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JP7771755B2 - ポリオレフィン系接着剤組成物および積層体 - Google Patents

ポリオレフィン系接着剤組成物および積層体

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JP7771755B2
JP7771755B2 JP2021573950A JP2021573950A JP7771755B2 JP 7771755 B2 JP7771755 B2 JP 7771755B2 JP 2021573950 A JP2021573950 A JP 2021573950A JP 2021573950 A JP2021573950 A JP 2021573950A JP 7771755 B2 JP7771755 B2 JP 7771755B2
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Description

本発明は、接着剤組成物、積層体に関する。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価で成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性など多くの優れた性質を有するため、シート、フィルム、成形物等として、近年広く採用されている。
しかし、これらポリオレフィン系樹脂からなる基材(以下、ポリオレフィン系基材)は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等の極性基材とは異なり、非極性かつ結晶性であるため、塗装や接着が困難であるという欠点を有する。
最近、自動車の軽量化に伴い、バンパーを含めた自動車外装においてオレフィン系樹脂の部品が増えつつあり、かつVOC、CO2削減の動きから、塗装を塗装代替フィルムに置き換える検討がなされている。さらに、鋼鈑部品、オレフィン樹脂部品ともに同程度の接着性を有する接着層が求められており、さらには耐チッピング性などの性能も求められている。耐チッピング性とは、自動車の走行時に跳ね上げられた石等が衝突した際に、局部的に塗膜が破壊される、もしくは剥離してしまうことに対する耐久性能である。
これまでのポリオレフィン系樹脂用接着剤としては、ポリプロピレン樹脂/ポリエチレン樹脂間で接着性を示す接着剤組成物やオレフィン系同士間での接着性を示す接着剤組成物(特許文献1~3)、オレフィン系樹脂とオレフィン系樹脂以外の張り合わせでも接着性を示す接着剤組成物(特許文献4~6)が提案されている。
特願2017-564927 特願2014-232540 特願2009-548844 特開2004-292716 特開2014-234400 特開2016-89060
しかしながら、前記提案されている接着剤組成物は、いずれもポリオレフィン樹脂基材と金属(アルミ二ウム)やポリオレフィン樹脂基材とポリエステル(PET)基材間での接着性は良好であるが、アルミニウムやPET以外の基材とポリオレフィン樹脂基材との接着性は不明である。また、いずれもホットメルト接着剤であり、180℃という高温での接着が不可欠である。また、提案されている接着剤組成物は、接着性以外の性能において、未検討なものが多く、マルチ接着性や耐チッピング性については言及されていない。
本発明は、ポリオレフィン樹脂基材とポリオレフィン樹脂基材以外の極性プラスチック基材や金属基材間で良好な接着性および耐チッピング性を示し、低温での貼り合わせが可能である接着剤組成物を提供するものである。
上記課題を達成するため、本発明者らは鋭意検討し、特定の変性ポリオレフィン、応力緩和剤および粘着付与剤の組み合わせが有効であることを見出し、以下の発明を提案するに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1) 酸変性ポリオレフィン(A)、応力緩和剤(B)および粘着付与剤(C)を含有し、応力緩和剤(B)は、構成単位としてジエン系モノマーを含有するオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種類の樹脂及びスチレン系樹脂である接着剤組成物。
(2)応力緩和剤(B)が、オレフィン系樹脂(B1)および水添スチレン系樹脂(B2)である上記(1)に記載の接着剤組成物。
(3)さらに溶剤(D)を含む、上記(1)~(2)いずれかに記載の接着剤組成物。
(4)前記溶剤(D)が、脂環式炭化水素溶剤(D1)およびエステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)を含む、上記(1)~(3)いずれかに記載の接着剤組成物。
(5)脂環式炭化水素溶剤(D1)とエステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)の質量比が、(D1)/(D2)=95/5~50/50である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の接着剤組成物。
(6)硬化剤(E)を含む、上記(1)~(5)のいずれかに記載の接着剤組成物。
(7)ポリオレフィン樹脂基材1および前記基材1とは異なる基材2との接着に用いられる上記(1)~(6)のいずれかに記載の接着剤組成物。
(8)上記(1)~(7)のいずれかに記載の接着剤組成物によって接着されたポリオレフィン樹脂基材1と、前記基材1とは異なる基材2との積層体。
