JPH0517821A - 焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製造方法 - Google Patents
焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製造方法Info
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- JPH0517821A JPH0517821A JP19731291A JP19731291A JPH0517821A JP H0517821 A JPH0517821 A JP H0517821A JP 19731291 A JP19731291 A JP 19731291A JP 19731291 A JP19731291 A JP 19731291A JP H0517821 A JPH0517821 A JP H0517821A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、焼き割れを防止しかつτmaxが1
80kgf/mm2以上の優れたねじり強さを有する高
周波焼入れ部品の製造方法を提供する。 【構成】 C:0.4〜0.8%、Mn:0.25〜
0.70%、Cr:0.3〜1.5%ほか特定組成を含
有し、Si、P、B、Oを低減した鋼素材を30分以内
の昇温時間で鍛造温度に加熱し、1000℃以下のオー
ステナイト温度域で鍛造後、鍛造温度〜500℃間を
0.5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、その後高周
波焼入れ−焼戻しを行うことを特徴とする焼き割れの少
ない高周波焼入れ部品の製造方法。
80kgf/mm2以上の優れたねじり強さを有する高
周波焼入れ部品の製造方法を提供する。 【構成】 C:0.4〜0.8%、Mn:0.25〜
0.70%、Cr:0.3〜1.5%ほか特定組成を含
有し、Si、P、B、Oを低減した鋼素材を30分以内
の昇温時間で鍛造温度に加熱し、1000℃以下のオー
ステナイト温度域で鍛造後、鍛造温度〜500℃間を
0.5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、その後高周
波焼入れ−焼戻しを行うことを特徴とする焼き割れの少
ない高周波焼入れ部品の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焼き割れの少ない高周波
焼入れ部品の製造方法にかかわり、さらに詳しくは、機
械部品として優れたねじり強さを有し、かつ製造時に焼
き割れを起こしにくい高周波焼入れ部品の製造方法に関
するものである。
焼入れ部品の製造方法にかかわり、さらに詳しくは、機
械部品として優れたねじり強さを有し、かつ製造時に焼
き割れを起こしにくい高周波焼入れ部品の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の動力伝達系を構成する軸形状を
有する部品は、近年の自動車エンジンの高出力化にとも
ない、これらの部品の高強度化(ねじり強さの向上)の
指向が強い。これらの機械部品は、通常中炭素鋼を所定
の部品形状に成形加工し、高周波焼入れ−焼戻しを施し
て製造されている。高周波焼入れ材のねじり強さは、例
えば「いすず技報、第67号9頁」にみられるように、
高周波焼入れ深さを深くするほど向上するが、現状では
表面最大せん断応力(以下τmaxと呼ぶ)は約150k
gf/mm2が上限である。
有する部品は、近年の自動車エンジンの高出力化にとも
ない、これらの部品の高強度化(ねじり強さの向上)の
指向が強い。これらの機械部品は、通常中炭素鋼を所定
の部品形状に成形加工し、高周波焼入れ−焼戻しを施し
て製造されている。高周波焼入れ材のねじり強さは、例
えば「いすず技報、第67号9頁」にみられるように、
高周波焼入れ深さを深くするほど向上するが、現状では
表面最大せん断応力(以下τmaxと呼ぶ)は約150k
