JP2018141534A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキパッドに対する押圧の安定性を向上させる。【解決手段】本発明のピストン3の開口部31には、ピストン3の押圧力をブレーキパッド4に伝達するピストンキャップ6が配設され、ピストンキャップ6は、開口部31とブレーキパッド4との間に配置される環状の鍔部61と、ピストン3に挿入されピストン3の内周面を押圧した状態で鍔部61をピストン3に固定する複数の挿入部62と、鍔部61の内周部位61aに形成され鍔部61と挿入部62とを接続する接続部63と、を有し、ピストン3の径方向をピストン径方向とすると、鍔部61の外周縁611は、ピストン3の外周縁3aよりもピストン径方向外側に位置し、鍔部61のうち接続部63のピストン径方向外側の部位には、貫通溝64が形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、車両で用いられるディスクブレーキ装置に関する。
ディスクブレーキ装置は、キャリパと、ディスクロータで構成され、キャリパには、ブレーキパッドをディスクロータに向けて押圧するピストンが組み込まれている。このピストンには、ピストンキャップが配設される場合がある。例えば特開2011−163435号公報には、ピストン本体の開口部に中間スリーブを介して配設されるピストンキャップが記載されている。これにより、制動時に発生する摩擦熱がピストン本体に溜まることが抑制され、ブレーキ液の温度上昇が抑制され、ベーパーロック現象の発生が抑制される。
しかしながら、従来のピストンキャップでは、ピストンキャップの内周側の爪部をピストン本体の開口部に圧入させて固定させているため、爪部から受ける応力によりピストンキャップの内周部位が外周部位よりもディスクロータ側に突出するおそれがある。これにより、ピストンキャップとブレーキパッドとの接触面の外径が小さくなり、ブレーキパッドに対する押圧面の外径も小さくなり、ブレーキパッドに対する押圧面の分布に偏りが生じ、押圧の安定性の面で改良の余地がある。ブレーキパッドの安定した押圧は、ブレーキ鳴きの抑制に貢献する。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、ブレーキパッドに対する押圧の安定性を向上させることができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
本発明は、一対のブレーキパッドの少なくとも一方を、前記ブレーキパッド側に開口部が形成されたピストンで押圧してディスクロータに当接させるディスクブレーキ装置であって、前記開口部には、前記ピストンの押圧力を前記ブレーキパッドに伝達するピストンキャップが配設され、前記ピストンキャップは、前記開口部と前記ブレーキパッドとの間に配置される環状の鍔部と、前記ピストンに挿入され前記ピストンの内周面を押圧した状態で前記鍔部を前記ピストンに固定する複数の挿入部と、前記鍔部の内周部位に形成され前記鍔部と前記挿入部とを接続する接続部と、を有し、前記ピストンの径方向をピストン径方向とすると、前記鍔部の外周縁は、前記ピストンの外周縁よりも前記ピストン径方向外側に位置し、前記鍔部のうち前記接続部の前記ピストン径方向外側の部位には、貫通溝が形成されている。
本発明によれば、接続部に対して貫通溝が形成されていることで、ピストンに圧入された挿入部から接続部が受ける応力をピストン径方向外側以外に分散させ、鍔部の反りを抑制することができる。また、鍔部の外周縁がピストンの外周縁よりもピストン径方向外側に位置しているため、ブレーキパッドに対する鍔部の押圧面の外形(例えば外径)を大きくすることができ、押圧面の分布の偏りを抑制することができる。つまり、本発明によれば、ピストンキャップのブレーキパッドに対する押圧の安定性を向上させることができる。
