JP4742333B2 - N−チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類およびこれを有効成分とする殺虫、殺ダニ剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なN-チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類および該N-チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類を有効成分として含有する殺虫、殺ダニ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
農園芸分野では、各種害虫の防除を目的とした様々な殺虫剤が開発され実用に供されている。しかしながら、従来汎用されている農園芸用殺虫剤は殺虫効果、殺虫スペクトラム、あるいは残効性等の点において必ずしも満足すべきものではない。また、施用回数や施用薬量の低減等の要求を満足しているとは言えないものであった。
【0003】
また、従来汎用の農薬に対して抵抗性を獲得した害虫の出現も問題となっている。例えば、野菜、果樹、花卉、茶、ムギ類およびイネ等の栽培において、様々な型の農薬、例えば、カーバメート系、ピレスロイド系、ベンゾイルウレア系、有機塩素系、有機リン系農薬等に抵抗性を獲得した種々の害虫が各地で出現しており、これらの抵抗性害虫に起因する各種病害虫の防除が年々困難になっている。
【0004】
従来汎用の農園芸用殺虫剤に抵抗性を獲得した各種害虫に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、しかも環境への悪影響が少ない新規な殺虫剤の開発が切望されている。殺ダニ剤についても、従来汎用の殺ダニ剤に抵抗性を示すダニ類に対しても優れた防除効果を示し、安全性の高い殺ダニ剤の開発が期待されている。
【0005】
これらの要望に応え、新しい殺中剤、殺ダニ剤が種々提案されているが、必ずしも、上記要望に応え得るものではない。
一方、特開昭 48-44433 号公報、特開昭 50-117934 号公報、USP4092148号明細書、特開昭 48-44433 号公報には除草活性を有するN−チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類が記載されている。本発明者等はこの化合物に注目し、この化合物のシクロプロパン部分の 1-位に (置換) フェニル基を導入した新規な化合物を合成して新しい殺虫・殺ダニ剤の開発を試みた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、昆虫、ダニ類などの有害生物の防除に有用な新しい物質を提供することにあり、特に従来の殺虫剤に抵抗性を示す各種害虫に対しても高い防除効果を示し、更に低薬量で効果を奏し、残留毒性や環境汚染等の問題が軽減された安全性の高い物質を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、酸残基がシクロプロパン部分の1−位にフェニル基を有するシクロプロパン基である新規なN−チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類が上記の要望に応える特性を有する化合物であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の要旨は、下記一般式 (I)
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、L1、L2、L3、L4およびL5 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または ハロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、Yは ハロアルキル基を示す)で表されるN−チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類および該N−チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類を有効成分として含有する殺虫・殺ダニ剤に存する。
【0011】
前述のように本発明化合物と類似のN-チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類が除草活性を有することは知られているが、そのシクロプロパン部分の 1-位に (置換) フェニル基を導入することにより、生理活性が如何に変化するかは知られておらず、まして、本発明に示す如き優れた殺虫、殺ダニ活性が出現することは全く知られていなかった。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式 (I) で表される本発明化合物の置換基 L1、L2、L3、L4およびL5 はそれぞれ独立に水素原子;アルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の C1〜C4 のアルキル基;アルコキシ基、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の C1〜C4 のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ハロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基等の C1〜C5 のハロアルキル基を示す。L1、L2、L3、L4およびL5 としては、特に水素原子およびハロゲン原子が好ましい。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;水素原子を示す。Xとしては特に塩素原子が好ましい。Yはハロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基等の C1〜C3 のハロアルキル基である。Yとしては特にトリフルオロメチル基が好ましい。
【0013】
前記一般式 (I) で示される本発明の化合物は新規化合物であり、例えば下記反応に従って製造することができる。
【0014】
【化3】
【0015】
(上記式中、X、L1、L2、L3、L4、L5 および Yは前記一般式 (I) で定義した通りであり、Zは塩素原子または臭素原子を示す)
