JP2011238568A - リチウムイオン二次電池及び二次電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】負極活物質層の対向部から非対向部へのLiの移動(拡散)を抑制して、電池容量の低下を抑制可能なリチウムイオン二次電池、及び、このリチウムイオン二次電池を備える二次電池システムを提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池は、正極活物質層131を有する正極板130と、負極活物質層を有する負極板120と、正極板130と負極板120との間に介在するセパレータ150とを備える。負極活物質層は、セパレータ150を介して正極活物質層131と対向する対向部122と、セパレータ150を介して対向する正極活物質層131が存在しない非対向部123とからなる。負極活物質層の非対向部123には、予めLiが挿入されている。
【選択図】図6
【解決手段】リチウムイオン二次電池は、正極活物質層131を有する正極板130と、負極活物質層を有する負極板120と、正極板130と負極板120との間に介在するセパレータ150とを備える。負極活物質層は、セパレータ150を介して正極活物質層131と対向する対向部122と、セパレータ150を介して対向する正極活物質層131が存在しない非対向部123とからなる。負極活物質層の非対向部123には、予めLiが挿入されている。
【選択図】図6
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池、及び、リチウムイオン二次電池を備える二次電池システムに関する。
近年、ハイブリッド自動車やノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器の駆動用電源として、リチウムイオン二次電池が利用されている。
特許文献1には、負極板の活物質塗着部(負極活物質層)の幅を、正極板の活物質塗着部(正極活物質層)の幅よりも大きく設定した捲回型の極板群(電極体)を備えるリチウムイオン二次電池が開示されている。
特許文献1には、負極板の活物質塗着部(負極活物質層)の幅を、正極板の活物質塗着部(正極活物質層)の幅よりも大きく設定した捲回型の極板群(電極体)を備えるリチウムイオン二次電池が開示されている。
つまり、特許文献1のリチウムイオン二次電池では、負極活物質層は、セパレータを介して正極活物質層と対向する対向部と、この負極活物質層の幅方向両端側に位置し、セパレータを介して対向する正極活物質層が存在しない非対向部とを有している。
このリチウムイオン二次電池では、充電を行うと、正極活物質層(正極活物質)から放出されたLi(リチウムイオン)が、負極活物質層の対向部(対向部の負極活物質)に挿入される。一方、放電を行うと、負極活物質層の対向部(対向部の負極活物質)から放出されたLiが、正極活物質層(正極活物質)に挿入される。
このリチウムイオン二次電池では、充電を行うと、正極活物質層(正極活物質)から放出されたLi(リチウムイオン)が、負極活物質層の対向部(対向部の負極活物質)に挿入される。一方、放電を行うと、負極活物質層の対向部(対向部の負極活物質)から放出されたLiが、正極活物質層(正極活物質)に挿入される。
ところで、特許文献1のリチウムイオン二次電池のように、負極活物質層の非対向部を有するリチウムイオン二次電池では、充電時に正極活物質層から放出されたLi(リチウムイオン)の一部が、非対向部に挿入されることがあった。また、負極活物質層の対向部(対向部の負極活物質)に挿入されたLi(リチウム)の一部が、非対向部(非対向部の負極活物質)に移動(拡散)することもあった。
ところが、負極活物質層の非対向部は、対向する正極活物質層が存在しないので、放電の際、この非対向部からその内部にあるLiを放出させ難い。つまり、この非対向部は、負極活物質層でありながら、放電に関与し難い。このため、非対向部に挿入されたLiの分だけ、放電の際に負極活物質層から放出しうるLi量が減少してしまう、即ち、電池容量が低下してしまうことがあった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、負極活物質層の非対向部にLiが挿入されるのを抑制して、電池容量の低下を抑制することができるリチウムイオン二次電池、及び、このリチウムイオン二次電池を備える二次電池システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、正極集電板、及び、正極活物質を含み上記正極集電板上に配置された正極活物質層、を有する正極板と、負極集電板、及び、負極活物質を含み上記負極集電板上に配置された負極活物質層、を有する負極板と、上記正極板と上記負極板との間に介在するセパレータと、を備え、上記セパレータを介して、上記正極活物質層と上記負極活物質層とが対向するリチウムイオン二次電池であって、上記負極活物質層は、上記セパレータを介して、上記正極活物質層と対向する対向部と、上記セパレータを介して対向する上記正極活物質層が存在しない非対向部と、からなり、上記負極活物質層の上記非対向部には、予めLiが挿入されてなるリチウムイオン二次電池である。
上述のリチウムイオン二次電池では、負極活物質層の非対向部(非対向部の負極活物質)に、予めLiが挿入されている。負極活物質層の非対向部に予めLiを挿入しておくことで、充電時に正極活物質層から放出されたLi(リチウムイオン)は、非対向部に挿入されにくくなる。さらに、負極活物質層の対向部から非対向部へ、Liが移動(拡散)し難くなる。このため、上述のリチウムイオン二次電池では、負極活物質層の非対向部にLiが挿入されるのを抑制できるので、電池容量の低下を抑制することが可能となる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池であって、前記負極活物質層の前記非対向部には、前記リチウムイオン二次電池のSOCを100%〜130%の範囲内にしたときに前記対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、予めLiが挿入されてなるリチウムイオン二次電池とすると良い。