gf/mm2が上限である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したτma
x=150kgf/mm2の強さレベルは、自動車の動力
伝達系部品の強さレベルとして十分であるとは言えない
のが現状である。ここで、高周波焼入れ材では、高強度
化にともなって焼き割れが発生しやすくなり、その抑制
が現在重要な課題の一つとなっている。そこで、本発明
の目的は、焼き割れを防止しかつτmaxが180kgf
/mm2以上の優れたねじり強さを有する高周波焼入れ
部品の製造方法を提供しようとするものである。
x=150kgf/mm2の強さレベルは、自動車の動力
伝達系部品の強さレベルとして十分であるとは言えない
のが現状である。ここで、高周波焼入れ材では、高強度
化にともなって焼き割れが発生しやすくなり、その抑制
が現在重要な課題の一つとなっている。そこで、本発明
の目的は、焼き割れを防止しかつτmaxが180kgf
/mm2以上の優れたねじり強さを有する高周波焼入れ
部品の製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、焼き割れ
を防止しかつ高周波焼入れにより優れたねじり強さを実
現し得る機械部品を実現するために、鋭意検討を行ない
次の知見を得た。 (1)高周波焼入れ材のねじり強さは、高C化と焼入れ
性の向上により、顕著に向上する。しかしながら、高C
化と焼入れ性を向上させると、焼き割れが発生する危険
が大きくなる。 (2)焼き割れは旧オーステナイト粒界割れを呈してお
り、焼き割れを防止するためには、次の各点がポイント
である。 粒界偏析元素(P,B)の低減 主として焼き割れを起こしにくいCr,Moで焼入れ
性を確保する。 フェライト地を強化し焼き割れ感受性を高めるSiを
低減する。 高周波焼入れ後の旧オーステナイト粒径を次の方法の
組み合わせにより細粒化する。 ・Al等の炭窒化物生成元素量とN量を適正制御。 ・高周波焼入れの前に1000℃以下のオーステナイト
温度域で鍛造し、高周波焼入れの前の組織の微細化をは
かる。 (3)なお、高周波焼入れの前の鍛造加熱−冷却時にC
r、Moがセメンタイト中にとけ込み、焼入れ性が低下
する危険性があるので、鍛造加熱時の昇温および冷却を
迅速に行う。 (4)また、Al等の炭窒化物生成元素は同時に酸化物
系介在物を生成し、焼き割れ感受性を高めるため、酸素
量を低減する。
を防止しかつ高周波焼入れにより優れたねじり強さを実
現し得る機械部品を実現するために、鋭意検討を行ない
次の知見を得た。 (1)高周波焼入れ材のねじり強さは、高C化と焼入れ
性の向上により、顕著に向上する。しかしながら、高C
化と焼入れ性を向上させると、焼き割れが発生する危険
が大きくなる。 (2)焼き割れは旧オーステナイト粒界割れを呈してお
り、焼き割れを防止するためには、次の各点がポイント
である。 粒界偏析元素(P,B)の低減 主として焼き割れを起こしにくいCr,Moで焼入れ
性を確保する。 フェライト地を強化し焼き割れ感受性を高めるSiを
低減する。 高周波焼入れ後の旧オーステナイト粒径を次の方法の
組み合わせにより細粒化する。 ・Al等の炭窒化物生成元素量とN量を適正制御。 ・高周波焼入れの前に1000℃以下のオーステナイト
温度域で鍛造し、高周波焼入れの前の組織の微細化をは
かる。 (3)なお、高周波焼入れの前の鍛造加熱−冷却時にC
r、Moがセメンタイト中にとけ込み、焼入れ性が低下
する危険性があるので、鍛造加熱時の昇温および冷却を
迅速に行う。 (4)また、Al等の炭窒化物生成元素は同時に酸化物
系介在物を生成し、焼き割れ感受性を高めるため、酸素
量を低減する。
【0005】本発明は以上の新規なる知見にもとずいて
なされたものであって、その要旨とするところは、重量
比として、 C:0.4〜0.8%、 Mn:.0.25〜0.70%、 S:0.01〜0.15%、 Al:0.015〜0.05%、 N:0.003〜0.020%、 を含有し、 さらにCr:0.3〜1.5%、Mo:0.05〜0.
5%の1種または2種を含有し、 Si:0.1%以下、P:0.020%以下、B:0.
