であり、 13C— NMR測定でほぼ完全なシンジ オタクチック構造であることが観察されるポリスチレンに、 球状架橋高分子粒子 A1として平均粒径 1. 3 m、 相対標準偏差 0. 14、 粒径比 1. 1のシリコ ーン樹脂粒子を 0. 3質量%と、 不活性微粒子 B 1として平均粒径 0. 3 im、 相対標準偏差 0. 17、 粒径比 1. 1の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商 品名シーホス夕一 KE) を 0. 2質量%とを加え、 スチレン系重合体を得た。 な お、 球状架橋高分子粒子 A 1としては、 上記で得られたシランカップリング剤で 表面処理されたシリコーン樹脂粒子を用いた。
このポリマーを 12 Ot:で 4時間乾燥し、 押出機に供給し、 29 で溶融し、 ダイスリッ卜から押出し後キャスティングドラム上で冷却固化し、 未延伸シート
を作成した。
この未延伸シートを 1 1 4でで縦方向 (機械軸方向) に 2 . 9倍延伸し、 続い てテン夕一に導いた後、 横方向 (機械軸方向と垂直な方向) に 3 . 0倍延伸した。 この時、 横方向の延伸は、 長さの同じ 2つの延伸ゾーンからなる延伸工程により、 第 1の延伸ゾーン (第 1段階) において温度 1 0 0でで 2 . 0倍延伸し、 第 2の 延伸ゾーン (最終段階) において温度 1 1 1ででさらに 1 . 5倍延伸することで、 最終的な延伸倍率が 3 . 0倍となるようにフィルム幅を直線的に増加させて行つ た。 その後 2 3 5 で 9秒間熱固定をし、 さらに 1 8 0 まで冷却する間に 5 % 弛緩処理をして厚み 3 . 0 // mの二軸延伸フィルムを得てロール状に巻取った。 得られたフィルムの特性を表 1に示す。
実施例 1から得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 絶縁破壊 電圧が高く、 コンデンサ一の絶縁体として好適なものであった。 実施例 2〜7、 比較例 1
球状架橋高分子粒子 A 1、 不活性微粒子 B 1、 製膜条件およびフィルム厚みを 表 1に示す通りとする以外は、 実施例 1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られたフィルムの特性を表 1に示す。
実施例 2、 3から得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 絶縁 破壊電圧が高く、 コンデンサ一の絶縁体として好適なものであった。
実施例 4〜 6から得られたフィルムは、 巻取り性が良好で、 絶縁破壊電圧が高 く、 コンデンサ一の絶縁体として好適なものであった。 延伸性は、 実用に耐え得 るものであった。
実施例 7から得られたフィルムは、 延伸性に劣るものの、 絶縁破壊電圧が高く、 コンデンサーの絶縁体として好適なものであった。
比較例 1から得られたフィルムは、 厚み方向の屈折率が低いために絶縁破壊電 圧が低く、 コンデンサ一の絶縁体として不適なものであった。 比較例 2
厚み方向の屈折率がおおよそ 1 . 6 6 0 0であるようなフィルムを得るべく、 縦方向および横方向の延伸倍率等の製膜条件を表 1に示す通りとしたところ、 フ ィルム破断が多発し、 二軸延伸フィルムを得ることができなかった。 比較例 3
1 3 C— NM Rから求められるアイソ夕クチック度が 9 7 %のポロプロピレン を、 2 5 0でで溶融し、 ダイスリツ卜から押出後 8 0でのロール上で冷却固化し、 未延伸シートとした。 次いで、 1 3 5 :で縦方向に 4. 5倍延伸し、 1 6 3でで 横方向に 9倍延伸した後、 1 6 3 で 9秒間熱固定をし、 1 6 0 ΐで 2 %弛緩し てフィルム厚み 3 . 0 mの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
比較例 3から得られたフィルムは耐熱性が低く、 高温になると絶縁破壊電圧が 著しく低下するものであった。 また、 熱収縮率が高く、 高絶縁性フィルムとして 不適なものであった。
表 1
表 1 (つづき)
表 1 (つづき)
表 1 (つづき)
また、 得られたフィルムを用いて、 以下のようにコンデンサ一を作成した。 まず、 フィルムの片面にアルミニウムを 50 OAの厚みとなるように真空蒸着 した。 その際、 8mm幅の蒸着部分と lmm幅の非蒸着部分との繰り返しからな る、 縦方向のストライプ状に蒸着した。 得られた蒸着フィルムを、 蒸着部分と非 蒸着部分のそれぞれ幅方向の中央部でスリットし、 4mm幅の蒸着部分と 0. 5 mm幅の非蒸着部分とからなる、 4. 5 mm幅のテープ状に巻取りリールにした。 次いで、 2本のリールを、 非蒸着部分がそれぞれ反対側の端面となるように重ね 合わせ巻回し、 巻回体を得た後、 150で、 IMP aで 5分間プレスした。 プレ ス後の巻回体の両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、 メタリコンにリー ド線を溶接して巻回型フィルムコンデンサーを作成した。
