明細書 熱可塑性樹脂組成物
、技術分野 >
本発明は、 ポ リ ア リ 一 レ ン スル フ ィ ドとポ リ ア ミ ドイ ミ ドとを含 有する熱可塑性樹脂組成物に関し、 さ らに詳し く は、 相溶性、 成形 性、 溶融流動性、 及び機械的物性が改善された熱可塑性樹脂組成物 に関する。
<背景技術 >
ポ リ フ ヱ ニ レ ン スルフ ィ ド (以下、 p p s と略記) に代表される ポ リ ア リ ー レ ンスルフ ィ ド (以下、 P A S と略記) は、 耐熱性、 難 燃性、 耐薬品性、 寸法安定性、 機械的物性等に優れたエ ン ジニア リ ングブラ スチ ッ ク であり、 電気 · 電子部品、 精密機械部品、 自動車 部品な どと して用途が広がっ ている。 しか しながら、 P A S は、 ガ ラス転移温度が比較的低く 、 かつ、 ガラス転移温度以上の温度領域 では、 弾性率が大き く低下するため、 1 0 0 °C以上の高温で高い弾 性率が求められる用途には、 その使用に制限があった。
一方、 ポ リ ア ミ ドイ ミ ドは、 耐熱性、 機械的強度、 電気特性、 耐 薬品性な どに優れたエン ジニア リ ン グプラ スチ ッ ク であ るが、 その 殆どのものは、 射出成形をする こ とが困難であ り、 従来よ り、 主と してワニスゃフ ィ ルム等の用途に使用されてきている。
特開平 6 - 3 0 6 2 8 3号公報には、 特定の構造の繰り返し単位 を有する芳香族ポ リ ア ミ ドイ ミ ド共重合体と P P S とをブ レ ン ドす るこ と によ り 、 耐熱性を損な う こ とな く溶融成形性が改良された樹
脂組成物の得られる こ とが開示されている。 しかしながら、 P A S とポ リ ア ミ ドイ ミ ドは、 相溶性が悪いため、 ブ レ ン ド して も充分な 機械的特性を有する樹脂組成物を得る こ とが困難であった。 く発明の開示〉
本発明の目的は、 ポ リ ア リ ー レ ン スルフ ィ ドとポ リ ア ミ ドイ ミ ド とを含有する樹脂組成物であって、 両者の相溶性が改善され、 成形 性、 溶融流動性、 及び機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提 供する こ とにある。
本発明の他の目的は、 ポ リ ア リ ー レ ンスルフ ィ ドの高温での弾性 率、 及びポ リ ア ミ ドィ ミ ドの射出成形性が共に改良され、 かつ、 射 出成形時に発生するバリ が抑制された熱可塑性樹脂組成物を提供す る こ とにある。
本発明者らは、 前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究 した結果、 P A S とポ リ ア ミ ドィ ミ ドとを含む樹脂成分に、 特定の 官能基を持つシ ラ ン化合物を添加する こ と によ り 、 両者の相溶性が 顕著に改善され、 成形性、 溶融流動性、 及び機械的物性に優れた熱 可塑性樹脂組成物の得られる こ とを見いだした。
また、 P A S とポ リ ア ミ ドイ ミ ドとを含む樹脂成分に、 繊維状ま たは非繊維状充填剤や他の樹脂などを配合した場合、 特定の官能基 を持つシ ラ ン化合物を添加するこ と によ り 、 添加剤成分を含む各成 分の相溶性が顕著に改善され、 諸特性に優れた熱可塑性樹脂組成物 が得られる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、 P A Sの難燃性、 耐薬品性、 寸 法安定性、 機械的物性と、 ポ リ ア ミ ドイ ミ ドの耐熱性、 機械的強度、 電気特性、 耐薬品性とを活かしつつ、 P A Sの高温での弾性率、 及
びポ リ ア ミ ドイ ミ ドの射出成形性や押出成形性を改良した ものであ る。
本発明は、 こ れ ら の知見に基づいて、 完成する に至っ た も のであ る。
本発明によれば、 ポ リ ア リ 一 レ ン ス ノレフ ィ ド ( A ) 4 0〜 9 9重 量%及びポ リ ア ミ ドイ ミ ド ( B ) 1 〜 6 0重量部%を含有する樹脂 成分 1 0 0重量部に対して、 ア ミ ノ 基、 ウ レイ ド基、 エポキ シ基、 イ ソ シァネ ー ト基、 及びメ ルカ プ ト基か らな る群よ り選ばれる少な く と も一種の官能基を含有する シ ラ ン化合物 ( C ) 0. 0 1 〜 1 0 重量部を含有せ しめてなる熱可塑性樹脂組成物が提供さ れる。
、発明を実施する ための最良の形態 >
ポ リ ア リ ー レ ンスノレフ ィ ド ( P A S )
本発明で使用する P A S と は、 式 [― A r — S — ] (ただ し、 ― A r —は、 ァ リ 一 レ ン基であ る。 ) で表されるァ リ 一 レ ン スルフ ィ ドの繰り返し単位を主たる構成要素とする芳香族ポ リ マーである。
[一 A r — S — ] を 1 モル (基本モル) と定義する と、 本発明で使 用する P A Sは、 こ の繰り返し単位を通常 5 0 モル%以上、 好ま し く は 7 0 モル%以上、 よ り好ま し く は 9 0モル%以上含有する ポ リ マーである。
ァ リ ー レ ン基と しては、 例えば、 p — フ エ二 レ ン基、 m— フ エ二 レ ン基、 置換フ エ 二 レ ン基 (置換基は、 好ま し く は、 炭素数 1 〜 6 のアルキル基ま たは フ エ ニル基である。 ) 、 p, p ' ー ジ フ エニ レ ンスルホ ン基、 p, p ' ー ビフ エ二 レ ン基、 p , p ' ー ジ フ エニ レ ンカルボニル基、 ナ フ チ レ ン基な どを挙げる こ とができ る。 P A S と しては、 主と して同一のァ リ ー レ ン基を有する ポ リ マーを好ま し
く 用いる こ とがで き るが、 加工性や耐熱性の観点か ら、 2 種以上の ァ リ 一 レ ン基を含んだコ ポ リ マーを用いる こ と もでき る。
こ れ らの P A S の中で も、 p — フ エ 二 レ ンス ルフ ィ ドの繰り返し 単位を主構成要素とする P P Sが、 加工性に優れ、 しか も工業的に 入手が容易である こ とか ら特に好ま しい。 こ の他に、 ポ リ ア リ 一 レ ン ケ ト ンスルフ ィ ド、 ポ リ ア リ ー レ ン ゲ ト ンケ ト ン スノレフ ィ ドな ど を使用する こ とができ る。 コポ リ マーの具体例と しては、 p — フ エ 二レ ンスノレフ ィ ドの繰り返し単位と m — フ ヱ ニ レ ン スルフ ィ ドの繰 り返し単位を有する ラ ンダムまたはプロ ク コ ポ リ マー、 フ エ二 レ ン スルフ ィ ドの繰 り返 し単位と ァ リ 一 レ ンケ ト ン スノレフ ィ ドの繰り返 し単位を有する ラ ン ダムまたはブロ ッ ク コポ リ マー、 フ ヱ ニ レ ン ス ルフ ィ ドの繰り返 し単位とァ リ ー レ ン ゲ 卜 ンケ ト ンスルフ ィ ドの繰 り返し単位を有する ラ ンダムまたはブロ ッ ク コ ポ リ マー、 フ エニ レ ン スルフ ィ ドの繰り返し単位とァ リ ー レ ン スルホ ン スルフ ィ ドの繰 り返し単位を有する ラ ンダムま たはブロ ッ ク コ ポ リ マーな どを挙げ る こ とができ る。 これらの P A S は、 結晶性ポ リ マーである こ とが 好ま しい。 P A S は、 靭性ゃ強度な どの観点か ら、 直鎖状ある いは 僅かに分岐 · 架橋されたポ リ マーであ る こ とが好ま しい。
このよ う な P A S は、 極性溶媒中で、 アル力 リ 金属硫化物と ジハ ロゲン置換芳香族化合物とを重合反応させる公知の方法 (例えば、 特公昭 6 3 — 3 3 7 7 5号公報) によ り得る こ とができ る。
アル力 リ 金属硫化物と しては、 例えば、 硫化 リ チウ ム、 硫化ナ ト リ ウ ム、 硫化カ リ ウ ム、 硫化ルビジウ ム、 硫化セ シ ウ ムな どを挙げ る こ とができ る。 反応系中で、 N a S H と N a O Hを反応させる こ とによ り 生成させた硫化ナ 卜 リ ゥ ム も使用する こ とができ る。
ジハ 口 ゲ ン置換芳香族化合物と しては、 例えば、 p — ジ ク ロ 口べ
ンゼン、 m — ジ ク ロ 口ベ ンゼ ン、 2 , 5 — ジ ク ロ ロ ト ノレェ ン、 p — ジブロ モベ ンゼ ン、 2, 6 — ジ ク ロ 口 ナ フ タ リ ン、 1 ー メ 卜 キ シ ー 2, 5 — ジ ク ロ ロ ベ ンゼ ン、 4 , 4 ' ー ジ ク ロ ロ ビフ エ ニル、 3 , 5 — ジ ク ロ 口安息香酸、 p , p ' — ジ ク ロ ロ ジ フ エ ニノレエー テノレ、 4 , 4 ' ー ジク ロ ロ ジフ エ ニルスルホ ン、 4 , 4 ' — ジ ク ロ ロ ジ フ エ ニルエーテル、 4 , 4 ' ー ジ ク ロ ロ ジ フ エ ニルスルホ ン、 4 , 4 ' ー ジ ク ロ 口 ジ フ ヱ ニルスルホキ シ ド、 4 , 4 ' — ジ ク ロ ロ ジ フ エ二 ルケ ト ンな どを挙げる こ とができ る。 これ らは、 それぞれ単独で、 あ る いは 2 種以上を組み合わせて使用する こ とができ る。
P A S に多少の分岐構造ま たは架橋構造を導入するために、 1 分 子当た り 3 個以上のハロゲン置換基を有する ポ リ ハ ロ ゲ ン置換芳香 族化合物を少量併用する こ と ができ る。 ポ リ ハ口ゲン置換芳香族化 合物の好ま しい例と しては、 1 , 2, 3 — ト リ ク ロ口ベンゼン、 1 , 2, 3 — 卜 リ ブロ モベ ンゼ ン、 1 , 2 , 4 一 ト リ ク ロ 口ベ ンゼ ン、 1 , 2 , 4 一 卜 リ ブロ モベ ンゼ ン、 1 , 3, 5 — ト リ ク ロ 口 べ ンゼ ン、 1 , 3 , 5 — ト リ ブロ モベ ンゼ ン、 1 , 3 — ジ ク ロ 口 一 5 — ブ ロ モベ ンゼ ンな どの 卜 リ ハ ロ ゲ ン置換芳香族化合物、 及びこ れ ら の アルキル置換体を挙げる こ とができる。 これ らは、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて使用する こ とができ る。 これ らの 中でも、 経済性、 反応性、 物性な どの観点から、 1 , 2 , 4 — ト リ ク ロ 口ベ ンゼ ン、 1 , 3 , 5 — ト リ ク ロ 口ベ ンゼ ン、 及び 1 , 2 , 3 — ト リ ク ロ 口ベ ンゼ ンがよ り好ま しい。
