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JP5629279B2 - 耐食性に優れた溶接継手および溶接構造体 - Google Patents

耐食性に優れた溶接継手および溶接構造体 Download PDF

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Description

本発明は、耐食性に優れた溶接継手および該溶接継手を含む溶接構造体に関する。本発明の溶接構造体は、例えば、石油類タンカー、貨物船、貨客船、客船、軍艦などの船舶や、石油類の貯蔵や輸送などの容器として用いられる石油類タンクなどに好適に用いられる。
石油類タンカーなどの各種船舶や、原油タンカーのタンク(石油系液体燃料タンク)などの石油類タンクなどは、一般に、母材(鋼材)同士が溶接材によって溶接された溶接継手を含む溶接構造体から構成されている。
これらの用途に用いられる溶接構造体は、主に、海水中の塩分や高温多湿下に曝されたり(船舶の場合)、石油類などに由来する硫黄分含む環境下に曝される(石油類タンクの場合)ため、耐食性に優れていることが要求されている。これまでは、船舶や石油類タンクに用いられる鋼材の耐食性を高めるという観点から、種々の方法が採用されてきた。
例えば、各種船舶や石油類タンクの主要な構造体(例えば、外板、バラストタンク、原油タンク等)に用いられる鋼材に対し、塗装を施したり、電気防食を行うことが知られている。
このうち、重塗装に代表される塗装を行った場合、塗膜欠陥が生成する可能性が高く、製造工程における衝突等によって塗膜が損傷する恐れもあるため、素地鋼材が露出することが多い。このような鋼材露出部分では、局部的な腐食(局部腐食)が集中的に進むため、例えば、石油類タンクに貯蔵されている石油系液体燃料が早期に漏洩する。
一方、電気防食法は、海水中に完全に浸漬された部位に対しては非常に有効であるが、大気中で海水飛沫を受ける部位などには、防食に必要な電気回路が形成されないため、防食効果が十分に発揮されないことがある。また、防食用の流電陽極が消耗したり脱落するなどして消失すると、激しい腐食が直ちに進行する恐れがある。
上記の他、鋼材自体の耐食性を向上させる技術も提案されている(特許文献1、特許文献2など)。特許文献1は、MgやCuの含有量が適切に制御された造船用耐食鋼の技術に関し、無塗装であっても優れた耐食性を有することが記載されている。また、特許文献2は、NiおよびCuの含有量が適切に制御された船舶用鋼材の技術に関し、過酷な腐食環境下に曝されるバラストタンクに適用しても優れた耐塗装損傷性を発揮することが記載されている。
しかしながら、上記の方法は、いずれも、より厳しい腐食環境下での耐食性向上作用に劣っている。特に、局部腐食に対する耐食性は不充分であり、なかでも、すきま腐食に対する耐食性の低下は深刻な問題を招いている。すきま腐食は、鋼材と異物との接触部分や、防食塗膜の損傷部分などの「すきま」部分に生じる腐食であり、腐食速度が大きいため、船舶などの寿命を低下させる主な原因となっている。
前述した石油系液体燃料タンクなどの石油類タンクでは、このような局部腐食やすきま腐食が顕著に見られる。石油類タンクの場合、鋼板表面に形成されるオイルコートの欠陥部分で局部腐食が顕著に進行する。この欠陥部分は、原油タンカーなどの運航時に、原油が移動したり船体が変形するなどして修復されたり、新たに形成されると考えられるため、局部腐食は、1箇所に集中することなく、鋼材のほぼ全面に進展する。また、石油類タンクでは、すきま腐食も顕著に生じるため、耐局部腐食性や耐すきま腐食性に優れた鋼材の向上が切望されている。
このうち、局部腐食に対する耐食性向上技術として、例えば、特許文献3から特許文献5が挙げられる。これらは、いずれも、鋼材中の化学成分が適切に制御された技術に関し、例えば、特許文献3には、Cu、Ni、Cr,Mo、Sb、Snの含有量が適切に制御された原油および重油貯蔵庫用耐食鋼が、特許文献4には、Cu、Ni,Cr,Alの含有量が適切に制御されたカーゴオイルタンク用鋼材が、特許文献5には、Cu、Ni,Mo、Crの含有量が適切に制御された原油タンク底板用鋼材が、それぞれ、記載されている。これらの技術により、全面腐食や局部腐食に対する耐食性は高められるが、更なる向上が望まれている。また、上記の特許文献は、いずれも、すきま腐食に対する耐食性については充分留意されていないため、耐すきま腐食性の改善が強く望まれている。
特開2000−17381号公報 特開2002−266052号公報 特開2001−214236号公報 特開2003−82435号公報 特開2004−2948号公報
前述したように、上記の特許文献は、いずれも、全面腐食や局部腐食に対する耐食性改善技術であって、すきま腐食に対する耐食性の改善は、何も考慮されていない。
また、上記の特許文献を含め、これまでは、主に、鋼材の化学成分を制御することによって耐食性の向上を図っているが、溶接構造体の耐食性を高めるためには、鋼材だけでなく、溶接部分(溶接継手部)にも留意する必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、塗装や電気防食を施さなくても、海水による塩分や高温多湿に曝される環境下や、石油類などに由来する硫黄分を含む環境下における耐食性が高められ、特に、局部腐食やすきま腐食に対する耐食性が高められた溶接継手および溶接構造体を提供することにある。
本発明の溶接継手は、母材同士が溶接された溶接継手であって、下式(5)、下式(6)、および下式(7)を満足することに要旨が存在する。
0.30≦[AAl]/[BAl]≦3.0 ・・・ (5)
0.30≦[ACu]/[BCu]≦3.0 ・・・ (6)
0.30≦[ACr]/[BCr]≦3.0 ・・・ (7)
式中、
[AAl]は、溶接部分の溶接金属に含まれるAlの含有量(質量%)、
[BAl]は、母材に含まれるAlの含有量(質量%)、
[ACu]は、溶接部分の溶接金属に含まれるCuの含有量(質量%)、
[BCu]は、母材に含まれるCuの含有量(質量%)、
[ACr]は、溶接部分の溶接金属に含まれるCrの含有量(質量%)、
[BCr]は、母材に含まれるCrの含有量(質量%)
をそれぞれ、意味する。
好ましい実施形態において、前記溶接金属は、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.01〜2.0%、Al:0.05〜0.50%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%を夫々含有する他、P:0.020%以下(0%を含む)およびS:0.010%以下(0%を含む)に抑制し、残部:Feおよび不可避不純物である。
好ましい実施形態において、前記母材の鋼中成分は、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.01〜2.0%、Al:0.05〜0.50%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%を夫々含有する他、P:0.020%以下(0%を含む)およびS:0.010%以下(0%を含む)に抑制し、残部:Feおよび不可避不純物である。
好ましい実施形態において、前記Crの含有量[Cr]と前記Alの含有量[Al]の比([Cr]/[Al])は1〜50の範囲内である。
好ましい実施形態において、前記母材の鋼中成分は、更に、(i)Ni:0.01〜5.0%、Co:0.01〜5.0%、およびTi:0.005〜0.20%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(ii)Ca:0.0005〜0.020%および/またはMg:0.0005〜0.020%、(iii)Se:0.005〜0.50%、(iv)Sb:0.01〜0.50%および/またはSn:0.01〜0.50%、(v)B:0.0001〜0.010%、V:0.01〜0.50%、およびNb:0.003〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する。
本発明の溶接構造体は、上記のいずれかに記載の溶接継手を含む。
好ましい実施形態において、上記溶接構造体は、船舶または原油タンクに用いられる。
本発明は、上記の構成を有しているため、耐全面腐食性、腐食均一性、耐すきま腐食性、および塗装耐食性のいずれもが高められた溶接継手および溶接構造体を提供することができた。