本発明の接着剤組成物は、酸変性ポリオレフィン、応力緩和剤および粘着付与剤を含み、ポリオレフィンのような難接着基材への接着性に優れる。また、ドライラミネートにより塗工可能なため、設備費を削減でき、膜厚も薄くすることができる。さらに、ポリオレフィン基材の熱収縮影響が小さい90℃以下のような低温で加熱接着した場合でも優れた接着性を発現する。
本発明の接着剤組成物は、ポリオレフィンのような難接着基材への接着性のみならず、高い耐チッピング性も示すため、自動車外装塗装代替フィルム用接着剤として有用である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<酸変性ポリオレフィン(A)>
本発明で用いる酸変性ポリオレフィン(A)は限定的ではないが、ポリオレフィンにα,β-不飽和カルボン酸及びその酸無水物の少なくとも1種をグラフトすることにより得られるものが好ましい。
ポリオレフィンとしては、プロピレンを構成成分として含有するプロピレン系樹脂が好ましく、ホモポリプロピレンが特に好ましく使用できるが、プロピレン・α-オレフィン共重合体も使用できる。プロピレン・α-オレフィン共重合体は、プロピレンを主体としてこれにα-オレフィンを共重合したものである。α-オレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、酢酸ビニルなどを1種又は数種用いることができる。これらのα-オレフィンの中では、エチレン、1-ブテンが好ましく、特に1-ブテンが好ましい。
酸変性ポリオレフィン(A)はオレフィン成分としてプロピレンを60モル%以上含有することが好ましい。より好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上である。まして好ましいのは90モル%以上である。プロピレン含有量が多いほど、ポリプロピレン基材との接着性が向上する。
酸変性ポリオレフィン(A)のプロピレンと1-ブテンのモル比の好ましい範囲としてはプロピレン/1-ブテン=99~60/1~40であり、より好ましくは98~65/2~35、さらに好ましくは90~70/10~30である。プロピレンのモル比が60%以上であることで、ポリオレフィン基材との優れた接着性を発現できる。
α,β-不飽和カルボン酸及びその酸無水物の少なくとも1種としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。酸変性ポリオレフィン(A)としては、具体的には、無水マレイン酸変性ホモポリプロピレン、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン共重合体、無水マレイン酸変性プロピレン・1-ブテン共重合体、無水マレイン酸変性プロピレン・エチレン・1-ブテン共重合体等が挙げられ、これら酸変性ポリオレフィンを1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも無水マレイン酸変性ホモポリプロピレンが好ましい。
酸変性ポリオレフィン(A)の酸価は、2~50mgKOH/gの範囲であることが好ましい。より好ましくは3~40mgKOH/g、さらに好ましくは5~30mgKOH/g、特に好ましくは10~20mgKOH/gの範囲である。酸価が2mgKOH/g以上では、分子量が高く、接着層の伸び性が良好に発揮される。一方、酸価が50mgK
OH/g以下では、分子量が低くなり、低温での溶液安定性が良好な傾向を示す。
酸変性ポリオレフィン(A)の結晶化度は、12~70%の範囲であることが好ましい。より好ましくは15~60の範囲であり、最も好ましくは18~50%の範囲である。結晶化度が12%以上であると、結晶由来の凝集力が強くなり、基材との接着性が優れる。一方、70%以下では、結晶由来の凝集力が程よく、接着性が良好である。
変性ポリオレフィン(A)の融解熱量は、25~80J/gの範囲であることが好ましい。より好ましくは28~75J/gの範囲であり、最も好ましくは30~70J/gの範囲である。25J/g以上であると、結晶由来の凝集力が強くなり、接着性が優れる。一方、80J/g以下では、結晶由来の凝集力が程よく、接着性が良好である。
酸変性ポリオレフィン(A)は塩素化されていてもよい。
酸変性ポリオレフィン(A)の融点(Tm)は、50℃以上130℃以下であることが好ましい。より好ましくは55℃以上であり、さらに好ましくは60℃以上である。また、より好ましくは125℃以下であり、さらに好ましくは120℃未満であり、それ以上に好ましいのは115℃以下、最も好ましくは110℃以下である。50℃以上では、結晶由来の凝集力が強くなり、接着性が良好である。一方、130℃以下では、溶液安定性、流動性が良好であり、接着する際の操作性に優れる。また、接着時の温度が低温でも可能となる。
酸変性ポリオレフィン(A)の重量平均分子量(Mw)は、10,000~200,000の範囲であることが好ましい。より好ましくは20,000~180,000の範囲であり、さらに好ましくは30,000~160,000の範囲であり、特に好ましくは35,000~140,000の範囲であり、最も好ましくは、40,000~120,000の範囲である。10,000以上であると、凝集力が強くなり接着性が良好である。一方、200,000以下であると、流動性が高く接着する際の操作性が良好、かつ低温での溶液安定性が良好である。
酸変性ポリオレフィン(A)の製造方法としては、特に限定されず、例えばラジカルグラフト反応(すなわち主鎖となるポリマーに対してラジカル種を生成し、そのラジカル種を重合開始点として不飽和カルボン酸および酸無水物をグラフト重合させる反応)、などが挙げられる。
ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、有機過酸化物を使用することが好ましい。有機過酸化物としては、特に限定されないが、ジ-tert-ブチルパーオキシフタレート、tert-ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル等のアゾニトリル類等が挙げられる。
これらの酸変性ポリオレフィン(A)は、単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
<応力緩和剤(B)>
本発明の接着剤組成物は応力緩和剤(B)を含有する。応力緩和剤(B)を含有させることにより、接着剤を成膜した後の内部応力を軽減させ、基材との接着性を向上させることができ、かつ耐チッピング性を向上させることができる。
本発明に用いる応力緩和剤(B)の含有量は、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して1質量部以上300質量部以下が好ましい。より好ましくは、5質量部以上200質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上100質量部以下、特に好ましくは15以上85質量部以下、それ以上に好ましくは20質量部以上70質量部以下、最も好ましくは25質量部以上60質量部以下である。また、1質量部以上であると、相溶性がほどよく、応力緩和効果が発生し、耐チッピング性が良好となる。一方、100質量部以下であると、相溶性がほどよく、接着性が良好になり、耐チッピング性が良好となる。
応力緩和剤(B)は、構成単位としてジエン系モノマーを含有するオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアミド系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種類の樹脂及びスチレン系樹脂である。エチレン-α-オレフィン-ジエンゴム等の構成単位としてジエン系モノマーを含有するオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルエラストマー等の塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂、ポリアミドエラストマー等のアミド系樹脂、スチレン系樹脂としてはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン樹脂等のスチレン系樹脂またはその水素添加物などが挙げられ、また、これらは変性されていても良い。構成単位としてジエン系モノマーを含有するオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアミド系樹脂からなる群から1種類以上を使用するのが良い。応力緩和剤(B)としてはスチレン系樹脂及びジエン系モノマーを含有するオレフィン系樹脂を含む2種以上を用いることが好ましく、水添スチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂を用いることが特に好ましい。スチレン系樹脂は、水素添加物である水添スチレン樹脂であることが好ましい。
オレフィン系樹脂(B1)は、構成単位としてジエン系モノマーを含むオレフィン樹脂であり、かつ非晶性樹脂であることが好ましい。例えば、プロピレン-ブテン、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、ブタジエン、エチレン-α-オレフィン-ジエンゴムなどが挙げられる。オレフィン系樹脂は、酸変性物であっても良い。
オレフィン系樹脂(B1)の重量平均分子量(Mw)は、20,000以上200,000以下が好ましい。より好ましくは25,000以上160,000以下であり、さらに好ましくは30,000以上140,000以下、特に好ましくは35,000以上120,000,0以下、それ以上に好ましくは37,000以上100,000以下、最も好ましくは40,000以上80,000以下である。1,000以上であると酸変性ポリオレフィン(A)との相溶性がほどよく、応力緩和効果が発現され、接着性が良好となる傾向がある。また、200,000以下では、酸変性ポリオレフィン(A)との相溶性が著しく向上する。
水添スチレン系樹脂(B2)はスチレンを骨格に含む樹脂であり、特に限定されないが、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン樹脂、スチレン-エチレン-プロピレンースチレン樹脂などが挙げられる。特に、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン樹脂が好ましい。
水添スチレン系樹脂(B2)のMFR値は、230℃で、2.16kgfの荷重を加えて押し出す条件(ISO1133)にて、0.1g/10min以上50g/10min以下であることが好ましい。より好ましくは、0.3g/10min以上45g/10min以下、さらに好ましくは0.5g/10min以上40g/10min以下、特に好ましくは、1g/10min以上35g/10min以下、それ以上に好ましくは、1.2g/10min以上30g/10min以下、最も好ましくは、2g/10min以上20g/10min以下である。0.1g/10min以上であると、酸変性ポリオレフィン(A)との相溶性がほどよく、応力緩和効果が発現しやすい傾向にある。また、50g/10min以下であると、酸変性ポリオレフィン(A)との相溶性が著しく向上する。
