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JP2018006289A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

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JP2018006289A JP2016135922A JP2016135922A JP2018006289A JP 2018006289 A JP2018006289 A JP 2018006289A JP 2016135922 A JP2016135922 A JP 2016135922A JP 2016135922 A JP2016135922 A JP 2016135922A JP 2018006289 A JP2018006289 A JP 2018006289A
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Kazuhisa Takeda
和久 武田
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Abstract

【課題】リチウム析出耐性が向上した非水電解質二次電池を提供すること。【解決手段】負極活物質層は、正極活物質層と対向している中央部領域、および正極活物質層と対向していない端部領域を含む。負極活物質層は、第1負極活物質および第2負極活物質を含有する。第1負極活物質は、黒鉛を含み、かつ第1充放電電位域(p1)を有する。第2負極活物質は、第1充放電電位域(p1)よりも高い第2充放電電位域(p2)を有する。端部領域は、第2負極活物質の含有率が中央部領域よりも高い。【選択図】図9

Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
特開2015−170449号公報(特許文献1)は、負極活物質層が、正極活物質層と対向している中央部領域、および正極活物質層と対向していない端部領域を含む構成を開示している。
特開2015−170449号公報 特開2014−143152号公報
黒鉛を負極活物質として用い、リチウム金属複合酸化物を正極活物質として用いる非水電解質二次電池が実用化されている。この非水電解質二次電池では、電荷担体であるリチウム(Li)イオンが、当初、正極活物質に格納されている。
一般に非水電解質二次電池の活物質は粒子である。活物質は、バインダ等と共に、集電箔に塗着され、活物質層を構成する。電池内において、負極活物質層および正極活物質層は、互いに対向するように配置される。
充電時、正極活物質層から放出されたリチウム(Li)イオンは、負極活物質層によって全て吸蔵される必要がある。負極活物質層に吸蔵されないLiイオンは、金属Liとして析出する可能性があるためである。金属Liが析出すると、たとえば、充放電効率が低下することになる。
正極活物質層から放出されたLiイオンが、負極活物質層に全て吸蔵されるために、正極活物質層は、全域に亘って負極活物質層と対向している必要がある。負極活物質層の面積が、正極活物質層の面積と等しい場合、両層の位置が僅かでもずれると、正極活物質層に負極活物質層と対向していない領域が生じてしまう。そのため、負極活物質層は、正極活物質層よりも広い面積を有するように構成される。この電極構成では、負極活物質層が、正極活物質層と対向している中央部領域、および正極活物質層と対向していない端部領域を含むことになる。
今回、上記の電極構成において新たな課題が見出された。すなわち、負極活物質層の中央部領域と、端部領域との境界付近において、局所的に金属Liが析出しやすくなっていることが見出された。電池が高温保存されると、その傾向はいっそう顕著である。この局所的なLi析出は、以下のようなメカニズムにより発生すると推定される。
図3は、Li析出のメカニズムを説明する図である。図3には、XZ平面の断面が示されている。図3のX軸方向は、負極活物質層12および正極活物質層22の幅方向に相当する。図3のZ軸方向は、負極活物質層12と正極活物質層22との積層方向に相当する。負極活物質層12の端部領域2は、正極活物質層22と対向していない。そのため、端部領域2が、正極活物質層22から直接Liイオンを受け取ることはない(すなわち端部領域2は、直接充電されない)。しかし、中央部領域1に吸蔵されたLiイオンが、端部領域2に拡散することがある。端部領域2は、中央部領域1と同様に電解液を含む。したがって、端部領域2と中央部領域1とは液絡状態にある。中央部領域1が正極活物質層22からLiイオンを受け取ると(すなわち充電されると)、充電されない端部領域2と、中央部領域1との間に電位差が生じる。
