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JP7252301B1 - 硬化性樹脂組成物、プリプレグおよびその硬化物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、プリプレグおよびその硬化物 Download PDF

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JP7252301B1 JP2021189785A JP2021189785A JP7252301B1 JP 7252301 B1 JP7252301 B1 JP 7252301B1 JP 2021189785 A JP2021189785 A JP 2021189785A JP 2021189785 A JP2021189785 A JP 2021189785A JP 7252301 B1 JP7252301 B1 JP 7252301B1
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Abstract

【課題】本発明は、優れた反応性と硬化性を示す硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供する。【解決手段】マレイミド化合物(A)と、シアネートエステル化合物(B)と、有機金属化合物(C)と、リン化合物(D)と、を含有する硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、プリプレグおよびその硬化物に関するものであり、半導体封止材、プリント配線基板、ビルドアップ積層板などの電気・電子部品、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチックなどの軽量高強度材料、3Dプリンティング用途に好適に使用される。
近年、電気・電子部品を搭載する積層板はその利用分野の拡大により、要求特性が広範かつ高度化している。例えば従来、半導体チップは金属製のリードフレームに搭載することが主流であったが、CPUなどの高度な処理能力のある半導体チップは高分子材料で作られる積層板に搭載されることが多くなっている。CPU等の素子の高速化が進みクロック周波数が高くなるにつれて信号伝搬遅延や伝送損失が問題となり、配線板に低誘電率化や低誘電正接化が求められている。
優れた誘電特性を有するものとして、マレイミド化合物とシアネートエステル化合物とを併用したBTレジンを使用した配線板が挙げられる。BTレジンは誘電特性に加え、耐熱性や耐薬品性などに優れているため、高性能配線板として利用されている。
しかし、BTレジンは硬化促進剤の非存在下では発熱開始温度が250℃~300℃程度の高温領域に位置するため、配線板の製造工程での温度(180℃~220℃)では製造することができない。そのため、BTレジンには硬化促進剤として金属触媒が利用されることが多い。金属触媒はBTレジンに対して少量の添加で反応開始温度が低温シフトするため、配線板の製造工程における温度で製造することが可能になる。
しかしながら、金属触媒を利用するとBTレジンを完全硬化することはできず、系内に未硬化の化合物が残存し、硬化物性に悪影響を及ぼす可能性がある。硬化性を向上させる目的で金属触媒の添加量を増加させた場合には、シアネートエステル化合物の三量化体であるトリアジン化合物が多く生成してしまい、マレイミド化合物が反応することができなくなり未硬化のマレイミド化合物が残存してしまう。そのため、シアネートエステル化合物の利用は制限されることが多い。
特開2016-156002号公報 特開2019-56046号公報 特開2019-137841号公報
特許文献1では、シアネートエステル化合物およびマレイミド化合物を利用しているが、成型温度が270℃と高温である。特許文献2では、シアネートエステル化合物およびマレイミド化合物の混合物に対し、シアネートエステル化合物の熱硬化促進を目的として硬化促進剤としてフェノール化合物を利用している。しかし、DSCによるピークのオンセット温度がどれも170℃以上と高い。特許文献3では、シアネートエステル化合物およびマレイミド化合物を低温で硬化させるためにリン化合物とラジカル開始剤を併用しているが、この2種類のみの組み合わせでは、高温での残発熱が確認されることから硬化性が十分とは言えない。
上述したように、シアネートエステル化合物とマレイミド化合物の熱硬化では、硬化開始温度が高く低温で完全硬化させるのは難しいという問題があり、この課題を克服することが望まれている。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、優れた反応性と硬化性を示す硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の硬化性樹脂組成物が、反応性、硬化性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は以下の[1]~[5]に関する。なお、本願において「(数値1)~(数値2)」は上下限値を含むことを示す。
[1]
マレイミド化合物(A)と、シアネートエステル化合物(B)と、有機金属化合物(C)と、リン化合物(D)と、を含有する硬化性樹脂組成物。
[2]
前記マレイミド化合物(A)が下記式(1)で表される前項[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
Figure 0007252301000001
(式(1)中、複数存在するX、R、pはそれぞれ独立して存在し、Xは下記式(2-a)~(2-f)で表される構造で表されるいずれか1種を表す。Rは水素原子、炭素数1~20のアルキル基、または置換基を有しても良い炭素数1~20の芳香族基を表し、pは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<10である。)
Figure 0007252301000002
(式(2-a)~式(2-f)中、*はベンゼン環への結合を表す。複数存在するR、m、q、rはそれぞれ独立して存在し、Rは水素原子、炭素数1~20のアルキル基、または置換基を有しても良い炭素数1~20の芳香族基を表し、mは1~50、qは1~4、rは1~3の実数を表す。)
[3]
前記マレイミド化合物(A)1当量に対して、前記シアネートエステル化合物(B)が0.3~3.5当量である前項[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4]
前記有機金属化合物(C)として亜鉛原子を含有する前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[5]
前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物をシート状の繊維基材の保持したプリプレグ。
[6]
前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、又は前項[5]に記載のプリプレグを硬化して得られる硬化物。
本発明の硬化性樹脂組成物は優れた反応性と硬化性を有する。
合成例1のGPCチャートである。 合成例2のGPCチャートである。 実施例1、2と比較例1、2のDMAチャートである。
本発明の硬化性樹脂組成物について、以下に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物はマレイミド化合物(A)と、シアネートエステル化合物(B)と、有機金属化合物(C)と、リン化合物(D)と、を含有する。
マレイミド化合物(A)としては4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、2,2’-ビス〔4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、4,4’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられ、下記式(1)で表されるマレイミド化合物であることが好ましい。
Figure 0007252301000003
(式(1)中、複数存在するX、R、pはそれぞれ独立して存在し、Xは下記式(2-a)~(2-f)で表される構造で表されるいずれか1種を表す。Rは水素原子、炭素数1~20のアルキル基、または置換基を有しても良い炭素数1~20の芳香族基を表し、pは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<10である。)
Figure 0007252301000004
(式(2-a)~式(2-f)中、*はベンゼン環への結合を表す。複数存在するR、m、q、rはそれぞれ独立して存在し、Rは水素原子、炭素数1~20のアルキル基、または置換基を有しても良い炭素数1~20の芳香族基を表し、mは1~50、qは1~4、rは1~3の実数を表す。)
式(1)中、Rは水素原子であることが好ましい。
式(2-a)~式(2-f)中、Rは水素原子であることが好ましい。
Xは溶剤溶解性や相溶性、および本発明の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の耐熱性の点から式(2-b)、式(2-c)、式(2-e)で表されることが好ましく、式(2-c)、式(2-e)で表されることがさらに好ましい。
