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JP2018054800A - 熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、金属フリーで可視光を高反射し、正面視認時の色付きが大きく、僅かな角度変化での彩度変化が顕著である熱可塑性樹脂フィルムを提供する。【解決手段】入射角12°で測定した波長帯域400−750nmにおける平均反射率が30%以上であり、入射角12°及び30°で測定した分光反射率をJISZ8781に規定する計算式を用いて算出される色調値(a*[12°],b*[12°])、(a*[30°],b*[30°])が、下記式(i)を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムである。式(i) √{(a*[12°]-a*[30°])2+(b*[12°]-b*[30°])2}≧25【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルム及びそれを用いた偽造防止シートに関する。
家電、美術や工芸品の加飾、更には偽造防止用のシート等に、見る角度により色彩の変化するフィルムを使用することがある。近年、様々な表現を演出するために、色彩の変化パターンを高精度化したフィルムが求められている。
見る角度により色彩が変化するフィルムを得る代表的な手法としてエンボスホログラム技術を用いたものがある。フィルム表面に微細な光学的凹凸加工を施すことにより、視認角度により虹色に色彩を変化させることが可能となるが、工法が複雑であり、コストや量産性に課題があった。
角度により色彩が変化するフィルムを達成する別の手段として、疑似ホログラムをスクリーン印刷により形成し、観察角度により模様が変化し、製造工程を簡略化したホログラムシートが提案されている(特許文献1参照)。また、屈折率が異なる2種の樹脂を交互に多数積層し、層間の構造的な光干渉によって、特定の波長を反射する光干渉多層膜が知られている。この方法では、選択的な波長の反射により、反射される光の波長を光の原色に近くなるよう設計し、反射ピーク波長が入射角に対して大きくシフトする多層積層フィルムが提案されている(特許文献2参照)。
特開2014−12388号公報 特開2005−59332号公報
特許文献1記載のホログラムシートは、ハーフトーンの下地印刷層を表面に有する蒸着紙等に網点印刷を0.2〜1°の範囲で角度を変えて2回印刷することで表面が凸曲面をなす上地印刷のドットを形成して疑似ホログラムの模様を形成する。しかしながら、高反射を実現するために基材に蒸着紙やミラーインキ等を必要とするため、シートに金属を含有し、リサイクル性や電磁波透過性が必要な部材には適用できない課題があった。
特許文献2に記載の方法では、角度による色調変化は大きいものの、狭帯域での反射となるため単一色に近い色調となり、深みのある色調の実現や可視光帯域の高反射による高級感や偽造防止に必要な独自色の発現を達成できない課題があった。
そこで本発明は上記した従来技術の問題点を解決し、可視光を高反射し、正面視認時の色付きが大きく、僅かな角度変化での彩度変化が顕著な熱可塑性樹脂フィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
入射角12°で測定した波長帯域400−750nmにおける平均反射率が30%以上であり、入射角12°及び30°で測定した分光反射率をJISZ8781に規定する計算式を用いて算出される色調値(a[12°],b[12°])、(a[30°],b[30°])が、下記式(i)を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
式(i) √{(a[12°]-a[30°])+(b[12°]-b[30°])}≧25
([]内の数値は測定入射角を示す)
本発明により、可視光を高反射し、正面視認時の色付きが大きく、僅かな角度変化での彩度変化が顕著な熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。
実施例1〜6及び比較例1〜5の設計層厚みを示す図 実施例7の設計層厚みを示す図 実施例8及び9の設計層厚みを示す図 実施例10の設計層厚みを示す図 比較例6の設計層厚みを示す図 本発明に用いられるフィードブロックの構成図の一例 スリット板及びスリットの構成図 スリットの断面構成図
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、後述する測定方法により求められる入射角12°で測定した波長帯域400−750nmにおける平均反射率が30%以上であることが必要である。40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。本発明における入射角とは、フィルムの厚み方向に平行な角度を0°とし、フィルムの厚み方向に垂直となる角度を90°とするものである。干渉反射を利用したフィルムの反射率は、一般的に、入射角が90°に近いほうが高くなる傾向にある。したがって、入射角12°で測定した波長帯域400−750nmにおける平均反射率が30%以上とすることで、広い角度で反射率が高いフィルムとすることができる。そして、波長帯域400−750nmにおける平均反射率が高いと彩度が高くなるため、入射角度が変化した際の彩度変化も大きくなりやすい。入射角12°で測定した平均反射率が30%未満の場合、彩度が低くなり、入射角度が変化した際の彩度変化が小さくなる。なお、彩度とは、√(a*2+b*2)にて表される色付きの大きさを示す数値である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、後述する測定方法により求められる入射角12°及び30°で測定した分光反射率をJISZ8781に規定する計算式を用いて算出される色調値(a[12°],b[12°])、(a[30°],b[30°])が、下記式(i)を満足する必要がある。
式(i) √{(a[12°]-a[30°])+(b[12°]-b[30°])}≧25
本発明では、以降、√{(a[12°]-a[30°])+(b[12°]-b[30°])}をΔC(角度依存彩度差)と呼ぶ場合がある。ΔCは、見る角度によって彩度の変化する度合いの大きさ(角度依存彩度差)を表す指標である。ΔCを上記範囲内にすることで、光の入射角の僅かな変化で色調が変化し、既往の技術では実現できない色彩や高級感を演出することが可能となり、偽造防止シートに適用可能な独自色を達成することが可能となる。ΔCは30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、90以下であることが好ましい。ΔCが25未満の場合、彩度変化の角度依存性が小さくなり、既往の技術で達成可能な色彩変化となる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、後述する測定方法により求められる入射角12°におけるa[12°],b[12°])が、下記式(ii)を満たすことが好ましい。
式(ii) √(a[12°]+b[12°])≧30
