[go: up one dir, main page]

JPH0620526A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

Info

Publication number
JPH0620526A
JPH0620526A JP18003892A JP18003892A JPH0620526A JP H0620526 A JPH0620526 A JP H0620526A JP 18003892 A JP18003892 A JP 18003892A JP 18003892 A JP18003892 A JP 18003892A JP H0620526 A JPH0620526 A JP H0620526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diisocyanate
insulated wire
acid
mol
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18003892A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Matsuura
裕紀 松浦
Isao Kamioka
勇夫 上岡
Koichi Iwata
幸一 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP18003892A priority Critical patent/JPH0620526A/ja
Publication of JPH0620526A publication Critical patent/JPH0620526A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓性に優れ、しかも損傷し難い絶縁被膜を
有し、耐加工性に優れた絶縁電線を提供する。 【構成】 下記一般式(I) : 【化1】 [上記式中R,nは明細書に記載のとおり。]で表され
る芳香族ジイソシアネート化合物を10〜45モル%の
範囲内で含有するジイソシアネート成分と、酸成分とを
原料とするポリアミドイミド系塗料の塗布、焼付けによ
り、電線の表面に絶縁被膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばモータのコア
に捲き付けられる、耐加工性にすぐれた絶縁電線に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機器の小型化、軽量化の傾向に伴
い、モータについても、より小型、軽量で、しかも高性
能のものが要求されるようになってきた。この要求に答
えるには、モータのコアにより多くの絶縁電線を捲き付
ける必要があるが、コアのスロット内に絶縁電線を強引
に詰め込むことになり、捲線工程で絶縁被膜に損傷を生
じる危険性がある。そして、絶縁被膜に損傷が生じる
と、レアー不良やアース不良等が発生し、モータの電気
特性に不具合を生じるという問題がある。
【0003】そこで、通常は、ポリアミドイミド系の塗
料の塗布、焼付けにより形成された、機械的強度にすぐ
れた絶縁被膜を有する絶縁電線が、上記用途に使用され
ている。なお、ポリアミドイミドとしては、下記式(II)
で表されるジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ートとトリメリット酸無水物との反応生成物が、一般的
に使用される(たとえば特公昭44−19274号公
報、特公昭45−27611号公報等参照)。
【0004】
【化2】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近ではさら
に小型、軽量で性能の良いモータが要求され、それに対
応すべく、絶縁電線の捲線量がさらに増大する傾向にあ
り、ポリアミドイミド系の絶縁被膜でも損傷を生じるこ
とが多くなってきた。そこで、絶縁被膜の損傷を少しで
も減少させるために、たとえば有機または無機の潤滑剤
等を塗料に配合して、絶縁被膜の表面に潤滑性を付与す
ることが検討されているが、この方法では、絶縁被膜の
損傷を根本的に解決することはできない。
【0006】絶縁被膜の機械的強度をさらに向上すれば
損傷の発生を減少できるが、単に機械的強度を向上させ
たのでは、被膜が剛直で可撓性に劣るものとなり、電線
を曲げた際に割れたり剥離したりしやすくなって、絶縁
電線の加工性が悪化するという問題がある。本発明は、
以上の事情に鑑みてなされたものであって、可撓性にす
ぐれ、しかも損傷し難い絶縁被膜を有し、耐加工性にす
ぐれた絶縁電線を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、ポリアミドイミドの構造に
ついて検討を行い、その結果、下記一般式(I) :
【0008】
【化3】
【0009】[上記式中Rは、水素原子、アルキル基、