本発明の溶接構造体は、海水による塩分や高温多湿に曝される環境下における耐食性に優れているため、例えば、石油類タンカー、貨物船、貨客船、客船、軍艦などの船舶に好適に用いられる。また、本発明の溶接構造体は、石油類などに由来する硫黄分を含む環境下における耐食性に優れているため、石油類の貯蔵や輸送などの容器として用いられる石油類タンクに好適に用いられる。
図1は、実施例1で用いた継手試験片Bの外観形状を示す説明図である。 図2は、実施例1で用いた耐すきま腐食性測定用試験片Cの外観形状を示す説明図である。 図3は、実施例1で用いた塗装耐食性測定用試験片Dの外観形状を示す説明図である。
本発明者は、耐全面腐食性、腐食均一性、耐すきま腐食性、および塗装耐食性のすべてが高められた溶接構造体を提供するため、溶接継手を構成する母材の成分組成だけでなく、溶接部分(溶接継手部)の溶接金属の成分組成に留意して検討を行った。ここで、溶接継手部の溶接金属に着目したのは、母材同士を通常の溶接条件下または溶接材料を介して溶接した場合、たとえ、母材の成分組成を制御したとしても、母材同士が溶接された溶接継手部の溶接金属の組成は変化し、溶接部における耐食性(特に、すきま腐食性)が低下する恐れがあるからである。
その結果、溶接部分の溶接金属に含まれる防食皮膜形成成分の含有量[A]と、母材に含まれる防食皮膜形成成分の含有量[B]との比([A]/[B])を所定範囲に制御すると所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本明細書において、「防食皮膜形成成分」は、海水による塩分や高温多湿に曝される環境下や、石油類などに由来する硫黄分を含む環境下における耐食性を向上する成分を意味する。具体的には、(1)AlおよびCrのような酸化物防食被膜形成元素、およびCuのような緻密な錆形成元素、(2)Seのような腐食部位のpH低下抑制元素、並びに(3)Znのような硫化亜鉛被膜形成元素が挙げられる。以下、上記(1)から(3)の防食皮膜形成成分を含有する溶接継手または溶接構造体を、それぞれ、「本発明による第1から第3の溶接継手または溶接構造体」と呼ぶ。
以下、各溶接継手の構成を詳細に説明する。
(本発明による第1の溶接継手)
本発明による第1の溶接継手は、下式(5)、下式(6)、および下式(7)を満足する。これにより、耐全面腐食性、腐食均一性、耐すきま腐食性、および塗装耐食性のすべてが高められた溶接構造体を提供することができる。
0.30≦[AAl]/[BAl]≦3.0 ・・・ (5)
0.30≦[ACu]/[BCu]≦3.0 ・・・ (6)
0.30≦[ACr]/[BCr]≦3.0 ・・・ (7)
式中、
[AAl]は、溶接部分の溶接金属に含まれるAlの含有量(質量%)、
[BAl]は、母材に含まれるAlの含有量(質量%)、
[ACu]は、溶接部分の溶接金属に含まれるCuの含有量(質量%)、
[BCu]は、母材に含まれるCuの含有量(質量%)、
[ACr]は、溶接部分の溶接金属に含まれるCrの含有量(質量%)、
[BCr]は、母材に含まれるCrの含有量(質量%)
をそれぞれ、意味する。
上式(5)、(6)、および(7)において、[AAl]/[BAl](以下、S値と呼ぶ。)、[ACu]/[BCu](以下、T値と呼ぶ。)、[ACr]/[BCr](以下、U値と呼ぶ。)が、それぞれ、0.30未満の場合、後記する実施例に示すように、Al、Cu、およびCrの防食皮膜形成成分による耐食性向上作用が有効に発揮されないため、上記特性が低下する。一方、上記S値、上記T値、および上記U値の上限は、耐食性向上の観点からは特に限定されないが、3.0(厳密には3.00)を超えると、溶接部の靭性が劣化し、所定の機械的強度を確保することができない(後記する実施例を参照)。例えば、後記する表5のNo.12のS値は3.07、表5のNo.13のT値は3.08、表5のNo.14のU値は3.07であり、いずれも、上記範囲を超えているため、HAZ靭性が低下している。これらを総合的に勘案すると、上記S値、上記T値、および上記U値の範囲は、それぞれ、0.5以上2.0以下に制御することが好ましい。
ここで、溶接部分の溶接金属に含まれる[AAl]、[ACu]、および[ACr]は、それぞれ、母材に含まれる[BAl]、[BCu]、および[BCr]と、使用する溶接材料とによって決定され得る。
上記S値、上記T値、および上記U値を、それぞれ、上式(5)から上式(7)の範囲内に制御するためには、母材の鋼中成分および溶接金属の組成を、それぞれ、以下のように制御することが好ましい。
(本発明による第1の溶接継手における、母材の鋼中成分)
本実施形態に用いられる母材は、以下に示すように、C、Si、Mnの基本成分のほか、Al、Cu、およびCrを必須成分として含んでおり、且つ、PおよびSの有害成分を抑制している。この母材は、耐食性に優れた船舶用鋼材などとして有用であり、本願出願人は、先に出願を行っている(平成16年7月29日出願、特願2004−222372)。
まず、本実施形態を特徴付けるAl、Cu、およびCrを説明する。
まず、AlおよびCrの作用を説明する。
Alは、鋼材の表面に安定な酸化物の防食皮膜を形成し、耐食性を高める元素である。詳細には、鋼材の腐食によって溶解したAl3+イオンは、溶存酸素などと結合してAl酸化物となり、鋼材の表面に堆積して防食皮膜を形成する。しかしながら、上記皮膜による防食作用は、船舶などの高塩環境下では有効に発揮されない場合がある。また、Al酸化物の皮膜は、pHが約5〜8.5程度のほぼ中性域で非常に安定であるが、pHが8.5を超えると溶解性が高くなる。特に、船舶が曝される海水の場合、清浄な海水のpHは8程度であるが、海藻などが繁殖している海域のpHは9.5程度に上昇し、アルカリ性になる。また、腐食のカソード反応が起こっている部位では、溶存酸素の還元で生成したOHイオンのため、pHが更に上昇する傾向にある。こうしたことから、船舶環境下でのAl酸化物は、必ずしも安定に存在せず、むしろ、容易に溶解するため、Al酸化物による耐食性が充分発揮されない場合が多い。
一方、Crは、Alと同様、鋼材の表面に安定な酸化物の皮膜を形成し、防食作用を発揮する。しかし、Cr酸化物単独では、上記作用は不十分であり、Al酸化物との共存下で顕著に発揮される。また、Cr酸化物は、アルカリ領域での安定性に優れるとともに、微量に溶解したCrイオンの加水分解によってpHを低下させるため、海水のpH上昇によるAl酸化物の溶解を防止し得、Al酸化物による防食作用を確保できるようになる。
従って、本実施形態では、CrとAlとを併用することにした。
以下、AlおよびCrの含有量を説明する。
Al:0.05〜0.50%
Alによる上記作用を有効に発揮させるため、Alを0.05%以上添加する。Alの含有量が0.05%未満の場合、Al3+イオンが海水中に飛散するなどして鋼材の表面に堆積されず、所望の防食皮膜が形成されない。ただし、Alを0.1%を超えて過剰に添加すると、溶接部の靭性がやや低下するなど、溶接性に悪影響を及ぼす恐れがある。母材中のCおよびSiのほか、PやS(後記する)を適切な範囲に制御することにより、Alを0.1%超の範囲で添加しても、溶接性を確保することができる。しかしながら、Alの含有量が0.50%を超えて過剰になると、溶接性が低下する。Alの含有量は、0.08%以上0.45%以下であることが好ましく、0.10%以上0.40%以下であることがより好ましい。
Cr:0.01〜5.0%
Crによる防食作用を有効に発揮させるため、Crを0.01%以上添加する。しかしながら、Crを過剰に添加すると、溶接性が劣化するため、5.0%以下とする。Crの含有量は、0.05%以上4.50%以下である。
CrおよびAlの上記作用は、鋼材に含まれるCrの量とAlの量との比([Cr]/[Al]、質量比)を、1以上50以下に制御することによって有効に発揮される。上記の比が1未満の場合、腐食均一性が不十分であり、一方、50を超えると耐すきま腐食性が低下する。上記の比は、10以上35以下とすることが更に好ましい。
更に、本実施形態では、上記のAlおよびCrに加え、Cuを下記の範囲で含有する。
Cu:0.01〜5.0%
