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WO2026004705A1 - 樹脂組成物、接合体の製造方法、接合体、及び、デバイスの製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、接合体の製造方法、接合体、及び、デバイスの製造方法

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WO2026004705A1
WO2026004705A1 PCT/JP2025/021868 JP2025021868W WO2026004705A1 WO 2026004705 A1 WO2026004705 A1 WO 2026004705A1 JP 2025021868 W JP2025021868 W JP 2025021868W WO 2026004705 A1 WO2026004705 A1 WO 2026004705A1
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三千紘 白川
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Fujifilm Corp
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Abstract

電極を備える面を有する基板Aを準備する工程、基板Aの上記電極を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程、電極を備える面を有する基板Bを準備する工程、及び、接合工程を含み、ポリイミド含有部形成工程が、基板Aの上記電極を備える面に樹脂組成物を適用することを含む、接合体の製造方法に使用される樹脂組成物であって、ポリイミドである樹脂を含み、樹脂のイミド化率が80%以上である樹脂組成物、接合体の製造方法、接合体、並びに、デバイスの製造方法。

Description

樹脂組成物、接合体の製造方法、接合体、及び、デバイスの製造方法
 本発明は、樹脂組成物、接合体の製造方法、接合体、及び、デバイスの製造方法に関する。
 携帯電話やタブレット型の端末などの電子機器はますます小型化し、一方でその機能は多様化している。そのニーズに対応するために、電子機器に組み込まれる電子回路には、さらなる小型化、高集積化、高密度実装が必要になっている。
 このような小型化、高集積化、高密度実装のため、2つ以上の半導体デバイスにおけるそれぞれの電極の接合方法として、ハイブリッドボンディングが検討されている。
 ハイブリッドボンディングは、ワイヤや球状のはんだバンプやアンダーフィルを用いずに高密度な相互接続が可能であり、微細な配線を短い配線距離により実現できる方法であり、電気的性能の向上、消費電力の削減、通信遅延の低減等の様々な利点を有している。
 例えば、特許文献1には、(A)ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸塩及びポリアミド酸アミドからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であるポリイミド前駆体、並びにポリイミド樹脂の少なくとも一方と、(B)溶剤と、を含み、以下の工程(1)~工程(5)を含む半導体装置の製造方法での第1有機絶縁膜及び第2有機絶縁膜の少なくとも一方の有機絶縁膜の作製に用いるための樹脂組成物が記載されている。
 工程(1) 第1基板本体と、上記第1基板本体の一面に設けられた上記第1有機絶縁膜及び第1電極とを有する第1半導体基板を準備する。
 工程(2) 第2基板本体と、上記第2基板本体の一面に設けられた上記第2有機絶縁膜及び複数の第2電極とを有する第2半導体基板を準備する。
 工程(3) 上記第2半導体基板を個片化し、上記第2有機絶縁膜の一部に対応する有機絶縁膜部分と少なくとも1つの上記第2電極とをそれぞれが備えた複数の半導体チップを取得する。
 工程(4) 上記第1半導体基板の上記第1有機絶縁膜と上記半導体チップの上記有機絶縁膜部分とを互いに貼り合わせる。
 工程(5) 上記第1半導体基板の上記第1電極と上記半導体チップの上記第2電極とを接合する。
国際公開第2022/071329号
 ハイブリッドボンディングにおいて、絶縁膜としてポリイミドを使用する場合、電極を有する基板にポリイミド又はその前駆体を含む組成物を付与し、上記組成物を硬化して硬化物とし、表面の研磨を経た後に、ボンディングが実施される。
 ここで、上記硬化物の表面平坦性に優れることが、ポリイミドのCMP研磨量や研磨時間に影響するため、重要な因子の一つと考えられる。
 本発明は、電極を備える面上にポリイミド含有部を形成する場合であっても、硬化物の表面平坦性に優れる樹脂組成物、電極を備える面上にポリイミド含有部を形成する工程を含み、上記工程におけるポリイミド含有部の表面平坦性に優れる接合体の製造方法、上記製造方法により製造された接合体、及び、上記接合体の製造方法を含むデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
 本発明の代表的な実施態様の例を以下に示す。
<1> 電極を備える面を有する基板Aを準備する工程、
 上記基板Aの上記電極を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程、
 電極を備える面を有する基板Bを準備する工程、及び、
 上記基板Aの上記ポリイミド含有部を有する面と、上記基板Bの上記電極を備える面とを接合する接合工程、を含み、
 上記ポリイミド含有部形成工程が、上記基板Aの上記電極を備える面に樹脂組成物を適用することを含む、接合体の製造方法に使用される上記樹脂組成物であって、
 ポリイミドである樹脂を含み、
 上記樹脂のイミド化率が80%以上である、
 樹脂組成物。
<2> 重合性化合物及び重合開始剤を更に含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 上記重合開始剤が熱重合開始剤である、<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 上記重合開始剤が光重合開始剤である、<2>に記載の樹脂組成物。
<5> 上記樹脂が重合性基を有する、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6> 上記樹脂が、下記式(1-1)で表される繰返し単位を有する、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
 式(1-1)中、Xは式(V-1)、式(V-2)、式(V-3)、式(V-5)、又は、式(V-8)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含み、Yは2価の有機基である。
 式(V-2)中、RX1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基であり、
 式(V-3)中、RX2及びRX3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、RX2とRX3は結合して環構造を形成してもよく、
 式(V-8)中、RX5はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基である。
<7> 上記式(1-1)中、Yがエチレン性不飽和結合を含む基を有する、<6>に記載の樹脂組成物。
<8> 電極を備える面を有する基板Aを準備する工程、
 上記基板Aの上記電極を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程、
 電極を備える面を有する基板Bを準備する工程、及び、
 上記基板Aのポリイミド含有部を有する面と、上記基板Bの上記電極を備える面とを接合する接合工程、を含み、
 上記ポリイミド含有部形成工程が、上記基板Aの上記電極を備える面にポリイミドを含む樹脂組成物を適用することを含み、
 上記樹脂組成物に含まれる上記ポリイミドのイミド化率が80%以上である、
接合体の製造方法。
<9> 上記基板Aのポリイミド含有部の表面を平坦化する平坦化工程をさらに含み、
上記ポリイミド含有部形成工程と、上記平坦化工程と、上記接合工程とをこの順に含む、<8>に記載の接合体の製造方法。
<10> 上記ポリイミド含有部形成工程におけるポリイミドのイミド化率が90%以上である、<8>又は<9>に記載の接合体の製造方法。
<11> 上記ポリイミド含有部形成工程における樹脂組成物の適用が、塗布により行われる、<8>又は<9>に記載の接合体の製造方法。
<12> 上記基板Bの上記電極を備える面上に第2のポリイミド含有部を形成する第2のポリイミド含有部形成工程をさらに含み、
 上記第2のポリイミド含有部形成工程と、上記接合工程とをこの順に含む、
<8>又は<9>に記載の接合体の製造方法。
<13> <8>又は<9>の製造方法により製造された接合体。
<14> <8>又は<9>に記載の接合体の製造方法を含む、デバイスの製造方法。
 本発明によれば、電極を備える面上にポリイミド含有部を形成する場合であっても、硬化物の表面平坦性に優れる樹脂組成物、電極を備える面上にポリイミド含有部を形成する工程を含み、上記工程におけるポリイミド含有部の表面平坦性に優れる接合体の製造方法、上記製造方法により製造された接合体、及び、上記接合体の製造方法を含むデバイスの製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る本発明のポリイミド含有部形成用組成物が用いられる接合体の製造方法で基板を接合するときの工程を模式的な断面図で示した工程説明図である。 本発明の一実施形態に係る本発明のポリイミド含有部形成用組成物が用いられる接合体の製造方法で基板を接合するときの工程を模式的な断面図で示した工程説明図である(図2の続き)。 本発明の一実施形態に係る本発明のポリイミド含有部形成用組成物が用いられる接合体の製造方法で基板を接合するときの工程を模式的な断面図で示した工程説明図である(図3の続き)。 TSVを用いた三次元実装半導体デバイスの一例を模式的に示す断面図である。 実施例で使用した基板の詳細を示す概略断面図である。
 以下、本発明の主要な実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、明示した実施形態に限られるものではない。
 本明細書において「~」という記号を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
 本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、その工程の所期の作用が達成できる限りにおいて、他の工程と明確に区別できない工程も含む意味である。
 本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
 本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた露光も含む。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線又は放射線が挙げられる。
 本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方、又は、いずれかを意味する。
 本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
 本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また本明細書において、固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率である。
 本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に述べない限り、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法を用いて測定した値であり、ポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC-8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ-L、TSKgel Super HZM-M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000、及び、TSKgel Super HZ2000(以上、東ソー(株)製)を直列に連結して用いることによって求めることができる。それらの分子量は特に述べない限り、溶離液としてNMP(N-メチル-2-ピロリドン)を用いて測定したものとする。ただし、溶解性が低い場合など、溶離液としてNMPが適していない場合にはTHF(テトラヒドロフラン)を用いることもできる。また、GPC測定における検出は特に述べない限り、UV線(紫外線)の波長254nm検出器を使用したものとする。
 本明細書において、積層体を構成する各層の位置関係について、「上」又は「下」と記載したときには、注目している複数の層のうち基準となる層の上側又は下側に他の層があればよい。すなわち、基準となる層と上記他の層の間に、更に第3の層や要素が介在していてもよく、基準となる層と上記他の層は接している必要はない。特に断らない限り、基材に対し層が積み重なっていく方向を「上」と称し、又は、樹脂組成物層がある場合には、基材から樹脂組成物層へ向かう方向を「上」と称し、その反対方向を「下」と称する。なお、このような上下方向の設定は、本明細書中における便宜のためであり、実際の態様においては、本明細書における「上」方向は、鉛直上向きと異なることもありうる。
 本明細書において、特段の記載がない限り、組成物は、組成物に含まれる各成分として、その成分に該当する2種以上の化合物を含んでもよい。特段の記載がない限り、組成物における各成分の含有量とは、その成分に該当する全ての化合物の合計含有量を意味する。
 本明細書において、特に述べない限り、温度は23℃、気圧は101,325Pa(1気圧)、相対湿度は50%RHである。
 本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(樹脂組成物)
 本発明の樹脂組成物は、電極を備える面を有する基板Aを準備する工程、上記基板Aの上記電極を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程、電極を備える面を有する基板Bを準備する工程、及び、上記基板Aの上記ポリイミド含有部を有する面と、上記基板Bの上記電極を備える面とを接合する接合工程、を含み、上記ポリイミド含有部形成工程が、上記基板Aの上記電極を備える面に樹脂組成物を適用することを含む、接合体の製造方法に使用される樹脂組成物であって、ポリイミドである樹脂を含み、上記樹脂のイミド化率が80%以上である樹脂組成物である。
 以下、本発明の樹脂組成物に含まれるイミド化率が80%以上であるポリイミドを、「特定樹脂」ともいう。
 電極(例えば、銅/錫ピラー)を有する基材など、凹凸を有する基材にポリイミドを含む樹脂組成物を付与する場合、基材におけるピラーなどの凸部が存在する箇所に付与される樹脂組成物膜の厚みは小さく、上記凸部が存在しない箇所に付与される樹脂組成物膜の厚みは大きくなる。
 その後、樹脂組成物の硬化を行うと、樹脂組成物膜の厚みが大きい部分は硬化収縮が大きくなり、小さい部分は硬化収縮が小さくなる。すなわち、硬化後に得られる膜表面の平坦性が低下する場合があった。
 本発明者らは、上記硬化収縮はポリイミド前駆体がポリイミドとなるイミド化等に伴い引き起こされることに着目し、本発明を完成するに至った。
 本発明の樹脂組成物は、ポリイミドである樹脂を含み、上記樹脂のイミド化率が80%以上である。
 このような樹脂組成物を用いることにより、イミド化に伴い樹脂から分解する成分などが少なく、樹脂組成物の硬化収縮は小さくなる。その結果、凹凸を有する基材に適用した場合であっても、表面平坦性に優れた硬化物が得られると考えられる。
 ここで、硬化収縮が大きく、得られる硬化物の表面平坦性が悪い組成物を用いる場合、上述の凸部の上に存在する樹脂組成物膜の厚さと、凸部がない部分の上に存在する樹脂組成物膜の厚さとの差が小さくなるよう、樹脂組成物を適用する厚みを厚くすることが行われている。このような方法によれば、厚く適用するため樹脂組成物の使用量は多くなる。しかし、本発明の樹脂組成物は表面平坦性に優れるため、基材に適用する樹脂組成物の厚みを薄くすることができ、樹脂組成物の使用量を削減できるという利点がある。
 また、硬化物の形成の後、接合工程の前に樹脂組成物の表面に対してCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の研磨を行う場合があるが、このような場合において、本発明の樹脂組成物を用いた場合には硬化物の表面平坦性に優れるため、研磨時間が短縮されるという利点もある。
 さらに、本発明の樹脂組成物は硬化収縮が小さいため、硬化時に起こる基材の反りが小さいという利点もある。
 このように、本発明の樹脂組成物を接合体の製造方法に用いることにより、工業上様々な利点が存在する。
 以下、本発明の樹脂組成物について詳細に説明する。
(接合体の製造方法)
 まず、本発明の樹脂組成物が使用される接合体の製造方法について説明する。
<基板Aを準備する工程>
 本発明の接合体の製造方法は、電極を備える面を有する基板Aを準備する工程を含む。
 基板Aを準備する工程においては、基板Aを公知の方法(例えば、シリコン基板等の基板に対するメッキなど)により製造してもよいし、購入等の手段により入手してもよい。
〔基板A〕
 基板Aは、電極を有する面を有する。
 以下、基板Aにおける電極を、電極Aとも記載する。
 基板Aの形態は、ウエハであってもチップであってもよいが、ウエハであることも本発明の好ましい態様の1つである。
 本発明において、ウエハとは半導体を含む基板をいい、複数の半導体等の要素により形成されたパネル等を含む概念である。
 本発明において、チップとは、ダイシング等により形成される半導体を含む個片をいい、片面チップであってもよいし、両面チップであってもよい。
 基板Aの形状は特に限定されないが、例えば、多角形平板状、円板状、多面体状などが挙げられる。
 基板Aの厚さは、0.1~5mmが好ましく、0.2~1mmがより好ましい。
 基板Aにおける電極Aは、ピラー電極であることが好ましい。
 また、上記電極Aは、金属を含むことが好ましく、錫(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)及び、インジウム(In)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むことがより好ましく、銅、錫及びニッケルよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むことがより好ましい。本明細書では、金属X又はその金属を含む合金の少なくとも一方を含むことを総称して単に「金属Xを含む」と記載する。なお、合金は上記に例示した以外の元素を含んでいてもよい。例えば銅合金はケイ素原子を含んでコルソン合金を形成していてもよい。また、不可避的に溶存する酸素や、析出時に混在する原料化合物の有機残基等が存在していてもよい。
 上記電極Aは、複数の異なる部材を含んでなる電極であってもよい。
 例えば、基板上に銅、銀、金、又はこれらのいずれか又は複数を含む合金等の金属からなる部分(以下、「電極部」ともいう)を有し、銅等の電極部上に、ニッケル、錫、鉛、又はこれらのいずれか又は複数を含む合金等の金属からなるはんだとして用いられる部分(以下、「導通路」ともいう)が形成されており、電極部と、導通路とが直列に存在することにより1つの電極Aを形成していてもよい。
 これらの中でも、上記電極Aは、銅を含む部材、及び、錫を含む部材を少なくとも含んでなる電極Aであることが好ましい。このような電極Aを備える面を有する基板Aの例としては、本願実施例において使用した基板aの例が挙げられる。基板aにおいては、銅からなる電極部の上に、錫からなる導通路が形成されている。
 また、電極部に用いられる材料は特に限定されないが、錫、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、パラジウム、白金、コバルト、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、又は、これらの合金が挙げられる。なかでも、電極部としては銅を含む金属、アルミニウムを含む金属、タングステンを含む金属、ニッケルを含む金属、あるいは金を含む金属が好ましく、銅を含む金属がより好ましく、銅がさらに好ましい。
 電極部に用いられる金属としては、接合工程でも溶融しない金属を用いることが好ましい。電極部に用いられる金属の融点としては、500℃以上であることが好ましく、700℃以上であることがより好ましく、800℃以上であることがさらに好ましい。上限は特にないが、例えば、3000℃以下とすることが好ましい。
 導通路に用いられる材料は特に限定されないが、錫、鉛、銀、銅、亜鉛、ビスマス、又はインジウム、あるいはこれらの合金が挙げられる。なかでも、本発明においては錫又は錫合金(錫を含む金属)のはんだが好ましい。最近では鉛を使わない無鉛はんだの技術も進歩しており、そのような材料を選定することも好ましい。
 導通路に用いられる金属としては、接合工程で溶融する金属が好ましい。導通路に用いられる金属の融点は400℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。上記融点の下限は、室温で固体であれば下限は特に限定されないが、例えば、150℃以上であることが好ましい。
 また、電極Aは基板A上に複数個形成されていることが好ましい。
 基板Aに用いられる材料は特に限定されず、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基板、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、紙、SOG(Spin On Glass)、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基板、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極板など特に制約されない。基材にはヘキサメチルジシラザン(HMDS)等による密着層や酸化層などの層が表面に設けられていてもよい。本発明では、特に、半導体作製基板が好ましく、シリコン基板(シリコンウエハ)がより好ましい。基板Aは電子回路を含む電子回路領域を有していてもよい。また、上記電子回路は、半導体等の素子を有していてもよい。また、上記電子回路は、上記電極Aと電気的に接合されていることが好ましい。
 基板Aがウエハである場合のサイズとしては、直径(基板Aが円形でない場合は最大径)を100mm以上とすることができる。また、大型の基板としては、例えば、200mm以上であることが好ましく、250mm以上であることがより好ましい。上限は特にないが、2,000mm以下であることが好ましい。
 基板Aがチップである場合のサイズとしては、直径(基板Aが円形でない場合は最大径)を7mm以上とすることが好ましく、10mm以上がより好ましく、20mm以上が更に好ましい。上限としては、例えば、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることが更に好ましい。
<ポリイミド含有部形成工程>
 本発明の接合体の製造方法は、上記基板Aの上記電極(電極A)を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程を含む。
 ポリイミド含有部は、上記電極Aと接するように形成されることが好ましく、電極Aと電極Aの間の凹部を充填するように形成されることがより好ましい。
 ここで、上記基板Aの上記電極(電極A)を備える面上にポリイミド含有部を形成するとは、上記電極(電極A)を備える面の上にポリイミド含有部が形成されればよく、例えば、基板Aの表面に他の層が形成されており、且つ、電極Aと電極Aの間の凹部を充填するように形成されてもよい。すなわち、基板Aの表面とポリイミド含有部とは必ずしも接していなくともよく、基板Aの表面とポリイミド含有部との間に接着層など他の層が形成されていてもよい。
 また、ポリイミド含有部は、上記電極Aの少なくとも一部の上に形成されればよいが、例えば、上記電極Aの全ての上に形成される態様も、本発明の好ましい態様の1つである。
 上記ポリイミド含有部形成工程は、基板Aの上記電極を備える面上に本発明の樹脂組成物を適用し、加熱することを含むことが好ましい。適用及び加熱の詳細については後述する。
〔ポリイミド含有部〕
 ポリイミド含有部は、ポリイミドを含む部材であることが好ましく、ポリイミド以外の成分を更に含んでもよい。
 ポリイミド以外の成分としては、後述の本発明の樹脂組成物に含まれるポリイミド以外の成分、及び、その成分が加熱により変性(分解、重合、構造変化等)した成分等が挙げられる。
 これらの重合性化合物の詳細については後述する。
 ポリイミド含有部の厚さは特に限定されないが、その物性の効果を発揮する観点から、接合工程の直前の厚さ(後述する平坦化工程が行われる場合は、平坦化工程が行われる直前の状態の厚さ)で100nm以上であることが好ましく、300nm以上であることがより好ましく、500nm以上であることがさらに好ましく、1μm以上であることが一層好ましく、2μm以上であることがより一層好ましい。上限は特にないが、1mm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。膜の厚さは、公知の膜厚測定装置を用いて測定することができる。
〔適用工程〕
 ポリイミド含有形成工程は、本発明の樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)を、上記基板Aの上記電極Aを有する面上に適用すること(適用工程)を含む工程であることが好ましい。
 ここで、ポリイミド含有部形成工程は、上記基板Aの上記電極を備える面上にポリイミド含有部形成用組成物を適用する工程であり、本発明の樹脂組成物が、ポリイミド及び溶剤を含むことも好ましい。
 上述の通り、基板Aの表面には、更に他の層が形成されていてもよく、本願の樹脂組成物は、基板Aの表面に形成された他の層の上に適用されてもよい。
 上記樹脂組成物は、マイグレーション抑制剤を更に含むことが好ましい。
 これらのマイグレーション抑制剤等の本発明の樹脂組成物に含まれる成分の詳細については後述する。
 ポリイミド含有部形成工程における樹脂組成物の適用は、塗布により行われることが好ましい。
 樹脂組成物の適用を塗布により行う場合には、樹脂組成物の適用時にピラー基板に圧力をかけることが不要となるため、チップ割れなどの基板の破損が起きにくいという利点がある。
 樹脂組成物を基板A上に適用する手段としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スプレーコート法、スピンコート法、スリットコート法、およびインクジェット法などが例示される。膜の厚さの均一性の観点から、より好ましくはスピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法、又は、インクジェット法であり、膜の厚さの均一性の観点および生産性の観点からスピンコート法およびスリットコート法が好ましい。方法に応じて樹脂組成物の固形分濃度や塗布条件を調整することで、所望の厚さの膜を得ることができる。また、基材の形状によっても塗布方法を適宜選択でき、ウエハ等の円形基材であればスピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法等が好ましく、矩形基材であればスリットコート法やスプレーコート法、インクジェット法等が好ましい。スピンコート法の場合は、例えば、500~3,500rpmの回転数で、10秒~3分程度適用することができる。
