〔ゴム基材〕
本発明において、積層体とは、ゴム基材及び合成樹脂層を含む。
ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が好適に使用される。
〔合成樹脂層〕
本発明において、合成樹脂層は、ゴム基材の表面上に設けられている。合成樹脂層は、例えば、ゴム基材の複数の面の上に設けられていてもよい。例えば、板状のゴム基材の両面の上に合成樹脂層が設けられており、積層体が構成されていてもよい。合成樹脂層は、ゴム基材の全面を覆っていてもよいし、一部を覆っていてもよい。
ゴム基材の表面に合成樹脂層を形成する方法としては、特に限定されない。例えば、ゴム基材の表面上に水性樹脂分散体組成物をコーティングし、必要に応じて乾燥工程を経て、水性樹脂分散体組成物を光硬化させることにより合成樹脂層(光硬化層)を形成することができる。
水性樹脂分散体組成物のコーティングの方法としては、特に限定されない。水性樹脂分散体組成物のコーティングの方法としては、具体的には、例えば、ディッピング法、ロールコーティング法、リバースロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スプレーコーティング法、ナイフコーティング法、エアーナイフコーティング法、バーコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。
合成樹脂層の形成において、乾燥工程を設ける場合は、常温乾燥法や、加熱乾燥法、減圧乾燥法などを用いてもよい。
コーティング層の光硬化に用いる光としては、特に制限されないが、取り扱いやすさやエネルギー量の点から紫外線が好ましい。なお、本発明において、紫外線とは、波長が、200nm〜380nmの光のことをいう。
ゴム基材の表面上に形成する合成樹脂層の光硬化後の厚さは、特に制限されないが、0.01mm〜5mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましく、0.5mm〜0.8mmであることがさらに好ましい。
水性樹脂分散体組成物(水性コーティング剤)は、水性樹脂分散体組成物を光硬化させて得られる厚さ50μm〜80μmのシートのJIS K 6251に準拠した方法で測定した23℃における切断時伸び率が100%〜400%となる組成物である。
なお、切断時伸び率の測定に用いるサンプルとしては、ガラス板上に光硬化後の厚さが50μm〜80μmとなるように水性樹脂分散体組成物をバーコーティングにより塗布した後、常温で24時間、更に60℃で24時間養生した後、積算光量が1500mJ/cm2となるように紫外線を照射して光硬化させた後に、ガラス板から剥離させたフィルムを3号ダンベル形で打ち抜いたダンベル状試験片を用いることができる。JIS K 6251では、切断時伸びの測定に厚さ2.0mm±0.2mmの3号ダンベル状試験片を用いるが、本発明においては、厚さ50μm〜80μm(すなわち、65±15μmの範囲内)の3号ダンベル状試験片を用いて切断時伸び率を測定する。
厚さが50μmよりも薄い試験片や、厚さが80μmよりも厚い試験片を用いて切断時伸び率を測定し、計算で厚さ補正を行うと、試験片の厚さによって溶媒等の揮発の仕方が異なるため、相関のない値が得られる可能性が高い。そのため、水性樹脂分散体組成物の粘度が低い場合は、ガラス板上に適当な厚さのスペーサーで囲いを作って、光硬化後の厚さが50μm〜80μmとなるようにすることが好ましい。
〔水性樹脂分散体組成物〕
水性樹脂分散体組成物は、ポリウレタン樹脂中の酸性基が2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールで中和されて、水系媒体中に分散した状態のものである。
水系溶媒としては、例えば、純水や、水を主成分として、水以外の極性溶媒を含有する水系溶媒等が挙げられる。
水以外の極性溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類;出光社製「エクアミド」に代表されるβ−アルコキシプロピオンアミド等のアミド類などが挙げられる。
また、水性樹脂分散体組成物において、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂とを含む種々の成分は、水系溶媒中に分離した状態で分散していてもよいし、コア−シェル構造等の複合粒子の形態で分散していてもよい。
水性樹脂分散体組成物は、粘度が低くなり取り扱いやすくなることから、固形分を20質量%〜80質量%含むことが好ましく、20質量%〜50質量%含むことがより好ましい。
水性樹脂分散体組成物は、水性樹脂分散体組成物の全固形分(ただし、ポリウレタン樹脂の酸性基を中和するための中和剤を除く)に対して、2質量%〜30質量%の脂環式構造体を有することが好ましく、2質量%〜20質量%の脂環式構造体を有することがより好ましく、5〜15質量%の脂環式構造体を有することがさらに好ましい。
水性樹脂分散体組成物の全固形分に対する脂環式構造体の割合は、脂環式構造体がシクロヘキサン環であれば、シクロヘキサンから2つの水素原子を除いたシクロヘキサン残基が、ポリウレタン樹脂の固形分に占める割合である。水性樹脂分散体組成物の全固形分に対する脂環式構造体の割合は、シクロヘキサンに3つ以上の置換基が結合している場合であっても、シクロヘキサンから2つの水素原子を除いたシクロヘキサン残基の割合として計算するものとする。
〔ポリウレタン樹脂〕
