JP6122000B2 - 電線処理装置および電線処理装置の電線状態検出方法 - Google Patents
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Description
図1は、電線処理装置100の構成例を示す図である。電線処理装置100は、図1に示すように、電線保持器102と、刃104と、刃駆動機構105と、刃位置検出器106と、高周波信号発生器108(高周波電源240)と、信号検出器110と、第1電線状態検出器112と、第1区域設定部114と、被覆電線駆動機構116F、116Rと、相対位置検出器118F、118Rと、第2電線状態検出器120F、120Rと、第2区域設定部122を備えている。ここで、信号検出器110と高周波電源240とは、傷検出回路200として電気的演算処理システムに組み込まれ得る。
ここで、電線保持器102は、図1に示すように、被覆電線150を保持する装置である。図2は被覆電線150を示す図である。被覆電線150は、図2に示すように、芯線152と、芯線152を被覆した絶縁体154とを備えている。この実施形態では、被覆電線150を搬送する機構として、F側ノズル201、R側把持部202、電線送り機構204、伸線機206を備えている。このうち、F側ノズル201は、F側の電線保持器102として機能する。R側把持部202は、R側の電線保持器102として機能する。
刃104は、電線保持器102に保持された被覆電線150に対して進退移動可能に配置されている。この実施形態では、切断刃221と、F側とR側のストリップ刃222、223(皮剥刃)の三つの刃が設けられている。切断刃221は、被覆電線150を挟み切る刃である。F側とR側のストリップ刃222、223は、それぞれ被覆電線150の絶縁体154(図2参照)に切り込みを入れ、かつ、絶縁体154を剥ぎ取る刃である。切断刃221とストリップ刃222、223は、それぞれ真ん中が窪んだ刃形状を有した一対の刃で構成されている。
刃駆動機構105は、刃104を移動させる機構である。この実施形態では、切断刃221と、F側とR側のストリップ刃222、223の三つの刃は、一つの刃駆動機構105に取り付けられており、同時に駆動する。刃駆動機構105は、刃取付部231、232と、駆動機構233と、アクチュエータ234とを備えている。
刃位置検出器106は、刃駆動機構105によって移動する一対の刃の位置を検出する装置である。この実施形態では、アクチュエータ234(サーボモータ)に取り付けられたエンコーダ235で構成されている。これにより、刃駆動機構105によって移動する上側の刃221a、222a、223a、下側の刃221b、222b、223bの具体的な位置が把握され得る。
高周波信号発生器108は、芯線152に高周波信号を生じさせる装置である。この実施形態では、高周波信号発生器108は高周波電源240と、各刃221、222、223とによって構成されている。
高周波電源240は、刃104に電気的に接続されており、各刃221、222、223に高周波電圧を印加する。ここでは、高周波電源240には、高周波定電圧電源が用いられている。ここで、「定電圧電源」は、負荷の変動に左右されず、出力電圧を一定の設定値に保つように設定された電源である。この実施形態では、各刃221、222、223は、刃取付部231、232を通じて高周波電源240に電気的に接続されている。各刃221、222、223には、高周波電源240から共通の高周波電圧が印加されている。また、各刃221、222、223は、高周波電源240を除く他の機器から絶縁されている。
この実施形態では、芯線152に生じた高周波信号(電気信号)を検出するための電極242、244が設けられている。電極242、244は、絶縁体154(図2参照)を介して芯線152に近接した状態で配置されている。このため、電極242、244と、芯線152との間で静電結合が生じ、芯線152に生じた高周波信号に応じた電気信号が、電極242、244に生じる。この実施形態では、送られてくる被覆電線150を把持する伸線機206がF側の電極242になっている。また、切断された被覆電線150を把持するR側把持部202がR側の電極244になっている。かかるF側の電極242およびR側の電極244は、高周波信号(電気信号)を検出する装置を除く他の機器から絶縁されている。
