WO2025142863A1 - 正極合材 - Google Patents
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Definitions
- the present invention relates to a positive electrode mixture. More specifically, the present invention relates to a positive electrode mixture that can be suitably used for the positive electrode of an all-solid-state lithium-ion battery.
- Lithium-ion batteries are required to have a high battery capacity.
- the use of sulfur in the positive electrode has been considered due to its large theoretical capacity.
- sulfur has low lithium ion conductivity and electronic conductivity, so when using sulfur in the positive electrode, it is necessary to ensure the lithium ion conductivity and electronic conductivity in the positive electrode.
- a positive electrode composite has been developed in which sulfur, a carbon material, diphosphorus pentasulfide, a solid electrolyte, etc. are mechanically mixed in a planetary ball mill to form a composite (see, for example, Patent Documents 1 and 2).
- a positive electrode composite has been developed in which sulfur, a carbon material having pores, and a solid electrolyte are combined, with the solid electrolyte being placed in the pores of the carbon material from a solution state (see, for example, Patent Documents 3 and 4).
- the ion conductor comprises a lithium ion conductive material or a precursor thereof, the lithium ion conductive material comprising a phosphorus element and one or more elements selected from lithium, boron, sulfur, and oxygen.
- the ionic conductor is phosphorus sulfide. 17.
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Abstract
硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、リン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、Arスパッタ処理前後における、X線光電子分光法での表面元素分析による、炭素元素とリン元素の元素比C/Pの変化率が0.365以上、1.00以下である、正極合材。
Description
本発明は、正極合材に関する。さらに詳しくは、本発明は、全固体リチウムイオン電池の正極に好適に使用できる正極合材に関する。
リチウムイオン電池では、高電池容量であることが要求される。電池容量の改善には、理論容量が大きいことから硫黄を正極に用いる方法が検討されている。しかしながら、硫黄はリチウムイオン伝導性及び電子伝導性が低いため、正極に硫黄を用いる場合には、正極内のリチウムイオン伝導性及び電子伝導性を確保する必要がある。
上記課題に対して、硫黄、炭素材料、五硫化二リン、固体電解質等を、遊星ボールミルで機械混合して複合化した正極合材が検討されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。また、硫黄、細孔を有する炭素材料及び固体電解質等を、固体電解質を溶液の状態から炭素材料の細孔内に配置させる正極合材が検討されている(例えば、特許文献3及び4参照。)。
従来技術よりも、充放電特性をさらに向上することが要求されている。特許文献1及び2のような通常の機械混合(メカニカルミリング)による混合では、得られる複合体における硫黄及び炭素材料と、固体電解質や五硫化二リン等の、界面形成が不十分であり、硫黄と炭素材料へのイオン伝導パスの形成に限界があった。特許文献3及び4のような溶液から固体電解質を析出させる手法では、得られる複合体における硫黄及び炭素材料と、固体電解質の界面形成が不十分であり、硫黄と炭素材料へのイオン伝導パスの形成に限界があった。
本発明の目的の一つは、リチウムイオン電池の充放電特性を向上できる正極合材を提供することである。
本発明の目的の一つは、リチウムイオン電池の充放電特性を向上できる正極合材を提供することである。
本発明によれば、以下の正極合材等が提供される。
1.硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、リン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、
Arスパッタ処理前後における、X線光電子分光法での表面元素分析による、炭素元素とリン元素の元素比C/Pの変化率が0.365以上、1.00以下である、正極合材。
2.前記元素比C/Pの変化率が0.380以上、0.950以下である、1に記載の正極合材。
3.固体31P-NMR測定において、101.0ppm付近にピークトップを有するピークがある、1又は2に記載の正極合材。
4.前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S5、P2S6 4-及びPS3 -のピークの面積の合計が、全体の68%以下である、1に記載の正極合材。
5.前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S7 4-のピークの面積が、全体の23%以上である、1に記載の正極合材。
6.前記イオン伝導体の融点が、130℃~450℃である、1~5のいずれかに記載の正極合材。
7.前記イオン伝導体が、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体と、を含む、1~6のいずれかに記載の正極合材。
8.前記イオン伝導体が硫化リンを含む、1~7のいずれかに記載の正極合材。
9.前記イオン伝導体が五硫化二リンを含む、1~8のいずれかに記載の正極合材。
10.前記硫黄系活物質が単体硫黄を含む、1~9のいずれかに記載の正極合材。
11.前記炭素材料に対する前記硫黄系活物質とリン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の合計の質量比が5.00よりも小さい、1~10のいずれか記載の正極合材。
12.硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合して、正極合材前駆体を調製し、
前記正極合材前駆体と、結晶性固体電解質とを、固体電解質の結晶性が低下し、非晶質化が進行する条件で混合粉砕して正極合材を製造する、正極合材の製造方法。
13.前記硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の複合体と、前記溶融状態のイオン伝導体とを混合する、12に記載の製造方法。
14.前記イオン伝導体の融点が、130℃~450℃である、12又は13に記載の製造方法。
15.前記イオン伝導体が、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体と、を含む、12~14のいずれかに記載の製造方法。
16.前記イオン伝導体が硫化リンである、12~15のいずれかに記載の製造方法。
17.前記イオン伝導体が五硫化二リンを含む、12~16のいずれかに記載の製造方法。
18.前記硫黄系活物質が単体硫黄を含む、12~17のいずれかに記載の製造方法。
19.前記硫黄系活物質、炭素材料及びイオン伝導体の質量比が以下の関係を満たす、12~18のいずれかに記載の製造方法。
(硫黄系活物質+炭素材料):イオン伝導体=50:1~80
20.前記炭素材料に対する、前記硫黄系活物質とイオン伝導体の合計の質量比が5.00よりも小さい、12~19のいずれかに記載の製造方法。
21.1~11のいずれかに記載の正極合材を含む、正極。
22.1~11のいずれかに記載の正極合材又は21の正極を含む、リチウムイオン電池。
1.硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、リン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、
