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JP2015164798A - 加飾用金属光沢調フィルム - Google Patents

加飾用金属光沢調フィルム Download PDF

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JP2015164798A
JP2015164798A JP2015013960A JP2015013960A JP2015164798A JP 2015164798 A JP2015164798 A JP 2015164798A JP 2015013960 A JP2015013960 A JP 2015013960A JP 2015013960 A JP2015013960 A JP 2015013960A JP 2015164798 A JP2015164798 A JP 2015164798A
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Naoya Konishi
直哉 小西
慎治 前田
Shinji Maeda
慎治 前田
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Abstract

【課題】金属光沢調の優れた意匠性と大面積において色差を感じない色調安定性を有し、さらに成型性に優れる加飾用金属光沢調フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステル層A(以下、A層という)とポリエステル層B(以下、B層という)を有し、厚み方向に交互にそれぞれ50層以上積層された二軸延伸ポリエステルフィルムであって、下記(1)〜(6)の全てを満たすことを特徴とする、加飾用金属光沢調フィルム。
(1)前記B層を構成するポリエステル樹脂組成物がエチレングリコールおよびスピログリコールのジオール由来の残基を含有すること。
(2)前記B層を構成するポリエステル樹脂組成物がテレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸のジカルボン酸由来の残基を含有すること。
(3)波長帯域400〜700nmにおける絶対反射率が60%以上であること。
(4)1000mm角内の色差ΔEが2.0未満であること。
(5)150℃における延伸応力が80N以下であること。
(6)最表層がA層であり、最表層A層の厚みが1μm以上15μm以下であること。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属光沢調の優れた意匠性と大面積において色差を感じない色調安定性を有し、さらに成型性に優れる加飾用金属光沢調フィルムに関する。
近年、環境意識の高まりにより、建材、自動車部品、携帯電話、家電やパソコンなどの成型部材の加飾で、溶剤レス塗装、メッキ代替などの要望が高まり、フィルムを使用した加飾方法の導入が進んでいる。加飾のデザインとしては、意匠性を高めるために木目調、布目調の他、金属調に加飾されたものなどが用いられている。中でも金属調の外観は高級感が引き出せるためニーズが高いが、金属で成型すると重量が重くなってしまうため、フィルム等の樹脂基材を金属光沢調に加飾することが行われている。加飾用フィルムに求められる特性としては、成型部材の形状に追従できる成型性が重要であるが、例えば、冷蔵庫などの大型家電、自動車部品等の大面積の成型部材の加飾に用いる場合、色調ムラが有ると外観品位を損なうため、色調の安定性も要求されている。
そのような中で、特許文献1において、加飾シートにピンホール隠蔽層を設けることで、金属材料を蒸着した金属薄膜層にピンホールが発生しても、該加飾シートを用いた加飾成形品の光沢や輝度が低下しない、加飾シート、加飾成形品とその製造方法が提案されている。
また、特許文献2において、熱線吸収剤を含有したフィルムからなる支持体のみを選択的に熱吸収を促進させることで、成型性を損なうことなく、メタリック光沢を備えた加飾層を樹脂成型体に転写することができる、転写方式加飾シート、これを用いた外観部品の製造方法および外観部品、これを用いた家電製品が提案されている。
特許第3637298号公報 特開2013−71403号公報
特許文献1記載の加飾シートは、ピンホール隠蔽層を設けることで、金属薄膜層にピンホールが発生しても加飾成形品の光沢や輝度が低下しない。しかしながら、金属薄膜層自体のピンホールを抑制するわけでは無く、外観品位については十分ではなかった。また、加飾シートが樹脂と金属の複合体であるため、リサイクルが困難であり、赤外線ヒーターにより成型する場合、金属材料が赤外線を反射、隠蔽し、加飾シート全体が目的の温度に達するまでに時間を要して生産性が低いという欠点があった。
特許文献2記載の転写方式加飾シートは、熱線吸収剤を含有させることで、成型性を損なうことなく、メタリック光沢を備えた加飾層を樹脂成形体に転写することができる。しかしながら、加飾層が金属材料を含有するため、リサイクルが困難であり、複合体を形成する各層の層間剥離が発生する可能性が有り、樹脂フィルムの成型性についても十分に考慮された設計ではなかった。
そこで本発明の課題は上記した従来技術の問題点を解決し、金属光沢調の優れた意匠性と大面積において色差を感じない色調安定性、耐押跡性を有し、またフローマークと呼ばれる外観不良が無く、さらに成型性に優れる加飾用金属光沢調フィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、ポリエステル層A(以下、A層という)とポリエステル層B(以下、B層という)を有し、厚み方向に交互にそれぞれ50層以上積層された二軸延伸ポリエステルフィルムであって、下記(1)〜(6)の全てを満たすことを特徴とする、加飾用金属光沢調フィルム。