極性溶媒と しては、 N — メ チル— 2 — ピロ リ ド ン (以下、 N M P と略記) な どの N — アルキル ピ ロ リ ド ン、 1 , 3 — ジ アルキル一 2 ー ィ ミ ダゾ リ ジ ノ ン、 テ ト ラ アルキル尿素、 へキサアルキル燐酸 卜 リ ア ミ ドな どに代表される ァ プロ チ ッ ク有機ア ミ ド溶媒が、 反応系
の安定性が高く 、 高分子量のポ リ マーが得やすいので好ま しい。 本発明で使用する P A Sは、 温度 3 1 0 °C、 剪断速度 1 2 0 0ノ 秒で測定した溶融粘度が、 通常 1 0 ~ 5 0 0 P a * s 、 好ま し く は 1 5〜 4 5 0 P a · s の範囲内のものである。 P A Sの溶融粘度が 小さすぎる と、 機械的物性が不充分となるおそれがある。 P A Sの 溶融粘度が大きすぎると、 射出成形性及び押出成形性が不充分とな るおそれがある。
本発明で使用する P A Sは、 重合終了後の洗浄したものを使用す るこ とができるが、 さ らに、 塩酸、 酢酸などの酸を含む水溶液、 あ るいは水 -有機溶媒混合液によ り処理された ものや、 弱酸弱塩基か らなる塩溶液で処理を行ったものな どを使用するこ とが好ま しい。 特に、 アセ ト ンノ水 = 1 : 2 に調整した水—有機溶媒混合液中での p Hが 8. 0以下を示すよう になるまで洗浄処理した P A Sを用い ると、 樹脂組成物の溶融流動性及び機械的物性をより一層向上させ る こ とができ る。
本発明で使用する P A S は、 1 0 0 / m以上の平均粒子径を有す る粒状物である こ とが望ま しい。 P A Sの平均粒子径が小さすぎる と、 押出機による溶融押出の際、 フ ィ ー ド量が制限されるため、 熱 可塑性樹脂組成物の押出機内での滞留時間が長く な り、 樹脂の劣化 などの問題が生じるおそれがあ り、 また、 製造効率上も望ま し く な い o
本発明の樹脂組成物中の P A S の配合割合は、 P A S とポ リ ア ミ ドイ ミ ドとの合計量を基準と して、 4 0〜 9 9重量%でぁ り、 好ま しく は 4 5〜 9 5重量%、 より好ま しく は 5 0〜 8 5重量%である。 P A Sの配合割合が小さすぎると、 機械的強度が低下するとと もに、 射出成形性及び押出成形性が不充分となる。 P A Sの配合割合が大
きすぎる と、 1 5 0 °C以上の高温での弾性率向上効果が不充分にな り、 バ リ 抑制効果も不充分になる。
ポ リ ア ミ ドイ ミ ド
本発明で使用される ポ リ ア ミ ドイ ミ ド (以下、 P A I とい う こ と がある) は、 通常、 芳香族 卜 リ 力ルポン酸無水物と芳香族ジァ ミ ン とから製造さ れ、 構造的には、 イ ミ ド基とア ミ ド基を交互に含む形 を したポ リ マーであ る。
ポ リ ア ミ ドィ ミ ドは、 一般に、 式 ( 1 )
(式中、 A r は、 少な く と も一つの炭素 6員環を含む 3 価の芳香族 基であ り、 Rは、 2価の芳香族基または脂肪族基であ り、 R 1 は、 水 素原子、 アルキル基、 ま た フ ヱニル基である。 ) で表される単位を 主要単位構造と して有する ポ リ マ —である。 式 ( 1 ) 中のイ ミ ド結 合の一部 (好ま し く は 5 0 モル%未満、 よ り好ま し く は 3 0 モル% 未満) は、 ア ミ ド結合のま ま でと どま っ ていて もよい。
本発明に用い られるポ リ ア ミ ドイ ミ ドと しては、 式 ( 1 ) で表さ れる繰り返 し単位を 1 0 0 モル%有する も ものが特に好ま しいが、 その他の繰り返 し単位を好ま し く は 5 0 モル%以下、 よ り好ま し く は 3 0 モル%以下の割合で含有する コ ポ リ マ ー も用いる こ とができ る。
その他の繰 り返し単位と しては、 下記の式 ( 2 ) ない し ( 4 ) で 表される各繰 り返し単位を挙げる こ と ができ る。 コポ リ マーは、 こ れらの繰 り 返 し単位を 1 種ま たは 2 種以上を有 していて も よ い。
•R一 NH C一 NH. (2)
II
0
(式中、 A r 1は、 少な く と も一つの炭素 6員環を含む 2価の芳香族 基または脂肪族基であり、 Rは、 2価の芳香族基または脂肪族基で ある。 ) con
A
Γ
(式中、 A r ώは、 少な く とも一つの炭素 6員環を含む 4価の芳香族 基であり、 Rは、 2価の芳香族基または脂肪族基である。 )
(式中、 A r 2は、 少な く とも一つの炭素 6員環を含む 4価の芳香族 基であり、 Rは、 2価の芳香族基または脂肪族基である。 )
前記式 ( 1 ) において、 3価の芳香族基 (A r ) の具体例と して は、 式 ( 5 ) ない し ( 8 ) で表される基が挙げられる。
れらの中でも、 式 ( 5 ) の基が好ま しい
ま た、 2価の芳香族基または脂肪族基 (R) の具体例と しては ( 9 ) ない し ( 3 5 ) で表される基が挙げられる。
-CPU (n=2〜12) (35) これらの中でも、 好ま しいものは、 式 ( 9 ) 、 ( 1 0 ) 、 ( 1 1 ) 、 ( 1 6 ) 、 ( 1 7 ) 、 ( 2 0 ) 、 ( 2 3 ) 、 ( 2 4 ) 、 ( 2 7 ) 、 及び ( 2 8 ) で表される基であ り、 特に好ま しいものは、 式 ( 9 ) 、 ( 1 0 ) 、 ( 1 1 ) 、 ( 2 0 ) 、 ( 2 3 ) 、 及び ( 2 4 ) で表され る基であり、 最も好ま しいものは、 式 ( 9 ) 、 ( 1 1 ) 、 及び ( 2 0) で表される基である。
前記式 ( 2 ) において、 A r
1の具体例と しては、 前記式 ( 9 ) 、 ( 1 0 ) 、 ( 1 6 ) 、 ( 1 7 ) 、 ( 1 8 ) 、 ( 1 9 ) 、 ( 2 9 ) 、 ( 3 0 ) 、 及び ( 3 5 ) で表さ れる基に加えて、 下記の式 ( 3 6 ) ない し ( 4 1 ) で表される基が挙げ られる。
前記式 ( 3 ) 及び ( 4 ) において、 A r
2の具体例と しては、 次の 式 ( 4 2 ) 及び ( 4 3 ) で表される基が挙げられる。
前記式 ( 1 ) ない し ( 4 ) で表さ れる各繰り返し単位は、 ポ リ ァ ミ ドイ ミ ド中に、 異なった A r、 A r 1、 A r 2、 または Rに対応する 一種以上が存在 して もよい。
ポ リ ア ミ ドイ ミ ドは、 (ィ ) 芳香族 卜 リ カルボン酸無水物ハライ ドと ジア ミ ンを溶媒中で反応させる方法 (酸ク ロ リ ド法) 、 (口) 芳香族 卜 リ カルボン酸無水物と ジァ ミ ンを溶媒中で反応させる方法 (直接重縮合法) 、 (ハ) 芳香族 ト リ 力ルポン酸無水物と ジイ ソ シ ァネ一 卜 を溶媒中で反応させる方法 (イ ソ シァネー 卜法) な どの方 法によ り製造可能である。
前記 (ィ ) の酸ク ロ リ ド法においては、 2種類以上の芳香換 卜 リ 力ルボン酸無水物ハライ ドと ジァ ミ ンを用いて もよ く 、 ま た、 必要 に応じて、 ジカルボン酸ジク ロ ラ イ ドゃ芳香族テ 卜 ラ カルボン酸無 水物を反応させて も よい。 反応は、 ト リ エチルア ミ ン、 水酸化ナ ト リ ゥムなどのハ口ゲン化水素受容剤の存在下または不存在下で、 N M P
などの極性溶媒中で反応させても、 あるいは、 同様にハロゲン化水 素受容剤の存在下で、 水と一部でも混和する有機溶媒 (例えば、 ァ セ 卜 ン) と水との混合溶媒中で反応させるこ とができ る。
前記 (口) の直接重縮合法においては、 2種類以上の芳香族 ト リ カルボン酸無水物とジア ミ ンを用いてもよ く 、 また、 必要に応じて、 ジカルボン酸ゃ芳香族テ ト ラ力ルボン酸無水物を反応させてもよい。 反応は、 脱水触媒の存在または不存在下で、 N M Pなどの極性溶媒 中、 あるいは無溶媒下で行う こ とができ る。
前記 (ハ) のイ ソ シァネ一 卜法においては、 2種類以上の芳香族 ト リ カルボン酸無水物とジイ ソシァネー トを用いてもよ く 、 また、 必要に応じて、 ジカルボン酸ゃ芳香族テ ト ラカルボン酸無水物を反 応させてもよい。 反応は、 N M Pなどの極性溶媒中、 あるいは無溶 媒下で行う こ とができる。 また、 この方法において、 厳密に規定さ れた水分量で反応を行う こ と 、 反応温度を多段階に制御して、 ア ミ ド基の生成が終了 してからイ ミ ド基の生成反応を行う こ と、 必要に 応じて触媒を用いる こ と、 酸無水物化合物とカ ルボ ン酸化合物のモ ル比を厳密に制御して反応させる こ となどは、 反応の効率化、 生成 ポ リ マ—の構造制御、 分子量調節から有効な手段である。
以上の各方法において、 分子量調整またはポ リ マ一末端の構造制 御を目的と して、 安息香酸な どのモ ノ カ ルボ ン酸類 ; 安息香酸ク ロ ラ イ ドな どの酸ク ロ ラ イ ド類 ; 無水コハ ク酸、 ナ フ タ レ ン ジカルボ ン酸無水物などのジカルボ ン酸無水物類 ; フ ニ二ルイ ソ シァネ一 卜 な どのモ ノ ィ ソ シ ァネ一 ト類 ; フ ノ 一ル類とい っ た一官能性化合 物を用いる こ とができる。 また、 以上の各方法で得られたポ リ マー は、 必要に応じて、 ア ミ ド酸構造をィ ミ ド環に転換するために、 熱 処理を加える こ とができ る。