高温保存時、熱および電位差を駆動力として、中央部領域1のLiイオンが、端部領域2に拡散する。端部領域2に拡散したLiイオンの一部は、裏側の端部領域2へとさらに拡散する。裏側の端部領域2に拡散したLiイオンは、電池ケース内に存在する酸素(O2)、あるいは電解液と反応する。このようにして、Liイオンが失われることにより、中央部領域1は実質的に放電される。これにより、中央部領域1のうち、端部領域2と隣接する領域では、局所的に電位が上昇する。しかしこのとき、負極活物質層12全体と、正極活物質層22全体との電位差(すなわち電池電圧)は、略一定に保たれる。したがって、負極活物質層12の電位が局所的に上昇するにつれて、これと対向している正極活物質層22の電位も局所的に上昇することになる。
図3では、正極活物質層22がセパレータ30から離れて図示されている。しかし実際は、正極活物質層22はセパレータ30と接触している。正極活物質層22の電位が上昇すると、セパレータ30が正極活物質層22により酸化される。セパレータ30が酸化された部分には、目詰まり41が生じる。目詰まり41は、Liイオンの透過を阻害する。
さらに、正極活物質層22の電位が上昇すると、正極活物質であるリチウム金属複合酸化物から、金属(M)が溶出する。溶出した金属イオン(M+)は、電気泳動により負極活物質層12へと移動し、負極活物質層12の表面に析出する。これにより金属膜42が形成される。
この状態で、電池が放電されると、端部領域2周辺のLiイオンは、金属膜42および目詰まり41によって遮断されるため、放電されない。すなわち、このLiイオンは、正極側に戻れない。これにより、端部領域2の電位上昇が促進される。
電池が充電されると、正極活物質層22から移動してきたLiイオンが、負極活物質層12の表面で金属膜42に遮断される。そのため、Liイオンは負極活物質層12に到達することができない。金属膜42に遮断されたLiイオンは、金属膜42の表面に、金属Li43として析出することになる。
以上のメカニズムにより、電池が高温保存された後、中央部領域1と端部領域2との境界付近では、金属Liが析出しやすくなっていると推定される。
ここで、電池ケース内に酸素が存在しない場合、酸素とLiイオンとの反応が起こらないため、Li析出が抑制されるとも考えられる。しかし、電池ケース内が無酸素雰囲気となるためには、不活性ガス(たとえば、アルゴン(Ar)ガス等)により、電池ケース内が置換される必要がある。これには、製造コストの大幅な増加を余儀なくされる。
また前述のように、正極活物質層22と対向していない端部領域2を除去することも考えられるが、電極の位置合わせを考慮すると、およそ現実的ではない。
そこで、本開示は、Li析出耐性が向上した非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本開示の非水電解質二次電池は、負極活物質層および正極活物質層を備える。
負極活物質層は、正極活物質層よりも広い面積を有する。正極活物質層は、全域に亘って負極活物質層と対向している。負極活物質層は、正極活物質層と対向している中央部領域、および正極活物質層と対向していない端部領域を含む。
正極活物質層は、リチウム金属複合酸化物を含有する。負極活物質層は、第1負極活物質および第2負極活物質を含有する。第1負極活物質は、黒鉛を含み、かつ第1充放電電位域を有する。第2負極活物質は、第1充放電電位域よりも高い第2充放電電位域を有する。端部領域は、第2負極活物質の含有率が中央部領域よりも高い。
本開示の負極活物質層は、第1負極活物質(黒鉛)および第2負極活物質(高電位活物質)を含有する。図8は、黒鉛単独の充電プロファイルを示すグラフである。グラフ中の曲線は、黒鉛単独の容量−電位曲線である。放電時は、グラフ中の矢印に沿って電位が上昇すると考えてよい。黒鉛は、0.2V(vs.Li/Li+)以下に、電位が平坦な領域、すなわち第1充放電電位域(p1)を有している。第1充放電電位域(p1)は、広い範囲に亘っている。しかし放電末期では、電位が急激に上昇する。そのため、負極活物質層が黒鉛を単独で含有する場合、中央部領域から端部領域へLiイオンが拡散した際に、中央部領域と端部領域との境界付近で、電位が急激に上昇することになる。