Arスパッタ処理前後における、X線光電子分光法での表面元素分析による、炭素元素とリン元素の元素比C/Pの変化率が0.365以上、1.00以下である、正極合材。
2.前記元素比C/Pの変化率が0.380以上、0.950以下である、1に記載の正極合材。
3.固体31P-NMR測定において、101.0ppm付近にピークトップを有するピークがある、1又は2に記載の正極合材。
4.前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S5、P2S6 4-及びPS3 -のピークの面積の合計が、全体の68%以下である、1に記載の正極合材。
5.前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S7 4-のピークの面積が、全体の23%以上である、1に記載の正極合材。
6.前記イオン伝導体の融点が、130℃~450℃である、1~5のいずれかに記載の正極合材。
7.前記イオン伝導体が、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体と、を含む、1~6のいずれかに記載の正極合材。
8.前記イオン伝導体が硫化リンを含む、1~7のいずれかに記載の正極合材。
9.前記イオン伝導体が五硫化二リンを含む、1~8のいずれかに記載の正極合材。
10.前記硫黄系活物質が単体硫黄を含む、1~9のいずれかに記載の正極合材。
11.前記炭素材料に対する前記硫黄系活物質とリン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の合計の質量比が5.00よりも小さい、1~10のいずれか記載の正極合材。
12.硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合して、正極合材前駆体を調製し、
前記正極合材前駆体と、結晶性固体電解質とを、固体電解質の結晶性が低下し、非晶質化が進行する条件で混合粉砕して正極合材を製造する、正極合材の製造方法。
13.前記硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の複合体と、前記溶融状態のイオン伝導体とを混合する、12に記載の製造方法。
14.前記イオン伝導体の融点が、130℃~450℃である、12又は13に記載の製造方法。
15.前記イオン伝導体が、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体と、を含む、12~14のいずれかに記載の製造方法。
16.前記イオン伝導体が硫化リンである、12~15のいずれかに記載の製造方法。
17.前記イオン伝導体が五硫化二リンを含む、12~16のいずれかに記載の製造方法。
18.前記硫黄系活物質が単体硫黄を含む、12~17のいずれかに記載の製造方法。
19.前記硫黄系活物質、炭素材料及びイオン伝導体の質量比が以下の関係を満たす、12~18のいずれかに記載の製造方法。
(硫黄系活物質+炭素材料):イオン伝導体=50:1~80
20.前記炭素材料に対する、前記硫黄系活物質とイオン伝導体の合計の質量比が5.00よりも小さい、12~19のいずれかに記載の製造方法。
21.1~11のいずれかに記載の正極合材を含む、正極。
22.1~11のいずれかに記載の正極合材又は21の正極を含む、リチウムイオン電池。
本発明によれば、リチウムイオン電池の充放電特性を向上できる正極合材を提供することができる。また、複雑な製造プロセスにより製造されることの多い固体電解質の使用量を削減することができ、コストの低減が期待できる。
1.正極合材の第一の形態
本発明の一実施形態に係る正極合材は、硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、リン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含む。そして、Arスパッタ処理前後における、X線光電子分光法での表面元素分析による、炭素元素とリン元素の元素比C/Pの変化率が0.365以上、1.00以下である。
本発明の一実施形態に係る正極合材は、硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、リン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含む。そして、Arスパッタ処理前後における、X線光電子分光法での表面元素分析による、炭素元素とリン元素の元素比C/Pの変化率が0.365以上、1.00以下である。
Arスパッタ処理は、正極合材の表面層を削り、正極合材の内部の状態を測定するための処理である。元素比C/Pの変化率(RA)は、正極合材の最表面と、その内部の元素比の変化を示し、下記式から計算される。
RA=(内部の元素比C/P)/(表面の元素比C/P)
RA=(内部の元素比C/P)/(表面の元素比C/P)
RAが1であることは、内部と表面の元素組成が等しいことを意味し、1からの差が大きくなるに従い、内部と表面の元素組成の相違が大きくなることを示す。Arスパッタのスパッタリングレート等の影響により、内部は表面よりも元素比C/Pが小さくなる傾向がある。一方、本実施形態の正極合材では性状として、表面にリン(P)が、内部に炭素(C)が偏在する傾向がある。Arスパッタの影響と正極合材の性状の関係から、本実施形態の正極合材では、元素比C/Pの変化率(RA)は、0.365以上、1.00以下となる。これは、硫黄系活物質と、炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体が、従来とは異なる形態で界面を形成していることを表していると考えられる。その結果、正極合材内のイオン伝導パスが効率よく形成され、リチウムイオン電池の充放電特性を向上できる正極合材が得られる。
元素比C/Pの変化率は、好ましくは0.380以上、0.950以下、さらに好ましくは0.395以上、0.900以下、特に好ましくは0.410以上、0.800以下である。
元素比C/Pの変化率の測定の詳細は実施例のとおりである。
元素比C/Pの変化率は、好ましくは0.380以上、0.950以下、さらに好ましくは0.395以上、0.900以下、特に好ましくは0.410以上、0.800以下である。
元素比C/Pの変化率の測定の詳細は実施例のとおりである。
本発明の一実施形態に係る正極合材は、固体31P-NMR測定において、101.0ppm付近にピークトップを有するピークがある。なお、「付近」とは、測定装置等により化学シフトの位置が多少異なる場合があることを意味するが、例えば、±2ppmの範囲を意味する。固体31P-NMR測定により、正極合材表面付近のリン元素の状態が確認できる。101.0ppm付近のピークは、P2S6
4-とP2S7
4-の中間的な化学シフトを持つ、新たなピークである。本実施形態では、硫黄系活物質と、炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体が、従来とは異なる形態で界面を形成しているため、該ピークが観測されると考えられる。
同様の理由により、本発明の一実施形態に係る正極合材は、イオン伝導体は硫化リンを含み、固体31P-NMR測定において、P2S5、P2S6
4-及びPS3
-のピークの面積の合計が、全体の68%以下である。これは、本実施形態では、硫黄系活物質と、炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体が、従来とは異なる形態で界面を形成していることを示す。
また、本発明の一実施形態に係る正極合材は、イオン伝導体は硫化リンを含み、固体31P-NMR測定において、P2S7 4-のピークの面積が、全体の23%以上である。これは、本実施形態では、硫黄系活物質と、炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体が、従来とは異なる形態で界面を形成していることを示す。
固体31P-NMR測定の詳細は実施例のとおりである。
また、本発明の一実施形態に係る正極合材は、イオン伝導体は硫化リンを含み、固体31P-NMR測定において、P2S7 4-のピークの面積が、全体の23%以上である。これは、本実施形態では、硫黄系活物質と、炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体が、従来とは異なる形態で界面を形成していることを示す。
固体31P-NMR測定の詳細は実施例のとおりである。
一実施形態において正極合材に含まれる固体電解質は非晶質又は低結晶性である。非晶質又は低結晶性であることは、X線回折測定のピークから算出される結晶子サイズが65nm以下であることを意味する。
一実施形態において、炭素材料(C)に対する硫黄系活物質(S)とリン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の合計の質量比が5.00よりも小さい。例えば、イオン伝導体が五硫化二リンの場合、質量比[(S+P2S5)/C]が5.00よりも小さい。質量比が5.00未満である場合、充放電特性がより向上する。上記質量比は、4.80以下、4.50以下、4.30以下、4.00以下、3.70以下、又は3.50以下であってもよい。
なお、上記質量比は各構成材料の配合量により調整できる。
なお、上記質量比は各構成材料の配合量により調整できる。
2.正極合材の製造方法
本実施形態の正極合材は、例えば、下記の工程を含む本発明の方法により製造できる。