本発明に使用されるポ リ ア ミ ドイ ミ ドは、 溶液中で重合反応を行つ た場合、 反応終了後の溶液またはスラ リ ーを、 メ タノール、 エタノ ー ル、 イ ソプロノ、。ノ ールな どのアルコ ール類 ; アセ ト ン、 メ チルェチ ルケ ト ンな どのケ ト ン類 ; へキサ ンな どの脂肪族炭化水素類 ; ベ ン ゼン、 トルエ ンな どの芳香族炭化水素類により、 沈殿、 洗浄する こ とによ り回収される。 重合反応終了後、 溶媒を直接蒸発除去してポ リ マ一を析出させた後、 上記の溶媒で洗浄して回収して もよい。 ィ ソ シァネー ト法においては、 重合反応終了後、 溶媒をある程度濃縮 した後、 押出機などによ り減圧下で溶媒を除去する こ と もできる。 本発明に用いられるポ リ ア ミ ドイ ミ ドは、 (ィ) 、 (口) 、 及び
(ハ) のいずれの方法で製造されたものであってもよいが、 射出成 形、 押出成形用途に用いる場合、 生成ポ リ マーの構造制御及び分子 量調節の容易さの点から、 (ハ) のイ ソ シァネー ト法によ り調製さ れたポ リ ア ミ ドイ ミ ドを好適に用いる こ とができる。 また、 本発明 に用いる ポ リ ア ミ ドィ ミ ドは、 濃度 1 g / d 1 のジメ チルホルムァ ミ ド中、 3 0 °Cで測定した還元粘度が、 通常 0. 1 0〜 1. 5 0 d l ノ g、 好ま し く は 0. 1 2〜 1. O O d l Z g、 より好ま し く は 0. 1 5〜 0. S O d l / gである。
樹脂組成物中のポ リ ア ミ ドイ ミ ドの配合割合は、 P A S とポ リ ア ミ ドィ ミ ドと の合計量を基準と して、 1 〜 6 0重量%であり、 好ま しく は 5 〜 5 5重量%、 より好ま し く は 1 5〜 5 0重量%でぁる。 ポリ ア ミ ドイ ミ ドの配合割合が小さすぎる と、 高温での弾性率向上 効果が不充分にな り、 大きすぎる と、 機械的強度が低下する と と も に、 射出成形性及び押出成形性が不充分となる。
シラ ン化合物
本発明に使用される官能基含有シ ラ ン化合物とは、 ア ミ ノ基、 ゥ
レイ ド基、 エポキシ基、 イ ソシァネー ト基、 及びメ ルカプ ト基から なる群よ り選ばれる少な く と も一種の官能基を分子中に含有する シ ラ ン化合物である。 官能基含有シ ラ ン化合物は、 通常、 こ れ らの官 能基のう ちのいずれか 1個を分子中に含有する ものであればよいが、 場合によ っては、 これらの官能基の 2種以上を分子中に含有する も のであ っ てもよい。 また、 本発明で使用する シ ラ ン化合物は、 通常、 前記の如き官能基を分子中に含有するアルコキシシラ ンまたはハ ロ シ ラ ンであ る。
官能基含有シ ラ ン化合物の具体例と しては、 7 — ァ ミ ノ プロ ピル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン、 ァ ー ァ ミ ノ プロ ピル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン、 7 ー ァ ミ ノ プロ ピルメ チルジ メ ト キ シ シ ラ ン、 7 — ア ミ ノ プロ ピルェ チル ジェ ト キ シ シ ラ ン、 γ — ア ミ ノ プロ ピルメ チノレジェ ト キ シ シ ラ ン、 Ν — ( /5 — ア ミ ノ エチル) 一 7 — ァ ミ ノ プロ ビル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン、 Ν — ( /S — ア ミ ノ エチル) 一 7 — ァ ミ ノ プロ ピルメ チルジ メ ト キ シ シ ラ ン、 ァ ー フ エ 二ルー 7 — ァ ミ ノ プロ ピル 卜 リ メ ト キ シ シ ラ ン、 ァ 一 ゥ レイ ドプロ ピル ト リ エ ト キ シ シ ラ ンな どのア ミ ノ 基 を含有する シ ラ ン化合物 ; 7 — ゥ レ イ ドプロ ビル ト リ メ トキシ シ ラ ン、 7 — ウ レイ ドプロ ピノレメ チル 卜 リ メ 卜 キ シ シ ラ ン、 7 — ゥ レイ ドプロ ピル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン、 ァ ー ゥ レイ ドプロ ピルメ チノレ ト リ エ ト キ シ シ ラ ン、 ァ 一 ( 2 — ゥ レ イ ドエチル) ァ ミ ノ プロ ビノレ ト リ メ 卜キ シ シ ラ ンな どの ウ レィ ド基を含有する シ ラ ン化合物 ; ァ ーグ リ シ ドキ シ プロ ビル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン、 7 — グ リ シ ドキ シ プロ ピ ルジメ チノレメ ト キ シ シ ラ ン、 ァ ー グ リ シ ドキ シ プロ ビル ト リ エ ト キ シ シ ラ ン、 7 — グ リ シ ドキ シ プロ ピノレメ チノレジェ ト キ シ シ ラ ン、 β — ( 3, 4 一エポキ シ シク ロへキシル) ェチル ト リ メ ト キシ シ ラ ン、 β - ( 3 , 4 一 エポキ シ シ ク ロ へキ シ ル) ェチル ト リ エ ト キ シ シ ラ
ンな どのエポキ シ基を含有する シ ラ ン化合物 ; ァ — イ ソ シ ァネー 卜 プロ ビル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン、 ァ ー イ ソ シァネ ー ト プロ ビルメ チル ジ メ ト キ シ シ ラ ン、 ァ 一 イ ソ シァ ネ ー ト プロ ピノレ ト リ エ ト キ シ シ ラ ン 、 7 一 イ ソ シ ァネー ト プロ ピルメ チルジェ ト キシ シ ラ ン、 ァ 一 ィ ソ シァネ 一 卜 プロ ピノレエチルジメ ト キ シ シ ラ ン、 γ — イ ソ シ ァネー ト プロ ピルェチノレジェ ト キ シ シ ラ ン、 ァ 一 イ ソ シ ァネ ー ト プロ ピル 卜 リ ク ロ ロ シラ ンな どのィ ゾシァネ一 卜基を含有する シ ラ ン化合物 ; 7 — メ ルカ プ ト プロ ピルメ チルジ メ ト キ シ シ ラ ン、 ァ 一 メ ルカ プ ト プロ ビル ト リ エ 卜 キ シ シ ラ ン、 7 — メ ノレカ プ ト プロ ピルメ チノレジメ ト キ シ シ ラ ン、 ァ 一 メ ノレカ プ ト プロ ピルメ チノレジェ ト キ シ シ ラ ン、 /3 — メ ノレカ プ ト ェチル 卜 リ メ ト キ シ シ ラ ン、 S — メ ノレカ プ ト ェチノレ 卜 リ エ ト キ シ シ ラ ン、 /3 — メ ルカ プ ト ェチノレジメ ト キ シ シ ラ ンな ど の メ ルカ プ ト基を含有する シ ラ ン化合物 ; 等が挙げられる。
こ れ らの官能基を含有する シ ラ ン化合物は、 好ま し く は、 ァ ミ ノ 基、 ゥ レイ ド基、 エポキシ基、 イ ソ シァネー ト基、 及びメ ルカ プ ト 基か らな る群よ り選ばれる少な く と も一種の官能基を含有するアル コキ シ シ ラ ン化合物ま たはハ ロ シ ラ ン化合物である。 ま た、 官能基 を含有するアルコキ シ ン ラ ン化合物は、 好ま し く は、 官能基で置換 されたアルキル基と アルコ キ シ基とを有する官能基置換アルキル ' アルコキシ シ ラ ン化合物であ る。 官能基置換ァルキル · アルコキシ シラ ン化合物は、 好ま し く は、 官能基で置換されたアルキル基の炭 素原子数が 1 〜 4個で、 かつ、 アルコキシ基の炭素原子数が 1 〜 4 個のシラ ン化合物、 すなわち 「官能基置換 〜 c 4 ) アルキル ' ( C { 〜 c 4 ) アルコキシ シ ラ ン化合物」 である。 こ のよ う な官能基 置換アルキル ' アルコ キ シ シ ラ ン化合物と しては、 例えば、 ァ ー ァ ミ ノ プロ ピル ' ト リ アル コ キ シ シ ラ ン化合物、 ァ ― グ リ シ ドキシプ
口 ピル ' ト リ アルコ キ シ シ ラ ン、 7 — メ ルカ プ ト プロ ピル ' 卜 リ ア ノレコ キ シ シ ラ ン、 ァ 一 イ ソ シァネ ー ト プロ ピル ' ト リ ァノレコ キ シ シ ラ ン、 または 7 — ウ レイ ドプロ ピル . 卜 リ アルコキシ シ ラ ンな どが、 添加効果に優れ、 しかも入手が容易である ものと して例示するこ と ができ る。
これらの官能基含有シラ ン化合物は、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて使用する こ とができる。 官能基含有シラ ン 化合物の配合割合は、 P A S とポ リ ア ミ ドイ ミ ドと の合計量 1 0 0 重量部に対して、 0. 0 1 〜 1 0重量部、 好ま し く は 0. 0 5〜 8 重量部、 よ り好ま し く は 0. 1 〜 5重量部である。 こ れ らの官能基 含有シラ ン化合物の配合割合が小さすぎると、 添加による機械的特 性の改良効果が小さ く 、 逆に、 大きすぎると、 成形加工過程でガス を発生し易 く 、 成形品にボイ ドが生じやすく なる。 官能基含有シラ ン化合物は、 多く の場合、 樹脂成分 1 0 0重量部に対して、 0. 3 〜 2重量部程度で充分な効果を発揮するこ とができる。 ただし、 多 量の充填剤を配合する場合などは、 十分な相溶性を得るために、 樹 脂成分に対して比較的多量の官能基含有シラ ン化合物を配合する こ とが好ま しい。 樹脂成分と各種添加剤とを含有する樹脂組成物の全 量を基準にする と、 官能基含有シ ラ ン化合物は、 通常、 0. 1 〜 2 重量%、 好ま し く は 0. 3 〜 1 重量%程度で相溶化の効果を発揮す る こ と がで き る。
