JP7552271B2 - 光学フィルタ - Google Patents
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Description
特許文献2には、種々の近赤外線吸収色素を組み合わせることにより、誘電体多層膜を備えることなく入射角依存性を低減した光学フィルタが記載されている。
特許文献2に記載の光学フィルタは、近赤外光領域の遮蔽性や入射角依存性を担保するために多量に用いられる色素によって可視光も吸収されてしまい、可視光領域の透過率が低い。
〔1〕基材と、前記基材の少なくとも一方の主面側に最外層として積層された誘電体多層膜とを備える光学フィルタであって、
前記基材は、色素(IR)と樹脂とを含む樹脂膜を有し、
前記色素(IR)は、ジクロロメタン中で680~1000nmに最大吸収波長を有し、
前記光学フィルタが下記光学特性(i-1)~(i-10)をすべて満たす光学フィルタ。
(i-1)波長450~500nmにおいて、入射角5度での平均反射率R450-500(5deg)AVEが3%以下、かつ、入射角40度での平均反射率R450-500(40deg)AVEが5%以下
(i-2)波長500~580nmにおいて、入射角5度での平均反射率R500-580(5deg)AVEが2.5%以下、かつ、入射角40度での平均反射率R500-580(40deg)AVEが4%以下
(i-3)前記R450-500(5deg)AVE>前記R500-580(5deg)AVEかつ、前記R450-500(40deg)AVE>前記R500-580(40deg)AVEの関係を満たす
(i-4)波長450~580nmにおいて、入射角5度での最大反射率R450-580(5deg)MAXが4%以下、かつ、入射角40度での最大反射率R450-580(40deg)MAXが6%以下
(i-5)波長450~500nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が6%以下
(i-6)波長500~580nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が5%以下
(i-7)波長450~580nmにおいて、入射角0度での平均透過率T450-580(0deg)AVEが88%以上
(i-8)波長600~800nmにおいて、入射角0度で透過率が20%になる波長と、入射角40度で透過率が20%になる波長との差の絶対値が10nm以下
(i-9)波長600~800nmにおいて、入射角0度で透過率が20%になる波長が640~690nmの範囲にある
(i-10)波長750~1000nmにおいて、入射角0度での最大透過率T750-1000(0deg)MAXが1%以下、かつ、入射角40度での最大透過率T750-1000(40deg)MAXが1%以下
本明細書において、近赤外線吸収色素を「NIR色素」、紫外線吸収色素を「UV色素」と略記することもある。
本明細書において、式(I)で示される化合物を化合物(I)という。他の式で表される化合物も同様である。化合物(I)からなる色素を色素(I)ともいい、他の色素についても同様である。また、式(I)で表される基を基(I)とも記し、他の式で表される基も同様である。
本明細書において、基材の透過率、色素が樹脂に含有される場合を含む樹脂膜の透過率、色素をジクロロメタン等の溶媒に溶解して測定される透過率の分光は、「透過率」と記載されている場合も全て「内部透過率」である。一方、誘電体多層膜を有する光学フィルタの透過率は、実測透過率である。
光学特性は、紫外可視分光光度計を用いて測定できる。
本明細書において、数値範囲を表す「~」では、上下限を含む。
本発明の一実施形態の光学フィルタ(以下、「本フィルタ」ともいう)は、基材と、基材の少なくとも一方の主面側に最外層として積層された誘電体多層膜とを備え、後述する特定の光学特性を満たす光学フィルタである。
ここで、基材は、ジクロロメタン中で680~1000nmに最大吸収波長を有する色素(IR)と、樹脂とを含む樹脂膜を有する。色素(IR)はNIR色素である。基材が近赤外線を吸収する色素を含有することで、誘電体多層膜の高入射角における光学特性の低下、例えば、近赤外域における光抜けやノイズ等の発生を、基材の吸収特性によりカバーできる。各色素および樹脂については後述する。
図1に示す光学フィルタ1Aは、基材10の一方の主面側に誘電体多層膜30を有する例である。なお、「基材の主面側に特定の層を有する」とは、基材の主面に接触して該層が備わる場合に限らず、基材と該層との間に、別の機能層が備わる場合も含む。
(i-1)波長450~500nmにおいて、入射角5度での平均反射率R450-500(5deg)AVEが3%以下、かつ、入射角40度での平均反射率R450-500(40deg)AVEが5%以下
(i-2)波長500~580nmにおいて、入射角5度での平均反射率R500-580(5deg)AVEが2.5%以下、かつ、入射角40度での平均反射率R500-580(40deg)AVEが4%以下