応力緩和剤(B)は、酸変性されているものが好ましく、酸価は0.01mgKOH/g以上50mgKOH/g以下が好ましい。より好ましくは0.05mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは0.1mgKOH/g以上40mgKOH/g以下、特に好ましくは0.5mgKOH/g以上35mgKOH/g以下、それ以上に好ましくは1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下、最も好ましくは1.5mgKOH/g以上25mgKOH/g以下である。0.01mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であると、酸変性ポリオレフィン(A)との相溶性が程よく、接着性が良好である。
応力緩和剤(B)100質量部中、(B1)は1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上48質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上46質量%以下である。1質量%以上50質量%以下であることで接着性が良好となる。
応力緩和剤(B)100質量部中、(B2)は50質量%以上99質量%以下が好ましく、より好ましくは52質量%以上95質量%以下、さらに好ましくは55質量%以上90質量%以下である。50質量%以上99質量部以下であることで、接着性および耐チッピング性が両立できる。
応力緩和剤(B)として(B1)及び(B2)を用いる場合、(B1)と(B2)は質量比として1/99~50/50であることが好ましい。より好ましくは5/95~49/51、さらに好ましくは10/90~48/52、特に好ましくは15/85~47/53、それ以上に好ましくは20/80~46/54、最も好ましくは25/75~45/55である。1/99~50/50の範囲内であることで、接着性、耐チッピング性ともに良好である。
応力緩和剤(B)として(B1)及び(B2)を用いる場合、応力緩和剤(B)100質量部に対して(B1)と(B2)の合計は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が最も好ましい。50質量%以上であることで接着性および耐チッピング性が良好である。
<粘着付与剤(C)>
本発明の接着剤組成物は粘着付与剤(C)を含有する。粘着付与剤を含有させることにより、接着剤を成膜した後、表面の粘着性が維持でき、基材との接着性を向上させることができる。
本発明に用いる粘着付与剤(C)の含有量は、酸変性ポリオレフィン(A)100重量部に対して1質量部以上500質量部以下が好ましい。より好ましくは、5量部以上300質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上100質量部以下、特に好ましくは15質量部以上90質量部以下、それ以上に好ましくは20質量部以上85質量部以下、最も好ましくは30質量部以上65質量部以下である。また、1質量部以上であると、溶液粘度がほどよく、溶液安定性が良好となる。一方、500質量部以下であると、表面の粘着性がほどよく、接着性が良好に発揮され、それに伴い耐チッピング性も良好である。
本発明に用いる粘着付与剤(C)の軟化点としては、60℃以上であることが好ましい。より好ましくは62℃以上であり、さらに好ましくは65℃以上、特に好ましくは70℃以上、それ以上に好ましくは75℃以上、最も好ましくは80℃以上である。また、好ましくは150℃以下であり、さらに好ましくは138℃以下、特に好ましくは135℃以下、それ以上に好ましくは130℃以下であり,最も好ましくは128℃以下である。軟化点が60℃以上であると常温での粘着付与剤が表面にブリードアウトしにくく滑らかな表面となり、接着性が良好である。また、140℃以下であると常温でのタック性が生じ、接着性が良好である。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の粘着付与剤(C)は軟化点の異なる粘着付与剤を適切な配合割合とすることで、良好な接着性を保持しつつ相溶性や貯蔵安定性を向上させることができる。例えば本願では軟化点110℃以上150℃以下の粘着付与剤(C1)と、軟化点75℃以上110℃未満の粘着付与剤(C2)を組み合わせることができる。粘着付与剤(C1)については、特に好ましくは、115℃以上140℃以下、最も好ましくは、120℃以上130℃以下が好ましい。また、粘着付与剤(C2)は特に好ましくは、75℃以上100℃以下、最も好ましくは、80℃以上95℃以下が好ましい。上記の2種類を組み合わせることで、ブリードアウトを防ぎつつ、接着性を良好にすることができる。また、(C1)と(C2)の質量比は(C1)/(C2)=90/10~50/50が好ましく、8515~60/40がより好ましく、78/22~65/35がさらに好ましい。前記範囲内であることで、良好な相溶性および貯蔵安定性であることで、良好な接着性を発揮できる。
本発明に用いる粘着付与剤(C)のとしては、種々のものがあるが、例えば、石油樹脂(脂肪族系、脂環族系、芳香族系等)、テルペン樹脂(α-ピネン、β-ピネン、リモネンなどの重合体)、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン系樹脂(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジンエステル等)、テルペンフェノール樹脂などが挙げられ、特にロジン系樹脂が好ましい。これらは単独あるいは2種以上をあわせて用いても良い。