信号検出器110は、電気信号(高周波信号)を検出する装置である。ここでは、信号検出器110は、電極242、244で生じた(受信した)電気信号(高周波信号)に起因する信号波形W0を検出する。この実施形態では、信号検出器110には、ハンドパスフィルタや増幅回路などで構成された信号変換装置248F、248Rを通して信号波形W0(図4参照)が入力されている。信号検出器110は、演算装置や記憶装置を備えた演算処理装置(コンピュータ)によって構成されている。後述する第1電線状態検出器112、第1区域設定部114、第2電線状態検出器120F、120R、第2区域設定部122は、信号検出器110に組み込まれたソフトウェアによって具現化されている。
第1電線状態検出器112は、刃位置検出器106によって検出された刃104(各刃221、222、223)の位置と、信号検出器110によって検出された高周波信号とに基づいて、被覆電線150の状態を検出することができる。
第1区域設定部114は、刃104が移動する移動領域に対して異常判定区域(第1異常判定区域)を設定する設定部である。ここで、刃104の位置は、刃位置検出器106で検出される。この実施形態では、第1区域設定部114は、刃104の移動領域について、刃位置検出器106によって検出され得る領域に対して、作業者が任意に複数の区域を設定できるように構成されている。異常判定区域(第1異常判定区域)は、当該複数の区域から、作業者が任意に選択(換言するならば指定)できるように構成されている。
被覆電線駆動機構116F、116Rは、電線保持器102に保持された被覆電線150が刃104から離れるように、被覆電線150と刃104とを被覆電線150の長手方向に沿って相対的に移動させる機構である。この実施形態では、F側の被覆電線駆動機構116Fは、電線保持器102としてのF側ノズル201と、F側ノズル201の位置を被覆電線150の延伸方向に沿って移動させる移動機構252F(例えば、ボール螺子機構)と、F側ノズル201を駆動させるアクチュエータ254Fとで構成されている。R側の被覆電線駆動機構116Rは、電線保持器102としてのR側把持部202と、R側把持部202の位置を、切断された被覆電線150の延伸方向に沿って移動させる移動機構252R(例えば、ボール螺子機構)と、R側把持部202を駆動させるアクチュエータ254Rとで構成されている。
相対位置検出器118F、118Rは、被覆電線駆動機構116F、116Rによって移動する、被覆電線150と刃104との被覆電線150の長手方向に沿った相対的な位置(距離)を検出する装置である。この実施形態では、相対位置検出器118F、118Rは、アクチュエータ254F、254R(サーボモータ)にそれぞれ取り付けられたエンコーダ256F、256Rで構成されている。
第2電線状態検出器120F、120Rは、被覆電線150と刃104との相対的な位置と、信号検出器110によって検出された高周波信号とに基づいて、被覆電線150の状態を検出する検出装置である。被覆電線150と刃104との相対的な位置(距離)は、被覆電線駆動機構116F、116Rによって制御される。
第2区域設定部122は、被覆電線150と刃104との相対移動領域に対して第2異常判定区域を設定する設定部である。被覆電線150と刃104との相対的な位置は、相対位置検出器118F、118Rによって検出される。この実施形態では、第2区域設定部122は、被覆電線150と刃104との相対的な位置について、相対位置検出器118F、118Rによって検出され得る領域に対して、作業者が任意に複数の区域を設定できる。第2異常判定区域は、当該複数の区域から、作業者が任意に選択(換言するならば指定)する。
図3は、この電線処理装置100の芯線152に生じた高周波信号を検出する回路図(等価回路図)を示している。この実施形態では、高周波電源240は、刃104(各刃221、222、223)に定電圧に制御された高周波電圧を印加している。図3に示す回路図において、容量C1は、刃104と、電極242との間の空間容量を示している。容量C2は、芯線152と電極242との容量を示している。スイッチS1は、被覆電線150の絶縁体154に対する、刃104の動作を表現している。すなわち、スイッチS1が開いている状態は、刃104と芯線152との間に絶縁体154が介在しており、刃104と芯線152とが接触していないことを示している。また、スイッチS1が閉じている状態は、刃104と芯線152とが接触していることを示している。図3中、「G」で示す部位は、機械グランド(基準電位)に電気的に接続された部位を示している。