(i-3)前記R450-500(5deg)AVE>前記R500-580(5deg)AVEかつ、前記R450-500(40deg)AVE>前記R500-580(40deg)AVEの関係を満たす
(i-4)波長450~580nmにおいて、入射角5度での最大反射率R450-580(5deg)MAXが4%以下、かつ、入射角40度での最大反射率R450-580(40deg)MAXが6%以下
(i-5)波長450~500nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が6%以下
(i-6)波長500~580nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が5%以下
(i-7)波長450~580nmにおいて、入射角0度での平均透過率T450-580(0deg)AVEが88%以上
(i-8)波長600~800nmにおいて、入射角0度で透過率が20%になる波長と、入射角40度で透過率が20%になる波長との差の絶対値が10nm以下
(i-9)波長600~800nmにおいて、入射角0度で透過率が20%になる波長が640~690nmの範囲にある
(i-10)波長750~1000nmにおいて、入射角0度での最大透過率T750-1000(0deg)MAXが1%以下、かつ、入射角40度での最大透過率T750-1000(40deg)MAXが1%以下
光学特性(i-1)においてR450-500(5deg)AVEは好ましくは2.5%以下、R450-500(40deg)AVEは好ましくは4.5%以下である。
光学特性(i-2)においてR500-580(5deg)AVEは好ましくは2%以下、R500-580(40deg)AVEは好ましくは3.5%以下である。
光学特性(i-4)においてはR450-580(5deg)MAX好ましくは3.5%以下、R450-580(40deg)MAXは好ましくは5.5%以下である。
光学特性(i-6)は、好ましくは4.5%以下、より好ましくは4%以下である。
光学特性(i-8)は、好ましくは8nm以下、より好ましくは6nm以下である。
本フィルタにおいて、誘電体多層膜は、基材の少なくとも一方の主面側に最外層として積層される。
(iv-1)波長450~580nmにおいて、入射角0度での平均透過率T450-580(0deg)AVEが90%以上、かつ、入射角40度での平均透過率T450-580(40deg)AVEが90%以上
(iv-2)波長450~500nmにおいて、入射角0度での平均透過率と入射角40度での平均透過率との差の絶対値が3%以下
(iv-3)波長500~580nmにおいて、入射角0度での平均透過率と入射角40度での平均透過率との差の絶対値が2%以下
(iv-4)波長450~500nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が6%以下
(iv-5)波長500~580nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が5%以下
(iv-6)波長600~800nmにおいて、入射角0度での透過率が20%になる波長が720~770nmの範囲にある
(iv-7)波長780~850nmにおいて、入射角0度での最大透過率T780-850(0deg)MAXが4%以上10%未満
(iv-8)波長900~980nmにおいて、入射角40度での最大透過率T900-980(40deg)MAXが1%以上5%未満
T450-580(0deg)AVEは、好ましくは91%以上、より好ましくは92%以上である。
T450-580(40deg)AVEは、好ましくは90.5%以上、より好ましくは91%以上である。
光学特性(iv-2)は、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。
光学特性(iv-3)は、好ましくは1.6%以下、より好ましくは1.2%以下である。
光学特性(iv-4)は、好ましくは5.5%以下、より好ましくは5%以下である。
光学特性(iv-5)は、好ましくは4.5%以下、より好ましくは4%以下である。
T780-850(0deg)MAXは好ましくは4~9%、より好ましくは4~8%である。
T900-980(40deg)MAXは好ましくは1~4.5%、より好ましくは1~4%である。
一方、上記光学特性(iv-7)~(iv-8)に示すように、入射角0度および40度、780nm以降の近赤外光波長領域において光抜けが発生してもよい。かかる波長領域は、後述する樹脂膜のNIR色素の吸収によってカバーされるため、光抜けが生じても光学フィルタ全体としては遮光される。
また、反射層の膜厚は、光学フィルタの反り低減の観点から全体として2~10μmが好ましい。
本発明の光学フィルタにおいて、基材は、後述のNIR色素(IR)および樹脂を含む樹脂膜を有する。
樹脂膜は下記光学特性(ii-1)~(ii-6)をすべて満たすことが好ましい。
