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JP2018062538A - 水性樹脂分散体組成物 - Google Patents

水性樹脂分散体組成物 Download PDF

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JP2018062538A
JP2018062538A JP2016199608A JP2016199608A JP2018062538A JP 2018062538 A JP2018062538 A JP 2018062538A JP 2016199608 A JP2016199608 A JP 2016199608A JP 2016199608 A JP2016199608 A JP 2016199608A JP 2018062538 A JP2018062538 A JP 2018062538A
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高橋 毅
Takeshi Takahashi
高橋  毅
嘉樹 河村
Yoshiki Kawamura
嘉樹 河村
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Abstract

【課題】ポリアミド樹脂基材に対する密着性に優れる塗膜を形成可能な水性樹脂分散体組成物を提供する。【解決手段】水性樹脂分散体組成物は、ポリウレタン樹脂と、ポリオレフィン樹脂とを含む。本発明に係る水性樹脂分散体組成物は、下記の耐剥離試験を行った際に硬化塗膜片がポリアミド樹脂基材から剥離しないものである。ただし、耐剥離試験は、ポリアミド樹脂基材の平滑な表面の上に、水性樹脂分散体組成物を塗布し、硬化させることにより膜厚が10μmの硬化塗膜を形成し、硬化塗膜に2mm間隔でマトリクス状に切り込みを入れ、硬化塗膜を100個の硬化塗膜片に分断し、100個の硬化塗膜片に粘着テープを圧着して引き剥がす工程を5回繰り返し、ポリアミド樹脂基材から剥離し、粘着テープに粘着する硬化塗膜片が存在するか否かを判定する試験方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料やコーティング剤、プライマー、合成皮革、接着剤等の各種用途に広く利用可能な水性樹脂分散体組成物に関する。
ポリウレタン樹脂を含む水性ポリウレタン樹脂分散体等の水性樹脂分散体組成物は、塗料やコーティング剤の原料、例えば、航空機・自動車等の内外装、住宅の外壁面および床材、家電製品の筐体や、パソコン、携帯電話・スマートフォン等の電子機器の筐体等の塗料、コーティング剤の原料として広く利用されている。
各用途で要求される性能を満たすために、ポリウレタン樹脂を含む水性樹脂組成物の改良が検討されている。例えば、水性ポリウレタンに、ポリオレフィンワックスと、架橋剤とを添加した水性表面処理剤が記載されている(特許文献1参照)。この水性表面処理剤を用いて塗膜を形成することで、物品の表面に様々な意匠性を付与できる。また、この水性表面処理剤を用いることにより、溶剤と接触しても溶剤痕が目立たない塗膜を形成することができる。
ナイロン6、又はナイロン6/6,6共重合物等に代表されるポリアミドを含むフィルムは、食品や非食品等の包装材料等として有用であることが知られている(特許文献2参照)。
特開2014−70128号公報 特開2007−130866号公報
水性樹脂分散体組成物を塗膜にした際の、塗膜のポリアミド樹脂基材に対する密着性を向上したいという要望がある。
本発明は、ポリアミド樹脂基材に対する密着性に優れる塗膜を形成可能な水性樹脂分散体組成物を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、ポリウレタン樹脂及びポリオレフィン樹脂を含む水性樹脂分散体組成物であって、下記の耐剥離試験を行った際に硬化塗膜片がポリアミド樹脂基材から剥離しない水性樹脂分散体組成物は、ポリアミド樹脂基材に対する密着性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係る水性樹脂分散体組成物は、ポリウレタン樹脂と、ポリオレフィン樹脂とを含む。本発明に係る水性樹脂分散体組成物は、下記の耐剥離試験を行った際に硬化塗膜片がポリアミド樹脂基材から剥離しないものである。
ただし、耐剥離試験は、ポリアミド樹脂基材の平滑な表面の上に、水性樹脂分散体組成物を塗布し、硬化させることにより膜厚が10μmの硬化塗膜を形成し、硬化塗膜に2mm間隔でマトリクス状に切り込みを入れ、硬化塗膜を100個の硬化塗膜片に分断し、100個の硬化塗膜片に粘着テープを圧着して引き剥がす工程を5回繰り返し、ポリアミド樹脂基材から剥離し、粘着テープに粘着する硬化塗膜片が存在するか否かを判定する試験方法である。
本発明によれば、ポリアミド樹脂基材に対する密着性に優れる塗膜を形成可能な水性樹脂分散体組成物を得ることができる。
<水性樹脂分散体組成物>
本発明の水性樹脂分散体組成物は、ポリウレタン樹脂及びポリオレフィン樹脂を含む。本発明の水性樹脂分散体組成物は、後述する耐剥離試験を行った際に硬化塗膜片が生じないものである。
以下、本発明の水性樹脂分散体組成物について詳細に説明する。本発明の水性樹脂分散体組成物は、ポリウレタン樹脂とポリオレフィン樹脂とを含む。
<ポリウレタン樹脂>
本発明において、ポリウレタン樹脂は、(a)ポリオール骨格と、(c)ポリイソシアネート化合物骨格とを有するものであれば特に限定されない。ポリウレタン樹脂が水分散型(以下、「水分散型ポリウレタン樹脂」を、「水性ポリウレタン樹脂分散体」と称して説明する場合がある)である場合には、ポリウレタン樹脂は、(b)酸性基含有ポリオール骨格をさらに有していることが好ましい。この場合、水性樹脂分散体組成物中に保護コロイド、乳化剤、界面活性剤が含まれていなくても、水性樹脂分散体組成物の水への分散安定性が向上するためである。
以下、ポリウレタン樹脂を構成する骨格を形成するための成分について、詳細に説明する。
<<ポリオール>>
ポリオールは、(a)ポリオール骨格を構成するための材料である。ポリオールは、1分子中に2つ以上の水酸基を有するものであれば特に限定されない。好ましく用いられるポリオールの具体例としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリジエンポリオール等が挙げられる。上記ポリオールの中でも、耐候性及び耐加水分解性に優れることから、ポリカーボネートポリオールを含むことが好ましい。なお、1種類のポリオールを用いてもよく、複数種のポリオールを併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールは、分子中にカーボネート結合を有するポリオールであれば特に限定されない。ポリカーボネートポリオールは、例えば、ジオール等のポリオールモノマーがカーボネート結合したものであることが好ましい。また、ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリカーボネートポリオール1分子中のカーボネート結合の平均数以下の数のエーテル結合やエステル結合を含有していてもよい。
ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、特に限定されない。ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、400〜8000であることが好ましい。ポリカーボネートポリオールの数平均分子量が上記範囲である場合、水性樹脂分散体組成物の粘度をより適切にできると共に、水性樹脂分散体組成物の取り扱い性がより良好になる。また、ポリカーボネートポリオールのソフトセグメントとしての性能が向上するため、水性樹脂分散体組成物を用いて塗膜を形成した場合に、塗膜に割れが発生しにくく、さらに、ポリカーボネートポリオールとイソシアネート化合物との反応性を向上することができるため、ウレタンプレポリマーの製造を効率的に行うことができる。なお、ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、400〜4000であることがより好ましい。
