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JP3598019B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動分析装置に係り、特に、複数の測定チャンネルで同一項目を測定するために好適な自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動分析装置における処理能力の拡大が求められ、反応容器に試薬及び試料を分注して反応液を測定する分析モジュールを複数接続して測定を行う自動分析装置が開発されている。
【0003】
ここで、試料、試薬の分注や反応液からの信号の検出等、装置各部の精度は測定値に影響するため、試料・試薬の分注から反応液の測定までの装置上の経路が一部でも異なっていると、同一項目を測定しても、測定データはそれが得られるまでに通った経路に由来する差を含む。
【0004】
このように、同一項目の測定データが異なる経路を通って得られるとき、それぞれの経路を測定チャンネルと呼び区別することにする。
【0005】
上記のような自動分析装置では、一度に複数項目の分析を行うために各測定チャンネルに他と重ならない決まった測定項目を割り当てることもあるが、依頼の多い項目について複数の測定チャンネルで測定することもできる。従来、キャリブレーションや精度管理を行った結果は、測定チャンネル毎に別個に管理されていた。
【0006】
なお、特開平10−2902号公報に記載された自動分析装置においては、情報表示管理手段により、測定試料の分析項目及びこの分析項目に関する情報を1つの画面上に少なくとも2つ表示させ、複数の情報を一度に確認できるように構成されたものが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように複数の測定チャンネルを備えた自動分析装置、特に複数の測定チャンネルで同一項目を測定する自動分析装置においても、得られる個々の測定結果は、一台の装置から得られたものとみなされる。つまり、どの測定チャンネルで測定しても互換性のあるデータが得られることが重要である。
【0008】
そのためには、同一項目を測定する各測定チャンネルを、同様の状態に維持することが必要である。これは、一つの分析モジュールに複数の測定チャンネルを備える場合も同様である。
【0009】
例えば、試料の分注機構と試薬の分注機構とは共有するが、信号の検出ユニットが異なる場合や、試料あるいは試薬の分注機構は異なるが検出ユニットを共有する場合などがある。
【0010】
このような複数の測定チャンネルで同一項目を測定する場合、キャリブレーションは各測定チャンネルについて行われるが、その項目のキャリブレーション結果の管理が測定チャンネルごとに行われていると、例えば、その測定チャンネルで測定を行う複数項目のキャリブレーション情報がまとめて表示されても、その装置全体としての同一項目の状態を総合的に把握する、つまりその測定チャンネルの状態を他の測定チャンネルと比較するのには適さない上に、キャリブレーション結果の確認が煩雑である。これは、測定チャンネル数の増加により、使用者の負担を増加させることになる。
【0011】
精度管理については、個々の測定チャンネルでの精度管理に加えて、個々の分析モジュールあるいは分析装置全体で同一項目を測定する各測定チャンネルから得られたデータを区別せずに一つに合わせ、一つの測定部から得られた場合と同様に精度管理することが必要である。
【0012】
これにより、各測定チャンネルの精度管理情報は精度管理の許容値を満たすが複数の測定チャンネルの測定データを合わせた精度管理情報が許容値を満たさない場合を確認することができる。
【0013】
そこで、上記特開平10−2902号公報に記載された自動分析装置において、複数の測定チャンネルの測定データを1つの画面上に表示させることが考えられる。
【0014】
しかしながら、個々の測定チャンネルでは、精度許容範囲を満足していても、全体の装置としては精度許容範囲を満足しない場合については、これを自動分析装置が自動的に判断することはできず、装置全体としての精度管理は困難である。
【0015】
上記のような精度管理情報と合わせて各測定チャンネルのキャリブレーション情報を他チャンネルの情報とともに一覧することができれば、装置の使用者が各測定チャンネルの状態を判断する情報を一度に提供することができ、装置の状態の把握が容易になる。
【0016】
本発明の目的は、一つの自動分析装置が有する複数の測定チャンネルのそれぞれの精度管理情報のみならず、装置全体の精度をも判断して表示し、測定精度管理を向上することが可能な自動分析装置を実現することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