有機ァ ミ ド化合物
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、 少量の有機ア ミ ド化合物を添加 する こ と によ り 、 溶融流動性及び機械的物性を高めるこ とができ る。 有機ア ミ ド化合物と しては、 例えば、 N , N—ジメ チルホルムァ ミ ド、 N, N— ジ メ チルァセ 卜 ア ミ ド等のア ミ ド類 ; N— メ チルー
2 — ピロ リ ド ン、 N — シク ロへキシノレ 一 2 — ピロ リ ド ン等の N — ァ ルキルピロ リ ド ン類または N — シク ロ アルキルピロ リ ド ン類 ; N— メ チノレ 一 £ — 力 プロ ラ ク タ ム、 N— シ ク ロへキシノレ力プロ ラ ク タ ム などの N — アルキノレカプロ ラ ク タ ム類ま たは N — シク 口 アルキル力 プロラ ク タ ム類 ; £ 一力プロ ラ ク タムな どの力プロラ ク タム類 ; 1,
3 — ジメ チルー 2 — ィ ミ グゾ リ ジ ノ ン等の N , N — ジアルキルィ ミ ダゾ リ ジノ ン類 ; テ ト ラ メ チル尿素等のテ ト ラ アルキル尿素類 ; へ キサメ チル燐酸 ト リ ア ミ ド等のへキサアルキルリ ン酸 ト リ ア ミ ド類 ; 等が挙げられる。 これらの有機ア ミ ド化合物は、 それぞれ単独で用 いて も よ い し、 2種類以上を組み合わせて用いて もよい。
有機ア ミ ド化合物の中でも、 N —アルキルピロ リ ドン類、 N— シ ク ロアルキル ピロ リ ドン類、 N — アルキル力 プロ ラ ク タ ム類、 N— シク ロ アルキル力 プロ ラ ク タ ム類、 力 プロ ラ ク タ ム類、 及び N, N ー ジアルキルィ ミ ダゾ リ ジノ ン類が好ま し く 、 N —アルキルピロ リ ドン類、 力 プロ ラ ク タ ム類、 及び N, N — ジアルキルイ ミ ダゾ リ ジ ノ ン類が特に好ま しい。
有機ア ミ ド化合物の配合割合は、 P A S とポ リ ア ミ ドイ ミ ドとの 合計量 1 0 0重量部に対して、 通常 0 . 0 1〜 1 0重量部、 好ま し く は 0 . 1 〜 8重量部、 よ り好ま し く は 0 . 5〜 5重量部である。 有機ァ ミ ド化合物の配合割合が小さすぎると、 溶融流動性と機械的 物性の改良効果が小さ く、 大きすぎると、 強度が低下したり、 ブリ ー ドするなどの好ま し く ない現象が起こ るおそれがある。
その他の熱可塑性樹脂
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、 本発明の前記目的を損なわな い範囲内において、 その他の熱可塑性樹脂を添加する こ とができ る。 その他の熱可塑性樹脂と しては、 高温において安定な熱可塑性樹脂
が好ま しい。
その他の熱可塑性樹脂と しては、 例えば、 ポ リ エチ レ ン テ レ フ タ レー ト ゃポ リ ブチ レ ンテ レフ タ レー ト等の芳香族ポ リ エステル ; ポ リ テ ト ラ フ ルォロエチ レ ン ( P T F E ) 、 テ ト ラ フノレォ ロエチ レ ン ノへキサフルォロプロ ピレ ン共重合体、 テ ト ラ フルォロエチ レ ンノ ノ、 °— フルォ ロ アルキノレビニルエーテル共重合体、 ポ リ ク ロ ロ ト リ フ ルォロエチ レ ン、 ポ リ フ ツイ匕ビニ リ デン、 ポ リ フ ツイ匕ビニ リ デン / へキサフルォロ プロ ピレ ン共重合体、 プロ ピレ ン /テ ト ラ フルォロ エチ レ ン共重合体、 フ ッ化ビニ リ デン Zク ロ 口 ト リ フルォ ロェチ レ ン共重合体、 エチ レ ン/へキサフルォロプロ ピレ ン共重合体等のフ ッ 素樹脂 ; ポ リ エチ レ ン、 ポ リ プロ ピ レ ンな どのポ リ オ レ フ ィ ン ; ポ リ アセタ ール、 ポ リ スチ レ ン、 ポ リ ア ミ ド、 ポ リ カ ーボネー ト、 ポ リ フ エ二 レ ンエーテル、 ポ リ アルキルァ ク リ レー ト 、 A B S樹脂、 ポ リ塩化ビニル、 液晶ポ リ エステル、 ポ リ エ一テルエ一テルケ ト ン、 ポ リ ェ一テルケ ト ン、 ポ リ サルフ ォ ン、 ポ リ エーテルサルフ ォ ンな どを挙げる こ とができ る。
これらの熱可塑性樹脂は、 それぞれ単独で、 ある いは 2種以上を 組み合わせて使用する こ とができ る。 ただ し、 その他の熱可塑性樹 脂は、 多 く の場合、 P A S と ポ リ ア ミ ドイ ミ ドとの樹脂組成物の諸 特性を損なわない少量の範囲内で使用される。 その他の熱可塑性樹 脂の好ま しい配合割合は、 P A S とポ リ ア ミ ドイ ミ ドとの合計量 1 0 0 重量部に対 して、 5 0重量部以下であ り 、 よ り 好ま し く は 3 0重量 部以下であ る。
充填剤
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、 所望によ り 、 各種充填剤を配 合する こ と ができ る。 充填剤と しては、 例えば、 ガラ ス繊維、 炭素
繊維、 アスベス ト繊維、 シ リ 力繊維、 ァル ミ ナ繊維、 ジルコニァ繊 維、 窒化硼素繊維、 窒化珪素繊維、 硼素繊維、 チタ ン酸カ リ ウ ム繊 維 (ゥイ ス力一) などの無機繊維状物 ; ステ ン レス、 アルミ ニウム、 チタ ン、 鋼、 真ちゆ う等の金属繊維状物 ; ポ リ ア ミ ド、 フ ッ素樹脂、 ポリエステル樹脂、 アク リ ル樹脂などの高融点の有機質繊維状物 (例 えば、 ァラ ミ ド繊維) ; 等の鏃維状充填剤が挙げられる。 .
非繊維状の充填剤と しては、 例えば、 マイ力、 シ リ カ、 タルク、 アル ミ ナ、 カオ リ ン、 硫酸カルシ ウ ム、 炭酸カルシウ ム、 酸化チタ ン、 磁性粉 (例えば、 フ ユ ライ ト) 、 ク レー、 ガラス粉、 酸化亜鉛、 炭酸ニ ッ ケル、 酸化鉄、 石英粉末、 炭酸マグネ シ ウム、 硫酸バ リ ゥ ム等の粒状、 粉末状またはフ レーク状充填剤を挙げるこ とができる。 充填剤と して、 導電性カーボンブラ ッ クなどの導電性充填剤を使用 する こ と もでき る。
これらの充填剤は、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合 わせて使用する こ とができる。 また、 充填剤は、 必要に応じて、 集 束剤または表面処理剤によ り処理されていて もよい。 集束剤または 表面処理剤と しては、 例えば、 ェポキシ系化合物、 イ ソ シァネー ト 系化合物、 チタネ一 ト系化合物などの官能性化合物が挙げられる。 これ らの化合物は、 充填剤に対して、 予め表面処理または集束処理 を施して用いるか、 あるいは組成物の調整の際に同時に添加しても よい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、 必要に応じて、 これら充填剤 を、 樹脂成分 1 0 0重量部に対して、 通常 0 〜 8 0 0重量部、 好ま し く は 0 〜 5 0 0重量部、 よ り好ま し く は 0 〜 3 0 0重量部の範囲 内で配合するこ とができ る。 充填剤の配合割合は、 目的とする機能 によっても異なる。 例えば、 フ ヱ ライ トなどの磁性粉を配合して、
熱可塑性樹脂組成物を磁性材料と して使用する場合には、 樹脂成分 1 0 0樹脂に対して、 通常、 1 0 0 〜 8 0 0重量部程度の磁性粉を 配合する。 アルミ ナなどの熱伝導性充填剤を配合して、 熱可塑性樹 脂組成物を熱伝導材料と して使用する場合には、 樹脂成分 1 0 0重 量部に対して、 通常、 5 0 〜 3 0 0重量部程度の充填剤を配合する。 導電性カーボンブラ ッ ク の場合には、 所望の体積抵抗率に応じて、 樹脂成分 1 0 0重量部に対して、 通常、 1 〜 1 0 0重量部程度を配 合する。
特に、 充填剤と して、 ガラ ス鏃維な どの無機繊維状充填剤を配合 すると、 引っ張り強さ、 曲げ強さ、 曲げ弾性率、 曲げたわみな どの 機械的物性に優れた樹脂組成物を得る ことができる。 これらの機械 的物性を改善するために無機繊維状充填剤を配合する場合は、 樹脂 成分 1 0 0重量部に対して、 好ま し く は 1 〜 3 0 0重量部、 よ り好 ま し く は 5 〜 1 5 0重量部、 特に好ま しく は 1 0 〜 1 0 0重量部の 割合で配合する。
また、 ガラ ス繊維を充填した熱可塑性樹脂組成物は、 広範な分野 の絶縁材料と して好適である。 炭素繊維を充填した熱可塑性樹脂組 成物は、 導電、 摺動材料と して好適である。 カーボ ンブラ ッ クを充 填した熱可塑性樹脂組成物は、 導電材料と して好適である。 ァラ ミ ド鏃維、 P T F E、 チタ ン酸カ リ ウ ム ウイ スカ一を充填 した熱可塑 性樹脂組成物は、 摺動材料と して好適である。 アルミ ナを充填した 熱可塑性樹脂組成物は、 熱伝導材料と して好適である。 シ リ カを充 填した熱可塑性樹脂組成物は、 封止材料と して好適である。 フ ェ ラ イ トを充填した熱可塑性樹脂組成物は、 磁性材料と して好適である。 所望に応じて、 2種以上の繊維状充填剤、 2種以上の非繊維状充 填剤、 少な く と も一種の繊維状充填剤と少な く と も一種の非繊維状
充填剤を、 それぞれ併用するこ とができ る。 また、 少な く と も一種 のその他の熱可塑性樹脂と少な く と も一種の充填剤 (繊維状充填剤 及び Zまたは非繊維状充填剤) を併用する こ とができ る。 具体例と しては、 少な く と も一種の繊維状充填剤 (例えば、 ガラ ス繊維) と 導電性カーボンブラ ッ ク との併用、 P T F E とチタ ン酸カ リ ウ ム繊 維との併用などが挙げられる。
