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JP2012031874A - タイミングチェーン機構 - Google Patents

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JP2012031874A JP2010169169A JP2010169169A JP2012031874A JP 2012031874 A JP2012031874 A JP 2012031874A JP 2010169169 A JP2010169169 A JP 2010169169A JP 2010169169 A JP2010169169 A JP 2010169169A JP 2012031874 A JP2012031874 A JP 2012031874A
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timing
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Masayoshi Nakai
正芳 中井
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】チェーンケース一体型エンジンにタイミングチェーンを組み付ける工程においてタイミングチェーンの落下を防止する。
【解決手段】チェーンダンパ2の上端部に、タイミングチェーン14を囲うように形成されたフック部21を設けるとともに、チェーンダンパ2の下端部に、タイミングチェーン14のクランクスプロケット11からの脱落を防止するための脱落防止部22を設ける。このような構造のチェーンダンパ2を用いてタイミングチェーン14の2箇所を保持することにより、チェーン組付工程の途中でエンジンの姿勢反転を行っても、その反転時にタイミングチェーン14が落下することがなくなる。また、タイミングチェーン14のクランクスプロケット11からの脱落も防止することができるので、チェーン組付の作業性が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両搭載用のエンジン(内燃機関)などに適用されるタイミングチェーン機構に関する。
車両などに搭載されるエンジン(内燃機関)においては、クランクシャフトの回転力をタイミングチェーンにて吸気カムシャフト及び排気カムシャフトに伝達して、エンジンの動弁系を駆動するタイミングチェーン機構を備えている。タイミングチェーン機構の一例を図14に示す。
この例のタイミングチェーン機構305は、エンジン301のクランクシャフト311の一端に回転一体に取り付けられたクランクスプロケット351と、吸気カムシャフト312の一端に回転一体に取り付けられた吸気カムスプロケット352と、排気カムシャフト313の一端に回転一体に取り付けられた排気カムスプロケット353と、これらクランクスプロケット351及び各カムスプロケット352,353に巻き掛けられ、クランクスプロケット351の駆動回転により各カムスプロケット352,353を従動回転させるタイミングチェーン354とを備えている。
このようなタイミングチェーン機構305は、タイミングチェーン354を外側からガイドするチェーンダンパ355を備えており、また、タイミングチェーン354に所定の張力を付与するためのチェーンスリッパ356及びチェーンテンショナ357を備えている(例えば、特許文献1参照)。チェーンダンパ355はタイミングチェーン354に沿う形状に形成されており、その下端部及び上端部がそれぞれボルトBによってエンジン本体(シリンダブロック、シリンダヘッド)に締結されている。こうしたチェーンダンパとしては、例えば、タイミングチェーンの3方向(エンジンの気筒側、チェーンカバー側(エンジンに対し離反する側)、チェーン張り側)への動きを規制する部材を備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−207779号公報 欧州特許出願公開第0823543号明細書
タイミングチェーン機構のタイミングチェーンを収容(覆う)するタイミングチェーンケースは、従来、エンジンとは別体のものが用いられていたが、最近では、エンジン本体(シリンダヘッド・シリンダブロックなど)にタイミングチェーンケースを一体形成した構造のもの(以下、「チェーンケース一体型エンジン」ともいう)もある。
このようなチェーンケース一体型エンジンにタイミングチェーンを挿入して組み付ける場合、例えば、エンジン(シリンダブロック等)を倒立姿勢でチェーン組付(クランクスプロケットへのタイミングチェーンの巻き掛けなど)を行い、その後に、エンジンを倒立姿勢から正立姿勢へと反転させている。このように組付工程の途中でエンジンの姿勢反転を行うと、その反転時にタイミングチェーンが自重で落下する場合がある。また、タイミングチェーンがクランクスプロケットから脱落するおそれもある。こうしたタイミングチェーンの落下を防止するには、専用の治具等を用いてタイミングチェーンの姿勢を保持しておく必要がある。