Cuは、表面に緻密な錆の皮膜を形成し、耐食性の向上に大きく寄与する。また、この錆皮膜と、前述したAlの酸化物および後記するCr酸化物とが共存すると、母材の保護が相乗的に高まり、一層優れた耐食性が発揮される。このような作用を有効に発揮させるため、Cuを0.01%以上添加する。ただし、Cuを過剰に添加すると、溶接性や熱間加工性が劣化するため、5.0%以下とすることが好ましい。Cuの含有量は、0.05%以上4.00%以下である。
C:0.01〜0.20%
Cは、強度確保のために添加される。船舶の構造部材に要求される最低レベルの強度(使用する鋼材の肉厚にもよるが、概ね、400MPa程度)を確保するため、0.01%以上添加する。しかし、Cを0.20%を超えて過剰に添加すると、靱性が劣化する。Cの含有量は、0.04%以上0.18%以下であることが好ましく、0.08%以上0.16%以下であることがより好ましい。
Si:0.01〜0.50%
Siは、脱酸と強度確保のために添加される。Siの含有量が0.01%未満の場合、構造部材に要求される最低レベルの強度を確保することができない。しかし、Siを0.50%を超えて過剰に添加すると、溶接性が劣化する。Siの含有量は、0.05%以上0.40%以下であることが好ましく、0.10%以上0.30%以下であることがより好ましい。
Mn:0.01〜2.0%
Mnは、Siと同様、脱酸および強度確保のために添加される。Mnの含有量が0.01%未満の場合、構造部材に要求される最低レベルの強度を確保することができない。しかし、Mnを2.0%を超えて過剰に添加すると、靱性が劣化する。Mnの含有量は、0.05%以上1.80%以下であることが好ましく、0.10%以上1.60%以下であることがより好ましい。
P:0.020%以下(0%を含む)
Pは、靭性や溶接性を劣化させるため、含有量をできるだけ抑えることが好ましい。Pの含有量が0.020%を超えると、船舶などに要求される溶接性を確保することができない。Pの含有量は、0.015%以下であることが好ましい。
S:0.010%以下(0%を含む)
Sは、Pと同様、靭性や溶接性を劣化させるため、含有量をできるだけ抑えることが好ましい。Sの含有量が0.010%を超えると、船舶などに要求される溶接性を確保することができない。Sの含有量は、0.008%以下であることが好ましい。
本発明による第1の溶接継手に用いられる母材の基本成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避不純物(例えば、O等)である。なお、本発明の作用を阻害しない程度に、他の許容成分(例えば、Zr,N等)を更に添加してもよい。これらの許容成分は、その含有量が過剰になると靭性が劣化するため、合計で、0.1%程度以下に抑えることが好ましい。
さらに、上記母材には、必要に応じて、(i)Ni:0.01〜5.0%、Co:0.01〜5.0%、およびTi:0.005〜0.20%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(ii)Ca:0.0005〜0.020%および/またはMg:0.0005〜0.020%、(iii)Se:0.01〜0.50%、(iv)Sb:0.01〜0.50%および/またはSn:0.01〜0.50%、(v)B:0.0001〜0.010%、V:0.01〜0.50%、およびNb:0.003〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種等を更に添加しても良く、添加成分の種類に応じて、溶接継手の特性が更に改善される。
(i)Ni:0.01〜5.0%、Co:0.01〜5.0%、およびTi:0.005〜0.20%よりなる群から選ばれる少なくとも一種
これらの元素は、いずれも、表面に緻密な錆の被膜を形成し、耐食性を高める。更に、Tiは、すきま内部における腐食を抑制し、耐すきま腐食性も向上させる。ただし、これらの元素を過剰に添加すると溶接性や熱間加工性が劣化する。これらを勘案して、上記元素の含有量を、それぞれ、上記範囲に定めた。NiおよびCoの含有量は、それぞれ、0.05%以上4.50%以下であることがより好ましい。また、Tiの含有量は、0.008%以上0.15%以下であることがより好ましい。
(ii)Ca:0.0005〜0.020%および/またはMg:0.0005〜0.020%
CaおよびMgは、溶解によってpH上昇作用を示し、鉄の溶解が生じている局部アノードの加水分解反応によるpH低下を抑制して腐食反応を抑え、耐食性を向上させる。このような作用は、上記元素を、それぞれ、0.0005%以上添加することによって有効に発揮される。ただし、上記元素を0.020%を超えて過剰に添加すると、加工性および溶接性が低下する。上記元素の含有量は、それぞれ、0.0010%以上0.015%以下であることがより好ましい。
(iii)Se:0.005〜0.50%
Seは、腐食の溶解反応が起こっている部位のpH低下を抑制して腐食反応を抑え、腐食均一性を向上させる。Seによる上記作用は、特に、溶接継手に形成される「すきま部」の局部腐食を抑制するのに有効に発揮される。すきま部は、物質の移動が制限されているため、pHの低下が局所的に生じやすいからである。このような作用を有効に発揮するため、Seを0.005%以上添加する。しかしながら、Seを0.50%を超えて過剰に添加すると、加工性および溶接性が劣化する。Seの含有量は、0.008%以上0.45%であることが好ましく、0.010%以上0.40%以下であることがより好ましい。
(iv)Sb:0.01〜0.50%および/またはSn:0.01〜0.50%
SbおよびSnは、本実施形態の必須成分であるCuによる錆の緻密化作用、上記(i)の元素(Ni,Ti等)による錆の緻密化作用、並びに上記(iii)のSeおよび上記(ii)の元素(Ca,Mg)によるpH低下抑制作用を促進し、耐食性を向上させる。このような作用を有効に発揮させるため、上記元素を、いずれも、0.01%以上添加することが好ましい。ただし、上記元素を過剰に添加すると、加工性および溶接性が劣化するため、それぞれ、0.50%以下とすることが好ましい。上記元素の含有量は、それぞれ、0.02%以上0.40%以下であることがより好ましい。
(v)B:0.0001〜0.010%、V:0.01〜0.50%、およびNb:0.003〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種
これらの元素は、強度の向上に有用である。ただし、これらの元素を過剰に添加すると、母材の靭性が劣化する。これらの点を勘案して、上記元素の好ましい含有量を上記範囲に定めた。Bの含有量は、0.0003%以上0.0090%以下であることがより好ましい。Vの含有量は、0.02%以上0.45%以下であることがより好ましい。Nbの含有量は、0.005%以上0.45%以下であることがより好ましい。
本実施形態の鋼材は、必要に応じて、更に塗装が施されていてもよい。例えば、後記する実施例に示すように、タールエポキシ樹脂塗料を用いて塗膜を形成しても良い。あるいは、上記塗料以外の代表的な重防食塗装法、例えば、ジンクリッチペイントやショッププライマーによる塗装を行ってもよい。更に、電気防食などの防食方法を併用することも可能である。これらの方法により、塗装耐食性は更に高められる(後記する実施例を参照)。
(本発明による第1の溶接継手における、溶接金属の組成)
上記溶接金属は、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.01〜2.0%、Al:0.05〜0.50%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%を夫々含有する他、P:0.020%以下(0%を含む)およびS:0.010%(0%を含む)に抑制し、残部:Feおよび不可避不純物であることが好ましい。すなわち、溶接金属の組成は、母材と実質的に同じであることが好ましい。
次に、本発明による第1の溶接継手を作製するための好ましい方法を説明する。
本発明による第1の溶接継手は、例えば、母材および溶接材料の組成を適切に制御することによって得られる。母材の好ましい鋼中成分は、前述したとおりである。
