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JP6731345B2 - 免疫グロブリンg結合性ペプチド - Google Patents

免疫グロブリンg結合性ペプチド Download PDF

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Description

本発明は、免疫グロブリンGのFc領域とFab領域の両方に対して一定以上の結合能を示す免疫グロブリンG結合性ペプチド、当該ペプチドをコードするDNA、当該DNAを含むベクター、および当該ベクターにより形質転換された形質転換体に関するものである。
タンパク質の重要な機能の一つとして、特定の分子に特異的に結合する機能が挙げられる。この機能は、生体内における免疫反応やシグナル伝達に重要な役割を果たす。治療・検査などの様々な用途で、この機能を利用した技術開発がなされている。特定の分子に特異的に結合するタンパク質として最も産業利用されているものの1つに抗体が挙げられる。そして、抗原抗体反応とは別の様式で様々な抗体に特異的に結合するタンパク質も、抗体の検出や分離精製に利用できるため、産業的価値は極めて高い。
産業的に利用される抗体は、基本的に免疫グロブリンG(IgG)である。IgG結合性タンパク質としては、プロテインA、プロテインG、プロテインHおよびプロテインLと呼ばれる細菌の細胞壁タンパク質がよく知られている(非特許文献1)。プロテインAは、グラム陽性細菌スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)によって生産され、IgGのFc領域に結合するタンパク質である。プロテインGは、グループGの連鎖球菌(Streptococcus sp.)によって生産され、IgGのFc領域に結合するタンパク質である。プロテインHも、グループGの連鎖球菌の一種(Streptococcus pyogenes)によって生産され、IgGのFc領域に結合するタンパク質である。プロテインLは、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus spp.)によって産生され、IgGのFab領域に結合するタンパク質である。各々のタンパク質には、100アミノ酸残基未満のIgG結合性ドメインが複数含まれる。
近年、免疫グロブリンGを断片化した分子構造を有する抗体誘導体(断片抗体)からなる研究用試薬や臨床用医薬が盛んに開発されている。したがって、上記に挙げたタンパク質とは異なる結合特性、具体的にはFc領域とFab領域の両方に結合性を示す免疫グロブリン結合性タンパク質も有用である。プロテインAは、Fab領域にも結合する特性を示すことが知られているが、結合できるFab領域はVH生殖細胞遺伝子の特定のサブファミリーに属する免疫グロブリンGのFab領域に限定され、その結合力もFcに対する結合に比べると強くない(非特許文献1,2)。プロテインGもFab領域に弱いながら結合することが分かっているが、プロテインAと同様に、プロテインGのFab領域に対する結合力は、Fc領域に対する結合に比べると結合定数(KA)にして10倍程度弱いことが知られている(非特許文献1,2)。Fc領域とFab領域の両方に結合性を示すタンパク質として、例えば、プロテインGまたはプロテインAとプロテインLのIgG結合性ドメインを連結したハイブリッド型タンパク質が開発されている(特許文献1,非特許文献3)。しかし、プロテインLはκ鎖からなるFab領域のみに結合活性を示すことから、汎用性に関し改良の余地があると言える。
特表平7−506573号公報
Nezlin R.ら,「Adv.Immunol.」,2004,vol.82,pp.155-215 Bostrom T.ら,「Protein Purification」(ISBN:978-953-307-831-1),2012,pp.89-136 Svensson H.ら,「BIAJOURNAL」,1999,vol.2,pp.21-23
上述した通り、Fc領域とFab領域の両方に結合性を示す免疫グロブリンG結合性タンパク質としては、Fc領域に結合するドメインとFab領域に結合するドメインを連結したハイブリッド型タンパク質が挙げられる。しかし、単に既存のドメインを連結するのみでは、連結するためのリンカー配列のプロテアーゼ等に対する安定性などに問題がある。したがって、1つのIgG結合性ドメインがFc領域とFab領域の両方に結合性を示す免疫グロブリンG結合性タンパク質がより望まれていると言える。しかし、プロテインAやプロテインGは、Fc領域とFab領域の両方に結合性を示すが、特にFab領域に対する結合力が低い点や特定配列に限定される点などで、十分にニーズを満たすとは言い難い。
そこで本発明は、Fc領域への結合力とFab領域への結合力の両方が一定以上であるペプチドを提供することを目的とする。また、本発明は、当該ペプチドをコードするDNA、当該DNAを含むベクター、および当該ベクターにより形質転換された形質転換体を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、プロテインGのIgG結合性ドメインをベースとして、Fc領域とFab領域の両方に結合を示すことが期待されるアミノ酸配列を設計し、実際にそのアミノ酸配列を有するペプチドを取得して評価を行い、その結果をフィードバックして再度設計を行うというサイクルを回すことによって、免疫グロブリンGのFc領域およびFab領域に対する各々の結合力が結合定数(KA)にして106[1/M]以上であるIgG結合性ペプチドを発明するに至った。
その結果として完成した本発明を以下に示す。
[1] 下記アミノ酸配列(配列番号1)、または、下記アミノ酸配列と95%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有することを特徴とする免疫グロブリンG結合性ペプチド。
Xaa1−Xaa2−Tyr−Lys−Leu−Xaa6−Xaa7−Asn−Gly−Xaa10−Thr−Leu−Thr−Gly−Tyr−Thr−Thr−Ala−Ile−Ala−Xaa21−Asp−Ala−Xaa24−Thr−Ala−Glu−Xaa28−Xaa29−Leu−Xaa31−Gln−Phe−Ala−Asn−Asp−Asn−Gly−Xaa39−Xaa40−Gly−Xaa42−Trp−Thr−Tyr−Asp−Xaa47−Ala−Thr−Lys−Thr−Phe−Thr−Val−Thr−Xaa56(配列番号1)
Xaa1=Ala、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、ThrまたはVal
Xaa2=ThrまたはArg
Xaa6=IleまたはVal
Xaa7=LeuまたはIle
Xaa10=LysまたはArg
Xaa21=Asp、AlaまたはPro
Xaa24=AlaまたはGlu
Xaa28=Lys、IleまたはArg
Xaa29=ValまたはAla
Xaa31=LysまたはArg
Xaa39=ValまたはIle
Xaa40=AspまたはGlu
Xaa42=Glu、ValまたはMet
Xaa47=Asp、AlaまたはPro
Xaa56=Ala、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、ThrまたはVal