なお、本発明において、数平均分子量を、JIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、数平均分子量は、化合物の水酸基価を測定し、末端基定量法により、式(56.1×1000×価数)/水酸基価(mgKOH/g)を用いて算出することができる。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数であり、ポリカーボネートポリオールがポリカーボネートジオールの場合は価数が2となる。
ポリカーボネートポリオールは、ポリオールモノマーとホスゲンとを用いたホスゲン法や、ポリオールモノマーと炭酸エステルとを用いたエステル交換法により製造することができる。特にエステル交換法で得られるポリカーボネートポリオールは、塩素の含有量が少ない、着色しにくい等の利点を有するため好ましい。
ポリカーボネートポリオールの合成に用いるポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリオールモノマー、脂環構造を有するポリオールモノマー、芳香族ポリオールモノマー、ポリエステルポリオールモノマー、ポリエーテルポリオールモノマー等を挙げることができる。
脂肪族ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール;イソプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分岐鎖状脂肪族ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能基以上の官能基を有する多価アルコール等が挙げられる。
脂環構造を有するポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−シクロペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘプタンジオール、2,7−ノルボルナンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリエステルポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、6−ヒドロキシカプロン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のヒドロキシカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール、アジピン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のジカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
上述したポリオールモノマーは、1種類のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エステル交換法において使用する炭酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル;ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル;エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル等が挙げられる。その他に、ポリカーボネートポリオールを生成することができるホスゲン等も炭酸エステルとして使用できる。中でも、ポリカーボネートポリオールの製造のしやすさから、炭酸エステルとして脂肪族炭酸エステルを用いることが好ましく、ジメチルカーボネートを用いることがより好ましい。
ポリオールモノマー及び炭酸エステルからポリカーボネートポリオールを製造する方法(エステル交換法)は、例えば、以下の要領で行うことができる。まず、反応器中に炭酸エステルと、この炭酸エステルのモル数に対して過剰のモル数のポリオールモノマーとを加え、温度160℃〜200℃、圧力50mmHg程度で5時間〜6時間反応させた後、更に数mmHg以下の圧力において200℃〜220℃で数時間反応させることによりポリオールモノマー及び炭酸エステルからポリカーボネートポリオールを製造することができる。上記反応においては副生するアルコールを系外に抜き出しながら反応させることが好ましい。炭酸エステルが副生するアルコールと共沸することにより系外へ抜け出る場合には、過剰量の炭酸エステルを加えてもよい。また、上記反応において、チタニウムテトラブトキシド等の触媒を使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールや、主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールや、主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーと、他のポリオールモノマー(主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマー)と炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
好ましく用いられるポリカーボネートポリオールの具体的には、1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−ブタンジオールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール等が挙げられる。
得られる硬化塗膜の硬度をさらに高める等の観点から、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオールを用いることができる。その場合、主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、400〜5000であることが好ましく、400〜3000であることがより好ましく、500〜2000であることがさらに好ましい。
主鎖に脂環構造を有するポリカーボネートポリオールを用いる場合、ポリカーボネートポリオールにおける脂環構造含有率は、固形分基準で65質量%以下であることが好ましい。ポリカーボネートポリオールにおける脂環構造含有率がこの範囲であれば、脂環構造の存在により、硬度に優れた硬化塗膜が得られ易く、その一方で、脂環構造の含有率が大きくなりすぎて、水性ポリウレタン樹脂分散体製造時のプレポリマーの粘度が高くなり取り扱いが困難となるといった事態を回避しやすい。ポリカーボネートポリオールにおける脂環構造含有率は、55質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下であることがなお好ましい。
ここで、ポリカーボネートポリオールにおける脂環構造含有率は、ポリカーボネートポリオール中の脂環式基の重量割合をいう。ポリカーボネートポリオールにおける脂環構造含有率は、例えば、シクロヘキサン残基等のシクロアルカン残基(1,4−ヘキサンジメタノールの場合は、シクロヘキサンから2つの水素原子を除いた部分)や、テトラヒドロフラン残基等の不飽和へテロ環残基(テトラヒドロフランジメタノールの場合は、テトラヒドロフランから2つの水素原子を除いた部分)に基づき、算出することができる。
