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JP2008149710A - バリア性積層体の製造方法、バリア性積層体、バリア性フィルム基板および有機el素子。 - Google Patents

バリア性積層体の製造方法、バリア性積層体、バリア性フィルム基板および有機el素子。 Download PDF

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JP2008149710A
JP2008149710A JP2007302638A JP2007302638A JP2008149710A JP 2008149710 A JP2008149710 A JP 2008149710A JP 2007302638 A JP2007302638 A JP 2007302638A JP 2007302638 A JP2007302638 A JP 2007302638A JP 2008149710 A JP2008149710 A JP 2008149710A
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Jiro Tsukahara
次郎 塚原
Yuya Agata
祐也 阿形
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Abstract

【課題】水蒸気バリア性が高く、かつ、臭気の低減されたバリア性積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】 有機層と無機層とが積層した構造を含むバリア性積層体の製造方法であって、前記有機層は、下記一般式(1)で表されるモノマーを含む重合性組成物を100Pa以下の圧力下で重合させることにより形成することを特徴とする、バリア性積層体の製造方法。
Figure 2008149710

[一般式(1)において、Lはm価の連結基を表し、mは1〜6の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、バリア性積層体の製造方法、該製造方法により得られるバリア性積層体およびバリア性フィルム基板ならびに、該バリア性積層体および/またはバリア性フィルム基板を用いた有機電界発光素子(有機EL素子)に関するものである。
従来から、プラスチックフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物層を形成したバリア性フィルムは、水蒸気や酸素など各種ガスの遮断を必要とする物品の包装や、食品、工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。
近年、液晶表示素子や有機EL素子等の分野においては、重くて割れやすいガラス基板に代わって、プラスチックフィルム基板が採用され始めている。プラスチックフィルム基板はロールトゥロール(Roll to Roll)方式に適用可能であることから、コストの点でも有利である。しかし、プラスチックフィルム基板はガラス基板と比較して水蒸気バリア性に劣るという問題がある。このため、プラスチックフィルム基板を液晶表示素子に用いると、水蒸気が液晶セル内に侵入し、表示欠陥が発生する。
この問題を解決するために、プラスチックフィルム上にバリア性積層体を形成したバリア性フィルム基板を用いることが検討されている。バリア性積層体としては、酸化珪素を蒸着したもの(例えば、特許文献1参照)や、酸化アルミニウムを蒸着したもの(例えば、特許文献2参照)が知られており、これらはいずれも水蒸気透過能が1g/m2/day程度となるバリア性を有する。
しかし、有機EL素子などに用いるための基板には、水蒸気透過率が0.01g/m2/day未満となるような高いバリア性が要求される。かかる要求に応えるための手段として、特許文献3および特許文献4には有機層と無機層を含むバリア性積層体により、水蒸気透過率として0.01g/m2/day未満を実現する技術が開示されている。
この技術は有機層をアクリレートまたはメタクリレートの重合反応で形成することを特徴とするが、有機層に起因すると推定される臭気が問題となっていた。このため、有機層と無機層の積層体を含むバリア性積層体において、水蒸気透過率が0.01g/m2/day未満であって、かつ、臭気の問題がないような製造方法の開発が望まれていた。
特公昭53−12953号公報(第1頁〜第3頁) 特開昭58−217344号公報(第1頁〜第4頁) 米国特許第6,413,645号 米国特許第6,268,695号
本発明の目的は、水蒸気バリア性が高く、かつ、臭気の低減されたバリア性積層体の製造方法を提供することである。本発明の第2の目的は、前記バリア性積層体の製造方法により得られたバリア性積層体およびバリア性フィルム基板、ならびにこれを用いた有機EL素子を提供することである。