本発明に用いる粘着付与剤(C)としては、水酸基を有するものでも良い。
<溶剤(D)>
本発明の接着剤組成物は、溶剤(D)を含むことができる。溶剤(D)は、酸変性ポリオレフィン(A)、応力緩和剤(B)および粘着付与剤(C)を溶解または分散できるものであれば特に限定されないが、脂環式炭化水素溶剤(D1)、エステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)が好ましい。
例えば、脂環式炭化水素溶剤(D1)としてはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。エステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらの中ではシクロヘキサン、酢酸ブチルが好ましい。これらを単独で使用しても良いし、2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
本発明で使用される溶剤(D)は、脂環式炭化水素溶剤(D1)とエステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)を含む混合溶剤を用いることができる。脂環式炭化水素溶剤とエステル系溶剤またはケトン系溶剤の混合溶剤とすることで、接着剤組成物の溶解性を向上させることができる。
前記混合溶剤を用いる場合、脂環式炭化水素溶剤(D1)とエステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)の質量比は(D1)/(D2)=99/1~50/50であることが好ましい。より好ましくは95/5~60/40であり、特に好ましくは90/10~70/30の範囲である。前記の範囲より脂環式炭化水素(D1)が多いと、粘度が高く塗工ムラが発生し、接着性が低下する場合がある。前記の範囲の脂環式炭化水素(D1)を含んでいれば、樹脂の溶解性が良好である。
溶剤(D)は、酸変性ポリオレフィン(A)100質量部に対して、10~2000質量部の範囲で含むことができる。好ましくは25質量部以上1500質量部以下であり、より好ましくは50質量部以上1000質量部以下、さらに好ましくは100質量部以上900質量部以下、それ以上に好ましくは100質量部以上800質量部以下である。前記範囲内であると製造コスト、輸送コストの面から有利である。
<硬化剤(E)>
本発明で用いられる硬化剤(E)は特に限定されないが、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン基やカルボジイミド基を含有する化合物やシランカップリング剤等を適宜用いることができ、樹脂基材への良好な接着性という点でイソシアネート化合物であることが好ましい。
本発明に用いるイソシアネート化合物は特に限定されず、ジイソシアネート、トリイソシアネートおよびこれらから誘導された化合物を好ましく用いることができる。
例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアネートシクロヘキシル)メタン、または水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。さらに前記ジイソシアネートから誘導された化合物、即ち、前記ジイソシアネートのイソシアヌレート体、アダクト体、ビウレット型、ウレトジオン体、アロファネート体、イソシアネート残基を有するプレポリマー(ジイソシアネートとポリオールから得られる低重合体)、トリグリシジルイソシアヌレート、またはこれらの複合体等が挙げられる。これらを単独で使用しても良いし、2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
本発明で使用されるイソシアネート化合物として、中でも樹脂基材への接着性が優れるという理由から、前記ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体を有するものが好ましい。
本発明に用いるエポキシ化合物は特に限定されず、エポキシ樹脂およびこれらから誘導された化合物を好ましく用いることができ、より好ましくは2官能のエポキシである。具体例として、グリシジルアミン型エポキシ樹脂や、ビスフェノールA、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステルタイプ、あるいは3,4-エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の脂環族あるいは脂肪族エポキサイド等が挙げられ、1種単独で用いても2種以上を併用しても構わない。
本発明で用いる硬化剤(E)の配合量は、酸変性ポリオレフィン(A)、応力緩和剤(B)および粘着付与剤(C)など接着剤の固形分の合計量100質量部に対して、10質量部以下が好ましい。特に8質量部以下の範囲が好ましく、より好ましくは6質量部以下であり、さらに好ましくは4質量部以下であり、特に好ましくは3質量部以下の範囲である。また、0.01質量部以上が好ましい。特に0.05質量部以上の範囲が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上が好ましく、特に好ましくは0.5質量部以上である。硬化剤を加えると十分な架橋構造が得られ、より耐熱性が良好となる。10質量部以下であると、ポットライフが延び、塗工安定性が向上する。また、硬化収縮が少なくなり、基材への接着性が向上する。
