[go: up one dir, main page]

JP5746861B2 - 哺乳動物のngalに結合する抗体及びその使用 - Google Patents

哺乳動物のngalに結合する抗体及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP5746861B2
JP5746861B2 JP2010530148A JP2010530148A JP5746861B2 JP 5746861 B2 JP5746861 B2 JP 5746861B2 JP 2010530148 A JP2010530148 A JP 2010530148A JP 2010530148 A JP2010530148 A JP 2010530148A JP 5746861 B2 JP5746861 B2 JP 5746861B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
amino acid
ngal
antibody
acid sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010530148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011501753A (ja
Inventor
バーケンメイヤー,ラリー・ジー
デサイ,スーレツシユ・エム
ホークスワース,デイビツド・ジエイ
オレイニチヤク,エドワード・テイー
ルワン,チヤオチヤオ
シーゲル,ロバート・ダブリユ
テチン,セルゲイ・ワイ
テイーマン,ブライアン・シー
トウー,バイリン
タイナー,ジヨーン・デイー
ツイーマン,ロバート・エヌ
グレニアー,フランク・シー
ウオークマン,ライアン・エフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Abbott Laboratories
Original Assignee
Abbott Laboratories
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US12/104,413 external-priority patent/US20090124022A1/en
Priority claimed from US12/104,410 external-priority patent/US20090269777A1/en
Application filed by Abbott Laboratories filed Critical Abbott Laboratories
Publication of JP2011501753A publication Critical patent/JP2011501753A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5746861B2 publication Critical patent/JP5746861B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/92Affinity (KD), association rate (Ka), dissociation rate (Kd) or EC50 value
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/10Composition for standardization, calibration, simulation, stabilization, preparation or preservation; processes of use in preparation for chemical testing
    • Y10T436/105831Protein or peptide standard or control [e.g., hemoglobin, etc.]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

(関連出願の情報)
本願は、全て2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号、60/981,471号及び60/981,473号並びに全て2008年4月16日に出願された米国非仮特許出願12/104,408号、12/104,410号及び12/104,413号の優先権を主張し、これらの各々は、その全体が参照により組み込まれる。
(技術分野)
本発明は、哺乳動物のNGALに結合する抗体及び抗体を使用する方法に関する。
リポカリンは、細菌からヒトまで様々な生物中に見出される細胞外リガンド結合タンパク質のファミリーである。リポカリンは、小さな疎水性分子の結合及び輸送、栄養素の輸送、細胞増殖の制御並びに免疫応答の調節、炎症及びプロスタグランジン合成など、多くの異なる機能を有している。さらに、幾つかのリポカリンは、細胞制御プロセスにも関与しており、様々な病状における診断及び予後のマーカーとしての役割を果たす。例えば、α糖タンパク質の血漿レベルは、妊娠中に、並びに癌化学療法、腎機能不全、心筋梗塞、関節炎及び多発性硬化症などの症状の診断及び予後においてモニターされる。
1993年に、ヒト好中球由来の新規リポカリン好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(又はNGAL、リポカリン−2若しくはLCN2としても知られる。)が同定された。NGALは、単量体並びにホモ及びヘテロ二量体形態で存在する25kDaのリポカリンであり、後者は、ヒト好中球ゼラチナーゼとの46kDa二量体として存在する。NGALの三量体形態も同定されている。NGALは、活性化されたヒト好中球の特異的顆粒から分泌される。相同的なタンパク質が、マウス(24p3/ウテロカリン)及びラット(α(2)−ミクログロブリン関連タンパク質/ν関連リポカリン)中に同定されている。構造的データは、8本鎖のβバレルを有するNGALの典型的なリポカイン折り畳みを確認したが、リポカリン中に通常見られるより極性が高く、正に帯電したアミノ酸残基とともに整列された異常に大きな空洞を有している。25kDaNGALタンパク質は、細菌由来のリポ多糖及びホルミルペプチドなどの小さな親油性物質を結合すると考えられており、炎症の調節物質として機能し得る。
急性腎不全又は慢性腎不全などの腎臓の傷害又は病気は、(病気、傷害などの)様々な異なる原因に由来し得る。腎臓の傷害及び病気の早期同定及び治療は、疾病の進行を妨げる上で有用である。現在、腎機能のバイオマーカーとして、血清クレアチニンがしばしば使用されている。しかしながら、血清クレアチニンの測定は、筋肉質量、性別、人種及び服薬によって影響を受ける。残念なことに、これらの制約のために、しばしば、著しい損傷が既に生じた後でなければ、腎臓病の診断が得られない。
NGALは、急性腎臓傷害又は腎臓病に対する初期マーカーである。活性化されたヒト好中球の特異的な顆粒によって産生される他に、NGALは、尿細管上皮の損傷に応答して、ネフロンによっても産生され、尿細管間質性(TI)傷害のマーカーである。NGALレベルは、正常な血清クレアチニンレベルと比べて、穏やかな「無症候性」腎虚血の後でさえ、虚血又は腎毒性由来の急性尿細管壊死(ATN)において上昇する。さらに、NGALは、慢性腎臓病(CKD)の場合に、腎臓によって発現されることが知られている。上昇した尿のNGALレベルは、進行性の腎不全として示唆されている。NGALは動物及びヒトの両モデルにおいて、虚血性又は腎毒性傷害後の極めて早期に、腎臓尿細管によって顕著に発現されることが以前に示されている。NGALは、尿中に素早く分泌され(NGALは、尿中において、容易に検出及び測定できる。)、虚血性傷害の他のあらゆる公知の尿又は血清マーカーの出現に先行する。このタンパク質はプロテアーゼ耐性であり、NGALの尿細管発現の忠実なマーカーとして尿中に回収できることを示唆する。さらに、例えば、血液からろ過される腎臓の外側に由来するNGALは、尿中に出現せず、むしろ、近位尿細管によって定量的に吸収される。
NGALを検出するための様々なイムノアッセイが本分野において公知である。本明細書に前述されているように、NGALは、単量体として、二量体(ホモ二量体又はヘテロ二量体)として、及び三量体としてさえ見出される。従って、検査試料中のNGAL単量体、二量体又は三量体を特異的に検出及び識別することができる新規抗体及びイムノアッセイに対する要望が本分野において存在する。さらに、検査試料中に含有される二量体に対する単量体の相対的割合を定量することができるイムノアッセイに対する要望も本分野において存在する。
このような新規抗体及びイムノアッセイは、とりわけ、患者中のあらゆる腎傷害又は腎臓病の程度を評価し、腎傷害又は腎臓病に罹患している患者の腎臓の状態をモニターし、又は患者中の何れかの腎傷害の程度を評価し、その後、患者の腎臓の状態をモニターするために使用することができる。本発明のさらなる目的及び利点が、本明細書に提供されている記載から明らかとなる。
一実施形態において、本発明は、配列番号1又は33に記載されているヒトNGALタンパク質のアミノ酸残基112、118及び147を含む立体構造的エピトープに特異的に結合する単離された抗体に関する。単離された抗体は、モノクローナル抗体、多重特異的抗体、ヒト抗体、完全にヒト化された抗体、部分的にヒト化された抗体、動物抗体、組換え抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv、抗イディオタイプ抗体又は機能的に活性なそのエピトープ結合断片であり得る。
さらに、上記抗体は、ヒトNGALタンパク質の少なくとも1つのさらなるアミノ酸に結合するヒトNGALタンパク質の少なくとも1つのさらなるアミノ酸に結合し、前記アミノ酸は配列番号1又は33に記載されているヒトNGALタンパク質のアミノ酸残基117又は119からなる群から選択される。より具体的には、抗体は、配列番号1又は33に記載されているヒトNGALタンパク質のアミノ酸残基117にさらに結合する。あるいは、抗体は、配列番号1又は33に記載されているヒトNGALタンパク質のアミノ酸残基119にさらに結合する。あるいは、抗体は、配列番号1又は33に記載されているヒトNGALタンパク質のアミノ酸残基117及び119にさらに結合する。
別の実施形態において、本発明は、ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
別の実施形態において、本発明は、ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、ATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、ATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455によって産生される抗体に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
別の実施形態において、本発明は、ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
別の実施形態において、本発明は、ATCC受託番号PTA−8026を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−903−430に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、ATCC受託番号PTA−8026を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−903−430によって産生される抗体に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、
(a)配列番号1、2、30又は33に記載されているヒトNGALタンパク質のアミノ酸残基112、118及び147を含む立体構造的エピトープに特異的に結合する抗体;
(b)ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有する単離された抗体;
(c)ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体;
(d)ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体;
(e)ATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455によって産生される抗体;
(f)ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有する単離された抗体;
(g)ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体;
(h)ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体;及び
(i)ATCC受託番号PTA−8026を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−903−430によって産生される抗体;
からなる群から選択される1つ又はそれ以上の抗体を含む免疫診断試薬に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、配列番号1、2、30又は33に記載されている(特に、配列番号30又は33に記載されている)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合する単離された抗体に関し、
(a)残基N116に関して、約H=9.47又は約15N=118.30に位置する共鳴位置;
(b)残基Q117に関して、約H=7.79又は約15N=117.67に位置する共鳴位置;
(c)残基H118に関して、約H=8.75又は約15N=116.43に位置する共鳴位置;
(d)残基T141に関して、約H=7.99又は約15N=109.06に位置する共鳴位置;
(e)残基K142に関して、約H=7.82又は約15N=114.25に位置する共鳴位置;
(f)残基E143に関して、約H=7.40又は約15N=114.00に位置する共鳴位置;及び
(g)残基E150に関して、約H=8.70又は約15N=118.80に位置する共鳴位置;
からなる群から選択される配列番号1、2、30又は33の(特に、配列番号30又は33の)残基に対応するアミノ酸に対するアミド共鳴位置の少なくとも4つのTROSYプロトン−窒素相関NMRスペクトルにおいて、
前記抗体をヒトNGALタンパク質に添加した結果として、前記抗体が添加されていない場合と比べて、前記抗体は、
(1)H共鳴位置における約0.05ppmから約1.0ppmまでの擾乱、
(2)15N共鳴位置における約0.3ppmから約3.0ppmまでの擾乱、又は
(3)共鳴強度の約2.5倍から約20倍の減少、
を引き起こす。
さらに別の実施形態において、本発明は、配列番号1、2、30又は33に記載されている(特に、配列番号30又は33に記載されている)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合する単離された抗体に関し、
(a)残基Y64に関して、約H=9.15又は約15N=113.30に位置する共鳴位置;
(b)残基V84に関して、約H=9.34又は約15N=121.50に位置する共鳴位置;
(c)残基G87に関して、約H=8.32又は約15N=111.60に位置する共鳴位置;
(d)残基T93に関して、約H=9.32又は約15N=112.20に位置する共鳴位置;
(e)残基L94に関して、約H=7.71又は約15N=122.34に位置する共鳴位置;
(f)残基G95に関して、約H=9.35又は約15N=114.13に位置する共鳴位置;及び
(g)残基S99に関して、約H=8.18又は約15N=114.40に位置する共鳴位置;
からなる群から選択される配列番号1、2、30又は33の(特に、配列番号30又は33の)残基に対応するアミノ酸に対するアミド共鳴位置の少なくとも4つのTROSYプロトン−窒素相関NMRスペクトルにおいて、
前記抗体をヒトNGALタンパク質に添加した結果として、前記抗体が添加されていない場合と比べて、前記抗体は、
(1)H共鳴位置における約0.05ppmから約1.0ppmまでの擾乱、
(2)15N共鳴位置における約0.3ppmから約3.0ppmまでの擾乱、又は
(3)共鳴強度の約2.5倍から約20倍の減少、
を引き起こす。
ヒトNGAL野生型抗原配列(配列番号1)を示す。原型のヒトNGALシグナルペプチド残基は、斜字体及び下線で記載されている。pJV−NGAL−A3プラスミド中の野生型ヒトNGAL配列は、太字で記載されている。C末端中の6XHisタグは、下線で記載されている。 実施例1において論述されている野生型ヒトNGAL配列を含有するプラスミドpJV−NGAL−A3(pJV−NGAL−hisAとしても知られる。)を示す。 ヒトNGALC87S変異体抗原配列(配列番号2)を示している。原型のヒトNGALシグナルペプチドは、斜字体及び下線で記載されている。pJV−NGAL(Ser87)−His−A3プラスミド中の野生型NGAL配列は、太字で記載されており、NGALC87S変異体コドン配列は太字及び下線で記載されている。C末端中の6XHisタグにも、下線が付されている。 野生型ヒトNGALポリヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。 変異体ヒトNGALポリヌクレオチド配列(配列番号4)を示す。 サブクローン1−903−430から得た精製された抗体が、親mAb1−903−102と比較したときに、ビオチン標識されたヒトNGAL抗原(NGAL−Bt)と類似の用量応答曲線を示すことを示すグラフであり、これにより、サブクローニングの工程がサブクローンの機能的な性能を変化させなかったことを示している。記号:(−黒菱形−)NAGL−BtとmAb1−903−102;(−黒丸−)NGAL−BtとmAb1−903−430;(−黒四角−)無関係のビオチン化された抗原(NCAg−Bt)とmAb1−903−102;(−x−)NCAg−BtとmAb1−903−430。 非特異的結合の不存在を示すために、陰性対照mAbを陰性対照のマッチするビオチン標識された抗原(NCmAb)と一緒に含めたことを除き、図7は、1−2322細胞株に対する親及びサブクローン材料を比較する図6と同じ用量応答曲線を示す。記号:(−黒菱形−)NAGL−BtとNCmAb;(−黒丸−)NCAg−BtとmAb1−2322−455;(−黒四角−)NCAg−BtとNCmAb;(−黒三角−)NGAL−BtとmAb1−2322−101;(−x−)NCAg−BtとmAb1−2322−101;(−*−)NGAL−BtとのmAb1−2322−455。 NGALmAbCIAサンドイッチ形成に対する抗原滴定曲線のグラフであり、縦軸がNGAL濃度(ng/mL)であり、横軸が発光カウント/秒(LCPS)。記号:(−黒菱形−)アクリジン化された211−01mAb;(−黒四角−)アクリジン化された1−181−128mAb;(−黒三角−)アクリジン化された1−419−182mAb;(−x−)アクリジン化された1−903−102mAb;(−*−)アクリジン化された211−02mAb。 モノクローナル抗体1−2322−455の様々な配列を示している。図9Aは、可変重鎖(配列番号5及び7)のポリヌクレオチド及びアミノ酸配列並びにCDR重鎖1(配列番号8)、CDR重鎖2(配列番号9)及びCDR重鎖3(配列番号10)に対するアミノ酸配列を示している。 モノクローナル抗体1−2322−455の様々な配列を示している。図9Bは、可変軽鎖(配列番号6及び11)のポリヌクレオチド及びアミノ酸配列並びにCDR軽鎖1(配列番号12)、CDR軽鎖2(配列番号13)及びCDR軽鎖3(配列番号14)に対するアミノ酸配列を示している。 モノクローナル抗体1−903−430の様々な配列を示している。図10Aは、可変重鎖(配列番号15及び17)に対するポリヌクレオチド及びアミノ酸配列並びにCDR重鎖1(配列番号18)、CDR重鎖2(配列番号19)及びCDR重鎖3(配列番号20)に対するアミノ酸配列を示している。 モノクローナル抗体1−903−430の様々な配列を示している。図10Bは、可変軽鎖(配列番号16及び21)に対するポリヌクレオチド及びアミノ酸配列並びにCDR軽鎖1(配列番号22)、CDR軽鎖2(配列番号23)及びCDR軽鎖3(配列番号24)に対するアミノ酸配列を示している。 実施例7に記載されている異なる機能的エピトープに結合するモノクローナル1−2322−455に対する等温結合データのグラフである。記号:(−白丸−、実線)野生型NGALエピトープ;(−白四角−、実線)S112A変異を含むNGALエピトープ;(−白菱形−、長い破線)Q117A変異を含むNGALエピトープ;(−x−、短い破線)H118A変異を含むNGALエピトープ;(−+−、点線)A118G変異を含むNGALエピトープ;(−白三角−、極めて長い破線)E147A変異を含むNGALエピトープ。 実施例7に記載されている異なる機能的エピトープに結合するモノクローナル1−903−430に対する等温結合データのグラフである。記号:(−白丸−、実線)野生型NGALエピトープ;(−白四角−、実線)S14A変異を含むNGALエピトープ;(−白菱形−、長い破線)K15A変異を含むNGALエピトープ;(−x−、短い破線)R109A変異を含むNGALエピトープ;(−+−、点線)S158A変異を含むNGALエピトープ;(−白三角−、極めて長い破線)L159A変異を含むNGALエピトープ;(−黒丸−)G160A変異を含むNGALエピトープ。 ヒトNGALのX線結晶構造上のNGALエピトープ残基の分子モデル化を示している。