[2] Xaa2がThrである上記[1]に記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[3] Xaa6がIleである上記[1]または[2]に記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[4] Xaa7がLeuである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[5] Xaa24がAlaである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[6] Xaa29がValである上記[1]〜[5]のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[7] Xaa31がLysである上記[1]〜[6]のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[8] Xaa40がAspである上記[1]〜[7]のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[9] Xaa42がGluである上記[1]〜[8]のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
[10] 上記[1]〜[9]のいずれかに記載のペプチドをコードすることを特徴とするDNA。
[11] 上記[10]に記載のDNAを含むことを特徴とするベクター。
[12] 上記[11]に記載のベクターにより形質転換されたものであることを特徴とする形質転換体。
本発明に係る免疫グロブリンG結合性ペプチドは、免疫グロブリンGのFc領域とFab領域の両方に対する結合力が結合定数(KA)にしてKA=106[1/M]以上であり、免疫グロブリンGに対して優れた結合能を示す。Fc領域とFab領域の両方に結合するペプチドは、例えば、断片化したIgGと全長のIgGの混合物である場合や、対象のIgGの構造が不明である場合において、IgGの検出や分離精製に有効に利用することができる。よって、本発明に係る免疫グロブリンG結合性ペプチドは、IgGやその断片誘導体の検出や精製において新たなソリューションを提供する汎用ツールとして有用であると考えられる。
図1は、配列番号2のアミノ酸配列を有する免疫グロブリンG結合性ペプチドの発現プラスミドの作製方法を示す図である。 図2は、配列番号9〜17のアミノ酸配列を有する免疫グロブリンG結合性ペプチドのIgG−Fabに対する結合パラメータに関し、配列番号2のアミノ酸配列を有する免疫グロブリンG結合性ペプチドを基準とした対数値のグラフである。 図3は、表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサーを用いた親和性測定の結果から、免疫グロブリンG結合性ペプチドのIgG−FcおよびIgG−Fabに対する結合レスポンスを縦軸に、ペプチド濃度を横軸にプロットしたグラフである。
本発明において「ペプチド」という用語は、ペプチド構造を有するあらゆる分子を含むものとする。本発明に係る免疫グロブリンG結合性ペプチドは、その必須構造を構成するアミノ酸の数から、一般的には「タンパク質」または「(タンパク質の)ドメイン」と呼ばれることもある。
「免疫グロブリン」は、リンパ球のB細胞が産生する糖タンパク質であり、特定のタンパク質などの分子を認識して結合する働きを持つ。免疫グロブリンは、かかる特定の分子(抗原)に特異的に結合する機能に加えて、他の生体分子や細胞と協同して抗原を含む因子を無毒化・除去する機能も有する。免疫グロブリンは、一般的に「抗体」と呼ばれるが、それはこのような機能に着目した名称である。全ての免疫グロブリンは、基本的には同じ分子構造を有し、軽鎖および重鎖のポリペプチド鎖それぞれ2本ずつからなる“Y”字型の4本鎖構造を基本構造としている。軽鎖(L鎖)にはλ鎖とκ鎖の2種類があり、すべての免疫グロブリンはこのどちらかを持つ。重鎖(H鎖)には、γ鎖、μ鎖、α鎖、δ鎖、ε鎖という構造の異なる5種類があり、この重鎖の違いによって免疫グロブリンの種類(アイソタイプ)が変わる。免疫グロブリンG(IgG)は、単量体型の免疫グロブリンで、2本の重鎖(γ鎖)と2本の軽鎖から構成され、2箇所の抗原結合部位を持っている。
免疫グロブリンの“Y”字の下半分の縦棒部分にあたる場所をFc領域と呼び、上半分の“V”字の部分をFab領域と呼ぶ。Fc領域は抗体が抗原に結合した後の反応を惹起するエフェクター機能を有し、Fab領域は抗原と結合する機能を有する。重鎖のFab領域とFc領域はヒンジ部でつながっており、パパイヤに含まれるタンパク分解酵素パパインは、このヒンジ部を分解して2つのFab領域と1つのFc領域に切断する。Fab領域のうち“Y”字の先端に近い部分は、多様な抗原に結合できるように、アミノ酸配列に多彩な変化が見られるため可変領域(V領域)と呼ばれている。軽鎖の可変領域をVL領域、重鎖の可変領域をVH領域と呼ぶ。V領域以外のFab領域とFc領域は、比較的変化の少ない領域であり定常領域(C領域)と呼ばれる。軽鎖の定常領域をCL領域と呼び、重鎖の定常領域をCH領域と呼ぶが、CH領域はさらにCH1〜CH3の3つに分けられる。重鎖のFab領域はVH領域とCH1からなり、重鎖のFc領域はCH2とCH3からなる。ヒンジ部はCH1とCH2の間に位置する。SpG−βのIgGへの結合は、より詳細には、IgGのCH1領域(CH1γ)とCL領域への結合であり、特にCH1への結合が主要である(Derrick J.P.,Nature,1992,359巻,752-754頁)。
本発明に係るIgG結合性ペプチドは、下記アミノ酸配列(配列番号1)、または、下記アミノ酸配列と95%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有することを特徴とする。
Xaa1−Xaa2−Tyr−Lys−Leu−Xaa6−Xaa7−Asn−Gly−Xaa10−Thr−Leu−Thr−Gly−Tyr−Thr−Thr−Ala−Ile−Ala−Xaa21−Asp−Ala−Xaa24−Thr−Ala−Glu−Xaa28−Xaa29−Leu−Xaa31−Gln−Phe−Ala−Asn−Asp−Asn−Gly−Xaa39−Xaa40−Gly−Xaa42−Trp−Thr−Tyr−Asp−Xaa47−Ala−Thr−Lys−Thr−Phe−Thr−Val−Thr−Xaa56(配列番号1)
Xaa1=Ala、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、ThrまたはVal
Xaa2=ThrまたはArg
Xaa6=IleまたはVal
Xaa7=LeuまたはIle
Xaa10=LysまたはArg
Xaa21=Asp、AlaまたはPro
Xaa24=AlaまたはGlu
Xaa28=Lys、IleまたはArg
Xaa29=ValまたはAla
Xaa31=LysまたはArg
Xaa39=ValまたはIle
Xaa40=AspまたはGlu
Xaa42=Glu、ValまたはMet
Xaa47=Asp、AlaまたはPro
Xaa56=Ala、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、ThrまたはVal