 また、あらかじめ仮支持体上に上記適用方法によって適用して形成した塗膜を、基材上に転写する方法を適用することもできる。
 転写方法に関しては特開2006-023696号公報の段落0023、0036~0051や、特開2006-047592号公報の段落0096~0108に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
 例えば、本発明の樹脂組成物をフィルム化して用いてもよい。
 具体的には、フィルム状の仮支持体に溶剤を含む本発明の樹脂組成物を適用し、溶剤を除去することにより樹脂膜を有する仮支持体付き樹脂膜としてフィルム化することができる。
 上記仮支持体付き樹脂膜を基板Aにラミネートし、仮支持体を除去することで樹脂組成物を基板Aの電極を有する面上に適用することができる。
 ラミネート時の圧力としては、1MPa以下が好ましく、0.1~0.3MPaがより好ましい。
 ここで、このような仮支持体付き樹脂膜を用いることにより、ポリイミド含有部形成工程におけるプロセスが簡便となり、樹脂膜の厚みが異なるドライフィルムを準備することで、様々な基板Aに目的とする膜厚の樹脂膜を形成することが容易となる。
 上記樹脂膜においては、溶剤含有率が樹脂膜の全質量に対して5質量%以下とすることができる。溶剤の除去方法として、例えば100℃~150℃、1分~5分の条件で溶剤を除去する工程を実施してもよい。
 仮支持体付き樹脂膜は、巻き取り可能なロール形状でも、矩形形状などの枚葉形状であってもよい。
 仮支持体としては、例えば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。
 高分子フィルムとしては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。
 金属箔としては、特に限定されないが、例えば、銅又は銅を含む合金、アルミ又はアルミを含む合金、鉄又は鉄を含む合金、銀又は銀を含む系合金、金又は金を含む合金、亜鉛又は亜鉛を含む合金、ニッケル又はニッケルを含む合金、錫又は錫を含む合金などが挙げられる。
 剥離強度を調整する観点からは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
 仮支持体の厚みは、特に限定されないが、例えば、10~100μmとしてもよく、10~70μmとしてもよい。これにより、仮支持体付樹脂膜を製造する際の取り扱い性が良好となり好ましい。
 仮支持体付き付樹脂膜は、単層でも多層でもよく、1種又は2種以上の樹脂膜を含むことができる。多層の場合、同種で構成されてもよく、異種で構成されてもよい。また、仮支持体付樹脂膜は、樹脂膜上の最外層側に、保護膜を有していてもよい。
 本実施形態において、仮支持体付樹脂膜を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、ワニス状の本発明の樹脂組成物を仮支持体上に、例えばコンマコーター、ダイコーター、リップコーター、バーコーターを用いて塗布することにより塗布膜を形成した後、塗布膜を適切に乾燥させることにより溶剤を除去する方法を用いることができる。このような塗布方法の中でも、生産性の観点から、コンマコーターを使用してもよい。
 また、基材の端部において余分な膜の除去を行なう工程を行なってもよい。このような工程の例には、エッジビードリンス(EBR)、バックリンスなどが挙げられる。
 また樹脂組成物を基材に塗布する前に基材に種々の溶剤を塗布し、基材の濡れ性を向上させた後に樹脂組成物を塗布するプリウェット工程を採用しても良い。
 また、樹脂組成物が溶剤を含む場合には、樹脂組成物を基板Aに適用した後に、樹脂組成物からなる部材(以下、単に「膜」ともいう)を乾燥させる工程(乾燥工程)を含んでもよい。
 乾燥工程における乾燥温度は50~150℃であることが好ましく、70℃~130℃がより好ましく、90℃~110℃が更に好ましい。また、減圧により乾燥を行っても良い。乾燥時間としては、30秒~20分が例示され、1分~10分が好ましく、2分~7分がより好ましい。
 適用直後の厚さ(乾燥工程を行う場合は、乾燥後の厚さ)は特に限定されず、得られるポリイミド含有部の厚さが後述の厚さとなるよう適宜調整すればよい。
 ポリイミド含有部形成工程は、樹脂組成物からなる部材をパターニングする工程を含んでもよい。樹脂組成物として後述する光重合開始剤等の感光性化合物を含むものを用いた場合には、このパターニングを露光および現像することで行うことができる。
 ポリイミド含有部は形成された後、その表面が平坦化されてもよい。平坦化の詳細は後述する。なお、パターニングを行った場合、現像等によって除去された部分の厚みは後述する膜厚差(T1-T2)の算出に用いないこととする。
〔露光工程〕
 ポリイミド含有部形成工程において、上記樹脂組成物から形成される膜は、膜を選択的に露光する露光工程に供されてもよい。
 すなわち、本発明の接合体の製造方法は、ポリイミド含有部形成工程において適用工程により形成された膜を選択的に露光する露光工程を含んでもよい。
 選択的に露光するとは、ポリイミド含有部の一部を露光することを意味している。また、選択的に露光することにより、ポリイミド含有部には露光された領域(露光部)と露光されていない領域(非露光部)が形成される。
 露光手段、露光条件等の露光工程の詳細については、特開2023-178289号公報の段落0027~0029の記載を参照することができる。上記記載は、本明細書に組み込まれる。
<露光後加熱工程>
 上記露光工程に供された膜は、露光後に加熱する工程(露光後加熱工程)に供されてもよい。
 すなわち、本発明の接合体の製造方法は、露光工程により露光されたポリイミド含有部を加熱する露光後加熱工程を含んでもよい。
 露光後加熱工程は、露光工程後、現像工程前に行うことができる。
 露光後加熱工程の詳細については、特開2023-178289号公報の段落0030の記載を参照することができる。上記記載は、本明細書に組み込まれる。
<現像工程>
 露光後の上記膜は、現像液を用いて現像してパターンを形成する現像工程に供されてもよい。
 すなわち、本発明の接合体の製造方法は、ポリイミド含有部形成工程において、露光工程により露光された膜を現像液を用いて現像してパターンを形成する現像工程を含んでもよい。現像を行うことにより、膜の露光部及び非露光部のうち一方が除去され、パターンが形成される。
 ここで、ポリイミド含有部の非露光部が現像工程により除去される現像をネガ型現像といい、ポリイミド含有部の露光部が現像工程により除去される現像をポジ型現像という。
 露光現像を行うことにより、例えば、ダイシング時に切断される個所(ダイシングライン)からは樹脂組成物を除去することが可能となる。このような実施態様によれば、例えば、ダイシング時の樹脂剥離による異物混入を防ぐことができる。その結果、接合体の製造における歩留を向上させることができる。
 現像液、現像方法、現像条件等の現像工程の詳細については、特開2023-178289号公報の段落0031~0047の記載を参照することができる。上記記載は、本明細書に組み込まれる。
<加熱工程>
 ポリイミド含有部形成工程は、適用された本発明の樹脂組成物を加熱する加熱工程に供されることが好ましい。
 すなわち、ポリイミド含有部形成工程は、ポリイミド含有部を加熱する加熱工程を含んでもよい。
 例えば、適用工程において形成された樹脂組成物からなる膜を加熱する態様、適用工程後、露光工程及び現像工程を経てパターン化された膜を加熱する態様などが挙げられる。
 加熱工程において、特定樹脂に含まれる構造の一部が更に環化する場合がある。
 また、特定樹脂、又は特定樹脂以外の架橋剤における架橋性基の架橋なども進行する。
 加熱工程における加熱温度(最高加熱温度)としては、250℃以下が好ましく、220℃以下がより好ましく、200℃以下が一層好ましく、180℃以下とすることもできる。
 上記加熱温度の下限は、160℃以上であることが好ましく、170℃以上であることがより好ましい。
 加熱工程は、加熱により、ポリイミド含有部における重合性基の重合を促進する工程であることが好ましい。
 また加熱工程は、加熱により、特定樹脂の環化反応を促進する工程であってもよい。
 加熱工程における加熱は、加熱開始時の温度から最高加熱温度まで1~12℃/分の昇温速度で行うことが好ましい。上記昇温速度は2~10℃/分がより好ましく、3~10℃/分が更に好ましい。昇温速度を1℃/分以上とすることにより、生産性を確保しつつ、酸又は溶剤の過剰な揮発を防止することができ、昇温速度を12℃/分以下とすることにより、硬化物の残存応力を緩和することができる。
 加えて、急速加熱可能なオーブンの場合、加熱開始時の温度から最高加熱温度まで1~8℃/秒の昇温速度で行うことが好ましく、2~7℃/秒がより好ましく、3~6℃/秒が更に好ましい。
 加熱開始時の温度は、20℃~150℃が好ましく、20℃~130℃がより好ましく、25℃~120℃が更に好ましい。加熱開始時の温度は、最高加熱温度まで加熱する工程を開始する際の温度のことをいう。例えば、本発明の樹脂組成物を基材の上に適用した後、乾燥させる場合、この乾燥後の膜(層)の温度であり、例えば、本発明の樹脂組成物に含まれる溶剤の沸点よりも、30~200℃低い温度から昇温させることが好ましい。
 加熱時間(最高加熱温度での加熱時間)は、1~60分であることが好ましく、2~30分であることがより好ましく、5~20分であることが更に好ましい。
 加熱は段階的に行ってもよい。例として、25℃から120℃まで3℃/分で昇温し、120℃にて60分保持し、120℃から200℃まで2℃/分で昇温し、200℃にて10分保持する、といった工程を行ってもよい。また、米国特許第9159547号明細書に記載のように紫外線を照射しながら処理することも好ましい。このような前処理工程により膜の特性を向上させることが可能である。前処理工程は10秒間~2時間程度の短い時間で行うとよく、15秒~30分間がより好ましい。前処理工程は2段階以上のステップとしてもよく、例えば100~150℃の範囲で1段階目の前処理工程を行い、その後に150~200℃の範囲で2段階目の前処理工程を行ってもよい。
 更に、加熱後冷却してもよく、この場合の冷却速度としては、1~5℃/分であることが好ましい。
 加熱工程は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを流す、減圧下で行う等により、低酸素濃度の雰囲気で行うことが特定樹脂の分解を防ぐ点で好ましい。酸素濃度は、50ppm(体積比)以下が好ましく、20ppm(体積比)以下がより好ましい。
 加熱工程における加熱手段としては、特に限定されないが、例えばホットプレート、赤外炉、電熱式オーブン、熱風式オーブン、赤外線オーブンなどが挙げられる。
<後露光工程>
 ポリイミド含有部形成工程により得られたポリイミド含有部は、上記加熱工程に代えて、又は、上記加熱工程に加えて、ポリイミド含有部を露光する後露光工程に供されてもよい。
 すなわち、本発明の接合体の製造方法は、ポリイミド含有部を露光する後露光工程を含んでもよい。本発明の接合体の製造方法は、加熱工程及び後露光工程を含んでもよいし、加熱工程及び後露光工程の一方のみを含んでもよい。
 後露光工程においては、例えば、光塩基発生剤の感光によってポリイミド等の環化が進行する反応などを促進することができる。
 後露光工程においては、ポリイミド含有部の少なくとも一部が露光されればよいが、ポリイミド含有部の全部が露光されることが好ましい。
 後露光工程における露光量は、感光性化合物が感度を有する波長における露光エネルギー換算で、50~20,000mJ/cmであることが好ましく、100~15,000mJ/cmであることがより好ましい。
 後露光工程は、例えば、上述の露光工程における光源を用いて行うことができ、ブロードバンド光を用いることが好ましい。
<2層以上での形成>
 ポリイミド含有部形成工程において、ポリイミド含有部を2層以上で形成することも、本発明の好ましい態様の一つである。
 すなわち、ポリイミド含有部は、樹脂組成物からなる層が複数個積層された構造であってもよい。ただし、2層目の形成において1層目の一部が溶剤に溶解するなどにより、これらの層の界面は明確でない場合もある。
 ポリイミド含有部を2層以上の構成とすることにより、ポリイミド含有部の表面の平坦性が向上し、例えば後述の平坦化工程を行いやすくなるなどの利点がある。
 上記態様において、ポリイミド含有部は、2~4層で形成されることが好ましく、2又は3層で形成されることがより好ましく、2層で形成されることが更に好ましい。
 ポリイミド含有部を2層以上で形成する場合、例えば、適用工程(必要に応じて、更に乾燥工程)を連続して行った後に上述の加熱工程を行う、適用工程(必要に応じて、更に乾燥工程)及び加熱工程を複数回繰り返す、等の態様が挙げられる。
 また、例えば、適用工程(必要に応じて、更に乾燥工程)を連続して行った後に上述の露光工程、露光後加熱工程、現像工程を必要に応じて行い、上述の加熱工程を行う、という態様としてもよい。
 また、上述の適用工程、及び、必要に応じて露光工程、露光後加熱工程、現像工程を行った後に、上述の加熱工程を行って1層目を形成した後に、1層目に対して上述の適用工程、及び、必要に応じて露光工程、露光後加熱工程、現像工程を行った後に、上述の加熱工程を行って2層目以降を形成してもよい。
 更に、1層目に対して適用工程~加熱工程を行う際に、必要に応じて行われる露光工程、加熱工程等の条件を調整して半硬化とした状態で、2層目以降の適用工程~加熱工程を更に行ってもよい。
 また、ポリイミド含有部を2層以上で形成する場合、それぞれの層の形成に用いられる樹脂組成物に含まれる成分及び各成分の含有割合は、同一であっても異なっていてもよい。
<基板Bを準備する工程>
 本発明の接合体の製造方法は、電極を備える面を有する基板Bを準備する工程を含む。
 基板Bの形態は、ウエハであってもチップであってもよい。これらは、所望する接合体の設計に応じて選択すればよい。
〔基板B〕
 基板Bは、電極を有する。
 以下、基板Bにおける電極を、電極Bとも記載する。
 基板Bの厚さは、0.1~5mmが好ましく、0.2~1mmがより好ましい。
 後述する接合工程により得られる接合体において、上記電極Bの少なくとも一部が上述の基板Aにおける電極Aと電気的に接合されることが好ましい。
 基板Bに用いられる材料は特に限定されず、上述の基板Aと同様の材料が好ましく挙げられる。
 また、電極Bの好ましい態様も、電極Aの好ましい態様と同様である。
 基板Bは電子回路を含む電子回路領域を有していてもよい。また、上記電子回路は、半導体等の素子を有していてもよい。また、上記電子回路は、上記電極と電気的に接合されていることが好ましい。
 基板Bがウエハである場合のサイズとしては、直径(基板Bが円形でない場合は最大径)を100mm以上とすることができる。また、大型の基板としては、例えば、200mm以上であることが好ましく、250mm以上であることがより好ましい。上限は特にないが、2,000mm以下であることが好ましい。
 基板Bがチップである場合のサイズとしては、直径(基板Bが円形でない場合は最大径)を7mm以上とすることが好ましく、8mm以上がより好ましく、10mm以上が更に好ましい。上限としては、例えば、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく、20mm以下であることが更に好ましい。
 また、基板Bは、上記電極間に無機絶縁膜を備えることも好ましい。
 無機絶縁膜としては、特に限定されないが、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜(酸素と窒素の含有比は特に限定されない)、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、酸化ネオジム膜、シリコンカーボンナイトライド(SiCN)膜等が挙げられる。
 基板Bが無機絶縁膜を備える場合の具体例としては、後述する実施例における基板b~基板d等が挙げられる。
 無機絶縁膜は電極Bに含まれる複数の電極を絶縁することが好ましい。
 また、基板Bが無機絶縁膜を備える場合、後述する第2のポリイミド含有部形成工程を行ってもよいが、第2のポリイミド含有部形成工程を行わない態様とすることもできる。
<第2のポリイミド含有形成工程>
 本発明の接合体の製造方法は、上記基板Bの上記電極を備える面上に第2のポリイミド含有部を形成する第2のポリイミド含有部形成工程をさらに含み、上記第2のポリイミド含有部形成工程と、上記接合工程とをこの順に含むことが好ましい。
 第2のポリイミド含有形成工程は、例えば、上述の基板Aに対するポリイミド含有形成工程と同様の方法により行うことができる。
 ここで、第2のポリイミド含有形成工程においては、本発明の樹脂組成物を用いてもよいし、他の公知のポリイミド含有部形成用組成物を用いてもよいが、本発明の樹脂組成物を用いることが好ましい。
 ただし、第2のポリイミド含有部形成工程において本発明の樹脂組成物を用いる場合、第2のポリイミド含有部形成工程において用いられる本発明の樹脂組成物の組成と、基板Aに対するポリイミド含有部形成工程において用いられる樹脂組成物の組成とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
 第2のポリイミド含有部の好ましい態様は、上述の基板Aにおいて形成されるポリイミド含有部の好ましい態様と同様である。
 後述の接合工程において、第2のポリイミド含有部と、上述の基板Aにおいて形成されるポリイミド含有部とが少なくとも一部で接するように接合することで、接合体における接着性が向上すると考えられる。
〔平坦化工程〕
 本発明の接合体の製造方法は、上記基板Aのポリイミド含有部の表面を平坦化する平坦化工程をさらに含み、上記ポリイミド含有部形成工程と、上記平坦化工程と、上記接合工程とをこの順に含むことが好ましい。
 後述する接合工程においては、基板Aにおける平坦化されたポリイミド含有部と、基板Bの表面(又は、平坦化されていてもよい第2のポリイミド含有部の表面)とが接触するよう接合されることが好ましい。
 上記平坦化により、基板Aにおける電極Aは上記ポリイミド含有部から露出することが好ましい。
 また、上記平坦化後の基板A及びポリイミド含有部において、上記電極Aと上記ポリイミド含有部が同じ高さであっても良いし、上記ポリイミド含有部に対して上記電極Aが凹んでいても良いし、上記電極Aに対して上記ポリイミド含有部が凹んでいてもよい。
 ここで、電極Aとポリイミド含有部の高さの差は、±1μm以下であることが好ましく、±0.5μm以下であることがより好ましい。
 上記平坦化は、カッティング、機械研磨、研削、プラズマ処理、レーザーアブレーション等の物理研磨によって行われてもよいし、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の化学研磨により行われてもよい。
 上記平坦化時の上記ポリイミド含有部の研磨レートは100nm/min以上であることが好ましく、200nm/min以上であることがより好ましく、400nm/min以上であることがさらに好ましい。研磨レートの上限は特に限定されないが、研磨対象の面内均一性制御の観点から3000nm/min未満が好ましい。
 上記平坦化時の基板Aにおける電極Aの研磨レートは上記ポリイミド含有部の研磨レート以下であることが好ましく、上記ポリイミド含有部の研磨レートの半分以下であることがさらに好ましい。
 上記CMPに用いるスラリーは特に限定しないが、シリカスラリー、セリアスラリー、アルミナスラリーなどを用いることができる。例えば、平坦性および研磨速度の観点からはアルミナスラリーが好ましく、研磨速度の観点からはシリカスラリーが好ましい。スラリーの粒子のサイズは特に限定しないがスクラッチ傷抑制の観点から平均粒径1000nm以下が好ましく、平均粒径500nm以下がさらに好ましく、平均粒径200nm以下がさらに好ましい。スラリーの粒子サイズの下限は特に限定されないが、研磨レートの観点から10nm以上であることが好ましい。
 また、カッティング後にCMPを行うなど、これらの方法を組み合わせてもよい。
 具体的には、例えば、ポリイミド含有部の表面をダイヤモンドバイトで切削し、ポリイミド含有部の新たな表面と、電極Aとを露出させる態様が挙げられる。基板Aにおける電極Aとポリイミド含有部とを、電極Aが露出するように平坦化処理を行なうことで、電極Aとポリイミド含有部の一括平坦化による電極Aの頭出しが可能となる。
 平坦化は、例えばサーフェースプレーナ(Surface Planer)で行うことができる。サーフェースプレーナとしては、例えばスピンドルにダイヤモンドバイトが装着されたものが例示され、ディスコ社製のDFS8910、DFS8960、DAS8920、DAS8930(いずれも商品名)が例示される。
-TTV-
 平坦化工程において、ポリイミド含有部は電極Aと共に平坦化されることが好ましい。上記平坦化の程度としては、ポリイミド含有部及び電極AのTTV(Total Thickness Variation:トータルシックネスバリエーション)が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。
 本発明において、TTVとは、ポリイミド含有部のエッジ部から1mm以上内側の領域を2mm四方の区画に分割(ポリイミド含有部の面積が微小であるなど、2mm四方の区画に分割できない場合はポリイミド含有部のエッジ部から1mm以上内側における全領域を一区画とする)し、各区画ごとに一方の表面と他方の表面との間の最大厚さ(T1)と、一方の表面と他方の表面との間の最小厚さ(T2)を測定し、各区画ごとに膜厚差(T1-T2)を算出し、膜厚差(T1-T2)が大きい順に各区画に序列を設け、最上位区画(最も膜厚差が大きい)から膜厚差の大きい順に総区画数の10%(小数点以下が存在する場合は切り捨て)に相当する個数の区画群および最下位区画(最も膜厚差が小さい)から膜厚差の小さい順に総区画数の10%(小数点以下が存在する場合は切り捨て)に相当する個数の区画群を除外し、残った区画群の各膜厚差(T1-T2)の算術平均値をいう。
 本明細書においては、ここで定義するポリイミド含有部のTTVを特に意味する場合に、「区画評価TTV」と称することがある。ポリイミド含有部のTTVを上記上限値以下とすることにより、膜厚が概ね均一になり、基板Bとの接着性が向上する。
-Ra-
 本発明のポリイミド含有部は、基板Aの表面と接する側とは反対側の面の表面粗さであるRaが10nm以上1.5μm以下であることが好ましい。上限としては、1μm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましく、200nm以下であることが一層好ましく、150nm以下であることがより一層好ましく、120nm以下であることがさらに一層好ましい。
 ポリイミド含有部の表面粗さを上記下限値以上とすることにより、アンカー効果が働き基板Bとの接着性を向上させることができる。
 また、表面粗さを上記上限値以下とすることにより、基板Bとの接合時に、泡などを含んで接合してしまうことによるボイド等の欠陥発生を効果的に抑制することができる。
 基板B上に第2のポリイミド含有部を形成する場合、上記第2のポリイミド含有部形成工程と、接合工程との間に、第2のポリイミド含有部の表面を平坦化する第2の平坦化工程を含むことが好ましい。
 第2の平坦化工程は、上述の基板Aにおける平坦化工程と同様の方法により行うことができる。
<接合工程>
 本発明の接合体の製造方法は、上記基板Aのポリイミド含有部を有する面と、上記基板Bにおける上記電極を備える面とを接合する接合工程を含む。
 上記基板Bが第2のポリイミド含有部を有する場合、接合工程は、上記基板Aのポリイミド含有部を有する面と、上記基板Bにおける上記第2のポリイミド含有部を有する面とを接合する工程である。
 接合により、基板Aにおける電極Aと、基板Bにおける電極Bとが電気的に接合される。
 上記接合工程において、上記基板Aのポリイミド含有部を有する面に含まれる電極と、上記基板Bにおける上記電極を備える面における電極とが直接接するように接合されることも、本発明の好ましい態様の1つである。
 すなわち、電極A及び電極Bのいずれもが、導通路を有しないことも好ましい。
 接合は、加熱を含む手段により行われることが好ましく、加熱及び加圧を含む手段により行われることがより好ましい。
 接合時の温度(接合温度)は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることがさらに好ましい。上限としては、450℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましく、380℃以下であることが更に好ましく、350℃以下であることが特に好ましく、300℃以下であることが一層好ましく、280℃以下であることがより一層好ましく、260℃以下であることがさらに一層好ましく、250℃以下であることがさらに一層好ましい。この温度は、上述したように、導通路を溶融させ電極間の接合を可能とすることを考慮して、導通路の融点近傍の温度であることが好ましい。
 接合工程における加熱時間は特に限定されないが、5秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましく、2分以上であることがさらに好ましい。上限としては、30分以下であることが実際的である。
 加熱時の環境は特に限定されないが、減圧雰囲気下、機械的にポリイミド含有部を加圧しながら行なうことが好ましい。雰囲気圧としては、1×10-5mbar以上であることが好ましく、1×10-4mbar以上であることがより好ましく、5×10-4mbar以上であることがさらに好ましい。上限としては、0.1mbar以下であることが好ましく、1×10-2mbar以下であることがより好ましく、5×10-3mbar以下であることがさらに好ましい。本明細書において、1barは100kPaである。
 接合は2つの基板(基板A及び基板B)を挟持して行うことが好ましく、このとき基板に圧力をかけることが好ましい。基板にかける圧力は、1kN以上であることが好ましく、5kN以上であることがより好ましく、10kN以上であることがさらに好ましい。上限としては、100kN以下であることが実際的である。接合工程において用いられる装置は特に限定されないが、電子部品のリフローに用いられる装置を好適に利用することができる。
 また、接合工程において、ポリイミド含有部を備えた基板Aの温度が70℃以上に予熱されていることも好ましい。
 また、基板Bが第2のポリイミド含有部を含む場合、基板Bの温度が70℃以上に予熱されていることも好ましい。
 上記温度は、70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。また、上記温度の上限は、特に限定されないが、130℃以下であることが好ましい。
 上記態様により、接合プロセスのタクトタイムを低減することができる。
 また、接合時のポリイミド含有部の流動性が向上し、最大剥離抗力が向上する場合もある。
 接合工程後のポリイミド含有部の熱拡散率は、2.0×10-7-1以上であることが好ましく、3.0×10-7-1以上であることがより好ましく、5.0×10-7-1以上であることが更に好ましい。
 上記接合工程後のポリイミド含有部の熱拡散率は、例えば、接合工程後のポリイミド含有部がフィラーを含む場合はフィラーの材料種、フィラーの粒子径(フィラーを2種以上含む場合はその粒子径の組み合わせ)、フィラーの熱拡散率、フィラーの含有量、ポリイミドの構造、ポリイミドの熱拡散率、ポリイミドの含有量等の設計により調整することができる。フィラーについては後述する。