各刃221、222、223と芯線152との接触を検出するため、電極242、244で検出される高周波信号をさらに、フィルタリングおよび増幅後の信号波形W0の電圧レベルに対して所定の閾値t1、t2(図4参照)を設定してもよい。例えば、この実施形態では、高周波電源240には、出力周波数が100kHzで、出力電圧が−5V〜+5Vの高周波電源が用いられている。信号波形W0のピーク(電圧のピーク)は、各刃221、222、223と芯線152とが接触したか否かによって変動する。この場合には、当該ピークの電圧レベルの間に、閾値t1、t2を設定するとよい。例えば、各刃221、222、223と芯線152との接触した場合の電圧レベル(ピークの電圧)が、凡そ±5Vで、各刃221、222、223と芯線152とが接触していない場合の電圧レベルが、±3Vよりも十分に小さい場合、例えば、−3V、+3Vの電圧レベルに閾値t1、t2を設定するとよい。
刃位置検出器106は、刃駆動機構105によって移動する一対の刃の位置を検出することができる。例えば、切断処理や切込処理においては、刃位置検出器106によって、各刃221、222、223と芯線152とが接触したタイミングにおける、各刃221、222、223の位置(状態、開閉量)を検出できる。また、この電線処理装置100は、相対位置検出器118F、118Rによって、被覆電線150と刃104との被覆電線150の長手方向に沿った相対的な位置(距離)が検出される。このため、皮剥処理において、各刃221、222、223と芯線152とが接触したタイミングにおける、被覆電線150と刃104との被覆電線150の長手方向に沿った相対的な位置(距離)を検出できる。
以下、かかる電線処理装置100による、被覆電線150の切断処理における被覆電線150の状態判定(不良判定)を説明する。
図4は、刃位置検出器106に検出された刃104(各刃221、222、223)の位置(状態、開閉量)と、信号検出器110によって検出された高周波信号との関係について、一例を示している。図4では、時間軸(横軸)の上に、刃位置検出器106に検出された刃104(各刃221、222、223)の位置(状態、開閉量)を示し、その上に、同じタイミングで信号検出器110に入力された高周波信号(信号波形W0)を示している。
かかる切断処理において、例えば、刃104(ここでは、切断刃221)が移動する移動領域に対して、「接触」を判定する複数の区域を予め設定してもよい。例えば、切断処理では、中央が窪んだ一対の切断刃221a、221bが用いられる。この場合、図4に示すように、一対の切断刃221a、221bが開いた状態から、中央が窪んだ一対の切断刃221a、221bの対向距離(中央が窪んだ一対の切断刃221で形成される空間の内接円の直径)が、被覆電線150の外径に相当する距離になるまでの、一対の切断刃221a、221bの移動領域を「A」とし、当該位置(被覆電線150の外径に相当する対向距離)から一対の切断刃221a、221bが完全に閉じるまでの移動領域を「B」とする。このような区域の設定は、上述した第1区域設定部114によって、作業者が任意に設定できる。この場合、例えば、作業者は、切断刃221が閉じる前半の移動領域「A」を、第1異常判定区域として選択するとよい。
この電線処理装置100は、刃位置検出器106によって検出された切断刃221の位置(状態、開閉量)と、信号検出器110によって検出された高周波信号(信号波形W0)とに基づいて、切断処理における被覆電線150の状態を検出することができる。図5は、刃位置検出器106に検出された切断刃221の位置(状態、開閉量)と、信号検出器110によって検出された高周波信号(信号波形W0)との関係を示している。図5では、一対の切断刃221a、221bが離れている状態(切断刃221が十分に閉じていない状態)において、電極242の電圧レベルが高くなっている。このため、例えば、図6に示すように、中央が窪んだ切断刃221に対して、被覆電線150が刃の中央からずれた状態で切断された可能性がある。