上記課題のもと、発明者が鋭意検討した結果、無機層と有機層を含むバリア層を有するバリア性積層体における臭気の問題は、有機層を形成する際の未反応モノマー(アクリレートまたはメタクリレート)による臭気であると考えられた。モノマーの臭気はアクリレートよりもメタクリレートの方が弱いため、本来、メタクリレートを主成分とする方が好ましい。しかしながら、メタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受けてしまう。一方、窒素置換法によって重合時の酸素濃度を0.5%以下に抑えても重合が十分に進行せず、却って臭気が残ってしまった。そして、発明者による検討の結果、100Pa以下の圧力で重合を行うと重合が十分に進行し、かつ、臭気が低減することを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題を解決しうることを見出した。
(1)有機層と無機層とが積層した構造を含むバリア性積層体の製造方法であって、前記有機層は、下記一般式(1)で表されるモノマーを含む重合性組成物を100Pa以下の圧力下で重合させることにより形成することを特徴とする、バリア性積層体の製造方法。
Figure 2008149710
[一般式(1)において、Lはm価の連結基を表し、mは1〜6の整数を表す。]
(2)前記重合性組成物は、一般式(1)においてm=2であるモノマーを60〜80質量%、一般式(1)においてm=3であるモノマーおよび/または一般式(1)においてm=4であるモノマーを20〜40質量%を含む、(1)に記載のバリア性積層体の製造方法。
(3)一般式(1)におけるLの総炭素数が8〜16であることを特徴とする(1)または(2)に記載のバリア性積層体の製造方法。
(4)有機層および無機層を、連続して、100Pa以下の圧力下で形成することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
(5)前記重合性組成物を、100Pa以下の圧力下で、2J/cm2以上のエネルギーの紫外線を照射して重合させることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
(6)前記重合性組成物を、30Pa以下の圧力下で、0.5J/cm2以上のエネルギーの紫外線を照射して重合させることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法より製造したバリア性積層体。
(8)プラスチックフィルム基板上に、(1)〜(6)のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法より製造したバリア性積層体を有するバリア性フィルム基板。
(9)赤外線吸収法で定量した重合率の値が88%以上であることを特徴とする、(8)に記載のバリア性フィルム基板。
(10)(7)に記載のバリア性積層体、または、(8)若しくは(9)に記載のバリア性フィルム基板を用いた有機EL素子。
(11)(7)に記載のバリア性積層体と、(8)または(9)に記載のバリア性フィルム基板の両方を用いた有機EL素子。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
(バリア性積層体の形成方法)
本発明のバリア性積層体は、有機層と無機層とを積層することにより形成される。有機層および無機層は、積層数は所望するバリア能により適宜選択され、1層ずつであってもよいし、複数層が積層されていてもよい。一般に積層数が多いほど、バリア能の高い積層体が得られる。また、本発明における、有機層と無機層とが積層した構造とは、有機層同士が隣接したり、無機層同士が隣接している構造も含む。本発明のバリア性積層体を、有機EL素子に用いる場合、該有機EL素子を環境中の水分から保護するためには、通常、少なくとも2層の無機層とそれらを隔てる少なくとも1層の有機層が必要となる。2層以上の無機層が存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていても良い。2層以上の有機層が存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていても良い。
本発明のバリア性積層体はデバイス(例えば、有機EL素子)上に形成しても良いし、プラスチックフィルム上に形成しても良い。プラスチックフィルム上に本発明のバリア性積層体を形成したものが、本発明のバリア性フィルム基板である。
(有機層の形成方法)
本発明において有機層は、下記一般式(1)で表されるモノマーを含む重合性組成物を100Pa以下の圧力下で、好ましくは、30Pa以下の圧力下で重合させることにより形成される。ここで、圧力の下限値としては、0.01Pa以上であることが好ましく、0.1Pa以上であることがより好ましい。
Figure 2008149710
[一般式(1)において、Lはm価の連結基を表し、mは1〜6の整数を表す。]
一般式(1)において、mは、2〜4の整数が好ましい。Lの炭素数は、好ましくは3〜24、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは8〜16、特に好ましくは10〜16である。本発明では、100Pa以下の圧力下で重合させるため、モノマーの揮発が問題となるが、mやLを上記好ましい範囲とすることにより、モノマーの揮発を抑制できる傾向にある。