本発明に係る免疫グロブリンG結合性ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列、または、配列番号1のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含むものであってもよいし、これらアミノ酸配列に加えて他のアミノ酸配列を含むものであってもよいし、或いは他の化合物が結合しているものであってもよい。他のアミノ酸配列としては、例えば、後述するペプチド多量体において各ドメインを結合するリンカーペプチド、機能の異なる他のペプチド、水不溶性担体に本発明ペプチドを結合させるためのリンカーペプチドなどを挙げることができる。但し、本発明に係る免疫グロブリンG結合性ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列、または、配列番号1のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列からなることが好ましい。この場合であっても、本発明に係る免疫グロブリンG結合性ペプチドは、後述するようにリンカー基によって水不溶性担体に固定化されていてもよいし、また、多量体の場合にはリンカー基により免疫グロブリンG結合性ペプチドが連結されていてもよい。
本発明に係る免疫グロブリンG結合性ペプチドは、免疫グロブリンG(IgG)に対して高い結合能を示す。具体的には、免疫グロブリンGのFc領域およびFab領域に対する各々の結合力が、結合定数(KA)にしてKA=106[1/M]以上である。
本発明に係るIgG結合性ペプチドの、免疫グロブリンGのFc領域およびFab領域に対する結合力(親和性)は、例えば、表面プラズモン共鳴原理を用いたBiacoreシステム(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)などのバイオセンサーによって試験することができるが、これに限定されるものではない。
免疫グロブリンGのFc領域およびFab領域に対する結合性の測定条件としては、免疫グロブリンGのFc領域およびFab領域それぞれに結合した時の結合シグナルが検出できればよく、20〜40℃の一定温度にてpH6〜8の中性条件にて測定することで簡単に評価することができる。
結合相手の免疫グロブリンG分子は、Fc領域またはFab領域への結合が検出できれば特に限定はされない。しかし、両方を含む免疫グロブリンG分子を用いた場合には、2つの領域への結合を区別して検出することが難しいので、Fc領域かFab領域のどちらかのみを含む断片化IgGを用いることが好ましい。
結合パラメータとしては、例えば、親和定数(KA)や解離定数(KD)を用いることができる(永田ら,「生体物質相互作用のリアルタイム解析実験法」,シュプリンガー・フェアラーク東京,1998年,41頁)。本発明に係るペプチドとFc断片またはFab断片との親和定数は、Biacoreシステムを利用して、センサーチップにFc断片またはFab断片を固定化して、温度25℃、pH7.4の条件下にて、本発明で得られたペプチドを流路に添加する実験系で求めることができる。
Biacoreシステムを利用した実験では、実験条件、解析方法および/または元となるIgGの種類によって、パラメータのオーダーが大きく変わることがある。この場合の判断基準の1つとしては、野生型のプロテインGを同じ実験条件や解析方法で評価した場合に、野生型のプロテインGのFab領域への結合定数よりも大きいことが基準となる。従来の野生型プロテインGでは、Fab領域への結合力が小さいために、免疫グロブリンGのFc領域およびFab領域の両方に結合するペプチドというには性能が不十分であった。この野生型プロテインGのFab領域への結合力を優位に上回るFab結合性を示すことが、本発明の大きな特徴と言える。なお、野生型プロテインGは、市販の研究用試薬(例えばライフテクノロジーズ社)として容易に入手可能である。または、非特許文献2のプロテインGの図5のIgG結合性ドメインのアミノ酸配列を有するタンパク質を調製してもよい。野生型プロテインGのFab断片に対する結合定数KAを上記条件で測定・解析した場合、オーダーにして10の5乗程度を示す。
本発明に係るIgG結合性ペプチドは、Fc断片に対する結合定数KAがオーダーにして10の6乗以上で、かつ、Fab断片に対する結合定数KAもオーダーにして10の6乗以上であり、さらに好ましくは、Fc断片に対する結合定数とFab断片に対する結合定数が同じオーダーである。別の側面からは、Fab断片に対する結合定数がFc断片に対する結合定数よりも10倍を超えない程度に強いことが、さらにより好ましい。
本発明に係るIgG結合性ペプチドに関し、配列同一性としては、95%以上が好ましく、96%以上がさらに好ましく、97%以上がさらにより好ましく、98%以上が特に好ましい。配列同一性は、アミノ酸配列多重アラインメント用プログラムであるClustal(http://www.clustal.org/omega/)などを使って測定することができる。また、上記範囲内でアミノ酸配列の一部が変異しても、配列番号1のアミノ酸配列の特定位置に対応するアミノ酸残基は、当業者であればアライメント解析ソフトを用いて容易に求めることができる。
本発明に係る配列番号1のアミノ酸配列において、Fab領域およびFc領域に対する結合性の観点から、第2位がThr、第6位がIle、第7位がLeu、第24位がAla、第29位がVal、第31がLys、第40位がAsp、第42位がGluであることが好ましい。また、第13位がThr、第15位がTyr、第19位がIle、第30位がLeuおよび/または第33位がPheであることも好ましい。
本発明に係るIgG結合性ペプチドは、実施形態の1つとして、上記アミノ酸配列に対して、1または数個のアミノ酸が付加されても本発明に含まれる。
付加される部位としては、N末端およびC末端が好ましい。前記「1または数個」の範囲は、例えば、1個以上、30個以下とすることができ、好ましくは1個以上、20個以下、より好ましくは1個以上、10個以下、さらに好ましくは1個以上、7個以下、一層好ましくは1個以上、5個以下、特に好ましくは1個以上、3個以下、1個もしくは2個、または1個程度であることができる。いずれにしても、本発明のアミノ酸配列を含有する場合には、本発明に含まれる。実施形態の1つとして、N末端またはC末端のアミノ酸(Xaa1またはXaa56)が欠失されていても、本発明に含まれる。
本発明に係るIgG結合性ペプチドは、実施形態の1つとして、当該配列を単ドメインとして、その単ドメインが2個以上、好ましくは3個以上、より好ましくは4個以上、さらに好ましくは5個以上連結された複数ドメインの多量体であってもよい。連結されるドメイン数の上限としては、10個以下が好ましく、8個以下がより好ましく、6個以下がさらに好ましい。これらの多量体は、単一のFab領域結合性ペプチドの連結体であるホモダイマー、ホモトリマー等のホモポリマーであってもよいし、複数種類のFab領域結合性ペプチドの連結体であるヘテロダイマー、ヘテロトリマー等のヘテロポリマーであってもよい。
本発明によって得られる単量体タンパク質の連結のされ方としては、1または複数のアミノ酸残基で連結する方法、および、アミノ酸残基を挟まず直接連結する方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。連結するアミノ酸残基数に特に制限は無いが、好ましくは20残基以下であり、より好ましくは15残基以下であり、さらにより好ましくは10残基以下であり、さらにより好ましくは5残基以下であり、さらにより好ましくは2残基以下である。また、別の観点からは、単量体タンパク質の3次元立体構造を不安定化しないものが好ましい。
また、実施形態の1つとして、本発明に係るIgG結合性ペプチドが、1つの構成成分として、機能の異なる他のペプチドと融合されていることを特徴とする融合ペプチドが挙げられる。融合ペプチドの例としては、アルブミンやGST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)が融合したペプチドを例として挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、DNAアプタマーなどの核酸、抗生物質などの薬物、PEG(ポリエチレングリコール)などの高分子が融合されている場合も、本発明で得られたペプチドの有用性を利用するものであれば、本発明に包含される。