本発明では、以降、√(a[12°]+b[12°])をC(彩度)と呼ぶ場合がある。Cを30以上とすることで、色付きの大きく、意匠性の高いフィルムとすることができる。Cは40以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましい。Cが30未満の場合、高意匠性を達成できないことに加え、入射角度を変化させた場合でもΔCの変化が小さいことがある。なお、分光反射率の測定は入射角度10°程度の角度が最小測定角度であり、正面から視認した場合と最も近い彩度となるため、本発明では入射角度12°の測定値を正面から視認した際の数値とすることがある。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、ヘイズが0.1%以上2.0%以下であることが好ましい。好ましくは0.1%以上1.5%以下であり、より好ましくは0.1%以上1.0%以下である。フィルムのヘイズが2.0%を超えるとフィルムシートの背面に印刷層を設けた場合に、印刷物の視認性が低下することがある。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、JISK5600に準じたクロスカット法による密着性試験において、層間剥離が生じないことが好ましい。クロスカット法により層間剥離が生じると、フィルム加工工程における断裁加工時の応力により層間剥離が生じ、加工収率が低下することがある。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、後述する測定方法により求められる入射角12°で測定した波長帯域400−750nmにおける反射率から下記式(iii)、式(iv)にて求められるR80、R20を求め、最も低波長帯域でR80の反射率を超える波長を低波長側λ80、低波長側λ80から低波長側でR20の反射率を超える最もλ80に近い波長を低波長側λ20とし、低波長側λ80−低波長側λ20の波長帯域を低波長側λ80−λ20、最も高波長帯域でR80の反射率を超える波長を高波長側λ80、高波長側λ80から高波長側でR20の反射率を超える最もλ80に近い波長を高波長側λ20とし、高波長側λ20−高波長側λ80の波長帯域を高波長側λ20−λ80としたとき、低波長側λ80−λ20及び高波長側λ20−λ80の波長帯域は65nm以下である事が好ましい。より好ましくは55nm以下であり、更に好ましくは45nm以下である。この低波長側λ80−λ20及び高波長側λ20−λ80の値が小さくなると、波長帯域400−750nmにおける反射の低い領域から反射の高い領域に到達する反射の立ち上がり、及び、反射の高い領域から反射の低い領域に到達する反射の立ち下がりが短い波長間隔でシャープに変化することになる。反射の立ち上がり、立ち下がりがシャープとなることで、目標とする波長のみを選択的に反射することが可能となり、僅かな入射角度変化でのΔCが大きくなる。
式(iii) R80={(最大反射率−最小反射率)×0.8}+最小反射率 (%)
式(iv) R20={(最大反射率−最小反射率)×0.2}+最小反射率 (%)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは熱可塑樹脂Aからなる層(以下、A層という)と非晶性の樹脂を含む熱可塑性樹脂B層からなる層(以下、B層という)を有し、厚み方向に交互に合計200層以上積層されていることが好ましい。より好ましくは厚み方向に交互に300層以上積層された構造であり、更に好ましくは厚み方向に交互に400層以上積層された構造である。200層未満の積層の場合、可視光の一部の波長のみの反射となり、単一色に近い反射となることで色の深みや高反射による高意匠性を達成できなくなることがある。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは両側の最表層の厚みが1μm以上、10μm以下であることが好ましい。より好ましくは2μm以上7μm以下である。1μm未満の場合、積層不良に起因する積層ムラが発生し、反射の立ち上がりや立ち下がりの帯域が広くなり、ΔCが小さくなることがある。10μmを超える場合、表層の厚膜層付近で層間剥離が発生しやすくなることがある。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは厚みが2μm以上6μm以下である層を内層に1層以上有することが好ましい。より好ましくは3μm以上4μm以下である。1μm未満の場合、積層不良に起因する積層ムラが発生し、目標の光学性能が得られずΔCが小さくなることがある。6μmを超える場合、内層の厚膜層付近で層間剥離が発生しやすくなることがある。
本発明における熱可塑性樹脂フィルムは層厚み1μm未満である薄膜層において、A層とB層のそれぞれの層において隣り合う層の厚みの差が50nm以下の範囲で連続的に単調増加もしくは単調減少している傾斜構造を2段以上有することが好ましい。2段以上の傾斜構造を有していない場合、極一部の層にわずかな積層不良を生じ、設計値から外れた場合、他の部分に同程度の厚みの層が存在しないため、反射の立ち上がりや立ち下がり帯域が広くなり、ΔCが小さくできなくなることがある。本発明における熱可塑性樹脂フィルムの好ましい層構成の一例として、設計層厚みを示す図を説明する。図1は、2種類の熱可塑性樹脂(以下、樹脂A、樹脂Bともいう)からなる層を厚み方向に交互に積層したフィルムにおいて、A層とB層を各層順(以下、層番号という)に対してプロットした図である。図の整数の層番号のみに層厚みが対応しており、結晶性の熱可塑性樹脂AからなるA層は奇数番号に対応し、非晶性の樹脂を含む熱可塑性樹脂BからなるB層は偶数番号に対応する。また、厚膜層は結晶性樹脂である樹脂AからなるA層で形成されることが好ましい。図2についても同様である。また、層構成が減少から増加に変化、及び増加から減少に変化する箇所は積層不良が生じ易く、反射の立ち上がり及び立ち上がり帯域が広く原因となるため、2μm以上6μm以下である厚みの内層の厚膜層を上記箇所に設けることで積層不良の原因となる製造時の押出工程で発生する剪断応力を厚膜層にて吸収させることができる。内層の厚膜層が2μm未満の場合、層構成が減少から増加に変化、及び増加から減少に変化する箇所での積層不良に起因する剪断応力の吸収が十分ではないため、積層不良を抑制できず、特定波長における光の反射が設計値と異なるため、僅かな角度変化でのΔCが小さくなることがある。内層の厚膜層が6μmを超える場合、結晶性樹脂Aからなる厚膜層と厚膜層以外の箇所では弾性率が異なるため、加工における断裁時に厚み方向に剪断応力がかかると、厚膜層付近に応力が集中し、デラミが発生しやすくなることがある。図3は図1の積層数が349層である構造であり、図4は図1の積層数が249層である構造である。図5は図1の積層数が149層である構造であり、積層数が小さいことで狭い波長帯域での反射となるため単一色に近い色調になることに加え、反射層が少ないことで波長帯域400〜700nmにおける平均反射率を30%以上にすることができなくなることがある。
また、本発明では便宜上、図1、図3、図4及び図5の層厚み構成を2段の傾斜構造、図2の層厚み構成を3段の傾斜構造と呼ぶこととする。ここで、本発明で言う「2段の傾斜構造」とは、2本の単調増加曲線および/または単調減少曲線で近似できる構造のことを指す。
本発明における結晶性の熱可塑性樹脂A、非晶性樹脂を含む熱可塑性樹脂Bの2種類の樹脂は、共重合体や2種類以上の樹脂が混合されたものであっても良い。中でも、ポリエステル樹脂を用いることが特に好ましい。ここでいう結晶性とは、示差走査熱量測定(DSC)において、融解熱量が5J/g以上であることをいう。一方、非晶性とは、同様に融解熱量が5J/g未満であることをいう。
ポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体等を挙げることができる。中でも屈折率の高いテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良く、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合しても良い。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコール等を挙げることができる。中でも、エチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種類のみを用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
前記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂から選ばれた樹脂Aおよび樹脂Bの好ましい組み合わせは、一方の樹脂と同一の基本骨格を含む樹脂を用いることが好ましい。ここで、本発明で言う「基本骨格」とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことを指し、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、エチレンテレフタレートが基本骨格であり、この場合の他の樹脂としては、例えば、エチレンテレフタレート単位とシクロヘキサン1,4−ジメチレンテレフタレート単位からなる重合体(共重合体)が挙げられる。また、別の例として、一方の樹脂がポリエチレンの場合、エチレンが基本骨格である。同一の基本骨格の樹脂を用いると、熱可塑性樹脂フィルムの製膜において、層間剥離等の問題が生じ難くなる。