(1)前記B層を構成するポリエステル樹脂組成物がエチレングリコールおよびスピログリコールのジオール由来の残基を含有すること。
(2)前記B層を構成するポリエステル樹脂組成物がテレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸のジカルボン酸由来の残基を含有すること。
(3)波長帯域400〜700nmにおける絶対反射率が60%以上であること。
(4)1000mm角内の色差ΔEが2.0未満であること。
(5)150℃における延伸応力が80N以下であること。
(6)最表層がA層であり、最表層A層の厚みが1μm以上15μm以下であること。
本発明により、金属光沢調の優れた意匠性と大面積において色差を感じない色調安定性、耐押跡性を有し、またフローマークと呼ばれる外観不良が無く、さらに成型性に優れる加飾用金属光沢調フィルムを得ることができる。例えば、大型家電、自動車部品などの大面積の成型部材の加飾に好適に用いることができる。
図1は、実施例1〜4、比較例1〜5の最表層を除く、設計層厚みを示す図である。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムは、ポリエステル層A(以下、A層という)とポリエステル層B(以下、B層という)を有し、厚み方向に交互にそれぞれ50層以上積層された二軸延伸ポリエステルフィルムである。ポリエステル層Bを構成するポリエステル樹脂組成物は、エチレングリコールおよびスピログリコールのジオール由来の残基を含有する。このような構成をとることにより、金属光沢調としての質感に優れ、成型性に優れる加飾用金属光沢調フィルムを得ることができる。
本発明における「厚み方向に交互に積層」とは、前記A層とB層とが厚み方向に交互に出現する構造を有していることを意味する。すなわち、本発明のフィルム中のA層とB層の厚み方向における配置がランダムな状態ではないことが好ましく、また、A層、B層、樹脂CからなるC層を有する場合には、CA(BA)n、CA(BA)nC、A(BA)nCA(BA)mなど、C層が最外層もしくは中間層に積層される構造であっても良い。ここでnおよびmは整数であり、例えばA(BA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABABABAの順列で積層されていることを表す。
また、本発明ではA層とB層を交互にそれぞれ50層以上含まなければならない。より好ましくは、200層以上である。さらに、好ましくはA層とB層の総積層数が600層以上である。A層とB層をそれぞれ50層以上積層した構造を含まないと、十分な反射率が得られなくなり、輝度の高い金属光沢調の外観とはならない。また、A層とB層が交互にそれぞれ200層以上含まれていると、波長帯域400〜700nmの反射率を30%以上とすることが可能となる。また、A層とB層の総積層数が600層以上であると、波長帯域400〜700nmの反射率を60%以上とすることが容易となり、非常に輝度の高い金属光沢調の外観を有することが容易となる。また、積層数の上限値としては特に限定するものではないが、装置の大型化や層数が多くなり過ぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、3000層以下であることが通常の使用では一般的である。
本発明におけるA層を構成するポリエステル樹脂組成物(以下、ポリエステル樹脂Aという)は、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して得られる構造を有する。ポリエステル樹脂Aは共重合体であっても良い。ポリエステル樹脂Aとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレートなどが代表的なものである。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ好ましい。
また、本発明において共重合ポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分が合わせて少なくとも3種類以上用いて重縮合して得られる構造を有する。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。グリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4,−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。本発明の加飾用金属光沢調フィルムでは、ポリエステル樹脂Aがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明におけるB層を構成するポリエステル樹脂組成物(以下、ポリエステル樹脂Bという)が、エチレングリコールおよびスピログリコールのジオール由来の残基を含有することが必要である。例えば、エチレングリコールおよびスピログリコールを用いて共重合して得られる構造を有した共重合ポリエステルや該ジオールを用いて重合して得られる構造を有したポリエステルをブレンドして得られるポリエステルが挙げられる。この構造であると成型性に優れ、かつ層間剥離も発生し難くい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂Bが、テレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸のジカルボン酸由来の残基を含有することが必要である。このようなポリエステルには、テレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸を共重合した共重合ポリエステル、またはテレフタル酸残基を含むポリエステルとシクロヘキサンジカルボン酸残基を含むポリエステルをブレンドして得られるポリエステルが挙げられる。シクロヘキサンジカルボン酸残基を含むポリエステルは、A層の面内平均屈折率とB層の面内平均屈折率の差が大きくなり、高反射率なものが得られる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成型時に過延伸されず、かつ層間剥離も発生し難い。