(ii-1)波長450~580nmにおける平均内部透過率T450-580AVEが88%以上
(ii-2)波長600~700nmにおいて、内部透過率が20%になる波長が640~690nmの範囲にある
(ii-3)波長700nmにおける内部透過率T700が1%以下
(ii-4)波長750nmにおける内部透過率T750が10%以下
(ii-5)波長800nmにおける内部透過率T800が20%以下
(ii-6)波長950nmにおける内部透過率T950が60%以上95%以下
T450-580AVEは、好ましくは89%以上、より好ましくは90%以上である。
光学特性(ii-2)は、好ましくは645~685nm、より好ましくは650~680nmの範囲にある。
T700は好ましくは0.9%以下である。
T750は好ましくは9.5%以下、より好ましくは9%以下である。
T800は好ましくは18%以下、より好ましくは16%以下である。
T950は好ましくは60%以上92.5%以下、より好ましくは60%以上90%以下である。
NIR色素(IR)は、ジクロロメタン中で680~1000nmに最大吸収波長を有するNIR色素である。かかる色素を含有することで、近赤外光を効果的にカットできる。
(iii-1)前記樹脂中における最大吸収波長をD[nm]、450~580nmにおける平均内部透過率をEとしたとき、E>100-(D/100)である
特性(iii-1)は、より好ましくはE>101.5-(D/100)である。
化合物(A):ジクロロメタン中で波長690nm以上735nm未満に最大吸収波長を有する化合物
化合物(B):ジクロロメタン中で波長735nm以上835nm未満に最大吸収波長を有する化合物
化合物(C):ジクロロメタン中で波長900nm以上1000nm以下に最大吸収波長を有する化合物
スクアリリウム化合物は、下記式(I)で示される化合物、後述の式(II)で示される化合物、または後述の式(V)で示される化合物であることが好ましい。
なお、スクアリリウム化合物中に同一の記号が2以上存在する場合、それらの記号は同一でも異なっていてもよい。シアニン化合物についても同様である。
R24およびR26は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、炭素数6~11のアリール基、置換基を有していてもよく炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数7~18のアルアリール基、-NR27R28(R27およびR28は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-C(=O)-R29(R29は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有していてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)、-NHR30、または、-SO2-R30(R30は、それぞれ1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1~25の炭化水素基)を示す。)、または、下記式(S)で示される基(R41、R42は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。kは2または3である。)を示す。
複素環Aが形成される場合のR21とR22は、これらが結合した2価の基-Q-として、水素原子が炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~10のアリール基または置換基を有していてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基で置換されてもよいアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を示す。
複素環Bが形成される場合のR22とR25、および複素環Cが形成される場合のR21とR23は、これらが結合したそれぞれ2価の基-X1-Y1-および-X2-Y2-(窒素に結合する側がX1およびX2)として、X1およびX2がそれぞれ下記式(1x)または(2x)で示される基であり、Y1およびY2がそれぞれ下記式(1y)~(5y)から選ばれるいずれかで示される基である。X1およびX2が、それぞれ下記式(2x)で示される基の場合、Y1およびY2はそれぞれ単結合であってもよく、その場合、炭素原子間に酸素原子を有してもよい。
R27、R28、R29、R31~R37、複素環を形成していない場合のR21~R23、およびR25は、これらのうちの他のいずれかと互いに結合して5員環または6員環を形成してもよい。R31とR36、R31とR37は直接結合してもよい。