なお、上記タイミングチェーンの3方向への動きを規制する部材を備えたチェーンダンパをチェーン組付に利用しても、エンジンの反転時にタイミングチェーンが落下するという不具合を解消することはできない。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、チェーンケース一体型エンジンにタイミングチェーンを組み付ける工程において、タイミングチェーンの落下を防止する機能を有するタイミングチェーン機構を提供することを目的とする。
本発明は、クランクスプロケットとカムスプロケットとの間に巻き掛けられるタイミングチェーンと、前記カムスプロケットとクランクスプロケットとの間において前記タイミングチェーンをガイドするチェーンダンパとを有するタイミングチェーン機構を前提としており、このようなタイミングチェーン機構において、前記チェーンダンパの前記カムスプロケット寄りの位置(例えばチェーンダンパの上部)に、タイミングチェーンを引っ掛けることが可能な引掛け部が設けられているとともに、当該チェーンダンパの前記クランクスプロケット側の端部(例えばチェーンダンパの下端部)に、前記タイミングチェーンの前記クランクスプロケットからの脱落を防止するための脱落防止部が設けられていることを技術的特徴としている。
本発明において、タイミングチェーンを組み付ける際には、まずはチェーンケース一体型のエンジン本体(シリンダブロック)を倒立姿勢にしておく。次に、タイミングチェーンをチェーンダンパ(倒立姿勢)の引掛け部に引っ掛けた状態で、タイミングチェーン及びチェーンダンパを、倒立姿勢のエンジン本体内(チェーン収容スペース内)に挿入し、クランクスプロケットにタイミングチェーンを巻き掛けるとともに、チェーンダンパをエンジン本体に組み付ける。そして、その後にエンジン本体を正立反転する。このとき(正立反転時)、タイミングチェーンは、チェーンダンパの上部(カムスプロケット寄り)に設けた引掛け部に引っ掛かっているので、タイミングチェーンが落下することはない。しかも、クランクスプロケットに巻き掛けられている部分のタイミングチェーンの落下が脱落防止部によって規制されるので、タイミングチェーンがクランクスプロケットから脱落することもなくなる。
このように、本発明によれば、チェーンケース一体型エンジンにタイミングチェーンを組み付けるにあたり、組付工程の途中でエンジン本体の姿勢反転を行った際に、その反転時にタイミングチェーンが落下することがなくなる。また、タイミングチェーンのクランクスプロケットからの脱落(チェーン外れ)も防止することができるので、チェーン組付の作業性が向上する。
ここで、チェーンダンパに設ける引掛け部は、チェーン組付の際にタイミングチェーンが外れ難い構造とする。具体的には、引掛け部が、タイミングチェーンを囲うように形成された引掛け片を有するとともに、当該引掛け部内(引掛け片の内側)にタイミングチェーンを挿入するための挿入口(タイミングチェーンが通過できる程度の隙間)を有し、その挿入口を通じて引掛け部内にタイミングチェーンを挿入して引っ掛けた状態で、チェーンダンパを倒立姿勢から正立姿勢の反転させた際に、タイミングチェーンが引掛け部から外れない構造とする。
本発明において、チェーンダンパに設ける脱落防止部の具体的な例として、クランクスプロケットの下側外周の一部を囲うように形成された底壁(アーチ状の底壁)と、この底壁から上方に向けて立ち上り、互いに所定の間隔を隔てて対向する一対の側壁とを備え、クランクスプロケットの下方側の一部を覆う構造の脱落防止部を挙げることができる。
このように脱落防止部を、クランクスプロケットの下方側の一部を覆う容器状の部材とすることにより、脱落防止部が潤滑油溜りとして機能するので、例えばチェーンジェットなどによる給油(チェーン潤滑)を不要もしくは軽減することができる。また、チェーンダンパをエンジン本体に組み付ける際に、脱落防止部をクランクシャフトやクランクスプロケットなどに引っ掛けることで仮組付が可能になるので、チェーンダンパの組付性も向上する。
本発明によれば、チェーンケース一体型エンジンにタイミングチェーンを組み付ける工程においてタイミングチェーンの落下を防止することができる。
