JP4868103B2 - ピラゾール誘導体及びこれを有効成分とする有害生物防除剤並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な1−アリール−3−シアノ−5−ピリジルアルキルアミノピラゾール誘導体及びこれを有効成分とする有害生物防除剤、特に殺虫剤に存する。
【0002】
【従来の技術】
従来、農園芸分野では、各種害虫の防除を目的とした様々な殺虫剤等の有害生物防除剤が開発され実用に供されている。
例えば殺虫活性を有するピラゾール系化合物としては、特開昭62−228065号公報、特開昭63−316771号公報および特開平3−118369号公報等に5位に置換されてもよいアミノ基を有する3−シアノ−1−フェニルピラゾール誘導体が開示されており、また特開平5−148240号公報には置換された1−アリール−3−シアノ−5−(ヘト)アリールメチリデンイミノピラゾール誘導体が開示されており、さらには特開昭64−47768号公報には置換された1−アリール−5−(ヘト)アリールメチルアミノピラゾール誘導体が開示されている。
【0003】
しかしながら、上記文献に記載された化合物は、殺虫効果、殺虫スペクトラム及び安全性等の点において全てを満足させるものではなく、これらの課題を克服した新規化合物の出現の要望があったため、特開平10−338676号公報には、安全性の高い化合物として、新規な1−アリール−3−シアノ−5−ヘテロアリールアルキルアミノピラゾール誘導体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−338676号公報等に記載の化合物は、公知化合物と比較すると殺虫活性に優れ毒性も低減されてはいるが、浸透移行活性の点を見ると性能が不十分、または、浸透移行活性が高いものは比較的安全性が不十分という問題が見出された。浸透移行活性は、害虫防除に当たっての薬剤施用方法の効率化や吸汁害虫等の有害生物の防除に特に効果のある土壌処理施薬方法への適用等の点で重要なファクターである。また、近年は、標的害虫以外の生体及び環境への安全性の要望が益々高まりつつあり、しかも今後は環境保護対策が強化される方向である。従って、これらのことを考慮すると、より厳しい規制に適した農薬の開発するために、さらに安全性の高い化合物を発見することも重要課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述した様な課題を解決すべく鋭意努力した結果、1−アリール−3−シアノ−5−ヘテロアリールアルキルアミノピラゾール誘導体において、ピラゾール環5位のアルキルアミノ基に結合するヘテロアリール基をピリジル基とし、さらにピラゾール環4位の置換基を一部ハロゲン化された特定のアルキルチオ基とすることによって、浸透移行活性を向上させ、かつ、安全性の高い化合物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明の要旨は、下記一般式(1)
【0007】
【化6】
【0008】
(上記式中、XはNまたはC−ハロゲン原子を示し、R1はハロアルキル基(但し、パーハロアルキル基を除く)を示し、R2は水素原子またはアルキル基を示し、R3は水素原子、アルキル基またはアシル基を示し、R4は水素原子、水酸基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を示す。)で表される1−アリール−3−シアノ−5−ピリジルアルキルアミノピラゾール誘導体、及びこれを有効成分とする有害生物防除剤、並びに該化合物の製造方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、前述の一般式(1)で表される化合物における置換基R1 は、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリクロロエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3、3、3−トリフルオロプロピル基、2、2、3、3−テトラフルオロプロピル基、2、2、3、3、3−ペンタフルオロプロピル基、2、2−ジクロロ−3、3、3−トリフルオロプロピル基、2、2−ジクロロ−3、3、3−トリフルオロプロピル基、3、3、3−トリクロロプロピル基、4−クロロブチル基、4、4、4−トリフルオロブチル基、3、3、4、4、4−ペンタフルオロブチル基等の一部がハロゲン化された、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。このうち好ましくは、炭素数1〜4のハロアルキル基であり、特に好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基等の炭素数1〜2のハロアルキル基である。
【0010】
R2 は、水素原子;またはメチル基、エチル基、n −プロピル基、イソプロピル基、n −ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t −ブチル基等の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を示す。このうち好ましくは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
R3は、水素原子;メチル基、エチル基、n −プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t −ブチル基等の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;またはメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n −プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n −ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、t −ブチルカルボニル基等の直鎖もしくは分岐鎖アシル基を示し、上記アルキル基またはアシル基としては炭素数1〜4のものが好ましい。R3として、特に好ましくは水素原子である。
【0011】
R4は、水素原子;水酸基;メチル基、エチル基、n −プロピル基、イソプロピル基、n −ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t −ブチル基等の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリクロロエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3、3、3−トリフルオロプロピル基、2、2、3、3−テトロフルオロプロピル基、2、2、3、3、3−ペンタフルオロプロピル基、2、2−ジクロロ−3、3、3−トリフルオロプロピル基、2、2−ジクロロ−3、3、3−トリフルオロプロピル基、1、3−ジフルオロ−2−プロピル基、1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、3、3、3−トリクロロプロピル基、4−クロロブチル基、4、4、4−トリフルオロブチル基、3、3、4、4、4−ペンタフルオロブチル基等の直鎖もしくは分岐鎖ハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n −プロポキシ基、イソプロポキシ基、n −ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t −ブトキシ基等の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2、2、2−トリフルオロエトキシ基、2、2、2−トリクロロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、3−ブロモプロポキシ基、3、3、3−トリフルオロプロポキシ基、2、2、3、3−テトラフルオロプロポキシ基、2、2、3、3、3−ペンタフルオロプロポキシ基、2、2−ジクロロ−3、3、3−トリフルオロプロポキシ基、2、2−ジクロロ−3、3、3−トリフルオロプロポキシ基、1、3−ジフルオロ−2−プロポキシ基、1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、3、3、3−トリクロロプロポキシ基、4−クロロブトキシ基、4、4、4−トリフルオロブトキシ基、3、3、4、4、4−ペンタフルオロブトキシ基等の直鎖もしくは分岐鎖ハロアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n −プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n −ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t −ブチルチオ基等の直鎖もしくは分岐鎖アルキルチオ基;メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n −プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、n −ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、t −ブチルスルフィニル基等の直鎖もしくは分岐鎖アルキルスルフィニル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n −プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n −ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、t −ブチルスルホニル基等の直鎖もしくは分岐鎖アルキルスルホニル基;塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基またはシアノ基を示し、このうち上記アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基及びアルキルスルホニル基に関しては、炭素数1〜4のものが好ましい。特にR4 としては水素原子またはアルキル基が好ましく、最も好ましいのは水素原子である。
【0012】
前述の一般式(1)の化合物においては、各々R1 〜R4における好ましい置換基を組み合わせた化合物が、より好適な化合物である。