以下、本実施形態のディスクブレーキ装置について、図面を参照して、車両用のピストン対向型のディスクブレーキ装置を例に説明する。図1に示すように、第一実施形態のディスクブレーキ装置Aは、ディスクロータ1と、キャリパ2と、複数のピストン3と、一対のブレーキパッド4と、シム5と、複数のピストンキャップ6と、を備えている。ディスクロータ1は、図示しない車軸ハブに組み付けられて車輪と一体的に回転する円盤部材である。なお、説明において、ディスクロータ1の径方向を「ロータ径方向」と称し、ディスクロータ1の周方向を「ロータ周方向」と称し、ディスクロータ1の軸方向を「ロータ軸方向」と称する。また、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
キャリパ2、複数のピストン3、一対のブレーキパッド4、シム5、及び複数のピストンキャップ6は、ディスクロータ1の回転に対して制動力を発生させるユニット(キャリパアセンブリ)を構成している。キャリパ2は、車両の支持体(図示せず)に固定される部材であって、ピストン3やブレーキパッド4を移動可能に保持するハウジングとして機能している。キャリパ2は、ディスクロータ1の外周部の一部分を跨ぐように配置されている。
キャリパ2は、インナーハウジング部21と、アウターハウジング部22と、連結部23と、を備えている。インナーハウジング部21とアウターハウジング部22は、ディスクロータ1を介して対向配置されている。インナーハウジング部21は、ディスクロータ1のロータ軸方向内側に配置されている。インナーハウジング部21には、複数のピストン3に対応して複数のシリンダ211が形成されている。アウターハウジング部22は、ディスクロータ1のロータ軸方向外側に配置されている。アウターハウジング部22には、複数のピストン3に対応して複数のシリンダ221が形成されている。連結部23は、ロータ径方向外側において、インナーハウジング部21とアウターハウジング部22を連結する部位である。なお、図示しないが、キャリパ2の連結部23付近には、ブレーキパッド4をロータ径方向内側に付勢する板バネが設置されている。
ピストン3は、キャリパ2に組み付けられ、ブレーキパッド4をディスクロータ1に向けて押圧するための押圧部材である。ピストン3は、ブレーキ操作に応じて、シリンダ211、221に対して流入出するフルード(ブレーキ液)により駆動される。ピストン3は、インナーハウジング部21に2つ設けられ、アウターハウジング部22にも対向する位置に2つ設けられている。
ピストン3は、図1〜図3に示すように、ブレーキパッド4側が開口した有底円筒状の部材である。つまり、ピストン3は、ブレーキパッド4側の部位が円筒状の開口部31を構成し、配置されたシリンダ211、221の底面側(以下「シリンダ底面側」とも称する)の端部が円盤状の底面部32を構成している部材である。換言すると、ピストン3は、ブレーキパッド4側の端部である円筒状の開口部31と、開口部31からシリンダ底面側に同軸で延びる円筒状の本体部30と、本体部30のシリンダ底面側の端部を閉鎖する円盤状の底面部32と、を備えている。
一対のブレーキパッド4は、ディスクロータ1を挟むように配置され、ロータ軸方向に移動可能にキャリパ2に組み込まれている。ブレーキパッド4は、キャリパ2に対してロータ周方向に所定距離だけ(初期位置からキャリパ2のトルク受け面に当接するまで)移動可能となっている。一対のブレーキパッド4は、インナーハウジング部21側に配置されたブレーキパッド4と、アウターハウジング部22側に配置されたブレーキパッド4で構成されている。インナーハウジング部21とアウターハウジング部22に配置されるブレーキパッド4、シム5、及びピストンキャップ6は、同様の構成であるため、一方のブレーキパッド4、シム5、及びピストンキャップ6について説明する。
ブレーキパッド4は、ディスクロータ1に対して摺接して摩擦力を発生させるための摩擦材41と、摩擦材41の裏面を支持する金属製の裏板42と、を備えている。第一実施形態の摩擦材41は、全体として長手方向がロータ周方向なるように形成されている。摩擦材41は、市場においてライニングと呼ばれる場合もある。裏板42は、ディスクロータ1側の面に摩擦材41が固定され、ピストン3側の面にシム5が配置される板状部材である。シム5は、鳴き抑制のための金属製の板状部材である。シム5は、ブレーキパッド4とピストンキャップ6の間に配置されている。