前記式(1)中、nの値はマレイミド化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、検出器:RI)の測定により求められた数平均分子量の値、あるいは分離したピークの各々の面積比から算出することができる。前記式(1)中、n=1の場合、溶剤への溶解性が低く、またnが10以上の場合、成型時のフロー性が悪くなり、硬化物としての特性が十分発揮できない。
前記式(1)で表されるマレイミド化合物の軟化点は50℃~150℃であることが好ましく、より好ましくは80℃~120℃であり、更に好ましくは90℃~120℃、特に好ましくは95℃~120℃である。また、150℃での溶融粘度は0.05~100Pa・s、好ましくは0.1~40Pa・sである。
前記式(1)で表されるマレイミド化合物は下記式(3)または下記式(4)で表されるマレイミド化合物であることが好ましい。
Figure 0007252301000005
(式(3)中、nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<10である。)
Figure 0007252301000006
(式(4)中、nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<10である。)
前記式(3)で表されるマレイミド化合物は市販品を用いても、製造品を用いても構わない。市販品としては、MIR-3000-70MT(日本化薬株式会社製)が挙げられる。製造する場合、前記式(3)で表されるマレイミド化合物の製造方法は特に限定されず、マレイミド化合物の合成方法として知られる公知の如何なる方法で製造してもよい。前記式(3)のマレイミド化合物を製造する場合、その前駆体として下記式(5)の化合物が必要になるが、例えば特開平3-100016号公報及び特公平8-16151号公報にはアニリン類とジハロゲノメチル化合物やジアルコキシメチル化合物との反応が記載されており、これらと同様の方法を採用してアニリンとビスハロゲノメチルビフェニル類又はビスアルコキシメチルビフェニル類とを反応させることにより下記式(5)の化合物が得られる。
Figure 0007252301000007
(式(5)中、nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<10である。)
使用されるビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類としては、4,4’-ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4’-ビス(ブロモメチル)ビフェニル、4,4’-ビス(フルオロメチル)ビフェニル、4,4’-ビス(ヨードメチル)ビフェニル、4,4’-ジメトキシメチルビフェニル、4,4’-ジエトキシメチルビフェニル、4,4’-ジプロポキシメチルビフェニル、4,4’-ジイソプロポキシメチルビフェニル、4,4’-ジイソブトキシメチルビフェニル、4,4’-ジブトキシメチルビフェニル、4,4’-ジ-tert-ブトキシメチルビフェニルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類の使用量は、使用されるアニリン1モルに対して0.05~0.8モルが好ましく、より好ましくは0.1~0.6モルである。
反応の際、必要により塩酸、燐酸、硫酸、蟻酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸性触媒を使用しても良い。これらは単独でも二種以上併用しても良い。触媒の使用量は、アニリン1モルに対して0.1~0.8モルが好ましく、より好ましくは0.5~0.7モルであり、多すぎると反応溶液の粘度が高すぎて攪拌が困難になり、少なすぎると反応の進行が遅くなる。反応は必要によりトルエン、キシレンなどの有機溶剤を使用して行っても、無溶剤で行っても良い。例えば、アニリン類と溶剤の混合溶液に酸性触媒を添加した後、触媒が水を含む場合は共沸により水を系内から除く。しかる後に好ましくは40~100℃、より好ましくは50~80℃でビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類を好ましくは1~5時間、より好ましくは2~4時間かけて添加し、その後溶剤を系内から除きながら昇温して好ましくは180~240℃、より好ましくは190~220℃で、好ましくは5~30時間、より好ましくは10~20時間反応を行う。反応終了後、アルカリ水溶液で酸性触媒を中和後、油層に非水溶性有機溶剤を加えて廃水が中性になるまで洗浄を繰り返し、加熱減圧下で過剰のアニリンや有機溶剤を留去することにより前記式(5)の化合物が得られる特公平8-16151号公報や特許第5030297号公報においては言及されていないが、この段階で副生成物であるジフェニルアミンは、触媒量・原料使用比率・温度・時間等により異なるが、通常樹脂中に2~10重量%含まれる。ジフェニルアミンは、アニリンを留去する条件では除去できない。少なくともアニリンの沸点以上の温度での加熱減圧下での水蒸気や、大量の窒素ガス等の不活性ガスの吹き込みを行うことでジフェニルアミンを除去することができる。
硬化性樹脂組成物にジフェニルアミンが含まれていると、架橋構造が十分に形成されず、機械強度を著しく落としてしまう可能性がある。また、前記式(5)で表される芳香族アミン樹脂中にジフェニルアミンが含まれると、マレイミド化後もジフェニルアミンがそのまま残存し、反応に寄与せずにそのまま硬化物中に残るため、長期使用中にブリードアウトをし、耐熱分解性が低下する可能性がある。したがって、ジフェニルアミン含量は好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下にすることが求められる。
前記式(3)で表されるマレイミド樹脂は前記式(5)で表される芳香族アミン樹脂に無水マレイン酸を溶剤、触媒の存在下に反応させて得られるが、例えば特開平3-100016号公報や特開昭61-229863号公報に記載の方法等を採用すればよい。反応で使用する溶剤は反応中に生成する水を系内から除去する必要があるため、非水溶性の溶剤を使用する。例えばトルエン、キシレンなどの芳香族溶剤、シクロヘキサン、n-ヘキサンなどの脂肪族溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用しても良い。また、前記非水溶性溶剤に加えて非プロトン性極性溶剤を併用することもできる。例えば、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルピロリドンなどが挙げられ、2種以上を併用しても良い。非プロトン性極性溶剤を使用する場合は、併用する非水溶性溶剤よりも沸点の高いものを使用することが好ましい。触媒は酸性触媒で特に限定されないが、p-トルエンスルホン酸、ヒドロキシ-p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。例えばマレイン酸をトルエンに溶解し、撹拌下、前記式(5)で表される化合物のN-メチルピロリドン溶液を添加し、その後p-トルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で生成する水を系内から除去しながら反応を行うことで、前記式(3)で表されるマレイミド化合物を得ることができる。
前記式(3)で表されるマレイミド化合物は分子量分布を有することが好ましく、前記式(3)中、n=1体のGPC分析(RI)による含有量は98面積%以下であることが好ましく、より好ましくは20~90面積%、さらに好ましくは30~80面積%、特に好ましくは40~80面積%の範囲である。n=1体の含有量が98面積%以下であると、耐熱性が良好となる。また結晶性が低下し、溶剤溶解性が良好となる。一方、n=1体の下限値が20面積%以上であると樹脂溶液の粘度が低下し、含浸性が良好となる。また固体として取り出す際に低温で溶剤を除去できるため、自己重合が起こりづらく取り扱いが容易となる。
前記式(4)で表されるマレイミド化合物の製造方法は特に限定されず、マレイミド化合物の合成方法として知られる公知の如何なる方法で製造してもよい。前記式(4)で表されるマレイミド樹脂を製造する場合、その前駆体として下記式(6)で表される化合物が必要になる。下記式(6)で表される芳香族アミン樹脂の製法は特に限定されるものではなく、例えば、特公平4-75222号公報では、アニリンとm-ジイソプロペニルベンゼンまたはm-ジ(α-ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンとを、酸性触媒の存在下で180~250℃で反応させることにより前記式(4)におけるn=1体が主成分として得られる。n=1体の中には1,3-ビス(p-アミノクミル)ベンゼン、1,3-ビス(o-アミノクミル)ベンゼンのようなアニリン2分子に対しての配向性が同じである対称構造の化合物や、1-(o-アミノクミル)-3-(p-アミノクミル)ベンゼンのようなアニリン2分子に対しての配向性が異なった非対称構造の化合物の3つの異性体が含まれている。さらに、副成分としてn=2~5体も生成されるが、特公平6-37465号公報ではこれらを晶析により精製して純度98%の1,3-ビス(p-アミノクミル)ベンゼンを得ている。また、特公平6-37465号公報では1,3-ビス(p-アミノクミル)ベンゼンをマレイミド化してN,N’-(1,3-フェニレン-ジ-(2,2-プロピリデン)-ジ-p-フェニレン)ビスマレイミドを合成して結晶の生成物を得ている。
