ところで、充填工程を行う際には、コア主面201上に樹脂層間絶縁層210を形成し、樹脂層間絶縁層210の一部を隙間A1に対して進入させなければならない。しかし、上記の隙間A1は深い(コア基板204の厚さと同じである)ため、樹脂層間絶縁層210の一部で隙間A1を収容穴部203の底部まで埋めることは困難である。その結果、樹脂層間絶縁層210と収容穴部203の内面との間や、樹脂層間絶縁層210とコンデンサ208の側面との間にボイドが生じやすくなり、特に、樹脂層間絶縁層210と収容穴部203の底面との間にボイドが生じやすくなる。ゆえに、ボイドを起点として、コンデンサ208とコア基板204(またはビルドアップ層)との間などにクラックが発生しやすくなり、配線基板の信頼性が低下する可能性がある。
なお、隙間A1を完全に埋め尽くすためには、樹脂層間絶縁層210を厚くする必要がある。ところで近年では、配線基板の肉薄化が要求されているが、樹脂層間絶縁層210を厚くすると配線基板の肉厚化につながるため好ましくない。また、ビルドアップ層の形成時において、樹脂層間絶縁層210には、同樹脂層間絶縁層210を貫通してコンデンサ主面205に突設された表層電極207を露出させるビア孔がレーザーによって形成される。しかし、上記のように樹脂層間絶縁層210を厚くすると、ビア孔を形成する際のレーザーの出力調整が困難になるため、表層電極207を露出させることができない可能性がある。この場合、ビア孔内にビア導体を形成したとしても、コンデンサ208とビルドアップ層とを電気的に接続できず、配線基板の信頼性が低下してしまう。
また、一般的な配線基板は、配線基板となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した構造の多数個取り用配線基板を分割することによって得られるようになっている。しかし、多数個取り用配線基板によって得られる配線基板の数(取り数)が多くなると、収容穴部203の数も多くなるため、樹脂層間絶縁層210の一部で埋めるべき容積も増加する。しかも、取り数が多くなると、得られた配線基板ごとに、収容穴部203やコンデンサ208の寸法のバラツキが生じやすくなるため、隙間A1の容積を一定にすることが困難になる。ゆえに、樹脂層間絶縁層210の一部でそれぞれの隙間A1を埋めようとしても、完全に埋めることができない収容穴部203が生じる可能性があるため、ボイドが生じやすくなり、配線基板の信頼性が低下する可能性がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、収容穴部と部品との隙間を確実に埋めることにより、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を簡単かつ確実に製造することが可能な部品内蔵配線基板の製造方法を提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で、前記収容穴部内に収容可能な部品と、前記部品を固定するための部品固定用樹脂部材とを準備する準備工程と、前記準備工程後、前記収容穴部内に前記部品を収容するとともに、前記部品固定用樹脂部材を前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に配置する収容工程と、前記収容工程後、前記部品固定用樹脂部材及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記隙間を埋めた状態で、前記部品固定用樹脂部材及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させた前記部品を固定する固定工程とを含み、前記部品固定用樹脂部材は、前記部品を前記部品側面側から包囲する環状樹脂部材であることを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法がある。
従って、手段1の部品内蔵配線基板の製造方法によると、収容工程において部品固定用樹脂部材を収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に配置することにより、収容穴部と部品との間に生じる隙間が小さくなる。よって、部品固定用樹脂部材とは別に上記の隙間に充填される樹脂充填剤の充填量を低減させることができ、部品固定用樹脂部材で上記の隙間を収容穴部の底部まで埋めることができるため、ボイド等の発生を防止することができる。ゆえに、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を得ることができる。
以下、手段1の部品内蔵配線基板の製造方法について説明する。
準備工程では、上記部品内蔵配線基板を構成するコア基板を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。部品内蔵配線基板を構成するコア基板は、例えばコア主面及びその反対側に位置するコア裏面を有する板状に形成されており、部品を収容するための収容穴部を有している。収容穴部は、コア主面側のみにて開口する非貫通穴であってもよく、あるいはコア主面側及びコア裏面側の両方にて開口する貫通穴であってもよい。
コア基板を形成する材料は特に限定されないが、好ましいコア基板は高分子材料を主体として形成される。コア基板を形成するための高分子材料の具体例としては、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。
また、準備工程では、上記部品内蔵配線基板を構成する部品を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。部品は、部品主面、部品裏面及びを有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で、前記収容穴部内に収容可能となっている。部品の形状は、任意に設定することが可能であるが、例えば、部品主面の面積が部品側面の面積よりも大きい板状であることが好ましい。このようにすれば、収容穴部内に部品を収容した際に、収容穴部の内壁面と部品側面との距離が小さくなるため、収容穴部内に配置される部品固定用樹脂部材の体積をそれ程大きくしなくても済む。また、部品の平面視での形状としては、複数の辺を有する平面視多角形状であることが好ましい。平面視多角形状としては、例えば、平面視略矩形状、平面視略三角形状、平面視略六角形状などを挙げることができるが、特には、一般的な形状である平面視略矩形状であることが好ましい。ここで、「平面視略矩形状」とは、平面視で完全な矩形状のみをいうのではなく、角部が面取りされた形状や、辺の一部が曲線となっている形状も含むものとする。
なお、好適な前記部品としては、コンデンサ、半導体集積回路素子(ICチップ)、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。ここで、「半導体集積回路素子」とは、主としてコンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される素子をいう。
また、好適なコンデンサの例としては、チップコンデンサや、誘電体層を介して複数の内部電極層が積層配置された構造を有し、前記複数の内部電極層に接続される複数のコンデンサ内ビア導体と、前記複数のコンデンサ内ビア導体における少なくとも前記部品主面側の端部に接続された複数の表層電極とを備えるコンデンサなどを挙げることができる。なお、コンデンサは、前記複数のコンデンサ内ビア導体が全体としてアレイ状に配置されたビアアレイタイプのコンデンサであることが好ましい。このような構造であれば、コンデンサのインダクタンスの低減化が図られ、ノイズ吸収や電源変動平滑化のための高速電源供給が可能となる。また、コンデンサ全体の小型化が図りやすくなり、ひいては部品内蔵配線基板全体の小型化も図りやすくなる。しかも、小さい割りに高静電容量が達成しやすく、より安定した電源供給が可能となる。
コンデンサを構成する前記誘電体層としては、セラミック誘電体層、樹脂誘電体層、セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層などが挙げられる。前記セラミック誘電体層としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素、窒化珪素などといった高温焼成セラミックの焼結体が好適に使用されるほか、ホウケイ酸系ガラスやホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機セラミックフィラーを添加したガラスセラミックのような低温焼成セラミックの焼結体が好適に使用される。この場合、用途に応じて、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの誘電体セラミックの焼結体を使用することも好ましい。誘電体セラミックの焼結体を使用した場合、静電容量の大きなコンデンサを実現しやすくなる。また、前記樹脂誘電体層としては、エポキシ樹脂、接着剤を含んだ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などの樹脂が好適に使用される。さらに、前記セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層としては、セラミックとして、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどが好適に使用され、樹脂材料として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂、及び、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどのラテックスが好適に使用される。