図9は、黒鉛と高電位活物質との混合負極の充電プロファイルを示すグラフである。グラフ中の曲線は、混合負極の容量−電位曲線である。高電位活物質は、黒鉛の第1充放電電位域(p1)よりも高い第2充放電電位域(p2)を有する。そのため、曲線は、放電末期に、高電位活物質に由来する充放電電位域(p2)を有する。負極活物質層が、この混合負極を含有する場合、中央部領域から端部領域へLiイオンが拡散した際に、第2充放電電位域(p2)がバッファとなるため、電位の上昇が緩和される。これにより、負極の電位上昇に起因する一連の反応、ひいてはLi析出を抑制することができる。すなわち、Li析出耐性が向上する。
しかし、高電位活物質の第2充放電電位域(p2)は、電池の充放電で使用される電位域から外れる可能性がある。その場合、負極の不可逆容量が大きくなり、電池容量が低下することになる。そこで、本開示の非水電解質二次電池では、端部領域における高電位活物質の含有率が、中央部領域における高電位活物質の含有率よりも多くされている。端部領域は、正極活物質層と対向していない。そのため、端部領域の不可逆容量が増加しても、電池容量への実質的な影響は小さい。したがって、端部領域の高電位活物質(第2負極活物質)の含有率が、中央部領域の第2負極活物質の含有率よりも高いことにより、電池容量の低下が抑制される。
本開示の実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。 電極群の構成の一例を示す概略図である。 Li析出のメカニズムを説明する図である。 負極板の構成の一例を示す概略図である。 図4のV領域の拡大図である。 実施例の負極板の作製方法を説明する図である。 正極板の構成の一例を示す概略図である。 黒鉛単独の充電プロファイルを示すグラフである。 混合負極の充電プロファイルを示すグラフである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の発明を限定するものではない。以下の説明では、非水電解質二次電池が、「電池」と略記されることがある。
<非水電解質二次電池>
本実施形態の非水電解質二次電池は、典型的には、リチウムイオン二次電池である。
図1は、本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。電池100は、たとえば、車載用電池である。電池100が車載用途である場合、Li析出耐性が向上することにより、たとえば、回生充電時の電流規制が緩和され得る。これにより、電池100が搭載された車両において、燃費の向上が期待される。ただし、本実施形態の非水電解質二次電池の用途は、車載用途に限られない。電池100は、あらゆる用途に適用可能である。
電池100は、電池ケース90を備える。電池ケース90は、角形(扁平直方体)の外形を有する。ただし、本実施形態の電池ケースは、円筒形であってもよい。電池ケース90は、たとえば、アルミニウム(Al)合金製である。ただし、本実施形態の電池ケースは、アルミラミネートフィルム製の袋等であってもよい。
電池ケース90には、負極端子91および正極端子92が設けられている。電池ケース90内には、電極群50および電解液60が収納されている。電解液60は、電極群50内に含浸されている。電極群50は、負極端子91および正極端子92に、電気的に接続されている。図示されていないが、電池ケース90には、注液口、安全弁、電流遮断機構(CID)等が設けられていてもよい。
本実施形態では、電池ケース90内の雰囲気に、酸素が含まれていてもよい。すなわち、電解液60の注入作業は、酸素を含む雰囲気中で実施されてもよい。これにより、製造コストの低減が期待される。
図2は、電極群50の構成の一例を示す概略図である。電極群50は、巻回型の電極群である。ただし、本実施形態の電極群は、積層型の電極群であってもよい。電極群50は、負極板10、正極板20およびセパレータ30を含む。電極群50は、セパレータ30を間に挟んで、負極板10と正極板20とが対向するように配置され、さらにこれらが巻回されることにより構成されている。
《負極板》
図4は、負極板の構成の一例を示す概略図である。負極板10は、帯状のシート部材である。ただし、電極群が積層型である場合には、この限りではない。負極板10は、負極集電箔11および負極活物質層12を含む。負極活物質層12は、負極集電箔11の表面に形成されている。図示されていないが、負極活物質層12は、負極集電箔11の両面(表裏)に形成されている。負極集電箔11は、たとえば、銅(Cu)箔である。負極集電箔11は、たとえば、5〜25μm程度の厚さを有する。
