本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配線基板に内蔵した状態で生じる応力を緩和することにより、クラックを防止することができる部品内蔵配線基板を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の部品内蔵配線基板に好適な配線基板内蔵用コンデンサを提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、コア主面(12)及びコア裏面(13)を有し、少なくとも前記コア主面(12)にて開口する収容穴部(90)を有するコア基板(11)と、部品主面(102)、部品裏面(103)及び部品側面(106)を有する部品本体(104)、及び、樹脂を主体とし、少なくとも前記部品主面(102)上に形成された応力緩和層(151)を有し、前記コア主面(12)と前記部品主面(102)とを同じ側に向けた状態で前記収容穴部(90)内に収容された部品(101)と、樹脂層間絶縁層(33,35)及び導体層(42)を前記コア主面(12)上及び前記応力緩和層(151)上にて積層した構造を有する配線積層部(31)とを備えることを特徴とする部品内蔵配線基板がある。
従って、手段1の部品内蔵配線基板によると、部品本体の少なくとも部品主面上に形成された応力緩和層により、部品を配線基板に内蔵した状態で部品の表面に加わる外部応力を緩和できるため、従来のような部品本体の表面近傍でのクラックの発生を防止することができる。ゆえに、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を得ることができる。また、応力緩和層が外部応力を緩和することにより、応力緩和層上に積層された配線積層部が変形しにくくなるため、配線積層部の表面上に半導体集積回路素子を搭載した場合に、半導体集積回路素子にかかる外部応力も緩和することができる。
上記部品内蔵配線基板を構成するコア基板は、例えばコア主面及びその反対側に位置するコア裏面を有する板状に形成されており、部品を収容するための収容穴部を有している。この収容穴部は、コア主面側のみにて開口する非貫通穴であってもよく、あるいはコア主面側及びコア裏面側の両方にて開口する貫通穴であってもよい。また、部品は、完全に埋設された状態で収容穴部に収容されていてもよいし、一部分が収容穴部の開口部から突出した状態で収容穴部に収容されていてもよい。
コア基板を形成する材料は特に限定されないが、好ましいコア基板は高分子材料を主体として形成される。コア基板を形成するための高分子材料の具体例としては、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。
前記部品を構成する部品本体は、部品主面、部品裏面及び部品側面を有している。部品本体の形状は、任意に設定することが可能であるが、例えば、部品主面の面積が部品側面の面積よりも大きい板状であることが好ましい。また、部品本体の平面視での形状としては、複数の辺を有する平面視多角形状であることが好ましい。平面視多角形状としては、例えば、平面視略矩形状、平面視略三角形状、平面視略六角形状などを挙げることができるが、特には、一般的な形状である平面視略矩形状であることが好ましい。ここで、「平面視略矩形状」とは、平面視で完全な矩形状のみをいうのではなく、角部が面取りされた形状や、辺の一部が曲線となっている形状も含むものとする。
なお、好適な前記部品としては、コンデンサ、半導体集積回路素子(ICチップ)、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。ここで、「半導体集積回路素子」とは、主としてコンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される素子をいう。
また、好適なコンデンサの例としては、チップコンデンサや、誘電体層を介して複数の内部電極層が積層配置された構造を有し、前記複数の内部電極層に接続される複数のコンデンサ内ビア導体と、前記複数のコンデンサ内ビア導体における少なくとも前記コンデンサ主面側の端部に接続された複数の表層電極とを備えるコンデンサなどを挙げることができる。なお、コンデンサは、前記複数のコンデンサ内ビア導体が全体としてアレイ状に配置されたビアアレイタイプのコンデンサであることが好ましい。このような構造であれば、高容量化や小型化が図りやすいため、配線基板内蔵用コンデンサに適するようになる。また、このような構造であれば、コンデンサのインダクタンスの低減化も図られ、電源変動平滑化のための高速電源供給が可能となる。
コンデンサを構成する前記誘電体層としては、セラミックコンデンサを構成するセラミック誘電体層などが挙げられる。また、コンデンサを構成する他の誘電体層としては、樹脂誘電体層、セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層などが挙げられる。前記セラミック誘電体層としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素、窒化珪素などといった高温焼成セラミックの焼結体が好適に使用されるほか、ホウケイ酸系ガラスやホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機セラミックフィラーを添加したガラスセラミックのような低温焼成セラミックの焼結体が好適に使用される。この場合、用途に応じて、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの誘電体セラミックの焼結体を使用することも好ましい。誘電体セラミックの焼結体を使用した場合、静電容量の大きなコンデンサを実現しやすくなる。また、前記樹脂誘電体層としては、エポキシ樹脂、接着剤を含んだ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などの樹脂が好適に使用される。さらに、前記セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層としては、セラミックとして、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどが好適に使用され、樹脂材料として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂、及び、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどのラテックスが好適に使用される。
前記内部電極層、前記コンデンサ内ビア導体、前記表層電極としては特に限定されないが、例えば誘電体層がセラミック誘電体層である場合にはメタライズ導体であることが好ましい。なお、メタライズ導体は、金属粉末を含む導体ペーストを従来周知の手法、例えばメタライズ印刷法で塗布した後に焼成することにより、形成される。同時焼成法によってメタライズ導体及びセラミック誘電体層を形成する場合、メタライズ導体中の金属粉末は、セラミック誘電体層の焼成温度よりも高融点である必要がある。例えば、セラミック誘電体層がいわゆる高温焼成セラミック(例えばアルミナ等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等やそれらの合金が選択可能である。セラミック誘電体層がいわゆる低温焼成セラミック(例えばガラスセラミック等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、銅(Cu)または銀(Ag)等やそれらの合金が選択可能である。
前記部品を構成する応力緩和層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。応力緩和層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂に無機材料を添加した材料等を使用してもよい。
ここで、少なくとも部品主面上に応力緩和層を形成する方法としては、樹脂フィルムをラミネートすることにより応力緩和層を形成する方法、ワニスを印刷することにより応力緩和層を形成する方法(ワニス印刷)、部品をワニス槽に浸漬させることにより応力緩和層を形成する方法(ワニスディップ)、カーテンコーターを用いて樹脂を印刷することにより応力緩和層を形成する方法、真空プレスを用いて樹脂フィルムを熱圧着させることにより応力緩和層を形成する方法などが挙げられる。