上述のリチウムイオン二次電池では、負極活物質層の非対向部に、リチウムイオン二次電池のSOC(State Of Charge)を100%〜130%の範囲内にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、予めLiが挿入されている。換言すれば、負極活物質層の非対向部のLi密度が、リチウムイオン二次電池のSOCの値を100%〜130%の範囲内の値にしたときの対向部内のLi密度と同等となるように、予め負極活物質層の非対向部(非対向部の負極活物質)にLiを挿入している。これにより、充電時に正極活物質層から放出されたLi(リチウムイオン)は、非対向部に挿入されにくくなる。さらに、負極活物質層の対向部から非対向部へ、Liが極めて移動(拡散)し難くなる。このため、上述のリチウムイオン二次電池では、より一層、電池容量の低下を抑制することが可能となる。
なお、SOC130%とは、SOC100%のリチウムイオン二次電池に対し、さらに、SOC30%分の電気量(電荷)を充電した充電状態である。従って、SOC100%〜130%の範囲とは、SOC100%のリチウムイオン二次電池に対し、さらに、SOC0〜30%分の電気量(電荷)を充電した充電状態の範囲である。
ところで、リチウムイオン二次電池では、例えば、低温環境下においてハイレート充電を行うと、負極板表面にLiが析出してしまうことがある。負極板表面に析出したLiの多くは、電池の充放電反応に寄与できなくなるので、このような充電を繰り返すと、電池容量が低減してゆくという問題があった。
これに対し、上述のリチウムイオン二次電池では、負極活物質層の非対向部に、リチウムイオン二次電池のSOCを100%〜130%の範囲内にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、予めLiが挿入されている。このようなリチウムイオン二次電池では、使用に伴うLi析出(詳細には、ハイレート充電による負極板表面へのLi析出)を抑制する(Li析出量を低減する)ことができる。従って、上述のリチウムイオン二次電池では、Li析出に起因する電池容量の低下をも抑制することができる。
その理由は、次のように考えられる。負極活物質層の非対向部にLiを挿入することで、充電時おける負極の電位曲線(SOCと負極電位との関係を表す曲線)をシフトさせることができる。特に、上記のLi密度(SOC100%〜130%相当)で負極活物質層の非対向部に予めLiを挿入することで、Li析出が生じにくい負極電位の範囲で電池を使用(充電)できるように、充電時おける負極の電位曲線をシフトさせることができ
る。このため、上述のリチウムイオン二次電池では、負極板表面へのLi析出を抑制する(Li析出量を低減する)ことができ、Li析出に起因する電池容量の低下をも抑制することができる。
る。このため、上述のリチウムイオン二次電池では、負極板表面へのLi析出を抑制する(Li析出量を低減する)ことができ、Li析出に起因する電池容量の低下をも抑制することができる。
本発明の他の態様は、上記いずれかのリチウムイオン二次電池と、上記リチウムイオン二次電池の制御を行う制御装置と、を備える二次電池システムであって、上記制御装置は、上記リチウムイオン二次電池の容量低下が検知された場合、前記負極活物質層の前記非対向部に挿入されているLiを、上記負極活物質層の前記対向部に供給する制御を行う二次電池システムである。
前述のように、リチウムイオン二次電池では、例えば、低温環境下においてハイレート充電を行うと、正極活物質層から放出されたLiの一部が、負極活物質層の対向部に挿入されずに、負極板表面にLiが析出してしまうことがある。負極板表面に析出したLiの多くは電池の充放電反応に寄与できなくなるので、このような充電を繰り返すと、電池容量が低減してゆくという問題があった。
これに対し、上述の二次電池システムでは、リチウムイオン二次電池の容量低下が検知された場合、制御装置が、負極活物質層の非対向部(非対向部の負極活物質)に挿入されているLiを、負極活物質層の対向部に供給する制御を行う。負極活物質層の対向部に供給されたLiは、充放電反応に寄与することができるので、上記のLi析出により低下した電池容量を回復させることができる。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
ハイブリッド車両1は、図1に示すように、車体2、エンジン3、フロントモータ4、リヤモータ5、二次電池システム6、及び、ケーブル7を有し、エンジン3とフロントモータ4及びリヤモータ5との併用で駆動するハイブリッド車両である。具体的には、このハイブリッド車両1は、二次電池システム6をフロントモータ4及びリヤモータ5の駆動用電源システムとして搭載し、エンジン3とフロントモータ4及びリヤモータ5とを用いて走行できるように構成されている。
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
ハイブリッド車両1は、図1に示すように、車体2、エンジン3、フロントモータ4、リヤモータ5、二次電池システム6、及び、ケーブル7を有し、エンジン3とフロントモータ4及びリヤモータ5との併用で駆動するハイブリッド車両である。具体的には、このハイブリッド車両1は、二次電池システム6をフロントモータ4及びリヤモータ5の駆動用電源システムとして搭載し、エンジン3とフロントモータ4及びリヤモータ5とを用いて走行できるように構成されている。
このうち、二次電池システム6は、ハイブリッド車両1の車体2に取り付けられており、ケーブル7によりフロントモータ4及びリヤモータ5に接続されている。この二次電
