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JP2010031101A - ポリアミドイミド樹脂塗料及びこれを用いた絶縁電線 - Google Patents

ポリアミドイミド樹脂塗料及びこれを用いた絶縁電線 Download PDF

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JP2010031101A
JP2010031101A JP2008193070A JP2008193070A JP2010031101A JP 2010031101 A JP2010031101 A JP 2010031101A JP 2008193070 A JP2008193070 A JP 2008193070A JP 2008193070 A JP2008193070 A JP 2008193070A JP 2010031101 A JP2010031101 A JP 2010031101A
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acid
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Kengo Yoshida
健吾 吉田
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Sumitomo Electric Wintec Inc
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Sumitomo Electric Wintec Inc
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Abstract

【課題】 塗料の製造的観点及び形成される絶縁被膜の耐熱性の要求の双方を満足できるポリアミドイミド樹脂塗料、及びその製造方法、及び当該塗料を用いた絶縁電線を提供する。
【解決手段】 ジイソシアネート成分と、トリメリット酸無水物及び1,2,5−トリメリット酸を含むカルボン酸成分とを反応させてなるポリアミドイミド樹脂塗料において、前記1,2,5−トリメリット酸は、酸成分中、0.03当量〜0.13当量含み、前記カルボン酸成分に対するジイソシアネート成分の当量比(ジイソシアネート/酸)は、1超〜1.3、好ましくは、前記1,2,5−トリメリット酸の酸成分中の含有率は、0.04当量〜0.13当量、好ましくは1.03〜1.3である。過剰のイソシアネート基はアルコールでブロックしておくことが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、マグネットワイヤなどの絶縁被覆に好適なポリアミドイミド樹脂塗料及びその製造方法及び当該塗料を用いて絶縁被覆した絶縁電線に関する。
ポリアミドイミド塗料は、耐熱性、耐摩耗性に優れていることから、機械的強度、耐熱性が要求されるマグネットワイヤの絶縁被覆用塗料として用いられている。
ポリアミドイミド塗料は、通常、ジイソシアネートと無水トリメリット酸を1当量ずつとなるように混合して、反応させることにより合成される。
一方、近年のモータの小型軽量化に伴い、モータコアに巻きつけられる絶縁電線の巻線量が増大している。このため、コアのスロット内の絶縁電線は、高荷重が加えられた状態で接触するなど、発熱しやすい状態にあり、耐熱性向上の要求は益々高まっている。
しかしながら、上記のようにジイソシアネートと無水トリメリット酸とを1当量ずつとなるように、混合して反応させることにより合成されるポリアミドイミド塗料を用いて絶縁被覆された絶縁電線の耐軟化温度は、400℃程度であるため、近年のマグネットワイヤの仕様からは、更なる耐熱性の向上が求められている。
このような事情から、絶縁皮膜に用いるポリアミドイミド塗料の特性向上については、種々の提案がなされている。