好ましい置換基の組み合わせとしては、例えば、R1 が炭素数1〜2の一部ハロゲン化されたアルキル基であり、R2、R3及びR4が水素原子である化合物が挙げられる。中でもR1がフルオロメチル基、ジフルオロメチル基であるものが、有害生物防除剤、特に殺虫剤の有効成分として使用した場合に、殺虫活性が高くなる(すなわち、低濃度の薬量でも十分な殺虫効果が得られる)ので好ましく、最も好ましい化合物は、下記に示すような1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルである。
【0013】
【化7】
【0014】
前記一般式(1)で表される本発明の化合物の製造方法としては、特開平10−338676号公報に記載の製造方法を用いることができる。また、その他好ましくは下記反応式−1〜4で示される方法が挙げられる。
【0015】
【化8】
【0016】
(上記式中、R1、R2、R3、R4及びXは前述した通り。)
反応式1は、一般式(2)のピラゾール誘導体にR1SX1(R1は一般式(1)と同義であり、X1は、塩素原子、臭素原子、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を示す)を作用させることを特徴とする一般式(1)のピラゾール誘導体の製造方法を示している。X1は好ましくは塩素原子である。R1SX1の具体例としては、ジフルオロメチルスルフェニルクロリド(CHF2SCl)が例示され、この化合物はJ.Org.Chem., Vol.44, No. 10, 1708 (1979)に記載の方法で製造できる。
【0017】
本反応においては、一般式(2)で表される化合物に対してR1 SX1を0.5〜10.0モル当量、好ましくは0.8〜5モル当量を用い、0℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて実施され、反応スケールにもよるが、一般的には1時間〜24時間、好ましくは1〜4時間で実施される。
本反応で用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;クロロホルムまたは塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ、このうちトルエンおよびジクロロメタンが好ましい。
【0018】
反応は好ましくは塩基存在下で行い、塩基としては、ピリジン、トリエチルアミンなどのアミン類が用いられる。
反応式2は、一般式(3)のピラゾール誘導体にハロアルキル化剤を作用させることを特徴とする一般式(1)のピラゾール誘導体の製造方法を示している。
本反応で用いるハロアルキル化剤としては、臭化フルオロメチル、塩化ジフルオロメチル、トリメチルシリルジフルオロメタン等が例示される。
【0019】
本反応で用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられ、このうちテトラヒドロフランが好ましい。
本反応においては、一般式(3)で表される化合物に対してハロアルキル化剤を0.5〜10.0モル当量、好ましくは0.8〜5モル当量を用い、反応は−20℃〜120℃、好ましくは0℃から室温の範囲で実施され、反応スケールにもよるが、一般的には1時間〜24時間、好ましくは1〜4時間で実施される。
【0020】
反応式3は、一般式(4)のピラゾール誘導体にハロアルキル化剤を作用させることを特徴とする一般式(1)のピラゾール誘導体の製造方法を示している。
ハロアルキル化剤として、好ましくはハロメチル基を有するハロアルキル化剤が例示される。ハロメチル基を有するハロアルキル化剤として好ましくはジフルオロメチル基を有する化合物が例示され、さらに好ましくはジフルオロカルベン前駆体として知られている化合物が例示される。ジフルオロカルベン前駆体としては Springer社発行、Hiyama著、Organofluorine compounds, p107-111 に記載の化合物が例示され、具体的には塩化ジフルオロメチル、クロロジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸金属塩、クロロジフルオロ酢酸エステル等が例示される。
本反応で用いる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性極性溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒;トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒;トリエチルアミン、液体アンモニアなどの塩基性溶媒などが挙げられ、このうちDMFなどの極性溶媒およびエタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。
【0021】
反応は−20℃〜200℃、好ましくは0℃〜150℃の範囲で実施され、1時間〜24時間、好ましくは1〜4時間で実施される。
また、本反応は、2層系で行うことも出来る。その場合、溶媒としてはジオキサンなどの極性溶媒、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒と濃水酸化ナトリウム水溶液の2層系が例示され、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の相間移動触媒の存在下、反応温度は−20℃〜120℃、好ましくは0℃から室温の範囲で実施され、反応スケールにもよるが、一般的には1時間〜24時間、好ましくは1〜4時間で実施される。
【0022】
反応式4の方法は、一般式(5)のピラゾール誘導体にハロアルキル化剤を作用させることを特徴とする一般式(1)のピラゾール誘導体の製造方法を示している。
本反応においては、必要に応じ還元剤の共存下で反応を行う。
還元剤としてはナトリウムボロヒドリド、亜鉛ボロヒドリド、リチウムアルミニウムヒドリドなどのヒドリド類、金属亜鉛、ヒドラジンなどが例示される。使用量は基質に対して1モル倍から20モル倍、好ましくは1モル倍から5モル倍の範囲で行われる。
その他用いる試薬および条件としては上記一般式(3)に関する説明と同様である。
【0023】
尚、上記一般式(3)、(4)または(5)の化合物は、一般式(2)の化合物を原料として公知の方法により製造可能である。
本発明の化合物のうち最も好ましい化合物である1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルの場合、特に好ましい製造方法としては反応式1′または反応式4′に示されるルートが挙げられる。
【0024】
【化9】
【0025】
次に一般式(2)で表されるピラゾール誘導体の製造方法について述べる。一般式(2)で表されるピラゾール誘導体を製造法には次の2種類の方法がある。
1)ピラゾール誘導体の側鎖を変換する方法
2)ピラゾール骨格を合成しながら目的物を得る方法
1)のピラゾール誘導体の側鎖を変換する方法においては、一般に知られているアミンの製造方法(例えばOrganic Functional Group Preparations I, p377, chapter 13 (Amines), Academic Press, 1983に記載の方法)が適用可能である。具体的には一般式(6)、一般式(7)または一般式(8)で示される化合物を原料として、反応式5−8に示される方法で一般式(2)で表されるピラゾール誘導体を製造することができる。
【0026】
【化10】
【0027】
(上記反応式中、X、R2、R3及びR4は、一般式(1)と同義である。X5は、ハロゲン原子、水酸基等の脱離基を示し、X6はハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基を示し、AはR4−ピリジル基を示す。)
【0028】
上記反応式中における縮合反応においては、それぞれ公知の方法に準じて行なうことができる。
又、還元反応で用いる還元剤としては、通常のイミン、アミド、ハロイミデートの還元反応に用いる試剤を利用することができ、水素または水素供与体が用いられる。水素を用いる際は通常はパラジウム、白金などの触媒を用いる。水素供与体としてはギ酸、イソプロパノールなどの有機水素供与体;ヒドラジンなどの無機水素供与体;金属水素化物などを例示できる。金属水素化物としてはボランTHF錯体、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムまたは水素化リチウムアルミニウム等が挙げられる。反応式8の場合、a)イミン化合物(10)の生成、およびb)還元によるピラゾール誘導体(2)の生成を同一工程で行うところの、いわゆる還元的アミノ化反応も有効である。
【0029】
本反応で用いる溶媒としては、ジエチルエーテル、ジオキサンもしくはテトラヒドロフラン等のエーテル類;またはメタノール、エタノールもしくはプロパノール等のアルコール類等の極性溶媒が挙げられる。
反応は−20℃〜120℃、好ましくは0℃〜室温の範囲で実施され、1時間〜24時間、好ましくは1〜4時間で実施される。
【0030】
ハロイミデート化で用いる塩素化剤としては、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル等が挙げられる。
本反応で用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0031】
反応は0℃〜200℃、好ましくは室温〜150℃の範囲で実施され、1時間〜24時間、好ましくは1〜4時間で実施される。
2)のピラゾール骨格を合成しながら目的物を得る方法としては、特開平10−338676に種々の一般法が記載されているが、好ましいものとしては反応式9に示される方法が例示される。
【0032】
【化11】
【0033】
本発明の化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、害虫、ダニその他有害生物の防除効果を有し、例えば農業・林業・畜産業・水産業及びこれら産業の製品保存場面や公衆衛生などの広範囲の場面において、有害生物の忌避や駆除・防除等に有効である。
特に本発明化合物は、農業、林業等、具体的には農作物の育成時や、収穫物及び樹木、観賞用植物等に損害を与える有害生物や、公衆衛生場面における有害生物の忌避、駆除・防除等に用いる殺虫剤、殺ダニ剤として、優れた効果を発揮する。
【0034】