Figure 0007252301000008
(式(6)中、nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<10である。)
前記式(6)で表される芳香族アミン樹脂を合成する際、用いられる酸性触媒は、塩酸、燐酸、硫酸、蟻酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸性触媒等が挙げられる。本発明においては塩酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などのプロトン酸が好ましい。これらは単独でも二種以上併用しても良い。触媒の使用量は、使用されるアニリン100重量%に対して、好ましくは1~12重量%、さらに好ましくは1~10重量%、特に好ましくは1~7重量%であり、12重量%より多いと目的とする非対称構造の化合物が少なく、対称構造を有する化合物が優先してできてしまう。一方、1%未満であると反応の進行が遅くなるだけでなく、反応が完結できない場合もあることから好ましくない。
反応は必要によりトルエン、キシレンなどの有機溶剤を使用して行っても、無溶剤で行っても良い。例えば、アニリンと溶剤の混合溶液に酸性触媒を添加した後、触媒が水を含む場合は共沸により水を系内から除くことが好ましい。しかる後にジイソプロペニルベンゼンまたはジ(α-ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを添加し、その後溶剤を系内から除きながら昇温して140~190℃、好ましくは160~190℃で5~50時間、好ましくは5~30時間反応を行う。反応温度が高すぎる場合、非対称構造が生成後に再結合し、対象構造が優先してできてしまうことで、目的とする溶剤溶解性、電気特性を発揮できない。ジ(α-ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンを使用した時には水が副生されるため、昇温時に溶剤と共沸させながら系内から除去する。反応終了後、アルカリ水溶液で酸性触媒を中和後、油層に非水溶性有機溶剤を加えて廃水が中性になるまで水洗を繰り返したのち、溶剤および過剰のアニリン誘導体を加熱減圧下において除去する。活性白土やイオン交換樹脂を用いた場合は、反応終了後に反応液を濾過して触媒を除去する。また、反応温度や触媒の種類によってはジフェニルアミンが副生するため必要に応じて除去することは好ましい。高温・高真空下で、もしくは水蒸気蒸留等の手段を用いて、ジフェニルアミン誘導体を1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下まで除去する。
前記式(4)で表されるマレイミド樹脂は、前記式(6)で表される芳香族アミン樹脂と、マレイン酸または無水マレイン酸(以下、「マレイン酸無水物」ともいう。)を溶剤、触媒の存在下に付加もしくは脱水縮合反応させることで得られる。
反応で使用する溶剤は反応中に生成する水を系内から除去する必要があるため、非水溶性の溶剤を使用することが好ましい。例えばトルエン、キシレンなどの芳香族溶剤、シクロヘキサン、n-ヘキサンなどの脂肪族溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用しても良い。
また、前記非水溶性溶剤に加えて非プロトン性極性溶剤を併用することもできる。例えば、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられ、2種以上を併用しても良い。非プロトン性極性溶剤を使用する場合は、併用する非水溶性溶剤よりも沸点の高いものを使用することが好ましい。
また、反応で使用する触媒は酸性触媒であり、特に限定されないが、例えば、p-トルエンスルホン酸、ヒドロキシ-p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。酸触媒の使用量は、芳香族アミン樹脂に対して通常0.1~10重量%、好ましくは1~5重量%である。
例えば、トルエンとN-メチル-2-ピロリドンに前記式(6)で表される芳香族アミン樹脂を溶解し、そこへマレイン酸無水物を添加してアミック酸を生成し、その後p-トルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で生成する水を系内から除去しながら反応を行う。
または、マレイン酸無水物をトルエンに溶解し、撹拌下、前記式(6)で表される芳香族アミン樹脂のN-メチル-2-ピロリドン溶液を添加してアミック酸を生成し、その後p-トルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で生成する水を系内から除去しながら反応を行う。
または、マレイン酸無水物をトルエンに溶解し、p-トルエンスルホン酸を加え、撹拌・還流状態において前記式(6)で表される芳香族アミン樹脂のN-メチル-2-ピロリドン溶液を滴下しながら、途中で共沸してくる水は系外へ除き、トルエンは系内へ戻しながら反応を行う(以上、第一段反応)。
いずれの方法においても、マレイン酸無水物は前記式(6)で表される芳香族アミン樹脂のアミノ基に対して、通常1.0~3.0倍当量、好ましくは1.2~2.0倍当量使用する。
未閉環のアミック酸を少なくするためには、上記に列記したマレイミド化反応後に反応溶液に水を加え、樹脂溶液層と水層に分離させ、過剰のマレイン酸や無水マレイン酸、非プロトン性極性溶媒、触媒などは水層側に溶解しているので、これを分液除去し、さらに同様の操作を繰り返して過剰のマレイン酸や無水マレイン酸、非プロトン性極性溶媒、触媒の除去を徹底する。過剰のマレイン酸や無水マレイン酸、非プロトン性極性溶媒、触媒が除去された有機層のマレイミド樹脂溶液に触媒を再度添加して加熱還流条件下での残存アミック酸の脱水閉環反応を再度行うことにより酸価が低いマレイミド樹脂溶液が得られる(以上、第二段反応)。
再脱水閉環反応の時間は通常1~5時間、好ましくは1~3時間であり、必要により前述の非プロトン性極性溶剤を添加しても良い。反応終了後、冷却して、水洗水が中性になるまで水洗を繰り返す。その後、加熱減圧下において水を共沸脱水で除いてから、溶剤を留去したり、別の溶剤を加えたりして所望の濃度の樹脂溶液に調整しても良いし、溶剤を完全に留去して固形の樹脂として取り出しても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シアネートエステル化合物(B)を含有する。シアネートエステル化合物(B)としては従来公知のシアネートエステル化合物を使用することができる。シアネートエステル化合物(B)の具体例としては、フェノール類と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類とケトン類との重縮合物及びビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類、フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類などをハロゲン化シアンと反応させることにより得られるシアネートエステル化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いても2種以上を用いてもよい。
上記フェノール類としては、フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
上記各種アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられる。
上記各種ジエン化合物としては、ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
上記ケトン類としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記芳香族ジメタノール類としてはベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等、芳香族ジクロロメチル類としてはα,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等、芳香族ビスアルコキシメチル類としてはビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等が挙げられる。
マレイミド化合物は上記記載したものに限定されない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
シアネートエステル化合物(B)としては、下記式(7)、(9)、(10)で表される化合物も例示される。
Figure 0007252301000009
(式(7)中、R~Rは同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~10のアルキル基もしくはフェニル基を表す。Yは下記式(8-g)~(8-l)で表される構造で表されるいずれか1種を表す。)
Figure 0007252301000010