前記応力緩和層は、少なくとも部品主面上に形成されている。ここで、前記部品本体が例えば平面視略矩形状である場合、即ち、部品側面が4つ存在する場合、前記応力緩和層は、1つの部品側面上のみに形成されていてもよいし、2つ以上の部品側面上に形成されていてもよい。また、前記応力緩和層は、前記部品主面上のみに形成されていてもよいし、前記部品主面上、前記部品裏面上及び前記部品側面上の全てに形成されていてもよい。応力緩和層が部品主面上、部品裏面上及び部品側面上の全てに形成されている場合、部品主面上に形成された応力緩和層だけでなく、部品裏面上に形成された応力緩和層によっても、部品の平面方向に加わる外部応力を緩和できるため、部品本体内でのクラックの発生をより確実に防止することができる。しかも、部品側面上に形成された応力緩和層によって部品の厚さ方向に加わる外部応力も緩和できる。このため、部品本体内でのクラックの発生をよりいっそう確実に防止できる。
なお、応力緩和層を、『少なくとも部品裏面上』や『少なくとも部品側面上』ではなく、『少なくとも部品主面上』に形成する理由を以下に述べる。即ち、構造上の問題やコスト上の問題から、応力緩和層の形成を必要最小限にしたい場合には、応力緩和層を部品主面上に形成することが最も効果的である。詳述すると、応力緩和層を部品主面上に形成すれば、平面方向(XY方向)にかかる外部応力を最も効果的に緩和することができる。また、応力緩和層上に積層された配線積層部の表面上に半導体集積回路素子を搭載した場合、半導体集積回路素子にかかる外部応力の緩和も期待できる。
ここで、部品主面上に形成された応力緩和層の外表面は、部品主面と平行に配置されることが好ましい。仮に、部品主面と平行でないと、部品主面に接する樹脂層間絶縁層の上面(樹脂層間絶縁層において部品主面とは反対側に位置する面)を平坦にすることが困難になる。同様に、部品裏面上に形成された応力緩和層の外表面も、部品裏面と平行に配置されることが好ましい。仮に、部品裏面と平行でないと、部品主面がコア主面に対して傾斜した状態となってしまい、部品主面に接する樹脂層間絶縁層の上面を平坦にすることが困難になる。また、部品側面上に形成された応力緩和層の外表面は、部品側面と平行に配置されることが好ましい。仮に、部品側面と平行でないと、部品側面上に形成された応力緩和層の外表面が収容穴部の内壁面に対して傾斜した状態となってしまい、部品側面上に形成された応力緩和層の外表面と収容穴部の内壁面との隙間に充填材を上手く充填できなくなる可能性がある。
また、前記応力緩和層は、前記部品本体に接触する接触面と、前記接触面の反対側に位置する外表面と、前記接触面側及び前記外表面側を導通させる複数の導体柱と、前記外表面上に配置され前記複数の導体柱に接続される複数の端子パッドとを備えていてもよい。このようにすれば、部品が応力緩和層を有している場合であっても、部品の導体部(例えば、前記内部電極層、前記コンデンサ内ビア導体、前記表層電極など)と、配線積層部を構成する導体層とを、応力緩和層が備える導体柱及び端子パッドを介して確実に接続することができる。ゆえに、よりいっそう信頼性に優れた部品内蔵配線基板を得ることができる。
なお、前記応力緩和層は前記樹脂層間絶縁層よりも薄いことが好ましい。このようにすれば、部品内蔵配線基板が肉厚になりにくくなる。また、応力緩和層が薄くなることで、外部応力が加わった際の応力緩和層の変形量が小さくなるため、応力緩和層上に積層した配線積層部等の寸法安定性の低下を防止することができる。具体的に言うと、前記応力緩和層の厚さは、例えば5μm以上30μm以下であることが好ましく、特には10μm以上20μm以下であることが好ましい。仮に、応力緩和層の厚さが5μm未満であると、部品の表面に加わる外部応力を応力緩和層によって十分に緩和できなくなるため、部品本体内でのクラックの発生を防止できなくなる可能性がある。一方、応力緩和層の厚さが30μmよりも大きいと、配線積層部等の寸法安定性の低下を招いてしまう。
上記部品内蔵配線基板を構成する配線積層部は、高分子材料を主体とする樹脂層間絶縁層及び導体層を積層した構造を有している。なお、配線積層部は、前記コア主面上、及び、前記部品主面上の応力緩和層上に形成されるが、さらに前記コア裏面上、及び、前記部品裏面上(または前記部品裏面上の応力緩和層上)にも配線積層部と同じ構造の積層部が形成されていてもよい。このように構成すれば、コア主面上、及び、部品主面上の応力緩和層上に形成された配線積層部のみではなく、コア裏面上、及び、部品裏面上(または部品裏面上の応力緩和層上)に形成された積層部にも電気回路を形成できるため、部品内蔵配線基板のよりいっそうの高機能化を図ることができる。
樹脂層間絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。樹脂層間絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。
なお、前記樹脂層間絶縁層が熱硬化性樹脂である場合、前記応力緩和層も熱硬化性樹脂であることが好ましい。このようにすれば、加熱を行うだけで、樹脂層間絶縁層の形成と同時に、樹脂層間絶縁層と応力緩和層とを密着させて部品を固定することができる。これにより、部品の組み込み時の工程が簡略化されるため、部品内蔵配線基板を容易に製造できるとともに、低コスト化を図ることができる。
また、前記応力緩和層は、前記樹脂層間絶縁層と同じ材料によって形成されていてもよいし、前記樹脂層間絶縁層とは異なる材料によって形成されていてもよい。応力緩和層が樹脂層間絶縁層と同じ材料によって形成されている場合、応力緩和層の形成に際して樹脂層間絶縁層とは別の材料を準備しなくても済む。よって、部品内蔵配線基板の製造に必要な材料が少なくなるため、部品内蔵配線基板の低コスト化を図ることが可能となる。また、樹脂層間絶縁層の形成と同時に部品の固定が行われるため、部品の組み込み時の工程が簡略化される。よって、部品内蔵配線基板を容易に製造でき、この場合も低コスト化を図ることができる。一方、応力緩和層が樹脂層間絶縁層とは異なる材料によって形成されている場合、応力緩和層の機能を部品の表面に加わる外部応力を緩和する機能に特化させることができる。
なお、前記応力緩和層に含まれる無機材料の単位体積あたりの重量(wt%)は、前記樹脂層間絶縁層に含まれる無機材料の単位体積あたりの重量(wt%)よりも少なく、前記応力緩和層において無機材料が占める体積の割合(vol%)は、前記樹脂層間絶縁層において無機材料が占める体積の割合(vol%)よりも少ないことが好ましい。このようにすれば、応力緩和層が樹脂層間絶縁層と同じ樹脂材料によって形成されている場合でも、応力緩和層に含まれる無機材料の単位体積あたりの重量や、応力緩和層において無機材料が占める体積の割合が少なくなることで、応力緩和層が樹脂層間絶縁層よりも軟らかくなる。このため、部品に加わる外部応力を応力緩和層によって緩和することができる。
ここで、無機材料としては、いわゆる無機フィラーを挙げることができる。この無機フィラーとしては、無機化合物フィラーや金属フィラー等が挙げられる。このうち無機化合物フィラーとしては、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、タルク、窒化アルミニウム、硫酸バリウム等からなるセラミックフィラーが挙げられる。また、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等からなる誘電体フィラーが挙げられる。これらの無機フィラーとしては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、フィラーの形状は特に限定されず、不定形状、球形状、繊維形状、板形状等が挙げられる。これらの形状のフィラーとしては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、応力緩和層が樹脂層間絶縁層とは異なる材料によって形成されている場合、前記応力緩和層の室温での弾性率は、前記樹脂層間絶縁層の室温での弾性率よりも小さいことが好ましい。このようにすれば、応力緩和層が樹脂層間絶縁層よりも小さい応力で変形しやすい層となるため、部品に加わる外部応力を応力緩和層によって確実に緩和することができる。具体的に言うと、前記応力緩和層は、室温での弾性率が0.01GPa以上1GPa以下であることが好ましい。仮に、室温での弾性率が0.01GPa未満に設定されると、応力緩和層が小さい応力でも変形しすぎてしまい、応力緩和層上に積層した配線積層部等の寸法安定性が低下してしまう。一方、室温での弾性率が1GPaよりも大きく設定されると、応力緩和層が殆ど変形しないため、応力緩和層によって部品に加わる外部応力を確実に緩和できなくなる可能性がある。なお、応力緩和層の室温での弾性率を測定する方法としては、例えばJIS C6481に規定されるものなどが挙げられる。また、ここでいう室温とは25℃である。