アルコキシ基またはハロゲン原子を示す。nは1〜4の
数を示す。]で表される芳香族ジイソシアネート化合物
を、原料としてのジイソシアネート成分中に含有させ
て、ポリアミドイミドの構造中にp−フェニレン基を導
入すると、当該絶縁被膜の弾性率が向上して、可撓性に
すぐれ、しかも、損傷し難い絶縁被膜を形成できること
を見出した。そして、上記一般式(I) で表される芳香族
ジイソシアネート化合物の含有割合についてさらに検討
を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明の絶縁電線は、少なくとも
ジイソシアネート成分と酸成分とを原料とするポリアミ
ドイミド系塗料の塗布、焼付けにより形成された絶縁被
膜を有する絶縁電線において、原料としてのジイソシア
ネート成分が、上記一般式(I) で表される芳香族ジイソ
シアネート化合物を10〜45モル%の範囲内で含有す
ることを特徴とする。
【0011】ポリアミドイミド系塗料の原料の一つであ
るジイソシアネート成分のうち、一般式(I) で表される
芳香族ジイソシアネート化合物の具体例としては、たと
えばp−フェニレンジイソシアネート、2−フルオロ−
p−フェニレンジイソシアネート、2−クロロ−p−フ
ェニレンジイソシアネート、2−ブロモ−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2,3−ジクロロ−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2,5−ジクロロ−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2,6−ジクロロ−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2,3,5−トリクロロ−p−フ
ェニレンジイソシアネート、2,3,5,6−テトラク
ロロ−p−フェニレンジイソシアネート、2−メチル−
p−フェニレンジイソシアネート、2−エチル−p−フ
ェニレンジイソシアネート、2−ブチル−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2,3−ジメチル−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2,5−ジメチル−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2,6−ジメチル−p−フェニレ
ンジイソシアネート、2−メトキシ−p−フェニレンジ
イソシアネート、2−エトキシ−p−フェニレンジイソ
シアネート、2−ブトキシ−p−フェニレンジイソシア
ネート、2,3−ジメトキシ−p−フェニレンジイソシ
アネート、2,5−ジメトキシ−p−フェニレンジイソ
シアネート、2,6−ジメトキシ−p−フェニレンジイ
ソシアネート等があげられる。これらは単独で、あるい
は2種以上混合して使用される。
【0012】上記各芳香族ジイソシアネート化合物の中
でも、入手のしやすさやコスト等の点で、下記式(Ia)で
表されるp−フェニレンジイソシアネートが、本発明に
最も好適に使用される。
【0013】
【化4】
【0014】一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネ
ート化合物とともにジイソシアネート成分中に含まれる
他のジイソシアネートとしては、たとえばジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン
−3,3′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−
3,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−
4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,
4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,
4′−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシ
アネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−
キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシ
アネート等、従来公知の種々のジイソシアネート化合物
があげられる。これらは単独で、あるいは2種以上混合
して使用される。
【0015】上記各ジイソシアネート化合物の中でも、
入手のしやすさやコスト等の点で、前記式(II)で表され
るジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートが、
好適に使用される。上記ジイソシアネート成分とともに
ポリアミドイミド系塗料を構成する酸成分としては、ト