池システム6は、図2に示すように、複数のリチウムイオン二次電池100を互いに電気的に直列に接続した組電池10と、制御装置30と、電圧検知装置40と、電流検知装置50とを備えている。
池システム6は、図2に示すように、複数のリチウムイオン二次電池100を互いに電気的に直列に接続した組電池10と、制御装置30と、電圧検知装置40と、電流検知装置50とを備えている。
電流検知装置50は、組電池10を構成するリチウムイオン二次電池100を流れる電流値を検知する。また、電圧検知装置40は、組電池10を構成するリチウムイオン二次電池100の電池電圧を検知する。
制御装置30は、図示しないROM、CPU、RAM等を有し、組電池10を構成するリチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。この制御装置30は、例えば、ハイブリッド車両1の走行中、組電池10を構成するリチウムイオン二次電池100とインバータ(モータ)との間における電気のやりとりを制御する。
リチウムイオン二次電池100は、図3に示すように、電極体110と、これを収容する電池ケース180とを備える。電極体110は、正極板130、負極板120、及びセパレータ150を備えている。セパレータ150は、ポリエチレンからなり、正極板130と負極板120との間に介在して、これらを離間させている。このセパレータ150には、リチウムイオンを有する電解液160を含浸させている。
電池ケース180は、アルミニウムからなり、電池ケース本体181及び封口蓋182を有する。このうち、電池ケース本体181は、有底矩形箱形状をなしている。なお、電池ケース本体181と電極体110との間には、樹脂からなり、箱状に折り曲げた絶縁フィルム(図示しない)が介在させてある。
また、封口蓋182は、矩形板状であり、電池ケース本体181の開口を閉塞して、この電池ケース本体181に溶接されている。この封口蓋182には、矩形板状の安全弁197が封着されている。
また、電極体110の正極板130には、クランク状に屈曲した板状の正極集電部材191が溶接されている(図3参照)。さらに、負極板120には、クランク状に屈曲した板状の負極集電部材192が溶接されている。正極集電部材191及び負極集電部材192のうち、それぞれの先端に位置する正極端子部191A及び負極端子部192Aは、封口蓋182を貫通して蓋表面182Aから突出している。なお、正極端子部191Aと封口蓋182との間、及び、負極端子部192Aと封口蓋182との間には、それぞれ、電気絶縁性の樹脂からなる絶縁部材195を介在させている。
また、電解液160は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比でEC:EMC=3:7に調整した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、リチウムイオン濃度を1mol/lとした非水電解液である。
電極体110は、帯状の正極板130及び負極板120が、帯状のセパレータ150を介して扁平形状に捲回されてなる捲回型である(図3参照)。詳細には、長手方向DAに延びる帯状の正極板130、負極板120、及びセパレータ150を、長手方向DAに捲回して、捲回型の電極体110を形成している(図3〜図6参照)。なお、この電極体110では、セパレータ150を介して、正極板130の正極活物質層131と負極板120の負極活物質層121とが対向している(図6参照)。
正極板130は、図4に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、アルミニウム箔からなる正極集電板138と、この正極集電板138の両主面上に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの正極活物質層131,131とを有している。正極活物質層131は、ニッケル酸リチウムからなる正極活物質137と、アセチレンブラックからなる導電材(図示しない)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる結着材(図示しない)とを含んでいる。
また、負極板120は、図5に示すように、長手方向DAに延びる帯状で銅箔からなる負極集電板128と、この負極集電板128の両主面128F,128F上に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの負極活物質層121,121とを有している。負極活物質層121は、黒鉛(グラファイト)からなる負極活物質127、及び、PVDFからなる結着材(図示しない)を含んでいる。
この負極活物質層121は、図5及び図6(図5のA−A断面図)に示すように、セパレータ150を介して正極活物質層131と対向する対向部122と、セパレータ150を介して対向する正極活物質層131が存在しない非対向部123(次述する第1非対向部124及び第2非対向部125)とからなる。具体的には、負極活物質層121は、正極活物質層131に比べて大きな面積を有しており、非対向部123が対向部122の周囲に位置する形態となっている。
非対向部123は、負極活物質層121の長手方向DAの両端側に位置する2つの第2非対向部125,125と、負極活物質層121の幅方向DBの両端側にそれぞれ位置する2つの第1非対向部124,124とからなる。なお、負極活物質層121における非対向部123(第1非対向部124及び第2非対向部125)と対向部122との境界の位置は、負極板120、セパレータ150及び正極板130を捲回して電極体110を形成したときに決まる。また、図6では、参考として、電極体110を形成したときの正極板130及びセパレータ150の位置を、二点鎖線で示している。