その他の添加剤
本発明の樹脂組成物には、 前記以外のその他の添加剤と して、 例 えば、 エチ レ ング リ シ ジルメ タ ク リ レー 卜 のよ う な樹脂改良剤、 ぺ ンタエ リ ス リ 卜一ルテ ト ラ ステア レー トのよ う な滑剤、 酸化防止剤、 熱硬化性樹脂、 紫外線吸収剤、 ボ ロ ンナイ ト ライ ドのよ う な核剤、 難燃剤、 染料や顔料等の着色剤等を適宜添加するこ とができ る。 熱可塑性樹脂組成物
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、 一般に合成樹脂組成物の調製に 用いられる設備と方法によ り調製する こ とができ る。 例えば、 各原 料成分をへンシヱルミ キサーやタ ンブラ 一等により予備混合し、 必 要があればガラス繊維等の充填剤を加えてさ らに混合した後、 1軸 または 2軸の押出機を使用 して混練し、 押し出して成型用ペレ ツ ト とする方法により調製することができる。 必要成分の一部をマスタ一 バッ チと してか ら残りの成分と混合する方法、 また、 各成分の分散 性を高めるために、 使用する原料の一部を粉砕し、 粒径をそろえて 混合し溶融押出する方法も採用する こ とが可能である。
本発明の樹脂組成物は、 射出成形や押出成形などの一般的溶融成 形加工法を適用 して、 シ一 卜、 フ ィ ルム、 チューブ、 その他の成形 品に成形加工する こ とができ る。 成形品は、 1 5 0 °C以上での高温 剛性、 難燃性、 耐熱性、 耐薬品性、 寸法安定性、 機械的物性等など
に優れており、 これ らの諸特性が要求される広範な分野で利用する こ とができ る。 実施例 >
以下に実施例及び比較例を挙げて、 本発明についてよ り具体的に 説明するが、 本発明は、 これらの実施例のみに限定される ものでは ない。
なお、 物性の測定方法は、 以下に示すとおりである。
( 1 ) 引張物性 (引張強さ、 引張伸び)
樹脂組成物の引張強さ及び引伸び (引張破断伸び) は、 A S T M D 6 3 8 に準拠し、 測定温度 2 3 °C、 標点間距離 5 0 m m、 ク ロ ス へッ ド速度 5 m m 分で測定した。
( 2 ) 曲げ物性 (曲げ弾性率、 曲げ強さ、 曲げたわみ)
樹脂組成物の曲げ弾性率、 曲げ強さ、 及び曲げたわみは、 A S TM D 7 9 0 に準拠し、 測定温度 2 3 °C、 支持間距離 8 0 mm, ク ロス へッ ド速度 3. 5 m m Z分で測定した。 なお、 曲げ弾性率について は、 測定温度 2 3 °Cと 1 5 0 °Cで測定した場合があり、 その場合の 測定値は、 測定温度を明記して示す。
( 3 ) 溶融粘度
溶融粘度は、 キヤ ピログラフ (東洋精機社製) を用いて、 温度 3 1 0 、 剪断速度 1 2 0 0 /秒の条件で測定した。
( 4 ) P A Sの p H
ァセ 卜 ン /水 = 1 / 2 の割合の混合液中で、 P A S の p Hを測定 した。 より具体的には、 ポリ マー 2 0 gに対して、 アセ ト ン 5 0 m l を添加してよ く 混合し、 さ らにイ オ ン交換水 1 0 0 m 1 を加え、 振 盪機にて 3 0分間振盪した後、 上澄液 6 O m l を分取し、 その p H
を測定した。
( 5 ) 押出性
樹脂組成物を直径 4 5 mmの 2軸押出機で溶融混練する際の押出 の様子から、 押出性の良、 不良を以下の基準で判定した。
良 : 支障な く フ ィ ー ドする こ とができ る。
不良 : ス ク リ ュ一への食い込みが悪い。 フ ィ 一 ドロでブ ッ リ ジ ング が起こるこ とによ り、 押出量にバラツキが生じる。
( 6 ) バリ評価方法
溶融押出によ り得られたペレ ツ 卜状物を用いて、 直径 7 0 mm、 厚さ 3 mmのキ ヤ ビティ を有し、 1 5 0 °Cの温度に保持された金型 内に、 樹脂組成物が完全に充填される最小の充填圧力の 1 . 0 5倍 で射出成形し、 金型円周部に設けられた厚さ 2 0 // m、 幅 5 mmの 隙間 (バリ評価ス リ ッ ト) に生じるバ リ長さを、 拡大投影機を用い て測定した。
( 7 ) 体積抵抗率
J I S K 6 9 1 1及び J I S K 7 1 9 4に準拠して測定した。
[合成例 1 ]
P A S (A ) の合成例
重合缶に N—メ チルー 2 — ピロ リ ドン (NM P ) 7 2 0 k g と、 4 6. 2 1 重量%の硫化ナ ト リ ウム ( N a 9 S ) を含む硫化ナ ト リ ウ ム 5水塩 4 2 0 k g とを仕込み、 窒素ガスで置換後、 攪拌しながら 徐々 に 2 0 0 °Cまで昇温して水 1 5 8 k gを留出させた。 こ の時、 6 2 モルの H。Sが揮散した。 上記脱水工程の後、 重合缶に p —ジク ロロベンゼン (以下、 p D C Bと略記) 3 7 1 k gと、 NMP 1 8 9 k g とを加え、 攪拌しながら 2 2 0 °Cで 4. 5時間反応させ、 その後、 攪拌を続けながら水 4 9 k gを圧入し、 2 5 5 °Cに昇温して 5時間
反応させた。 反応終了後、 室温付近まで冷却してから、 内容物を 1 0 0 メ ッ シ ュのス ク リ ー ンに通して粒状ポ リ マーを篩分し、 ァセ ト ン洗 2回、 さ らに水洗 3回行い、 洗浄ポ リ マーを得た。 さ らに、 この洗 浄ポ リ マーを 0. 6 %の塩化ア ンモニゥ ム水溶液で洗浄した後、 水 洗を行った。 脱水後、 回収した粒状ポ リ マーは、 1 0 5 °Cで 3時間 乾燥した。 こ のよ う に して得られたポ リ マ一 〔 P A S (A) 〕 の収 率は 9 2 %で、 溶融粘度は 5 5 P a · s、 p Hは 6. 2 、 平均粒子 径は約 5 0 0 mであった。
[合成例 2 ]
P A S ( B ) の合成例
重合缶に N M P 7 2 O k g と 4 6. 2 1重量%の硫化ナ ト リ ウ ム (N a 2S ) を含む硫化ナ ト リ ウム 5水塩を 4 2 0 k g とを仕込み、 窒素ガスで置換後、 攪拌しながら徐々に 200 まで昇温して水 1 6 0 k g を留出させた。 この時、 同時に 6 2 モルの H2Sが揮散した。
上記脱水工程の後、 重合缶に p D C B 3 6 4 k gと NMP 2 5 0 k g を加え、 攪拌しながら 2 2 0 °Cで 4. 5時間反応させ、 その後、 攪 拌を続けながら水 5 9 k gを圧入し、 2 5 5 °Cに昇温して 5時間反 応させた。 反応終了後、 室温付近まで冷却してから、 内容物を 1 0 0 メ ッ シュのス ク リ ー ンに通して粒状ポ リ マーを節分し、 ァセ ト ン洗 2回、 さ ら に水洗 3回行い、 洗浄ポ リ マーを得た。 さ らに、 この洗 浄ポ リ マ—を 3 %塩化ァンモニゥム水溶液で洗浄した後、 水洗を行つ た。 脱水後、 回収した粒状ポ リマ一は、 1 0 5 °Cで 3時間乾燥した。 こ のよ う に して得られたポ リ マー 〔 P A S ( B ) 〕 の収率は 8 9 % で、 溶融粘度は 1 4 0 P a ' s、 p Hは 6. 5、 平均粒径は約 9 0 0 mであ っ た。
[合成例 3 ]
P A S ( C ) の合成例
重合缶に N M P 5 0 0 k g と 4 6. 2 1重量%の硫化ナ ト リ ウ ム (N a 2S ) を含む硫化ナ ト リ ウム 5水塩を 4 3 5 k g とを仕込み、 窒素ガスで置換後、 攪拌しながら徐々に 200 °Cまで昇温して水 1 5 0 k g を留出させた。 この時、 同時に 4 5 モルの H2Sが揮散した。
上記脱水工程の後、 重合缶に p D C B 3 9 5 k gと NMP 3 2 0 k g を加え、 攪拌しながら 2 2 0 °Cで 3. 5時間反応させ、 その後、 攪 拌を続けながら水 3 5 k gを圧入し、 2 5 5 °Cに昇温して 5時間反 応させた。 反応終了後、 室温付近まで冷却してから、 内容物を 1 0 0 メ ッ シ ュ のス ク リ ー ンに通して粒状ポ リ マ一を節分し、 アセ ト ン洗 2回、 さ らに水洗 3回行い、 洗浄ポ リ マ一を得た。 さ らに、 この洗 浄ポリ マ—を 1 %の酢酸水溶液で洗浄した後、 数回、 水洗を行った。 脱水後、 回収した粒状ポ リ マ一は、 1 0 5 °Cで 3時間乾燥した。 こ のよ う に して得られたポ リ マ一 〔P A S ( C ) 〕 の収率は 9 4 %で、 溶融粘度は 2 4 P a · s、 p Hは 6. 1 、 平均粒径は約 3 0 0 〃 m であ っ た。
[合成例 4 ]
ポ リ ア ミ ドイ ミ ド ( P A I ) の合成例
攪拌機、 温度計、 ガス導入管を装着した 2 0 リ ッ トルの反応器に、 乾燥窒素を流しながら、 室温で、 N M Pを 1 0 リ ッ トル、 次いで、 無水 卜 リ メ リ ツ ト酸を 2 k g仕込んだ。 この時点で、 系内の水分量 は 4 5 p p mであ っ た。 直ちに、 2 , 4 一 ト リ レ ンジイ ソ シァネ 一 卜を 1 · 8 1 k g加え、 窒素を流しながら、 室温から 3 0分間かけ て 9 0 °Cに昇温し、 この温度で 6 0分間反応を行つた。 その後さ ら に、 2 0分間かけて 1 1 5 °Cに昇温し、 この温度を保っ たま ま反応 を 8時間継続した。
反応終了後、 ポ リ マ一溶液を半分に し、 それぞれに 1 0 リ ッ トル の N M Pを加え、 希釈した。 その後、 各ポ リ マー溶液を高速で攪拌 している各 4 0 リ ッ トルのメ タ ノ ール中に滴下した。 析出 した各ポ リ マーを吸引濾過し、 さ らに各 4 0 リ ッ トルのメ タ ノ ール中に再分 散し、 濾過を行った。 この操作を 2回繰り返した後、 全回収物を 2 0 0 °Cで減圧乾燥を行い、 粉末状のポ リ マーを得た。 得られたポ リ マ一 は、 その赤外吸収スぺク トルからア ミ ド基とィ ミ ド基の吸収を確認 した。 こ のポ リ マーの還元粘度 (濃度 1 g Z d 1 のジメ チルホルム ア ミ ド溶媒中、 3 0 °Cで測定) は、 0 . 2 2 d 1 Z g であ っ た。 こ のポリマーのガラス転移点温度 (示差走査熱量計にて測定) は、 3 2 3 てであった。