実施例 1〜7から得られたフィルムコンデンサ一は、 耐熱性、 耐電圧特性に優 れ、 コンデンサ一として優れる性能を示すものであった。 実施例 8〜16、 比較例 4〜6
実施例 8〜16、 比較例 4〜 6の各種特性値は下記の方法で測定、 評価した。 (1) 粒子の平均粒径および粒径比
(1-1) 粉体の平均粒径および粒径比
試料台上に、 粉体を個々の粒子ができるだけ重ならないように散在させ、 金ス パッ夕一装置によりこの表面に金薄膜蒸着層を厚み 200〜30 OAで形成し、 走査型電子顕微鏡を用いて 1万〜 3万倍で観察し、 日本レギユレ一夕一 (株) 製 ル一ゼックス 500にて、 少なくとも 1, 000個の粒子についてその面積相当 粒径 (D i )、 長径 (D 1 i ) および短径 (D s i ) を求めた。
(1-2) フィルム中の粒子の平均粒径および粒径比
試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、 日本電子 (株) 製ス パッ夕リング装置 (J I S— 1100型イオンスパッタリング装置) を用いてフ イルム表面に、 0. 13 Paの真空下で 0. 25 kV、 1. 25mAの条件でィ オンエッチング処理を 10分間施した。 さらに、 同じ装置で金スパッ夕一を施し、 走査型電子顕微鏡を用いて 1万〜 3万倍で観測し、 日本レギユレ一夕一 (株) 製
ル一ゼックス 500にて、 少なくとも 1, 000個の粒子についてその面積相当 粒径 (D i )、 長径 (D I i ) および短径 (D s i ) を求めた。
粉体の平均粒径および粒径比については上記 (1一 1).項、 フィルム中の粒子 の平均粒径および粒径比については上記 (1一 2) 項から得られた値を下記式に 用いて、 粒子の個数 nとし、 面積相当粒径 (D i) の数平均値を平均粒径 (D) とした。
D ∑D i) /n また、 下記式から得られた長径の平均値 (D 1) と短径の平均値 (Ds) から、 粒径比は D 1 ZDsとして算出した。
(2) 粒子の粒径の相対標準偏差
粉体の相対標準偏差については前記 (1一 1) 項、 フィルム中の粒子の相対標 準偏差については前記 (1一 2) 項で求められた各々の粒子の面積相当粒径 (D i) および平均粒径 (D) から、 下記式により求めた。
/ ∑ (D i - D)ソ n
相対標準偏差 =
D
(3- 1) 中心線平均表面粗さ (Ra)、 (3-2) 10点平均粗さ (Rz)、 (4) 熱収縮率、 (5) 屈折率、 (6) 絶縁破壊電圧 (BDV)、 (7) 延伸性およ び (8) フィルムの巻取り性は実施例 1〜7と同じ方法で測定、 評価した。 実施例 8
重量平均分子量 3. 0X 105であり、 13C— NMR測定でほぼ完全なシンジ オタクチック構造であることが観察されるポリスチレンに、 シリカ粒子 A2とし
て平均粒径 1. 、 相対標準偏差 0. 15、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒 子 ((株) 日本触媒製:商品名シーホス夕一 (登録商標) KE— P 100) を 0. 3質量%と、 不活性微粒子 B 2として平均粒径 0. 3 //m、 相対標準偏差 0. 1 6、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商品名シーホスター (登録商標) KE— P30) を 0. 2質量%とを加え、 スチレン系重合体を得た。 このポリマ一を 120 で 4時間乾燥し、 押出機に供給し、 290でで溶融し、 ダイスリツ卜から押出し後キャスティングドラム上で冷却固化し、 未延伸シート を作成した。
この未延伸シートを 1 14 で縦方向 (機械軸方向) に 3. 0倍延伸し、 続い てテン夕一に導いた後、 横方向 (機械軸方向と垂直な方向) に 3. 1倍延伸した。 この時、 横方向の延伸は、 長さの同じ 2つの延伸ゾーンからなる延伸工程により、 第 1の延伸ゾーン (第 1段階) において温度 100でで 2. 05倍延伸し、 第 2 の延伸ゾーン (最終段階) において温度 112 でさらに 1. 51倍延伸するこ とで、 最終的な延伸倍率が 3. 1倍となるようにフィルム幅を直線的に増加させ て行った。 その後 235でで 9秒間熱固定をし、 さらに 180でまで冷却する間 に、 幅方向に 5%弛緩処理をして厚み 3. 0 zmの二軸延伸フィルムを得てロー ル状に卷取つた。 得られたフィルムの特性を表 2に示す。
実施例 8から得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 絶縁破壊 電圧が高く、 コンデンサーの絶縁体として好適なものであった。
実施例 9〜14
シリカ粒子 A 2、 不活性微粒子 B 2、 製膜条件、 フィルム厚みを表 2に示す通 りとする以外は、 実施例 8と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られたフィ ルムの特性を表 2に示す。 実施例 15
