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JP2011148198A - 成形体 - Google Patents

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JP2011148198A JP2010011716A JP2010011716A JP2011148198A JP 2011148198 A JP2011148198 A JP 2011148198A JP 2010011716 A JP2010011716 A JP 2010011716A JP 2010011716 A JP2010011716 A JP 2010011716A JP 2011148198 A JP2011148198 A JP 2011148198A
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Kazue Sonoda
和衛 園田
Shunichi Osada
俊一 長田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】 金属光沢に優れ、表面のソフトな質感を有し、引っ掻きの応力に対する表面復元性に優れる成形体を提供すること。
【解決手段】 1300MPa以上のヤング率を有する結晶性のポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と、1300MPa以上のヤング率を有する、示差熱量分析において結晶融解熱量が0〜10mJ/mgであるポリエステル樹脂Bからなる層(B層)が、交互にそれぞれ100層以上積層された構造を含み、A層とB層の積層比が3.0〜0.5の範囲にあり、かつB層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にあり、全体厚みが38〜250μmである二軸配向フィルムと、エラストマー樹脂とが一体成形された成形体とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ソフトな触感を有する金属調の成形体に関し、携帯電話機、リモコン、各種計器等の情報端末キーパッド用、家電製品などに使用される表面材に関する。
金属光沢調の成形体は、発動機付き乗り物、ボート、家具、建築材料、家庭電化製品、標示板などのさまざまな工業品や消費財に取り付けることのできる立体装飾用品を作るのに広く使用されている。これらの装飾用品または機能物品は金属の対応品の代わりに用いることができ、その結果、軽量化、製造費の低減、電磁波透過性、デザインの柔軟性、別の物理的または機械的性質、およびより鮮明な細部装飾の少なくとも1つがもたらされる。
金属を用いずに金属調を呈する材料として、例えば、屈折率の異なる樹脂層を交互に多層に積層することより、選択的に特定の波長を反射するフィルム(例えば、特許文献1〜3参照)が知られている。これらの中で選択的に特定の波長を反射するフィルムは、特定の光を透過あるいは反射するフィルタとして作用し、液晶ディスプレイなどのバックライト用金属調リフレクターおよび反射型偏光子などに利用されている。
また、成形体は、意匠性を向上させるため表面に様々な加工が施されることが良く行われる。例えば、表面を艶消し状態にする、あるいは模様のあるフィルムを積層する等の加工法がある。これらの加工の一つとして、表面に柔らかな質感を付与するためや凹みや傷が入りにくくするために、軟質材料やエラストマーを積層することは良く行われる方法である(特許文献4〜6)。従来、エラストマーには、外力に追従して陥没し該外力の解放により原形復帰する復元力が備わっており、この復元力はフィルムを介した場合においてもあらわれる。しかし、それは押し圧に対してだけであり、比較的硬い素材での引っ掻きの応力に対しては、下地のエラストマーに衝撃を伝播しないために表層のフィルムに傷が入る場合がほとんどであった。
特開平3−41401号公報(第2頁) 特開平4−295804号公報(第2頁) 特表平9−506837号公報(第2頁) 特開2004−238590号公報(第2頁) 特開平06−126769号公報(第2頁) 特開平07−256692号公報(第2頁)
本発明の目的は、金属光沢に優れ、表面のソフトな質感を有し、引っ掻きの応力に対する表面復元性に優れる成形体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、後述する測定法によるヤング率の測定において1300MPa以上のヤング率を有する、結晶性のポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と、後述する測定法による1300MPa以上のヤング率を有する、示差熱量分析(DSC)において結晶融解熱量が0〜10mJ/mgであるポリエステル樹脂Bからなる層(B層)が、交互にそれぞれ100層以上積層された構造を含み、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂B層の積層比が3.0〜0.5の範囲にあり、かつB層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にあり、全体厚みが38〜250μmである二軸延伸フィルムと、エラストマー樹脂とが一体成形されている場合に、金属光沢調と、ソフトな接触感および表面復元性に優れる成形体が得られる知見を得て、本発明を完成した。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。電磁波透過性がある金属光沢調の外観が得られ、また、表面復元性とソフトタッチ感に優れることから、触れたときの感触が好ましくなり、表面の傷や凹みが、日射光や装置熱などにより徐々に復元するようになる。本発明の成形体は装飾材、例えば自動車用外部材・携帯電話・家電用品の光沢調装飾材などに好適に使用することができる。
