JP2014062004A - 黒鉛ヒーター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 長手方向に沿って溝3を有し、互いに隣接するように備えられた複数の抵抗発熱部1と、前記抵抗発熱部1と一体的に構成され、前記抵抗発熱部1が直列接続となるように交互に接続する複数の接続部2と、からなる。抵抗発熱部1の抵抗値を高くすることができるので、抵抗発熱部1の数を減らすことができ、黒鉛ヒーターを高強度化する。
【選択図】 図1
Description
タングステン材は、重い金属であるために、地殻付近での存在比率が低く、(クラーク数は26番目)産地の偏ったレアメタルである。これに対し、炭素は石油、石炭として地中に大量に存在する利用し易い資源である。(クラーク数は14番目)このため、黒鉛材料は、大きな発熱量を必要とする工業炉等のサイズの大きな加熱源として広く用いられている。
シリコン単結晶引き上げ装置は、シリコンウエハの大型化に伴って大型化し、発熱源である黒鉛ヒーターもそれに伴って大型化し重量が増加するようになっている。
特許文献1では、黒鉛製のヒーターが、ルツボの加熱中にヒーター自身の重量により変形し、通電が短絡状態を防止するための方法が記載されている。
具体的には、シリコン単結晶引き上げ装置の炉床板上に設けられ、ヒーターに給電する電極によるヒーター支持部位とは別の部位で、ヒーターを支持するヒーター支持具を備え、前記ヒーター支持具が、ヒーター側に配置された耐熱性部材と、炉床板側に配置された電気的絶縁性部材で構成されていることを特徴とするCZ結晶製造装置が記載されている。
・大型化した黒鉛ヒーターの支持部分を増やすことによって、支持具を介して熱が拡散しやすくなり、エネルギー効率が悪くなること。
・支持具を介して黒鉛ヒーターを支持することにより、支持具部分から熱が奪われ、発熱ムラができること。
・ヒーターの下部を支持するので、重力に対抗することができるが、横方向にかかる力には対抗できない。とくに、シリコン単結晶引き上げ装置において融液対流の制御を目的として、シリコン融液に磁場を印加するMCZ(Magnetic field applied CZ)法においては、大電流が流れる黒鉛ヒーターに電流の方向と、磁界の方向に直交するローレンツ力が黒鉛ヒーターに加わるため、単に支持具で支えるのみでは黒鉛ヒーターの変形を抑えることはできないこと。
このような理由から、本発明では、黒鉛ヒーターを他の部材で支持または補強するのではなく、さらに黒鉛ヒーター自体の強度を高め、変形を抑止することができる構造を提供することを目的とする。
(1)互いに隣接するように備えられた複数の棒状の抵抗発熱部と、
前記抵抗発熱部と一体的に構成され、前記抵抗発熱部が直列接続となるように交互に接続する複数の接続部と、
からなる黒鉛ヒーターであって、
前記抵抗発熱部の表面には、長手方向に沿って溝が形成されている
ことを特徴とする。
更に本発明の黒鉛ヒーターの望ましい態様は
(2)前記記載の黒鉛ヒーターは、前記抵抗発熱部及び給電部が回転対称となるように配設されることにより、環状に構成される。
(3)前記記載の黒鉛ヒーターは、前記抵抗発熱部が互いに平行に配設されることにより、筒状に構成される。
(4)前記記載の溝は、抵抗発熱部の外周面側に形成されている。
(5)前記記載の環状の黒鉛ヒーターは、シリコン単結晶引き上げ装置用である。
(6)前記記載の黒鉛ヒーターは、熱膨張係数が3.5×10−6/Kから5.0×10−6/Kの黒鉛からなる。
長手方向に沿って溝を有し、互いに隣接するように備えられた複数の抵抗発熱部と、
前記抵抗発熱部と一体的に構成され、前記抵抗発熱部が直列接続となるように交互に接続する複数の接続部と、からなる。