ポリオールは、ポリカーボネートポリオールに加えて、さらにその他のポリオールを含んでいてもよい。ここで、「その他のポリオール」は、使用するポリカーボネートポリオールや、後述する酸性基含有ポリオールと異なるポリオールである。その他のポリオールとしては、高分子量ジオールや低分子量ジオールを用いることができ、例えば、数平均分子量が8000を超えるポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、(a)ポリオール骨格及び(b)酸性基含有ポリオール骨格以外に、任意で(d)その他のポリオール骨格を有していてもよい。(d)その他のポリオール骨格としては、例えば、高分子量ジオール骨格や低分子量ジオール骨格を用いることができる。
高分子量ジオール骨格を構成するための高分子量ジオールの数平均分子量は、特に限定されないが、が400〜4000程度であることが好ましい。高分子量ジオールとしては、具体的には、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール等を用いることができる。
ポリカーボネートジオール骨格を構成するためのポリカーボネートジオールとしては、特に限定されないが、具体的にはポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリへキサメチレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオールや、ポリ1,4−キシリレンカーボネートジオール等の芳香族ポリカーボネートジオールや、複数種の脂肪族ジオールと炭酸エステルとの反応生成物であるポリカーボネートジオールや脂肪族ジオールと芳香族ジオールと炭酸エステルとの反応生成物であるポリカーボネートジオール、脂肪族ジオールとダイマージオールと炭酸エステルとの反応生成物であるポリカーボネートジオール等の共重合ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、特に限定されないが、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、1,6−へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、特に限定されないが、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられる。更に、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオール等をポリエーテルジオールとして用いてもよい。
低分子量ジオールの数平均分子量は、特に限定はないが、60以上400未満であることが好ましい。低分子量ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の炭素数2〜9の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン等の炭素数6〜12の脂環式構造を有するジオールなどを挙げることができる。更に、前記低分子量ジオールとして、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分子量多価アルコールを低分子量ジオールとして用いてもよい。
なお、低分子量ポリオールを、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<酸性基含有ポリオール>>
(b)酸性基含有ポリオール骨格を構成するための酸性基含有ポリオールは、一分子中に2個以上の水酸基と、1個以上の酸性基を有する。ここで、酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基等があげられる。特に酸性基含有ポリオールとしては、一分子中に2個の水酸基と1個のカルボキシ基とを有する化合物を有するものが好ましく用いられる。酸性基含有ポリオールを、1種類のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸性基含有ポリオールとしては、具体的には、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸等が挙げられる。中でも入手の容易さの観点から、酸性基含有ポリオールとしては、2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸(ジメチロールアルカン酸)を用いることがより好ましく、ジメチロールアルカン酸の中でも、2,2−ジメチロールプロピオン酸がより好ましく用いられる。
酸性基含有ポリオールの酸性基は、中和剤を用いて中和することができる。上記酸性基の中和を行う時期は、特に限定されない。酸性基の中和は、例えば、後述するポリウレタンプレポリマーを製造した段階や、ポリウレタン樹脂を水系溶媒中に分散させる前の段階、ポリウレタン樹脂を水系溶媒中に分散させると同時、ポリウレタン樹脂を水系溶媒中に分散させた後の段階等に行うことができる。
酸性基の中和に用いる中和剤としては、酸性基を中和することができるものであれば特に限定されず、酸性基の種類等に応じて適宜選択できる。好ましく用いられる中和剤としては、具体的には、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAP)等の有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類、アンモニア等が挙げられる。中でも、中和剤として、好ましくは有機アミン類を用いることができ、より好ましくは3級アミンを用いることができ、最も好ましくはトリエチルアミンを用いることができる。
<<ポリイソシアネート化合物>>
(c)ポリイソシアネート化合物骨格を構成するためのポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等を使用することができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、具体的には、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、具体的には、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアネートエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのポリイソシアネート化合物を、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物の一分子当たりのイソシアネート基は通常2個であるが、ポリウレタン樹脂がゲル化をしない範囲で、トリフェニルメタントリイソシアネートのようなイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物も使用することができる。
上記のポリイソシアネートの中でも、水性樹脂分散体組成物の硬化塗膜の硬度等の物性を良好にする観点から、ポリイソシアネートとしては、脂環構造を有する脂環式ポリイソシアネート化合物がより好ましく、反応の制御が行いやすいという観点からは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)がさらに好ましい。
<<ポリウレタン樹脂またはポリウレタン>>
ポリウレタン樹脂の固形分(ただし、酸性基を中和するための中和剤を除く)に対する脂環構造含有割合は、例えば、2質量%〜65質量%であることが好ましく、5質量%〜50質量%であることがより好ましく、10質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、10,000〜2,000,000であることが好ましく、10,000〜1,000,000であることがより好ましく、100,000〜300,000であることがさらに好ましい。