図13Aは、抗NGALモノクローナル抗体1−903−430相互作用のために不可欠な残基(Arg109及びLys15)を示している。 NMRを用いてNGALのエピトープを同定するために実施例8において使用した変異されたNGAL(成熟NGAL配列から全てのシグナルペプチドを除去)のポリヌクレオチド配列(配列番号29)及びアミノ酸配列(配列番号30)を示している。アミノ酸残基87及びヌクレオチド263の太字の配列は、修飾されたコドン中の変化を受けたヌクレオチド及び予想されるCysからSerへの変化を示している。残基76及び175の斜字体で記載されたCysは、鎖内S−S結合(野生型NGAL中の残基76、87及び175に、3つのCys残基が存在する。)を示す。最初のMet残基は、原核生物中のみで産生され、真核生物中では産生されず、従って、本明細書において、存在する場合には残基−1としてカウントされ、原核生物中に存在するときに、真核生物に比べて、ポリヌクレオチド配列に対する類似の調整を行わなかった。TGA終始コドンは、アミノ酸配列上のアスタリスクによって特定される。 実施例8に記載されているNGAL(+)mut8タンパク質の誘導及び精製から得られた試料のSDS−PAGE分析を示している。レーン:(1)サイズマーカー;(2)可溶化液上清;(3)可溶化液沈降物;(4)His−Bind(R)非結合画分及び(5)His−Bind(R)精製画分。 mAb2322の過剰を添加した後のヒトNGALのH−15NTROSYHSQCスペクトルの一部を示す。アサインメントは、公開データベースBiological Magnetic Resonance Data Bank(データベースエントリー4267)に登録されたものに基づいており、観察された擾乱カテゴリーの例が示されている。(灰色の太い線によって示された)抗体結合によるシフトが、遊離のタンパク質の対応するスペクトル(細い黒線によって示されている。)上に重ね合わされている。 ヒトNGALのH−15NTROSYHSQCスペクトルの一部を示しており、抗体結合によるシフト(灰色の太い線で描かれたスペクトル)が遊離のタンパク質の対応するスペクトル(細い黒線として示されている。)上に重ね合わされている。図17Aは、mAb903の過剰の添加後のスペクトルの一部を示している。図17Bは、mAb2322の過剰の添加後におけるヒトNGALのスペクトルの対応する一部を示している。これらの図の差によって、これらの抗体がNGAL上の異なる表面上で相互作用することが確認される。アサインメントは、公開データベースBiological Magnetic Resonance Data Bank(データベースエントリー4267)に登録されたものに基づいている。 ヒトNGALのH−15NTROSYHSQCスペクトルの一部を示しており、抗体結合によるシフト(灰色の太い線で描かれたスペクトル)が遊離のタンパク質の対応するスペクトル(細い黒線として示されている。)上に重ね合わされている。図17Aは、mAb903の過剰の添加後のスペクトルの一部を示している。図17Bは、mAb2322の過剰の添加後におけるヒトNGALのスペクトルの対応する一部を示している。これらの図の差によって、これらの抗体がNGAL上の異なる表面上で相互作用することが確認される。アサインメントは、公開データベースBiological Magnetic Resonance Data Bank(データベースエントリー4267)に登録されたものに基づいている。 アミノ酸の位置(横軸)対相対的擾乱(縦軸)に関して本明細書中に記載されている様々なモノクローナル抗体(mAb)の結合によって引き起こされたNGAL骨格H−15N共鳴擾乱を示すグラフである。図18Aは、mAb2322に対して観察された共鳴変化を示している。 アミノ酸の位置(横軸)対相対的擾乱(縦軸)に関して本明細書中に記載されている様々なモノクローナル抗体(mAb)の結合によって引き起こされたNGAL骨格H−15N共鳴擾乱を示すグラフである。図18Bは、mAb809に対して観察された共鳴変化を示している。 アミノ酸の位置(横軸)対相対的擾乱(縦軸)に関して本明細書中に記載されている様々なモノクローナル抗体(mAb)の結合によって引き起こされたNGAL骨格H−15N共鳴擾乱を示すグラフである。図18Cは、mAb269に対して観察された共鳴変化を示している。 アミノ酸の位置(横軸)対相対的擾乱(縦軸)に関して本明細書中に記載されている様々なモノクローナル抗体(mAb)の結合によって引き起こされたNGAL骨格H−15N共鳴擾乱を示すグラフである。図18Dは、mAb181に対して観察された共鳴変化を示している。 アミノ酸の位置(横軸)対相対的擾乱(縦軸)に関して本明細書中に記載されている様々なモノクローナル抗体(mAb)の結合によって引き起こされたNGAL骨格H−15N共鳴擾乱を示すグラフである。図18Eは、mAb903に対して観察された共鳴変化を示している。 アミノ酸の位置(横軸)対相対的擾乱(縦軸)に関して本明細書中に記載されている様々なモノクローナル抗体(mAb)の結合によって引き起こされたNGAL骨格H−15N共鳴擾乱を示すグラフである。図18Fは、mAb419に対して観察された共鳴変化を示している。 ヒトNGALタンパク質の三次元(3D)構造上への擾乱された共鳴のマッピングを示している。具体的には、この図は、ヒトNGAL(pdbid:1x89)の骨格リボン表記を示しており、擾乱された残基のアミドが球体と描かれ、シグナルペプチドを除去した成熟ヒトNGAL配列に従って付番した。図19Aは、K142とE150の間の残基を含む、mAb2322結合によって擾乱された残基の幾つかの位置を示している。図19Bは、L18及びQ88を含むmAb903によって擾乱された残基の幾つかの表面位置を示している。両方のリボンは、同じ配向である。 抗NGALmAb及びNGALの結合曲線(横軸に遊離のNGAL濃度及び縦軸に結合された割合)及び表9に列記されているそれらの計算された解離定数(K)を示している。記号:(−黒丸−)mAb903;(−黒四角−)mAb809;(−白丸−)mAb2322;(−黒三角−)mAb181;(−白三角−)mAb269。 NGALの添加前(点線)及び添加後(実線)の様々な抗体対に対する二重チャンネル交差相関蛍光曲線を示している(横軸は時間(秒、対数目盛り)及び縦軸は標準化された蛍光交差相関関数G(τ))。図21Aは、mAb2322とmAb903対に対する結果を示している。図21Bは、mAb2322及びmAb809対に対する結果を示している。図21Cは、mAb809及びmAb181対に対する結果を示している。
ある種の哺乳動物のNGALタンパク質に結合する抗体が発見された。これらの単独で又は組み合わされた抗NGAL抗体(本明細書において、「NGAL抗体」と広い意味で表記される。)は、例えば、診断アッセイの成分として様々な用途を有し、又はイムノアッセイキット中に存在する。
全てのNGALポリヌクレオチド及びポリペプチド配列並びに野生型NGAL組換え抗原(rAg)及び変異体C87SNGALNGALrAgクローン、サブクローン、ハイブリッド及びハイブリドーマ(名称及び付番を含む。)は、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(参照により、これらに関するその教示に関して組み込まれる。)に記載されているとおりである。
A.定義
本明細書に使用されているように、内容から明白である場合を除き、単数形「a」、「an」及び「the」には、複数表記が含まれる。本明細書で数値範囲を記載する場合には、同一精度でその範囲内の各数値を明確に想定する。例えば、6から9の範囲では、6及び9に加えて、数値7及び8が想定され、6.0から7.0の範囲では、数値6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0が明確に想定される。
a)抗体
本明細書において使用される、「抗体」という用語は、モノクローナル抗体、多重特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体(完全又は部分的にヒト化)、動物抗体(一態様において、トリ(例えば、アヒル又はガチョウ))、別の態様において、サメ又はクジラ、さらに別の態様において、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウスなど)及びヒト以外の霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジーなどのサル)を含む哺乳動物)、組換え抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv(sdFv)及び抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体など)及び上記の何れかの機能的に活性なエピトープ結合断片を表す。特に、抗体には、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片、すなわち、抗原結合部位を含有する分子が含まれる。免疫グロブリン分子は、あらゆる種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA及びIgA)又はサブクラスであり得る。単純化のために、分析物に対する抗体は、「抗分析物抗体」又は単に「分析物抗体」(例えば、NGAL抗体)の何れかとしばしば称される。
b)尿細管細胞傷害
本明細書において使用される「尿細管細胞傷害」という表現は、多数の疾病又は疾患のプロセスによって引き起こされ得る、突然の(急性)又は時間をかけてゆっくり低下する(慢性)腎若しくは腎臓不全又は機能障害を意味する。尿細管細胞傷害の急性及び慢性形態は何れも、生命を脅かす代謝異常をもたらし得る。
c)急性腎臓病
「急性尿細管細胞傷害」は、急性虚血性腎傷害(IRI)又は急性腎毒性腎傷害(NRI)を意味する。IRIには、虚血傷害及び慢性虚血傷害、急性腎不全、急性糸球体腎炎及び急性尿細管間質性腎障害が含まれるが、これらに限定されない。NRI毒性には、敗血症(感染)、ショック、外傷、腎臓結石、腎感染症、薬物毒性、毒(poison)又は毒物(toxin)又は放射線造影色の注射後が含まれるが、これらに限定されない。
d)慢性腎臓病
本明細書において互換的に使用される「慢性尿細管細胞傷害」、「進行性腎臓病」、「慢性腎臓病(CRD)」、「慢性腎臓病(CKD)」という用語には、突然の現象ではなく、ある期間にわたって発生して、尿細管細胞機能の漸進的低下又は尿細管細胞傷害の悪化を引き起こすあらゆる腎臓症状又は機能障害が含まれる。慢性腎臓病が継続した場合の1つの終末点は、「慢性腎不全(CRF)」である。例えば、本明細書において互換的に使用される慢性腎臓病又は慢性腎傷害には、慢性的な感染によって引き起こされる症状又は機能障害、慢性的炎症、糸球体腎炎、血管疾患、間質性腎炎、薬物、毒物、外傷、腎臓結石、長期の高血圧、糖尿病、うっ血性心不全、鎌形赤血球貧血症及び他の造血機能障害に由来する腎障害、肝炎、HIV、パルボウイルス及びBKウイルス(ヒトポリオーマウイルス)に関連する腎障害、嚢胞性腎臓病、先天性奇形、閉塞、悪性腫瘍、原因不明の腎臓病、ループス腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、局所的糸球体硬化症、微小変化型疾患、クリオグロブリン血症、抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性血管炎、ANCA陰性血管炎、アミロイドーシス、多発性骨髄腫、軽鎖沈着症、腎臓移植の合併症、腎臓移植の慢性的拒絶、慢性同種移植腎障害及び免疫抑制剤の慢性効果が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、慢性腎臓病又は慢性腎傷害は、慢性腎不全又は慢性糸球体腎炎を表す。
e)免疫診断試薬
本発明における「免疫診断試薬」は、NGALタンパク質の領域に特異的に結合する1つ又はそれ以上の抗体を含む。例えば、イムノアッセイにおける及び/又は検量用試料、対照及び免疫診断剤としての本発明のこのような抗体の使用が、本明細書に記載されている。しかしながら、本発明の抗体は、例えば、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,473号(改良されたNGALアッセイに関するその教示に関して、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されているような改良されたNGALアッセイにおいても、場合によって使用することができる。
f)NGALポリヌクレオチド及びポリペプチド配列
NGALポリヌクレオチド及びポリペプチド配列は、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(NGALポリヌクレオチド及びポリペプチド配列に関するその教示に関して、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されているとおりである。このようなポリヌクレオチド及びポリペプチド配列は、本発明において、場合によって使用することができる。
一般に、本明細書において使用されるNGALは、例えば、Genbank受付番号GenpeptCAA58127(配列番号1)、AAB26529、XP 862322、XP 548441、P80108、P11672、X83006.1、X99133.1、CAA67574.1、BC033089.1、AAH33089.1、S75256.1、AD14168.1、JC2339、1DFVA、1DFVB、1L6MA、1L6MB、1L6MC、1NGLA、1QQSA、1X71A、1X71B、1X71C、1X89A、1X89B、1X89C、1X8UA、1X8UB及び1X8UCとして記載されているものなど、あらゆるNGAL配列であり得る。NGALポリヌクレオチド及びポリペプチド(例えば、ポリアミノ酸)配列は、天然に見出される配列に基づいて、天然に見出されるとおりであり、単離され、合成的、半合成的、組換え又はその他である。一実施形態において、NGALは、ヒトNGAL(「hNGAL」としても知られる。)である。別段の記載がなければ、NGALポリペプチド配列は、天然に典型的に見出される20残基のアミノ酸シグナルペプチドを差し引いた(及び他のあらゆるシグナルペプチド配列を差し引いた)成熟ヒトNGAL配列に従って付番される。シグナルペプチドが存在する場合、例えば、残基−1から−20のように負の数字が付番され、コードポリヌクレオチド配列に対しては同じ付番が適用される。
同様に、NGALのN末端の開始Met残基は、原核生物(例えば、イー・コリ(E.coli))中で産生されたNGAL又は合成(半合成を含む。)若しくは誘導された配列中のみに存在し、真核生物(例えば、ヒトを含む哺乳動物細胞及び酵母細胞)中で産生されるNGAL中には存在しない。従って、存在する場合には、開始Met残基は本明細書において負の数として(例えば、残基−1として)カウントされ、原核及び真核両バックグラウンド中でポリヌクレオチド配列が同じように複製及び転写され、差異は翻訳のレベルで存在するので、真核生物と比較して原核生物のバックグラウンド又は発現系中のポリヌクレオチド配列に対して類似の調整を行わなかった。
従って、本明細書の開示は、原核生物及び/又は真核生物バックグラウンド中に存在し及び/又は産生される(例えば、その結果、コドン認識に対する最適化を有する)異なる多数のNGALポリヌクレオチド及びポリペプチド配列を(例えば、免疫原として、及び/又は抗体結合研究において)使用することを包含する。要するに、配列は、(a)シグナルペプチド、(b)成熟NGAL配列中のN末端に存在する開始Met残基、(c)成熟NGALタンパク質に先行するシグナルペプチドの先頭に存在する開始Met残基及び(d)当業者に自明なものなどの他の変動を保有若しくはコードしてもよく、又は保有若しくはコードしなくてもよい。
典型的な配列には、本明細書中に記載されているもの、すなわち、配列番号1(シグナルペプチドを含むNGAL野生型ポリペプチド)、配列番号2(シグナルペプチドを含むNGAL変異体ポリペプチド)、配列番号30(シグナルペプチドを一切含まず、並びに原核生物中で産生され及びMet開始コドンが存在するときには、Met開始残基が先行し得るが、Met開始コドンが存在するか否かに関わらず、真核生物中で産生されたときにはMet開始残基が存在しないNGAL変異体ポリペプチド)、配列番号33(シグナルペプチドを一切含まず、並びに原核生物中で産生され及びMet開始コドンが存在するときには、Met開始残基が先行し得るが、Met開始コドンが存在するか否かに関わらず、真核生物中で産生されたときにはMet開始残基が存在しないNGAL野生型ポリペプチド);配列番号3(シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むNGAL野生型ポリヌクレオチド配列);配列番号4(シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むNGAL変異体ポリヌクレオチド);配列番号32(何れかのシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まないが、Met開始コドン、例えば、ATGあり又はなしに、場合によってN末端にさらに先行することができる、合成又は真核生物発現用のNGAL変異体ポリヌクレオチド)、配列番号29(何れかのシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まないが、Met開始コドン、例えば、ATGあり又はなしに、場合によってN末端にさらに先行することができる、合成又は真核生物発現用のNGAL変異体ポリヌクレオチド)が含まれるが、これらに限定されない。
g)グリコシル化された哺乳動物NGAL
グリコシル化された哺乳動物NGAL(例えば、免疫原として、及び/又は様々な抗体の結合を評価するために使用される)は、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(参照により、この点に関するその教示に関して組み込まれる。)に記載されているとおりである。
一般に、本明細書において使用される場合、本明細書において互換的に使用される「オリゴ糖部分」又は「オリゴ糖分子」という用語は、インビボ又はインビトロでのグリコシル化によって、(例えば、哺乳動物のNGALなどのグリコシル化されたポリペプチドを産生するために)ポリペプチドに付着させることができる1つ又はそれ以上の単糖残基を含む炭水化物含有分子を表す。ポリペプチドに付着されたオリゴ糖部分の数が明示的に表示されている場合を除き、本明細書において引用される「オリゴ糖部分」という表記は全て、ポリペプチドに付着された1つ又はそれ以上のこのような部分を表すものとする。好ましくは、前記炭水化物含有分子を付着させることができるポリペプチドは、すなわち、本明細書中にさらに記載されている「グリコシル化された哺乳動物NGAL」を提供するために野生型又は変異体哺乳動物NGALである。
「インビボグリコシル化」という用語は、インビボで、例えば、例えばN結合型及びO結合型グリコシル化によって、ポリペプチドの発現のために使用されるグリコシル化細胞中での翻訳後プロセッシングの間に起こるオリゴ糖部分のあらゆる付着を意味するものとする。通常、N−グリコシル化されたオリゴ糖部分は、5つの単糖残基(すなわち、2つのN−アセチルグルコサミン残基及び3つのマンノース残基)から構成される共通の基本的コア構造を有する。正確なオリゴ糖構造は、グリコシル化を行う問題の生物及び具体的なポリペプチドに大きく依存する。
「インビトログリコシル化」という用語は、場合によって架橋剤を用いて、オリゴ糖部分をポリペプチドの付着基へ共有結合させることを通常含む、インビトロで行われる合成的グリコシル化を表す。インビトログリコシル化は、様々な異なる化学を用いて、化学的に合成されたオリゴ糖構造をポリペプチド(例えば、哺乳動物NGALなど)に付着させることによって達成することができる。例えば、使用され得る化学は、ポリエチレングリコール(PEG)をタンパク質に付着させるために使用される化学であり、場合によって短いスペーサーを介して、オリゴ糖が官能基に連結される。インビトログリコシル化は、約0.02から約2.0mLの容量で、約0.5から約2.0mg/mLのタンパク質濃度で、約4.0から約7.0のpHの適切な緩衝液中で実施することができる。他のインビトログリコシル化法は、例えば、Aplin他によるWO87/05330、Chemical Reagents for Protein Modification,CRC Press Inc.,Boca Raton,Fla中のLundblad他によるCRCCrit.Rev.Biochem.259−306(1981)、Yan et al.,Biochemistry,23:3759−3765(1982)及びDoebber et al.,J.Biol.Chem.257:2193−2199(1982)に記載されている。
h)ヒトNGAL断片
ヒトNGAL断片(例えば、免疫原として、様々な抗体の結合を評価するために使用される)は、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(参照により、この点に関するその教示に関して組み込まれる。)に記載されているとおりである。