本発明のタイミングチェーン機構の一例を示す正面図である。 図1のタイミングチェーン機構のクランクスプロケット及びチェーンダンパを示す部分断面正面図である。 チェーンダンパを正面側から見た斜視図(a)及び背面側から見た斜視図(b)を併記して示す図である。 図2のX−X断面図である。 図2のY−Y断面図である。 タイミングチェーン等の組付工程の説明図である。 タイミングチェーン等の組付工程の説明図である。 タイミングチェーン等の組付工程の説明図である。 タイミングチェーン等の組付工程の説明図である。 タイミングチェーン等の組付工程の説明図である。 タイミングチェーン等の組付工程の説明図である。 チェーンダンパに設けた脱落防止部の作用説明図である。 チェーンダンパの断面形状の変形例を示す図である。 従来のタイミングチェーン機構の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はタイミングチェーン機構の一例を示す正面図である。
まず、この例のタイミングチェーン機構1が装備されるエンジン101は、例えば直列型ガソリンエンジンであって、図1の二点鎖線で示すように、シリンダブロック102、シリンダヘッド103、ヘッドカバー130及びオイルパン104などを備えており、そのシリンダブロック102の上部にシリンダヘッド103が固定され、このシリンダヘッド103にヘッドカバー130が組み付けられる。また、シリンダブロック102の下部にオイルパン104が取り付けられる。なお、この例において、エンジン101のクランクシャフト111の軸方向(気筒配列方向)を前後方向とし、エンジン101のタイミングチェーン機構1が取り付けられる側を前側(フロント側)とする。
シリンダヘッド103には、吸気カムシャフト112と排気カムシャフト113とが配置されている。これら吸気カムシャフト112及び排気カムシャフト113は、図示しないカムハウジングによって支持されている。また、シリンダブロック102の下部には、クランクシャフト111が配置されている。そして、タイミングチェーン機構1(詳細は後述する)によって、クランクシャフト111の回転力が吸気カムシャフト112及び排気カムシャフト113に伝達され、動弁系を駆動するようになっている。
ここで、この例のエンジン101は、フロント側にタイミングチェーンケースが一体形成されたチェーンケース一体型エンジンであって、シリンダブロック102には、図11に示すように、筒状のチェーン収容スペース102aが形成されている。また同様に、シリンダヘッド103にもチェーン収容スペース(図示せず)が形成されている。
なお、シリンダブロック102には後述するチェーンダンパ2の取付用の雌ねじ穴102b(図6参照)、及び、チェーンスリッパ31の取付用の雌ねじ穴102c(図6参照)が設けられている。また、シリンダヘッド103にもチェーンダンパ2の取付用の雌ねじ穴103aが設けられている。
−タイミングチェーン機構−
次に、タイミングチェーン機構1について図1を参照して説明する。
この例のタイミングチェーン機構1は、クランクシャフト111の一端に回転一体に取り付けられたクランクスプロケット11、吸気カムシャフト112の一端に回転一体に取り付けられた吸気カムスプロケット12、排気カムシャフト113の一端に回転一体に取り付けられた排気カムスプロケット13、及び、これらクランクスプロケット11及び各カムスプロケット12,13に巻き掛けられ、クランクスプロケット11の駆動回転により各カムスプロケット12,13を従動回転させる無端状のタイミングチェーン14などを備えている。
なお、吸気カムシャフト112の端部に、吸気バルブの作動タイミング(開閉タイミング)を調整するVVT(Variable Valve Timing)機構を備えている場合、そのVVT機構の外周部に吸気カムスプロケット12が一体的に設けられる。また、排気カムシャフト113についても、同様に、排気バルブの作動タイミング(開閉タイミング)を調整するVVT機構を端部に備えている場合、そのVVT機構の外周部に排気カムスプロケット13が一体的に設けられる。
また、タイミングチェーン機構1は、チェーンダンパ(チェーンガイド)2及びチェーンテンショナ装置3を備えている。チェーンダンパ2はタイミングチェーン14の張り側(図1の右側)に配置されており、チェーンテンショナ装置3はタイミングチェーン14の弛み側(図1の左側)に配置されている。
チェーンダンパ2は、タイミングチェーン14の回転方向の上流側(張り側)つまり排気カムスプロケット13とクランクスプロケット11との間において、タイミングチェーン14の走行を外側から案内する部材である。このチェーンダンパ2の詳細は後述する。
チェーンテンショナ装置3は、タイミングチェーン14の回転方向の下流側(弛み側)の走行を外側から案内するチェーンスリッパ31、及び、チェーンテンショナ(例えば油圧アクチュエータ)32を備えている。チェーンスリッパ31は、タイミングチェーン14に沿う形状(略円弧状)に形成されている。また、チェーンスリッパ31の基端部(下端部)には取付穴31aが設けられており、この取付穴31aをシリンダブロック102の雌ねじ穴102cに合わせた状態で(図10参照)、ボルトB3を雌ねじ穴102cにねじ込むことによって、シリンダブロック102にチェーンスリッパ31を取り付けることができ、その取付状態でボルト102を中心としてチェーンスリッパ31が揺動自在に支持される。チェーンテンショナ32は、チェーンスリッパ31の上部外側に配置されており、チェーンスリッパ31をタイミングチェーン14に向けて押圧することによって、タイミングチェーン14に所定の張力を付与する。