ここで、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<<ポリオレフィン樹脂>>
本発明において、ポリオレフィン樹脂は、オレフィン化合物の単独重合体または共重合体である。オレフィン化合物の単独重合体としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、または線状低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(1−ヘキセン)等の炭素数2〜20のα−オレフィンの単独重合体等を挙げることができる。またオレフィン化合物の共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体等を挙げることができる。
また、本発明においては、極性基が導入されたポリオレフィン樹脂も使用できる。極性基が導入されたポリオレフィン樹脂の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、アクリル酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリオレフィン;エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニリデン共重合体、エチレン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−メタクリロニトリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリルアミド共重合体、エチレン−メタクリルアミド共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリルレート共重合体、エチレン−イソプロピル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−イソブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸金属塩共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物、エチレン−ビニルプロピオネート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン−ビニル単量体共重合体;塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどの塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
本発明においては、ポリオレフィン樹脂は、常温で水に完全に溶解(水溶性)であってもよいし、微分散可能(水分散性)であってもよい。水分散性ポリオレフィン樹脂は、自己分散型ポリオレフィン樹脂と強制分散型ポリオレフィン樹脂とに分類することができる。自己分散型ポリオレフィン樹脂は、自己分散型ポリオレフィン樹脂中に含まれるイオン性基を中和することによって水性溶媒中に分散させることができるが、分散安定性の観点から、アニオン性基を有する自己分散型ポリオレフィン樹脂を塩基性化合物で中和することが好ましい。また強制分散型ポリオレフィン樹脂は、界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、あるいは両性界面活性剤)などを用いることにより水性溶媒中に分散させることができる。
本発明において、ポリオレフィン樹脂は、特に限定されず、目的とする水性樹脂分散体組成物の用途・特性等に応じて適宜選択することができる。ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレンワックス、エチレンやプロピレンとの共重合系ワックス等の合成ワックスを乳化したもの、カルボキシルカルボキシル基を含むエチレン系共重合体を乳化したもの、ポリオレフィン樹脂のエマルジョン、変性ポリオレフィン樹脂のエマルジョン、ポリプロピレンとイソプロピルアルコールとを含むもの等が挙げられる。
水性樹脂分散体組成物におけるポリオレフィン樹脂の含有割合は、本発明の水性樹脂分散体組成物の機能・特性を発揮できる程度であれば特に限定されない。例えば、ポリウレタン樹脂と重合性不飽和結合を有する化合物の合計:ポリオレフィン樹脂が、固形分重量比で、5:95〜95:5であることが好ましい。この範囲であれば、ポリアミド樹脂基材への密着性の高い硬化塗膜が得られやすい。ポリウレタン樹脂と重合性不飽和結合を有する化合物の合計:ポリオレフィン樹脂は、90:10〜10:90であることがより好ましく、80:20〜20:80であることがさらに好ましく、70:30〜30:70がであることがなお好ましい。
<水性樹脂分散体組成物>
本発明の水性樹脂分散体組成物は、少なくとも上述したポリウレタン樹脂及びポリオレフィン樹脂を含む。
本発明の水性樹脂分散体組成物は、さらに、光重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等を含有していてもよい。
<<光重合開始剤>>
光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、紫外線照射によって、容易に開裂して2個のラジカルができる光開裂型の光重合開始剤や、水素引き抜き型の光重合開始剤、これらの混合物等が挙げられる。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタノンなどが挙げられる。より好ましく用いられる光重合開始剤としては、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
なお、光重合開始剤の添加量としては、水性樹脂分散体組成物の全固形分に対して0.5質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜7質量%がより好ましい。
<<熱ラジカル重合開始剤>>
熱ラジカル重合開始剤は、加熱することでラジカルを発生する化合物、すなわち、熱エネルギーを吸収し、分解してラジカル種を発生する化合物である。熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物を挙げることができる。
有機過酸化物としては、特に限定されず、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネートに分類されるものが挙げられる。
これらの有機過酸化物の具体例としては、例えば、特開2015−004040号公報に記載のものが挙げられる。
アゾ化合物(「アゾ系熱ラジカル重合開始剤」とも称する)としては、水溶性アゾ系熱ラジカル重合開始剤、油溶性アゾ系熱ラジカル重合開始剤、高分子アゾ系熱ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
これらのアゾ化合物の具体例としては、例えば、特開2015−004040号公報に記載のものが挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤を、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱ラジカル重合開始剤の添加量としては、水性樹脂分散体組成物の全固形分に対して0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜7質量%であることがより好ましい。
<<水系溶媒>>