一般に、本明細書において使用される「ヒトNGAL断片」は、本明細書において、成熟ヒトNGAL又はシグナルペプチドを含むNGALの全体より少ない部分を含むポリペプチドを表す。特に、ヒトNGAL断片は、配列番号1、2、30又は33の約5から約178まで又は約179の連続するアミノ酸を含む。特に、ヒトNGAL断片は、配列番号1、2、30又は33の約5から約170の連続するアミノ酸を含む。特に、ヒトNGAL断片は、配列番号1、2、30又は33の少なくとも約5個の連続するアミノ酸、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約10個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33のアミノ酸の少なくとも約15個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約20個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約25個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33のアミノ酸の少なくとも約30個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約35個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約40個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約45個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約50個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約55個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約60個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約65個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約70個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約75個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約80個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約85個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約90個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約95個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約100個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約105個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約110個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約115個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約120個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約125個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約130個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約135個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約140個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約145個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約150個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約160個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約165個の連続するアミノ酸残基、配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約170個の連続するアミノ酸残基又は配列番号1、2、30若しくは33の少なくとも約175個の連続するアミノ酸残基を含む。
(例えば、免疫原として、及び/又は様々な抗体の結合を評価するために使用される)本発明において使用することが想定されるヒトNGAL断片の例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
(a)配列番号1、2、30又は33のアミノ酸残基112、113、114、115、116、117及び118を含む少なくとも約7個の連続するアミノ酸のヒトNGAL断片(配列番号1及び2の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基直後の成熟配列のGln残基から始まり、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基は、本明細書に前述されているように、負の付番が為される。);
(b)配列番号1、2、30又は33のアミノ酸残基112、113、114、115、116、117、118及び119を含む少なくとも約8個の連続するアミノ酸のヒトNGAL断片(配列番号1及び2の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基直後の成熟配列のGln残基から始まる。);
(c)配列番号1、2、30又は33のアミノ酸残基112、118及び147を含む少なくとも約36個の連続するアミノ酸のヒトNGAL断片(配列番号1及び2の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基直後の成熟配列のGln残基から始まる。);
(d)配列番号1、2、30又は33のアミノ酸残基15及び109を含む少なくとも約95個の連続するアミノ酸のヒトNGAL断片(配列番号1及び2の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基直後の成熟配列のGln残基から始まる。);
(e)配列番号1、2、30又は33のアミノ酸残基15、109及び158を含む少なくとも約144個の連続するアミノ酸のヒトNGAL断片(配列番号1及び2の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基直後の成熟配列のGln残基から始まる。);
(f)配列番号1、2、30又は33のアミノ酸残基15、109、158及び159を含む少なくとも約145個の連続するアミノ酸のヒトNGAL断片(配列番号1及び2の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基直後の成熟配列のGln残基から始まる。);又は
(g)配列番号1、2、30又は33のアミノ酸残基15、109、158、159及び160を含む少なくとも約146個の連続するアミノ酸のヒトNGAL断片(配列番号1及び2の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基直後の成熟配列のGln残基から始まる。)。
場合によって、本明細書に記載されているように使用されるこのようなヒトNGAL断片は、配列番号3、4又は32の対応する配列によって部分的に又は完全にコードされる。これらの線に沿って、一実施形態において、本発明は、配列番号4若しくは32の配列を含む又は配列番号4若しくは32の配列からなる単離され、精製され、又は単離及び精製されたヒトNGALポリヌクレオチドの使用を想定する。
i)NGALハイブリッド
本明細書において使用される「NGALハイブリッド」又は「NGALハイブリドーマ」という用語は、目的の抗NGAL抗体を産生するハイブリドーマクローン又はサブクローン(明記されているとおりの)を表す。一般に、同じ種類のサブクローンから得られたものと比較すると、ハイブリドーマクローンによって産生された抗体の親和性には、幾らか小さな変動が存在し得る(例えば、クローンの純度を反映する。)。比較により、同じクローンを起源とし、さらに、目的の抗NGAL抗体を産生する全てのハイブリドーマサブクローンは、同じ配列及び/又は同じ構造の抗体を産生することが十分に確立されている。
j)特異的結合
本明細書において、「特異的結合」という用語は、特定の部位において、別の結合パートナーよりある結合パートナー(例えば、2つのポリペプチド、ポリペプチドと核酸分子又は2つの核酸分子)に優先的に結合することと定義される。「特異的に結合する」という用語は、非特異的な標的分子(例えば、特異的に認識される部位を欠如する無作為な分子)に比べて、標的分子/配列に対する結合の優先性(例えば、親和性)は、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5倍及び最も好ましくは少なくとも10倍又は20倍であることを示す。
k)結合パートナー
本明細書において使用される「結合パートナー」とは、結合ペアの一員、すなわち、分子の1つが第二の分子に結合する分子のペアである。特異的に結合する結合パートナーは、「特異的結合パートナー」と称される。イムノアッセイにおいて一般的に使用される抗原及び抗体結合パートナーの他に、他の特異的な結合パートナーは、ビオチン及びアビジン、炭水化物及びレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクター及び受容体分子、補因子及び酵素、酵素阻害剤及び酵素などが含まれ得る。さらに、特異的な結合パートナーは、元の特異的結合パートナーの類縁体である対(例えば、分析物−類縁体)を含み得る。免疫反応性の特異的結合パートナーには、抗原、抗原断片、抗体及び抗体断片(モノクローナル及びポリクローナルの両方)並びにこれらの複合体が含まれる(組換えDNA法によって形成されるものを含む。)。
l)エピトープ
本明細書において使用される「エピトープ」又は「目的のエピトープ」という用語は、認識され、その特異的結合パートナー上の相補的部位に結合することができる何れかの分子上の部位を表す。分子と特異的結合パートナーは、特異的結合ペアの一部である。例えば、エピトープは、ポリペプチド、タンパク質、ハプテン、炭水化物抗原(糖脂質、糖タンパク質又はリポ多糖など(但し、これらに限定されない。))又は多糖であり得、その特異的結合パートナーは抗体であり得る(但し、これに限定されない。)。
特に、エピトープは、抗原(すなわち、抗体が結合するタンパク質)の特定領域(1つ又はそれ以上のアミノ酸から構成される。)を表す。より具体的には、抗原性エピトープは、抗体結合ドメインの表面上の相補的領域(パラトープ)と相互作用するタンパク質表面上の領域である。従って、エピトープは、抗体との静電的相互作用、疎水的相互作用及び水素結合に関与し、表面の正しい形状、その柔軟性及び構造的動力学に必要とされる残基も含有する。抗原性エピトープに対して強固な支持の役割を有する、埋め込まれた「第二球体」残基も存在する。
m)結合定数(例えば、K、k及びk
本明細書において互換的に使用される「平衡解離定数」又は「K」という用語は、平衡状態での滴定測定において得られた値又は会合速度定数(kon)によって解離速度定数(koff)を除することによって得られた値を表す。会合速度定数、解離速度定数及び平衡解離定数は、抗原への抗体の結合親和性を表すために使用される。
「相対親和性」又は「相対的K」という用語は、抗血清検査試料又はクローニングされていないハイブリッド検査試料を含む検査集団内で抗体/抗原Kを測定するために同じ検査方法を用いて明らかにされた抗原への抗体の結合力として定義することができ、従って、「絶対的な」特異性データではなく、相対的な親和性値を与える。(例えば、Immunology,32:49(1977)及びEsssential Immunology,Blackwell Scientific Publications,7th edition,page74(1991)参照)。
本明細書において互換的に使用される「会合速度定数」、「kon」又は「k」という用語は、以下の式によって示されているように、標的抗原への抗体の結合速度又は抗体と抗原の間での複合体形成の速度を示す値を表す。
抗体(「Ab」)+抗原(「Ag」)−>Ab−Ag
本明細書において互換的に使用される「解離速度定数」、「koff」又は「k」という用語は、以下の式によって示されているように、標的抗原から抗体が解離する速度又はAb−Ag複合体が経時的に遊離の抗体及び抗原へ分離することを示す値を表す。
Ab+Ag<−Ab−Ag
会合及び解離速度定数を測定するための方法は、本分野において周知である。蛍光を基礎とする技術を用いることによって、平衡状態にある生理的緩衝液中で試料を調べるための高い感度及び能力が得られる。BIAcore(R)(生物分子相互作用分析)アッセイなどの他の実験的アプローチ及び装置(例えば、BIAcore International ABから入手可能な装置、GE Healthcare company、Uppsala,Sweden)を使用することが可能である。さらに、Sapidyne Instruments(Boise,Idaho)から入手可能なKinExA(R)Kinetic Exclusion ssay)も使用することが可能である。
n)対象
本明細書において使用される「対象」及び「患者」という用語は、当該対象が治療の何れかの形態を有し、又は現在行っているかどうかに関わらず、互換的に使用される。本明細書において使用される「対象」という用語は、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット及びマウスなど)、ヒト以外の霊長類(例えば、カニクイザル、チンパンジーなどのサル)及びヒトを含む哺乳動物を表す。好ましくは、対象は、ヒトである。
o)検査試料
本明細書において使用される「検査試料」という用語は、血清、血漿、血液(全血を含むが、これに限定されない。)、リンパ、尿又は対象の他の体液に由来する生物学的試料を表す。検査試料は、当業者に公知の定型的な技術を用いて調製することが可能である。好ましくは、検査試料は、尿又は血液である。
p)前処理試薬(例えば、溶解、沈殿及び/又は可溶化試薬)
本明細書に記載されている診断アッセイにおいて使用される前処理試薬とは、何れかの細胞を溶解し、及び/又は検査試料中に存在する何らかの分析物を可溶化する試薬である。本明細書中にさらに記載されているように、前処理は、全ての試料に対して必要とは限らない。とりわけ、分析物(すなわち、NGAL)の可溶化には、試料に存在する何れかの内在性結合タンパク質からの分析物の放出を引き起こす。前処理試薬は、同種(分離工程を必要としない)又は異種(分離工程を必要とする)であり得る。異種の前処理試薬を使用すると、アッセイの次の工程に進む前に、検査試料からのあらゆる沈殿した分析物結合タンパク質の除去が存在する。前処理試薬は、(a)1つ若しくはそれ以上の溶媒及び塩、(b)1つ若しくはそれ以上の溶媒、塩及び界面活性剤、(c)界面活性剤、(d)界面活性剤及び塩又は(e)細胞溶解及び/若しくは分析物の可溶化に適したあらゆる試薬若しくは試薬の組み合わせを場合によって含むことができる。また、単独の又は他の何れかの前処理剤(例えば、溶媒、界面活性剤、塩など)と組み合わせたプロテアーゼを使用することができる。
q)固相
本明細書において使用される「固相」は、不溶性であり、又はその後の反応によって不溶性となり得るあらゆる物質を表す。固相は、捕捉剤を誘引及び固定化するその固有の能力のために選択され得る。あるいは、捕捉剤を誘引及び固定化する能力を有する連結剤を固相に付着することができる。連結剤には、例えば、捕捉剤そのものに、又は捕捉剤に連結された帯電物質に関して反対の電荷を帯びた帯電物質が含まれ得る。一般に、連結剤は、固相上に固定化され(又は固相に付着され)、及び結合反応を通じて捕捉剤を固定化する能力を有するあらゆる結合パートナー(好ましくは、特異的な)であり得る。連結剤によって、アッセイの実施前又はアッセイの実施中に、捕捉剤が固相物質に間接的に結合することが可能となる。固相は、例えば、プラスチック、誘導化されたプラスチック、磁気又は非磁気金属、ガラス又はケイ素であり得、例えば、試験管、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップ及び当業者に公知の他の構成などであり得る。
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを記載することを目的とするものであって、その他、限定を意図するものではない。
B.グリコシル化された哺乳動物NGAL
本発明において使用されるグリコシル化された哺乳動物NGALは、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(参照により、この点に関するその教示に関して組み込まれる。)に記載されているとおりである。一般に、本発明は、あらゆる種類の哺乳動物NGAL(例えば、単離された、組換え、変異体、野生型、合成、半合成など)、特に、場合によってグリコシル化されている哺乳動物NGAL、特に本明細書に記載されているようなヒトNGALの使用を想定する。このような哺乳動物NGALは、例えば、抗体を作製するための免疫原として、及び/又はこのような抗体の結合を評価する際に使用される。
一実施形態において、本発明は、単離されたグリコシル化された哺乳動物NGALの使用に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1つのオリゴ糖分子又は部分及び最大10のオリゴ糖分子又は部分を含有するグリコシル化された哺乳動物NGALに関する。本発明において使用されるグリコシル化された哺乳動物NGALには、グリコシル化されたイヌNGAL、グリコシル化されたネコNGAL、グリコシル化されたラットNGAL、グリコシル化されたマウスNGAL、グリコシル化されたウマNGAL、グリコシル化された非ヒト霊長類NGAL及びグリコシル化されたヒトNGALが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、グリコシル化された哺乳動物NGALは、ヒトNGALである。さらに、グリコシル化された哺乳動物NGALは、野生型NGAL(すなわち、野生型イヌNGAL、野生型ネコNGAL、野生型ラットNGAL、野生型マウスNGAL、野生型ウマNGAL、野生型非ヒト霊長類NGAL又は野生型ヒトNGALなどの(但し、これらに限定されない。)あらゆる野生型哺乳動物NGAL)であり得る。好ましくは、野生型哺乳動物NGALは、配列番号1(シグナルペプチドを含み、配列番号1の付番はシグナルペプチド及び何れかのMet開始残基の直後の成熟配列のGln残基から始まる。)又は配列番号33(シグナルペプチドを含まない。)に示されているアミノ酸配列を有する野生型ヒトNGALである。あるいは、グリコシル化された哺乳動物NGALは、野生型哺乳動物NGALの対応するアミノ酸配列と比べたときに、1つ又はそれ以上のアミノ酸置換、欠失又は付加を含むアミノ酸配列を含むグリコシル化された変異体哺乳動物NGALであり得る。例えば、グリコシル化された哺乳動物NGALは、野生型ヒトNGAL(例えば、配列番号1又は33参照)のアミノ酸配列は少なくとも1つのアミノ酸置換を含有するヒトNGALであり得る。具体的には、少なくとも1つのアミノ酸置換を、配列番号1又は33のアミノ酸残基87に施すことができる。具体的には、配列番号1又は33に示されているアミノ酸87のシステインをセリンと置換することができる(例えば、配列番号2及び30参照)。セリン又はシステイン以外のアミノ酸(例えば、グリシン又はアラニン)に対する他の置換を施すこともできる。さらに、定型的な実験操作を用いて、当業者により、配列番号1又は33のアミノ酸残基87における単一のアミノ酸置換以外の他のアミノ酸置換、欠失又は付加を施すことができる。
本明細書において使用される哺乳動物NGAL(例えば、場合によってグリコシル化された)は、組換えDNA技術を用いて、化学合成によって、又は化学合成と組換えDNA技術の組み合わせによって作製することができる。具体的には、哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列は、目的の哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列を単離又は合成することによって構築され得る。上述のように、哺乳動物NGAL(例えば、場合によってグリコシル化された)は、野生型哺乳動物NGALであり得、又は1つ以上のアミノ酸置換、欠失又は付加を含有する変異体哺乳動物NGALであり得る。このようなアミノ酸置換、欠失又は付加は、突然変異導入によるなど(例えば、Nelson and Long,Analytical Biochemistry 180:147−151(1989)に記載されているような、周知の方法に従う部位指定突然変異導入、無作為突然変異導入又はシャッフリングを用いて)、本分野において公知の定型的技術を用いて施すことができる。
目的の哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列は、オリゴヌクレオチド合成装置を使用することによるなど、オリゴヌクレオチドが所望の哺乳動物NGAL(野生型又は変異体)のアミノ酸配列に基づいて設計される化学合成によって、好ましくは、組換え哺乳動物NGALがその中で産生される宿主細胞中で好まれるコドンを選択することによって調製され得る。例えば、所望の哺乳動物NGALの一部をコードする幾つかの小さなオリゴヌクレオチドがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、連結又は連結連鎖反応(LCR)によって合成及び組み立てられ得る。各オリゴヌクレオチドは、典型的には、相補的組み立てのために5’又は3’突出を含有する。