同様に、応力緩和層が樹脂層間絶縁層とは異なる材料によって形成されている場合、前記応力緩和層の室温での破断伸び率は、前記樹脂層間絶縁層の室温での破断伸び率よりも大きいことが好ましい。このようにすれば、応力緩和層が樹脂層間絶縁層よりも降伏応力が小さいため、部品に加わる外部応力を応力緩和層によって確実に緩和することができる。具体的に言うと、前記応力緩和層は、室温での破断伸び率が10%以上であることが好ましい。仮に、室温での破断伸び率が10%未満であると、降伏応力が大きいため、応力緩和層によって部品に加わる外部応力を確実に緩和できなくなる可能性がある。ここで、降伏応力とは、弾性変形する領域から塑性変形する領域に変わる点(降伏点)での応力をいう。降伏応力を超えるような外部応力が加わった場合、応力緩和層は、塑性変形して外部応力を緩和する働きをする。なお、応力緩和層の室温での破断伸び率を測定する方法としては、例えばJIS C6481に規定されるものなどが挙げられる。
なお、応力緩和層が樹脂層間絶縁層とは異なる材料によって形成されている場合、前記応力緩和層の熱膨張係数については、室温での弾性率及び破断伸び率が上記のように設定されていれば、特に制限はない。応力緩和層の室温での弾性率及び破断伸び率が上記物性値の領域内にある場合、応力緩和層の熱膨張係数は、応力緩和効果に対してほとんど影響を与えないためである。
また、本発明の課題を解決するための別の手段(手段2)としては、コア主面(12)及びコア裏面(13)を有するコア基板(11)内、または、樹脂層間絶縁層(33,35)及び導体層(42)を前記コア主面(12)上にて積層した構造を有する配線積層部(31)内に収容される配線基板内蔵用コンデンサ(101)であって、コンデンサ主面(102)、コンデンサ裏面(103)及びコンデンサ側面(106)を有するとともに、セラミック誘電体層(105)を介して複数の内部電極層(141,142)が積層配置された構造を有するコンデンサ本体(104)と、樹脂を主体とし、少なくとも前記コンデンサ主面(102)上に形成された応力緩和層(151)とを備えることを特徴とする配線基板内蔵用コンデンサがある。
従って、手段2によると、コンデンサ本体の少なくともコンデンサ主面上に形成された応力緩和層により、配線基板内蔵用コンデンサを配線基板に内蔵した状態で配線基板内蔵用コンデンサの表面に加わる外部応力を緩和できるため、従来のようなコンデンサ本体の表面近傍でのクラックの発生を防止することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の部品内蔵配線基板を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の部品内蔵配線基板(以下「配線基板」という)10は、ICチップ搭載用の配線基板である。配線基板10は、略矩形板状のコア基板11と、コア基板11のコア主面12(図1では上面)上に形成される第1ビルドアップ層31(配線積層部)と、コア基板11のコア裏面13(図1では下面)上に形成される第2ビルドアップ層32とからなる。
コア基板11のコア主面12上に形成された第1ビルドアップ層31は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂層間絶縁層33,35と、銅からなる導体層42とを交互に積層した構造を有している。本実施形態において、樹脂層間絶縁層33,35の熱膨張係数は、10〜60ppm/℃程度(具体的には40ppm/℃程度)となっている。なお、樹脂層間絶縁層33,35の熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。また、第1ビルドアップ層31における第2層(最上層)の樹脂層間絶縁層35の表面上における複数箇所には、端子パッド44がアレイ状に形成されている。さらに、樹脂層間絶縁層35上には、同樹脂層間絶縁層35をほぼ全体的に覆うソルダーレジスト37が積層されている。ソルダーレジスト37の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。端子パッド44の表面上には、複数のはんだバンプ45が配設されている。各はんだバンプ45は、矩形平板状をなすICチップ21の面接続端子22に電気的に接続されている。なお、各端子パッド44及び各はんだバンプ45からなる領域は、ICチップ21を搭載可能なICチップ搭載領域23である。ICチップ搭載領域23は、第1ビルドアップ層31の表面39に設定されている。また、樹脂層間絶縁層33,35内には、それぞれビア導体43,47が設けられている。これらのビア導体43,47は、導体層42及び端子パッド44を相互に電気的に接続している。
図1に示されるように、コア基板11のコア裏面13上に形成された第2ビルドアップ層32は、上述した第1ビルドアップ層31とほぼ同じ構造を有している。即ち、第2ビルドアップ層32は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂層間絶縁層34,36と、導体層42とを交互に積層した構造を有しており、樹脂層間絶縁層34,36の熱膨張係数が10〜60ppm/℃程度(具体的には40ppm/℃程度)となっている。第2ビルドアップ層32における第2層の樹脂層間絶縁層36の下面上における複数箇所には、ビア導体43を介して導体層42に電気的に接続されるBGA用パッド48が格子状に形成されている。また、樹脂層間絶縁層36の下面には、同樹脂層間絶縁層36をほぼ全体的に覆うソルダーレジスト38が積層されている。ソルダーレジスト38の所定箇所には、BGA用パッド48を露出させる開口部40が形成されている。BGA用パッド48の表面上には、図示しないマザーボードとの電気的な接続を図るための複数のはんだバンプ49が配設されている。そして、各はんだバンプ49により、図1に示される配線基板10は図示しないマザーボード上に実装される。
図1に示されるように、本実施形態のコア基板11は、縦25mm×横25mm×厚さ1.0mmの平面視略矩形板状である。コア基板11は、平面方向(XY方向)における熱膨張係数が10〜30ppm/℃程度(具体的には18ppm/℃)となっている。なお、コア基板11の熱膨張係数は、0℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。コア基板11は、ガラスエポキシからなる基材161と、基材161の上面及び下面に形成され、シリカフィラーなどの無機フィラーを添加したエポキシ樹脂からなるサブ基材164と、同じく基材161の上面及び下面に形成され、銅からなる導体層163とによって構成されている。また、コア基板11には、複数のスルーホール導体16がコア主面12、コア裏面13及び導体層163を貫通するように形成されている。かかるスルーホール導体16は、コア基板11のコア主面12側とコア裏面13側とを接続導通するとともに、導体層163に電気的に接続している。なお、スルーホール導体16の内部は、例えばエポキシ樹脂などの閉塞体17で埋められている。スルーホール導体16の上端は、樹脂層間絶縁層33の表面上にある導体層42の一部に電気的に接続されており、スルーホール導体16の下端は、樹脂層間絶縁層34の下面上にある導体層42の一部に電気的に接続されている。また、コア基板11のコア主面12及びコア裏面13には、銅からなる導体層41がパターン形成されており、各導体層41は、スルーホール導体16に電気的に接続されている。さらに、コア基板11は、コア主面12の中央部及びコア裏面13の中央部にて開口する平面視で矩形状の収容穴部90を1つ有している。即ち、収容穴部90は貫通穴である。