図4中、X軸方向およびY軸方向は互いに直交している。X軸方向は極板の幅方向に相当する。Y軸方向は極板の長手方向に相当する。X軸方向の端部には、負極集電箔11が負極活物質層12から露出している領域が形成されている。この領域は、集電ならびに負極端子91との接続に利用される。
負極活物質層12は、負極活物質を含有する。負極活物質層12は、負極活物質の他、バインダ等を含有してもよい。負極活物質層12は、たとえば、95〜99質量%(mass%)の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有する。バインダは、特に限定されない。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)等であってもよい。
本実施形態では、負極活物質層12が少なくとも2種の負極活物質を含有する。すなわち、負極活物質層12は、第1負極活物質および第2負極活物質を含有する。第1負極活物質は、黒鉛を含む。黒鉛は、天然黒鉛であってもよいし、人造黒鉛であってもよい。黒鉛の粒子形状は、特に限定されない。黒鉛は、たとえば、鱗片状黒鉛であってもよいし、球形化黒鉛であってもよい。第1負極活物質は、黒鉛と、非黒鉛質炭素との複合材料であってもよい。たとえば、第1負極活物質は、黒鉛、および該黒鉛の表面に付着している非晶質炭素を含んでもよい。
負極活物質の充放電電位域は、たとえば、単極セルでの充電放電試験により確認され得る。単極セルでは、負極活物質が作用極とされ、金属Liが対極および参照極とされる。第1負極活物質は、第1充放電電位域(p1)を有する。第1充放電電位域(p1)は、たとえば、0V(vs.Li/Li+)より高く0.2V(vs.Li/Li+)以下である。
第2負極活物質は、高電位活物質である。第2負極活物質は、第2充放電電位域(p2)を有する。第2充放電電位域(p2)は、第1充放電電位域(p1)よりも高い。負極活物質層12が、第1負極活物質に加えて、第2負極活物質を含有することにより、負極活物質層12の急激な電位上昇、およびこれに起因するLi析出が抑制される。
第2充放電電位域(p2)は、0.8V(vs.Li/Li+)以上1.8V(vs.Li/Li+)以下であることが望ましい。このような充放電電位域を有する活物質としては、たとえば、チタン酸リチウム(たとえば、Li4Ti512等)、酸化チタン(TiO2)、水素チタン酸化物(たとえば、H2Ti1225等)等が挙げられる。第2負極活物質は、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。すなわち、第2負極活物質は、チタン酸リチウム、酸化チタンおよび水素チタン酸化物からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
本実施形態では、負極活物質層12の組成が均一ではない。図5は、図4のV領域の拡大図である。負極活物質層12は、正極活物質層22と対向している中央部領域1、および正極活物質層22と対向していない端部領域2を含む。端部領域2は、第2負極活物質の含有率が、中央部領域1よりも高い。これにより、電池容量の低下が抑制される。
端部領域2は、好ましくは、1質量%以上10質量%以下の第2負極活物質を含有する。端部領域2は、より好ましくは、5質量%以上10質量%以下の第2負極活物質を含有する。
中央部領域1は、好ましくは、第2負極活物質を実質的に含有しない。ただし、生産性の観点から、中央部領域1は、0質量%より高く1質量%未満の第2負極活物質を含有してもよい。たとえば、端部領域2となるべき領域が、ペーストの塗工により形成される場合、中央部領域1となるべき領域に、第2負極活物質を含有するペーストがはみ出すことも有り得る。
上記の第1負極活物質および第2負極活物質を含有する限り、負極活物質層12は、第3負極活物質を含有してもよい。第3負極活物質としては、たとえば、ソフトカーボン、ハードカーボン等の非黒鉛質炭素が挙げられる。
《正極板》
図7は、正極板の構成の一例を示す概略図である。正極板20は、帯状のシート部材である。ただし、電極群が積層型である場合には、この限りではない。正極板20は、正極集電箔21および正極活物質層22を含む。正極活物質層22は、正極集電箔21の表面に形成されている。図示されていないが、正極活物質層22は、正極集電箔21の両面(表裏)に形成されている。正極集電箔21は、たとえば、Al箔である。正極集電箔21は、たとえば、5〜25μm程度の厚さを有する。図7中、X軸方向の端部には、正極集電箔21が正極活物質層22から露出している領域が形成されている。この領域は、集電ならびに正極端子92との接続に利用される。