(1)反応容器に試薬及び試料を分注し、それによって生成された反応液を測定する自動分析装置において、同一項目を測定する複数の測定チャンネルを含み、それぞれの測定チャンネルでキャリブレータを測定して得られた測定データに基づく、測定チャンネル毎のキャリブレーション情報と、精度管理試料をそれぞれの測定チャンネルで測定して得られた測定データに基づく、測定チャンネル毎の測定精度を表す精度管理情報と、同一項目の精度管理試料を複数の測定チャンネルで測定して得られた測定データに基づく、上記複数の測定チャンネル全体としての測定精度を表す精度管理情報と、を項目ごとに一括して表示する。
【0018】
(2)好ましくは、上記(1)において、キャリブレーション情報及び/又は精度管理情報の許容値として複数のレベルをあらかじめ設定する。
【0019】
(3)好ましくは、上記(2)において、上記測定チャンネルで測定されたキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報が各許容値を満たすか否か判定し、許容値を満たす場合は許容値からのずれを算出し、測定されたキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報が相当するレベルを表示する。
【0021】
)また、好ましくは、上記(2)において、上記測定チャンネルで測定されたキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報が許容値を満たすか否かを判定し、許容値を満たす場合は許容値からのずれを算出し、該当するキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報を相当するレベルごとに周囲と色を変えて表示する。
【0023】
)また、好ましくは、上記(2)において、上記同一項目を測定する複数の測定チャンネル及び/又は各測定チャンネルが精度管理の許容値を満たさない場合と上記キャリブレーション情報が許容値を満たすレベルの組み合わせと、それに対応する処置を示すメッセージを記憶しておき、上記同一項目を測定する複数の測定チャンネル及び/又は各測定チャンネルが精度管理の許容値を満たすか否か判定し、判定が否のときは対応する処置を示すメッセージを表示する。
【0024】
上記構成により、複数の測定チャンネルを有する自動分析装置において、個々の測定チャンネルの精度管理情報を表示するのみならず、同一項目を複数の測定チャンネルで測定して得られた測定データに基づく精度管理情報、つまり個々の測定チャンネルを統合した装置全体の精度管理情報をも表示するようにしたので、個々の測定チャンネルでは、測定精度許容範囲を満足するが、装置全体では測定精度許容範囲を満足しない場合を認識することが可能となる。
また、個々のチャンネルのキャリブレーション情報を合わせて表示することで、装置の状態の把握が容易になる。
【0025】
さらに、個々の測定チャンネルでは、測定精度許容範囲を満足するが、装置全体では測定精度許容範囲を満足しない場合には、対応する処置を示すメッセージを表示するようにしたので、自動分析装置の測定精度管理が容易となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態である自動分析装置の全体構成図である。
【0027】
図1において、分析モジュール15−1には試料を収容した複数個の試料容器1−1、1−2・・・を設置できるラック2を送り出す検体投入部20および搬送経路3が設けられている。この搬送経路3により、試料容器1−1、1−2・・・に収容された試料が分析モジュール15−1のサンプリング位置まで搬送される。この搬送経路3の途中、バーコードリーダー(図示せず)により試料容器1−1、1−2・・・に付せられたバーコードから試料の種類、ロット等測定する精度管理試料に関する情報が自動分析装置上に登録される。
【0028】
試薬4は試薬ディスク5上に設置され、試薬の種類やロット等の情報も、バーコードを介して装置上に登録される。試料及び試薬の分注は、分注プローブ6によって行われる。分注プローブ6は、試料又は試薬を分注する毎に、その先端に使い捨てチップを脱着する。未使用のチップはラック7上に保持されている。また、恒温槽8は、複数個の反応容器9−1、9−2・・・を保持する。
【0029】
反応容器9−1、9−2・・・は使い捨てであり、未使用の反応容器9−1、9−2・・・はラック10上に保持されている。反応容器9−1、9−2・・・及びチップの移動は、移送機構11により行われる。使用済みのチップ及び使用済みの反応容器は一ヶ所に廃棄される。
