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JP2010037694A - 強化繊維基材、積層体および複合材料 - Google Patents

強化繊維基材、積層体および複合材料 Download PDF

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JP2010037694A JP2008204094A JP2008204094A JP2010037694A JP 2010037694 A JP2010037694 A JP 2010037694A JP 2008204094 A JP2008204094 A JP 2008204094A JP 2008204094 A JP2008204094 A JP 2008204094A JP 2010037694 A JP2010037694 A JP 2010037694A
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Abstract

【課題】熱サイクル耐久性に優れた複合材料、とりわけ熱サイクル試験後に表面のき裂発生を抑制することができる複合材料、が得られるだけでなく、成形時の含浸性にも優れる強化繊維基材、プリフォームおよび複合材料を提供すること。
【解決手段】少なくとも、連続した強化繊維糸条を一方向に並行するように引き揃えた強化繊維糸条群と、強化繊維糸条と並行する方向に延在する経方向補助繊維糸条から構成される経方向補助繊維糸条群とから構成される強化繊維基材であって、強化繊維糸条の単繊維の真円度が80〜100%であり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維の真円度が40〜80%である、強化繊維基材。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐環境性に優れる複合材料が生産性良く得られるとともに、優れた取り扱い性を有する強化繊維基材、積層体および複合材料に関するものである。より詳しくは、例えば航空機や自動車等の構造部材で強く要求される熱サイクル耐久性などの耐環境性に優れる複合材料が得られるだけでなく、成形時の含浸性に優れて、その複合材料が生産性よく得られる強化繊維基材、それを積層してなる積層体、およびそれらに樹脂を含浸してなる複合材料に関するものである
従来より、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させた複合材料は、優れた力学特性、軽量化の要求特性を満たすことから主に航空・宇宙、スポーツ用途等に用いられてきた。これら複合材料の代表的な製造方法として、オートクレーブ成形法やレジン・トランスファー・モールディング(RTM)成形法、真空注入成形法(VaRTM)等が知られている。オートクレーブ成形法では、例えば、一方向に配列した強化繊維束群にマトリックス樹脂を予め含浸させたプリプレグを、成形型に積層し、必要に応じてバッグ材で覆って、オートクレーブにて加熱・加圧し、複合材料を成形する。この成形法では、プリプレグを用いることにより、ボイドが少なくきわめて信頼性の高い高品質の複合材料が得られる利点があることから、航空機部材の成形等に好ましく使われているが、高価な設備であるオートクレーブが必要あるなど、製造に高いコストがかかる問題があった。
一方、生産性に優れる複合材料の代表的な成形法としては、レジン・トランスファー・モールディング(RTM)成形法や真空注入成形法等が挙げられる。かかる成形法では、マトリックス樹脂が含浸されていない、ドライな基材を複数枚、成形型の中に配置し、低粘度の液状マトリックス樹脂を注入することにより強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて複合材料を成形する。この場合、ドライな状態でも取り扱いが可能な強化繊維基材、例えば織物を用いる必要がある。通常の織物は、強化繊維を二方向に織組織を有するため、経糸と緯糸の交錯点で強化繊維に屈曲(クリンプ)が発生するが、このクリンプによる強化繊維の真直性低下により、プリプレグに比べ力学特性に劣るのが一般的であった。
そこで特許文献1には、応力が集中するような屈曲を有しない扁平な強化繊維マルチフィラメント糸を一方向に互いに並行かつシート状に引き揃えてなる糸条群のシート面の両側に、強化繊維マルチフィラメント糸と交差するよこ方向補助糸群が位置し、それらよこ方向補助糸群と、強化繊維マルチフィラメント糸と並行するたて方向補助糸群とが織組織をなして糸条群を一体に保持している一方向性補強織物が示されている。このような織組織を有することにより、強化繊維糸条のクリンプを低減することができ、複合材料の力学特性を向上することができる。また、よこ方向補助糸をたて方向補助糸よりも高剛性とすることにより、よこ方向補助糸が沈まず、強化繊維糸条間に大きな隙間が生じるのを防止することにより、カバーファクターを向上し、樹脂リッチ部を抑制できる内容が示されている。