結晶性の熱可塑性樹脂Aとしては、耐押し跡性(耐打痕性)、フィルム自体の腰の強さの観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
非晶性の樹脂を含む熱可塑性樹脂Bの非晶性樹脂としては、屈折率の上昇を抑制する観点から、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル酸、シクロヘキサンジカルボン酸を含有、または、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールA成分を含有した上記樹脂Aの共重合体を、上記樹脂Aと混合または単独で用いることが好ましい。
本発明における傾斜構造を有する熱可塑性樹脂フィルムを得るのに好適な実施形態であるフィードブロックの例を図6に示す。該フィードブロックは、2種の樹脂Aと樹脂Bを多層に積層する積層装置のことであり、詳細を以下に説明する。図6おいて、部材板6〜16がこの順に重ねられ、フィードブロック17を形成する。
図6のフィードブロック17は、樹脂導入板7,9,11,13,15に由来して5つの樹脂導入口を有するが、例えば樹脂Aを樹脂導入板7,11,15の導入口18から供給し、樹脂Bを樹脂導入板9,13の導入口18から供給する。すると、スリット板8は、樹脂導入板7から樹脂A、樹脂導入板9から樹脂Bの供給を受け、スリット板10は、樹脂導入板11から樹脂A、樹脂導入板9から樹脂Bの供給を受け、スリット板12は、樹脂導入板11から樹脂A、樹脂導入板13から樹脂Bの供給を受け、スリット板14は、樹脂導入板15から樹脂A、樹脂導入板13から樹脂Bの供給を受けることになる。
ここで、各スリット板に導入される樹脂の種類は、樹脂導入板7,9,11,13,15における液溜部19の底面とスリット板における各スリットの端部との位置関係により決定される。すなわち、図6に示すように、スリット板における各スリットの頂部の稜線20は、スリット板の厚み方向に対して傾斜を有する(図7(b),(c))。但し、図7(a)に示すように、スリット板の両端部に位置した厚膜層を形成するスリット巾は、薄膜層の破壊を防ぐ観点から、他の薄膜層を形成するスリット巾の2倍以上であることが必要である。ここでの他の薄膜層を形成するスリット巾とは、少なくとも1つのスリット板内にある薄膜層を形成するスリット部の巾の平均値のことである。より好ましくは、3倍以上である。特に、スリット板8及びスリット板14のフィルムの各最表層部分に該当するスリットは、樹脂Aが流入され、かつ他の薄膜層を形成するスリット巾の10倍以上であることが必要である。この際、樹脂Aが流入するスリットを連続して配置することで、巾の長さを合計して他の薄膜層を形成するスリット巾の10倍以上とすることもできる。このように、フィードブロックから送り込まれた樹脂が合流する箇所、及びフィードブロックから口金までの経路で配管の壁面との境界にあたる箇所において厚膜層を設けることで、合流直後の層厚み分布の変化を防止させ、さらには配管付近の多層流動における樹脂速度の変動を防止することができるため、積層比を崩すことなく、反射の立ち上がり及び立ち下がりの帯域幅が狭く、僅かな角度変化でΔCが大きく変化する熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。
そして、図8に示すように、樹脂導入板7,9,11,13,15(13,15は繰り返し構造のため、図8中から省略)における液溜部19の底面の高さは、前記稜線20の上端部21と下端部22との間の高さに位置する。このことにより、前記稜線20が上がった側からは樹脂導入板7,9,11,13,15の液溜部19から樹脂が導入されるが(図8中23)、前記稜線20が下がった側からはスリットが封鎖された状態となり樹脂は導入されない。かくしてスリット毎に樹脂AまたはBが選択的に導入されるので、積層構造を有する樹脂の流れがスリット板8,10,12,14(12,14は繰り返し構造のため、図8中から省略)中に形成され、当該スリット板8,10,12,14の下方の流出口24より流出する。
スリットの形状としては、樹脂が導入される側のスリット面積と樹脂が導入されない側のスリット面積が同一ではないことが好ましい。このような構造とすると、樹脂が導入される側と樹脂が導入されない側での流量分布を低減できるため、幅方向の積層精度が向上する。さらには、( 樹脂が導入されない側のスリット面積)/( 樹脂が導入される側のスリット面積)が0.2以上0.9 以下であることが好ましい。より好ましくは0.5以下である。また、フィードブロック内の圧力損失が1MPa以上となることが好ましい。また、スリット長( 図6中Z方向スリット長さの内、長い方)を20mm以上とすることが好ましい。一方、スリットの間隙巾は、加工精度の観点から0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0 .5mm以上3mm以下である。
このようにスリットの巾や長さを調整することにより、各層の厚みを制御し、傾斜構造を有する熱可塑性樹脂フィルムを得る事が可能である。また、それぞれのスリットにおいて、スリット間隙巾は、目標値の−3%乃至+3%の範囲であることが好ましい。より好ましくは−2%乃至+2%の範囲である。スリット間隙巾が、目標値の−3%乃至+3%の範囲であることで、局所的な層厚みの密度の増減を防止することができる。なお、スリットは、その巾や長さを微妙に調整した高い加工精度を必要とする観点から、ワイヤー放電加工にて製作されたものが好ましい。
また、各スリット板に対応したマニホールド部を有していることも好ましい。マニホールド部により、スリット板の内部での幅方向( 図6中Y方向)の流速分布が均一化するため、積層されたフィルムの幅方向の積層比を均一化することができ、大面積のフィルムでも精度良く積層することが可能となり、フィルム巾方向の反射率を精度良く制御することができる。また、前記マニホールドから各スリットへ連通する部分に、スリット間隙よりも大きな積層方向寸法を有する第2マニホールドがスリット幅方向のすべてに設けられていることが好ましい。また、前記第2マニホールドはスリット間隙の2倍以上であることが好ましい。加えて、前記第2マニホールドが、スリットに連通する樹脂導入板のマニホールドから離れるに従い下流方向に傾斜していることが好ましい。このような構造とすることで、樹脂導入板のマニホールドから遠い部分のスリットへ溶融材料が流れ易くなりスリットの第1マニホールドの近い側と遠い側の流量差が小さくなることにより、スリット幅方向の溶融材料の流量が均一となる。また、一つの液溜部から二つ以上のスリット板へ樹脂を供給することがより好ましい。このようにすると、例えば、わずかにスリット板の内部で幅方向に流量分布が生じていたとしても、次に説明する合流装置にてさらに積層されるため、積層比としてはトータルでは均一化され、高次の反射帯域のムラを低減することが可能となる。
スリット内を通過するポリマーは一般に式(v)にて表される。
Figure 2018054800
すなわち、液溜め部内の圧力が均一化されて圧力降下ΔPが一定であると考えると、1層の層厚みに対応する流量Qは、一つのスリットサイズを調整することにより容易に調整することができる。この装置では、各層の厚みをスリット形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。例えば図1に示されるような構造とする場合の達成方法を説明する。この場合、スリット板は2枚構成であり、個々のスリット板のスリット長は単調増加及び単調減少しているスリット長さの分布を有しており、かつ、隣り合うスリット板間(ここでは単調増加から減少または単調減少から増加に変化する箇所)において、層の繋ぎ目となる厚膜層を形成するスリットを中心として、それぞれ、前後に配列する少なくとも10層以上のスリットの長さと巾の分布が、前後で同じようになるように設計することで達成される。