本発明の成形体は、後述する測定法による1300MPa以上のヤング率を有する、結晶性のポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と、後述する測定法による1300MPa以上のヤング率を有する、示差熱量分析(DSC)において結晶融解熱量が0〜10mJ/mgであるポリエステル樹脂Bからなる層(B層)が、交互にそれぞれ100層以上積層された構造を含み、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂B層の積層比が3.0〜0.5の範囲にあり、かつB層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にあり、全体厚みが38〜250μmである二軸配向フィルムと、エラストマー樹脂とが一体成形されてなる。このような構成をとることにより、表層の多層膜が干渉反射により金属調の発色をするとともに、外力をエラストマーに分散させて自身は弾性変形をするために、柔らかな接触感(ソフトタッチ感)と表面復元性に優れる。
本発明において、交互に積層した構造を含むとは、前記A層とB層とが厚み方向に交互に出現する構造を有していることと定義される。すなわち、本発明のフィルム中のA層とB層の厚み方向における配置がランダムな状態ではないことが好ましく、また、A層、B層、樹脂CからなるC層を有する場合には、CA(BA)n、CA(BA)nC、A(BA)nCA(BA)mなど、C層が最外層もしくは中間層に積層される構成であっても良い。ここでnおよびmは整数であり、例えばA(BA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABABABAの順で積層されていることを表す。
また、本発明ではA層とB層を交互にそれぞれ100層以上含まなければならない。より好ましくは、A層とB層の総積層数が600層以上である。さらに、好ましくはA層とB層の総積層数が800層以上である。A層とB層をそれぞれ100層以上積層した構造を含まないと、十分な反射率が得られなくなり、輝度の高い金属調の外観とはならない。また、樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)が交互にそれぞれ100層以上含まれていると、波長帯域400nm〜1100nmの反射率を30%以上とすることが可能となる。また、A層とB層の総積層数が600層以上であると、波長帯域400nm〜1100nmの反射率を60%以上とすることが容易となり、非常に輝度の高い金属調の外観を有することが容易となる。さらには、層数が多いと表面復元性が高くなる傾向があり好ましい。また、積層数の上限値としては特に限定するものではないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、3000層以下であることが通常の使用では一般的である。
本発明では、A層に用いるポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂A)が後述するヤング率の測定法によって測定したときに1300MPa以上のヤング率を有し、かつ、ポリエステル樹脂Aは結晶性であることが必要である。ヤング率はポリエステル樹脂Aのみからなるフィルムを作製し、後述する方法によりよって求める。A層が上記特性を満たすことにより、二軸延伸の工程で配向結晶が進み剛性を担う層を形成することができる。ここで結晶性であるとは結晶融解熱量が20mJ/mg以上であることであり、好ましい結晶融解熱量の範囲は30〜50mJである。また、B層に用いるポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂B)もまた後述するヤング率の測定法によって測定したときに1300MPa以上のヤング率を有し、かつ結晶融解熱量が0〜10mJ/mgにあると、二軸延伸の工程でほぼ非晶状態を保つため、柔軟性を担う層を形成することができる。ここで好ましい結晶融解熱量は0〜0.5mJである。このように剛性な層と柔軟な層を交互に有した二軸配向フィルムは、外力を層の厚み方向に伝播しやすくなるため、表面硬度と表面復元性を両立できるようになる。ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bのヤング率が1300MPa未満である場合、二軸配向フィルムの鉛筆硬度が大きく下がるため好ましくない。また、B層に非晶性のポリエステルを使用することにより、A層とB層との面内平均屈折率差が大きくなり、金属光沢調を発することができる。
また、本発明では、A層とB層の積層比が3.0〜0.5の範囲にあり、かつB層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にあることが必要である。この範囲を満たすことにより優れた表面復元性を示すようになる。積層比が3.0を越えるか、またはB層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にないと表面復元性を発揮しにくくなる。特に好ましい範囲は、A層とB層の積層比が1.5〜0.8の範囲であり、かつB層の平均層厚みが50〜90nmの範囲であることが好ましい。また、フィルムの全体厚みは38〜250μmの範囲にあることが必要である。フィルム全体厚みが38μm未満でも250μmより大きくても表面復元性の効果は低くなるため好ましくない。
ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bのヤング率は、各樹脂を単独で溶融押出してキャストフィルムを作製し、フィルム厚みは300μm、面配向係数fnは0.005以下のものを得、これを“テンシロン”(オリエンテック社製AMF/RTA−100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ100mmとなるようにセットし、25℃、65%RHの条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行うことによって求める。フィルム長手方向(MD)に引張った場合とフィルム幅方向(TD)に引張った場合のそれぞれについて測定し、これらの値は各10回測定した際の平均値を採用する。
本発明に用いるポリエステル樹脂Aは、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して得られる構造を有する。ポリエステル樹脂Aは共重合体であっても良い。ポリエステル樹脂Aとして用いうるものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレートなどが代表的なものである。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ好ましい。