溶接材料は、S値、T値、およびU値が、それぞれ、上式(5)、上式(6)、および上式(7)の範囲を満足するように、特に、Al、Cu,およびCrの含有量を適切に制御することが好ましい。具体的には、溶接材料の組成は、溶接条件などによっても相違するが、溶接材料のAl量は、母材のAl量に比べて、おおむね、0.3倍超3.1倍未満の範囲に制御することが好ましく、厳密には、0.30倍超3.10倍未満の範囲に制御することがより好ましい(後記する実施例を参照)。また、溶接材料のCu量は、母材のCu量に比べて、おおむね、0.1倍超2.7倍未満の範囲に制御することが好ましく、厳密には、0.10倍超2.70倍未満の範囲に制御することがより好ましい(後記する実施例を参照)。また、溶接材料のCr量は、母材のCr量に比べて、おおむね、0.2倍超3.0倍未満の範囲に制御することが好ましく、厳密には、0.20倍超3.00倍未満の範囲に制御することがより好ましい(後記する実施例を参照)。例えば、後記する表5のNo.1は、溶接材料中のCu量/母材中のCu量≒0.096と、上記の好ましい範囲を下回っているため、塗装耐食性などが低下している。また、表5のNo.3は、溶接材料中のCr量/母材中のCr量≒0.186と、上記の好ましい範囲を下回っているため、塗装耐食性などが低下している。また、表5のNo.8は、溶接材料中のCr量/母材中のCr量≒2.966と、上記の好ましい範囲内であるため、耐食性に優れているが、表5のNo.14は、溶接材料中のCr量/母材中のCr量≒3.051と、上記の好ましい範囲を超えているため、HAZ靭性が低下している。溶接材料の他の成分は、本発明による第1の溶接継手が得られる限り、特に限定されないが、例えば、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.01〜2.0%の範囲内に制御し、且つ、Pを0.020%以下(0%を含む)、およびSを0.010%以下(0%を含む)に抑制することが推奨される。
溶接条件の種類は特に限定されず、溶接継手の機械特性(強度や靭性など)を高められるよう、通常、汎用される溶接方法を適宜選択して用いることができる。代表的には、アーク溶接が挙げられ、例えば、後記する実施例に記載のサブマージアーク溶接(自動溶接)、ソリッドワイヤやフラックス入りワイヤなどの半自動アーク溶接、被覆アーク溶接やティグ溶接(TIG)などの手アーク溶接が含まれる。そのほか、ガス溶接を行っても良い。
(本発明による第2の溶接継手)
本発明による第2の溶接継手は、下式(4)を満足する。これにより、耐全面腐食性、腐食均一性、耐すきま腐食性、および塗装耐食性のすべてが高められた溶接構造体を提供することができる。
0.30≦[ASe]/[BSe]≦3.0・・・ (4)
式中、
[ASe]は、溶接部分の溶接金属に含まれるSeの含有量(質量%)、
[BSe]は、母材に含まれるSeの含有量(質量%)
をそれぞれ、意味する。
上式(4)において、[ASe]/[BSe](以下、R値と呼ぶ。)が、いずれも、0.30未満の場合、後記する実施例に示すように、Seの防食皮膜形成成分による耐食性向上作用が有効に発揮されないため、これらの特性が低下する。一方、上記R値の上限は、耐食性向上の観点からは特に限定されないが、3.0(厳密には3.00)を超えると、溶接部の靭性が劣化し、所定の機械的強度を確保することができない。これらを総合的に勘案すると、上記R値は、0.5以上2.0以下であることが好ましい。
ここで、溶接部分の溶接金属に含まれる[ASe]は、主に、母材に含まれる[BSe]と、使用する溶接材料とによって決定され得る。
上記R値を、それぞれ、上式(4)の範囲内に制御するためには、母材の鋼中成分および溶接金属の組成を、それぞれ、以下のように制御することが好ましい。
(本発明による第2の溶接継手における、母材の鋼中成分)
本実施形態に用いられる母材は、以下に示すように、C、Si、Mnの基本成分のほか、Seを必須成分として含んでいる。この母材は、耐食性に優れた船舶用鋼材などとして有用であり、本願出願人は、先に出願を行っている(平成16年6月29日出願、特願2004−191759)。
まず、本実施形態を特徴付けるSeについて説明する。
Se:0.005〜0.50%
Seは、腐食の溶解反応が生じている部位のpH低下を抑制して腐食反応を抑え、耐食性を向上させる作用を有する。これにより、pHの局部的な変化が起こり難くなり、腐食均一性が向上する。
この点について、もう少し詳しく説明する。例えば、Cu、Ni、Tiなどの錆を緻密化または安定化させる元素(後記する)を添加した場合、後記する実施例に示すように、耐全面腐食性は向上するが、その一方で、腐食起点部でpHが低下し、局部腐食が増加する傾向にある。Seは、局部腐食の起点となりやすい錆の欠陥部分に濃縮する傾向があるため、局部的なpHの低下に対し、pH低下抑制作用を発揮すると考えられる。特に、すきま部は、物質の移動が制限されているため、pHの低下が局所的に発生して局部腐食が生じるが、Seの添加により、このような局部腐食を有効に抑えられる。このようなSeによる腐食均一性および耐局部腐食性の向上作用は、前述したCu,Ni,Tiなどと併用することにより、飛躍的に向上する。
上記作用を有効に発揮させるため、Seを0.005%以上添加する。しかしながら、Seを0.50%を超えて過剰に添加すると、加工性および溶接性が劣化する。Seの含有量は、0.006%以上0.45%以下であることが好ましく、0.008%以上0.40%以下であることがより好ましい。
C:0.01〜0.30%
Cは、材料の強度確保のために必要である。船舶の構造部材に要求される最低レベルの強度(使用する鋼材の肉厚にもよるが、概ね、400MPa程度)を確保するため、Cを0.01%以上添加する。しかし、Cを0.30%を超えて過剰に添加すると、靱性が劣化する。Cの含有量は、0.02%以上0.28%以下であることが好ましく、0.04%以上0.26%以下であることがより好ましい。
Si:0.01〜2.0%
Siは、脱酸と強度確保のために添加される。Siの含有量が0.01%未満では、構造部材に要求される最低レベルの強度を確保することができない。しかし、Siを2.0%を超えて過剰に添加すると、溶接性が劣化する。Siの含有量は、0.02%以上1.80%以下であることが好ましく、0.05%以上1.60%以下であることがより好ましい。
Mn:0.01〜2.0%
Mnは、Siと同様、脱酸と強度確保のために添加される。Mnの含有量が0.01%未満の場合、構造部材に要求される最低レベルの強度を確保することができない。しかし、Mnを2.0%を超えて過剰に添加すると、靱性が劣化する。Mnの含有量は、0.05%以上1.80%であることが好ましく、0.10%以上1.60%以下であることがより好ましい。
Al:0.005〜0.10%
Alは、SiおよびMnと同様、脱酸と強度確保のために添加される。Alの含有量が0.005%未満の場合、脱酸作用が有効に発揮されない。しかし、Alを0.10%を超えて添加すると、溶接性が低下する。Alの含有量は、0.010%以上0.050%以下であることが好ましく、0.015%以上0.040%以下であることがより好ましい。
本発明による第2の溶接継手に用いられる母材の基本成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避不純物(例えば、P,S,O等)である。なお、本発明の作用を阻害しない程度に、他の許容成分(例えば、Zr,N等)を更に添加しても良い。これらの許容成分は、その含有量が過剰になると、靭性が劣化するため、合計で、0.1%程度以下に抑えることが好ましい。
さらに、上記母材には、必要に応じて、(i)Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%、Co:0.01〜5.0%、Ni:0.01〜5.0%、およびTi:0.005〜0.20%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(ii)La:0.0005〜0.15%、Ce:0.0005〜0.15%、Ca:0.0005〜0.015%、およびMg:0.0005〜0.015%よりなる群から選ばれる一種以上、(iii)Mo:0.01〜5.0%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(iv)Sb:0.01〜0.5%、As:0.01〜0.5%、Sn:0.01〜0.5%、Bi:0.01〜0.5%、およびTe:0.01〜0.5%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(v)B:0.0001〜0.010%、V:0.01〜0.50%、およびNb:0.003〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(vi)Zn:0.001〜0.10%を更に添加しても良く、添加成分の種類に応じて、溶接継手の特性が更に改善される。