また、本発明におけるポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、本発明の目的を阻害しない範囲において他の樹脂が含まれていても良い。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂が挙げられる。また、巻き特性、剛性、光学特性などの機能を付与するために、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋ポリスチレンなどの粒子が含有されていても問題無い。これらの樹脂や粒子は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その添加量は限定されないが、好ましい範囲としては25質量%未満である。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムを構成するA層およびB層は、金属光沢調を発現させるためにはその面内平均屈折率は等しくない。A層の面内平均屈折率はB層の面内平均屈折率より相対的に高いことが好ましい。また、A層の面内平均屈折率とB層の面内平均屈折率の差が、0.03以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。面内平均屈折率差が0.03より小さい場合、十分な反射率が得られない。また、A層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率の差が0.03以上であり、B層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率差が0.03以下であると、入射角が大きくなっても、反射ピークの反射率低下が起きないため、より好ましい。A層とB層の屈折率差を大きくするのは、B層の樹脂の結晶融解温度を、235℃以下にすることが好ましく、そうすることによりテンターの熱処理でB層が配向緩和するため、より屈折率差が大きくなる。また、B層が非晶性であると、高温下でも結晶化が生じ難いため、白化といった問題が生じないため好ましい。ここで言う非晶性とは、示差熱量分析(DSC)において昇温速度5℃/分で昇温させたときの結晶融解熱量が0.1mJ/mg未満であることを指す。例えば、エチレングリコールおよびスピログリコールを用いて共重合して得られる構造を有した共重合ポリエステルの含有量を増加させ、かつ熱処理でB層の配向緩和が可能である樹脂として、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTということがある)を添加することで、所望の低屈折率およびそれに付随するフィルムの高反射率を得ることができる。
ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bのガラス転移温度差が20℃以下である組合せが好ましい。ガラス転移温度差が20℃より大きい場合には積層フィルムを製膜する際の厚み均一性が不良となり、金属光沢の外観不良となり易くなる。また、積層フィルムを成形する際にも、過延伸が発生するなどの問題が生じやすい。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムは、波長帯域400nm〜700nmの絶対反射率が60%以上であることが必要である。これにより金属光沢調の優れた意匠性を有したフィルムを得ることができる。そのためには、層厚みを20nm以上500nm以下の範囲で徐々に厚く、もしくは薄くすることにより、反射する帯域を所望の値に近づけることができる。より理想的な層厚みの範囲としては、30nm以上370nm以下である。
また、フィルム両表面における波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が20%以上であることがより好ましい。この場合、成形後も光沢感を維持し、視野角によっても色の変化がほとんど起きないものとなる。これは、可視光より高波長側(700nm以上)も絶対反射率が20%以上であるためで、延伸によってフィルム厚みが薄くなる場合や、視野角によって反射帯域が低波長側にシフトしても、可視光領域の絶対反射率は20%以上を維持できるためである。より好ましくは、波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が60%以上である。絶対反射率が上がるほど光沢感が高くなり、金属光沢調の外観とすることが可能となる。反射帯域は各層の層厚みを、下記式Aに基づいて反射が起こるように設計される。また、反射率についてはA層とB層の屈折率差と、A層とB層の層数にて制御する。
2×(na・da+nb・db)=λ 式A
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