−チェーンダンパ−
次に、チェーンダンパ2の詳細について図1〜図5を参照して説明する。
この例のチェーンダンパ2は、例えば樹脂成形品であって、タイミングチェーン14に沿う形状に形成されている。チェーンダンパ2には、タイミングチェーン14に対向する面に、当該チェーンダンパ2の長手方向に一様断面(断面形状矩形)で延びる凹溝2aが設けられている。この凹溝2aの溝幅は、タイミングチェーン14の幅よりも所定量だけ大きい寸法となっており、凹溝2aの内部にタイミングチェーン14が入り込むことができる。
チェーンダンパ2には、その上部と下部とにそれぞれ上部取付穴2bと下部取付穴2cとが設けられており、その下部取付穴2cを、シリンダブロック102に設けた雌ねじ穴102bに合わせた状態で(図8及び図9参照)、締結ボルトB2を雌ねじ穴102bにねじ込むことによりチェーンダンパ2の下部をシリンダブロック102に取り付けることができる。また、上部取付穴2bを、チェーンダンパ2のシリンダヘッド103に設けられた雌ねじ穴103aに合わせた状態で、締結ボルトB2をその雌ねじ穴にねじ込むことによりチェーンダンパ2の上部をシリンダヘッド103に取り付けることができる。
なお、これら上部取付穴2bと下部取付穴2cとの距離は、シリンダヘッド103のダンパ取付用の雌ねじ穴103aとシリンダブロック102のダンパ取付用の雌ねじ穴102b(図6〜図9参照)との距離と略等しくなるように設定されている。また、下部取付穴2cは、チェーンダンパ2の長手方向に沿って延びる長穴であり、チェーンダンパ2の下部がある程度の範囲内で移動可能となっている。
チェーンダンパ2の上端部には、フック部(引掛け部)21が一体形成されている。また、チェーンダンパ2の下端部には脱落防止部22が一体形成されている。
フック部21は、チェーンダンパ2の上端部(前縁)から横方向(タイミングチェーン14側)に向けてタイミングチェーン14を超える位置まで延びる前片(引掛け片)21aと、その前片21aの先端から奥側(エンジン101に向かう側)に向けてタイミングチェーン14を超える位置まで延びる側片(引掛け片)21bと、この側片21bの先端から上記前片21aと平行方向にチェーンダンパ2側に向けて突出する鉤片(引掛け片)21cとを備えている。
フック部21の鉤片21cの先端とチェーンダンパ2の上端部との間には、タイミングチェーン14が通過できる程度の挿入口(隙間)Sが設けられており、その挿入口Sを通じてタイミングチェーン14をフック部21内に挿入することにより、タイミングチェーン14をフック部21に引っ掛けることができる。また、フック部21を、タイミングチェーン14を囲うような形状とすることにより、フック部21内に挿入したタイミングチェーン14の3方向への動き、つまり、エンジン101の気筒側、タイミングチェーンケース側(エンジン101の前方側)及びチェーン張り側の3方向へのタイミングチェーン14の動きが規制される。さらに、フック部21の基部(この例ではチェーンダンパ2の上端部)によってチェーン弛み側へのタイミングチェーン14の動きが規制される。これにより、後述するチェーン組付工程において、フック部21にタイミングチェーン14を引っ掛けた状態で、チェーンダンパ2を倒立姿勢から正立姿勢の反転させた際に、タイミングチェーン14がフック部21から外れることはない。
脱落防止部22は、チェーンダンパ2の下端から横方向に延びるアーチ状(円弧状)の底壁22aと、その底壁22aの前縁及び後縁からそれぞれ上方に立ち上がる前側壁22b及び後側壁22cと、上記底壁22aの先端から上方に立ち上がる端部壁22dが一体形成されている。
底壁22aは、チェーンダンパ2の下端(タイミングチェーン14の張り側)からタイミングチェーン14の弛み側にまで亘って延びている。この底壁22aとタイミングチェーン14との間には所定量のクリアランスが設けられている(図2参照)。また、図4に示すように、前側壁22bと後側壁22cとは、クランクスプロケット11(タイミングチェーン14)の幅よりも大きな間隔を隔てて互いに対向しており、チェーンダンパ2を組み付けた状態で、底壁22a、前側壁22b、後側壁22c及び端部壁22dと、クランクスプロケット11(タイミングチェーン14)とが干渉しないようになっている。なお、図4には図示していないが、クランクスプロケット11はクランクシャフト111にキー、スナップリング等によって一体的に固定されている。