(i)Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%、Co:0.01〜5.0%、Ni:0.01〜5.0%、およびTi:0.005〜0.20%よりなる群から選ばれる一種以上
これらの元素は、表面に緻密な錆の被膜を形成することによって耐食性向上に大きく寄与する。更に、Coは、高塩分環境下の腐食抑制に有用である。また、Tiは、上記作用のほか、すきま内部の腐食を抑制し、耐すきま腐食性も向上させる。ただし、これらの元素を過剰に添加すると、溶接性や熱間加工性が劣化する。これらの点を勘案し、上記元素の好ましい含有量を上記範囲に定めた。Cu、Cr、Co、Niの含有量は、それぞれ、0.05%以上4.50%以下であることがより好ましい。Tiの含有量は、0.008%以上0.15%以下であることがより好ましい。
(ii)La:0.0005〜0.15%、Ce:0.0005〜0.15%、Ca:0.0005〜0.015%、およびMg:0.0005〜0.015%よりなる群から選ばれる一種以上
これらの元素は、腐食によって溶解したFeイオンの加水分解によるpH低下を抑制するほか、必要によって添加される上記(i)の元素(Cu等)による錆緻密化作用を促進し、SeによるpH低下抑制作用を更に高める作用がある。しかしながら、これらの元素を過剰に添加すると、加工性および溶接性が低下する。これらを勘案して、上記元素の好ましい含有量を上記範囲に定めた。LaおよびCeの含有量は、それぞれ、0.0010%以上0.10%以下であることがより好ましい。また、CaおよびMgの含有量は、それぞれ、0.0010%以上0.010%以下であることがより好ましい。
(iii)Mo:0.01〜5.0%
Moは、腐食均一性を高め、局部腐食による穴あきを抑制する。特に、Moと上記(i)の元素(Cu、Cr,Co等)とを併用することにより、腐食均一性が一層向上する。しかし、Moを過剰に添加すると、溶接性が劣化する。これらを勘案して、Moの好ましい含有量を上記範囲に定めた。Moの含有量は、0.02%以上4.50%であることがより好ましい。
(iv)Sb:0.01〜0.5%、As:0.01〜0.5%、Sn:0.01〜0.5%、Bi:0.01〜0.5%、およびTe:0.01〜0.5%よりなる群から選ばれる少なくとも一種
これらの元素は、上記(i)の元素(Cu等)による錆緻密化作用や、上記(ii)の元素(La等)によるpH低下作用を促進し、耐食性を向上させる。このような作用を有効に発揮させるため、上記元素は、いずれも、0.01%以上添加することが好ましい。ただし、これらの元素を過剰に添加すると、加工性および溶接性が低下するため、いずれの元素も、0.5%以下とすることが好ましい。上記元素の含有量は、それぞれ、0.02%以上0.40%以下であることがより好ましい。
(v)B:0.0001〜0.010%、V:0.01〜0.50%、およびNb:0.003〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種
これらの元素は、強度向上に寄与する。ただし、過剰に添加すると、母材の靭性が低下するため、上記元素の含有量を、それぞれ、上記範囲に定めた。Bの含有量は、0.0003%以上0.0090%以下であることがより好ましい。Vの含有量は、0.02%以上0.45%以下であることがより好ましい。Nbの含有量は、0.005%以上0.45%以下であることがより好ましい。
本実施形態の鋼材は、必要に応じて、更に塗装が施されていてもよい。例えば、後記する実施例に示すように、タールエポキシ樹脂塗料を用いて塗膜を形成しても良い。あるいは、上記塗料以外の代表的な重防食塗装法、例えば、ジンクリッチペイントやショッププライマーによる塗装を行ってもよい。更に、電気防食などの防食方法を併用することも可能である。これらの方法により、塗装耐食性は更に高められる(後記する実施例を参照)。
(本発明による第2の溶接継手における、溶接金属の組成)
上記溶接金属は、C:0.01〜0.30%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.01〜2.0%、Al:0.005〜0.10%を夫々含有する他、Se:0.005〜0.50%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物であることが好ましい。すなわち、溶接金属の組成は、母材と実質的に同じであることが好ましい。
次に、本発明による第2の溶接継手を作製するための好ましい方法を説明する。
本発明による第2の溶接継手は、例えば、母材および溶接材料の組成を適切に制御することによって得られる。母材の好ましい鋼中成分は、前述したとおりである。
溶接材料は、R値が上式(4)の範囲を満足するように、特に、Seの含有量を適切に制御することが好ましい。具体的には、溶接材料の組成は、溶接条件などによっても相違するが、溶接材料のSe量は、母材のSe量に比べて、おおむね、0.35倍超4.0倍未満(厳密には、4.00倍未満)の範囲に制御することが好ましい。溶接材料の他の成分は、本発明による第2の溶接継手が得られる限り、特に限定されないが、例えば、C:0.01〜0.30%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.01〜2.0%、Al:0.005〜0.10%の範囲内に制御することが推奨される。
溶接条件の種類は特に限定されず、溶接継手の機械特性(強度や靭性など)を高められるよう、通常、汎用される溶接方法を適宜選択して用いることができる。代表的には、アーク溶接が挙げられ、例えば、後記する実施例に記載のサブマージアーク溶接(自動溶接)、ソリッドワイヤやフラックス入りワイヤなどの半自動アーク溶接、被覆アーク溶接やティグ溶接(TIG)などの手アーク溶接が含まれる。そのほか、ガス溶接を行っても良い。
(本発明による第3の溶接継手)
本発明による第3の溶接継手は、下式(8)を満足する。これにより、耐全面腐食性、腐食均一性、耐すきま腐食性、および塗装耐食性のすべてが高められた溶接構造体を提供することができる。
0.30≦[AZn]/[BZn]≦3.0 ・・・ (8)
式中、
[AZn]は、溶接部分の溶接金属に含まれるZnの含有量(質量%)、
[BZn]は、母材に含まれるZnの含有量(質量%)、
をそれぞれ、意味する、
上式(8)において、[AZn]/[BZn](以下、V値と呼ぶ。)が0.30未満の場合、後記する実施例に示すように、Znの防食皮膜形成成分による耐食性向上作用が有効に発揮されないため、上記特性が低下する。一方、上記V値は、耐食性向上の観点からは特に限定されないが、3.0(厳密には3.00)を超えると、溶接部の靭性が劣化し、所定の機械的強度を確保することができない。これらを総合的に勘案すると、上記V値は、0.5以上2.0以下に制御することが好ましい。
ここで、溶接部分の溶接金属に含まれる[AZn]は、主に、母材に含まれる[BZn]と、使用する溶接材料とによって決定され得る。
上記V値を、それぞれ、上式(8)の範囲内に制御するためには、母材の鋼中成分および溶接金属の組成を、それぞれ、以下のように制御することが好ましい。
(本発明による第3の溶接継手における、母材の鋼中成分)
本実施形態に用いられる母材は、以下に示すように、C、Si、Mnの基本成分のほか、Znを必須成分として含んでいる。この母材は、耐食性に優れた石油類タンク用鋼材などとして有用であり、本願出願人は、先に出願を行っている(平成16年10月21日出願、特願2004−307130)。
まず、本実施形態を特徴付けるZnを説明する。
Zn:0.001〜0.10%
Znは、石油類に由来する硫黄分(元素状硫黄や硫化水素ガスなど)が存在する環境下での耐食性を高めるのに有用である。一般に、鋼が水に溶解して腐食する反応は比較的緩慢であり、その腐食速度は、非常に遅くて問題にならないが、硫黄がある程度存在する環境下では、硫黄によって溶解反応が促進するため、腐食が顕著に進むと考えられている。鋼中のZnは、Feや他の合金元素に比べて電位が卑であるため、当該環境に置かれた場合には選択的に溶解しやすい。溶解したZnは、硫黄と反応して硫化亜鉛(ZnS)を生成し、鋼材の表面に沈殿して硫化亜鉛の被膜が形成される。硫化亜鉛は水溶性が低いため、上記被膜の形成により、素地鋼材は、水分環境下から保護され、腐食の進行が抑えられる。特に、物質の移動が制限されているすきま部分では、硫化亜鉛は、沖合に飛散せず鋼材の表面に沈殿しやすいことから、Znの添加により、耐すきま腐食性は一層高められる。Znによる上記作用は、必要によって添加される錆の緻密化作用または安定化作用を発揮するCu,Ni,Cr,Tiなどの元素と併用することにより、飛躍的に向上する。