波長帯域400nm〜700nmの絶対反射率が60%未満の場合、輝度の高い金属光沢調の外観とはならず、家電や自動車部品等への意匠性が劣ることがある。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムは、波長帯域400〜1400nmの絶対反射率が20%以上であることがもっとも好ましい。この場合、高温成形時で深絞り成形を行った後でも、色の変化がほとんど起きないものとなる。より好ましくは50%以上であり、この場合、高温成形時で深絞り成形を行った後でも、色の変化が全く起きないものとなる。さらに好ましくは75%以上であり、色の変化が全くなく、かつ金属光沢調に優れるものとなる。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムは、1000mm角内の色差ΔEが2.0未満であることが必要である。このような場合、人が色差を感じない外観品位となる。さらに好ましくは1.0未満であり、0.5未満であることが最も好ましい。色差△Eが0.5未満であると色むらがほとんど発生しない。色差が2.0以上の場合、人が感じる程の色差となり、フィルムを成型加工して得られる加飾部材の外観が均一にならないことがある。1000mm角内の色差ΔEが2.0未満を達成する具体的手段としては、例えば、A層B層を有し厚み方向に交互にそれぞれ50層以上積層された二軸延伸ポリエステルフィルムの製造において、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bの各樹脂を温度偏差3%以下、せん断速度10s−1以下で共押出し、スリット状流路を有するフィードブロックを用いて厚み方向に交互に積層し、フラットダイに流入させるに際し、フィードブロックのスリット状流路入口から出口における溶融状態の各樹脂の粘度偏差が6%以下で製造することによって達成することができる。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムは、150℃における延伸応力が80N以下であることが必要である。このような場合、成型性に優れたものとなり、真空成型、真空圧空成型、プラグアシスト真空圧空成型、インモールド成型、インサート成型、冷間成型、プレス成型、絞り成型などの各種成型において、任意の形状に成型することが容易となる。より好ましくは、150℃における延伸応力が70N以下である。このような場合、より高い絞り比でも成型可能となる。150℃における延伸応力が80N以下とするためには、ポリエステル樹脂Aが結晶性樹脂であり、ポリエステル樹脂Bがスピログリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどの嵩高い基を有する非晶性樹脂であることが好ましい。このような場合、二軸延伸後においてもポリエステル樹脂Bはほとんど配向及び結晶化していないため、延伸応力を低くすることができる。
本発明における積層フィルムは、最表層がA層であり、最表層A層の厚みが1μm以上15μm以下であることが必要である。より好ましくは、5μm以上10μm以下である。1μm未満の場合、積層界面不安定現象に起因するフローマークが発生やすく、外観不良や部分的な色付きが発生する。15μmを超える場合、積層フィルムの全体厚みが厚くなり、加飾用成形部材としてコシが強すぎて取り扱い難くなることがある。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムを成型体に用いる場合、該成型体は基材とその基材の表面に一体的に積層された本発明の加飾用金属光沢調フィルムと必要に応じて着色層や印刷層を具備することが好ましい。基材の材質は、各種成型法で成型できるものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、FPR樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルメチレン樹脂、ポリプロピレン発泡樹脂などといった樹脂や、金属部材、ガラス部材等が挙げられる。
樹脂成型とフィルムとの一体成型の方法としては、図柄等を印刷した加飾成型用シートもしくはフィルムを用いて、インモールド加飾成型により該シートを成型体の基材表面に一体化する方法が広く行われているが、特に限定されず、他にも、射出成型、プレス成型、インモールド転写成型法、サーモジェクト法、CFI法などで行ってもよい。また、上記基材が板状の場合、ラミネートを行ってもよい。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムの表面にハードコート層、着色層、易滑層、帯電防止層、耐磨耗性層、反射防止層、紫外線吸収層、印刷層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、エンボス層等の機能性層を形成してもよい。
本発明のフィルムは、ポリマーで構成され、金属や重金属などを基本的には含まないため、環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れ、電磁波障害を起こさないものである。また、真空成型、真空圧空成型、プラグアシスト真空圧空成型、インモールド成型、インサート成型、冷間成型、プレス成型などの各種成型法が適用できるため、低コストで立体形状を形成するものとすることが可能である。成型方法は、特に限定されるものでは無く、一般に公知の成型方法、例えば、真空成型法、真空圧空成型法、ブロー(吹き込み)成型法、プレス成型法、インサートインジェクション成型法、インモールド(金型内)成型法、押し出し成型法等で成型することができる。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムをガラスにラミネートして得られる加飾部品は、金属光沢調の優れた意匠性と大面積において色差を感じない色調安定性を有するため、該加飾部品からなる家電製品として好適に用いることができる。例えば、樹脂シート/本発明の加飾用金属光沢調フィルム/印刷層/透明粘着層の構成で、透明粘着層側とガラス板とのラミネートを行い、大型冷蔵庫の外装部材の加飾用として用いることができる。