本発明においては、上述したポリウレタン樹脂等が水系溶媒中に分散している。水系溶媒としては、例えば水や、水と親水性有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。
水としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などが挙げられる。中でも入手の容易さ、塩の影響により水系溶媒に分散している粒子が不安定になりやすいことなどを考慮すると、イオン交換水を用いることが好ましい。
また親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類;出光興産社製「エクアミド」に代表されるβ−アルコキシプロピオンアミド等のアミド類;2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAMP)等の水酸基含有三級アミンなどが挙げられる。
水系溶媒中の親水性有機溶媒の量は、特に限定されないが、例えば0質量%〜20質量%が好ましい。
<<水性樹脂分散体組成物の製造方法>>
水性樹脂分散体組成物の製造方法は、ポリウレタン樹脂と、ポリオレフィン樹脂とを水系溶媒中に分散できる方法であれば特に限定されない。
水性樹脂分散体組成物は、例えば、ポリウレタン樹脂が分散しているポリウレタン樹脂分散体とポリオレフィン樹脂とを混合することにより製造することができる。また、水性樹脂分散体組成物は、例えば、ポリウレタンプレポリマーと、ポリオレフィン樹脂とを水系溶媒中に分散し、ポリオレフィン樹脂の存在下で、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤とを反応させることにより製造することができる。
ポリウレタン樹脂の製造方法としては、全ての原料を一度に反応させるワンショット法や、イソシアネート末端のポリウレタンプレポリマーを製造した後に鎖延長剤を反応させるプレポリマー法などが挙げられる。
次に、プレポリマー法によるポリウレタン樹脂の製造方法の一例について説明する。
プレポリマー法による製造方法の一例としては、
ポリカーボネートポリオールと、酸性基含有ポリオール化合物と、ポリイソシアネート化合物と、場合により、その他のポリオールとを反応させて(A)ポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和する工程(β)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーを水系溶媒中に分散させる工程(γ)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーと、(A)ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対して反応性を有する(B)鎖延長剤とを反応させる工程(δ)と、
を含む方法などが挙げられる。
(A)ポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、大気雰囲気下で行ってもよい。
(A)ポリウレタンプレポリマーを水系溶媒中に分散させる工程(γ)において、水系溶媒中に(A)ポリウレタンプレポリマーを分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されている水系溶媒中に、(A)ポリウレタンプレポリマーを添加する方法、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されている(A)ポリウレタンプレポリマーに水系溶媒を添加する方法等が挙げられる。
(A)ポリウレタンプレポリマーと(B)鎖延長剤とを反応させる工程(δ)で用いられる(B)鎖延長剤は、(A)ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応性を有するものであれば、特に限定されない。(B)鎖延長剤の具体例としては、例えば、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール化合物、ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコール類等が挙げられ、中でも好ましくは1級ジアミン化合物が挙げられる。これらを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上述した工程(δ)は冷却下でゆっくりと行ってもよく、場合によっては60℃以下の加熱条件下で反応を促進して行ってもよい。工程(δ)を冷却しながら行う場合、反応時間は、0.5〜24時間程度であることが好ましい。工程(δ)を60℃以下の加熱条件下において行う場合の反応時間は、0.1〜6時間程度であることが好ましい。
当該方法において、(A)ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和する工程(β)と、(A)ポリウレタンプレポリマーを水系溶媒中に分散させる工程(γ)との、どちらを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
上記のようにして得たポリウレタン樹脂分散体とラジカル重合性化合物とを混合することによって水性樹脂分散体を得ることができる。また、ポリウレタンプレポリマーとラジカル重合性化合物とを水系溶媒中に分散させ、重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方の存在下で、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤とを反応させることによっても水性樹脂分散体を得ることができる。
次に、(A)ポリウレタンプレポリマーと、重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方とを水系溶媒中に分散させ、重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方の存在下で(A)ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤とを反応させる水性樹脂分散体組成物の製造方法の一例について説明する。
まず、ポリカーボネートポリオールと、酸性基含有ポリオール化合物と、ポリイソシアネートと、場合により、その他のポリオールとを反応させて(A)ポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)を行う。
次に、(A)ポリウレタンプレポリマーと重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方とを水系溶媒中に分散させる工程(γ)を行う。
次に、(A)ポリウレタンプレポリマーと、(A)ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応性を有する(B)鎖延長剤とを反応させる工程(δ)を行う。
工程(γ)としては、例えば、(A)ポリウレタンプレポリマーと、重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方と、水系溶媒とを一度に混合して分散させる方法、(A)ポリウレタンプレポリマーを水系溶媒中に分散させた後に重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方を添加する方法、(A)ポリウレタンプレポリマーと重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方とを混合した後に水系溶媒と混合する方法、重合性不飽和結合を有する化合物及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一方を分散させた水系溶媒中に(A)ポリウレタンプレポリマーを分散させる方法等がある。