本発明にかかる接着剤組成物は、本発明の性能を損なわない範囲で、酸変性ポリオレフィン(A)、応力緩和剤(B)、粘着付与剤(C)の他に、各種の可塑剤、硬化促進剤、難燃剤、顔料、ブロッキング防止剤等の添加剤を配合して使用することができる。
<接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物は溶剤(D)を含有する場合、接着剤組成物中における酸変性ポリオレフィン(A)、応力緩和剤(B)および粘着付与剤(C)の合計量/溶剤(D)量は、5/95~100/0が好ましい。より好ましくは7/93~40/60、さらに好ましくは10/90~35/65、特に好ましくは12/88~30/70である。前記範囲内では、貯蔵安定性が良好であり、また、塗工性が良好な傾向にある。
<積層体>
本発明の積層体は、ポリオレフィン樹脂基材1と、ポリオレフィン基材1もしくは異種基材2を本発明にかかる接着剤組成物で積層したものである。前記異種基材2とは、ポリオレフィン基材1とは異なる基材のことである。例えば、ポリオレフィン基材1がポリプロピレンであれば、異種基材2はポリプロピレン以外のABS樹脂、ポリカーボネート、亜鉛メッキ鋼鈑などである。
上述した本発明の積層体は、例えば、バンパー、インストルメントパネル、トリム、ガーニッシュなどの自動車部品や新幹線の内装材等の乗り物用部品、テレビ、洗濯機槽、冷蔵庫部品、エアコン部品、掃除機部品などの家電機器部品、携帯電話端末やノートパソコンなどのモバイル機器や通信機器、各種機器のタッチパネル、日用品に有用である。
積層する方法としては、従来公知のラミネート製造技術を利用することができる。例えば、特に限定されないが、基材の表面に接着剤組成物をアプリケータやバーコータ等の適当な塗布手段を用いて塗布し、乾燥させる。乾燥後、基材表面に形成された接着剤組成物の層(接着剤層)が溶融状態にある間に、その塗布面にもう片方の基材を積層接着(ラミネート接着、ヒートシール接着)して積層体を得ることができる。ラミネート接着やヒートシール接着いずれの積層体作製方法であっても、十分な接着性を確保できる。
前記接着剤組成物により形成される接着剤層の厚みは、特に限定されないが、0.5~60μmにすることが好ましく、1~50μmにすることがより好ましく、2~40μmにすることがさらに好ましい。
<ポリオレフィン樹脂基材(フィルム)>
ポリオレフィン樹脂基材としては、従来から公知のポリオレフィン樹脂の中から適宜選択すればよい。例えば、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などを用いることができる。中でも、ポリプロピレンの無延伸フィルム(以下、CPPともいう。)の使用が好ましい。その厚さは、特に限定されないが、20~100μmであることが好ましく、25~95μmであることがより好ましく、30~90μmであることがさらに好ましい。なお、ポリオレフィン樹脂基材には必要に応じて顔料や種々の添加物を配合してもよいし、表面処理を施してもよい。
<ポリオレフィン樹脂基材(成型体)>
ポリオレフィン樹脂基材としては、従来から公知のポリオレフィン樹脂の中から適宜選択すればよい。例えば、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などを用いることができる。中でも、ポリプロピレン樹脂基材の使用が好ましい。その厚さは、特に限定されないが、0.1~100mmであることが好ましく、0.5~90mmであることがより好ましく、1~80mmであることがさらに好ましい。なお、ポリオレフィン樹脂基材には必要に応じて顔料や種々の添加物を配合してもよいし、表面処理を施してもよい。
<その他異種基材(成型体)>
異種基材としては、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、亜鉛メッキ鋼鈑、ED鋼鈑、Al等を用いることができる。その厚さも特に限定されないが、0.1~100mmであることが好ましく、0.5~90mmであることがより好ましく、1~80mmであることがさらに好ましい。表面処理を施してもよいし、未処理のままでもよい。いずれも場合であっても同等の効果を発揮することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
<酸変性ポリオレフィン(A)の製造例>
製造例1
1Lオートクレーブに、ポリプロピレン(Tm:80℃、重量平均分子量135,000)100質量部、トルエン150質量部及び無水マレイン酸8.5質量部、ジ-tert-ブチルパーオキサイド4質量部を加え、140℃まで昇温した後、更に1時間撹拌した。反応終了後、反応液を大量のメチルエチルケトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにメチルエチルケトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した。得られた樹脂を減圧乾燥することにより、酸変性ポリオレフィンである無水マレイン酸変性ポリプロピレン(A-1、酸価12mgKOH/g-resin、重量平均分子量60,000、Tm80℃、融解熱31J/g)を得た。
製造例2
製造例1で用いたポリプロピレンを別のポリプロピレン(Tm:80℃、重量平均分子量45,000)に変更した以外は製造例1と同様にすることにより、酸変性ポリオレフィンである無水マレイン酸変性ポリプロピレン(A-2、酸価12mgKOH/g-resin、重量平均分子量45,000、Tm80℃、融解熱34J/g)を得た。
製造例3