0005%未満、0:0.002%以下に制限し、 さらにまたは、Mo:0.5%以下を含有し、さらにま
たは、 Ti:0.005〜0.04% Nb:0.005〜0.1% V:0.03〜0.3% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
的不純物からなる鋼素材を30分以内の昇温時間で鍛造
温度に加熱し、1000℃以下のオーステナイト温度域
で鍛造後、鍛造温度〜500℃間を0.5℃/秒以上の
平均冷却速度で冷却し、その後高周波焼入れ−焼戻しを
行うことを特徴とする焼き割れの少ない高周波焼入れ部
品の製造方法にある。
なされたものであって、その要旨とするところは、重量
比として、 C:0.4〜0.8%、 Mn:.0.25〜0.70%、 S:0.01〜0.15%、 Al:0.015〜0.05%、 N:0.003〜0.020%、 を含有し、 さらにCr:0.3〜1.5%、Mo:0.05〜0.
5%の1種または2種を含有し、 Si:0.1%以下、P:0.020%以下、B:0.
0005%未満、0:0.002%以下に制限し、 さらにまたは、Mo:0.5%以下を含有し、さらにま
たは、 Ti:0.005〜0.04% Nb:0.005〜0.1% V:0.03〜0.3% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
的不純物からなる鋼素材を30分以内の昇温時間で鍛造
温度に加熱し、1000℃以下のオーステナイト温度域
で鍛造後、鍛造温度〜500℃間を0.5℃/秒以上の
平均冷却速度で冷却し、その後高周波焼入れ−焼戻しを
行うことを特徴とする焼き割れの少ない高周波焼入れ部
品の製造方法にある。
【0006】
【作用】以下に、本発明を詳細に説明する。最初に、本
発明対象鋼として、成分含有範囲を上記の如く限定した
理由について説明する。まず、Cは機械部品としての最
終製品の強度を増加させるのに有効な元素であるが、
0.4%未満では最終製品の強度が不足し、また0.8
%を超えるとむしろ最終製品の靱性の劣化を招くので、
含有量を0.4〜0.8%とした。次に、Mnは焼入れ
性の向上を通じて、最終製品の強度を増加させるのに有
効な元素であるが、0.25%未満ではこの効果は不十
分である。一方、0.7%超では、1000℃以下のオ
ーステナイト温度域での鍛造荷重が顕著に大きくなる。
以上の理由でMnの含有量を0.25〜0.70%とし
た。次に、Sは鋼中でMnSとして存在し、被削性の向
上および組織の微細化に寄与するが、0.01%未満で
はその効果は不十分である。一方、0.15%を超える
とその効果は飽和し、むしろ靱性の劣化及び異方性の増
加を招く。以上の理由から、Sの含有量を0.01〜
0.15%とした。次に、Alは脱酸元素および結晶粒
微細化元素として添加するが、0.015%未満ではそ
の効果は不十分であり、一方、0.05%を超えるとそ
の効果は飽和し、むしろ靱性を劣化させるので、その含
有量を0.015〜0.05%とした。さらに、NはA
lNの析出挙動を通じて、オーステナイト粒/フェライ
ト・パーライト組織の微細化に寄与するが、0.003
%未満ではその効果は不十分であり、一方、0.020
%超では、その効果は飽和しむしろ靱性の劣化を招くの
で、その含有量をN:0.003〜0.020%とし
た。
発明対象鋼として、成分含有範囲を上記の如く限定した
理由について説明する。まず、Cは機械部品としての最
終製品の強度を増加させるのに有効な元素であるが、
0.4%未満では最終製品の強度が不足し、また0.8
%を超えるとむしろ最終製品の靱性の劣化を招くので、
含有量を0.4〜0.8%とした。次に、Mnは焼入れ
性の向上を通じて、最終製品の強度を増加させるのに有
効な元素であるが、0.25%未満ではこの効果は不十
分である。一方、0.7%超では、1000℃以下のオ
ーステナイト温度域での鍛造荷重が顕著に大きくなる。
以上の理由でMnの含有量を0.25〜0.70%とし
た。次に、Sは鋼中でMnSとして存在し、被削性の向
上および組織の微細化に寄与するが、0.01%未満で
はその効果は不十分である。一方、0.15%を超える
とその効果は飽和し、むしろ靱性の劣化及び異方性の増
加を招く。以上の理由から、Sの含有量を0.01〜
0.15%とした。次に、Alは脱酸元素および結晶粒