リメリット酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸
クロライド、または、トリメリット酸の誘導体のうちの
三塩基酸等があげられる。とくに、入手のしやすさやコ
スト等の点で、下記式(III) で表されるトリメリット酸
無水物が、好適に使用される。
【0016】
【化5】
【0017】また酸成分中には、テトラカルボン酸無水
物や二塩基酸、たとえば、ピロメリット酸二無水物、ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカ
ルボン酸二無水物、テレフタル酸、イソフタル酸、スル
ホテレフタル酸、ジクエン酸、2,5−チオフェンジカ
ルボン酸、4,5−フェナントレンジカルボン酸、ベン
ゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、フタルジイミド
ジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−
ジカルボン酸、アジピン酸等を、一部添加することもで
きる。
【0018】前記一般式(I) で表される芳香族ジイソシ
アネート化合物の、ジイソシアネート成分中に占める割
合が10〜45モル%の範囲内に限定されるのは、以下
の理由による。つまり、一般式(I) で表される芳香族ジ
イソシアネート化合物の割合が10モル%未満では、当
該芳香族ジイソシアネート化合物の添加効果が得られ
ず、絶縁被膜が損傷しやすいものとなってしまう。一
方、一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネート化合
物の割合が45モル%を超えると、絶縁被膜が剛直で可
撓性に劣り、割れたり剥離したりしやすいものとなって
しまう。
【0019】なお、一般式(I) で表される芳香族ジイソ
シアネート化合物の、ジイソシアネート成分中に占める
割合は、上記範囲の中でもとくに、20〜40モル%の
範囲内であるのが好ましい。一般式(I) で表される芳香
族ジイソシアネート化合物の割合が20モル%未満で
は、当該芳香族ジイソシアネート化合物の添加効果がや
や少なくなる傾向があり、一方、一般式(I) で表される
芳香族ジイソシアネート化合物の割合が40モル%を超
えると、反応生成物としてのポリアミドイミドの、極性
溶媒への溶解性がやや低下する傾向がある他、被膜の密
着性が低下するおそれもある。
【0020】なお、一般式(I) で表される芳香族ジイソ
シアネート化合物の、ジイソシアネート成分中に占める
割合が40〜45モル%である場合には、反応生成物と
してのポリアミドイミドの極性溶媒への溶解性をよくす
るため、酸成分中に、イソフタル酸等の分子中に折れ曲
がり構造を有する酸を、好ましくは5〜60モル%の範
囲内で含有させるのがよい。
【0021】分子中に折れ曲がり構造を有する酸として
は、上記イソフタル酸の他、o−フタル酸、ベンゾフェ
ノンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン
酸、ジフェニルメタンジカルボン酸等があげられる。原
料としての酸成分中に上記酸を含有させると、ポリアミ
ドイミドの構造中に、上記酸に起因する屈曲部分が生じ
て、極性溶媒への溶解性が向上する。
【0022】なお、上記分子中に折れ曲がり構造を有す
る酸の割合が5モル%未満では溶解性向上の効果が十分
に得られないおそれがあり、逆に60モル%を超える
と、一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネート化合
物の添加による弾性率向上の効果が阻害され、絶縁被膜
が損傷しやすいものとなるおそれがある。上記ジイソシ
アネート成分と酸成分とから、本発明に使用されるポリ
アミドイミド系塗料を製造するには、たとえば、略化学
量論量のジイソシアネート成分と酸成分とを適当な有機
溶媒中で共重合させる、従来のポリアミドイミド系塗料
と同様の製造方法を採用することができる。
【0023】より詳細には、一般式(I) で表される芳香
族ジイソシアネート化合物を前記の割合で配合したジイ
ソシアネート成分を、略等モル量の酸成分とともに、適
当な有機溶媒中で0〜180℃の温度で1〜24時間反
応させると、上記芳香族ジイソシアネート化合物を含む
ジイソシアネート成分と酸成分との共重合体であるポリ
アミドイミドが、有機溶媒中に溶解または分散したポリ
アミドイミド系塗料が得られる。
【0024】また、本発明に使用されるポリアミドイミ
ド系塗料としては、一般式(I) で表される芳香族ジイソ
シアネート化合物と酸成分とを原料として製造したポリ
アミドイミド系塗料と、上記芳香族ジイソシアネート化
合物以外のジイソシアネート化合物と酸成分とを原料と
して製造したポリアミドイミド系塗料とを配合したもの
も使用可能である。この場合には、原料としての全ジイ
ソシアネート成分中の、一般式(I) で表される芳香族ジ