正極活物質層22は、正極活物質としてリチウム金属複合酸化物を含有する。正極活物質層22は、正極活物質の他、導電材、バインダ等を含有してもよい。正極活物質層22は、たとえば、80〜98質量%のリチウム金属複合酸化物、1〜15質量%の導電材、および1〜5質量%のバインダを含有する。
リチウム金属複合酸化物は、電気化学的にLiイオンを吸蔵放出できる金属酸化物である。リチウム金属複合酸化物は、たとえば、層状岩塩型、スピネル型、オリビン型等の結晶構造を有する。リチウム金属複合酸化物は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNiCoMn2(a+b+c=1,0<a<1,0<b<1,0<c<1)等が挙げられる。本実施形態のリチウム金属複合酸化物には、金属および酸素以外の元素を含む化合物も含まれる。そうした化合物としては、たとえば、LiFePO4等が挙げられる。本実施形態は、リチウム金属複合酸化物がマンガン(Mn)を含有する場合に、特に有効である。Mnを含有するリチウム金属複合酸化物では、電位が上昇すると、Mnの溶出が起こりやすいためである。正極活物質層22は、2種以上の正極活物質を含有してもよい。
導電材は、特に限定されない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等でよい。バインダも特に限定されない。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等でよい。
《セパレータ》
セパレータ30は、たとえば、樹脂製の多孔質膜である。セパレータ30は、たとえば、ポリエチレン(PE)製の多孔質膜、ポリプロピレン(PP)製の多孔質膜等であってもよい。セパレータ30は、単一層であってもよい。セパレータ30は、複数の層を含んでいてもよい。たとえば、セパレータ30は、PE製の多孔質膜と、PP製の多孔質膜とが積層されて構成されていてもよい。セパレータ30は、その表面に無機粒子層を含んでいてもよい。無機粒子層は、たとえば、アルミナ等の無機粒子を含有する。
《電解液》
電解液60は、非プロトン性溶媒および支持電解質を含む液体電解質である。ただし、本実施形態の非水電解質は、液体電解質に限られず、ゲル電解質、固体電解質等であってもよい。
非プロトン性溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒であってもよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、たとえば、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、たとえば、体積比で「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5」程度でよい。
支持電解質は、LiPF6、LiBF4、Li[N(FSO22](LiFSI)等のLi塩でよい。電解液60は、たとえば、0.5〜2mоl/Lの支持電解質を含有してもよい。電解液60は、非プロトン性溶媒および支持電解質の他に、各種の添加剤をさらに含有してもよい。たとえば、電解液60は、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、リチウムビス(オキサラート)ボラート(LiBOB)等を含有してもよい。
以下、実施例が説明される。ただし、以下の例は、本開示の発明を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の製造>
以下のようにして、比較例および実施例に係る非水電解質二次電池が製造された。
《比較例1》
1.正極板の作製
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32
導電材:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
溶媒:NMP
正極集電箔:Al箔
正極活物質、導電材およびバインダが、質量比で「正極活物質:導電材:バインダ=90:8:2」となるように秤量された。正極活物質、導電材およびバインダが溶媒中に分散された。これにより正極ペーストが調製された。