微細化元素として添加するが、0.015%未満ではそ
の効果は不十分であり、一方、0.05%を超えるとそ
の効果は飽和し、むしろ靱性を劣化させるので、その含
有量を0.015〜0.05%とした。さらに、NはA
lNの析出挙動を通じて、オーステナイト粒/フェライ
ト・パーライト組織の微細化に寄与するが、0.003
%未満ではその効果は不十分であり、一方、0.020
%超では、その効果は飽和しむしろ靱性の劣化を招くの
で、その含有量をN:0.003〜0.020%とし
た。
【0007】次に、本発明では、Cr:0.3〜1.5
%、Mo:0.05〜0.5%の1種または2種を含有
させる。Cr、Moはともに焼入れ性の向上を通じて、
最終製品の強度を増加させるのに有効な元素であるが、
Cr:0.3%未満、Mo:0.05%未満ではこの効
果は不十分である。一方、Cr:1.5%超、Mo:
0.5%超では、1000℃以下のオーステナイト温度
域での鍛造荷重が顕著に大きくなる。以上の理由で成分
含有範囲をCr:0.3〜1.5%、Mo:0.05〜
0.50%、とした。一方、Siは、焼入れ性増加の効
果は小さく、逆にフェライト地を強化することによって
焼き割れ感受性を高めるとともに、1000℃以下のオ
ーステナイト温度域での鍛造荷重を増加させる元素であ
る。これらの悪影響は0.1%超で特に顕著になるた
め、0.1%を上限とした。また、P、Bは鋼中で粒界
偏析や中心偏析を起こし、焼き割れ、靱性劣化の原因と
なる。特にP:0.020%超、B:0.0005%以
上でこれらの悪影響が顕著となるため、P:0.020
%以下、B:0.0005%未満とした。さらに、Oは
Al2O3等の酸化物を生成し応力集中サイトとなり、こ
れが焼き割れの原因の一つとなる。O:0.002%超
でこの影響が顕著となるため、0.002%以下とし
た。
%、Mo:0.05〜0.5%の1種または2種を含有
させる。Cr、Moはともに焼入れ性の向上を通じて、
最終製品の強度を増加させるのに有効な元素であるが、
Cr:0.3%未満、Mo:0.05%未満ではこの効
果は不十分である。一方、Cr:1.5%超、Mo:
0.5%超では、1000℃以下のオーステナイト温度
域での鍛造荷重が顕著に大きくなる。以上の理由で成分
含有範囲をCr:0.3〜1.5%、Mo:0.05〜
0.50%、とした。一方、Siは、焼入れ性増加の効
果は小さく、逆にフェライト地を強化することによって
焼き割れ感受性を高めるとともに、1000℃以下のオ
ーステナイト温度域での鍛造荷重を増加させる元素であ
る。これらの悪影響は0.1%超で特に顕著になるた
め、0.1%を上限とした。また、P、Bは鋼中で粒界
偏析や中心偏析を起こし、焼き割れ、靱性劣化の原因と
なる。特にP:0.020%超、B:0.0005%以
上でこれらの悪影響が顕著となるため、P:0.020
%以下、B:0.0005%未満とした。さらに、Oは
Al2O3等の酸化物を生成し応力集中サイトとなり、こ
れが焼き割れの原因の一つとなる。O:0.002%超
でこの影響が顕著となるため、0.002%以下とし
た。
【0008】また本発明においては、粒度調整の目的
で、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上を必須元素とし
て含有させることが出来る。しかしながら、Ti含有量
が0.005%未満、Nb含有量が0.005%未満、
V含有量が0.03%未満ではその効果は不十分であ
り、一方、Ti:0.040%超、Nb:0.10%
超、V:0.30%超では、その効果は飽和し、むしろ
靱性を劣化させるので、これらの含有量をTi:0.0
05〜0.040%、Nb:0.005%〜0.1%、
V:0.03〜0.3%とした。
で、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上を必須元素とし
て含有させることが出来る。しかしながら、Ti含有量
が0.005%未満、Nb含有量が0.005%未満、
V含有量が0.03%未満ではその効果は不十分であ
り、一方、Ti:0.040%超、Nb:0.10%
超、V:0.30%超では、その効果は飽和し、むしろ
靱性を劣化させるので、これらの含有量をTi:0.0
05〜0.040%、Nb:0.005%〜0.1%、
V:0.03〜0.3%とした。