イソシアネート化合物の割合が10〜45モル%の範囲
内になるように、両塗料の配合割合を調整すればよい。
【0025】なお、本発明に使用されるポリアミドイミ
ド系塗料には、さらに必要に応じて、顔料、染料、無機
または有機のフィラー、潤滑剤等の各種添加剤を添加し
てもよい。本発明の絶縁電線は、上記ポリアミドイミド
系塗料を電線の表面に塗布し、焼付けて絶縁被膜を形成
することで製造される。
【0026】絶縁被膜の膜厚については本発明ではとく
に限定されず、電線のサイズ等に応じて、従来と同程度
の膜厚に形成することができる。絶縁被膜の下層には、
当該絶縁被膜および電線との密着性のよい材料からなる
下地層を設けることもできる。下地層としては、ポリウ
レタン系、ポリエステル系、ポリエステルイミド系、ポ
リエステルアミドイミド系、ポリアミドイミド系、ポリ
イミド系等、従来公知の種々の絶縁塗料の塗布、焼付け
により形成される絶縁膜があげられる。中でも、電線や
絶縁被膜との密着性、或いは、被膜の機械的強度等の観
点から、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
トとトリメリット酸無水物とを含むポリアミドイミド系
塗料の塗布、焼付けにより形成される下地層が好まし
い。
【0027】下地層の膜厚についても本発明ではとくに
限定されないが、被膜の機械的強度等を考慮すれば、絶
縁被膜と下地層との膜厚の比が1/10〜10/1の範
囲内であることが好ましい。絶縁被膜の上層には、絶縁
被膜の表面に潤滑性を付与すべく、表面潤滑層を設けて
もよい。
【0028】表面潤滑層としては、流動パラフィン、固
形パラフィンといったパラフィン類の塗膜も使用できる
が、耐久性等を考慮すると、各種ワックス、ポリエチレ
ン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の潤滑剤をバインダ
ー樹脂で結着した表面潤滑層がより好ましい。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の絶縁電線を、実施例並びに
比較例に基づいて説明する。実施例1 温度計、冷却管、塩化カルシウム充填管、攪拌器、窒素
吹き込み管を取り付けたフラスコ中に、上記窒素吹き込
み管から毎分150mlの窒素ガスを流しながら、14
1.1gのトリメリット酸無水物(以下「TMA」とい
う)と、17.6gのp−フェニレンジイソシアネート
(以下「PPDI」という)と、156.3gのジフェ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(以下「MD
I」という)とを投入した。PPDIの全ジイソシアネ
ート中に占める割合は15モル%であった。
【0030】つぎに、上記フラスコ中に750gのN−
メチル−2−ピロリドンを入れ、攪拌器で攪拌しつつ8
0℃で3時間加熱し、さらに、3時間かけて140℃ま
で昇温した後、140℃で1時間加熱した。そして、1
時間経過した段階で加熱を止め、放冷して、濃度25%
のポリアミドイミド系塗料を得た。このポリアミドイミ
ド系塗料を、直径1.0mmの銅線表面に、常法によって
塗布、焼付けして、膜厚35μmの絶縁被膜を有する絶
縁電線を作製した。
【0031】実施例2 ポリアミドイミド系塗料作製時のPPDIおよびMDI
の仕込み量を、PPDI=23.8g、MDI=14
9.2g、PPDIの全ジイソシアネート中に占める割
合を20モル%としたこと以外は、上記実施例1と同様
にして絶縁電線を作製した。
【0032】実施例3 ポリアミドイミド系塗料作製時のPPDIおよびMDI
の仕込み量を、PPDI=36.7g、MDI=15
3.2g、PPDIの全ジイソシアネート中に占める割
合を30モル%としたこと以外は、上記実施例1と同様
にして絶縁電線を作製した。
【0033】実施例4 ポリアミドイミド系塗料作製時のPPDIおよびMDI
の仕込み量を、PPDI=50.2g、MDI=11
7.9g、PPDIの全ジイソシアネート中に占める割
合を40モル%としたこと以外は、上記実施例1と同様
にして絶縁電線を作製した。
【0034】比較例1 ポリアミドイミド系塗料作製時にPPDIを仕込まず、
MDIを176.4g仕込んだこと以外は、上記実施例
1と同様にして絶縁電線を作製した。比較例2 ポリアミドイミド系塗料作製時のPPDIおよびMDI
の仕込み量を、PPDI=64.8g、MDI=10
1.4g、PPDIの全ジイソシアネート中に占める割
合を50モル%としたこと以外は、上記実施例1と同様
にして絶縁電線を作製した。
【0035】実施例5 直径1.0mmの銅線表面に、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネートとTMAとを含む市販のポリア
ミドイミド系塗料(日立化成社製の品番HI−400)
を常法によって塗布、焼付けして、膜厚17μmの下地
層を形成した。つぎにこの下地層上に、実施例3で使用