工程(A):硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合して、正極合材前駆体を調製する。
工程(B):工程(A)の正極合材前駆体と、固体電解質とを、混合粉砕して正極合材を製造する。
一実施形態において、正極合材は、本発明の製造方法により得られる。以下、正極合材前駆体及び正極合材の製造方法について説明する。
本実施形態の正極合材は、例えば、下記の工程を含む本発明の方法により製造できる。
工程(A):硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合して、正極合材前駆体を調製する。
工程(B):工程(A)の正極合材前駆体と、固体電解質とを、混合粉砕して正極合材を製造する。
一実施形態において、正極合材は、本発明の製造方法により得られる。以下、正極合材前駆体及び正極合材の製造方法について説明する。
[工程(A)]
工程(A)では、硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合して、正極合材前駆体を調製する。
工程(A)では、硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合して、正極合材前駆体を調製する。
硫黄系活物質としては、特に限定はないが、硫黄、硫化リチウム(Li2S)、多硫化リチウム(Li2Sn:nは1<n≦8を満たす。)、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2)、硫化鉄(FeS、FeS2)、硫化銅(CuS)、硫化ニッケル(Ni3S2)、硫黄含有ポリマー化合物等が挙げられる。なかでも硫黄が好ましい。
硫黄としては、特に限定はないが、純度が高いものが好ましい。具体的に、純度は95質量%以上が好ましく、さらに96質量%以上が好ましく、特に、97質量%以上が好ましい。
硫黄の結晶系は、α硫黄(斜方晶系)、β(単斜晶系)、γ(単斜晶系)、無定形硫黄等が挙げられる。これらは単独でも2種以上でも併用可能である。
硫黄としては、特に限定はないが、純度が高いものが好ましい。具体的に、純度は95質量%以上が好ましく、さらに96質量%以上が好ましく、特に、97質量%以上が好ましい。
硫黄の結晶系は、α硫黄(斜方晶系)、β(単斜晶系)、γ(単斜晶系)、無定形硫黄等が挙げられる。これらは単独でも2種以上でも併用可能である。
イオン伝導体としては、リン元素を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体が使用できる。
リチウムイオン伝導性材料としては、リチウム、ホウ素、酸素、硫黄、リン、ハロゲン及びアンチモンから選ばれる1種以上の元素を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体が挙げられる。好ましくは、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体である。なお、リン元素を含まないリチウムイオン伝導性材料は、リン元素を含むリチウムイオン伝導性材料と組み合わせて使用することができる。
リチウムイオン伝導性材料としては、リチウム、ホウ素、酸素、硫黄、リン、ハロゲン及びアンチモンから選ばれる1種以上の元素を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体が挙げられる。好ましくは、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体である。なお、リン元素を含まないリチウムイオン伝導性材料は、リン元素を含むリチウムイオン伝導性材料と組み合わせて使用することができる。
本明細書において、「リチウム、ホウ素、酸素、硫黄、リン、ハロゲン及びアンチモンから選ばれる1種以上の元素を含むリチウムイオン伝導性材料」とは、窒素雰囲気下25℃で固体を維持し、リチウムイオンに起因するイオン伝導度を有する材料である。また、「リチウム、ホウ素、酸素、リン、ハロゲン及びアンチモンから選ばれる1種以上の元素を含むリチウムイオン伝導性材料の前駆体」とは、リチウムイオン電池の活物質として用いた際に、リチウム金属やリチウムイオンと反応してリチウムを含む化合物を形成し、上記のリチウムイオン伝導性材料となるものである。
本明細書において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等の元素が挙げられる。
イオン伝導体は、加熱により融液とすることから、融点が130~450℃であることが好ましく、220~450℃であることがより好ましい。また、イオン伝導体の融点は、440℃以下、430℃以下、420℃以下、410℃以下、又は400℃以下のように、より低温であるのが好ましい。硫黄系活物質の一例として挙げられる単体硫黄は沸点が約450℃であり、それ以上の融点を有する物質の融液との混合では揮発してしまい、所望の正極合材前駆体は得られないと考えられる。また、工程における温度を下げることで製造時のエネルギーを低減でき、低コスト化につながる。
リチウムイオン伝導性材料として、水素化ホウ素リチウム、LiBF4、有機リチウム塩、ポリエチレンオキサイド等のポリマー電解質等が挙げられる。また、リチウムイオン伝導性材料の前駆体としては、五硫化二リン等の硫化リン、赤リン、硫化ホウ素、五酸化二リン、スズ等が挙げられる。これら化合物は単独で使用してもよく、また、2種以上を組わせて使用してもよい。
有機リチウム塩としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム、フルオロスルホニル-トリフルオロメタンスルホニルイミドリチウム、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム等のビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩;4,4,5,5-テトラフルオロ-1,3,2-ジチアゾリジン-1,1,3,3-テトラオキシドリチウム塩等のパーフルオロアルキルスルホンイミドのリチウム塩;フルオロスルホニルイミドのリチウム塩;トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸リチウム、プロピオン酸リチウム、酪酸リチウム等のカルボン酸リチウム塩;ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、p-スチレンスルホン酸リチウム等の有機スルホン酸リチウム塩;有機リン酸リチウム塩等が挙げられる。
これらの有機リチウム塩はイオン伝導性ポリマーやイオン液体共に用いることも好ましく、より高いリチウム伝導性を付与することが期待できる。
これらの有機リチウム塩はイオン伝導性ポリマーやイオン液体共に用いることも好ましく、より高いリチウム伝導性を付与することが期待できる。
イオン伝導体は、好ましくは、リチウム元素を実質的に含有しない、硫化リン、赤リン、硫化ホウ素、五酸化二リン、及び、ポリエチレンオキサイド等のポリマー電解質からなる群より選択される1以上の化合物である。リチウム元素を実質的に含有しないイオン伝導体は、硫黄系活物質や炭素材料との親和性が高いと考えられる。
さらに好ましくは、イオン伝導体は、硫化リン、赤リン及び五酸化二リンからなる群より選択される1以上の化合物である。
硫化リンとしては、三硫化リン(P4S3)、五硫化二リン(P2S5)、七硫化リン(P4S7)、五硫化四リン(P4S5)等が挙げられる。また、硫化リンは二量体やポリスルフィドの構造を有していてもよく、また、混合物であってもよい。特に好ましくは、イオン伝導体は、リチウムと反応して高いイオン伝導性を示す硫化物固体電解質が形成されることが期待される五硫化二リンである。
イオン伝導体全体に対する硫化リン又は五硫化二リンの含有率は50質量%以上、80%質量%以上、95質量%以上又は99質量%以上であり、実質的に100質量%である。実質的に100質量%の場合、不可避的不純物を含んでいてもよい。
硫化リンとしては、三硫化リン(P4S3)、五硫化二リン(P2S5)、七硫化リン(P4S7)、五硫化四リン(P4S5)等が挙げられる。また、硫化リンは二量体やポリスルフィドの構造を有していてもよく、また、混合物であってもよい。特に好ましくは、イオン伝導体は、リチウムと反応して高いイオン伝導性を示す硫化物固体電解質が形成されることが期待される五硫化二リンである。
イオン伝導体全体に対する硫化リン又は五硫化二リンの含有率は50質量%以上、80%質量%以上、95質量%以上又は99質量%以上であり、実質的に100質量%である。実質的に100質量%の場合、不可避的不純物を含んでいてもよい。
細孔を有する炭素材料としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、クノーベル(登録商標)等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
一実施形態において、炭素材料のBET比表面積が50m2/g以上、6000m2/g以下である。これにより、炭素材料と硫黄系活物質の広い接触界面を形成でき、硫黄系活物質の利用率を向上させることができる。
BET比表面積は70m2/g以上、100m2/g以上、1000m2/g以上、1500m2/g以上、2000m2/g以上、2500m2/g以上又は3000m2/g以上である。また5500m2/g以下が好ましく、さらに5000m2/g以下が好ましい。