そして、収容穴部90内には、図2〜図4等に示す配線基板内蔵用コンデンサであるセラミックコンデンサ101(部品)が、埋め込まれた状態で収容されている。なお、セラミックコンデンサ101は、コンデンサ主面102をコア基板11のコア主面12と同じ側に向けた状態で収容されている。本実施形態のセラミックコンデンサ101は、縦10.0mm×横10.0mm×厚さ0.8mmの平面視略矩形板状である。セラミックコンデンサ101は、コア基板11においてICチップ搭載領域23の真下の領域に配置されている。なお、ICチップ搭載領域23の面積(ICチップ21において面接続端子22が形成される面の面積)は、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102の面積よりも小さくなるように設定されている。セラミックコンデンサ101の厚さ方向から見た場合、ICチップ搭載領域23は、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102内に位置している。
図1〜図4等に示されるように、本実施形態のセラミックコンデンサ101は、いわゆるビアアレイタイプのセラミックコンデンサである。セラミックコンデンサ101を構成するセラミック焼結体104(部品本体、コンデンサ本体)は、部品主面である1つのコンデンサ主面102(図1では上面)、部品裏面である1つのコンデンサ裏面103(図1では下面)、及び、部品側面である4つのコンデンサ側面106を有する板状物である。本実施形態において、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、15ppm/℃未満、具体的には6〜13ppm/℃程度となっている。なお、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、30℃〜250℃間の測定値の平均値をいう。
セラミック焼結体104は、セラミック誘電体層105を介して電源用内部電極層141(内部電極層)とグランド用内部電極層142(内部電極層)とを交互に積層配置した構造を有している。また、セラミック誘電体層105は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142間の誘電体(絶縁体)として機能する。電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、セラミック焼結体104の内部において一層おきに配置されている。
図1〜図4に示されるように、セラミック焼結体104には、多数のビアホール130が形成されている。これらのビアホール130は、セラミック焼結体104をその厚さ方向に貫通するとともに、セラミック焼結体104の全面にわたって格子状(アレイ状)に配置されている。各ビアホール130内には、セラミック焼結体104のコンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103間を連通する複数のコンデンサ内ビア導体131,132が、ニッケルを主材料として形成されている。各電源用コンデンサ内ビア導体131は、各電源用内部電極層141を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、各グランド用内部電極層142を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各電源用コンデンサ内ビア導体131及び各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、全体としてアレイ状に配置されている。本実施形態では、説明の便宜上、コンデンサ内ビア導体131,132を5列×5列で図示したが、実際にはさらに多くの列が存在している。
そして図2等に示されるように、セラミック焼結体104のコンデンサ主面102上には、複数の主面側電源用電極111(表層電極)と複数の主面側グランド用電極112(表層電極)とが突設されている。なお、各主面側グランド用電極112は、コンデンサ主面102上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。主面側電源用電極111は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続されており、主面側グランド用電極112は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続されている。
また、セラミック焼結体104のコンデンサ裏面103上には、複数の裏面側電源用電極121(表層電極)と複数の裏面側グランド用電極122(表層電極)とが突設されている。なお、各裏面側グランド用電極122は、コンデンサ裏面103上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。裏面側電源用電極121は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続されており、裏面側グランド用電極122は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続されている。よって、電源用電極111,121は電源用コンデンサ内ビア導体131及び電源用内部電極層141に導通しており、グランド用電極112,122はグランド用コンデンサ内ビア導体132及びグランド用内部電極層142に導通している。
そして図1に示されるように、コンデンサ主面102側にある電極111,112は、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、端子パッド44、はんだバンプ45及びICチップ21の面接続端子22を介して、ICチップ21に電気的に接続される。一方、コンデンサ裏面103側にある電極121,122は、図示しないマザーボードが有する電極(接触子)に対して、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、BGA用パッド48及びはんだバンプ49を介して電気的に接続される。
図2等に示されるように、電極111,112,121,122は、ニッケルを主材料として形成され、表面が図示しない銅めっき層によって全体的に被覆されている。これら電極111,112、121,122及びコンデンサ内ビア導体131,132は、ICチップ21の略中心部の直下に配置されている。なお本実施形態では、電極111,112,121,122の直径が約500μmに設定され、ピッチの最小長さが約580μmに設定されている。
例えば、マザーボード側から電極121,122を介して通電を行い、電源用内部電極層141−グランド用内部電極層142間に電圧を加えると、電源用内部電極層141に例えばプラスの電荷が蓄積し、グランド用内部電極層142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、セラミックコンデンサ101がコンデンサとして機能する。
図1〜図4等に示されるように、セラミックコンデンサ101は応力緩和層151を有している。具体的に言うと、応力緩和層151は、前記1つのコンデンサ主面102上、前記1つのコンデンサ裏面103上、及び、前記4つのコンデンサ側面106上にそれぞれ形成されている。また、コンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151の厚さは、前記樹脂層間絶縁層33〜36よりも薄く形成されており、本実施形態では15μmに設定されている。さらに、コンデンサ側面106上に形成された応力緩和層151の厚さは、コンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151の厚さと同じ15μmに設定されている。なお、コンデンサ主面102上に形成された応力緩和層151上には、前記第1ビルドアップ層31における最下層の樹脂層間絶縁層33が積層され、コンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151上には、前記第2ビルドアップ層32における最上層の樹脂層間絶縁層34が積層されている。また、コンデンサ側面106上に形成された応力緩和層151の外表面側には、前記コア基板11が位置している。