ところで、従来、負極活物質層の非対向部を有するリチウムイオン二次電池では、充電時に正極活物質層から放出されたLi(リチウムイオン)の一部が、非対向部に挿入されることがあった。また、負極活物質層の対向部(対向部の負極活物質)に挿入されているLi(リチウムイオン)の一部が、非対向部(非対向部の負極活物質)に移動(拡散)することがあった。ところが、この非対向部は、対向する正極活物質層が存在しないので、放電の際、非対向部からその内部にあるLiを放出させ難い。つまり、非対向部は、負極活物質層でありながら、放電に関与し難い。このため、非対向部に挿入されたLiの分だけ、放電の際に負極活物質層から放出しうるLi量が減少して、電池容量が低下してしまうことがあった。
これに対し、本実施形態1のリチウムイオン二次電池100では、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に、予めLiが挿入されている。負極活物質層121の非対向部123に予めLiを挿入しておくことで、充電時に正極活物質層131から放出されたLi(リチウムイオン)は、非対向部123に挿入されにくくなる。さらに、負極活物質層121の対向部122から非対向部123へ、Li(リチウムイオン)が移動(拡散)し難くなる。このため、リチウムイオン二次電池100では、負極活物質層121の非対向部123へのLi(リチウムイオン)の挿入を抑制して、電池容量の低下を抑制することができる。
また、前述のように、リチウムイオン二次電池では、例えば、低温環境下においてハイレート充電を行うと、正極活物質層から放出されたLiの一部が、負極活物質層の対向部に挿入されずに、負極板表面にLiが析出してしまうことがあった。負極板表面に析出したLiの多くは電池の充放電反応に寄与できなくなるので、このような充電を繰り返すと、電池容量が低減してゆくという問題があった。
これに対し、本実施形態1の二次電池システム6では、リチウムイオン二次電池100の容量低下が検知された場合、制御装置30が、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に挿入させておいたLiを、負極活物質層121の対向部122に供給する制御を行う。負極活物質層121の対向部122に供給されたLiは、充放電反応に寄与することができるので、上記のLi析出により低下した電池容量を回復させることができる。
具体的には、制御装置30は、一定期間毎(例えば3ヶ月毎)に、リチウムイオン二次電池100の電池容量を検出する。例えば、リチウムイオン二次電池100をSOC100%(電池電圧4.1V)にまで充電し、その後、SOC0%(電池電圧3.0V)にまで放電したときの放電電気量を測定する。このときの放電電気量を、リチウムイオン二次電池100の電池容量として検出する。なお、放電電気量は、電流検知装置50により検出された電流値の積算により取得することができる。
さらに、制御装置30は、今回検出されたリチウムイオン二次電池100の電池容量と、前回(一定期間前に)検出された電池容量とを比較し、今回の電池容量が前回の電池容量を下回っているか否かを判断する。そして、今回の電池容量が前回の電池容量を下回っていると判断した場合、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に挿入させておいたLiを、負極活物質層121の対向部122に供給する制御を行う。
具体的には、例えば、制御装置30は、まず、リチウムイオン二次電池100を放電させて、リチウムイオン二次電池100のSOCを30%以下(電池電圧3.5V以下)にする。その後、ハイレートの充電(例えば、30Cの電流値で、5秒間充電)と、低レートの放電(例えば、3Cの電流値で、50秒間放電)とを1サイクルとして、サイクル充放電を所定回数(例えば、1000サイクル)行わせる。これにより、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に挿入させておいたLiを、負極活物質層121の対向部122に供給することができる。
なお、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に挿入させておいたLiを、負極活物質層121の対向部122に供給するためのサイクル充放電は、上記の充電レート及び放電レートに限定されるものではない。具体的には、充電レート(充電電流値)を放電レート(放電電流値)よりも大きくした充放電サイクルを行うことで、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に挿入させておいたLiを、負極活物質層121の対向部122に供給することができる。
また、1Cは、定格容量値(公称容量値)の容量を有する電池を定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値である。例えば、リチウムイオン二次電池100の定格容量(公称容量)が5.0Ahである場合は、1C=5.0Aとなる。
また、SOCは、State Of Charge(充電状態、充電率)の略である。
また、SOCは、State Of Charge(充電状態、充電率)の略である。
また、リチウムイオン二次電池100を放電させて、リチウムイオン二次電池100の電池電圧を、SOC0%のときの電池電圧値(電池電圧3.0V)よりも小さく(例えば2.5V)し、この状態でリチウムイオン二次電池100を放置する処理を、2〜3回繰り返すことによっても、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に挿入させておいたLiを、負極活物質層121の対向部122に供給することができる。この場合、リチウムイオン二次電池100の温度を45℃以上に保つことが好ましい。
次に、リチウムイオン二次電池100の製造方法について説明する。
まず、負極集電板128の両主面128F上に負極活物質層121を形成した負極板120を用意する(図5参照)。また、正極集電板138の両主面上に正極活物質層131を形成した正極板130を用意する(図4参照)。その後、負極板120と正極板130との間に、セパレータ150を介在させて捲回し、電極体110を形成する。なお、負極板120の負極活物質層121における対向部122に、セパレータ150を介して正極板130の正極活物質層131が対向するように、セパレータ150、負極板120、セパレータ150、正極板130の順に重ねて捲回する(図6参照)。