図7は、さらに切断処理における、刃位置検出器106に検出された切断刃221の位置(状態、開閉量)と、信号検出器110によって検出された高周波信号(信号波形W0)との関係を示している。図7では、切断刃221が全ての位置(切断刃221が開いている状態から閉じ、再度開くまで)において、電極242の電圧レベルが凡そ変化せず高くなっていない。適切な切断処理では、少なくとも1回は接触が検出されるが、図7の検出例では、芯線152と切断刃221との接触が一度も検出されていない。このため、例えば、図8に示すように、被覆電線150が切断刃221の切断領域からずれて配置され、この状態で切断動作が生じた可能性や、信号検出器110や芯線傷センサの故障の可能性などが考慮されうる。図7に示すような波形が検出された場合には、電線処理装置100が停止するように、電線処理装置100を構成してもよい。電線処理装置100を停止することによって、作業者は図7に示すような波形が検出された原因を調査することができる。
次に、ストリップ処理における検出例を説明する。ここでは、F側のストリップ処理を例に挙げて説明するが、R側のストリップ処理も同様である。
図9は、上述した切込処理(ストリップ処理中の切込処理)でのストリップ刃222(図1参照)の位置(状態、開閉量)と、信号検出器110によって検出される検出波形(高周波信号(信号波形W0))を示している。図10は、ストリップ処理における上述した皮剥処理での、被覆電線150とストリップ刃222との相対位置と、信号検出器110によって検出される検出波形を示している。図9と図10は、それぞれ適切なストリップ処理が行なわれた場合の検出波形のパターンを例示している。
切込処理では、ストリップ刃222が閉じて、被覆電線150の絶縁体154に切り込む。この実施形態では、ストリップ刃222は、刃の中央部が窪んでいる。切込処理において、ストリップ刃222は、図9に示すように、一度深く閉じる。この際、ストリップ刃222は、刃の中央部が窪んだ部位によって、芯線152(図2参照)を残し、絶縁体154に切り込む。次に、ストリップ刃222は少し開く。これにより、ストリップ刃222は、絶縁体154に切り込まれた状態において、ストリップ刃222と芯線152との距離が開く。これにより、ストリップ刃222が被覆電線150の延伸方向に沿って移動する皮剥動作において、ストリップ刃222によって芯線152が傷つくのを防止している。
皮剥処理は、ストリップ刃222を絶縁体154に切り込ませた状態で、ストリップ刃222と被覆電線150とを被覆電線150の長手方向に沿って相対的に移動させ、被覆電線150のF側の端部150Fから絶縁体154を剥ぐ処理である。ストリップ刃222は、絶縁体154に切り込まれた状態において、ストリップ刃222と芯線152との距離が少し開いている。最も理想的な状態で適切に皮剥処理が行なわれた場合には、ストリップ刃222は、芯線152には全く接触しない。このため、図10に示すように、ストリップ刃222と被覆電線150とを被覆電線150の長手方向に沿って相対的に移動させる動作において、検出波形が大きくならない。
図11は、切込処理が行なわれた場合の検出波形のパターンを例示している。図11に示す例では、ストリップ刃222が閉じる前半の移動領域「C」では、検出波形が大きくなっていないが、後半の移動領域「D」では、検出波形が大きくなっている。これは、切込処理の最後で、ストリップ刃222が芯線152に接触したためと考えられる。このような場合には、図12に示すように、被覆電線150には、切込処理が行なわれた部位において芯線152に僅かな傷156が生じた可能性がある。この場合、用途によっては、芯線152のいかなる傷であっても不良とされる場合がある。しかしながら、芯線152の僅かな傷が許容されるような用途もある。したがって、検出波形が大きくなった時間(ストリップ刃222が芯線152に接触した時間)や、その後の皮剥処理での「接触」の有無などをさらに勘案して、被覆電線150の良否判定を行なってもよい。これにより、被覆電線150の用途に応じて適切に切込処理の良否が判定されるように判定処理を構築することができる。
図13は、切込処理が行なわれた場合の検出波形のパターンを例示している。図13に示す例では、ストリップ刃222が閉じる前半の移動領域「C」の途中から検出波形が大きくなっており、後半の移動領域「D」でも検出波形が大きくなっている。このため、切込処理の最初の段階で、ストリップ刃222が芯線152に接触し、その後、切込処理の間、「接触」が継続したと考えられる。この場合、図14に示すように、被覆電線150には、芯線152に深く傷が生じたものと考えられる。例えば、芯線152が、複数の細線をより合わせたより線である場合には、図14に示すように、細線の数本が切断されている可能性がある。この場合、凡そ多くの用途において不良とされる。