Q:樹脂流量
t:スリットの巾
W:スリットの奥行き
μ:樹脂粘度
L:スリットの長さ
ΔP:圧力降下
各スリット板から流出した樹脂は、図6のフィードブロックの真下に配置された合流装置にて1つの積層流れとして合流される。その後、溶融状態の当該樹脂流れは、Tダイ内部のマニホールド部に充填、さらに拡幅され、次いでダイスリットからシート状に押し出される。この際、前記フィードブロックと前記口金とを接続する流路における流路方向に垂直な任意の断面のシート幅方向寸法をW、シート厚み方向寸法をT、前記口金の吐出口のシート幅方向寸法をWd、前記積層体の最表層の最小シート厚み方向寸法をLとすると、式(vi)と式(vii)の関係を共に満足することが好ましい。
Figure 2018054800
Figure 2018054800
熱可塑性樹脂フィルムを波長帯域400−750nmの範囲において、設計波長のみを反射するためには、各層の層厚みを、下記式(viii)に基づいて設計する必要がある。本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、光を反射/透過することを可能とするが、その反射率については樹脂Aと樹脂Bの屈折率差と層数によって制御することができる。
式(viii) 2×(na・da+nb・db)=λ
na:結晶性の熱可塑性樹脂Aからなる層の面内平均屈折率
nb:非晶性の樹脂を含む熱可塑性樹脂Bからなる層の面内平均屈折率
da:樹脂Aからなる層の層厚み(nm)
db:樹脂Bからなる層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
A層、B層の面内平均屈折率(n、n)の値は、単膜の配向フィルムを5mm(幅方向)×20mm(長手方向)×0.5mm(厚み方向)の大きさに切り出し、アッベ屈折率計により、該フィルムの温度23℃、波長589nmにおける屈折率を5回測定し、その平均値を算出することにより得られる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムにおいて、樹脂AとBの積層を設計通りとするために樹脂Aと樹脂Bがフィードブロックにて合流した直後の積層むらを制御する必要がある。フィードブロックにて合流した樹脂Aと樹脂Bは溶融粘度が異なるため、樹脂Aと樹脂Bの界面近傍で積層むらが発生し、口金吐出までに積層むらが成長することで層厚みが設計と変化し、所望の波長帯域の反射を達成できないことがある。高反射を達成するために樹脂AにはPET樹脂、樹脂Bには低屈折率樹脂としてスピログリコール(SPG)とシクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)を共重合した樹脂を使用することがあるが、一般的な溶融温度である270〜290℃の温度領域では樹脂Aの溶融粘度が低くなることがあり、粘度差により生じる剪断応力により樹脂Bの層内で剪断応力の分布で生じることがある。樹脂Aによる樹脂Bの層内での剪断分布を低減するため、樹脂Aの粘度は低く、樹脂Bの粘度を高くすることで積層むらが抑制できるため好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムのA層の面内平均屈折率と、B層の面内平均屈折率の差が0.055以上0.120以下であることが好ましい。より好ましくは、0.060以上0.115以下である。面内平均屈折率の差が0.055未満の場合、十分な反射率が得られず、高意匠性を達成できない場合がある。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、前記熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル・ウレタン共重合樹脂と2種類以上の架橋剤からなる易接着層が設けられていることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムに印刷層またはハードコート層を施す際、処理面に易接着層が設けられていない場合、界面における密着性が低下することがある。また、印刷層とハードコート層を熱可塑性樹脂フィルムの両面に施す際は、両面に易接着層が設けられていることが好ましい。
本発明に好ましく用いられる易接着層を構成するアクリル・ウレタン共重合樹脂としては、アクリル系モノマーは、例えばアルキルアクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー等を用いることができる。また、本発明におけるウレタン成分としては、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物を、乳化重合、懸濁重合等の公知のウレタン樹脂の重合方法によって反応させることで得られる樹脂を用いることができる。ウレタン成分を構成するポリヒドロキシ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリカーボネートジオール、グリセリン等を用いることができる。
本発明における易接着層を構成する架橋剤としては、架橋性官能基を共重合することが好ましく、例えば、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化或いはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤等を用いることができる。また、ハードコート層やシリコーン系接着層との耐湿熱接着性の観点から、2種類以上の架橋剤を用いることが好ましく、具体的には、架橋剤の少なくとも1種類がオキサゾリン系架橋剤またはカルボジイミド系架橋剤を用いることが好ましい。
さらに、前記易接着層の成分だけであると帯電し易いため、その結果、静電気により加工時に異物が混入し、外観欠点となる問題を引き起こすことがある。そのため易接着層の成分には、帯電防止の観点から、導電性高分子を含んでいることが好ましい。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン・ビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレン、ポリヘテロサイクル・ビニレン、特に好ましくは、(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、表面にハードコート層を設けることで、熱可塑性樹脂フィルムが傷つくことを抑制でき、耐擦過性を付与することができる。ただし、コスト面からハードコート層を必要としない用途に対しては、必ずしもハードコート層を設けなくてもよい。
ハードコート層としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート樹脂、シリコーン系樹脂等を用いることができる。その中で、硬度、耐久性および生産性の観点から、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、さらに好ましくは、アクリル系樹脂であり、活性線硬化型のアクリル系樹脂であることが最も好ましい。
ハードコート層の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤等を用いることができる。本発明におけるハードコート層の厚みは、用途に応じて決められるが、通常は0.1μm以上30μm以下が好ましく、さらに好ましくは、1μm以上15μm以下である。ハードコート層の厚みが0.1μm未満の場合、ハードコート層の組成物が十分硬化していても、膜厚が薄すぎるために表面硬度が低くなり、傷が付き易くなることがある。ハードコート層の厚みが30μmを超える場合、折り曲げなどの応力により硬化膜にクラックが入り易くなることがある。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムでは、易接着層、ハードコート層及び帯電防止層の他に、耐摩耗性層、反射防止層、色補正層、紫外線吸収層、印刷層、金属層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層、接着層などの機能性層を形成してもよい。