まず、負極集電板128の両主面128F上に負極活物質層121を形成した負極板120を用意する(図5参照)。また、正極集電板138の両主面上に正極活物質層131を形成した正極板130を用意する(図4参照)。その後、負極板120と正極板130との間に、セパレータ150を介在させて捲回し、電極体110を形成する。なお、負極板120の負極活物質層121における対向部122に、セパレータ150を介して正極板130の正極活物質層131が対向するように、セパレータ150、負極板120、セパレータ150、正極板130の順に重ねて捲回する(図6参照)。
その後、負極板120(負極集電板128)に負極集電部材192を溶接し、正極板130(正極集電板138)に正極集電部材191を溶接する。次いで、負極集電部材192及び正極集電部材191を溶接した電極体110を、電池ケース本体181内に挿入した後、前述した電解液160を注入する。その後、封口蓋182で電池ケース本体181の開口を閉塞した状態で、封口蓋182と電池ケース本体181とを溶接し、リチウムイオン二次電池の組立を完了する。
次いで、上述のようにして組み立てたリチウムイオン二次電池について初期充電等を行った後、非対向部へのLi挿入工程(負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)にLiを挿入する工程)を行う。具体的には、まず、リチウムイオン二次電池のSOCを60%に調整する。その後、ハイレートの放電(例えば、30Cの電流値で、5秒間放電)と、低レートの充電(例えば、3Cの電流値で、50秒間充電)とを1サイクルとして、サイクル充放電を所定回数(例えば、1000サイクル)行う。
これにより、負極活物質層121の対向部122(対向部122の負極活物質127)に挿入されているLiの一部を、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)に移動させることができる。従って、負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)にLiを挿入することができる。
以上のようにして、本実施形態1のリチウムイオン二次電池100を得ることができる。
以上のようにして、本実施形態1のリチウムイオン二次電池100を得ることができる。
なお、負極活物質層121の非対向部123にLiを挿入するためのサイクル充放電は、上記の充電レート及び放電レートに限定されるものではない。具体的には、放電レート(放電電流値)を充電レート(充電電流値)よりも大きくした充放電サイクルを行うことで、負極活物質層121の対向部122に挿入されているLiの一部を、負極活物質層121の非対向部123に移動(非対向部123の負極活物質127に挿入)させることができる。
ここで、非対向部へのLi挿入工程における充放電サイクル数と非対向部のLi密度との関係を調査した実験について説明する。
まず、非対向部へのLi挿入工程における充放電サイクル数を異ならせて、多数のリチウムイオン二次電池(以下、サンプル電池ともいう)を製造した。なお、非対向部へのLi挿入工程では、まず、リチウムイオン二次電池のSOCを60%に調整する。その後、ハイレートの放電(30Cの電流値で、5秒間放電)と、低レートの充電(3Cの電流値で、50秒間充電)とを1サイクルとして、充放電サイクルを行っている。
まず、非対向部へのLi挿入工程における充放電サイクル数を異ならせて、多数のリチウムイオン二次電池(以下、サンプル電池ともいう)を製造した。なお、非対向部へのLi挿入工程では、まず、リチウムイオン二次電池のSOCを60%に調整する。その後、ハイレートの放電(30Cの電流値で、5秒間放電)と、低レートの充電(3Cの電流値で、50秒間充電)とを1サイクルとして、充放電サイクルを行っている。
その後、それぞれのサンプル電池を分解して、公知の分析手法により、非対向部のLi密度を測定した。その後、公知の分析手法により予め取得しておいたリチウムイオン二次電池(サンプル電池と同等品)のSOCと対向部のLi密度との関係図に基づいて、各サンプル電池の非対向部のLi密度が、リチウムイオン二次電池のSOCが何%であるときの対向部のLi密度に相当するのかを確認した。
その結果の一部について説明する。例えば、非対向部へのLi挿入工程において充放電サイクルを2300サイクル行ったサンプル電池(これをサンプル電池Aとする)にかかる非対向部のLi密度が、リチウムイオン二次電池(サンプル電池Aと同等品)のSOCを100%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度となった。この結果より、非対向部へのLi挿入工程において充放電サイクルを2300サイクル行うことで、リチウムイオン二次電池のSOCを100%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、負極活物質層の非対向部にLiを挿入できることがわかった。
また、非対向部へのLi挿入工程において充放電サイクルを3000サイクル行ったサンプル電池(これをサンプル電池Bとする)にかかる非対向部のLi密度が、リチウムイオン二次電池(サンプル電池Bと同等品)のSOCを120%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度となった。この結果より、非対向部へのLi挿入工程において充放電サイクルを3000サイクル行うことで、リチウムイオン二次電池のSOCを120%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、負極活物質層の非対向部にLiを挿入できることがわかった。