図15は、皮剥処理が行なわれた場合の検出波形のパターンを例示している。図15に示す例では、皮剥処理の前半の相対移動領域「E」では検出波形が大きくなっておらず、皮剥処理の後半の相対移動領域「F」で検出波形が大きくなっている。つまり、ストリップ刃222と被覆電線150との距離が遠くなったところで、ストリップ刃222と芯線152とが「接触」した考えられる。このことから、図16に示すように、被覆電線150の端において芯線152が曲がっており、ここをストリップ刃222が通過する際にストリップ刃222と芯線152とが接触した可能性がある。また、図17に示すように、被覆電線150の端において、ストリップ刃222が通過する際にストリップ刃222と芯線152とが接触し、露出した芯線152の先端に傷が付いた可能性がある。
図18は、皮剥処理が行なわれた場合の検出波形のパターンを例示している。図18に示す例では、皮剥処理の前半の相対移動領域「E」では検出波形が大きくなっており、皮剥処理の後半の相対移動領域「F」では検出波形が大きくなっていない。つまり、ストリップ刃222と被覆電線150との距離が近いところで、ストリップ刃222と芯線152とが「接触」し、ストリップ刃222と被覆電線150とが離れると「非接触」になっている。このことから、図12に示すように、切込処理において、ストリップ刃222が芯線152に接触し、その後、ストリップ刃222と芯線152とが接触せずに、皮剥処理が行なわれた可能性がある。この場合、芯線152に生じた傷は、僅かである可能性が高く、用途によっては処理された被覆電線150は良品として許容されうる。この場合、さらに、ストリップ刃222と被覆電線150との相対移動領域について、区分を細かく設定しておき、ストリップ刃222と被覆電線150との相対移動領域のどの位置で「接触」があったかを細かく判定して、良否判定を行なってもよい。
図19は、皮剥処理が行なわれた場合の検出波形のパターンを例示している。図19に示す例では、皮剥処理の前半の相対移動領域「E」では検出波形が大きくなっており、その後の皮剥処理の後半の相対移動領域「F」でも継続して検出波形が大きくなっている。つまり、ストリップ刃222と被覆電線150との距離が近いところで、ストリップ刃222と芯線152とが「接触」し、その後、皮剥処理の間、ストリップ刃222と被覆電線150とが継続して「接触」した可能性を示している。このことから、図20に示すように、切込処理において、ストリップ刃222が芯線152に接触し、その後、芯線152中の細線152aを引き出しながら皮剥処理が行なわれた可能性または露出した芯線152が全長において傷がついた可能性がある。この場合、芯線152に生じた傷は大きいと考えられ、多くの用途において、処理された被覆電線150は不良と判定されるべき事象となる。
このように、この電線処理装置100(電線状態検出方法)は、上述したように刃位置検出処理と、高周波信号発生処理と、信号検出処理と、第1電線状態検出処理とを有している。
なお、この実施形態では、刃104に高周波電圧を印加し、電極242、244を別途被覆電線150(芯線152)に近接させている。図21は、他の実施形態に係る電線処理装置100Aを示している。図21に示す実施形態では、被覆電線150(芯線152)に近接した電極242、244に高周波電圧を印加して、F側とR側のストリップ刃222、223で受信している。この場合、受信側の構成は、F側の刃222と、R側の刃223とは絶縁しておくとよい。切断刃221は、F側の刃222とR側の刃223とを別系統にしてもよいし、F側の刃222とR側の刃223の何れか一方に電気的に接続されていてもよい。図示例では、切断刃221とF側のストリップ刃222は導通しているが、切断刃221とR側のストリップ刃223とは絶縁されている。
また、図23は、さらに他の実施形態に係る電線処理装置100Bを示している。この実施形態では、高周波電源として、定電流に制御された高周波定電流電源240Bが用いられている。図23に示す実施形態では、刃104に高周波電圧を印加する。また、この場合、高周波電圧が入力される刃104の構成では、F側の刃222と、R側の刃223とは絶縁しておくとよい。また、切断刃221は、F側の刃222とR側の刃223と別系統にしてもよいし、F側の刃222とR側の刃223の何れか一方に電気的に接続されていてもよい。図示例では、切断刃221とF側のストリップ刃222は導通しているが、切断刃221とR側のストリップ刃223とは絶縁されている。