しかしながら、織組織によりクリンプを低減し、高剛性な緯糸を用いることにより、強化繊維糸条間の隙間を低減することにより、マトリックス樹脂の流路となる隙間も低減するため、多数の強化繊維基材を積層したプリフォーム(本発明の積層体に相当する)には、マトリックス樹脂が完全に含浸できない問題があった。特に特許文献1に記載の土木建築分野で用いるような積層枚数が少ない場合は問題ないが、航空機の構造部材などに用いる場合には、数十枚の強化繊維基材を積層して使用することがあるため、マトリックス樹脂が含浸できない問題が発生する懸念がある。
特許文献1では含浸性を向上する方法として、糸幅/糸厚み比を30以上の扁平度の大きい強化繊維糸条を用いることにより、薄い織物基材とすることにより、マトリックス樹脂の含浸性を良好に保つことができる内容が示されているだけであり、強化繊維基材の含浸性は、強化繊維糸条そのものの含浸性に依存しており、織組織に積極的に含浸性を向上させるなどの発明は示されていない。
特許文献2には、一方向強化繊維基材の強化繊維糸条間にスペーサー糸を配置し、スペーサー糸をマトリックス樹脂の流路として利用することにより、力学特性と樹脂の含浸性を両立する内容が示されている。また強化繊維糸条間の隙間を0.1〜1.0mmに制御することにより、マトリックス樹脂の含浸性を確保すると共に、該隙間に形成される樹脂リッチの大きさを制限することができる。
しかしながら、本発明の方法においては、マトリックス樹脂の含浸性は向上できるものの、特に熱サイクル耐久性が劣る問題があった。本発明においてスペーサー糸によって形成される樹脂リッチは非常に微小な樹脂リッチであるため、引張や圧縮試験のような静的な力学特性にはほとんど影響はなく、物性低下を引き起こす主原因とはならないが、熱サイクル耐久性試験においては、該樹脂リッチ部に微小なき裂が発生するなどの問題が懸念される。特に航空機や自動車等の構造部材は、高温と低温環境に繰り返し曝されるため、静的な力学特性と共に熱サイクル耐久性が強く求められる。
特に複合材料の表面は、熱サイクル耐久性試験において、冷熱雰囲気の直接暴露を受けるため、表面に形成された該樹脂リッチ部は、最もき裂が入りやすい。表面に微小なき裂が入ると、表面外観が劣化するだけでなく、該き裂から薬液、溶液などが浸透し、さらに複合材料の劣化を進展させる懸念があるため、表面のき裂発生を抑制することが強く求められている。
特許文献3にも補強織布材内に流路を設けて、マトリックス樹脂の含浸を促進させる発明が示されているが、このような樹脂流路を形成する方法については、連続した流路を形成するもしくは繊維をよじることにより形成するなど、マトリックス樹脂の流路としての機能付与に関する内容に限られており、当該発明によって設けられた樹脂流路に形成される樹脂リッチによる重量増加や余剰樹脂の消費およびその樹脂リッチ部に発生する懸念のある微小なき裂を抑制する方法に関する記載は一切無い。上述のように、このような樹脂リッチ部は、特に熱サイクル耐久性試験などにおいて、き裂の発生が懸念され、特に航空機や自動車等の構造部材に使用する場合に問題となる場合があった。
特開平07−243149号公報 特開2005−022396号公報 特開昭63−203844号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点の解決を目的とするものであり、具体的には、熱サイクル耐久性に優れた複合材料、とりわけ熱サイクル試験後に表面のき裂発生を抑制することができる複合材料、が得られるだけでなく、成形時の含浸性にも優れる強化繊維基材、プリフォームおよび複合材料を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1)少なくとも、連続した強化繊維糸条を一方向に並行するように引き揃えた強化繊維糸条群と、強化繊維糸条と並行する方向に延在する経方向補助繊維糸条から構成される経方向補助繊維糸条群とから構成される強化繊維基材であって、強化繊維糸条の単繊維の真円度が80〜100%であり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維の真円度が40〜80%である、強化繊維基材。
(2)強化繊維糸条の単繊維が95〜100%の真円状であり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維の真円度が55〜75%の空豆状である、(1)に記載の強化繊維基材。
(3)強化繊維糸条の単繊維における三次元粗さの二乗平均粗さRqが20nm未満であり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維における二乗平均粗さRqが20〜200nmである、(1)または(2)に記載の強化繊維基材。
(4)強化繊維糸条の単繊維直径が2〜7μmであり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維直径が4〜15μmである、(1)〜(3)のいずれかに記載の強化繊維基材。
(5)強化繊維糸条が繊度800〜3500tex、フィラメント数12,000〜50,000本の炭素繊維糸条であり、かつ、経方向補助繊維糸条が繊度20〜200tex、フィラメント数300〜3,000本の炭素繊維糸条である、(1)または(2)に記載の強化繊維基材。
(6)強化繊維基材において、基材の両面側に緯方向補助繊維糸条群が配されており、該緯方向補助繊維糸条群を構成する緯方向補助繊維糸条と経方向補助繊維糸条群を構成する経方向補助繊維糸条とが織組織を構成している一方向性ノンクリンプ織物である、(1)に記載の強化繊維基材。