 接合工程後のポリイミド含有部は絶縁性の部材であることが好ましい。接合工程後のポリイミド含有部の絶縁性(電気抵抗)は特に限定されないが、体積抵抗率で1×1015Ω・cm以上であることが好ましく、1×1016Ω・cm以上であることがより好ましい。上限は特にないが、1×1019Ω・cm以下であることが実際的である。絶縁破壊電圧は、1kV/mm以上であることが好ましく、10kV/mm以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが1000kV/mm以下であることが実際的である。本明細書において体積抵抗率と絶縁破壊電圧の測定等はJIS C2151:2006、JIS C2318:2007に準拠するものとする。
 また、接合工程後のポリイミド含有部のガラス転移温度は、250℃以下であることが好ましく、230℃以下であることがより好ましく、220℃以下であることが更に好ましい。上記ガラス転移温度の下限は特に限定されないが、120℃以上であることが好ましい。
 接合工程後の第2のポリイミド含有部の熱拡散率、体積抵抗率、絶縁破壊電圧、ガラス転移温度の好ましい態様は、上述の接合工程後のポリイミド含有部のこれらの好ましい態様と同様である。
 上記ポリイミド含有部形成工程におけるポリイミドの環化率(すなわち、加熱工程を含む場合は加熱工程後の環化率)は、90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。上記イミド化率の上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
 接合工程後の上記接合部に形成されるポリイミド含有部におけるポリイミドの環化率は、91~100%であることが好ましく、94~100%であることがより好ましく、97~100%であることが更に好ましい。
 本発明において、イミド化率とは以下の方法により算出される値である。
 樹脂をγ-ブチロラクトンに溶解させ、粘度が2,000mPa・sになるよう希釈し、スピンコート法でシリコンウエハ上に適用して樹脂層を形成する。γ-ブチロラクトンに対する樹脂の溶解性が低い等の理由により、樹脂層が形成できない場合には溶剤を他の溶剤に変更してもよい。他の溶剤としては、樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することもでき、例えば、NMPが挙げられる。また、粘度については調整できる範囲で適宜変更してもよい。得られた樹脂層を適用したシリコンウエハをホットプレート上で、110℃で5分間乾燥し、シリコンウエハ上に製膜後の膜厚が約15μmの均一な厚さの樹脂層を得る。ここで、粘度が小さい樹脂溶液しか得られず、膜厚が15μmである樹脂層が得られにくいなどの事情がある場合には、膜厚は適宜変更してもよい。例えば膜厚が5μm以上であれば、イミド化率の値としては同程度の値が得られる。
 上記樹脂層をNicoletiS20(Thermofisher社製)でATR法にて測定し、測定範囲4000~700cm-1、測定回数50回で測定を行う。1380cm-1付近(1350~1450cm-1、複数ピークがある場合はピーク強度が最大のもの)のピーク高さと1500cm-1付近(1460~1550cm-1、複数ピークがある場合はピーク強度が最大のもの)のピーク高さで割った値を樹脂のイミド化指数Aとし、窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度で昇温し350℃で1時間加熱した膜について、同様の方法でイミド化指数Bを算出し、イミド化指数Aをイミド化指数Bで割った値を樹脂のイミド化率として算出する。
<アニール工程>
 アニール工程とは、接合工程(例えば、フリップチップボンダーによる接合)の後に組み込んでもよい加熱工程である。
 アニール工程により、接合部の剥離抵抗力を増大させることができる。
 加熱手段は特に限定されないが、例えば、ホットプレートやオーブンなどの加熱機器を用いることができる。
 アニール工程における加熱温度は、接合工程における接合温度以下の温度であることが好ましい。
 アニール工程における加熱温度は、180~440℃が好ましく、200~350℃がより好ましく、210~260℃がさらに好ましい。
 また、アニール工程における加熱温度は、接合工程における接合温度、及び、加熱工程における加熱温度を考慮して決定してもよい。
 接合工程における接合温度と、アニール工程における加熱温度の差(接合工程における接合温度-アニール工程における加熱温度)は、10℃以上であることが好ましい。上限は特に限定されないが、例えば、250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
 上述の加熱工程を行う場合、アニール工程における加熱温度は、上述の加熱工程における加熱温度(最高加熱温度)以上の温度であることが好ましい。
 アニール工程における加熱温度と、加熱工程における加熱温度との差(アニール工程における加熱温度-加熱工程における加熱温度)は、10℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、例えば、250℃以下であることが好ましく、150℃以下がより好ましい。
 また、アニール工程における加熱時間は接合工程における接合時間以上が好ましい。
 アニール工程における加熱時間(上記加熱温度における加熱時間)は、1時間以上が好ましい。また、上記加熱時間の上限は特に限定されないが、10時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましい。
 アニール工程における加熱時間と接合工程における加熱時間との差(アニール工程における加熱時間-接合工程における加熱時間)は30分以上であることが好ましい。また、上限は特に限定されないが、10時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましい。
 加熱時の雰囲気は、Air下、N下、真空下など、加熱機器の提供可能なものから適宜選択可能である。
 雰囲気圧としては、特に限定されないが、1気圧以下で行うことが好ましく、1気圧±0.1気圧以内で行うことがより好ましい。1気圧とは、101,325Paをいう。例えば、特に加圧、減圧などを行わず、大気圧下で行うことができる。
 アニール工程後のイミド化率は、例えば、98%以上であることが好ましい。上限は特に限定されず、例えば100%であることも好ましい。
〔その他の工程〕
 なお、本発明の接合体の製造方法は上記に規定される各工程間にその他の工程を介在させることを妨げるものではない。また、接合工程として基板Aと基板Bとを面と面で対峙させて接合する例を中心に説明したが、基板Aに対して複数の基板Bを並列して配置し接着するような形態としてもよい。あるいは、相応の厚みのある基板Aと基板Bとを併設しその側面同士を接合する形態なども挙げられる。
<接合体の製造方法の例>
 以下、接合体の製造方法の一例について図を使用して説明する。
 図1は、本発明の一実施形態に係る接合体の製造方法で基板を接着するときの工程(一部)を模式的に断面図で示した工程説明図である。まず、シリコンウエハ1xに電子回路領域8が配設され、そこに電極31(電極A)が付された基板A(下地基板)1を準備する(図1(a))。基板A1の電子回路領域8の内部にはすでに導体もしくは半導体で構成された電子回路81が形成されている。電子回路を形成する方法は特に制限されず、定法により形成することができる。また、電子回路の構造や部材も特に限定されず、例えば、トランジスタおよびそれを電極に導通させる配線構造が挙げられる。
 上記基板A1の電極を配した面(電子回路領域を有する面)P0に樹脂組成物を適用して樹脂組成物からなる部材(樹脂組成物層)4を形成する(図1(b))。この状態で、樹脂組成物層を加熱し乾燥させてもよい(乾燥工程)。また、乾燥した後、フォトリソグラフィやイオンスパッタリングなどにより樹脂組成物層4をパターニングしてもよい。
 その後、本実施形態では、樹脂組成物層4を加熱して重合及び必要に応じて環化を促し、ポリイミドを硬化させたポリイミド含有部41とする(図21(c))。これにより、基板A1にポリイミド含有部41を配設したポリイミド含有部配設基板1yを形成する。この例のように、ポリイミド含有部41は硬化により樹脂組成物層4と比較して収縮してもよい。
 図面では収縮量をやや誇張して示しているが、電極31が存在しない領域の方が、電極31が存在する領域よりも樹脂組成物層の厚さが厚いため大きく収縮するため、ポリイミド含有部41の表面平坦性が低下する。ここで、本発明の樹脂組成物によれば、ポリイミドのイミド化率が小さい従来の組成物と比較して上記収縮が抑制されるため、上記表面平坦性は向上する。
 また、図に記載の基板Aは電極Aとして電極31のみを有しているが、電極31上に導通路を形成してもよい。導通路は、基板Aに初めから形成されていてもよいし、ポリイミド含有部を硬化前にパターニングして、パターニング部にめっきなどで導通路を作製しても良い。
 本実施形態のポリイミド含有部配設基板1yにおいては、電極31の高さh1、h2がばらついている。また、ポリイミド含有部の表面4aも上述のイミド化に伴う収縮等により波を打ったようになり平坦な状態ではない。本実施形態の好ましい態様においては、平坦化を行うことにより、このような電極31の高さのばらつきを解消し、その先端表面を露出させ、ポリイミド含有部の表面も平坦化される。
 このように平坦化を行うことにより、基板の接着性が向上すると考えられる。
 また、導通路を形成しなくとも、電極同士の接合性が向上すると考えられる。
 図2(a)~(c)はそれぞれ、平坦化した後のポリイミド含有部配設基板(積層体)1zを示している。このポリイミド含有部の表面4bには電極31の先端31aが露出し、ポリイミド含有部の表面4bの全体において平坦化されている。
 図2(a)は電極31の高さとポリイミド含有の表面4bの高さが同じ高さである態様の例を、図2(b)は電極31の高さよりもポリイミド含有の表面4bの高さが低い態様の例を、図2(c)は電極31の高さよりもポリイミド含有の表面4bの高さが高い態様の例を、それぞれ示している。
 積層体(平坦化されたポリイミド含有部配設基板)1zに対し、基板Bを別途準備する(図3(a))。基板B2は、スルーホール電極2yを有するシリコンウエハ2x、そこに配設された回路配線81を有する回路配線領域8、回路配線領域8内に形成された電極32(電極B)を具備する。
 本実施形態において、基板Bにおける電極Bを有する面にも、第2のポリイミド含有部42が形成されており、その表面2aは基板Aにおけるポリイミド含有部41の表面と同様に平坦化されている。第2のポリイミド含有部42の形成及び平坦化は、ポリイミド含有部41の形成及び平坦化の方法と同様の方法により行うことができる。
 このように、基板Aのポリイミド含有部41及び電極31の表面と、基板Bの第2のポリイミド含有部42及び電極32の表面とがいずれも平坦化されていることにより、今回の図に示した実施形態のように導通路がない場合であっても電気的な接続性が向上する。
 このとき、積層体の電極31の部分と基板B2に設けられた電極32とが接触するようにアライメント(位置合わせ)する。
 ここで、ポリイミド含有部41及び第2のポリイミド含有部42の少なくとも一方がマイグレーション抑制剤を含む場合、このアライメントに位置ズレが発生したとしても、電極31(電極32)からポリイミド含有部41(第2のポリイミド含有部42)に金属が移行することを抑制することができ、耐電圧性能を向上させることができる。
 電極Bにおいても、電極32上に導通路を形成してもよい。導通路は、基板Bに初めから形成されていてもよいし、第2のポリイミド含有部を硬化前にパターニングして、パターニング部にめっきなどで導通路を作製しても良い。
 次いで、本実施形態においては、アライメントされた基板B2と積層体1zをポリイミド含有部41及び第2のポリイミド含有部42を介して、接合面P1で当接させて接合する(図3(b))。
 これにより、2つの基板が接合された接合体100が形成される。接合体100においては、電極31と電極32とが電気的に接合される(接合工程)。
 これと同時に、加熱によりポリイミド含有部41を軟化させ、積層体1zのポリイミド含有部表面4bと、基板Bの表面(平坦化された第2のポリイミド含有部42の表面)2aとを接着させ、接合体100を形成する。接合体100において、ポリイミド含有部41及び第2のポリイミド含有部42から、接合工程後のポリイミド含有部及び接合工程後の第2のポリイミド含有部を含むポリイミド含有部51が形成される。
 本発明の好ましい実施形態においては、積層体1zのポリイミド含有部表面4b及び第2のポリイミド含有部表面2aの平坦性が高いため、当接面での基板B2との緻密かつ正確な当接状態を得ることができる。より緻密かつ正確な当接状態を実現することで、当接面に発生しがちなボイドを効果的に抑制することができる。
 以下、本発明の樹脂組成物に含まれる各成分の詳細について説明する。
 本発明の樹脂組成物は、特定樹脂を含む。
 本発明の樹脂組成物は、重合性化合物及び重合開始剤を更に含むことが好ましい。
 このような態様によれば、硬化物の常温(例えば、10℃~40℃)における硬度が増大し、CMP研磨における研磨が容易となる。
 また、ポリイミドを単独で用いた場合と比較して、重合性化合物及び重合開始剤を更に含むことにより、高温域で膜が柔らかくなるためボンディングしやすくなり、接合部の密着性が向上するという効果がある。
 重合性化合物及び重合開始剤それぞれの好ましい態様は後述する。
<特定樹脂>
 本発明の樹脂組成物は、ポリイミドであって、イミド化率が80%以上である樹脂(特定樹脂)を含む。
 本発明において、ポリイミドとは、分子鎖内にイミド基を含む繰返し単位を有する樹脂をいい、分子鎖内にイミド環構造を含む繰返し単位を有する樹脂であることが好ましい。
 また、ポリイミドが直鎖状の樹脂である場合、ポリイミドは主鎖内にイミド基を含む繰返し単位を有する樹脂であることが好ましく、主鎖内にイミド環構造を含む繰返し単位を有する樹脂であることがより好ましい。
 本明細書において、「主鎖」とは、樹脂分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とはそれ以外の結合鎖をいう。
 本明細書において、イミド基とは、*-C(=O)N(-*)C(=O)-*で表される構造をいい、*は他の構造との結合部位を表し、炭素原子との結合部位であることが好ましく、第四級炭素原子との結合部位であることがより好ましい。
 本明細書において、イミド環構造とは、上記イミドにおける炭素原子2つと窒素原子の全てを環員として含む環構造をいう。イミド環構造は、5員環であることが好ましい。
 ポリイミドは、イミド基に加えて、分子鎖内にアミド基を有する、いわゆるポリアミドイミドであってもよい。本明細書において、アミド基とは*-C(=O)N(-#)-*で表される構造をいい、*は他の構造との結合部位を表し、炭素原子との結合部位であることが好ましく、第四級炭素原子との結合部位であることがより好ましい。また#は他の構造との結合部位を表し、水素原子又は炭素原子との結合部位であることが好ましく、水素原子との結合部位であることがより好ましい。
 特定樹脂のイミド化率は、80%以上であり、表面平坦性の観点からは、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。上記イミド化率の上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
 イミド化率が高いほど、表面平坦性に優れる傾向がある。
 イミド化率の測定方法は上述の通りである。
 イミド化率の測定において、組成物からイミド化率を測定する樹脂を、例えば以下の方法で取得することができる。組成物1gとテトラヒドロフラン2gの溶液をメタノール又は水50gに添加して晶析させ、樹脂を析出させ、ろ過する。ろ物を回収し、THF(テトラヒドロフラン)3.0gに溶解し、これをメタノール又は水50gに添加して晶析させ、ろ過し、40℃で20時間乾燥させて樹脂を得る。
 特定樹脂は重合性基を有することが好ましく、ラジカル重合性基を含むことがより好ましい。
 特定樹脂が重合性基を含むことにより、得られる硬化物の常温弾性率が増加するためCMPにおける研磨速度が増加する傾向にある。
 また、特定樹脂が重合性基を含むことにより、硬化物から揮発する成分が減少するため表面平坦性に優れた硬化物が得られる。
 特定樹脂がラジカル重合性基を有する場合、本発明の樹脂組成物は、重合開始剤としてラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。また、解像性の観点からは、ラジカル重合開始剤を含み、かつ、ラジカル架橋剤を含むことも好ましい。
さらに必要に応じて、これらの態様において増感剤を含むことができる。このような樹脂組成物からは、例えば、ネガ型感光膜が形成される。
 特定樹脂は、下記式(1-1)で表される繰返し単位を含むことが好ましい。
 式(1-1)中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。
-X
 式(1-1)中、Xの炭素数は、4以上であることが好ましく、4~50であることがより好ましく、6~40であることがさらに好ましい。
 また、式(1-1)中、Xは下記式(V-1)~式(V-10)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含むことが好ましく、式(V-1)、式(V-2)、式(V-3)、式(V-5)、又は、式(V-8)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含むことがより好ましい。
 式(V-2)中、RX1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基である。
 式(V-3)中、RX2及びRX3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、RX2とRX3は結合して環構造を形成してもよい。
 式(V-4)中、n1は1以上の整数を表す。
 式(V-8)中、RX5はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基である。
 式(V-2)中、RX1はそれぞれ独立に、アルキル基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましく、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のハロゲン化アルキル基であることがより好ましく、メチル基又はトリフルオロメチル基が更に好ましい。ハロゲン化アルキル基とは、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子により置換された基をいう。ハロゲン原子としては、F又はClが好ましく、Fがより好ましい。
 式(V-3)中、RX2及びRX3はそれぞれ独立に、水素原子であることが好ましい。
X2とRX3が結合して環構造を形成する場合、RX2とRX3が結合して形成される構造は、単結合、-O-又は-C(R)-であることが好ましく、-O-又は-C(R)-であることがより好ましく、-O-であることが更に好ましい。Rは水素原子又は1価の有機基を表し、水素原子、アルキル基又はアリール基が好ましく、水素原子が更に好ましい。
 式(V-4)中、n1は1~5の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
 式(V-8)中、RX5はそれぞれ独立に、アルキル基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましく、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のハロゲン化アルキル基であることがより好ましく、メチル基又はトリフルオロメチル基が更に好ましい。ハロゲン化アルキル基とは、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子により置換された基をいう。ハロゲン原子としては、F又はClが好ましく、Fがより好ましい。
 Xが、式(V-1)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-1-1)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表し、n1は0~5の整数を表し、1~5の整数であることも好ましい。また、下記構造における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 Xが、式(V-2)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-2-1)で表される基であることが好ましい。本明細書において、環構造の辺と交差する結合は、その環構造における水素原子のいずれかを置換することを意味している。下記式中、LX1は単結合又は-O-を表し、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。また、RX1の定義及び好ましい態様は上述の通りである。また、これらの構造における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 Xが、式(V-3)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-3-1)又は式(V-3-2)で表される基であることが好ましく、硬化物の誘電率を低下させる等の観点からは、式(V-3-2)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。また、RX2及びRX3の定義及び好ましい態様は上述の通りである。また、これらの構造における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 Xが、式(V-4)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-4-1)で表される基であることが好ましい。
 下記式(V-4-1)中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表し、n1は1~5の整数を表す。また、式(V-4-1)における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。公知の置換基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。ただし、(V-4-1)で表される構造における水素原子がいずれも置換されていないことも好ましい。
 Xが、式(V-5)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-5-1)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。また、式(V-5-1)における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。公知の置換基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。ただし、(V-5-1)で表される構造における水素原子がいずれも置換されていないことも好ましい。
 Xが、式(V-6)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-6-1)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。また、下記構造における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 Xが、式(V-7)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-7-1)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。また、下記構造における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 Xが、式(V-8)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-8-1)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。RX5の定義及び好ましい態様は上述の通りである。また、下記構造における水素原子は、又は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 Xが、式(V-9)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-9-1)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。また、下記構造における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 Xが、式(V-10)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Xは下記式(V-10-1)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は式(1-1)中のXが結合する4つのカルボニル基との結合部位を表す。また、下記構造における水素原子は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
 また、式(1-1)中、Xは下記式(2a)~式(2g)で表される構造のいずれかであることが好ましい。
 式(2a)~式(2g)中、L及びLはそれぞれ独立に、それぞれが結合するベンゼン環と共役しない2価の基、又は、単結合であり、*1~*4はそれぞれ式(1-2)に記載されたカルボニル基との結合部位を表し、これらの構造中における水素原子は置換基により置換されていてもよい。
 式(2c)中、L及びLはそれぞれ独立に、-CH-又は-O-であることが好ましい。
 式(2a)~式(2g)中における水素原子は置換基により置換されていてもよいが、置換基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられ、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、メチル基又はトリフルオロメチル基がより好ましい。ハロゲン化アルキル基とは、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子により置換された基をいう。ハロゲン原子としては、F又はClが好ましく、Fがより好ましい。
 その他、Xは特開2023-003421号公報の段落0055~0057に記載のテトラカルボン酸二無水物から無水物基の除去後に残存するテトラカルボン酸残基であってもよい。
 また、Xは構造中にイミド結合を含まないことが好ましい。
 また、Xは構造中にウレタン結合、ウレア結合及びアミド結合を含まないことが好ましい。
 本発明において、ウレタン結合とは*-O-C(=O)-NR-*で表される結合であり、Rは水素原子又は1価の有機基を表し、*はそれぞれ、炭素原子との結合部位を表す。Rは水素原子又は炭化水素基が好ましく、水素原子又はアルキル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