図26は、さらに他の実施形態に係る電線処理装置100Cを示している。この実施形態では、高周波電源として、定電流に制御された高周波定電流電源240Bが用いられている。この点、図23に示された電線処理装置100Bと共通している。図26に示す実施形態では、絶縁体154を介して芯線152に近接するように電極242、244が設けられている。高周波定電流電源240Bは、かかる電極242、244に高周波電圧を印加する。この場合、高周波電圧が入力される刃104の構成では、F側の刃222と、R側の刃223とは必ずしも絶縁しておく必要はない。
図29と図30は、上述した切断処理とストリップ処理(切込処理および皮剥処理)の良否判定を含む、電線処理の処理フローについて一例を示している。この処理フローは、図29に示すように、S1:区域設定(切断)、S2:区域設定(切込)、S3:区域設定(皮剥)、S4:終了条件の設定、S5:切断処理、S6:切込処理、S7:皮剥処理、S8:良否判定処理、S9:終了条件判定、の各処理を有している。以下、各処理を説明する。
切断処理に対する区域設定(S1)では、切断処理に対する良否判定を行なうため、切断刃221が移動する移動領域に対して、異常を判定するための区域を設定する。例えば、切断処理においては、図4、図5および図7に示すような区域Aや区域Bを設定するとよい。なお、かかる区域設定は、図示例に限定されない。作業者は、処理対象となる被覆電線150の直径や芯線152の直径(図2参照)などの仕様、切断刃221の形状、および、処理速度などを考慮して、任意に複数の区域を設定することができる。なお、作業者は、切断刃221が移動する移動領域に対して、異常判定区域のみ(例えば、区域Aのみ)を設定してもよい。異常判定区域は、複数設けられていてもよい。また、電線処理装置100は、切断刃221が移動する移動領域に対して予め複数の領域を設定しておき、作業者が、当該複数の領域から異常判定区域を選択するように構成してもよい。
切込処理に対する区域設定(S2)では、切込処理に対する良否判定を行なうため、ストリップ刃222、223が移動する移動領域に対して、異常を判定するための区域を設定する。例えば、切込処理においては、図9、図11および図13に示すような区域Cや区域Dを設定するとよい。なお、かかる区域設定は、図示例に限定されない。作業者は、処理対象となる被覆電線150の直径や芯線152の直径(図2参照)などの仕様、ストリップ刃222、223の形状、および、処理速度などを考慮して、任意に複数の区域を設定することができる。なお、作業者は、ストリップ刃222、223が移動する移動領域に対して、異常判定区域のみ(例えば、区域Cのみ)を設定してもよい。異常判定区域は、複数設けられていてもよい。また、電線処理装置100は、ストリップ刃222、223が移動する移動領域に対して予め複数の領域を設定しておき、作業者が、当該複数の領域から異常判定区域を選択するように構成してもよい。
皮剥処理に対する区域設定(S3)では、皮剥処理に対する良否判定を行なうため、被覆電線150とストリップ刃222、223との相対移動領域に対して、異常を判定するための区域を設定する。例えば、皮剥処理においては、図10、図15、図18および図19に示すような区域Eや区域Fを設定するとよい。なお、かかる区域設定は、図示例に限定されない。作業者は、処理対象となる被覆電線150の直径や芯線152の直径(図2参照)などの仕様、ストリップ刃222、223の形状、および、処理速度などを考慮して、任意に複数の区域を設定することができる。なお、作業者は、被覆電線150とストリップ刃222、223との相対移動領域に対して、異常判定区域のみを設定してもよい。異常判定区域は、複数設けられていてもよい。また、電線処理装置100は、被覆電線150とストリップ刃222、223との相対移動領域に対して、予め複数の領域を設定しておき、作業者が、当該複数の領域から異常判定区域を選択するように構成してもよい。
また、この例では、電線処理について、終了条件が設定されている。終了条件は、被覆電線150について、例えば、処理本数に応じて終了する場合には、終了する処理本数を設定しておくとよい。終了条件は、作業者が所定の条件を任意に設定できるように構成されているとよい。なお、この例では、区域設定から終了条件の設定まで(S1〜S4)は、被覆電線150に対する連続した切断処理を開始する際の前処理となる。
次に、切断処理(S5)、切込処理(S6)、皮剥処理(S7)が順に実行される。すなわち、被覆電線150は、所定量送られて、切断処理(S5)が行なわれ、F側の端部150FとR側の端部150Rのストリップ処理(切込処理S6と皮剥処理S7)が行なわれる。