(式(8-g)~式(8-l)中、*はベンゼン環への結合を表す。)
Figure 0007252301000011
(式(9)中、R~R12は同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~10のアルキル基もしくはフェニル基を表す。nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<5である。)
Figure 0007252301000012
(式(10)中、Zは下記式(11-o)~(11-q)で表される構造で表されるいずれか1種を表す。nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<5である。)
Figure 0007252301000013
(式(11-o)~式(11-q)中、*はナフタレン環への結合を表す。)
本発明の硬化性樹脂組成物において、マレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)の比率は、マレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)の合計重量に対して、シアネートエステル化合物(B)が10.0~80.0重量%であることが好ましく、20.0~60.0重量%であることがさらに好ましく、20.0~50.0重量%であることが特に好ましく、30.0~40.0重量%であることが最も好ましい。また官能基当量比率としては、マレイミド化合物(A)1当量に対して、シアネートエステル化合物(B)が0.1~5.5当量であることが好ましく、0.3~3.5当量であることがさらに好ましく、0.5~2.0当量であることが特に好ましく、0.8~1.2当量であることが最も好ましい。シアネートエステル化合物(B)が上記範囲よりも少ないと、耐熱性が悪化する。一方、シアネートエステル化合物(B)が上記範囲よりも多いと、誘電特性が悪化する。シアネートエステル化合物(B)が上記範囲内であると、耐熱性と誘電特性が悪化することなく、両者の特性が優れた硬化物が得られる。
本発明の有機金属化合物(C)としては、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛、ジブチルスズジマレエート、アセチルアセトナート銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オレイン酸スズ等の有機金属塩、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化スズなどの金属塩化物が挙げられるが、これらに限定されない。単独で用いても2種類以上併用しても構わない。溶剤への溶解性の観点から、オクチル酸亜鉛が最も好ましく、市販品としては、オクトープZn(ホープ製薬株式会社製)として入手可能である。本発明の硬化性樹脂組成物中の有機金属化合物(C)の添加量が少なすぎると、反応性が不十分となり硬化物の耐熱性や誘電特性が悪化する。一方で添加量が多すぎると、シアネートエステル化合物(B)の三量体であるトリアジン化合物が多量生成することになる。するとマレイミド化合物(A)が反応することができなくなり系内に未反応のマレイミド化合物(A)が残存することになる。結果として誘電特性が悪化することになる。有機金属化合物(C)の添加量はマレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)の合計重量に対して0.01~0.50重量%が好ましく、0.02~0.30重量%がさらに好ましく、0.03~0.20重量%が特に好ましい。上記範囲であると、反応性が十分でありながらマレイミド化合物(A)の系内の残存量が抑えられ優れた硬化物が得られる。
本発明のリン化合物(D)はリン原子を含む化合物であれば限定されない。具体的には、ホスホニウム塩、ホスフィン、ホスフィンオキサイド、ホスフェート、ホスファイトが挙げられる。リン化合物(D)としては、反応性と硬化性に優れる点から上記中ホスホニウム塩、又は、ホスフィンが好ましく、さらに好ましくはホスホニウム塩である。
ホスホニウム塩としては、下記式(12)で表されるホスホニウムカチオンとカウンターアニオンからなる化合物であることが好ましい。
Figure 0007252301000014
(式(12)中、R13~R16は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。式(9)中、R17は、ホウ素(B)、臭素(Br)、塩素(Cl)、水酸基(OH)、R22-COO(R22は置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を表す。)で表されるカルボキシラートアニオン等が挙げられる。式中、R18~R21は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい1価の有機基を表す。1価の有機基としては炭化水素基が好ましく、置換基を有していてもよい。)
前記式(12)で表されるホスホニウム塩の具体例としては、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、トリ-t-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n-ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムハイドロオキサイド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテートが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物中のリン化合物(D)の添加量としては、マレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)の合計重量に対して0.1~5.0重量%が好ましく、0.2~3.0重量%がさらに好ましく、0.3~2.0重量%が特に好ましい。リン化合物(D)の含有量が0.1%よりも少ないと、本発明における硬化促進剤の効果を十分に発揮することができない。一方、5.0%よりも多いと、ホスホニウム塩のようなイオン性の化合物や硬化物作製中にホスフィンやホスファイトが酸化されてできたホスフィンオキサイドといった極性化合物、そしてホスフェートのようなリン酸化合物が硬化物樹脂組成物中に残存または生成することになるため、誘電特性が悪化する。リン化合物(D)の含有量が上記範囲であると、硬化促進剤の効果を十分に発現させると同時に誘電特性の悪化も抑えられた優れた硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、マレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)に対して、有機金属化合物(C)とリン化合物(D)を含有することを必要とする。マレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)に対する有機金属化合物(C)を用いた際の反応速度の差は大きく、上述したようにシアネートエステル化合物(B)が三量化したトリアジン化合物が速く生成するため、マレイミド化合物(A)が残存してしまう。またここで、シアネートエステル化合物(A)の反応速度を抑えようとして有機金属化合物(C)の使用量を減らした場合、今度はシアネートエステル化合物(A)が完全に反応することができず、残存する恐れがある。そのため、有機金属化合物(C)のみでは完全硬化は難しいと考えられる。本発明のようにリン化合物(D)を併用することでリン上の電子が、残存するマレイミド化合物(A)やシアネートエステル化合物(B)と反応し硬化度を高めることができる。また、リン化合物としてホスホニウム塩のようなアニオンとカチオンを併せ持った対イオンの場合、アニオン的な反応とカチオン的な反応が同時に起こるため、有機金属化合物(C)とリン化合物(D)をそれぞれ単独に用いた場合よりもさらに反応が速く進行し、未硬化を抑制し硬化度を高めることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、マレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)以外にも公知のいかなる樹脂材料も用いることができる。具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂、活性アルケン含有樹脂、イソシアネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、プロペニル樹脂、メタリル樹脂、活性エステル樹脂などが挙げられる。
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂、活性アルケン含有樹脂、イソシアネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、活性エステル樹脂としては、それぞれ以下に例示するものを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