複素環を形成していない場合の、R21、R22、R23およびR25は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、炭素数6~11のアリール基、または、置換基を有していてもよく炭素原子間に酸素原子を有していてもよい炭素数7~18のアルアリール基を示す。
-C(CH3)2-CH2- …(11-2)
-C(CH3)2-CH(C2H5)- …(11-3)
-C(CH3)2-C(CH3)(nC3H7)- …(11-4)
-C(CH3)2-CH2-CH2- …(12-1)
-C(CH3)2-CH2-CH(CH3)- …(12-2)
-C(CH3)2-CH(CH3)-CH2- …(12-3)
環Zは、それぞれ独立して、ヘテロ原子を環中に0~3個有する5員環または6員環であり、環Zが有する水素原子は置換されていてもよい。
R1とR2、R2とR3、およびR1と環Zを構成する炭素原子またはヘテロ原子は、互いに連結して窒素原子とともにそれぞれヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1を形成していてもよく、その場合、ヘテロ環A1、ヘテロ環B1およびヘテロ環C1が有する水素原子は置換されていてもよい。ヘテロ環を形成していない場合のR1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素原子間に不飽和結合、ヘテロ原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよく、置換基を有してもよい炭化水素基を示す。R4およびヘテロ環を形成していない場合のR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよく、置換基を有してもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
R7およびR8は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~5のアルキル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、メチル基がより好ましい。
-CR9R10-CR11R12-として、下記基(13-1)~(13-5)で示される2価の有機基が挙げられる。
-CH(CH3)-C(CH3)2- …(13-1)
-C(CH3)2-CH(CH3)- …(13-2)
-C(CH3)2-CH2- …(13-3)
-C(CH3)2-CH(C2H5)- …(13-4)
-CH(CH3)-C(CH3)(CH2-CH(CH3)2)-…(13-5)
シアニン化合物は、下記式(III)、または式(IV)で示される化合物であることが好ましい。
R101~R109およびR121~R131は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基、または、炭素数5~20のアリール基を示す。R110~R114およびR132~R136は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~15のアルキル基を示す。
X-は一価のアニオンを示す。
n1およびn2は0または1である。-(CH2)n1-を含む炭素環、および、-(CH2)n2-を含む炭素環に結合する水素原子はハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~15のアルキル基または炭素数5~20のアリール基で置換されていてもよい。
アルキル基、アリール基またはアルアリール基は、置換基を有してもよい。
また、アルキル基、アリール基またはアルアリール基は、炭素-炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、エステル結合、アミド結合、もしくはチオアミド結合を含んでよい。
さらに、アルキル基、アリール基またはアルアリール基は、チオフェン環と結合する末端に酸素原子、エステル結合、アミド結合、もしくはチオアミド結合を有してもよい。
R51とR52、R52とR53、および、R53とR54は、それぞれ互いに連結して単環または2~4の環が縮環した多環を形成してもよく、その場合、該環に結合する水素原子は置換基で置換されていてもよい。
R51~R54がアリール基の場合、炭素数は4~20が好ましく、4~17がより好ましく、4~14がさらに好ましい。
R51~R54がアルアリール基の場合、炭素数は5~20が好ましく、5~18がより好ましく、5~15がさらに好ましい。
R51~R54が置換基を有する場合、上記炭素数には置換基の炭素数が含まれる。
R52とR53が連結した環に結合する水素原子を置換する置換基としては、R51~R54における置換基と同様の基、および、置換基を有してもよいフェニル基が挙げられる。フェニル基が有する置換基としてはR51~R54における置換基と同様の基が挙げられる。
R55およびR56は、例えば、基(1a)~(15a)から選ばれる基がさらに好ましく、基(1a)が特に好ましい。
-(CH2)5- …(12)