【0030】
反応容器内の反応液はノズル12により検出ユニット13−1内の検出器に導入され、反応液からの発光量が検出される。測定後の反応液は廃液タンク14に集められる。分析モジュール15−1と15−2とは、試料の搬送経路18及び試料の再測定のための搬送経路19により接続される。
【0031】
分析モジュール15−2には、搬送経路3とは試料の搬送方向が反対である搬送経路23に接続する再検待機部21と検体回収部22とが設けられている。それ以外の構成は、分析モジュール15−1と分析モジュール15−2とは同様である。検出ユニット13−1及び13−2において検出された信号はデータ処理部16で濃度に変換される。そして、この測定結果は出力部17に出力される。
【0032】
次に、図1に示した一実施形態における試料の測定動作例について説明する。本発明の一実施形態では、試料容器1−1、1−2にそれぞれ収容した被検物質の濃度の異なる項目Aのキャリブレータ1、2あるいは精度管理試料1、2の項目Aを測定する。試料容器1−1、1−2は試料搬送用のラック2に設置されている。
【0033】
まず、キャリブレータ1あるいは精度管理試料1を収容した試料容器1−1が検体投入部20から搬送経路3を通り、分析モジュール15−1のサンプリング位置に搬送される。次に、分注プローブ6は移送機構11によりチップ装着位置に置かれた使い捨てチップを先端に取り付け、試薬及び試料を分注位置に置かれた反応容器9−1に分注する。試薬及び試薬が分注された反応容器9−1は移送機構11により恒温槽8上に移送される。
【0034】
1ステップ目の反応が終了すると、反応容器9−1には試薬ディスク5に設置された試薬4が分注プローブ6により分注され、続いて攪拌が行われる。試薬4との反応終了後、反応容器9−1は移送機構11によりノズル12の吸引位置に移送される。反応容器9−1中の反応液はノズル12により検出ユニット13−1内の検出器に導入され、反応液からの発光量が検出される。1サンプルの測定後、検出器内は洗浄され、次の測定の準備が行われる。
【0035】
キャリブレータは二重測定を行うため、分注プローブ6は、試料容器1−1から反応容器9−1への第1キャリブレータの分注後、先端のチップを付け替え、もう一度試料容器1−1から第1のキャリブレータを反応容器9−2に分注する。その後、先端のチップを付け替え、サンプリング位置に搬送された試料容器1−2の第2キャリブレータを第1キャリブレータと同様に反応容器に分注する。この反応容器は順に反応容器9−1と同様の処理が行われる。
【0036】
精度管理試料または一般検体測定の場合は、試料容器1−1に収容された精度管理試料aまたは一般検体の分注後、先端のチップを付け替え、サンプリング位置に搬送された試料容器1−2の試料精度管理試料bまたは一般検体を反応容器9−2に分注する。反応容器9−2は順に反応容器9−1と同様の処理が行われる。
【0037】
一つの一般検体について、一つの分析モジュールで複数の項目の分析を行う場合は、試料容器1−1に収容された一般検体を反応容器9−1に分注した後、分注プローブ6の先端のチップを付け替え、もう一度、試料容器1−1から一般検体を反応容器9−2に分注する。
【0038】
分析モジュール15−1でサンプリングが終了したラック2は、搬送経路18を通って分析モジュール15−2に搬送される。分析モジュール15−2では、分析モジュール15−1と同様の動作によりキャリブレータあるいは精度管理試料の測定が行われる。
【0039】
サンプリングが終了したラック2は、再検待機部21に搬送される。ここで、測定結果が出るのを待ち、その結果、再測定が必要な場合、ラック2は搬送経路19を通り、分析モジュール15−1の搬送経路に入る。再測定が不必要な場合は検体回収部22に回収される。
【0040】
図1に示した一実施形態における測定データの処理の流れを示したフローチャートを図4に示し、精度管理試料の測定データの処理の流れを示したフローチャートを図5に示す。
【0041】
分析モジュール15−1と15−2とは、それぞれ一つの測定チャンネル13−1、13−2を備えており、それぞれで項目Aを測定する。ここでは、検出ユニット13−1と13−2で代表される測定チャンネル(以下13−1、13−2を測定チャンネルと呼ぶ)で同一のキャリブレータを測定することをあらかじめ指定する。
あるいは、項目Aが測定されるそれぞれの測定チャンネルでは、指定なしで同一のキャリブレータが測定される。
【0042】
キャリブレータが測定される測定チャンネルが決定されると、まず、分析モジュール15−1でキャリブレータの測定が行われる(ステップ24)。