したのと同じポリアミドイミド系塗料を常法によって塗
布、焼付けして、膜厚18μmの絶縁被膜を形成し、絶
縁電線を作製した。
【0036】実施例6 直径1.0mmの銅線表面に、ポリエステルイミド系塗料
(日触スケネクタディー社製の商品名アイソミッド40
−SH)を常法によって塗布、焼付けして、膜厚10μ
mの下地層を形成した。つぎにこの下地層上に、実施例
3で使用したのと同じポリアミドイミド系塗料を常法に
よって塗布、焼付けして、膜厚25μmの絶縁被膜を形
成し、絶縁電線を作製した。
【0037】上記各実施例、比較例の絶縁電線につい
て、以下の各試験を行った。塗料外観評価 上記各実施例、比較例で作製したポリアミドイミド系塗
料の外観を、目視にて観察した。弾性率測定 実施例、比較例の絶縁電線から銅線をエッチング除去
し、残った絶縁被膜(長さ6cm)を、引張試験機を用い
て、チャック間隔3cm、引張速度1mm/分の条件で引張
試験し、得られたS−Sカーブがら弾性率(kg/mm2
を求めた。
【0038】可撓性試験 実施例、比較例の絶縁電線に、直径1mmのものから1mm
ずつ段階的に直径が大きくなる複数の丸棒を順次あてが
って、電線を丸棒の外形に対応させて曲げた際の、絶縁
被膜の割れや剥離を観察し、絶縁被膜に異状が見られな
かった最小の丸棒の直径d(mm)を記録した。
【0039】急伸切断試験 実施例、比較例の絶縁電線を両端から急速に引っ張り、
急伸させて切断した後、切断部分における、被膜の銅線
からの浮き量(mm)を測定した。ピアノ線損傷荷重測定 実施例、比較例の絶縁電線に直交させてピアノ線を重ね
合わせ、ピアノ線に種々の重さの荷重をかけた状態でピ
アノ線を引抜き、絶縁被膜が損傷する荷重を記録した。
【0040】以上の結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1の結果より、ジイソシアネート成
分としてPPDIを含有しない比較例1の絶縁電線で
は、絶縁被膜の弾性率が低く、また、ピアノ線損傷荷重
測定の結果より、絶縁被膜が損傷し易いことが判った。
一方、ジイソシアネート成分の50モル%がPPDIで
ある比較例2の絶縁電線では、可撓性試験の結果より、
絶縁被膜の可撓性が悪く、また、ピアノ線損傷荷重測定
の結果より、絶縁被膜が損傷し易いことが判った。また
上記比較例2で使用したポリアミドイミド系塗料は、N
−メチル−2−ピロリドンに対するポリアミドイミドの
溶解性が悪く、濁りが見られた。
【0043】これに対し実施例1〜6の絶縁電線は何れ
も、損傷し難く、しかも、可撓性にすぐれるとともに、
銅線から剥離し難い絶縁被膜を有することが判った。さ
らに、PPDIの割合が同じ実施例3と実施例5,6の
結果を比較すると、実施例5,6はいずれも、実施例3
に比べて急伸切断試験による絶縁被膜の浮き量が小さい
ことから、下地層を形成することで、他の特性をそのま
ま維持しつつ、被膜の密着性をさらに向上できることが
判った。また、ピアノ線損傷荷重測定の結果より、上記
実施例5,6は実施例3に比べて絶縁被膜が損傷し難い
ことが判った。
【0044】一方向摩耗試験 前記実施例3および比較例1の絶縁電線について、JI
S C−3003「エナメル銅線及びエナメルアルミニ
ウム線試験方法」に所載の測定方法により、絶縁被膜の
一方向摩耗量を測定した。絶縁破壊電圧測定 前記実施例3および比較例1の絶縁電線について、JI
S C−3003「エナメル銅線及びエナメルアルミニ
ウム線試験方法」に所載の二個より法により、絶縁被膜
の絶縁破壊電圧を測定した。
【0045】以上の結果を表2に示す。なお、表中各欄
の括弧内は、それぞれのデータの標準偏差値を表してい
る。
【0046】
【表2】
【0047】上記表2の結果より、実施例3の絶縁電線
における絶縁被膜は、従来品である比較例1の絶縁電線
における絶縁被膜と同レベルの耐圧性を有する上、この
比較例1における絶縁被膜に比べて耐摩耗性にすぐれた
ものであることが判った。実施例7 比較例1で作製した、ジイソシアネート成分としてMD
Iのみを含むポリアミドイミド系塗料と、比較例2で作
製した、ジイソシアネート成分としてPPDIとMDI
とを50モル%ずつ含有するポリアミドイミド系塗料と
を、原料段階でのPPDIとMDIとのモル比がPPD
I/MDI=20/80となるように配合し、十分に攪
拌混合してポリアミドイミド系塗料を作製した。そし
て、このポリアミドイミド系塗料を使用して、前記実施
例1と同様にして絶縁電線を作製した。
【0048】実施例8 比較例1で作製した、ジイソシアネート成分としてMD
Iのみを含むポリアミドイミド系塗料と、比較例2で作
製した、ジイソシアネート成分としてPPDIとMDI
とを50モル%ずつ含有するポリアミドイミド系塗料と
を、原料段階でのPPDIとMDIとのモル比がPPD
I/MDI=30/70となるように配合したこと以外
は、上記実施例7と同様にして絶縁電線を作製した。
【0049】上記両実施例の絶縁電線について、前記外