 本発明において、ウレア結合とは、*-NR-C(=O)-NR-*で表される結合であり、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、*はそれぞれ、炭素原子との結合部位を表す。Rの好ましい態様は上述の通りである。
 更に、Xは構造中にエステル結合を含まないことが好ましい。
 本発明において、エステル結合とは、*-O-C(=O)-*で表される結合である。
 これらの中でも、Xはイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合及びアミド結合を含まないことが好ましく、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合及びエステル結合を含まないことがより好ましい。
-Y
 式(1-1)中、Yの炭素数は、4以上であることが好ましく、4~50であることがより好ましく、6~40であることがさらに好ましい。
 式(1-1)中、Yはエチレン性不飽和結合を含む基を有することが好ましい。
 上記エチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロキシ基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基などが挙げられる。
 反応性の観点からは、(メタ)アクリロキシ基が好ましく、膜の誘電正接を低下させる観点からは、ビニルフェニル基、又は、マレイミド基が好ましい。
 式(1-1)中、Yは式(C-1)~式(C-5)で表される構造を含む構造であることが好ましい。
 式(C-1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、Lは単結合又は-O-を表し、n1は0~3の整数を表し、n2は0~3の整数を表し、*は他の構造との結合部位を表す。
 式(C-2)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、n1は0~3の整数を表し、n2は0~3の整数を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基又はフルオロアルキル基を表し、*は他の構造との結合部位を表す。
 式(C-3)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、n1は0~3の整数を表し、*は他の構造との結合部位を表す。
 式(C-4)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、n1は0~3の整数を表し、*は他の構造との結合部位を表す。
 式(C-5)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、n1は0~3の整数を表し、n2は0~3の整数を表し、Rはそれぞれ独立に、アルキル基又はフルオロアルキル基を表し、*は他の構造との結合部位を表す。
 式(C-1)中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基又はハロゲン化アルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のハロゲン化アルキル基であることがより好ましく、メチル基又はトリフルオロメチル基が更に好ましい。ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子としては、F又はClが好ましく、Fがより好ましい。
 また、式(C-1)中、Rはそれぞれ独立に、後述する式(RP-1)で表される基であることも好ましい。
 式(C-1)中、Lは-O-が好ましい。
 式(C-1)中、n1は0又は1が好ましく、1がより好ましい。
 式(C-1)中、n2は0又は1が好ましく、1がより好ましい。
 式(C-2)中、R、n1及びn2の好ましい態様はそれぞれ、式(C-1)中の、R、n1及びn2の好ましい態様と同様である。
 式(C-2)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のフルオロアルキル基であることが好ましく、メチル基又はトリフルオロメチル基がより好ましい。
 式(C-3)中、R及びn1の好ましい態様はそれぞれ、式(C-1)中の、R及びn1の好ましい態様と同様である。
 式(C-4)中、R及びn1の好ましい態様はそれぞれ、式(C-1)中の、R及びn1の好ましい態様と同様である。
 式(C-5)中、R、R、n1及びn2の好ましい態様はそれぞれ、式(C-2)中の、R、R、n1及びn2の好ましい態様と同様である。
 式(C-1)~式(C-5)中、*はいずれも窒素原子との結合部位であることが好ましい。
 また、Yが、式(C-1)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Yは下記式(C-1-2)又は式(C-1-3)で表される基であることが好ましい。下記式中、*は窒素原子との結合部位を表し、n1は0~5の整数を表す。またn1が0である態様も、本発明の好ましい態様の一つである。また、下記構造における水素原子は、後述する式(RP-1)で表される基、又は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。公知の置換基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
 また、Yが、式(C-2)で表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む基である場合、Yは下記式(C-2-3)又は式(C-2-4)で表される基であることが好ましく、硬化物の誘電率を低下させる等の観点からは、式(C-2-4)で表される基であることが好ましい。下記式中、LX1は単結合又は-O-を表し、*は窒素原子との結合部位を表す。また、Rの定義及び好ましい態様は上述の通りである。また、これらの構造における水素原子は、後述する式(RP-1)で表される基、又は、炭化水素基等の公知の置換基により更に置換されていてもよい。
〔式(RP-1)で表される基〕
 式(C-1)~式(C-5)中、Rはそれぞれ独立に式(RP-1)で表される基であることも好ましい。
 式(RP-1)中、Lはa1+1価の連結基を表し、Aは重合性基を表し、a1は1以上の整数を表し、*は式(C-1)~式(C-5)における炭素原子との結合部位を表す。
 式(RP-1)中、Lは下記式(L-2)で表される基であることが好ましい。
 式(L-2)中、Zは-O-、-NR-、-C(=O)O-又は-C(=O)NR-を表し、Rは水素原子又は1価の有機基を表し、a1が1である場合、Lは単結合又は2価の連結基を表し、a1が2以上である場合、Lはa1+1価の連結基を表し、a1は1以上の整数を表し、*は式(C-1)~式(C-5)における炭素原子との結合部位を表し、#は式(RP-1)中のAとの結合部位を表す。
 式(L-2)中、Zは-O-又は-C(=O)O-であることが好ましい。また、Zが-NR-である場合、Rは水素原子又は炭化水素基が好ましく、水素原子、アルキル基又はフェニル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
 式(L-2)中、a1が1である場合、Lはアルキレン基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1~4のアルキレン基であることが更に好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。
 式(L-2)中、a1が2以上である場合、Lは炭化水素基、ヘテロ環基、又は、これらの組み合わせにより表される基であることが好ましく、炭素数2~20の飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数3~15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましい。
 式(L-2)中、a1は式(RP-1)中のa1と同義である。
 式(RP-1)中、Aは重合性基を表す。重合性基の好ましい態様は、上述の特定樹脂が有する重合性基の好ましい態様の通りである。
 これらの中でも、Aはビニルフェニル基、(メタ)アクリロキシ基、ビニルエーテル基、マレイミド基、アリル基又はこれらを含む基であることが好ましく、マレイミド基、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基又はビニルフェニル基であることがより好ましい。特に、反応性の観点からは(メタ)アクリロキシ基が好ましい。また、硬化物の誘電正接を低下させる観点からは、マレイミド基又はビニルフェニル基が好ましい。
 特に、式(2)に含まれる式(RP-1)におけるAの少なくとも1つが、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロキシ基、ビニルエーテル基、マレイミド基、アリル基、エポキシ基又はこれらを含む基であることが好ましく、マレイミド基、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基又はビニルフェニル基であることがより好ましく、ビニルフェニル基であることが更に好ましい。
 これらの中でも、式(RP-1)におけるAがビニルフェニル基であり、Lが式(L-2-1)で表される基であることが好ましい。
 式(L-2-1)中、LX2は炭化水素基を表し、a1は1以上の整数を表し、*は式(C-1)~式(C-5)における炭素原子との結合部位を表し、#は式(RP-1)中のAとの結合部位を表す。
 式(L-2-1)中、LX2は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
 a1が1の場合、LX2はアルキレン基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~4のアルキレン基が更に好ましく、メチレン基が特に好ましい。
 式(L-2-1)中、a1は式(RP-1)中のa1と同義である。
 また、式(RP-1)におけるAがマレイミド基であり、Lが式(L-2)で表される基であって、式(L-2)におけるLが芳香族基、又は、炭素数4以上の脂肪族飽和炭化水素基であることが好ましい。
 上記芳香族基としては、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基のいずれであってもよいが、芳香族炭化水素基が好ましい。
 芳香族炭化水素基としては、炭素数6~10の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数6の芳香族炭化水素基がより好ましい。
 芳香族ヘテロ環基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。芳香族ヘテロ環基におけるヘテロ原子の数は、1又は2が好ましい。また、芳香族ヘテロ環基としては、上記ヘテロ原子を含む5員環又は6員環が好ましい。更に、芳香族ヘテロ環基には、他の芳香族ヘテロ環基又は他の芳香族炭化水素環基が縮合していてもよい。
 炭素数4以上の脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状、又はこれらの組み合わせにより表される構造のいずれであってもよい。
 炭素数4以上の脂肪族飽和炭化水素基の炭素数は、4~20であることが好ましく、5~10であることがより好ましい。
 式(RP-1)中、a1は1~4の整数であることが好ましく、1~2の整数であることがより好ましい。また、a1が1である態様も、本発明の好ましい態様の一つである。
 また、式(RP-1)中に含まれるエステル結合の数は1又は0であることが好ましい。
 その他、Yは特開2023-003421号公報の段落0042~0053に記載の基であってもよい。
 また、Yは構造中にイミド結合を含まないことが好ましい。
 また、Yは構造中にウレタン結合、ウレア結合及びアミド結合を含まないことが好ましい。
 更に、Yは構造中にエステル結合を含まないことが好ましい。
 これらの中でも、Yはイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合及びアミド結合を含まないことが好ましく、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合及びエステル結合を含まないことがより好ましい。
 特定樹脂は、式(1-2)で表される繰返し単位、式(1-3)で表される繰返し単位、及び、式(1-4)で表される繰返し単位からなる群より選ばれた少なくとも1種の繰返し単位を更に含んでもよい。
 式(1-2)中、Aは-O-又は-NR-であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。
 式(1-3)中、Aは-O-又は-NR-であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。
 式(1-4)中、A41及びA42はそれぞれ独立に、-O-又は-NR-であり、Rは水素原子又は1価の有機基であり、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。
-A
 式(1-2)におけるAは、-O-又は-NR-を表し、-O-が好ましい。
 Rは水素原子又は1価の有機基を表し、水素原子が好ましい。
-R
 式(1-2)におけるRは、水素原子又は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、直鎖又は分岐のアルキル基、環状アルキル基、芳香族基、又はポリアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
 また、Rが重合性基を含むことが好ましい。重合性基としては、熱、ラジカル等の作用により、架橋反応することが可能な基であって、ラジカル重合性基が好ましい。重合性基の具体例としては、エチレン性不飽和結合を有する基、アルコキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アシルオキシメチル基、エポキシ基、オキセタニル基、ベンゾオキサゾリル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基が挙げられる。特定樹脂が有するラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和結合を有する基が好ましい。
 エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、イソアリル基、2-メチルアリル基、ビニル基と直接結合した芳香環を有する基(例えば、ビニルフェニル基など)、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アクリロイルオキシ基、下記式(III)で表される基などが挙げられ、下記式(III)で表される基が好ましい。
 式(III)において、R200は、水素原子、メチル基、エチル基又はメチロール基を表し、水素原子又はメチル基が好ましい。
 式(III)において、*は他の構造との結合部位を表す。
 式(III)において、R201は、炭素数2~12のアルキレン基、-CHCH(OH)CH-、シクロアルキレン基又はポリアルキレンオキシ基を表す。
 好適なR201の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基等のアルキレン基、1,2-ブタンジイル基、1,3-ブタンジイル基、-CHCH(OH)CH-、ポリアルキレンオキシ基が挙げられ、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、-CHCH(OH)CH-、シクロヘキシル基、ポリアルキレンオキシ基がより好ましく、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、又はポリアルキレンオキシ基が更に好ましい。
 本発明において、ポリアルキレンオキシ基とは、アルキレンオキシ基が2以上直接結合した基をいう。ポリアルキレンオキシ基に含まれる複数のアルキレンオキシ基におけるアルキレン基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 ポリアルキレンオキシ基が、アルキレン基が異なる複数種のアルキレンオキシ基を含む場合、ポリアルキレンオキシ基におけるアルキレンオキシ基の配列は、ランダムな配列であってもよいし、ブロックを有する配列であってもよいし、交互等のパターンを有する配列であってもよい。
 上記アルキレン基の炭素数(アルキレン基が置換基を有する場合、置換基の炭素数を含む)は、2以上であることが好ましく、2~10であることがより好ましく、2~6であることがより一層好ましく、2~5であることが更に好ましく、2~4であることが一層好ましく、2又は3であることがより更に好ましく、2であることが特に好ましい。
 また、上記アルキレン基は、置換基を有していてもよい。好ましい置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。
 また、ポリアルキレンオキシ基に含まれるアルキレンオキシ基の数(ポリアルキレンオキシ基の繰返し数)は、2~20が好ましく、2~10がより好ましく、2~6が更に好ましい。
 ポリアルキレンオキシ基としては、溶剤溶解性及び耐溶剤性の観点からは、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリトリメチレンオキシ基、ポリテトラメチレンオキシ基、又は、複数のエチレンオキシ基と複数のプロピレンオキシ基とが結合した基が好ましく、ポリエチレンオキシ基又はポリプロピレンオキシ基がより好ましく、ポリエチレンオキシ基が更に好ましい。上記複数のエチレンオキシ基と複数のプロピレンオキシ基とが結合した基において、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とはランダムに配列していてもよいし、ブロックを形成して配列していてもよいし、交互等のパターン状に配列していてもよい。これらの基におけるエチレンオキシ基等の繰返し数の好ましい態様は上述の通りである。
 式(1-2)において、Rが水素原子である場合、特定樹脂はエチレン性不飽和結合を有する3級アミン化合物と対塩を形成していてもよい。このようなエチレン性不飽和結合を有する3級アミン化合物の例としては、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレートが挙げられる。
-X及びY
 式(1-2)中、X及びYの好ましい態様は、式(1-1)中のX及びYの好ましい態様と同様である。ただし、X及びYの説明における「式(1-1)」の記載は、「式(1-2)」と読み替えるものとする。
-A、R、X、Y
 式(1-3)におけるA及びRの好ましい態様は、式(1-2)におけるA及びRの好ましい態様と同様である。ただし、A及びRの説明における「式(1-2)」の記載は、「式(1-3)」と読み替えるものとする。
 式(1-3)におけるX及びYの好ましい態様は、式(1-1)におけるX及びYの好ましい態様と同様である。ただし、X及びYの説明における「式(1-1)」の記載は、「式(1-3)」と読み替えるものとする。
-A41、A42、R41、R42、X、Y
 式(1-4)におけるA41及びA42の好ましい態様は、それぞれ、式(1-2)におけるAの好ましい態様と同様である。ただし、Aの説明における「式(1-2)」の記載は、「式(1-4)」と読み替えるものとする。
 式(1-4)におけるR41及びR42の好ましい態様は、それぞれ、式(1-2)におけるRの好ましい態様と同様である。ただし、Rの説明における「式(1-2)」の記載は、「式(1-4)」と読み替えるものとする。
 式(1-4)におけるX及びYの好ましい態様は、式(1-1)におけるX及びYの好ましい態様と同様である。ただし、X及びYの説明における「式(1-1)」の記載は、「式(1-4)」と読み替えるものとする。
 特定樹脂は、下記繰返し単位A-1を含むことが好ましく、下記繰返し単位A-1に加えて、下記繰返し単位A-2、繰返し単位A-3、及び、繰返し単位A-4からなる群より選ばれた少なくとも1種の繰返し単位を含んでもよい。
 繰返し単位A-1:式(1-1)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)~式(V-10)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位
 繰返し単位A-2:式(1-2)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)~式(V-10)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位
 繰返し単位A-3:式(1-3)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)~式(V-10)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位
 繰返し単位A-4:式(1-4)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)~式(V-10)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位
 繰返し単位A-1は、式(1-1)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)、式(V-2)、式(V-3)、式(V-5)、又は、式(V-8)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位であることが好ましい。
 繰返し単位A-2は、式(1-2)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)、式(V-2)、式(V-3)、式(V-5)、又は、式(V-8)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位であることが好ましい。
 繰返し単位A-3は、式(1-3)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)、式(V-2)、式(V-3)、式(V-5)、又は、式(V-8)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位であることが好ましい。
 繰返し単位A-4は、式(1-4)で表される繰返し単位であって、Xが式(V-1)、式(V-2)、式(V-3)、式(V-5)、又は、式(V-8)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含む繰返し単位であることが好ましい。
 本発明における特定樹脂の一実施形態として、式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)又は式(1-4)で表される繰返し単位の合計含有量が、全繰返し単位の50モル%以上である態様が挙げられる。上記合計含有量は、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましく、90モル%超であることが特に好ましい。上記合計含有量の上限は、特に限定されず、末端を除く特定樹脂における全ての繰返し単位が、式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)又は式(1-4)で表される繰返し単位で表される繰返し単位であってもよい。
 また、本発明における特定樹脂の別の一実施形態として、式(1-1)で表される繰返し単位の合計含有量が、全繰返し単位の50モル%以上である態様が挙げられる。上記合計含有量は、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましく、90モル%超であることが特に好ましい。上記合計含有量の上限は、特に限定されず、末端を除く特定樹脂における全ての繰返し単位が、式(1-1)で表される繰返し単位であってもよい。
 また、本発明における特定樹脂は、繰返し単位A-1、繰返し単位A-2、繰返し単位A-3又は繰返し単位A-4に該当する繰返し単位(「繰返し単位A」ともいう。)の合計含有量が、全繰返し単位の50モル%以上であることが好ましい。上記合計含有量は、60モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることが更に好ましく、80モル%以上であることが特に好ましい。上記合計含有量の上限は、特に限定されず、末端を除く特定樹脂における全ての繰返し単位が、繰返し単位Aであってもよい。
 特定樹脂の重量平均分子量(Mw)は、120,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましく、40,000未満であることが更に好ましい。
 また、上記Mwは5,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましく、15,000以上であることがさらに好ましい。
特定樹脂の数平均分子量(Mn)は、40,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、20,000以下が更に好ましい。
 また、上記Mnは2,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがより好ましく、4,000以上であることがさらに好ましい。
 上記特定樹脂の分子量の分散度は、1.5以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。特定樹脂の分子量の分散度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、7.0以下が好ましく、6.5以下がより好ましく、6.0以下が更に好ましい。
 本明細書において、分子量の分散度とは、重量平均分子量/数平均分子量により算出される値である。
 樹脂組成物が特定樹脂として複数種の特定樹脂を含む場合、少なくとも1種の特定樹脂の重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が上記範囲であることが好ましい。また、上記複数種の特定樹脂を1つの樹脂として算出した重量平均分子量、数平均分子量、及び、分散度が、それぞれ、上記範囲内であることも好ましい。
〔酸価〕
 ポリイミドの酸価は、1~35mgKOH/gが好ましく、2~30mgKOH/gがより好ましく、5~20mgKOH/gが更に好ましい。
 上記酸価は、公知の方法により測定され、例えば、JIS K 0070:1992に記載の方法により測定される。
 ポリイミドに含まれる酸基としては、保存安定性及び現像性の両立の観点から、pKaが0~10である酸基が好ましく、3~8である酸基がより好ましい。
 pKaとは、酸から水素イオンが放出される解離反応を考え、その平衡定数Kaをその負の常用対数pKaによって表したものである。本明細書において、pKaは、特に断らない限り、ACD/ChemSketch(登録商標)による計算値とする。pKaは、日本化学会編「改定5版 化学便覧 基礎編」に掲載の値を参照してもよい。
 酸基が例えばリン酸等の多価の酸である場合、上記pKaは第一解離定数である。
 このような酸基として、ポリイミドは、カルボキシ基、及び、フェノール性ヒドロキシ基からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましく、フェノール性ヒドロキシ基を含むことがより好ましい。
〔特定樹脂の製造方法〕