【0043】
次に、上述した動作に従って、測定チャンネル13−1でキャリブレータ1が測定されると、この信号およびそれに付随する情報(バーコードから読み取られた情報、測定されたチャンネルの区別、測定された時間等)はデータ処理部16に送られる(ステップ25)。
【0044】
2つの測定チャンネル13−1、13−2で検出された信号は全てデータ処理部16に集められ、このデータ処理部16の記憶部に記憶される。この信号を発した試料の種類により、次の処理が決定される。つまり、ステップ26でキャリブレータの測定であるか否かが判断され、キャリブレータの測定で無ければ、ステップ27で精度管理試料か否かが判断される。そして、ステップ27で精度管理試料であれば、ステップ41に進み、精度管理が実行される。
【0045】
また、ステップ27で精度管理試料でなければ、ステップ28で一般検体か否かが判断され、一般検体で無ければ、ステップ31Aでアラームが発せられる。また、ステップ28で一般検体と判断されると、ステップ40に進み、各測定チャンネル毎に濃度演算が実行され、ステップ41で精度管理が実行される。
【0046】
ステップ26において、キャリブレータの測定であると判断されると、ステップ29に進み、測定チャンネル13−1での測定か否かが判断され、チャンネル13−1の測定で無ければ、ステップ30で測定チャンネル13−2での測定か否かが判断される。そして、測定チャンネル13−2での測定で無ければステップ31でアラームが発せられる。
【0047】
ステップ29又は30で測定チャンネル13−1又は13−2での測定であれば、キャリブレータを測定して得られた信号が、データ処理部16の演算部において、信号が検出された測定チャンネルごとに、検量線の傾きや係数等の計算パラメータの算出に用いられ、各測定チャンネルにおける項目Aの検量線が作成される(ステップ32、33)。
【0048】
検出された信号の値(発光値や吸光度)、算出された計算パラメータ、信号が測定された日時、測定に使用した試薬、キャリブレータのロット等のキャリブレーション情報は、他の測定チャンネルの情報とともに出力部17に出力される(ステップ34、35)。
【0049】
たとえば、CRT画面上の同一表中の各測定チャンネルの所定の欄に出力される(図2)。図1に示した一実施形態では1項目の測定であるが、各測定チャンネルで同じ複数の項目を測定する場合は、項目ごとに他測定チャンネルの情報を一覧できるようにする。あるいは、各項目を続けて出力する。
【0050】
作成された検量線は、検出された信号の2重測定のずれ、傾きや切片、検出下限等の計算パラメータの許容値と比較され、つまり、検量線の良否判定が行われる(ステップ36)。ステップ36の良否判定の結果、否と判定された場合は、その旨がアラームとして出力部17に出力される(ステップ37)。
【0051】
ステップ36の良否判定の結果、各許容値を満たす場合は、得られた計算パラメータの値と許容値との差あるいは許容値に対する割合によりあらかじめ複数のレベルを決定しておき、得られた計算パラメータがどのレベルに属するかを判定し(ステップ38)、結果を出力する(ステップ39)。そして、処理はステップ41に進む。
【0052】
ステップ39において、上述した計算パラメータのレベルによって出力する色を変えることで、作成された検量線が許容値からどの程度余裕があるか見分けることができる。また、許容値および得られた計算パラメータの値と許容値とのずれのレベルは、項目毎にあらかじめ使用者が指定することができる。
【0053】
例えば、検量線が直線の場合、測定された第1キャリブレータと第2キャリブレータの信号の値と各キャリブレータの既知の濃度から検量線の傾きを求める。このとき、あらかじめ傾きの許容値aからb だけずれた範囲に入る場合に許容値を満たすと設定したとする。
算出された傾きkと許容値aとの差rを求め、この差rが、−b<r<bの範囲に入っていた場合、傾きkは許容値を満たす。
【0054】
次に、許容値aとの差rがcである場合をレベル1、許容値aとの差rがdである場合をレベル2と設定したとする(0<c<d<b)。傾きkと許容値aとの差rが、−c<r<cとなるかを判定し、これを満たせば傾きkはレベル1、満たさなければレベル2となる。なお、さらに、−c<rの場合と、r<cの場合とを区別するようにしてもよい。また、−d<rの場合と、r<dの場合とを区別することもできる。
【0055】
同一項目のキャリブレーションを行うタイミングは測定チャンネルによって異なってもよい。その場合、新しく測定された信号とそれに付随する情報が前回の情報に変わって出力される。前回、あるいは過去の指定された範囲のキャリブレーション情報は、たとえば同様の形式の別の表中に出力される。あるいは、縦軸にキャリブレーション情報、横軸に測定回数をとり、他測定チャンネルのキャリブレーション情報と同一のグラフ中に表示してもよい(図3)。