本発明において、ポリウレタン樹脂としては、特に限定されないが、耐光性及び耐加水分解性を向上する観点から、主鎖に脂環構造を有さないポリカーボネートポリオールを原料としたポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂は、水性樹脂分散体組成物の分散安定性を向上する観点から、少なくとも(a)主鎖に脂環構造を有さないポリカーボネートポリオールと(b)酸性基含有ポリオール化合物と(c)ポリイソシアネートとを反応させて得られたポリウレタン樹脂であることが特に好ましい。換言すれば、ポリウレタン樹脂は、主鎖に脂環構造を有さないポリカーボネートポリオール骨格と、酸性基含有ポリオール骨格と、ポリイソシアネート骨格とを有するポリウレタン樹脂であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂の固形分(ただし、酸性基を中和するための中和剤を除く)に対して、2質量%〜40質量%の脂環式構造体を有することが好ましく、5質量%〜30質量%の脂環式構造体を有することがより好ましく、5質量%〜12質量%の脂環式構造体を有することが特に好ましい。
〔(a)主鎖に脂環構造を有さないポリカーボネートポリオール〕
(a)主鎖に脂環構造を有さないポリカーボネートポリオールは、ジオール等のポリオールモノマーがカーボネート結合で結合された高分子量ポリオールである。(a)ポリカーボネートポリオールは、数平均分子量が500〜5000のポリカーボネートポリオールであることが好ましい。
(a)ポリカーボネートポリオールは、主鎖に脂環構造を有さないポリオールモノマーとホスゲンを用いたホスゲン法やポリオールと炭酸エステルを用いたエステル交換法により製造することができる。特にエステル交換法で得られたポリカーボネートポリオールは、塩素の混入がなく、着色しにくいため好ましい。
(a)ポリカーボネートポリオールの原料となるポリオールモノマーとしては、具体的には、例えば、直鎖脂肪族ポリオール、分岐鎖脂肪族ポリオール、芳香環構造含有ポリオール等が挙げられる。
直鎖脂肪族ポリオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。直鎖脂肪族ポリオールとしては、より好ましくは1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが用いられる。
分岐鎖脂肪族ポリオールとしては、具体的には、例えば、イソプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
芳香環構造含有ポリオールとしては、具体的には、例えば、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリオールモノマーを、1種類のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
合成樹脂層の光硬化後の切断時伸び率を向上する観点から、ポリオールモノマーは、直鎖脂肪族ポリオールと分岐鎖脂肪族ポリオールとの合計が全ポリオールモノマーの90モル%以上を占める1種以上のポリオールであることが好ましく、直鎖脂肪族ポリオール及び分岐鎖脂肪族ポリオールの少なくとも一種のポリオールであることがより好ましい。
〔(b)酸性基含有ポリオール化合物〕
(b)酸性基含有ポリオール化合物は、一分子中に2個以上の水酸基と、1個以上の酸性基を含有する。酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。特に(b)酸性基含有ポリオール化合物としては、一分子中に2個の水酸基と1個のカルボキシ基を有する化合物を含有するものが好ましく用いられる。(b)酸性基含有ポリオール化合物を、一種類のみ用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
(b)酸性基含有ポリオール化合物としては、具体的には、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸等が挙げられる。中でも入手の容易さの観点から、(b)酸性基含有ポリオール化合物としては、2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸(ジメチルロールアルカン酸)が好ましく、ジメチロールアルカン酸の中でも、2,2−ジメチロールプロピオン酸がより好ましく用いられる。
(b)酸性基含有ポリオール化合物の酸性基は、後述するポリウレタンプレポリマーを製造した段階や、ポリウレタン樹脂を水系溶媒中に分散させる前の段階、ポリウレタン樹脂を水系溶媒中に分散させると同時、ポリウレタン樹脂を水系溶媒中に分散させた後の段階等、適当な段階で、中和剤を用いて中和することができる。中和剤としては、三級アミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等を用いることができる。
〔(c)ポリイソシアネート〕
(c)ポリイソシアネートとしては、特に制限されないが、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとして、具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、具体的には、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、具体的には、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのポリイソシアネートを、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネートの1分子当たりのイソシアナト基は通常2個であるが、本発明においては、本発明におけるポリウレタン樹脂がゲル化をしない範囲で、トリフェニルメタントリイソシアネートのようなイソシアナト基を3個以上有するポリイソシアネートも使用することができる。
上記のポリイソシアネートの中でも、紫外線硬化後の硬度が高くなるという観点から、脂環構造を有する脂環式ポリイソシアネート化合物が好ましく、反応の制御が行いやすいという観点から、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)が特に好ましい。
〔(d)その他のポリオール〕