本発明の加飾用金属光沢調フィルムの好ましい製造方法の具体例として、多層積層押出法による二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を以下に説明する。
2種類のポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機に供給された樹脂は押出機内において、融点以上で加熱溶融されるが、本発明において溶融状態の各樹脂の温度偏差は、3℃以下が好ましく、2℃以下がさらに好ましく、1℃以下が最も好ましい。各樹脂の温度偏差が3%を超える場合、人が感じるほどの色差となるため好ましくない。また、スリット状流路を有するフィードブロックを用いて厚み方向に交互に積層し、フラットダイに流入させるに際し、フィードブロックのスリット状流路入口から出口における溶融状態の各樹脂の粘度偏差は、6%以下であることが好ましく、3%以下がさらに好ましく、1.5%以下が最も好ましい。各樹脂の粘度に偏差が生じると、フィードブロックのスリット状流路を流れる樹脂量が変化し、各樹脂の層厚みが変化する。各樹脂の粘度偏差が6%を超える場合、人が感じるほどの色差となるため好ましくない。
加熱溶融されたポリエステル樹脂A、Bは、押出機スクリューにて共押し出されるが、そのせん断速度は、10s−1以下であり、5s−1以下が最も好ましい。せん断速度により樹脂粘度変化が発生する場合があり、その現象による色調変動を避けるためである。
せん断速度が10s−1を超える場合、せん断速度の微小変動に対する樹脂粘度の変化が大きく、ロバスト性の観点から好ましくない。
融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出されたポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、次に多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックを用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。そのフィードブロックの構造は、多数の微細スリットを有する櫛形のスリット板に部材を少なくとも1個有しており、2つの押出機から押し出された樹脂Aと樹脂Bとが、各マニホールドを経由して、スリット板に導入される。ここでは導入板を介して、樹脂Aと樹脂Bが選択的に交互にスリットに流入するため、最終的にはA/B/A/B/A・・・といった多層膜を形成することができる。また、スリット板をさらに重ね合わせることにより、層数を増やすことも可能である。また、両表層部に樹脂Cを設ける場合は、3つ目の押出機から樹脂Cを3層複合装置(フィードブロック)の表層側に導入し、中央層に多層膜を導入することによって、C/A/B/A・・・A/B/A/Cといった多層膜を形成することができる。
このようにして多層積層された溶融体を、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
次いで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行なう。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、2.5〜3.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3〜3.4倍が採用される。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、ガラス転移点〜(ガラス転移点+50℃)の温度が採用されるが、さらに好ましくは90〜130℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を100〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なう。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。この熱処理は120℃以上、ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、200〜240℃の熱処理温度とするのが好ましい。フィルムの透明性、寸法安定性の点からは210〜235℃であればより好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行なうのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、横延伸工程の前で、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、コーティング層を設けることもできる。このときの塗工液はロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、バーコーター、ダイコーター、ディップコーター等の公知の塗工手段を用いて、前記透明基材に塗布する。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行なうことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行なうのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やしてワインダーで巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。この場合、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理を行う。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)固有粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの固有粘度は、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