製造例1で用いたポリプロピレンをプロピレン-ブテン共重合体(Tm:83℃、プロピレン80モル%、ブテン20モル%)に変更した以外は製造例1と同様にすることにより、酸変性ポリオレフィンである無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体(A-3、酸価12mgKOH/g-resin、重量平均分子量90,000、Tm80℃、融解熱48J/g)を得た。
製造例4
製造例1で用いたポリプロピレンをプロピレン-ブテン共重合体(Tm:98℃、プロピレン85モル%、ブテン15モル%)に変更し、かつ無水マレイン酸を20質量部に変更した以外は製造例1と同様にすることにより、酸変性ポリオレフィンである無水マレイン酸変性プロピレン-ブテン共重合体(A-4、酸価25mgKOH/g-resin、重量平均分子量60,000、Tm95℃、融解熱61J/g)を得た。
実施例1
水冷還流凝縮器と撹拌機を備えた500mlの四つ口フラスコに、製造例1で得られた無水マレイン酸変性ポリプロピレン(A-1)を100質量部、応力緩和剤(B1-1)を20質量部、応力緩和剤(B2-1)を25質量部、粘着付与剤(C-1)を35質量部、(C-2)を15質量部、硬化剤(E-1)、シクロヘキサン(D1)を432質量部および酢酸ブチル(D2)を48質量部仕込み、撹拌しながら70℃まで昇温し、撹拌を1時間続けた後、冷却することで接着剤組成物1を得た。この接着剤組成物1を用いて、下記の方法で積層体を作成した。
ポリオレフィン樹脂基材とポリオレフィン樹脂基材、もしくはその他異種基材との積層体の作製(ヒートシール接着)
ポリオレフィン樹脂基材には無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムCT、厚さ80μm)(以下、CPPともいう。)を使用した。得られた接着剤組成物をポリオレフィン樹脂基材にアプリケータを用いて乾燥後の接着剤層の膜厚が20μm程度になるように調整して塗布した。温風乾燥機を用いて塗布面を100℃雰囲気で3分間乾燥させ、膜厚20μm程度の接着剤層が積層されたポリオレフィン樹脂基材を得た。前記接着剤層表面にポリプロピレン(PP)試験板(日本テストパネル社製、厚さ2mm)、ABS試験板(日本テストパネル社製、厚さ2mm)、ポリカーボネート(PC)試験板(日本テストパネル社製、厚さ2mm)、または亜鉛メッキ鋼鈑(アサヒビーテクノ社製、厚さ0.8mm)を重ね合わせ、テスター産業社製のヒートシールテスター(TP-701-B)を用いて、ヒートシール温度90℃(試験板側は55℃)で、0.3MPa、15秒間貼り合わせ、室温で、1日間養生することで積層体を得た。得られた積層体に対して、接着性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2~19、比較例1~6)
酸変性ポリオレフィン(A)、応力緩和剤(B)、粘着付与剤(C)および硬化剤(E)を表1に示すとおりに変更し、実施例1と同様な方法で接着剤組成物2~25を作製した。得られた接着剤組成物2~25を用いて実施例1と同様な方法で積層体を作製し、接着性評価を実施した。評価結果を表1に示す。
表1で用いた応力緩和剤(B)は以下のものである。B1-1及びB1-2はジエン系モノマーを構成単位として含有するオレフィン系樹脂であり、B2-1、B-2-2、及びB2-3は水添スチレン系樹脂、B3は水添していないスチレン系樹脂である。
B1-1:LION ELASTOMERS社製 Trilene(登録商標)65(Mw:47,000)
B1-2:LION ELASTOMERS社製 Trilene(登録商標)77(Mw:27,000)
B2-1:旭化成社製 タフテック (登録商標)M1911 (MFR:4.5g/10min、酸価:2.1mgKOH/g)
B2-2:旭化成社製 タフテック (登録商標)M1913 (MFR:4g/10min、酸価:10.4mgKOH/g)
B2-3:旭化成社製 タフテック (登録商標)M1943 (MFR:8g/10min、酸価:10.4mgKOH/g)
B3-1:旭化成社製 タフプレン (登録商標)A (MFR:1.3g/10min)
表1で用いた粘着付与剤(C)は以下のものである。
C-1: ハリマ化成社製 ハリタック(登録商標)FK125(ロジンエステル系粘着付与剤、軟化温度125℃)
C-2: ハリマ化成社製 ハリタック(登録商標)F85(ロジンエステル系粘着付与剤、軟化温度85℃)
C-3: 荒川化学社製 パインクリスタル(登録商標)KE-311(ロジン系粘着付与剤、軟化温度95℃)
C-4: 荒川化学社製 パインクリスタル(登録商標)KE-359(ロジン系粘着付与剤、軟化温度100℃、水酸基価:37~48mgKOH/g-resin)
C-5: ヤスハラケミカル社製 YSポリスター(登録商標)T80(テルペンフェノール系粘着付与剤、軟化温度80℃)
表1で用いた硬化剤(E)は以下のものである。
E-1:東ソー社製(登録商標)コロネートHX
上記のようにして得られた各酸変性ポリオレフィン、応力緩和剤、粘着付与剤、接着剤組成物および積層体に対して下記方法に基づいて分析測定および評価を行った。
<酸価の測定>
本発明における酸価(mgKOH/g)は、1gの酸変性ポリオレフィン(A)、水添系スチレン系樹脂(B2)を中和するのに必要とするKOH量のことであり、JIS K0070(1992)の試験方法に準じて、測定した。具体的には、100℃に温度調整したキシレン100gに、酸変性ポリオレフィン1gを溶解させた後、同温度でフェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液[商品名「0.1mol/Lエタノール性水酸化カリウム溶液」、和光純薬(株)製]で滴定を行った。この際、滴定に要した水酸化カリウム量をmgに換算して酸価(mgKOH/g)を算出した。