観評価、弾性率測定、可撓性試験、急伸切断試験および
ピアノ線損傷荷重測定の各試験を行った。結果を表3に
示す。
【0050】
【表3】
【0051】上記表3の結果より、実施例7,8はそれ
ぞれ、PPDIの割合が同じ実施例2,3(表1参照)
とほぼ同じ特性を示し、このことから、ポリアミドイミ
ド系塗料を、PPDIの含有割合の違うものの混合によ
り製造しても、共重合により製造された塗料とほぼ同じ
結果が得られることが判った。実施例9 ポリアミドイミド系塗料作製時のPPDIおよびMDI
の仕込み量を、PPDI=52.9g、MDI=10
1.1g、PPDIの全ジイソシアネート中に占める割
合を45モル%とするとともに、酸成分としてTMAと
イソフタル酸(以下「IPA」という)とを使用し、T
MAおよびIPAの仕込み量を、TMA=136.9
g、IPA=3.7g、IPAの全酸成分中に占める割
合を3モル%としたこと以外は、前記実施例1と同様に
して絶縁電線を作製した。
【0052】実施例10 ポリアミドイミド系塗料作製時のTMAおよびIPAの
仕込み量を、TMA=98.8g、IPA=36.6
g、IPAの全酸成分中に占める割合を30モル%とし
たこと以外は、上記実施例9と同様にして絶縁電線を作
製した。実施例11 ポリアミドイミド系塗料作製時のTMAおよびIPAの
仕込み量を、TMA=49.4g、IPA=79.3
g、IPAの全酸成分中に占める割合を65モル%とし
たこと以外は、上記実施例9と同様にして絶縁電線を作
製した。
【0053】上記各実施例の絶縁電線について、前記外
観評価、弾性率測定、可撓性試験、急伸切断試験および
ピアノ線損傷荷重測定の各試験を行った。結果を表4に
示す。
【0054】
【表4】
【0055】上記表4の結果より、酸成分中にIPAを
含有させても、含有させないものとほぼ同程度の特性を
有する絶縁電線を形成できることがわかった。また塗料
の外観評価の結果より、実施例9〜11のポリアミドイ
ミド系塗料はいずれも、PPDIの含有割合が45モル
%と高いにも拘らず濁り等が見られず、このことから、
上記各塗料中に含まれるポリアミドイミドはN−メチル
−2−ピロリドンに対する溶解性に優れていることが判
った。
【0056】また、上記各実施例の結果より、IPAの
割合が3モル%では被膜の密着性が僅かに低下し、IP
Aの割合が65モル%では、絶縁被膜の弾性率が僅かに
低下するので、両特性のバランスを考慮すると、IPA
の割合が5〜60モル%の範囲内にある実施例10がと
くに優れたものであることが判った。実施例12 実施例3で作製した絶縁電線の絶縁被膜上に、焼付型水
溶性潤滑塗料(東芝ケミカル社製の品番TEC−960
1を常法によって塗布、焼付けして表面潤滑層を形成し
たこと以外は、上記実施例3と同様にして絶縁電線を作
製した。
【0057】実施例13 比較例1で作製したポリアミドイミド系塗料100重量
部に、潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレン20
重量部を添加して表面潤滑層用の塗料を作製し、これ
を、実施例3で作製した絶縁電線の絶縁被膜上に常法に
よって塗布、焼付けして表面潤滑層を形成したこと以外
は、上記実施例3と同様にして絶縁電線を作製した。
【0058】上記両実施例の絶縁電線について、前記弾
性率測定、可撓性試験、急伸切断試験およびピアノ線損
傷荷重測定の各試験を行った。結果を、PPDIの割合
が同じで、絶縁被膜上に表面潤滑層を形成していない実
施例3の結果と併せて表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】上記表5の結果より、絶縁被膜上に表面潤
滑層を形成すると、他の特性はそのまま維持しつつ、絶
縁被膜をさらに損傷し難くできることが判った。
【0061】
【発明の効果】本発明の絶縁電線によれば、ポリアミド
イミドの構造中にp−フェニレン基を導入して、絶縁被
膜の弾性率を向上させることで、可撓性にすぐれ、しか
も、損傷し難い絶縁被膜を形成することができる。した
がって、本発明の絶縁電線は耐加工性にすぐれており、
たとえばモータの捲線に使用する場合には、コアへの捲
線量を従来より増大させても、捲線工程で絶縁被膜に損
傷を生じるおそれがなく、より小型、軽量で性能の良い
モータの要求に対応することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともジイソシアネート成分と酸成分
    とを原料とするポリアミドイミド系塗料の塗布、焼付け
    により形成された絶縁被膜を有する絶縁電線において、
    原料としてのジイソシアネート成分が、下記一般式(I)
    : 【化1】 [上記式中Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基
    またはハロゲン原子を示す。nは1〜4の数を示す。]
    で表される芳香族ジイソシアネート化合物を10〜45