フェノール樹脂:フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド、フルフラール等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と置換ビフェニル類(4,4’-ビス(クロルメチル)-1,1’-ビフェニル及び4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル等)、もしくは置換フェニル類(1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるフェノール樹脂、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、ポリフェニレンエーテル。
エポキシ樹脂:前記のフェノール樹脂、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、4-ビニル-1-シクロヘキセンジエポキシドや3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシラートなどを代表とする脂環式エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)やトリグリシジル-p-アミノフェノールなどを代表とするグリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂。
アミン樹脂:ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ナフタレンジアミン、アニリンノボラック、オルソエチルアニリンノボラック、アニリンとキシリレンクロライドとの反応により得られるアニリン樹脂、日本国特許第6429862号公報に記載のアニリンと置換ビフェニル類(4,4’-ビス(クロルメチル)-1,1’-ビフェニル及び4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル等)、もしくは置換フェニル類(1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)。
活性アルケン含有樹脂:前記のフェノール樹脂と活性アルケン含有のハロゲン系化合物(クロロメチルスチレン、アリルクロライド、メタリルクロライド、アクリル酸クロリド、アリルクロライド等)の重縮合物、活性アルケン含有フェノール類(2-アリルフェノール、2-プロペニルフェノール、4-アリルフェノール、4-プロペニルフェノール、オイゲノール、イソオイゲノール等)とハロゲン系化合物(4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル、1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン、4,4’-ジフルオロベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ジブロモベンゾフェノン、塩化シアヌル等)の重縮合物、エポキシ樹脂もしくはアルコール類と置換もしくは非置換のアクリレート類(アクリレート、メタクリレート等)の重縮合物、マレイミド樹脂(4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、2,2’-ビス〔4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、4,4’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼン)。
イソシアネート樹脂:p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-キシレンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環構造のジイソシアネート類;イソシアネートモノマーの一種類以上のビュレット体又は、上記ジイソシアネート化合物を3量化したイソシアネート体等のポリイソシアネート;上記イソシアネート化合物とポリオール化合物とのウレタン化反応によって得られるポリイソシアネート。
ポリアミド樹脂:アミノ酸(6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等)、ラクタム(ε-カプロラクタム、ω-ウンデカンラクタム、ω-ラウロラクタム)および「ジアミン(エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカンジアミン、ウンデカンジアミン、ドデカンジアミン、トリデカンジアミン、テトラデカンジアミン、ペンタデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、ヘプタデカンジアミン、オクタデカンジアミン、ノナデカンジアミン、エイコサンジアミン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン;キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン等とジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;これらジカルボン酸のジアルキルエステル、およびジクロリド)との混合物から選ばれた1種以上を主たる原料とした重合物。
ポリイミド樹脂:前記のジアミンとテトラカルボン酸二無水物(4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-シクロヘキセン-1,2ジカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1-エチリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、2,2’-プロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-トリメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,4-テトラメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,5-ペンタメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、チオ-4,4’-ジフタル酸二無水物、スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3-ビス[2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン二無水物、1,4-ビス[2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン二無水物、ビス[3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、2,2-ビス[3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物)、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、メチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,1-エチリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、オキシ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、チオ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、スルホニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、rel-[1S,5R,6R]-3-オキサビシクロ[3,2,1]オクタン-2,4-ジオン-6-スピロ-3’-(テトラヒドロフラン-2’,5’-ジオン)、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物、エチレングリコール-ビス-(3,4-ジカルボン酸無水物フェニル)エーテル、4,4’-ビフェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、9,9’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物)との重縮合物。