例えば、ポリアミドイミドの構造中に、多官能基を導入して、架橋密度を向上させると、耐熱軟化性が向上することを利用して、特開平7−21849では、原料としてのイソシアネート成分および酸成分が、3つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、3つ以上のカルボン酸基を有するポリカルボン酸化合物のうちの少なくとも1種を含有し、イソシアネート成分および酸成分の総量に対するポリイソシアネート化合物、ポリカルボン酸化合物の合計の含有割合を一定にしたポリアミドイミド系塗料が提案されており、具体的には、トリメリット酸無水物(TMA)、トリメリット酸(ETM)の2種の酸成分と、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)を1:1(モル比)の割合で投入してポリアミドイミド系塗料を調整する方法にあたり、酸成分及びイソシアネート成分の総量に対するETMの含有割合を、1.7モル%(実施例1)、3.45モル%(実施例2)、6.45モル%(実施例3)、8.7モル%(比較例2)としたポリアミドイミド塗料を開示している。そして、このような構成を有するポリアミドイミド系塗料において、ETMの含有割合が多いほど軟化点が高くなって絶縁被膜の耐熱軟化性が向上するが、ETMの含有割合が8モル%を超えると、絶縁被膜の可とう性が著しく悪化するので、ETMの含有割を8モル%以下とすること、さらに絶縁被膜の可とう性を考慮すると3モル%以下(ETMを2官能として計算すると、0.06当量に該当)とすることが好ましいことが記載されている(段落番号0057)。
特開平7−21849号公報
しかしながら、ポリカルボン酸の種類、比率によっては、合成反応に時間がかかったり、反応が速すぎてゲル化してしまい、塗料自体を製造できないといった問題があり、製造面と耐熱性の要求の双方を満足できるポリアミドイミド樹脂塗料が見出されていないのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塗料の製造的観点及び形成される絶縁被膜の耐熱性の要求の双方を満足できるポリアミドイミド樹脂塗料、及びその製造方法、及び当該塗料を用いた絶縁電線を提供することにある。
すなわち、本発明のポリアミドイミド樹脂塗料は、ジイソシアネート成分と、トリメリット酸無水物及び1,2,5−トリメリット酸を含むカルボン酸成分とを反応させてなるポリアミドイミド樹脂塗料において、前記1,2,5−トリメリット酸は、酸成分中、0.03当量〜0.13当量含み、前記カルボン酸成分に対するジイソシアネート成分の当量比(ジイソシアネート/酸)は、1超〜1.3である。好ましくは、前記1,2,5−トリメリット酸の酸成分中の含有率は、0.04当量〜0.13当量であり、前記カルボン酸成分に対するジイソシアネート成分の当量比(ジイソシアネート/酸)は、1.03〜1.3である。また、過剰のイソシアネート基が、アルコールでブロックされていることが好ましい。
本発明のポリアミドイミド樹脂塗料の製造方法は、無水トリメリット酸0.97〜0.87当量及び1,2,5−トリメリット酸0.03当量〜0.13当量含む酸成分と、ジイソシアネート成分とを、前記カルボン酸成分とジイソシアネート成分との当量比(ジイソシアネート/酸)が1超〜1.3となるように配合し、希釈により不揮発分濃度27質量%としたときの溶液の粘度が2500cps以上となるまで、120〜150℃程度で反応させた後、有機溶剤の添加により希釈して降温する。降温後、さらにアルコールを添加することが好ましい。
また、本発明の絶縁電線は、導体、及び前記導体を被覆する絶縁被膜よりなる絶縁電線であって、前記絶縁被膜が、上記本発明のポリアミドイミド樹脂塗料を塗布後、焼付けて形成される絶縁層を有するものである。
なお、本明細書にいう1,2,5−トリメリット酸の当量は、1,2,5−トリメリット酸を2官能として計算した当量である。
本発明のポリアミドイミド塗料は、イソシアネート成分が過剰の状態下で製造することにより、ポリカルボン酸の含有率が高くても、製造時間、製造コストの増大を招来せずにすみ、しかも耐熱性に優れた被膜を提供できる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、今回、開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のポリアミドイミド樹脂塗料は、ジイソシアネート成分と、トリメリット酸無水物及び1,2,5−トリメリット酸を含むカルボン酸成分とを反応させてなるポリアミドイミド樹脂塗料において、前記1,2,5−トリメリット酸の含有比率、酸成分とイソシアネート成分との当量比を特定範囲としたものである。
本発明で用いられるジイソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネートが好適に使用される。例えば、この芳香族ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4'−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等が例示される。これらはそれぞれ単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。中でも、安価であるMDIが好ましく用いられる。