mが2の場合、Lは2価の連結基を表すが、そのような2価の連結基の例として、アルキレン基(例えば、1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロピレン基、1,6−ヘキシレン基、1,9−ノニレン基、1,12−ドデシレン基、1,16−ヘキサデシレン基等)、エーテル基、イミノ基、カルボニル基、およびこれらの2価基が複数個直列に結合した2価残基(例えば、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、プロピオニルオキシエチレン基、ブチロイルオキシプロピレン基、カプロイルオキシエチレン基、カプロイルオキシブチレン基等)を挙げることができる。これらの中ではアルキレン基が好ましい。
Lは置換基を有してもよく、Lを置換することのできる置換基の例としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基などが挙げられる。置換基として好ましくは、含酸素官能基を持たない基が後述の理由から好ましく、特に、アルキル基が好ましい。すなわち、mが2の場合、Lは含酸素官能基を持たないアルキレン基が最も好ましい。このような基を採用することにより、水蒸気透過率をより低くすることが可能になる。
mが3の場合、Lは3価の連結基を表すが、そのような3価の連結基の例として、前述の2価の連結基から任意の水素原子を1個除いて得られる3価残基、または、前述の2価の連結基から任意の水素原子を1個除き、ここにアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、およびこれらを直列に結合した2価基を置換した3価残基を挙げることができる。このうち、アルキレン基から任意の水素原子を1個除いて得られる、含酸素官能基を含まない3価残基が好ましい。このような基を採用することにより、水蒸気透過率をより低くすることが可能になる。
mが4以上の場合、Lは4価以上の連結基を表すが、そのような4価の連結基の例として、前述の2価の連結基から任意の水素原子を2個除いて得られる4価残基、または、前述の3価の連結基から任意の水素原子を1個除き、ここにアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、およびこれらを直列に結合した3価基を置換した4価残基を挙げることができる。このうち、アルキレン基から任意の水素原子を2個除いて得られる、含酸素官能基を含まない2価残基が好ましい。このような基を採用することにより、水蒸気透過率をより低くすることが可能になる。
一般式(1)で表されるモノマーは1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
一般式(1)で表されるモノマーが重合性組成物中に占める割合は60質量%〜100質量%であることが好ましい。また、本発明では、一般式(1)において、m=2のモノマーが60〜80質量%と、一般式(1)において、m=3および/またはm=4のモノマーの合計20〜40質量%とを含む重合性組成物を用いることが好ましく、一般式(1)においてm=2であるモノマーを60〜80質量%と、一般式(1)においてm=3であるモノマーおよび/または一般式(1)においてm=4であるモノマーを20〜40質量%とからなる重合性組成物を用いることがさらに好ましい。特に、本発明では、一般式(1)においてm=2であるモノマーの重合性組成物中に占める割合が60〜80質量%のとき、残りの成分は一般式(1)においてm=3および/またはm=4のモノマー以外の各種重合性モノマーを含んでいてもよいが、その含量20質量%未満であることが好ましい。一般式(1)においてm=3および/またはm=4のモノマー以外の各種重合性モノマーとしては、例えば、一般式(1)においてmが1であるモノマー、あるいは後に構造式を示すモノマー等が例示される。
また、本発明の有機層はフラッシュ蒸着法で形成することが好ましい。フラッシュ蒸着法で形成することにより、より有機層の臭気度を低減することができる。但し、上記一般式(1)において、mが5以上である化合物を採用する場合や、Lの炭素数が24以上である化合物を採用する場合、揮発性が低すぎてフラッシュ蒸着し難くなる場合がある。
加えて、本発明では、有機層および無機層を、連続して100Pa以下の圧力下で行うことが好ましい。ここで、連続してとは、有機層を形成した後、無機層を形成する場合、あるいは、無機層を形成した後、有機層を形成する場合に、圧力を常に100Pa以下に保ったまま積層工程を行うことをいう。圧力の下限値としては、特に定めるものではないが、有機層の圧力は0.01Pa以上であることが好ましく、無機層の圧力は1×10-5Pa以上であることが好ましい。このような手段を採用することにより、積層成膜のタクト時間を短縮することができるばかりでなく、得られるバリア性フィルム基板のガスバリア性をより向上させることができる。
本発明では、重合性組成物は、通常の溶液塗布法、あるいは真空成膜法により成膜することができる。溶液塗布法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコ−ト法、グラビアコート法、スライドコート法、または、エクストルージョンコート法(米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストルージョンコート法)が挙げられる。真空成膜法としては、特に制限はないが、前述のようにフラッシュ蒸着法が好ましい。