活性エステル樹脂:エポキシ樹脂等、硬化性樹脂の硬化剤として1分子中に1個以上の活性エステル基を有する化合物を必要に応じて用いることができる。活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましい。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及びチオカルボン酸化合物の少なくともいずれかの化合物と、ヒドロキシ化合物及びチオール化合物の少なくともいずれかの化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及びナフトール化合物の少なくともいずれかの化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、例えば、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」、「EXB-8150-65T」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416-70BK」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」、「YLH1030」、「YLH1048」(三菱化学社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱化学社製);リン原子含有活性エステル系硬化剤としてDIC社製の「EXB-9050L-62M」;等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて有機金属化合物(C)とリン化合物(D)以外の硬化促進剤を添加しても構わない。用い得る硬化促進剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、1,3-ビス-(t-ブチルパーオキシイソプロピル)-ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、t-ブチルパーオキシベンゾエート、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6-ビス(t-ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン等のパーオキシカーボネート類、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシオクトエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール及び2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノールや1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて光安定剤を添加しても構わない。光安定剤としては、ヒンダートアミン系の光安定剤、特にHALS等が好適である。HALSとしては特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ジブチルアミン・1,3,5-トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミンとN-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)〔{3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル}メチル〕ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、等が挙げられる。HALSは1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することもできる。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ-ナイロン系樹脂、NBR-フェノール系樹脂、エポキシ-NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、樹脂成分100質量部に対して0.05~50質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.05~20質量部が必要に応じて用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて溶融シリカ、結晶シリカ、多孔質シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、石英粉、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、窒化アルミニウム、グラファイト、フォルステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、酸化鉄アスベスト、ガラス粉末等の粉体、またはこれらを球形状あるいは破砕状にした無機充填材を添加することができる。また、特に半導体封止用の硬化性樹脂組成物を得る場合、上記の無機充填材の使用量は硬化性樹脂組成物中、通常80~92質量%、好ましくは83~90質量%の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することができる。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、シリコーンゲル、シリコーンオイル、シランカップリング剤のような充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。これら添加剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して好ましくは1.000質量部以下、より好ましくは700質量部以下の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分を所定の割合で均一に混合することにより得られ、通常130~180℃で30~500秒の範囲で予備硬化し、更に、150~200℃で2~15時間、後硬化することにより充分な硬化反応が進行し、本発明の硬化物が得られる。又、硬化性樹脂組成物の成分を溶剤等に均一に分散または溶解させ、溶媒を除去した後硬化させることもできる。
こうして得られる本発明の硬化性樹脂組成物は、耐熱性、低誘電率、低誘電正接を有する。従って、本発明の硬化性樹脂組成物は、耐熱性、高接着性、低誘電率、低誘電正接の要求される広範な分野で用いることができる。具体的には、絶縁材料、積層板(プリント配線板、BGA用基板、ビルドアップ基板など)、封止材料、レジスト等あらゆる電気・電子部品用材料として有用である。又、成形材料、複合材料の他、塗料材料、接着剤、3Dプリンティング等の分野にも用いることができる。特に半導体封止においては、耐ハンダリフロー性が有益なものとなる。
半導体装置は本発明の硬化性樹脂組成物で封止されたものを有する。半導体装置としては、例えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、QFP(クワッドフラットパッケージ)、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)、SOP(スモールアウトラインパッケージ)、TSOP(シンスモールアウトラインパッケージ)、TQFP(シンクワッドフラットパッケージ)等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、前記記載のように各成分を溶剤等に分散または溶解させ、均一に混合し、必要に応じて溶剤を留去することで調製してもよいし、あるいはプレポリマー化してもよい。例えばマレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)を有機金属化合物(C)とリン化合物(D)の存在下、溶剤の存在下または非存在下において加熱することによりプレポリマー化する。同様に、マレイミド化合物(A)とシアネートエステル化合物(B)の他、エポキシ樹脂、アミン化合物、フェノール樹脂、酸無水物化合物などの硬化剤及びその他添加剤を追加してプレポリマー化してもよい。各成分の混合またはプレポリマー化は溶剤の非存在下では例えば押出機、ニーダ、ロールなどを用い、溶剤の存在下では攪拌装置つきの反応釜などを使用する。
溶剤等を使用しないで均一に混合する手法としては50~100℃の範囲内の温度でニーダ、ロール、プラネタリーミキサー等の装置を用いて練りこむように混合し、均一な硬化性樹脂組成物とする。得られた硬化性樹脂組成物は粉砕後、タブレットマシーン等の成型機で円柱のタブレット状に成型、もしくは顆粒状の紛体、もしくは粉状の成型体とする、もしくはこれら組成物を表面支持体の上で溶融し0.05mm~10mmの厚みのシート状に成型し、硬化性樹脂組成物成型体とすることもできる。得られた成型体は0~20℃でべたつきのない成型体となり、-25~0℃で1週間以上保管しても流動性、硬化性がほとんど低下しない。
得られた成型体についてトランスファー成型機、コンプレッション成型機にて硬化物に成型することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物に有機溶剤を添加してワニス状の組成物(以下、単にワニスともいう。)とすることもできる。本発明の硬化性樹脂組成物を必要に応じてトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等の溶剤に溶解させてワニスとし、ガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10~70重量%、好ましくは15~70重量%を占める量を用いる。この範囲よりも溶剤量が少ないと、ワニス粘度が高くなり作業性が悪化し、溶剤量が多いと、硬化物にボイドを発生させる原因になる。また液状組成物であれば、そのまま例えば、RTM方式でカーボン繊維を含有する硬化性樹脂硬化物を得ることもできる。