以下に具体的な使用場面、対象有害生物、使用方法等を示すが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。さらに具体的に例示した有害生物は、対象とする有害生物に限定されるものではなく、また例示した有害生物は、その成虫、幼虫、卵等をも含むものである。
(A)農業、林業場面等;
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、農作物、例えば食用作物(稲、麦類、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、豆類等)、野菜(アブラナ科作物、うり類、なす、トマト、ネギ類等)、果樹(柑橘類、りんご、ぶどう、もも等)、特用作物(たばこ、茶、甜菜、サトウキビ、綿、オリーブ等)、牧草・飼料用作物(ソルガム類、イネ科牧草、豆科牧草等)や観賞用植物(草本・花卉類、庭木等)などの育成場面に際して、これらに損害を与える節足動物類、軟体動物類、線虫類等や各種菌類等の有害生物の忌避、防除等に有効である。更に、本発明化合物は上述の作物からの収穫物、例えば穀類、果実、木の実、香辛料及びタバコ等や、これらに乾燥、粉末化等の処理を施した製品を貯蔵する際における、有害生物の忌避、駆除等にも有効である。また立木、倒木、加工木材、貯蔵木材等を、シロアリ類や甲虫類等の有害生物による被害から保護する上でも有効である。
【0035】
具体的な有害生物としては例えば、節足動物門、軟体動物門及び線形動物門に属するものとして、以下のものを挙げることができる。節足動物門昆虫綱としては、以下のものを例示することができる。
鱗翅目としては、例えばハスモンヨトウ、オオタバコガ、ヨトウガ、タマナギンウワバ等のヤガ科;コナガ等のスガ科;チャノコカクモンハマキ、ナシヒメシンクイ等のハマキガ科;ミノガ等のミノガ科;ギンモンハモグリガ等のハモグリガ科;キンモンホソガ等のホソガ科;ネギコガ等のアトヒゲコガ科;コスカシバ等のスカシバガ科;カキノヘタムシガ等のニセマイコガ科;ワタアカミムシ等のキバガ科;モモシンクイガ等のシンクイガ科;イラガ等のイラガ科;コブノメイガ、ニカメイチュウ、ワタヘリクロノメイガ等のメイガ科;イチモンジセセリ等のセセリチョウ科;アゲハ等のアゲハチョウ科;モンシロチョウ等のシロチョウ科;ウラナミシジミ等のシジミチョウ科;ヨモギエダシャク等のシャクガ科;エビガラスズメ等のスズメガ科;モンクロシャチホコ等のシャチホコガ科;チャドクガ等のドクガ科;アメリカシロヒトリ等のヒトリガ科などを挙げることができる。
【0036】
甲虫目としては、例えばドウガネブイブイ、コアオハナムグリ、マメコガネ等のコガネムシ科;ミカンナガタマムシ等のタマムシ科;マルクビクシコメツキ等のコメツキムシ科;ニジュウヤホシテントウ等のテントウムシ科;ゴマダラカミキリ、ブドウトラカミキリ等のカミキリムシ科;ウリハムシ、キスジノミハムシ、イネドロオイムシ等のハムシ科;モモチョッキリゾウムシ等のオトシブミ科;アリモドキゾウムシ等のミツギリゾウムシ科;クリシギゾウムシ、イネミズゾウムシ等のゾウムシ科などを挙げることができる。
【0037】
半翅目としては、例えばチャバネアオカメムシ、クサギカメムシ等のカメムシ科;ナシカメムシ等のクヌギカメムシ科;ホソハリカメムシ等のヘリカメムシ科;クモヘリカメムシ等のホソヘリカメムシ科;アカホシカメムシ等のホシカメムシ科;ナシグンバイ等のグンバイムシ科;ウスミドリメクラガメ等のメクラカメムシ科;ニイニイゼミ等のセミ科;ブドウアワフキ等のアワフキムシ科;シロオオヨコバイ等のオオヨコバイ科;フタテンヒメヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ等のヒメヨコバイ科;ツマグロヨコバイ等のヨコバイ科;ヒメトビウンカ、トビイロウンカ等のウンカ科;アオバハゴロモ等のアオバハゴロモ科;ナシキジラミ等のキジラミ科;オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ等のコナジラミ科;クリイガアブラムシ等のフィロキセラ科;リンゴワタムシ等のタマワタムシ科;ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ、オカボノアカアブラムシ等のアブラムシ科;イセリアカイガラムシ等のワタフキカイガラムシ科;ミカンコナカイガラムシ等のコナカイガラムシ科;ルビーロウムシ等のカタカイガラムシ科;ナシマルカイガラ、クワシロカイガラ等マルカイガラムシ科などを挙げることができる。
【0038】
アザミウマ目としては、ミカンキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ等のアザミウマ科;カキクダアザミウマ、イネクダアザミウマ等のクダアザミウマ科などを挙げることができる。
膜翅目としては、例えばカブラハバチ等のハバチ科;リンゴハバチ等のミフシハバチ科;クリタマバチ等のタマバチ科;バラハキリバチ等のハキリバチ科などを挙げることができる。
【0039】
双翅目としては、例えばダイズサヤタマバエ等のタマバエ科;ウリミバエ等のミバエ科;イネミギワバエ等のミギワバエ科;オウトウショウジョウバエ等のショウジョウバエ科;ナモグリバエ、マメハモグリバエ等のハモグリバエ科;タマネギバエ等のハナバエ科などを挙げることができる。
直翅目としては、例えばクサキリ等のキリギリス科;アオマツムシ等のコオロギ科;ケラ等のケラ科;コバネイナゴ等のバッタ科などを挙げることができる。
【0040】
トビムシ目としては、例えばキマルトビムシ等のマルトビムシ科;マツモトシロトビムシ等のシロトビムシ科などを挙げることができる。
シロアリ目としては、例えばタイワンシロアリ等のシロアリ科が、ハサミムシ目としては、例えばオオハサミムシ等のオオハサミムシ科などを例示することができる。
【0041】
節足動物門甲殻綱及びクモ綱としては、以下のものを例示することができる。
甲殻綱の等脚目としては、例えばオカダンゴムシ等のダンゴムシ科が挙げることができる。
クモ綱のダニ目としては、例えばチャノホコリダニ、シクラメンホコリダニ等のホコリダニ科;ムギダニ等のハシリダニ科;ブドウヒメハダニ等のヒメハダニ科;ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ科;ミカンサビダニ、リンゴサビダニ、ニセナシサビダニ等のフシダニ科;ケナガコナダニ等のコナダニ科等を挙げることができる。
【0042】
軟体動物門腹足門として、腹足綱の中腹足目としては、例えばスクミリンゴガイ等を、柄眼目としては例えばアフリカマイマイ、ナメクジ、ニワコウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ウスカワマイマイ等を挙げることができる。
線形動物門幻器綱及び尾線綱としては、以下のものを例示することができる。
幻器綱ハリセンチュウ目としては、例えばイモグサレセンチュウ等のアングイナ科;ナミイシュクセンチュウ等のティレンコリンクス科;キタネグサレセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウ等のプラティレンクス科;ナミラセンチュウ等のホプロライムス科;ジャガイモシストセンチュウ等のヘテロデラ科;サツマイモネコブセンチュウ等のメロイドギネ科;ワセンチュウ等のクリコネマ科;イチゴメセンチュウ等のノトティレンクス科;イチゴセンチュウ等のアフェレンコイデス科などを例示することができる。
【0043】
尾腺綱ニセハリセンチュウ目としては、例えばオオハリセンチュウ等のロンギドルス科;ユミハリセンチュウ等のトリコドルス科などを挙げることができる。
さらに本発明化合物は、天然林、人工林ならびに都市緑地等の樹木を加害或いは樹勢に影響を与える有害生物の忌避、防除・駆除等にも有効である。この様な場面において、具体的な有害生物としては以下のものを挙げることができる。
節足動物門昆虫綱及びクモ綱としては、以下のものを例示することができる。
【0044】
鱗翅目としては、例えばスギドクガ、マイマイガ等のドクガ科;マツカレハ、ツガカレハ等のカレハガ科;カラマツマダラメイガ等のメイガ科;カブラヤガ等のヤガ科;カラマツイトヒキハマキ、クリミガ、スギカサガ等のハマキガ科;アメリカシロヒトリ等のヒトリガ科;シイモグリチビガ等のモグリチビガ科;ヒロヘリアオイラガ等のイラガ科などを挙げることができる。
【0045】
甲虫目としては、例えばヒメコガネ、ナガチャコガネ等のコガネムシ科;ケヤキナガタマムシ等のタマムシ科;マツノマダラカミキリ等のカミキリムシ科;スギハムシ等のハムシ科;サビヒョウタンゾウムシ、マツノシラホシゾウムシ等のゾウムシ科;オオゾウムシ等のオサゾウムシ科;マツノキクイムシ、イタヤキクイムシ等のキクイムシ科;コナナガシンクイムシ等のナガシンクイムシ科などを例示することができる。
【0046】
半翅目としては、例えばトドマツオオアブラムシ等のアブラムシ科;エゾマツカサアブラ等のカサアブラムシ科;スギマルカイガラムシ等のマルカイガラムシ科;ツノロウムシ等のカタカイガラムシ科などを挙げることができる。
膜翅目としては、例えばカラマツアカハバチ等のハバチ科;マツノキハバチ等のマツハバチ科;クリタマバチ等のタマバチ科などを挙げることができる。
【0047】
双翅目としては、例えばキリウジガガンボ等のガガンボ科;カラマツタネバエ等のハナバエ科;スギタマバエ、マツシントメタマバエ等のタマバエ科などを挙げることができる。
クモ綱のダニ目としては、例えばスギノハダニ、トドマツノハダニ等を挙げることができる。
【0048】
線形動物門幻器綱ハリセンチュウ目としては、例えばマツノザイセンチュウ等のパラシタフェレンクス科などを挙げることができる。
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、上述した農業や林業場面等において有効な製剤、及び製剤によって調製された任意の使用形態で、単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用することが出来る。上記他の活性化合物の具体例としては、以下のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