ピストンキャップ6は、ピストン3の押圧力をブレーキパッド4に伝達するために開口部31に配設されるキャップ部材である。ピストンキャップ6は、図1〜図5に示すように、鍔部61と、複数の挿入部62と、複数の接続部63と、複数の貫通溝64と、を備えている。鍔部61は、ピストン3の開口部31とブレーキパッド4との間に配置される環状の部材である。第一実施形態ではブレーキパッド4とピストン3の間にシム5が配置されているため、鍔部61は、開口部31とシム5との間に配置されている。ピストン3が駆動されると、鍔部61は、シム5を介してブレーキパッド4を押圧する。以下、説明において、ピストン3の径方向を「ピストン径方向」と称し、ピストン3の軸方向を「ピストン軸方向」と称し、ピストン3の周方向を「ピストン周方向」と称する。
第一実施形態の鍔部61は、円環状に形成されている。鍔部61の外周縁611は、ピストン3の外周縁3a(最外周面、ここでは本体部30の外周面)よりもピストン径方向外側に位置し、且つ鍔部61の内周縁612は、開口部31の外周縁31aよりもピストン径方向内側に位置している。鍔部61が円環状であるため、鍔部61の外径は、ピストン3の外径(最大の外径、ここでは本体部30の外径)よりも大きいといえる。また、鍔部61の内径は開口部31の外径よりも小さいといえる。鍔部61の端面(ピストン軸方向の端面)の面積は、底面部32を除くピストン3の軸方向直交断面(ピストン3をピストン軸方向に直交する面で切断した断面)の面積の最大値よりも大きい。なお、本実施形態では、鍔部61の中心軸とピストン3の中心軸が一致するため、ピストン径方向が鍔部61の径方向に相当し、ピストン軸方向が鍔部61の軸方向に相当し、ピストン周方向が鍔部61の周方向に相当する。
挿入部62は、ピストン3に挿入される部位であって、ピストン3の内周面を押圧した状態で鍔部61をピストン3に固定する部位である。挿入部62は、鍔部61の内周縁612から接続部63を介してシリンダ底面側(ディスクロータ1から遠ざかる側)に突出している。鍔部61には、複数の挿入部62が形成されている。本実施形態において、複数の挿入部62は、対向配置された2つの挿入部62を1対の挿入部62とすると、2対の挿入部62(すなわち4つの挿入部62)で構成されている。本実施形態の4つの挿入部62は、鍔部61の内周縁612において等間隔に形成されている。
挿入部62は、湾曲形状(ここではS字状)に形成されている。挿入部62は、外周側に、ピストン3の内周面に当接する当接部621を有している。挿入前において、対向する2つの当接部621の離間距離は、ピストン3の内径よりも大きい。したがって、挿入部62がピストン3に挿入されると、挿入部62がピストン3の内周面を押圧し、その反力により内側(ピストン径方向内側)に変形する。つまり、挿入部62は、組み付け状態において、ピストン3に圧入された状態になっている。挿入部62が開口部31に挿入されることで、ピストンキャップ6はピストン3に圧入固定されている。
接続部63は、鍔部61の内周部位61a(ここでは内周縁612)に形成されており、鍔部61と挿入部62とを接続している部位である。つまり、ピストンキャップ6は、複数の挿入部62に対応する複数の接続部63(ここでは4つ)を備えている。接続部63は、鍔部61の内周縁からピストン径方向内側に突出している。また、鍔部61の内周縁612には、接続部63のピストン周方向両側に、ピストン径方向外側に凹んだ凹部63aが形成されている。凹部63aのピストン径方向外側の縁は、凸弧状に形成されている。凹部63aにより、挿入部62及び接続部63が変形しやすく(応力が分散されやすく)なっている。
貫通溝64は、鍔部61のうち接続部63のピストン径方向外側の部位に形成された、ピストン軸方向に鍔部61を貫通する溝(孔)である。ピストンキャップ6は、複数の接続部63に対応する複数の貫通溝64(ここでは4つ)を備えている。本実施形態の貫通溝64は、ピストン径方向において接続部63及び当該接続部63の両隣に位置する凹部63a(接続部63に対応する2つの凹部63a)に対向するように、ピストン周方向に延伸している。そして、貫通溝64のピストン周方向一端部は、ピストン周方向一方側の凹部63aのピストン周方向一端部よりもピストン周方向一方側に位置し、貫通溝64のピストン周方向他端部は、ピストン周方向他方側の凹部63aのピストン周方向他端部よりもピストン周方向他方側に位置している。このように、貫通溝64は、接続部63及びそれに対応する2つの凹部63aを覆うように、接続部63のピストン径方向外側に設けられている。