次に、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの好ましい製造方法の一例を以下に説明するが、これによって制限されるものではない。
まず、2種類の樹脂A及び樹脂Bをペレットの形態で用意する。該ペレットは、必要に応じて熱風中あるいは真空下で乾燥された後、各々2台の押出機にそれぞれ供給される。各押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化してフィルター等を介して異物や変性した樹脂を取り除く。2台の押出機を用いて異なる流路から送り出された樹脂Aと樹脂Bは、それぞれ多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、多数の微細スリットを有する部材を、少なくとも別個に2個以上含むフィードブロックを用いることが望ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度に積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、任意の層厚み構成を形成することも可能となる。
2段以上の傾斜構造をとる場合、薄い層から厚い層への変化もしくは厚い層から薄い層への層厚みの変化が、非常に急になる。本発明では多数の微細スリットを有する部材を少なくとも別個に2個以上含むフィードブロックを用いる。ただし、この別個のフィードブロックから送り込まれた樹脂が合流する箇所では合流直後に層厚み分布が変化し、幅方向の色調をばらつかせる大きな一因となっていた。そのため、積層フィルムにて厚み1μm以下の層に該当する箇所において、樹脂Aと樹脂Bの流量が大きく変化しないよう積層比が0.7〜1.3となるように流量を調整することが必要である。また、溶融状態で樹脂Aと比較して高粘度となる樹脂Bが層内の剪断応力差により歪みが生じないように樹脂Aは低粘度、樹脂Bは高粘度とすることで積層むらが小さくなり、所望の層厚み分布が得られる。さらにはフィードブロックから口金までの経路で配管の壁面の影響により配管付近の樹脂速度が低下するため、配管壁面付近と配管中心部の流速差により更にフィルム積層精度が悪化する。そのため、フィルム最表層部および別個のフィードブロックの樹脂合流部の一定の距離を同一のポリマーで置換することで積層比を崩すことなく、反射の立ち上がり及び立ち下がりが狭い波長帯域となる熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。このとき、積層フィルムの両側の最表層の厚膜層を樹脂Aとする場合、樹脂Aからなる層が表層厚膜層(両側の最表層)に該当する。また、内層の厚膜層とする樹脂は、耐押跡性向上のために高結晶性樹脂とすることが好ましい。内層の厚膜層は2μm未満であると合流部の層厚み分布変化の抑制は十分ではなく、2μm以上であることが必要である。厚膜層の厚み調整は該当する層の厚みに相当する各流量をスリットの間隙で調整することが好ましく、この際、各スリット間隙の間隙精度は±10μm以下であることが好ましい。このような特殊なフィードブロックを用いることにより、高精度でかつ2段以上の傾斜構造を形成する熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。
このようにして所望の層構成に形成した溶融積層体は、次にダイにて目的の形状に成型された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の回転冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルム(無延伸フィルム)が得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針金状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の回転冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の回転冷却体に密着させ急冷固化、または、ニップロールにて回転冷却体に密着させて急冷固化させる方法も好ましい。
このようにして得られたキャスティングフィルム(無延伸フィルム)は、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、長手方向及び幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二軸方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向及び/または幅方向に再延伸しても良い。特に本発明においては面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、同時二軸延伸を用いることが好ましい。
まず、逐次二軸延伸の場合について説明する。ここで長手方向の延伸とは、フィルムに長手方向に分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行っても良く、また、複数本のロール対を用いて多段階で行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、熱可塑性樹脂フィルムにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムに易接着層を設ける場合には、塗剤をコーティングして積層する方法が好ましい。塗剤をコーティングする方法としては、本発明におけるポリエステルフィルムの製造工程とは別工程でコーティングを行う方法、いわゆるオフラインコーティング方法と、本発明におけるポリエステルフィルムの製造工程中にコーティングを行うことで易接着層を一度に積層させる、いわゆるインラインコーティング方法がある。コストの面や塗布厚みの均一化の面からインラインコーティング方法を採用することが好ましく、その場合に用いられる塗液の溶媒は、環境汚染や防爆性の観点から水系であることが好ましく、水を用いることが最も好ましい態様である。
インラインコーティングで易接着層を積層する場合には、一軸延伸されたポリエステルフィルムに連続的に易接着層を構成する塗剤を塗布する。溶媒として水を用いた塗剤(水系塗剤)の塗布方法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法およびダイコート法などを用いることができる。
水系塗剤を塗布する前に、ポリエステルフィルムの表面にコロナ放電処理等を施すことが好ましい。これは、ポリエステルフィルムと塗剤との接着性が向上し、塗布性も良好となるためである。
易接着層には、発明の効果を損なわない範囲であれば、架橋剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑材、顔料、染料、有機または無機の粒子、充填材、界面活性剤等を配合しても良い。
続いて行う幅方向の延伸とは、フィルムの幅方向に分子配向を与えるための延伸を言い、通常はテンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、フィルムに熱を加えて予熱した後、幅方向に延伸する。テンター直前に塗布された水系塗剤はこの予熱時に乾燥される。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、本発明におけるポリエステルフィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましい。また、延伸温度としては本発明におけるポリエステルフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。二軸延伸されたポリエステルフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うことが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