塗布した重合性組成物を重合する方法としては紫外線重合法、プラズマ重合法、電子線重合法、熱重合法が挙げられる。このうち、紫外線重合法が好ましい。この場合、通常、重合性組成物に光重合開始剤を添加する。光重合開始剤の例としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、サートマー(Sartomer)社から市販されているエザキュア(Esacure)シリーズ(例えばエザキュアTZM、エザキュアTZTなど)等が挙げられる。
紫外線重合を行う場合、系の圧力は、30Pa以下であることがより好ましい。下限値としては、特に定めるものではないが、0.1Pa以上であることが好ましい。系の圧力の上限は、酸素による重合阻害を起き難くさせる観点から好ましい。
紫外線の照射量は、0.1〜10J/cm2が好ましく、0.2〜5J/cm2がより好ましい。照射量の下限は重合率を高める意味であり、上限は被照射物が過熱状態とならないために重要である。本発明では、100Paの圧力下で、2〜5J/cm2のエネルギーを照射して紫外線重合を行うか、30Paの圧力下で、0.5〜2J/cm2のエネルギーを照射して紫外線重合を行うことが特に好ましい。
本発明で用いる重合性組成物を重合したあとの重合率は、膜強度の観点から高い方が好ましい。さらに臭気度をより軽減するためには、重合率は80%以上であることが好ましく、88%以上であることがさらに好ましい。ここで、重合率は公知の方法で測定することができる。例えば、赤外線吸収法により未反応の二重結合を定量する方法、あるいは抽出法により未反応のモノマーを高速液体クロマトグラフ法で定量する方法等が挙げられる。
本発明における有機層の厚みは、50nm〜5000nmであることが好ましく、200nm〜2000nmがより好ましい。
以下に一般式(1)で表されるメタクリレートの好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008149710
Figure 2008149710
以下に、本発明に用いられる他の重合性モノマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008149710
Figure 2008149710
Figure 2008149710
Figure 2008149710
Figure 2008149710
Figure 2008149710
(無機層の形成方法)
無機層は、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、具体的には、特許第3400324号公報、特開2002−322561号公報、特開2002−361774号公報に記載の形成方法を採用することができる。
無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、Mg、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、CeおよびTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物もしくは酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物などを用いることができる。これらの中でも、Mg、Si、Al、In、Sn、ZnおよびTiから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特にSiおよび/またはAlの酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、2nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、5nm〜300nmの範囲内であることがより好ましく、20nm〜200nmの範囲内であることがさらに好ましい。
(バリア性フィルム基板)
本発明のバリア性フィルム基板はプラスチックフィルム上に、前記本発明のバリア性積層体を形成したものである。
(プラスチックフィルム)
本発明に用いられるプラスチックフィルムは、特に制限はなく、バリア性フィルム基板の使用用途等に応じて、適宜選択することができる。具体的には、ポリエステル、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの厚みは用途によって適宜選択されるので、特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜500μmである。特に、有機EL素子に用いる場合、20〜300μmが好ましい。これらのプラスチックフィルムは、片面もしくは両面に下塗り層を有していても良い。下塗り層の例としては、マット剤層の他、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層等が挙げられる。本発明のプラスチックフィルムはこれらの下塗り層のうち、片面にマット剤層を有するのが好ましい。