BET比表面積は70m2/g以上、100m2/g以上、1000m2/g以上、1500m2/g以上、2000m2/g以上、2500m2/g以上又は3000m2/g以上である。また5500m2/g以下が好ましく、さらに5000m2/g以下が好ましい。
また、炭素材料の細孔容積が0.5cm3/g以上、6cm3/g以下である。これにより、炭素材料の細孔内に硫黄系活物質を含浸でき、電池の容量をより向上させることができる。
細孔容積は0.7cm3/g以上が好ましく、さらに1.0cm3/g以上が好ましい。また5.5cm3/g以下が好ましく、さらに5.0cm3/g以下が好ましい。
細孔容積は0.7cm3/g以上が好ましく、さらに1.0cm3/g以上が好ましい。また5.5cm3/g以下が好ましく、さらに5.0cm3/g以下が好ましい。
本発明において、BET比表面積及び細孔容積は、液体窒素温度下において、炭素材料に窒素ガスを吸着して得られる窒素吸着等温線を用いて求めることができる。具体的には、BET比表面積は、窒素吸着等温線を用いて、Brenauer-Emmet-Telle(BET)多点法により算出することができる。また、細孔容積は、窒素吸着等温線を用いて、Barret-Joyner-Halenda(BJH)法により求めることができる。
測定装置としては、例えば、Quantacrome社製の比表面積・細孔分布測定装置(Autosorb-3)を用いて測定できる。
測定装置としては、例えば、Quantacrome社製の比表面積・細孔分布測定装置(Autosorb-3)を用いて測定できる。
本実施形態の製造方法では、上述した硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合する。一実施形態において、硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の複合体を予め調製し、その後に、複合体と溶融状態のイオン伝導体とを混合する。これにより、複合体の表面、すなわち、硫黄系活物質上及び炭素材料上のいずれにもイオン伝導体が被覆されることになり、3者のイオン伝導パスが効率よく形成される。一方、硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の混合物と溶融状態のイオン伝導体とを混合する場合にも、イオン伝導体よりも融点の低い硫黄系活物質が先に溶融することで、硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の複合体が生成し、その後にイオン伝導体が溶融することで同様の構造が生成すると考えられる。
一実施形態において、硫黄系活物質(S)と炭素材料(C)の質量比は1:9~9:1であり、好ましくは、5:5~9:1である。
硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の複合化法は、特に限定はなく、例えば、遊星ボールミル等の混合粉砕機を使用して、硫黄系活物質及び炭素材料を混合粉砕して複合化してもよく、また、密封状態で硫黄系活物質の融点以上に加熱して、硫黄系活物質及び炭素材料を複合化してもよい。
硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体との混合は、イオン伝導体の融点以上の温度で加熱することで実施できる。加熱温度は使用するイオン伝導体に合わせて調整する。常圧で昇華性を有する物質については、加圧して溶融状態で混合させることができる。加熱時間は10分~24時間が好ましい。
加熱後冷却することにより、正極合材前駆体が得られる。必要に応じて冷却後に粉砕工程を実施してもよい。
加熱後冷却することにより、正極合材前駆体が得られる。必要に応じて冷却後に粉砕工程を実施してもよい。
一実施形態において、正極合材前駆体は硫黄系活物質、炭素材料及びイオン伝導体の質量比が以下の関係を満たす。
(硫黄系活物質+炭素材料):イオン伝導体=50:1~80
好ましくは、(硫黄系活物質+炭素材料):イオン伝導体=50:5~60である。
(硫黄系活物質+炭素材料):イオン伝導体=50:1~80
好ましくは、(硫黄系活物質+炭素材料):イオン伝導体=50:5~60である。
一実施形態において、炭素材料(C)に対する硫黄系活物質(S)とイオン伝導体の合計の質量比が5.00よりも小さい。例えば、イオン伝導体が五硫化二リンの場合、質量比[(S+P2S5)/C]が5.00よりも小さい。質量比が5.00未満である場合、充放電特性がより向上する。上記質量比は、4.80以下、4.50以下、4.30以下、4.00以下、3.70以下、又は3.50以下であってもよい。また、上記質量比は、2.00以上、2.60以上、又は3.20以上である。
なお、上記質量比は各構成材料の配合量により調整できる。
なお、上記質量比は各構成材料の配合量により調整できる。
[工程(B)]
工程(B)では、工程(A)の正極合材前駆体と、固体電解質とを、混合粉砕して正極合材を製造する。固体電解質は特に限定されないが、例えば、後述するリチウムイオン電池で使用する硫化物固体電解質が挙げられる。
工程(B)では、工程(A)の正極合材前駆体と、固体電解質とを、混合粉砕して正極合材を製造する。固体電解質は特に限定されないが、例えば、後述するリチウムイオン電池で使用する硫化物固体電解質が挙げられる。
正極合材前駆体と固体電解質の混合は、特に限定されず、使用する固体電解質の特性に合わせて調整することができる。例えば、固体電解質が結晶性であり、結晶の維持が性能に影響する場合、正極合材前駆体と固体電解質の混合は、比較的に弱い力で実施する。
正極合材前駆体と固体電解質の混合装置としては、遊星ボールミル、転動ミル、ビーズミル、フィルミクス、ナウタミキサー、トルネードミキサー、二軸押出機、多軸ローラー、固相せん断混練機等が挙げられる。
正極合材前駆体と固体電解質の混合装置としては、遊星ボールミル、転動ミル、ビーズミル、フィルミクス、ナウタミキサー、トルネードミキサー、二軸押出機、多軸ローラー、固相せん断混練機等が挙げられる。
一実施形態において、固体電解質は結晶性固体電解質であり、固体電解質の結晶性が低下し、非晶質化が進行する条件で混合粉砕して正極合材を製造する。非晶質化が進行する条件で混合粉砕するには、例えば、比較的衝撃力が大きい、遊星ボールミル等の装置を使用すればよい。また、回転数等の条件を調整して、通常よりも高負荷の状態で混合粉砕すればよい。固体電解質が非晶質化しているかは、例えば、X線回折測定による結晶ピークの存在及び半値幅の変化により確認できる。
3.リチウムイオン電池
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池は、上述した本発明の正極合材を含む。例えば、液体の電解質に替えて固体電解質を使用することにより、全固体リチウムイオン電池を製造できる。本発明の正極合材を使用することにより、充放電特性のよい全固体のリチウムイオン電池が作製できる。以下、全固体リチウムイオン電池について説明する。
全固体リチウムイオン電池は、主に正極層、負極層及び電解質層からなるが、本発明の正極合材は正極層の構成材料として好適である。負極層及び電解質層は公知の方法により製造できる。また、正極層、負極層、電解質層の他に、集電体が用いられていることが好ましく、集電体も公知のものが用いられる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池は、上述した本発明の正極合材を含む。例えば、液体の電解質に替えて固体電解質を使用することにより、全固体リチウムイオン電池を製造できる。本発明の正極合材を使用することにより、充放電特性のよい全固体のリチウムイオン電池が作製できる。以下、全固体リチウムイオン電池について説明する。
全固体リチウムイオン電池は、主に正極層、負極層及び電解質層からなるが、本発明の正極合材は正極層の構成材料として好適である。負極層及び電解質層は公知の方法により製造できる。また、正極層、負極層、電解質層の他に、集電体が用いられていることが好ましく、集電体も公知のものが用いられる。
固体電解質は特に限定されないが、例えば、硫化物固体電解質が挙げられる。
硫化物固体電解質は、少なくとも硫黄原子を含み、かつ含まれる金属イオンに起因するイオン伝導度を発現する固体電解質であり、硫黄原子の他、好ましくはリチウム原子、リン原子を含み、より好ましくはリチウム原子、リン原子及びハロゲン原子を含み、リチウム原子に起因するイオン伝導度を有する固体電解質である。
硫化物固体電解質としては、非晶性硫化物固体電解質であってもよいし、結晶性硫化物固体電解質であってもよい。
硫化物固体電解質は、少なくとも硫黄原子を含み、かつ含まれる金属イオンに起因するイオン伝導度を発現する固体電解質であり、硫黄原子の他、好ましくはリチウム原子、リン原子を含み、より好ましくはリチウム原子、リン原子及びハロゲン原子を含み、リチウム原子に起因するイオン伝導度を有する固体電解質である。
硫化物固体電解質としては、非晶性硫化物固体電解質であってもよいし、結晶性硫化物固体電解質であってもよい。
(非晶性硫化物固体電解質)
非晶性硫化物固体電解質としては、少なくとも硫黄原子を含み、含まれる金属イオンに起因するイオン伝導度を発現するものであれば特に制限なく採用することができ、代表的なものとしては、例えば、Li2S-P2S5等の硫化リチウムと硫化リンとから構成される、硫黄原子、リチウム原子及びリン原子を含む固体電解質;Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-LiCl、Li2S-P2S5-LiBr、Li2S-P2S5-LiI-LiBr等の、硫化リチウムと硫化リンとハロゲン化リチウムとから構成される固体電解質;更に酸素元素、珪素元素等の他の元素を含む、例えば、Li2S-P2S5-Li2O-LiI、Li2S-SiS2-P2S5-LiI等の固体電解質が好ましく挙げられる。より高いイオン伝導度を得る観点から、Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-LiCl、Li2S-P2S5-LiBr、Li2S-P2S5-LiI-LiBr等の、硫化リチウムと硫化リンとハロゲン化リチウムとから構成される固体電解質が好ましい。