【0056】
また、図3において、キャリブレーション情報と一緒に、測定チャンネルの構成を表示する。これは、測定チャンネルを構成し測定結果への影響が大きいと推測される要素、例えば、試料分注機構(S1,S2)、試薬分注機構(R1,R2)、反応液からの信号を測定する検出ユニット(D1,D2)のどの部分が測定チャンネルにより異なるかを明示する。なお、図3において、丸印は測定チャンネル13−1の測定データであり、四角印は測定チャンネル13−2の測定データである。
【0057】
キャリブレータの測定が終了して結果が出力されたとき、結果がすべて許容値を満たす場合は検量線作成成功となり、使用の指示を受けて精度管理試料の測定に移る。
【0058】
精度管理試料および一般検体を測定して得られた信号は、上記手順により作成された検量線により被検物質の濃度に変換され、出力部17に出力される。
【0059】
図4のステップ41に示した精度管理は、図5に示すフローチャートにより実行される。つまり、図5において、精度管理試料の測定結果は、まず、ステップ42及び43で各測定チャンネル13−1か13−2かが判断され、いずれの測定チャンネルでも無い場合には、ステップ44でアラームが発せられる。
【0060】
測定チャンネル13−1又は13−2での測定であれば、測定された信号が濃度に変換され(ステップ45,46)、その日それまでにその測定チャンネルで得られた各精度管理試料の項目Aの測定データの平均値、標準偏差、変動係数、測定データの範囲等の精度管理情報の統計計算が行われる(ステップ47,48)。そして、ステップ47又は48で算出された平均値等が出力される(ステップ49)。
【0061】
続いて、各測定チャンネル13−1、13−2からの測定データを区別せずに一つにまとめ、一つの測定チャンネルから得られた場合と同様にして、統計計算を行い、装置全体としての精度管理情報を算出する。
【0062】
図1に示した一実施形態では、各分析モジュール15−1、15−2に一つの測定チャンネルを備えているが、分析モジュールに複数の測定チャンネルを備えている場合も同様にして、測定チャンネルごと、分析モジュールごと、平均値、SD等の装置全体の精度管理情報をそれぞれ算出し(ステップ50)、出力する(ステップ51)。
【0063】
算出された各値は、精度管理の各許容値と比較され(ステップ52)、許容値を満たさない場合は、その旨がアラームとして表示出力される(ステップ53)。この場合、許容値を満たしていない精度管理情報を周囲の色と区別して表示出力してもよい。
【0064】
これらの精度管理情報は、各測定チャンネルで信号を濃度に変換するために用いたキャリブレーション情報とともに出力される(図2)。許容値を満たす場合、ステップ54において、精度管理に関するアラームが出ているか否かが判断され、精度管理に関するアラームが出ていなければ測定を続ける。また、ステップ54において、アラームが出ていれば、あらかじめ記憶させておいた対応する処置を表示する(ステップ55)。
【0065】
測定して得られた精度管理情報を許容値と比較する場合も、キャリブレーション情報の場合と同様に、あらかじめ各許容値に複数のレベルを設定しておき、得られた精度管理情報がどのレベルに属するかを判定し、出力しても良い。
【0066】
一日の検査の途中でキャリブレーションを行った場合、あるいは日差精度管理で途中でキャリブレーションを行った場合、精度管理の許容値を満たしていない測定チャンネルあるいは測定チャンネルの集合(分析モジュールまたは装置全体)がある場合、濃度変換に用いた検量線が同じ測定データごとに精度管理情報を算出し、出力する。そして、測定データは、それぞれの許容値と比較し、許容値を満たさない場合は、その旨がアラームとして表示出力される。この場合、許容値を満たしていない精度管理情報を周囲の色と区別して表示出力してもよい。
【0067】
図2に図1の実施形態におけるキャリブレーション結果と日内精度管理情報のデータリストをあわせて一覧する表示例を示す。項目Aの各測定チャンネルでのキャリブレーション情報とともに、精度管理試料1、2の測定データについて、測定チャンネル13−1、13−2でのそれぞれの精度管理情報と、2つの測定チャンネルのデータをあわせた自動分析装置全体としての精度管理情報とが表示される。
【0068】
図2の表示例には、測定項目、キャリブレーションを行った日時、キャリブレータ、精度管理試料、試薬の種類とロット、キャリブレータを測定して得られた信号の値、許容値、管理平均値、管理SD、測定データの個数、平均値、標準偏差等が表示される。