殺虫・殺ダニ剤等の活性化合物:有機燐剤としては、例えばジクロルボス、フェニトロチオン、マラチオン、ナレド、クロルピリホス、ダイアジノン、テトラクロルビンホス、フェンチオン、イソキサチオン、メチダチオン、サリチオン、アセフェート、ジメトン-Sメチル、ジスルフォトン、モノクロトホス、アジンホスメシル、パラチオン、ホサロン、ピリミホスメチル、プロチオホス等を挙げることができる。カーバメート剤としては、例えばメトルカルブ、フェノブカルブ、プロポクスル、カルバリル、エチオフェンカルブ、ピリミカルブ、ベンダイオカルブ、カルボスルファン、カルボフラン、メソミル、チオジカルブ等を挙げることができる。有機塩素剤としては、例えばリンデン、DDT、エンドサルファン、アルドリン、クロルデン等を挙げることができる。ピレスロイド剤としては、例えばペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、シハロトリン、シフルトリン、アクリナトリン、フェンバレレート、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、フルバリネート、フルシトリネート、ビフェントリン、アレスリン、フェノトリン、フェンプロパトリン、シフェノトリン、フラメトリン、レスメトリン、トランスフルスリン、プラレトリン、フルフェンプロックス、ハロファンプロックス、イミプロトリン等を挙げることができる。ネオニコチノイド剤としては、例えばイミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、ジノテフラン、チアメトキサム、チアクロプリド、クロチアニジン等を挙げることができる。
【0050】
フェニルベンゾイルウレア剤等の昆虫成長制御剤としては、例えばジフルベンズロン、クロロフルアズロン、トリフルムロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、テフルベンズロン、ブプロフェジン、テブフェノジド、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、シロマジン等を挙げることができる。
【0051】
幼若ホルモン剤としては、例えばピリプロキシフェン、フェノキシカルブ、メソプレン、ヒドロプレン等を挙げることができる。
微生物により生産される殺虫性物質としては、例えばアバメクチン、ミルベメクチン、ニッコーマイシン、エマメクチンベンゾエート、イベルメクチン、スピノサドー等を挙げることができる。
【0052】
その他の殺虫剤として、例えばカルタップ、ベンスルタップ、クロルフェナピル、ジアフェンチウロン、硫酸ニコチン、メタアルデヒド、フィプロニル、ピメトロジン、インドキサカルブ、トルフェンピラド、ピリダリル等を挙げることができる。
殺ダニ剤の活性化合物として、例えばジコホル、フェニソブロモレート、ベンゾメート、テトラジホン、ポリナクチン複合体、アミトラズ、プロパルギル、酸化フェンブタスズ、水酸化トリシクロヘキシルスズ、テブフェンピラド、ピリダベン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、フェナザキン、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、アセキノシル、キノメチオネート、フェノチオカルブ、エトキサゾール、ビフェナゼート、フルアクリピリム等を挙げることができる。
【0053】
殺線虫剤の活性化合物として、例えばメチルイソシアネート、ホスチアゼート、オキサミル、メスルフェンホス、カズサホス等を挙げることができる。
毒餌としては、例えばモノフルオロ酢酸、ワルファリン、クマテトラリル、ダイファシン等を挙げることができる。
殺菌剤の活性化合物としては、例えば無機銅、有機銅、硫黄、マンネブ、チウラム、チアジアジン、キャプタン、クロロタロニル、イプロベンホス、チオファネートメチル、ベノミル、チアベンダゾール、イプロジオン、プロシミドン、ペンシクロン、メタラキシル、サンドファン、バイレトン、トリフルミゾール、フェナリモル、トリホリン、ジチアノン、トリアジン、フルアジナム、プロベナゾール、ジエトフェンカルブ、イソプロチオラン、ピロキロン、イミノクタジン酢酸塩、エクロメゾール、ダゾメット、クレソキシムメチル、カルプロパミド、ジクロシメット、トリシクラゾール、プロベナゾール、イプコナゾール、アゾキシストロビン、メトミノストロビン、アシベンゾラルSメチル、フェノキサニル、コード番号NNF-9850で代表される化合物(日本農薬(株))、コード番号BJL−003で代表される化合物(BASF社)、コード番号DF−391で代表される化合物(大日本インキ(株))等を挙げることができる。
【0054】
共力剤の活性化合物としては、例えばビス-(2,3,3,3-テトラクロルプロピル)エーテル、N-(2-エチルヘキシル)ビスクロ[2,1,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、α-[2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]-4,5-メチレンジオキシ-2-プロピルトルエン等を挙げることができる。
除草剤等の活性化合物としては、例えばビアラホス、セトキシジム、トリフルラリン、メフェナセット等を挙げることができる。植物調整剤の活性化合物としては、例えばインドール酪酸、エテホン、4-CPA等を挙げることができる。
忌避剤の活性化合物としては、例えばカラン-3,4-ジオール、N,N-ジエチル-m-トリアミド(Deet)、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントン、ヒノキチオール、メントール、グラニオール、ユーカリプトール等を挙げることができる。
【0055】
本発明の有害生物防除剤の使用形態は任意であり、一般式(1)の化合物に農薬補助剤を加えて、例えば水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤、粉剤、粒剤、エアゾール剤等に製剤して使用される。これらの製剤中における本発明化合物等の有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成分の合計量で0.001〜99.5重量%の範囲から選ばれ、製剤形態、施用方法等の種々の条件により適宜決定すればよいが、例えば、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、フロアブル剤、カプセル剤等では約0.01〜90重量%程度、好ましくは1〜50重量%、粉剤や粒剤等では0.1〜50重量%程度、好ましくは1〜10重量%、エアゾール剤等では約0.001〜20重量%程度、好ましくは0.01〜2重量%の有効成分を含有するように製造することが好適である。
【0056】
用いられる農薬補助剤は、有害生物の忌避効果、防除効果、駆除効果の向上、および安定化、分散性の向上等の目的で、例えば、担体(希釈剤)、展着剤、乳化剤、湿展剤、分散剤、崩壊剤等を用いることができる。液体担体としては、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、ブタノール、グリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、メチルナフタレン、シクロヘキサン、動植物油、脂肪酸等を挙げることができる。また、固体担体としてはクレー、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、長石、石英、アルミナ、鋸屑、ニトロセルロース、デンプン、アラビアゴム等を用いることができる。乳化剤、分散剤としては通常の界面活性剤を使用することができ、例えば、高級アルコール硫酸ナトリウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ラウリルベタイン等の陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤等を用いることができる。また、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等の展着剤;ジアルキルスルホサクシネート等の湿展剤;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の固着剤;リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の崩壊剤を用いることができる。
【0057】
例えば、水和剤の場合、有効成分である一般式(I)の化合物、固形担体、および界面活性剤等を混合して原末を製造し、さらにこの原末を使用に際して所定濃度に水で希釈して施用することができる。乳剤の場合、有効成分の上記化合物に対して溶剤および界面活性剤等を混合して原液の乳剤を製造することができ、更にこの原液を使用に際して所定濃度に水で希釈して施用することができる。粉剤の場合、有効成分の上記化合物、固形担体等を混合してそのまま施用することができ、粒剤の場合には、有効成分の上記化合物、固形担体、および界面活性剤等を混合して造粒することにより製造し、そのまま施用することができる。もっとも、上記の各製剤形態の製造方法は上記のものに限定されることはなく、有効成分の種類や施用目的等に応じて当業者が適宜選択することができるものである。
【0058】
使用方法は、有害生物の種類や発生量や、対象とする作物・樹木等の種類や栽培形態・生育状態により異なるが、例えば節足動物類、腹足類、線虫類等に対しては、通常これらの有害生物による被害が発生している場所、ないしは被害の発生が予測される場所に対して、一般的に10アール当たり有効成分量で0.1〜1000g、好ましくは1〜100gを施用すればよい。
【0059】
具体的な施用方法としては、例えば前述の水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤等ではこれらを水で希釈し、対象とする作物、樹木等の種類や栽培形態・生育状態によって10アール当たり10〜1000リットルの範囲で、作物、樹木等に対して散布すればよい。また粉剤、粒剤、エアゾール剤の場合には、その製剤の状態で先述の使用方法の範囲で作物、樹木等に施用すればよい。
【0060】
対象とする有害生物が、主として土壌中で作物、樹木等を加害する場合には、例えば水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、乳剤、液剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、カプセル剤等を水で希釈し、一般に10アール当たり5〜500リットルの範囲で施用すればよい。この際、施用区域全体に均等となるように土壌表面に薬剤を散布するか、又は土壌中に灌注してもよい。製剤の形態が粉剤又は粒剤等の際には、その製剤をそのまま、施用する区域全体に均等となるように土壌表面に散布すればよい。また散布あるいは灌注の際に、有害生物による被害から保護したい種子や作物、樹木等の周囲のみに施用してもよいし、散布中又は散布後に耕耘し、有効成分を機械的に分散させてもよい。