このような作用を有効に発揮させるため、Znを0.001%以上添加する。しかしながら、Znを、0.10%を超えて過剰に添加すると加工性および溶接性が低下する。Znの含有量は、0.003%以上0.09%以下であることが好ましく、0.005%以上0.08%以下であることがより好ましい。
C:0.01〜0.30%
Cは、材料の強度確保のために添加される。本実施形態の溶接継手を、例えば、石油類タンクなどの構造部材として適用する場合、最低レベルの強度(使用する鋼材の肉厚にもよるが、概ね、400MPa程度)を確保するため、Cを0.01%以上添加する。しかし、Cを0.30%を超えて過剰に添加すると、靱性が劣化する。Cの含有量は、0.02%以上0.28%以下であることが好ましく、0.04%以上0.26%以下であることがより好ましい。
Si:0.01〜2.0%
Siは、脱酸と強度確保のために添加される。Siの含有量が0.01%未満の場合、構造部材に要求される最低レベルの強度を確保することができない。しかし、Siを2.0%を超えて過剰に添加すると、溶接性が劣化する。Siの含有量は、0.02%以上1.80%以下であることが好ましく、0.05%以上1.60%以下であることがより好ましい。
Mn:0.01〜2.0%
Mnは、Siと同様、脱酸および強度確保のために添加される。Mnの含有量が0.01%未満の場合、構造部材に要求される最低レベルの強度を確保することができない。しかし、Mnを、2.0%を超えて過剰に添加すると靱性が劣化する。Mn含有量の含有量は、0.05%以上1.80%以下であることが好ましく、0.10%以上1.60%以下であることがより好ましい。
Al:0.005〜0.10%
Alは、SiおよびMnと同様、脱酸および強度確保のために添加される。Alの含有量が0.005%未満の場合、所望の脱酸作用が得られない。しかし、Alを、0.10%を超えて添加すると溶接性が低下する。Alの含有量は、0.010%以上0.050%以下であることが好ましく、0.015%以上0.040%以下であることがより好ましい。
本発明による第3の溶接継手に用いられる母材の基本成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避不純物(例えば、P,S,O等)である。なお、本発明の作用を阻害しない程度に、他の許容成分(例えば、Zr,N等)を更に添加してもよい。これらの許容成分は、その含有量が過剰になると靭性が劣化するため、合計で、約0.1%程度以下に抑えることが好ましい。
さらに、上記母材には、必要に応じて、(i)Cu:0.01〜5.0%、Ni:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%、およびTi:0.005〜0.20%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(ii)Ca:0.0005〜0.015%、Mg:0.0005〜0.015%、およびSe:0.005〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種、(iii)Mo:0.01〜5.0%、(iv)Sb:0.01〜0.5%、(v)B:0.0001〜0.010%、V:0.01〜0.50%、およびNb:0.003〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種等を更に添加しても良く、添加成分の種類に応じて、溶接継手の特性が更に改善される。
(i)Cu:0.01〜5.0%、Ni:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%、およびTi:0.005〜0.20%よりなる群から選ばれる少なくとも一種
これらの元素は、いずれも、鋼材の表面に緻密な錆の被膜を形成し、耐食性向上に寄与する。前述したように、本実施形態では、Znの添加によって鋼材の表面に硫化亜鉛の被膜が形成されるが、この被膜は、素地鋼材との密着性があまり良好でないため、石油類などの流動成分によって剥離する恐れがある。上記(i)の元素によって形成される錆の被膜は、上記硫化亜鉛の被膜を取り込むように形成されるため、石油類などの流動成分に対する保護膜として作用し、耐食性の低下を防止できる。更に、Tiは、上記作用のほか、すきま内部における腐食を抑制し、耐すきま腐食性も向上させる。Cu、Ni,およびCrの含有量は、0.05%以上4.50%以下であることがより好ましい。Tiの含有量は、0.008%以上0.15%以下であることがより好ましい。
(ii)Ca:0.0005〜0.015%、Mg:0.0005〜0.015%、およびSe:0.005〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種
これらの元素は、腐食によって溶解したFeイオンの加水分解によるpH低下を抑制する作用を有し、pH低下による腐食促進を抑える作用を有する。その結果、pHの局部的な変化が起こり難くなり、腐食均一性が向上する。前述したように、本実施形態では、Znの添加によって鋼材の表面に硫化亜鉛の被膜が形成されるが、硫化亜鉛は、酸性溶液に対する溶解度が比較的高いため、pHの低下が局所的に生じた部分では、硫化亜鉛の被膜は溶解し、所望とする保護作用が発揮されない。これに対し、上記元素を添加すると、pH低下抑制作用によって局所的な酸性化が防止されるため、硫化亜鉛の溶解は抑止され、結果的に、耐食性は一層高められる。しかしながら、上記元素を過剰に添加すると、加工性および溶接性が低下する。これらの点を勘案して、上記元素の好ましい含有量を上記範囲に定めた。CaおよびMgの含有量は、それぞれ、0.0010%以上0.010%以下であることがより好ましい。Seの含有量は、0.008%以上0.40%以下であることがより好ましい。
(iii)Mo:0.01〜5.0%
Moは、腐食均一性を高め、局部腐食による穴あきを抑制する作用を有する。特に、Moを上記(i)の元素(Cu、Cr等)と併用することによって、腐食均一性向上作用が一層高められる。このような作用を有効に発揮させるためには、Moを0.01%以上添加することが好ましい。しかし、Moを過剰に添加すると溶接性が劣化するため、Moの含有量を5.0%以下とすることが好ましい。Moの含有量は、0.02%以上4.50%以下であることがより好ましい。
(iv)Sb:0.01〜0.5%
Sbは、上記(i)の元素(Cu等)による錆緻密化作用や、上記(ii)の元素(Ca等)によるpH低下抑制作用を促進し、耐食性を一層高める元素である。このような作用効果を発揮させるため、Sbを0.01%以上添加することが好ましい。ただし、Sbを過剰に添加すると加工性および溶接性が劣化するため、Sbの含有量を0.5%以下とすることが好ましい。Sbの含有量は、0.02%以上0.40%以下であることが好ましい。
(v)B:0.0001〜0.010%、V:0.01〜0.50%、およびNb:0.003〜0.50%よりなる群から選ばれる少なくとも一種
これらの元素は、強度向上に有効である。ただし、過剰に添加すると母材の靭性が低下する。これらを勘案して、上記元素の好ましい含有量を上記範囲に定めた。Bの含有量は、0.0003%以上0.0090%以下であることがより好ましい。Vの含有量は、0.02%以上0.45%以下であることがより好ましい。Nbの含有量は、0.005%以上0.45%以下であることがより好ましい。
本実施形態の鋼材は、必要に応じて、更に塗装が施されていてもよい。例えば、後記する実施例に示すように、タールエポキシ樹脂塗料を用いて塗膜を形成しても良い。あるいは、上記塗料以外の代表的な重防食塗装法、例えば、ジンクリッチペイントやショッププライマーによる塗装を行ってもよい。更に、電気防食などの防食方法を併用することも可能である。これらの方法により、塗装耐食性は更に高められる(後記する実施例を参照)。
(本発明による第3の溶接継手における、溶接金属の組成)