貫通溝64は、ピストン径方向外側に凸弧状に湾曲した形状に形成されている。第一実施形態の貫通溝64は、鍔部61の中心(ここではピストン3の中心軸上の点)と同じ中心の円に沿うように湾曲している。貫通溝64は、凹部63aのピストン径方向外側端部に近接するように形成されている。ピストンキャップ6がピストン3に組み付けられた状態で、鍔部61のブレーキパッド4側の端面は、平坦状となっている。
非制動状態において、鍔部61は、シム5(シム5がない場合はブレーキパッド4)に近接した状態となっている。そして、制動制御が開始されると、ピストンキャップ6がピストン3とともにブレーキパッド4側に移動し、鍔部61がシム5に当接する。この際、鍔部61の内周部位61aがブレーキパッド4側に膨らんでいると、当該内周部位61aが最初にシム5に当接し、鍔部61の外周部位61bがシム5に当接しないまま、ピストン3及びピストンキャップ6がシム5及びブレーキパッド4を押圧することになりやすい。鍔部61の内周部位61aのみが接触している状態では、ピストンキャップ6のシム5への押圧面積が十分に確保されず、押圧の安定性の向上の面で改良の余地がある。
ここで、第一実施形態によれば、挿入部62の変形により接続部63が受ける応力が、貫通溝64に伝わることでピストン周方向に分散され、ピストン径方向外側への伝達が抑制される。貫通溝64は、応力の伝達方向をピストン径方向外側からピストン周方向に変換する役割を果たす。これにより、鍔部61の外周部位61bが受ける応力が減少し、鍔部61の内周部位61aがブレーキパッド4側に突出する反りの発生を抑制することができる。本実施形態では、鍔部61を平坦状に近づけることができるため、シム5に対して狙った接触面積(押圧面積)を確保することが可能となる。また、鍔部61の外周縁611がピストン3の外周縁3aよりもピストン径方向外側に位置しているため、すなわち鍔部61の外径がピストン3(本体部30)の外径よりも大きいため、ブレーキパッド4への押圧面の外径が大きくなる。これにより、ブレーキパッド4全体における押圧面の分布の偏りを抑制し、ブレーキパッド4に対して押圧面を広く分布させることができる。また、第一実施形態によれば、鍔部61の構成上、接触面積が、ピストン3をそのままシム5に当てる構成よりも大きくなる。
このように本実施形態によれば、押圧面の外径がピストン3の外径より大きく、且つ、鍔部61の内周部位61aの反りが抑制されることにより、鍔部61とブレーキパッドとの接触面の外径が増大し、さらに接触面積(押圧面積)も増大させることができる。これにより、ブレーキパッド4に対する押圧の安定性を向上させることができる。ブレーキパッド4ができるだけ均等に安定してディスクロータ1に向けて押圧されることで、ブレーキ鳴きの発生が抑制される。
さらに、本実施形態では、貫通溝64が接続部63及び凹部63aにピストン径方向に対向するようにピストン周方向に延伸しているため、接続部63及び凹部63aが受ける応力のピストン径方向外側への伝達を効果的に抑制することができる。
<第二実施形態>
第二実施形態のピストンキャップ6は、鍔部61の形状の点で第一実施形態と異なっている。したがって、異なっている部分について説明する。第二実施形態の説明において、第一実施形態の説明及び図面を適宜参照することができる。
第二実施形態のピストンキャップ6は、鍔部61の形状の点で第一実施形態と異なっている。したがって、異なっている部分について説明する。第二実施形態の説明において、第一実施形態の説明及び図面を適宜参照することができる。
第二実施形態の鍔部61は、図6に示すように、ピストンキャップ6がピストン3に組み付けられた状態で、外周縁611が内周縁612よりもブレーキパッド4側に位置するように湾曲している。つまり、製造時すなわち組み付け前(圧入前)において、鍔部61は、外周縁611から内周縁612に向かうほど(中心に向かうほど)、ピストン3側(ブレーキパッド4から遠ざかる側)に位置するように、凸弧状に形成されている。そして、組み付け状態において、貫通溝64が鍔部61の反り(内周部位61aの膨らみ)を抑制し、外周縁611が内周縁612よりもブレーキパッド4側に配置される。鍔部61は、組み付け前後の何れにおいても、外周縁611が内周縁612よりもブレーキパッド4側に位置するテーパ面状となっているといえる。なお、図6では鍔部61の湾曲を誇張して表しているが、実施形態における内周縁612に対する外周縁611のピストン軸方向の突出幅は1mm未満(例えば0.1mm〜0.5mm)である。