前記内部電極層、前記コンデンサ内ビア導体、前記表層電極としては特に限定されないが、例えば誘電体層がセラミック誘電体層である場合にはメタライズ導体であることが好ましい。なお、メタライズ導体は、金属粉末を含む導体ペーストを従来周知の手法、例えばメタライズ印刷法で塗布した後に焼成することにより、形成される。同時焼成法によってメタライズ導体及びセラミック誘電体層を形成する場合、メタライズ導体中の金属粉末は、セラミック誘電体層の焼成温度よりも高融点である必要がある。例えば、セラミック誘電体層がいわゆる高温焼成セラミック(例えばアルミナ等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等やそれらの合金が選択可能である。セラミック誘電体層がいわゆる低温焼成セラミック(例えばガラスセラミック等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、銅(Cu)または銀(Ag)等やそれらの合金が選択可能である。
また、準備工程では、上記部品内蔵配線基板を構成する部品固定用樹脂部材を作製し、あらかじめ準備しておく。部品固定用樹脂部材は、前記部品を固定するためのものであり、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。部品固定用樹脂部材を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、部品固定用樹脂部材を形成するための高分子材料の別の好適例としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。さらに、部品固定用樹脂部材を形成するための高分子材料として、上記の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂にガラスフィラーを添加した材料等を使用してもよい。
なお、前記部品固定用樹脂部材の平面視での形状は、基本的に任意であるが、収容穴部の平面視形状に合わせて、平面視円形状、複数の辺を有する平面視多角形状などに形成される。そして、平面視多角形状としては、例えば、平面視略矩形状、平面視略三角形状、平面視略六角形状などを挙げることができる。この場合、部品固定用樹脂部材は、少なくとも一部の部品側面の少なくとも一部に接触する。なお、前記部品固定用樹脂部材は、前記部品を前記部品側面側から包囲する環状樹脂部材であることが好ましい。このようにすれば、部品固定用樹脂部材が全ての部品側面に接触する。このため、部品固定用樹脂部材を硬化させて部品を固定する際に、部品固定用樹脂部材が一部の部品側面に接触する場合に比べて、部品を確実に固定できる。
なお、前記部品内蔵配線基板が、樹脂層間絶縁層及び導体層を前記コア主面及び前記部品主面上にて積層した構造を有する配線積層部を備えている場合、前記部品固定用樹脂部材は、前記樹脂層間絶縁層と同じ材料によって形成されていてもよいし、前記樹脂層間絶縁層とは異なる材料によって形成されていてもよいが、前記樹脂層間絶縁層と同じ材料によって形成されていることが好ましい。このようにすれば、部品固定用樹脂部材の形成に際して樹脂層間絶縁層とは別の材料を準備しなくても済む。よって、部品内蔵配線基板の製造に必要な材料が少なくなるため、部品内蔵配線基板の低コスト化を図ることが可能となる。
なお、「前記樹脂層間絶縁層と同じ材料」とは、前記樹脂層間絶縁層を形成する高分子材料と同じ高分子材料であって、前記樹脂層間絶縁層と同じ熱膨張係数を有する材料をいう。よって、部品固定用樹脂部材と樹脂層間絶縁層との間に熱膨張係数差が生じにくくなるため、両者の間でのデラミネーションの発生を防止できる。ゆえに、部品内蔵配線基板の信頼性がよりいっそう高くなる。
ここで、「熱膨張係数」とは、厚み方向(Z方向)に対して垂直な方向(XY方向)の熱膨張係数のことを意味し、0℃〜100℃の間のTMA(熱機械分析装置)にて測定した値のことをいう(以下、同じ)。「TMA」とは、熱機械的分析をいい、例えばJPCA−BU01に規定されるものをいう。
前記部品固定用樹脂部材を作製する方法としては、樹脂シートに対するレーザー加工を行って、環状の部品固定用樹脂部材を切り出す方法、樹脂シートに対するレーザー加工を行うことにより、2つのく字状の樹脂部材(または3つ以上の棒状の樹脂部材)を切り出した後、それぞれの樹脂部材を互いに接合することにより、環状の部品固定用樹脂部材を得る方法、樹脂シートを打ち抜くことにより、部品固定用樹脂部材を得る方法、金型に樹脂材を流し込んで硬化させることにより、部品固定用樹脂部材を得る方法、印刷によって部品固定用樹脂部材を得る方法などが挙げられる。
また、前記配線積層部は、前記コア主面及び前記部品主面上にのみ形成されるが、さらに前記コア裏面及び前記部品裏面上にも配線積層部と同じ構造の積層部が形成されていてもよい。このように構成すれば、コア主面及び部品主面上に形成された配線積層部のみではなく、コア裏面及び部品裏面上に形成された積層部にも電気回路を形成できるため、部品内蔵配線基板のよりいっそうの高機能化を図ることができる。
前記樹脂層間絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。樹脂層間絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。
また、前記部品固定用樹脂部材の体積は、前記収容穴部と前記部品との体積差よりも小さいことが好ましい。仮に、前記部品固定用樹脂部材の体積が前記収容穴部と前記部品との体積差と等しいと、部品固定用樹脂部材と収容穴部との間、及び、部品固定用樹脂部材と部品との間に全く隙間がなくなるため、部品固定用樹脂部材を収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に配置することが困難になる。さらに、前記部品固定用樹脂部材の体積が前記収容穴部と前記部品との体積差よりも大きいと、部品固定用樹脂部材を収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に配置できなくなる。
ここで、部品固定用樹脂部材のコア主面側の端面は、コア主面と平行に配置されることが好ましい。仮に、コア主面と平行でないと、前記部品内蔵配線基板が上記の配線積層部を備えている場合、コア主面に接する樹脂層間絶縁層の上面を平坦にすることが困難になる。同様に、部品固定用樹脂部材のコア裏面側の端面も、コア裏面と平行に配置されることが好ましい。仮に、コア裏面と平行でないと、前記部品内蔵配線基板が上記の積層部を備えている場合、コア裏面に接する樹脂層間絶縁層の下面を平坦にすることが困難になる。また、部品固定用樹脂部材の収容穴部の内壁面側の面、及び、部品固定用樹脂部材の部品側面側の面は、内壁面及び部品側面と平行に配置されることが好ましい。仮に、内壁面及び部品側面と平行でないと、部品固定用樹脂部材の収容穴部の内壁面側の面が収容穴部の内壁面に対して傾斜した状態となってしまうとともに、部品固定用樹脂部材の部品側面側の面が部品側面に対して傾斜した状態となってしまい、収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に部品固定用樹脂部材を上手く配置できなくなる可能性がある。
続く収容工程では、前記収容穴部内に前記部品を収容するとともに、前記部品固定用樹脂部材を前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に配置する。なお、部品は、完全に埋設された状態で収容穴部内に収容されてもよいし、一部分が収容穴部の開口部から突出した状態で収容穴部内に収容されてもよい。また、前記収容工程では、前記コア基板の収容穴部内に前記部品を収容した後、前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に前記部品固定用樹脂部材を配置してもよいし、前記コア基板の前記収容穴部内に前記部品固定用樹脂部材を配置した後、前記収容穴部内に前記部品を収容してもよいが、前記コア基板の収容穴部内に前記部品を収容した後、前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に前記部品固定用樹脂部材を配置することが好ましい。このようにすれば、部品固定用樹脂部材に邪魔されることなく、部品を収容穴部内の正確な位置に配置することができる。また、部品が部品固定用樹脂部材に邪魔されることに起因する収容穴部の開口部からの部品の突出を防止できる。よって、前記部品内蔵配線基板が上記の配線積層部を備えている場合、コア主面に接する樹脂層間絶縁層の表面を平坦にすることができ、配線積層部の寸法精度が向上する。さらに、収容穴部がコア主面側及びコア裏面側の両方にて開口する貫通穴である場合、前記収容工程は、前記コア主面及び前記コア裏面の両方にて開口する前記収容穴部の前記コア裏面側開口を粘着面を有する粘着テープで塞いだ状態で行われ、前記固定工程後に前記粘着テープを除去することが好ましい。このようにすれば、収容穴部内に部品を収容する際に、部品の部品裏面側が粘着テープの粘着面に貼り付けられて仮固定され、部品主面がコア主面と面一になる。よって、前記部品内蔵配線基板が上記の配線積層部を備えている場合、コア主面に接する樹脂層間絶縁層の表面を平坦にすることができ、配線積層部の寸法精度が向上する。