図1〜図4等に示される応力緩和層151は、熱硬化性樹脂からなる樹脂材料を主体として形成されている。本実施形態において、かかる樹脂材料は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリオレフィン樹脂(エラストマー成分)からなっている(巴川製紙所製 TLF−Y)。応力緩和層151の室温での弾性率は、樹脂層間絶縁層33〜36の室温での弾性率(本実施形態では7GPa)よりも小さく、具体的には0.03GPaに設定されている。さらに、応力緩和層151の室温での破断伸び率は、樹脂層間絶縁層33〜36の室温での破断伸び率(本実施形態では5%)よりも大きく、具体的には210%に設定されている。また、応力緩和層151に含まれる無機材料の単位体積あたりの重量(wt%)は、樹脂層間絶縁層33〜36に含まれる無機材料の単位体積あたりの重量(wt%)よりも少なく、本実施形態では0wt%となっている。同様に、応力緩和層151において無機材料が占める体積の割合(vol%)も、樹脂層間絶縁層33〜36において無機材料が占める体積の割合(vol%)よりも少なく、本実施形態では0vol%となっている。即ち、本実施形態の応力緩和層151には無機材料が全く含まれていない。
図1等に示されるように、前記コア基板11における収容穴部90の内壁面91と、前記セラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106上に形成された応力緩和層151の外表面との隙間は、高分子材料(本実施形態ではエポキシ等の熱硬化性樹脂)からなる樹脂充填部92によって埋められている。この樹脂充填部92は、セラミックコンデンサ101をコア基板11に固定する機能を有している。
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法について述べる。
コア基板準備工程では、コア基板11の中間製品を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
コア基板11の中間製品は以下のように作製される。まず、縦350mm×横375mm×厚み0.6mmの基材161の両面に銅箔162が貼付された銅張積層板(図5参照)を準備する。次に、銅張積層板の両面の銅箔162のエッチングを行って導体層163を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする(図6参照)。具体的には、無電解銅めっきの後、この無電解銅めっき層を共通電極として電解銅めっきを施す。さらにドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、ドライフィルムを所定パターンに形成する。この状態で、不要な電解銅めっき層、無電解銅めっき層及び銅箔162をエッチングで除去する。その後、ドライフィルムを剥離する。次に、基材161の上面及び下面と導体層163とを粗化した後、基材161の上面及び下面に、無機フィラーが添加されたエポキシ樹脂フィルム(厚さ80μm)を熱圧着により貼付し、サブ基材164を形成する(図7参照)。
次に、上側のサブ基材164の上面及び下側のサブ基材164の下面に、それぞれ導体層41(例えば50μm)をパターン形成する。具体的には、上側のサブ基材164の上面及び下側のサブ基材164の下面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。次に、基材161及びサブ基材164からなる積層体に対してルータを用いて孔あけ加工を行い、収容穴部90となる貫通孔を所定位置に形成し、コア基板11の中間製品を得る(図8参照)。なお、コア基板11の中間製品とは、コア基板11となるべき領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した構造の多数個取り用コア基板である。
また、コンデンサ準備工程では、セラミックコンデンサ101を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
セラミックコンデンサ101は以下のように作製される。即ち、セラミックのグリーンシートを形成し、このグリーンシートに内部電極層用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。これにより、後に電源用内部電極層141となる電源用内部電極部と、グランド用内部電極層142となるグランド用内部電極部とが形成される。次に、電源用内部電極部が形成されたグリーンシートとグランド用内部電極部が形成されたグリーンシートとを交互に積層し、シート積層方向に押圧力を付与することにより、各グリーンシートを一体化してグリーンシート積層体を形成する。
さらに、レーザー加工機を用いてグリーンシート積層体にビアホール130を多数個貫通形成し、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、ビア導体用ニッケルペーストを各ビアホール130内に充填する。次に、グリーンシート積層体の上面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の上面側にて各導体部の上端面を覆うように主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を形成する。また、グリーンシート積層体の下面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の下面側にて各導体部の下端面を覆うように裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122を形成する。
この後、グリーンシート積層体の乾燥を行い、各電極111,112,121,122をある程度固化させる。次に、グリーンシート積層体を脱脂し、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、セラミック焼結体104となる。
次に、得られたセラミック焼結体104が有する各電極111,112,121,122に対して無電解銅めっき(厚さ10μm程度)を行う。その結果、各電極111,112,121,122の上に銅めっき層が形成され、セラミックコンデンサ101が完成する。
続く応力緩和層形成工程では、完成したセラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102を粗化した後、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、複数のセラミックコンデンサ101を、コンデンサ主面102を上にした状態で治具(図示略)にセットする。詳述すると、治具上には剥離可能な粘着テープ172が配置されており、各セラミックコンデンサ101は、粘着テープ172の粘着面に貼り付けられて仮固定されている(図9参照)。このとき、各セラミックコンデンサ101は、粘着テープ172の粘着面と平行に配置した状態で、粘着面に沿って互いに離間配置されている。
次に、治具にセットされた各セラミックコンデンサ101に、未硬化状態の応力緩和層151の一部となる樹脂フィルム173(厚さ800μm)をラミネートする(図10,図11参照)。このとき、樹脂フィルム173の一部は、互いに隣接するセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106間に充填される。さらに、コンデンサ側面106間に充填された樹脂フィルム173の一部は、粘着テープ172とセラミックコンデンサ101のコンデンサ裏面103との間に充填される。なお、この状態のものは、応力緩和層151を有するセラミックコンデンサ101となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した配線基板内蔵用コンデンサ集合体の中間製品であると把握することができる。そして、この時点で、粘着テープ172を剥離する。