(7)緯方向補助繊維糸条が繊度1〜20tex、フィラメント数1〜200本の合成繊維またはガラス繊維である、(1)〜(6)のいずれかに記載の強化繊維基材。
(8)強化繊維基材の少なくとも片表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が、強化繊維基材100重量%に対して2〜20重量%の範囲内で存在している、(1)〜(7)のいずれかに記載の強化繊維基材。
(9)樹脂材料が、融点を有さない非晶性であり、且つガラス転移温度が50〜150℃である、(1)〜(8)のいずれかに記載の強化繊維基材。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の強化繊維基材が複数積層されて構成される積層体であって、強化繊維基材同士が、樹脂材料により少なくとも部分的に接着して一体化している、積層体。
(11)(1)〜(9)のいずれかに記載の強化繊維基材または(10)に記載の積層体を、マトリックス樹脂で固化した複合材料において、次の熱サイクル処理の後に微小なき裂が発生しない、複合材料。
熱サイクル処理:複合材料を温度50℃、湿度95%環境下で12時間放置し、次いで温度−55℃で1時間放置し、さらに下限−55℃で5分間、上限70℃で5分間、の熱サイクルを2000回繰り返す処理
本発明の強化繊維基材によれば、強化繊維糸条間に経方向補助繊維糸条が配列されているので、その単繊維表面の微小な凹部により、液状マトリックス樹脂の通路が確保され、分厚くまたは広面積に強化繊維基材が積層されても優れた樹脂含浸性を発揮し、高品質の複合材料を得ることができる。
また、経方向補助繊維糸条の単繊維表面の微小な凹部により、マトリックス樹脂との接着性に優れるため、耐環境性、熱サイクルが付与された後に形成される樹脂リッチ部における微小なき裂の発生を抑制できる複合材料を得ることができる。
好ましくは強化繊維基材の少なくとも片面に樹脂材料が接着されているので、その樹脂材料による接着硬化により基材形態が安定し、さらにはプリフォームとして一体化が容易に行えるだけでなく、成形後の複合材料における層間強化の効果も期待でき、特に衝撃付与後の常温圧縮強度(CAI:Compression After Impact)などの力学特性に優れた複合材料が得られる。
このようにして得られた複合材料は、航空機、自動車、船舶などの輸送機器における構造部材、内装部材に好適に使用することができる。
以下、本発明の強化繊維基材からなる積層体の製造装置の好ましい形態を、図面を参照しながら説明する。
なお、本発明が図面に記載された発明に限定されるものではない。
図1は本発明の強化繊維基材1を示す。
本発明の強化繊維基材1は、連続する強化繊維糸条2を一方向に並行するように引き揃えた強化繊維糸条群3と、強化繊維糸条2と並行する方向に延在する経方向補助繊維糸条4から構成される経方向補助繊維糸条群5から構成されている。
強化繊維糸条2の単繊維の真円度は80〜100%であり、かつ、経方向補助繊維糸条4の単繊維の真円度は40〜80%である。図2に、単繊維の真円度の定義に用いられる図を示す。ここで単繊維の真円度6とは、単繊維の長手方向に直角方向の断面の外接円径aと内接円径bの比(b/a)×100[%]である。なお、図2は、単繊維表面の微小な凹部を有する空豆状の単繊維を用いた場合のものであるが、前記単繊維は、外接円径aと内接円径bを測定できる形状であれば良い。
強化繊維糸条2の単繊維、経方向補助繊維糸条4の単繊維の断面形状、真円度の測定、および後述の単繊維直径の測定方法は特に限定されるものではないが、JIS R 7607(2006)「炭素繊維−単繊維の直径及び断面積の試験方法」に記載の方法にて測定することができる。
図3、4はそれぞれ複合材料中における強化繊維糸条2と経方向補助繊維糸条4の断面を示す。図3に示す強化繊維糸条2の真円度はほぼ100%であり、図4に示す経方向補助繊維糸条4の真円度は約55%である。図4に示すように、経方向補助繊維糸条群5は、経方向補助繊維糸条4の間に隙間7が設けられるため、樹脂流路として機能することができる。そのため、本発明の強化繊維基材1は、一方向強化繊維基材としての高い力学特性と経方向補助繊維糸条群5による樹脂含浸性を両立することができる基材である。
さらに本発明で用いる経方向補助繊維糸条4は、真円度を40〜80%にすることにより、真円度が80〜100%と高い強化繊維糸条2に比べて、マトリックス樹脂との接着性を向上することができる。通常、経方向補助繊維糸条4のような樹脂流路部分は、微小な樹脂リッチが形成されるため、熱サイクル耐久性試験において、該樹脂リッチ部より、微小なき裂が発生する問題があったが、本発明のように経方向補助繊維糸条4の真円度を40〜80%にすることにより、マトリックス樹脂との接着性を向上することができるため、熱サイクル試験時の微小なき裂の発生を抑制することができる。
このように本発明の強化繊維基材1は、力学特性と樹脂の含浸性および熱サイクル耐久性を共に達成することができる基材である。
さらに強化繊維糸条2の単繊維の真円度は95〜100%であり、かつ、経方向補助繊維糸条4の単繊維の真円度は55〜75%の空豆状であることが好ましい。強化繊維糸条2の単繊維の真円度を95〜100%にすることにより、強化繊維糸条2における単繊維の充填率を向上し、力学特性を向上することができるため好ましい。また、経方向補助繊維糸条4の単繊維の真円度を55〜75%の空豆状とすることにより、強化繊維糸条2の間に、樹脂流路をより形成しやすくなるため好ましい。