シリカ粒子 A 2として平均粒径 0. 8 m、 相対標準偏差 0. 15、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子、 不活性微粒子 B 2として平均粒径 0. 4/ m、 相対標準 偏差 0. 15、 粒径比1. 08の球状シリカ粒子を用い、 シリカ粒子 A 2および
不活性微粒子 B 2の含有量、 製膜条件、 フィルム厚みを表 2に示す通りとする以 外は、 実施例 8と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られたフィルムの特性 を表 2に示す。 実施例 1 6
シリカ粒子 A 2として平均粒径 1 . 6 m、 相対標準偏差 0 . 1 3、 粒径比 1 . 1 0の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商品名シ一ホス夕一 (登録商標) K E - P 1 5 0 ) を用い、 不活性微粒子 B 2として平均粒径 0. 1 m、 相対標準 偏差 0 . 1 7、 粒径比 1 . 0 7の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商品名シ 一ホス夕一 (登録商標) K E— P 1 0 ) を用い、 シリカ粒子 A 2および不活性微 粒子 B 2の含有量、 製膜条件、 フィルム厚みを表 2に示す通りとする以外は、 実 施例 8と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られたフィルムの特性を表 2に 示す。
実施例 9、 1 0から得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 絶 縁破壊電圧が高く、 コンデンサーの絶縁体として好適なものであった。
実施例 1 1〜1 3から得られたフィルムは、 卷取り性が良好で、 絶縁破壊電圧 が高く、 コンデンサーの絶縁体として好適なものであった。 延伸性は、 実用に耐 え得るものであった。
実施例 1 4から得られたフィルムは、 延伸性に劣るものの、 絶縁破壊電圧が高 く、 コンデンサーの絶縁体として好適なものであった。
実施例 1 5、 1 6から得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 絶縁破壊電圧が高く、 コンデンサ一の絶縁体として好適なものであった。 比較例 4
シリカ粒子 A 2、 不活性微粒子 B 2、 製膜条件、 フィルム厚みを表 2に示す通 りとする以外は、 実施例 8と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られたフィ ルムの特性を表 2に示す。 比較例 4から得られたフィルムは、 厚み方向の屈折率 が低いために絶縁破壊電圧が低く、 コンデンサ一の絶縁体として不適なものであ
つた。 比較例 5
厚み方向の屈折率がおおよそ 1. 6600であるようなフィルムを得るべく、 縦方向および横方向の延伸倍率等の製膜条件を表 2に示す通りとしたところ、 フ ィルム破断が多発し、 二軸延伸フィルムを得ることができなかった。 比較例 6
13C_NMRから求められるアイソ夕クチック度が 97 %のポリプロピレン を、 250 で溶融し、 ダイスリットから押出後 8 Ot:のロール上で冷却固化し、 未延伸シートとした。 次いで、 135でで縦方向に 4. 5倍延伸し、 163でで 横方向に 9倍延伸した後、 163でで 9秒間熱固定をし、 160でで 2%弛緩し てフィルム厚み 3. 0 mの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。 得られた フィルムの特性を表 2に示す。
比較例 6から得られたフィルムは耐熱性が低く、 高温になると絶縁破壊電圧が 著しく低下するものであった。 また、 熱収縮率が高く、 高絶縁性フィルムとして 不適なものであった。
表 2
表 2 (つづき)
表 2 (つづき)
表 2 (つづき)
表 2 (つづき)
表 2 (つづき)
つら
また、 得られたフィルムを用いて、 以下のようにコンデンサーを作成した。 まず、 フィルムの片面にアルミニウムを 50 OAの厚みとなるように真空蒸着 した。 その際、 8 mm幅の蒸着部分と lmm幅の非蒸着部分との繰り返しからな る、 縦方向のストライプ状に蒸着した。 得られた蒸着フィルムを、 蒸着部分と非 蒸着部分のそれぞれ幅方向の中央部でスリットし、 4mm幅の蒸着部分と 0. 5 mm幅の非蒸着部分とからなる、 4. 5 mm幅のテープ状に巻取りリールにした。 次いで、 2本のリールを、 非蒸着部分がそれぞれ反対側の端面となるように重ね 合わせ巻回し、 卷回体を得た後、 150で、 IMP aで 5分間プレスした。 プレ ス後の巻回体の両端面にメ夕リコンを溶射して外部電極とし、 メタリコンにリー ド線を溶接して巻回型フィルムコンデンサーを作成した。
実施例 8〜14から得られたフィルムコンデンサ一は、 耐熱性、 耐電圧特性に 優れ、 コンデンサ一として優れる性能を示すものであった。 実施例 17〜 29、 比較例 7〜 8