さらに、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、配線基板内蔵用コンデンサ集合体の中間製品を、各セラミックコンデンサ101のコンデンサ裏面103を上にした状態で治具(図示略)にセットする。詳述すると、治具上には剥離可能な粘着テープ175が配置されており、配線基板内蔵用コンデンサ集合体の中間製品は、粘着テープ175の粘着面に貼り付けられて仮固定されている(図12参照)。
次に、治具にセットされた配線基板内蔵用コンデンサ集合体の中間製品に、未硬化状態の応力緩和層151の一部となる樹脂フィルム176(厚さ15μm)をラミネートする(図12,図13参照)。その後、加熱処理(キュア)を所定時間行うと、樹脂フィルム173が硬化すると同時に樹脂フィルム176が硬化して、樹脂フィルム173と樹脂フィルム176とが互いに馴染んで一体化し、応力緩和層151となる(図13参照)。なお、この状態のものは、応力緩和層151を有するセラミックコンデンサ101となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した配線基板内蔵用コンデンサ集合体174であると把握することができる。さらに、レーザー加工機を用いて配線基板内蔵用コンデンサ集合体174を分割する。具体的には、配線基板内蔵用コンデンサ集合体174を、互いに隣接するセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106間に充填された応力緩和層151の部分(図13の一点鎖線参照)で分割して個片化する。その際、各コンデンサ側面106にそれぞれ厚さ15μmの応力緩和層151が形成されるように切断する。その結果、コンデンサ主面102上、コンデンサ裏面103上及びコンデンサ側面106上の全てに応力緩和層151が形成されたセラミックコンデンサ101が多数個同時に得られる。そして、この時点で、粘着テープ175を剥離する。
続く収容工程では、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、複数の収容穴部90内にそれぞれセラミックコンデンサ101を収容する(図14参照)。このとき、各収容穴部90のコア裏面13側開口は、剥離可能な粘着テープ171でシールされている。この粘着テープ171は、支持台(図示略)によって支持されている。かかる粘着テープ171の粘着面には、セラミックコンデンサ101が貼り付けられて仮固定されている。
その後、樹脂充填部92により、収容穴部90の内壁面91と、コンデンサ側面106上に形成された応力緩和層151の外表面との隙間を埋める(図15参照)。その後、加熱処理を行うと、樹脂充填部92が硬化して、セラミックコンデンサ101がコア基板11に固定される。そして、この時点で、粘着テープ171を剥離する。
次に、従来周知の手法に基づいてコア主面12の上に第1ビルドアップ層31を形成するとともに、コア裏面13の上に第2ビルドアップ層32を形成する。具体的には、コア主面12上、及び、コンデンサ主面102上に形成された応力緩和層151上に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光及び現像を行うことにより、樹脂層間絶縁層33を形成する(図16参照)。また、コア裏面13上、及び、コンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151上に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光及び現像を行うことにより、樹脂層間絶縁層34を形成する(図16参照)。
次に、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いてレーザー孔あけ加工を行い、ビア導体47が形成されるべき位置にそれぞれビア孔181,182を形成する(図17参照)。具体的には、樹脂層間絶縁層33と、コンデンサ主面102上に形成された応力緩和層151とを貫通するビア孔181を形成し、主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を露出させる。同様に、樹脂層間絶縁層34と、コンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151とを貫通するビア孔182を形成し、裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122を露出させる。
さらに、ドリル機を用いて孔あけ加工を行い、コア基板11及び樹脂層間絶縁層33,34を貫通する貫通孔191を所定位置にあらかじめ形成しておく(図18参照)。そして、樹脂層間絶縁層33,34、ビア孔181,182の内面、及び、貫通孔191の内面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。これにより、樹脂層間絶縁層33上及び樹脂層間絶縁層34上に導体層42がパターン形成される(図19参照)。これと同時に、貫通孔191内にスルーホール導体16が形成されるとともに、各ビア孔181,182の内部にビア導体47が形成される。
その後、穴埋め工程を実施する。具体的には、スルーホール導体16の空洞部を絶縁樹脂材料(エポキシ樹脂)で穴埋めし、閉塞体17を形成する(図20参照)。
次に、樹脂層間絶縁層33,34上に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光及び現像を行うことにより、ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔183,184を有する樹脂層間絶縁層35,36を形成する(図20参照)。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。この場合、レーザー加工機などにより、ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔183,184が形成される。次に、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、前記ビア孔183,184の内部にビア導体43を形成するとともに、樹脂層間絶縁層35上に端子パッド44を形成し、樹脂層間絶縁層36上にBGA用パッド48を形成する。
次に、樹脂層間絶縁層35,36上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト37,38を形成する。次に、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト37,38に開口部40,46をパターニングする。さらに、端子パッド44上にはんだバンプ45を形成し、かつ、BGA用パッド48上にはんだバンプ49を形成する。なお、この状態のものは、配線基板10となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した多数個取り用配線基板であると把握することができる。さらに、多数個取り用配線基板を分割すると、個々の製品である配線基板10が多数個同時に得られる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の配線基板10によれば、コンデンサ主面102上、コンデンサ裏面103上及びコンデンサ側面106上に形成された応力緩和層151により、セラミックコンデンサ101を配線基板10に内蔵した状態(具体的には、セラミックコンデンサ101を配線基板10に内蔵するときの状態、及び、完成した配線基板10を使用するときの状態)でセラミックコンデンサ101の表面に加わる外部応力を緩和することができる。このため、従来のようなセラミックコンデンサ101の表面近傍でのクラック210(図36参照)の発生を防止することができる。ゆえに、信頼性に優れた配線基板10を得ることができる。