上記溶接金属は、C:0.01〜0.30%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.01〜2.0%、Al:0.005〜0.10%を夫々含有する他、Zn:0.001〜0.10%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物であることが好ましい。すなわち、溶接金属の組成は、母材と実質的に同じであることが好ましい。
次に、本発明による第3の溶接継手を作製するための好ましい方法を説明する。
本発明による第3の溶接継手は、例えば、母材および溶接材料の組成を適切に制御することによって得られる。母材の好ましい鋼中成分は、前述したとおりである。
溶接材料は、V値が上式(8)の範囲を満足するように、特に、Znの含有量を適切に制御することが好ましい。具体的には、溶接材料の組成は、溶接条件などによっても相違するが、溶接材料のZn量は、母材のZn量に比べて、おおむね、0.4倍超3.5倍未満の範囲(厳密には、0.40倍3.50倍未満)に制御することが好ましい。溶接材料の他の成分は、本発明による第3の溶接継手が得られる限り、特に限定されないが、例えば、C:0.01〜0.30%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.01〜2.0%、Al:0.005〜0.10%の範囲内に制御することが推奨される。
溶接条件の種類は特に限定されず、溶接継手の機械特性(強度や靭性など)を高められるよう、通常、汎用される溶接方法を適宜選択して用いることができる。代表的には、アーク溶接が挙げられ、例えば、後記する実施例に記載のサブマージアーク溶接(自動溶接)、ソリッドワイヤやフラックス入りワイヤなどの半自動アーク溶接、被覆アーク溶接やティグ溶接(TIG)などの手アーク溶接が含まれる。そのほか、ガス溶接を行っても良い。
本実施形態において、前述したV値を上式(8)の範囲内に制御し、且つ、溶接金属の好ましい組成を上記範囲内に制御するためには、溶接条件を適切に制御することが好ましい。溶接条件の詳細は、前述した第1の溶接継手のなかで記載したとおりである。
本発明の溶接構造体は、海水などに起因する塩分の付着と湿潤環境下による腐食に対し、優れた耐食性を発揮するが、これに限定されず、例えば、石油系液体燃料タンクなどに適用しても、その腐食環境下において優れた耐食性を発揮することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、下記記実施例によって制限されず、本明細書の前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施しても良く、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1(本発明による第1の溶接継手の検討)
本実施例では、本発明による第1の溶接継手において、S値([AAl]/[BAl])、T値([ACu]/[BCu])、U値([ACr]/[BCr])と、耐食性との関係を調べた。なお、本実施例および後記する実施例では、いずれも、以下のようにして作製された試験片Bから試験片Dを用い、下記の腐食試験を行って評価した。
(継手試験片Bの作製)
図1に示す継手試験片Bは、以下のようにして作製した。
まず、表1に示す種々の成分組成(残部:Feおよび不可避不純物)を有する鋼材(母材)M1からM8を転炉で溶製し、連造鋳造および熱間圧延によって各種鋼板(サイズ約300mm×約300mm×約25mm)を作製した。得られた鋼板を2つに切断し、表面を研削することによって、図1に示す試験片A(サイズ約300mm×約150mm×約25mm)を2個作製した。
このようにして得られた2個の試験片Aに対し、表2に示す種々の成分組成(残部:Feおよび不可避不純物)を有する溶接材料W1からW14を用いてサブマージアーク溶接を行い、継手試験片Bを得た。溶接材料W1からW14のワイヤ径は、すべて約4.8mmであり、開先形状はV型とした。入熱量は1kJ/mmから10kJ/mmの範囲内で適宜調整した。このようにして得られた溶接部分の溶接金属の組成を表3に示す。表3に示すNo.1〜14の母材および溶接継手材料の詳細は、後記する表5に示すとおりである。
(耐すきま腐食性測定用試験片Cの作製)
図2に示す試験片Cは、以下のようにして作製した。
まず、上記のようにして得られた試験片Bの溶接部に、約60mm×約60mm×約5mmのすきま形成用試験片2個を図2に示すように接触させることにより、すきま部が形成された試験片を作製した。次に、この試験片Cの中心に、図2に示すように約10mmφの孔を設けるとともに、基材側(大試験片側)にねじ孔(不図示)を開けてM8プラスチック製ねじを用いて固定することにより、耐すきま腐食性測定用の試験片Cを得た。
(塗装耐食性測定用試験片Dの作製)
防食塗膜が施された鋼材に傷が付いて素地鋼材が露出したときの塗装耐食性を調べるため、以下のようにして、図3に示す試験片Dを作製した。
まず、前述した試験片Bと同様にして作製した鋼板(サイズ約300mm×約300mm×約25mm)の全面に、ジンクリッチプライマーの下塗り塗装(平均厚さ約15μm)およびタールエポキシ樹脂(平均厚さ約250μm)を順次塗装した。次に、この試験片の片面に、カッターナイフを用い、図3に示すように、素地まで達するカット傷(長さ約200mm、幅約0.5mm)を溶接線に対して垂直方向および水平方向に形成し、塗装耐食性測定用の試験片Dを得た。
(腐食試験の測定方法)
このようにして得られた継手試験片B、耐すきま腐食性測定用試験片C、および塗装耐食性測定用試験片Dに対し、以下に示す腐食試験を施した。この腐食試験は、溶接継手を含む溶接構造体から構成された船舶が腐食される条件を想定して設定されたものである。
まず、VLCC(Very Large Crude Carrier)原油タンカーのタンク内面の底板に上記の各試験片を5個ずつ取り付け、通常通りの運航を5年間行った後、各試験片の腐食の程度を以下のようにして調べた。
(試験片Bの腐食性)
試験片Bの腐食性(全面腐食性および腐食均一性)は、以下のようにして評価した。
まず、試験片Bに形成された鉄錆等の腐食生成物を除去するため、JIS K8284に基づき、クエン酸水素二アンモニウム水溶液中で陰極電解を行った。
次に、腐食試験前後の試験片Bの重量を夫々測定し、板厚の平均減少量D−ave(mm)に換算した。試験片5個の平均減少量D−aveを同様にして算出し、全面腐食性を評価した。
また、触針式三次元形状測定装置を用いて試験片Bの最大侵食深さD−max(mm)を求めた。上記のようにして算出された板厚の平均減少量D−aveに対する最大侵食深さD−max(D−max/D−ave)を算出し、腐食均一性を評価した。
(試験片Cの耐すきま腐食性)
耐すきま腐食性は、以下のようにして最大すきま腐食深さD−crev(mm)を測定することによって評価した。
まず、試験片Cに装着されたすきま形成用試験片を取り外した後、試験片Bと同様にして鉄錆等の腐食生成物を除去した。
次に、腐食性の評価に用いた触針式三次元形状測定装置を用いて大試験片側の最大すきま腐食深さD−crev(mm)を測定した。
(試験片Dの塗装耐食性)
塗装耐食性は、以下のようにして最大膨れ幅を測定することによって評価した。
まず、試験片D5個について、カット傷に垂直方向の塗膜膨れ幅(mm)をノギスで測定した。測定値の最大値を最大膨れ幅と定義した。
表4に、試験片Bの腐食性(全面腐食性および腐食均一性)、試験片Cの耐すきま腐食性、および試験片Dの塗装耐食性の評価基準を示す。表4において、各評価項目がすべて「○」または「◎」のものを合格とし、総合判定を、「△」または「×」を不合格とした。表4に示す評価基準に従って評価した結果を表5に示す。
(溶接部の靭性評価)
板厚の1/4部位が中心線となるようにシャルピー衝撃試験片(JIS Z3111 4号)を採取し、0℃でシャルピー衝撃試験を行って溶接溶融線(ボンド部)の吸収エネルギー(シャルピー衝撃値、vE)を算出した。シャルピー衝撃試験片は3本ずつ採取し、これらの平均値をシャルピー衝撃値(vE)とした。本実施例では、vEが100J以上のものを「HAZ靭性に優れる」と評価した。これらの結果を表5に併記する。
表5より、以下のように考察される。