【0061】
本発明化合物をコーテイング種子用に使用し、これを播種することで長期間に渡って病害虫の発生を抑えることもできる。具体的な方法としては、本発明化合物を含有し調製された水和剤、ゾル剤、粉剤を湿らせた種子の周囲にコーティングさせる。その時、種子100gに対して、一般的には水和剤、ゾル剤あるいは粉剤が1〜1000gであることが好ましく、更に好ましくは10〜200gがよい。このようにして作成されたコーティング種子は通常通り播種することで、土壌中における有害生物による被害を防ぐことができるのみでなく、生長後、植物体の茎葉部や花、果実などを有害生物の被害から保護することもできる。
また、本発明化合物を播種時に使用する方法として、例えば以下に示す方法が挙げられる。本発明の化合物を含有する粒剤を、播種土壌と混合し、この土を育苗床に入れる。この時、育苗床の床土のみにこの粒剤を施用した土壌を用いても良いし、育苗箱の覆土のみにこの粒剤を施用した土壌を用いても良いし、あるいは床土と覆土の両方に用いても良い。この場合、土壌1.0kgに対して、一般的には粒剤が0.1〜100gであることが好ましく、更に好ましくは1〜50gである。また、育苗床に床土を入れた後、播種したその周囲に本発明化合物を含有する粒剤を散粒、あるいは播種後覆土した上にこの粒剤を散粒する方法で施用してもよい。この場合は、育苗箱1枚(通常育苗箱1枚は定植時0.5a分)に対して、一般的には粒剤が1〜1000gであることが好ましく、更に好ましくは10〜100gがよい。なお、粒剤の代わりに水和剤、粉剤等を同様な施用方法で用いてもよい。
【0062】
さらに、本発明化合物を箱施用剤として発芽から定植時までの間(緑化期)あるいは移植時に使用する方法としては、例えば以下に示す方法が挙げられる。
本発明の化合物を含有する粒剤を育苗箱に散粒施用する。一般的には育苗箱1枚(通常育苗箱1枚は定植時0.5a分)に対して、粒剤が1〜1000gであることが好ましく、更に好ましくは10〜100gである。
【0063】
また、本発明の化合物を含有する乳剤、液剤あるいはゾル剤(フロアブル剤)、マイクロカプセル製剤の場合は、そのまま、あるいは水に希釈して、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、顆粒水溶剤の場合は水に希釈して、育苗箱に潅注処理してもよい。この場合は、育苗箱1枚(通常育苗箱1枚は定植時0.5a分)に対して、一般的には処理量が1〜1000mlであることが好ましく、更に好ましくは10〜100mlがよい。
【0064】
前述の樹木や倒木、加工木材、貯蔵木材等をシロアリ類又は甲虫類等による被害から保護する場合には、例えば樹木や木材等の周囲土壌等に対して油剤、乳剤、水和剤、ゾル剤の散布・注入・灌注・塗布、粉剤、粒剤等の使用形態にて薬剤を散布する等の方法を挙げることができる。この様な場面においても、本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤を単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、忌避剤及び共力剤等と併用又は混合剤として使用することができる。
【0065】
これらの製剤中における本発明化合物等の有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成分の合計量で0.0001〜95重量%であり、油剤や粉剤、粒剤等では0.005〜10重量%、乳剤、水和剤及びゾル剤等では0.01〜50重量%含有させるのが好ましい。具体的には、例えばシロアリ類や甲虫類等を駆除・防除する場合は、1m2当たり有効成分化合物量として0.01〜100gを土壌あるいは木材表面に散布すればよい。
(B)畜産業、水産業場面等
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、畜産業や水産業及び家庭で飼育されるペット等の動物に対して内的又は外的に寄生し、皮膚等の摂食や吸血等の直接の危害を加えたり、病気を蔓延させる等の被害を加える節足動物類、線虫類、吸虫類、条虫類、原生動物類等の有害生物の忌避、駆除・防除に有効であり、これら有害生物が関係する疾病の予防・治療にも使用できる。
【0066】
対象となる動物としては、脊椎動物、例えば、牛、羊、山羊、馬、豚等の家畜や養殖魚類等;家禽、犬、猫等やマウス、ラット、ハムスター、リス等の齧歯類フェレット等の食肉目及び魚類等のペットや実験動物等を挙げることができる。
有害生物のうち、節足動物門昆虫綱及びクモ綱としては、以下のものを例示することができる。双翅目としては、例えばヤマトアブ、ツメトゲブユ、アカウシアブ等のアブ科;クロバエ、イエバエ、サシバエ等のイエバエ科;ウマバエ等のウマバエ科;ウシバエ等のウシバエ科;ヒツジキンバエ等のクロバエ科;オオキモンノミバエ等のノミバエ科;ヒトテンツヤホソバエ等のツヤホソバエ科;オオチョウバエ、ホシチョウバエ等のチョウバエ科;シナハマダラカ、コガタアカイエカ、ヒトスジシマカ等のカ科;オオブユ等のブユ科;ウシヌカカ、ニワトリヌカカ等のヌカカ科などを例示することができる。
【0067】
隠翅目としては、例えばネコノミ、イヌノミ等のヒトノミ科などを挙げることができる。
シラミ目としては、ブタジラミ、ウシジラミ等のカイジュウジラミ科;ウマハジラミ等のケモノハジラミ科;ウシホソジラミ等のケモノホソジラミ科;ニワトリハジラミ等のタンカクハジラミ科などを挙げることができる。
【0068】
節足動物門クモ綱のダニ目としては、例えばフタトゲチマダニ、ヤマトマダニ、オウシマダニ、タカサゴキララマダニ等のマダニ科;トリサシダニ等のオオサシダニ科;ワクモ等のワクモ科;ブタニキビダニ等のニキビダニ科;ネコショウセンコウヒゼンダニ、トリヒゼンダニ等のヒゼンダニ科;ミミヒゼンダニ、ウシキュウセンヒゼンダニ等のキュウセンダニ科などを挙げることができる。
【0069】
線形動物門双線綱としては、以下のものを例示することができる。
円虫目としては、例えば牛鉤虫、豚腎虫、豚肺虫、毛様線虫、牛腸結節虫等を挙げることができる。回虫目としては例えば、豚回虫、鶏回虫等を挙げることができる。
扁形動物門吸虫綱としては、例えば日本住血吸虫、肝テツ、鹿双口吸虫、ウエステルマン肺吸虫、日本鶏卵吸虫等を挙げることができる。
【0070】
条虫綱としては、例えば葉状条虫、拡張条虫、ベネデン条虫、方形条虫、刺溝条虫、有輪条虫等を挙げることができる。
原生動物門鞭毛虫綱では、根鞭毛虫目としては、例えばHistomonas等を、原鞭毛虫目としては、例えばLeishmania、Trypanosoma等を、多鞭毛虫目としては、例えばGiardia等を、トリコモナス目としては、例えばTrichomonas等を挙げることができる。
【0071】
さらに、肉質綱のアメーバ目としては、例えばEntamoeba等を、胞子虫綱のピロプラズマ亜綱としては、例えばTheilaria、Babesia等を、晩生胞子虫亜綱としては、例えばEimeria、Plasmodium、Toxoplasma等を挙げることができる。
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、上述した畜産業や水産業場面等において有効な製剤、及び製剤によって調製された任意の使用形態で、単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用することが出来る。上記他の活性化合物の具体例としては、「(A)農業、林業場面等」の項で例示した物質等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
具体的な施用方法としては、例えば家畜やペット等の飼料に混入したり、適切な経口摂取可能な調合薬剤組成物、例えば薬剤上許容しうる担体やコーティング物質を含む錠剤、丸剤、カプセル剤、ペースト、ゲル、飲料、薬用飼料、薬用飲料水、薬用追餌、除放性大粒丸薬、その他胃腸管内に保留されるようにした除放性デバイス等として経口投与したり、又はスプレー、粉末、グリース、クリーム、軟膏、乳剤、ローション、スポットオン、ポアオン、シャンプー等として経皮投与することができる。
【0073】
経皮投与や局所投与の方法としては、局部的又は全身的に節足動物を防除するように動物に取り付けたデバイス(例えば首輪、メダリオンやイヤータッグ等)を利用することもできる。
以下に家畜やペット等に対する駆虫剤として使用する場合の具体的な経口投与方法及び経皮投与方法を示すが、本発明において、これらの投与方法は必ずしも以下の記述に限定されるものではない。
【0074】
薬用飲料製剤として経口的に投与する場合には、通常、ベントナイトのような懸濁剤あるいは湿潤剤又はその他の賦形剤と共に適当な非毒性の溶剤又は水で溶解して懸濁液又は分散液とすればよく、必要に応じて消泡剤を含有してもよい。飲料製剤においては、一般に有効成分化合物量を0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%含有する。
【0075】
乾燥した固体の単位使用形態で経口的に投与する場合には、通常所定量の有効成分化合物を含有するカプセル、丸薬又は錠剤を用いる。これらの使用形態は、活性成分を適当に細粉砕した希釈剤、充填剤、崩壊剤及び又は結合剤、例えばデンプン、乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物性ゴム等と均質に混和することによって製造される。このような単位使用処方は、治療される宿主動物の種類、感染の程度及び寄生虫の種類及び宿主の体重によって駆虫剤の重量及び含量を適宜設定すればよい。
【0076】
飼料によって投与する場合には、有効成分化合物を飼料に均質に分散させるか、薬剤をトップドレッシングとして使用するかペレットの形態として使用する等の方法などを挙げることができる。抗寄生虫効果を達成するためには、通常、最終飼料中に有効成分化合物を0.0001〜0.05重量%、好ましくは0.0005〜0.01重量%を含有する。
【0077】
液体担体賦形剤に溶解又は分散させた場合には、前胃内、筋肉内、気管内又は皮下注射によって非経口的に動物に投与すればよい。非経口投与であるので、有効成分化合物は落花生油、綿実油等の植物油と混合するのが好ましい。このような製剤処方においては、一般に有効成分化合物を0.05〜50重量%、好ましくは0.1〜0.2重量%を含有する。