さらに強化繊維糸条2の単繊維における三次元粗さの二乗平均粗さRqが20nm未満であり、かつ、経方向補助繊維糸条4の単繊維における二乗平均粗さRqが20〜200nmであることが好ましい。
強化繊維糸条2の単繊維、経方向補助繊維糸条4の単繊維における二乗平均粗さRqの測定は、以下の手順に従って行う。まず、測定する炭素繊維を長さ数mm程度にカットし、銀ペーストを用いて基板(シリコンウエハ)上に固定し、Digital Instruments社製 NanoScope IIIa原子間力顕微鏡(AFM)においてDimension 3000ステージシステムを使用し、走査モード:タッピングモード・探針:オリンパス光学工業製Siカンチレバー一体型探針OMCL-AC120TS、走査範囲:2.5μm×2.5μm・走査速度:0.4Hz・ピクセル数:512×512、測定環境:室温、大気中の測定条件にて、各試料について単糸1本から1箇所ずつ単糸の中央部について3次元表面形状の像を得る。得られた原像について、前記装置に付属のソフトウエアによりデータ処理し、繊維断面の曲率を考慮した3次元近似曲面を求める。原像からこの3次元近似曲面をバックグラウンドとして差し引き、二乗平均粗さRqを求める。任意の5箇所について同様の測定を行い、最大値、最小値を除いた3カ所の相加平均値を最終的な三次元粗さの二乗平均粗さRqとする。
強化繊維糸条2の単繊維は、三次元粗さが小さい方が、強度が高くなるため、二乗平均粗さRqは20nm未満であることが好ましい。一方、経方向補助繊維糸条4の単繊維における二乗平均粗さを20〜200nmとし、強化繊維糸条2の単繊維の二乗平均粗さより粗くすることにより、経方向補助繊維糸条群5が経方向補助繊維糸条4の間により隙間を形成することができ、樹脂流路としての機能をより発現しやすくなるため、好ましい。
さらに、経方向補助繊維糸条4の周囲には、樹脂リッチ部が形成されるため、熱サイクル耐久性試験時に、経方向補助繊維糸条4とマトリックス樹脂との間の剥離を起点に、微小き裂が発生する懸念があるため、経方向補助繊維糸条4の単繊維における二乗平均粗さRqが20〜200nmの範囲にすることにより、経方向補助繊維糸条4の単繊維の強度とマトリックス樹脂との接着性を両立し、熱サイクル耐久性試験時に、経方向補助繊維糸条4の周囲に形成された樹脂リッチ部に微小き裂の発生を抑制することができるため好ましい。二乗平均粗さRqが20nmよりも小さいと、粒子流路としての機能が不足する、またマトリクス樹脂との接着性が低下し、熱サイクル耐久性試験時に、経方向補助繊維糸条4の周囲に形成された樹脂リッチ部に微小き裂が発生するなどの問題が生じる懸念がある。一方、二乗平均粗さRqが200nmよりも大きいと、単繊維の強度が低下し、複合材料が応力負担時に、経方向補助繊維糸条4が破壊の起点となる場合がある。
さらに、強化繊維糸条2の単繊維の直径は2〜7μmであり、かつ、経方向補助繊維糸条4の単繊維の直径が4〜15μmであることが好ましい。強化繊維糸条2の単繊維の直径を2〜7μmとすることにより、複合材料における強化繊維糸条2の単繊維の密度を向上することができるため好ましい。一方、経方向補助繊維糸条4の単繊維の直径を4〜15μmとすることにより、経方向補助繊維糸条4の間により隙間を形成することができ、樹脂流路としての機能をより発現しやすくなるため、好ましい。
特に、経方向補助繊維糸条4の単繊維の直径を強化繊維糸条2の単繊維の直径よりも大きくすることにより、より選択的に経方向補助繊維糸条4の間に隙間を形成し、樹脂流路の機能を設けることができるため、好ましい。
さらに、強化繊維糸条2の繊度が800〜3500tex、フィラメント数12,000〜50,000本の炭素繊維糸条であり、かつ、経方向補助繊維糸条4が繊度20〜200tex、フィラメント数300〜3,000本の炭素繊維糸条であることが好ましい。強化繊維糸条2の繊度およびフィラメント数がかかる範囲より小さいと、強化繊維基材に交錯点が多すぎ、クリンプが大きくなるだけでなくその数も多くなり、力学特性に劣る場合がある。一方、かかる範囲より大きいと、織物での交錯点が少なすぎて、強化繊維基材の形態安定性に劣る場合がある。また、経方向補助繊維糸条4は、強化繊維糸条2との交錯点での強化繊維糸条2の屈曲を小さくして、本発明の炭素繊維の特性を最大限に発現させるために、かかる範囲にすることが好ましい。また、強化繊維糸条と経方向補助繊維糸条を共に炭素繊維とすることにより、強化繊維糸条と経方向補助繊維糸条の線膨張係数を実質的に同一とすることができるため、複合材料の製造時におけるマトリックス樹脂の加熱硬化によって、経方向補助繊維糸条によって形成される樹脂リッチ周辺の残留熱応力を低減が期待され、結果として該樹脂リッチ周辺のき裂発生を抑制することができるため好ましい。
さらに、強化繊維基材1は図1に示すように、基材の両面側に緯方向補助繊維糸8が配されており、該緯方向補助繊維糸条群9を構成する緯方向補助繊維糸条8と経方向補助繊維糸条群5を構成する経方向補助繊維糸条4とが織組織を構成している一方向ノンクリンプ織物であることが好ましい。
一方向ノンクリンプ織物とすることにより、本発明で使用する強化繊維糸条2の屈曲(クリンプ)を抑制し、強化繊維糸条の特性を最大限に発現させることができるため好ましい。