(2)ポリエステルの組成
樹脂またはフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(以下、HFIPと呼ぶ)もしくはHFIPとクロロホルムの混合溶媒に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。
(3)フィルム厚み
ソニー・プレシジョン・テクノロジー株式会社製のデジタルマイクロメーターμメイトM−30を用いて、任意の10点のフィルム厚みを測定し、その平均値をフィルム厚みとした。
(4)150℃の延伸応力
フィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ長さ150mm×幅10mmに切り出し、サンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として引張試験を行った。測定は予め150℃の温度に設定した恒温槽中にフィルムサンプルをセットし、60秒間の予熱の後で引張試験を行った。得られた荷重−歪曲線から各方向の最大延伸応力を測定し、各方向にn数=5で行い、最大値、最小値を除く3点の平均値を算出し、長手方向および幅方向の平均値を測定結果とした。
(5)絶対反射率
島津製作所製の分光光度計UV−3150を用いて測定した。
入射角5°の絶対反射率測定装置ASR−3105を取り付け、付属の取扱説明書に従い、以下の条件にて波長帯域400〜700nmにおける絶対反射率を測定した。
巻長さ1000m、幅1100mmの積層フィルムロールを10本製造し、各フィルムロールの表層から1000mm角のフィルムサンプルを1枚切り出し、幅方向および長手方向に100mmピッチの箇所で絶対反射率を測定し、その平均値を各サンプルの絶対反射率とし、サンプル10枚の絶対反射率の平均値を測定結果とした。
スキャンスピード:高速
サンプリングピッチ:1nm
測定モード:シングル
スリット幅:30nm
光源切り替え波長:360nm
検出器切替波長:805nm
S/R切り替え:標準
検出器ロック:自動
スリットプログラム:標準
(6)1000mm角内の色差ΔE
コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計CM−3600dを用いて測定した。測定の手順としては、分光測色計付属のゼロ校正ボックスで反射率のゼロ校正を行い、続いて付属の白色校正板を用いて100%校正を行った後、以下の条件でフィルムのLおよび色度(a、b)を測定し、フィルムの色差ΔEの最大値を求めた。
具体的には、巻長さ1000m、幅1100mmの積層フィルムロールを10本製造し、各フィルムロールの表層から1000mm角のフィルムサンプルを1枚切り出し、幅方向および長手方向に100mmピッチの箇所で明度L*および色度(a、b)を測定し、その平均値を各サンプルの明度L*および色度(a、b)とし、さらに10本の明度L*および色度(a、b)の平均値を基準として、各サンプルの測定箇所との色差ΔEを下記の式で算出し、さらにサンプル1枚毎に色差ΔEの平均値を算出して、サンプル10枚の「1000mm角内の色差ΔE」を求めた。ここで、色差ΔEが0に近い程色調が安定し、一方、色差ΔEが2.0以上になると目視による外観観察で色目を感じる。
・色差ΔE=((ΔL+(Δa+(Δb1/2
彩度の計算に用いた明度、色度はSCIの値を用いた。
モード:反射、SCI/SCE同時測定
測定径:8mm
光源:D65
視野角:10度
サンプル:非測定面側に黒色ビニールテープを貼る(日東電工製N021トクハバ)
(7)成型性
上記、(4)150℃の延伸応力の測定結果より、成型性を次の基準で評価した。
○:80N以下
×:80N超
(8)金属光沢性
上記、(5)絶対反射率の測定結果より、金属光沢性を次の基準で評価した。
○:60%以上
×:60%未満
(9)色調安定性
上記、(6)1000mm角内の色差ΔEより、サンプル10枚中の色差ΔEが2以上の不合格枚数を計数し、色調安定性を次の基準で評価した。
○:不合格数0枚
×:不合格数1枚以上
(10)層厚み、積層数、積層構造
ハーフミラー材である積層フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を10000〜40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いた。
上記装置から得た約4万倍のTEM写真画像を、プリント倍率6.2万倍の処理で、画像を圧縮画像ファイル(JPEG)でパーソナルコンピューターに保存し、次に、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel 2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採用した後に、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア・アプリケーションズ)プログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。
(11)フローマークなどの界面不安定現象の評価方法
界面不安定現象が発生しているか否かは、形成した1.5m角の多層フィルムサンプル10枚を蛍光灯下で目視検査することによって行った。多層フィルムの厚みや層自体が明らかに乱れ、波状のムラなどが目視にて確認できる。不良品と判断された多層フィルムが0枚の場合は、○とし、それ以外は×とした。