実施例 17〜 29、 比較例 7〜 8において下記特性値は、 実施例 8〜 16と同 じ方法で測定、 評価した。
(1-1) 粉体の平均粒径および粒径比
(1-2) フィルム中の粒子の平均粒径および粒径比
(2) 粒子の粒径の相対標準偏差
(3- 1) 中心線平均表面粗さ (Ra)
(3— 2) 10点平均粗さ (Rz)
(4) 熱収縮率
(5) 屈折率
(6) 絶縁破壊電圧 (BDV)
(7) 誘電率
(8) ガラス転移点温度 (Tg) および融点 (Tm、 Tms)
(9) 延伸性
(10) 巻取り性
7フ
[ポリエチレンテレフ夕レート樹脂の準備]
モノマーとしてジメチルテレフ夕レートとエチレングリコ一ルを、 エステル交 換触媒として酢酸マンガンを、 重合触媒として三酸化アンチモンを、 安定剤とし て亜燐酸を用い、 常法により重合し、 固有粘度 0. 62のポリエチレンテレフ夕 レート樹脂 (融点 258で、 誘電率 3. 2) を得た。 実施例 1 Ί
スチレン系重合体として重量平均分子量 3. 0X 105であり、 13C— NMR 測定でほぼ完全なシンジオタクチック構造であること力観察されるポリスチレン (融点 (Tms) 27 Ot:, 誘電率 2. 7) を用い、 これを樹脂組成物とした。 得られた樹脂組成物 99. 5質量部に、 不活性微粒子 A 3として平均粒径 1. 1 a . 相対標準偏差 0. 15、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日本触 媒製:商品名シーホス夕一 (登録商標)) 0. 3質量部 (得られるフィルム中に おいて 0. 3質量%となる) と、 不活性微粒子 B 3として平均粒径 0. 3 m、 相対標準偏差 0. 16、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製: 商品名シーホス夕一 (登録商標)) 0. 2質量部 (得られるフィルム中において 0. 2質量%となる) とからなる微粒子を添加し、 樹脂組成物と微粒子の混合物 を得た。
得られた混合物をペレット化し、 該ペレットを 130でで 7時間乾燥した後、 押出機に供給し、 290でで溶融し、 ダイスリットから押出してキャスティング ドラム上で冷却固化し、 未延伸シートを作成した。
この未延伸シートを 114でで縦方向 (機械軸方向) に 3. 2倍延伸し、 続い てテン夕一に導いた後、 横方向 (機械軸方向と垂直な方向) に 3. 3倍延伸した。 その際、 横方向の延伸における延伸速度は 5, 000 % 分とし、 延伸温度は、 第 1段階の温度を 102で、 最終段階の温度を 119でとした。 その後 235 で 9秒間熱固定をし、 さらに 180 まで冷却する間に、 幅方向に 4%弛緩処理 をして厚み 3. 0 zmの二軸延伸フィルムを得てロール状に卷き取った。 得られ たフィルムの特性を表 3に示す。
実施例 1 7で得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性は良好であつた。 実施例 1 8
スチレン系重合体として重量平均分子量 3 . 0 X 1 0 5であり、 1 3 C— NM R 測定でほぼ完全なシンジオタクチック構造であることが観察されるポリスチレン 9 5質量部に、 樹脂 Xとして前記で得られたポリエチレンテレフ夕レート樹脂を 5質量部配合したものを樹脂組成物として用いる以外は、 実施例 1 7と同様にし て二軸延伸フィルムを得て口一ル状に巻き取った。 得られたフィルムの特性を表 3に示す。
実施例 1 8で得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性に優れ、 絶縁破壊電 圧が高く、 高絶縁性フィルムとして好適なものであった。 そのため、 コンデンサ 一の絶縁体として好適なものであった。 実施例 1 9〜 2 2
スチレン系重合体と樹脂 Xとの配合比率を表 3に示す通りとした樹脂組成物を 用いる以外は、 実施例 1 8と同様にして二軸延伸フィルムを得てロール状に巻き 取った。 得られたフィルムの特性を表 3に示す。
実施例 1 9〜2 1で得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 特 に絶縁破壊電圧が高く、 高絶縁性フィルムとして好適なものであった。 そのため、 コンデンサーの絶縁体として好適なものであり、 特にハイブリッド自動車に用い られるコンデンサーの絶縁体としても好適なものであった。 比較例 7、 実施例 2 3
縦方向および横方向の延伸倍率、 延伸温度等の製膜条件を表 3のとおりとした 以外は、 実施例 1 9と同様にして二軸延伸フィルムを得てロール状に巻き取った。 得られたフィルムの特性を表 3に示す。
比較例 7で得られたフィルムは、 厚み方向の屈折率が低いため、 絶縁破壊電圧 が低く、 高絶縁性フィルムとして不適なものであった。
実施例 2 3で得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 特に絶縁 破壊電圧が高く、 高絶縁性フィルムとして好適なものであった。 そのため、 コン デンサ一の絶縁体として好適なものであり、 特にハイブリツド自動車に用いられ るコンデンサーの絶縁体としても好適なものであった。 比較例 8