続く固定工程では、前記部品固定用樹脂部材及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記隙間を埋めた状態で、前記部品固定用樹脂部材及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させて前記部品を固定する。なお、部品固定用樹脂部材が熱硬化性樹脂である場合、部品固定用樹脂部材を硬化させる工程としては、未硬化状態の部品固定用樹脂部材を加熱することなどが挙げられる。また、部品固定用樹脂部材が熱可塑性樹脂である場合、部品固定用樹脂部材を硬化させる工程としては、前記収容工程において加熱された部品固定用樹脂部材を冷却することなどが挙げられる。
ここで、前記部品内蔵配線基板が上記の配線積層部を備えている場合、樹脂充填剤は、コア主面に接する樹脂層間絶縁層の一部であってもよいし、樹脂層間絶縁層とは別の樹脂充填剤であってもよい。
なお、前記部品内蔵配線基板が、樹脂層間絶縁層及び導体層を前記コア主面及び前記部品主面上にて積層した構造を有する配線積層部を備えている場合、前記固定工程では、前記コア主面に接する樹脂層間絶縁層を硬化させると同時に、前記部品固定用樹脂部材を硬化させ、前記部品を固定することが好ましい。このようにすれば、樹脂層間絶縁層の硬化と同時に、部品固定用樹脂部材の硬化が行われる。これにより、部品内蔵配線基板の製造工程が簡略化されるため、部品内蔵配線基板を容易に製造できるとともに、低コスト化を図ることができる。また、部品固定用樹脂部材及びコア主面に接する樹脂層間絶縁層は、固定工程を実施する前の時点では未硬化状態であるため、部品固定用樹脂部材とコア主面に接する樹脂層間絶縁層とが互いに馴染んで接着されやすくなる。その後、配線積層部が形成されると、部品内蔵配線基板が完成する。
また、前記固定工程の実行前の段階において、前記部品固定用樹脂部材は、半硬化状態であってもよいし完全硬化状態であってもよいが、半硬化状態であることが好ましい。仮に、部品固定用樹脂部材が完全硬化状態であると、部品固定用樹脂部材を硬化させて部品を固定する際に、一旦部品固定用樹脂部材を未硬化状態にする工程が必要となり、部品内蔵配線基板の製造工程を簡略化できなくなる。また、部品固定用樹脂部材が全く硬化していない状態であると、部品固定用樹脂部材が形状を維持できなくなるため、前記固定工程の実行前の段階において、部品固定用樹脂部材の取り扱いができなくなる。なお、半硬化状態としては、例えばBステージなどが挙げられる。
また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、コア主面及びコア裏面を有するとともに、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有し、前記収容穴部の内壁面の少なくとも一部に部品固定用樹脂層が形成されたコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で、前記収容穴部内に収容可能な大きさの部品とを準備する準備工程と、前記準備工程後、前記コア基板の収容穴部内に前記部品を収容する収容工程と、前記収容工程後、前記部品固定用樹脂層及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間を埋めた状態で、前記部品固定用樹脂層及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させて前記部品を固定する固定工程とを含むことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法がある。
従って、手段2の部品内蔵配線基板の製造方法によると、準備工程において、収容穴部の内壁面の少なくとも一部に部品固定用樹脂層が形成されたコア基板を準備することにより、収容工程において収容穴部内に部品を収容したときに、収容穴部と部品との間に生じる隙間が小さくなる。よって、部品固定用樹脂層とは別に上記の隙間に充填される樹脂充填剤の充填量を低減させることができ、部品固定用樹脂層で上記の隙間を収容穴部の底部まで埋めることができるため、ボイド等の発生を防止することができる。ゆえに、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を得ることができる。
以下、手段2の部品内蔵配線基板の製造方法について説明する。
準備工程では、上記部品内蔵配線基板を構成するコア基板を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。部品内蔵配線基板を構成するコア基板は、例えばコア主面及びその反対側に位置するコア裏面を有する板状に形成され、部品を収容するための収容穴部を有しており、前記収容穴部の内壁面の少なくとも一部に部品固定用樹脂層が形成されている。
前記部品固定用樹脂層は、前記部品を固定するためのものであり、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。部品固定用樹脂層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、部品固定用樹脂層を形成するための高分子材料の別の好適例としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。さらに、部品固定用樹脂層を形成するための高分子材料として、上記の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂にガラスフィラーを添加した材料等を使用してもよい。
ここで、前記部品固定用樹脂層を形成する方法としては、前記収容穴部の内壁面の少なくとも一部に対して樹脂材を塗布する(または吹き付ける)ことにより、部品固定用樹脂層を形成する方法、前記収容穴部の内壁面の少なくとも一部に対して樹脂シートを貼付することにより、部品固定用樹脂層を形成する方法、コア主面上に、部品固定用樹脂層の形成予定位置に開口部を有するマスクを積層配置した後、マスクを介して樹脂を印刷することにより、部品固定用樹脂層を形成する方法、収容穴部内に型を配置した状態で、収容穴部の内壁面と型の側面との間に樹脂材を充填することにより、部品固定用樹脂層を形成する方法、収容穴部内に樹脂材をディスペンサで充填した後、充填された樹脂材に対して貫通孔を形成することにより、部品固定用樹脂層を得る方法などが挙げられる。
なお、前記部品内蔵配線基板が、樹脂層間絶縁層及び導体層を前記コア主面及び前記部品主面上にて積層した構造を有する配線積層部を備えている場合、前記部品固定用樹脂層は、前記樹脂層間絶縁層と同じ材料によって形成されていてもよいし、前記樹脂層間絶縁層とは異なる材料によって形成されていてもよいが、前記樹脂層間絶縁層と同じ材料によって形成されていることが好ましい。このようにすれば、部品固定用樹脂層の形成に際して樹脂層間絶縁層とは別の材料を準備しなくても済む。よって、部品内蔵配線基板の製造に必要な材料が少なくなるため、部品内蔵配線基板の低コスト化を図ることが可能となる。
なお、「前記樹脂層間絶縁層と同じ材料」とは、前記樹脂層間絶縁層を形成する高分子材料と同じ高分子材料であって、前記樹脂層間絶縁層と同じ熱膨張係数を有する材料をいう。よって、部品固定用樹脂層と樹脂層間絶縁層との間に熱膨張係数差が生じにくくなるため、両者の間でのデラミネーションの発生を防止できる。ゆえに、部品内蔵配線基板の信頼性がよりいっそう高くなる。
また、部品固定用樹脂層は、前記収容穴部の内壁面の一部に形成されていてもよいし、前記収容穴部の内壁面全体に形成されていてもよいが、前記収容穴部の内壁面全体に前記部品固定用樹脂層を形成することが好ましい。このようにすれば、部品固定用樹脂層が全ての部品側面に接触する。このため、部品固定用樹脂層を硬化させて部品を固定する際に、部品固定用樹脂層が一部の部品側面に接触する場合に比べて、部品を確実に固定できる。
また、前記部品固定用樹脂層の体積は、前記収容穴部と前記部品との体積差よりも小さいことが好ましい。仮に、前記部品固定用樹脂層の体積が前記収容穴部と前記部品との体積差と等しいと、部品と部品固定用樹脂層との間に全く隙間がなくなるため、部品をコア基板の収容穴部内に収容することが困難になる。さらに、前記部品固定用樹脂層の体積が前記収容穴部と前記部品との体積差よりも大きいと、部品をコア基板の収容穴部内に収容できなくなる。
ここで、部品固定用樹脂層のコア主面側の端面は、コア主面と平行に配置されることが好ましい。仮に、コア主面と平行でないと、前記部品内蔵配線基板が上記の配線積層部を備えている場合、コア主面に接する樹脂層間絶縁層の上面を平坦にすることが困難になる。同様に、部品固定用樹脂層のコア裏面側の端面も、コア裏面と平行に配置されることが好ましい。仮に、コア裏面と平行でないと、前記部品内蔵配線基板が上記の積層部を備えている場合、コア裏面に接する樹脂層間絶縁層の下面を平坦にすることが困難になる。また、部品固定用樹脂層において収容穴部内に露出する面は、部品側面と平行に配置されることが好ましい。仮に、部品側面と平行でないと、部品固定用樹脂層において収容穴部内に露出する面が部品側面に対して傾斜した状態となってしまい、収容穴部内に部品を上手く収容できなくなる可能性がある。
また、準備工程では、上記手段1と同様の部品を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