ここで、この例では、脱落防止部22の前側壁22b、後側壁22c及び端部壁22d等によって、クランクスプロケット11の下側の略1/3程度が覆われている。また、タイミングチェーン14の下端(クランクスプロケット11に巻き掛けられている部分の下端)と、脱落防止部22の底壁22aとのクリアランスは、タイミングチェーン14が底壁22a側(下側)にずれ落ちて底壁22aに当たった状態(図12参照)で、クランクスプロケット11の歯からタイミングチェーン14が抜けないような寸法に設定されている。
そして、このような脱落防止部22を設けておくことにより、後述するチェーン組付工程の途中でシリンダブロック102の姿勢反転を行った際に、図12に示すように、タイミングチェーン14が底壁22a側(下側)にずれ落ちても、そのチェーンずれ(落下)が底壁22aによって規制されるので、タイミングチェーン14がクランクスプロケット11から脱落することを阻止することができる。また、脱落防止部22は、クランクスプロケット11の下方側の一部を覆う容器状の部材であるので、タイミングチェーン14の潤滑油を溜める潤滑油溜りとしても機能する。なお、この例では、脱落防止部22が端部壁22dを備えているが、このような端部壁22dがなくても、脱落防止部に潤滑油溜りの機能をもたせることができる。
−タイミングチェーン等の組付手順−
次に、タイミングチェーン(チェーンダンパ2及びチェーンスリッパ31も含む)の組付手順について説明する。
(1)図6に示すように、シリンダブロック102を倒立させた姿勢で、クランクシャフト111にクランクスプロケット11を組み付ける。このとき、上述の如くクランクスプロケット11は、キー、スナップリング等を用いてクランクシャフト111に回転一体的に固定する。
(2)図7に示すように、無端状のタイミングチェーン14をチェーンダンパ2(倒立姿勢)のフック部21に引っ掛けた状態で、タイミングチェーン14及びチェーンダンパ2を手でもって倒立姿勢のシリンダブロック102の上方に配置し、チェーンダンパ2によってタイミングチェーン14をガイドしながら、タイミングチェーン14をシリンダブロック102のチェーン収容スペース102aに挿入する(図8)。このようにして挿入したチェーンダンパ2は、脱落防止部22をクランクシャフト111やクランクスプロケット11等に引っ掛けることにより仮組付しておく。
次に、クランクスプロケット11にタイミングチェーン14を巻き掛ける。このとき、クランクスプロケット11のタイミングマーク(図示せず)とタイミングチェーン14のタイミングマーク(図示せず)とのマーク合わせを行っておく。そして、図9に示すように、チェーンダンパ2の下部取付穴2cをシリンダブロック102の雌ねじ穴102bに合わせた状態で、ボルトB2を雌ねじ穴102bにねじ込むことによってチェーンダンパ2をシリンダブロック102に締結する。なお、このチェーンダンパ2の締結作業を行った後に、上記タイミングマークのマーク合わせを行うようにしてもよい。
(3)図10(a)及び(b)に示すように、倒立姿勢のシリンダブロック102のチェーン収容スペース102aにチェーンスリッパ31を倒立姿勢で挿入し、チェーンスリッパ31の取付穴31aをシリンダブロック102の雌ねじ穴102cに合わせた状態で、ボルトB3を雌ねじ穴102cにねじ込むことによってチェーンスリッパ31をシリンダブロック102に取り付ける。
(4)倒立姿勢のシリンダブロック102にオイルパン104を組み付けた後に、図11に示すように、シリンダブロック102を正立反転する。このとき(正立反転時)、タイミングチェーン14はチェーンダンパ2のフック部21に引っ掛かっているので、タイミングチェーン14が落下することがなく、図11に示すように、タイミングチェーン14の上側部分をシリンダブロック102の上方位置に保持することができる。さらに、図12に示すように、タイミングチェーン14の下側部分が脱落防止部22によって保持され、タイミングチェーン14のクランクスプロケット11からの脱落が阻止される。
この後、シリンダブロック102にシリンダヘッド103を組み付け、さらに、そのシリンダヘッド103に、吸気カムシャフト112及び排気カムシャフト113が搭載されたカムハウジング(図示せず)を組み付けるとともに、吸気カムスプロケット12及び排気カムスプロケット13にタイミングチェーン14を巻き掛ける。さらに、チェーンテンショナ32によりタイミングチェーン14に付与する張力を調整する。そして、最後に、ヘッドカバー130をシリンダヘッド103に組み付ける。