厚み方向の屈折率がおおよそ 1 . 6 5 8 0であるようなフィルムを得るべく、 縦方向および横方向の延伸倍率等の製膜条件を表 3に示す通りとしたところ、 フ ィルム破断が多発し、 二軸延伸フィルムを得ることができなかった。 実施例 2 4、 2 δ
横方向に延伸する際の延伸速度および延伸温度等の製膜条件を表 3のとおりと する以外は、 実施例 1 9と同様にして二軸延伸フィルムを得てロール状に卷き取 つた。 得られたフィルムの特性を表 3に示す。
実施例 2 4、 2 5で得られたフィルムは、 横延伸における延伸速度の条件が好 ましい範囲にないため、 延伸性に劣るものであった。 また、 絶縁破壊電圧が比較 的低いものであつたが、 巻取り性が良好で、 高絶縁性フィルムとして実用に耐え 得るものであった。 実施例 2 6
樹脂組成物 9 9 . 4質量部に、 微粒子として平均粒径 1 . 1 rn, 相対標準偏 差 0 . 1 5、 粒径比 1 . 0 8の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商品名シー ホス夕一 (登録商標)) 0 . 6質量部 (得られるフィルム中において 0 . 6質 量%となる) を添加して得た混合物を用いる以外は、 実施例 1 9と同様にして二 軸延伸フィルムを得た。 得られたフィルムの特性を表 3に示す。
実施例 2 6で得られたフィルムは、 巻取り性および絶縁破壊電圧が比較的低い ものであつたが、 高絶縁性フィルムとして実用に耐え得るものであつた。
実施例 27
不活性微粒子 A 3として平均粒径 1. 3 m, 相対標準偏差 0. 14、 粒径比 1. 10の球状シリコーン樹脂粒子 0. 3質量部 (得られるフィルム中において 0. 3質量%となる) と、 不活性微粒子 B 3として平均粒径 0. 3 im、 相対標 準偏差 0. 16、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商品名 シ一ホス夕一 (登録商標)) 0. 2質量部 (得られるフィルム中において 0. 2 質量%となる) とからなる微粒子を用いる以外は、 実施例 19と同様にして二軸 延伸フィルムを得た。 得られたフィルムの特性を表 3に示す。
実施例 27で得られたフィルムは、 延伸性および巻取り性が良好で、 特に絶縁 破壊電圧が高く、 高絶縁性フィルムとして好適なものであった。 そのため、 コン デンサ一の絶縁体として好適なものであり、 特にハイブリツド自動車に用いられ るコンデンサーの絶縁体としても好適なものであった。 実施例 28
樹脂 Xとして、 ポリエチレンナフ夕レート樹脂 (融点 269 、 誘電率 3. 1) を用いる以外は、 実施例 19と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られ たフィルムの特性を表 3に示す。 実施例 28で得られたフィルムは、 絶縁破壊電 圧が比較的低いものであつたが、 延伸性および巻取り性に優れ、 高絶縁性フィル ムとして実用に耐え得るものであった。 実施例 29
樹脂 Xとして、 ポリプロピレン樹脂 (融点 170 、 誘電率 2. 1) を用いる 以外は、 実施例 19と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られたフィルムの 特性を表 3に示す。 実施例 29で得られたフィルムは、 樹脂 Xとして用いたポリ プロピレンの耐熱性が低いためか、 高温における絶縁破壊電圧が比較的低いもの であつたが、 高絶縁性フィルムとして実用に耐え得るものであつた。 実施例 30
樹脂 Xとして、 ポリカーボネート樹脂 (融点 2 4 3 :、 誘電率 2. 8 ) を使用 する以外は、 実施例 1 9と同様にして二軸延伸フィルムを得た。 得られたフィル ムの特性を表 3に示す。
表 3
PET:ポリエチレンテレフタレ
PEN:ポリエチレンナフタレート樹脂
PP:ポリプロピレン樹脂
PC:ポリカーボネート樹脂
表 3 (つづき)
3 S
表 3 (つづき)
PET:ポリエチレンテレフ夕レート樹脂
PEN:ポリエチレンナフタレート樹脂
PP:ポリプロピレン樹脂
PC:ポリ力一ポネート樹脂
8
表 3 (つづき)
PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂
PEN:ポリエチレンナフタレ
PP:ポリプロピレン樹脂
PC:ポリカーボネート樹脂
表 3 (つづき)
PET:ポリエチレンテレフ夕レート樹脂
PEN:ポリエチレンナフタレート樹脂
PP:ポリプロピレン樹脂
PC:ポリカーボネート樹脂
表 3 (つづき)