続く収容工程では、前記収容穴部内に前記部品を収容する。続く固定工程では、前記部品固定用樹脂層及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間を埋めた状態で、前記部品固定用樹脂層及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させて前記部品を固定する。なお、部品固定用樹脂層が熱硬化性樹脂である場合、部品固定用樹脂層を硬化させる工程としては、未硬化状態の部品固定用樹脂層を加熱することなどが挙げられる。また、部品固定用樹脂層が熱可塑性樹脂である場合、部品固定用樹脂層を硬化させる工程としては、前記収容工程において加熱された部品固定用樹脂層を冷却することなどが挙げられる。
なお、前記部品内蔵配線基板が、樹脂層間絶縁層及び導体層を前記コア主面及び前記部品主面上にて積層した構造を有する配線積層部を備えている場合、前記固定工程では、前記コア主面に接する樹脂層間絶縁層を硬化させると同時に、前記部品固定用樹脂層を硬化させ、前記部品を固定することが好ましい。このようにすれば、樹脂層間絶縁層の硬化と同時に、部品固定用樹脂層の硬化が行われる。これにより、部品内蔵配線基板の製造工程が簡略化されるため、部品内蔵配線基板を容易に製造できるとともに、低コスト化を図ることができる。また、部品固定用樹脂層及びコア主面に接する樹脂層間絶縁層は、固定工程を実施する前の時点では未硬化状態であるため、部品固定用樹脂層とコア主面に接する樹脂層間絶縁層とが互いに馴染んで接着されやすくなる。その後、配線積層部が形成されると、部品内蔵配線基板が完成する。
また、前記固定工程の実行前の段階において、前記部品固定用樹脂層は、半硬化状態であってもよいし完全硬化状態であってもよいが、半硬化状態であることが好ましい。仮に、部品固定用樹脂層が完全硬化状態であると、部品固定用樹脂層を硬化させて部品を固定する際に、一旦部品固定用樹脂層を未硬化状態にする工程が必要となり、部品内蔵配線基板の製造工程を簡略化できなくなる。また、部品固定用樹脂層が全く硬化していない状態であると、部品固定用樹脂層が形状を維持できなくなるため、前記固定工程の実行前の段階において、部品固定用樹脂層の取り扱いができなくなる。
[第1実施形態]
以下、本発明の部品内蔵配線基板を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の部品内蔵配線基板(以下「配線基板」という)10は、ICチップ搭載用の配線基板である。配線基板10は、略矩形板状のコア基板11と、コア基板11のコア主面12(図1では上面)上に形成される第1ビルドアップ層31(配線積層部)と、コア基板11のコア裏面13(図1では下面)上に形成される第2ビルドアップ層32とからなる。
コア基板11のコア主面12上に形成された第1ビルドアップ層31は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂層間絶縁層33,35と、銅からなる導体層42とを交互に積層した構造を有している。本実施形態において、樹脂層間絶縁層33,35の熱膨張係数は、10〜60ppm/℃程度(具体的には20ppm/℃程度)となっている。なお、樹脂層間絶縁層33,35の熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。また、第2層の樹脂層間絶縁層35の表面上における複数箇所には、端子パッド44がアレイ状に形成されている。さらに、樹脂層間絶縁層35の表面は、ソルダーレジスト37によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト37の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。端子パッド44の表面上には、複数のはんだバンプ45が配設されている。各はんだバンプ45は、矩形平板状をなすICチップ21の面接続端子22に電気的に接続されている。なお、各端子パッド44及び各はんだバンプ45からなる領域は、ICチップ21を搭載可能なICチップ搭載領域23である。ICチップ搭載領域23は、第1ビルドアップ層31の表面39に設定されている。また、樹脂層間絶縁層33,35内には、それぞれビア導体43,47が設けられている。これらのビア導体43,47は、導体層42及び端子パッド44を相互に電気的に接続している。
図1に示されるように、コア基板11のコア裏面13上に形成された第2ビルドアップ層32は、上述した第1ビルドアップ層31とほぼ同じ構造を有している。即ち、第2ビルドアップ層32は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂層間絶縁層34,36と、導体層42とを交互に積層した構造を有しており、樹脂層間絶縁層34,36の熱膨張係数が10〜60ppm/℃程度(具体的には20ppm/℃程度)となっている。第2層の樹脂層間絶縁層36の下面上における複数箇所には、ビア導体43を介して導体層42に電気的に接続されるBGA用パッド48が格子状に形成されている。また、樹脂層間絶縁層36の下面は、ソルダーレジスト38によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト38の所定箇所には、BGA用パッド48を露出させる開口部40が形成されている。BGA用パッド48の表面上には、図示しないマザーボードとの電気的な接続を図るための複数のはんだバンプ49が配設されている。そして、各はんだバンプ49により、図1に示される配線基板10は図示しないマザーボード上に実装される。
図1に示されるように、本実施形態のコア基板11は、縦25mm×横25mm×厚さ1.0mmの平面視略矩形板状である。コア基板11は、平面方向(XY方向)における熱膨張係数が10〜30ppm/℃程度(具体的には18ppm/℃)となっている。なお、コア基板11の熱膨張係数は、0℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。コア基板11は、ガラスエポキシからなる基材161と、基材161の上面及び下面に形成され、シリカフィラーなどの無機フィラーを添加したエポキシ樹脂からなるサブ基材164と、同じく基材161の上面及び下面に形成され、銅からなる導体層163とによって構成されている。また、コア基板11には、複数のスルーホール導体16がコア主面12、コア裏面13及び導体層163を貫通するように形成されている。かかるスルーホール導体16は、コア基板11のコア主面12側とコア裏面13側とを接続導通するとともに、導体層163に電気的に接続している。なお、スルーホール導体16の内部は、例えばエポキシ樹脂などの閉塞体17で埋められている。スルーホール導体16の上端は、樹脂層間絶縁層33の表面上にある導体層42の一部に電気的に接続されており、スルーホール導体16の下端は、樹脂層間絶縁層34の下面上にある導体層42の一部に電気的に接続されている。また、コア基板11のコア主面12及びコア裏面13には、銅からなる導体層41がパターン形成されており、各導体層41は、スルーホール導体16に電気的に接続されている。さらに、コア基板11は、コア主面12の中央部及びコア裏面13の中央部にて開口する平面視で矩形状の収容穴部90を1つ有している。即ち、収容穴部90は貫通穴である。
そして、収容穴部90内には、図2〜図5等に示すセラミックコンデンサ101(部品)が、埋め込まれた状態で収容されている。なお、セラミックコンデンサ101は、コンデンサ主面102をコア基板11のコア主面12と同じ側に向けた状態で収容されている。本実施形態のセラミックコンデンサ101は、縦10.0mm×横10.0mm×厚さ0.8mmの平面視略矩形板状である。セラミックコンデンサ101は、コア基板11においてICチップ搭載領域23の真下の領域に配置されている。なお、ICチップ搭載領域23の面積(ICチップ21において面接続端子22が形成される面の面積)は、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102の面積よりも小さくなるように設定されている。セラミックコンデンサ101の厚さ方向から見た場合、ICチップ搭載領域23は、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102内に位置している。
図1〜図4等に示されるように、本実施形態のセラミックコンデンサ101は、いわゆるビアアレイタイプのコンデンサである。セラミックコンデンサ101を構成するセラミック焼結体104は、部品主面である1つのコンデンサ主面102(図1では上面)、部品裏面である1つのコンデンサ裏面103(図1では下面)、及び、部品側面である4つのコンデンサ側面106を有する板状物である。本実施形態において、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、15ppm/℃未満、具体的には12〜13ppm/℃程度となっている。なお、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、30℃〜250℃間の測定値の平均値をいう。
セラミック焼結体104は、セラミック誘電体層105(誘電体層)を介して電源用内部電極層141(内部電極層)とグランド用内部電極層142(内部電極層)とを交互に積層配置した構造を有している。また、セラミック誘電体層105は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142間の誘電体(絶縁体)として機能する。電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、セラミック焼結体104の内部において一層おきに配置されている。