(層構成)
本発明のバリア性フィルム基板の層構成としては、プラスチックフィルム上に少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層を有する。プラスチックフィルムに最も近い第1層は、有機層であっても無機層であってもよい。第1層が有機層のとき第2層は無機層であり、第1層が無機層のとき第2層は有機層であることが好ましい。第1層、第2層の上に、さらに有機層、無機層を交互に積層してもよい。最上層は有機層であっても良いし無機層であってもよい。さらに、任意の層間もしくは最上層として他の機能性層を有していてもよい。機能性層の例は、前記下塗り層の例と同様である。
(有機EL素子)
本発明のバリア性フィルム基板は有機EL素子の基板として好ましく使用することができる。本発明のバリア性フィルム基板を用いた有機EL素子の例を図1に示すが、本発明はこれに限定されない。図1において100は本発明のバリア性フィルム基板であり、200は有機EL素子構成層であり、300は有機EL素子である。有機EL素子の各構成層は、通常、本発明のバリア性フィルム基板100のバリア層が形成された側に設置される。次に、本発明のバリア性フィルム基板を用いた有機EL素子(以下、「本発明の有機EL素子」と呼ぶ)について説明する。
本発明の有機EL素子は基板上に、陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある。)を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。さらに、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
(陽極)
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
本発明の有機EL素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。
陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
(陰極)
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
本発明において、陰極形成位置は特に制限はなく、有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜して、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
(有機化合物層)
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機EL素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
有機化合物層の形成
本発明の有機EL素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
有機発光層
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。本発明における発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
本発明に使用できる蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
また、本発明に使用できる燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
燐光発光材料は、発光層中に、0.1〜40質量%含有されることが好ましく、0.5〜20質量%含有されることがより好ましい。また、本発明における発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのがさらに好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのが更に好ましい。正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々50nm以であることが好ましい。電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのがさらに好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
保護層
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、平坦化作用を持つ材料、水分や酸素が素子内に入ることを抑止する機能を有しているものが好ましい。具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiNx等の金属窒化物、SiNxOy等の金属窒化酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