非晶性硫化物固体電解質を構成する元素の種類は、例えば、ICP発光分光分析装置により確認することができる。
非晶性硫化物固体電解質としては、少なくとも硫黄原子を含み、含まれる金属イオンに起因するイオン伝導度を発現するものであれば特に制限なく採用することができ、代表的なものとしては、例えば、Li2S-P2S5等の硫化リチウムと硫化リンとから構成される、硫黄原子、リチウム原子及びリン原子を含む固体電解質;Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-LiCl、Li2S-P2S5-LiBr、Li2S-P2S5-LiI-LiBr等の、硫化リチウムと硫化リンとハロゲン化リチウムとから構成される固体電解質;更に酸素元素、珪素元素等の他の元素を含む、例えば、Li2S-P2S5-Li2O-LiI、Li2S-SiS2-P2S5-LiI等の固体電解質が好ましく挙げられる。より高いイオン伝導度を得る観点から、Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-LiCl、Li2S-P2S5-LiBr、Li2S-P2S5-LiI-LiBr等の、硫化リチウムと硫化リンとハロゲン化リチウムとから構成される固体電解質が好ましい。
非晶性硫化物固体電解質を構成する元素の種類は、例えば、ICP発光分光分析装置により確認することができる。
非晶性硫化物固体電解質が、少なくともLi2S-P2S5を有するものである場合、Li2SとP2S5とのモル比は、化学的安定性が高く、より高いイオン伝導度を得る観点から、65~85:15~35が好ましく、70~80:20~30がより好ましく、72~78:22~28が更に好ましい。
非晶性硫化物固体電解質が、例えば、Li2S-P2S5-LiI-LiBrである場合、硫化リチウム及び五硫化二リンの含有量の合計は、60~95モル%が好ましく、65~90モル%がより好ましく、70~85モル%が更に好ましい。また、臭化リチウムとヨウ化リチウムとの合計に対する臭化リチウムの割合は、1~99モル%が好ましく、20~90モル%がより好ましく、40~80モル%が更に好ましく、50~70モル%が特に好ましい。
非晶性硫化物固体電解質が、例えば、Li2S-P2S5-LiI-LiBrである場合、硫化リチウム及び五硫化二リンの含有量の合計は、60~95モル%が好ましく、65~90モル%がより好ましく、70~85モル%が更に好ましい。また、臭化リチウムとヨウ化リチウムとの合計に対する臭化リチウムの割合は、1~99モル%が好ましく、20~90モル%がより好ましく、40~80モル%が更に好ましく、50~70モル%が特に好ましい。
非晶性硫化物固体電解質において、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を含む場合、これらの原子の配合比(モル比)は、1.0~1.8:1.0~2.0:0.1~0.8:0.01~0.6が好ましく、1.1~1.7:1.2~1.8:0.2~0.6:0.05~0.5がより好ましく、1.2~1.6:1.3~1.7:0.25~0.5:0.08~0.4が更に好ましい。
また、ハロゲン原子として、臭素及びヨウ素を併用する場合、リチウム原子、硫黄原子、リン原子、臭素原子、及びヨウ素原子の配合比(モル比)は、1.0~1.8:1.0~2.0:0.1~0.8:0.01~0.3:0.01~0.3が好ましく、1.1~1.7:1.2~1.8:0.2~0.6:0.02~0.25:0.02~0.25がより好ましく、1.2~1.6:1.3~1.7:0.25~0.5:0.03~0.2:0.03~0.2がより好ましく、1.35~1.45:1.4~1.7:0.3~0.45:0.04~0.18:0.04~0.18が更に好ましい。リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子の配合比(モル比)を上記範囲内とすることにより、後述するチオリシコンリージョンII型結晶構造を有する、より高いイオン伝導度の固体電解質が得られやすくなる。
また、ハロゲン原子として、臭素及びヨウ素を併用する場合、リチウム原子、硫黄原子、リン原子、臭素原子、及びヨウ素原子の配合比(モル比)は、1.0~1.8:1.0~2.0:0.1~0.8:0.01~0.3:0.01~0.3が好ましく、1.1~1.7:1.2~1.8:0.2~0.6:0.02~0.25:0.02~0.25がより好ましく、1.2~1.6:1.3~1.7:0.25~0.5:0.03~0.2:0.03~0.2がより好ましく、1.35~1.45:1.4~1.7:0.3~0.45:0.04~0.18:0.04~0.18が更に好ましい。リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子の配合比(モル比)を上記範囲内とすることにより、後述するチオリシコンリージョンII型結晶構造を有する、より高いイオン伝導度の固体電解質が得られやすくなる。
また、非晶性硫化物固体電解質の形状としては、特に制限はないが、例えば、粒子状を挙げることができる。粒子状の非晶性硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、0.01μm~500μm、0.1μm~200μmの範囲内を例示できる。
本明細書において、平均粒径(D50)は、粒子径分布積算曲線を描いた時に粒子径の最も小さい粒子から順次積算して全体の50%に達するところの粒子径であり、体積分布は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる平均粒径のことである。
本明細書において、平均粒径(D50)は、粒子径分布積算曲線を描いた時に粒子径の最も小さい粒子から順次積算して全体の50%に達するところの粒子径であり、体積分布は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる平均粒径のことである。
(結晶性硫化物固体電解質)
結晶性硫化物固体電解質としては、例えば上記の非晶性硫化物固体電解質を結晶化温度以上に加熱して得られる、いわゆるガラスセラミックスであってもよく、以下の結晶構造を有する硫化物固体電解質を採用し得る。
リチウム原子、硫黄原子及びリン原子を含む結晶性硫化物固体電解質が有し得る結晶構造としては、Li3PS4結晶構造、Li4P2S6結晶構造、Li7PS6結晶構造、Li7P3S11結晶構造、2θ=20.2°近傍及び23.6°近傍にピークを有する結晶構造(例えば、特開2013-16423号公報)等が挙げられる。
結晶性硫化物固体電解質としては、例えば上記の非晶性硫化物固体電解質を結晶化温度以上に加熱して得られる、いわゆるガラスセラミックスであってもよく、以下の結晶構造を有する硫化物固体電解質を採用し得る。
リチウム原子、硫黄原子及びリン原子を含む結晶性硫化物固体電解質が有し得る結晶構造としては、Li3PS4結晶構造、Li4P2S6結晶構造、Li7PS6結晶構造、Li7P3S11結晶構造、2θ=20.2°近傍及び23.6°近傍にピークを有する結晶構造(例えば、特開2013-16423号公報)等が挙げられる。
また、リチウム原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子を含む結晶性硫化物固体電解質が有し得る結晶構造としては、Li4-xGe1-xPxS4系チオリシコンリージョンII(thio-LISICON Region II)型結晶構造(Kannoら、Journal of The Electrochemical Society,148(7)A742-746(2001)参照)、Li4-xGe1-xPxS4系チオリシコンリージョンII(thio-LISICON Region II)型と類似の結晶構造(Solid State Ionics,177(2006),2721-2725参照))等が挙げられる。ここで、「チオリシコンリージョンII型結晶構造」は、Li4-xGe1-xPxS4系チオリシコンリージョンII(thio-LISICON Region II)型結晶構造、Li4-xGe1-xPxS4系チオリシコンリージョンII(thio-LISICON Region II)型と類似の結晶構造のいずれかであることを示す。
CuKα線を用いたX線回折測定において、Li3PS4結晶構造の回折ピークは、例えば2θ=17.5°、18.3°、26.1°、27.3°、30.0°付近に現れ、Li4P2S6結晶構造の回折ピークは、例えば2θ=16.9°、27.1°、32.5°付近に現れ、Li7PS6結晶構造の回折ピークは、例えば2θ=15.3°、25.2°、29.6°、31.0°付近に現れ、Li7P3S11結晶構造の回折ピークは、例えば2θ=17.8°、18.5°、19.7°、21.8°、23.7°、25.9°、29.6°、30.0°付近に現れ、Li4-xGe1-xPxS4系チオリシコンリージョンII(thio-LISICON Region II)型結晶構造の回折ピークは、例えば2θ=20.1°、23.9°、29.5°付近に現れ、Li4-xGe1-xPxS4系チオリシコンリージョンII(thio-LISICON Region II)型と類似の結晶構造の回折ピークは、例えば2θ=20.2°、23.6°付近に現れる。なお、これらのピーク位置については、±0.5°の範囲内で前後していてもよい。