 特定樹脂は、例えば、国際公開第2022/145355号の段落0134~0136に記載の方法により製造される。上記記載は本明細書に組み込まれる。また、その他公知の方法を参考に合成すればよい。
〔含有量〕
 本発明の樹脂組成物における特定樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが一層好ましい。また、本発明の樹脂組成物における樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることが更に好ましく、97質量%以下であることが一層好ましく、95質量%以下であることがより一層好ましい。
 本発明の樹脂組成物は、特定樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
 本発明の樹脂組成物は、少なくとも2種の樹脂を含むことも好ましい。
 具体的には、本発明の樹脂組成物は、特定樹脂と、後述する他の樹脂とを合計で2種以上含んでもよいし、特定樹脂を2種以上含んでいてもよいが、特定樹脂を2種以上含むことが好ましい。
 本発明の樹脂組成物が特定樹脂を2種以上含む場合、例えば、ポリイミドであって、二無水物由来の構造が異なる2種以上のポリイミドを含むことが好ましい。
<他の樹脂>
 本発明の樹脂組成物は、上述した特定樹脂と、特定樹脂とは異なる他の樹脂(以下、単に「他の樹脂」ともいう)とを含んでもよい。
 他の樹脂としては、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、シロキサン構造を含む樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、スチリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
 例えば、(メタ)アクリル樹脂を更に加えることにより、塗布性に優れた樹脂組成物が得られ、また、耐溶剤性に優れたパターン(硬化物)が得られる。
 例えば、後述する重合性化合物に代えて、又は、後述する重合性化合物に加えて、重量平均分子量が20,000以下の重合性基価の高い(例えば、樹脂1gにおける重合性基の含有モル量が1×10-3モル/g以上である)(メタ)アクリル樹脂を樹脂組成物に添加することにより、樹脂組成物の塗布性、パターン(硬化物)の耐溶剤性等を向上させることができる。
 本発明の樹脂組成物が他の樹脂を含む場合、他の樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが更に好ましく、2質量%以上であることが一層好ましく、5質量%以上であることがより一層好ましく、10質量%以上であることが更に一層好ましい。
 本発明の樹脂組成物が他の樹脂を含む場合、他の樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましく、60質量%以下であることが一層好ましく、50質量%以下であることがより一層好ましい。
 本発明の樹脂組成物の好ましい一態様として、他の樹脂の含有量が低含有量である態様とすることもできる。上記態様において、他の樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが一層好ましく、1質量%以下であることがより一層好ましい。上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%以上であればよい。
 本発明の樹脂組成物は、他の樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<重合性化合物>
 本発明の樹脂組成物は、重合性化合物を含むことが好ましい。
 重合性化合物を含むことにより、硬化物の常温弾性率が増加し、CMPにおける研磨速度が増加する傾向にある。
 また、重合性化合物を含むことにより、揮発成分が減少するため平坦性に優れた硬化物がえられると考えられる。
 中でも、本発明の樹脂組成物は、環構造を有する重合性化合物を含むことが好ましい。
 環構造としては、脂肪族環構造であっても芳香環構造であってもよいし、これらを組み合わせた環構造であってもよいが、脂肪族環構造を含むことが好ましい。
 芳香環構造としては、芳香族炭化水素環構造であっても芳香族ヘテロ環構造であってもよいが、芳香族炭化水素環構造が好ましく、ベンゼン環構造がより好ましい。
 脂肪族環構造としては、脂肪族炭化水素環構造であっても脂肪族ヘテロ環構造であってもよいが、脂肪族炭化水素環構造が好ましい。
 環構造を含む重合性化合物に含まれる環構造の具体例としては、シクロヘキサン環、ノルボルネン環、イソノルボルネン環、ジシクロペンタン環、アダマンタン環、ポリフェニル環、フルオレン環、アセナフチル環などが挙げられる。
 環構造を有する重合性化合物における環構造の数は、1~6個であることが好ましく、1~4個であることがより好ましく、1個又は2個であることが更に好ましい。
 環構造を有する重合性化合物における重合性基としては、エチレン性不飽和結合を有する基、アルコキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アシルオキシメチル基、エポキシ基、オキセタニル基、ベンゾオキサゾリル基等が挙げられ、エチレン性不飽和結合を有する基が好ましい。
 エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、イソアリル基、2-メチルアリル基、ビニル基と直接結合した芳香環を有する基(例えば、ビニルフェニル基など)、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アクリロイルオキシ基などが挙げられ、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。
 環構造を有する重合性化合物における重合性基の数は、1~10個であることが好ましく、1~6個であることがより好ましく、1個又は2個であることが更に好ましく、2個であることが特に好ましい。
 また、本発明の樹脂組成物は、単独重合体のガラス転移温度が200℃以上である重合性化合物を含むことが好ましい。
 単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、例えば、ASTMD3418-8に準拠して、示差走査熱量計により測定される。なお、分子量によってガラス転移温度(Tg)が変化するが、重量平均分子量10,000以上とすれば、分子量によるTgの変動は無視できる程度である。
 上記ガラス転移温度は、210℃以上であることが好ましく、220℃以上であることがより好ましい。また、上記ガラス転移温度の上限は、特に限定されないが、例えば350℃以下とすることができる。
 重合性化合物としては、ラジカル重合性基を有する重合性化合物(ラジカル架橋剤)、又は、他の架橋剤が挙げられる。
〔ラジカル架橋剤〕
 本発明の樹脂組成物は、ラジカル架橋剤を含むことが好ましい。
 ラジカル架橋剤は、ラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和結合を含む基が好ましい。上記エチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基などが挙げられる。
 これらの中でも、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルフェニル基が好ましく、反応性の観点からは、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
 ラジカル架橋剤は、エチレン性不飽和結合を1個以上有する化合物であることが好ましいが、2個以上有する化合物であることがより好ましい。ラジカル架橋剤は、エチレン性不飽和結合を3個以上有していてもよい。
 上記エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物としては、エチレン性不飽和結合を2~15個有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合を2~10個有する化合物がより好ましく、2~6個有する化合物が更に好ましい。
 得られるパターン(硬化物)の膜強度の観点からは、本発明の樹脂組成物は、エチレン性不飽和結合を2個有する化合物と、上記エチレン性不飽和結合を3個以上有する化合物とを含むことも好ましい。
 ラジカル架橋剤の分子量は、2,000以下が好ましく、1,500以下がより好ましく、900以下が更に好ましい。ラジカル架橋剤の分子量の下限は、100以上が好ましい。
 ラジカル架橋剤の具体例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類である。また、ヒドロキシ基やアミノ基、スルファニル基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲノ基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。具体例としては、特開2016-027357号公報の段落0113~0122の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 ラジカル架橋剤は、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物としては、国際公開第2021/112189号の段落0203に記載の化合物等が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
 上述以外の好ましいラジカル架橋剤としては、国際公開第2021/112189号の段落0204~0208に記載のラジカル重合性化合物等が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
 ラジカル架橋剤としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D-330(日本化薬(株)製))、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D-320(日本化薬(株)製)、A-TMMT(新中村化学工業(株)製))、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D-310(日本化薬(株)製))、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)、A-DPH(新中村化学工業社製))、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を介して結合している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
 ラジカル架橋剤の市販品としては、例えばエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR-494、エチレンオキシ鎖を4個有する2官能メタクリレートであるSR-209、231、239(以上、サートマー社製)、ペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA-60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA-330(以上、日本化薬(株)製)、ウレタンオリゴマーであるUAS-10、UAB-140(以上、日本製紙社製)、NKエステルM-40G、NKエステル4G、NKエステルM-9300、NKエステルA-9300、UA-7200(以上、新中村化学工業社製)、DPHA-40H(日本化薬(株)製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600(以上、共栄社化学社製)、ブレンマーPME400(日油(株)製)などが挙げられる。
 ラジカル架橋剤としては、特公昭48-041708号公報、特開昭51-037193号公報、特公平02-032293号公報、特公平02-016765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58-049860号公報、特公昭56-017654号公報、特公昭62-039417号公報、特公昭62-039418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。ラジカル架橋剤として、特開昭63-277653号公報、特開昭63-260909号公報、特開平01-105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する化合物を用いることもできる。
 ラジカル架橋剤は、カルボキシ基、リン酸基等の酸基を有するラジカル架橋剤であってもよい。酸基を有するラジカル架橋剤は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせたラジカル架橋剤がより好ましい。特に好ましくは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせたラジカル架橋剤において、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールである化合物である。市販品としては、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M-510、M-520などが挙げられる。
 酸基を有するラジカル架橋剤の酸価は、0.1~300mgKOH/gが好ましく、1~100mgKOH/gがより好ましい。ラジカル架橋剤の酸価が上記範囲であれば、製造上の取扱性に優れ、現像性に優れる。また、重合性が良好である。上記酸価は、JIS K 0070:1992の記載に準拠して測定される。
 ラジカル架橋剤としては、ウレア結合、及び、ウレタン結合からなる群より選ばれた少なくとも一方を有するラジカル架橋剤(以下、「架橋剤U」ともいう。)も好ましい。
 架橋剤Uとしては、国際公開第2023/190064号の段落0133~0143に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
 樹脂組成物は、パターンの解像性と膜の伸縮性の観点から、2官能のメタアクリレート又はアクリレートを用いることが好ましい。
 具体的な化合物としては、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、PEG(ポリエチレングリコール)200ジアクリレート、PEG200ジメタクリレート、PEG600ジアクリレート、PEG600ジメタクリレート、ポリテトラエチレングリコールジアクリレート、ポリテトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジメタクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキシド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキシド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート、その他ウレタン結合を有する2官能アクリレート、ウレタン結合を有する2官能メタクリレートを使用することができる。これらは必要に応じ、2種以上を混合し使用することができる。
 なお、例えばPEG200ジアクリレートとは、ポリエチレングリコールジアクリレートであって、ポリエチレングリコール鎖の式量が200程度のものをいう。
 本発明の樹脂組成物は、パターン(硬化物)の反り抑制の観点から、ラジカル架橋剤として、単官能ラジカル架橋剤を好ましく用いることができる。単官能ラジカル架橋剤としては、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム等のN-ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテル等が好ましく用いられる。単官能ラジカル架橋剤としては、露光前の揮発を抑制するため、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。
 その他、2官能以上のラジカル架橋剤としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類が挙げられる。
 ラジカル架橋剤を含有する場合、ラジカル架橋剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0質量%超60質量%以下であることが好ましい。下限は5質量%以上がより好ましい。上限は、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。
 ラジカル架橋剤は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を併用する場合にはその合計量が上記の範囲となることが好ましい。
〔他の架橋剤〕
 本発明の樹脂組成物は、上述したラジカル架橋剤とは異なる、他の架橋剤を含むことも好ましい。
 他の架橋剤とは、上述したラジカル架橋剤以外の架橋剤をいい、光酸発生剤、又は、光塩基発生剤の感光により、組成物中の他の化合物又はその反応生成物との間で共有結合を形成する反応が促進される基を分子内に複数個有する化合物であることが好ましく、組成物中の他の化合物又はその反応生成物との間で共有結合を形成する反応が酸又は塩基の作用によって促進される基を分子内に複数個有する化合物が好ましい。
 他の架橋剤としては、国際公開第2022/145355号の段落0179~0207に記載の化合物が挙げられる。上記記載は本明細書に組み込まれる。
 他の架橋剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し0.1~30質量%であることが好ましく、0.1~20質量%であることがより好ましく、0.5~15質量%であることが更に好ましく、1.0~10質量%であることが特に好ましい。他の架橋剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。他の架橋剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
〔重合開始剤〕
 本発明の樹脂組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
 重合開始剤を含むことにより、架橋が促進されるため膜の常温弾性率が増加し、CMP時の研磨速度が増大する。
 重合開始剤としては、光又は熱により重合を開始させることができる重合開始剤を含むことが好ましく、光及び熱により重合を開始させることができる重合開始剤を含むことも好ましい。
 これらの中でも、架橋度が高くなり硬化膜の硬度が増加してCMP研磨しやすくなる観点からは、重合開始剤としては、熱重合開始剤を含むことが好ましい。
 また、露光、現像による硬化膜のパターニングを可能とする観点からは、CMP研磨しやすくなる観点からは、重合開始剤としては、光重合開始剤を含むことが好ましい。
-熱重合開始剤-
 本発明の樹脂組成物は、熱重合開始剤を含んでもよく、特に熱ラジカル重合開始剤を含んでもよい。熱ラジカル重合開始剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性を有する化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル重合開始剤を添加することによって樹脂及び重合性化合物の重合反応を進行させることもできるので、より耐溶剤性を向上できる。また、後述の光重合開始剤も熱により重合を開始する機能を有する場合があり、熱重合開始剤として添加することができる場合がある。
 熱重合開始剤としては、公知のアゾ系化合物、公知の過酸化物系化合物等が挙げられる。アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができる。アゾ系化合物は、シアノ基を有する化合物であってもよく、シアノ基を有さない化合物であってもよい。過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、等を挙げることができる。
 熱重合開始剤としては、市販品を用いることもでき、富士フイルム和光純薬(株)製のV-40、V-601、VF-096、日油(株)製のパーへキシルO、パーへキシルD、パーへキシルI、パーヘキシン25B、パーヘキサ25O、パーヘキサ25Z、パーブチルP、パーブチルL、パーブチルD、パークミルD、パークミルD-40、パークミルD-40MB、パークミルH、パークミルP、パークミルND等が挙げられる。
 熱ラジカル重合開始剤として、具体的には、特開2008-063554号公報の段落0074~0118に記載されている化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 熱重合開始剤を含む場合、その含有量は、本発明の樹脂組成物の全固形分に対し0.1~30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1~20質量%であり、更に好ましくは0.5~15質量%である。熱重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。熱重合開始剤を2種以上含有する場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
-光重合開始剤-
 光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光励起された増感剤と作用し、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
 光ラジカル重合開始剤は、波長約240~800nm(好ましくは330~500nm)の範囲内で少なくとも約50L・mol-1・cm-1のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
 光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を任意に使用できる。例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物、トリハロメチル基を有する化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノンなどのα-アミノケトン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどのα-ヒドロキシケトン化合物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物、鉄アレーン錯体などが挙げられる。これらの詳細については、特開2016-027357号公報の段落0165~0182、国際公開第2015/199219号の段落0138~0151の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2014-130173号公報の段落0065~0111、特許第6301489号公報に記載された化合物、MATERIAL STAGE 37~60p,vol.19,No.3,2019に記載されたパーオキサイド系光重合開始剤、国際公開第2018/221177号に記載の光重合開始剤、国際公開第2018/110179号に記載の光重合開始剤、特開2019-043864号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-044030号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-167313号公報に記載の過酸化物系開始剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 ケトン化合物としては、例えば、特開2015-087611号公報の段落0087に記載の化合物が例示され、この内容は本明細書に組み込まれる。市販品では、カヤキュア-DETX-S(日本化薬(株)製)も好適に用いられる。
 本発明の一実施態様において、光ラジカル重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物を好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10-291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤を用いることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 α-ヒドロキシケトン系開始剤としては、Omnirad 184、Omnirad 1173、Omnirad 2959、Omnirad 127(以上、IGM Resins B.V.社製)、IRGACURE 184(IRGACUREは登録商標)、DAROCUR 1173、IRGACURE 500、IRGACURE-2959、IRGACURE 127(以上、BASF社製)を用いることができる。
 α-アミノケトン系開始剤としては、Omnirad 907、Omnirad 369、Omnirad 369E、Omnirad 379EG(以上、IGM Resins B.V.社製)、IRGACURE 907、IRGACURE 369、及び、IRGACURE 379(以上、BASF社製)を用いることができる。
 アミノアセトフェノン系開始剤、アシルホスフィンオキシド系開始剤、メタロセン化合物としては、例えば、国際公開第2021/112189号の段落0161~0163に記載の化合物も好適に使用することができる。この内容は本明細書に組み込まれる。
 光ラジカル重合開始剤として、より好ましくはオキシム化合物が挙げられる。オキシム化合物を用いることにより、露光ラチチュードをより効果的に向上させることが可能になる。オキシム化合物は、露光ラチチュード(露光マージン)が広く、かつ、光硬化促進剤としても働くため、特に好ましい。
 オキシム化合物の具体例としては、特開2001-233842号公報に記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653-1660)に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156-162)に記載の化合物、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202-232)に記載の化合物、特開2000-066385号公報に記載の化合物、特表2004-534797号公報に記載の化合物、特開2017-019766号公報に記載の化合物、特許第6065596号公報に記載の化合物、国際公開第2015/152153号に記載の化合物、国際公開第2017/051680号に記載の化合物、特開2017-198865号公報に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0038に記載の化合物、国際公開第2013/167515号に記載の化合物などが挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 好ましいオキシム化合物としては、例えば、下記の構造の化合物や、3-(ベンゾイルオキシ(イミノ))ブタン-2-オン、3-(アセトキシ(イミノ))ブタン-2-オン、3-(プロピオニルオキシ(イミノ))ブタン-2-オン、2-(アセトキシ(イミノ))ペンタン-3-オン、2-(アセトキシ(イミノ))-1-フェニルプロパン-1-オン、2-(ベンゾイルオキシ(イミノ))-1-フェニルプロパン-1-オン、3-((4-トルエンスルホニルオキシ)イミノ)ブタン-2-オン、及び2-(エトキシカルボニルオキシ(イミノ))-1-フェニルプロパン-1-オンなどが挙げられる。樹脂組成物においては、特に光ラジカル重合開始剤としてオキシム化合物を用いることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としてのオキシム化合物は、分子内に>C=N-O-C(=O)-の連結基を有する。