ポリエステル樹脂Bとして用いうるものとしては、例えば、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。グリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bのガラス転移温度差が20℃以下である組合せが好ましい。ガラス転移温度差が20℃より大きい場合には二軸配向フィルムを製膜する際の厚み均一性が不良となり、外観不良となり易くなる。また、二軸配向フィルムを成形する際にも、過延伸が発生するなどの問題が生じやすい。
本発明の成形体は、前記二軸配向フィルムが貼り合わされた面の波長帯域400nm〜1100nmの絶対反射率が30%以上であることが好ましい。これにより光沢感のある成形体を得ることができる。そのためには、A層およびB層においてその厚みを15nm以上500nm以下とし、かつ、単調減少、若しくは、単調増加となるように積層することで反射する帯域を希望の値に近づけることができる。より理想的な層厚みの範囲としては、30nm以上370nm以下である。より好ましくは、フィルム両表面における波長帯域400nm〜1100nmの絶対反射率が60%以上である。この場合、成形後も光沢感を維持し、視野角によっても色の変化がほとんど起きないものとなる。これは、可視光より高波長側(700〜1100nm)も絶対反射率が30%以上であることで、たとえ延伸によってフィルム厚みが薄くなったり、視野角によって反射帯域が低波長側にシフトしても、可視光領域の絶対反射率は30%以上を維持できるためである。反射帯域は各層の層厚みを、下記式1に基づいて反射が起こるように設計される。また、反射率についてはA層とB層の屈折率差と、A層とB層の層数にて制御する。
2×(na・da+nb・db)=λ 式1
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
本発明の成形体は、上記二軸配向フィルムとエラストマーを一体に成形することにより、より高い表面復元性を発揮するものである。エラストマーとしては、その構成成分によって、ポリエステル系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、塩ビ系等の種類があげられる。
特に、ポリエステルエラストマー樹脂としては、芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール及び/又は脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロック共重合体、ポリエステル・エステルブロック共重合体、ポリエーテルエステル・エステルブロック共重合体が挙げられる。ここでハードセグメントを構成する芳香族ポリエステルとは、通常60モル%以上がテレフタル酸成分であるジカルボン酸成分とジオール成分を縮重合して得られる重合体が好ましい。芳香族ポリエステル成分の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)などが好ましく挙げられる。
また、ここでソフトセグメントを構成するポリ(アルキレンオキシド)グリコールおよび脂肪族ポリエステルの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、エチレンオキシドとヒドロフランの共重合体、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ−ε―カプロラクトン、ポリエチレンセパケート、ポリブチレンセパケートなどが好ましく挙げられる。
ポリエステルエラストマーのポリエステルハードセグメント対ソフトセグメントの占める割合は、重量比で95/5〜10/90、特に90/10〜30/70であることが好ましい。
ポリエステルエラストマー樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリ ブチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(エチレンオキシド)グリコールブロック共重合体などが好ましく挙げられる。
これらのポリエステルエラストマー樹脂のなかでも、特にポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体が好ましく用いられる。
上述の様なポリエステル系エラストマーの市販品としては、三菱化学株式会社製「プリマロイ」、東洋紡績株式会社製「ペルプレン」、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」、日本ジーイープラスックス(株)のローモッド、積水化学(株)のS-TPE等が挙げられる。
これらのポリエステルエラストマー樹脂の中でも、JIS−K6253によるデュロメータ硬度が35〜75の範囲であることが好ましい。デュロメータ硬度が75を越えると、得られるポリエステルエラストマー樹脂の硬度が高くなり過ぎて柔軟性が失われ、表面復元性の高い製品が得られない。
本発明の成形体は、貼り合わせ後の二軸配向フィルム表面の鉛筆硬度がB以上であり、また、鉛筆硬度試験において凹みが発生する鉛筆よりも2ランク硬い鉛筆を用いた鉛筆硬度試験により発生した凹みが、80℃・1分間の加熱により復元することが好ましい。ここの鉛筆硬度とは、JIS K−5400に示されるHEIDONを使用した測定方法に則り、荷重750g、30mm/minの速度で鉛筆にて引っ掻きの応力を印加したときに、表面に明確な傷か凹みがつかないかの判定方法である。また、表面に凹みが残った場合においても、80℃1分間の加熱により凹みが復元することを本発明では表面復元性があるといい、硬い鉛筆硬度の鉛筆で加えた凹みが復元するものほど、復元力は高いといえる。
本発明の成形体は、二軸配向フィルムの片面もしくは両面に延伸追従性を有する印刷層が設けられていることが好ましい。印刷層は、樹脂成形品の表面に文字や図形、記号等を表したり、着色表面を表す等するためのものであり、顔料と樹脂バインダーからなる顔料インキ層、パール顔料と樹脂バインダーからなる光輝性顔料層、染料と樹脂バインダーからなる染料インキ層の群から選ばれる少なくとも一層によって構成される。印刷層は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法等のコート法等により形成するとよい。延伸追従性とは、常温で70%以上延ばしたときにクラックの生じない印刷層のことである。このような印刷層が設けられていることにより、干渉反射色が際だたせることができる。