特に、緯方向補助繊維糸条8は繊度が1〜20tex、フィラメント数1〜200本の合成繊維またはガラス繊維であることが好ましい。この範囲の繊度の緯方向補助繊維糸条8を用いることにより、強化繊維糸条2の屈曲(クリンプ)を抑制し、強化繊維基材1を構成することができるため好ましい。さらに緯方向補助繊維糸条8の種類は任意のものが使用できるが、なかでも強化繊維基材1の基材密度の安定性の観点から、成形時の加熱などにより、収縮しにくいものが好ましいため、ガラス繊維が好ましい。
また、該緯方向補助繊維糸条8織密度は、強化繊維基材1の形態安定性、クリンプの影響最小限化の観点から、0.3〜6本/cmであることがより好ましい。
さらに、強化繊維基材1の少なくとも片表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料10が、強化繊維基材100重量%に対して2〜20重量%の範囲内で存在していることが好ましい。より具体的には、樹脂材料10が強化繊維基材1の表面に接着している。上記範囲内で樹脂材料10が強化繊維基材1に接着していると、強化繊維基材1を積層してプリフォームを得る際の強化繊維基材同士の接着性が付与できる。更に、強化繊維基材に適度なコシが生じるだけでなく、強化繊維基材1である一方向織物において、不要な目ズレを防止するなどの強化繊維基材の形態安定効果をも発現し、取り扱い性に優れた強化繊維基材が得られるため好ましい。さらに、樹脂材料10が強化繊維基材を積層して得られる複合材料において、クラックストッパーになること、成形時の残留応力を緩和することなどにより、特に複合材料が衝撃を受けた時に強化繊維基材の層間の損傷を抑制でき、優れた力学特性(特にCAI、引張強度、圧縮強度)を達成できる層間の高靭性化効果を発現することができるため、好ましい。これにより、本発明の強化繊維基材1は、一方向強化繊維基材としての高い力学特性と経方向補助繊維糸条群5による樹脂含浸性を両立するだけでなく、特に航空機用材料に求められる耐衝撃特性をも向上することができるのである。
さらに、樹脂材料10が、融点を有さない非晶性であり、かつ、ガラス転移温度が50〜150℃であることが好ましい。ここで、融点を有さない非晶性の熱可塑性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)を用いてJIS K7121(1987)「プラスチックの転移温度測定方法」に従い、絶乾状態で20℃/minの昇温速度にて測定される融点、すなわち結晶構造に起因した吸熱ピークを示さない、結晶構造を形成しない熱可塑性樹脂を指す。なお、非晶性の熱可塑性樹脂は、融点を示さないもののガラス転移温度は有し、同様にDSCにて測定される。
本発明で好ましく使用する樹脂材料のガラス転移温度は、積層、賦形時のタック性を発現する加工温度の観点から、50〜150℃であることが好ましい。ここでガラス転移温度とは、示差走査熱量計(DSC)から計測される樹脂のガラス転移温度のことを意味する。また、50℃よりも低いと製造される複合材料の耐熱性が低下する場合がある。
さらに、樹脂材料の主成分である熱可塑性樹脂は、耐熱性の観点から高いガラス転移温度を有するものが好ましく、例えば、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、それらの共重合体が好ましく用いられる。また、その配合量は樹脂材料の総重量に対し70〜100重量%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは75〜97重量%、さらに好ましくは80〜95重量%の範囲内である。かかる配合量が70重量%未満であると本発明の課題の一つである力学特性に優れた複合材料を得にくいことがある。上記の高いガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂は、強化繊維基材1への接着性や接着加工性が劣るため、樹脂材料には副成分としてエポキシ樹脂やアミン化合物などの粘着付与剤、可塑剤等を配合することが好ましい。
さらに、本発明で製造する積層体11は、図5に示すように、本発明の強化繊維基材1が複数積層されて構成され、かつ、強化繊維基材同士が樹脂材料10により少なくとも部分的に接着して一体化していることが好ましい。本発明の強化繊維基材を用いて部材を製造する際において、予め強化繊維基材を所定の積層構成に基づき積層し、強化繊維基材同士が樹脂材料により部分的に接着して一体化している積層体を用いることにより、強化繊維基材を一枚毎に部材を成形する型に積層する手間が省けるため好ましいのである。一方、強化繊維基材同士を樹脂材料により、部分的ではなく、全面的に接着一体化してしまうと、強化繊維基材が本来有している賦形性が損なわれる場合がある。
積層体11の強化繊維基材1の間を部分接着する方法は、特に限定されないが、積層体11を加熱した状態において、図6に示すような圧子12を用いて、部分接着したい箇所を選択的に加圧する方法が挙げられる。積層体11を圧子12の取付けられた圧子プレート13と下部プレート14の間に挿入し、積層体11を加熱した状態において、圧子プレート13を積層体11に押し当てることにより、圧子12にて積層体11を部分的に加圧することより、強化繊維基材1の間を部分接着することができる。図6では、強化繊維基材1の間を部分接着している樹脂材料15と強化繊維基材1の間を部分接着していない樹脂材料10を色分けして示している。部分接着の場所、範囲などは圧子の大きさ、配置方法、加熱温度などの接着条件により制御することが可能である。