 オキシム化合物の市販品としては、IRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02、IRGACURE OXE 03、IRGACURE OXE 04(以上、BASF社製)、アデカオプトマーN-1919((株)ADEKA製、特開2012-014052号公報に記載の光ラジカル重合開始剤2)、TR-PBG-304、TR-PBG-305(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI-730、NCI-831及びアデカアークルズNCI-930((株)ADEKA製)、DFI-091(ダイトーケミックス(株)製)、SpeedCure PDO(SARTOMER ARKEMA製)が挙げられる。また、下記の構造のオキシム化合物を用いることもできる。
 光ラジカル重合開始剤としては、例えば、国際公開第2021/112189号の段落0169~0171に記載のフルオレン環を有するオキシム化合物、カルバゾール環の少なくとも1つのベンゼン環がナフタレン環となった骨格を有するオキシム化合物、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。
 また、国際公開第2021/020359号の段落0208~0210に記載のニトロ基を有するオキシム化合物、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物、カルバゾール骨格にヒドロキシ基を有する置換基が結合したオキシム化合物を用いることもできる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 その他、光重合開始剤としては、特開2023-058585号公報の段落0113~0117に記載の化合物を用いることもできる。この記載は本願明細書に組み込まれる。
 樹脂組成物が光重合開始剤を含む場合、その含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し0.1~30質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、0.5~15質量%が更に好ましく、1.0~10質量%が更により好ましい。光重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。光重合開始剤を2種以上含有する場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
 なお、光重合開始剤は熱重合開始剤としても機能する場合があるため、オーブンやホットプレート等の加熱によって光重合開始剤による架橋を更に進行させられる場合がある。
〔増感剤〕
 樹脂組成物は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などと接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸又は塩基を生成する。
 使用可能な増感剤として、ベンゾフェノン系、ミヒラーズケトン系、クマリン系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アントラセン系、アントラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系等の化合物を使用することができる。
 増感剤としては、国際公開第2023/190064の段落0202に記載の化合物が挙げられる。
 樹脂組成物が増感剤を含む場合、増感剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、0.01~20質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましく、0.5~10質量%が更に好ましい。増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔連鎖移動剤〕
 本発明の樹脂組成物は、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683-684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内に-S-S-、-SO-S-、-N-O-、SH、PH、SiH、及びGeHを有する化合物群、RAFT(Reversible Addition Fragmentation chain Transfer)重合に用いられるチオカルボニルチオ基を有するジチオベンゾアート、トリチオカルボナート、ジチオカルバマート、キサンタート化合物等が用いられる。これらは、低活性のラジカルに水素を供与して、ラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。特に、チオール化合物を好ましく用いることができる。
 また、連鎖移動剤は、国際公開第2015/199219号の段落0152~0153に記載の化合物を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。
 樹脂組成物が連鎖移動剤を有する場合、連鎖移動剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0.01~20質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましく、0.5~5質量部が更に好ましい。連鎖移動剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。連鎖移動剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<塩基発生剤>
 本発明の樹脂組成物は、塩基発生剤を含んでもよい。ここで、塩基発生剤とは、物理的又は化学的な作用によって塩基を発生することができる化合物である。好ましい塩基発生剤としては、熱塩基発生剤および光塩基発生剤が挙げられる。
 特に、特定樹脂のイミド化率が100%未満である場合、樹脂組成物は塩基発生剤を含むことが好ましい。樹脂組成物が熱塩基発生剤を含有することによって、例えば加熱により特定樹脂の環化反応を促進でき、硬化物の機械特性や耐薬品性が良好なものとなり、例えば半導体パッケージ中に含まれる再配線層用層間絶縁膜としての性能が良好となる。
 塩基発生剤としては、イオン型塩基発生剤でもよく、非イオン型塩基発生剤でもよい。塩基発生剤から発生する塩基としては、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
 塩基発生剤は特に限定されず、公知の塩基発生剤を用いることができる。公知の塩基発生剤としては、例えば、カルバモイルオキシム化合物、カルバモイルヒドロキシルアミン化合物、カルバミン酸化合物、ホルムアミド化合物、アセトアミド化合物、カルバメート化合物、ベンジルカルバメート化合物、ニトロベンジルカルバメート化合物、スルホンアミド化合物、イミダゾール誘導体化合物、アミンイミド化合物、ピリジン誘導体化合物、α-アミノアセトフェノン誘導体化合物、4級アンモニウム塩誘導体化合物、イミニウム塩、ピリジニウム塩、α-ラクトン環誘導体化合物、フタルイミド誘導体化合物、アシルオキシイミノ化合物等が挙げられる。
 非イオン型塩基発生剤の具体例としては、国際公開第2022/145355号の段落0249~0275に記載の化合物が挙げられる。上記記載は本明細書に組み込まれる。
 樹脂組成物が塩基発生剤を含む場合、塩基発生剤の含有量は、樹脂組成物中の樹脂100質量部に対し、0.1~50質量部が好ましい。下限は、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましい。上限は、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましく、10質量部以下が一層好ましく、5質量部以下がより一層好ましく、4質量部以下が特に好ましい。
 塩基発生剤は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
<溶剤>
 本発明の樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
 溶剤は、公知の溶剤を任意に使用できる。溶剤は有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、環状炭化水素類、スルホキシド類、アミド類、ウレア類、アルコール類などの化合物が挙げられる。
 エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸へキシル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、アルキルオキシ酢酸アルキル(例えば、アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3-アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3-アルキルオキシプロピオン酸メチル、3-アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル等))、2-アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2-アルキルオキシプロピオン酸メチル、2-アルキルオキシプロピオン酸エチル、2-アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル))、2-アルキルオキシ-2-メチルプロピオン酸メチル及び2-アルキルオキシ-2-メチルプロピオン酸エチル(例えば、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸メチル、2-オキソブタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等が好適なものとして挙げられる。
 エーテル類として、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が好適なものとして挙げられる。
 ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、3-メチルシクロヘキサノン、レボグルコセノン、ジヒドロレボグルコセノン等が好適なものとして挙げられる。
 環状炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族炭化水素類、リモネン等の環式テルペン類が好適なものとして挙げられる。
 スルホキシド類として、例えば、ジメチルスルホキシドが好適なものとして挙げられる。
 アミド類として、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、N-ホルミルモルホリン、N-アセチルモルホリン等が好適なものとして挙げられる。
 ウレア類として、N,N,N’,N’-テトラメチルウレア、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が好適なものとして挙げられる。
 アルコール類として、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n-アミルアルコール、メチルアミルアルコール、および、ダイアセトンアルコール等が挙げられる。
 溶剤は、塗布面性状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。
 本発明では、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、トルエン、ジメチルスルホキシド、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、N-メチル-2-ピロリドン、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、レボグルコセノン、ジヒドロレボグルコセノンから選択される1種の溶剤、又は、2種以上で構成される混合溶剤が好ましい。ジメチルスルホキシドとγ-ブチロラクトンとの併用、ジメチルスルホキシドとγ-バレロラクトンとの併用、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドとγ-ブチロラクトンとの併用、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドとγ-ブチロラクトンとジメチルスルホキシドとの併用、又は、N-メチル-2-ピロリドンと乳酸エチルとの併用が特に好ましい。これらの併用された溶剤に、更にトルエンを溶剤の全質量に対して1~10質量%程度添加する態様も、本発明の好ましい態様の1つである。
 特に、樹脂組成物の保存安定性等の観点からは、溶剤としてγ-バレロラクトンを含む態様も、本発明の好ましい態様の1つである。このような態様において、溶剤の全質量に対するγ-バレロラクトンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。また、上記含有量の上限は、特に限定されず100質量%であってもよい。上記含有量は、樹脂組成物に含まれる特定樹脂などの成分の溶解度等を考慮して決定すればよい。
 また、ジメチルスルホキシドとγ-バレロラクトンとを併用する場合、溶剤の全質量に対して、60~90質量%のγ-バレロラクトンと10~40質量%のジメチルスルホキシドとを含むことが好ましく、70~90質量%のγ-バレロラクトンと10~30質量%のジメチルスルホキシドとを含むことがより好ましく、75~85質量%のγ-バレロラクトンと15~25質量%のジメチルスルホキシドとを含むことが更に好ましい。
 また、本発明の樹脂組成物は、溶剤としてγ-ブチロラクトン及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される1つ以上の溶剤と乳酸エチルとを含むことが好ましい。乳酸エチルを含むことにより成膜性に優れる。これは、乳酸エチルは親水性が低いため、これを含むことにより組成物の乾燥時に残留溶媒中の水分による樹脂の析出が抑制されるためであると考えられる。
 上記態様において、γ-ブチロラクトン及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される1つ以上の溶剤と乳酸エチルとの合計含有量は、溶剤の全質量に対して50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。上記含有量の上限は、特に限定されず100質量%以下であればよい。
 また、上記態様において、γ-ブチロラクトン及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される1つ以上の溶剤と乳酸エチルとの合計含有量に対する、γ-ブチロラクトン及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される1つ以上の溶剤の含有量は、80~99.9質量%であることが好ましく、90~99.5質量%であることがより好ましく、90~99.0質量%であることが更に好ましい。
 また、上記態様において、本発明の樹脂組成物は、溶剤としてジメチルスルホキシドを更に含むことが好ましい。ジメチルスルホキシドを含むことにより組成物の保存安定性が向上する。これは、ジメチルスルホキシドは極性が高いため、樹脂の組成物中での凝集が抑制されるためであると推測される。
 ジメチルスルホキシドを含む場合、溶剤の全質量に対するジメチルスルホキシドの含有量は、10~40質量%であることが好ましく、15~35質量%であることがより好ましく、20~30質量%であることが更に好ましい。
 溶剤の含有量は、塗布性の観点から、本発明の樹脂組成物の全固形分濃度が5~80質量%になる量とすることが好ましく、5~75質量%となる量にすることがより好ましく、10~70質量%となる量にすることが更に好ましく、20~70質量%となる量にすることが一層好ましい。溶剤含有量は、塗膜の所望の厚さと塗布方法に応じて調節すればよい。溶剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
〔フィラー〕
 本発明の樹脂組成物は、フィラーを含んでいてもよい。
 フィラーとしては、特開2023-178289号公報の段落0075~0092に記載されたものを用いることができる。上記記載は、本明細書に組み込まれる。
 組成物中のフィラーの含有量は、この組成物の全固形分の体積に対して、1体積%以上であることが好ましく、5体積%以上であることがより好ましく、10体積%以上であることが特に好ましく、20体積%以上であることが最も好ましい。また、リソグラフィーによる加工性の観点から、組成物の全固形分の体積に対して、85体積%以下であることがより好ましく、81体積%以下であることがさらに好ましく、75体積%以下であることが特に好ましく、60体積%以下であることが最も好ましい。また、組成物中のフィラーの含有量は、この組成物の全固形分の質量に対して、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。この割合の上限は、リソグラフィーによる加工性の観点から、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることが特に好ましい。このように、熱伝導性および電気絶縁性に加えて、加工性も考慮することで、高い熱伝導性および電気絶縁性を有する導熱層を、所望の位置およびパターンに形成できる。
 本発明の樹脂組成物がフィラーを含有する場合、フィラー以外の成分における「全固形分に対する含有量」を意味する記載は「フィラーを除く全固形分に対する含有量」を意味するものと読み替えるものとする。
 フィラー中における、平均一次粒子径が0.5~15μmである粒子群の割合は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。この割合の上限は、100質量%とすることもでき、99質量%以下とすることもできる。リソグラフィーによる加工性の観点から、この割合は、99質量%以下が好ましく、95質量%以下が更に好ましい。
 上記のとおり、フィラーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用でき、フィラーが2種以上含まれる場合には、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<金属接着性改良剤>
 本発明の樹脂組成物は、電極や配線などに用いられる金属材料との接着性を向上させる観点から、金属接着性改良剤を含むことが好ましい。金属接着性改良剤としては、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤、アルミニウム系接着助剤、チタン系接着助剤、スルホンアミド構造を有する化合物及びチオウレア構造を有する化合物、リン酸誘導体化合物、β-ケトエステル化合物、アミノ化合物等が挙げられる。
〔シランカップリング剤〕
 シランカップリング剤としては、例えば、国際公開第2021/112189号の段落0316に記載の化合物、特開2018-173573の段落0067~0078に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2011-128358号公報の段落0050~0058に記載のように異なる2種以上のシランカップリング剤を用いることも好ましい。シランカップリング剤は、下記化合物を用いることも好ましい。以下の式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を表す。また、下記Rはブロックイソシアネート基におけるブロック化剤由来の構造が挙げられる。ブロック化剤としては、脱離温度に応じて選択すればよいが、アルコール化合物、フェノール化合物、ピラゾール化合物、トリアゾール化合物、ラクタム化合物、活性メチレン化合物等が挙げられる。例えば、脱離温度を160~180℃としたい観点からは、カプロラクタムなどが好ましい。このような化合物の市販品としては、X-12-1293(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
 他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物が挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
 また、シランカップリング剤として、アルコキシシリル基を複数個有するオリゴマータイプの化合物を用いることもできる。
 このようなオリゴマータイプの化合物としては、下記式(S-1)で表される繰返し単位を含む化合物などが挙げられる。
 式(S-1)中、RS1は1価の有機基を表し、RS2は水素原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表し、nは0~2の整数を表す。
 RS1は重合性基を含む構造であることが好ましい。重合性基としては、エチレン性不飽和結合を有する基、エポキシ基、オキセタニル基、ベンゾオキサゾリル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、イソアリル基、2-メチルアリル基、ビニル基と直接結合した芳香環を有する基(例えば、ビニルフェニル基など)、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アクリロイルオキシ基などが挙げられ、ビニルフェニル基、(メタ)アクリルアミド基又は(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、ビニルフェニル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基がより好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基が更に好ましい。
 RS2はアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基又はエトキシ基であることがより好ましい。
 nは0~2の整数を表し、1であることが好ましい。
 ここで、オリゴマータイプの化合物に含まれる複数の式(S-1)で表される繰返し単位の構造は、それぞれ同一であってもよい。
 ここで、オリゴマータイプの化合物に含まれる複数の式(S-1)で表される繰返し単位のうち、少なくとも1つにおいてnが1又は2であることが好ましく、少なくとも2つにおいてnが1又は2であることがより好ましく、少なくとも2つにおいてnが1であることが更に好ましい。
 このようなオリゴマータイプの化合物としては市販品を用いることができ、市販品としては例えば、KR-513(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
〔アルミニウム系接着助剤〕
 アルミニウム系接着助剤としては、例えば、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等を挙げることができる。
 その他の金属接着性改良剤としては、特開2014-186186号公報の段落0046~0049に記載の化合物、特開2013-072935号公報の段落0032~0043に記載のスルフィド系化合物を用いることもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 金属接着性改良剤の含有量は特定樹脂100質量部に対して、0.01~30質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましく、0.5~5質量部が更に好ましい。上記下限値以上とすることでパターンと金属層との接着性が良好となり、上記上限値以下とすることでパターンの耐熱性、機械特性が良好となる。金属接着性改良剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。2種以上用いる場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<マイグレーション抑制剤>
 本発明の樹脂組成物は、マイグレーション抑制剤を更に含むことが好ましい。マイグレーション抑制剤を含むことにより、例えば、樹脂組成物を金属層(又は金属配線)に適用して膜を形成した際に、金属層(又は金属配線)由来の金属イオンが膜内へ移動することを効果的に抑制することができる。
 マイグレーション抑制剤としては、特に制限はないが、複素環(ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、2H-ピラン環及び6H-ピラン環、トリアジン環)を有する化合物、チオ尿素類及びスルファニル基を有する化合物、ヒンダードフェノール系化合物、サリチル酸誘導体系化合物、ヒドラジド誘導体系化合物が挙げられる。特に、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、8-アザアデニン等のトリアゾール系化合物、1H-テトラゾール、5-フェニルテトラゾール、5-アミノ―1H-テトラゾール等のテトラゾール系化合物が好ましく使用できる。
 マイグレーション抑制剤としては、ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉するイオントラップ剤を使用することもできる。
 その他のマイグレーション抑制剤としては、特開2013-015701号公報の段落0094に記載の防錆剤、特開2009-283711号公報の段落0073~0076に記載の化合物、特開2011-059656号公報の段落0052に記載の化合物、特開2012-194520号公報の段落0114、0116及び0118に記載の化合物、国際公開第2015/199219号の段落0166に記載の化合物などを使用することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 マイグレーション抑制剤の具体例としては、下記化合物を挙げることができる。
 本発明の樹脂組成物がマイグレーション抑制剤を有する場合、マイグレーション抑制剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0.01~5.0質量%であることが好ましく、0.05~2.0質量%であることがより好ましく、0.1~1.0質量%であることが更に好ましい。
 マイグレーション抑制剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。マイグレーション抑制剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<光吸収剤>
 本発明の樹脂組成物は、露光によりその露光波長の吸光度が小さくなる化合物(光吸収剤)を含むことも好ましい。
 光吸収剤としては、国際公開第2022/202647号の段落0159~0183に記載の化合物、特開2019-206689号公報の段落0088~0108に記載の化合物等が挙げられる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 本発明の樹脂組成物の全固形分に対する光吸収剤の含有量は、特に限定されないが、0.1~20質量%であることが好ましく、0.5~10質量%であることがより好ましく、1~5質量%であることが更に好ましい。