-C(CH3)2(CH2)2C(CH3)2- …(13)
-C(CH3)2(CH2)3C(CH3)2- …(14)
R52bおよびR53bは、互いに連結して環を形成しない点を除き、式(V)におけるR52およびR53と好ましい態様も含めて同様である。
イモニウム化合物は、下記式(A1)、または式(A2)で示される化合物であることが好ましい。
R201~R206およびR221~R226はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、リン酸基、炭素原子間に酸素原子を有してもよく、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または、置換されていてもよい、炭素数6~14のアリール基、炭素数7~14のアラルキル基、もしくは員数が3~14のヘテロ環基である。ただし、置換または非置換のアミノ基がフェニル基に結合した基は除く。さらに、R201~R206およびR221~R226において、同一の窒素原子に結合する2つの基は互いに結合して、前記窒素原子とともに員数3~8のヘテロ環を形成していてもよく、該環に結合する水素原子は、炭素数1~12のアルキル基に置換されていてもよい。
-CH=CH-CH=CH- …(X-2)
-CH2-CH=CH- …(X-3)
-N=CH-NH- …(X-4)
Xa-およびXb-はそれぞれ独立して一価の陰イオンを表す。
また、NIR色素(IR)が化合物(A)~(C)を含む場合、化合物(A)の含有量は樹脂100質量部に対し好ましくは0.1~5質量部、化合物(B)の含有量は好ましくは0.1~5質量部、化合物(C)の含有量は好ましくは0.1~5質量部である。
樹脂膜は、NIR色素以外に、他の色素、例えばUV色素を含有してもよい。
UV色素は、具体例に、オキサゾール系、メロシアニン系、シアニン系、ナフタルイミド系、オキサジアゾール系、オキサジン系、オキサゾリジン系、ナフタル酸系、スチリル系、アントラセン系、環状カルボニル系、トリアゾール系等の色素が挙げられる。また、UV色素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本フィルタにおける基材は、単層構造であっても、複層構造であってもよい。また基材の材質としては400~700nmの可視光を透過する透明性材料であれば有機材料でも無機材料でもよく、特に制限されない。
基材が単層構造の場合、樹脂とNIR色素(IR)とを含む樹脂膜からなる樹脂基材が好ましい。
基材が複層構造の場合、支持体の少なくとも一方の主面にNIR色素(IR)を含有する樹脂膜を積層した複合基材が好ましい。このとき支持体は透明樹脂または透明性無機材料からなることが好ましい。
樹脂膜の光学特性やガラス転移点(Tg)、密着性の観点から、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂が好ましい。
支持体に使用できるガラスとしては、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラス等に銅イオンを含む吸収型のガラス(近赤外線吸収ガラス)、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。
ガラスとしては、赤外光(特に900~1200nm)を吸収できる観点から、リン酸塩系ガラス、フツリン酸塩系ガラスが好ましい。なお、「リン酸塩系ガラス」は、ガラスの骨格の一部がSiO2で構成されるケイリン酸塩ガラスも含む。
基材が、支持体と、支持体の少なくとも一方の主面に積層した色素(IR)を含有する樹脂膜とを有する複層構造(複合基材)である場合、樹脂膜の厚さは、好ましくは0.3~20μmである。なお、光学フィルタが樹脂膜を2層以上有する場合は、各樹脂膜の総厚が上記範囲であることが好ましい。
また基材の厚さは、誘電体多層膜成膜時の反り低減、光学素子低背化の観点から、300μm以下が好ましく、基材が樹脂膜からなる樹脂基材である場合、好ましくは50~300μmであり、基材が支持体と樹脂膜を備える複合基材である場合、好ましくは50~300μmである。
各光学特性の測定には、紫外可視分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ社製、UH-4150形)を用いた。
なお、入射角度が特に明記されていない場合の光学特性は入射角0度(光学フィルタ主面に対し垂直方向)で測定した値である。
化合物1(スクアリリウム化合物):米国特許出願公開第2014/0061505号明細書、国際公開第2014/088063号に基づき合成した。
化合物2(フタロシアニン化合物):特許第4081149号公報に基づき合成した。
化合物3(スクアリリウム化合物):国際公開第2017/135359号に基づき合成した。
化合物4~6(シアニン化合物):Dyes and pigments 73(2007) 344-352に基づき合成した。