(合成、部位指定突然変異導入又は別の方法によるなど)一旦組み立てられたら、目的の哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列は、組換えベクター中に挿入され、所望の形質転換された宿主細胞中でのその発現のために必要な何れかの調節配列へ作用可能に連結され得る。
全てのベクター及び発現調節配列が、目的のポリヌクレオチド配列を発現するために等しく良好に機能し得るわけではなく、全ての宿主が同じ発現系とともに等しく良好に機能するわけではないが、当業者は、過度の実験操作なしに、本発明において使用するためのこれらのベクター、発現調節配列、最適化されたコドン及び宿主から容易に選択を行い得ると考えられる。ベクターは、宿主中で複製可能でなければならず、又は染色体中に組み込まれなければならないので、例えば、ベクターを選択する際には、宿主を検討しなければならない。ベクターのコピー数、そのコピー数を調節する能力及びベクターによってコードされる何らかの他のタンパク質の発現(抗生物質マーカーなど)も検討すべきである。発現調節配列を選択する際には、様々な要因も検討され得る。これらには、配列の相対的な強さ、その調節可能性及び特に、潜在的な二次構造に関して、哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列とのその適合性が含まれるが、これらに限定されない。宿主は、選択されたベクターとのその適合性、コドン使用、分泌特性、ポリペプチドを正しく折り畳む能力、発酵又は培養の必要性、タンパク質をグリコシル化する能力(又は能力の欠如)及びヌクレオチド配列によってコードされる産物の精製の容易さなどを検討することによって選択すべきである。
組換えベクターは、自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外成分として存在し、その複製が染色体の複製から独立しているベクター(プラスミドなど)であり得る。あるいは、ベクターは、宿主細胞中に導入されたときに、宿主細胞ゲノム中に組み込まれ、ベクターがその中に組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。
ベクターは、好ましくは、哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列はポリヌクレオチド配列の転写のために必要とされる追加セグメントに作用可能に連結されている発現ベクターである。ベクターは、典型的には、プラスミド又はウイルスDNAに由来する。本明細書に挙げられている宿主細胞中での発現に適した多数の発現ベクターが市販されており、又は文献に記載されている。真核生物宿主に対する有用な発現ベクターには、SV40、ウシ乳頭腫ウイルス、アデノウイルス及びサイトメガロウイルスから得られる発現調節配列を含むベクターが含まれるが、これらに限定されない。具体的なベクターには、pCDNA3.1(+)/Hyg(Invitrogen Corp.,Carlsbad,CA)及びpCI−neo(Stratagene,La Jolla,CA,USA)が含まれる。酵母細胞中で使用するための発現ベクターの例には、2μプラスミド及びその誘導体、POT1ベクター(米国特許第4,931,373号参照)、pJSO37ベクター(Okkels,Ann.New York Acad.Sci.,782:202−207,(1996)に記載されている。)及びpPICZA、B又はC(Inbitrogen Corp.,Carlsbad,CA)が含まれるが、これらに限定されない。昆虫細胞中で使用するための発現ベクターの例には、pVL941、pBG311(Cate et al.,“Isolation of Bovine andHuman Genes forMullerian Inhibiting Substance And Expression of the Human Gene In Animal Cells” Cell,45:685−698(1986)、pBluebac4.5及びpMelbac(何れも、Invitrogen Corp.,Carlsbad,CAから入手可能である。)が含まれるが、これらに限定されない。本発明において使用するための好ましいベクターは、pJV(Abbott laboratories,Abbott Bioresearch Center,Worcester,MAから入手可能)である。
使用可能な他のベクターは、哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列のコピー数を増幅することができる。このような増幅可能なベクターは、本分野において周知である。これらのベクターには、DHFR増幅(例えば、Kaufinan、米国特許第4,470,461号、Kaufinan et al.,“Construction Of A Modular Dihydrofolate Reductase cDNA Gene:Analysis Of Signals Utilized For efficient Expression”Mol.Cell.Biol.,2:1304−1319(1982))及びグルタミン合成酵素(GS)増幅(例えば、米国特許第5,122,464号及び欧州特許出願0338,841号参照)によって増幅され得るベクターが含まれるが、これに限定されない。
組換えベクターは、目的の宿主細胞中でのベクターの複製を可能にするDNA配列をさらに含み得る。(宿主細胞が哺乳動物細胞である場合)このような配列の例は、SV40の複製起点である。宿主細胞が酵母細胞である場合、ベクターの複製を可能にする適切な配列は、酵母プラスミド2μ複製遺伝子REP1から3及び複製起点である。
ベクターは、選択可能なマーカー、すなわち、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)又はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)TPI遺伝子をコードする遺伝子など(P.R.Russell,Gene,40:125−130(1985)参照)、その産物が宿主細胞中の欠損を相補する遺伝子又はポリヌクレオチドをコードする遺伝子もしくはポリヌクレオチド又はアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシン又はメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与するものも含み得る。糸状真菌の場合、選択可能なマーカーには、amdS、pryG、arcB、niaD及びsCが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される「調節配列」という用語は、哺乳動物NGALの発現に必要な又は有利なあらゆる成分を表す。各調節配列は、哺乳動物NGALをコードする核酸配列にとって固有又は外来であり得る。このような調節配列には、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、エンハンサー又は上流活性化配列、シグナルペプチド配列及び転写終結因子が含まれるが、これらに限定されない。最小限、調節配列は、哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列に作用可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含む。
本明細書において使用される「作用可能に連結された」という用語は、配列の正常な機能が発揮され得るような互いに対する配置での、酵素的連結又はその他の手段による2つ又はそれ以上のポリヌクレオチド配列の共有結合を表す。例えば、プレ配列又は分泌リーダーをコードするポリヌクレオチド配列は、ポリペプチドの分泌に関与するプロタンパク質としてポリペプチドが発現された場合に、ポリペプチドに対するポリヌクレオチド配列に作用可能に連結されている。プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼした場合に、コード配列に作用可能に連結されている。リボソーム結合部位は、翻訳を促進するように配置されている場合に、コード配列に作用可能に連結されている。一般に、「作用可能に連結された」とは、連結されているポリヌクレオチド配列が連続しており、分泌性リーダーの場合には、連続しており及び読み取り相にあることを意味する。連結は、都合のよい制限部位での連結によって達成される。このような部位が存在しない場合には、標準的な組換えDNA法と組み合わせて、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが使用される。
本発明において、多様な発現調節配列が使用され得る。このような有用な発現調節配列には、前記発現ベクターの構造遺伝子に付随した発現調節配列及び原核若しくは真核細胞又はこれらのウイルスの遺伝子の発現を調節することが知られているあらゆる配列並びにこれらの様々な組み合わせが含まれる。哺乳動物細胞中での転写を誘導するための適切な調節配列の例には、SV40及びアデノウイルスの初期及び後期プロモーター、例えば、アデノウイルス2主要後期プロモーター、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス前初期遺伝子プロモーター(CMV)、ヒト延長因子1α(EF−1α)プロモーター、ドロソフィラ最小熱ショックプロテイン70プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ヒトユビキチンC(UbC)プロモーター、ヒト成長ホルモン終結因子、SV40又はアデノウイルスE1b領域ポリアデニル化シグナル及びKozakコンセンサス配列(Kozak, J MoI Biol, 196:947−50(1987))が含まれる。
哺乳動物細胞中での発現を改善するために、合成イントロンが、哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列の5’非翻訳領域中に挿入され得る。合成イントロンの一例は、プラスミドpCI−Neo(Promega Corporation,WI,USAから入手可能)から得られる合成イントロンである。
昆虫細胞中での転写を誘導するための適切な調節配列の例には、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーター、バキュロウイルス前初期遺伝子1プロモーター及びバキュロウイルス39K後初期遺伝子プロモーター及びSV40ポリアデニル化配列が含まれるが、これらに限定されない。
酵母宿主細胞中で使用するための適切な調節配列の例には、酵母α接合系のプロモーター、酵母トリオースリン酸イソメラーゼ(TPI)プロモーター、酵母解糖系遺伝子又はアルコール脱水素酵素遺伝子由来のプロモーター、ADH2−4cプロモーター及び誘導性GALプロモーターが含まれる。
糸状真菌宿主細胞中で使用するための適切な調節配列の例には、ADH3プロモーター及びターミネーター、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼトリオースリン酸イソメラーゼ又はアルカリプロテアーゼをコードする遺伝子に由来するプロモーター、エー・ニガー(A.niger)α−アミラーゼ、エー・ニガー又はエー・ニジュラス(A.nidulas)グルコアミラーゼ、エー・ニジュランス(A.nidulans)アセトアミダーゼ、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ又はリパーゼをコードする遺伝子に由来するプロモーター、TPI1ターミネーター及びADH3ターミネーターが含まれる。
哺乳動物NGALをコードするポリヌクレオチド配列は、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んでもよく、又は含まなくてもよい。哺乳動物NGALがその中で発現される細胞から分泌されるべき場合には、シグナルペプチドが存在する。このようなシグナルペプチドが存在する場合、このようなシグナルペプチドは、ポリペプチドの発現のために選択された細胞によって認識されるものであるべきである。シグナルペプチドは、目的の哺乳動物NGALに対して相同(例えば、目的の哺乳動物NGALとともに通常付随するシグナルペプチドであり得る。)若しくは異種(すなわち、目的の哺乳動物NGALとは別の源を起源とする。)であり得、又は宿主細胞に対して、相同又は異種であり得る(すなわち、宿主細胞から本来発現されるペプチドであり、又は宿主細胞から本来発現されないペプチド)。従って、シグナルペプチドは、原核生物性であり(例えば、細菌に由来する。)又は真核生物性(例えば、哺乳動物又は昆虫、糸状真菌又は酵母細胞に由来する。)であり得る。
シグナルペプチドの存在又は不存在は、例えば、哺乳動物NGALの産生のために使用される発現宿主細胞に依存する。糸状真菌において使用するために、シグナルペプチドは、アスペルギルス種のアミラーゼ又はグルコアミラーゼをコードする遺伝子、リゾムコール・ミエヘイリパーゼ若しくはプロテアーゼ又はフミコラ・ラヌギノサリパーゼをコードする遺伝子に都合よく由来し得る。昆虫細胞中で使用する場合、シグナルペプチドは、鱗翅目のマンジュカ・セクスタ(Manduca sexta)脂質動員ホルモン前駆体(米国特許第5,023,328号参照)、ミツバチのメリチン(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)、エクジステロイドUDPグルコシル転移酵素(egt)(Murphy et al., Protein Expression and Purification 4:349−357(1993)などの昆虫遺伝子(WO90/05783参照)又はヒト膵臓リパーゼ(hpl)(Methods in Enzymology, 284:262−272(1997))に由来し得る。
哺乳動物細胞中で使用するためのシグナルペプチドの具体例には、マウスIgκ軽鎖シグナルペプチドが含まれる(Coloma,M,J.Imm.Methods,152:89−104(1992))。酵母細胞中で使用する場合、適切なシグナルペプチドには、S.セレビシアエ(S.cerevisiae)由来のα−因子シグナルペプチド(米国特許第4,870,008号参照)、マウス唾液アミラーゼのシグナルペプチド(O.Hagenbuchle et al., Nature,289:643−646(1981))、修飾されたカルボキシペプチダーゼシグナルペプチド(L.A.Vails et al.,Cell,48:887−897(1987)参照)、酵母BAR1シグナルペプチド(WO87/02670参照)及び酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド(M.Egel−Mitani et al., Yeast,6:127−137(1990)参照)が含まれる。
本発明のグリコシル化された哺乳動物NGALを産生するために、細菌、真菌(酵母を含む。)、昆虫、哺乳動物又は他の適切な動物細胞若しくは細胞株及びトランスジェニック動物又は植物を含むあらゆる適切な宿主を使用し得る。イー・コリなどの非グリコシル化生物が使用される場合、本発明のグリコシル化された哺乳動物NGALを産生するために、イー・コリ中での発現の後に、好ましくは、適切なインビトログリコシル化が行われる。
細菌宿主細胞の例には、バシラス、例えば、ビー・ブレビス((B.brevis)又はビー・スブチリス(B.subtilis)、シュードモナス又はストレプトミセスの系統などのグラム陽性細菌又はイー・コリの系統などのグラム陰性細菌が含まれるが、これらに限定されない。細菌宿主細胞中へのベクターの導入は、形質転換受容細胞(例えば、Young et al., Journal of Bacteriology, 81:823−829(1961))又はDubnau et al., Journal of Molecular Biology,56:209−221(1971))を用いた例えば、プロトプラスト形質転換(例えば、Chang et al., Molecular General Genetics,168:111−115(1979)参照)、電気穿孔(例えば、Shigekawa et al., Biotechniques,6:742−751(1988)参照)又は連結(例えば、Koehler et al., Journal of Bacteriology, 169:5771−5278(1987)参照)によって実施され得る。
適切な糸状真菌宿主細胞の例には、アスペルギルス、例えば、エー・オリザエ(A.oryzae)、エー・ニガー(A.niger)又はA.ニジュランス(A.nidulans)、フザリウム(Fusarium)又はトリコデルマ(Trichoderma)の系統が含まれるが、これらに限定されない。真菌細胞は、当業者に公知の技術を用いて、プロトプラスト形成、プロトプラストの形質転換及び細胞壁の再生を含む方法によって形質転換され得る。アスペルギルス宿主細胞の形質転換のための適切な手法は、欧州特許出願238023及び米国特許第5,679,543号に記載されている。フザリウム種を形質転換するための適切な方法は、「Malardier et al, Gene, 78:147−156(1989)」及びWO96/00787によって記載されている。酵母は、「Becker and Guarente, In Abelson, J.N.and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182−187, Academic Press, Inc., New York; Ito et al, Journal of Bacteriology, 153:163(1983);及びHinnen et al., Proceedings of the National Academy of Sciences USA, 75:1920(1978)」によって記載されている手法を用いて形質転換され得る。
好ましくは、本発明の哺乳動物NGALは、インビボでグリコシル化される。哺乳動物NGALがインビボでグリコシル化される場合、宿主細胞は、哺乳動物NGALの所望されるグリコシル化を作製することができる宿主細胞の群から選択される。従って、宿主細胞は、酵母細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞から選択され得る。
適切な宿主細胞の例には、サッカロミセスの系統、例えば、エス・セレビシアエ(S.cerevisiae)、スキゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、クリベロミセス、ピー・パストリス又はピー・メタノリカ(P.methanolica)などのピキア、エイチ・ポリモルファ又はヤロウィアなどのハンセニュラ(Hansenula)の系統が含まれる。異種のポリヌクレオチドで酵母細胞を形質転換し、酵母細胞から異種のポリペプチドを産生する方法は、Clontech Laboratories, Inc, Palo Alto, CA, USA (YeastmakerTM Yeast Tranformation System Kitの製品プロトコール中)によって、及びReeves et al., FEMS Microbiology Letters, 99:193−198(1992), Manivasakam et al., Nucleic Acids Research, 21:4414−4415(1993)及びGaneva et al., FEMS Microbiology Letters, 121:159−164(1994)によって開示されている。
適切な昆虫宿主細胞の例には、スポドプテラ・フルギペルダ(Sf9又はSf21)又はトリコプルシア・ニー細胞(HighFive)などの鱗翅目細胞株が含まれるが、これらに限定されない(米国特許第5,077,214号参照)。昆虫細胞の形質転換及び異種のポリペプチドの産生は、当業者に周知である。
適切な哺乳動物宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、ミドリザル細胞株(COS)、マウス細胞(例えば、NS/O)、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞株、ヒト細胞(ヒト胚性腎臓細胞(例えば、HEK293)(ATCC受託番号CRL−1573)など)及び組織培養中の植物細胞が含まれる。好ましくは、哺乳動物細胞は、CHO細胞株及びHEK293細胞株である。別の好ましい宿主細胞は、B3細胞株(例えば、Abbott Laboratories, Abbott Bioresearch Center, Worcester, MA)又は別のジヒドロ葉酸還元酵素欠損(DHFR)CHO細胞株(例えば、Invitrogen Corp.,Carlsbad,CAから入手可能)である。一態様において、本発明は、グリコシル化されたヒト野生型NGAL(すなわち、配列番号1又は33のアミノ酸配列を有するもの)を産生し、2006年11月21日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託され、ATCC受託番号PTA−8020が付与されたCHO細胞株に関する。好ましくは、ATCC受託番号PTA−8020を有するCHO細胞株によって産生される野生型ヒトNGALは、約25キロダルトン(kDa)の分子量を有する。別の態様において、本発明は、グリコシル化された変異体ヒトNGALを産生するCHO細胞株に関する。好ましくは、グリコシル化された変異体ヒトNGALは、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸配列のアミノ酸87に対応するアミノ酸においてアミノ酸置換を含む。より好ましくは、アミノ酸置換は、セリンによるシステインの置換である(配列番号2又は30参照)。最も好ましくは、CHO細胞株は、2007年1月23日にATCCに寄託され、ATCC受託番号PTA−8168が付与されたCHO細胞株である。ATCC受託番号PTA−8168を有するCHO細胞株は、配列番号2又は30のアミノ酸配列を含むグリコシル化された変異体ヒトNGALを産生する。さらに別の態様において、本発明は、配列番号2又は30のアミノ酸配列を含む単離された変異体グリコシル化されたヒトNGALに関する。