本発明は、上記の本発明ペプチドを、免疫グロブリンGまたはその断片に親和性を有することを特徴とするアフィニティーリガンドとして利用することも、実施形態の1つとして包含する。同様に、当該リガンドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とするアフィニティー分離マトリックスも、実施形態の1つとして包含する。ここで「アフィニティーリガンド」とは、抗原と抗体の結合に代表される特異的な分子間の親和力に基づいて、ある分子の集合から目的の分子を選択的に結合して捕集する物質や官能基を指す用語であり、本発明においては、免疫グロブリンGまたはその断片に対して特異的に結合するペプチドを指す。本発明においては、単に「リガンド」と表記した場合も、「アフィニティーリガンド」と同意である。
本発明に用いる水不溶性担体としては、ガラスビーズ、シリカゲルなどの無機担体;架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアクリルアミド、架橋ポリスチレンなどの合成高分子や;結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デキストランなどの多糖類からなる有機担体;さらにはこれらの組み合わせによって得られる有機−有機、有機−無機などの複合担体などが挙げられる。市販品としては、多孔質セルロースゲルであるGCL2000、アリルデキストランとメチレンビスアクリルアミドを共有結合で架橋したSephacryl(登録商標) S−1000、アクリレート系の担体であるToyopearl(登録商標)、アガロース系の架橋担体であるSepharose(登録商標) CL4B、および、セルロース系の架橋担体であるCellufine(登録商標)などを例示することができる。但し、本発明における水不溶性担体は、例示したこれらの担体のみに限定されるものではない。
また、本発明に用いる水不溶性担体は、本発明のアフィニティー分離マトリックスの使用目的および方法からみて表面積が大きいことが望ましく、適当な大きさの細孔を多数有する多孔質であることが好ましい。担体の形態としては、ビーズ状、モノリス状、繊維状、膜状(中空糸を含む)などいずれも可能であり、任意の形態を選ぶことができる。
リガンドの固定化方法については、例えば、リガンドに存在するアミノ基、カルボキシル基またはチオール基を利用した従来のカップリング法で担体に結合してよい。カップリング法としては、臭化シアン、エピクロロヒドリン、ジグリシジルエーテル、トシルクロライド、トレシルクロライド、ヒドラジンまたは過ヨウ素酸ナトリウムなどと担体とを反応させて担体を活性化するか、或いは担体表面に反応性官能基を導入し、リガンドとして固定化する化合物とカップリング反応を行い固定化する方法、また、担体とリガンドとして固定化する化合物が存在する系にカルボジイミドのような縮合試薬、または、グルタルアルデヒドのように分子中に複数の官能基を持つ試薬を加えて縮合、架橋することによる固定化方法が挙げられる。
また、リガンドと担体の間に複数の原子からなるスペーサー分子を導入してもよいし、担体にリガンドを直接固定化してもよい。従って、固定化のために、本発明に係るFab領域結合性ペプチドを化学修飾してもよいし、固定化に有用なアミノ酸残基を含むアミノ酸残基数1以上100以下程度のペプチドをリンカー基として加えてもよい。固定化に有用なアミノ酸としては、側鎖に固定化の化学反応に有用な官能基を有しているアミノ酸が挙げられ、例えば、側鎖にアミノ基を含むLysや、側鎖にチオール基を含むCysが挙げられる。上記ペプチドリンカー基のアミノ酸残基数としては、50以下が好ましく、40以下または20以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。本発明の本質は、本発明においてペプチドに付与したFab領域結合性が、当該ペプチドをリガンドとして固定化したマトリックスにおいても同様に付与されることにあり、固定化のためにいかように修飾・改変しても、本発明の範囲に含まれる。
本発明のアフィニティー分離マトリックスを利用して、免疫グロブリンGまたはその断片をアフィニティーカラム・クロマトグラフィ精製法により分離精製することが可能となる。これらの免疫グロブリンGまたはその断片の精製法は、免疫グロブリンのアフィニティーカラム・クロマトグラフィ精製法、例えばSpAアフィニティー分離マトリックスを利用した精製法に準じる手順により達成することができる(非特許文献1)。即ち、免疫グロブリンGまたはその断片を含有する緩衝液を調製(pHは中性付近)した後、当該溶液を本発明のアフィニティー分離マトリックスを充填したアフィニティーカラムに通過させ、免疫グロブリンGまたはその断片を吸着させる。次いで、アフィニティーカラムに純粋な緩衝液を適量通過させ、カラム内部を洗浄する。この時点では所望の免疫グロブリンGまたはその断片はカラム内の本発明のアフィニティー分離マトリックスに吸着されている。そして、本発明で得られたペプチドをリガンドとして固定化したアフィニティー分離マトリックスは、このサンプル添加の工程からマトリックス洗浄の工程において、目的とする免疫グロブリンGまたはその断片を吸着保持する性能に優れる。次いで、適切なpHに調整した酸性緩衝液をカラムに通液し、所望の免疫グロブリンGまたはその断片を溶出することにより、高純度な精製が達成される。溶出に用いる酸性緩衝液には、マトリックスからの解離を促進する物質を添加してもよい。
本発明のアフィニティー分離マトリックスは、リガンド化合物や担体の基材が完全に機能を損なわない程度の、適当な強酸性または強アルカリ性の純粋な緩衝液を通過させて洗浄することにより、再利用が可能である。当該洗浄液としては、適当な変性剤や有機溶剤を含む溶液も使用できる。
本発明は、上記ペプチドをコードするDNAにも関する。本発明ペプチドをコードするDNAは、その塩基配列を翻訳したアミノ酸配列が、当該ペプチドを構成するものであればいずれでもよい。そのような塩基配列は、通常用いられる公知の方法、例えば、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(以下、「PCR」と略記する)法を利用して取得できる。また、公知の化学合成法で合成することも可能であり、さらに、DNAライブラリーから得ることもできる。当該塩基配列は、コドンが縮重コドンで置換されていてもよく、翻訳されたときに同一のアミノ酸をコードしている限り、本来の塩基配列と同一である必要性は無い。当該塩基配列を一つ又はそれ以上有する組換えDNA、または、当該組換えDNAを含む、プラスミドおよびファージなどのベクター、さらには、当該DNAを有するベクターにより形質転換された形質転換体、当該DNAを導入した遺伝子改変生物、または、当該DNAを転写の鋳型DNAとする無細胞タンパク質合成系を得ることができる。
また、本発明に係るIgG結合性ペプチドは、タンパク質発現を補助する作用または精製を容易にするという利点がある公知のタンパク質との融合ペプチドとして取得することができる。即ち、本発明に係るIgG結合性ペプチドを含む融合ペプチドをコードする組換えDNAを少なくとも一つ含有する微生物や細胞を得ることができる。上記タンパク質の例としては、マルトース結合タンパク質(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)等が挙げられるが、それらのタンパク質に限定されるものではない。