(a)ポリカーボネートポリオール及び(b)酸性基含有ポリオール以外に、任意で(d)その他のポリオールを併用してもよい。(d)その他のポリオールとしては、例えば、高分子量ジオールや低分子量ジオールを用いることができる。
高分子量ジオールの数平均分子量は、特に制限はないが、400〜4000であることが好ましい。好ましく用いられる高分子量ジオールの具体例としては、例えば、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール等を用いることができる。
ポリカーボネートジオールとしては、特に制限されないが、具体的にはポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリへキサメチレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオール;ポリ1,4−キシリレンカーボネートジオール等の芳香族ポリカーボネートジオール;複数種の脂肪族ジオールと炭酸エステルとの反応生成物であるポリカーボネートジオール;脂肪族ジオールと芳香族ジオールと炭酸エステルとの反応生成物であるポリカーボネートジオール;脂肪族ジオールとダイマージオールと炭酸エステルとの反応生成物であるポリカーボネートジオール等の共重合ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、特に制限されないが、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、1,6−へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、特に制限されないが、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられる。更に、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオール等を用いてもよい。
低分子量ジオールとしては特に制限はないが、数平均分子量が60以上400未満であり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の炭素数2〜9の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン等の炭素数6〜12の脂環式構造を有するジオールなどを挙げることができる。更に、低分子量ジオールとして、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分子量多価アルコールを用いてもよい。
(d)その他のポリオールは、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
〔ポリウレタン樹脂の製造方法〕
ポリウレタン樹脂の製造方法としては、例えば、全ての原料を一度に反応させるワンショット法や、イソシアネート末端のポリウレタンプレポリマーを製造した後に鎖延長剤を反応させるプレポリマー法などが挙げられる。
プレポリマー法を用いてポリウレタン樹脂を製造する場合には、鎖延長剤を用いることが好ましい。
鎖延長剤は、ポリウレタンプレポリマーのイソシアナト基に対して反応性を有するものであることが好ましい。鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール化合物;ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコール類;水等が挙げられる。これらの中でもより好ましい鎖延長剤としては、1級ジアミン化合物が挙げられる。これらの鎖延長剤は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
〔ラジカル重合性化合物〕
本発明において、ラジカル重合性化合物とは、モノマーだけでなく、オリゴマーやポリマーをも含む。
本発明におけるラジカル重合性化合物は、光ラジカル発生剤の共存下や、熱ラジカル発生剤の共存下などで重合するものであれば特に制限されない。ラジカル重合性化合物は、25℃においてイソシアナト基とは反応性を有しない化合物であることが好ましく、なかでも、(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物としては、モノマー類の(メタ)アクリレート化合物や、ポリウレタン(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物、ポリアルキレン(メタ)アクリレート系化合物などが挙げられる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を示す。すなわち、本発明において、(メタ)アクリレートには、アクリレートとメタアクリレートとの両方が含まれる。
モノマー類の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、モノ(メタ)アクリレートや、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサ(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレートやポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
トリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
テトラ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ペンタ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヘキサ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのモノマー類の(メタ)アクリレート化合物の中でも、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサ(メタ)アクリレートといったポリ(メタ)アクリレートがより好ましく用いられる。これらのポリ(メタ)アクリレートは、分子内に複数の(メタ)アクリレート基を有するため、モノ(メタ)アクリレートを用いる場合よりも、得られるポリウレタン樹脂をより高分子量化しやすいためである。