これらのうち、金属の酸化物、窒化物、窒化酸化物が好ましく、珪素の酸化物、窒化物、窒化酸化物が特に好ましい。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、真空紫外CVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。本発明においては、保護層が導電性層として使用されてもよい。
封止有機EL素子
さらに、本発明の有機EL素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
別の封止法として、いわゆる固体封止法を用いてもよい。固体封止法とは有機EL素子の上にバリア性支持体層を設ける方法である。通常、有機EL素子とバリア性支持体層の間に、接着剤を重ね硬化する。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。さらに、バリア性支持体層の上に保護層を設けてから、接着剤を重ねて硬化してもよい。バリア性支持体はガラスでもよいが、本発明のバリア性プラスチック基板を用いることが好ましい。
さらに別の封止法として、いわゆる膜封止法を用いてもよい。膜封止法とは有機EL素子の上に、無機層、有機層の交互積層体を設ける方法である。交互積層体を設ける前に、有機EL素子を保護層で覆ってもよい。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。本発明の有機EL素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1 有機層作製のための検討
(1−1)アクリレートを主成分とする有機層(AY−1)の作製
ポリエチレンナフタレートフィルム上に、1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレート1.9ND−A)を20g、紫外線重合開始剤(イルガキュアー907、チバスペシヤリティケミカズル社製)を0.6g、2−ブタノン200gの混合溶液を液厚5μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、窒素置換法により酸素濃度が0.45%となったチャンバー内(圧力:1気圧)にて高圧水銀ランプの紫外線を照射し、有機層を形成した。このとき、紫外線の積算照射量は2J/cm2であった。得られた有機層(AY−1)の膜厚は460nmであった。
(1−2)重合率の測定
上記(1−1)で作製した硬化後の有機層と硬化前のモノマー混合物のそれぞれについて、赤外吸収スペクトルにおける1720cm-1付近のカルボニル基に基づく吸収強度と810cm-1付近の炭素−炭素二重結合に基づく吸収強度を測定し、以下の計算式にしたがって重合率を算出した。この方法によって算出された有機層(AY−1)の重合率は93%であった。
重合率(%)={(a×d−b×c)/a×d}×100
a:硬化膜の1720cm-1付近のピーク強度
b:硬化膜の810cm-1付近のピーク強度
c:モノマー混合物の1720cm-1付近のピーク強度
d:モノマー混合物の810cm-1付近のピーク強度
(1−3)悪臭度の測定
上記で作製した有機層(AY−1)について臭気に関する官能試験を行った。官能試験は20人の審査員にそれぞれ前記有機層を形成したフィルムを手にとって臭いを嗅がせ、悪臭を感じた場合はプラス、悪臭を感じなかった場合はマイナスと判定してもらい、プラス判定を出した人数を悪臭度として数値化した。有機層(AY−1)の悪臭度は19であった。以上の結果から、アクリレートからなる有機層では臭気が問題になることがわかった。
(1−4)メタクリレート主成分とする有機層(MY−1)の作製
ポリエチレンナフタレートフィルム上に、2官能モノマー(共栄社化学(株)製、ライトエステル1.9ND、1,9−ノナンジオールジメタクリレート)を20g、紫外線重合開始剤(イルガキュアー907)を0.6g、2−ブタノン200gの混合溶液を液厚5μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、窒素置換法により酸素濃度が0.45%となったチャンバー内(圧力:1気圧)にて高圧水銀ランプの紫外線を照射した。このとき、紫外線の積算照射量は2.0J/cm2であった。ところが、膜は十分に固化せず目的とする有機層を得ることができなかった。このときの重合率は55%であった。以上の結果から、メタクリレートは重合反応性が問題であることがわかった。
そこで、上記(1−1)と同様の方法により、塗布し、乾燥したフィルムを真空チャンバーに入れ、圧力が3Paとなるまで真空脱気し、高圧水銀ランプの紫外線を照射したところ、今度は固化した有機層(MY−1)が得られた。前記方法にて重合率を測定したところ、重合率は90%となっていた。このとき、紫外線の積算照射量は1J/cm2であった。作製した有機層(MY−1)の膜厚は460nmであった。
(1−5)バリア性フィルム基板の作製
ポリエチレンナフタレートフィルムの上に、紫外線重合開始剤(イルガキュアー907)0.6g、および2−ブタノン200gの混合溶液を液厚5μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布した。その後、室温にて2時間乾燥したフィルムを真空チャンバーに入れ、高圧水銀ランプの紫外線を照射した。このときの圧力と紫外線の積算照射量を表1に示した。得られた有機層の悪臭度を評価した。