【0069】
図2に示す例では、精度管理試料(コントロール)の濃度とSDの精度管理の基準をそれぞれ、濃度の基準値±2×(SDの基準値)、SDの基準値以内とすると、例えば、精度管理1では、濃度精度管理基準は、10±2×0.5=9〜11であり、SDの精度管理基準は、0.5以内となる。したがって、測定チャンネル13−1、13−2の濃度は、10.1、9.0であり、全体としては9.6であるので、いずれも管理基準内である。
【0070】
また、測定チャンネル13−1、13−2のSDは、0.1、0.4であり、全体としては0.7であるので、個々のチャンネルは、精度管理基準内であるが、全体のSDは、精度管理基準外となっている。この場合、許容値を越えた値、つまり、精度管理1の全体のSDは周囲と色を変えて表示する。
【0071】
また、図2に示す例では、測定チャンネル13−2におけるキャリブレータ1の信号値が許容範囲の境界にあり、例えばレベル2(低)と識別される。これにより、検量線の傾きが測定チャンネル1と比べて小さくなっていることがわかる。その場合、使用者は、例えば測定チャンネル13−2のキャリブレータ1の信号値を上げる対策を取ることができる。
【0072】
測定チャンネル、分析モジュール、あるいは装置全体の精度管理情報が許容値を満たさない場合の組み合わせと、その場合のキャリブレーション情報の各レベルの組み合わせにより、あらかじめ対応する処置を記憶させておき、各精度管理情報が許容値を満たさない場合にその処置を出力するようにしてもよい。
【0073】
例えば、図6に、図1の実施形態において、図2の表示例のような結果が得られたときに対処する処置を表示する場合の処理の流れを示す。
【0074】
図6において、まず、個々の測定チャンネルでの精度管理結果が精度管理外となっているかどうかを判定する(ステップ56)。この場合、測定チャンネル13−1、13−2で個々の測定チャンネルとしては、各許容値を満たすが、精度管理試料1の2チャンネルを合わせたトータルのSDが許容値を満たさないので、両方の測定チャンネルのキャリブレーション情報を参照する(ステップ59)。そして、両測定チャンネルの各情報において、他とレベルが異なるものをピックアップする(ステップ60)。このステップ60においては、ピックアップする情報は、キャリブレータや試薬のロットが異なるものの情報も含むものとする。
【0075】
図2の例の場合は、測定チャンネル13−1のキャリブレーション情報は全てレベル1、測定チャンネル13−2のキャリブレータ1及びキャリブレータ1と2との比が、レベル2(低)である。
【0076】
次に、予め登録されている精度管理情報が許容値を満たさない場合の組み合わせと、その場合のキャリブレーション情報の各レベルの組み合わせの中から、この例の組み合わせを探す(ステップ61)。そして、ピックアップした情報の組み合わせに対応するメッセージをプリンタから印字出力するか、CRT画面上に表示出力する(ステップ62)。例えば、測定チャンネル13−2に対して“メンテナンス1”の処置を行うことを示すメッセージを表示する。
【0077】
ステップ56において、個々のチャンネルの結果が所定値を満たさない場合には、ステップ57に進み、各測定チャンネルのキャリブレーション情報を参照する。そして、ステップ58に進み、各測定チャンネルで所定値を満たさない情報をピックアップする。続いて、処理はステップ61に進む。
【0078】
このように、2つの測定チャンネルの測定データをあわせた自動分析装置全体としての精度管理情報が精度管理外となった場合、各測定チャンネルの段階分けされたキャリブレーション情報を同一表中(同一画面中)で見ることができれば、測定チャンネルの状態を把握しやすい。
【0079】
つまり、本発明の一実施形態によれば、複数の測定チャンネルを有する自動分析装置において、個々の測定チャンネルの測定精度算出して、表示するのみならず、個々の測定チャンネルを統合した装置全体の測定精度を算出し、表示するようにしたので、個々の測定チャンネルでは、測定精度許容範囲を満足するが、装置全体では測定精度許容範囲を満足しない場合を認識することが可能となる。
また、個々のチャンネルのキャリブレーション情報を合わせて表示することで、装置の状態の把握が容易になる。
【0080】
さらに、個々の測定チャンネルでは、測定精度許容範囲を満足するが、装置全体では測定精度許容範囲を満足しない場合には、どの測定チャンネルをどのようなメンテナンスを行えばよいかを表示するようにしたので、自動分析装置の測定精度管理が容易となる。
【0081】