(12)押跡評価
島津製作所製の硬度計「HARDNESS TESTER No13881」を用いて、以下の条件でフィルム表面を硬度計で加重し、強制的に「押し跡」を形成し、サンプルの変形最大深さを表面形状測定装置VertScan2.0を用いて最大深さを測定し、変形量(nm)を算出する。変形量が1000nm未満を○とし、1000nm以上を×とした。
加重:0.9kgf(11.1MPa)
加重時間:5分
硬度計先端計:φ1mm
サンプルサイズ:100mm×100mm
表面形状測定装置:(株)菱化システム製 VertScan2.0
測定環境:温度23℃、湿度65%RH

(実施例1)
2種類のポリエステル樹脂AおよびBを用いた。ポリエステル樹脂Aとして、固有粘度0.65、結晶融解温度255℃、結晶融解熱量41mJ/mg、結晶化温度155℃のポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある)[東レ製F20S]を用い、ポリエステル樹脂Bとして、PET[東レ製F20S]10質量%、全フタル酸成分に対してシクロヘキサンジカルボン酸を29mol%、全ジオール成分に対してスピログリコールを21mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(以下、SPG共重合PETということがある)70質量%、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTということがある)[東レ製トレコン1100S]10質量%、ポリブチレンテレフタレート[東レ製トレコン1200S]10質量%、さらに前記ポリエステル樹脂組成物全体に対して、酸化防止剤[ADEKA製“アデカスタブ”(登録商標)AS36]0.05質量%をベント付き二軸押出機で溶融混練して押し出し、吐出物を冷水で固化したチップを用いた。
これらポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bを、それぞれ別々のベント付き二軸押出機a、bに供給した。
ポリエステル樹脂Aは、押出機aにてせん断速度2.5s−1、結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bは、押出機bにてせん断速度3.8s−1で溶融状態とした。ここで、フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定した各々の樹脂温度が、ポリエステル樹脂Aが、最高温度280.2℃、最低温度280.0℃、ポリエステル樹脂Bが、最高温度290.2℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御した。溶融状態の2種類のポリエステル樹脂は、個別のギヤポンプおよびフィルターを介して、301個のスリットを有する部材を個別に3個有する901層のフィードブロックで合流させた。なお、両側表層部分はポリエステル樹脂Aとし、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bが交互に積層され、かつ隣接するポリエステル樹脂Aからなる層とポリエステル樹脂Bからなる層の層厚みは、ギヤポンプで吐出比がポリエステル樹脂A/ポリエステル樹脂B=1.1/1.0になるように計量しながら調整した。続いて、フラットダイに導いてシート状溶融物として連続的に吐出し、押し出された該シート状溶融物へ上面より静電荷を析出させながら表面温度25℃に温調された回転冷却体(キャスティングドラムとも呼ぶ)に密着させて急冷固化し、キャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムを75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターで急速加熱しながら、フィルムの搬送方向、すなわち、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却して一軸延伸フィルムを得た。次いで、該一軸延伸フィルムの両面に(ガラス転移温度18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。
得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で搬送方向と垂直なフィルムの幅方向、すなわち、横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのままテンター内で230℃の熱風で熱処理を行い、続いて同温度で幅方向に5%の弛緩処理を施し、室温まで除冷後、ワインダーで巻き取り、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。該加飾用金属光沢調フィルムの最表層を除く設計層厚みは、図1に示す通りであり、最表層積層厚みは、3μmである。
(実施例2)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度291.0℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御し、最表層積層厚みを5μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。
(実施例3)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度291.5℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御し、最表層積層厚みを5μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。