本発明の成形体は、二軸配向フィルムと印刷層、エラストマー樹脂の各層間にバインダー層が設けられていることが好ましい。このようにすると、二軸配向フィルムと印刷層およびエラストマー樹脂と印刷層との接着性を高まるため好ましい。バインダーとして使用される樹脂は、溶剤に対する溶解性が良好であり、また、耐熱性の良好であることが好ましい。このような樹脂を用いることにより、成形を行う際には、射出して金型内に流動してくる高温の溶融樹脂が印刷面に接したとき、加飾印刷されたインキ部分が前記溶融樹脂と共に溶融流動することを防止することができる。バインダー層を形成するためのインキ、塗料の例としては、帝国インキ製造株式会社製商品名IMB−003バインダー、IMB−009バインダーなどの、アクリル樹脂や塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂を使用したバインダーインキを挙げられる。
本発明の成形体は、金型シボ加工による凹凸が形成されていることが好ましい。このような凹凸模様が表面に形成されていることにより、表面の艶消し感が高まるとともに成形品表面に傷が付くことの防止や外観不良が目立たなくなる。凹凸模様を付与するためには、成形時の真空成形工程または射出成形工程で、シボ加工された射出成形金型(雌型)のキャビティ面の凹凸を表面に熱圧下転写すればよい。ここで、シボ加工とは、金属の表面に模様を付ける金属微細加工法のひとつであり、主に薬品によって金属を溶解するため、化学腐食(エッチング)ともいう。金型の表面シボ深さは、通常5〜1,000μm程度であるが、深くする場合は、例えば100〜1,000μm程度とすることができる。本発明においては、金型のシボ加工に限られず、金型のブラスト加工、スクラッチ(傷つけ)加工等により成形金型の表面に凹凸模様を付与してもよいが、目的とする凹凸模様を精密に加工できる点で、シボ加工が好ましい。
また、本発明の成形体表面にハードコート層、着色層、易滑層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、紫外線吸収層、印刷層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層、接着層などの機能性層を形成してもよい。特に、延伸追従性を示すハードコート層を設けることにより、表面硬度と表面復元性を両立できる面から好ましい。延伸追従性とは、成形などによりフィルムが引き延ばされる工程においても、ハードコートがフィルムとの剥離やクラックを生じないことを指す。
本発明の成形体は、金属や重金属などを含まないで金属調の外観を有した成形体とできるため、環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れ、電磁波障害を起こさないものである。また、真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト真空圧空成形、インモールド成形、インサート成形、冷間成形、プレス成形などの各種成形法が適用できるため、低コストで立体形状を形成するものとすることが可能である。成形方法は、特に限定されるものではなく、一般に公知の成形方法、例えば、真空成形法、真空・圧空成形法、ブロー(吹き込み)成形法、プレス成形法、インサートインジェクション成形法、インモールド(金型内)成形法、押し出し成形法等で成形することができる。
次に、本発明に使用される二軸配向フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。まずは、一般的な成形体用に用いるに好適な二軸配向ポリエステルフィルムの具体的な製造方法について記載する。まず、本発明に用いる二軸配向フィルムに用いられるポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bについては、市販のポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂を用いたり、公知の方法で重縮合して得ることができるが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の場合、以下のように重合することができる。
テレフタル酸ジメチル、およびエチレングリコールの混合物に、酢酸マグネシウムと三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行なう。ついで、該エステル交換反応生成物に、リン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。粒子を添加する場合は、エチレングリコールに粒子を分散させたスラリーを所定の粒子濃度となるように重合反応釜に添加して、重合を行なうことが好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造は、たとえば以下のように行なうことができる。テレフタル酸、および1,4−ブタンジオールの混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチルと、モノヒドロキシブチルスズオキサイドとを添加しエステル化反応を行なう。ついで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチルを添加して、減圧下で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
以上のようにして得られたポリエステル樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する際の好ましい方法について、具体的に記述する。まず、使用するポリエステル樹脂を混合する場合は所定の割合となるように計量し混合する。ついで、窒素雰囲気、真空雰囲気などで、たとえば150℃5時間の乾燥を行い、ポリエステル樹脂中の水分率を好ましくは50ppm以下とする。その後、押出機に供給し溶融押出する。なお、ベント式二軸押出機を用いて溶融押出を行なう場合は樹脂の乾燥工程を省略してもよい。ついで、フィルタやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