即ち、一般式 (II) で示されるカルボン酸ハロゲン化物と一般式 (III) で示される 2-アミノ-1,3,4-チアジアゾール類とを、塩基の存在下または非存在下、好ましくは溶媒を用いて、5〜150 ℃で反応させる。溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;水;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;またはテトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン等の極性溶媒等が用いられる。塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩類;ピリジン、トリエチルアミン等のアミン類等が用いられる。
【0016】
反応後、目的物である一般式 (I) で表される化合物を単離するには、水に溶解する溶媒を用いた場合は、減圧下溶媒を留去し、水を加えた後、水に不溶のベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;酢酸エチル等のエステル類で抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、減圧下で溶媒を留去すれば良い。水に不溶の溶媒を用いた場合は、反応混合物に水を加えた後分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、減圧下で溶媒を留去すれば良い。
【0017】
溶媒留去後得られた残渣を、再結晶、懸濁洗浄、カラムクロマトグラフィー等で精製すれば目的物である一般式 (I) で表される化合物が得れらる。
一般式 (II) で示される化合物は、対応するカルボン酸を塩化チオニル、五塩化リン、オキシ塩化リン、三塩化リン等で処理することにより製造できる。一般式 (II) で示される化合物に対応するカルボン酸は、一部は市販されており、容易に入手することができる。また例えば特開昭 61-148138 号公報または特公昭 55-2101 号公報に準じて合成することができる。一般式 (III) で表される化合物は一部は市販されており、容易に入手することができる。また例えば、特開昭 57-77603 号公報または薬学会誌、72 巻、376 頁 (1952) 等に記載された方法に準じて合成することができる。
【0018】
一般式 (I) の化合物は、害虫、ダニその他有害生物の防除効果を有し、例えば農業・林業・畜産業・水産業及びこれら産業の製品保存場面や公衆衛生などの広範囲の場面において、有害生物の忌避や駆除・防除等に有効である。
特に本発明化合物は、農業、林業等、具体的には農作物の育成時や、収穫物及び樹木、観賞用植物等に損害を与える有害生物や、公衆衛生場面における有害生物の忌避、駆除・防除等に用いる殺虫剤、殺ダニ剤として、優れた効果を発揮する。
【0019】
以下に具体的な使用場面、対象有害生物、使用方法等を示すが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。さらに具体的に例示した有害生物は、対象とする有害生物に限定されるものではなく、また例示した有害生物は、その成虫、幼虫、卵等をも含むものである。
(A)農業、林業場面等;
本発明化合物は、農作物、例えば食用作物(稲、麦類、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、豆類等)、野菜(アブラナ科作物、うり類、なす、トマト、ネギ類等)、果樹(柑橘類、りんご、ぶどう、もも等)、特用作物(たばこ、茶、甜菜、サトウキビ、綿、オリーブ等)、牧草・飼料用作物(ソルガム類、イネ科牧草、豆科牧草等)や観賞用植物(草本・花卉類、庭木等)などの育成場面に際して、これらに損害を与える節足動物類、軟体動物類、線虫類等や各種菌類等の有害生物の忌避、防除等に有効である。更に、本発明化合物は上述の作物からの収穫物、例えば穀類、果実、木の実、香辛料及びタバコ等や、これらに乾燥、粉末化等の処理を施した製品を貯蔵する際における、有害生物の忌避、駆除等にも有効である。また立木、倒木、加工木材、貯蔵木材等を、シロアリ類や甲虫類等の有害生物による被害から保護する上でも有効である。
【0020】
具体的な有害生物としては例えば、節足動物門、軟体動物門及び線形動物門に属するものとして、以下のものを挙げることができる。節足動物門昆虫綱としては、以下のものを例示することができる。
鱗翅目としては、例えばハスモンヨトウ、オオタバコガ、ヨトウガ、タマナギンウワバ等のヤガ科;コナガ等のスガ科;チャノコカクモンハマキ、ナシヒメシンクイ等のハマキガ科;ミノガ等のミノガ科;ギンモンハモグリガ等のハモグリガ科;キンモンホソガ等のホソガ科;ネギコガ等のアトヒゲコガ科;コスカシバ等のスカシバガ科;カキノヘタムシガ等のニセマイコガ科;ワタアカミムシ等のキバガ科;モモシンクイガ等のシンクイガ科;イラガ等のイラガ科;コブノメイガ、ニカメイチュウ、ワタヘリクロノメイガ等のメイガ科;イチモンジセセリ等のセセリチョウ科;アゲハ等のアゲハチョウ科;モンシロチョウ等のシロチョウ科;ウラナミシジミ等のシジミチョウ科;ヨモギエダシャク等のシャクガ科;エビガラスズメ等のスズメガ科;モンクロシャチホコ等のシャチホコガ科;チャドクガ等のドクガ科;アメリカシロヒトリ等のヒトリガ科などを挙げることができる。
【0021】
甲虫目としては、例えばドウガネブイブイ、コアオハナムグリ、マメコガネ等のコガネムシ科;ミカンナガタマムシ等のタマムシ科;マルクビクシコメツキ等のコメツキムシ科;ニジュウヤホシテントウ等のテントウムシ科;ゴマダラカミキリ、ブドウトラカミキリ等のカミキリムシ科;ウリハムシ、キスジノミハムシ、イネドロオイムシ等のハムシ科;モモチョッキリゾウムシ等のオトシブミ科;アリモドキゾウムシ等のミツギリゾウムシ科;クリシギゾウムシ、イネミズゾウムシ等のゾウムシ科などを挙げることができる。
【0022】
半翅目としては、例えばチャバネアオカメムシ、クサギカメムシ等のカメムシ科;ナシカメムシ等のクヌギカメムシ科;ホソハリカメムシ等のヘリカメムシ科;クモヘリカメムシ等のホソヘリカメムシ科;アカホシカメムシ等のホシカメムシ科;ナシグンバイ等のグンバイムシ科;ウスミドリメクラガメ等のメクラカメムシ科;ニイニイゼミ等のセミ科;ブドウアワフキ等のアワフキムシ科;シロオオヨコバイ等のオオヨコバイ科;フタテンヒメヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ等のヒメヨコバイ科;ツマグロヨコバイ等のヨコバイ科;ヒメトビウンカ、トビイロウンカ等のウンカ科;アオバハゴロモ等のアオバハゴロモ科;ナシキジラミ等のキジラミ科;オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ等のコナジラミ科;クリイガアブラムシ等のフィロキセラ科;リンゴワタムシ等のタマワタムシ科;ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ、オカボノアカアブラムシ等のアブラムシ科;イセリアカイガラムシ等のワタフキカイガラムシ科;ミカンコナカイガラムシ等のコナカイガラムシ科;ルビーロウムシ等のカタカイガラムシ科;ナシマルカイガラ、クワシロカイガラ等マルカイガラムシ科などを挙げることができる。