【0009】次に、本発明においては、上記の鋼素材
を、30分以内の昇温時間で鍛造温度に加熱し、100
0℃以下のオーステナイト温度域で鍛造後、鍛造温度〜
500℃間を0.5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却
し、その後高周波焼入れ−焼戻を行うのであるが、製造
方法を限定した理由について述べる。高周波焼入れの前
に1000℃以下のオーステナイト温度域で鍛造するの
は、オーステナイト域での加工再結晶を活用し、高周波
焼入れの前の組織の微細化をはかり、高周波焼入れ時の
焼き割れを抑制するためである。しかしながら、鍛造温
度が1000℃超ではこの効果が小さいので、鍛造温度
を1000℃以下とした。ここで、高周波焼入れの前の
鍛造加熱−冷却時にCr、Moがセメンタイト中にとけ
込み、十分な焼入れ性の確保が困難になる。この現象は
昇温時間30分超、および鍛造温度〜500℃間の平均
冷却速度0.5℃/秒未満で特に顕著になるため、鍛造
温度までの昇温時間を30分以内、および鍛造温度〜5
00℃間の平均冷却速度を0.5℃/秒以上とした。以
下に、本発明の効果を実施例により、さらに具体的に示
す。
を、30分以内の昇温時間で鍛造温度に加熱し、100
0℃以下のオーステナイト温度域で鍛造後、鍛造温度〜
500℃間を0.5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却
し、その後高周波焼入れ−焼戻を行うのであるが、製造
方法を限定した理由について述べる。高周波焼入れの前
に1000℃以下のオーステナイト温度域で鍛造するの
は、オーステナイト域での加工再結晶を活用し、高周波
焼入れの前の組織の微細化をはかり、高周波焼入れ時の
焼き割れを抑制するためである。しかしながら、鍛造温
度が1000℃超ではこの効果が小さいので、鍛造温度
を1000℃以下とした。ここで、高周波焼入れの前の
鍛造加熱−冷却時にCr、Moがセメンタイト中にとけ
込み、十分な焼入れ性の確保が困難になる。この現象は
昇温時間30分超、および鍛造温度〜500℃間の平均
冷却速度0.5℃/秒未満で特に顕著になるため、鍛造
温度までの昇温時間を30分以内、および鍛造温度〜5
00℃間の平均冷却速度を0.5℃/秒以上とした。以
下に、本発明の効果を実施例により、さらに具体的に示
す。
【0010】
【実施例】表1の組成を有する直径50mmφの棒鋼
を、表2に示す条件で減面率50%の鍛造を行い、平行
部が20mmφのねじり試験片に機械加工した。その
後、周波数30KHz、送り速度12mm/秒の条件で
高周波焼入れを行い、170℃×1時間の条件で焼戻し
を行った。これらの試料についてねじり試験を行った。
表3に各鋼材のねじり強さ評価結果を、高周波加熱時の
焼き割れの有無とあわせて示す。表3から明らかなよう
に、本発明法による試料はいずれもτmaxが180kg
f/mm2以上の優れたねじり強さを有し、かつ焼き割
れ感受性が小さいことがわかる。一方、比較例1はCの
含有量が本発明の範囲を下回った場合であり、比較例1
6はMnの含有量が本発明の範囲を下回った場合であ
り、17はCr、Moの含有量がともに本発明の範囲を
下回った場合であり、比較例5、21は鍛造温度までの
昇温時間が本発明の範囲を上回った場合であり、比較例
8、22は鍛造温度〜500℃間の平均冷却速度が本発
明の範囲を下回った場合であり、いずれもτmaxが18
0kgf/mm2以上のねじり強さを達成していない。
また、比較例10、11、14、15、18はC、P、
B、Si、Oの含有量がそれぞれ本発明の範囲を上回っ
た場合であり、比較例12、13はAl、Nの含有量が
それぞれ本発明の範囲を下回った場合であり、さらに比
較例4、7は鍛造温度が本発明の範囲を上回った場合で
あり、いずれも焼き割れが発生している。
を、表2に示す条件で減面率50%の鍛造を行い、平行
部が20mmφのねじり試験片に機械加工した。その
後、周波数30KHz、送り速度12mm/秒の条件で
高周波焼入れを行い、170℃×1時間の条件で焼戻し
を行った。これらの試料についてねじり試験を行った。
表3に各鋼材のねじり強さ評価結果を、高周波加熱時の
焼き割れの有無とあわせて示す。表3から明らかなよう
に、本発明法による試料はいずれもτmaxが180kg