<重合禁止剤>
 本発明の樹脂組成物は、重合禁止剤を含むことが好ましい。重合禁止剤としてはフェノール系化合物、キノン系化合物、アミノ系化合物、N-オキシルフリーラジカル系化合物、ニトロ系化合物、ニトロソ系化合物、ヘテロ芳香環系化合物、金属化合物などが挙げられる。
 重合禁止剤の具体的な化合物としては、国際公開第2021/112189号の段落0310に記載の化合物、p-ヒドロキノン、o-ヒドロキノン、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシルフリーラジカル、フェノキサジン、1,4,4-トリメチル-2,3-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナ-2-エン-N,N-ジオキシド等が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
 本発明の樹脂組成物が重合禁止剤を有する場合、重合禁止剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.02~15質量%であることがより好ましく、0.05~10質量%であることが更に好ましい。
 重合禁止剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。重合禁止剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<その他の添加剤>
 本発明の樹脂組成物は、本発明の効果が得られる範囲で、必要に応じて、各種の添加物、例えば、界面活性剤、高級脂肪酸誘導体、熱重合開始剤、無機粒子、紫外線吸収剤、有機チタン化合物、酸化防止剤、光酸発生剤、凝集防止剤、フェノール系化合物、他の高分子化合物、可塑剤及びその他の助剤類(例えば、消泡剤、難燃剤など)等を含んでいてもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012-003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008-250074号公報の段落番号0101~0104、0107~0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。これらの添加剤を配合する場合、その合計含有量は本発明の樹脂組成物の固形分の3質量%以下とすることが好ましい。
〔界面活性剤〕
 界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。界面活性剤はノニオン型界面活性剤であってもよく、カチオン型界面活性剤であってもよく、アニオン型界面活性剤であってもよい。
 本発明の樹脂組成物に界面活性剤を含有させることで、塗布液組成物を調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上し、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。即ち、界面活性剤を含有する塗布液を用いて膜形成する場合、被塗布面と塗布液との界面張力が低下して、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、厚みムラが小さい均一な膜の形成をより好適に行うことができる。
 フッ素系界面活性剤としては、国際公開第2021/112189号の段落0328に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 フッ素系界面活性剤としては、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができ、例えば、下記化合物が挙げられる。
 上記化合物の重量平均分子量は、3,000~50,000であることが好ましく、5,000~30,000であることがより好ましい。
 フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体をフッ素系界面活性剤として用いることもできる。具体例としては、特開2010-164965号公報の段落0050~0090および段落0289~0295に記載された化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、市販品としては、例えばDIC(株)製のメガファックRS-101、RS-102、RS-718K等が挙げられる。
 フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましく、7~25質量%が特に好ましい。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
 シリコーン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、アニオン型界面活性剤としては、それぞれ、国際公開第2021/112189号の段落0329~0334に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
 界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。
〔無機粒子〕
 無機粒子として、具体的には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン、ガラス等が挙げられる。
 無機粒子の平均粒子径は、0.01~2.0μmが好ましく、0.02~1.5μmがより好ましく、0.03~1.0μmがさらに好ましく、0.04~0.5μmが特に好ましい。
 無機粒子の上記平均粒子径は、一次粒子径であり、また体積平均粒子径である。体積平均粒子径は、例えば、Nanotrac WAVE II EX-150(日機装社製)による動的光散乱法で測定できる。
 上記測定が困難である場合は、遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法で測定することもできる。
〔有機チタン化合物〕
 樹脂組成物が有機チタン化合物を含有することにより、低温で硬化した場合であっても耐薬品性に優れる樹脂層を形成できる。
 使用可能な有機チタン化合物としては、チタン原子に有機基が共有結合又はイオン結合を介して結合しているものが挙げられる。
 有機チタン化合物の具体例を、以下のI)~VII)に示す:
 I)チタンキレート化合物:樹脂組成物の保存安定性がよく、良好な硬化パターンが得られることから、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレート化合物がより好ましい。具体的な例は、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n-ブトキサイド)ビス(2,4-ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4-ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等である。
 II)テトラアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムテトラ(n-ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2-エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n-ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n-プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス[ビス{2,2-(アリロキシメチル)ブトキサイド}]等である。
 III)チタノセン化合物:例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイド、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム等である。
 IV)モノアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキサイド等である。
 V)チタニウムオキサイド化合物:例えば、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等である。
 VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート化合物:例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート等である。
 VII)チタネートカップリング剤:例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等である。
 なかでも、有機チタン化合物としては、より良好な耐薬品性の観点から、上記I)チタンキレート化合物、II)テトラアルコキシチタン化合物、及びIII)チタノセン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。特に、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラ(n-ブトキサイド)、及びビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウムが好ましい。
 また、有機チタン化合物として、又は、有機チタン化合物に代えて、下記式(T-1)で表される化合物を含むことも好ましい。
 式(T-1)中、Mは、チタン、ジルコニウム又はハフニウムであり、l1は、0~2の整数であり、l2は0又は1であり、l1+l2×2は0~2の整数であり、mは0~4の整数、nは0~2の整数であり、l1+l2+m+n×2=4であり、R11は各々独立に置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、又は、置換もしくは無置換のフェノキシ基であり、R12は置換若しくは無置換の炭化水素基であり、Rは各々独立に、下記式(T-2)で表される構造を含む基であり、Rは各々独立に、下記式(T-2)で表される構造を含む基であり、Xはそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。
 式(T-2)中、X~Xはそれぞれ独立に、-C(-*)=又は-N=を表し、*はそれぞれ他の構造との結合部位を表し、#は金属原子との結合部位を表す。
 式(T-1)中、組成物の保存安定性の観点からは、Mはチタンであることが好ましい。
 式(T-1)中、l1及びl2が0である態様も、本発明の好ましい態様の一つである。
 式(T-1)中、mは2又は4であることが好ましく、2であることがより好ましい。
 式(T-1)中、nは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
 ここで、式(T-1)中、l1及びl2が0であり、mが0、2又は4であることも好ましい。
 式(T-1)中、特定金属錯体の安定性の観点からは、R11は置換又は無置換のシクロペンタジエニル配位子が好ましい。
 また、R11におけるシクロペンタジエニル基、アルコキシ基及びフェノキシ基は置換されていてもよいが、無置換である態様も本発明の好ましい態様の一つである。
 式(T-1)中、R12は炭素数1~20の炭化水素基であることが好ましく、炭素数2~10の炭化水素基であることがより好ましい。
 R12における炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれであってもよいが、芳香族炭化水素基が好ましい。
 脂肪族炭化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基であっても不飽和脂肪族炭化水素基であってもよいが、飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。
 芳香族炭化水素基としては、炭素数6~20の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数6~10の芳香族炭化水素基がより好ましく、フェニレン基が更に好ましい。
 R12における置換基としては、1価の置換基が好ましく、ハロゲン原子等が挙げられる。また、R12が芳香族炭化水素基である場合、置換基としてアルキル基を有してもよい。
 これらの中でも、式(T-1)中、R12は無置換のフェニレン基であることが好ましい。また、R12におけるフェニレン基は1,2-フェニレン基であることが好ましい。
 式(T-1)中、mが2以上であり、Rが2以上含まれる場合、その2以上のRの構造はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
 式(T-1)中、nが2以上であり、Rが2以上含まれる場合、その2以上のRの構造はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
 式(T-2)中、X~Xはそれぞれ独立に、-C(-*)=又は-N=を表し、少なくとも1つが-C(-*)=を表すことが好ましく、少なくとも2つが-C(-*)=を表すことがより好ましい。
 式(T-1)で表される化合物の具体例としては、実施例におけるJ-2~J-5に該当する化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 有機チタン化合物を含む場合、その含有量は、特定樹脂100質量部に対し、0.05~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましい。含有量が0.05質量部以上である場合、得られる硬化パターンの耐熱性及び耐薬品性がより良好となり、10質量部以下である場合、組成物の保存安定性により優れる。
 有機チタン化合物を含む場合、その含有量は、特定樹脂100質量部に対し、0.05~10質量部であることが好ましく、0.1~2質量部であることがより好ましい。含有量が0.05質量部以上である場合、得られる硬化パターンの耐熱性及び耐薬品性がより良好となり、10質量部以下である場合、組成物の保存安定性により優れる。
〔酸化防止剤〕
 添加剤として酸化防止剤を含有することで、硬化後の膜の伸度特性や、金属材料との密着性を向上させることができる。酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、国際公開第2021/112189号の段落0348~0357に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
 酸化防止剤の含有量は、特定樹脂100質量部に対し、0.1~10質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましい。添加量を0.1質量部以上とすることにより、高温高湿環境下においても伸度特性や金属材料に対する密着性向上の効果が得られやすく、また10質量部以下とすることにより、例えば感光剤との相互作用により、樹脂組成物の感度が向上する。酸化防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
 他の添加剤としては、国際公開第2022/145355号の段落0249~0282、0316~0358に記載の化合物が挙げられる。上記記載は本明細書に組み込まれる。
<樹脂組成物の特性>
 本発明の樹脂組成物の粘度は、樹脂組成物の固形分濃度により調整できる。塗布膜厚の観点から、1,000mm/s~12,000mm/sが好ましく、2,000mm/s~10,000mm/sがより好ましく、2,500mm/s~8,000mm/sが更に好ましい。上記範囲であれば、均一性の高い塗布膜を得ることが容易になる。1,000mm/s以上であれば、例えば再配線用絶縁膜として必要とされる膜厚で塗布することが容易であり、12,000mm/s以下であれば、塗布面状に優れた塗膜が得られる。
<樹脂組成物の含有物質についての制限>
 本発明の樹脂組成物の含水率は、2.0質量%未満であることが好ましく、1.5質量%未満であることがより好ましく、1.0質量%未満であることが更に好ましい。2.0%未満であれば、樹脂組成物の保存安定性が向上する。
 水分の含有量を維持する方法としては、保管条件における湿度の調整、保管時の収容容器の空隙率低減などが挙げられる。
 本発明の樹脂組成物の金属含有量は、絶縁性の観点から、5質量ppm(parts per million)未満が好ましく、1質量ppm未満がより好ましく、0.5質量ppm未満が更に好ましい。金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、銅、クロム、ニッケルなどが挙げられるが、有機化合物と金属との錯体として含まれる金属は除く。金属を複数含む場合は、これらの金属の合計が上記範囲であることが好ましい。
 また、本発明の樹脂組成物に意図せずに含まれる金属不純物を低減する方法としては、本発明の樹脂組成物を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、本発明の樹脂組成物を構成する原料に対してフィルターろ過を行う、装置内をポリテトラフルオロエチレン等でライニングしてコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。
 本発明の樹脂組成物は、半導体材料としての用途を考慮すると、ハロゲン原子の含有量が、配線腐食性の観点から、500質量ppm未満が好ましく、300質量ppm未満がより好ましく、200質量ppm未満が更に好ましい。中でも、ハロゲンイオンの状態で存在するものは、5質量ppm未満が好ましく、1質量ppm未満がより好ましく、0.5質量ppm未満が更に好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。塩素原子及び臭素原子、又は塩素イオン及び臭素イオンの合計がそれぞれ上記範囲であることが好ましい。
 ハロゲン原子の含有量を調節する方法としては、イオン交換処理などが好ましく挙げられる。
 本発明の樹脂組成物の収容容器としては従来公知の収容容器を用いることができる。収容容器としては、原材料や本発明の樹脂組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015-123351号公報に記載の容器が挙げられる。
(接合体)
 本発明の接合体は、本発明の接合体の製造方法により得られた接合体である。
 本発明の接合体は、後述する本発明のデバイス等の用途に好適に用いることができる。
 本発明の接合体の製造方法は、電極を備える面を有する基板Aを準備する工程、上記基板Aの上記電極を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程、
 電極を備える面を有する基板Bを準備する工程、及び、上記基板Aのポリイミド含有部を有する面と、上記基板Bの上記電極を備える面とを接合する接合工程、を含み、上記ポリイミド含有部形成工程が、上記基板Aの上記電極を備える面にポリイミドを含む樹脂組成物を適用することを含み、上記樹脂組成物に含まれる上記ポリイミドのイミド化率が80%以上である。
 本発明の接合体の製造方法の好ましい態様は、上述の本発明の樹脂組成物において説明した接合体の製造方法の好ましい態様と同様である。
 また、本発明の接合体の製造方法において用いられる樹脂組成物の好ましい態様は、上述の本発明の樹脂組成物の好ましい態様と同様である。
(デバイスおよびその製造方法)
 本発明に係るデバイスは、本発明の接合体を備える。
 本発明のデバイスの製造方法は、本発明の接合体の製造方法を含む。
 本発明に係るデバイスには、半導体デバイス、電子デバイスなどが含まれ、半導体デバイス又は電子デバイスであることが好ましい。
 デバイスとしては、例えば、半導体新技術研究会編「図解 最先端半導体パッケージ技術のすべて」工業調査会pp.8-19、110-114、160-165、関東学院大学表面光学研究所編「図解 表面処理技術のすべて」工業調査会pp.32-41、56-59に記載の各デバイスなどが挙げられる。
 具体的には、上述のポリイミド含有部をチップ間のアンダーフィルに代替する接着フィルムとして用いる態様や、上述のポリイミド含有部をチップを固定するダイボンディングフィルムとして用いる態様が挙げられる。
 その他、LED(light emitting diode)の素子の実装、フラットパネルディスプレイの光学素子の実装、パワー半導体パッケージの実装など、本発明の接合体の製造方法及び積層体の製造方法は多岐にわたって応用することができる。
 また、例えば、本発明の接合体の製造方法及び積層体の製造方法は貫通電極(TSV:Through silicon via,スルーシリコンビア)を設けた半導体素子の三次元実装にも好適に利用することができる。
 図4は三次元実装デバイスを模式的に示す断面図である。本実施形態では複数の半導体素子(半導体チップ)101a~101dが積層した積層体101が、配線基板120上に配置されている。複数の半導体素子101a~101dは、いずれもシリコン基板等の半導体ウエハからなる。積層体101は、貫通電極を有さない半導体素子101aと、貫通電極102b~102dを有する半導体素子101b~101dとをフリップチップ接続した構造を有している。貫通電極を有する半導体素子側の接続パッドが、はんだバンプ等の金属バンプ103a、103b、103cで接続されている。各半導体素子101a~101dの間隙には、樹脂層110が形成されている。この積層体の製造方法として本発明における接合体の製造方法を利用することができる。すなわち、例えば樹脂層110のうち少なくとも1つ(好ましくは全て)を、上述の本発明の接合体の製造方法におけるポリイミド含有部とすることができる。その場合、はんだバンプは省略されることが好ましい。配線基板120の一方の面には、表面電極120aが設けられている。配線基板120と積層体(基板/基板積層体)101との間には、再配線層105が形成された絶縁層115が配置されている。再配線層105の一端は、はんだバンプ等の金属バンプ103dを介して、半導体素子101dの再配線層105側の面に形成された電極パッドに接続されている。また、再配線層105の他端は、配線基板の表面電極120aと、はんだバンプ等の金属バンプ103eを介して接続している。絶縁層115と積層体101との間には、樹脂層110aが形成されている。この絶縁層115と積層体101との接合にも、本発明の接合体の製造方法の製造方法を用いることができる。すなわち、例えば樹脂層110aを、上述のポリイミド含有部とすることができる。また、絶縁層115と配線基板120との間には、樹脂層110bが形成されている。この絶縁層115と配線基板120との接合にも、本発明の接合体の製造方法を用いることができる。すなわち、例えば樹脂層110bを、上述のポリイミド含有部とすることができる。
 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。「部」、「%」は特に述べない限り、質量基準である。
<ポリマーの合成>
〔合成例P-1:樹脂(P-1)の合成〕
 30.0g(57.64ミリモル)の4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物をN-メチルピロリドン(NMP)120gに溶解した。続いて、5.138g(24.2ミリモル)の4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル、5.235g(24.2ミリモル)の4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニルを100gのNMPに溶解させ、10℃~25℃の温度で1時間かけて滴下し、25℃で30分撹拌した後、トルエンを10g添加し、窒素フローしながら200℃で4時間反応し、25℃まで冷却した。続いて、4-(クロロメチル)スチレン13.2g(86.4ミリモル)、炭酸カリウム16.6g(120ミリモル)、ヨウ化カリウム1.66g(12ミリモル)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル フリーラジカル0.08gを添加し、95℃で15時間反応した後、25℃に冷却し、テトラヒドロフラン200gで希釈した。続いて、2.0リットルのメタノールと0.5Lの水の混合液に反応液を滴下させて、15分撹拌した後、ポリイミド樹脂をろ過した。次に、1リットルの水で上記樹脂をリスラリーし、ろ過した後、1Lのメタノールで再度リスラリーし、ろ過し、減圧下、40℃で10時間乾燥させた。続いて、上記で乾燥した樹脂をテトラヒドロフラン250gに溶解し、イオン交換樹脂(MB-1:オルガノ社製)40gを添加し、4時間撹拌し、イオン交換樹脂をろ過して取り除いた後、2リットルのメタノールの中でポリイミド樹脂を沈殿させ、15分間撹拌した。ポリイミド樹脂を濾過して取得し、減圧下、45℃で1日間乾燥し樹脂(P-1)を得た。得られた樹脂(P-1)の重量平均分子量は24,600、数平均分子量は9,900であった。樹脂(P-1)は、下記式(P-1)で表される繰返し単位を有する樹脂である。繰返し単位の構造は、H-NMRスペクトルから決定した。下記構造中、繰返し単位の添え字は各繰返し単位の含有モル比を表す。
 以下の合成例において、特に記載しない限り、重量平均分子量及び数平均分子量は以下の方法で測定した。
 高速GPC装置HLC-8420GPC(東ソー(株)製)を用い、ガードカラムとして、TSK gurdcolumn Super AW-H(4.6mm×35mm)、カラムとして、TSKgel Super AWM-H(4.6mm×150mm)2本を直列に連結してGPC測定を行った。溶離液としては、0.01mol/LのリチウムブロマイドのNMP(N-メチル-2-ピロリドン)溶液を用いた。
 イミド化率は以下の方法により測定した。
 樹脂をγ-ブチロラクトンに溶解させ、粘度が2,000mPa・sになるよう希釈し、スピンコート法でシリコンウエハ上に適用して樹脂層を形成した。得られた樹脂層を適用したシリコンウエハをホットプレート上で、110℃で5分間乾燥し、シリコンウエハ上に製膜後の膜厚が約15μmの均一な厚さの樹脂層を得た。
 上記樹脂層をNicoletiS20(Thermofisher社製)でATR法にて測定し、測定範囲4000~700cm-1、測定回数50回で測定を行った。1380cm-1付近(1350~1450cm-1、複数ピークがある場合はピーク強度が最大のもの)のピーク高さと1500cm-1付近(1460~1550cm-1、複数ピークがある場合はピーク強度が最大のもの)のピーク高さで割った値を樹脂のイミド化指数Aとし、窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度で昇温し350℃で1時間加熱した上記樹脂層について、同様の方法でイミド化指数Bを算出し、イミド化指数Aをイミド化指数Bで割った値を樹脂のイミド化率として算出した。
 以下、繰返し単位を示す括弧の添え字は各繰返し単位の含有モル比を示している。
〔合成例P-2:樹脂(P-2)の合成〕
 「4-(クロロメチル)スチレン13.2g(86.4ミリモル)、炭酸カリウム16.6g(120ミリモル)、ヨウ化カリウム1.66g(12ミリモル)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル フリーラジカル0.08gを添加し、95℃で15時間反応した」という操作を行わなかった以外は、合成例P-1と同様の方法により樹脂(P-2)を合成した。樹脂(P-2)は、下記式(P-2)で表される繰返し単位を有する樹脂である。繰返し単位の構造は、H-NMRスペクトルから決定した。下記構造中、繰返し単位の添え字は各繰返し単位の含有モル比を表す。