さらに本発明の強化繊維基材または積層体をマトリックス樹脂で固化した複合材料において、次の熱サイクル処理の後にき裂が発生しない、複合材料であることを特徴とする。
・熱サイクル処理:複合材料を温度50℃、湿度95%環境下で12時間放置し、次いで温度−55℃で1時間放置し、さらに下限−55℃で5分間、上限70℃で5分間、の熱サイクルを2000回繰り返す処理。
複合材料に発生するき裂は、光学顕微鏡にて複合材料の表面(成形型16の面を転写している表面)を、倍率200倍にて観察する。ここで問題としているき裂は、200倍の倍率にて十分に観察できるき裂を対象としている。通常、複合材料の表面に発生するき裂は、樹脂の流路を形成し、樹脂リッチとなっている部分、すなわち強化繊維糸条間の経方向補助繊維糸条に沿って発生しやすい。特に強化繊維糸条と経方向補助繊維糸条に異なる繊維(例えば、強化繊維糸条に炭素繊維、経方向補助繊維糸条にガラス繊維など)を用いると、それぞれの繊維の線膨張係数が異なるため、残留熱応力が発生し、き裂が発生しやすい。このため、本発明のように、経方向補助繊維糸条の真円度を40〜80%とすることにより、より接着性を向上することにより、き裂の発生を抑制する、または強化繊維糸条と経方向補助繊維糸条をともに炭素繊維にすることにより、線膨張係数の差に起因する残留熱応力を低減することにより、き裂の発生を抑制することができるため好ましい。
以下に本発明を実施例と比較例を用いて、さらに詳細に説明する。
1.炭素繊維糸条:
PAN系炭素繊維、24,000フィラメント、繊度:1.030tex、引張強度:5.9GPa、引張弾性率:295GPa、破断伸度:2.0%、真円度:100%(真円状)、単繊維直径:5.5μm
2.経方向補助繊維糸条:
<経方向補助繊維糸条A>
PAN系炭素繊維、1,000フィラメント、繊度:66tex、引張強度:3.5GPa、
引張弾性率:230GPa、破断伸度:1.5%、真円度:64%(空豆状)、単繊維直径:7μm
<経方向補助繊維糸条B>
PAN系炭素繊維、1,000フィラメント、繊度:56tex、引っ張り強度:4.0GPa、
引張弾性率:294GPa、破断伸度:1.3%、真円度:61%(空豆状)、単繊維直径:5.2μm
<経方向補助繊維糸条C>
ガラス繊維、ECG75 1/0 1.0Z、繊度:67.5tex、真円度99%(真円状)、単繊維直径:9.2μm
3.緯方向補助繊維糸条
ガラス繊維、ECE225 1/0 1.0Z、繊度:22.5tex
4.樹脂材料:
ポリエーテルスルフォン樹脂60重量部と、エポキシ樹脂組成物(ジャパンエポキシレジン(株)製“エピコート“806を21重量部、日本化薬(株)製NC−3000を12.5重量部、および日産化学工業(株)製TEPIC4重量部を、100℃で均一になるまで攪拌したもの。)40重量部とを、2軸押出機にて溶融混練して相溶させた樹脂組成物を、冷凍粉砕して粒子にした。なお、平均粒径D50(レーザー回折・散乱法を用い、(株)セイシン企業製LMS−24にて測定した。):115μm、ガラス転移点:92℃であった。
5.マトリックス樹脂:
次の主液100重量部に、次の硬化液を39重量部加え、80℃にて均一になる様に攪拌したエポキシ樹脂組成物を用いた。なお、80℃におけるE型粘度計による粘度:55mPa・s、1時間後の粘度:180mPa・s、180℃で2時間硬化後のガラス転移点:197℃、曲げ弾性率(JIS−K7171):3.3GPaであった。
・主液
エポキシとして、Vantico(株)製“アラルダイト”MY−721:40重量部、ジャパンエポキシレジン(株)製“エピコート”825:35重量部、日本化薬(株)製GAN:15重量部、および、ジャパンエポキシレジン(株)製“エピコート“630:10重量部を70℃で1時間攪拌して均一溶解させたものを用いた。
・硬化液
ポリアミンとして、ジャパンエポキシレジン(株)製“エピキュア”W:70重量部、三井化学ファイン(株)製3,3’−ジアミノジフェニルスルホン:20重量部、および、住友化学工業社製“スミキュア”S:10重量部を、100℃で1時間攪拌して均一にした後に70℃に降温し、硬化促進剤として、宇部興産(株)製t−ブチルカテコール:2重量部を、さらに70℃で30分間攪拌して均一溶解させたものを用いた。
(実施例1)
184本の上記炭素繊維糸条をお互いに並行に引き揃え(引出工程)、1.8本/cmの密度で一方向に配列し、1m幅のシート状の強化繊維糸条群を形成した。また、経方向補助繊維糸条Aを、お互いが並行に引き揃え、1.8本/cmの密度で、炭素繊維糸条群と同じ方向で、且つ、炭素繊維糸条と交互に一方向に配列し、経方向補助繊維糸条群を形成した。両者を用いてシート状の経方向糸条群を形成した。次に、緯方向繊維糸条を、お互いに並行に引き揃え、3本/cmの密度で、経方向糸条群と直交する方向に配列し、上記経方向補助繊維糸条Aと緯方向補助繊維糸条とを織機を用いて平織組織に交錯させ、一方向性ノンクリンプ織物を形成した。かかる一方向性ノンクリンプ織物に、粒子状の樹脂材料を、均一分散させながら、織物の両表面に13g/m塗布し、185℃、0.3m/minの条件にて遠赤外線ヒーターを通過させ、樹脂材料を基材織物の両表面に接着して炭素繊維強化基材Aを形成した(基材形成工程)。次いで、離型紙で挟み、160℃のプレスロールを連続的に通過させ(加圧工程)、冷却した後、ロールに巻き取った(巻取工程)。