[実施例 1 〜 6、 比較例 1 〜 7 ]
表 1及び表 2 に示す各成分をヘンシヱルミ キサーで均一に ドライ ブレ ン ド した後、 4 5 m m 0の二軸混練押出機 (池貝鉄工社製 P C M - 4 5 ) へ供給して、 シ リ ンダ一温度 2 6 0 〜 3 4 0 °Cにて混練を 行いペレ ツ ト状物を得た。 得られたペレ ツ ト状物を 1 5 0 °Cで 6時 間乾燥した後、 射出成型機 (東芝機械社製 I S - 7 5 ) によ り 、 金 型温度 1 4 5 °C、 シ リ ンダ—温度 3 0 0 〜 3 4 0 °Cで、 引張試験片 及び曲げ試験片を作成した。 樹脂組成及び測定結果を表 1及び表 2 に示す。
t
〇 ι
表 1
実施例 1 比較例 1 実施例 2 比較例 2 実施例 3 実施例 4 比較例 3
PAS (A) (%) ― 一 83.3 83.3 75.0 75.0 75.0 榭 PAS (B) (%) 60.0 60.0 ― ― 一 一 ― 組 脂 PAS (D) (%) ― 一 ― 一 一 一 一
PAI (%) 40.0 40.0 16.7 16.7 25.0 25.0 25.0 成 ァミノアルコキシシラン (部) 0.7 ― 0.8 一 0.8 0.8 一 添 力'ラスフアイノぺ' - - (部) ― ― 66.7 66.7 66.7 66.7 66.7 加
剤 有機ァミ ド化合物 (部) ― 一 一 一 ― 1.7 ― 押出性 良 良 良 良 良 良 良 引張強さ MPa 89 56 190 169 187 192 149 引張伸び % 5.60 2.20 1.35 1.15 1.44 1.34 0.99 物
曲げ強さ MPa 235 227 233 242 217
23。C 14050 13970 14630 14490 13970 性 曲げ弾性率 MPa
150 °C
曲げたわみ mm 1.78 1.67 1.68 1.75 1.59 溶融粘度 Pa · s 310 280 145 129 222 174 158
/27017
28
(脚注)
( 1 ) 組成 : P A Sと P A I との割合は、 重量%を表し (合計 1 0 0 重量%) 、 それ以外の成分の割合は、 P A Sと P A I との合計量 1 0 0 重量部に対する重量部を表す。
( 2 ) P A S (A) :合成例 1 で合成した P P S (溶融粘度 = 5 5 P a · s 、 p H = 6 . 2 平均粒径 =約 5 0 0 m )
( 3 ) P A S (B ) 合成例 2で合成した P P S (溶融粘度- 1 4 0 P a · s 、 p H = 6 . 5 平均粒径 =約 9 0 0 μ m )
( 4 ) P A S ( D ) : 市販の P P S ( トープレ ン社製 T — 2 ; 溶融 粘度 = 5 8 0 P a ' s 、 p H = 8 . 6、 平均粒径 = 1 0 0 m以下) ( 5 ) P A I : 合成例 4 で合成したポ リ ア ミ ドイ ミ ド (還元粘度 = 0 . 2 2 d l / g、 ガラ ス転移温度 = 3 2 3 °C )
( 6 ) ア ミ ノ アルコキシ シラ ン : 7 — ァ ミ ノ プロ ピル 卜 リ エ 卜 キ シ シ ラ ン (東芝シ リ コー ン社製、 T S L 8 3 3 1 )
( 7 ) ガラ ス フ ァ イバ一 : 日本電気ガラス社製、 直径 = 1 3 m ( 8 ) 有機ァ ミ ド化合物 : ど 一力プロ ラ ク タ ム
表 1及び表 2 に示された実験結果から明らかなよ う に、 ア ミ ノ ア ルコキシ シ ラ ンを添加した樹脂組成物 (実施例 1 〜 6 ) は、 それぞ れに対応するア ミ ノ アルコキシシラ ン無添加の樹脂組成物 (比較例 1 ~ 6 ) に比べて、 引張強さ及び引張伸びに優れており 、 さ らに、 ガラス フ ァ イバ一を配合した樹脂組成物 (実施例 2 〜 6 ) では、 曲 げ強さ、 曲げたわみ等も改善されている。 有機ァ ミ ド化合物 ( ε ― 力プロラ ク タ ム) を配合した樹脂組成物 (実施例 4 ) は、 溶融流動 性 (溶融粘度が低い) 及び機械的物性がさ らに改良されている。 高溶融粘度で ρ Ηの高い P P Sを用い、 かつ、 ア ミ ノ アルコキシ シラ ンを配合しなか っ た樹脂組成物 (比較例 6 ) は、 押出性が不良 で、 機械的物性も充分ではない。 また、 実施例 1 〜 6 の射出成形に よる成形品は、 比較例 1 〜 6 の もの と比べて、 バ リ の大き さが小さ いものであ っ た。
P A S と ガラ ス フ ァ イ ノく'一のみでポ リ ア ミ ドイ ミ ドを配合 してい
ない樹脂組成物 (比較例 7 ) は、 P A S にポ リ ア ミ ドイ ミ ド、 ガラ スフ ァ イバ一及びアミ ノ アルコキシシラ ンを配合した樹脂組成物 (実 施例 5 ) に比べて、 1 5 0 °Cでの曲げ弾性率が低く 、 高温剛性が不 充分であつた。 なお、 実施例 5の樹脂組成物は、 ア ミ ノ アルコキシ シラ ンを配合していない樹脂組成物 (比較例 4 ) に比べて、 常温及 び高温での曲げ弾性率については同等であるが、 引張強さ、 引張伸 び、 曲げ強さ、 及び曲げたわみが顕著に改良されている。
[実施例 7 〜 1 4、 比較例 8 〜 1 5 ]
表 3及び表 4 に示す配合処方に変えたこ と以外は、 実施例 1 〜 6 と同様に して引張試験片及び曲げ試験片を作成した。 樹脂組成及び 測定結果を表 3及び表 4 に示す。
αι σ 表 3
> > > > 実施例 7 比較例 8 実施例 8 比較例 9 実施例 9 比較例 10 実施例 10 比較例 11
61.0 61.0
樹 60.0 60.0
脂 60.0 60.0 63.0 63.0
39.0 39.0 40.0 40.0 40.0 40.0 37.0 37.0 アミノアルコキシシラン (部) 0.9 1.1 0.7 0.9
PETS (部) 0.6 0.6 0.7 0.7
組 ガラスファイバ一 (部) (0.0 tO.Q
添 力一ボンファイバー (部) 43.0 43.0
ァラミ ド繊維 (部) 11.0 11.0
成
加 力一ボンブラック (部) 3.5 3.5
PTFE (部) ― — — 25.0 25.0
― ― 一
剤 アルミナ (部) ― ― ― ― ― シリ力 (部) ― ― ― ― 一 ― 一 ― フヱライ ト (部)
チタン酸カリウム (部)
引張強さ MPa 155 136 82 90 68 84
引張伸び % 0.47 0.5 0.3 9.8 3.2 2.9
物 成形
曲げ強さ(23°C) MPa 225 202 132 m 不可 不可 曲げ弾性率(23^:) MPa 21500 14750 12560
曲げたわみ % 1.2 1.4 1.1
性
溶融拈度 Pa · s 487 755 510 793 385 342 465 740 体積抵抗率 Ω · cm 11.2 88 1.0E+ 15
0
ϋΐ αι 〇 表 4
実施例 11 比較例 12 実施例 12 比較例 13 実施例 13 比較例 14 実施例 14 比較例 15
PAS (A) (%) 一 一 ― ― 60.0 60.0 樹 PAS (B) (%) ― ― ― ― ― ― 一 ― 脂 PAS (C) (%) 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 ― ―
PAI (%) 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 ァミノアルコキシシラン (部) 1.0 1.7 7.1 0.8
PETS (部) ― ― ― ― ― ― 一 ― 組 ガラスフアイバー (部) ― ― ― 一 一 ―
力一ボンフアイバー (部) ― 一 ― ― 一 ― ― 添
ァラミ ド繊維 (部) ― 一 一 ― 一 ― ― ―
ΡΧ
力一ボンブラック (部) ― ― ― ― ― 加
PTFE (部) ― ― ― ― 20.0 20.0 ァノレミナ (部) 233.0 233.0 ― ― 一 ― ― 剤
シリ力 (部) ― ― 67.0 67.0 ― ― ― フェライ 卜 (部) 567.0 567.0
チタン酸カリウム (部) 13.3 13.3 引張強さ MPa
引張伸び %
物 成形
曲げ強さ(23°C) MPa 65 30 72 45 65 127 110 不可
曲げ弾性率 (23て) MPa 22090 20050 6000 6050 19800 7420 7500 曲げたわみ % 2.7 1.8 性
溶融粘度 Pa · s 450 480 210 190 350 300 332 310 体積抵抗率 Ω · cm
(脚注)
( 1 ) 組成 : P A S と P A I との割合は、 重量%を表し (合計 1 0 0 重量%) 、 それ以外の成分の割合は、 P A Sと P A I との合計量 1 0 0 重量部に対する重量部を表す。
( 2 ) P A S (A) :合成例 1で合成した P P S (溶融粘度- 5 5 P a · s、 p H = 6 . 2 平均粒径 =約 5 0 0 μ ιη)
( 3 ) P A S (B) 合成例 2で合成した P P S (溶融粘度 = 1 4 0 P a · s、 p H = 6 . 5 平均粒径 =約 9 0 0 m)
( 4 ) P A S ( C ) 合成例 3で合成した P P S (溶融粘度 = 2 4 P a · ss、、 pp HH == 66 .. 11 、 平均粒径 =約 3 0 0 111 )