ジイソシアネート成分としては、上記ジイソシアネートの他に、ビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジクロロビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジクロロビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジブロモビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジブロモビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,3'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジエトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジエトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,3'−ジエトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート等を用いることもできる。
ポリアミドイミドの合成に用いられる酸成分は、トリメリット酸無水物(TMA)及び1,2,5−トリメリット酸(1,2,5−ETM)を含む。さらに、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物(OPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸等を含有してもよいが、フリーのカルボキシル基を3個以上含むポリカルボン酸は、1,2,5−ETMだけとすることが好ましい。1,3,5−ETMのようなポリカルボン酸は、ジイソシアネートとの反応性が高く、反応が速くすすみすぎて、塗料の合成が困難になる傾向にあるからである。この点、1,2,5−ETMのように、ジイソシアネートとの重合反応時には、立体障害となるような位置にカルボキシル基が結合していると、反応が遅い、あるいは所定条件では、カルボキシル基の一部が反応に関与できないため、フリーのカルボキシル基を有するポリアミドイミド、すなわち塗料として適切なポリアミドイミド樹脂を得ることができる。
このように、イソシアネートとの反応において、立体障害となるカルボキシル基を1個含むポリカルボン酸である1,2,5−ETMを用いることにより、フリーのカルボキシル基が多数、残存しているポリアミドイミド塗料を得ることができる。そして、このフリーのカルボキシル基が、焼付時には、架橋点となることができることから、架橋密度の高い、耐軟化性に優れた皮膜を形成することができると考えられる。一方、1,2,5−ETMの含有量が増大するに従い、反応が遅くなるため、ポリアミドイミド樹脂製造時間、すなわち塗料の製造時間が長くなる。このことは、後述するように、ポリアミドイミドを製造する反応温度が120〜150℃程度であることから、生産性の低下だけでなく、エネルギー的にも不利であり、生産コスト増大の原因となるので、好ましくない。従って、1,2,5−ETMは、酸成分1当量あたり0.03当量以上、好ましくは0.04当量以上、より好ましくは0.06当量以上、さらに好ましくは0.08当量以上で、0.13当量以下、好ましくは0.12当量以下である。より好ましい組み合わせは、酸成分として、無水トリメリット酸0.97〜0.87当量及び1,2,5−トリメリット酸0.03当量〜0.13当量である。
なお、ここでいう1,2,5−トリメリット酸の当量数は、1,2,5−トリメリット酸がイソシアネートとの反応において2官能として機能すると考えられることから、2官能として計算した当量数を示している。
酸成分とジイソシアネート成分とは、当量比率(ジイソシアネート/酸)で、1超〜1.3となるように配合され、好ましくは1.03〜1.3、より好ましくは1.05〜1.3である。
イソシアネート成分を、酸成分に対して過剰の状態で配合し、反応させることで、反応が速くすすみ、結果として、ポリアミドイミド塗料の製造時間を短縮することができる。このことは、前述のように、1,2,5−ETMの含有率増大に伴う反応速度の遅延による生産性低下、生産コストの増大を防止するという点で有意義である。