また、本発明の硬化性組成物をフィルム型組成物の改質剤としても使用できる。具体的にはB-ステージにおけるフレキ性等を向上させる場合に用いることができる。このようなフィルム型の樹脂組成物は、本発明の硬化性樹脂組成物を前記硬化性樹脂組成物ワニスとして剥離フィルム上に塗布し、加熱下で溶剤を除去した後、B-ステージ化を行うことによりシート状の接着剤として得られる。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱溶融し、低粘度化してガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維などの強化繊維に含浸させることによりプリプレグを得ることができる。その具体例としては、例えば、Eガラスクロス、Dガラスクロス、Sガラスクロス、Qガラスクロス、球状ガラスクロス、NEガラスクロス、及びTガラスクロス等のガラス繊維、更にガラス以外の無機物の繊維やポリパラフェニレンテレフタラミド(ケブラー(登録商標)、デュポン株式会社製)、全芳香族ポリアミド、ポリエステル;並びに、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール、ポリイミド及び炭素繊維などの有機繊維が挙げられるが、これらに特に限定されない。基材の形状としては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマットなどが挙げられる。また、織布の織り方としては、平織り、ななこ織り、綾織り等が知られており、これら公知のものから目的とする用途や性能により適宜選択して使用することができる。また、織布を開繊処理したものやシランカップリング剤などで表面処理したガラス織布が好適に使用される。基材の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.01~0.4mm程度である。また、前記ワニスを、強化繊維に含浸させて加熱乾燥させることによりプリプレグを得ることもできる。
本実施形態の積層板は、上記プリプレグを1枚以上備える。積層板はプリプレグを1枚以上備えるものであれば特に限定されず、他のいかなる層を有していてもよい。積層板の製造方法としては、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。例えば、金属箔張積層板の成形時には多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機などを用いることができ、上記プリプレグ同士を積層し、加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。このとき、加熱する温度は、特に限定されないが、65~300℃が好ましく、120~270℃がより好ましい。また、加圧する圧力は、特に限定されないが、加圧が大きすぎると積層板の樹脂の固形分調整が難しく品質が安定せず、また、圧力が小さすぎると、気泡や積層間の密着性が悪くなってしまうため2.0~5.0MPaが好ましく、2.5~4.0MPaがより好ましい。本実施形態の積層板は、金属箔からなる層を備えることにより、後述する金属箔張積層板として好適に用いることができる。
上記プリプレグを所望の形に裁断、必要により銅箔などと積層後、積層物にプレス成形法やオートクレーブ成形法、シートワインディング成形法などで圧力をかけながら硬化性樹脂組成物を加熱硬化させることにより電気電子用積層板(プリント配線板)や、炭素繊維強化材を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、半導体の封止材用途に使用できる。一般的にマレイミド化合物は耐熱性や誘電特性に優れるが、広く利用されているエポキシ樹脂などと比較して、溶融粘度が高くスパイラルフロー試験における樹脂流れ性が低いため、チップを封止する際に完全に封止することができず欠陥品となってしまう。一方で、シアネートエステル化合物は溶融粘度が低いことが特徴の一つに挙げられ、マレイミド化合物とシアネートエステル化合物を併用することにより、溶融粘度を下げ、樹脂流れ性を改善させると共に耐熱性や誘電特性を発現することができる。この硬化物は、近年見られる高温で長時間駆動するパワー半導体などの耐熱性が175℃以上要求される用途に好適に利用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物は優れた耐熱性と誘電特性を示すため、半導体素子用封止材、液晶表示素子用封止材、有機EL素子用封止材、プリント配線基板、ビルドアップ積層板等の電気・電子部品や炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック等の軽量高強度構造材用複合材料に好適に使用される。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
各測定データは下記の方法で測定した。
・軟化点:JIS K-7234に準じた方法で測定
・溶融粘度:ICI溶融粘度(150℃)コーンプレート法で測定し、単位はPa・sである。
・GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析
メーカー:Waters
カラム:SHODEX GPC KF-601(2本)、KF-602、KF-602.5、KF-603
流速:0.5ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
[合成例1]
芳香族アミン化合物(A-1)の合成
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコにアニリン192部とトルエン112部、1,3-ビス(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ベンゼン100部を仕込み、35%塩酸21.5部を10分かけて滴下した。系内を160℃に昇温し、水、トルエンを留去しながら同温度で17時間反応を行った。その後80℃まで冷却したのち、トルエン124部を加え、30%水酸化ナトリウム水溶液30部を10分かけて滴下した。その後同温度で2時間攪拌し、30分静置した。分離した下層の水層を除去し、反応液の水洗を洗浄液が中性になるまで繰り返した。次いでロータリーエバポレーターで油層から加熱減圧下において過剰のアニリンとトルエンを留去することにより芳香族アミン化合物(A-1)158部を得た。芳香族アミン化合物(A-1)のアミン当量は186.1g/eq、軟化点は58.8℃であった。GPC分析(RI)により、n=1体は62.5面積%であった。GPCチャートは図1に記す。
[合成例2]
マレイミド化合物(M-1)の合成
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコに無水マレイン酸73.5部とトルエン126部、メタンスルホン酸1.86部、N-メチル-2-ピロリドン12,6部を仕込み、加熱還流状態とした。次に、芳香族アミン化合物(A-1)93部をトルエン55.8部に溶解した樹脂溶液を、還流状態を保ちながら4時間かけて滴下した。この間、還流条件で共沸してくる縮合水とトルエンをディーンスターク共沸蒸留トラップ内で冷却・分液した後、有機層であるトルエンは系内に戻し、水は系外へ排出した。樹脂溶液の滴下終了後、還流状態を保ち、脱水操作をしながら10時間反応を行った。
反応終了後、水洗を4回繰り返してメタンスルホン酸及び過剰の無水マレイン酸を除去し、70℃以下の加熱減圧下においてトルエンと水の共沸により、水を系内から除去した。次いで、メタンスルホン酸0.93部を加え、加熱還流状態で4時間反応を行った。反応終了後、水洗水が中性になるまで4回水洗を繰り返したのち、70℃以下の加熱減圧下においてトルエンと水の共沸により、水を系内から除去したのち、トルエンを加熱減圧下において約70-80%程度の樹脂濃度になるまで溶剤を留去した後、トルエンを追加して樹脂濃度60%に調整をした。これにより本発明のマレイミド化合物(M-1)を含有するマレイミド溶液(V-1)を得た。得られたマレイミド化合物(M-1)のn=1体はGPC分析(RI)により57.4面積%であった。GPCチャートは図2に記す。また、軟化点は115.5℃、粘度は6.0Pa・sであった。
[実施例1、2、比較例1、2]
[DMA分析]
試験片作成方法:MIR-3000(MIR-3000-70MT(日本化薬株式会社製)の溶剤を加熱減圧により留去したもの)とビスフェノールA型シアネートエステル化合物(三菱ガス化学株式会社製)を等当量になるように、表1に示す割合(重量部)で測り取り、樹脂固形分70%になるようにアセトンを加えたのち、70℃で1時間加熱混合することでワニスを作製した。さらに硬化促進剤としてTPP-K(北興化学株式会社製)、TPP-MK(北興化学株式会社製)、18%オクトープZn(ホープ製薬株式会社製)、2E4MZ(四国化成株式会社製)をそれぞれ表1に示す割合で測り取り、ワニスに溶解させた。硬化促進剤が溶解したワニスを真空乾燥機にて60℃で30分、80℃で1時間加熱することで硬化性樹脂組成物を調製した。得られた硬化性樹脂組成物を銅箔で挟み、真空下で1MPaの圧力をかけ220℃で2時間硬化させた。銅箔を除去した後、得られた硬化物を5mm×40mmの大きさにカットすることで試験片を得た。
メーカー:TAインスツルメント
装置:DMAQ800
測定モード:引張
昇温速度:2℃/min.