正極ペーストが正極集電箔の片方の表面に塗工され、乾燥された。これにより、正極活物質層が形成された。正極活物質層の目付量(乾燥後の単位面積あたりの質量)は、6mg/cm2になるように調整された。同様に、正極集電箔のもう一方の表面にも、正極活物質層が形成された。すなわち、正極活物質層の目付量は、両面で12mg/cm2である。
正極活物質層が所定の厚さとなるように、正極活物質層および正極集電箔が圧延された。正極板が所定の平面寸法を有するように、正極活物質層および正極集電箔が裁断された。以上より、正極板が作製された。
2.負極板の作製
以下の材料が準備された。
第1負極活物質:球形化黒鉛
バインダ:CMCおよびSBR
溶媒:水
負極集電箔:Cu箔
第1負極活物質およびバインダが、質量比で「第1負極活物質:CMC:SBR=98:1:1」となるように秤量された。負極活物質およびバインダが溶媒中に分散された。これにより、負極ペーストが調製された。
負極ペーストが負極集電箔の片方の表面に塗工され、乾燥された。これにより、負極活物質層が形成された。負極活物質層の目付量は、3.00mg/cm2になるように調整された。同様に、負極集電箔のもう一方の表面にも、負極活物質層が形成された。すなわち、負極活物質層の目付量は、両面で6.00mg/cm2である。
負極活物質層が所定の厚さとなるように、負極活物質層および負極集電箔が圧延された。負極板が所定の平面寸法を有するように、負極活物質層および負極集電箔が裁断された。以上より、負極板が作製された。
3.組み立て
セパレータとして、PE製の多孔質膜が準備された。セパレータを間に挟んで、負極板と正極板とが対向するように配置された。さらにこれらが巻回されることにより、巻回型の電極群が作製された。角形の電池ケースが準備された。電池ケース内に電極群が収納された。電極群は、電池ケースに設けられた負極端子および正極端子と、電気的に接続された。
4.電解液の注入および電池ケースの密閉
以下の組成の電解液が準備された。
LiPF6(1mоl/L),EC:EMC:DMC=3:3:4(体積比)
露点−45℃のドライルーム内で、電池ケース内に所定量の電解液が注入された。同ドライルーム内で電池ケースが密閉された。このドライルームの酸素濃度は、大気と同じく、20体積%(vоl%)とみなしてよい。したがって、密閉後の電池ケース内の酸素濃度も、20体積%とみなしてよい。
5.初期充電およびエージング
電解液が電極群に十分含浸された後、初期充電が実施された。初期充電後、電池のSOC(State Of Charge)が100%に調整された。60℃に設定された恒温槽内で、電池が24時間静置された。以上より、比較例1に係る非水電解質二次電池が製造された。
《比較例2》
比較例2では、負極活物質層の一部が剥離され、除去された。具体的には、電極群において、最外周に位置し、正極合材層と対向しない負極活物質層が除去された。除去された負極活物質層は、図5の最外周領域3に相当する。これを除いては比較例1と同じ手順により、比較例2に係る非水電解質二次電池が製造された。
《比較例3》
比較例3では、Arガスで置換されたグローブボックス内で、電池ケースに電解液が注入され、同グローブボックス内で電池ケースが密閉された。このグローブボックス内の酸素濃度は、実質的に0体積%とみなしてよい。したがって、電池ケース内の酸素濃度も、実質的に0体積%とみなしてよい。これを除いては、比較例1と同じ手順により、比較例3に係る非水電解質二次電池が製造された。
《比較例4》
第2負極活物質として、チタン酸リチウム(Li4Ti512)が準備された。第1負極活物質(球形化黒鉛)、第2負極活物質およびバインダが、質量比で「第1負極活物質:第2負極活物質:CMC:SBR=98:5:1:1」となるように秤量された。第1負極活物質、第2負極活物質およびバインダが溶媒中に分散された。これにより負極ペーストが調製された。
負極ペーストが負極集電箔の片方の表面に塗工され、乾燥された。これにより、負極活物質層が形成された。負極活物質層の目付量は、3.15mg/cm2になるように調整された。同様に、負極集電箔のもう一方の表面にも、負極活物質層が形成された。すなわち、負極活物質層の目付量は、両面で6.30mg/cm2である。これらを除いては、比較例3と同じ手順により、比較例4に係る非水電解質二次電池が製造された。
《比較例5》