( 5 ) ポ リ ア ミ ドイ ミ ド : 合成例 4 でイ ソシァネー 卜法によ り合成 したポ リ ア ミ ドイ ミ ド (還元粘度 = 0 . 2 2 d 1 Z g 、 ガラ ス耘移 温度 = 3 2 3 °C )
( 6 ) ア ミ ノ アルコ キシ シ ラ ン : ァ ー ァ ミ ノ プロ ピル ト リ エ ト キシ シ ラ ン (東芝シ リ コ ー ン社製、 T S L 8 3 3 1 )
( 7 ) P E T S : 日本油脂社製、 ユニス タ ー 1 1 4 7 6 、 ペ ンタエ リ ス リ ト ールテ ト ラ ス テア レ ー ト (滑剤)
( 8 ) ガラ ス フ ァ イ バ一 : 日本電気ガラ ス社製、 直径 = 1 3 / m
( 9 ) 力 一ボン フ ァ イ バ一 : リ グナイ ト社製、 P A N系力 一ポンフ ァ ィバー C F C — E 3
( 1 0 ) ァ ラ ミ ド繊維 : 帝人社製、 テ ク ノ 一 ラ T — 3 2 2 E P
( 1 1 ) 力一ボンブラック : ライォン社製、 ケッチェンブラック E C 6 0 0 J D ( D B P吸油量 O O m l Z l O O g )
( 1 2 ) P T F E : 喜多村社製ポ リ テ ト ラ フ ルォ ロ エチ レ ン、 K T - 4 0 0 M
( 1 3 ) ア ル ミ ナ : 昭和電工社製、 F B — 7 4
( 1 4 ) シ リ カ : 電気化学社製、 F B _ 7 4
( 1 5 ) フ ヱ ラ イ 卜 : 日本弁柄社製、 N P — 2 0
( 1 6 ) チタ ン酸カ リ ウム : テ ィ スモ社製、 D 1 0 2 (ゥイ スカー) 表 3及び表 4 に示された実験結果から明らかなよ う に、 カーボン フ ァ イバー (繊維状充填剤) 、 P T F E (フ ッ素系樹脂) 、 及びフ エ ライ 卜 (無機充填剤) をそれぞれ配合した樹脂組成物において、 ァ ミ ノ アルコキシシラ ン化合物を添加した場合 (実施例 7、 1 0、 1 3 ) には、 成形加工が可能で、 優れた溶融流動性と機械的性質を示した。 これに対して、 ア ミ ノ アルコキシシラ ン化合物を添加していない場 合 (比較例 8、 1 1 、 1 4 ) には、 射出成形において、 成形品の形 状を保持する こ とができず、 溶融流動性も悪かった。
ガラ ス フ ァ イ バー と 力 一 ボ ンブラ ッ ク を配合した樹脂組成物、 ァ ラ ミ ド繊維を配合した樹脂組成物、 アル ミ ナを配合した樹脂組成物、 シ リ カを配合した樹脂組成物、 P T F E とチタ ン酸カ リ ゥムゥイス 力一を配合した樹脂組成物において、 ア ミ ノ アルコキ シ シ ラ ン化合 物を添加した場合 (実施例 8、 9、 1 1、 1 2、 1 4 ) には、 これ らに対応するァ ミ ノ アルコキシ シ ラ ン化合物未添加の場合 (比較例 9、 1 0、 1 2、 1 3、 1 5 ) に比較して、 流動性及び機械物性が 大幅に改良されている。 また、 ガラスフ ァ イ バ一とカーボンブラ ッ クを配合した樹脂組成物では、 ァ ミ ノ アルコキ シ シ ラ ンを配合する ことにより (実施例 8 ) 、 ア ミ ノアルコキシシラ ン未添加の場合 (比 較例 9 ) と比較して、 少量の力一ボンブラ ッ クの配合でも、 電気抵 抗率を大幅に下げる ことができる。
[実施例 1 5〜 2 3、 比較例 1 6〜 2 2 ]
表 5及び表 6に示す配合処方に変えたこ と以外は、 実施例 1 ~ 6 と同様に して引張試験片及び曲げ試験片を作成した。 樹脂組成及び
CO
CJl αι 〇 CJl
表 5
実施例 15 比較例 16 実雄例 16 比較例 17 実施例 17 実施例 18 実施例 19 実施例 20
PAS (A) (%) 75.0 75.0 58.3 58.3 58.3 58.3 樹 PAS (B) (%) 60.0 60.0 ― ― 一 ― ― ― 脂 PAS (C) (%) ― 一
PAI (%) 40.0 40.0 25.0 25.0 41.7 41.7 41.7 41.7 組
シ エポキシシラン (部) 0.7 0.8 ― 1.2 1.2 一 ― ラ
一
ン メノレカプトシラン (部) — 一 ― ― ― 1.2 ― 成 化 ィソシァネ一 トシラン(部) 一 ― 一 ― ― 一 1.2
ゥレイ ドシラン (部) ― 一 ― ― 一 一 一 ― 添 ガラスファイノく— (部) 一 一 66.7 66.7 66.7 66.7 66.7 66.7 加
剤 有機ァミ ド化合物 (部) ― 一 一 ― 一 1.7 一 ― 引張強さ MPa 90 56 198 149 170 172 164 168 引張伸び % 6.50 2.20 1.75 0.99 1.40 1.42 1.25 1.31 曲げ強さ MPa 245 217 235 238 218 222 物
23 °C 14500 13970 14540 14900 14850 14790 曲げ弾性率 MPa
150 °C 7500 7500 7500 7500 性 曲げたわみ mm 2.15 1.59 1.70 1.75 1.58 1.62
溶融粘度 Pa - s 270 280 145 158 310 260 335 340 パ'リ; さ jt m 38 60 15 14 15 15
湘^¾»^Ηs 5 Π6
αι 〇
表 6
実施例 21 比較例 18 実施例 22 比較例 19 実施例 23 比較例 20 比較例 21 比較例 22
PAS (A) (%) 58.3 58.3 50.0 50.0 100.0
m PAS (B) (%)
脂 PAS (C) (%) 58.3 58.3 100.0
PAI (%) 41.7 41.7 41.7 41.7 50.0 50.0
組
シ エポキシシラン (部) 1.2 1.0
ラ
ン メルカプトシラン (部)
成 化 ィソシァネートシラン (部)
物 ヴレ ドンラン (部) 1.2 C 添 ガラスファイバ'一 (部) BR 7 fifi 7 fifi 7 RR 7 fifi 7 fifi 7 RR 7 fifi 7 加
剤 有機ァミ ド化合物 (部)
引張強さ MPa l fifi t
引張伸び % 1.30 0.94 1.15 0.88 1.20 0.75 1.40 1.20 曲げ強さ MPa 220 186 215 185 224 175 235 220 物
23 °C 15000 14760 15210 14980 14280 14110 14000 14500 曲げ弾性率 MPa
150 °C 7500 7500 5200
性 曲げたわみ' mm 1.62 1.33 1.52 1.35 1.23 0.95 1.75 1.55
溶融粘度 Pa · s 350 353 180 230 360 420 140 80
ノくリ: Κ·さ 11 m 15 20 15 15 10 13 380 290
(脚注)
( 1 ) 組成 : P A S と P A I との割合は、 重量%を表し (合計 1 0 0 重量%) 、 それ以外の成分の割合は、 P A Sと P A 1 との合計量 1 0 0 重量部に対する重量部を表す。
(2) P A S (A) :合成例 1で合成した P P S (溶融粘度 = 5 5 P a · s、 p H = 6. 2 平均粒径 =約 5 0 0 m)
(3) PA S (B) 合成例 2で合成した P P S (溶融粘度 = 1 4 0 P a · s、 p H = 6. 5 平均粒径-約 9 0 0 m)
(4 ) P A S (C ) 合成例 3で合成した P P S (溶融粘度 = 2 4 P a * ss、、 pp HH == 66.. 11 、 平均粒径=約 3 0 0 111)
( 5 ) ポ リ ア ミ ドイ ミ ド : 合成例 4 でイ ソ シァネー ト法によ り合成 したポ リ ア ミ ドイ ミ ド (還元粘度 = 0. 2 2 d 1 Z g、 ガラ ス転移 温度 = 3 2 3 °C)
( 6 ) エポキ シ シ ラ ン : 7 — グ リ シ ドキ シ プロ ビル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン
( 7 ) メ ルカ プ ト シ ラ ン : 7 ー メ ノレカ プ ト プロ ビル ト リ メ ト キ シ シ ラ ン
( 8 ) イ ソ シ ァネ 一 ト シ ラ ン : ァ ー イ ソ シァネ ー ト プロ ピル 卜 リ エ ト キ シ シ ラ ン ( 9 ) ウ レイ ド シ ラ ン : 7 — ウ レイ ドプロ ビル ト リ エ 卜 キ シ シ ラ ン
( 1 0 ) ガラ ス フ ァ イ バ一 : 日本電気ガラ ス社製、 直径 = 1 3 m
( 1 1 ) 有機ア ミ ド化合物 : £ 一 力 プ ロ ラ ク タ ム
表 5及び表 6 に示されて実験結果から明らかなよう に、 ゥ レイ ド 基、 エポキ シ基、 イ ソ シァネ ー ト基、 ま たはメ ルカ プ ト 基を有する シ ラ ン化合物を添加した樹脂組成物 (実施例 1 5〜 2 3 ) は、 それ ぞれに対応する シ ラ ン化合物無添加の樹脂組成物 (比較例 1 6〜 2 0)
に比べて、 引張強さ、 引張伸び、 及び溶融流動性 (溶融粘度が低い) に優れており、 さ らに、 ガラスファイバーを配合した樹脂組成物 (実 施例 1 6 〜 2 3 ) では、 曲げ強さ、 曲げたわみなども改善されてい る。 有機ァ ミ ド化合物 ( £ —力プロラ ク タ ム) を配合した樹脂組成 物 (実施例 1 8 ) は、 溶融粘度が低く 、 溶融流動性がさ らに改良さ れている。
P A S と ガラ ス フ ァ イバ一のみで、 ポ リ ア ミ ドイ ミ ド及びシ ラ ン 化合物を配合していない樹脂組成物 (比較例 2 1 〜 2 2 ) は、 P A S にポ リ ア ミ ドイ ミ ド、 ガラスフ ァイバ—、 及び特定の官能基を有す る シラ ン化合物を配合した樹脂組成物 (実施例 1 7 〜 2 1 ) に比べ て、 1 5 0 °Cでの曲げ弾性率が低く 、 高温剛性が不充分であり、 し かもバリ長さが極めて大きいものである。