測定温度範囲:25℃~350℃
測定周波数:10Hz
反応性、硬化性を確認するため、300℃における貯蔵弾性率を250℃における貯蔵弾性率で除した値を表1に記載した。また、DMAチャートを図3に記載した。
硬化促進剤一覧
・リン化合物:TPP-K(北興化学株式会社製)
・リン化合物:TPP-MK(北興化学株式会社製)
・有機金属化合物:18%オクトープZn(ホープ製薬株式会社製)
・イミダゾール:2E4MZ(四国化成株式会社製)
Figure 0007252301000015
実施例1、2は300℃貯蔵弾性率を250℃貯蔵弾性率で除した値が1以下であるのに対し、比較例1、2は1よりも大きい値となっている。実施例1、2、比較例1、2のいずれのサンプルも室温~150℃付近がガラス領域、250℃以上がゴム領域となっている。しかし、比較例1と2はゴム領域において、貯蔵弾性率が上昇している。この現象は250℃以上の温度で架橋が進んでいることを示唆しており、すなわち、比較例1と2は真空下1MPaの圧力で220℃2時間硬化という硬化条件では硬化が不十分であったと言える。
[実施例3~6]
マレイミド化合物とシアネートエステル化合物としてビスフェノールA型シアネートエステル化合物(三菱ガス化学株式会社製)を等当量になるように、表2に示す割合(重量部)で測り取り、樹脂固形分50~70%になるようにアセトンを加えたのち、70℃で1時間加熱混合することでワニスを作製した。さらに硬化促進剤として18%オクトープZn(ホープ製薬株式会社製)とTPP-K(北興化学株式会社製)を表2に示す割合で測り取り、ワニスに溶解させた。硬化促進剤が溶解したワニスを真空乾燥機にて60℃で30分、80℃で1時間加熱することで硬化性樹脂組成物を調製した。得られた硬化性樹脂組成物を銅箔で挟み、真空下で1MPaの圧力をかけ220℃で2時間硬化させた。その結果を表2に示す。
[DMA分析]
試験片作成方法:上記記載した方法で得られた硬化物を5mm×40mmの大きさにカットすることで試験片を得た。
メーカー:TAインスツルメント
装置:DMAQ800
測定モード:引張
昇温速度:2℃/min.
測定温度範囲:25℃~350℃
測定周波数:10Hz
tanδが最大となる温度をTgとした。
・誘電率試験、誘電正接試験
試験片作成方法:上記記載した方法で得られた硬化物を2.5mm×50mmの大きさにカットすることで試験片を得た。試験片を乾燥機で120℃2時間乾燥させたのちに初期誘電率(Dk)、初期誘電正接(Df)の測定を行った。さらに、試験片を水中に24時間浸漬した後、取り出し25℃30%の環境下で24時間放置した後、再度測定を行った。また試験片を150℃大気下のオーブンに24時間放置した後、再度測定を行った。得られた結果を用い、下記の計算式により吸水後と酸化後の変化率を算出した。
24h吸水後Df変化率[%]={(24h吸水後Df-初期Df)/初期Df}×100
24h酸化後Df変化率[%]={(24h酸化後Df-初期Df)/初期Df}×100
メーカー:株式会社AET
装置:10GHz空洞共振器
マレイミド化合物一覧
・M-1(合成例2で得られたものの溶剤を加熱減圧により留去したもの)
・MIR-3000(MIR-3000-70MT(日本化薬株式会社製)の溶剤を加熱減圧により留去したもの)
・BMI-70(ケイ・アイ化成株式会社製)
・BMI-2300(大和化成株式会社製)
Figure 0007252301000016
実施例3~6はいずれも優れた耐熱性、吸水特性、誘電特性を示すことが確認された。その中でも特に実施例3,4は優れた特性を示すことが確認された。
[実施例4、7~9]
マレイミド化合物としてMIR-3000、シアネートエステル化合物としてビスフェノールA型シアネートエステル化合物(三菱ガス化学株式会社製)を表3に示す割合(重量部)で測り取り、樹脂固形分70%になるようにアセトンを加えたのち、70℃で1時間加熱混合することでワニスを作製した。さらに硬化促進剤として18%オクトープZn(ホープ製薬株式会社製)とTPP-K(北興化学株式会社製)を表3に示す割合で測り取り、ワニスに溶解させた。硬化促進剤が溶解したワニスを真空乾燥機にて60℃で30分、80℃で1時間加熱することで硬化性樹脂組成物を調製した。得られた硬化性樹脂組成物を銅箔で挟み、真空下で1MPaの圧力をかけ220℃で2時間硬化させた。その結果を表3に示す。また、MIR-3000を1当量とした際のビスフェノールA型シアネートエステル化合物の使用当量を表3に示す。
Figure 0007252301000017
実施例4、7~9はいずれも良好な耐熱性、誘電特性を示すことが確認された。また、シアネートエステル化合物を増やすと耐熱性が向上し、減らすと誘電特性が向上することが確認された。

Claims (5)

  1. マレイミド化合物(A)と、シアネートエステル化合物(B)と、有機金属化合物(C)と、リン化合物(D)と、を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記マレイミド化合物(A)が下記式(1)で表される硬化性樹脂組成物。
    Figure 0007252301000018
    (式(1)中、複数存在するX、R、pはそれぞれ独立して存在し、Xは下記式(2-b)~(2-f)で表される構造で表されるいずれか1種を表す。Rは水素原子、炭素数1~20のアルキル基、または置換基を有しても良い炭素数1~20の芳香族基を表し、pは1~3の実数を表す。nは繰り返し数であり、その平均値は1<n<10である。)
    Figure 0007252301000019
    (式(2-a)~式(2-f)中、*はベンゼン環への結合を表す。複数存在するR、m、q、rはそれぞれ独立して存在し、Rは水素原子、炭素数1~20のアルキル基、または置換基を有しても良い炭素数1~20の芳香族基を表し、mは1~50、qは1~4、rは1~3の実数を表す。)
  2. 前記マレイミド化合物(A)1当量に対して、前記シアネートエステル化合物(B)が0.3~3.5当量である請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記有機金属化合物(C)として亜鉛原子を含有する請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物をシート状の繊維基材の保持したプリプレグ。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、又は請求項4に記載のプリプレグを硬化して得られる硬化物。
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