<重合平均分子量(Mw)の測定>
本発明における数平均分子量は、日本ウォーターズ社製ゲルパーミエーションクロマトグラフAlliance e2695(以下、GPC、標準物質:ポリスチレン樹脂、移動相:テトラヒドロフラン、カラム:Shodex KF-806 + KF-803、カラム温度:40℃、流速:1.0ml/分、検出器:フォトダイオードアレイ検出器(波長254nm = 紫外線))によって測定した。
<結晶化度の測定>
テフロン(登録商標)シートの表面に接着剤組成物をアプリケータを用いて塗布し、乾燥させた後、剥離させ、フィルム状の接着組成物を得た。その後、以下の条件でXRD測定を行った。測定機器:理学電機製X線回折装置RINT2500
ターゲット:Cu
管電圧:40kV
管電流:200mA
コリメータ:1mmφ
スリット:縦2°、横1/2°
受光部:Niフィルター、シンチレーションカウンター
走査範囲:2θ/θ
得られたXRD回折ピークから結晶化度を算出した。
<融点、融解熱量の測定>
本発明における融点、融解熱量は示差走査熱量計(以下、DSC、ティー・エー・インスツルメント・ジャパン製、Q-2000)を用いて、-50℃で5分間保持後、10℃/分の速度で昇温融解し、230℃で融解したら230℃で2分間保持し、10℃/分の速度で-50℃まで冷却樹脂化して、冷却樹脂化すると再度10℃/分の速度で昇温融解した際の融解ピークのトップ温度および面積から測定した。
<MFRの測定方法>
本発明におけるMFR値は、ISO1133の試験法に準拠して測定した。具体的には、宝工業社製、MELT INDEXER X416を用いて、230℃で、2.16kgfの荷重を加えて押し出した場合の測定値である。
<接着性の評価>
積層体を15mmの短冊状に切断し、180°剥離試験により接着性を以下の基準により評価した。180°剥離試験はASTM-D1876-61の試験法に準拠し、オリエンテックコーポレーション社製のテンシロンRTM-100を用いて、25℃環境下で、引張速度50mm/分における剥離強度を測定した。異種基材/ポリオレフィン樹脂基材間の剥離強度(N/15mm)は2回の試験値の平均値とした。
<耐チッピング性試験>
飛石試験機(商品名「JA400」スガ試験機社製)を用いて実施した。試片保持台に試験塗板を設置し、常温で、試験板から30cm離れたところから480~520kPaの圧縮空気により、粒度6号の花崗岩砕石100gを90度の角度で試験板に衝突させた。その後、得られた試験板を水で流し、乾燥させ、塗面に粘着テープを貼り付けた。その後、上記粘着テープを剥離し、PP、ABS、PC基材、亜鉛メッキ鋼鈑が露出している剥離面積から以下の基準で評価した。
〇:元の面積に対する剥離面積の割合が6%未満
△:元の面積に対する剥離面積の割合が6%以上10%未満
×:元の面積に対する剥離面積の割合が10%以上
<塗膜の破断伸度の測定>
本発明における塗膜の伸び性は、厚さ50μmのキャストフィルムを作製し、オリエンテックコーポレーション社製のテンシロンRTM-100を用いて、25℃環境下で、引張速度50mm/分の条件で測定した。塗膜は、60×15mmにカットし、以下の式から伸度を計算した。
{(塗膜破断時の長さ-はじめの塗膜の長さ)/はじめの塗膜の長さ}×100(%)
本発明の接着剤組成物は、酸変性ポリオレフィン、応力緩和剤および粘着付与剤を含み、ポリオレフィンのような非極性基材のみでなく、極性基材や金属などのその他異種基材の接着性、および耐チッピング性に優れる。また、ドライラミネートにより塗工可能なため、設備費を削減でき、膜厚も薄くすることができる。さらに、ポリオレフィン基材の熱収縮影響が小さい90℃以下のような低温での加熱接着でも優れた接着性を発現し、伸び性も良好である。そのため、本発明の接着剤組成物は、様々な種類の基材同士を貼り合わせる塗装代替フィルム用をはじめとする様々な用途の接着剤として幅広く利用し得るものである。

Claims (7)

  1. 酸変性ポリオレフィン(A)、応力緩和剤(B)および粘着付与剤(C)を含有し、前記応力緩和剤(B)は、構成単位としてジエン系モノマーを含有するオレフィン系樹脂及びスチレン系樹脂である接着剤組成物。
  2. さらに溶剤(D)を含む請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記溶剤(D)が、脂環式炭化水素溶剤(D1)およびエステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)を含む、請求項2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記脂環式炭化水素溶剤(D1)と前記エステル系溶剤またはケトン系溶剤(D2)との質量比が、(D1)/(D2)=95/5~50/50である、請求項3に記載の接着剤組成物。
  5. 硬化剤(E)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  6. ポリオレフィン樹脂基材1および前記基材1とは異なる基材2との接着に用いられる請求項1~5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の接着剤組成物によって接着されたポリオレフィン樹脂基材1と、前記基材1とは異なる基材2との積層体。
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