この際、(B)鎖延長剤を、予め水系溶媒中に添加しておいてもよいし、(A)ポリウレタンプレポリマーと一緒に水系溶媒中に添加してもよい。
重合性不飽和結合を有する化合物の二重結合の不必要な消費を避けるため、工程(γ)を酸素存在下で行うのが好ましい。また、ラジカル重合性化合物の重合性不飽和結合の不必要な消費を避けるため、工程(γ)において、重合禁止剤を添加しておくこともできる。
重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ヒドロキノンなどのキノン系重合禁止剤;2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール系重合禁止剤;フェノチアジンなどの芳香族アミン系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイリオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ジ−p−フルオロフェニルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)等のアミン系重合禁止剤;2,2−ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウムクロライド;ジエチルヒドロキシルアミン、環状アミド、ニトリル化合物、置換尿素、ベンゾチアゾール、ビス−(1,2,2,6,6ペンタメチル−4−ピペジニル)セパケート、乳酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸などの有機酸;有機ホスフィン、亜リン酸塩などが挙げられる。これらの一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
特に、重合禁止剤としてキノン系重合禁止剤とアルキルフェノール系重合禁止剤とを併用することにより、重合性不飽和結合の重合による消費をより少なくできる。
重合禁止剤の添加量は、例えば、ポリウレタン樹脂100重量部に対し0.001重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部とすることができる。
<<水性樹脂分散体組成物の硬化塗膜>>
本発明の水性樹脂分散体組成物は、後述する耐剥離試験を行った際に、硬化塗膜片が認められないものであることを特徴とするものである。
水性樹脂分散体組成物は、エネルギー線硬化性組成物であってもよく、熱硬化性組成物であってもよい。また、水性樹脂分散体組成物は、エネルギー線照射および加熱の両方によって硬化する組成物であってもよい。
<<<耐剥離試験>>>
次に、耐剥離試験について詳細に説明する。まず、ポリアミド樹脂基材の平滑な表面の上に、水性樹脂分散体組成物を塗布し、硬化させることにより、膜厚が10μmの硬化塗膜を形成する。なお、本発明において、「膜厚が10μmの硬化塗膜」には、膜厚が10μm±2μmである硬化塗膜が含まれるものとする。次に、硬化塗膜に2mm間隔でマトリクス状に切り込みを入れ、硬化塗膜を100個の硬化塗膜片に分断する。次に、100個の硬化塗膜片に粘着テープを圧着して引きはがす工程を5回繰り返す。その5回の引きはがし工程において、硬化塗膜片がポリアミド樹脂基材から剥離し、粘着テープに粘着するか否かを判定する。
上記耐剥離試験において、硬化塗膜片の剥離が認められない、すなわち、硬化塗膜片がすべて基材上に残存するものである(以下、硬化塗膜片がすべて基材上に残存した場合を「100/100(5)」と記載する場合がある。)場合に、ポリアミド樹脂への密着性が良好であると認定した。
圧着・引き剥がし工程を6回繰り返しても硬化塗膜片の剥離が認められない(以下、硬化塗膜片がすべて基材上に残存した場合を「100/100(6)」と記載する場合がある。)ことが好ましく、圧着・引き剥がし工程を7回しても硬化塗膜片の剥離が認められない(以下、硬化塗膜片がすべて基材上に残存した場合を「100/100(7)」と記載する場合がある。)ことがさらに好ましい。
硬化塗膜の形成方法としては、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。例えば、水性樹脂分散体組成物をコーティングし、必要に応じて乾燥工程を経て、水性樹脂分散体組成物をエネルギー線の照射及び加熱の少なくとも一方を行うことにより硬化させることにより硬化塗膜を形成することができる。
水性樹脂分散体組成物のコーティングの方法としては、具体的には、ディッピング法、ロールコーティング法、リバースロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スプレーコーティング法、ナイフコーティング法、エアーナイフコーティング法、バーコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。
<<<ポリアミド樹脂基材>>>
本発明において、ポリアミド樹脂基材とは、ポリアミド樹脂により構成された平滑な表面を有する基材である。ポリアミド樹脂基材は、全体がポリアミド樹脂により構成されていてもよいし、表層部のみがポリアミド樹脂により構成されていてもよい。ポリアミド樹脂基材としては、上述した耐剥離試験を実施可能なものであれば特に限定されず、一般的なものを使用することができる。基材の形状としては、目的・用途等に応じて適宜選択できるものであり、平滑な表面を有するものであれば特に限定されない。また当該基材は、種々の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の水性樹脂分散体組成物は、必要に応じて、増粘剤、光増感剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。本発明の水性樹脂分散体組成物は、1種類の添加剤を含んでいてもよいし、複数種の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の塗料及びコーティング剤は、少なくとも上述した水性樹脂分散体組成物を含有するものであり、他の樹脂をさらに含んでいてもよい。他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。本発明の塗料及びコーティング剤は、1種の他の樹脂を含んでいてもよいし、2種以上の他の樹脂を含んでいてもよい。
他の樹脂は、一種以上の親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ポリエチレングリコール基等が挙げられる。
他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、通常、酸成分とアルコ−ル成分とのエステル化反応またはエステル交換反応によって製造することができる。
酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を使用することができる。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、10mgKOH/g〜300mgKOH/g程度が好ましく、50mgKOH/g〜250mgKOH/g程度がより好ましく、80mgKOH/g〜180mgKOH/g程度がさらに好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、1mgKOH/g〜200mgKOH/g程度が好ましく、15mgKOH/g〜100mgKOH/g程度がより好ましく、25mgKOH/g〜60mgKOH/g程度がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、500〜500,000が好ましく、1,000〜300,000がより好ましく、1,500〜200,000がさらに好ましい。