良否判定処理(S8)は、切断処理(S5)、切込処理(S6)、皮剥処理(S7)の一連の処理が施された被覆電線150の良否判定を行なう。例えば、図30に示すように、切断処理の良否判定(S21)、切込処理の良否判定(S22)、皮剥処理の良否判定(S23)を行なう。各良否判定(S21〜S23)が全て正常である場合「Y」には、処理された被覆電線150は「良品」として扱う。各良否判定(S21〜S23)で異常が検出された場合「N」には、処理された被覆電線150を「不良」として、例えば、処理電線を不良品トレイに移す処理(S24)や作業者への通知処理(例えば、警報灯の点灯や警報音の発信など)が行なわれる。
終了条件判定(S9)は、S4で設定された終了条件に合致するかを判定する。終了条件に合致した場合「Y」には、電線処理は終了する。終了条件に合致しない場合「N」には、上述した切断処理(S5)〜皮剥処理(S7)が連続して繰り返される。
102 電線保持器
104 刃
105 刃駆動機構
106 刃位置検出器
108 高周波信号発生器
110 信号検出器
112 第1電線状態検出器
114 第1区域設定部
116F、116R 被覆電線駆動機構
118F、118R 相対位置検出器
120F、120R 第2電線状態検出器
122 第2区域設定部
150 被覆電線
150F 被覆電線のF側の端部(先端)
150R 被覆電線のR側の端部(後端)
152 芯線
152a 芯線の細線
154 絶縁体
156 傷
201 F側ノズル
202 R側把持部
204 電線送り機構
206 伸線機
221 一対の切断刃
221a、221b 切断刃
222、223 一対のストリップ刃
222a、223a ストリップ刃
222b、223b ストリップ刃
231、232 刃取付部
233 駆動機構
234 アクチュエータ
235 エンコーダ(刃位置検出器)
240 定電圧電源(高周波電源)
240B 定電流電源(高周波電源)
242、244 電極
248F、248R 信号変換装置
252F、252R 移動機構
254F、254R アクチュエータ
256F、256R エンコーダ(相対位置検出器)
t1、t2 閾値
G 機械グランド
Claims (20)
- 芯線と、前記芯線を被覆した絶縁体とを備えた被覆電線を保持可能な電線保持器と、
前記電線保持器に保持された前記被覆電線に対して進退移動可能に配置された刃と、
前記刃を移動させる刃駆動機構と、
を備えた電線処理装置に関し、
前記絶縁体を介して前記芯線に高周波信号を生じさせる高周波信号発生処理と、
前記刃駆動機構によって移動する刃の位置を検出する刃位置検出処理と、
前記芯線に生じた高周波信号を検出する信号検出処理と、
前記刃位置検出処理によって検出された刃の位置と、前記信号検出処理によって検出された前記高周波信号とに基づいて、前記被覆電線の状態を検出する第1電線状態検出処理と
を含む、電線処理装置の電線状態検出方法。 - 前記信号検出処理によって検出された前記高周波信号の大きさに基づいて、前記被覆電線の芯線と前記刃との接触を検出する処理を含む、請求項1に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 前記刃が移動する移動領域に、第1異常判定区域が予め設定されている、請求項2に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 前記刃が移動する移動領域に複数の区域が設定されており、当該複数の区域から前記第1異常判定区域が選択される、請求項3に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 前記移動領域に設定された全ての区域において前記接触が検出されない場合に、当該電線処理を異常として判定する処理を含む、請求項4に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 前記接触が検出された際の前記刃の位置が、前記第1異常判定区域か否かを判定する処理を含む、請求項3から5までの何れか一項に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 前記第1異常判定区域において前記接触が検出された場合に、当該電線処理を異常として判定する処理を含む、請求項3から6までの何れか一項に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 前記刃は、中央部に窪みを有する刃形状を有し、当該窪みを対向させて配置された一対の刃で構成されており、