また、結晶性の硫化物固体電解質の結晶構造としては、アルジロダイト型結晶構造も挙げられる。アルジロダイト型結晶構造としては、例えば、Li7PS6結晶構造;Li7PS6の構造骨格を有する組成式Li7-xP1-ySiyS6及びLi7+xP1-ySiyS6(xは-0.6~0.6、yは0.1~0.6)で示される結晶構造;Li7-x-2yPS6-x-yClx(0.8≦x≦1.7、0<y≦-0.25x+0.5)で示される結晶構造;Li7-xPS6-xHax(HaはClもしくはBr、xが好ましくは0.2~1.8)で示される結晶構造が挙げられる。
上記の結晶構造の中でも、結晶性硫化物固体電解質が有する結晶構造としては、Li3PS4結晶構造、チオリシコンリージョンII型結晶構造、アルジロダイト型結晶構造が好ましい。
結晶性硫化物固体電解質の形状としては、特に制限はないが、例えば、粒子状を挙げることができる。粒子状の結晶性硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、既述の非晶性硫化物固体電解質の平均粒径(D50)と同様に、例えば、0.01μm~500μm、0.1μm~200μmの範囲内を例示できる。
4.正極合材の他の形態
本発明の一実施形態に係る正極合材は、硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、
固体31P-NMR測定において、101.0ppm付近にピークトップを有するピークがある。
本発明の一実施形態に係る正極合材は、硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、
固体31P-NMR測定において、101.0ppm付近にピークトップを有するピークがある。
本発明の一実施形態に係る正極合材は、硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、
前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S5、P2S6 4-及びPS3 -のピークの面積の合計が、全体の68%以下である。
前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S5、P2S6 4-及びPS3 -のピークの面積の合計が、全体の68%以下である。
本発明の一実施形態に係る正極合材は、硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、イオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、
前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S7 4-のピークの面積が、全体の23%以上である。
前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S7 4-のピークの面積が、全体の23%以上である。
上記の各態様の正極合材はいずれも、例えば、上述した本発明の製造方法により得られる。
[固体電解質]
製造例1(固体電解質Aの作製)
硫化リチウム 0.4398g、五硫化二リン 0.7084g、沃化リチウム 0.2133g、臭化リチウム 0.1384gと、直径10mmのジルコニア製ボール10個を、45mLのジルコニア製ポットに投入し密閉した。遊星ボールミル装置(フリッチュ社製、型番P-7)を用いて、回転速度370rpmで40時間混合(メカニカルミリング)して粉末を得た。得られた粉末を195℃で3時間加熱し、固体電解質Aを得た。
製造例1(固体電解質Aの作製)
硫化リチウム 0.4398g、五硫化二リン 0.7084g、沃化リチウム 0.2133g、臭化リチウム 0.1384gと、直径10mmのジルコニア製ボール10個を、45mLのジルコニア製ポットに投入し密閉した。遊星ボールミル装置(フリッチュ社製、型番P-7)を用いて、回転速度370rpmで40時間混合(メカニカルミリング)して粉末を得た。得られた粉末を195℃で3時間加熱し、固体電解質Aを得た。
製造例2(固体電解質Bの作製)
窒素雰囲気下にて、硫化リチウム(Li2S)、五硫化二リン(P2S5)、臭化リチウム(LiBr)及び塩化リチウム(LiCl)を、モル比がLi2S:P2S5:LiBr:LiCl=47.5:12.5:15.0:25.0となるように計量したものを、粗混合した。
脱水トルエンに、原料混合物に対し2質量%の脱水イソブチロニトリルを加えた混合溶媒中に、原料混合物を分散させ、約10質量%のスラリーとした。
周速12m/s、流量500mL/minの条件でビーズミルを稼働させ、スラリーをミル内に投入し、1時間循環運転し、混合物を得た。
得られた混合物の溶媒を除去した後、電気炉で2時間、400~430℃で加熱した。その後、徐冷することにより原料硫化物固体電解質を得た。
窒素雰囲気下で、原料硫化物固体電解質を脱水トルエンに分散させ、直径0.3mmのジルコニア製ボールとともに遊星ボールミル装置(フリッチュ社製:型番P-7)のジルコニア製ポットに入れ、ポット内を不活性雰囲気とした。遊星ボールミルの回転数を150rpmとして2時間処理し、微粒化硫化物固体電解質を含むスラリーを得た。スラリーを窒素置換したシュレンク瓶に移した後、真空ポンプで室温1時間乾燥し、その後、80℃~100℃に加熱して、更に微粒化硫化物固体電解質に含まれる溶媒を除去(減圧乾燥)して、固体電解質Bを得た。
窒素雰囲気下にて、硫化リチウム(Li2S)、五硫化二リン(P2S5)、臭化リチウム(LiBr)及び塩化リチウム(LiCl)を、モル比がLi2S:P2S5:LiBr:LiCl=47.5:12.5:15.0:25.0となるように計量したものを、粗混合した。
脱水トルエンに、原料混合物に対し2質量%の脱水イソブチロニトリルを加えた混合溶媒中に、原料混合物を分散させ、約10質量%のスラリーとした。
周速12m/s、流量500mL/minの条件でビーズミルを稼働させ、スラリーをミル内に投入し、1時間循環運転し、混合物を得た。
得られた混合物の溶媒を除去した後、電気炉で2時間、400~430℃で加熱した。その後、徐冷することにより原料硫化物固体電解質を得た。
窒素雰囲気下で、原料硫化物固体電解質を脱水トルエンに分散させ、直径0.3mmのジルコニア製ボールとともに遊星ボールミル装置(フリッチュ社製:型番P-7)のジルコニア製ポットに入れ、ポット内を不活性雰囲気とした。遊星ボールミルの回転数を150rpmとして2時間処理し、微粒化硫化物固体電解質を含むスラリーを得た。スラリーを窒素置換したシュレンク瓶に移した後、真空ポンプで室温1時間乾燥し、その後、80℃~100℃に加熱して、更に微粒化硫化物固体電解質に含まれる溶媒を除去(減圧乾燥)して、固体電解質Bを得た。
[正極合材]
実施例1
(1)活性炭と硫黄の複合体(S-C複合体)の作製
ガラス瓶に、活性炭(関西熱化学製、MSC-30SSS)と硫黄を3:7の重量比で入れ、SUS管容器内に封入した。電気炉にて150℃で6時間、300℃で2.75時間加熱し、活性炭と硫黄の複合体の粉末を得た。
実施例1
(1)活性炭と硫黄の複合体(S-C複合体)の作製
ガラス瓶に、活性炭(関西熱化学製、MSC-30SSS)と硫黄を3:7の重量比で入れ、SUS管容器内に封入した。電気炉にて150℃で6時間、300℃で2.75時間加熱し、活性炭と硫黄の複合体の粉末を得た。
(2)正極合材前駆体の作製
内径12mmのタンマン管に、上記(1)で得た複合体の粉末と五硫化二リン(イタルマッチ製、融点286~290℃)を0.7143:0.2857の重量比で入れ、SUS管容器内に封入した。電気炉にて350℃で6時間加熱し、正極合材前駆体を得た。
内径12mmのタンマン管に、上記(1)で得た複合体の粉末と五硫化二リン(イタルマッチ製、融点286~290℃)を0.7143:0.2857の重量比で入れ、SUS管容器内に封入した。電気炉にて350℃で6時間加熱し、正極合材前駆体を得た。
(3)正極合材の作製
上記(2)の正極合材前駆体 0.6300gと、固体電解質A 0.2700gを、直径10mmのジルコニア製ボール10個と共に、45mLのジルコニア製ポットに投入し、密閉した。遊星ボールミル(フリッチュ社製、型番P-7)を用いて、室温、回転速度370rpmで20時間混合(メカニカルミリング)して、正極合材の粉末を得た。
上記(2)の正極合材前駆体 0.6300gと、固体電解質A 0.2700gを、直径10mmのジルコニア製ボール10個と共に、45mLのジルコニア製ポットに投入し、密閉した。遊星ボールミル(フリッチュ社製、型番P-7)を用いて、室温、回転速度370rpmで20時間混合(メカニカルミリング)して、正極合材の粉末を得た。
実施例2
内径12mmのタンマン管に、上記実施例1(1)で得たS-C複合体の粉末と、五硫化二リン(イタルマッチ製、融点286~290℃)を、0.8333:0.1667の重量比で入れたこと以外は、実施例1(2)と同様にして、正極合材前駆体を調製した。
正極合材前駆体 0.5400gと、固体電解質A 0.3600gを使用した他は、実施例1と同様にして、正極合材の粉末を得た。
内径12mmのタンマン管に、上記実施例1(1)で得たS-C複合体の粉末と、五硫化二リン(イタルマッチ製、融点286~290℃)を、0.8333:0.1667の重量比で入れたこと以外は、実施例1(2)と同様にして、正極合材前駆体を調製した。
正極合材前駆体 0.5400gと、固体電解質A 0.3600gを使用した他は、実施例1と同様にして、正極合材の粉末を得た。