(2)本実施形態では、応力緩和層151が、コンデンサ主面102上、コンデンサ裏面103上及びコンデンサ側面106上の全てに形成されている。これにより、コンデンサ主面102上に形成された応力緩和層151だけでなく、コンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151によっても、セラミックコンデンサ101の厚さ方向に加わる外部応力を緩和できるため、セラミック焼結体104内でのクラックの発生をより確実に防止することができる。また、コンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151によってセラミックコンデンサ101の平面方向に加わる外部応力を緩和でき、しかも、コンデンサ側面106上に形成された応力緩和層151によってセラミックコンデンサ101の厚さ方向に加わる外部応力も緩和できる。このため、セラミック焼結体104内でのクラックの発生をよりいっそう確実に防止できる。
(3)本実施形態では、セラミックコンデンサ101がICチップ搭載領域23に搭載されたICチップ21の直下に配置されるため、セラミックコンデンサ101−ICチップ21間の電気経路が短くなり、インダクタンス成分の増加が防止される。従って、セラミックコンデンサ101によるICチップ21のスイッチングノイズを確実に低減できるとともに、電源電圧の確実な安定化を図ることができる。また、ICチップ21とセラミックコンデンサ101との間で侵入するノイズを極めて小さく抑えることができるため、誤動作等の不具合を生じることもなく高い信頼性を得ることができる。
(4)本実施形態では、応力緩和層151が外部応力を緩和することにより、応力緩和層151上に積層された第1ビルドアップ層31が変形しにくくなるため、第1ビルドアップ層31上に搭載されたICチップ21にかかる外部応力も緩和することができる。ゆえに、ICチップ21として、熱膨張差による応力(歪)が大きくなり熱応力の影響が大きく、かつ発熱量が大きく使用時の熱衝撃が厳しい10mm角以上の大型のICチップや、脆いとされるLow−k(低誘電率)のICチップを用いることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の部品内蔵配線基板を具体化した第2実施形態を図面に基づき詳細に説明する。ここでは第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については同じ部材番号を付す代わりに説明を省略する。
本実施形態の配線基板10は、セラミックコンデンサの構成が前記第1実施形態のセラミックコンデンサ101とは異なっている。即ち、図21に示されるように、本実施形態のセラミックコンデンサ195(部品、配線基板内蔵用コンデンサ)を構成するセラミック焼結体104は、コンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上にそれぞれ形成された応力緩和層152を有している。
応力緩和層152は、セラミック焼結体104に接触する接触面153と、接触面153の反対側に位置する外表面154とを有している。応力緩和層152には、接触面153側及び外表面154側を貫通する複数の導体柱155が設けられている。また、応力緩和層152の外表面154上には、複数の端子パッド156が配置されている。各端子パッド156は、各導体柱155の外表面154側の端面に電気的に接続されている。さらに、コンデンサ主面102上に形成された応力緩和層152において、各導体柱155の接触面153側の端面は、主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112に電気的に接続されている。また、コンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層152において、各導体柱155の接触面153側の端面は、裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122に電気的に接続されている。これにより、端子パッド156及び電極111,112,121,122は、導体柱155を介して導通する。
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法について述べる。
まず、上記第1実施形態と同じ準備工程(コア基板準備工程及びコンデンサ準備工程)を行った後、応力緩和層形成工程を行う。応力緩和層形成工程では、完成したセラミックコンデンサ195のコンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103を粗化した後、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、複数のセラミックコンデンサ195を、コンデンサ主面102を上にした状態で治具(図示略)にセットする。次に、治具にセットされた各セラミックコンデンサ195のコンデンサ主面102上に、応力緩和層152となる樹脂フィルム157(厚さ15μm)をラミネートする(図22参照)。さらに、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、各セラミックコンデンサ195を、コンデンサ裏面103を上にした状態で治具(図示略)にセットする。次に、治具にセットされた各セラミックコンデンサ195のコンデンサ裏面103上に、樹脂フィルム157(厚さ15μm)をラミネートする(図22参照)。その後、加熱処理(キュア)を所定時間行い、各樹脂フィルム157を硬化させる。
次に、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー及びエキシマレーザーのいずれかを用いてレーザー孔あけ加工を行い、導体柱155が形成されるべき位置にそれぞれビア孔158を形成する(図23参照)。具体的には、コンデンサ主面102上に形成された応力緩和層152を貫通するビア孔158を形成し、主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を露出させる。同様に、コンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層152を貫通するビア孔158を形成し、裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122を露出させる。
そして、応力緩和層152を介してビア孔158の内面に対する電解銅めっきを行い、各電極111,112,121,122上にそれぞれ導体柱155を形成する(図24参照)。なお、各電極111,112,121,122上に銅ペーストなどの導電性ペーストを印刷した後、所定温度で所定時間乾燥させることによって導体柱155を形成してもよい。さらに、応力緩和層152に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。これにより、応力緩和層152の外表面154上に、複数の端子パッド156が形成され、応力緩和層152を有するセラミックコンデンサ195が完成する。なお、スパッタ法を用いて各端子パッド156を形成してもよい。
その後、収容工程を行って、コア基板準備工程にて準備されたコア基板11内にセラミックコンデンサ101を収容し、従来周知の手法に基づいてビルドアップ層31,32を形成すれば、配線基板10が完成する。
従って、本実施形態によれば、セラミックコンデンサ101の導体部(電極111,112)と、第1ビルドアップ層31における最下層の樹脂層間絶縁層33にある導体部(ビア導体47及び導体層42)とを、コンデンサ主面102上に形成された応力緩和層151が備える導体部(導体柱155及び端子パッド156)を介して確実に接続できる。同様に、セラミックコンデンサ101の導体部(電極121,122)と、第2ビルドアップ層32における最上層の樹脂層間絶縁層34にある導体部(ビア導体47及び導体層42)とを、コンデンサ裏面103上に形成された応力緩和層151が備える導体部(導体柱155及び端子パッド156)を介して確実に接続できる。ゆえに、よりいっそう信頼性に優れた配線基板10を得ることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態の応力緩和層151,152は、熱硬化性樹脂からなる樹脂材料(巴川製紙所製 TLF−Y)を主体として形成されていた。しかし、応力緩和層151,152は、室温での弾性率が0.01GPa以上1GPa以下、室温での破断伸び率が10%以上となる他の樹脂材料を主体として形成されていてもよい。