前記刃駆動機構は、前記一対の刃が閉じたり、開いたりするように、前記一対の刃を駆動させる機構であり、
前記第1異常判定区域は、前記一対の刃の中央部の間隔が、前記被覆電線の外径よりも大きい領域に設定されており、
当該第1異常判定区域において前記接触が検出された場合に、当該電線処理を異常として判定する処理を含む、請求項3から7までの何れか一項に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。 - 前記電線処理装置は、
前記電線保持器に保持された前記被覆電線が前記刃から離れるように、当該被覆電線と前記刃とを当該被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動させる被覆電線駆動機構を備えており、
前記電線保持器に保持された前記被覆電線の前記絶縁体に、前記刃を食い込ませた状態で、当該被覆電線と前記刃とを当該被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動させて、前記絶縁体を剥ぐストリップ処理を実行でき、
前記電線状態検出方法は、
当該ストリップ処理において、前記被覆電線駆動機構によって移動する、前記被覆電線と前記刃との相対的な位置と、前記信号検出処理によって検出された前記高周波信号とに基づいて、前記被覆電線の状態を検出する第2電線状態検出処理を含む、請求項1から8までの何れか一項に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。 - 前記被覆電線と前記刃との相対移動領域に対して、第2異常判定区域が設定されている、請求項9に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 前記被覆電線と前記刃との相対移動領域に、複数の区域が設定されており、当該複数の区域から前記第2異常判定区域が選択される、請求項10に記載された、電線処理装置の電線状態検出方法。
- 芯線と、前記芯線を被覆した絶縁体とを備えた被覆電線を保持可能な電線保持器と、
前記電線保持器に保持された前記被覆電線に対して進退移動可能に配置された刃と、
前記刃を移動させる刃駆動機構と、
前記絶縁体を介して前記芯線に高周波信号を生じさせる高周波信号発生器と、
前記刃駆動機構によって移動する刃の位置を検出する刃位置検出器と、
前記芯線に生じた高周波信号を検出する信号検出器と、
前記刃位置検出器によって検出された刃の位置と、前記信号検出器によって検出された前記高周波信号とに基づいて、前記被覆電線の状態を検出する第1電線状態検出器と
を備えた電線処理装置。 - 前記刃が移動する移動領域に対して、第1異常判定区域を設定する第1区域設定部を備えた、請求項12に記載された電線処理装置。
- 前記電線保持器に保持された前記被覆電線が前記刃から離れるように、当該被覆電線と前記刃とを当該被覆電線の長手方向に沿って相対的に移動させる被覆電線駆動機構と、
前記被覆電線駆動機構によって移動する、前記被覆電線と前記刃との相対的な位置を検出する相対位置検出器と、
を備えた、請求項12又は13に記載された電線処理装置。 - 前記相対位置検出器によって検出された、前記被覆電線と前記刃との相対的な位置と、前記信号検出器によって検出された前記高周波信号とに基づいて、前記被覆電線の状態を検出する第2電線状態検出器を備えた、請求項14に記載された電線処理装置。
- 前記被覆電線と前記刃との相対移動領域に対して、第2異常判定区域を設定する第2区域設定部を備えた、請求項14又は15に記載された電線処理装置。
- 前記高周波信号発生器は、前記被覆電線の前記絶縁体を介して前記芯線と対向した電極と、前記電極に電気的に接続された高周波電源とを備えた、請求項12から16までの何れか一項に記載された電線処理装置。
- 前記高周波信号発生器は、前記刃に電気的に接続された高周波電源を備えた、請求項12から16までの何れか一項に記載された電線処理装置。
- 前記高周波電源は、定電圧電源である、請求項17又は18に記載された電線処理装置。
- 前記高周波電源は、定電流電源である、請求項17又は18に記載された電線処理装置。
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