【0078】
また、脂肪族アルコール類あるいは炭化水素系溶剤等の担体と混合した製剤は、スプレー又は直接的注加によって家畜やペットの外部表面に直接、そして局所的に投与することができる。このような製剤処方においては一般に有効成分化合物を0.05〜50重量%、好ましくは1〜20重量%を含有する。またこの場合、有効成分の析出を防ぐため、界面活性剤や被膜形成剤などの結晶化抑制剤を含有させるのが好ましい。
【0079】
首輪、耳輪等の有害生物防除用器具の母材に有効成分を含有させることにより、家畜やペット等に間接的に投与することも出来る。このとき、一般的に有効成分化合物を0.1〜40重量%程度、好ましくは1〜15重量%程度含有する。母材としては、使用形態に合わせて適宜選択することが可能であるが、たとえば塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂の成型物や綿、ポリエステル等の繊維製品から製造される布状物が挙げられる。
(C)公衆衛生場面等
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、衣・食・住環境に悪影響を及ぼしたり、更には人体に危害を加えたり、病原体の運搬や媒介をする等の公衆衛生場面等における有害生物に対して、公衆衛生状態の維持等のための忌避、駆除・防除にも有効である。具体的には本発明の有害生物防除剤は、例えば住居自体やその屋内外の木材、木製家具等の木材加工品、貯蔵食品、衣類、書籍、動物製品(皮、毛、羊毛及び羽毛等)や植物製品(衣類、紙等)等に被害を及ぼし、衛生的な生活に悪影響を及ぼす鱗翅目類、甲虫類、シミ類、ゴキブリ類、ハエ類及びダニ類等の忌避、駆除・防除に有効である。この様な公衆衛生場面における有害生物として、具体的には以下のものを例示することができる。
【0080】
節足動物門昆虫綱としては、以下のものを例示することができる。鱗翅目としては、例えばモンシロドクガ等のドクガ科;クヌギカレハガ等のカレハガ科;アオイラガ等のイラガ科;タケノホソクロバ等のマダラガ科;スジマダラノメイガ、スジコナマダラメイガ、ノシメマダラメイガ等のメイガ科;バクガ等のキバガ科;イガ、コイガ等のヒロズコガ科などを挙げることができる。
【0081】
甲虫目としては、例えばアオカミキリモドキ等のカミキリモドキ科;マメハンミョウ等のツチハンミョウ科;アオバアリガタハネカクシ等のハネカクシ科;コクゾウムシ、ココクゾウムシ等のオサゾウムシ科;アズキゾウムシ、エンドウゾウムシ、ソラマメゾウムシ等のマメゾウムシ科;コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ科;ノコギリヒラタムシ、カクムネヒラタムシ等のヒラタムシ科;タバコシバンムシ、ジンサンシバンムシ等のシバンムシ科;ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ハラジロカツオブシムシ等のカツオブシムシ科;ニセセマルヒョウホンムシ等のヒョウホンムシ科;チビタケナガシンクイムシ、コナナガシンクイムシ等のナガシンクイムシ科;ヒラタキクイムシ等のヒラタキクイムシ科などを挙げることができる。
【0082】
膜翅目としては、例えばキイロスズメバチ等のスズメバチ科;オオハリアリ等のアリ科;キオビベッコウ等のベッコウバチ科などを挙げることができる。
双翅目としては、例えばヤマトヤブカ等のカ科;ヌカカ等のヌカカ科;セスジユスリカ等のユスリカ科;アシマダラブユ等のブユ科;アオコブアブ等のアブ科;イエバエ等のイエバエ科;ヒメイエバエ等のハナバエ科;クロキンバエ等のクロバエ科;センチニクバエ等のニクバエ科;キイロショウジョウバエ等のショウジョウバエ科;チーズバエ等のチーズバエ科などを挙げることができる。
【0083】
隠翅目としては、例えばヒトノミ等のヒトノミ科などを挙げることができる。
粘管目としては、例えばムラサキトビムシ等のヒメトビムシ科などを挙げることができる。
ゴキブリ目としては、例えばチャバネゴキブリ、キョウトゴキブリ等のチャバネゴキブリ科;ワモンゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ等のゴキブリ科などを挙げることができる。
【0084】
直翅目としては、例えばマダラカマドウマ、カマドウマ等のコロギス科などを挙げることができる。
シラミ目としては、例えばアタマジラミ等のヒトジラミ科;ケジラミ等のケジラミ科などを挙げることができる。
半翅目としては、例えばトコジラミ等のトコジラミ科;オオトビサシガメ等のサシガメ科などを挙げることができる。
【0085】
シロアリ目としては、例えばヤマトシロアリ、イエシロアリ等のミゾガシラシロアリ科;ダイコクシロアリ等のレイビシロアリ科などを、チャタテムシ目としては、例えばツヤコチャタテ等のコチャタテ科;ヒラタチャタテ等のコナチャタテ科などを挙げることができる。シミ目としては、例えばヤマトシミ、セイヨウシミ等のシミ科などを挙げることができる。
【0086】
節足動物門クモ綱としては、以下のものを例示することができる。
ダニ目としては、例えばシュルツェマダニ等のマダニ科;イエダニ等のオオサシダニ科;ミナミツメダニ等のツメダニ科;シラミダニ等のシラミダニ科;ニキビダニ等のニキビダニ科;ヤケヒョウヒダニ等のチリダニ科;ヒゼンダニ等のヒゼンダニ科;アカツツガムシ等のツツガムシ科;ケナガコナダニ、コウノホシカダニ等のコナダニ科;サトウダニ等のサトウダニ科などを挙げることができる。
【0087】
真正クモ目としては、例えばカバキコマチグモ等のフクログモ科;アシダカグモ等のアシダカグモ科;シモングモ、イエユウレイグモ等のユウレイグモ科;ヒラタグモ等のヒラタグモ科;チャスジハエトリ、ミスジハエトリ等のハエトリグモ科などを挙げることができる。
サソリ目としては、例えばマダラサソリ等のキョクトウサソリ科などを挙げることができる。
【0088】
その他節足動物門として、唇脚綱オオムカデ目としては、例えばトビズムカデ、アオズムカデ等のオオムカデ科を、ゲジ目としては、例えばゲジ等のゲジ科を挙げることができる。また節足動物門倍脚綱オビヤスデ目としては、例えばトヤケヤスデ等のヤケヤスデ科を、節足動物門甲殻綱等脚目としては、例えばワラジムシ等のワラジムシ科を挙げることができる。さらに、環形動物門蛭綱顎蛭目としては、例えばヤマビル等のヤマビル科を挙げることができる。
【0089】
本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、上述した公衆衛生場面において有効な製剤、及び製剤によって調製された任意の使用形態で、単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、共力剤、植物調整剤、除草剤及び毒餌等と併用又は混合剤として使用することが出来る。上記他の活性化合物の具体例としては、「(A)農業、林業場面等」の項で例示した物質等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0090】
本発明の有害生物防除剤の使用形態は任意であり、例えば上述の動物製品や植物製品等を保護する際には、油剤、乳剤、水和剤、粉剤等の散布、樹脂蒸散剤等の設置、燻煙剤や煙霧剤の処理、顆粒、錠剤及び毒餌の設置、エアロゾールの噴霧等の方法で防除することができる。これらの製剤中における有効成分化合物量としては、0.0001〜95重量%含有するのが好ましい。
【0091】
施用方法としては、有害生物、例えば直接の危害を与える節足動物類や病気の媒介者である節足動物類等に対しては、これらが潜在しうる周囲に例えば油剤、乳剤、水和剤等の散布・注入・灌注・塗布、粉剤等の散布、燻蒸剤、蚊取線香・自己燃焼型燻煙剤・化学反応型煙霧剤等の加熱煙霧剤、フォッギング等の燻煙剤、ULV剤等の製剤によって処理する方法などを挙げることができる。また別の製剤形態、例えば顆粒、錠剤又は毒餌としてこれらを設置したり、フローティング粉剤、
粒剤等を水路、井戸、貯水池、貯水槽及びその他の流水もしくは停留水中へ滴下するなどの方法で施用すればよい。
【0092】
更に、農業、林業における有害生物でもあるドクガ類等に対しては、「(A)農業、林業場面等」の項に記載した方法と同様な方法で防除することが可能であり、ハエ類等に対しては家畜の飼料中に混入して糞に有効成分が混入されるようにする方法、及びカ類等に対しては電気蚊取器等で空中へ揮散させる方法等も有効である。
【0093】
これらの使用形態である製剤は、前記したような他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、忌避剤又は共力剤との混合剤として存在することもでき、これらの製剤中には有効成分化合物が合計量で0.0001〜95重量%含有するのが好ましい。なお、使用時に他の活性化合物と併用することも可能である。
【0094】
家屋や木製家具等をシロアリ類又は甲虫類等による被害から保護する場合には、例えばこれらやその周辺に対して油剤、乳剤、水和剤、ゾル剤の散布・注入・灌注・塗布、粉剤、粒剤等の使用形態にて薬剤を散布する等の方法などを挙げることができる。この様な場面においても本発明化合物を単独又は他の活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、忌避剤及び共力剤等と併用又は混合剤として使用して使用することが出来る。
【0095】
これらの製剤中における本発明化合物等の有効成分化合物の含有量は任意であるが、通常は有効成分の合計量で0.0001〜95重量%であり、油剤や粉剤、粒剤等では0.005〜10重量%、乳剤、水和剤及びゾル剤等では0.01〜50重量%含有させるのが好ましい。具体的には、例えばシロアリ類や甲虫類等を駆除・防除する場合は、1m2当たり有効成分化合物量として0.01〜100gを周囲あるいは直接表面に散布すればよい。
【0096】
人体に危害を加えたり、病原体の運搬や媒介をする等の有害生物の忌避、駆除・防除に際しては、上述のようなものの他に、適切な経口摂取可能な調合薬剤組成物等、例えば薬剤上許容しうる担体やコーティング物質を含む錠剤、丸剤、カプセル剤、ペースト、ゲル、飲料、薬用飼料、薬用飲料水、薬用追餌、除放性大粒丸薬、その他胃腸管内に保留されるようにした除放性デバイス等として経口投与、あるいはスプレー、粉末、グリース、クリーム、軟膏、乳剤、ローション、スポットオン、ポアオン、シャンプー等として経皮投与することができる。
【0097】