また、 得られたフィルムを用いて、 以下のようにコンデンサーを作成した。 まず、 フィルムの片面にアルミニウムを 50 OAの厚みとなるように真空蒸着 した。 その際、 8 mm幅の蒸着部分と lmm幅の非蒸着部分との繰り返しからな る、 縦方向のストライプ状に蒸着した。 得られた蒸着フィルムを、 蒸着部分と非 蒸着部分のそれぞれ幅方向の中央部でスリットし、 4mm幅の蒸着部分と 0. 5 mm幅の非蒸着部分とからなる、 4. 5 mm幅のテープ状に巻取りリールにした。 次いで、 2本のリールを、 非蒸着部分がそれぞれ反対側の端面となるように重ね 合わせ巻回し、 巻回体を得た後、 150で、 IMP aで 5分間プレスした。 プレ ス後の巻回体の両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、 メタリコンにリー ド線を溶接して巻回型フィルムコンデンサーを作成した。
実施例 18〜29で得られたフィルムを用いたフィルムコンデンサ一は、 耐熱 性、 耐電圧特性に優れ、 コンデンサ一として優れる性能を示すものであった。 ま たコンデンサ一作成時の加工性に優れるものであった。
特に、 実施例 19〜23、 27で得られたフィルムを用いたフィルムコンデン サ一は、 耐熱性に優れ、 特に耐電圧特性に優れ、 コンデンサーとしてより優れる 性能を示すものであった。 実施例 31〜 45、 比較例 9〜: I 0
実施例 31〜 45、 比較例 9〜 10の以下の特性値は実施例 8〜 16と同じ方 法で測定、 評価した。
(1-1) 粉体の平均粒径および粒径比
(1-2) フィルム中の粒子の平均粒径および粒径比
(2) 粒子の粒径の相対標準偏差
(3- 1) 中心線平均表面粗さ (Ra)
(3— 2) 10点平均粗さ (Rz)
(4) 熱収縮率
(5) 屈折率
(6) 絶縁破壊電圧 (BDV)
(7) 延伸性
また以下の特性値は以下の方法で測定、 評価した。
(8) 巻取り性
フィルムの製造工程において、 フィルムを 500mm幅で 9000mのロール 状に 14 OmZ分の速度で巻き上げ、 得られたロールの巻き姿、 およびロール端 面における端面ズレを次のように格付けした。
[巻き姿]
A :ロールの表面にピンプルがなく、 巻き姿が良好。
B :ロールの表面に 1個以上 4個未満のピンプル (突起状盛り上 がり) があり、 巻き姿はほぼ良好。
C : ロールの表面に 4個以上 10個未満のピンプル (突起状盛り 上がり) があり、 巻き姿はやや不良であるが、 製品として使用できる。
D :ロールの表面に 10個以上のピンプル (突起状盛り上がり) があり、 巻き姿が悪く、 製品として使用できない。
[端面ズレ]
◎ :ロール端面における端面ズレが 0. 5 mm未満であり、 良好。 〇 :ロール端面における端面ズレが 0. 5mm以上 lmm未満で あり、 ほぼ良好。
△ :ロール端面における端面ズレが lmm以上 2 mm未満であり、 やや劣るものであるが製品として使用できる。
X :ロール端面における端面ズレが 2mm以上であり、 劣るもの であり製品として使用できない。
X X :ロール巻き上げ中に端面ズレが大きくなり、 9, 000mの口 ールが作成できない。
(9) 熱分解温度
示差熱熱質量同時測定装置 (セイコー電子工業 (株) 製:商品名 TGZDTA 220) を使用して、 空気雰囲気下にて 1 Ot: 分の昇温速度で測定し、 その温 度 Z質量変化曲線より質量変化し始める温度を接線法により求め、 熱分解温度
(単位:で) とした。
(10) ガラス転移点温度および融点
サンプル約 1 Omgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計 (T A I n s t r ume n t s社製:商品名 DS C 2920 Mo d u 1 a t e d) に装着し、 25でから 20で/分の速度で 300でまで昇温させてガラス 転移温度 (単位:で) と融点 (単位:で) を測定した。 実施例 32
質量平均分子量 3. 0X 105であり、 13C— NMR測定でほぼ完全なシンジ オタクチック構造であることが観察されるポリスチレン 99. 0質量部に、 酸化 防止剤として、 ペン夕エリスリトールテトラキス 〔3— (3, 5—ジー t—プチ ルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオネート〕 (チバ ·スペシャルティ ·ケミ カルズ社製:商品名 I RGANOX 1010) (融点 120 、 熱分解温度 33 5t:) 0. 5質量部 (得られるフィルムの質量を基準として 0. 5質量%とな る) と、 不活性微粒子 A4として、 平均粒径 1. l /zm、 相対標準偏差 0. 15、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商品名シーホス夕一 K E) を 0. 3質量部 (得られるフィルムの質量を基準として 0. 3質量%とな る) と、 不活性微粒子 B4として、 平均粒径 0. 3/xm、 相対標準偏差 0. 16、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日本触媒製:商品名シーホス夕一 K E) を 0. 2質量部 (得られるフィルムの質量を基準として 0. 2質量%とな る) とを配合し、 樹脂混合物を得た。
得られた樹脂混合物を 130でで 7時間乾燥し、 次いで押出機に供給し、 29 0でで溶融し、 ダイスリッ卜から押出し後 20でに冷却されたキャスティングド ラム上で冷却固化し、 未延伸シートを作成した。