【0023】
アザミウマ目としては、ミカンキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ等のアザミウマ科;カキクダアザミウマ、イネクダアザミウマ等のクダアザミウマ科などを挙げることができる。膜翅目としては、例えばカブラハバチ等のハバチ科;リンゴハバチ等のミフシハバチ科;クリタマバチ等のタマバチ科;バラハキリバチ等のハキリバチ科などを挙げることができる。双翅目としては、例えばダイズサヤタマバエ等のタマバエ科;ウリミバエ等のミバエ科;イネミギワバエ等のミギワバエ科;オウトウショウジョウバエ等のショウジョウバエ科;ナモグリバエ、マメハモグリバエ等のハモグリバエ科;タマネギバエ等のハナバエ科などを挙げることができる。直翅目としては、例えばクサキリ等のキリギリス科;アオマツムシ等のコオロギ科;ケラ等のケラ科;コバネイナゴ等のバッタ科などを挙げることができる。トビムシ目としては、例えばキマルトビムシ等のマルトビムシ科;マツモトシロトビムシ等のシロトビムシ科などを挙げることができる。シロアリ目としては、例えばタイワンシロアリ等のシロアリ科が、ハサミムシ目としては、例えばオオハサミムシ等のオオハサミムシ科などを例示することができる。
【0024】
節足動物門甲殻綱及びクモ綱としては、以下のものを例示することができる。
甲殻綱の等脚目としては、例えばオカダンゴムシ等のダンゴムシ科が挙げることができる。クモ綱のダニ目としては、例えばチャノホコリダニ、シクラメンホコリダニ等のホコリダニ科;ムギダニ等のハシリダニ科;ブドウヒメハダニ等のヒメハダニ科;ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ科;ミカンサビダニ、リンゴサビダニ、ニセナシサビダニ等のフシダニ科;ケナガコナダニ等のコナダニ科等を挙げることができる。
【0025】
軟体動物門腹足門として、腹足綱の中腹足目としては、例えばスクミリンゴガイ等を、柄眼目としては例えばアフリカマイマイ、ナメクジ、ニワコウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ウスカワマイマイ等を挙げることができる。
線形動物門幻器綱及び尾線綱としては、以下のものを例示することができる。
幻器綱ハリセンチュウ目としては、例えばイモグサレセンチュウ等のアングイナ科;ナミイシュクセンチュウ等のティレンコリンクス科;キタネグサレセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウ等のプラティレンクス科;ナミラセンチュウ等のホプロライムス科;ジャガイモシストセンチュウ等のヘテロデラ科;サツマイモネコブセンチュウ等のメロイドギネ科;ワセンチュウ等のクリコネマ科;イチゴメセンチュウ等のノトティレンクス科;イチゴセンチュウ等のアフェレンコイデス科などを例示することができる。尾腺綱ニセハリセンチュウ目としては、例えばオオハリセンチュウ等のロンギドルス科;ユミハリセンチュウ等のトリコドルス科などを挙げることができる。
【0026】
さらに本発明化合物は、天然林、人工林ならびに都市緑地等の樹木を加害或いは樹勢に影響を与える有害生物の忌避、防除・駆除等にも有効である。この様な場面において、具体的な有害生物としては以下のものを挙げることができる。
節足動物門昆虫綱及びクモ綱としては、以下のものを例示することができる。
鱗翅目としては、例えばスギドクガ、マイマイガ等のドクガ科;マツカレハ、ツガカレハ等のカレハガ科;カラマツマダラメイガ等のメイガ科;カブラヤガ等のヤガ科;カラマツイトヒキハマキ、クリミガ、スギカサガ等のハマキガ科;アメリカシロヒトリ等のヒトリガ科;シイモグリチビガ等のモグリチビガ科;ヒロヘリアオイラガ等のイラガ科などを挙げることができる。
【0027】
また、甲虫目としては、例えばヒメコガネ、ナガチャコガネ等のコガネムシ科;ケヤキナガタマムシ等のタマムシ科;マツノマダラカミキリ等のカミキリムシ科;スギハムシ等のハムシ科;サビヒョウタンゾウムシ、マツノシラホシゾウムシ等のゾウムシ科;オオゾウムシ等のオサゾウムシ科;マツノキクイムシ、イタヤキクイムシ等のキクイムシ科;コナナガシンクイムシ等のナガシンクイムシ科などを例示することができる。
【0028】
半翅目としては、例えばトドマツオオアブラムシ等のアブラムシ科;エゾマツカサアブラ等のカサアブラムシ科;スギマルカイガラムシ等のマルカイガラムシ科;ツノロウムシ等のカタカイガラムシ科などを挙げることができる。膜翅目としては、例えばカラマツアカハバチ等のハバチ科;マツノキハバチ等のマツハバチ科;クリタマバチ等のタマバチ科などを挙げることができる。双翅目としては、例えばキリウジガガンボ等のガガンボ科;カラマツタネバエ等のハナバエ科;成虫、幼虫及び卵を含むスギタマバエ、マツシントメタマバエ等のタマバエ科などを挙げることができる。
【0029】
クモ綱のダニ目としては、例えばスギノハダニ、トドマツノハダニ等を挙げることができる。線形動物門幻器綱ハリセンチュウ目としては、例えばマツノザイセンチュウ等のパラシタフェレンクス科などを挙げることができる。
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、上述した農業や林業場面等において有効な製剤、及び製剤によって調製された任意の使用形態で、単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用することが出来る。より具体例な活性化合物として、以下のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