ついで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行なう。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、2.5〜3.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3〜3.4倍が採用される。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、ガラス転移点〜(ガラス転移点+50℃)の温度が採用されるが、さらに好ましくは90〜130℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を100〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なう。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、200〜240℃の熱処理温度とするのが好ましい。フィルムの透明性、寸法安定性の点からは210〜235℃であればより好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行なうのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、横延伸工程の前で、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、コーティング層を設けることもできる。このときの塗工液はロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、バーコーター、ダイコーター、ディップコーター等の公知の塗工手段を用いて、前記透明基材に塗布する。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行なうことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行なうのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
次に、多層積層押出法によるポリエステルフィルムの製造方法について詳細に説明する。2種類のポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出されたポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、次に多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックを用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。そのフィードブロックの構造は、多数の微細スリットを有する櫛形のスリット板に部材を少なくとも1個有しており、2つの押出機から押し出された樹脂Aと樹脂Bが、各マニホールドを経由して、スリット板に導入される。ここでは導入板を介して、樹脂Aと樹脂Bが選択的に交互にスリットに流入するため、最終的にはA/B/A/B/A・・・といった多層膜を形成することができる。また、スリット板をさらに重ね合わせることにより、層数を増やすことも可能である。また、両表層部に樹脂Cを設ける場合は、3つ目の押出機から樹脂Cを3層複合装置(フィードブロック)の表層側に導入し、中央層に多層膜を導入することによって、C/A/B/A・・・A/B/A/Cといった多層膜を形成することができる。
このようにして多層積層された溶融体を、上述のポリエステルフィルムの製造方法と同様に行い、二軸延伸フィルムを得ることができる。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)固有粘度
固有粘度は、被測定物を3gオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて次式から計算される値を用いて測定した。
ηsp/C=[η]+K[η]2×C
ηsp:(溶解濃度/溶媒粘度)−1
C:溶解ポリマ重量(g/100ml)
(2)ポリエステルの組成
被測定物をヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)もしくはHFIPとクロロホルムの混合溶媒に溶解し、H−NMRおよび13 C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。
(3)ヤング率
各フィルムの層を構成する樹脂を単独で溶融押出してキャストフィルムを作製した。このときのフィルム厚みは300μm、面配向係数fnは0.005以下とした。“テンシロン”(オリエンテック社製AMF/RTA−100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ100mmとなるようにセットし、25℃、65%RHの条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行う。フィルム長手方向(MD)に引張った場合、フィルム幅方向(TD)に引張った場合のそれぞれについて測定した。ここでこれらの値は各10回測定した際の平均値を採用した。
(4)結晶融解熱量
示差熱量分析(DSC)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って測定・算出した。ポリエステル樹脂チップを、25℃から290℃まで5℃/minで昇温した。このとき、結晶融解時のピークトップを融点とし、ベースラインからの積分値を結晶融解熱量とした。
(5)層厚み、平均層厚み、積層数
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を4000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。B層の平均層厚みは、拡大写真を二値化した後、B層の画像に占める割合から拡大写真の平均厚みを割り出した。これをフィルムの厚み方向の全ての拡大写真において行い、その平均をB層の平均厚みとした。A層の平均厚みも同様にして測定するが、最表層の厚みは除外するものとする。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いても良い。