アクリレートを主成分とするAY−2およびAY−3(比較例)は真空成膜においても悪臭度が14と高かった。一方、MY−1の悪臭度は9であり、改善が見られた。さらに、紫外線の積算照射量を2J/cm2としたMY−2では悪臭度が1と大幅に改善した。単官能モノマーの添加系(MY−3〜MY−7)では、単官能アクリレートを添加したMY−7よりも単官能メタクリレートを添加したMY−3〜MY−6の方が、悪臭度が低かった。単官能メタクリレートを添加したMY−3〜MY−6の中でも一般式(1)における連結基Lの炭素数が10〜16のMY−4〜6が、悪臭度が低く特に好ましいことがわかった。
MY−1とMY−8の比較から、硬化時の圧力が50PaであるMY−8に対して、硬化時の圧力が3PaであるMY−1の方が、悪臭度が低いことがわかる。
Figure 2008149710
(1−6)フラッシュ蒸着−真空硬化(3Pa)による各種有機層の作製
ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム、帝人デュポン社製、商品名:テオネックスQ65FA)を20cm角に裁断し、その平滑面側に有機無機積層製膜装置(ヴァイテックス・システムズ社製、Guardian200)を用いて有機層を成膜した。この装置の有機層製膜法は内圧3Paでのフラッシュ蒸着であり、重合のための紫外線の照射エネルギーは1J/cm2である。有機層の原料として、表2のモノマー混合物100g、紫外線重合開始剤(ESACURE−TZT、5g)の混合溶液を用いた。
Figure 2008149710
表2中のTMPTMAはトリメチロールプロパントリメタクリレート(3官能モノマー)を、PETMAはペンタエリスリトールテトラメタクリレート(4官能モノマー)を、PETMA−OHはペンタエリスリトールトリメタクリレート(3官能モノマー)を、それぞれ表す。
表1のMY−1と表2のMY−21との比較から、フラッシュ蒸着法で作成した有機層は、紫外線の積算照射量が1J/cm2であっても、悪臭度が低いことがわかる。表2のMY−21とMY−22との比較から、連結基Lの炭素数が6の2官能メタクリレートを用いた有機層よりも、連結基Lの炭素数が9の2官能メタクリレートを用いた有機層の方が、悪臭度が低いことがわかる。
表2のMY−21(3官能メタクリレートなし)、MY−23(3官能メタクリレートを15質量%添加)、MY−24〜MY−25(3官能メタクリレートを25質量%添加)の比較から、3官能メタクリレートを添加すると悪臭度が良化し、添加量が20%を超えると官能試験で検知不能なレベルに到達することがわかる。このとき、MY−24の重合率は94%であった。3官能メタクリレートの添加によって重合率は変化していないが、悪臭が低減していることがわかる。
表2のMY−26から、混合する多官能モノマーは4官能モノマーであっても、検知不能の結果を与え、好ましいことがわかる。
実施例2 バリア性フィルム基板の作製
ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム、帝人デュポン社製、商品名:テオネックスQ65FA)を20cm角に裁断し、その平滑面側に有機無機積層製膜装置(ヴァイテックス・システムズ社製、Guardian200)を用いてバリア層を成膜した。なお、この装置は、有機層と無機層を真空一貫製膜するものであるため、バリア層が完成するまで大気に開放されることがない。
(2−1)第1有機層の形成
有機層の原料として、1,9−ノナンジオールジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル1.9ND)を75g、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25g、紫外線重合開始剤(ESACURE−TZT、5g)の混合溶液を用い、実施例1と同様にして有機層を形成した。膜厚は900nmとなるように調整した。
ポリエチレンナフタレートフィルム上に、液厚5μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、フィルムを真空チャンバーに入れ、圧力が3Paとなるまで真空脱気し、高圧水銀ランプの紫外線を照射した。このとき、積算照射量は2J/cm2であった。作製した有機層の膜厚は460nmであった。
(2−2)第1無機層の形成
引き続きGuardian200を用いて、無機層を製膜した。無機層の成膜方法はアルミニウムをターゲットとする直流パルスによる反応性スパッタ法(反応性ガスは酸素)による酸化アルミニウム製膜により行った。得られた無機層(酸化アルミニウム)の膜厚は40nmであった。
(2−3)第2有機層の形成
第1有機層と同様の方法で第1無機層上に第2有機層を形成した。
(2−4)第2無機層の形成
第1無機層と同様の方法で第2有機層上に第2の無機層を形成した。
(2−5)第3有機層の形成
第1有機層と同様の方法で第2無機層上に第3有機層を形成した。
(2−6)第3無機層の形成
第1無機層と同様の方法で第3有機層上に第3の無機層を形成した。