また、非対向部へのLi挿入工程において充放電サイクルを3300サイクル行ったサンプル電池(これをサンプル電池Cとする)にかかる非対向部のLi密度が、リチウムイオン二次電池(サンプル電池Cと同等品)のSOCを130%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度となった。この結果より、非対向部へのLi挿入工程において充放電サイクルを3300サイクル行うことで、リチウムイオン二次電池のSOCを130%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、負極活物質層の非対向部にLiを挿入できることがわかった。
これらの他多数の実験結果より、図7に示すような、非対向部へのLi挿入工程における充放電サイクル数と非対向部のLi密度との関係を得た。図7に示すように、サイクル充放電のサイクル数を増加させるにしたがって、非対向部123に挿入されるLi量(Li密度)を増加させることができる。従って、非対向部へのLi挿入工程におけるサイクル充放電のサイクル数は、図7に基づいて、負極活物質層121の非対向部123に挿入するLi量(目標とする非対向部123のLi密度)に応じて、適宜決定するようにすれば良い。
また、負極活物質層121の非対向部123にLiを挿入する方法(非対向部へのLi挿入工程)は、上述のようなサイクル充放電に限定されるものではない。例えば、リチウムイオン二次電池について初期充電等を行った後、リチウムイオン二次電池のSOCを所定値(例えば、80%)に調整する。その後、このリチウムイオン二次電池を、所定期間(例えば、30日)、所定温度で保存(放置)する。これにより、負極活物質層121の対向部122に挿入されているLiの一部を、負極活物質層121の非対向部123に移動(非対向部123の負極活物質127に挿入)させることができる。
なお、保存(放置)後の非対向部123のLi密度は、保存(放置)する際に所定のSOCに調整したリチウムイオン二次電池の対向部内に存在するLiの密度とほぼ同等にすることが可能である。例えば、SOCを80%に調整したリチウムイオン二次電池を、25℃で30日間保存(放置)することで、非対向部123のLi密度を、リチウムイオン二次電池のSOCが80%のときに対向部内に存在するLiの密度とほぼ同等にすることができる。
(実施形態2)
本実施形態2の電池システム206は、実施形態1の二次電池システム6において、リチウムイオン二次電池100に代えてリチウムイオン二次電池200を用いたものである(図2参照)。本実施形態2のリチウムイオン二次電池200は、実施形態1のリチウムイオン二次電池100について、特に、負極活物質層121の非対向部123に予め挿入するLi量(Li密度)を限定したものであり、その他については実施形態1のリチウムイオン二次電池100と同様である。
本実施形態2の電池システム206は、実施形態1の二次電池システム6において、リチウムイオン二次電池100に代えてリチウムイオン二次電池200を用いたものである(図2参照)。本実施形態2のリチウムイオン二次電池200は、実施形態1のリチウムイオン二次電池100について、特に、負極活物質層121の非対向部123に予め挿入するLi量(Li密度)を限定したものであり、その他については実施形態1のリチウムイオン二次電池100と同様である。
本実施形態2のリチウムイオン二次電池200では、負極活物質層121の非対向部123に、リチウムイオン二次電池200のSOCを100%〜130%の範囲内(詳細には、SOC120%)にしたときに対向部122内に存在するLiの密度と同等の密度で、予めLiが挿入されている。換言すれば、負極活物質層121の非対向部123のLi密度が、リチウムイオン二次電池200のSOCの値を100%〜130%の範囲内の値(詳細には、SOC120%)にしたときの対向部122内のLi密度と同等となるように、予め負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)にLiを挿入している。
これにより、リチウムイオン二次電池200の充電時に正極活物質層131から放出されたLi(リチウムイオン)が、より一層、非対向部123に挿入されにくくなる。さらに、負極活物質層121の対向部122から非対向部123へ、Liが極めて移動(拡散)し難くなる。このため、本実施形態2のリチウムイオン二次電池200では、より一層、電池容量の低下を抑制することができる。
前述のように、リチウムイオン二次電池では、例えば、低温環境下においてハイレート充電を行うと、負極板表面にLiが析出してしまうことがある。負極板表面に析出したLiの多くは、電池の充放電反応に寄与できなくなるので、このような充電を繰り返すと、電池容量が低減してゆくという問題があった。
これに対し、本実施形態2のリチウムイオン二次電池200では、負極活物質層121の非対向部123に、リチウムイオン二次電池200のSOCを100%〜130%の範囲内(詳細には、SOC120%)にしたときに対向部122内に存在するLiの密度と同等の密度で、予めLiが挿入されている。なお、SOC120%とは、SOC100%のリチウムイオン二次電池200に対し、さらに、SOC20%分(SOC20%相当)の電気量(電荷)を充電した充電状態である。
このようなリチウムイオン二次電池200では、使用に伴うLi析出(詳細には、ハイレート充電による負極板表面へのLi析出)を抑制する(Li析出量を低減する)ことができる。従って、本実施形態2のリチウムイオン二次電池200では、Li析出に起因する電池容量の低下をも抑制することができる。