第二実施形態によれば、制動制御が開始されると、ピストンキャップ6及びピストン3がブレーキパッド4に向けて移動し、最初に鍔部61の外周縁611がシム5に当接する。そして、さらにピストン3がブレーキパッド4側に移動することで、開口部31に対応する鍔部61の内周部位61aがブレーキパッド4側に押圧され、鍔部61が変形しつつ、鍔部61の外周縁611から内周部位61aに向けて徐々にシム5に当接していく。または、外周縁611を含む外周部位61bでシム5及びブレーキパッド4が押圧される。つまり、鍔部61の外周縁611が最初にシム5に当接することで、鍔部61のシム5への押圧面の分布を確実に拡げることができ、さらには接触面積を精度良く増大させることができる。第二実施形態によれば、鍔部61の押圧の安定性を向上させ、ブレーキ鳴きを抑制することができる。
なお、組み付け状態の鍔部61の形状を平坦状に近づけるために(平坦状になることを狙って)、組み付け前の鍔部61の形状を上記のような凸弧状に形成しても良い。また、鍔部61は、組み付け状態で、外周部位61bが内周部位61a(例えば内周縁)よりもブレーキパッド4側に位置するように形成されても良い。外周部位61bは、例えば、鍔部61の外径から内径を引いた差の1/2(換言するとピストン径方向の延在長さの1/2)を全長とすると、各ピストン径方向において、鍔部61の外周縁611との離間距離が全長の1/2である点の集合を境界とし、当該境界のピストン径方向外側の領域と定義しても良い。また、鍔部61のうち当該境界のピストン径方向内側の領域を内周部位61aと定義しても良い。
(その他)
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、貫通溝64は、図7に示すように、接続部63及び凹部63aを覆う最低限の周方向長さで形成されても良い。また、貫通溝64は、図8に示すように、第一実施形態同様に接続部63及び凹部63aのピストン周方向幅より大きく、且つ直線状であっても良い。つまり、貫通溝64がピストン周方向に延びる構成には、貫通溝64の形状が、ピストン径方向外側に凸弧状に湾曲したもの(図5、図7参照)、及び鍔部61の端面上の1点におけるピストン周方向に延びるもの(図8参照)が含まれる。また、貫通溝64は、少なくとも接続部63のピストン径方向外側に形成されていれば良い。この構成によっても、接続部63が受ける応力は、分散され、ピストン径方向外側に伝達されにくくなり、鍔部61の反り発生は抑制される。
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、貫通溝64は、図7に示すように、接続部63及び凹部63aを覆う最低限の周方向長さで形成されても良い。また、貫通溝64は、図8に示すように、第一実施形態同様に接続部63及び凹部63aのピストン周方向幅より大きく、且つ直線状であっても良い。つまり、貫通溝64がピストン周方向に延びる構成には、貫通溝64の形状が、ピストン径方向外側に凸弧状に湾曲したもの(図5、図7参照)、及び鍔部61の端面上の1点におけるピストン周方向に延びるもの(図8参照)が含まれる。また、貫通溝64は、少なくとも接続部63のピストン径方向外側に形成されていれば良い。この構成によっても、接続部63が受ける応力は、分散され、ピストン径方向外側に伝達されにくくなり、鍔部61の反り発生は抑制される。
ここで、図5の構成において貫通溝64がないピストンキャップと、互いに貫通溝64の形状のみが異なる図5、図7、及び図8のピストンキャップ6のそれぞれとを、同一のピストン3に組み付けて反り量(内周縁612の膨らみ量)を測定した。この測定によれば、図8の構成、図5の構成、図7の構成、貫通溝64なしの構成の順で、反り量が小さかった。つまり、反り量の抑制において、貫通溝64は、凹部63aもカバーするものが好ましく、図5及び図8のように2つの凹部63a間の距離よりも長い構成がさらに好ましい。また、これら貫通溝64の形状を第二実施形態の構成に適用しても良い。