ポリマー類の(メタ)アクリレート化合物としては、公知のものを用いることができる。分子内にポリアルキレングリコール構造を有している化合物がより好ましく用いられ、分子内に下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコール構造を有している化合物がさらに好ましく用いられる。
ポリマー類の(メタ)アクリレート化合物は、分子内にポリアルキレングリコール構造を有するこのため、ポリマー類の(メタ)アクリレート化合物は、水系溶媒により分散しやすい。よって、ポリマー類の(メタ)アクリレート化合物を用いることによって、得られる水性ポリウレタン樹脂粒子の保存安定性を向上させることができる。また、ポリアルキレングリコール構造が、下記一般式(1)で表される構造である場合、ポリマー類の(メタ)アクリレート化合物自体の保存安定性が高く、水系溶媒への分散性も高いため、特に好ましい。
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数2〜5の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示し、nは1〜10の整数を示す。)
分子内にポリアルキレングリコール構造を有している化合物であるポリマー類の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、モノ(メタ)アクリレートの他、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコールーテトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコールーテトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(6モル)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(BASF社製Laromer(登録商標) LR8863)等のアルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(BASF社製Laromer(登録商標) PO33F)などが挙げられる。
また、ラジカル重合性化合物として、市販のラジカル重合性化合物をそのまま用いても良い。ラジカル重合性化合物の市販品としては、例えば、日本油脂社製ブレンマーシリーズ、BASF社製Laromer(登録商標)の各グレードなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコール構造を有している化合物以外のポリマー類の(メタ)アクリレートとしては、例えば、分子末端に重合性不飽和結合を有するアクリル系ポリマーなどが使用できる。
分子末端に重合性不飽和結合を有するアクリル系ポリマーとしては、例えば、分子片末端に重合性二重結合を有するポリブチルアクリレート(例えば、綜研化学社製「アクトフローBGV−100T」)や、分子両末端に重合性二重結合を有するポリブチルアクリレート(例えば、綜研化学社製「アクトフロー」などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物を、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
ラジカル重合性化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有することがこのましく、分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する化合物を含有することがより好ましい。
ラジカル重合性化合物として、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ有する化合物と、分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する化合物とを併用することがさらに好ましい。ラジカル重合性化合物として、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ有する化合物と、分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ有する化合物とを併用することがさらに好ましい。
本発明において、水性樹脂分散体組成物中の全固形分に対するラジカル重合性化合物の割合が、3質量%〜60質量%であることが好ましく、3質量%〜25質量%であることがより好ましく、3質量%〜20質量%であることが特に好ましい。
ラジカル重合性化合物の重合性不飽和結合の不必要な消費を避けるため、重合禁止剤を添加しておくこともできる。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ヒドロキノンなどのキノン系重合禁止剤;2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール系重合禁止剤;フェノチアジンなどの芳香族アミン系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイリオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ジ−p−フルオロフェニルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)等のアミン系重合禁止剤;2,2−ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウムクロライド;ジエチルヒドロキシルアミン、環状アミド、ニトリル化合物、置換尿素、ベンゾチアゾール、ビス−(1,2,2,6,6ペンタメチル−4−ピペジニル)セパケート、乳酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸などの有機酸;有機ホスフィン、亜リン酸塩などが挙げられる。これらの重合禁止剤の一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