次いで、同時二軸延伸の場合について説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、連続的に易接着層を構成する塗剤を塗布する。溶媒として水を用いた塗剤(水系塗剤)の塗布方法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法およびダイコート法などを用いることができる。
水系塗材を塗布する前に、本発明における熱可塑性樹脂フィルムの表面にコロナ放電処理などを施すことが好ましい。これは、ポリエステルフィルムと塗剤との接着性が向上し、塗布性も良好となるためである。次に、塗剤を塗布したキャストフィルム(無延伸フィルム)を同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時及び/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能で、かつ任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、面積倍率として8〜30倍が特に好ましい。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としてはポリエステルフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うことが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前及び/または直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向及び/または幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前及び/または直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。
かくして得られた本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、可視光を高反射し、正面視認時の色付きが大きく、僅かな角度変化での彩度変化が顕著であるため、偽造防止シート、ICカード加飾、家電等の加飾、美術や工芸品に使用する加飾フィルム等に好適に用いることができる。また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、金属を用いずに可視光の高反射性と僅かな角度変化での彩度変化を達成しているため、本発明の熱可塑税樹脂フィルムを用いた偽造防止シートは、リサイクル性や電磁波透過性に優れるため、各種ICカードや有価証券などに好適に用いることができる。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)フィルムの層構成及び層厚み
ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製、H−7100FA型)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40,000倍に拡大して観察し、断面部分を撮影して層構成及び層厚みを測定した。また、各層の合計厚みを積層フィルム全体厚みとした。なお、コントラストを高く得るために、RuOを使用してサンプルを染色した。
フィルムの層構成及び層厚みの具体的な求め方を説明する。約40,000倍のTEM写真を、CanonScanD123U(キャノン(株)製)を用いて画像サイズ729dpiで取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで、画像処理ソフト(販売元プラネトロン(株)、Imagc−Pro Plus ver.4)を用いて、該JPEGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域における平均の明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2010)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ1(間引き1)でデータ採取後、5点移動平均の数値処理を施した。さらに、得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア アプリケーションズ)プログラムにより、微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。得られた層厚みのうち、薄膜層は1μm未満の厚みの層とした。A層とB層において隣り合う層の厚みの差が50nm以下の範囲で連続的に単調増加もしくは単調減少配列している群を傾斜構造と定義した。傾斜構造は層番号とA層とB層それぞれの層厚みの関係を最小二乗近似した際、そのRの二乗が0.90以上となる正もしくは負の傾きを持つものとし、図1の構成を2段の傾斜構造、図2の構成を3段の傾斜構造と呼ぶこととした。
(2)400−750nm平均反射率
熱可塑性樹脂フィルムから5cm四方のサンプルを切り出した。次いで、分光光度計((株)日立製作所製、U−4100 Spectrophotometer)を用いて、入射角度Φ=12における相対反射率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、酸化アルミニウムである。測定波長は、250nm〜1200nm、スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲイン2と設定し、走査速度600nm/分で測定した。サンプルの裏面を油性インキで黒塗りした。次いで、波長帯域400〜750nmにおける平均反射率を算出した。平均反射率の算出方法は、波長1nm毎の絶対反射率のデータを用いてシンプソン法公式に基づき、反射曲線と波長帯域で囲まれた面積を計算し、波長帯域の幅である350nmで除することにより、平均反射率を求めた。なお、シンプソン法についての詳細な説明は、山内二郎他著書の「電子計算機のための数値計算法I」(培風館)(昭和40年)に記載されている。
入射角度Φ=30°の絶対反射率は角度可変絶対反射率付属装置を用いて、入射角度Φ=12°の時と同条件にて測定して平均反射率を算出した。
(3)低波長側λ80−λ20、高波長側λ20−λ80
熱可塑性樹脂フィルムから5cm四方のサンプルを切り出した。(2)の方法により測定した波長帯域400−750nmにおける反射率から下記式にて定義されるR80、R20を求めた。
最も低波長帯域でR80の反射率を超える波長を低波長側λ80、低波長側λ80から低波長側でR20の反射率を超える最もλ80に近い波長を低波長側λ20とし、低波長側λ80−低波長側λ20の波長帯域を低波長側λ80−λ20とした。
最も高波長帯域でR80の反射率を超える波長を高波長側λ80、高波長側λ80から高波長側でR20の反射率を超える最もλ80に近い波長を高波長側λ20とし、高波長側λ20−高波長側λ80の波長帯域を高波長側λ20−λ80とした。
式(iii) R80={(最大反射率−最小反射率)×0.8}+最小反射率 (%)
式(iv) R20={(最大反射率−最小反射率)×0.2}+最小反射率 (%)
(4)色調(a[12°]、b[12°])、(a[30°]、b[30°])
(2)で得られた分光反射率データから、入射角度12°、30°のそれぞれの分光反射曲線のP波とS波からこれらを平均化した分光反射曲線をもとめた。次に、各角度の平均分光反射曲線から、JISZ8781に規定する計算式を用いて、D65光でのa[12°]、b[12°]、a[30°]、b[30°]を算出した。
(5)彩度C[12°]
(4)で得られた(a[12°]、b[12°])の数値から以下の式から彩度C[12°]を求めた。
式(ii) C[12°]=√(a[12°]+b[12°]
(6)ΔC(角度依存彩度差)(入射角12°/30°彩度差)
(4)で得られた(a[12°]、b[12°])、(a[30°]、b[30°])の数値から以下の式からΔC(角度依存彩度差)(入射角12°/30°彩度差)を算出した。
式(i) √{(a[12°]-a[30°])+(b[12°]-b[30°])
(7)ヘイズ
23℃、相対湿度65%において、日本電色工業(株)製濁度計NDH−5000を用いて行った。3回測定した平均値をヘイズ値とした。