具体的な製剤処方等は、「(B)畜産業、水産業場面等」の項で説明した方法と同様に処方することができる。
【0098】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1 1−(2,6−ジクロロー4ートリフルオロメチルフェニル)ー4ーフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−4−イルメチルアミノ)ピラゾールー3ーカルボニトリル(化合物No.1)の製造
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−フルオロメチルチオピラゾール−3−カルボニトリル7.7g、4−ピリジンカルボキシアルデヒド2.2gとトルエン80mlの混合物にp-トルエンスルホン酸1水和物0.1gを加え、生成する水を除去しながら10時間加熱還流した。室温に冷却後、氷水30mlを加えて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗な1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−フルオロメチルチオ−5−(ピリジン−4−イルメチリデンイミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを得た。
【0099】
上記で得た1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−フルオロメチルチオ−5−(ピリジン−4−イルメチリデンイミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルのメタノール100ml溶液に水素化ほう素ナトリウム0.4gを徐々に加えた。室温にて1時間攪拌後、氷、酢酸エチルを加え、抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記表1に記載の化合物(No.1)7.6gを得た。
融点 204℃
1H NMR(CDCl3):4.41(2H,d), 4.68(1H,t), 5.39(1H,s), 5.56(1H,s), 7.04(2H,d), 7.67(2H,s), 8.49(2H,d)
実施例2 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリル(化合物No.2)の製造
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル−4−ジフルオロメチルチオピラゾール−3−カルボニトリル8.0g、2−ピリジンカルボキシアルデヒド2.2gとトルエン60mlの混合物にp-トルエンスルホン酸1水和物20mgを加え、生成する水を除去しながら3時間加熱還流した。室温に冷却後、トリエチルアミン0.1ml、氷水30mlを加えて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗な1−(2,6−ジクロロー4ートリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチリデンイミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを得た。
【0100】
上記で得た1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチリデンイミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルのメタノール50ml溶液に水素化ほう素ナトリウム0.7gを徐々に加えた。室温にて1時間攪拌後、氷、酢酸エチルを加え、抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し下記表1に記載の化合物(No.2)8.4gを得た。
融点 117-120℃
1H NMR(CDCl3):4.57(2H,d), 5.88(1H,m), 6.73(1H,t), 7.19(2H,t), 7.66(1H,t), 7.77(2H,s), 8.41(1H,d)
実施例3
実施例1〜2の方法に準じて表1に記載の化合物を合成した。以下に化合物No.と1H NMRデータを示す。
N0.3
1H NMR(CDCl3):4.47(2H,d), 4.67(1H,bs), 6.69(1H,t), 7.05(2H,d), 7.68(2H,s), 8.51(2H,d)
N0.4
1H NMR(CDCl3):3.25(2H,q), 4.44(2H,d), 4.67(1H,t), 7.04(2H,d), 7.64(2H,s), 8.48(2H,d)
【0101】
【表1】
【0102】
製造例1 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルの製造
(1)3口フラスコに、脱水トルエン40ml、1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−アミノピラゾール−3−カルボニトリル10g(31.1mmol)、2−ピリジンカルボキシアルデヒド4.55gおよびp−トルエンスルホン酸0.03gを仕込み、窒素下で3時間還流させた。上記反応液を3回水洗後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、硫酸マグネシウムをろ過により除き、溶媒を留去することにより 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−(ピリジン−2−イルメチリデンイミノ)ピラゾール−3−カルボニトリル 12.63gの固体(純度98.6LC%,30.3mmol,収率97.3%)を得た。
【0103】
(2)3口フラスコに、脱水メタノール2000ml、1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−(ピリジン−2−イルメチリデンイミノ)ピラゾール−3−カルボニトリル47.7g(純度96%,109.9mmol)およびテトラヒドロホウ酸ナトリウム2.0gを仕込み窒素下で2時間反応させた。この後反応液中に生じた結晶をろ取し、水およびメタノールで洗浄した後に真空で乾燥し、1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリル42.84gの固体(純度97.5%,101.3mmol,収率84.1%)を得た。
【0104】
製造例2 ビス[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−4−イル)]ジスルフィド(実施例4の原料)の製造
試験管に、酢酸1ml、脱水トルエン3ml、製造例1の方法で得られる1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリル200mg(0.485mmol)、一塩化硫黄(S2Cl2)40mgを仕込み窒素下で3時間反応させた。この後反応液中に生じた結晶をろ取し、重炭酸ナトリウム水溶液、酢酸エチルで中和、抽出した後分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、硫酸マグネシウムを濾過した後、酢酸エチルを蒸留除去し、ビス[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−4−イル)]ジスルフィド200mg(純度=85.6%、0.193mmol、収率=79.7%)を得た。
【0105】
実施例4 クロロジフルオロメタンを用いる化合物No.2の製造
窒素雰囲気下で製造例2の方法で得られるビス[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−4−イル)]ジスルフィド500mg(0.565mmol)および無水エタノール(15mL)を50mLの三口フラスコに仕込み、3℃に冷却した。撹拌しながら、ナトリウムボロヒドリド(64mg,3.0eq.)を徐々に加えた。室温に戻し、1時間攪拌した。続いてクロロジフルオロメタンをガス導入管を用いて反応液に吹き込みながら、5mlの無水エタノールに溶解させたナトリウムエトキシド(192mg、2.83mmol,5.0eq.)を反応液中にゆっくりと滴下した。反応終了後、エタノールを蒸留除去し、蒸留水20mLを加え、酢酸エチル(75mL×2)で抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせて蒸留水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、酢酸エチルを蒸留除去し、目的物である1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを収率64%で得た。
【0106】
実施例5 ジフロオルメチルスルフェニルクロリドを用いた化合物No.2の製造
窒素雰囲気下で、製造例1の方法で得られる1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリル 500mg(1.21mmol)を無水ジクロロメタン5.0mLに懸濁させ、撹拌しながら、ジフロオルメチルスルフェニルクロリド180mg(1.52mmol、1.25eq.)を含む無水ジクロロメタン2.0mLを室温で滴下し、2時間反応させた。酢酸エチル100mLを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mL続いて水20mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、減圧下で溶媒を留去し、粗生成物をヘキサン/酢酸エチル(3/1)の混合溶媒で再結晶することにより、535mgの1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを得た(収率90%、純度96%)。
【0107】
以下、本発明の化合物を有効成分として含む農園芸用殺虫剤の製剤例を示すが、本発明の使用形態は下記のものに限定されるものではない。
<製剤例1> 水和剤
本発明の化合物20重量部、カープレックス#80(ホワイトカーボン、塩野義製薬株式会社、商品名)20重量部、STカオリンクレー(カオリナイト、土屋カオリン社、商品名)52重量部、ソルポール9047K(アニオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)5重量部、ルノックスP65L(アニオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)3重量部を配合し、均一に混合粉砕して、有効成分20重量%の水和剤を得た。