[実施例 2 4 〜 3 1 、 比較例 2 3 〜 3 0 ]
表 7及び表 8 に示す配合処方に変えたこ と以外は、 実施例 1 〜 6 と同様にして引張試験片及び曲げ試験片を作成した。 樹脂組成及び 測定結果を表 7及び表 8 に示す。
ο 表 7
比 実施例 2o 比較例 24 実施例 比較例 実施例 .Ί 比較例 2b
PAS (A) (%) D丄. ϋ 61.0
樹 PAS (B) (%) 60.0 60.0
脂 PAS (C) (%) 60.0 60.0 63.0 63.0
PAI ( ) 39.0 39.0 40.0 40.0 40.0 40.0 37.0 37.0 エポキシシラン (部) 0.9 1.1 0.7 0.9
PETS (部) 0.6 0.6 0.7 0.7
組 ガ 'ラスファイノく一 (部) ― ― 70.0 70.0 ― 一 ― ― カーボンファイバ一 (部) 43.1 43.1 一 ― 一 ― ―
添
成 ァラ ミ ド繊維 (部) ― ― 11.0 11.0 ―
カーボンブラック (部) 3.5 3.5 ― ― ―
加
PTFE (部) 一 ― ― — ― ― 25.0 25.0 ァノレミナ (部) 一 一 ― 一 ― 一 ― ― 剤
シリ力 (部) 一 — ― ― ― ― ― ― フェライ 卜 (部)
チタン酸カリウム (部)
引張強さ MPa 158 138 82 90 68 82
引張伸び % 0.45 0.5 0.3 8.6 3.2 2.5
物 成形 成形 曲げ強さ(23°C) MPa 230 200 132
ィ、口 J 不可 曲げ弾性率(23^) MPa 22060 14870 12560
曲げたわみ % 1.2 1.4 1.1
性
溶融粘度 Pa . s 324 755 360 793 310 342 340 740 体積抵抗率 Ω . cm 8.6 67 1.0E+ 15
1— ' 1— '
n o αι ο cn 表 8
実施例 28 比較例 27 実施例 29 比較例 28 実施例 30 比較例 29 実施例 31 比較例 30
PAS (A) (%) ― ― 一 一 60.0 60.0 樹 PAS (B) ( ) ― ― ― ― ― 一 ― ― 脂 PAS (C) (%) 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0
PAI (%) 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 エポキシシラン (部) 1.0 ― 1.7 ― 7.1 0.8 ―
PETS ( w部) 一 一 一 ― ― ― ― 組 ガラスファ (部) ― 一 ― ― ― 力一ボンファ 一 (部)
添
ァラミ ド繊維 (部) ― ― ― ― ― ―
成
力一ボンブラック (部)
加
PTFE (部) ― ― ― ― ― ― 20,0 20.0 ァノレ ミナ (部) 235.0 235.0 ― ― ― ― ― 剤
シリ力 ― ― 68.0 68.0 ― ― フェライ 卜 ― ― ― 567.0 567.0 ― ― チタン酸カリウム ― ― ― ― ― 13.3 13.3 引張強さ MPa ― ― ― ― ― 引張伸び % ― ― —― ― ― ― ― 物 曲げ強さ(23°C) MPa 68 30 70 45 75 125 110 不可
曲げ弾性率 (23°C) MPa 22150 22050 6120 6050 20800 7520 7500 曲げたわみ % 2.4 1.8 性
麵粘度 Pa ' s 390 480 142 190 255 300 272 310 体積抵抗率 Ω . cm
(脚注)
( I ) 組成 : P A S と P A I との割合は、 重量%を表し (合計 1 0 0 重量%) 、 それ以外の成分の割合は、 P A Sと P A I との合計量 1 0 0 重量部に対する重量部を表す。
( 2 ) P A S (A) :合成例 1 で合成した P P S (溶融粘度 = 5 5 P a · s、 p H = 6 . 2、 平均粒径-約 5 0 0 μ ιη )
( 3 ) P A S (B) :合成例 2で合成した P P S (溶融粘度 = 1 4 0 P a · s、 p H = 6 . 5、 平均粒径 =約 9 0 0 m )
( 4 ) P A S ( C ) :合成例 3で合成した P P S (溶融粘度 = 2 4 P a · s、 p H = 6 . 1 、 平均粒径-約 3 0 0 〃 m )
( 5 ) ポ リ ア ミ ドイ ミ ド : 合成例 4 でイ ソ シァネー ト法によ り合成 したポ リ ア ミ ドイ ミ ド (還元粘度 = 0 . 2 2 d l Z g、 ガラス転移 温度 = 3 2 3 °C)
( 6 ) エポキシ シラ ン : ァ ー グ リ シ ドキシプロ ビル ト リ メ ト キシ シ ラ ン
( 7 ) P E T S : 日本油脂社製、 ユニスタ ー 1 1 4 7 6 、 ペンタエ リ ス リ ト ールテ ト ラ ステア レー ト (滑剤)
( 8 ) ガラ ス フ ァ イバ一 : 日本電気ガラ ス社製、 直径 = 1 3 〃 m
( 9 ) 力一ボンフ ァイバ一 : リ グナイ ト社製、 P A N系カーポンフ ァ ィパ '— C F C - E 3
( 1 0 ) ァ ラ ミ ド繊維 : 帝人社製、 テク ノ 一ラ T 一 3 2 2 E P
( I I ) カーボンブラック : ライオン社製、 ケツチエンプラック E C 6 0 0 J D ( D B P吸油量 0 0 m l / 1 0 0 g )
( 1 2 ) P T F E : 喜多村社製ポ リ テ ト ラ フルォロエチ レ ン、 K T - 4 0 0 M
1 3 ) アル ミ ナ : 昭和電工社製、 F B — 7 4
( 1 4 ) シ リ カ : 電気化学社製、 F B — 7 4
( 1 5 ) フ ヱ ライ 卜 : 日本弁柄社製、 N P— 2 0
( 1 6 ) チタ ン酸カ リ ウム : ティ スモ社製、 D 1 0 2 (ゥイ ス力一) 表 7及び表 8 に示された実験結果から明らかなよう に、 カーボン フ ァイバ— (繊維状充填剤) 、 P T F E (フ ッ素系樹脂) 、 及びフ ヱ ライ ト (無機充填剤) をそれぞれ配合した樹脂組成物において、 官 能基含有シ ラ ン化合物を添加した場合 (実施例 2 4、 2 7、 3 0 ) には、 成形加工が可能で、 優れた溶融流動性と機械的性質を示した。 これに対して、 官能基含有シ ラ ン化合物を添加していない場合 (比 較例 2 3、 2 6、 2 9 ) には、 射出成形において、 成形品の形状を 保持する こ とができず、 溶融流動性も悪かった。
ガラ ス フ ァ イバ一 とカーボンブラ ッ ク を配合した樹脂組成物、 ァ ラ ミ ド繊維を配合した樹脂組成物、 アル ミ ナを配合した樹脂組成物、 シ リ 力を配合した樹脂組成物、 P T F E とチタ ン酸カ リ ゥムゥイス 力—を配合した樹脂組成物において、 官能基含有シ ラ ン化合物を添 加した場合 (実施例 2 5、 2 6、 2 8、 2 9、 3 1 ) には、 これら に対応する官能基含有シラ ン化合物未添加の場合 (比較例 2 4、 2 5、 2 7、 2 8、 3 0 ) に比較して、 流動性及び機械物性が大幅に改良 されている。 また、 ガラスフ ァイ ノ '一とカーボンブラ ッ クを配合し た樹脂組成物では、 官能基含有シラ ンを配合するこ と によ り (実施 例 2 5 ) 、 官能基含有シラ ン未添加の場合 (比較例 2 4 ) と比較し て、 少量のカーボンブラ ッ クの配合でも、 電気抵抗率を大幅に下げ る こ とができ る。 <産業上の利用可能性 >
本発明によれば、 P A S とポ リ ア ミ ドイ ミ ドとの相溶性が改善さ
れ、 成形性、 溶融流動性及び機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成 物が提供される。 官能基含有シラ ン化合物を添加するこ と によ り 、 P A Sに対するポ リ ア ミ ドィ ミ ドの充填量を上げる こ とができる。 また、 エポキシ基含有シラ ン化合物を添加する と、 P A Sに対する ポ リ ア ミ ドイ ミ ド含量の組成比の広い範囲にわたつて、 樹脂組成物 の溶融粘度を下げ、 流動性を高める こ とができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、 P A Sの高温での弾性率、 及び ポリ ア ミ ドィ ミ ドの射出成形性が共に改良され、 かつ、 射出成形時 に発生するバリ が抑制されている。 したがって、 本発明の樹脂組成 物は、 射出成形や押出成形などの一般的溶融成形加工法により、 シ— ト、 フ ィ ルム、 チ ュ ーブ、 その他の成形品に成形加工するこ とがで き、 そ して、 1 0 0 °c以上での高温剛性、 難燃性、 耐熱性、 耐薬品 性、 寸法安定性、 機械的物性などが要求される広範な分野に適用す る こ とができ る。
無充填の熱可塑性樹脂組成物、 及びガラ ス繊維を充填した熱可塑 性樹脂組成物は、 広範な分野の絶緣材料と して好適である。 カーボ ンフ ァイバ— (炭素繊維) を充填した熱可塑性樹脂組成物は、 導電 材料、 摺動材料と して好適である。 ァラ ミ ド繊維、 P T F E、 チタ ン酸カ リ ウム繊維を充填した熱可塑性樹脂組成物は、 摺動材料と し て好適である。 アル ミ ナを充填した熱可塑性樹脂組成物は、 熱伝導 材料と して好適である。 シ リ カを充填した熱可塑性樹脂組成物は、 封止材料と して好適である。 フ X ライ トを充填した熱可塑性樹脂組 成物は、 磁性材料と して好適である。