(8)正面視認時色付き性
(5)彩度C[12°]の測定結果より、以下の基準で評価した。
◎:C[12°]=40以上
○:C[12°]=30以上40未満
×:C[12°]=30未満。
(9)角度色付き変化性
(6)ΔC(角度依存彩度差)の測定結果より、以下の基準で評価した。
◎:ΔC(角度依存彩度差)=40以上
○:ΔC(角度依存彩度差)=30以上40未満
△:ΔC(角度依存彩度差)=25以上30未満
×:ΔC(角度依存彩度差)=25未満。
(10)高反射性
(2)400−750nm平均反射率の測定結果より、以下の基準で評価した。
◎:400−750nm平均反射率=50%以上
○:400−750nm平均反射率=40%以上50%未満
△:400−750nm平均反射率=30%以上40%未満
×:400−750nm平均反射率=30%未満。
(11)層間密着性
JIS K5600−5−6−1999に準拠し、クロスカット用間隔スペーサー(コーテック株式会社製:型番CROSS CUT GUIDE1.0)、カッターナイフを用い、評価用試験体にタテ方向6回、ヨコ方向6回の切り込みを1mm間隔で入れる(本操作により、5×5=25マスの格子が作製される)。作製した格子上に透明感圧付着粘着テープ(日東電工株式会社製:型番31B)を圧着し、圧着したテープを約60°の方向に引き剥がし、剥離した格子の数を求めた。測定はN=5で実施し、平均値をもって以下の基準で評価した。
○:25マス全ての格子で剥離なし(剥離個数が0マス以上1マス未満)
△:25マス中1マス以上2マス未満の格子が剥離
×:25マス中2マス以上の格子が剥離。
(原料)
(樹脂A−1)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行う。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量部を添加した後、重縮合反応槽に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を除々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、固有粘度(IV)0.61のポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある)を得た。
(樹脂A−2)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物を用いた以外は、樹脂A−1と同様に重合を行い、固有粘度(IV)0.67のポリエチレンナフタレート(以下、PENということがある)を得た。
(樹脂A−3)
樹脂A−1重合時に重縮合反応時間を調整し、固有粘度(IV)0.66のポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある)を得た。
(樹脂B−1)
固有粘度(IV)0.60のスピログリコール(SPG)21mol%、及びシクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)24mol%を共重合したポリエチレンテレフタレートと樹脂A−3を4:1で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−2)
固有粘度(IV)0.75のシクロヘキサンジメタノール(CHDM)30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレートと樹脂A−3を4:1で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−3)
固有粘度(IV)0.75のシクロヘキサンジメタノール(CHDM)30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレートと樹脂A−3を3:2で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−4)
固有粘度(IV)0.55のスピログリコール(SPG)21mol%、及びシクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)24mol%を共重合したポリエチレンテレフタレートと樹脂A−3を4:1で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−5)
固有粘度(IV)0.70のシクロヘキサンジメタノール(CHDM)30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレートと樹脂A−3を4:1で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−6)
固有粘度(IV)0.75のシクロヘキサンジメタノール(CHDM)30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレートと樹脂A−3を2:3で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(易接着層の組成物−I)
・アクリル・ウレタン共重合樹脂(a)の水分散体:山南合成化学(株)製、サンナロンWG658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製、エラストロンE−37(固形分濃度28重量%)
・エポキシ化合物(c)の水分散体:DIC(株)製、CR−5L(固形分濃度100重量%)
・ポリチオフェン構造を有する化合物及び陰イオン構造を有する化合物からなる組成物(d)の水分散体(固形分濃度1.3重量%)
・オキサゾリン化合物(e)の水分散体:日本触媒(株)製、エポクロスWS−500(固形分濃度40重量%)
・カルボジイミド化合物(f)の水分散体:日清紡(株)製、カルボジライトV−04(固形分濃度40%)
・シリカ粒子(g):日揮触媒化成(株)製、スフェリカスラリー140(固形分濃度40%)
・アセチレンジオール系界面活性剤(h):日信化学(株)製、オルフィンEXP4051(固形分濃度50%)
・水系溶媒(i):純水
上記した(a)〜(h)を固形分重量比で、(a)/(b)/(c)/(d)/(e)/(f)/(g)/(h)=100/100/75/25/60/60/10/15となるように混合し、かつ前記水系塗剤の固形分濃度が3重量%となるように(i)を混合し、濃度調整した。
(実施例1)
樹脂A−1及び樹脂B−1を、各々別のベント付き二軸押出機で樹脂A−1を280℃及び樹脂B−1を270℃の溶融状態とした後、ギヤポンプ及びフィルターを介して、274個のスリットを有する部材を別個に1個有する549層のフィードブロックにて合流させた。なお、厚膜層となる両側の最表層は樹脂A−1となり、樹脂A−1と樹脂B−1が交互に積層され、かつ隣接する樹脂A−1からなる層と樹脂B−1からなる層の層厚みは、ほぼ同じになるようにした。次いで、T−ダイに導いてシート状に成型した後、静電印加で表面温度25℃に保たれたキャスティングドラムに密着させて急冷固化し、キャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムを75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却して一軸延伸フィルムを得た。次いで、該一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの塗れ張力を55mN/mとし、#4のメタバーで易接着層の組成物−Iをフィルムの両面に塗布した。