以上のように、この例によれば、チェーンダンパ2の上端部にフック部21を設けるとともに、チェーンダンパ2の下端部に脱落防止部22を設けているので、倒立姿勢のシリンダブロック102にタイミングチェーン14を挿入した後、シリンダブロック102を倒立姿勢から正立姿勢へと反転させるときに、タイミングチェーン14の落下及びクランクスプロケット11からの脱落(チェーン外れ)を防止することができるので、タイミングチェーン14の組み付けの作業性が向上する。また、タイミングチェーン14を組み付ける際に、チェーン姿勢を保持するための専用の治具を用いる必要がなくなる。
しかも、チェーンダンパ2を組み付けた状態で脱落防止部22が潤滑油溜りとして機能するので、例えばチェーンジェットなどによる給油(チェーン潤滑)を不要もしくは軽減することができる。また、上述したように、チェーンダンパ2を組み付ける際に、脱落防止部22をクランクシャフト111やクランクスプロケット11などに引っ掛けることで仮組付が可能になるので、チェーンダンパ2の組付性も向上する。
−他の実施形態−
以上の例では、チェーンダンパ2の断面形状を図5に示す形状としているが、これに限定されない。例えば図13(a)に示すようにチェーンダンパ201の断面形状を軽量化を図った形状としてもよい。また、図13(b)に示すように、ダンパ本体221とガイド部222とを別部材とし、それらダンパ本体221とガイド部材222とを一体化してチェーンダンパ202を構成するようにしてもよい。さらに、チェーンダンパの断面形状は他の任意の形状であってもよい。
以上の例では、フック部(引掛け部)をチェーンダンパの上端に設けているが、そのフック部を設ける位置はカムスプロケット寄りの位置であれば特に限定されない。
以上の例では、チェーンダンパを樹脂製としているが、金属製のチェーンダンパを備えたタイミングチェーン機構にも本発明は適用可能である。
以上の例では、エンジンの左側(フロント側から見て左側)に吸気カムスプロケットが配置され、右側に排気カムスプロケットが配置されたタイミングチェーンに本発明を適用した例を示しているが、その逆の形態つまりエンジンの右側に吸気カムスプロケットが配置され、左側に排気カムスプロケットが配置されたタイミングチェーン機構にも本発明は適用可能である。
以上の例では、ガソリンエンジンに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他のエンジンのタイミングチェーン機構にも適用可能である。
また、本発明は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に搭載されるエンジンのほか、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両、4輪駆動車に搭載されるエンジンのタイミングチェーン機構にも適用できる。
以上の例では、車両用の直列型エンジンに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、車両用V型エンジンのタイミングチェーン機構にも適用可能である。また、車両搭載用のエンジンに限られず、他の用途に使用されるエンジンのタイミングチェーン機構にも本発明は適用可能である。
本発明は、車両搭載用のエンジンなどに装備されるタイミングチェーン機構に利用することができる。
1 タイミングチェーン機構
11 クランクスプロケット
12 吸気カムスプロケット
13 排気カムスプロケット
14 タイミングチェーン
2 チェーンダンパ
21 フック部(引掛け部)
21a 前片
21b 側片
21c 鉤片
22 脱落防止部
22a 底壁
22b 前側壁
22c 後側壁
22d 端部壁
3 チェーンテンショナ装置
101 エンジン
111 クランクシャフト
112 吸気カムシャフト
113 排気カムシャフト
102 シリンダブロック
102a チェーン収容スペース

Claims (2)

  1. クランクスプロケットとカムスプロケットとの間に巻き掛けられるタイミングチェーンと、前記カムスプロケットとクランクスプロケットとの間において前記タイミングチェーンをガイドするチェーンダンパとを有するタイミングチェーン機構であって、
    前記チェーンダンパの前記カムスプロケット寄りの位置に、前記タイミングチェーンを引っ掛けることが可能な引掛け部が設けられているとともに、当該チェーンダンパの前記クランクスプロケット側の端部に、前記タイミングチェーンの前記クランクスプロケットからの脱落を防止するための脱落防止部が設けられていることを特徴とするタイミングチェーン機構。
  2. 請求項1記載のタイミングチェーン機構において、
    前記脱落防止部は、前記クランクスプロケットの下側外周の一部を囲うように形成された底壁と、この底壁から上方に立ち上り、互いに所定の間隔を隔てて対向する一対の側壁を備え、前記クランクスプロケットの下方側の一部を覆う構造であることを特徴とするタイミングチェーン機構。
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