その理由は、次のように考えている。Liを負極活物質層121の非対向部122に挿入することで、充電時おける負極の電位曲線(SOCと負極電位との関係を表す曲線)をシフトさせることができる。特に、上記のような密度(SOC100%〜130%のときの対向部内のLi密度と同等)でLiを負極活物質層121の非対向部123に挿入することで、Li析出が生じにくい負極電位の範囲で電池を使用(充電)できるように、充電時おける負極の電位曲線をシフトさせることができる。このため、本実施形態2のリチウムイオン二次電池200では、負極板表面へのLi析出を抑制する(Li析出量を低減する)ことができ、Li析出に起因する電池容量の低下をも抑制することができる。
ここで、図8及び図9を参照して、具体的に説明する。図8は、非対向部へのLi挿入工程を行っていないリチウムイオン二次電池(非対向部へのLi挿入工程を行っていないことを除いて、リチウムイオン二次電池200と同等の電池)にかかる電位曲線の概略図である。一方、図9は、実施形態2のリチウムイオン二次電池200にかかる電位曲線の概略図である。なお、図8及び図9では、Liに対する負極の電位曲線とLiに対する正極の電位曲線とを示している。また、図8及び図9の横軸のSOC(%)は、リチウムイオン二次電池のSOCである。
図8及び図9に示す負極電位曲線において、点Fから点Gまでの範囲が、Li析出が生じにくい負極電位の変動範囲である。本実施形態2の電池システム206では、制御装置30は、ハイブリッド車両1の走行中、リチウムイオン二次電池200のSOCが、40%〜90%の範囲内で推移するように、リチウムイオン二次電池200の充放電を制御する。このように制御されるリチウムイオン二次電池200のSOC範囲を、図8及び図9では、「使用SOC範囲」として示している。
図8に示すように、非対向部へのLi挿入工程を行っていないリチウムイオン二次電池では、使用SOC範囲の一部範囲(使用SOC範囲の約1/4の範囲)においてのみ、Li析出が生じにくい負極電位の変動範囲(点Fから点Gまでの範囲)が存在する。
一方、本実施形態2のリチウムイオン二次電池200(後述する非対向部へのLi挿入工程を行った電池)では、図9に示すように、使用SOC範囲の全範囲において、Li析出が生じにくい負極電位の変動範囲(点Fから点Gまでの範囲)が存在する。このように、リチウムイオン二次電池200のSOCを100%〜130%の範囲内(詳細には、SOC120%)にしたときに対向部122内に存在するLiの密度と同等の密度で、負極活物質層121の非対向部123に予めLiを挿入することで、Li析出が生じにくい負極電位の範囲で電池を使用(充電)できるように、充電時おける負極の電位曲線をシフトさせることができる。
従って、本実施形態2のリチウムイオン二次電池200では、使用に伴うLi析出(詳細には、ハイレート充電による負極板表面へのLi析出)を抑制する(Li析出量を低減する)ことができるので、Li析出に起因する電池容量の低下を抑制することができる。
次に、リチウムイオン二次電池200の製造方法について説明する。
まず、実施例1と同様にして、電極体110を形成する。その後、負極板120(負極集電板128)に負極集電部材192を溶接し、正極板130(正極集電板138)に正極集電部材191を溶接する。次いで、負極集電部材192及び正極集電部材191を溶接した電極体110を、電池ケース本体181内に挿入した後、前述した電解液160を注入する。その後、封口蓋182で電池ケース本体181の開口を閉塞した状態で、封口蓋182と電池ケース本体181とを溶接し、リチウムイオン二次電池の組立を完了する。
まず、実施例1と同様にして、電極体110を形成する。その後、負極板120(負極集電板128)に負極集電部材192を溶接し、正極板130(正極集電板138)に正極集電部材191を溶接する。次いで、負極集電部材192及び正極集電部材191を溶接した電極体110を、電池ケース本体181内に挿入した後、前述した電解液160を注入する。その後、封口蓋182で電池ケース本体181の開口を閉塞した状態で、封口蓋182と電池ケース本体181とを溶接し、リチウムイオン二次電池の組立を完了する。
次いで、上述のようにして組み立てたリチウムイオン二次電池について初期充電等を行った後、非対向部へのLi挿入工程(負極活物質層121の非対向部123(非対向部123の負極活物質127)にLiを挿入する工程)を行う。具体的には、まず、リチウムイオン二次電池のSOCを60%に調整する。その後、ハイレートの放電(30Cの電流値で、5秒間放電)と、低レートの充電(3Cの電流値で、50秒間充電)とを1サイクルとして、サイクル充放電を所定回数(具体的には、3000サイクル)行う。これにより、リチウムイオン二次電池200のSOCを120%にしたときに対向部122内に存在するLiの密度と同等の密度で、負極活物質層121の非対向部123にLiを挿入することができる。以上のようにして、本実施形態2のリチウムイオン二次電池200を得ることができる。
次に、リチウムイオン二次電池について、負極表面へのLi析出の抑制効果について検証した。
まず、非対向部へのLi挿入工程において、上述の充放電サイクルを2300サイクル行って、サンプル電池Aを得た。このサンプル電池Aでは、非対向部のLi密度が、電池(サンプル電池Aと同等品)のSOCを100%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等となる。
まず、非対向部へのLi挿入工程において、上述の充放電サイクルを2300サイクル行って、サンプル電池Aを得た。このサンプル電池Aでは、非対向部のLi密度が、電池(サンプル電池Aと同等品)のSOCを100%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等となる。
また、非対向部へのLi挿入工程において、上述の充放電サイクルを3000サイクル行って、サンプル電池Bを得た。このサンプル電池Bでは、非対向部のLi密度が、電池(サンプル電池Bと同等品)のSOCを120%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等となる。