また、貫通溝64は、ピストン周方向に連続的に並んだ複数の円形状の貫通孔で構成されても良い。また、ディスクブレーキ装置A(キャリパ2)のタイプとしては、対向型でも浮動型でも良い。また、貫通溝64は、切欠きやスリットと言い換えることができる。また、挿入部62は2つ以上形成されていれば良く、例えば2つの挿入部62が対向して配置されても良く、あるいは3つの挿入部62がピストン周方向に等間隔に配置されても良い。また、鍔部61の形状は、環状であれば良く(中央部位に貫通孔が形成されていれば良く)、外形は円形状に限らず、例えば楕円形状、多角形状、又はブレーキパッド4やシム5の形状に合わせた形状であっても良い。ただし、ブレーキパッド4に押圧力を均等に加えるという観点では、鍔部61の外形は円形状(すなわち鍔部61が円環状)であることが好ましい。また、貫通溝64のピストン径方向の幅は、鍔部の大きさに応じて設定されても良い。また、鍔部61は、組み付け状態で、鍔部61の内周縁612以外の部位が当該内周縁612よりもブレーキパッド4側に位置するように形成されても良い。また、シム5はなくても良く、この場合、鍔部61はブレーキパッド4に直接接触する。ブレーキパッド4及びシム5は、被押圧部材といえる。
また、鍔部61の内周縁612は、開口部31の外周縁31aよりもピストン径方向外側に位置していても良い。つまり、この場合、鍔部61全体が、開口部31の外周縁よりもピストン径方向外側に位置している。これによっても、ブレーキパッド4に対する押圧面の分布を拡げることができる。
1…ディスクロータ、2…キャリパ、3…ピストン、31…開口部、4…ブレーキパッド、5…シム、6…ピストンキャップ、61…鍔部、61a…内周部位、61b…外周部位、62…挿入部、63…接続部、63a…凹部、64…貫通溝、A…ディスクブレーキ装置。
Claims (4)
- 一対のブレーキパッドの少なくとも一方を、前記ブレーキパッド側に開口部が形成されたピストンで押圧してディスクロータに当接させるディスクブレーキ装置であって、
前記開口部には、前記ピストンの押圧力を前記ブレーキパッドに伝達するピストンキャップが配設され、
前記ピストンキャップは、前記開口部と前記ブレーキパッドとの間に配置される環状の鍔部と、前記ピストンに挿入され前記ピストンの内周面を押圧した状態で前記鍔部を前記ピストンに固定する複数の挿入部と、前記鍔部の内周部位に形成され前記鍔部と前記挿入部とを接続する接続部と、を有し、
前記ピストンの径方向をピストン径方向とすると、
前記鍔部の外周縁は、前記ピストンの外周縁よりも前記ピストン径方向外側に位置し、
前記鍔部のうち前記接続部の前記ピストン径方向外側の部位には、貫通溝が形成されているディスクブレーキ装置。 - 前記ピストンの周方向をピストン周方向とすると、
前記鍔部の内周縁には、前記接続部の前記ピストン周方向両側に前記ピストン径方向外側に凹んだ凹部が形成されており、
前記貫通溝は、前記ピストン径方向において前記接続部及び当該接続部の両隣に位置する前記凹部に対向するように、前記ピストン周方向に延伸している請求項1に記載のディスクブレーキ装置。 - 前記鍔部は、外周部位が前記内周部位よりも前記ブレーキパッド側に位置している請求項1又は2に記載のディスクブレーキ装置。
- 前記鍔部の内周縁は、前記開口部の外周縁よりも前記ピストン径方向外側に位置している請求項1〜3の何れか一項に記載のディスクブレーキ装置。
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|---|---|
| JP (1) | JP2018141534A (ja) |
-
2017
- 2017-02-28 JP JP2017036999A patent/JP2018141534A/ja not_active Abandoned
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Legal Events
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