第1負極活物質、第2負極活物質およびバインダが、質量比で「第1負極活物質:第2負極活物質:CMC:SBR=98:10:1:1」となるように秤量された。第1負極活物質、第2負極活物質およびバインダが溶媒中に分散された。これにより負極ペーストが調製された。
負極ペーストが負極集電箔の片方の表面に塗工され、乾燥された。これにより、負極活物質層が形成された。負極活物質層の目付量は、3.30mg/cm2になるように調整された。同様に、負極集電箔のもう一方の表面にも、負極活物質層が形成された。すなわち、負極活物質層の目付量は、両面で6.60mg/cm2である。これらを除いては、比較例4と同じ手順により、比較例5に係る非水電解質二次電池が製造された。
《比較例6》
露点−45℃のドライルーム内で、電解液の注入および電池ケースの密閉が実施されることを除いては、比較例4と同じ手順により、比較例6に係る非水電解質二次電池が製造された。
《比較例7》
露点−45℃のドライルーム内で、電解液の注入および電池ケースの密閉が実施されることを除いては、比較例5と同じ手順により、比較例7に係る非水電解質二次電池が製造された。
《実施例1》
第1負極活物質(球形化黒鉛)およびバインダが、質量比で「第1負極活物質:CMC:SBR=98:1:1」となるように秤量された。第1負極活物質およびバインダが溶媒中に分散された。これにより、第1負極ペーストが調製された。
第1負極活物質(球形化黒鉛)、第2負極活物質(チタン酸リチウム)およびバインダが、質量比で「第1負極活物質:第2負極活物質:CMC:SBR=98:5:1:1」となるように秤量された。第1負極活物質、第2負極活物質およびバインダが溶媒中に分散された。これにより第2負極ペーストが調製された。
図6は、実施例の負極板の作製方法を説明する図である。まず、第1負極ペーストが負極集電箔11の所定位置に塗工され、乾燥された。これにより、中央部領域1が形成された。中央部領域1の目付量は、3.00mg/cm2に調整された。次いで、第2負極ペーストが、中央部領域1のX軸方向の端部に塗工され、乾燥された。これにより、端部領域2が形成された。端部領域2の目付量は、3.15mg/cm2に調整された。同様に、負極集電箔11のもう一方の表面にも、中央部領域1および端部領域2が形成された。すなわち、中央部領域1の目付量は、両面で6.00mg/cm2であり、端部領域2の目付量は、両面で6.30mg/cm2である。これにより、負極活物質層12が形成された。
負極活物質層12が所定の厚さとなるように、負極活物質層12および負極集電箔11が圧延された。図6の切断線(CL)に沿って、端部領域2および負極集電箔11が切断されることにより、端部領域2および負極集電箔11の一部が除去された。これにより、実施例1に係る負極板10が作製された。
これらを除いては、比較例4と同じ手順により、実施例1に係る非水電解質二次電池が製造された。
《実施例2》
第1負極活物質(球形化黒鉛)、第2負極活物質(チタン酸リチウム)およびバインダが、質量比で「第1負極活物質:第2負極活物質:CMC:SBR=98:10:1:1」となるように秤量された。第1負極活物質、第2負極活物質およびバインダが溶媒中に分散された。これにより第2負極ペーストが調製された。
第2負極ペーストが負極集電箔の所定位置に塗工され、乾燥された。これにより、端部領域2が形成された。端部領域2の目付量は、両面で6.60mg/cm2(片面で3.3mg/cm2)に調整された。
これらを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例2に係る非水電解質二次電池が製造された。
《実施例3》
露点−45℃のドライルーム内で、電解液の注入および電池ケースの密閉が実施されることを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例3に係る非水電解質二次電池が製造された。
《実施例4》
露点−45℃のドライルーム内で、電解液の注入および電池ケースの密閉が実施されることを除いては、実施例2と同じ手順により、実施例4に係る非水電解質二次電池が製造された。
Figure 2018006289
<評価>
以下のように、各電池が評価された。以下の説明において、「CC」は定電流方式を示し、「CV」は定電圧方式を示し、「CC−CV」は定電流−定電圧方式を示している。電流値の大きさは「C」で表現されている。ここでの「1C」は、1時間の充電で、SOCが0%から100%になる電流値と定義されている。