(6)絶対反射率
島津製作所製の分光光度計UV−3150に入射角5°の絶対反射率測定装置 ASR−3105を取り付け、付属の取扱説明書に従い、以下の条件にて400〜1500nmまでの絶対反射率を測定した。なお、測定は平坦な部分を切り出して使用した。
スキャンスピード:高速
サンプリングピッチ:1nm
測定モード:シングル
スリット幅:30nm
光源切り替え波長:360nm
検出器切替波長:805nm
S/R切り替え:標準
検出器ロック:自動
スリットプログラム:標準。
なお、本発明において反射帯域は、300〜1500nmの波長範囲の間で、連続して30%以上の絶対反射率を示す波長範囲として定義される。
(7)デュロメータ硬度(硬度A)
被測定物を、JIS K 6253に準拠し、デュロメータ硬さ・タイプAにて測定した。加圧面を試験面に密着させて1秒以内に読み込んだ値を採用した。測定点数は5点とし、押し点の接触点が6mm以上離れた位置で5回測定する。また、硬度Aが90以上の場合は検出限界であるため記録しない。試験片は6.3mm厚のプレスシートに調製して用いた。
(8)鉛筆硬度
JIS K 5600−5−4:1999(塗料一般試験方法−塗膜の機械的性質−引っかき硬度(鉛筆法))に準じて、各種硬度の鉛筆を押し付けて動かした。押し付ける荷重は0.75kgとした。鉛筆での引っかきにより傷が発生しない、最も硬い鉛筆を示した。なお、測定は平坦な部分を切り出して使用した。
(9)表面復元性
上記の鉛筆硬度評価を行ったサンプルを、熱風オーブンにて80℃・1分間熱処理を行った後に、上記鉛筆硬度の判定法に基づいて、傷が復元する最も硬い鉛筆を示した。なお、測定は平坦な部分を切り出して使用した。
(10)光沢感
日本電色工業株式会社製 ハンディ型光沢計PG−1Mを用いて、成形体の光沢度を測定した。このときの光沢度が600以上であれば◎、600未満300以上であれば○、300未満100以上であれば△、100未満であれば×とした。なお、測定は平坦な部分を切り出して使用した。測定条件は下記のとおり。
測定部位:積層フィルム面
角度:20°
(11)触感
手で触ったときに非常に柔らかな感触があれば◎、柔らかな感触があれば○、強く押し込めばわずかに凹む程度の感触であれば△、硬い感触であれば×とした。
(12)面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折率計NAR−2T(アタゴ製)を用いて測定した。MD、TD、NDの屈折率nMD、nTD、nZDを求め、下記式から面配向係数fnを計算した。なお、マウント液にはヨウ化メチレンを用いた。
fn=(nMD+nTD)/2−nZD 。
(実施例1)
2種類の樹脂として、ポリエステル樹脂Aとして、固有粘度0.65、融点255℃のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも表す)[東レ製F20S]を用い、ポリエステル樹脂Bとして固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(スピログリコール成分21mol%、シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%共重合したPET)に酸化防止剤である“アデカスタブ”(登録商標)AS36[ADEKA製]を0.1重量%添加したものを用いた。これらポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、それぞれ乾燥した後、別々の押出機に供給した。
ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、それぞれ、押出機にて270℃の溶融状態とし、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比がポリエステル樹脂A/ポリエステル樹脂B=1.2/1になるように計量しながら、スリット数267個のスリット板1とスリット数269個のスリット板2とスリット数267個のスリット板3によってポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bを交互に積層し、フィードブロックにて合流させて、801層に積層された積層体とした。合流したポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ(このときのA層とB層の層厚みの傾きは0.46)、ポリエステル樹脂Aが400層、ポリエステル樹脂Bが401層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。また、隣接するA層とB層の層厚みはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。この設計において、フィルム厚み100μmでA層とB層の積層比を1.2とすると、約400nm〜1200nmの範囲に反射帯域が存在するものとなる。このようにして得られた計801層からなる積層体を、マルチマニホールドダイに供給、さらにその表層に別の押出機から供給したポリエステル樹脂Aからなる層を形成し、シート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。なお、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bが合流してからキャスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約8分となるように流路形状および総吐出量を設定した。
得られたキャストフィルムを、75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.0倍延伸し、その後一旦冷却した。次に、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で235℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは100μmであり、A層の平均厚みは136μm、B層の平均厚みは113μmであった。