実施例3
実施例1(3)において、固体電解質Aの代わりに固体電解質Bを用いた他は、実施例1と同様にして正極合材の粉末を得た。
実施例1(3)において、固体電解質Aの代わりに固体電解質Bを用いた他は、実施例1と同様にして正極合材の粉末を得た。
比較例1
実施例1(1)と同様にして得たS-C複合体の粉末 0.4500gと、固体電解質A 0.4500gを、実施例1(3)と同様にして混合し、正極合材の粉末を得た。
実施例1(1)と同様にして得たS-C複合体の粉末 0.4500gと、固体電解質A 0.4500gを、実施例1(3)と同様にして混合し、正極合材の粉末を得た。
比較例2
活性炭、硫黄及び五硫化二リンの質量比が実施例1と同様となるように、実施例1(1)と同様にして得たS-C複合体の粉末 0.4500gと、五硫化二リン 0.1800gと、固体電解質A 0.2700gを、実施例1(3)と同様にして混合し、正極合材の粉末を得た。
活性炭、硫黄及び五硫化二リンの質量比が実施例1と同様となるように、実施例1(1)と同様にして得たS-C複合体の粉末 0.4500gと、五硫化二リン 0.1800gと、固体電解質A 0.2700gを、実施例1(3)と同様にして混合し、正極合材の粉末を得た。
比較例3
活性炭、硫黄及び五硫化二リンの質量比が実施例2と同様となるように、実施例1(1)と同様にして得た複合体の粉末 0.4500g、五硫化二リン 0.0900gと、固体電解質A 0.3600gを、実施例1(3)と同様にして混合し、正極合材の粉末を得た。
活性炭、硫黄及び五硫化二リンの質量比が実施例2と同様となるように、実施例1(1)と同様にして得た複合体の粉末 0.4500g、五硫化二リン 0.0900gと、固体電解質A 0.3600gを、実施例1(3)と同様にして混合し、正極合材の粉末を得た。
[評価]
実施例及び比較例で作製した正極合材について下記の評価を実施した。
(1)X線光電子分光法(XPS)測定
(a)XPS測定
露点-60℃以下のAr雰囲気に制御したグローブボックス中にて、金属製基板の上にカーボン製両面テープを貼り、スパチュラで粉末試料をテープに押し付けた。スパチュラは、その表面をアセトン等の有機溶媒で清浄した物を使用した。粉末試料を固定したテープ上に、金属製の穴あきマスク(穴の直径5mm)を被せ、ネジで固定し、測定用試料を作製した。試料が大気に暴露されないように、トランスファーベッセルを用いて、XPS装置へ導入し、測定を実施した。XPSの詳細な測定条件を以下に示す。
実施例及び比較例で作製した正極合材について下記の評価を実施した。
(1)X線光電子分光法(XPS)測定
(a)XPS測定
露点-60℃以下のAr雰囲気に制御したグローブボックス中にて、金属製基板の上にカーボン製両面テープを貼り、スパチュラで粉末試料をテープに押し付けた。スパチュラは、その表面をアセトン等の有機溶媒で清浄した物を使用した。粉末試料を固定したテープ上に、金属製の穴あきマスク(穴の直径5mm)を被せ、ネジで固定し、測定用試料を作製した。試料が大気に暴露されないように、トランスファーベッセルを用いて、XPS装置へ導入し、測定を実施した。XPSの詳細な測定条件を以下に示す。
XPS装置:VersaProbeII(アルバック・ファイ社製)
X線源:単色化AlKα線(1486.6eV)を用い、100Wのハイパワー条件で測定
X線の直径:100μm(200μm×1200μmの範囲で掃引し測定)
パスエネルギー:23.5eV(C1s,S2p,P2p)
46.95eV(O1s,Li1s,Br3d,I3d5/2,Cl2p)
ステップエネルギー:0.1eV(C1s,S2p,P2p)
0.2eV(O1s,Li1s,Br3d,I3d5/2, Cl2p)
光電子検出角度:45°
X線源:単色化AlKα線(1486.6eV)を用い、100Wのハイパワー条件で測定
X線の直径:100μm(200μm×1200μmの範囲で掃引し測定)
パスエネルギー:23.5eV(C1s,S2p,P2p)
46.95eV(O1s,Li1s,Br3d,I3d5/2,Cl2p)
ステップエネルギー:0.1eV(C1s,S2p,P2p)
0.2eV(O1s,Li1s,Br3d,I3d5/2, Cl2p)
光電子検出角度:45°
試料の表面(最表面)と、表面層を切削した試料内部Aの、2通りについてXPS測定した。
試料表面は、後述する表面処理を実施せず、試料を超高真空中(1.0×10-7Pa以下)に導入した直後に測定した。
試料内部A:Arモノマーイオン:1kV、7mA、2mm×2mm、60分
試料表面は、後述する表面処理を実施せず、試料を超高真空中(1.0×10-7Pa以下)に導入した直後に測定した。
試料内部A:Arモノマーイオン:1kV、7mA、2mm×2mm、60分
(b)炭素元素とリン元素の元素比C/P
解析ソフトにはアルバック・ファイ社製のMultiPakを用いた。各スペクトルから、Shirley法によりバックグラウンドを差引き、得られた面積強度から相対感度係数を用いて、元素比C/Pを算出した。炭素元素のピークは278~298eV付近、リン元素のピークは123~143eV付近に、それぞれピークトップを有する。
試料表面の元素比C/Pは、測定部(直径5mm)内の任意の3点の平均値とした。試料内部Aの元素比C/Pは、測定部内の任意の1点の値とした。なお、測定部において、中央付近と、中央から500μm程度離れた2点の、計3点について、各元素のスペクトルはほぼ同じであることを確認している。
表面と内部AのC/P変化率RAは、下記式で計算した。
RA=(試料内部Aの元素比C/P)/(表面の元素比C/P)
XPS測定の評価結果を表1に示す。
解析ソフトにはアルバック・ファイ社製のMultiPakを用いた。各スペクトルから、Shirley法によりバックグラウンドを差引き、得られた面積強度から相対感度係数を用いて、元素比C/Pを算出した。炭素元素のピークは278~298eV付近、リン元素のピークは123~143eV付近に、それぞれピークトップを有する。
試料表面の元素比C/Pは、測定部(直径5mm)内の任意の3点の平均値とした。試料内部Aの元素比C/Pは、測定部内の任意の1点の値とした。なお、測定部において、中央付近と、中央から500μm程度離れた2点の、計3点について、各元素のスペクトルはほぼ同じであることを確認している。
表面と内部AのC/P変化率RAは、下記式で計算した。
RA=(試料内部Aの元素比C/P)/(表面の元素比C/P)
XPS測定の評価結果を表1に示す。
表1から実施例のようにP2S5を溶融させた状態で、S-C複合体と混合した正極合材前駆体に、固体電解質を混合することで、XPS分析の組成解析における、試料表面のC/P比に対する試料内部AのC/P比の変化が大きくなることが確認された。この変化は、P2S5が溶融・被覆された実施例では深さ方向での各成分の偏在が促進されたことにより、最表面と試料内部での各成分の存在する割合が異なることとなり、値としては増加したと考えられる。
(2)固体31P-NMR測定による各リン成分の面積比
以下の装置を用い、以下の条件にて測定した。
装置:ECZL400G(日本電子株式会社製)
磁場強度:400MHz
検出器:3.2mmオートMASプローブ
固体NMR試料管径:3.2mm
観測核:31P
観測周波数:161.835MHz
測定温度:室温
パルス系列:シングルパルス
90°パルス長:3.4μs
フリップ角:45°
FID取込ポイント数:1,024ポイント
FID測定後、次のパルス印加までの待ち時間:1,500s
MAS(マジック角回転)の回転数:14kHz
積算回数:64回
測定範囲:400ppm~-300ppm
外部基準:NH4H2PO4(化学シフト1.00ppm)
以下の装置を用い、以下の条件にて測定した。
装置:ECZL400G(日本電子株式会社製)
磁場強度:400MHz
検出器:3.2mmオートMASプローブ
固体NMR試料管径:3.2mm
観測核:31P
観測周波数:161.835MHz
測定温度:室温
パルス系列:シングルパルス
90°パルス長:3.4μs
フリップ角:45°
FID取込ポイント数:1,024ポイント
FID測定後、次のパルス印加までの待ち時間:1,500s
MAS(マジック角回転)の回転数:14kHz
積算回数:64回
測定範囲:400ppm~-300ppm
外部基準:NH4H2PO4(化学シフト1.00ppm)
固体31P-NMR測定のデータ処理条件は、ウインドウ関数としてエクスポーネンシャル関数を用い、ラインブロードニング値としてそれぞれの試料のシグナル-ノイズ比に応じて、ピークの半値幅が大きく変わらない範囲の値を用いた。ラインブロードニング値の実際の数値は実施例、比較例に記載した。後方線形予測は用いなかった。
ピーク分離する場合は、得られた固体31P-NMRスペクトルを解析し、分離するピークを決定した。固体31P-NMRスペクトル上の各NMRピーク(実験値)から、非線形最小二乗法を用い、かつ分離ピークの計算にガウス関数を用いたピーク分離を行い、NMRピークの計算値及び残差二乗和R2を計算した。
固体31P-NMRスペクトルを波形分離して得られた各ピークの帰属には、下記の文献1~4を参照した。
文献1:Christian Dietrich et.al. J.Mater.Chem.A,2017,5,18111-18119.
文献2:特許第6719037号
文献3:特許第7297911号
文献4:特表2021-510905
固体31P-NMRスペクトルを波形分離して得られた各ピークの帰属には、下記の文献1~4を参照した。
文献1:Christian Dietrich et.al. J.Mater.Chem.A,2017,5,18111-18119.