本発明のポリアミドイミド樹脂塗料は、以上のように、酸成分とジイソシアネート成分とを配合し、従来のポリアミドイミド系塗料と同様の製造方法により製造することができる。すなわち、前記イソシアネート成分と酸成分を適当な有機溶媒に溶解し、加熱して、重合反応させることにより得られる。用いられる有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。また有機溶媒は脱水して用いることが好ましい。
重合反応は、有機溶媒に前記原料成分を混合した後、徐々に昇温して、一定の温度に達した後、同温度を保つことにより行うことができるが、前記ポリアミドイミドを合成するための反応温度は120〜150℃である。120℃未満では、反応が進行せず、150℃を超えると、1,2,5−ETMの立体障害にかかわらず、フリーのカルボキシル基もイソシアネートとの反応に関与する傾向にある。
反応時間は限定しないが、希釈により固形分濃度(不揮発分濃度)27質量%としたときの溶液の粘度が2500cps以上となる程度まで行うことが好ましい。反応停止は、キシレン、DMFなどの貧溶媒の添加、希釈で降温することにより行うことが好ましい。
上記貧溶媒による降温は、常温まで降下させてもよいが、70℃程度まで降温させた後、アルコールを添加して、常温まで降下させることが好ましい。ここで用いられるアルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の炭素数2〜6個程度の低級アルコール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコール;フェノール、クレゾール等のフェノール類などが挙げられる。アルコールの添加量は、イソシアネートをブロックするのに必要な量であることが好ましい。このようなアルコールの添加により、過剰に配合したことによってフリーとなっているイソシアネート基をブロックすることができる。これにより、フリーのイソシアネートを過剰とした場合の障害を解決できる。すなわち、貯蔵時に塗料が増粘し、結果として塗料のポットライフが短くなり、貯蔵安定性が低下するといった、フリーの過剰イソシアネートによる欠点を解消することが可能となる。
なお、本発明のポリアミドイミド樹脂塗料は、さらに必要に応じて、顔料、染料、無機又は有機のフィラー、潤滑剤等の各種添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、イソシアネートと酸との反応終了後に適宜配合することが好ましい。
以上のようにして得られる本発明のポリアミドイミド樹脂塗料は、1,2,5−ETM由来の未反応のカルボキシル基が、焼付時には反応点となり、ポリマー末端のイソシアネートと反応することで、架橋密度が高い皮膜を形成できる。
本発明の絶縁電線は、上記本発明のポリアミドイミド樹脂塗料を絶縁被覆として用いたものである。
導体としては、銅線、アルミニウム線などの金属導体が用いられる。
本発明のポリアミドイミド樹脂塗料を、導体の表面に塗布し、焼付けにより絶縁皮膜を形成する。塗布、焼付けは、従来の絶縁電線の絶縁皮膜の形成と同様な方法、条件により行うことができる。塗布、焼付け処理を2回以上繰り返してもよい。また、本発明のポリアミドイミド樹脂塗料は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、他の樹脂塗料とブレンドして用いることも可能である。
ポリアミドイミド樹脂塗料の焼付は、350〜500℃程度の炉内を、1パスあたり5〜10秒間、通過させることにより行うことが好ましい。焼きつけにより、耐熱性、耐摩耗性にすぐれた絶縁被膜を得ることができる。
絶縁皮膜の厚みは、導体を保護する観点から、1〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。絶縁被膜が分厚くなりすぎると、絶縁電線の外径が大きくなり、ひいては絶縁電線を捲線したコイルの占積率が低下する傾向にあるからである。
ポリアミドイミド樹脂の絶縁被膜は、導体上に直接形成してもよいし、導体表面にまず下地層を形成し、その上に、ポリアミドイミド樹脂の絶縁被膜を形成してもよい。
下地層としては、たとえばポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエステルイミド系、ポリエステルアミドイミド系、ポリアミドイミド系、ポリイミド系等、従来公知の種々の絶縁塗料の塗布、焼付けにより形成される絶縁膜が挙げられる。