殺虫・殺ダニ剤等の活性化合物:有機燐剤としては、例えばジクロルボス、フェニトロチオン、マラチオン、ナレド、クロルピリホス、ダイアジノン、テトラクロルビンホス、フェンチオン、イソキサチオン、メチダチオン、サリチオン、アセフェート、ジメトン-Sメチル、ジスルフォトン、モノクロトホス、アジンホスメシル、パラチオン、ホサロン、ピリミホスメチル、プロチオホス等を挙げることができる。カーバメイト剤としては、例えばメトルカルブ、フェノブカルブ、プロポクスル、カルバリル、エチオフェンカルブ、ピリミカルブ、ベンダイオカルブ、カルボスルファン、カルボフラン、メソミル、チオジカルブ等を挙げることができる。有機塩素剤としては、例えばリンデン、DDT、エンドサルファン、アルドリン、クロルデン等を挙げることができる。ピレスロイド剤としては、例えばペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、シハロトリン、シフルトリン、アクリナトリン、フェンバレレート、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、フルバリネート、フルシトリネート、ビフェントリン、アレスリン、フェノトリン、フェンプロパトリン、シフェノトリン、フラメトリン、レスメトリン、トランスフルスリン、プラレトリン、フルフェンプロックス、ハロファンプロックス、イミプロトリン等を挙げることができる。ネオニコチノイド剤としては、例えばイミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、テフラニトジン、チアメトキサム、チアクロプリド等を挙げることができる。
【0031】
フェニルベンゾイルウレア剤等の昆虫成長制御剤としては、例えばジフルベンズロン、クロロフルアズロン、トリフルムロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、テフルベンズロン、ブプロフェジン、テブフェノジド、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、シロマジン等を挙げることができる。
【0032】
幼若ホルモン剤としては、例えばピリプロキシフェン、フェノキシカルブ、メソプレン、ヒドロプレン等を挙げることができる。微生物により生産される殺虫性物質としては、例えばアバメクチン、ミルベメクチン、ニッコーマイシン、エマメクチンベンゾエート、イベルメクチン、スピノサドー等を挙げることができる。
【0033】
その他の殺虫剤として、例えばカルタップ、ベンスルタップ、クロルフェナピル、ジアフェンチウロン、硫酸ニコチン、メタアルデヒド、フィプロニル、ピメトロジン、インドキサカルブ、トルフェンピラド等を挙げることができる。
殺ダニ剤の活性化合物として、例えばジコホル、フェニソブロモレート、ベンゾメート、テトラジホン、ポリナクチン複合体、アミトラズ、プロパルギル、酸化フェンブタスズ、水酸化トリシクロヘキシルスズ、テブフェンピラド、ピリダベン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、フェナザキン、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、アセキノシル、キノメチオネート、フェノチオカルブ、エトキサゾール、ビフェナゼート等を挙げることができる。
【0034】
殺線虫剤の活性化合物として、例えばメチルイソシアネート、ホスチアゼート、オキサミル、メスルフェンホス等を挙げることができる。
毒餌としては、例えばモノフルオロ酢酸、ワルファリン、クマテトラリル、ダイファシン等を挙げることができる。
殺菌剤の活性化合物としては、例えば無機銅、有機銅、硫黄、マンネブ、チウラム、チアジアジン、キャプタン、クロロタロニル、イプロベンホス、チオファネートメチル、ベノミル、チアベンダゾール、イプロジオン、プロシミドン、ペンシクロン、メタラキシル、サンドファン、バイレトン、トリフルミゾール、フェナリモル、トリホリン、ジチアノン、トリアジン、フルアジナム、プロベナゾール、ジエトフェンカルブ、イソプロチオラン、ピロキロン、イミノクタジン酢酸塩、エクロメゾール、ダゾメット、クレソキシムメチル等を挙げることができる。
【0035】
除草剤等の活性化合物としては、例えばビアラホス、セトキシジム、トリフルラリン、メフェナセット等を挙げることができる。植物調整剤の活性化合物としては、例えばインドール酪酸、エテホン、4-CPA等を挙げることができる。
忌避剤の活性化合物としては、例えばカラン-3,4-ジオール、N,N-ジエチル-m-トリアミド(Deet)、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントン、ヒノキチオール、メントール、グラニオール、ユーカリプトール等を挙げることができる。
【0036】
共力剤の活性化合物としては、例えばビス-(2,3,3,3-テトラクロルプロピル)エーテル、N-(2-エチルヘキシル)ビスクロ[2,1,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、α-[2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]-4,5-メチレンジオキシ-2-プロピルトルエン等を挙げることができる。
本発明の有害生物防除剤の使用形態は任意であり、一般式(1)の化合物に農薬補助剤を加えて、例えば水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤、粉剤、粒剤、エアゾール剤等に製剤して使用される。これらの製剤中における本発明化合物等の有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成分の合計量で0.001〜99.5重量%の範囲から選ばれ、製剤形態、施用方法等の種々の条件により適宜決定すればよいが、例えば、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、フロアブル剤、カプセル剤等では約0.01〜90重量%程度、好ましくは1〜50重量%、粉剤や粒剤等では0.1〜50重量%程度、好ましくは1〜10重量%、エアゾール剤等では約0.001〜20重量%程度、好ましくは0.01〜2重量%の有効成分を含有するように製造することが好適である。
【0037】
用いられる農薬補助剤は、有害生物の忌避効果、防除効果、駆除効果の向上、および安定化、分散性の向上等の目的で、例えば、担体(希釈剤)、展着剤、乳化剤、湿展剤、分散剤、崩壊剤等を用いることができる。液体担体としては、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、ブタノール、グリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、メチルナフタレン、シクロヘキサン、動植物油、脂肪酸等を挙げることができる。また、固体担体としてはクレー、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、長石、石英、アルミナ、鋸屑、ニトロセルロース、デンプン、アラビアゴム等を用いることができる。乳化剤、分散剤としては通常の界面活性剤を使用することができ、例えば、高級アルコール硫酸ナトリウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ラウリルベタイン等の陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤等を用いることができる。また、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等の展着剤;ジアルキルスルホサクシネート等の湿展剤;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の固着剤;リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の崩壊剤を用いることができる。