図1〜図4に示されるように、セラミック焼結体104には、多数のビアホール130が形成されている。これらのビアホール130は、セラミック焼結体104をその厚さ方向に貫通するとともに、セラミック焼結体104の全面にわたって格子状(アレイ状)に配置されている。各ビアホール130内には、セラミック焼結体104のコンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103間を連通する複数のコンデンサ内ビア導体131,132が、ニッケルを主材料として形成されている。各電源用コンデンサ内ビア導体131は、各電源用内部電極層141を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、各グランド用内部電極層142を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各電源用コンデンサ内ビア導体131及び各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、全体としてアレイ状に配置されている。本実施形態では、説明の便宜上、コンデンサ内ビア導体131,132を5列×5列で図示したが、実際にはさらに多くの列が存在している。
そして図2等に示されるように、セラミック焼結体104のコンデンサ主面102上には、複数の主面側電源用電極111(表層電極)と複数の主面側グランド用電極112(表層電極)とが突設されている。なお、各主面側グランド用電極112は、コンデンサ主面102上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。主面側電源用電極111は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続されており、主面側グランド用電極112は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続されている。
また、セラミック焼結体104のコンデンサ裏面103上には、複数の裏面側電源用電極121(表層電極)と複数の裏面側グランド用電極122(表層電極)とが突設されている。なお、各裏面側グランド用電極122は、コンデンサ裏面103上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。裏面側電源用電極121は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続されており、裏面側グランド用電極122は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続されている。よって、電源用電極111,121は電源用コンデンサ内ビア導体131及び電源用内部電極層141に導通しており、グランド用電極112,122はグランド用コンデンサ内ビア導体132及びグランド用内部電極層142に導通している。
そして図1に示されるように、コンデンサ主面102側にある電極111,112は、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、端子パッド44、はんだバンプ45及びICチップ21の面接続端子22を介して、ICチップ21に電気的に接続される。一方、コンデンサ裏面103側にある電極121,122は、図示しないマザーボードが有する電極(接触子)に対して、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、BGA用パッド48及びはんだバンプ49を介して電気的に接続される。
図2等に示されるように、電極111,112,121,122は、ニッケルを主材料として形成され、表面が図示しない銅めっき層によって全体的に被覆されている。これら電極111,112,121,122及びコンデンサ内ビア導体131,132は、ICチップ21の略中心部の直下に配置されている。なお本実施形態では、電極111,112,121,122の直径が約500μmに設定され、ピッチの最小長さが約580μmに設定されている。
例えば、マザーボード側から電極121,122を介して通電を行い、電源用内部電極層141−グランド用内部電極層142間に電圧を加えると、電源用内部電極層141に例えばプラスの電荷が蓄積し、グランド用内部電極層142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、セラミックコンデンサ101がコンデンサとして機能する。また、セラミックコンデンサ101では、電源用コンデンサ内ビア導体131及びグランド用コンデンサ内ビア導体132がそれぞれ交互に隣接して配置され、かつ、電源用コンデンサ内ビア導体131及びグランド用コンデンサ内ビア導体132を流れる電流の方向が互いに逆向きになるように設定されている。これにより、インダクタンス成分の低減化が図られている。
図1,図5に示されるように、前記収容穴部90の内壁面91と、セラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との隙間は、部品固定用樹脂部材である部品固定用の樹脂リング92によって埋められている。この樹脂リング92は、セラミックコンデンサ101を前記コア基板11に固定する機能を有している。本実施形態の樹脂リング92は、縦11.8mm×横11.8mm×高さ1.0mmの平面視矩形環状であり、樹脂リング92の体積は、収容穴部90とセラミックコンデンサ101との体積差よりも小さくなっている。樹脂リング92は、内壁面91側に位置する外周面93と、コンデンサ側面106側に位置する内周面94とを有し、セラミックコンデンサ101をコンデンサ側面106側から完全に包囲する環状樹脂部材である。樹脂リング92の前記コア主面12側の端面は、コア主面12及び前記コンデンサ主面102と平行に配置されている。同様に、樹脂リング92の前記コア裏面13側の端面は、コア裏面13及び前記コンデンサ裏面103と平行に配置されている。また、樹脂リング92の外周面93及び内周面94は、互いに平行に配置されるとともに、内壁面91及びコンデンサ側面106と平行に配置されている。
図1,図5に示されるように、内壁面91とコンデンサ側面106との隙間の大きさは1mmに設定されており、樹脂リング92の厚さは、内壁面91とコンデンサ側面106との隙間の大きさ以下(本実施形態では800μm)に設定されている。そして、内壁面91と樹脂リング92の外周面93との隙間、及び、コンデンサ側面106と樹脂リング92の内周面94との隙間は、コア主面12やコンデンサ主面102に接する前記樹脂層間絶縁層33の一部によって埋められている。
なお、樹脂リング92は、樹脂層間絶縁層33〜36と同じ材料(即ち、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂)によって形成されている。これにより、樹脂リング92の完全硬化状態での熱膨張係数も、樹脂層間絶縁層33〜36の熱膨張係数と同じ値となっており、具体的には、10〜60ppm/℃程度(具体的には20ppm/℃程度)に設定されている。即ち、樹脂リング92の完全硬化状態での熱膨張係数は、コア基板11の熱膨張係数(18ppm/℃)よりも大きい値に設定されるとともに、前記セラミック焼結体104の熱膨張係数(12〜13ppm/℃程度)よりも大きい値に設定される。なお、セラミックコンデンサ101は、平面視略正方形状をなしており、四隅に面取り寸法0.55mm以上(本実施形態では面取り寸法0.6mm)の面取り部を有している。これにより、温度変化に伴う樹脂リング92や樹脂層間絶縁層33の変形時において、セラミックコンデンサ101の角部への応力集中を緩和できるため、樹脂リング92や樹脂層間絶縁層33のクラックの発生を防止できる。
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法について述べる。
準備工程では、コア基板11の中間製品を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
コア基板11の中間製品は以下のように作製される。まず、縦350mm×横375mm×厚み0.6mmの基材161の両面に銅箔162が貼付された銅張積層板(図6参照)を準備する。次に、銅張積層板の両面の銅箔162のエッチングを行って導体層163を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする(図7参照)。具体的には、無電解銅めっきの後、この無電解銅めっき層を共通電極として電解銅めっきを施す。さらにドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、ドライフィルムを所定パターンに形成する。この状態で、不要な電解銅めっき層、無電解銅めっき層及び銅箔162をエッチングで除去する。その後、ドライフィルムを剥離する。次に、基材161の上面及び下面と導体層163とを粗化した後、基材161の上面及び下面に、無機フィラーが添加されたエポキシ樹脂フィルム(厚さ80μm)を熱圧着により貼付し、サブ基材164を形成する(図8参照)。