哺乳動物の宿主細胞中に外来ポリヌクレオチドを導入する方法には、リン酸カルシウムによって媒介される形質移入、電気穿孔、DEAE−デキストランによって媒介される形質移入、リポソームによって媒介される形質移入、LipofectamineTM2000を用いる、Life Technologies Ltd, Paisley, UKによって記載されているウイルスベクター及び形質移入方法が含まれる。これらの方法は、本分野において周知であり、例えば、Ausbel et al.(eds.) Current Protocols in Molecular Biology John Wiley & Sons, New York, USA (1996)によって記載されている。哺乳動物細胞の培養は、例えば、「Jenkins, Ed., Animal Cell Biotechnology, Methods and Protocols, Human Press Inc.Totowa,N.J.,USA(1999)」及び「Harrison and Rae General Techniques of Cell Culture, Cambridge University Press(1997)」に開示されている確立された方法に従って実施される。
製造方法において、細胞は、本分野で公知の方法を用いて、哺乳動物NGALの産生に適した栄養素培地中で培養される。例えば、細胞は、振盪フラスコ培養、適切な培地中並びにグリコシル化された哺乳動物NGALを発現及び/又は単離させる条件下で行われる研究室用又は産業用発酵装置中での小規模若しくは大規模発酵(連続、バッチ、フェドバッチ又は固体状態発酵を含む。)によって培養される。培養は、本分野において公知の手法を用いて、炭素及び窒素源並びに無機塩を含む適切な栄養素培地中で行われる。適切な培地は、民間の業者から入手することができ、又は(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログ中に)公開された組成に従って調製され得る。グリコシル化された哺乳動物NGALが栄養素培地中に分泌される場合、哺乳動物NGALは、培地から直接回収され得る。哺乳動物NGALが分泌されない場合には、細胞可溶化液から回収することができる。
得られた哺乳動物NGALは、本分野において公知の方法によって回収され得る。例えば、哺乳動物NGALは、遠心、ろ過、抽出、スプレー乾燥、蒸発又は沈殿などの(但し、これらに限定されない。)慣用の手法によって、栄養素培地から回収され得る。
哺乳動物NGALは、クロマトグラフィー(イオン交換、アフィニティー、疎水性、等電点電気泳動及びサイズ排除など(但し、これらに限定されない。)、電気泳動手法(調製用等電点など(但し、これらに限定されない。))、溶解度の差(硫酸アンモニウム沈殿など(但し、これらに限定されない。))、SDS−PAGE又は抽出(例えば、J−C Janson and Lars Ryden, editors, Protein Purification, VCH Publishers, New York (1989)参照)などの(但し、これらに限定されない。)本分野において公知の様々な手法によって精製され得る。
本明細書に記載されているグリコシル化された哺乳動物NGAL(野生型及び変異体)は、様々な異なる目的及び様々な異なる方法のために使用することができる。具体的には、本明細書に記載されているグリコシル化された哺乳動物NGALは、1つ若しくはそれ以上の検量用試料、1つ若しくはそれ以上の対照又は検査試料中の哺乳動物NGALを検出するためのアッセイ(好ましくは、イムノアッセイ)における1つ若しくはそれ以上の検量用試料の組み合わせとして使用することができる。これは、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(抗原、検量用試料、対照及びキットに関するその教示に関して、参照により組み込まれる。)及び2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,473号(改良されたNGALアッセイに関するその教示に関して、参照により組み込まれる。)の主題である。
好ましくは、グリコシル化された哺乳動物NGALは、配列番号1又は33のアミノ酸配列を含む。あるいは、グリコシル化された哺乳動物NGALは、配列番号2又は30のアミノ酸配列を含む。
さらに、本明細書中にさらに論述されているように、哺乳動物NGALは、抗体産生のために動物を免疫化するための免疫原として使用することが可能であり、例えば、動物は、マウス、ウサギ、ニワトリ、ラット、ヒツジ、ヤギ、サメ、ラクダ、ウマ、ネコ、イヌ、非ヒト霊長類、ヒト又はその他の動物であり得る。一実施形態において、免疫原は、グリコシル化された哺乳動物NGAL、特に配列番号1、2、30又は33の配列を含むグリコシル化されたヒトNGALを含む。別の実施形態において、哺乳動物NGALは、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、非ヒト霊長類、ヒト又は他の哺乳動物のものである。
C.ヒトNGAL抗体
本発明は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)又はヒトNGAL断片に特異的に結合する抗体を提供する。抗体は、アミノ酸配列が野生型配列(配列番号1又は33)の少なくとも1つのアミノ酸置換を含有して変異体又は非固有配列(例えば、配列番号2又は30)を含むヒトNGALにも場合によって結合する。
特に、一態様において、本発明は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33、配列番号1の付番は、シグナルペプチド及び何れかのMet開始残基の直後に存在する成熟配列のGln残基から始まる。)の連続していないアミノ酸残基112、118及び147を含む(又は、幾つかの実施形態では、これらからなる)エピトープ、特に、立体構造的エピトープに結合する単離された抗体を提供する。本明細書中に記載されている、立体構造的エピトープ(非連続エピトープとしても知られる。)は、順番に連続していないが、三次元空間中で互いに近接している残基によって形成されるエピトープの種類である。別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147並びに少なくとも1つのヒトNGALタンパク質の追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基117又は119である。)を含む立体構造的エピトープに結合する単離された抗体を提供する。さらに別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、117、118、119及び147を含む立体構造的エピトープに結合する単離された抗体を提供する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有し、並びに、さらに(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147並びに野生型NGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基117又は119である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、117、118、119及び147を含む立体構造的エピトープに結合する、単離された抗体に関する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有し、並びに、さらに(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147並びに野生型NGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基117又は119である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、117、118、119及び147を含む立体構造的エピトープに結合する、単離された抗体に関する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有し、並びに、さらに(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147並びに野生型NGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基117又は119である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、117、118、119及び147を含む立体構造的エピトープに結合する、単離された抗体に関する。
さらに別の態様において、本発明は、2006年11月21日に寄託されたATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455に関する。さらに別の態様において、本発明は、2006年11月21日に寄託されたATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455によって産生された抗体に関する。マウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455によって産生された抗体は、(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、118及び147並びに野生型NGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基117又は119である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基112、117、118、119及び147を含む立体構造的エピトープに結合することができる。マウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455は、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン及び配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメインを有する。
さらに別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
さらに別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を有し、並びに、さらに(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109並びに野生型NGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基158、159又は160である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15、109、158、159又は160を含む立体構造的エピトープに結合する、単離された抗体に関する。
さらに別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
さらに別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有し、並びに、さらに(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109並びに野生型ヒトNGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基158、159又は160である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15、109、158、159又は160を含む立体構造的エピトープに結合する、単離された抗体に関する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離された抗体に関する。
別の態様において、本発明は、野生型ヒトNGALに特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有し、並びに、さらに(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109並びに野生型ヒトNGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基158、159又は160である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15、109、158、159又は160を含む立体構造的エピトープに結合する、単離された抗体に関する。
さらに別の態様において、本発明は、2006年11月21日に寄託されたATCC受託番号PTA−8026を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−903−430に関する。さらに別の態様において、本発明は、2006年11月21日に寄託されたATCC受託番号PTA−8026を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−903−430によって産生された抗体に関する。マウスハイブリドーマ細胞株1−903−430によって産生された抗体は、(1)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109、(2)野生型ヒトNGALタンパク質(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15及び109並びに野生型ヒトNGALタンパク質の少なくとも1つの追加のアミノ酸(追加のアミノ酸は、野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基158、159又は160である。)又は(3)野生型ヒトNGAL(すなわち、配列番号1又は33)のアミノ酸残基15、109、158、159又は160を含む立体構造的エピトープに結合することができる。マウスハイブリドーマ細胞株1−903−430は、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン及び配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメインを有する。
さらに別の実施形態において、本発明は、配列番号1、2、30又は33に記載されている(特に、配列番号30又は33に記載されている)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合する単離された抗体に関し、
(a)残基N116に関して、約H=9.47又は約15N=118.30に位置する共鳴位置;
(b)残基Q117に関して、約H=7.79又は約15N=117.67に位置する共鳴位置;
(c)残基H118に関して、約H=8.75又は約15N=116.43に位置する共鳴位置;
(d)残基T141に関して、約H=7.99又は約15N=109.06に位置する共鳴位置;
(e)残基K142に関して、約H=7.82又は約15N=114.25に位置する共鳴位置;
(f)残基E143に関して、約H=7.40又は約15N=114.00に位置する共鳴位置;及び
(g)残基E150に関して、約H=8.70又は約15N=118.80に位置する共鳴位置;
からなる群から選択される、配列番号1又は33の残基に対応するアミノ酸に対するアミド共鳴位置の少なくとも3つ、4つ又は5つ、特に、配列番号1、2、30又は33の(特に、配列番号30又は33の)残基に対応するアミノ酸に対するアミド共鳴位置の約2から6のTROSYプロトン−窒素相関NMRスペクトルにおいて、
前記抗体を(一般に、過剰に、特に化学量論的に過剰に)ヒトNGALタンパク質に添加した結果として、前記抗体が添加されていない場合と比べて、前記抗体は、
(1)H共鳴位置における約0.05ppmから約1.0ppm、特に、約0.04ppmから約0.06ppm、特に、H共鳴位置における約0.05ppmの擾乱、
(2)15N共鳴位置における約0.3ppmから約3.0ppm、特に、約0.01ppmから約2.0ppmの、特に約0.1ppm、約0.3ppm若しくは15N共鳴位置における約0.6ppmの擾乱、又は
(3)共鳴強度の約2.5倍から約20倍の減少、特に、蛍光強度の約3倍から約15倍の減少、特に約4倍から約10倍の減少、
を引き起こす。換言すれば、シフトは、野生型NGALタンパク質中の残基に対応する共鳴位置中に存在する。
さらに別の実施形態において、本発明は、配列番号1、2、30又は33に記載されている(特に、配列番号30又は33に記載されている)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合する単離された抗体に関し、
(a)残基Y64に関して、約H=9.15又は約15N=113.30に位置する共鳴位置;
(b)残基V84に関して、約H=9.34又は約15N=121.50に位置する共鳴位置;
(c)残基G86に関して、約H=8.32又は約15N=111.60に位置する共鳴位置;
(d)残基T93に関して、約H=9.32又は約15N=112.80に位置する共鳴位置;
(e)残基L94に関して、約H=7.71又は約15N=122.72に位置する共鳴位置;
(f)残基G95に関して、約H=9.30又は約15N=113.70に位置する共鳴位置;及び
(g)残基S99に関して、約H=8.18又は約15N=114.50に位置する共鳴位置;
からなる群から選択される配列番号1又は33の残基に対応するアミノ酸に対するアミド共鳴位置の少なくとも3つ、4つ又は5つ、特に、配列番号1、2、30又は33の(特に、配列番号30又は33の)残基に対応するアミノ酸に対するアミド共鳴位置の約2から6のTROSYプロトン−窒素相関NMRスペクトルにおいて、
前記抗体を(一般に、過剰に、特に化学量論的に過剰に)ヒトNGALタンパク質に添加した結果として、前記抗体が添加されていない場合と比べて、前記抗体は、
(1)H共鳴位置における約0.05ppmから約1.0ppm、特に、約0.04ppmから約0.06ppm、特に、H共鳴位置における約0.05ppmの擾乱、
(2)15N共鳴位置における約0.3ppmから約3.0ppm、特に、約0.01ppmから約2.0ppmの、特に約0.1ppm、約0.3ppm若しくはH共鳴位置における約0.6ppmの擾乱、又は
(3)共鳴強度の約2.5倍から約20倍の減少、特に、約3倍から約15倍の減少、特に共鳴強度の約4倍から約10倍の減少、
を引き起こす。
D.NGAL抗体を作製及び使用する方法
本発明の抗体は、本分野において公知の様々な異なる技術を用いて作製することができる。例えば、野生型ヒトNGALに対するポリクローナル及びモノクローナル抗体は、適切な免疫原を含有する免疫原性調製物で適切な対象(ウサギ、ヤギ、マウス又は他の哺乳動物など(但し、これらに限定されない。))を免疫化することによって産生され得る。免疫化のために使用することができる免疫原には、ヒトNGALを発現することが知られている不死化された細胞株NSOから得られる細胞などの細胞が含まれ得る。
あるいは、免疫原は、精製された若しくは単離されたヒト野生型NGALタンパク質そのもの(すなわち、配列番号1又は33)又はそのヒトNGAL断片であり得る。例えば、アフィニティークロマトグラフィー、免疫沈降又は本分野において周知である他の技術を用いて、タンパク質(NSOなど)を産生する細胞から単離された野生型ヒトNGAL(配列番号1又は33参照)を免疫原として使用することができる。あるいは、本分野において公知の定型的技術(合成装置など(但し、これに限定されない。))を使用する化学的合成を用いて、免疫原を調製することが可能である。
次いで、抗体が野生型ヒトNGAL又はヒトNGAL断片に結合するかどうかを測定するために、対象中で産生される抗体をスクリーニングすることができる。このような抗体は、本明細書中に記載されている方法を用いてさらにスクリーニングすることができる(例えば、実施例1参照)。例えば、これらの抗体が野生型ヒトNGALのアミノ酸残基112、118及び147又は野生型ヒトNGALのアミノ酸残基15及び109(配列番号1又は33参照)に結合するかどうかを測定するために、これらの抗体をアッセイすることができる。所望される特徴を有する抗体を同定するための適切な方法が、本明細書に記載されている(実施例1参照)。さらに、変異体NGAL(配列番号2又は30参照)に結合する抗体を用いて得られた結果は、野生型NGALの結合へ完全に翻訳可能であること、及び抗体は野生型ヒトNGAL(配列番号1又は33参照)の同等の残基に結合することが完全に理解される。従って、便宜上、特定の事例において変異体NGALを使用しない合理的基礎が欠如しなければ、抗体の結合特性を評価するために、変異体NGALを使用することができる。