本発明のペプチドをコードするDNAを改変するための部位特異的な変異の導入は、以下のように、組換えDNA技術、PCR法等を用いて行うことができる。
即ち、組換えDNA技術による変異の導入は、例えば、本発明ペプチドをコードする遺伝子中において、変異導入を希望する目的の部位の両側に適当な制限酵素認識配列が存在する場合に、それら制限酵素認識配列部分を前記制限酵素で切断し、変異導入を希望する部位を含む領域を除去した後、化学合成等によって目的の部位のみに変異導入したDNA断片を挿入するカセット変異法によって行うことができる。
また、PCRによる部位特異的変異の導入は、例えば、本発明ペプチドをコードする二本鎖プラスミドを鋳型として、+鎖および−鎖に相補的な変異を含む2種の合成オリゴプライマーを用いてPCRを行うダブルプライマー法により行うことができる。
また、本発明の単量体ペプチド(1つのドメイン)をコードするDNAを、意図する数だけ直列に連結することにより、多量体ペプチドをコードするDNAを作製することもできる。例えば、多量体ペプチドをコードするDNAの連結方法は、DNA配列に適当な制限酵素部位を導入し、制限酵素で断片化した2本鎖DNAをDNAリガーゼで連結することができる。制限酵素部位は1種類でもよいが、複数の異なる種類の制限酵素部位を導入することもできる。また、多量体ペプチドをコードするDNAにおいて、各々の単量体ペプチドをコードする塩基配列が同一の場合には、宿主にて相同組み換えを誘発する可能性があるので、連結されている単量体ペプチドをコードするDNAの塩基配列間の配列同一性が90%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下、さらにより好ましくは75%以下であることが好ましい。なお、塩基配列の同一性も、アミノ酸配列と同様に、常法により決定することが可能である。
本発明の「発現ベクター」は、前述した本発明ペプチドまたはその部分アミノ酸配列をコードする塩基配列、およびその塩基配列に作動可能に連結された宿主で機能しうるプロモーターを含む。通常は、本発明ペプチドをコードする遺伝子を、適当なベクターに連結もしくは挿入することにより得ることができ、遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で自律複製可能なものであれば特に限定されず、プラスミドDNAやファージDNAをベクターとして用いることができる。例えば、大腸菌を宿主として用いる場合には、pQE系ベクター(キアゲン社)、pET系ベクター(メルク社)およびpGEX系ベクター(GEヘルスケアバイオサイエンス社)のベクターなどが挙げられる。
本発明の形質転換細胞は、宿主となる細胞へ本発明の組換えベクターを導入することにより得ることができる。宿主への組換え体DNAの導入方法としては、例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法、アグロバクテリウム感染法、パーティクルガン法およびポリエチレングリコール法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、得られた遺伝子の機能を宿主で発現する方法としては、本発明で得られた遺伝子をゲノム(染色体)に組み込む方法なども挙げられる。宿主となる細胞については、特に限定されるものではないが、安価に大量生産する上では、大腸菌、枯草菌、ブレビバチルス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)等のバクテリア(真正細菌)を好適に使用しうる。
本発明に係るIgG結合性ペプチドは、前記した形質転換細胞を培地で培養し、培養菌体中(菌体ぺリプラズム領域中も含む)、または、培養液中(菌体外)に本発明のタンパク質を生成蓄積させ、該培養物から所望のタンパク質を採取することにより製造することができる。また、本発明ペプチドは、前記した形質転換細胞を培地で培養し、培養菌体中(菌体ぺリプラズム領域中も含む)、または、培養液中(菌体外)に、本発明ペプチドを含む融合タンパク質を生成蓄積させ、当該培養物から当該融合ペプチドを採取し、当該融合ペプチドを適切なプロテアーゼによって切断し、所望のタンパク質を採取することにより製造することができる。
本発明の形質転換細胞を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。得られた形質転換体の培養に用いる培地は、本発明ペプチドを高効率、高収量で生産できるものであれば特に制限は無い。具体的には、グルコース、蔗糖、グリセロール、ポリペプトン、肉エキス、酵母エキス、カザミノ酸などの炭素源や窒素源を使用することが出来る。その他、カリウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩、マグネシウム塩、マンガン塩、亜鉛塩、鉄塩等の無機塩類が必要に応じて添加される。栄養要求性の宿主細胞を用いる場合は、生育に要求される栄養物質を添加すればよい。また、必要であればペニシリン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、ネオマイシンなどの抗生物質が添加されてもよい。
さらに、菌体内外に存在する宿主由来のプロテアーゼによる当該目的ペプチドの分解を抑えるために、公知の各種プロテアーゼ阻害剤、すなわち、Phenylmethane sulfonyl fluoride(PMSF)、Benzamidine、4−(2−aminoethyl)−benzenesulfonyl fluoride(AEBSF)、Antipain、Chymostatin、Leupeptin、Pepstatin A、Phosphoramidon、Aprotinin、Ethylenediaminetetra acetic acid(EDTA)および/またはその他市販されているプロテアーゼ阻害剤を適当な濃度で添加してもよい。
さらに、本発明に係るIgG結合性ペプチドを正しくフォールディングさせるために、例えば、GroEL/ES、Hsp70/DnaK、Hsp90、Hsp104/ClpBなどの分子シャペロンを利用してもよい(例えば、共発現、または、融合タンパク質化などの手法で、本発明のペプチドと共存させる)。なお、本発明ペプチドの正しいフォールディングを目的とする場合には、正しいフォールディングを助長する添加剤を培地中に加える、および、低温にて培養するなどの手法もあるが、これらに限定されるものではない。
大腸菌を宿主として得られた形質転換細胞を培養する培地としては、LB培地(トリプトン1%,酵母エキス0.5%,NaCl1%)、または、2xYT培地(トリプトン1.6%,酵母エキス1.0%,NaCl0.5%)等が挙げられる。
また、培養温度は、例えば15〜42℃、好ましくは20〜37℃で、通気攪拌条件で好気的に数時間〜数日培養することにより本発明ペプチドを、培養細胞内(ぺリプラズム領域内を含む)、または、培養溶液(細胞外)に蓄積させて回収する。場合によっては、通気を遮断し嫌気的に培養してもよい。組換えペプチドが分泌生産される場合には、培養終了後に、遠心分離、ろ過などの一般的な分離方法で、培養細胞と分泌生産されたペプチドを含む上清を分離することにより生産された組換えペプチドを回収することができる。また、培養細胞内(ぺリプラズム領域内を含む)に蓄積される場合にも、例えば、培養液から遠心分離、ろ過などの方法により菌体を採取し、次いで、この菌体を超音波破砕法、フレンチプレス法などにより破砕し、および/または、界面活性剤等を添加して可溶化することにより、細胞内に蓄積生産されたペプチドを回収することができる。