    モル%の範囲内で含有することを特徴とする絶縁電線。
  2. 【請求項2】原料としてのジイソシアネート成分におけ
    る、一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネートの含
    有割合が20〜40モル%である請求項1記載の絶縁電
    線。
  3. 【請求項3】原料としてのジイソシアネート成分におけ
    る、一般式(I) で表される芳香族ジイソシアネートの含
    有割合が40〜45モル%であるとともに、酸成分が、
    分子中に折れ曲がり構造を有する酸を、5〜60モル%
    の範囲内で含有する請求項1記載の絶縁電線。
  4. 【請求項4】ポリアミドイミド系塗料が、一般式(I) で
    表される芳香族ジイソシアネートと、上記以外のジイソ
    シアネートと、酸成分とを共重合させて製造される請求
    項1記載の絶縁電線。
  5. 【請求項5】ポリアミドイミド系塗料が、一般式(I) で
    表される芳香族ジイソシアネートと酸成分とを原料とし
    て製造されたポリアミドイミド系塗料と、上記以外のジ
    イソシアネートと酸成分とを原料として製造されたポリ
    アミドイミド系塗料との混合物である請求項1記載の絶
    縁電線。
  6. 【請求項6】絶縁被膜の下層に、ジフェニルメタン−
    4,4′−ジイソシアネートとトリメリット酸無水物と
    を含むポリアミドイミド系塗料の塗布、焼付けにより形
    成された下地層を有する請求項1記載の絶縁電線。
  7. 【請求項7】絶縁被膜の上層に表面潤滑層を有する請求
    項1記載の絶縁電線。
JP18003892A 1992-07-07 1992-07-07 絶縁電線 Pending JPH0620526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18003892A JPH0620526A (ja) 1992-07-07 1992-07-07 絶縁電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18003892A JPH0620526A (ja) 1992-07-07 1992-07-07 絶縁電線

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0620526A true JPH0620526A (ja) 1994-01-28

Family

ID=16076399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18003892A Pending JPH0620526A (ja) 1992-07-07 1992-07-07 絶縁電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0620526A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5626530B2 (ja) 絶縁塗料及びその製造方法並びにそれを用いた絶縁電線及びその製造方法
US5393612A (en) Insulated wire
US5356708A (en) Insulated wire
JP2936895B2 (ja) 絶縁電線
JP3287025B2 (ja) 絶縁電線
JP2007270074A (ja) 耐加工性ポリアミドイミド樹脂ワニス、及び絶縁電線
JP4190589B2 (ja) 絶縁電線
JPH065123A (ja) 絶縁電線
JPH0773743A (ja) 絶縁電線
JP3424273B2 (ja) 絶縁電線
JPH0620526A (ja) 絶縁電線
JP3617844B2 (ja) 絶縁電線
JP4482857B2 (ja) 電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線
JP4934624B2 (ja) 絶縁電線
WO2012026438A1 (ja) 低誘電率被膜用ポリエステルイミド樹脂系ワニス
JP2010031101A (ja) ポリアミドイミド樹脂塗料及びこれを用いた絶縁電線
JP2011154819A (ja) 絶縁電線
JP3497525B2 (ja) 絶縁電線
JPH03115478A (ja) 絶縁塗料および絶縁電線
JP4834925B2 (ja) 電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線
KR100879002B1 (ko) 폴리아미드이미드를 포함하는 절연 도료 조성물 및 이를도포시킨 절연피막을 포함하는 절연전선
JPH0773745A (ja) 絶縁電線
JPH0636616A (ja) 絶縁電線
JPH06103823A (ja) 絶縁電線
CN103489511A (zh) 绝缘电线以及使用其的线圈