(実施例4)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度293.0℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御し、最表層積層厚みを10μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。
(比較例1)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度296.0℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造した。
(比較例2)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度298.0℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造した。
(比較例3)
ポリエステル樹脂Bとして、1,4−シクロヘキサンジメタノールがグリコール成分に対して30mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGということがある)[イーストマンケミカル製GN001]82質量%、PET[東レ製F20S]18質量%を混合し、押出機bにてせん断速度4.2s−1で溶融状態とした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造した。
(比較例4)
ポリエステル樹脂Bとして、1,4−シクロヘキサンジメタノールがグリコール成分に対して30mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGということがある)[イーストマンケミカル製GN001]41質量%、PET[東レ製F20S]59質量%を混合し、押出機bにてせん断速度4.2s−1で溶融状態とした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造した。
(比較例5)
ポリエステル樹脂Bとして、PET[東レ製F20S]を用い、押出機bにてせん断速度3.5s−1で溶融状態とした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造した。
(比較例6)
最表層積層厚みを0.8μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。
(比較例7)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度291.0℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御し、最表層積層厚みを0.8μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。
(実施例8)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度291.5℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御し、最表層積層厚みを0.8μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。
(実施例4)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂Bの樹脂温度が、最高温度293.0℃、最低温度290.0℃の温度範囲となるように制御し、最表層積層厚みを0.8μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み100μm、幅1100mm、巻長さ1000mの二軸延伸ポリエステルフィルムロール10本を製造し、加飾用金属光沢調フィルムを得た。
Figure 2015164798
Figure 2015164798
本発明の加飾用金属光沢調フィルムは、金属光沢調の優れた意匠性と大面積において色差を感じない色調安定性、耐押跡性を有し、またフローマークと呼ばれる外観不良が無く、さらに優れた成型性を達成することができるため、例えば、大型家電、自動車部品などの大面積の成型部材の加飾に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. ポリエステル層A(以下、A層という)とポリエステル層B(以下、B層という)を有し、厚み方向に交互にそれぞれ50層以上積層された二軸延伸ポリエステルフィルムであって、下記(1)〜(6)の全てを満たすことを特徴とする、加飾用金属光沢調フィルム。
    (1)前記B層を構成するポリエステル樹脂組成物がエチレングリコールおよびスピログリコールのジオール由来の残基を含有すること。
    (2)前記B層を構成するポリエステル樹脂組成物がテレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸のジカルボン酸由来の残基を含有すること。
    (3)波長帯域400〜700nmにおける絶対反射率が60%以上であること。
    (4)1000mm角内の色差ΔEが2.0未満であること。
    (5)150℃における延伸応力が80N以下であること。
    (6)最表層がA層であり、最表層A層の厚みが1μm以上15μm以下であること。
  2. 請求項1に記載の加飾用金属光沢調フィルムをガラスにラミネートして得られる加飾部品。
  3. 請求項2に記載の加飾部品からなる家電製品。
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