次に、上側のサブ基材164の上面及び下側のサブ基材164の下面に、それぞれ導体層41(例えば50μm)をパターン形成する。具体的には、上側のサブ基材164の上面及び下側のサブ基材164の下面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。次に、基材161及びサブ基材164からなる積層体に対してルータを用いて孔あけ加工を行い、収容穴部90となる貫通孔を所定位置に形成し、コア基板11の中間製品を得る(図9参照)。なお、コア基板11の中間製品とは、コア基板11となるべき領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した構造の多数個取り用コア基板である。
また、準備工程では、収容穴部90内に収容可能な大きさのセラミックコンデンサ101を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
セラミックコンデンサ101は以下のように作製される。即ち、セラミックのグリーンシートを形成し、このグリーンシートに内部電極層用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。これにより、後に電源用内部電極層141となる電源用内部電極部と、グランド用内部電極層142となるグランド用内部電極部とが形成される。次に、電源用内部電極部が形成されたグリーンシートとグランド用内部電極部が形成されたグリーンシートとを交互に積層し、シート積層方向に押圧力を付与することにより、各グリーンシートを一体化してグリーンシート積層体を形成する。
さらに、レーザー加工機を用いてグリーンシート積層体にビアホール130を多数個貫通形成し、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、ビア導体用ニッケルペーストを各ビアホール130内に充填する。次に、グリーンシート積層体の上面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の上面側にて各導体部の上端面を覆うように主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を形成する。また、グリーンシート積層体の下面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の下面側にて各導体部の下端面を覆うように裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122を形成する。
この後、グリーンシート積層体の乾燥を行い、各電極111,112,121,122をある程度固化させる。次に、グリーンシート積層体を脱脂し、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、セラミック焼結体104となる。
次に、得られたセラミック焼結体104が有する各電極111,112,121,122に対して無電解銅めっき(厚さ10μm程度)を行う。その結果、各電極111,112,121,122の上に銅めっき層が形成され、セラミックコンデンサ101が完成する。
また、準備工程では、セラミックコンデンサ101を固定するための樹脂リング92を作製し、あらかじめ準備しておく。
樹脂リング92は、例えば以下のように作製される。まず、第1型(図示略)と第2型(図示略)とを合わせることにより、内部に樹脂リング92と同一形状かつ同一体積のキャビティを構成する。この状態で、キャビティ内に感光性及び熱硬化性を有するエポキシ樹脂を充填して加熱することにより、未硬化状態の樹脂リング92が成形される。その後、第1型及び第2型を互いに離間させれば、成形された樹脂リング92が取り出される。
続く収容工程では、まず、各収容穴部90のコア裏面13側開口を、粘着面を有する粘着テープ171でシール(閉塞)する。この粘着テープ171は、支持台(図示略)によって支持されている。そして、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、複数の収容穴部90内にそれぞれセラミックコンデンサ101を収容する。その結果、セラミックコンデンサ101のコンデンサ裏面103側が粘着テープ171の粘着面に貼り付けられて仮固定される(図10参照)。
その後、収容穴部90の内壁面91とセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との隙間に、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる未硬化状態(本実施形態ではBステージ)の樹脂リング92を配置する(図10,図11参照)。即ち、固定工程の実行前の段階において、樹脂リング92は半硬化状態である。また、樹脂リング92は、図示しない治具によって上記の隙間に配置される。
次に、従来周知の手法に基づいてコア主面12の上に第1ビルドアップ層31を形成するとともに、コア裏面13の上に第2ビルドアップ層32を形成する。具体的には、まず固定工程を実施する。即ち、コア主面12及びコンデンサ主面102を粗化した後、コア主面12及びコンデンサ主面102に、感光性エポキシ樹脂(厚さ65μm)を熱圧着により貼付する。詳述すると、100℃に加熱した感光性エポキシ樹脂を、コア主面12及びコンデンサ主面102に対して0.75MPaで120秒間押圧する。そして、感光性エポキシ樹脂に対して露光及び現像を行うことにより、樹脂層間絶縁層33を形成する。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystalline Polymer)を被着してもよい。その後、樹脂リング92によって収容穴部90の内壁面91とセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との隙間を埋めるとともに、樹脂層間絶縁層33(樹脂充填剤)の一部によって内壁面91と樹脂リング92の外周面93との隙間、及び、コンデンサ側面106と樹脂リング92の内周面94との隙間を埋めた状態で、120℃で加熱処理(仮キュア)を15秒間行う。その結果、コア主面12に接する樹脂層間絶縁層33が硬化すると同時に樹脂リング92が硬化して、樹脂層間絶縁層33と樹脂リング92とが互いに馴染んで一体化し、セラミックコンデンサ101がコア基板11に固定される(図12参照)。そして、固定工程の終了後、粘着テープ171を除去する。
次に、コア裏面13及びコンデンサ裏面103に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光及び現像を行うことにより、樹脂層間絶縁層34を形成する(図13参照)。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。さらに、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いてレーザー孔あけ加工を行い、ビア導体47が形成されるべき位置にそれぞれビア孔181,182を形成する(図14参照)。具体的には、樹脂層間絶縁層33を貫通するビア孔181を形成し、主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を露出させる。同様に、樹脂層間絶縁層34を貫通するビア孔182を形成し、裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122を露出させる。
さらに、ドリル機を用いて孔あけ加工を行い、コア基板11及び樹脂層間絶縁層33,34を貫通する貫通孔191を所定位置にあらかじめ形成しておく(図15参照)。そして、樹脂層間絶縁層33,34、ビア孔181,182の内面、及び、貫通孔191の内面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。これにより、樹脂層間絶縁層33上及び樹脂層間絶縁層34上に導体層42がパターン形成される(図16参照)。これと同時に、貫通孔191内にスルーホール導体16が形成されるとともに、各ビア孔181,182の内部にビア導体47が形成される。
その後、穴埋め工程を実施する。具体的には、スルーホール導体16の空洞部を絶縁樹脂材料(エポキシ樹脂)で穴埋めし、閉塞体17を形成する(図17参照)。
次に、樹脂層間絶縁層33,34上に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光及び現像を行うことにより、ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔183,184を有する樹脂層間絶縁層35,36を形成する(図17参照)。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。この場合、レーザー加工機などにより、ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔183,184が形成される。次に、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、前記ビア孔183,184の内部にビア導体43を形成するとともに、樹脂層間絶縁層35上に端子パッド44を形成し、樹脂層間絶縁層36上にBGA用パッド48を形成する。