以上のようにして、本発明の臭気の低減されたバリア性フィルム基板BFS−1を真空から取り出すことなく一貫法で作製した。
水蒸気透過率の測定
MOCON社製、「PERMATRAN−W3/31」を用いて、40℃/相対湿度90%における水蒸気透過率をBFM−1について測定を行ったところ、水蒸気透過率が検出限界以下(0.01g/m2・day以下)であった。
実施例3 有機EL素子の作製と評価
(3−1)有機EL素子の作成
実施例2で作成したバリア性フィルム基板BFM−1を真空チャンバー内に導入し、無機層側に、ITOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚み0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。ITO膜を有する水蒸気バリア性フィルムを2−プロパノールで洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。この基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
(発光層兼電子輸送層)
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
最後にフッ化リチウムを1nm、金属アルミニウムを100nm順次蒸着して陰極とし、その上に厚さ5μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付け、有機EL素子(OEL−1)を作製した。
(3−2)有機EL素子上へのガスバリア層の設置
熱硬化型の接着剤(エポテック310、ダイゾーニチモリ(株))を用いて、有機EL素子(OEL−1)の窒化珪素膜側に、封子フィルムとして、もう1枚のバリア性フィルム基板BFM−1を貼り合せ、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させた。このようにして封止有機EL素子(BOEL−1)を得た。
(3−3)有機EL素子発光面状の評価
作製直後の封子有機EL素子(BOEL−1)をソースメジャーユニット(Keithley社製、SMU2400型)を用いて7Vの電圧を印加して発光させた。顕微鏡を用いて発光面状を観察したところ、いずれの素子もダークスポットの無い均一な発光を与えることが確認された。次に各素子を60℃、90%の暗い室内に30日間静置した後、発光面状を観察した。発光部位の面積は保存前の発光面積の95%であり、ダークスポットの発生は見られなかった。
本発明のバリア性フィルム基板を用いた有機EL素子は湿熱耐久性に優れていることが認められた。
図1は、本発明のバリア性フィルム基板を用いた有機EL素子の一例の構成を示す概略図である。
符号の説明
100 バリア性フィルム基板
200 有機EL素子の構成層
300 有機EL素子

Claims (11)

  1. 有機層と無機層とが積層した構造を含むバリア性積層体の製造方法であって、前記有機層は、下記一般式(1)で表されるモノマーを含む重合性組成物を100Pa以下の圧力下で重合させることにより形成することを特徴とする、バリア性積層体の製造方法。
    Figure 2008149710
    [一般式(1)において、Lはm価の連結基を表し、mは1〜6の整数を表す。]
  2. 前記重合性組成物は、一般式(1)においてm=2であるモノマーを60〜80質量%、一般式(1)においてm=3であるモノマーおよび/または一般式(1)においてm=4であるモノマーを20〜40質量%を含む、請求項1に記載のバリア性積層体の製造方法。
  3. 一般式(1)におけるLの総炭素数が8〜16であることを特徴とする請求項1または2に記載のバリア性積層体の製造方法。
  4. 有機層および無機層を、連続して、100Pa以下の圧力下で形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
  5. 前記重合性組成物を、100Pa以下の圧力下で、2J/cm2以上のエネルギーの紫外線を照射して重合させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
  6. 前記重合性組成物を、30Pa以下の圧力下で、0.5J/cm2以上のエネルギーの紫外線を照射して重合させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法より製造したバリア性積層体。
  8. プラスチックフィルム基板上に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法より製造したバリア性積層体を有するバリア性フィルム基板。
  9. 赤外線吸収法で定量した重合率の値が88%以上であることを特徴とする、請求項8に記載のバリア性フィルム基板。
  10. 請求項7に記載のバリア性積層体、または、請求項8若しくは9に記載のバリア性フィルム基板を用いた有機EL素子。
  11. 請求項7に記載のバリア性積層体と、請求項8または請求項9に記載のバリア性フィルム基板の両方を用いた有機EL素子。
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