黒鉛は、どのようなものを利用しても良く、特に限定されないが、等方性黒鉛材を用いることが好ましい。等方性黒鉛材は、素材から黒鉛ヒーターを削り出す際に、取り方向による物性差の影響を受けにくいので、得られる黒鉛ヒーターの全抵抗値の誤差を小さくすることができる。等方性黒鉛材としては、特に限定されないが、例えば、イビデン(株)製ET−10、T−5などの等方性黒鉛材を利用することができる。
スリットを入れることによって、黒鉛ヒーターには、互いに隣接するように備えられた複数の棒状の抵抗発熱部と、前記抵抗発熱部と一体的に構成され、前記抵抗発熱部を直列接続となるように交互に接続する複数の接続部が形成される。このように構成された黒鉛ヒーターは、隣接する抵抗発熱部は、電流の向きが互いに逆方向になり、全体として電流は交互に向きを変えながら流れ、黒鉛ヒーターを発熱させる。
一体的に構成される接続部は、とくにその接続方法は限定されない。黒鉛の同一ブロックから削りだして黒鉛ヒーターを形成する場合、接続部と抵抗発熱部とは、連続した同一の素材により形成される。同一のブロックから形成する場合の他にも、黒鉛ヒーターは全体として構造体を構成することができれば、接着手段または締結手段により抵抗発熱部を相互に接続し接続部を形成しても良い。
接続部に接着層を含んでなる場合には、抵抗発熱部は、接着層を介して電気的に接続される。
接続部には締結手段を含んでなる場合には、接触部を有し、ボルトなどの締結手段により、圧力が加えられ、隣接する抵抗発熱部を電気的に接続する。
本発明の抵抗発熱部には、長手方向に沿って、溝が形成されていることを特徴とする。抵抗発熱部は、両端が接続部によって直列接続で接続されているので、長手方向に沿って電流が流される。本発明の抵抗発熱部には、長手方向に沿って溝が形成されているので、抵抗発熱部の断面積を小さくし、抵抗発熱部の抵抗を大きくすることができる。
なお、回転対称とは、一つの図形を一定軸のまわりに一定の角度だけ回転移動しても変わらない性質を指す。この一定軸を対称軸といい、回転の際の一定角度が180度・120度・90度等の場合をそれぞれ2回軸・3回軸・4回軸などと呼ぶ。
具体的には、平面ヒーターの片面に溝が形成されている場合、表裏の温度差、表裏の応力差から、表裏で応力分布のアンバランスが生じ、凸状など、非対称な変形が生じやすいのに対し、筒状の黒鉛ヒーターの場合、中心軸(対称軸)に対し等しく各部位が変形する性質を有しているので、局所的に変形が生じることなく、他の部材と接触し短絡しにくくすることができる。
SiO+2C→SiC+CO↑ 式(1)
本発明の黒鉛ヒーターをシリコン単結晶引き上げ装置で使用すると、式(1)の反応が黒鉛ヒーターの表面で起こり、抵抗発熱部の表面に炭化珪素の層が形成される。抵抗発熱部の表面に溝が形成されていると、高強度の炭化珪素の層が立体的に形成できるので、抵抗発熱部は、硬く高強度の層で覆われたシェル構造をとる。また、形成される炭化珪素の層は溝に沿って様々な方向を向いているので、珪化による反応膨張、炭化珪素の層との熱膨張差によって反りが発生しても、互いに相殺され全体の反りを小さく抑えることができる。このため、黒鉛ヒーターの反り、変形を小さくすることができる。
図1は実施例1の黒鉛ヒーターの斜視図、図2は実施例2の黒鉛ヒーターの平面図、図3は実施例3の黒鉛ヒーターを示し、(a)は、平面図、(b)は正面図を示す。図4は、比較例1の黒鉛ヒーターの斜視図を示す。
実施例1は、2つの給電部4を、1つの直列回路でつなぐ平面状の黒鉛ヒーターを示す。抵抗発熱部1には、長手方向に沿って溝3が形成されている。
実施例2は、2つの給電部4を、2つの直列回路でつなぐ平面かつ環状の黒鉛ヒーターを示す。2つの直列回路は、並列回路を形成している。抵抗発熱部には、長手方向に沿って溝3が形成されている。
実施例3は、2つの給電部4を、2つの直列回路でつなぐ筒状の黒鉛ヒーターを示す。2つの直列回路は、並列回路を形成している。抵抗発熱部1には、長手方向に沿って溝3が形成されている。