免疫原(すなわち、精製されたタンパク質、タンパク質を発現する腫瘍細胞又は組換え的に発現されたヒトNGALタンパク質)の単位用量及び免疫化計画は、免疫化されるべき対象、その免疫状態及び対象の体重に依存する。対象中の免疫応答を増強させるために、免疫原はフロイントの完全又は不完全アジュバントなどのアジュバントとともに投与することができる。
上記されているような免疫原での対象の免疫化は、ポリクローナル抗体応答を誘導する。免疫化された対象中の抗体力価は、固定化された抗原、すなわち、本明細書に記載されているようなヒトNGAL(配列番号1若しくは33又はそのヒトNGAL断片)を用いるELISAなどの標準的な技術によって、経時的にモニターすることができる。
ヒトNGAL(配列番号1若しくは33又はそのヒトNGAL断片)に対する抗体を生産する方法には、ヒト免疫グロビン遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを使用することが含まれる(例えば、WO91/00906、WO 91/10741又はWO92/03918を参照)。あるいは、ヒトモノクローナル抗体は、ヒト抗体を産生する細胞又は組織(例えば、ヒト骨髄細胞、末梢血リンパ球(PBL)、ヒト胎児リンパ節組織又は造血性幹細胞)が移植された免疫欠損マウス中に抗原を導入することによって作製することができる。このような方法には、SCID−huマウス(例えば、WO93/05796、米国特許第5,411,749号又はMcCune et al, Science,241:1632−1639(1988))又はRag−1/Rag−2欠損マウス中で抗体を生産することが含まれる。ヒト抗体免疫欠損マウスも市販されている。例えば、Rag−2欠損マウスは、Taconic Farms(Germantown,NY)から入手可能である。
モノクローナル抗体は、対象を免疫原で免疫化することによって作製することができる。免疫化後の適切な時点で、例えば、抗体力価が十分に高いレベルになった時点で、標準的な技術を用いてモノクローナル抗体を調製するために、抗体産生細胞を免疫化された動物から採集し、使用することができる。例えば、抗体産生細胞は、標準的な体細胞融合手法によって、ハイブリドーマ細胞を産生するために、骨髄腫細胞などの不死化細胞と融合させ得る。このような技術は本分野において周知であり、例えば、「Kohler and Milstein, Nature, 256:495497 (1975)」によって最初に開発されたハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbar et al., Immunology Today, 4:72 (1983))及びヒトモノクローナル抗体を作製するためのEBV−ハイブリドーマ技術(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R.Liss, Inc.pp.77−96 (1985))が含まれる。モノクローナル抗体ハイブリドーマを作製するための技術は、当業者に周知である。
モノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現し、及びヒトNGALタンパク質で免疫化されたトランスジェニックマウスから抗体産生細胞、例えば、脾細胞を採集することによっても作製することができる。脾細胞は、ヒト骨髄腫との融合を通じて、又はエプシュタイン−バーウイルス(EBV)での形質転換を通じて不死化することができる。これらのハイブリドーマは、本分野において記載されているヒトB細胞又はEBV−ハイブリドーマ技術を用いて作製することができる(例えば、Boyle et al.,欧州特許公開0 614 984号参照)。
野生型ヒトNGALタンパク質(配列番号1又は33)又はそのヒトNGAL断片に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、ハイブリドーマ培養上清をスクリーニングすることによって、例えば、不死化されたヒトNGALタンパク質に特異的に結合する抗体を選択するためにスクリーニングすることによって、又は抗体が所望される特徴、すなわち、本明細書に記載されているアミノ酸残基においてヒトNGALに結合する能力を有するかどうかを決定するために本明細書に記載されている抗体を検査することによって検出される。所望の特異性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、例えば、限界希釈手法、例えば、Wands他(Gastroenterology 80:225−232 (1981))によって記載されている手法によってクローンがサブクリーニングされ、標準的な方法によって増殖され得る。
本明細書に記載されているスクリーニングアッセイ中で陽性検査結果を示すモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、ハイブリドーマ細胞が培地中にモノクローナル抗体を分泌することによって、完全な抗体を産生するのに十分な条件下及び時間で、栄養素培地中において培養することができる。ハイブリドーマ細胞に適した組織培養技術及び培地は、本分野において全般に記載されている(例えば、R.H.Kenneth,in Monoclonal Antibodies:A New Dimension In Biological Analyses, Plenum Publishing Corp., New York, N.Y.(1980)参照。)。次いで、抗体を含有する馴化されたハイブリドーマ培養上清を収集することができる。サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えば、プロテインAクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析又はアフィニティークロマトグラフィーなどの慣用の免疫グロブリン精製手法によって、場合によって培地から単離することができる。
モノクローナル抗体は、組換えコンビナトリアル免疫グロブリンライブリーを構築し、ヒトNGALタンパク質を用いてライブラリーをスクリーニングすることによって操作することができる。ファージディスプレイライブラリーを作製及びスクリーニングするためのキットは、市販されている(例えば、the Pharmacia Recombinant Phage Antibody System, Catalog No.27−9400−01;及びthe Stratagene SurfZAP Phage Display Kit, Catalog No.240612参照)。同様に、酵母ディスプレイベクターは本分野において公知であり、市販されている(例えば、Invitrogen Corp.,Carlsbad,CAから入手可能なpYD1)。要約すれば、野生型ヒトNGALタンパク質(配列番号1又は33)に特異的に結合する抗体を発現するファージ又は酵母細胞を同定及び単離するために、抗体ライブラリーがスクリーニングされる。好ましくは、ライブラリーの一次スクリーニングは、固定化された野生型ヒトNGALタンパク質又はその断片を用いたスクリーニングを含む。
スクリーニング後に、ディスプレイファージ又は酵母が単離され、選択された抗体をコードするポリヌクレオチドをディスプレイファージ又は酵母から(例えば、ファージ又は酵母ゲノムから)回収し、周知の組換えDNA技術によって他の発現ベクター中に(例えば、サッカロミセス・セレビシアエ細胞、例えば、EBY10細胞(Invitrogen Corporation, Carlsbad, CA)))サブクローニングすることができる。ポリヌクレオチドは、宿主細胞中でさらに操作し(例えば、さらなる定常領域などのさらなる免疫グロブリンドメインをコードする核酸に連結される。)、及び/又は発現させることができる。
あるいは、抗体に対するヒト患者による応答を最小化するために、キメラ及びヒト化抗体などの抗体の組換え形態も調製することができる。非ヒト対象中で産生された又は非ヒト抗体遺伝子の発現に由来する抗体がヒトの中で治療的に使用される場合、抗体は様々な程度で外来と認識され、患者中で免疫応答が生成され得る。この免疫反応を最小限に抑え又は除去するための1つのアプローチは、キメラ抗体誘導体、すなわち、非ヒト動物可変領域及びヒト定常領域を組み合わせた抗体分子を作製することである。このような抗体は、元のモノクローナル抗体のエピトープ結合特異性を保持しているが、ヒトに投与されたときに免疫原性がより低下し得、従って、患者によって許容される可能性がより高い。
キメラモノクローナル抗体は、本分野において公知の組換えDNA技術によって作製され得る。例えば、非ヒト抗体分子の定常領域をコードする遺伝子は、ヒト定常領域をコードする遺伝子で置換される(例えば、PCT特許公開PCT/US86/02269、欧州特許出願184,187号又は欧州特許出願171,496号を参照されたい。)。
抗原結合に関与していない可変領域の一部をヒト可変領域由来の等価な一部で置換することによって、キメラ抗体は、さらに「ヒト化」することができる。「ヒト化された」キメラ抗体の一般的な総説は、「Morrison,S.L.,Science,229:1202−1207(1985)及びOi et al., BioTechniques, 4−214(1986)」に見出すことができる。このような方法には、重又は軽鎖の少なくとも1つから得られる免疫グロブリン可変領域の全部又は一部をコードする核酸配列を単離し、操作し、及び発現させることが含まれる。次いで、ヒト化キメラ抗体又はその断片をコードするcDNAを適切な発現ベクター中にクローニングすることができる。あるいは、適切な「ヒト化された」抗体は、相補性決定領域(CDR)置換によって作製することができる(例えば、米国特許第5,225,539号;Jones et al., Nature, 321:552−525(1986);Verhoeyan et al., Science 239:1.534(1988);及びBeidler et al., J.Immunol,.141:4053−4060(1988)参照)。
野生型ヒトNGALタンパク質(配列番号1又は33)又はそのヒトNGAL断片に対して特異的な抗体(例えば、ハムスター抗体)の結合特異性を保持する「ヒト」抗体ポリペプチド二量体を作製するために、エピトープインプリンティングも使用することができる。要約すれば、抗原への特異的結合を有する非ヒト可変領域(VH)及びヒト定常領域(CH1)をコードする遺伝子をイー・コリ中で発現させ、ヒトVλ.Cλ遺伝子のファージライブラリーに感染させる。次いで、ヒトNGALタンパク質への結合に関して、抗体断片を提示するファージをスクリーニングする。Vλ.Cλ.鎖の発現に関して、選択されたヒトVλ遺伝子を再度クローニングし、これらの鎖を有するイー・コリをヒトVHCH1遺伝子のファージライブラリーに感染させ、抗原によって被覆されたチューブを用いたスクリーニングの繰り返しにライブラリーを供する(WO93/06213参照)。
別の態様において、本発明は、抗体が抗体断片であることを想定する。例えば、抗体断片には、Fab、Fab’、Fab’−SH断片、ジスルフィド結合されたFv、一本鎖Fv(scFv)及びF(ab’)断片が含まれ得るが、これらに限定されない。抗体断片を作製するために、様々な技術が当業者に公知である。例えば、このような断片は、完全な抗体のタンパク分解的消化を介して得ることができ(例えば、Morimoto et al., J.Biochem.Biophys.Methods, 24:107−117 (1992)及びBrennan et al., Science, 229:81(1985)参照)、又は組換え宿主細胞によって直接産生され得る。例えば、Fab’−SH断片は、イー・コリから直接回収し、F(ab’)断片を形成するために化学的に連結することができる(Carter et al., Bio/Technology,10:163−167(1992)参照)。別の実施形態において、F(ab’)は、F(ab’)分子の集合を促進するために、ロイシンジッパーGCN4を用いて形成される。あるいは、Fv、Fab又はF(ab’)断片は、組換え宿主細胞培養から直接単離することができる。一本鎖可変領域断片(scFv)は、短い連結ペプチドを使用することにより軽及び/又は重鎖可変領域を連結することによって作製される(Bird et al.Science, 242:423−426(1998)参照)。連結ペプチドの例は、GPAKELTPLKEAKVS(配列番号31)である。次いで、薬物の付着又は固体支持体への付着など、さらなる機能のためにリンカーを修飾することが可能である。本発明において使用することができる他のリンカー配列の例は、「Bird et al., Science, 242:423−426 (1988), Huston et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 85:5879−5883 (1988)」及び「McCafferty et al., Nature, 348:552−554 (1990)」に見出すことができる。
一本鎖変形物は、組換え的に又は合成的に作製することができる。scFvの合成的産生のために、自動化された合成装置を使用することができる。scFvの組換え的産生のために、scFvをコードするポリヌクレオチドを含有する適切なプラスミドは、適切な宿主細胞(酵母、植物、昆虫若しくは哺乳動物などの真核生物又はイー・コリなどの原核生物の何れか)中に導入することができる。目的のscFvをコードするポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの連結などの定型的操作によって作製することができる。本分野において公知の標準的タンパク質精製技術を用いて、得られたscFvを単離することができる。さらに、ダイアボディなどの一本鎖抗体の他の形態も、本発明によって想定される。ダイアボディは、VH及びVLドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現されているが、同じ鎖上の2つのドメイン間の対合が不可能なほど短く、これにより、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対合させ、2つの抗原結合部位を作製するリンカーを用いて発現される二価の二重特異的抗体である(例えば、Holliger, P., et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:6444−6448(1993);Poljak,R.J., et al.,Structure,2:1121−1123(1994)参照)。
さらに、本明細書に記載されている本発明の幾つかの態様において(例えば、対照としての使用)、市販の抗NGAL抗体又は文献に記載されている抗NGAL抗体又はその作製方法を使用することが可能であり得る。これらには、(1)抗NGALモノクローナル抗体(AntibodyShop A/S, Gentofte, Denmarkから市販されているHYB211−01、HYB211−02又はHYB211−05);(2)マウス抗NGALモノクローナル抗体(例えば、クローン番号697、カタログ番号HM2193B、HyCult Biotechnology,Uden,Netherlands);(3)ラット抗NGALモノクローナル抗体(例えば、クローン番号220310、カタログ番号MAB1757,R&DSystems,Minneapolis,MN);(4)遊離のNGAL形態(すなわち、ヘテロ二量体中に複合体化されていない形態)を検出すると称されるQuantikine(R)NGALELISAキットDLCN20(R&D Systems, Minneapolis, MN)中に含有される抗NGAL抗体(米国特許公開2007/0196876号);(5)マウスハイブリドーマ細胞中で産生されるウサギ抗ヒトNGALモノクローナル抗体(EP0 756 708及び米国特許第6,136,526号);(6)ヒトNGALに対する精製されたモノクローナル又はポリクローナル抗体(Kjeldsen et al, J.Biolog.Chem., 268:10425−32(1993);Kjeldsen et al., J.Immunolog.Methods,198(2):155−64(1996));(7)ヒトNGALに対するポリクローナル抗体(PCT国際公開WO2002/031507)及び/又は(8)ヒトNGALに対するモノクローナル抗体を作製するためのNGALの溶媒に露出したペプチドループ領域の使用を論述する(米国特許第7,056,702号及び米国特許公開US2004/0115728号)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の抗体は、様々な用途を有する。一態様において、本発明の抗体は、1つ又はそれ以上の免疫診断試薬として使用することができる。例えば、本発明の抗体は、検査試料中のヒトNGAL抗原の存在を検出するための1つ又はそれ以上の方法において1つ又はそれ以上の免疫診断試薬として使用することができる。より具体的には、本発明の抗体は、検査試料中のヒトNGALの存在を検出するためのイムノアッセイにおいて1つ若しくはそれ以上の捕捉抗体、1つ若しくはそれ以上の連結抗体又は1つ若しくはそれ以上の捕捉抗体及び1つ若しくはそれ以上の連結抗体の両方として使用することができる。
E.試料の収集及び前処理
例えば、本発明の抗体が免疫診断薬として及び/又はNGALイムノアッセイキット中で使用される場合、尿、血液、血清及び血漿並びに他の体液を収集し、取り扱い及び処理するための本分野で周知の方法が本発明の実施に際して使用される。
検査試料は、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、受容体、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドなどの目的NGAL分析物の他に、さらなる部分を含み得る。例えば、試料は、対象から得られた全血試料であり得る。検査試料、特に、全血は、本明細書に記載されているようなイムノアッセイの前に、例えば、前処理試薬で処理することが必要であり得、又は所望され得る。前処理が不要である場合でさえ(例えば、多くの尿試料)、前処理は、場合によって、単に便宜のために実施され得る(例えば、市販のプラットフォーム上での計画の一環として)。前処理試薬は、異種の因子又は同質の因子であり得る。
本発明の異種の前処理試薬を用いると、前処理試薬は試料中に存在する分析物結合タンパク質(例えば、NGALを結合することができるタンパク質)を沈殿させる。このような前処理工程は、前処理剤の試料への添加によって形成された混合物の上清を沈殿した分析物結合タンパク質から分離することによって、あらゆる分析物結合タンパク質を除去することを含む。このようなアッセイでは、結合タンパク質が一切存在しない混合物の上清がアッセイにおいて使用され、抗体捕捉工程に直接進む。
同質の前処理試薬が使用される場合には、このような分離工程は存在しない。抗体捕捉工程において、検査試料と前処理試薬の混合物全体を捕捉抗体と接触させる。このようなアッセイのために使用される前処理試薬は、典型的には、抗体捕捉工程の前に又は抗体補足抗体で抗体と遭遇している間に、前処理された検査試料混合物中に希釈される。このような希釈に関わらず、抗体捕捉の間に、検査試料混合物中に前処理試薬のある量(例えば、5Mメタノール及び/又は0.6Mエチレングリコール)がなお存在する(又は残存する)。
前処理試薬は、本発明のイムノアッセイ及びキットとともに使用するのに適したあらゆる試薬であり得る。前処理は、(a)1つ若しくはそれ以上の溶媒(例えば、メタノール及びエチレングリコール)及び塩、(b)1つ若しくはそれ以上の溶媒、塩及び界面活性剤、(c)界面活性剤又は(d)界面活性剤及び塩を場合によって含む。前処理試薬は本分野において公知であり、このような前処理は、文献に記載されているように(例えば、Yatscoff et al., Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood, Clin.Chem., 36:1969−1973 (1990)及びWallemacq et al., Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay:Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood and EMIT Cyclosporine Assays, Clin.Chem.45: 432−435 (1999)参照)に記載されているように、及び/又は市販されているように、AbbottTDx、AxSYM(R)及びATCHITECT(R)分析装置(Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)上でのアッセイのために使用されるように使用され得る。さらに、前処理は、Abbottの米国特許第5,135,875号、EP0 471 293、2006年12月29日に出願された米国特許出願60/878,017号及び2006年6月21日に出願された米国特許出願11/490624号(参照により、前処理に関するその教示に関して全体が組み込まれる。)に記載されているように行うことができる。また、単独で又は他の何れかの前処理剤(例えば、溶媒、界面活性剤、塩など)と組み合わせて、プロテアーゼを使用することができる。
F.NGALイムノアッセイ