キノン系重合禁止剤とアルキルフェノール系重合禁止剤とを併用することがより好ましい。重合性不飽和結合の重合による消費をより少なくできるためである。
重合禁止剤の添加量は、例えば、ポリウレタン樹脂100重量部に対し0.001重量部〜1重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01重量部〜0.5重量部である。
〔光重合開始剤〕
光硬化に要する時間を短縮する観点から、水性樹脂分散体組成物に、光重合開始剤を添加することが好ましい。
光重合開始剤としては、一般に使用されるものが使用でき、例えば、紫外線照射によって、容易に開裂して2個のラジカルができる光開裂型の光重合開始剤や、水素引き抜き型の光重合開始剤、これらの光重合開始剤の混合物が好ましく使用できる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタノンなどが挙げられる。なかでも、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが光重合開始剤としてより好ましく用いられる。
光重合開始剤の添加量は、水性樹脂分散体組成物の固形分に対して0.5質量%〜5質量%であることが好ましい。
水性樹脂分散体組成物には、上記の他に、顔料や染料、フィラー、増粘剤、減粘剤、紫外線吸収剤、消泡剤、可塑剤、表面調製剤、沈降防止剤等の種々の添加剤を添加することができる。
以下、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、物性測定は、以下の通り行った。
(1)水酸基価:JIS K 1557のB法に準拠して測定した。
(2)遊離イソシアナト基含有割合:ウレタン化反応終了後の反応混合物を0.5gサンプリングして、0.1モル/L(リットル)のジブチルアミン−テトラヒドロフラン溶液10mLとテトラヒドロフラン20mLの混合溶液にサンプリングした反応混合物を加えて、0.1モル/Lの塩酸で未消費のジブチルアミンを滴定した。この滴定値とブランク実験との差より反応混合物中に残存するイソシアナト基のモル濃度を算出した。モル濃度をイソシアナト基の重量分率に換算して遊離イソシアナト基含有割合とした。なお、滴定に使用した指示薬はブロモフェノールブルーである。
(3)ウレタン結合の固形分基準の含有割合、ウレア結合の固形分基準の含有割合:水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合からウレタン結合及びウレア結合のモル濃度(モル/g)を算出した後、水性ポリウレタン樹脂分散体の質量当たりの含有割合(質量%)に換算した。
(4)カーボネート結合の固形分基準の含有割合:水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合からカーボネート結合のモル濃度(モル/g)を算出した後、水性ポリウレタン樹脂分散体の質量当たりの含有割合(質量%)に換算した。
(5)脂環構造体の固形分基準の含有割合:水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合から水性ポリウレタン樹脂分散体の質量当たりの含有割合(質量%)に換算した。
(6)酸価:水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合からカルボキシル基のモル濃度(モル/g)を算出し、サンプル1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの重量(mgKOH/g)に換算した。
(7)水性ポリウレタン樹脂分散体中のポリウレタン樹脂の重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、予め作成した標準ポリスチレンの検量線から求めた。
(8)切断時伸び率の測定方法
ガラス板上に光硬化後の塗膜の厚さが50μm〜80μmとなるように、光重合開始剤を含む水性樹脂分散体組成物をバーコーターで塗布し、室温24時間養生し、更に60℃で24時間養生した後、積算光量1500mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させ、光硬化塗膜を得た。得られた光硬化塗膜をガラス板から剥がし、3号ダンベル形で打ち抜いて試験片を作成した。
得られた試験片を23℃で引張試験機(オリエンティック社製RTC−1250A)を用いて100mm/minの速度で引っ張り、試験片が切れた時の伸び率(試験片が切れたときの寸法/試験片を引っ張る前の寸法(%))を測定した。
また、実施例及び比較例において作製したゴム積層体の評価は下記の要領で行った。
(9)密着性(碁盤目剥離試験)
厚さ1mm、長さ70mm、幅50mmの各種ゴム基材表面をアセトンを含浸させた脱脂綿等で十分に拭いて脱脂した後、光硬化後の塗膜の厚さが5μm〜20μmとなるように、光重合開始剤を含む水性樹脂分散体組成物をバーコーターで塗布し、20分間室温で養生し、積算光量1500mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させることによりゴム積層体を作製し、密着性の試験を行った。密着性は、得られた20mm×20mmの面積の塗膜にに縦横2mm間隔でマトリクス状に切り目を入れ、粘着テープを貼った後、剥がしたときにゴムシートの表面に残っている塗膜片の数を目視で数えることによって評価した。例えば、粘着テープを貼って剥がす行為をn回行った際に、初めて塗膜片が剥がれ、かつ100マス中mマスが剥がれずにゴムシート上に残っていた場合をm/100(n)と記載した。