アクリル樹脂としては、水酸基含有アクリル樹脂が好ましい。水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和モノマーおよび該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとを、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルジョン重合法等の既知の方法によって共重合させることにより製造できる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基および重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;これらのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、カチオン性官能基を有することが好ましい。
カチオン性官能基を有する水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、重合性不飽和モノマーの一種として、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基等のカチオン性官能基を有する重合性不飽和モノマーを用いることにより製造できる。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、貯蔵安定性や得られる塗膜の耐水性等の観点から、1mgKOH/g〜200mgKOH/g程度が好ましく、2mgKOH/g〜100mgKOH/g程度がより好ましく、3mgKOH/g〜60mgKOH/g程度がさらに好ましい。
また、水酸基含有アクリル樹脂がカルボキシル基等の酸基を有する場合、該水酸基含有アクリル樹脂の酸価は、得られる塗膜の耐水性等の観点から、1mgKOH/g〜200mgKOH/g程度が好ましく、2mgKOH/g〜150mgKOH/g程度がより好ましく、5mgKOH/g〜100mgKOH/g程度がさらに好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましく、3,000〜50,000の範囲内であることがさらに好ましい。
ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体が挙げられる。ポリエーテル樹脂の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテル、ビスフェノールA又はビスフェノールF等の芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノール化合物から製造された重合体等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA、ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等が挙げられる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
アルキド樹脂としては、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の多塩基酸と多価アルコール、油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂が挙げられる。
本発明の塗料及びコーティング剤に、硬化剤を含有させることにより、塗料又はコーティング剤を用いて形成した塗膜又は複層塗膜、コーティング膜の耐水性等を向上させることができる。
硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、カルボジイミド等を用いることできる。硬化剤を、一種のみ用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
アミノ樹脂としては、例えば、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる部分もしくは完全メチロール化アミノ樹脂等が挙げられる。アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、前述のポリイソシアネート化合物のポリイソシアネート基にブロック剤を付加することによって得られるものが挙げられる。ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール等のフェノール系、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール系、マロン酸ジメチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系、アセトアニリド、酢酸アミドなどの酸アミド系、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタムなどのラクタム系、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系等が挙げられる。
メラミン樹脂としては、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン等のメチロールメラミン;これらのメチロールメラミンのアルキルエーテル化物又は縮合物;メチロールメラミンのアルキルエーテル化物の縮合物等が挙げられる。
本発明の塗料及びコーティング剤は、着色顔料や体質顔料、光輝性顔料をさらに含んでいてもよい。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等が挙げられる。これらは単独で、または二種以上を併用して使用できる。特に、着色顔料として、酸化チタン及びカーボンブラックの少なくとも一方を使用することが好ましい。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられる。これらは単独でまたは二種以上を併用して使用することができる。特に、体質顔料として、硫酸バリウム及びタルクの少なくとも一方を使用することが好ましく、硫酸バリウムを使用することがより好ましい。
光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母等を使用することができる。
本発明の塗料及びコーティング剤には、必要に応じて、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤等の通常の塗料用添加剤を単独でもしくは2種以上組み合わせて含有させることができる。
本発明の塗料及びコーティング剤の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法を用いることができる。一般的には、塗料及びコーティング剤は、水性ポリウレタン樹脂分散体と上述した各種添加剤を混合し、水系溶媒を添加し、塗装方法に応じた粘度に調製することにより製造される。
塗料の被塗装材質又はコーティング剤の被コーティング材質としては、金属、プラスチック、無機物、木材等が挙げられる。
塗料の塗装方法又はコーティング剤のコーティング方法としては、ベル塗装、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装等が挙げられる。
本発明の積層体は、本発明の水性樹脂分散体組成物の硬化塗膜と、表面がポリアミド樹脂からなる基材であって、前記表面上に前記硬化塗膜が形成されている基材とを有する。
なお、本発明の積層体は、硬化層を介して基材と他の層とが接する積層体であってもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