【0108】
<製剤例2> 粉剤
本発明の化合物2重量部、クレー(日本タルク社製)93重量部、カープレックス#80(ホワイトカーボン、塩野義製薬株式会社、商品名)5重量部を均一に混合粉砕して、有効成分2重量%の粉剤を製造した。
<製剤例3> 乳剤
本発明の化合物20重量部をキシレン35重量部及びジメチルホルムアミド30重量部からなる混合溶媒に溶解し、これにソルポール3005X(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、東邦化学株式会社、商品名)15重量部を加えて、有効成分20重量%の乳剤を得た。
【0109】
<製剤例4> フロアブル剤
本発明の化合物30重量部、ソルポール9047K 5重量部、ソルボンTー20(非イオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)3重量部、エチレングリコール8重量部および水44重量部をダイノミル(シンマルエンタープライゼス社製)で混合粉砕し、このスラリー状混合物に1重量%キサンタンガム(天然高分子)水溶液10重量部を加え、良く混合粉砕して、有効成分20重量%のフロアブル剤を得た。
【0110】
<製剤例5> 粒剤
本発明の化合物2部、ベントナイト40部、クレー53部、リグニンスルホン酸カルシウム5部を均一に粉砕混合し、水を加えてよく練り合わせた後、押し出し造粒し、乾燥整粒して粒剤を得た。
<製剤例6> 粒剤
転動型造粒機に珪砂を入れ含水させた後、予め粉砕混合しておいた本発明の化合物2部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ポリビニルアルコール(PVA)0.5部、ホワイトカーボン0.5部、珪砂94部を入れ、コーティングした後、乾燥整粒して粒剤を得た。
【0111】
<製剤例7> 粒剤種子コーティング粉剤
本発明の化合物2部、リグニンスルホン酸カルシウム6部、ポリビニルアル、クレー82部を均一に混合粉砕して調製した粉剤と、予め湿らせた種子とを混合し、風乾させコーティング種子を得た。
以下、本発明の化合物を有効成分として含む農園芸用殺虫剤の試験例を示すが、本発明の使用形態は下記のものに限定されることはない。
【0112】
<試験例1>トビイロウンカの幼虫に対する殺虫効果
ガラス円筒(内径3cm×長さ17cm)に稲の芽だし苗をセットし、トビイロウンカ4 令幼虫を5頭放虫した。製剤例3の処方に従って製造した本発明の農園芸用殺虫剤の水希釈液0.5mlを上記のガラス円筒に散布塔(みずほ理化製)を用いて散布した(1濃度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、処理5日後に幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を1/2頭死として殺虫率(%)を求めた。結果を表2に示す(表中の化合物番号は表1に対応している)。
【0113】
【表2】
【0114】
<試験例2>コナガの幼虫に対する殺虫効果
製剤例1の処方に従って製造した本発明の農園芸用殺虫剤の水希釈液中に、キャベツ切葉(直径6cm)を1分間浸漬した。浸漬後風乾しプラスチックカップ(内径7cm)にいれ、このカップ内にコナガの3令幼虫を5頭放虫した(1濃度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、放虫4日後に幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を1/2頭死として殺虫率(%)を求めた。結果を表3に示す(以下の表中、化合物番号は表1に対応している)。
【0115】
【表3】
【0116】
<試験例3>アズキゾウムシの成虫に対する殺虫効果
ガラス円筒(内径3cm×長さ15cm)にあずき豆2個入れ、アズキゾウムシ成虫を10頭放虫した。製剤例3の処方に従って製造した本発明の農園芸用殺虫剤の水希釈液0. 3mlを上記のガラス円筒に散布塔(みずほ理化製)を用いて散布した(1濃度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、処理4日後に幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫を1/2頭死として殺虫率(%)を求めた。結果を表4に示す(表中の化合物番号は表1に対応している)。
【0117】
【表4】
【0118】
<試験例4>モモアカアブラムシの幼虫に対する殺虫効果
水を入れたスクリュービン(容量:10ml)に、だいこん葉の葉柄部を挿し、モモアカアブラムシを1葉当り5〜6頭接種した。接種後、ガラス円筒(径:3.5cm、高さ:15cm、メッシュの蓋付き)に入れ、3日間25℃の恒温室内でアブラムシを増殖させた。だいこん葉上のアブラムシ成虫を除去した後、葉を製剤例3の処方に従って製造した本発明の農園芸用殺虫剤の水希釈液に浸漬処理(約5 秒間)し、ガラス円筒内に戻した(1濃度、2反復)。25℃の恒温室内に保持し、処理後4日目にだいこん葉上のアブラムシ数を調査し、その結果に基づき殺虫率(%)を求めた。結果を表5に示す(表中の化合物番号は表1に対応している)。
【0119】
【表5】
【0120】
<試験例5>トビイロウンカの幼虫に対する浸透移行性を介した殺虫効果
プラスティック製コップ植えの稲幼苗(草丈10cm程度)の根を水で洗い、細根を痛めないように土をよく洗い流した。切れ目を入れたウレタンチップ(径3cm、高さ2cm)に茎部をはさみ、予め50mlの薬液(製剤例1の処方に従って製造した本発明の農園芸用殺虫剤の水希釈液)を入れた三角フラスコ内に根部を挿し(稲幼苗2〜3本/フラスコ)、ウレタンチップをフラスコの口に挟み込み、稲苗を固定した。その上にガラス管(径3cm、高さ5cm)を載せ、ウレタンチップに挟み込み、テープで固定した。この状態で25℃の恒温室内に3日間保持した。このガラス管内にトビイロウンカ幼虫5頭を入れた後、ウレタンチップで蓋をし、25℃の恒温室内に保持した。(1濃度、2反復)。処理後4日目に幼虫の生死および苦悶を調査し、苦悶虫を1/2頭として殺虫率(%)を求めた。この試験を有効成分濃度の異なる2つの薬液について行った。結果を表6に示す(表中の化合物番号は表1に対応している)。
【0121】
また、対照化合物として特開平10−338676号公報に記載の化合物I、II及びIIIを同様に試験に供した。
【0122】
【化12】
【0123】
【表6】
【0124】
トビイロウンカは農園芸場面における重要問題害虫種であるが、茎葉部に散布するような施用方法では発見の遅れた場合や根元まで十分に薬剤が行き渡らない場合には、十分な効果が上がらないことがある。
本種は稲等の根元に生息して吸汁加害するという特徴があるため、より効率的な防除方法としては、本種が多発生する前に土壌表面に薬剤を処理(粒剤処理)する方法が挙げられる。但し、このような方法で高い防除効果を上げるためには、薬剤の性質として植物体内に浸透移行する性質が必要である。表6から明らかなように、重要問題害虫である本種に対して本発明化合物及び化合物Iはいずれも高い浸透移行性を介した殺虫活性を示した。一方、化合物II及びIIIはこのような作用が低いため、本発明化合物に比べて効果が明らかに低かった。
【0125】
<試験例6>インビトロ細胞間代謝協同阻害試験(IMC)
本試験例は、ギャップ結合を介した細胞間連絡の阻害作用を指標として、化合物の発癌性(発癌プロモーション作用)の有無について検討したものである。
本試験では、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ活性をもつチャイニーズハムスター肺繊維芽細胞株V79(hgprt+)と同活性をもたない細胞(hgprt−)の混合培養系に6−チオグアニン(6−TG)とともに下記化合物を添加して処理した。細胞間連絡が正常であれば、hgprt+細胞(6−TG感受性)において生成した6−TGの毒性代謝物が、ギャップ結合を介してhgprt−細胞(6−TG耐性)にも移行するため、両細胞とも死滅する。一方、供試化合物により細胞間連絡が阻害された場合には、hgprt−細胞だけが生存し、コロニーを形成する。
【0126】
本発明化合物No.2および上記試験例5で高い浸透移行活性を示した比較化合物Iについて試験を行った結果、本発明化合物No.2は陰性であったが、化合物Iは7.5および15μg/mlでコロニー形成率の有意な増加が見られ、陽性であった。
従って、本試験結果から、本願化合物は、化合物Iに比較して発癌リスクが低いものであることが判明した。
【0127】
<試験例7>ネコノミに対する殺虫効果
円形濾紙(直径:10cm)に所定濃度に希釈した薬液を0.7ml滴下し、乾燥させた後円筒(直径:10cmx高さ30cm)の底面に敷いた。その中にノミを10頭放虫し、処理後1日目、2日目の死亡数を調査し、その結果に基づき死亡率を算出した。結果を表7に示す(表中の化合物番号は表1に対応している)。
【0128】
【表7】
【0129】
【発明の効果】
本発明の1−アリール−3−シアノ−5−ピリジルアルキルアミノピラゾール誘導体は、殺虫効果に優れ、殺虫スペクトラムが広い上、浸透移行活性を有し、且つ、安全性が高いという特徴を併せ持つ、新規な有害生物防除剤として有用な化合物である。
Claims (5)
- 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリル。
- 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを有効成分として含む有害生物防除剤。
- 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを有効成分として含む殺虫剤。
- 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを有効成分として含む農園芸用殺虫剤。
- 1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ジフルオロメチルチオ−5−(ピリジン−2−イルメチルアミノ)ピラゾール−3−カルボニトリルを有効成分として含むペット用殺虫剤。
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