本発明に係るペプチドの精製はアフィニティークロマトグラフィー、陽イオンまたは陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等を単独でまたは適宜組み合わせることによって行うことができる。得られた精製物質が目的のタンパク質であることの確認は、通常の方法、例えばSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、N末端アミノ酸配列分析、ウエスタンブロッティング等により行うことができる。
本願は、2014年8月28日に出願された日本国特許出願第2014−174073号に基づく優先権の利益を主張するものである。2014年8月28日に出願された日本国特許出願第2014−174073号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1: IgG結合性ペプチドの調製
(1) SpG変異体の発現プラスミド調製
本発明に係るアミノ酸配列(配列番号2)から逆翻訳を行い、当該ペプチドをコードする塩基配列(配列番号3)を設計した。次に、発現プラスミドの作製方法を図1に示す。コードDNAは、同じ制限酵素サイトを有する2種の二本鎖DNA(f1とf2)を連結する形で調製し、発現ベクターのマルチクローニングサイトに組み込む。実際には、2種の二本鎖DNAと発現ベクターの計3種の二本鎖DNAを連結する3断片ライゲーションによって、コードDNA調製とベクター組込みを同時に実施した。2種の二本鎖DNAの調製方法は、互いに30塩基程度の相補領域を含む2種の一本鎖オリゴDNA(f1−1/f1−2またはf2−1/f2−2)を、オーバーラップPCRによって伸長し、目的の二本鎖DNAを調製した。具体的な実験操作については、次の通りとなる。一本鎖オリゴDNAf1−1(配列番号4)/f1−2(配列番号5)を外注によって合成し(シグマジェノシス社)、ポリメラーゼとしてBlend Taq(TOYOBO社)を用い、オーバーラップPCR反応を行った。PCR反応生成物をアガロース電気泳動にかけ、目的のバンドを切り出すことで抽出した二本鎖DNAを、制限酵素BamHIとEco52I(いずれもタカラバイオ社)により切断した。同様に、一本鎖オリゴDNAf2−1(配列番号6)/f2−2(配列番号7)を外注によって合成し、オーバーラップPCR反応を経て、合成・抽出した二本鎖DNAを、制限酵素Eco52IとEcoRI(いずれもタカラバイオ社)により切断した。次に、プラスミドベクターpGEX−6P−1(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)のマルチクローニングサイト中のBamHI/EcoRIサイトに上記2種の二本鎖DNAをサブクローニングした。サブクローニングにおけるライゲーション反応は、Ligation high(TOYOBO社)を用いて、製品に添付のプロトコルに準ずる形で実施した。
上記プラスミドベクターpGEX−6P−1を用いて、コンピテント細胞(タカラバイオ社,「大腸菌HB101」)の形質転換を、当該コンピテント細胞製品に付属のプロトコルに従って行った。上記プラスミドベクターpGEX−6P−1を用いれば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(以下、「GST」と略記する)が融合したペプチドを産生することができる。次いで、プラスミド精製キット(プロメガ社製,「Wizard Plus SVMinipreps DNA Purification System」)を用い、キット付属の標準プロトコルに従ってプラスミドDNAを増幅し、抽出した。発現プラスミドのコードDNAの塩基配列確認は、DNAシークエンサー(Applied Biosystems社製,「3130xl Genetic Analyzer」)を用いて行った。遺伝子解析キット(Applied Biosystems社製,「BigDye Terminator v.1.1 Cycle Sequencing Kit」)と、プラスミドベクターpGEX−6P−1のシークエンシング用DNAプライマー(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)を用いて、添付のプロトコルに従いシークエンシングPCR反応を行った。そのシークエンシング産物を、プラスミド精製キット(Applied Biosystems社製,「BigDye XTerminator Purification Kit」)を用いて、添付のプロトコルに従い精製し、塩基配列解析に用いた。
(2) ペプチドの調製
上記(1)で得られた、ペプチド(配列番号2)を発現するプラスミドを導入した形質転換細胞を、アンピシリン含有2×YT培地にて37℃で終夜培養した。これらの培養液を100倍量程度のアンピシリン含有2×YT培地に接種し、37℃で約2時間培養した後で、終濃度0.1mMになるようIPTG(イソプロピル1−チオ−β−D−ガラクシド)を添加し、さらに37℃にて18時間培養した。
培養終了後、遠心にて集菌し、PBS緩衝液5mLに再懸濁した。超音波破砕にて細胞を破砕し、遠心分離して上清画分(無細胞抽出液)と不溶性画分に分画した。pGEX−6P−1ベクターのマルチクローニングサイトに目的の遺伝子を導入すると、GSTがN末端に付与した融合ペプチドとして発現される。それぞれの画分をSDS電気泳動により分析したところ、無細胞抽出液のレーンの分子量約25,000以上の位置にIPTGにより誘導されたと考えられるペプチドのバンドを確認した。
GST融合ペプチドを含む無細胞抽出液から、GSTに対して親和性のあるGSTrap FFカラム(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)を用いたアフィニティークロマトグラフィーにて、GST融合ペプチドを粗精製した。具体的には、無細胞抽出液をGSTrap FFカラムに添加し、標準緩衝液(20mM NaH2PO4−Na2HPO4,150mM NaCl,pH7.4)にてカラムを洗浄し、続いて溶出用緩衝液(50mM Tris−HCl,20mMグルタチオン,pH8.0)にて目的のGST融合ペプチドを溶出した。
pGEX−6P−1ベクターのマルチクローニングサイトに遺伝子を導入すると、配列特異的プロテアーゼPreScission Protease(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)でGSTを切断することが可能なアミノ酸配列が、GSTと目的タンパク質の間に導入される。PreScission Proteaseを用いて、添付プロトコルに従いGST切断反応を行った。このようにGSTを切断した形でアッセイに利用したサンプルから、Superdex 75 10/300 GLカラム(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーにて、目的のペプチドの精製を行った。標準緩衝液にて平衡化したSuperdex 75 10/300 GLカラムに反応溶液を添加し、目的のタンパク質を、切断したGSTやPreScission Proteaseから分離精製した。なお、以上のカラムを用いたクロマトグラフィーによるペプチド精製は、全てAKTAprime plusシステム(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)を利用して実施した。また、本実施例で得られるGST切断後のペプチドに関して、N末端側にベクターpGEX−6P−1由来のGly−Pro−Leu−Gly−SerがN末端側に付加された配列となる。