イムノアッセイは、サンドイッチフォーマットなどの(但し、これに限定されない。)本分野において公知のあらゆるフォーマットを用いて実施することができる。具体的には、本発明の一態様において、検査試料中のヒトNGAL又はヒトNGAL断片を分離及び定量するために、少なくとも2つの抗体が使用される。より具体的には、少なくとも2つの抗体は、「サンドイッチ」と称される免疫複合体を形成するヒトNGAL又はヒトNGAL断片のあるエピトープに結合する。一般に、イムノアッセイにおいて、検査試料中のヒトNGAL又はヒトNGAL断片を捕捉するために、1つ又はそれ以上の抗体を使用することが可能であり(これらの抗体は、「捕捉」抗体としばしば称される。)、サンドイッチに検出可能な(すなわち、定量可能な)標識を結合するために、1つ又はそれ以上の抗体を使用することができる(これらの抗体は、「検出抗体」、「連結物」としばしば称される。)。
本発明の抗体は、例えば、検査試料中のヒトNGAL抗原の存在を検出するための方法において、免疫診断剤として使用することができる。このような使用及びアッセイは、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,473号に記載されている(このようなアッセイに関するその教示に関して、参照により組み込まれる。)。捕捉抗体、検出抗体として、又は捕捉及び検出抗体として、本発明の抗体を用いて、優れたイムノアッセイ、特に、サンドイッチアッセイを実施することができる。本発明の抗体を使用する他の具体的なアッセイは、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,473号に記載されている(このようなアッセイに関するその教示に関して、参照により組み込まれる。)。
ヒトNGAL又はヒトNGAL断片に関して検査されている(例えば、これらを含有することが疑われている)検査試料は、少なくとも1つの捕捉抗体(又は複数の抗体)及び少なくとも1つの検出抗体(第二の検出抗体又は第三の検出抗体である。)と同時に又は順次に、任意の順序で接触させることができる。例えば、検査試料は少なくとも1つの捕捉抗体とまず接触させ、次いで(順次)少なくとも1つの検出抗体と接触させることができる。あるいは、検査試料は、少なくとも1つの検出抗体とまず接触させ、次いで(順次)少なくとも1つの捕捉抗体と接触させることができる。さらに別の代替例において、検査試料は、捕捉抗体及び検出抗体と同時に接触させることができる。
サンドイッチアッセイフォーマットにおいて、第一の抗体/ヒトNGAL複合体の形成を可能とする条件下で、ヒトNGAL又はヒトNGAL断片を含有すると疑われる検査試料をまず少なくとも1つの第一の捕捉抗体と接触させる。2以上の捕捉抗体が使用される場合、第一の複数の捕捉抗体/ヒトNGAL複合体が形成される。サンドイッチアッセイにおいて、抗体、好ましくは、少なくとも1つの捕捉抗体は、検査試料中に予測されるヒトNGAL又はヒトNGAL断片の最大量のモル濃度過剰量で使用される。例えば、抗体の約5μg/mLから約1mg/mL/mL緩衝液(例えば、微小粒子コーティング緩衝液)を使用することができる。
場合によって、検査試料を少なくとも1つの捕捉抗体(例えば、第一の捕捉抗体)と接触させる前に、検査試料からの第一の抗体/ヒトNGAL複合体の分離を促進するために、少なくとも1つの捕捉抗体を固体支持体に結合させることができる。ウェル、管又はビーズの形態のポリマー性材料から作製された固体支持体など(但し、これらに限定されない。)、本分野において公知のあらゆる固体支持体を使用することができる。1つの抗体(又は複数の抗体)は、吸着によって、化学的連結剤を用いた共有結合によって又は本分野によって公知の他の手段によって、固体支持体に結合させることができる(但し、このような結合は、ヒトNGAL又はヒトNGAL断片を結合する抗体の能力を妨害しない。)。あるいは、1つの抗体(又は複数の抗体)は、(例えば、Seradyn,Indianapolis,Indianaから入手可能な、Power−BindTM−SA−MPストレプトアビジンによって被覆された微粒子を用いて)ストレプトアビジン又はビオチンで予め被覆された微粒子と結合させることができる。あるいは、1つの抗体(又は複数の抗体)は、抗種特異的モノクローナル抗体で予め被覆された微粒子を用いて結合させることができる。さらに、必要であれば、固体支持体は、抗体上の様々な官能基との反応性を許容するために誘導化することができる。このような誘導化には、無水マレイン酸、N−ヒドロキシスクシンイミド及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどの(但し、これらに限定されない。)ある種のカップリング剤の使用が必要とされる。
ヒトNGAL若しくはヒトNGAL断片に関して検査されている及び/又はヒトNGAL若しくはヒトNGAL断片を含有すると疑われている検査試料を少なくとも1つの捕捉抗体(例えば、第一の捕捉抗体)と接触させた後、第一の抗体(又は複数の抗体)−ヒトNGAL複合体の形成を可能とするために、混合物を温置する。温置は、約2℃から約45℃の温度で、約4.5から約10.0のpHで、少なくとも約1分から約18時間、好ましくは、約1から約20分、より好ましくは約18分間の期間、実施し得る。本明細書に記載されているイムノアッセイは、1つの工程で(検査試料、少なくとも1つの捕捉抗体及び少なくとも1つの検出抗体が全て、順次に又は同時に反応容器へ添加されることを意味する。)、又は2つ工程、3つの工程など、2以上の工程で実施することができる。
(第一の又は複数の)捕捉抗体/ヒトNGAL複合体の形成後、次いで、複合体を少なくとも1つの検出抗体((第一の又は複数の)捕捉抗体/ヒトNGAL/第二の抗体検出複合体の形成を可能とする条件下で)と接触させる。少なくとも1つの検出抗体は、イムノアッセイにおいて使用される第二、第三、第四などの抗体であり得る。捕捉抗体/ヒトNGAL複合体が2以上の検出抗体と接触される場合、(第一の又は複数の)捕捉抗体/ヒトNGAL/(複数の)検出抗体複合体が形成される。捕捉抗体(例えば、第一の捕捉抗体)と同様に、少なくとも第二の(及び後続の)検出抗体を捕捉抗体/ヒトNGAL複合体と接触させる場合、(第一の又は複数の)捕捉抗体/ヒトNGAL/(第二の又は複数の)検出抗体複合体の形成のために、上述の条件と類似の条件下での温置の期間が必要とされる。好ましくは、少なくとも1つの検出抗体は、検出可能な標識を含有する。検出可能な標識は、(第一の又は複数の)捕捉抗体/ヒトNGAL/(第二の又は複数の)検出抗体複合体の形成前に、同時に又は後に、少なくとも1つの検出抗体(例えば、第二の検出抗体)に結合させることができる。本分野において公知のあらゆる検出可能な標識を使用することができる。例えば、検出可能な標識は、H、1251、35S、14C、32P、33Pなどの放射性標識、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース6−リン酸脱水素酵素などの酵素的標識、アクリジニウムエステル、ルミナール、イソルミノール、チオエステル、スルホンアミド、フェナントリジニウムエステルなどの化学発光標識、フルオレセイン(5−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、3’6−カルボキシフルオレセイン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレセイン、6−テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナートなど)、ローダミン、フィコビリタンパク質、R−フィコエリトリンなどの蛍光標識、量子ドット(硫化亜鉛がキャッピングされたセレン化カドミニウム)、温度測定標識又は免疫ポリメラーゼ連鎖反応標識であり得る。標識への導入、標識の手法及び標識の検出は、「Polak and Van Noorden, Introduction to lmmunocytochemistry, 2nd ed., Springer Verlag, N.Y.(1997)」及び「(Molecular Probes,Inc.,Eugene,Oregonによって出版されたハンドブックとカタログの組み合わせである)Haugland, Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996)」に見出される。
検出可能な標識は、直接又は連結剤を介して抗体に結合させることができる。使用可能な連結剤の例は、Sigma− Aldrich, St.Louis, MOから市販されているEDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、塩酸塩)である。使用可能な他の連結剤は、本分野において公知である。検出可能な標識を抗体に結合するための方法は、本分野において公知である。さらに、N10−(3−スルホプロピル)−N−(3−カルボキシプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド(CPSP−アクリジニウムエステルとしても知られる。)又はN10−(3−スルホプロピル)−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド(SPSP−アクリジニウムエステルとしても知られる。)など、抗体への検出可能な標識の連結を容易にする末端基を既に含有する多くの検出可能な標識を購入又は合成することができる。
(第一の又は複数の)捕捉抗体/ヒトNGAL/(第二の又は複数の)検出抗体複合体は、標識の定量前に、検査試料の残りから分離させることが可能であるが、分離させなければならないわけではない。例えば、少なくとも1つの捕捉抗体(例えば、第一の捕捉抗体)がウェル又はビーズなどの固体支持体に結合されている場合、分離は、固体支持体との接触から(検査試料の)液体を除去することによって達成することができる。あるいは、少なくとも第一の捕捉抗体が固体支持体に結合されている場合、第一の捕捉抗体は、第一の(複数の)抗体/ヒトNGAL/第二の(複数の)抗体複合体を形成するために、ヒトNGAL含有試料及び少なくとも1つの第二の検出抗体と同時に接触させた後、固体支持体との接触から液体(検査試料)を除去することができる。少なくとも1つの第一の捕捉抗体が固体支持体に結合されていなければ、(第一の又は複数の)捕捉抗体/ヒトNGAL/(第二の又は複数の)検出抗体複合体は、標識の量の定量のために、検査試料から除去する必要はない。
標識された捕捉抗体/ヒトNGAL/検出抗体複合体(例えば、第一の捕捉抗体/ヒトNGAL/第二の検出抗体複合体)の形成後、本分野において公知の技術を用いて、複合体中の標識の量が定量される。例えば、酵素標識が使用されるのであれば、標識された複合体を、発色などの定量可能な反応を与える標識に対する基質と反応させる。標識が放射性標識であれば、標識はシンチレーションカウンターを用いて定量される。標識が蛍光標識であれば、1つの色(「励起波長」と知られる。)の光で標識を刺激し、刺激に応答して標識によって発光された別の色(「発光波長」として知られる。)を検出することによって、標識が定量される。標識が化学発光標識であれば、標識は、視覚的に又は光測定装置、X線フィルム、高速写真フィルム、CCDカメラなどを使用することによって、発光された光を検出して定量される。複合体中の標識の量が定量されたら、既知濃度のヒトNGAL又はヒトNGAL断片の系列希釈を用いて作製された標準曲線の使用によって、検査試料中のヒトNGAL又はヒトNGAL断片の濃度が測定される。ヒトNGAL又はヒトNGAL断片の系列希釈を使用する以外に、標準曲線は、重量分析、質量分析法によって及び本分野において公知の他の技術によって作製することができる。
本明細書に記載されている方法(すなわち、イムノアッセイ及びキット)は、検査試料中に存在するNGALのレベルの測定に基づいて、対象の尿細管細胞傷害状態を評価するために使用することができる。評価されるべき対象は、現在、尿細管細胞傷害を有し、又は尿細管細胞傷害を発症するリスクを有し得る。
本明細書に記載されている方法は、尿細管細胞傷害に対して対象を治療した後に、又は対象が尿細管細胞傷害を現在経験しながら、対象に対して実施することができる。
本明細書に記載されている方法は、対象中での薬物又は他の治療剤の腎毒性副作用をモニターするために使用することができる。
本明細書に記載されている方法は、外科的処置の後など(心臓手術、冠動脈バイパス手術、心血管手術、血管手術又は腎臓移植後など)、対象によって経験される現象の後に、対象が腎臓への低下した血液供給を経験した後に、(対象が、損傷を受けた心機能、卒中、外傷、敗血症及び脱水からなる群から選択される医学症状を有し、又は経験している場合)集中治療室への患者の入室後に、1つ若しくはそれ以上の医薬の対象への投与後に、又は1つ若しくはそれ以上の造影剤を対象に投与した後に、実施し、又は実行することができる。
本明細書中のある種の実施形態は、尿細管細胞傷害の状態を評価するために使用されたときに有利であることは言うまでもないが、イムノアッセイ及びキットは、他の疾病、例えば、癌、敗血症及びNGALの評価を伴うあらゆる疾病、疾患又は症状においてNGALを評価するためにも、場合によって使用することができる。
より具体的には、腎疾患、疾病及び傷害の評価の他に(例えば、米国特許公開2008/0090304号、2008/0014644号、2008/0014604号、2007/0254370号及び2007/0037232号参照)、本明細書に記載されているアッセイ及びアッセイ成分は、他のあらゆるNGALアッセイにおいて、又はNGALレベル若しくは濃度の評価が有用であると判明し得る他のあらゆる状況、例えば、癌関連アッセイ(例えば、全般的に又はより具体的に、膵臓癌、乳癌、卵巣/子宮癌、白血病、大腸癌及び脳癌が含まれるが、これらに限定されない。例えば、米国特許公開2007/019876号参照;米国特許第5,627,034号及び5,846,739号も参照)、全身性炎症応答症候群(SIRS)、敗血症、重篤な敗血症、敗血症ショック及び多発性臓器機能障害症候群(MODS)の診断(例えば、米国特許公開2008/0050832号及び2007/0092911号参照;米国特許第6,136,526号も参照);血液学用途(例えば、細胞の種類の推測);とりわけ子癇前症、肥満(メタボリックシンドローム)、インシュリン抵抗性、高血糖、組織再構築(MMP−9と複合される場合、例えば、米国特許公開2007/0105166号及び米国特許第7,153,660号参照)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症)、過敏性腸症候群(例えば、米国特許公開2008/0166719及び2008/0085524参照)、神経変性疾患、呼吸器疾患、炎症、感染、歯周病(例えば、米国特許第5,866,432号参照)及び静脈血栓塞栓疾患を含む心血管疾患(例えば、米国特許公開2007/0269836号)の評価においても場合によって使用することが可能である。
G.NGALイムノアッセイキット
本発明は、検査試料中の哺乳動物のNGAL抗原の存在を検出するためのキットも想定する。このようなキットは、本明細書に記載されている免疫診断試薬(例えば、抗体)の1つ又はそれ以上を含み得る。より具体的には、キットがイムノアッセイを実施するためのキットである場合、キットは、本明細書に記載されている免疫診断試薬及び指示書を場合によって含むことができる。例えば、本明細書に記載されている免疫診断試薬及び抗体などの様々なイムノアッセイキットが、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,473号(このようなアッセイに関するその教示に関して、参照により組み込まれる。)に記載されている。
従って、本発明は、1つ若しくはそれ以上の組換え抗体又は本発明の哺乳動物NGALを含む診断用及び品質管理キットをさらに提供する。場合によって、本発明のアッセイ、キット及びキット成分は、市販のプラットフォーム上での使用(例えば、Abbott Laboratories,Abbott Park,ILのPrism(R)、AxSYM(R)、ARCHITECT(R)及びEIA (ビーズ)プラットフォーム上でのイムノアッセイ並びに他の市販の及び/又はインビトロ診断用アッセイ)に対して最適化される。さらに、前記アッセイ、キット及びキット成分は、他の形式で、例えば、電気化学的な又はその他の携帯式又は治療場所でのアッセイ系に対して使用することができる。例えば、本発明は、TnI、CKMB及びBNPを含む幾つかの心臓マーカーに対するサンドイッチイムノアッセイを実施する市販のAbbott Point of Care(i− STAT(R), Abbott Laboratories, Abbott Park, IL)電気化学的イムノアッセイ系に対して適用可能である。イムノセンサー及び使い捨て検査装置中でイムノセンサーを作動させる方法は、例えば、米国特許公開20030170881号、20040018577号、20050054078号及び20060160164号(参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている。電気化学的なイムノセンサー及びイムノセンサーの他の種類の製造に関するさらなる背景は、米国特許第5,063,081号(同じく、これらに関するその記述に関して、参照により組み込まれる。)に見出される。
場合によって、キットは、品質管理試薬(例えば、感度パネル、検量用試料及び陽性対照)を含む。品質管理試薬の調製は本分野において周知であり、例えば、様々な免疫診断用製品同封シート上に記載されている。NGAL感度パネルの一員は、例えば、適切なアッセイ緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)中に本発明のNGAL抗体の既知量をスパイクすることによって、例えば、「低」から「高」にわたるNGAL抗体の既知量を含有する可変量で場合によって調製することができる。これらの感度パネルの一員は、アッセイの性能特性を確立するために場合によって使用され、さらに、場合によって、イムノアッセイキット試薬の完全性及びアッセイの標準化の有用な指標である。
別の実施形態において、本発明は、アッセイの性能特性を評価し、並びに/又はアッセイ中に使用される抗原の完全性を定量及びモニターするための感度パネルとして使用するための1つ又はそれ以上の本発明の抗体を含む品質管理キットを提供する。
キットに提供される抗体は、蛍光色素、放射性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識などの検出可能な標識を取り込むことができ、又はキットは、抗体を標識するための試薬若しくは抗体を検出するための試薬(例えば、検出抗体)及び/又は抗原を標識するための試薬若しくは抗原を検出するための試薬を含み得る。抗体、検量用試料及び/若しくは対照は別の容器中に与えることができ、又は、適切なアッセイフォーマット中に、例えばマイクロタイタープレート中に予め分配させることができる。
キットは、診断アッセイを実施し、又は緩衝液、塩、酵素、酵素補因子、基質、検出試薬などの品質管理評価を容易にするために必要とされる他の試薬を場合によって含み得る。検査試料を単離及び/又は治療するための緩衝液及び溶液などの他の成分(例えば、前処理試薬)も、キットに含め得る。キットは、1つ又はそれ以上の他の対照をさらに含み得る。キットの成分の1つ又はそれ以上は凍結乾燥させることができ、キットは、凍結乾燥された成分の再構成に適した試薬をさらに含み得る。
キットの様々な成分は、場合によって、適切な容器中に与えられる。上述のように、容器の1つ又はそれ以上は、マイクロタイタープレートであり得る。さらに、キットは、試料を保持又は保存するための容器(例えば、血液又は尿試料用の容器又はカートリッジ)を含むことができる。適宜、キットは、反応容器、混合容器及び試薬又は検査試料の調製を容易にする他の成分も場合によって含有し得る。キットは、注射器、ピペット、鉗子、測定用スプーンなどの検査試料の取得を補助するための1つ又はそれ以上の機器も含み得る。
キットは、紙形態又はディスク、CD、DVDなどのコンピュータ読み取り可能な形態で提供され得る使用説明書を場合によってさらに含み得る。
例として、限定することなく、ここで、本発明の実施例を記載する。
H.アッセイキットの改良
キット(又はその成分)並びに本明細書に記載されている成分及び方法を用いるアッセイによって、検査試料中のNGAL抗原の濃度を測定する方法は、例えば、米国特許第5,089,424号及び同第5,006,309号に記載されているように、並びに、例えば、ARCHITECT(R)としてAbbott Laboratories(Abbott Park, IL)によって市販されているように、様々な自動化又は半自動化されたシステム(固相が微粒子を含むシステムを含む。)で使用するために改良することができる。
自動化されていないシステム(例えば、ELISA)と比較した自動化又は半自動化されたシステムの差の幾つかには、第一の特異的結合パートナー(例えば、NGAL捕捉抗体)が付着されている基質(サンドイッチ形成及び分析物の反応性に影響を与えることができる。)並びに捕捉の長さとタイミング、検出及び/又は何らかの場合によって行われる洗浄工程が含まれる。ELISAなどの自動化されていないフォーマットは、試料及び捕捉試薬との相対的により長い温置時間を必要とし得るのに対して(例えば、約2時間)、自動化又は半自動化されたフォーマット(例えば、ARCHITECT(R),Abbott Laboratories)は相対的により短い温置時間(例えば、ARCHITECT(R)に関して約18分間)を有し得る。同様に、ELISAなどの自動化されていない形式は、相対的により長い温置時間(例えば、約2時間)、連結物試薬などの検出抗体を温置し得るのに対して、自動化又は半自動化されたフォーマット(例えば、ARCHITECT(R))は、相対的により短い温置時間(例えば、ARCHITECT(R)に関して約4分)を有し得る。