まず、S値、T値、およびU値が、それぞれ、上式(5)、上式(6)、および上式(7)の範囲を満足するNo.4からNo.11は、いずれの評価項目においても優れた耐食性が認められ、且つ、HAZ靭性にも優れており、溶接構造体として良好な特性を備えていることが分かる。
これに対し、溶接材料中のCu量が母材中のCu量に比べて少ないためにS値が上式(5)の範囲を下回るNo.1、溶接材料中のAl量が母材中のAl量に比べて少ないためにT値が上式(6)の範囲を下回るNo.2、および溶接材料中のCr量が母材中のCr量に比べて少ないためにU値が上式(7)の範囲を下回るNo.3は、いずれも、耐全面腐食性に優れているが、腐食均一性、塗装耐食性、耐すきま腐食性のいずれかが若干低下または低下した。
一方、溶接材料中のAl量が母材中のAl量に比べて多いためにS値が上式(5)の範囲を超えるNo.12、溶接材料中のCu量が母材中のCu量に比べて多いためにT値が上式(6)の範囲を超えるNo.14、溶接材料中のCr量が母材中のCr量に比べて多いためにU値が上式(7)の範囲を超えるNo.15は、いずれも、HAZ靭性が100Jを下回り、溶接部の靭性が低下した。
なお、本実施例では、サブマージアーク溶接法によって継手試験片Bを作製したが、溶接方法は、これに限定されない。例えば、被覆アーク溶接法やエレクトロスラグ溶接法など、溶接構造体を作製するのに通常使用される溶接方法によって継手試験片Bを作製しても、同様の効果が得られることを実験によって確認している。また、使用する溶接材料も表2の組成に限定されず、S値、T値、およびU値が本発明の範囲を満足する限り、種々の溶接材料を用いることができる。
実施例2(本発明による第2の溶接継手の検討)
本実施例では、本発明による第2の溶接継手において、R値([ASe]/[BSe])と耐食性との関係を調べた。
具体的には、表6に示す種々の成分組成(残部:Feおよび不可避不純物)を有する鋼材(母材)M1からM8と、表7に示す種々の成分組成(残部:Feおよび不可避不純物)を有する溶接材料W1からW9とを用い、実施例1と同様にして継手試験片Bを得た。このようにして得られた溶接部分の溶接金属の組成を表8に示す。表8に示すNo.1〜9の母材および溶接継手材料の詳細は、後記する表9に示すとおりである。
次いで、実施例1と同様にして、耐すきま腐食性測定用の試験片Cおよび塗装耐食性測定用の試験片Dを作製して耐食性試験を実施し、前述した表4に示す評価基準に従って耐食性を評価した。
これらの結果を表9に示す。
表9より、以下のように考察される。
まず、R値が上式(4)の範囲を満足するNo.2からNo.9は、いずれの評価項目においても優れた耐食性が認められ、溶接構造体として良好な特性を備えていることが分かる。
これに対し、溶接材料中のSe量が母材中のSe量に比べて少ないためにR値が上式(4)範囲を下回るNo.1は、耐全面腐食性、腐食均一性、および塗装耐食性が若干低下し、耐すきま腐食性が低下した。
なお、本実施例では、サブマージアーク溶接法によって継手試験片Bを作製したが、溶接方法は、これに限定されない。例えば、被覆アーク溶接法やエレクトロスラグ溶接法など、溶接構造体を作製するのに通常使用される溶接方法によって継手試験片Bを作製しても、同様の効果が得られることを実験によって確認している。また、使用する溶接材料も表7の組成に限定されず、R値が上式(4)の範囲を満足する限り、種々の溶接材料を用いることができる。
実施例3(本発明による第3の溶接継手の検討)
本実施例では、本発明による第3の溶接継手において、V値([AZn]/[BZn])と耐食性との関係を調べた。
具体的には、表10に示す種々の成分組成(残部:Feおよび不可避不純物)を有する鋼材(母材)M1からM8と、表11に示す種々の成分組成(残部:Feおよび不可避不純物)を有する溶接材料W1からW9とを用い、実施例1と同様にして継手試験片Bを得た。このようにして得られた溶接部分の溶接金属の組成を表12に示す。表12に示すNo.1〜9の母材および溶接継手材料の詳細は、後記する表13に示すとおりである。
次いで、実施例1と同様にして、耐すきま腐食性測定用の試験片Cおよび塗装耐食性測定用の試験片Dを作製して耐食性試験を実施し、前述した表4に示す評価基準に従って耐食性を評価した。
これらの結果を表13に示す。
表13より、以下のように考察される。
まず、V値が上式(8)の範囲を満足するNo.2からNo.9は、いずれの評価項目においても優れた耐食性が認められ、溶接構造体として良好な特性を備えていることが分かる。
これに対し、溶接材料中のZn量が母材中のZn量に比べて少ないためにV値が上式(8)の範囲を下回るNo.1は、耐全面腐食性に優れているが、腐食均一性および塗装耐食性が若干低下し、耐すきま腐食性が低下した。
なお、本実施例では、サブマージアーク溶接法によって継手試験片Bを作製したが、溶接方法は、これに限定されない。例えば、被覆アーク溶接法やエレクトロスラグ溶接法など、溶接構造体を作製するのに通常使用される溶接方法によって継手試験片Bを作製しても、同様の効果が得られることを実験によって確認している。また、使用する溶接材料も表11の組成に限定されず、V値が上式(8)の範囲を満足する限り、種々の溶接材料を用いることができる。

Claims (7)

  1. 母材同士が溶接された溶接継手であって、
    (ア)溶接金属は、
    (ア−1)下式(5)、下式(6)、および下式(7)を満足すると共に、
    0.30≦[AAl]/[BAl]≦3.0・・・ (5)
    0.30≦[ACu]/[BCu]≦3.0・・・ (6)
    0.30≦[ACr]/[BCr]≦3.0・・・ (7)
    式中、
    [AAl]は、溶接部分の溶接金属に含まれるAlの含有量(質量%)、
    [BAl]は、母材に含まれるAlの含有量(質量%)、
    [ACu]は、溶接部分の溶接金属に含まれるCuの含有量(質量%)、
    [BCu]は、母材に含まれるCuの含有量(質量%)、
    [ACr]は、溶接部分の溶接金属に含まれるCrの含有量(質量%)、
    [BCr]は、母材に含まれるCrの含有量(質量%)
    をそれぞれ、意味する、
    (ア−2)C:0.01〜0.20%(質量%の意味、以下、溶接金属について同じ)、Si:0.01〜0.50%、Mn:1.021.29%、Al:0.05〜0.368%、Cu:0.0903.357%、Cr:0.114〜5.0%を夫々含有する他、P:0.020%以下(0%を含む)およびS:0.010%以下(0%を含む)に抑制し、残部:Feおよび不可避不純物であり、
    (イ)前記母材の鋼中成分は、C:0.01〜0.20%(質量%の意味、以下、鋼中成分について同じ)、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.991.25%、Al:0.05〜0.12%、Cu:0.191.09%、Cr:0.122.03%を夫々含有する他、P:0.020%以下(0%を含む)およびS:0.010%以下(0%を含む)に抑制し、残部:Feおよび不可避不純物であり、且つ、前記Crの含有量[Cr]と前記Alの含有量[Al]の比([Cr]/[Al])は1.5033.8の範囲内であることを特徴とする耐食性に優れた溶接継手。
  2. 前記母材の鋼中成分は、更に、Co:0.02%以下、およびTi:0.013%以下よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有し、
    前記溶接金属が、更に、Co:0.01%以下、およびTi:0.009%以下よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1に記載の溶接継手。
  3. 前記母材の鋼中成分は、更に、Se:0.006%以下を含有し、
    前記溶接金属が、更に、Se:0.004%以下を含有する請求項1または2に記載の溶接継手。
  4. 前記母材の鋼中成分は、更に、B:0.0008%以下を含有する請求項1〜のいずれかに記載の溶接継手。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の溶接継手を含む溶接構造体。
  6. 船舶に用いられるものである請求項に記載の溶接構造体。
  7. 原油タンクに用いられるものである請求項に記載の溶接構造体。
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