【0038】
例えば、水和剤の場合、有効成分である一般式(I)の化合物、固形担体、および界面活性剤等を混合して原末を製造し、さらにこの原末を使用に際して所定濃度に水で希釈して施用することができる。乳剤の場合、有効成分の上記化合物に対して溶剤および界面活性剤等を混合して原液の乳剤を製造することができ、更にこの原液を使用に際して所定濃度に水で希釈して施用することができる。粉剤の場合、有効成分の上記化合物、固形担体等を混合してそのまま施用することができ、粒剤の場合には、有効成分の上記化合物、固形担体、および界面活性剤等を混合して造粒することにより製造し、そのまま施用することができる。もっとも、上記の各製剤形態の製造方法は上記のものに限定されることはなく、有効成分の種類や施用目的等に応じて当業者が適宜選択することができるものである。
【0039】
使用方法は、有害生物の種類や発生量や、対象とする作物・樹木等の種類や栽培形態・生育状態により異なるが、例えば節足動物類、腹足類、線虫類等に対しては、通常これらの有害生物による被害が発生している場所、ないしは被害の発生が予測される場所に対して、一般的に10アール当たり有効成分量で0.1〜1000g、好ましくは1〜100gを施用すればよい。
【0040】
具体的な施用方法としては、例えば前述の水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤等ではこれらを水で希釈し、対象とする作物、樹木等の種類や栽培形態・生育状態によって10アール当たり10〜1000リットルの範囲で、作物、樹木等に対して散布すればよい。また粉剤、粒剤、エアゾール剤の場合には、その製剤の状態で先述の使用方法の範囲で作物、樹木等に施用すればよい。
【0041】
対象とする有害生物が、主として土壌中で作物、樹木等を加害する場合には、例えば水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤等を水で希釈し、一般に10アール当たり5〜500リットルの範囲で施用すればよい。この際、施用区域全体に均等となるように土壌表面に薬剤を散布するか、又は土壌中に灌注してもよい。製剤の形態が粉剤又は粒剤等の際には、その製剤をそのまま、施用する区域全体に均等となるように土壌表面に散布すればよい。また散布あるいは灌注の際に、有害生物による被害から保護したい種子や作物、樹木等の周囲のみに施用してもよいし、散布中又は散布後に耕耘し、有効成分を機械的に分散させてもよい。
【0042】
さらには、本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤を公知の方法によって植物種子の周囲に付着させてもよい。この様な処理によって、この種子の播種後に、土壌中における有害生物による被害を防ぐことができるのみでなく、成長後、植物体の茎葉部や花、果実等を、有害生物による被害から保護することもできる。
【0043】
前述の樹木や倒木、加工木材、貯蔵木材等をシロアリ類又は甲虫類等による被害から保護する場合には、例えば樹木や木材等の周囲土壌等に対して油剤、乳剤、水和剤、ゾル剤の散布・注入・灌注・塗布、粉剤、粒剤等の使用形態にて薬剤を散布する等の方法を挙げることができる。この様な場面においても、本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤を単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、忌避剤及び共力剤等と併用又は混合剤として使用して使用することができる。
【0044】
これらの製剤中における本発明化合物等の有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成分の合計量で0.0001〜95重量%であり、油剤や粉剤、粒剤等では0.005〜10重量%、乳剤、水和剤及びゾル剤等では0.01〜50重量%含有させるのが好ましい。具体的には、例えばシロアリ類や甲虫類等を駆除・防除する場合は、1m2当たり有効成分化合物量として0.01〜100gを土壌あるいは木材表面に散布すればよい。
【0045】
(B)畜産業、水産業場面等
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は畜産業や水産業及び家庭で飼育されるペット等の動物に対して内的又は外的に寄生し、皮膚等の摂食や吸血等の直接の危害を加えたり、病気を蔓延させる等の被害を加える節足動物類、線虫類、吸虫類、条虫類、原生動物類等の有害生物の忌避、駆除・防除に有効であり、これら有害生物が関係する疾病の予防・治療にも使用できる。対象となる動物としては、脊椎動物、例えば温血脊椎動物である牛、羊、山羊、馬、豚等の家畜や養殖魚類等;更には家禽、犬、猫等やマウス、ラット、ハムスター、リス等の齧歯類;フェレット等の食肉目及び魚類等のペットや実験動物等を挙げることができる。
【0046】
有害生物のうち、節足動物門昆虫綱及びクモ綱としては、以下のものを例示することができる。双翅目としては、例えばヤマトアブ、ツメトゲブユ、アカウシアブ等のアブ科;クロバエ、イエバエ、サシバエ等のイエバエ科;ウマバエ等のウマバエ科;ウシバエ等のウシバエ科;ヒツジキンバエ等のクロバエ科;オオキモンノミバエ等のノミバエ科;ヒトテンツヤホソバエ等のツヤホソバエ科;オオチョウバエ、ホシチョウバエ等のチョウバエ科;シナハマダラカ、コガタアカイエカ、ヒトスジシマカ等のカ科;オオブユ等のブユ科;ウシヌカカ、ニワトリヌカカ等のヌカカ科などを例示することができる。
【0047】
また、隠翅目としては、例えばネコノミ、イヌノミ等のヒトノミ科などを挙げることができる。シラミ目としては、ブタジラミ、ウシジラミ等のカイジュウジラミ科;ウマハジラミ等のケモノハジラミ科;ウシホソジラミ等のケモノホソジラミ科;ニワトリハジラミ等のタンカクハジラミ科などを挙げることができる。