得られた炭素繊維強化基材Aは、樹脂材料が織物の両表面に塗布されているため、基材の取扱性に優れるだけでなく、強化繊維糸条の真直性を保つことができた。炭素繊維糸条単位面積あたりの重量は190g/m、基材の厚みは0.24mmであった。
(実施例2)
基材形成工程において、経方向補助繊維糸条Aを経方向補助繊維糸条Bに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維強化基材Bを得た。
得られた炭素繊維強化基材Bは、樹脂材料が織物の両表面に塗布されているため、基材の取扱性に優れるだけでなく、強化繊維糸条の真直性を保つことができた。炭素繊維糸条単位面積あたりの重量は190g/m、基材の厚みは0.24mmであった。
(比較例1)
基材形成工程において、経方向補助繊維糸条Aを経方向補助繊維糸条Cに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維強化基材Cを得た。
得られた炭素繊維強化基材Cは、樹脂材料が織物の両表面に塗布されているため、基材の取扱性に優れるだけでなく、強化繊維糸条の真直性を保つことができた。炭素繊維糸条単位面積あたりの重量は190g/m、基材の厚みは0.24mmであった。
<成形方法>
以下に、本発明の複合材料の製造方法を用いた実施例を、図面を参照しながら説明する。
図7は、本実施例で用いた複合材料の製造装置の概略断面図である。図7に示す様に、平面状のアルミ製成形型16の表面に、炭素繊維強化基材17を所定の枚数と角度で積層した。含浸性評価用サンプルの積層構成は[45/0/−45/90]30、熱サイクル試験用サンプルの積層構成は[45/0/−45/90]2Sである。ここで[]内の数字は積層角度、[]外の数字は[]内の積層構成の繰り返し数を意味する。[]外のSは鏡面対象積層を意味する。
積層体の最表面にピールプライ18であるポリエステル繊維の離型処理された織物を配置し、更にその上に樹脂拡散媒体(メディア)19であるポリプロピレン製メッシュ状シートを配置し、さらにその上に、押さえ板となるアルミ製カウルプレート20を配置した。
全体をバッグ材21であるナイロンフィルムで覆い、バッグ材21と成形型16の周囲をシール材22で密閉した。樹脂注入口23は、メディア19に接するように取付け、シール材で密閉する。真空吸引口24は、樹脂吸引用に配置したポリプロピレン製メッシュ状シート25(樹脂拡散媒体19と同じ材料)に接するように取付け、同様にシールする。真空吸引口24から吸引し、バッグ材の内が0.08〜0.1MPaの圧力になるように真空吸引した。3℃/minの速度で、装置全体を80℃に昇温した。真空吸引を継続しながら、積層体が80℃に達してから1時間保持する。その後、樹脂注入口23を開放して、樹脂拡散媒体19を通じて、マトリックス樹脂を必要な量だけ炭素繊維強化基材17に注入、含浸した。
ここで含浸性評価用サンプルは、1時間の樹脂注入、含浸を行い、注入開始1時間後に樹脂注入口23を閉め、マトリックス樹脂の注入を中止した。
熱サイクル用サンプルは、真空吸引口24からマトリックス樹脂の流出を目視により観察した時点で、含浸完了と判断し、樹脂注入口23を閉め、マトリックス樹脂の注入を中止した。マトリックス樹脂の注入を中止した後、樹脂注入口23を真空吸引ラインにつなぎ、従来の真空吸引口24と真空吸引ラインにつなぎなおした樹脂注入口23の両方から、真空吸引を行い、炭素繊維強化基材17に余分に注入、含浸したマトリックス樹脂を排出した。
その後、含浸性評価用サンプル、熱サイクル評価用サンプル共に、樹脂注入口23及び真空吸引口24を共に閉め、1.5℃/minの昇温速度で装置全体を130℃まで昇温した。130℃に達してから2時間保持してマトリックス樹脂を硬化した。その後、3℃/minの降温速度で常温まで降温した。バッグ材21、アルミ製カウルプレート20、樹脂拡散媒体19、ピールプライ18を除去して、複合材料を成形型16から脱型した。次に複合材料を、成形型上に配置した状態(フリースタンド状態)にて、1.5℃/minの昇温速度で180℃まで昇温した。180℃に達してから2時間保持してマトリックス樹脂を二次硬化した。その後、3℃/minの降温速度で常温まで降温して、複合材料を得た。
<評価方法>
(1)含浸性評価
二次硬化完了後、複合材料をダイヤモンドカッターにて切断し、切断面を観察し、マトリックス樹脂が完全に含浸している基材の枚数を数えた。
(2)熱サイクル試験評価
サンプルを50mm×80mmに切断加工した後、以下の前処理1、前処理2の順番で前処理を施した後、熱サイクル試験を行った。
前処理1条件:温度50℃、湿度95%、12時間
前処理2条件:温度−55℃、1時間
熱サイクル条件:低温−55℃、高温70℃のサイクルを連続的に2000回繰り返した。各サイクルにおいて、低温、高温共に5分保持した。
熱サイクル試験完了後、顕微鏡にてサンプル表面(成形型16を転写している表面)を倍率200倍にて観察し、き裂の有無及びき裂の発生箇所を確認した。
(実施例3)