化合物7(スクアリリウム化合物):国際公開第2019/230660号に基づき合成した。
化合物8(ジイモニウム化合物):特開2014-25016号公報に基づき合成した。
ポリイミド樹脂(三菱ガス化学製C-3G30G)を8.5質量%の濃度で有機溶媒(シクロヘキサノン:γブチロラクトン=1:1質量比)に溶解した。
上記で調製したポリイミド樹脂の溶液に、樹脂100質量部に各色素化合物を6質量部になるように添加し、50℃に加熱しながら2時間攪拌した。色素含有樹脂溶液をガラス基板(アルカリガラス、Schott製D263)に塗布し、乾燥して膜厚1μmの樹脂膜(塗工膜)を得た。
この樹脂膜付きガラス板の分光透過率曲線と分光反射率曲線を用いて、分光内部透過率曲線を算出し、最大吸収波長における透過率が10%になるように規格化した。
光学特性を下記表に示す。
ポリイミド樹脂(三菱ガス化学製C-3G30G)を8.5質量%の濃度で有機溶媒(シクロヘキサノン:γブチロラクトン=1:1質量比)に溶解した。
上記で調製したポリイミド樹脂の溶液に、樹脂100質量部に対して各化合物が下記表に記載の含有量(質量部)となるように添加し、50℃に加熱しながら2時間攪拌した。色素含有樹脂溶液をガラス基板(アルカリガラス、Schott製D263)に塗布し、乾燥して膜厚2μmの樹脂膜(塗工膜)を得た。
得られた樹脂膜について、波長350nm~1200nmの波長範囲で、0degの入射方向における透過分光、5degの入射方向における反射分光を測定した。透過率は下記式で表す内部透過率で示した。
内部透過率=実測透過率/(100-反射率)*100
光学特性を下記表に示す。
なお、例1-1~例1-5は参考例である。
例1-4は配合する色素が少ないため多層膜で光抜けが生じ得る近赤外光領域を吸収しきれていない。
例1-5は近赤外光領域の吸収幅は広いが、可視光透過率が低い。色素の添加量を増やして吸収幅を広げた結果、可視光領域も吸収してしまったためと考えられる。
TiO2膜とSiO2膜を交互に32層積層させた総膜厚3.94μmの誘電体多層膜1と、40層積層させた総膜厚4.94μmの誘電体多層膜2を設計した。
誘電体多層膜1と誘電体多層膜2それぞれの光学特性を下記表に示す。
また、誘電体多層膜1と誘電体多層膜2それぞれの分光透過率曲線を図5、図6に示す。
なお、例2-1および例2-2は参考例である。
誘電体多層膜2は、リップルが大きいが、780nm以降において光抜けがほとんど生じていない。
ガラス基板(アルカリガラス、Schott製D263)の主面に、例2-1の誘電体多層膜1を積層した。ガラス基板の他方の主面に、例1-1の樹脂膜をスピンコートにより成膜し、樹脂膜の上に、SiO2とTiO2とを交互に積層した誘電体多層膜(反射防止膜)を蒸着により成膜し、光学フィルタ1を作製した。
例2-1の誘電体多層膜1に替えて例2-2の誘電多層膜2を積層した以外は例3-1と同様に、光学フィルタ2を作製した。
例1-1の樹脂膜に替えて例1-5の樹脂膜を成膜した以外は例3-1と同様に、光学フィルタ3を作製した。
なお、例3-1が実施例、例3-2および例3-3が比較例である。
例3-2の光学フィルタは、誘電体多層膜の入射角依存性が大きく、40度の高い入射角において低リップルを実現できなかった。
例3-3の光学フィルタは、色素による吸収が過剰であるため、可視光の透過率が大きく低下した。
Claims (10)
- 基材と、前記基材の少なくとも一方の主面側に最外層として積層された誘電体多層膜とを備える光学フィルタであって、
前記基材は、色素(IR)と樹脂とを含む樹脂膜を有し、
前記光学フィルタが下記光学特性(i-1)~(i-10)をすべて満たす光学フィルタ。
(i-1)前記光学フィルタの少なくとも一方の面において、波長450~500nm、入射角5度での平均反射率R450-500(5deg)AVEが3%以下、かつ、入射角40度での平均反射率R450-500(40deg)AVEが5%以下
(i-2)前記光学フィルタの少なくとも一方の面において、波長500~580nm、入射角5度での平均反射率R500-580(5deg)AVEが2.5%以下、かつ、入射角40度での平均反射率R500-580(40deg)AVEが4%以下
(i-3)前記光学フィルタの少なくとも一方の面において、前記R 450-500(5deg)AVE >前記R 500-580(5deg)AVE かつ、前記R 450-500(40deg)AVE >前記R 500-580(40deg)AVE の関係を満たす
(i-4)前記光学フィルタの少なくとも一方の面において、波長450~580nm、入射角5度での最大反射率R 450-580(5deg)MAX が4%以下、かつ、入射角40度での最大反射率R 450-580(40deg)MAX が6%以下
(i-5)波長450~500nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が6%以下
(i-6)波長500~580nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が5%以下