節足動物門クモ綱のダニ目としては、例えばフタトゲチマダニ、ヤマトマダニ、オウシマダニ、タカサゴキララマダニ等のマダニ科;トリサシダニ等のオオサシダニ科;ワクモ等のワクモ科;ブタニキビダニ等のニキビダニ科;ネコショウセンコウヒゼンダニ、トリヒゼンダニ等のヒゼンダニ科;ミミヒゼンダニ、ウシキュウセンヒゼンダニ等のキュウセンダニ科などを挙げることができる。
【0048】
線形動物門双線綱としては、以下のものを例示することができる。円虫目としては、例えば牛鉤虫、豚腎虫、豚肺虫、毛様線虫、牛腸結節虫等を挙げることができる。回虫目としては例えば、豚回虫、鶏回虫等を挙げることができる。扁形動物門吸虫綱としては、例えば日本住血吸虫、肝テツ、鹿双口吸虫、ウエステルマン肺吸虫、日本鶏卵吸虫等を挙げることができる。条虫綱としては、例えば葉状条虫、拡張条虫、ベネデン条虫、方形条虫、刺溝条虫、有輪条虫等を挙げることができる。原生動物門鞭毛虫綱では、根鞭毛虫目としては、例えばHistomonas等を、原鞭毛虫目としては、例えばLeishmania、Trypanosoma等を、多鞭毛虫目としては、例えばGiardia等を、トリコモナス目としては、例えばTrichomonas等を挙げることができる。
【0049】
さらに、肉質綱のアメーバ目としては、例えばEntamoeba等を、胞子虫綱のピロプラズマ亜綱としては、例えばTheilaria、Babesia等を、晩生胞子虫亜綱としては、例えばEimeria、Plasmodium、Toxoplasma等を挙げることができる。
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、上述した畜産業や水産業場面等において有効な製剤、及び製剤によって調製された任意の使用形態で、単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用することが出来る。より具体例な活性化合物として、「(A)農業、林業場面等」の項で例示した物質等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
具体的な施用方法としては、例えば家畜やペット等の飼料に混入したり、適切な経口摂取可能な調合薬剤組成物、例えば薬剤上許容しうる担体やコーティング物質を含む錠剤、丸剤、カプセル剤、ペースト、ゲル、飲料、薬用飼料、薬用飲料水、薬用追餌、除放性大粒丸薬、その他胃腸管内に保留されるようにした除放性デバイス等として経口投与したり、又はスプレー、粉末、グリース、クリーム、軟膏、乳剤、ローション、スポットオン、ポアオン、シャンプー等として経皮投与することができる。
【0051】
経皮投与や局所投与の方法としては、局部的又は全身的に節足動物を防除するように動物に取り付けたデバイス(例えば首輪、メダリオンやイヤータッグ等)を利用することもできる。
以下に家畜やペット等に対する駆虫剤として使用する場合の具体的な経口投与方法及び経皮投与方法を示すが、本発明において、これらの投与方法は必ずしも以下の記述に限定されるものではない。薬用飲料製剤として経口的に投与する場合には、通常、ベントナイトのような懸濁剤あるいは湿潤剤又はその他の賦形剤と共に適当な非毒性の溶剤又は水で溶解して懸濁液又は分散液とすればよく、必要に応じて消泡剤を含有してもよい。飲料製剤においては、一般に有効成分化合物量を0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%含有する。
【0052】
乾燥した固体の単位使用形態で経口的に投与する場合には、通常所定量の有効成分化合物を含有するカプセル、丸薬又は錠剤を用いる。これらの使用形態は、活性成分を適当に細粉砕した希釈剤、充填剤、崩壊剤及び又は結合剤、例えばデンプン、乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物性ゴム等と均質に混和することによって製造される。このような単位使用処方は、治療される宿主動物の種類、感染の程度及び寄生虫の種類及び宿主の体重によって駆虫剤の重量及び含量を適宜設定すればよい。
【0053】
飼料によって投与する場合には、有効成分化合物を飼料に均質に分散させるか、薬剤をトップドレッシングとして使用するかペレットの形態として使用する等の方法などを挙げることができる。抗寄生虫効果を達成するためには、通常、最終飼料中に有効成分化合物を0.0001〜0.05重量%、好ましくは0.0005〜0.01重量%を含有する。
【0054】
液体担体賦形剤に溶解又は分散させた場合には、前胃内、筋肉内、気管内又は皮下注射によって非経口的に動物に投与すればよい。非経口投与であるので、有効成分化合物は落花生油、綿実油等の植物油と混合するのが好ましい。このような製剤処方においては、一般に有効成分化合物を0.05〜50重量%、好ましくは0.1〜0.2重量%を含有する。また、ジメチルスルホキシドあるいは炭化水素系溶剤等の担体と混合した製剤は、スプレー又は直接的注加によって家畜やペットの外部表面に直接、そして局所的に投与することができる。
【0055】
(C)公衆衛生場面等
本発明の有害生物防除剤は、衣・食・住環境に悪影響を及ぼしたり、更には人体に危害を加えたり、病原体の運搬や媒介をする等の公衆衛生場面等における有害生物に対して、公衆衛生状態の維持等のための忌避、駆除・防除にも有効である。具体的には本発明の有害生物防除剤は、例えば住居自体やその屋内外の木材、木製家具等の木材加工品、貯蔵食品、衣類、書籍、動物製品(皮、毛、羊毛及び羽毛等)や植物製品(衣類、紙等)等に被害を及ぼし、衛生的な生活に悪影響を及ぼす鱗翅目類、甲虫類、シミ類、ゴキブリ類、ハエ類及びダニ類等の忌避、駆除・防除に有効である。この様な公衆衛生場面における有害生物として、具体的には以下のものを例示することができる。
【0056】
節足動物門昆虫綱としては、以下のものを例示することができる。鱗翅目としては、例えばモンシロドクガ等のドクガ科;クヌギカレハガ等のカレハガ科;アオイラガ等のイラガ科;タケノホソクロバ等のマダラガ科;スジマダラノメイガ、スジコナマダラメイガ、ノシメマダラメイガ等のメイガ科;バクガ等のキバガ科;イガ、コイガ等のヒロズコガ科などを挙げることができる。甲虫目としては、例えばアオカミキリモドキ等のカミキリモドキ科;マメハンミョウ等のツチハンミョウ科;アオバアリガタハネカクシ等のハネカクシ科;コクゾウムシ、ココクゾウムシ等のオサゾウムシ科;アズキゾウムシ、エンドウゾウムシ、ソラマメゾウムシ等のマメゾウムシ科;コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ科;ノコギリヒラタムシ、カクムネヒラタムシ等のヒラタムシ科;タバコシバンムシ、ジンサンシバンムシ等のシバンムシ科;ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ハラジロカツオブシムシ等のカツオブシムシ科;ニセセマルヒョウホンムシ等のヒョウホンムシ科;チビタケナガシンクイムシ、コナナガシンクイムシ等のナガシンクイムシ科;ヒラタキクイムシ等のヒラタキクイムシ科などを挙げることができる。