実施例1の炭素繊維強化基材Aを用いて、上記の成形方法および評価方法によって、複合材料を成形し、評価した。含浸性評価の結果、含浸枚数は80枚であった。熱サイクル試験評価の結果、き裂発生は認められなかった。
(実施例4)
実施例2の炭素繊維強化基材Bを用いて、上記の成形方法および評価方法によって、複合材料を成形し、評価した。含浸性評価の結果、含浸枚数は78枚であった。熱サイクル試験評価の結果、き裂発生は認められなかった。
(比較例2)
比較例1の炭素繊維強化基材Cを用いて、上記成形方法および評価方法によって、複合材料を成形し、評価した。含浸性評価の結果、含浸枚数は62枚であった。熱サイクル試験評価の結果、サンプルの表面に見られるすべての経方向補助繊維糸条Cに沿って、き裂が発生していることを確認した。
本発明の強化繊維基材の概略図である。 本発明で使用する強化繊維糸条及び経方向補助繊維糸条の真円度の定義を説明する概略図である。 本発明で使用する強化繊維糸条の断面の一態様(写真)である。 本発明で使用する経方向補助繊維糸条の一態様(写真)である。 本発明の強化繊維基材の積層体の概略図である。 本発明の強化繊維基材の積層体の部分接着方法の一態様を示す概略図である。 本発明の複合材料の成形方法に用いる製造装置の一態様(実施例)を示す概略図である。
符号の説明
1:強化繊維基材
2:強化繊維糸条
3:強化繊維糸条群
4:経方向補助繊維糸条
5:経方向補助繊維糸条群
6:単繊維
7:空隙
8:緯方向補助繊維糸条
9:緯方向補助繊維糸条群
10:樹脂材料
11:積層体
12:圧子
13:圧子プレート
14:下部プレート
15:部分接着している樹脂材料
16:成形型
17:強化繊維基材
18:ピールプライ
19:樹脂拡散媒体
20:カウルプレート
21:バッグ材
22:シール材
23:樹脂注入口
24:真空吸引口
25:ポリプロピレン製メッシュ状シート

Claims (11)

  1. 少なくとも、連続した強化繊維糸条を一方向に並行するように引き揃えた強化繊維糸条群と、強化繊維糸条と並行する方向に延在する経方向補助繊維糸条から構成される経方向補助繊維糸条群とから構成される強化繊維基材であって、強化繊維糸条の単繊維の真円度が80〜100%であり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維の真円度が40〜80%である、強化繊維基材。
  2. 強化繊維糸条の単繊維が95〜100%の真円状であり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維の真円度が55〜75%の空豆状である、請求項1に記載の強化繊維基材。
  3. 強化繊維糸条の単繊維における三次元粗さの二乗平均粗さRqが20nm未満であり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維における二乗平均粗さRqが20〜200nmである、請求項1または2に記載の強化繊維基材。
  4. 強化繊維糸条の単繊維直径が2〜7μmであり、かつ、経方向補助繊維糸条の単繊維直径が4〜15μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の強化繊維基材。
  5. 強化繊維糸条が繊度800〜3500tex、フィラメント数12,000〜50,000本の炭素繊維糸条であり、かつ、経方向補助繊維糸条が繊度20〜200tex、フィラメント数300〜3,000本の炭素繊維糸条である、請求項1〜4のいずれかに記載の強化繊維基材。
  6. 強化繊維基材において、基材の両面側に緯方向補助繊維糸条群が配されており、該緯方向補助繊維糸条群を構成する緯方向補助繊維糸条と経方向補助繊維糸条群を構成する経方向補助繊維糸条とが織組織を構成している一方向性ノンクリンプ織物である、請求項1〜5のいずれかに記載の強化繊維基材。
  7. 緯方向補助繊維糸条が繊度1〜20tex、フィラメント数1〜200本の合成繊維またはガラス繊維である、請求項1〜6のいずれかに記載の強化繊維基材。
  8. 強化繊維基材の少なくとも片表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が、強化繊維基材100重量%に対して2〜20重量%の範囲内で存在している、請求項1〜7のいずれかに記載の強化繊維基材。
  9. 樹脂材料が、融点を有さない非晶性であり、かつ、ガラス転移温度が50〜150℃である、請求項1〜8のいずれかに記載の強化繊維基材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の強化繊維基材が複数積層されて構成される積層体であって、強化繊維基材同士が、樹脂材料により少なくとも部分的に接着して一体化している、積層体。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の強化繊維基材または請求項10に記載の積層体を、マトリックス樹脂で固化した複合材料において、次の熱サイクル処理の後にき裂が発生しない、複合材料。
    熱サイクル処理:複合材料を温度50℃、湿度95%環境下で12時間放置し、次いで温度−55℃で1時間放置し、さらに下限−55℃で5分間、上限70℃で5分間、の熱サイクルを2000回繰り返す処理
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