さらに、絶縁皮膜の上層に上塗層を設けてもよい。特に、絶縁電線の外表面に、潤滑性を付与するための表面潤滑層を設けることにより、コイル巻や占積率を上げるための圧縮加工時に電線間の摩擦により生じる応力、ひいてはこの応力により生じる絶縁皮膜の損傷を低減できるので好ましい。上塗層を構成する樹脂としては、潤滑性を有するものであればよく、例えば、流動パラフィン、固形プラフィン等のパラフィン類、各種ワックス、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の潤滑剤をバインダー樹脂で結着したものなどを挙げることができる。好ましくは、パラフィン又はワックスを添加することで潤滑性を付与したアミドイミド樹脂が用いられる。
本発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔測定評価方法〕
はじめに、本実施例で行なった評価方法について説明する。
(1)塗料製造時間(時間)
配合成分を全部配合した後、80℃から140℃まで4時間かけて昇温し、キシレンによる希釈で不揮発分を27%とした際の粘度が2500cpsとなるまで(不揮発分27%のポリアミドイミド樹脂塗料が得られるまで)の時間を測定した。
(2)密着性
JIS C3003「8.1a)急激伸張」に準じて、作製した絶縁電線を急激伸張することにより切断し、切断していない部分の膜浮の導体長さ(mm)及び切断部分において被覆が剥がれたことにより露出した導体長さ(mm)を、それぞれ測定した。測定値が小さいほど、急伸切断面においても、被覆層が剥がれていないことを示し、密着性に優れていることを示している。
(3)可とう性
絶縁電線を、初期長さに対して20%伸長し、伸長後、JIS C3003 7.1.1可とう性試験に準拠して試験した。具体的には、絶縁電線の自己径(1d)を有する丸棒に沿って電線を、電線と電線とが接触するように30回巻き付けた後、亀裂の有無を観察し、亀裂個数を数えた。
巻きつける丸棒の径を絶縁電線の自己径の2倍(2d)、3倍(3d)、4倍(4d)についても同様にして巻きつけた後の亀裂個数を数えた。
(4)耐衝撃性
絶縁電線を、初期長さに対して20%伸長し、伸長後、JIS C3003 20の耐衝撃試験に準拠して試験した。具体的には、240℃で1時間加熱した後、絶縁電線の自己径(1d)を有する丸棒に沿って電線を、電線と電線とが接触するように30回巻き付けた後、亀裂の有無を観察し、亀裂個数を数えた。
巻きつける丸棒の径を絶縁電線の自己径の2倍(2d)、3倍(3d)、4倍(4d)についても同様にして巻きつけた後の亀裂個数を数えた。
(5)耐摩耗性
JIS C3003−1999に記載の耐摩耗試験に準拠し、一方向摩耗値(g)を測定した。
(6)絶縁破壊電圧
作製した絶縁電線2本を用いて撚り線を作成し、これをJIS C2002 10に準じて、絶縁破壊電圧(V)を測定し、10個のサンプルの測定値を平均して平均絶縁破壊電圧を求めた。
(7)軟化温度
JIS C3003「エナメル銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法」に準じて、軟化温度(℃)を測定した。JISに規定する荷重(700g)及び2倍荷重(1400g)のそれぞれについて、電線が導通したときの温度(軟化温度)を測定した。軟化温度が高いほど、耐熱性に優れていることを示す。
〔ポリアミドイミド樹脂塗料及び絶縁電線の製造〕
No.1:
昇温制御機能付きのマントルヒーターに、セパラブルフラスコ(三口)および冷却管をセットし、TMA(トリメリット酸無水物、三菱瓦斯化学製)の144g(1当量)を投入し、MDI(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシネート)の188g(1当量)、さらに反応成分(酸成分及びイソシアネート成分)濃度が35質量%となるように、溶剤として、NM2P(N−メチル−2−ピロリドン溶媒、三菱化学製、窒素下で脱水減圧蒸留済み)を948gを仕込み、80℃で完全に溶解させた後、約4時間かけて徐々に系の温度を140℃まで昇温した。その後、140℃を保って、キシレンによる希釈で不揮発分27質量%とした際の粘度が2500cpsとなるまで、反応させた。反応時間(製造時間)は、表1に示す通りである。反応の停止は、キシレン添加、希釈による温度降下により行い、最終的に得られたポリアミドイミド塗料の固形分濃度が27質量%である。
得られたポリアミドイミド樹脂塗料を、径1mmの銅線に塗布した後、350〜500℃の炉内を通過させることにより焼きつけ、皮膜厚み0.033mmの、絶縁電線を作成した。
作成した絶縁電線の密着性、可とう性、耐熱衝撃性、耐摩耗性、絶縁破壊電圧、軟化温度を、上記評価方法に従って測定評価した。結果を表1に示す。
No.2〜9:
酸成分として、ポリカルボン酸(1,2,5−ETMまたは1,3,5−ETM)を5g(0.03当量)、8g(0.05当量)、11g(0.07当量)、又は17g(0.11当量)含有させ、TMAの含有量及びMDIの含有量を調整することにより、酸:イソシアネート(当量比)を表1のように変更し、溶剤としてNM2Pの配合量を表1のように変更することで、濃度35質量%の反応系を調製し、No.1と同様にして、反応させた。尚、固形分(不揮発分)27質量%としたときの粘度が2500cpsとなるまで反応させた後、キシレンを添加して70℃まで降温し、さらにメタノールを添加して、ポリアミドイミド樹脂塗料とした。最終的に得られたポリアミドイミド塗料の固形分濃度は、27質量%である。
得られたポリアミドイミド樹脂塗料を、径1mmの銅線(No.4,5,8,9は径0.998mmの銅線)に塗布した後、皮膜厚み0.033mm(No.7のみ0.032mm)の、絶縁電線を作成した。
作成した絶縁電線の密着性、可とう性、耐熱衝撃性、耐摩耗性、絶縁破壊電圧、軟化温度を、上記評価方法に従って測定評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010031101
No.2は、ポリカルボン酸成分として、1,3、5−ETMを用いた場合であり、反応性が高すぎて、ゲル化してしまい、塗料の製造自体が困難であった。
No.1は、1,2,5−ETMを含まないで合成したポリアミドイミド樹脂塗料で、No.3〜9は、1,2,5−ETMを含有させて合成したポリアミドイミド樹脂塗料である。形成される絶縁被覆の耐軟化温度は、No.1では400℃程度であるのに対し、No.3〜9は、JIS荷重では、いずれも450℃以上であった。
No.3,4,6,8を比べると、1,2、5−ETMの含有比率が高いほど、耐軟化温度が高くなっていることがわかる。1,2,5−ETMの含有比率が高くなるほど、製造時間が長くなっていたが、No.5,7,9より、反応成分におけるイソシアネートの酸成分に対する比率を上げることにより、製造時間を短縮できた。
また、1,2,5−ETM含有率が低い場合には、製造時間を短くすると(酸/イソシアネート当量比を1超とすると)、一方向摩耗であらわされる密着性が、若干劣る傾向にあった(No.5、7)が、1,2,5−ETM含有率が0.11当量のときには、一方向摩耗、軟化温度のいずれも、酸:イソシアネート(当量比)、すなわち酸/イソシアネートが1のときと、同程度以上の特性を有することが確認できた。
本発明のポリアミドイミド樹脂塗料は、製造時間を短縮して、従来より耐軟化性に優れたポリアミドイミド樹脂塗料であり、生産上、省エネルギー、コストダウンを図ることができる上に、近年の絶縁電線に対するより厳しい耐軟化性の要求に応えることができる絶縁電線を提供できる。

Claims (6)

  1. ジイソシアネート成分と、トリメリット酸無水物及び1,2,5−トリメリット酸を含むカルボン酸成分とを反応させてなるポリアミドイミド樹脂塗料において、
    前記1,2,5−トリメリット酸は、酸成分中、0.03当量〜0.13当量含み、
    前記カルボン酸成分に対するジイソシアネート成分の当量比(ジイソシアネート/酸)は、1超〜1.3であるポリアミドイミド樹脂塗料。
  2. 前記1,2,5−トリメリット酸の酸成分中の含有率は、0.04当量〜0.13当量であり、前記カルボン酸成分に対するジイソシアネート成分の当量比(ジイソシアネート/酸)は、1.03〜1.3である請求項1に記載のポリアミドイミド樹脂塗料。
  3. 過剰のイソシアネート基が、アルコールでブロックされている請求項1又は2に記載のポリアミドイミド樹脂。
  4. 無水トリメリット酸0.97〜0.87当量及び1,2,5−トリメリット酸0.03当量〜0.13当量含む酸成分と、
    ジイソシアネート成分とを、
    前記カルボン酸成分とジイソシアネート成分との当量比(ジイソシアネート/酸)が、1超〜1.3となるように配合し、
    希釈により不揮発分濃度27質量%としたときの溶液の粘度が2500cps以上となるまで、120〜150℃程度で反応させた後、有機溶剤の添加により希釈して降温する請求項1に記載のポリアミドイミド樹脂塗料の製造方法。
  5. 降温後、さらにアルコールを添加する工程を含む請求項4に記載の製造方法。
  6. 導体、及び前記導体を被覆する絶縁被膜よりなる絶縁電線であって、
    前記絶縁被膜が、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂塗料を塗布後、焼付けて形成される絶縁層を有する絶縁電線。
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