[参考製造例1]
撹拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標) UM90(3/1)(宇部興産社製;数平均分子量916;水酸基価122mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=3:1のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、175g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(26.0g)と、水素添加MDI(165g)とを、N−エチルピロリドン(138g)中、ジブチル錫ジラウレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80℃〜90℃で6時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(19.6g)を添加・混合したもののうち、404gを抜き出し、強撹拌のもと水(587g)の中に加えた。ついで、35重量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(61.2g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体A(PU−A)を得た。
[参考製造例2]
攪拌機および加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標) UC100(宇部興産社製;数平均分子量1012;水酸基価110.8mgKOH/g;1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール(脂環構造の割合:49.5重量%)、160グラム)と、PTMG(数平均分子量1958、26.9グラム)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(23.2グラム)と、水素添加MDI(167.6グラム)とを、N−エチルピロリドン(150.8グラム)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3グラム)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、4.49重量%であった。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(17.5グラム)を添加・混合したもののうち、409.7グラムを抜き出し、強攪拌下のもと水(551.7グラム)の中に加えた。ついで35重量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(66.9グラム)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体B(PU−B)を得た。
[参考製造例3]
撹拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産社製;数平均分子量2,000;水酸基価56mgKOH/g;1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、301g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(16.1g)と、イソホロンジイソシアネート(84.0g)とを、N−エチルピロリドン(133g)中、ジブチル錫ジラウレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(12.2g)を添加・混合したもののうち、506gを、強撹拌のもと水(760g)の中に加えた。ついで、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液(30.0g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体C(PU−C)を得た。
[実施例]
参考製造例1〜3で製造した水性ポリウレタン樹脂分散体PU−A〜PU−Cと、下記に示すポリオレフィン樹脂A〜Bとが、固形分基準で、下記表1〜表3に記載の割合となるように、混合・撹拌し、水性樹脂分散体組成物を得た。
なお、使用したポリオレフィン樹脂は下記の通りである。
PO樹脂A:ポリオレフィン樹脂(ポリプロピレン(含有率:27重量%)、イソプロピルアルコール含有、極性基導入型)
PO樹脂B:ポリオレフィン樹脂(ポリプロピレン(含有率:30重量%)、Tg:−20℃程度)
(密着性の評価)
密着性の評価は、以下の耐剥離試験により行った。まず、ポリアミド樹脂基材の平滑な表面の上に、水性樹脂分散体組成物を塗布し、硬化させることにより、膜厚が10μmの硬化塗膜を形成する。なお、本発明において、「膜厚が10μmの硬化塗膜」には、膜厚が10μm±2μmである硬化塗膜が含まれるものとする。次に、硬化塗膜に2mm間隔でマトリクス状に切り込みを入れ、硬化塗膜を100個の硬化塗膜片に分断する。次に、100個の硬化塗膜片に粘着テープを圧着して引きはがす工程を5回繰り返す。その5回の引きはがし工程において、硬化塗膜片がポリアミド樹脂基材から剥離し、粘着テープに粘着するか否かを判定する。
上記耐剥離試験において、硬化塗膜片の剥離が認められない、すなわち、硬化塗膜片がすべて基材上に残存するものである(以下、硬化塗膜片がすべて基材上に残存した場合を「100/100(5)」と記載する場合がある。)場合に、ポリアミド樹脂への密着性が良好であると認定した。
表1〜表3に示す結果から、本発明の水性樹脂分散体組成物は、ポリアミド樹脂基材に対する密着性に優れる塗膜を形成可能であることが確認できる。
本発明の水性樹脂分散体組成物は、塗料やコーティング剤、プライマー、合成皮革、接着剤等の原料等として広く利用できる。

Claims (6)

  1. ポリウレタン樹脂と、ポリオレフィン樹脂とを含み、
    下記の耐剥離試験を行った際に硬化塗膜片がポリアミド樹脂基材から剥離しない、水性樹脂分散体組成物。
    ただし、耐剥離試験は、ポリアミド樹脂基材の平滑な表面の上に、前記水性樹脂分散体組成物を塗布し、硬化させることにより膜厚が10μmの硬化塗膜を形成し、前記硬化塗膜に2mm間隔でマトリクス状に切り込みを入れ、前記硬化塗膜を100個の硬化塗膜片に分断し、前記100個の硬化塗膜片に粘着テープを圧着して引き剥がす工程を5回繰り返し、前記ポリアミド樹脂基材から剥離し、前記粘着テープに粘着する硬化塗膜片が存在するか否かを判定する試験方法である。
  2. ポリウレタン樹脂が、(a)ポリオール骨格と、(b)酸性基含有ポリオール骨格と、(c)ポリイソシアネート化合物骨格とを有する、請求項1に記載の水性樹脂分散体組成物。
  3. 光重合開始剤及び熱ラジカル重合開始剤の少なくとも一方をさらに含有する、請求項1又は2に記載の水性樹脂分散体組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性樹脂分散体組成物を含有する、コーティング剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性樹脂分散体組成物を含有する、塗料。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性樹脂分散体組成物の硬化塗膜と、
    表面がポリアミド樹脂からなる基材であって、前記表面上に前記硬化塗膜が形成されている基材と、
    を備える、積層体。
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