〔合成例CP-1:樹脂(CP-1)の合成〕
 20.0g(64.5ミリモル)の4,4’-オキシジフタル酸無水物(140℃で12時間乾燥した)と、16.8g(129ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライムとを混合し、60℃の温度で18時間撹拌して、4’4-オキシジフタル酸と2―ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、反応混合物を冷却し、16。12g(135.5ミリモル)のSOClを2時間かけて加えた。次いで100mLのN-メチルピロリドンに4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを溶解させた溶液を、―5~0℃の温度範囲に調整しつつ、2時間かけて反応混合物に滴下した。反応混合物を0℃で1時間反応させたのち、エタノールを70g加えて、室温で1時間撹拌した。次いで、5リットルの水の中でポリイミド前駆体を沈殿させ、水―ポリイミド前駆体混合部tを5,000rpmの速度で15分間撹拌した。ポリイミド前駆体をろ過して取り除き、4リットルの水の中で再度30分間撹拌し、再びろ過した。次いで得られたポリイミド前駆体を減圧下で、2日間乾燥した。この樹脂(CP-1)の重量平均分子量は、20,000であった。樹脂(CP-1)は、下記式(CP-1)で表される繰返し単位を有する樹脂である。繰返し単位の構造は、H-NMRスペクトルから決定した。下記構造中、繰返し単位の添え字は各繰返し単位の含有モル比を表す。
〔合成例CP-2:樹脂(CP-2)の合成〕
 4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)9.15g(29.5ミリモル)および3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物6.03g(20.5ミリモル)を反応容器に入れ、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)13.4g及びγ―ブチロラクトン100mLを加えた。室温下で撹拌しながら、ピリジン7.91gを加えることにより、反応混合物を得た。反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置した。
 次に、氷冷下において、反応混合物にジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)20.6g(99.9ミリモル)をγ-ブチロラクトン30mL溶解した溶液を、撹拌しながら40分かけて加えた。続いて4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)9.3g(46ミリモル)をγ-ブチロラクトン350mLに懸濁した懸濁液を、撹拌しながら60分かけて加えた。
 更に室温で2時間撹拌した後、エチルアルコール3mLを加えて1時間撹拌した。その後、γ―ブチロラクトン100mLを加えた。反応混合物に生じた沈殿物を、ろ過により取り除き、反応液を得た。
 得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて、粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾取した後に真空乾燥することにより、粉末上の樹脂(CP-2)を得た。
 このポリマーの重量平均分子量(Mw)を測定したところ、27,900であった。
 以下、イミド化率が100%ではない樹脂について、便宜上、2つのイミド化可能な部位が存在する繰返し単位と、2つのイミド化可能な部位がイミド環を形成した構造の2種を記載しているが、実際には2つのイミド化可能な部位のうち、一方のみがイミド環を形成し、他方がイミド環を形成していない繰返し単位も含まれている。このことは、以下の樹脂において同様である。そのため、モル比はあくまで下記繰返し単位のみが存在するとした場合のモル比であり、実際にはイミド環構造の合計量が同一の値となる範囲で、一方のみがイミド環を形成し、他方がイミド環を形成していない繰返し単位が含まれている場合がある。また、樹脂におけるイミド環を形成した構造の割合は、イミド化率(%)として本明細書に記載されている。このことは、以下の他の樹脂についても同様である。
〔合成例P-3:樹脂(P-3)の合成〕
 23.88g(76.8ミリモル)の4,4’-オキシジフタル酸無水物を165gのN-メチルピロリドン(NMP)に溶解させた。その中に14.31g(71.5ミリモル)の4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを115gのNMPに溶解させた溶液を0~10℃の温度で1時間かけて滴下した。室温に戻した後さらに2時間撹拌を続けた。6.35g(30.8ミリモル)のN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加した後、4.01g(30.8ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートを添加し40℃で12時間撹拌した。反応終了後、室温下で9.81g(96.1ミリモル)の無水酢酸と12.2g(153.7ミリモル)のピリジンを加えて、80℃で4時間反応を続けた。反応終了後、室温まで戻した後、4Lの水の中で樹脂を沈殿させ、水-樹脂混合物を500rpmの速度で15分間撹拌した。樹脂を濾過して取得し、4Lの水の中で再度30分間撹拌し再び濾過した。次いで、得られた樹脂を減圧下、45℃で2日間乾燥し樹脂(P-3)を得た。得られた樹脂(P-3)の重量平均分子量(Mw)は25,500であった。樹脂(P-3)は、下記式(P-3)で表される繰返し単位を含む構造であると推測される。また、樹脂(P-3)のイミド化率(%)は80%であった。
〔合成例P-4~P-7:樹脂(P-4)~(P-7)の合成〕
 原料を適宜変更した以外は、合成例P-1と同様の方法により樹脂(P-4)~(P-7)を合成した。樹脂(P-4)~(P-7)は、それぞれ、下記式(P-4)~(P-7)で表される繰返し単位を有する樹脂である。繰返し単位の構造は、H-NMRスペクトルから決定した。下記構造中、繰返し単位の添え字は各繰返し単位の含有モル比を表す。
〔合成例P-8:樹脂(P-8)の合成〕
 23.88g(76.8ミリモル)の4,4’-オキシジフタル酸無水物を165gのN-メチルピロリドン(NMP)に溶解させた。その中に14.31g(71.5ミリモル)の4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを115gのNMPに溶解させた溶液を0~10℃の温度で1時間かけて滴下した。室温に戻した後さらに2時間撹拌を続けた。3.18g(15.4ミリモル)のN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加した後、2.00g(15.4ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートを添加し40℃で12時間撹拌した。反応終了後、室温下で9.81g(96.1ミリモル)の無水酢酸と12.2g(153.7ミリモル)のピリジンを加えて、80℃で4時間反応を続けた。反応終了後、室温まで戻した後、4Lの水の中で樹脂を沈殿させ、水-樹脂混合物を500rpmの速度で15分間撹拌した。樹脂を濾過して取得し、4Lの水の中で再度30分間撹拌し再び濾過した。次いで、得られた樹脂を減圧下、45℃で2日間乾燥し樹脂(P-8)を得た。得られた樹脂(P-8)の重量平均分子量(Mw)は26,400であった。樹脂(P-8)は、下記式(P-8)で表される繰返し単位を含む構造であることをH-NMRにより確認した。また、樹脂(P-8)のイミド化率(%)は90%であった。
〔合成例CP-3:樹脂(CP-3)の合成〕
 23.88g(76.8ミリモル)の4,4’-オキシジフタル酸無水物を165gのN-メチルピロリドン(NMP)に溶解させた。その中に14.31g(71.5ミリモル)の4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを115gのNMPに溶解させた溶液を0~10℃の温度で1時間かけて滴下した。室温に戻した後さらに2時間撹拌を続けた。9.54g(46.2ミリモル)のN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加した後、6.00g(46.2ミリモル)の2-ヒドロキシエチルメタクリレートを添加し40℃で12時間撹拌した。反応終了後、室温下で9.81g(96.1ミリモル)の無水酢酸と12.2g(153.7ミリモル)のピリジンを加えて、80℃で4時間反応を続けた。反応終了後、室温まで戻した後、4Lの水の中で樹脂を沈殿させ、水-樹脂混合物を500rpmの速度で15分間撹拌した。樹脂を濾過して取得し、4Lの水の中で再度30分間撹拌し再び濾過した。次いで、得られた樹脂を減圧下、45℃で2日間乾燥し樹脂(CP-3)を得た。得られた樹脂(CP-3)の重量平均分子量(Mw)は25,900であった。樹脂(CP-3)は、下記式(CP-3)で表される繰返し単位を含む構造であることをH-NMRにより確認した。また、樹脂(CP-3)のイミド化率(%)は70%であった。
〔合成例P-9:樹脂(P-9)の合成〕
 4,4’-オキシジフタル酸二無水物20.0g(64.5mmol)と4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル12.5g(57.6mmol)と4-アミノフェノール1.52g(13.9mmol)をNMP125ml中に溶解させたものを、窒素雰囲気下、200℃で3時間撹拌し、ポリイミドを得た。次いで室温でTEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル)0.1gとMOI(2-イソシアナトエチルメタクリレート)30.0g(193mmol)を添加し、60℃に昇温した後にネオスタンU-600(日東化成株式会社製、無機ビスマス)0.1gを加え、3時間撹拌した。得られたポリイミド溶液にTHF375mlを加え、メタノール1500mlに滴下し、ポリマーを沈殿させた。ろ過して採取したポリマーを減圧下、40℃で1日間乾燥し粉体として樹脂(P-9)を得た。樹脂(P-9)は、下記式(P-9)で表される繰返し単位を有する樹脂である。繰返し単位の構造は、H-NMRスペクトルから決定した。下記構造中、繰返し単位の添え字は各繰返し単位の含有モル比を表す。
〔合成例P-10:樹脂(P-10)の合成〕
 原料を適宜変更した以外は、合成例P-9と同様の方法により樹脂(P-10)を合成した。樹脂(P-10)は、下記式(P-10)で表される繰返し単位を有する樹脂である。繰返し単位の構造は、H-NMRスペクトルから決定した。下記構造中、繰返し単位の添え字は各繰返し単位の含有モル比を表す。
<実施例及び比較例>
 各実施例において、それぞれ、下記表に記載の成分を混合し、各樹脂組成物を得た。また、各比較例において、それぞれ、下記表に記載の成分を混合し、各比較用組成物を得た。
 具体的には、溶剤以外の表に記載の各成分の含有量(配合量)は、表の各欄の「質量部」の欄に記載の量(質量部)とした。
 溶剤の含有量(配合量)は、組成物の固形分濃度が表中の「固形分濃度」の値(質量%)となるようにし、溶剤の全質量に対する各溶剤の含有量の比率(質量比)は、表中の「溶剤中比率」の欄に記載の比率となるようにした。
 得られた樹脂組成物及び比較用組成物を、細孔の幅が0.5μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて加圧ろ過した。
 また、表中、「-」の記載は該当する成分を組成物が含有していないことを示している。
〔樹脂〕
・P-1~P-10:上記で合成した樹脂(P-1)~(P-10)
・CP-1~CP-3:上記で合成した樹脂(CP-1)~(CP-3)
〔重合性化合物〕
・B-1:NKエステル4G(新中村化学工業(株)製)
・B-2:NKエステルTMPT(新中村化学工業(株)製)
・B-3:ビスコート#802(大阪有機化学工業(株)製)
・B-4:A-DCP(新中村化学工業(株)製)
・B-5:NKエステルA-9300S(新中村化学工業(株)製)
・B-6:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
〔光重合開始剤〕
・C-1:パーブチルP(日油社製)
・C-2:パーブチルL(日油社製)
・C-3:パークミルD(日油社製)
・C-4:パーブチルD(日油社製)
・C-5:パーヘキシン25B(日油社製)
・C-6:IrgacureOXE01(BASF社製)
・C-7:TR-PBG-304(常州強力電子新材料社製)
・C-8:TR-PBG-3057(常州強力電子新材料社製)
・C-9:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)
〔熱塩基発生剤〕
・G-1:下記構造の化合物
・G-2:下記構造の化合物
・G-3:下記構造の化合物
・G-4:下記構造の化合物
〔重合禁止剤〕
・A-1:下記構造の化合物
・A-2:N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]
〔シランカップリング剤〕
・D-1:下記構造の化合物
・D-2:X-12-1293(信越化学工業(株)製)
・D-3:KR-513(信越化学工業(株)製)
・D-4:下記構造の化合物
・D-5:下記構造の化合物
・D-6:下記構造の化合物
・D-7:下記構造の化合物
・D-8:下記構造の化合物
・D-9:3-ウレイドプロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液
〔マイグレーション抑制剤〕
・E-1:下記構造の化合物
・E-2:下記構造の化合物
・E-3:下記構造の化合物
・E-4:下記構造の化合物
〔界面活性剤〕
・F-1:BYK-333
・F-2:メガファック F-787-F
〔有機チタン化合物(その他添加剤)〕
・J-1:TC-750 (松本ファインケミカル)
・J-2:下記構造の化合物
・J-3:下記構造の化合物
・J-4:下記構造の化合物
・J-5:下記構造の化合物
〔溶剤〕
・H-1:γ-ブチロラクトン(GBL)
・H-2:ジメチルスルホキシド(DMSO)
・H-3:乳酸エチル(EL)
・H-4:N-メチル-2-ピロリドン(NMP)
・H-5:γ-バレロラクトン(GVL)
・H-6:シクロペンタノン
・H-7:3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド
・H-8:アニソール
<基板の作製>
 めっきにて以下のサイズ、金属種を持つピラー基板を作製した。
(基板a)ピッチ;45μm、銅/錫ピラー径;20μm、銅/錫ピラー高;2/8μm、シリコンウエハ、銅、錫がこの順に形成されている。
(基板b)8インチシリコンウエハ上に厚さ5μmのSiO膜をCVD(chemical vapor deposition)で形成し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングによりピッチ45μm、直径20μmのホールパターンを正方配列で形成した。ホールパターンを形成した面に対してチタンおよび銅の薄層をCVDで順に形成した後、めっきによってホールパターン内に銅を充填した。その後、パターン内に銅が充填されたSiO膜を内部の銅とともに厚さ3μmになるまでCMPによって研磨した。
(基板c)8インチシリコンウエハ上に厚さ5μmのSiN膜をCVD(chemical vapor deposition)で形成し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングによりピッチ45μm、直径20μmのホールパターンを正方配列で形成した。ホールパターンを形成した面に対してチタンおよび銅の薄層をCVDで順に形成した後、めっきによってホールパターン内に銅を充填した。その後、パターン内に銅が充填されたSiN膜を内部の銅とともに厚さ3μmになるまでCMPによって研磨した。
(基板d)8インチシリコンウエハ上に厚さ5μmのSiCN膜をCVD(chemical vapor deposition)で形成し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングによりピッチ45μm、直径20μmのホールパターンを正方配列で形成した。ホールパターンを形成した面に対してチタンおよび銅の薄層をCVDで順に形成した後、めっきによってホールパターン内に銅を充填した。その後、パターン内に銅が充填されたSiCN膜を内部の銅とともに厚さ3μmになるまでCMPによって研磨した。
 作製したピラー基板の詳細を以下に説明する。
 図5は上記(基板a)の概略断面図である。
 図5において、10は基板を、12は電極を表しており、電極12は錫により形成されたピラー(導通路)14、銅により形成されたピラ-(電極部)16から形成されている。
 図5中、各ピラーにおけるピラーの直径dの算術平均値がピラー径であり、(基板a)においては20μmである。
 図5中、各ピラーにおけるピラーの間隔pの算術平均値がピッチであり、(基板a)においては45μmである。
 図5中、各ピラーにおける導通路の高さh1の算術平均値が錫ピラー高であり、(基板a)においては8μmである。
 図5中、各ピラーにおける電極の高さh2の算術平均値が銅ピラー高であり、(基板a)においては2μmである。
<基板/基板積層体(接合体)の作製>
〔ポリイミド含有部を有する基板Aの作製、平坦性の評価及び研磨速度の評価〕
 実施例1~68及び比較例1~2、4において、上述の基板aに対し、表に記載の各組成物を15μm膜厚となるよう塗布し、100℃で5分間ベークした。さらに表の「キュア温度(℃)」、「キュア時間(min)」の欄に記載の温度、時間の条件で加熱し、ポリイミド含有部を得た。
 実施例69及び比較例3において、樹脂組成物をPETフィルム上にコンマコーターを用いて塗布した後、100℃、5分間の条件で加熱して溶剤を除去して、厚さ15μmの樹脂膜を形成した。これにより、仮支持体付き樹脂膜を得た。上記樹脂膜を上述の基板aの電極を有する面に張り付け、0.2MPaの加圧力で加圧してラミネートし、仮支持体(PETフィルム)を剥離して樹脂膜を転写した。さらに表の「キュア温度(℃)」、「キュア時間(min)」の欄に記載の温度、時間の条件で加熱し、ポリイミド含有部を得た。
 得られたポリイミド含有部の表面の電極のある部分とない部分の厚みの差の、電極のない部分の厚みに対する割合を、DEKTAK(Bruker社製)により測定し、以下の評価基準により平坦性を評価した。評価結果は表の「キュア後(研磨前)平坦性」の欄に記載した。
-評価基準-
S:5%以下であった。
A:5%を超え10%以下であった。
B:10%を超え20%以下であった。
C:20%を超え30%以下であった。
D:30%を超えた。
 また、上記ポリイミド含有部におけるポリイミドのイミド化率を上述の方法と同様の方法により測定し、「キュア工程後のイミド化率」の欄に記載した。表中の数値の単位は%である。
 続いて、表の「研磨方法」の欄に「アルミナ」又は「シリカ」と記載された例においては、その後不二越機械工業(株)製CMP(Chemical Mechanical Polishing)を用い、表面を残膜5μmになるようポリイミド含有部の表面の平坦化を行い、ポリイミド含有部を有する基板Aを得た。表の「研磨方法」の欄に「アルミナ」と記載された例においてはアルミナスラリー(ケメット・ジャパン社製Polifine A100-Type MX)を、「シリカ」と記載された例においてはシリカスラリーを、それぞれ使用した。
 表の「研磨方法」の欄に「グラインド」と記載された例においては、DISCO社製Surface Planner DAS8920を用い、表面を残膜5μmになるようポリイミド含有部の表面の平坦化を行い、ポリイミド含有部を有する基板Aを得た。
 研磨量及び研磨に要した時間から研磨速度(nm/min)を算出し、以下の評価基準により研磨速度を評価した。評価結果は表の「研磨速度」の欄に記載した。
-評価基準-
A:研磨速度が200nm/min以上であった。
B:研磨速度が100nm/min以上200nm/min未満であった。
C:研磨速度が100nm/min未満であった。
〔基板Bの作製〕
 表の「基板B側絶縁膜の材質」の欄に「ポリイミド」と記載された例においては、上述のポリイミド含有部を有する基板Aの作製と同様の組成物を用い、同様の方法によりポリイミド含有部を有する基板として基板Bを得た。
 表の「基板B側絶縁膜の材質」の欄に「SiO」と記載された例においては、上述の基板bを基板Bとして使用した。
 表の「基板B側絶縁膜の材質」の欄に「SiN」と記載された例においては、上述の基板cを基板Bとして使用した。
 表の「基板B側絶縁膜の材質」の欄に「SiCN」と記載された例においては、上述の基板dを基板Bとして使用した。
〔接合及び密着性の評価〕
 その後、基板A及び基板Bを、ダイシング機にて5mm角にカットしてチップを作製し、東レエンジニアリング社製フリップチップボンダ―を用い、表に記載した「接合温度」、「接合時間」の欄に記載の条件にて接合し、接合体を得た。加圧力は30Nとした。
 得られた各接合体について、XYZTEC社製condor Sigmaダイテスターを用いて、シェアツールを用いて7mm×7mmのサイズの最大剥離抗力(kg/cm)を計測した。1水準につき5つの試験片を作製し、各5回の計測を行い、その算術平均値を採用した。最大剥離抗力は下記の4段階で評価した。評価結果は、表の「密着性」の欄に記載した。最大剥離抗力が大きいほど、接合体は密着性に優れているといえる。
A:最大剥離抗力が20MPa以上であった。
B:最大剥離抗力が10MPa以上20MPa未満であった。
C:最大剥離抗力が10MPa未満であった。
 以上の結果から、本発明に係る樹脂組成物を用いることにより表面平坦性に優れる硬化物が得られることがわかる。
 これと比較して、樹脂のイミド化率が80%未満であるP-3又はP-4を用いた場合には、得られる硬化物の表面平坦性が低いことがわかる。
 1 基板A(下地基板、ドーターチップ)
 1x シリコンウエハ
 1y ポリイミド含有部配設基板
 1z 積層体
 2 基板B(マザーチップ)
 2a 基板Bにおける第2のポリイミド含有部の表面
 2x シリコンウエハ
 2y スルーホール電極
 31 電極(金属部)
 31a 電極の先端
 32 電極(金属部)
 4 樹脂組成物層
 4a ポリイミド含有部の表面(平坦化前)
 4b ポリイミド含有部の表面(平坦化後)
 41 ポリイミド含有部
 42 第2のポリイミド含有部
 51 ポリイミド含有部
 8 電子回路領域
 10 基板
 12 電極A
 14 導通路
 16 電極部
 81 電子回路
 90 半導体デバイス
 100 接合体
 101a~101d 半導体素子
 101 接合体
 102b~102d 貫通電極
 103a~103e 金属バンプ
 105 再配線層
 110、110a、110b 樹脂層
 115 絶縁層
 120 配線基板
 120a 表面電極
 200 半導体デバイス
 d ピラーの直径
 p ピラーの間隔
 h ピラーの高さ
 h1 導通路の高さ
 h2 電極の高さ

Claims (14)

  1.  電極を備える面を有する基板Aを準備する工程、
     前記基板Aの前記電極を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程、
     電極を備える面を有する基板Bを準備する工程、及び、
     前記基板Aの前記ポリイミド含有部を有する面と、前記基板Bの前記電極を備える面とを接合する接合工程、を含み、
     前記ポリイミド含有部形成工程が、前記基板Aの前記電極を備える面に樹脂組成物を適用することを含む、接合体の製造方法に使用される前記樹脂組成物であって、
     ポリイミドである樹脂を含み、
     前記樹脂のイミド化率が80%以上である、
     樹脂組成物。
  2.  重合性化合物及び重合開始剤を更に含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3.  前記重合開始剤が熱重合開始剤である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4.  前記重合開始剤が光重合開始剤である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  5.  前記樹脂が重合性基を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6.  前記樹脂が、下記式(1-1)で表される繰返し単位を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
     式(1-1)中、Xは式(V-1)、式(V-2)、式(V-3)、式(V-5)、又は、式(V-8)のいずれかで表される構造から2以上の水素原子を除いた構造を含み、Yは2価の有機基である。
     式(V-2)中、RX1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基であり、
     式(V-3)中、RX2及びRX3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、RX2とRX3は結合して環構造を形成してもよく、
     式(V-8)中、RX5はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基である。
  7.  前記式(1-1)中、Yがエチレン性不飽和結合を含む基を有する、請求項6に記載の樹脂組成物。
  8.  電極を備える面を有する基板Aを準備する工程、
     前記基板Aの前記電極を備える面上にポリイミド含有部を形成するポリイミド含有部形成工程、
     電極を備える面を有する基板Bを準備する工程、及び、
     前記基板Aのポリイミド含有部を有する面と、前記基板Bの前記電極を備える面とを接合する接合工程、を含み、
     前記ポリイミド含有部形成工程が、前記基板Aの前記電極を備える面にポリイミドを含む樹脂組成物を適用することを含み、
     前記樹脂組成物に含まれる前記ポリイミドのイミド化率が80%以上である、
    接合体の製造方法。
  9.  前記基板Aのポリイミド含有部の表面を平坦化する平坦化工程をさらに含み、
     前記ポリイミド含有部形成工程と、前記平坦化工程と、前記接合工程とをこの順に含む、請求項8に記載の接合体の製造方法。
  10.  前記ポリイミド含有部形成工程におけるポリイミドのイミド化率が90%以上である、請求項8又は9に記載の接合体の製造方法。
  11.  前記ポリイミド含有部形成工程における樹脂組成物の適用が、塗布により行われる、請求項8又は9に記載の接合体の製造方法。
  12.  前記基板Bの前記電極を備える面上に第2のポリイミド含有部を形成する第2のポリイミド含有部形成工程をさらに含み、
     前記第2のポリイミド含有部形成工程と、前記接合工程とをこの順に含む、
    請求項8又は9に記載の接合体の製造方法。
  13.  請求項8又は9の製造方法により製造された接合体。
  14.  請求項8又は9に記載の接合体の製造方法を含む、デバイスの製造方法。
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