[比較例1]
攪拌機および加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標)UH200宇部興産製;数平均分子量2007;水酸基価55.9mgKOH/g;ポリオール成分が1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、450グラム)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(48.3グラム)と、イソホロンジイソシアネート(181グラム)とを、N−エチルピロリドン(249グラム)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.5グラム)存在下、窒素雰囲気下で、80℃−90℃で5時間加熱した。加熱終了時のNCO基含量は、2.11質量%であった。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(36.3グラム)を添加し、混合した。
得られた反応混合物(773グラム)を80℃まで冷却した後、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA:分子量296)とトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA:分子量300)の混合溶液(モル比1:1、粘度41cP/20℃、219.7グラム)を混合し、強攪拌下、水(1578グラム)の中に加えた。ついで、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(55.7グラム)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
得られた水性コーティング剤の固形分基準のウレタン結合の含有割合は7.03質量%であった。固形分基準のウレア結合の含有割合は2.76質量%であった。固形分基準のカーボネート結合の含有割合は18.0質量%であった。固形分基準の脂環構造の含有割合は6.84質量%であった。固形分基準の酸価は21mgKOH/gであった。重量平均分子量は、249×103であった。JIS K 6251に準じた切断時伸び率は160%であった。
[実施例1]
比較例1と同様の反応容器に、ETERNACOLL(登録商標)UH200宇部興製;数平均分子量2007;水酸基価55.9mgKOH/g;ポリオール成分が1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、450グラム)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(48.3グラム)と、イソホロンジイソシアネート(181グラム)とを、N−エチルピロリドン(249グラム)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.5グラム)存在下、窒素雰囲気下で、80−90℃で5時間加熱し、反応させた。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、2.11質量%であった。
得られた反応混合物(743グラム)を80℃まで冷却した後、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA:分子量296)とトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA:分子量300)の混合溶液(モル比1:1、粘度41cP/20℃、219.7グラム)を混合し、強攪拌下、2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(33.8グラム)と水(1578グラム)をあらかじめ混合して得られた水溶液中に加えた。ついで、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(55.7グラム)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
得られた水性コーティング剤の固形分基準のウレタン結合の含有割合は7.03質量%であった。固形分基準のウレア結合の含有割合は2.76質量%であった。固形分基準のカーボネート結合の含有割合は18.0質量%であった。固形分基準の脂環構造の含有割合は6.84質量%であった。固形分基準の酸価は21mgKOH/g、重量平均分子量は、85.0×103であった。JIS K 6251に準じた切断時伸び率は148%であり、合成樹脂層の白変もなく、下地追従性に優れていた。
比較例1、実施例1の各水性ポリウレタン樹脂分散体に、光重合開始剤(IRGACURE500、BASF社製)5質量%/固形分を添加し、混合してコーティング剤を得た。得られた水性コーティング剤を充分に脱脂したエチレン−プロピレン−ジエンゴム基材上に乾燥塗膜で約5μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、積算光量1500mJ/cm2の紫外線を照射してゴム積層体を得た。
得られたゴム積層体において、水性コーティング剤の塗膜と、ゴム基材との密着性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す結果から、比較例1では、粘着テープの粘着及び剥離を1サイクル行ったのみでも、塗膜片の剥離が生じることが分かる。一方、実施例1では、粘着テープの粘着及び剥離を10サイクル行った場合であっても、塗膜片の剥離が生じないことが分かる。