次に、樹脂層間絶縁層35,36上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト37,38を形成する。次に、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト37,38に開口部40,46をパターニングする。さらに、端子パッド44上にはんだバンプ45を形成し、かつ、BGA用パッド48上にはんだバンプ49を形成する。なお、この状態のものは、配線基板10となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した多数個取り用配線基板であると把握することができる。さらに、多数個取り用配線基板を分割すると、個々の製品である配線基板10が多数個同時に得られる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の配線基板10の製造方法によれば、収容工程において樹脂リング92を収容穴部90の内壁面91とコンデンサ側面106との隙間に配置することにより、収容穴部90とセラミックコンデンサ101との間に生じる隙間が小さくなる。よって、樹脂リング92とは別に上記の隙間に充填される樹脂層間絶縁層33の充填量を低減させることができ、樹脂リング92で上記の隙間を収容穴部90の底部まで埋めることができるため、ボイド等の発生を防止することができる。ゆえに、信頼性に優れた配線基板10を得ることができる。
また、収容穴部90とセラミックコンデンサ101との隙間を埋めるためにコア主面12に接する樹脂層間絶縁層33を厚くしなくても済むため、樹脂層間絶縁層33にレーザー孔あけ加工を行ってビア孔181を形成する際に、レーザーの出力調整がそれ程困難にはならない。よって、コンデンサ主面102上にある主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を確実に露出させることができる。その結果、コンデンサ208と第1ビルドアップ層31とを確実に電気的に接続できるため、配線基板10の信頼性が向上する。
(2)本実施形態の配線基板10は、多数個取り用配線基板を分割することによって得られる。しかし、多数個取り用配線基板によって得られる配線基板10の数は多いため、得られた配線基板10ごとに、収容穴部90やセラミックコンデンサ101の寸法のバラツキが生じやすくなる。ゆえに、収容穴部90とセラミックコンデンサ101との隙間の容積を一定にすることが困難になる。仮に、上記の隙間の全てを樹脂層間絶縁層33の一部で埋めようとすれば、十分に埋めることができない収容穴部90が生じる可能性があるため、ボイドが生じやすくなり、配線基板10の信頼性が低下する可能性がある。そこで本実施形態では、上記の隙間を、樹脂層間絶縁層33の一部だけで埋めるのではなく、樹脂層間絶縁層33とは別の樹脂リング92も用いて埋めている。ゆえに、隙間の容積のバラツキに関係なく、全ての収容穴部90を完全に埋めることができるため、ボイドの発生を防止でき、配線基板10の信頼性が向上する。
(3)本実施形態では、セラミックコンデンサ101がICチップ搭載領域23に搭載されたICチップ21の直下に配置されるため、セラミックコンデンサ101とICチップ21とをつなぐ配線が短くなり、配線のインダクタンス成分の増加が防止される。従って、セラミックコンデンサ101によるICチップ21のスイッチングノイズを確実に低減できるとともに、電源電圧の確実な安定化を図ることができる。また、ICチップ21とセラミックコンデンサ101との間で侵入するノイズを極めて小さく抑えることができるため、誤動作等の不具合を生じることもなく高い信頼性を得ることができる。
(4)本実施形態では、ICチップ搭載領域23がセラミックコンデンサ101の真上の領域内に位置しているため、ICチップ搭載領域23に搭載されるICチップ21は高剛性で熱膨張率が小さいセラミックコンデンサ101によって支持される。よって、上記ICチップ搭載領域23においては、第1ビルドアップ層31が変形しにくくなるため、ICチップ搭載領域23に搭載されるICチップ21をより安定的に支持できる。従って、大きな熱応力に起因するICチップ21のクラックや接続不良を防止することができる。ゆえに、ICチップ21として、熱膨張差による応力(歪)が大きくなり熱応力の影響が大きく、かつ発熱量が大きく使用時の熱衝撃が厳しい10mm角以上の大型のICチップや、脆いとされるLow−k(低誘電率)のICチップを用いることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の配線基板10を詳細に説明する。ここでは第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については同じ部材番号を付す代わりに説明を省略する。
本実施形態では、コア基板11とは別に樹脂リング92を設ける代わりに、収容穴部90の内壁面91全体に部品固定用樹脂層151を形成した点が上記第1実施形態とは異なっている(図18〜図20参照)。本実施形態の部品固定用樹脂層151は、縦12.0mm×横12.0mm×高さ0.9mmの平面視矩形環状であり、部品固定用樹脂層151の体積は、収容穴部90とセラミックコンデンサ101との体積差よりも小さくなっている。この部品固定用樹脂層151は、セラミックコンデンサ101をコア基板11に固定する機能を有している。部品固定用樹脂層151のコア主面12側の端面は、コア主面12と平行に配置され、部品固定用樹脂層151のコア裏面13側の端面は、コア裏面13と平行に配置されている。また、部品固定用樹脂層151において収容穴部90内に露出する面は、コンデンサ側面106と平行に配置されている。なお、部品固定用樹脂層151は、樹脂層間絶縁層33〜36や上記第1実施形態の樹脂リング92と同じ材料(即ち、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂)によって形成されている。
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法について述べる。
準備工程では、コア基板11の中間製品とセラミックコンデンサ101とを従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
なお、コア基板11の中間製品は以下のように作製される。まず、上記第1実施形態と同様の工程を行い、基材161及びサブ基材164からなる積層体に対して、収容穴部90となる貫通孔を所定位置に形成する(図9参照)。次に、上記の積層体を金属製の支持台(図示略)上に載置する。これにより、収容穴部90のコア裏面13側開口が支持台でシール(閉塞)される。そして、収容穴部90内に、感光性及び熱硬化性を有するエポキシ樹脂をディスペンサによって充填した後、加熱を行うことにより、充填されたエポキシ樹脂を未硬化状態(本実施形態ではBステージ)とする。次に、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いてレーザー加工を行い、エポキシ樹脂の中央部において上面側(主面12側)及び下面側(コア裏面13側)を貫通させるとともに、不要部分を除去する。その結果、収容穴部90の内壁面91全体に部品固定用樹脂層151が形成される(図18参照)。なお、固定工程の実行前の段階において、部品固定用樹脂層151は半硬化状態である。その結果、コア基板11の中間製品が得られる。
続く収容工程では、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、複数の収容穴部90内にそれぞれセラミックコンデンサ101を収容する(図19参照)。その結果、セラミックコンデンサ101のコンデンサ裏面103側が粘着テープ171の粘着面に貼り付けられて仮固定される。
次に、従来周知の手法に基づいてコア主面12の上に第1ビルドアップ層31を形成するとともに、コア裏面13の上に第2ビルドアップ層32を形成する。具体的には、まず固定工程を実施する。即ち、コア主面12及びコンデンサ主面102を粗化した後、コア主面12及びコンデンサ主面102に、感光性エポキシ樹脂(厚さ65μm)を熱圧着により貼付する。そして、感光性エポキシ樹脂に対して露光及び現像を行うことにより、樹脂層間絶縁層33を形成する。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。その後、部品固定用樹脂層151によって収容穴部90の内壁面91とセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との隙間を埋めるとともに、樹脂層間絶縁層33(樹脂充填剤)の一部によってコンデンサ側面106と部品固定用樹脂層151のコンデンサ側面106側の面との隙間を埋めた状態で、120℃で加熱処理(仮キュア)を15秒間行う。その結果、コア主面12に接する樹脂層間絶縁層33が硬化すると同時に部品固定用樹脂層151が硬化して、樹脂層間絶縁層33と部品固定用樹脂層151とが互いに馴染んで一体化し、セラミックコンデンサ101がコア基板11に固定される(図20参照)。
固定工程の終了後、コア主面12の上に樹脂層間絶縁層35や導体層42などを積層するとともに、コア裏面13の上に樹脂層間絶縁層34,36や導体層42などを積層すれば、ビルドアップ層31,32が完成し、配線基板10となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した多数個取り用配線基板が完成する。さらに、多数個取り用配線基板を分割すると、個々の製品である配線基板10が多数個同時に得られる。