(i-7)波長450~580nmにおいて、入射角0度での平均透過率T450-580(0deg)AVEが88%以上
(i-8)波長600~800nmにおいて、入射角0度で透過率が20%になる波長と、入射角40度で透過率が20%になる波長との差の絶対値が10nm以下
(i-9)波長600~800nmにおいて、入射角0度で透過率が20%になる波長が640~690nmの範囲にある
(i-10)波長750~1000nmにおいて、入射角0度での最大透過率T750-1000(0deg)MAXが1%以下、かつ、入射角40度での最大透過率T750-1000(40deg)MAXが1%以下 - 前記樹脂膜が下記光学特性(ii-1)~(ii-6)をすべて満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
(ii-1)波長450~580nmにおける平均内部透過率T450-580AVEが88%以上
(ii-2)波長600~700nmにおいて、内部透過率が20%になる波長が640~690nmの範囲にある
(ii-3)波長700nmにおける内部透過率T700が1%以下
(ii-4)波長750nmにおける内部透過率T750が10%以下
(ii-5)波長800nmにおける内部透過率T800が20%以下
(ii-6)波長950nmにおける内部透過率T950が60%以上95%以下 - 前記誘電体多層膜が下記光学特性(iv-1)~(iv-8)をすべて満たす、請求項1または2に記載の光学フィルタ。
(iv-1)波長450~580nmにおいて、入射角0度での平均透過率T450-580(0deg)AVEが90%以上、かつ、入射角40度での平均透過率T450-580(40deg)AVEが90%以上
(iv-2)波長450~500nmにおいて、入射角0度での平均透過率と入射角40度での平均透過率との差の絶対値が3%以下
(iv-3)波長500~580nmにおいて、入射角0度での平均透過率と入射角40度での平均透過率との差の絶対値が2%以下
(iv-4)波長450~500nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が6%以下
(iv-5)波長500~580nmにおいて、入射角0度での透過率と入射角40度での透過率との差の最大値が5%以下
(iv-6)波長600~800nmにおいて、入射角0度での透過率が20%になる波長が720~770nmの範囲にある
(iv-7)波長780~850nmにおいて、入射角0度での最大透過率T780-850(0deg)MAXが4%以上10%未満
(iv-8)波長900~980nmにおいて、入射角40度での最大透過率T900-980(40deg)MAXが1%以上5%未満 - 前記色素(IR)は、
ジクロロメタン中で波長690nm以上735nm未満に最大吸収波長を有する化合物(A)、
ジクロロメタン中で波長735nm以上835nm未満に最大吸収波長を有する化合物(B)、
ジクロロメタン中で波長900nm以上1000nm以下に最大吸収波長を有する化合物(C)からそれぞれ1種類以上ずつ選ばれる化合物を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学フィルタ。 - 前記化合物(A)の最大吸収波長と前記化合物(B)の最大吸収波長との差の最大値が40nm以上である、請求項4に記載の光学フィルタ。
- 前記色素(IR)は、前記樹脂膜を構成する樹脂中で最大吸収波長における内部透過率が10%となるように、前記樹脂に前記色素(IR)を溶解して測定される分光内部透過率曲線において、下記特性(iii-1)を満たす、請求項1~5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
(iii-1)前記樹脂中における最大吸収波長をD[nm]、450~580nmにおける平均内部透過率をEとしたとき、E>100-(D/100)である - 前記化合物(A)はスクアリリウム化合物またはシアニン化合物のいずれかから1種類以上ずつ選ばれ、前記化合物(B)はスクアリリウム化合物またはシアニン化合物のいずれかから1種類以上ずつ選ばれ、前記化合物(C)はスクアリリウム化合物、シアニン化合物、およびイモニウム化合物のいずれかから1種類以上ずつ選ばれる、請求項4に記載の光学フィルタ。
- 前記基材は支持体と前記樹脂膜を含み、前記樹脂膜は前記支持体の少なくとも一方の主面に積層される、請求項1~7のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記樹脂はポリイミド樹脂である、請求項1~8のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の光学フィルタを備える情報取得装置。
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