また、非対向部へのLi挿入工程において、上述の充放電サイクルを3300サイクル行って、サンプル電池Cを得た。このサンプル電池Cでは、非対向部のLi密度が、電池(サンプル電池Bと同等品)のSOCを130%にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等となる。
次に、サンプル電池A〜Cについて、SOC40%〜90%の範囲(前述の使用SOC範囲)で充放電(充電をハイレートとし、放電を低レートにした充放電)を繰り返し行う、サイクル充放電試験を行った。また、比較例として、非対向部へのLi挿入工程を行っていないリチウムイオン二次電池(比較サンプル電池とする)を用意し、この比較サンプル電池についても、同様のサイクル充放電試験を行った。
その後、各電池を分解して、負極表面へのLiの析出の有無を確認した。その結果、比較サンプル電池では、負極表面に析出している金属Liが検出された(析出Liあり)が、サンプル電池A〜Cでは、負極表面に析出した金属Liは検出されなかった(析出Liなし)。
これらの結果より、負極活物質層の非対向部に、リチウムイオン二次電池のSOCを100%〜130%の範囲内にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、予めLiを挿入させたリチウムイオン二次電池では、使用に伴うLi析出(詳細には、ハイレート充電による負極板表面へのLi析出)を抑制することができ、Li析出に起因する電池容量の低下を抑制することができるといえる。
ここで、サンプル電池Aにかかる電位曲線の概略図を図10に示す。また、サンプル電池Cにかかる電位曲線の概略図を図11に示す。なお、図10及び図11では、図9と同様に、Liに対する負極の電位曲線とLiに対する正極の電位曲線とを示しており、横軸のSOC(%)は、リチウムイオン二次電池(各サンプル電池)のSOCである。図10及び図11に示すように、サンプル電池A,Cでも、サンプル電池B(図9)と同様に、使用SOC範囲の全範囲において、Li析出が生じにくい負極電位の変動範囲(点Fから点Gまでの範囲)が存在する。図8〜図11を参照することで、リチウムイオン二次電池のSOCを100%〜130%の範囲内にしたときに対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、負極活物質層の非対向部に予めLiを挿入することで、Li析出が生じにくい負極電位の範囲で電池を使用(充電)できるように、充電時おける負極の電位曲線をシフトさせることができることがわかる。
以上において、本発明を実施形態1,2に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
6,206 二次電池システム
30 制御装置
100,200 リチウムイオン二次電池
120 負極板
121 負極活物質層
122 対向部
123 非対向部
127 負極活物質
128 負極集電板
130 正極板
131 正極活物質層
137 正極活物質
138 正極集電板
150 セパレータ
30 制御装置
100,200 リチウムイオン二次電池
120 負極板
121 負極活物質層
122 対向部
123 非対向部
127 負極活物質
128 負極集電板
130 正極板
131 正極活物質層
137 正極活物質
138 正極集電板
150 セパレータ
Claims (3)
- 正極集電板、及び、正極活物質を含み上記正極集電板上に配置された正極活物質層、を有する正極板と、
負極集電板、及び、負極活物質を含み上記負極集電板上に配置された負極活物質層、を有する負極板と、
上記正極板と上記負極板との間に介在するセパレータと、を備え、
上記セパレータを介して、上記正極活物質層と上記負極活物質層とが対向する
リチウムイオン二次電池であって、
上記負極活物質層は、
上記セパレータを介して、上記正極活物質層と対向する対向部と、
上記セパレータを介して対向する上記正極活物質層が存在しない非対向部と、からなり、
上記負極活物質層の上記非対向部には、予めLiが挿入されてなる
リチウムイオン二次電池。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池であって、
前記負極活物質層の前記非対向部には、前記リチウムイオン二次電池のSOCを100%〜130%の範囲内にしたときに前記対向部内に存在するLiの密度と同等の密度で、予めLiが挿入されてなる
リチウムイオン二次電池。 - 請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン二次電池と、
上記リチウムイオン二次電池の制御を行う制御装置と、を備える
二次電池システムであって、
上記制御装置は、
上記リチウムイオン二次電池の容量低下が検知された場合、前記負極活物質層の前記非対向部に挿入されているLiを、上記負極活物質層の前記対向部に供給する制御を行う
二次電池システム。
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| JP2010111473A JP2011238568A (ja) | 2010-05-13 | 2010-05-13 | リチウムイオン二次電池及び二次電池システム |
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|---|---|
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- 2010-05-13 JP JP2010111473A patent/JP2011238568A/ja not_active Withdrawn
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| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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