つまり、一つの自動分析装置が有する複数の測定チャンネルのそれぞれの精度管理情報のみならず、装置全体の精度をも判断して表示し、測定精度管理を向上することが可能な自動分析装置を実現することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、一つの自動分析装置が有する複数の測定チャンネルのそれぞれの精度管理情報のみならず、装置全体の精度をも判断して表示し、測定精度管理を向上することが可能な自動分析装置を実現することができる。
【0083】
これにより、どの測定チャンネルで測定しても互換性のあるデータを得るための信頼性確認の効率の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である自動分析装置の全体構成図である。
【図2】図1に示した一実施形態における2つの測定チャンネルのキャリブレーション情報と精度管理情報の表示例を示す図である。
【図3】図1に示した一実施形態における2つの測定チャンネルのキャリブレーション情報の表示例を示す図である。
【図4】図1に示した一実施形態における測定データの処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】図1に示した一実施形態における精度管理試料の測定データの処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】図1に示した一実施形態において、図2の表示例のような結果が得られたときに対処する処置を表示する処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1−1、1−2 試料容器
2 試料容器を設置できるラック
3、18、19、23 試料搬送経路
4 試薬
5 試薬ディスク
6 分注プローブ
7、10 ラック
8 恒温槽
9−1、9−2 反応容器
11 移送機構
12 ノズル
13−1、13−2 測定チャンネル(検出ユニット)
14 廃液タンク
15−1、15−2 分析モジュール
16 データ処理部
17 出力部
20 検体投入部
21 再検待機部
22 検体回収部

Claims (5)

  1. 反応容器に試薬及び試料を分注し、それによって生成された反応液を測定する自動分析装置において、
    同一項目を測定する複数の測定チャンネルを含み、それぞれの測定チャンネルでキャリブレータを測定して得られた測定データに基づく、測定チャンネル毎のキャリブレーション情報と、
    精度管理試料をそれぞれの測定チャンネルで測定して得られた測定データに基づく、測定チャンネル毎の測定精度を表す精度管理情報と、
    同一項目の精度管理試料を複数の測定チャンネルで測定して得られた測定データに基づく、上記複数の測定チャンネル全体としての測定精度を表す精度管理情報と、
    を項目ごとに一括して表示するように構成したことを特徴とする自動分析装置。
  2. 請求項1記載の自動分析装置において、キャリブレーション情報及び/又は精度管理情報の許容値として複数のレベルをあらかじめ設定することを特徴とする自動分析装置。
  3. 請求項2記載の自動分析装置において、上記測定チャンネルで測定されたキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報が各許容値を満たすか否か判定し、許容値を満たす場合は許容値からのずれを算出し、測定されたキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報が相当するレベルを表示することを特徴とする自動分析装置。
  4. 請求項2記載の自動分析装置において、上記測定チャンネルで測定されたキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報が許容値を満たすか否かを判定し、許容値を満たす場合は許容値からのずれを算出し、該当するキャリブレーション情報及び/又は精度管理情報を相当するレベルごとに周囲と色を変えて表示することを特徴とする自動分分析装置。
  5. 請求項2記載の白動分析装置において、上記同一項目を測定する複数の測定チャンネル及び/又は各測定チャンネルが精度管理の許容値を満たさない場合と上記キャリブレーション情報が許容値を満たすレベルの組み合わせと、それに対応する処置を示すメッセージを記憶しておき、上記同一項目を測定する複数の測定チャンネル及び/又は各測定チャンネルが精度管理の許容値を満たすか否か判定し、判定が否のときは対応する処置を示すメッセージを表示することを特徴とする自動分析装置。
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