次に、この得られた二軸配向フィルムの片面に、スクリーン印刷にて2液硬化型のインクを塗布した後バインダー層を形成した。印刷条件は以下のとおり。
<印刷層>
インキ:帝国インキ株式会社製 IPX971
溶剤:帝国インキ株式会社製 F−003(10%希釈)
硬化剤:帝国インキ株式会社製 240硬化剤(10%混合)
スクリーンメッシュ:T−225
乾燥:80℃×10分(ボックス乾燥)
<バインダー層>
バインダー:帝国インキ株式会社製 IBM003
スクリーンメッシュ:T−225
乾燥:90℃×60分(ボックス乾燥)
次に、この印刷層及びバインダー層を形成したフィルムを、所定の寸法にカットし、金型にセットして、以下の条件でインサート成形した。
型締圧力:60ton
金型温度:50℃
成形樹脂:東レデュポン株式会社製“ハイトレル”4767(硬度A 47)
成形樹脂温度:240℃
成型品寸法(L×W×H):60×60×3mm
ゲート:φ2mmピンゲート
得られた結果を表1に示す。得られた成形体は優れた金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例2)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)を使用した。その他は実施例1と同様とした。得られた成形体は優れた金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例3)
A層及びB層樹脂の供給量を減らして二軸配向フィルムの総厚みを50μmとした以外は、実施例1と同様とした。このときのA層の平均厚みは68μm、B層の平均厚みは56μmであった。得られた成形体は青色の発色を呈し、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例4)
印刷層の上にバインダー層を介して、以下に示すハードコート層を厚み2.5μmとなるように塗工した。ハードコート層は、#10のバーコーターを用いて均一にフィルムに塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去した後、80W/cm、搬送速度20m/分の条件にて紫外線照射を行った。その他は実施例1と同様とした。
<ハードコート層>
主成分:UA−5201(新中村化学工業) ウレタンアクリレート 50部
光重合開始剤:イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ) 2.5部
希釈剤:MEK 80部
得られた結果を表1に示す。得られた成形体は優れた金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例5)
積層比を2.5/1とした以外は、実施例1と同様とした。このときのA層の平均厚みは178μm、B層の平均厚みは71μmであった。得られた成形体は金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例6)
積層比を0.8/1とした以外は、実施例1と同様とした。このときのA層の平均厚みは111μm、B層の平均厚みは139μmであった。得られた成形体は金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例7)
実施例1にて得られた二軸配向フィルム同士を、以下に示す接着層にて貼り合わせを行った。条件を以下に示す。ドライ厚み5μmとなるように60℃〜80℃の段階昇温にて乾燥し、貼り合わせ後、40℃ 3日間の条件でエージングを行った。
<接着層>
主剤:タケラックA971(三井化学) 50部
硬化剤:タケネートA3(三井化学) 5部
希釈剤:酢酸エチル 50部。
(実施例8) 成形樹脂を東レデュポン株式会社製“ハイトレル”7247(硬度A 72)に変更した以外は実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。得られた成形体は優れた金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例9)
成形樹脂を日本ミラクトラン社製、E375NMAT(硬度A 76)に変更した以外は実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。得られた成形体は優れた金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例10)
成形樹脂をクラレプラスチックス株式会社製の“セプトンコンパウンド”CJ001(硬度A:40)に変更した以外は実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。得られた成形体は優れた金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例11)
表面に深さ150μmのシボ加工を行った金型を用いた以外は実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示した。得られた成形体はパール状の外観を示し、触感や表面復元性に優れていた。
(実施例12)
スリット数68個のスリット板1とスリット数67個のスリット板2とスリット数68個のスリット板3によってポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bを交互に積層し、フィードブロックにて合流させて、201層に積層された積層体とした。合流したポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ(このときのA層とB層の層厚みの傾きは1.41)、ポリエステル樹脂Aが101層、ポリエステル樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。また、隣接するA層とB層の層厚みはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。層数を201層、フィルム厚み38μmとした以外は、実施例2と同様とした。このときのA層の平均厚みは204μm、B層の平均厚みは170μmであった。得られた成形体は得られた成形体は金属光沢を示しつつ、触感や表面復元性に優れていた。
(比較例1)
A層およびB層ともにPET(前記の東レ製F20S)を用いた以外は、実施例1と同様とした。このため、フィルムは見かけ上1層のフィルムとして得られる。結果を表1に示す。