この未延伸シートを 114 で縦方向 (機械軸方向) に 3. 2倍延伸し、 続い てテン夕一に導いた後、 横方向 (機械軸方向と垂直な方向) に 3. 3倍延伸した。 その際横方向の延伸速度は 5, 000% 分とした。 また、 横方向の延伸の温度 は、 第 1段階の温度を 102 :、 最終段階の温度を 1 19 :とした。 その後 23
5 で 9秒間熱固定をし、 さらに 180でまで冷却する間に横方向に 4%弛緩処 理をして、 厚み 3. 0 At mの二軸延伸フィルムを得てロール状に巻取った。 得ら れたフィルムの特性を表 4に示す。 実施例 33〜35、 実施例 31、 実施例 36
酸化防止剤の含有量を表 4に示すとおりとする以外は、 実施例 32と同様にし て厚み 3. 0 mの二軸延伸フィルムを得てロール状に巻取った。 得られたフィ ルムの特性を表 4に示す。 なお、 ポリスチレンの量を調整し、 全体が 100質量 部となるようにした。 実施例 37
酸化防止剤として、 N, N' 一ビス 〔3— (3, 5—ジー t一プチルー 4—ヒ ドロキシフエニル) プロピオニル〕 ヒドラジン (チバ ·スペシャルティ 'ケミカ ルズ社製:商品名 I RGANOX 1024) (融点 210で、 熱分解温度 27 5で) を用いる以外は、 実施例 33と同様にして厚み 3. O^mの二軸延伸フィ ルムを得てロール状に巻取つた。 得られたフィルムの特性を表 4に示す。
実施例 31〜37により、 酸化防止剤の種類、 およびその含有量に係る知見を 得ることができる。
実施例 32〜35で得られたフィルムは、 延伸性および卷取り性が良好で、 絶 縁破壊電圧が高く、 コンデンサ一の絶縁体として好適なものであつた。
また、 上記実施例 32〜 35とは異なる酸化防止剤を用いた実施例 37で得ら れたフィルムも、 延伸性および巻取り性が良好で、 絶縁破壊電圧が高く、 コンデ ンサ一の絶縁体として好適なものであった。 実施例 38
ポリスチレンを 98. 6質量部として、 不活性微粒子 A4として、 平均粒径 0. 27 ^m, 相対標準偏差 0. 16、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日 本触媒製:商品名シーホス夕一 KE) を 0. 4質量部 (得られるフィルムの質量
を基準として 0. 4質量%となる) として、 不活性微粒子 B 4を添加しなかった 以外は、 実施例 33と同様にして厚み 3. 0 //mの二軸延伸フィルムを得てロー ル状に巻取つた。 得られたフィルムの特性を表 4に示す。 実施例 39〜41
不活性微粒子 A 4としての球状シリカ粒子の平均粒径、 相対標準偏差、 粒径比、 および含有量を表 4に示すとおりとする以外は、 実施例 38と同様にして厚み 3. 0; mの二軸延伸フィルムを得てロール状に巻取った。 得られたフィルムの特性 を表 4に示す。 なお、 ポリスチレンの量を調整し、 全体が 100質量部となるよ うにした。 実施例 42
ポリスチレンを 98. 4質量部として、 不活性微粒子 A4として、 平均粒径 0. 5 rn, 相対標準偏差 0. 15、 粒径比 1. 08の球状シリカ粒子 ((株) 日本 触媒製:商品名シーホス夕一 KE) を 0. 1質量部 (得られるフィルムの質量を 基準として 0. 1質量%となる) と、 不活性微粒子 B 4として、 平均粒径 0. 1 m、 相対標準偏差 0. 17、 粒径比 1. 07の球状シリカ粒子 ((株) 日本触 媒製:商品名シーホス夕一 KE) を 0. 5質量部 (得られるフィルムの質量を基 準として 0. 5質量%となる) とを配合した以外は、 実施例 33と同様にして厚 み 3. 0 mの二軸延伸フィルムを得てロール状に巻取った。 得られたフィルム の特性を表 4に示す。 実施例 43、 44
不活性微粒子 A 4としての球状シリカ粒子の平均粒径、 相対標準偏差、 粒径比、 含有量、 および不活性微粒子 B 4としての球状シリカ粒子の平均粒径、 相対標準 偏差、 粒径比、 含有量を表 4に示すとおりとする以外は、 実施例 42と同様にし て厚み 3. 0 mの二軸延伸フィルムを得てロール状に卷取った。 得られたフィ ルムの特性を表 4に示す。 なお、 ポリスチレンの量を調整し、 全体が 100質量
部となるようにした。 実施例 4 δ
不活性微粒子 A 4として、 平均粒径 1 . 3 m m, 相対標準偏差 0 . 1 4、 粒径 比 1 . 1 0の球状シリコーン樹脂粒子を 0 . 3質量部 (得られるフィルムの質量 を基準として 0 . 3質量%となる) を用いる以外は、 実施例 3 3と同様にして厚 み 3 . 0 mの二軸延伸フィルムを得てロール状に巻取った。 得られたフィルム の特性を表 4に示す。
実施例 3 3、 および実施例 3 8〜4 5により、 不活性微粒子 A 4の態様、 およ び不活性微粒子 B 4の態様に係る知見を得ることができる。
含有する不活性微粒子の態様が適正な実施例 3 3、 3 8〜4 5で得られたフィ ルムは、 いずれも延伸性および巻取り性が良好で、 絶縁破壊電圧が高く、 コンデ ンサ一の絶縁体として好適なものであった。 比較例 9、 実施例 4 6