実施例2: ペプチドのIgG−Fc/Fabへの親和性評価
(1) IgG由来Fc/Fabフラグメントの調製
ヒト化モノクローナルIgG製剤を原料として、これをパパインによりFabフラグメントとFcフラグメントに断片化し、Fabフラグメントのみを分離精製することで調製した。ここでは、抗RSVモノクローナル抗体(RSVとはRSウイルスの略、一般名「パリビズマブ」)由来のIgG−Fc/IgG−Fabの調製方法を示す。なお、明細書中において、他のIgG−FcやIgG−Fabを評価に用いている場合においても、基本的には同様の方法で調製している。
具体的には、ヒト化モノクローナルIgG製剤(抗RSウイルスモノクローナル抗体の場合には、中外製薬社製の「シナジス」)を、パパイン消化用緩衝液(0.1M AcOH−AcONa,2mM EDTA,1mMシステイン,pH5.5)に溶解し、Papain Agarose from papaya latexパパイン固定化アガロース(SIGMA社)を添加し、ローテーターで混和させながら、37℃で約8時間インキュベートした。IgG−Fcに関しては、パパイン固定化アガロースから分離した反応溶液(FabフラグメントとFcフラグメントが混在)から、KappaSelectカラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社)を利用したアフィニティークロマトグラフィーにより、素通り画分でIgG−Fcを回収することで分離精製した。IgG−Fabに関しては、KanCapAカラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社)を利用したアフィニティークロマトグラフィーにより、素通り画分でIgG−Fabを回収することで分離精製した。分取した粗IgG−Fc溶液を、Superdex 75 10/300 GLカラム(平衡化および分離には標準緩衝液を使用)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーにて精製し、IgG−Fc溶液を得た。分取した粗IgG−Fab溶液も、同様の手法にて精製した。なお、実施例1と同様に、クロマトグラフィーによるタンパク質精製は、AKTAprime plusシステムを利用して実施した。
(2) ペプチドのIgG−FcおよびIgG−Fabに対する親和性の解析
表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサーBiacore3000(GEヘルスケア・バイオサイエンス社)を用いて、実施例1(2)で取得したペプチドの抗RSVモノクローナル抗体のFc領域とFab領域との親和性を解析した。本実施例では、実施例2(1)で取得したIgG−FcまたはIgG−Fabをセンサーチップに固定化し、ペプチドをチップ上に流して、両者の相互作用を検出した。IgG−FabまたはIgG−FcのセンサーチップCM5への固定化は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)とN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を用いたアミンカップリング法にて行い、ブロッキングにはエタノールアミンを用いた(センサーチップや固定化用試薬は、全てGEヘルスケアバイオサイエンス社製)。IgG−Fab溶液は、固定化用緩衝液(10mM AcOH−AcONa,pH4.5)を用いて10倍程度に希釈し、Biacore 3000付属のプロトコルに従い、センサーチップへ固定した。また、チップ上の別のフローセルに対して、EDC/NHSにより活性化した後にエタノールアミンのみを固定化する処理を行うことで、ネガティブ・コントロールとなるリファレンスセルも用意した。ペプチドは、ランニング緩衝液(20mM NaH2PO4−Na2HPO4,150mM NaCl,0.005% P−20,pH7.4)を用いて、16nM、64nM、256nMに濃度を調整した各々のペプチド溶液を、流速40μL/minで1分間センサーチップに添加した。測定温度25℃にて、添加時(結合相、1分)、および、添加終了後(解離相、1分)の結合反応曲線を順次観測した。各々の観測終了後に、約20mM NaOHを添加して洗浄した。得られた結合反応曲線(リファレンスセルの結合反応曲線を差し引いた結合反応曲線)に対して、システム付属ソフトBIA evaluationを用いた1:1の結合モデルによるフィッティング解析を行い、ヒトIgG−FcおよびIgG−Fabに対する親和定数(KA=kon/koff)を算出した。解析結果を表1に示す。
表1に示した結果の通り、本発明で得られたペプチドは、Fc断片およびFab断片に対する各々の結合力が、結合定数(KA)にしてKA=106[1/M]以上であることを確認した。抗RSVモノクローナル抗体から調製したIgG−FcおよびIgG−Fabを用いた評価からは、Fabへの結合力の方が若干高いこと(結合定数にして10倍も変わらないこと)が確認できた。既存のプロテインAやプロテインG、およびそれらを含むハイブリッド型タンパク質では、Fcへの結合の方がFabへの結合よりも強いため(非特許文献2)、逆の特徴を示しつつ、両方の領域へ十分な結合力を示す本発明のペプチドは、従来に無い特徴を示すペプチドであると言える。
(3) 様々なIgG−Fabに対する親和性の確認
本発明で得られたペプチド(配列番号2)の、抗EGFRモノクローナル抗体(ブリストル・マイヤーズスクイブ社販売の「アービタックス」)および抗TNFαモノクローナル抗体(田辺三菱社販売の「レミケード」)から調製したIgG−Fabに対する親和性についても確認を実施した。IgG−Fabの調製方法は(1)と同様であり、親和性の評価も基本的には(2)と同様である。但し、ペプチド溶液の濃度は、25nM、100nM、400nMとした。解析結果を表2に示す。
表2に示した通り、他のIgG−Fabに対しても、同オーダーの結合定数で結合することを確認した。このように、Fabに対する結合は、抗原結合部位とは異なる部位で同じ様式で結合していると考えられる。また、上記2つの抗体はキメラ抗体であり、プロテインLが結合しにくいと言われるマウスのVLκのサブファミリーV由来のIgG−Fabを有する。この結果は、本発明で得られたペプチドの汎用性が高いことを示すデータであると捉えることも可能である。
実施例3: IgG結合性ペプチドの調製と評価
本発明によって得られる、配列番号2とは異なる配列からなるペプチドに関しても、個々のペプチドを調製し、その結合性能に関して評価した。本実施例に用いたIgG結合性ペプチドの配列、コードDNA配列および発現プラスミドを以下の表に示した。
各々のペプチドの調製に関しては、発現プラスミドの調製に用いた一本鎖オリゴDNAを表3に示した組合せとした以外は、実施例1の記載と同様の方法にて調製した。得られたペプチドが、IgG−Fab/Fcに対し、概ね同様の結合性能を示すことを確認した。代表的なデータとして、抗TNFαモノクローナル抗体IgG−Fabに対する親和性を実施例2に記載の方法で評価し、各々の結合パラメータに関し、一緒に再測定した配列番号2のペプチドのパラメータとの比較という形で図2にグラフで示した。例えば、左のグラフの数値は、各々のペプチドの親和定数(KA)を配列番号2の親和定数で割った値を対数(Log10)で示している。この値が0であると同じ数値であり、10倍大きいと1、1/10であると−1となる。同様に、結合速度定数(kon)および解離速度定数(koff)に関しても示した。なお、解離速度定数は小さい方が結合にプラスに作用するので、軸を反転させている。結果として、各々のペプチドのグラフの絶対値は、大きくても0.3程度となった。すなわち、各々のペプチドの結合パラメータは、配列番号2のペプチドに対応する結合パラメータに対し、0.5倍〜2倍程度の範囲に収まっている。この結果は、これらのIgG結合性ぺプチドも、IgGに対して優れた結合性を示すペプチドであることを示す結果と言える。