(比較例2)
フィードブロックを変更して積層数を3層にした以外は実施例1と同様とした。この時のA層の平均厚みは15μm、B層の平均厚みは70μmとした。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
A層およびB層ともに、固有粘度0.7のアジピン酸を30mol%共重合したPETにした以外は実施例1と同様にした。このため、フィルムは見かけ上1層のフィルムとして得られる。表1に示す。得られた成形体は金属光沢がなく、また表面復元性に劣っていた。
(比較例4)
積層比を3.5/1とした以外は、実施例1と同様とした。このときのA層の平均厚みは194μm、B層の平均厚みは55μmであった。得られた成形体は金属光沢を示しつつも、表面復元性に劣っていた。
(比較例5)
成形樹脂を住友ダウ株式会社製 PC/ABSアロイ SDポリカ IM6011(硬度A 90以上)とし、成形樹脂温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にした。得られた結果を表1に示す。
(比較例6)
スリット数134個のスリット板1とスリット数135個のスリット板2とスリット数134個のスリット板3によってポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bを交互に積層し、フィードブロックにて合流させて、401層に積層された積層体とした。合流したポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ(このときのA層とB層の層厚みの傾きは1.23)、ポリエステル樹脂Aが200層、ポリエステル樹脂Bが201層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。また、隣接するA層とB層の層厚みはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。層数を401層とした以外は、実施例1と同様とした。このときのA層の平均厚みは272μm、B層の平均厚みは226μmであった。得られた成形体は光沢度が低く、また表面復元性に劣っていた。
(比較例7)
ポリエステル樹脂Bをアジピン酸を30mol%共重合したPETにした以外は実施例1と同様にした。得られた成形体は鉛筆硬度が低く、また表面復元性に劣っていた。
(比較例8)
実施例4と同様の方法にて積層フィルムを作製し、成形体を得た。ただし、口金に導入する前の短管に1段式のストレートミキサーを組み込み、層数は1601層とし、フィルム厚みを50μmとした。得られた成形体は、青色の発色を呈していたが、光沢感が悪く、また表面復元性に劣っていた。
(比較例9)
ポリエステル樹脂Bとして、シクロヘキジメタノール共重合PET(品番DN003、イーストマン製)を使用した。その他は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製し、成形体を得た。得られた成形体は、表面復元性に劣っていた。
(比較例10)
ポリエステル樹脂Aとして、固有粘度0.7のアジピン酸を30mol%共重合したPETにした以外は比較例1と同様の方法で積層フィルムを作製し、成形体を得た。得られた成形体は鉛筆硬度が低く、表面復元性に劣っていた。
(参考例1)
実施例1にて得られたフィルムのみでの結果を表1に示す。
Figure 2011148198

Claims (6)

  1. 下記測定法によるヤング率の測定において1300MPa以上のヤング率を有する結晶性のポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と、下記測定法によるヤング率の測定において1300MPa以上のヤング率を有する、示差熱量分析において結晶融解熱量が0〜10mJ/mgであるポリエステル樹脂Bからなる層(B層)が、交互にそれぞれ100層以上積層された構造を含み、A層とB層の積層比が3.0〜0.5の範囲にあり、かつB層の平均層厚みが30〜180nmの範囲にあり、全体厚みが38〜250μmである二軸配向フィルムと、エラストマー樹脂とが一体成形されていることを特徴とする成形体。
    (ヤング率の測定方法)
    樹脂を単独で溶融押出してキャストフィルムを作製し、フィルム厚みは300μm、面配向係数fnは0.005以下のものを得、これを“テンシロン”(オリエンテック社製AMF/RTA−100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ100mmとなるようにセットし、25℃、65%RHの条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行うことによって求める。フィルム長手方向(MD)に引張った場合とフィルム幅方向(TD)に引張った場合のそれぞれについて測定し、これらの値は各10回測定した際の平均値を採用する。
  2. 前記二軸配向フィルムの波長帯域400〜1100nmの波長における絶対反射率が30%以上である請求項1に記載の成形体。
  3. 前記エラストマー樹脂が熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂であり、JIS−K7215によるデュロメータ硬度が35〜75の範囲である請求項1または2に記載の成形体。
  4. 貼り合わせ後の二軸配向フィルム表面の鉛筆硬度がB以上であり、また、鉛筆硬度試験において凹みが発生する鉛筆よりも2ランク硬い鉛筆を用いた鉛筆硬度試験により発生した凹みが、80℃1分間の加熱により復元することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の成形体。
  5. 前記ポリエステル樹脂と印刷層、エラストマー樹脂の各層間にバインダー層が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の成形体。
  6. 成形体表面に、金型シボ加工による凹凸が形成されてなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の成形体。
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