文献2:特許第6719037号
文献3:特許第7297911号
文献4:特表2021-510905
例えば、文献1に開示されるように、波形分離した結果、得られた125ppm付近のピークはPS3
-と帰属した。文献2に開示されるように、106ppm付近のピークはP2S6
4-(非晶性)、91ppm付近のピークはP2S7
4-(非晶性)、-5ppm付近のピークはP2O7と帰属した。文献3に開示されるように、50~60ppm付近のピークはP2S5と帰属した。なお、本帰属におけるP2S5とは、一般に五硫化ニリンの主成分であるP4S10骨格及びP4S9骨格等の合計値として現れていると考えられる。文献4に開示されるように-5ppm付近のピークはP2O7と帰属した。文献1~4にて帰属できないピークとして、実施例1では145ppm付近と101ppm付近に、比較例2では145ppm付近と86ppmに帰属未知のピークが観測された。
固体31P-NMRスペクトルを波形分離して得られた各組成の組成計算は、分離したピークの面積値を用いて100分率として、以下に示す各成分の割合を算出した。各成分の組成計算にスピニングサイドバンドピークは用いなかった。表2に示す8つのピークの合計面積に対する各ピークの面積率(%)を算出した。結果を表2に示す。実施例1及び比較例2の固体31P-NMRスペクトルを波形分離した結果を図9(ラインブロードニング値100Hz)及び10(ラインブロードニング値100Hz)に示す。
表2から、実施例のようにP2S5を溶融させた状態で、S-C複合体と混合することで、得られる前駆体の組成として、P2S5、P2S6
4-及びPS3
-のピーク成分の割合の合計値が減少する一方で、P2S7
4-の割合が増加し、101.0ppm付近にP2S6
4-とP2S7
4-の中間的な化学シフトを持つ新たなピークが現れることが確認された。実施例及び比較例は、いずれもP2S5や固体電解質の主成分の一つであるPS4
3-をほとんど有さないことが確認された。このことは両者が混合時に反応し、変化したものと推察される。実施例においては溶融したP2S5成分が、例えば活性炭の内部又は表面付近にて、S-C複合体中の硫黄と一部反応してP2S6
4-、PS3
-等に変化することで、PS4
3-やP2S7
4-とを一般に多く有する硫化物系固体電解質との反応が変化したと考えられる。具体的には、比較例で混合時に存在するP2S5よりも、実施例の前駆体に存在すると考えられるP2S6
4-、PS3
-等の方が、PS4
3-やP2S7
4-等の硫黄比の高い成分を一般に多く有する硫化物系固体電解質の変質を少なく留め、P2S7
4-、(P2S6
4-とP2S7
4-の中間的な化学シフトを持つ未知構造)が相対的に多く、P2S5、P2S6
4-、PS3
-が相対的に少なくなったと考えられる。このことは、溶融したP2S5がS-C複合体を被覆し、強固な界面を形成したことが固体電解質混合時の反応に寄与したと考えられ、言い換えると、実施例では、溶融したP2S5の変性体がS-C複合体を被覆し、強固な界面を形成した結果、P2S5、P2S6
4-及びPS3
-のピーク成分の割合の合計値が一定値(例えば68%以下)となり、P2S7
4-のピーク成分の割合が一定値(例えば23%)以上となり101.0ppm付近にP2S6
4-とP2S7
4-の中間的な化学シフトを持つ新たなピーク成分が現れた。
[全固体リチウムイオン電池]
実施例及び比較例で作製した正極合材について、下記のように全固体リチウムイオン電池を作製し、電池特性(充放電特性)を評価した。
・負極合材の作製
チタン酸リチウム(石原産業製「LT-112」)と、導電助剤(デンカ社製「Li-100」、粉状アセチレンブラック)と、固体電解質Bを、60:5:35の質量比で5分間乳鉢混合し、負極合材(「LTO(チタン酸リチウム)負極合材」ともいう。)を得た。
実施例及び比較例で作製した正極合材について、下記のように全固体リチウムイオン電池を作製し、電池特性(充放電特性)を評価した。
・負極合材の作製
チタン酸リチウム(石原産業製「LT-112」)と、導電助剤(デンカ社製「Li-100」、粉状アセチレンブラック)と、固体電解質Bを、60:5:35の質量比で5分間乳鉢混合し、負極合材(「LTO(チタン酸リチウム)負極合材」ともいう。)を得た。
・リチウムイオン電池の作製
直径10mmのマコール製の円筒に、固体電解質A 100mgを投入し、加圧成型し、固体電解質層(固体電解質Aの層)を形成した。
次いで、固体電解質層における一方の加圧面に、正極合材粉末を10mgになるよう投入し、再度加圧成型した。
次いで、固体電解質層における他方の加圧面(正極と反対の加圧面)に、LTO負極合材を166mgになるよう投入し、加圧した。その上に、直径9mm、厚さ0.1mmのLi箔を投入し、再度加圧することでリチウムイオン電池を作製した。
直径10mmのマコール製の円筒に、固体電解質A 100mgを投入し、加圧成型し、固体電解質層(固体電解質Aの層)を形成した。
次いで、固体電解質層における一方の加圧面に、正極合材粉末を10mgになるよう投入し、再度加圧成型した。
次いで、固体電解質層における他方の加圧面(正極と反対の加圧面)に、LTO負極合材を166mgになるよう投入し、加圧した。その上に、直径9mm、厚さ0.1mmのLi箔を投入し、再度加圧することでリチウムイオン電池を作製した。
・充放電試験
各実施例及び比較例の正極合材を使用したリチウムイオン電池について、定電流充放電試験を行った。定電流充放電試験の電圧範囲は-0.4~1.3Vに設定し、電流値は硫黄の理論容量1672mAh/gに基づいて定めたCレートで表3の通り設定し、試験を行った。充電については定電流充電後に0.02Cを終止条件として定電圧充電を行うCC-CV充電を行い、放電については定電流放電(CC放電)を行った。結果を表4に示す。
各実施例及び比較例の正極合材を使用したリチウムイオン電池について、定電流充放電試験を行った。定電流充放電試験の電圧範囲は-0.4~1.3Vに設定し、電流値は硫黄の理論容量1672mAh/gに基づいて定めたCレートで表3の通り設定し、試験を行った。充電については定電流充電後に0.02Cを終止条件として定電圧充電を行うCC-CV充電を行い、放電については定電流放電(CC放電)を行った。結果を表4に示す。
実施例は比較例と比較して、低レート及び高レートの容量がどちらも高いことが確認される。例えば、比較例1は高レートの容量が低く、比較例2、3は低レートでの容量が低い。P2S5(イオン伝導体)の溶融を経た実施例において、充放電特性の向上が示された。実施例では、P2S5の溶融複合化で形成された強固な界面や良好なイオン伝導パスにより、優れた充放電特性が得られたと考えられる。
本発明の正極合材は、リチウムイオン電池の構性材料として好適である。また、本発明の正極合材を含むリチウムイオン電池は、例えば、パソコン、ビデオカメラ、及び携帯電話等の情報関連機器や通信機器、電気自動車等の車両に用いられる電池等に好適に用いられる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献、及び本願のパリ条約による優先権の基礎となる出願の内容を全て援用する。
本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
また、本発明に係る態様の個々の実施形態のうち、互いに相反しないもの同士を2つ以上組み合わせることが可能であり、2つ以上の実施形態を組み合わせた実施形態もまた、本発明に係る態様の実施形態である。
この明細書に記載の文献、及び本願のパリ条約による優先権の基礎となる出願の内容を全て援用する。
本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
また、本発明に係る態様の個々の実施形態のうち、互いに相反しないもの同士を2つ以上組み合わせることが可能であり、2つ以上の実施形態を組み合わせた実施形態もまた、本発明に係る態様の実施形態である。
Claims (22)
- 硫黄系活物質と、細孔を有する炭素材料と、リン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の少なくとも一方と、固体電解質を含み、
Arスパッタ処理前後における、X線光電子分光法での表面元素分析による、炭素元素とリン元素の元素比C/Pの変化率が0.365以上、1.00以下である、正極合材。 - 前記元素比C/Pの変化率が0.380以上、0.950以下である、請求項1に記載の正極合材。
- 固体31P-NMR測定において、101.0ppm付近にピークトップを有するピークがある、請求項1又は2に記載の正極合材。
- 前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S5、P2S6 4-及びPS3 -のピークの面積の合計が、全体の68%以下である、請求項1に記載の正極合材。 - 前記イオン伝導体は硫化リンを含み、
固体31P-NMR測定において、P2S7 4-のピークの面積が、全体の23%以上である、請求項1に記載の正極合材。 - 前記イオン伝導体の融点が、130℃~450℃である、請求項1~5のいずれかに記載の正極合材。
- 前記イオン伝導体が、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体と、を含む、請求項1~6のいずれかに記載の正極合材。
- 前記イオン伝導体が硫化リンを含む、請求項1~7のいずれかに記載の正極合材。
- 前記イオン伝導体が五硫化二リンを含む、請求項1~8のいずれかに記載の正極合材。
- 前記硫黄系活物質が単体硫黄を含む、請求項1~9のいずれかに記載の正極合材。
- 前記炭素材料に対する前記硫黄系活物質とリン元素を含むイオン伝導体及び該イオン伝導体の変性体の合計の質量比が5.00よりも小さい、請求項1~10のいずれか記載の正極合材。
- 硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の、複合体及び混合物の少なくとも一方と、溶融状態のイオン伝導体とを、混合して、正極合材前駆体を調製し、
前記正極合材前駆体と、結晶性固体電解質とを、固体電解質の結晶性が低下し、非晶質化が進行する条件で混合粉砕して正極合材を製造する、正極合材の製造方法。 - 前記硫黄系活物質及び細孔を有する炭素材料の複合体と、前記溶融状態のイオン伝導体とを混合する、請求項12に記載の製造方法。
- 前記イオン伝導体の融点が、130℃~450℃である、請求項12又は13に記載の製造方法。
- 前記イオン伝導体が、リン元素と、リチウム、ホウ素、硫黄及び酸素から選ばれる1種以上の元素と、を含むリチウムイオン伝導性材料又はその前駆体と、を含む、請求項12~14のいずれかに記載の製造方法。
- 前記イオン伝導体が硫化リンである、請求項12~15のいずれかに記載の製造方法。
- 前記イオン伝導体が五硫化二リンを含む、請求項12~16のいずれかに記載の製造方法。
- 前記硫黄系活物質が単体硫黄を含む、請求項12~17のいずれかに記載の製造方法。
- 前記硫黄系活物質、炭素材料及びイオン伝導体の質量比が以下の関係を満たす、請求項12~18のいずれかに記載の製造方法。
(硫黄系活物質+炭素材料):イオン伝導体=50:1~80 - 前記炭素材料に対する、前記硫黄系活物質とイオン伝導体の合計の質量比が5.00よりも小さい、請求項12~19のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1~11のいずれかに記載の正極合材を含む、正極。
- 請求項1~11のいずれかに記載の正極合材又は請求項21の正極を含む、リチウムイオン電池。
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