製膜条件を表 4に示す通りとする以外は、 実施例 3 3と同様にして厚み 3 . 0 mの二軸延伸フィルムを得て口一ル状に巻取つた。 得られたフィルムの特性を 表 4に示す。 比較例 1 0
厚み方向の屈折率がおおよそ 1 · 6 5 8 0であるようなフィルムを得るべく、 縦方向および横方向の延伸倍率等の製膜条件を表 4に示す通りとした以外は、 実 施例 3 3と同様にしてフィルムを製造しょうとしたところ、 フィルム破断が多発 し、 二軸延伸フィルムを得ることができなかった。
実施例 3 3、 4 6、 および比較例 9、 1 0により、 フィルムの厚み方向の屈折 率に係る知見を得ることができる。
実施例 3 3、 4 6で得られたフィルムは、 厚み方向の屈折率が適正であるため、 延伸性および巻取り性が良好で、 絶縁破壊電圧が高く、 コンデンサーの絶縁体と
して好適なものであった。
他方、 比較例 9で得られたフィルムは、 延伸倍率が低く、 フィルムの厚み方向 の屈折率が低すぎるため、 巻取り性および絶縁破壊電圧に劣るものであった。 また、 比較例 1 0では、 目的とした厚み方向の屈折率が高すぎ、 フィルムを得 ることができなかった。
表 4
酸化防止剤お : ペンタエリスリトールテトラキス 〔3— (3, 5—ジ一 t _ブチル—4—ヒドロキシフエニル) プロピオネー卜〕 (I RG ANOX 1010)
酸化防止剤 C 2 : N, N' —ビス 〔3— (3, 5—ジ一 t—ブチル—4ーヒドロキシフエニル) プロピオニル〕 ヒドラジン (I RGANOX 1024)
表 4 (つづき)
表 4 (つづき)
酸化防止剤 C1 : ペンタエリスリトールテトラキス 〔3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエニル) プロピオネート〕 (I RG ANOX 1010)
酸化防止剤 C2 : N, N' —ビス 〔3— (3, 5_ジ一 t—プチルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオニル〕 ヒドラジン (I RGANOX 1024)
表 4 (つづき)
酸化防止剤 C I : ペン夕エリスリト一ルテトラキス 〔3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエニル) プロピオネート〕
( I RGANOX 1010)
酸化防止剤 C 2 : N, N' —ビス 〔3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエニル) プロピオニル〕 ヒドラジン (I RGA NOX 1024)
表 4 (つづき)
酸化防止剤 C 1 : ペン夕エリスリトールテトラキス 〔3— (3, 5—ジー t
—ブチルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオネート〕 (I RGANOX101 0)
酸化防止剤 C 2 : N, N' —ビス 〔3— (3, 5—ジ一 t一プチルー 4ーヒ ドロキシフエニル) プロピオニル〕 ヒドラジン ( I RGANOX 1024)
得られたフィルムを用いて、 以下のようにコンデンサーを作成した。
まず、 フィルムの片面にアルミニウムを 5 0 O Aの厚みとなるように真空蒸着 した。 その際、 8 mm幅の蒸着部分と l mm幅の非蒸着部分との繰り返しからな る、 縦方向のストライプ状に蒸着した。 得られた蒸着フィルムを、 蒸着部分と非 蒸着部分のそれぞれ幅方向の中央部でスリットし、 4 mm幅の蒸着部分と 0. 5 mm幅の非蒸着部分とからなる、 4. 5 mm幅のテープ状に巻取りリールにした。 次いで、 2本のリールを、 非蒸着部分がそれぞれ反対側の端面となるように重ね 合わせ巻回し、 巻回体を得た後、 1 5 0 :、 I M P aで 5分間プレスした。 プレ ス後の卷回体の両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、 メタリコンにリー ド線を溶接して巻回型フィルムコンデンサーを作成した。
実施例 3 2〜4 6で得られたフィルムを用いたフィルムコンデンサ一は、 耐熱 性、 耐電圧特性に優れ、 コンデンサ一として優れる性能を示すものであった。 ま たコンデンサー作成時の加工性に優れるものであった。
特に、 実施例 3 3、 3 4、 3 8、 4 0〜4 2、 4 5、 4 6で得られたフィルム を用いたフィルムコンデンサ一は、 特に耐電圧特性に優れ、 コンデンサ一として より優れる性能を示すものであつた。 発明の効果
本発明の絶縁性フィルムは、 高い絶縁破壊電圧を有し、 電気的特性に優れる。 本発明の絶縁性フィルムは、 熱収縮率が小さく、 また、 高温における絶縁破壊電 圧が高く、 耐熱性に優れる。 本発明の絶縁性フィルムは、 巻取り性に優れ、 ロー ルの巻き姿が良好で、 端面ズレも少なく良好である。 産業上の利用可能性
本発明の絶縁性フィルムは、 コンデンサ一の絶縁体として好適に用いることが できる。