比較例1は、2つの給電部4を、1つの直列回路でつなぐ平面状の黒鉛ヒーターを示す。抵抗発熱部1には、溝が形成されておらず、実施例1に対し溝がないことが異なっている。
実施例1は、2つの給電部4を、5つの抵抗発熱部1と、4つの接続部2でつないでいる平面状の黒鉛ヒーターである。5つの抵抗発熱部1は、互いに平行になるように配置され、接続部2で、電流の向きが反転するように折り返される。
本実施例の黒鉛ヒーターの厚さ(T)は10mm、抵抗発熱部1の長さ(L)は200mm、抵抗発熱部1の幅(W)は、30mmである。抵抗発熱部1には、長手方向に沿って更に接続部2まで延びる溝3が、片側主面に形成されている。溝3は、抵抗発熱部1の幅方向の中央に形成されている。溝3は、深さ7.5mm、幅20mm、長さ160mmである。
本実施例の黒鉛ヒーターは、イビデン(株)製等方性黒鉛材、ET−10を切削加工することによって得ることができる。等方性黒鉛材を切削加工して得られるので、電流の流れる経路では、固有抵抗値はほぼ一定値であり、局所的に発熱しやすい箇所は存在しない。
比較例1は、2つの給電部4を、7つの抵抗発熱部1と、6つの接続部2でつないでいる平面状の黒鉛ヒーターである。6つの抵抗発熱部1は、互いに平行になるように配置され、接続部2で、電流の向きが反転するように折り返される。
本比較例の黒鉛ヒーターの厚さ(T)は10mm、抵抗発熱部1の長さ(L)は200mm、抵抗発熱部1の幅(W)は、21mmである。抵抗発熱部1には溝3は形成されておらず、表裏ともフラットである。
本実施例の黒鉛ヒーターは、イビデン(株)製等方性黒鉛材、ET−10を切削加工することによって得ることができる。等方性黒鉛材を切削加工して得られるので、電流の流れる経路では、固有抵抗値はほぼ一定値であり、局所的に発熱しやすい箇所は存在しない。
実施例1の1つの抵抗発熱部1の抵抗値をR1、比較例1の1つの抵抗発熱部1の抵抗値をR2,それぞれの接続部2の抵抗値を0としたとき、実施例1の黒鉛ヒーターの抵抗値は5R1、比較例1の黒鉛ヒーターの抵抗値は7R2、である。
実施例1は、比較例1の全抵抗と同等に設計するために、1つの抵抗発熱部1R1の抵抗値は
R1=(7/5)R2 式(2)
である。すなわち、実施例1の抵抗発熱部1の断面積は、比較例1の断面積の5/7とすることにより、全抵抗を同一にすることができる。
なお、実施例1の抵抗発熱部1の幅は、比較例1の約7/5であるので、実施例1の溝3は、抵抗発熱部1の幅と厚さの積の52/72すなわち約50%の断面積の溝3を形成することにより抵抗値を同等にすることができる。
実際には、実施例1の抵抗発熱体の断面積は150mm2、比較例1の抵抗発熱体の断面積は210mm2であり、実施例1の抵抗発熱体の断面積は、比較例1の抵抗発熱体の断面積の約71%である。同一の素材から製作すると実施例1の抵抗発熱体の抵抗値は、比較例1の抵抗発熱体の抵抗値の1.4倍となる。実施例1では、5本の抵抗発熱体を組み合わせ、比較例1では7本の抵抗発熱体を組み合わせるので、全体抵抗はほぼ同等となる。
実施例1の抵抗発熱部1の溝3は、幅方向の中央に形成されているので、溝3が形成されても抵抗発熱部1の断面二次モーメントへ与える影響は小さくすることができる。また、接続部の数が同等の全体抵抗を持つ比較例1よりも少ないので、実施例1では、同等の全体抵抗値を持つ比較例1よりも黒鉛ヒーターを変形しにくくすることができる。
実施例2は、2つの給電部4を、24本の抵抗発熱部1と、22本の接続部2でつないでいる平面かつ環状の黒鉛ヒーターである。24本の抵抗発熱部1は、互いに平面上に配置され、接続部2で、電流の向きが反転するように折り返される。
24本の抵抗発熱部1は、12本ずつに2組に分けられ、それぞれ直列に接続され、2つの給電部4を結ぶ2系統の直列回路が形成される。