【0057】
膜翅目としては、例えばキイロスズメバチ等のスズメバチ科;オオハリアリ等のアリ科;キオビベッコウ等のベッコウバチ科などを挙げることができる。双翅目としては、例えばヤマトヤブカ等のカ科;ヌカカ等のヌカカ科;セスジユスリカ等のユスリカ科;アシマダラブユ等のブユ科;アオコブアブ等のアブ科;イエバエ等のイエバエ科;ヒメイエバエ等のハナバエ科;クロキンバエ等のクロバエ科;センチニクバエ等のニクバエ科;キイロショウジョウバエ等のショウジョウバエ科;チーズバエ等のチーズバエ科などを挙げることができる。隠翅目としては、例えばヒトノミ等のヒトノミ科などを挙げることができる。粘管目としては、例えばムラサキトビムシ等のヒメトビムシ科などを挙げることができる。ゴキブリ目としては、例えばチャバネゴキブリ、キョウトゴキブリ等のチャバネゴキブリ科;ワモンゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ等のゴキブリ科などを挙げることができる。直翅目としては、例えばマダラカマドウマ、カマドウマ等のコロギス科などを挙げることができる。シラミ目としては、例えばアタマジラミ等のヒトジラミ科;ケジラミ等のケジラミ科などを挙げることができる。半翅目としては、例えばトコジラミ等のトコジラミ科;オオトビサシガメ等のサシガメ科などを挙げることができる。シロアリ目としては、例えばヤマトシロアリ、イエシロアリ等のミゾガシラシロアリ科;ダイコクシロアリ等のレイビシロアリ科などを、チャタテムシ目としては、例えばツヤコチャタテ等のコチャタテ科;ヒラタチャタテ等のコナチャタテ科などを挙げることができる。シミ目としては、例えばヤマトシミ、セイヨウシミ等のシミ科などを挙げることができる。
【0058】
節足動物門クモ綱としては、以下のものを例示することができる。ダニ目としては、例えばシュルツェマダニ等のマダニ科;イエダニ等のオオサシダニ科;ミナミツメダニ等のツメダニ科;シラミダニ等のシラミダニ科;ニキビダニ等のニキビダニ科;ヤケヒョウヒダニ等のチリダニ科;ヒゼンダニ等のヒゼンダニ科;アカツツガムシ等のツツガムシ科;ケナガコナダニ、コウノホシカダニ等のコナダニ科;サトウダニ等のサトウダニ科などを挙げることができる。また、真正クモ目としては、例えばカバキコマチグモ等のフクログモ科;アシダカグモ等のアシダカグモ科;シモングモ、イエユウレイグモ等のユウレイグモ科;ヒラタグモ等のヒラタグモ科;チャスジハエトリ、ミスジハエトリ等のハエトリグモ科などを挙げることができる。サソリ目としては、例えばマダラサソリ等のキョクトウサソリ科などを挙げることができる。
【0059】
その他節足動物門として、唇脚綱オオムカデ目としては、例えばトビズムカデ、アオズムカデ等のオオムカデ科を、ゲジ目としては、例えばゲジ等のゲジ科を挙げることができる。また節足動物門倍脚綱オビヤスデ目としては、例えばトヤケヤスデ等のヤケヤスデ科を、節足動物門甲殻綱等脚目としては、例えばワラジムシ等のワラジムシ科を挙げることができる。さらに、環形動物門蛭綱顎蛭目としては、例えばヤマビル等のヤマビル科を挙げることができる。
【0060】
本発明の有害生物防除剤は、上述した公衆衛生場面において有効な製剤、及び製剤によって調製された任意の使用形態で、単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用することが出来る。具体例な他の活性化合物としては、「(A)農業、林業場面等」の項で例示した物質等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0061】
本発明の有害生物防除剤の使用形態は任意であり、例えば上述の動物製品や植物製品等を保護する際には、油剤、乳剤、水和剤、粉剤等の散布、樹脂蒸散剤等の設置、燻煙剤や煙霧剤の処理、顆粒、錠剤及び毒餌の設置、エアロゾールの噴霧等の方法で防除することができる。これらの製剤中における有効成分化合物量としては、0.0001〜95重量%含有するのが好ましい。
【0062】
施用方法としては、有害生物、例えば直接の危害を与える節足動物類や病気の媒介者である節足動物類等に対しては、これらが潜在しうる周囲に例えば油剤、乳剤、水和剤等の散布・注入・灌注・塗布、粉剤等の散布、燻蒸剤、蚊取線香・自己燃焼型燻煙剤・化学反応型煙霧剤等の加熱煙霧剤、フォッギング等の燻煙剤、ULV剤等の製剤によって処理する方法などを挙げることができる。また別の製剤形態、例えば顆粒、錠剤又は毒餌としてこれらを設置したり、フローティング粉剤、粒剤等を水路、井戸、貯水池、貯水及びその他の流水もしくは停留水中へ滴下するなどの方法で施用すればよい。
【0063】
更に、農業、林業における有害生物でもあるドクガ類等に対しては、「(A)農業、林業場面等」の項に記載した方法と同様な方法で防除することが可能であり、ハエ類等に対しては家畜の飼料中に混入して糞に有効成分が混入されるようにする方法、及びカ類等に対しては電気蚊取器等で空中へ揮散させる方法等も有効である。
【0064】
これらの使用形態である製剤は、前記したような他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、忌避剤又は共力剤との混合剤として存在することもでき、これらの製剤中には有効成分化合物が合計量で0.0001〜95重量%含有するのが好ましい。なお、使用時に他の活性化合物と併用することも可能である。
【0065】
家屋や木製家具等をシロアリ類又は甲虫類等による被害から保護する場合には、例えばこれらやその周辺に対して油剤、乳剤、水和剤、ゾル剤の散布・注入・灌注・塗布、粉剤、粒剤等の使用形態にて薬剤を散布する等の方法などを挙げることができる。この様な場面においても本発明化合物を単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、忌避剤及び共力剤等と併用又は混合剤として使用して使用することが出来る。
【0066】
これらの製剤中における本発明化合物等の有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成分の合計量で0.0001〜95重量%であり、油剤や粉剤、粒剤等では0.005〜10重量%、乳剤、水和剤及びゾル剤等では0.01〜50重量%含有させるのが好ましい。具体的には、例えばシロアリ類や甲虫類等を駆除・防除する場合は、1m2当たり有効成分化合物量として0.01〜100gを周囲あるいは直接表面に散布すればよい。