f/mm2以上の優れたねじり強さを有し、かつ焼き割
れ感受性が小さいことがわかる。一方、比較例1はCの
含有量が本発明の範囲を下回った場合であり、比較例1
6はMnの含有量が本発明の範囲を下回った場合であ
り、17はCr、Moの含有量がともに本発明の範囲を
下回った場合であり、比較例5、21は鍛造温度までの
昇温時間が本発明の範囲を上回った場合であり、比較例
8、22は鍛造温度〜500℃間の平均冷却速度が本発
明の範囲を下回った場合であり、いずれもτmaxが18
0kgf/mm2以上のねじり強さを達成していない。
また、比較例10、11、14、15、18はC、P、
B、Si、Oの含有量がそれぞれ本発明の範囲を上回っ
た場合であり、比較例12、13はAl、Nの含有量が
それぞれ本発明の範囲を下回った場合であり、さらに比
較例4、7は鍛造温度が本発明の範囲を上回った場合で
あり、いずれも焼き割れが発生している。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明法を用いれ
ば、τmaxが180kgf/mm2以上の優れたねじり強
さを有し、かつ焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製
造が可能であり、近年の自動車エンジンの高出力化を許
容し得る動力伝達系部品の製造が可能となり、産業上の
効果は極めて顕著なるものがある。
ば、τmaxが180kgf/mm2以上の優れたねじり強
さを有し、かつ焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製
造が可能であり、近年の自動車エンジンの高出力化を許
容し得る動力伝達系部品の製造が可能となり、産業上の
効果は極めて顕著なるものがある。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比として、 C:0.4〜0.8%、 Mn:0.25〜0.70%、 S:0.01〜0.15%、 Al:0.015〜0.05%、 N:0.003〜0.020%、 を含有し、 さらにCr:0.3〜1.5%、Mo:0.05〜0.
5%の1種または2種を含有し、 Si:0.1%以下、P:0.020%以下、B:0.
0005%未満、O:0.002%以下に制限し、残部
が鉄および不可避的不純物からなる鋼素材を30分以内
の昇温時間で鍛造温度に加熱し、1000℃以下のオー
ステナイト温度域で鍛造後、鍛造温度〜500℃間を
0.5℃/秒以上の平均冷却速度で冷却し、その後高周
波焼入れ−焼戻しを行うことを特徴とする焼き割れの少
ない高周波焼入れ部品の製造方法。 - 【請求項2】 鋼がさらに、 Ti:0.005〜0.04% Nb:0.005〜0.1% V:0.03〜0.3% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項1記載の焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19731291A JPH0517821A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19731291A JPH0517821A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0517821A true JPH0517821A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16372365
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19731291A Withdrawn JPH0517821A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 焼き割れの少ない高周波焼入れ部品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0517821A (ja) |
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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