黒鉛ヒーター全体としては、2回軸を有する回転対称であり、給電部を除くと、12回軸を有する回転対称である。
抵抗発熱部1の片方の主面には、抵抗発熱部1の長手方向に沿って溝3が形成されている。長手方向に沿って溝3が形成されているので、24本の溝3は放射状に形成される。
本実施例の黒鉛ヒーターは、イビデン(株)製等方性黒鉛材、ET−10を切削加工することによって得ることができる。等方性黒鉛材を切削加工して得られるので、電流の流れる経路では、固有抵抗値はほぼ一定値であり、局所的に発熱しやすい箇所は存在しない。
実施例2では、詳細な比較をおこなわないが、実施例1と同様に溝の無い同等の全体抵抗を持つ黒鉛ヒーターよりも変形しにくくできると考えられる。
実施例3は、2つの給電部4を、16本の抵抗発熱部1と、14本の接続部2でつないでいる筒状の黒鉛ヒーターである。16本の抵抗発熱部1は、互いに平行となるように配置され、接続部2で、電流の向きが反転するように折り返される。
16本の抵抗発熱部1は、8本ずつに2組に分けられ、それぞれ直列に接続され、2つの給電部4を結ぶ2系統の直列回路が形成される。
黒鉛ヒーター全体としては、2回軸を有する回転対称であり、給電部を除くと、8回軸を有する回転対称である。
本実施例の黒鉛ヒーターは、イビデン(株)製等方性黒鉛材、ET−10を切削加工することによって得ることができる。等方性黒鉛材を切削加工して得られるので、電流の流れる経路では、固有抵抗値はほぼ一定値であり、局所的に発熱しやすい箇所は存在しない。
実施例3では、詳細な比較をおこなわないが、実施例1と同様に溝の無い同等の全体抵抗を持つ黒鉛ヒーターよりも変形しにくくできると考えられる。
シリコン単結晶引き上げ装置内では、石英ガラスと、シリコンが反応し、装置内で反応性の高いSiOガスが生成される。SiOガスは、黒鉛と反応し、SiCを形成する。
溝3の形成された黒鉛ヒーターは、抵抗発熱部1の表面に炭化珪素の層が形成される。抵抗発熱部1の表面に溝3が形成されていると、高強度の炭化珪素の層が立体的に形成できるので、抵抗発熱部1は、硬く高強度の層で覆われたシェル構造をとる。また、形成される炭化珪素の層は溝3に沿って様々な方向を向いているので、珪化による反応膨張、炭化珪素の層との熱膨張差によって反りが発生しても、互いに相殺され全体の反りを小さく抑えることができる。このため、黒鉛ヒーターの反り、変形を小さくすることができる。
2.接続部
3.溝
4.給電部
10.黒鉛ヒーター
Claims (6)
- 互いに隣接するように備えられた複数の棒状の抵抗発熱部と、
前記抵抗発熱部と一体的に構成され、前記抵抗発熱部が直列接続となるように交互に接続する複数の接続部と、
からなる黒鉛ヒーターであって、
前記抵抗発熱部の表面には、長手方向に沿って溝が形成されている
ことを特徴とする黒鉛ヒーター。 - 前記記載の黒鉛ヒーターは、前記抵抗発熱部及び給電部が回転対称となるように配設されることにより、環状に構成されることを特徴とする請求項1に記載の黒鉛ヒーター。
- 前記記載の黒鉛ヒーターは、前記抵抗発熱部が互いに平行に配設されることにより、筒状に構成されることを特徴とする請求項2に記載の黒鉛ヒーター。
- 前記記載の溝は、抵抗発熱部の外周面側に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の環状の黒鉛ヒーター。
- 前記記載の環状の黒鉛ヒーターは、シリコン単結晶引き上げ装置用であることを特徴とする請求項1〜4に記載の環状の黒鉛ヒーター。
- 前記記載の黒鉛ヒーターは、熱膨張係数が3.5×10−6/Kから5.0×10−6/Kの黒鉛からなることを特徴とする請求項5に記載の黒鉛ヒーター。
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