得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風予熱後、110℃の温度で横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのままテンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、次いで、同温度にて幅方向に7%の弛緩処理を施し、その後、室温まで冷却してワインダーにて巻き取り、二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸された積層フィルムのフィルム全体厚みは、70μmであった。この積層フィルムの層設計は図1の通りであり、スリット間隙を調整することにより、各層の層厚みを制御した。該積層フィルムの厚み方向の断面をTEM観察し、画像処理により層厚み分布を求めた。最表層となる層番号1及び層番号549の層厚みは何れも6μmであり、樹脂A−1で構成される層番号275の層厚みは4μmであった。この熱可塑性樹脂フィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(実施例2)
フィルム全体厚みを70μmから80μmに変更した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
フィルム全体厚みを70μmから60μmに変更した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
樹脂B−1を樹脂B−2に変更した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
樹脂B−1を樹脂B−3に変更した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例6)
樹脂A−1を樹脂A−2に変更した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例7)
フィルムの層設計を図2となるようにフィードブロックのスリット形状を変更して厚み調整し、積層フィルム全体厚みを76μmとした以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。最表層となる層番号1及び層番号549の層厚みは何れも6μmであり、樹脂A−1で構成される層番号183及び層番号366の層厚みは4μmであった。この熱可塑性樹脂フィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(実施例8)
フィルムの層設計を図3となるようにフィードブロックのスリット形状を変更して厚み調整し、積層フィルム全体厚みを45μmとした以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。最表層となる層番号1及び層番号349の層厚みは何れも6μmであり、樹脂A−1で構成される層番号175の層厚みは4μmであった。この熱可塑性樹脂フィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(実施例9)
フィルム全体厚みを45μmから35μmに変更した以外は実施例8と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(実施例10)
フィルムの層設計を図4となるようにフィードブロックのスリット形状を変更して厚み調整し、積層フィルム全体厚みを34μmとした以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。最表層となる層番号1及び層番号249の層厚みは何れも6μmであり、樹脂A−1で構成される層番号125の層厚みは4μmであった。この熱可塑性樹脂フィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
(比較例1)
樹脂A−1を樹脂A−3、樹脂B−1を樹脂B−4に変更し、ベント付き二軸押出機で樹脂B−4を280℃の溶融状態に変更した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
フィルム全体厚みを70μmから80μmに変更した以外は比較例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例3)
フィルム全体厚みを70μmから60μmに変更した以外は比較例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例4)
樹脂B−1を樹脂B−5に変更した以外は比較例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例5)
樹脂B−1を樹脂B−6に変更した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例6)
フィルムの層設計を図5となるようにフィードブロックのスリット形状を変更して厚み調整し、積層フィルム全体厚みを24μmとした以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを得た。最表層となる層番号1及び層番号149の層厚みは何れも10μmであり、樹脂A−1で構成される層番号75の層厚みは4μmであった。この熱可塑性樹脂フィルムの特性及び評価結果を表1に示す。
Figure 2018054800
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、可視光を高反射し、正面視認時の色付きが大きく、僅かな角度変化での彩度変化が顕著である。そのため、その特性を活かして偽造防止シート、ICカード加飾、家電等の加飾、美術や工芸品に使用する加飾フィルム等に好適に用いることができる。
1:層番号
2:層厚み
3:厚膜層
4:A層の層厚み分布
5:B層の層厚み分布
6:部材板
7:樹脂導入板
8:スリット板
8a:スリット
8b:スリット
9:樹脂導入板
10:スリット板
11:樹脂導入板
12:スリット板
13:樹脂導入板
14:スリット板
15:樹脂導入板
16:部材板
17:フィードブロック
18:導入口
19:液溜部
20:各スリットの頂部の稜線
21:各スリットの頂部の稜線の上端部
22:各スリットの頂部の稜線の下端部
23:スリットへ導入される樹脂
24:樹脂流出口

Claims (8)

  1. 入射角12°で測定した波長帯域400−750nmにおける平均反射率が30%以上であり、入射角12°及び30°で測定した分光反射率をJISZ8781に規定する計算式を用いて算出される色調値(a[12°],b[12°])、(a[30°],b[30°])が、下記式(i)を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
    式(i) √{(a[12°]-a[30°])+(b[12°]-b[30°])}≧25
  2. 前記色調(a[12°],b[12°])が、下記式(ii)を満足することを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
    式(ii) √(a[12°]+b[12°])≧30
  3. 熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)とを有し、前記A層とB層とが隣接しており、A層とB層の合計数が200層以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. JISK5600に準じたクロスカット法による密着性試験において、層間剥離が生じない請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂Aが結晶性熱可塑性樹脂であり、前記熱可塑性樹脂Bが非晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  6. 前記結晶性熱可塑性樹脂が、結晶性ポリエチレンテレフタレートであり、前記非晶性熱可塑性樹脂が、スピログリコール共重合ポリエチレンテレフタレート、及び/又はシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、請求項5に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  7. 偽造防止シートに用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムを用いた偽造防止シート。
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