例えば、応力緩和層151,152は、エポキシ樹脂及びポリアミド樹脂からなる樹脂材料(日立化成工業製 KS−7003)などを主体として形成されていてもよい。この場合、室温での弾性率は1GPa、室温での破断伸び率は120%である。
・上記第2実施形態では、セラミックコンデンサ195のコンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上に直接応力緩和層152を形成していた。しかし、セラミックコンデンサ195とは別々に応力緩和層152を形成し、形成した応力緩和層152をコンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上に接着するようにしてもよい。
即ち、縦10mm×横10mm×厚さ15μmの樹脂フィルム159を準備する(図25参照)。次に、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー及びエキシマレーザーのいずれかを用いてレーザー孔あけ加工を行い、導体柱155が形成されるべき位置にそれぞれビア孔160を形成する(図26参照)。なお、マイコンパンチやメカニカルドリルを用いた孔あけ加工を行うことにより、ビア孔160を形成してもよい。そして、ビア孔160の内面に対する電解銅めっきを行い、各ビア孔160内にそれぞれ導体柱155を形成する(図27参照)。なお、銅ペーストなどの導電性ペーストを印刷した後、所定温度で所定時間乾燥させることによって導体柱155を形成してもよい。さらに、応力緩和層152に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。これにより、応力緩和層152の外表面154上に複数の端子パッド156が形成され、応力緩和層152が完成する(図28参照)。なお、スパッタ法を用いて各端子パッド156を形成してもよい。その後、完成した応力緩和層152をコンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上にラミネートすれば、応力緩和層152を有するセラミックコンデンサ195が完成する。
また、上記とは別の方法によって応力緩和層152を形成してもよい。即ち、縦10mm×横10mm×厚さ15μmの基材221の片面に銅箔222が貼付された銅張積層板(図29参照)を準備する。次に、銅張積層板の片面の銅箔222のエッチングを行って端子パッド156を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする(図30参照)。具体的には、無電解銅めっきの後、この無電解銅めっき層を共通電極として電解銅めっきを施す。さらにドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、ドライフィルムを所定パターンに形成する。この状態で、不要な電解銅めっき層、無電解銅めっき層及び銅箔222をエッチングで除去する。その後、ドライフィルムを剥離する。なお、セミアディティブ法を行うことによって端子パッド156をパターニングしてもよい。次に、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー及びエキシマレーザーのいずれかを用いてレーザー孔あけ加工を行い、導体柱155が形成されるべき位置にそれぞれビア孔223を形成する(図31参照)。なお、メカニカルドリルを用いた孔あけ加工を行うことにより、ビア孔223を形成してもよい。また、ビア孔223の形成を端子パッド156のパターニングの前に行ってもよい。そして、ビア孔223の内面に対する電解銅めっき(または各端子パッド156の裏面上への導電性ペーストの印刷)を行えば、各ビア孔223内にそれぞれ導体柱155が形成され、応力緩和層152が完成する(図28参照)。
・上記各実施形態では、セラミックコンデンサ101を収容穴部90内に収容する前に、応力緩和層151,152を形成していた。しかし、セラミックコンデンサ101を収容穴部90内に収容した後で応力緩和層151,152を形成してもよい。この場合、応力緩和層151,152は、コンデンサ主面102上のみに形成されていてもよいし(図32参照)、コンデンサ主面102上に加えてコア主面12上にも形成されていてもよい(図33参照)。同様に、応力緩和層151,152は、コンデンサ裏面103上に形成されていてもよいし(図32参照)、コンデンサ裏面103上に加えてコア裏面13上にも形成されていてもよい(図33参照)。
・上記第2実施形態の応力緩和層152が備える導体柱155は、電解銅めっきによって形成されるフィルドビア(完全に銅めっきが充填される形態のビア)であったが、電解銅めっきによって形成されるコンフォーマルビア(完全に銅めっきが埋まらない形態のビア)であってもよい。
・上記各実施形態のセラミックコンデンサ101はコア基板11内に収容されていた。しかし、上記各実施形態のセラミックコンデンサ101をビルドアップ層内に収容してもよい。このようにすれば、セラミックコンデンサ101がコア基板11内に収容される場合に比べて、ICチップ21とセラミックコンデンサ101とを電気的に接続する導通経路が短くなる。これにより、インダクタンス成分の増加が防止されるため、セラミックコンデンサ101によりICチップ21のスイッチングノイズを確実に低減できるとともに、電源電圧の確実な安定化を図ることができる。また、ICチップ21とセラミックコンデンサ101との間で侵入するノイズを極めて小さく抑えることができるため、誤動作等の不具合を生じることもなく高い信頼性を得ることができる。なお、セラミックコンデンサ101自体は厚いため、図34では、ビルドアップ層を、上記各実施形態よりも多くの樹脂層間絶縁層(樹脂層間絶縁層30)からなる第1ビルドアップ層310(配線積層部)に具体化している。なお、上記各実施形態のセラミックコンデンサ101を、上記各実施形態と同じ第1ビルドアップ層31内に収容してもよい。
・上記各実施形態では、樹脂層間絶縁層33とは別の樹脂充填部92を用いて、収容穴部90の内壁面91と応力緩和層151の外表面との隙間を埋めていた。しかし、樹脂絶縁層33の一部を用いて上記の隙間を埋めてもよい。このようにすれば、樹脂充填部の形成に際して樹脂層間絶縁層33とは別の材料を準備しなくても済む。よって、配線基板10の製造に必要な材料が少なくなるため、配線基板10の低コスト化を図ることが可能となる。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有する部品本体、及び、樹脂を主体とし、少なくとも前記部品主面上に形成された応力緩和層を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴部内に収容された部品と、樹脂層間絶縁層及び導体層を前記コア主面上及び前記応力緩和層上にて積層した構造を有する配線積層部とを備え、前記部品主面上に形成された応力緩和層上に、前記配線積層部における最下層の樹脂層間絶縁層が積層され、前記配線積層部における最上層の樹脂層間絶縁層上に、前記最上層の樹脂層間絶縁層を覆うソルダーレジストが積層されていることを特徴とする部品内蔵配線基板。
(2)コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有する部品本体、及び、樹脂を主体とし、少なくとも前記部品主面上及び前記部品側面上に形成された応力緩和層を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴部内に収容された部品と、樹脂層間絶縁層及び導体層を前記コア主面上及び前記応力緩和層上にて積層した構造を有する配線積層部とを備え、前記部品側面上に形成された応力緩和層の外表面側に前記コア基板が配置されており、前記コア基板における前記収容穴部の内壁面と前記部品側面上に形成された応力緩和層の外表面との隙間に、前記隙間を埋める樹脂充填部が配置されていることを特徴とする部品内蔵配線基板。