従って、本実施形態の配線基板10の製造方法によれば、準備工程において、収容穴部90の内壁面91に部品固定用樹脂層151が形成されたコア基板11を準備することにより、収容工程において収容穴部90内にセラミックコンデンサ101を収容したときに、収容穴部90とセラミックコンデンサ101との間に生じる隙間が小さくなる。よって、部品固定用樹脂層151とは別に上記の隙間に充填される樹脂層間絶縁層33の充填量を低減させることができ、部品固定用樹脂層151で上記の隙間を収容穴部90の底部まで埋めることができるため、ボイド等の発生を防止することができる。ゆえに、信頼性に優れた配線基板10を得ることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、収容穴部90内にセラミックコンデンサ101を収容した後、収容穴部90の内壁面91とセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との間に樹脂リング92を配置していた。しかし、収容穴部90内に樹脂リング92を収容した後、部品固定用樹脂部材92の内側(内周面94側)にセラミックコンデンサ101を配置してもよい。なお、この場合、樹脂リング92の内周面94のうち互いに向かい合う面を、コア裏面13側に行くに従って互いに接近するテーパ面としてもよい。このようにすれば、セラミックコンデンサ101が樹脂リング92の内周面94によって案内されるため、樹脂リング92の内側にセラミックコンデンサ101を配置しやすくなる。しかも、樹脂リング92で収容穴部90の底部までより確実に埋めることができるため、特に収容穴部90の底部付近でのボイド等の発生を防止しやすくなる。
・上記第1実施形態の樹脂リング92は、第1型及び第2型によって構成されたキャビティ内にエポキシ樹脂を充填して加熱することにより作製されていた。しかし、樹脂リング92を別の方法で作製してもよい。
例えば、縦120mm×横125mm×高さ1.0mmの感光性及び熱硬化性を有するエポキシ樹脂を支持体である離型シート(図示略)上に被着し、露光及び現像を行うことにより樹脂リング92を作製してもよい。なお、エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。
また、樹脂リング92を作製するさらに別の方法としては、例えば以下のものを挙げることができる。まず、感光性及び熱硬化性を有するエポキシ樹脂を離型シート上に被着した後、加熱を行うことにより、被着したエポキシ樹脂を未硬化状態(本実施形態ではBステージ)とする。次に、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いてレーザー加工を行い、エポキシ樹脂から樹脂リング92を平面視矩形環状になるように切断し、樹脂リング92を得る。
なお、上記したような方法で樹脂リング92を作製した場合、樹脂リング92は離型シートが貼り付けられたままの状態になっている。このため、樹脂リング92は、離型シートを介してチップマウンタ(図示略)に吸着された状態で、チップマウンタによって収容穴部90内に配置され、収容後に離型シートが剥離される。
・上記第2実施形態の部品固定用樹脂層151を、コア裏面13側に行くに従って厚くなるように形成してもよい。このようにすれば、部品固定用樹脂層151で収容穴部90の底部までより確実に埋めることができるため、特に収容穴部90の底部付近でのボイド等の発生を防止しやすくなる。
・上記第2実施形態の部品固定用樹脂層151は、収容穴部90内に充填したエポキシ樹脂の中央部に貫通孔を形成することによって作製されていた。しかし、部品固定用樹脂層151を別の方法で作製してもよい。例えば、収容穴部90の内壁面91全体に感光性及び熱硬化性を有するエポキシ樹脂を塗布するなどした後、加熱を行うことにより部品固定用樹脂層151を形成してもよい。なお、エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。
・上記実施形態の配線基板10は、コア基板11内にセラミックコンデンサ101を収容するとともに、ICチップ搭載領域23上にICチップ21を搭載することにより構成されていた。しかし、図21,図22に示されるように、コア基板11内にICチップ211を部品として収容するとともに、ICチップ搭載領域23上にセラミックコンデンサ212を搭載した配線基板213としてもよい。なお、ICチップ211は、部品主面である1つのチップ主面215、部品裏面である1つのチップ裏面216、及び、部品側面である4つのチップ側面217を有している。また、チップ主面215上の複数箇所には面接続端子218が突設されている。そして、ICチップ211は、コア基板11のコア主面12とチップ主面215とを同じ側に向けた状態で収容される(図22参照)。
なお、図22に示される収容工程では、コア基板11の収容穴部90内に部品固定用樹脂部材である樹脂リング219を配置した後、収容穴部90内にICチップ211を収容しているが、収容穴部90内にICチップ211を収容した後、収容穴部90の内壁面91とチップ側面217との隙間に樹脂リング219を配置してもよい。また、図21,図22では、コア基板11とは別に樹脂リング219を設けているが、樹脂リング219を設ける代わりに、収容穴部90の内壁面91全体に図18〜図20に示される部品固定用樹脂層151を形成してもよい。
・また、図21に示される配線基板213は、ICチップ211から第1ビルドアップ層31の表面39上に搭載される電子部品(図示略)に対して信号を送るためのシグナル配線214を有していてもよい。なお、シグナル配線214は、導体層42、ビア導体43,47及び端子パッド44からなる配線である。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で、前記収容穴部内に収容可能な部品と、外周面及び内周面を有する略矩形環状をなしており、前記内周面のうち互いに向かい合う面が、前記コア裏面側に行くに従って互いに接近するテーパ面であり、前記部品を前記部品側面側から包囲するとともに、前記部品を固定する環状樹脂部材とを準備する準備工程と、前記準備工程後、前記収容穴部内に前記部品を収容するとともに、前記環状樹脂部材を前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に配置する収容工程と、前記収容工程後、前記環状樹脂部材及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記隙間を埋めた状態で、前記環状樹脂部材及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させて前記部品を固定する固定工程とを含むことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
(2)コア主面及びコア裏面を有するとともに、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有し、前記収容穴部の内壁面の少なくとも一部に、前記コア裏面側に行くに従って厚くなっている部品固定用樹脂層が形成されたコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で、前記収容穴部内に収容可能な大きさの部品とを準備する準備工程と、前記準備工程後、前記コア基板の収容穴部内に前記部品を収容する収容工程と、前記収容工程後、前記部品固定用樹脂層及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間を埋めた状態で、前記部品固定用樹脂層及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させて前記部品を固定する固定工程とを含むことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
(3)コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で、前記収容穴部内に収容可能な部品と、前記部品を固定するための部品固定用樹脂部材とを準備する準備工程と、前記準備工程後、前記収容穴部内に前記部品を収容するとともに、前記部品固定用樹脂部材を前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に配置する収容工程と、前記収容工程後、前記部品固定用樹脂部材及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記隙間を埋めた状態で、前記部品固定用樹脂部材及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させて前記部品を固定する固定工程とを含み、前記部品固定用樹脂部材の体積は、前記収容穴部と前記部品との体積差よりも小さいことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
(4)コア主面及びコア裏面を有するとともに、少なくとも前記コア主面にて開口する収容穴部を有し、前記収容穴部の内壁面の少なくとも一部に部品固定用樹脂層が形成されたコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で、前記収容穴部内に収容可能な大きさの部品とを準備する準備工程と、前記準備工程後、前記コア基板の収容穴部内に前記部品を収容する収容工程と、前記収容工程後、前記部品固定用樹脂層及び樹脂充填剤の少なくとも一方によって前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間を埋めた状態で、前記部品固定用樹脂層及び前記樹脂充填剤の少なくとも一方を硬化させて前記部品を固定する固定工程とを含み、前記部品固定用樹脂層の体積は、前記収容穴部と前記部品との体積差よりも小さいことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。