1.電池容量の測定
以下の条件で、電池が充放電された。これによりCC放電の容量(初期容量)が測定された。測定結果は、上記表1に示されている。上記表1では、比較例1の電池容量が100%とされた場合の相対値が示されている。
CC−CV充電:CC電流=1C,CV電圧=4.1V,カット電流=0.1C
CC放電:CC電流=1/3C,カット電圧=3.0V
2.初期の限界電流値の測定
−10℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。所定の電流値が設定された。同電流値で「5秒間の充電→10分間の休止→5秒間の放電→10分間の放電」を1サイクルとして、充放電が1000回繰り返された。1000回後、電池が解体された。目視により、負極活物質層の表面におけるLi析出の有無が確認された。Li析出が無かった場合には、電流値が上げられ、再度、充放電が1000回繰り返された。このようにして、金属Liが析出し始める電流値が確認された。金属Liが析出しない電流値のうち、最大の電流値が、限界電流値とされた。測定結果は、上記表1に示されている。上記表1では、比較例1の限界電流値が基準(100%)とされた場合の相対値が示されている。値が大きい程、初期のLi析出耐性が向上していることを示している。
3.高温保存後の限界電流値の測定
電池のSOCが80%に調整された。75℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。同環境で、電池が60日間保管された。60日後、上記「2.限界電流値(初期)の測定」と同じ手順により、高温保存後の限界電流値が測定された。測定結果は、上記表1に示されている。上記表1では、比較例1の限界電流値が100%とされた場合の相対値が示されている。値が大きい程、高温保存後のLi析出耐性が向上していることを示している。
<結果と考察>
上記表1において、比較例1および2の結果から、負極活物質層のうち正極活物質層と対向していない領域(図5中の最外周領域3)が除去されることにより、Li析出耐性が向上することが分かる。しかし、生産性を考慮すると、この態様は現実的ではない。
比較例3の結果から、電池ケース内が無酸素雰囲気であれば、Li析出耐性が向上することが分かる。しかし、電池ケース内のガス置換には、製造コストの大幅な増加が見込まれる。
比較例4〜7では、初期容量が低下している。負極活物質層の全域に、高い充放電電位域を有する第2負極活物質(チタン酸リチウム)が分布しているため、負極の不可逆容量が増大していると考えられる。
実施例1〜4では、初期容量が低下していなかった。負極活物質層の大部分を占める中央部領域に、第2負極活物質が実質的に含有されていないためと考えられる。実施例1〜4の結果から、実施例の構成によれば、電池ケース内に酸素が存在していても、Li析出耐性が向上することが実証された。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の発明の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 中央部領域、2 端部領域、3 最外周領域、10 負極板、11 負極集電箔、12 負極活物質層、20 正極板、21 正極集電箔、22 正極活物質層、30 セパレータ、41 目詰まり、42 金属膜、43 金属Li、50 電極群、60 電解液、90 電池ケース、91 負極端子、92 正極端子、100 電池。

Claims (1)

  1. 負極活物質層および
    正極活物質層
    を備え、
    前記負極活物質層は、前記正極活物質層よりも広い面積を有し、
    前記正極活物質層は、全域に亘って前記負極活物質層と対向しており、
    前記負極活物質層は、前記正極活物質層と対向している中央部領域、および前記正極活物質層と対向していない端部領域を含み、
    前記正極活物質層は、リチウム金属複合酸化物を含有し、
    前記負極活物質層は、第1負極活物質および第2負極活物質を含有し、
    前記第1負極活物質は、黒鉛を含み、かつ第1充放電電位域を有し、
    前記第2負極活物質は、前記第1充放電電位域よりも高い第2充放電電位域を有し、
    前記端部領域は、前記第2負極活物質の含有率が前記中央部領域よりも高い、
    非水電解質二次電池。
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