【0067】
人体に危害を加えたり、病原体の運搬や媒介をする等の有害生物の忌避、駆除・防除に際しては、上述のようなものの他に、適切な経口摂取可能な調合薬剤組成物等、例えば薬剤上許容しうる担体やコーティング物質を含む錠剤、丸剤、カプセル剤、ペースト、ゲル、飲料、薬用飼料、薬用飲料水、薬用追餌、除放性大粒丸薬、その他胃腸管内に保留されるようにした除放性デバイス等として経口投与、あるいはスプレー、粉末、グリース、クリーム、軟膏、乳剤、ローション、スポットオン、ポアオン、シャンプー等として経皮投与することができる。
具体的な製剤処方等は、「(B)畜産業、水産業場面等」の項で説明した方法と同様に処方することができる。
【0068】
【実施例】
以下、本発明を実施例、製剤例、試験例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの例に限定されるものではない。
実施例 1
2,2-ジクロロ-1-フェニル-N-(5-トリフルオロメチル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)シクロプロパンカルボン酸アミドの合成
2-アミノ-5-トリフルオロメチル-1,3,4-チアジアゾール 0.34 g、ピリジン 0.40 ml およびトルエン 5 ml の混合物に、2,2-ジクロロ-1-フェニルシクロプロパンカルボン酸クロリド 0.10 g を加え、70 ℃ で 2 時間攪拌した。希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、得られた結晶をヘキサンで洗浄して、表 1 記載の化合物 (No.9) 0.54 g を得た。
mp 161-162 ℃;1H NMR (CDCl3) d 2.32 (1H, d, J = 7.8 Hz), 2.89 (1H, d. J = 7.8 Hz), 7.4-7.7 (5H, m)
実施例 2
実施例 1 記載の方法に準じて、表 1 の化合物を合成した。
【0069】
【表1】
【0070】
* 1H NMR (CDCl3) d (ppm) 2.22 (1H, d, J = 8.2 Hz), 3.1 (1H, br), 7.40 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.57 (1H, s), 7.63 (1H, br), 9.99 (1H, br)
以下、本発明の化合物を有効成分として含む農園芸用殺虫、殺ダニ剤の製剤例を示すが、本発明の使用形態は下記のものに限定されるものではない。
製剤例1:水和剤
本発明の化合物20重量部、カープレックス#80(ホワイトカーボン、塩野義製薬株式会社、商品名)20重量部、STカオリンクレー(カオリナイト、土屋カオリン社、商品名)52重量部、ソルポール9047K(アニオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)5重量部、ルノックスP65L(アニオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)3重量部を配合し、均一に混合粉砕して、有効成分20重量%の水和剤を得た。
【0071】
製剤例2:粉剤
本発明の化合物2重量部、クレー(日本タルク社製)93重量部、カープレックス#80(ホワイトカーボン、塩野義製薬株式会社、商品名)5重量部を均一に混合粉砕して、有効成分2重量%の粉剤を製造した。
製剤例3:乳剤
本発明の化合物20重量部をキシレン35重量部およびジメチルホルムアミド30重量部からなる混合溶媒に溶解し、これにソルポール3005X(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、東邦化学株式会社、商品名)15重量部を加えて、有効成分20重量%の乳剤を得た。
【0072】
製剤例4:フロアブル剤
本発明の化合物30重量部とソルポール9047K 5重量部、ソルボンT−20(非イオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)3重量部、エチレングリコール8重量部および水44重量部をダイノミル(シンマルエンタープライゼス社製)で湿式粉砕し、このスラリー状混合物に1重量%キサンタンガム(天然高分子)水溶液10重量部を加え、よく混合粉砕して、有効成分20重量%のフロアブル剤を得た。
【0073】
以下、本発明の化合物を有効成分として含む農園芸用殺虫、殺ダニ剤の試験例を示すが、本発明の使用形態は下記のものに限定されるものではない。
以下、本発明の化合物を有効成分として含む農園芸用殺虫、殺ダニ剤の試験例を示すが、本発明の使用形態は下記のものに限定されるものではない。
また、対照化合物として USP4092148号明細書に記載の化合物Aを同様の試験に供した。
【0074】
【化4】
【0075】
試験例1:コナガの幼虫に対する殺虫効果
製剤例3の処方にしたがって製造した本発明殺虫剤の水希釈液中に、キャベツ切葉(直径6cm)を1分間浸漬した。浸漬後風乾しプラスチックカップ(内径7cm)に入れ、このカップ内にコナガの3令虫を5頭放虫した(1濃度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、放虫4日後に幼虫の生死および苦悶を調査し、苦悶虫を1/2頭死として殺虫活性(%)を求めた。結果を表 2 に示した(以下の表中、化合物番号は表 1 に対応している)。
【0076】
【表2】
【0077】
試験例 2:ナミハダニの成虫に対する殺ダニ効果
水を入れた試験管 (容量 : 50ml) に、初生葉1枚を残したいんげん苗の茎部を挿し、ナミハダニの雌成虫を1葉あたり15頭接種した。接種1日後にハダニの寄生した葉を製剤例 3 の処方に従って製造した本発明殺ダニ剤の水希釈液に浸漬処理 (約5秒間) した (1濃度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、処理後5日目にいんげん葉上のハダニ雌成虫数を調査し、その結果に基づき殺成虫率(%)を求めた。結果を表 3 に示した。
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】
本発明のN−チアジアゾリルシクロプロパンカルボン酸アミド類は、有害な昆虫、ダニ類に対して優れた防除効果を有し、農林業、防疫用の優れた殺虫、殺ダニ剤である。更に、畜産、水産業或いは各種の製品の保存上、公衆衛生上の各種有害生物の防除剤としても期待される。
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