比較例1: プロテインGのβ1ドメインの配列からなるIgG結合性ペプチドの調製
実施例1と同様の手法にて、プロテインGのβ1ドメインのアミノ酸配列(配列番号32)から逆翻訳を行い、当該ペプチドをコードする塩基配列(配列番号33)を設計した。この際、実験上の都合で、第1位はThrとしている。発現プラスミドの調製に用いた一本鎖オリゴDNAが、f1−1(配列番号34)、f1−2(配列番号35)およびf2−1(配列番号36)である以外は、実施例1と同じ方法にて調製した。このペプチドを下記実施例4の比較対照サンプルとして用いた。
実施例4: 濃度定量用ペプチドとしてのポテンシャル評価
実施例2(2)と同様に、抗TNFαモノクローナル抗体のIgG−Fc/Fabを固定化量が約10000RUとなるように別々のレーンに固定化したセンサーチップを作製した。そのセンサーチップを用いて、実施例2(2)と同様に、濃度25,50,100,200nMに調製した配列番号14で示されるIgG結合性ぺプチドを10μL/minで流した際の、添加1分後の結合レスポンス(レゾナンスユニット値)を観測する実験を行った。結合レスポンスを縦軸に、ペプチド濃度を横軸にとったプロットを図3に示した。結合相手がIgG−Fcの場合を図3(1)に、IgG−Fabの場合を図3(2)に示す。また、比較例1で調整した公知の野生型プロテインGのβ1ドメインと同じ配列のペプチド(配列番号32)を用いた場合のデータも示した。
図3に示した通り、ペプチド濃度と結合レスポンスの間には線形相関が見られた。一次の近似曲線の近似式も併せて図3に示した。また、配列番号14のペプチドの近似曲線の傾きは、IgG−FcおよびIgG−Fabの場合のどちらでも0.5程度(0.4〜0.6)であった。一方、比較例のペプチドは、IgG−Fcの場合は0.9程度に対し、Fabの場合は0.1程度であった。本発明のペプチドは、Fcに対する結合力とFabに対する結合力の差が同程度であるため、同じような傾きになったと言える。標的分子への結合量を指標とした生化学的アッセイでは、濃度既知のサンプルを用いて図3のような検量線を作成し、濃度未知のサンプルの結合量を測定し、当該検量線から濃度未知のサンプルの濃度を推定する。本発明で得られたペプチドは、免疫アッセイ等で広く有用なIgG−FcおよびIgG−Fabの両方に結合するだけでなく、このように両方に対し同程度の結合力を示すため、検量線の傾きも同程度となる。これは、定量する相手分子がIgG−Fcの場合とIgG−Fabの場合で、同じようなシグナルが得られるため、別々に定量系をカスタマイズする必要が省けるというメリットをもたらすと言える。

Claims (12)

  1. 下記アミノ酸配列(配列番号1)、または、下記アミノ酸配列と9%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を有することを特徴とする免疫グロブリンG結合性ペプチド。
    Xaa1−Xaa2−Tyr−Lys−Leu−Xaa6−Xaa7−Asn−Gly−Xaa10−Thr−Leu−Thr−Gly−Tyr−Thr−Thr−Ala−Ile−Ala−Xaa21−Asp−Ala−Xaa24−Thr−Ala−Glu−Xaa28−Xaa29−Leu−Xaa31−Gln−Phe−Ala−Asn−Asp−Asn−Gly−Xaa39−Xaa40−Gly−Xaa42−Trp−Thr−Tyr−Asp−Xaa47−Ala−Thr−Lys−Thr−Phe−Thr−Val−Thr−Xaa56(配列番号1)
    Xaa1=Ala、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、ThrまたはVal
    Xaa2=Thr
    Xaa6=Ile
    Xaa7=Leu
    Xaa10=Lys
    Xaa21=AspまたはAla
    Xaa24=Ala
    Xaa28=LysまたはIle
    Xaa29=Val
    Xaa31=Lys
    Xaa39=ValまたはIle
    Xaa40=Asp
    Xaa42=Glu
    Xaa47=AspまたはAla
    Xaa56=Ala、Asp、Glu、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、ThrまたはVal
  2. Fab断片に対する結合定数KAが1×106/M以上である請求項1に記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
  3. Fc断片に対する結合定数KAが1×106/M以上である請求項1または2に記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
  4. 1個以上、10個以下のアミノ酸がN末端および/またはC末端に付加されている請求項1〜3のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
  5. N末端のXaa1および/またはC末端のXaa56が欠失されている請求項1〜3のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチドが2個以上、10個以下連結されているものであることを特徴とする免疫グロブリンG結合性ペプチド多量体。
  7. 2個以上、10個以下の免疫グロブリンG結合性ペプチドが1残基以上、20残基以下のアミノ酸残基で又は直接互いに連結されている請求項6に記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド多量体。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド、または請求項6または7に記載の免疫グロブリンG結合性ペプチド多量体、および水不溶性担体を含み、
    免疫グロブリンG結合性ペプチドまたは免疫グロブリンG結合性ペプチド多量体が水不溶性担体にリガンドとして固定化されているものであることを特徴とするアフィニティー分離マトリックス。
  9. 免疫グロブリンGまたはその断片を精製するための方法であって、
    免疫グロブリンGまたはその断片を含有する緩衝液を、請求項8に記載のアフィニティー分離マトリックスを充填したアフィニティーカラムに通過させ、免疫グロブリンGまたはその断片を吸着させる工程、
    カラム内部を洗浄する工程、および、
    酸性緩衝液をカラムに通液し、免疫グロブリンGまたはその断片を溶出する工程を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載のペプチドをコードすることを特徴とするDNA。
  11. 請求項10に記載のDNAを含むことを特徴とするベクター。
  12. 請求項11に記載のベクターにより形質転換されたものであることを特徴とする形質転換体。
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