Abbott Laboratoriesから入手可能な他のプラットフォームには、AxSYM(R)、IMx(R)(例えば、参照により本明細書にその全体が組み込まれる米国特許第5,294,404号参照)、PRISM(R)、EIA(ビーズ)及びQuantumTMII並びに他のプラットフォームが含まれるが、これらに限定されない。さらに、アッセイ、キット及びキット成分は、他のフォーマット、例えば、電気化学的又は他の携帯式若しくは治療地点でのアッセイ系において使用することができる。本開示は、例えば、サンドイッチイムノアッセイを実施する市販のAbbott Point of Care(i−STAT(R)、Abbott Laboratories)電気化学的イムノアッセイシステムに対して適用可能である。イムノセンサー並びに使い捨て検査装置におけるその製造及び操作方法は、例えば、米国特許第5,063,081号、米国特許公開2003/0170881号、米国特許公開2004/0018577号、米国特許公開2005/0054078号及び米国特許公開2006/0160164号(これらに関する教示に関して、参照により、その全体が組み込まれる。)に記載されている。
特に、I−STAT(R)システムへのNGALアッセイの改造に関して、以下の構成が好ましい。微小加工されたシリコンチップは、金電流測定作用電極及び銀−塩化銀参照電極の一対を用いて製造される。作用電極の1つの上で、固定化された捕捉抗体を有するポリスチレンビーズ(直径0.2mm)が電極の上にパターン化されたポリビニルアルコールのポリマーコーティングに接着される。このチップは、イムノアッセイに適した流体装置フォーマットを有するI−STAT(R)カートリッジ中に組み立てられる。カートリッジの試料保持チャンバーの壁の一部上に、アルカリホスファターゼ(又は他の標識)で標識された第二の検出抗体を含む層が存在する。カートリッジの流体袋内には、p−アミノフェノールリン酸を含む水性試薬である。
作動時に、NGAL抗原を含有すると疑われる試料は、検査カートリッジの保持チャンバーに添加され、カートリッジはI−STAT(R)読取装置中に挿入される。第二の抗体(検出抗体)が溶液中に溶解された後、カートリッジ内のポンプ要素がチップを含有する伝導路内に試料を押し出す。ここで、ポンプ要素は、NGAL抗原、NGAL捕捉抗体及び標識された検出抗体間でのサンドイッチの形成を促進するために、周期的に振動する。アッセイの最後から2番目の工程において、試料をチップから廃棄チャンバーの中に洗浄するために、液体は袋から伝導路の中に押し出される。アッセイの最後の工程において、アルカリホスファターゼ標識は、p−アミノフェノールリン酸と反応してリン酸基を切断し、放出されたp−アミノフェノールを作用電極において電気化学的に酸化させる。測定された電流に基づいて、読取装置は、埋め込まれたアルゴリズム及び工場で測定された較正曲線を用いて、試料中のNGAL抗原の量を計算することができる。
さらに、本明細書に記載されている方法及びキットは、イムノアッセイを実施するための他の試薬及び方法を必ず包含することは言うまでもない。例えば、連結物希釈剤及び/又は検量用試料希釈剤として、例えば洗浄のために、本分野において公知の様々な緩衝液及び/又は使用するために容易に調製し、又は最適化され得る様々な緩衝液が包含される。典型的な連結物希釈剤は、ある種のキットにおいて使用され、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、塩、タンパク質ブロッキング剤、抗微生物剤及び界面活性剤を含有するARCHITECT(R)連結物希釈剤(Abbott Laboratories, Abbott Park, IL)である。典型的な検量用試料希釈剤は、MES、他の塩、タンパク質ブロッキング剤及び抗微生物剤を含有する緩衝液を含む、ある種のキットにおいて使用されるARCHITECT(R)ヒト連結物希釈剤(Abbott Laboratories, Abbott Park, IL)である。
NGALマウス細胞株の開発
本明細書中に具体的に記載されていない全ての野生型NGAL組換え抗原(rAg)及び変異体C87SNGALNGALrAgクローン、サブクローン、ハイブリッド及びハイブリドーマ(名称及び番号を含む。)、ベクター及びベクター構築物は全て、これらの全体が、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(これらに関するその教示に関して、参照により組み込まれる。)に記載されている。参照を容易にするために、これらの材料の幾つか又は米国仮特許出願60/981,470号から得られる図解も本明細書に含まれる。
具体的には、図1(ヒトNGAL野生型抗原配列(配列番号1)を示す。);図2(米国仮特許出願60/981,470号の実施例1に記載されている野生型ヒトNGAL配列を含有するプラスミドpJV−NGAL−A3(pJV−NGAL−hisAとしても知られる。)を示す。);図3(ヒトNGALC87S変異体抗原配列(配列番号2)を示す。);図4(野生型ヒトNGALポリヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。)及び図5(変異体ヒトNGALポリヌクレオチド配列(配列番号4)を示す。)。
米国仮特許出願60/981,470号中のこれらの材料の幾つか及びさらに市販されているポリペプチドは、本明細書にさらに記載されているように、特定の細胞株の作製及び/又は評価において使用された。特に、ヒト好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)に対する免疫応答を刺激するための動物免疫原性試験において、2つのマウス系統及び1つのウサギ系統、すなわち、CAF1/Jマウス、RBF/DnJマウス(The Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)及びNZWウサギ(Covance, Kalamazoo, MI)を使用した。動物中に免疫化された4つのNGAL抗原は、(1)NSO骨髄腫細胞から産生された組換えヒトNGAL(R&D Systems (Minneapolis, MN));(2)HEK293細胞中で産生された組換えヒトNGAL(一過性の発現系、Abbott Laboratoriesで行われた研究);(3)ヒト白血球から単離された固有の哺乳動物由来ヒトNGAL(Diagnostics Development (Uppsala, Sweden));及び(4)イー・コリ中で産生された組換えNGAL(ProSpec−Tany TechnoGene (Rehovot, Israel))であった。
フロイントのアジュバント(Difco, Detroit, MI)及びRibiアジュバント(Corixa, Hamilton, MT)を交互に、NGAL5μgの5回の隔週免疫化をマウスに与えた。以下に記載されているEIAで評価するために、5回目の免疫化の9から14日後に、血清試料を採取した。アジュバント研究において、ウサギを使用し、4つのアジュバント計画の1つを用いて、NGAL20μgを用いて、5回の免疫化を毎月行った。内容は下記の通り:(1)Adjuliteフロイントのアジュバント(Pacific Immunology Ramona, CA);(2)メチル化されていないCpGヌクレオチドを含有するオリゴデオキシヌクレオチド(CpG−ODN,Cell Sciences,Canton,MA)と組み合わせたAlhydrogel水酸化アルミニウムゲルアジュバント(Accurate Chemical, Westbury, NY);(3)DifcoフロイントアジュバントとRibiアジュバントを交互に、及び(4)DifcoフロイントアジュバントとCpG−ODNが補充されたQuilA(Brenntag Biosector, Denmark)を交互に行った。
ヒツジ抗マウスIgGFc(Jackson Immunoresearch, West Grove PA)又はヒツジ抗ウサギIgGFc(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA)を、5μg/mLで、96ウェルマイクロタイターEIAプレート(Nunc Corporation, Rochester NY)上に被覆した。捕捉試薬を固相上に被覆した後、捕捉試薬を除去し、PBS(ブロック溶液)中の2%BSA溶液を用いて、プレート上に残存している全ての占有されていない結合部位をブロックした。プレートを洗浄し、対照抗体及び動物血清試料のlog3系列希釈を1時間の温置のために添加した。プレートを蒸留水中で洗浄し、1.0μg/mLから始まってブロック溶液中に希釈されたNGAL抗原のlog4系列希釈をプレートに添加し、10分間温置させた。抗原を蒸留水でプレートから洗浄し、ブロック溶液中に100ng/mLになるように希釈されたビオチン標識されたヤギ抗NGALポリクローナル抗体(R&D Systems, Minneapolis MN)を添加し、30分間温置した。この温置後、蒸留水を用いて抗原をプレートから洗浄した。約200ng/mLになるように、ストレプトアビジン−HRPO(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA)をブロック溶液中に希釈し、プレートに添加し、30分間温置した。プレートを蒸留水で洗浄し、シグナルを生成させるための発色原として、0.05%Tween20及びo−フェニレンジアミン基質(OPD;Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)を使用した。492nmでプレートを読み取り、Kaleida Graphソフトウェア(Synergy Software, Reading, PA)を用いて、以下の式:
y=m1+m2*m0(m3+m0)
を用いてプロットすることによって、結果を分析した。
(m1はバックグラウンドシグナルであり、m2は最大シグナルであり、m0は可変抗原濃度であり、yはシグナル(すなわち、光学密度)であり、及びm3は最大結合の50%での抗原濃度である。)。総抗NGAL力価に基づいて、及び最大結合シグナルの50%において生成される値であり、従って、最高親和性に変換されるAg50に基づいて、血清試料を互いに対して順位付けした。この検査は、「Friguet et al., J.Immunolog.Methods, 1985, 77:305−319」に詳述されている検査と同様に行った。
総抗NGAL力価に基づいて、及び最小抗原濃度を用いて最大結合シグナルの50%において生成され、従って、最高親和性に変換されるに基づいて、血清試料を互いに対して順位付けした。検査は、「Friguet et al., J.Immunolog.Methods,77:305−319(1985)」に詳述されている検査と同様に行った。結果は、表1A、1B及びC1に示されている。
Figure 0005746861
Figure 0005746861
Figure 0005746861
表1A及び1B中のマウス血清から得られたEIAの結果は、CAF1/jマウスがずっと高い力価及びNGAL抗原に対する改善された相対的親和性(Ag50)を示すことを明確に示唆した。CAF1/jマウスは、RBF/Dnjマウスより強く、より高度に特異的な哺乳動物によって産生され及びグリコシル化された抗原に対する免疫応答を示した。これは、おそらく、「Rudd et al., Science, 291:2370−2376(2001)」によって記載されているマウス免疫系への抗原の主要組織適合複合体(MHC)提示の役割によるものである。マウスのCAF1/j系統は、グリコシル化された抗原を加工し、より効率的な免疫応答をもたらすために、RBF/Dnjマウスより遺伝的に優れるように操作されたように見受けられる。
ウサギの血清試料から得られた表1C中の結果は、Adjuliteフロイントアジュバントを用いてHEK293発現された組換えNGALで免疫化されたウサギ血清は残りの3つのアジュバント計画を用いたウサギより、統計的により高い抗体力価を与えたことを示唆する。さらに、Adjuliteフロイントのアジュバントを用いて免疫化されたウサギは、改善された相対的親和性を与えた。これらの動物は、CpG−ODNと組み合わせて水酸化アルミニウムを用いて免疫化された動物と統計学的に類似していた。抗NGAL分泌性ハイブリドーマ細胞株を作製するために、ウサギB細胞が使用され得るのに対して(Spieker−Polet et al., Proc.Natl.Acad.ScLi.92,9348−9352(1995))、アッセイ感度要件は、マウスハイブリドーマ細胞株を用いて充足された。
NGAL抗原に対して最高の力価及び親和性を首尾よく示した後、抗原の融合前強化免疫の前に、CAF1/Jマウス番号13、14及び20を7週間休息させた。融合の3日前に、マウスに麻酔をかけ、体腔を開け、脾臓を露出させるために、切開した。0.9%生理的溶液中に希釈された組換えヒトNGAL抗原(R&D Systems, Minneapolis, MN)の10μg注射を各マウスの脾臓中に直接与え、脾臓周囲の体腔中に、さらに10μg与えた。手術用ステープルを用いて、切開を閉じ、融合前にマウスを休息させた。
融合の当日に、マウスを安楽死させ、抗NGAL脾細胞を含有する脾臓を採集し、ハイブリドーマ無血清培地(HSFM)(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)中に配置した。「Kohler and Milstein, Nature,256:495−7(1975)」によって記載されているように、細胞融合を行った。HSFMを含有する別個のペトリ皿中に、各マウスの脾臓を置いた。HSFMを含有する注射器及び細胞へらを用いて、各脾臓から脾細胞を灌流して流出させ、次いで、血球計を用いて計数した。各マウスから、約1.7×10個の脾細胞をプールし、細胞沈降物中への遠心によって洗浄し、HSFM中に再懸濁した。これらの脾細胞をSP2/0骨髄腫細胞の等しい数と混合し、沈降物中に遠心した。HSFM中の50%ポリエチレングリコール(PEG)(分子量1300から1600、ATCC、ManassasVA)に脾細胞及びSP2/0細胞を曝露させることによって、融合を達成した。30秒にわたって、細胞沈降物にPEG溶液1mLを添加した後、さらに1分間温置した。30秒にわたって、HSFMの30mLをゆっくり添加することによって、PEG及び沈降物を希釈した。次いで、遠心によって、融合された細胞を懸濁物から除去し、容器を傾けて上清を除去した。
ハイブリドーマを選択するために、15%FBS(Hyclone Laboratories, Logan UT)、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)(Sigma Laboratories,St.Louis,MO)、HT補充物(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)、ハイブリドーマクローニング因子(Bioveris Corporation, Gaithersburg MD)及びL−グルタミン(Invitrogen Corp., Grand Island, NY)が補充されたHSFM428mL中に、細胞懸濁物を再懸濁した。24個の96ウェル細胞培養プレート中に、0.2mL/ウェルで細胞を播種した。5、7、11及び12日目に、吸引によって各ウェル中の培地の半分を除去し、15%FBS、HT補充物及びL−グルタミンが補充されたHSFMと置換した。抗体産生に関する上清のスクリーニングの前に、10又は13日間、ハイブリドーマを増殖させた。
EIAによって、細胞上清試料を抗NGAL抗体に関して分析した。ウサギ抗マウスIgGFc又はヒツジ抗マウスIgGFc(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA)の何れかを、5μg/mLで、96ウェルマイクロタイターEIAプレート上に被覆した。固相上に捕捉試薬を被覆した後、捕捉試薬を除去し、ブロック溶液を用いて、プレート上のあらゆる開放された結合部位をブロックした。次いで、ブロックされたプレートに細胞上清を添加し、室温で少なくとも1時間温置した。抗マウスIgGFcは、上清から抗NGALマウス抗体を捕捉する。温置後、蒸留水を用いて上清を洗浄した。ビオチンで標識されたNGAL抗原を、100から200ng/mLでプレートに添加し、30分間温置した。この温置後、蒸留水を用いて、抗原をプレートから洗浄した。約200ng/mLになるように、ストレプトアビジン−HRPO(Jackson Immunoresearch)をブロック溶液中に希釈し、プレートに添加し、30分間温置した。NGAL−ビオチンを除去するためにプレートを蒸留水で洗浄し、シグナルを生成させるための発色原として、o−フェニレンジアミン基質(OPD;Abbott Laboratories, Abbott Park, IL)を使用した。492nmでプレートを読み取り、結果を分析した。ハイブリッドがバックグラウンドより少なくとも3倍大きなEIAシグナルを有する場合に、ハイブリッドを陽性と考えた(下表2参照)。
Figure 0005746861
10%FBS及びHT補充物が補充されたHSFM中で、24ウェルプレートに、陽性ハイブリッドを増殖した。3から7日の増殖後、相対的親和性の順位付けを行うために、ビオチン標識されたNGALの複数の濃度が使用されたことを除き、上述のように、24ウェル培養物をEIAによって評価した(下表3及び4参照)。さらなる評価のために、BIAcore装置(BIAcore International AB, Uppsala, Sweden)を用いて、このアッセイにおいて、NGALへの相対的に高い親和性を示したハイブリッドを培養フラスコに増殖させた。
Figure 0005746861
Figure 0005746861
BIAcoreを用いて、NGALに対する相対的結合親和性に関して、NGALハイブリッド上清を評価し、これに従って、NGAL結合エピトープ群中でグループ分けした。親和性アッセイは、以下のように、ヤギ抗マウスIgGFc捕捉バイオセンサー上で完結した。0.1%BSA及び0.1%CM−デキストランを加えたHBS−EP緩衝液を含有する走行緩衝液(以下、「走行緩衝液」)と、10μL/分で、まず、フローセルを平衡化させた。次に、バイオセンサー上に上清由来の抗NGAL抗体を捕捉する各フローセルを横切って、上清13μLを浮遊させ、1つのフローセルは参照フローセルとしてブランクとした。次いで、走行緩衝液を用いて、50μL/分で5分間、フローセルを洗浄し、チップを横切って100nM濃度のNGAL抗原150μLを注射した後、走行緩衝液を5分注射した。センサーグラムを介して、相対的結合速度論、会合及び解離をモニターした。会合及び解離速度並びに総合Kを測定するために、Scrubber2.0ソフトウェア(BioLogic Software Pty Ltd., Australia)を用いて、センサーグラムを分析した。下表5に、結果が示されている。
Figure 0005746861
Figure 0005746861
NGAL上に異なる別個の結合エピトープを有することが知られている、HYB211−01、HYB211−02又はHYB211−05として知られた3つの市販のモノクローナル抗体のうちの1つにNGALが予め複合体を形成している場合に、各NGALハイブリッドmAbがmAb−抗原−mAbサンドイッチを完了する能力を測定することによって、NGAL結合エピトープ群を決定した。簡潔に述べれば、上記親和性アッセイにおけるように、Fc捕捉バイオセンサー及び走行緩衝液の同じ種類を用いて、各フローセル上に、3つの社外販売業者のmAbのそれぞれ12μLを搭載する前に、5μL/分で2分間、チップを走行緩衝液と平衡化させる。1つのフローセルはブランクとし、参照として使用する。走行緩衝液を用いてフロー細胞を2分間洗浄し、次いで、マウスIgGの高度に濃縮された溶液10μLを用いて、全ての空のFc捕捉部位をブロックする。1μMNGAL又は走行緩衝液のみの何れか15μL上に浮遊させる前に、チップをさらに2分間平衡化させる。さらに2分の温置をもう一度行った後、NGALハイブリッド上清15μLをバイオセンサー表面上に浮遊させる。
走行緩衝液のみを表面上に注射したときと比べて、NGALの存在下で、NGALハイブリッドmAbが有意なシグナルを生成する場合、そのNGALハイブリッドmAbは、市販のmAbとのmAb−抗原−mAbサンドイッチを形成することができる。NGALハイブリッドは、社外販売業者のmAbとサンドイッチを形成する能力に基づいて、3つの異なるエピトープ群にグループ分けされた。mAbがNGALと上手くサンドイッチを形成した場合、陽性のスコアを与え、ペアを成すmAbがNGALへ同時に結合できるという証拠と考えた。各エピトープ群は、2つの他の群の何れかとサンドイッチを形成することができるが、それ自身の群の要素とは形成できない。(下表6参照)。
Figure 0005746861
NGALハイブリッドは、Biacore阻害データ及び速度論的スクリーニングに基づいて、相対的に順位付けられる。ハイブリッド1−903及び1−2322は、改善された相対的親和性で、2つの明確に異なるNGALエピトープに結合したので、さらなる評価のために選択した。細胞株を安定化させ、混合された細胞集団が確実に存在しないようにするためのクローニングのために、これらのハイブリッドを選択した。
半固体組織培地中で細胞を増殖させ、ClonepixFL装置(Genetix Ltd., Hampshire, UK)を用いた継代培養のためにコロニーを取り出すことによって、ハイブリッド1−903をクローニングした。簡潔に述べれば、10%FBSが補充されたHSFMの2倍濃度及びCloneMatrixメチルセルロース培地(Genetix Ltd., Hampshire, UK)の等容量中に、ハイブリッド細胞懸濁液を希釈した。半固体細胞懸濁液を組織培養プレート中に播種し、37℃で約7日間温置した。細胞播種の時点で、ヤギ抗マウスIgG−FITC溶液の5μg/mL溶液(Clone Detect, Genetix Ltd., Hampshire, UK)を半固体培地に添加した。増殖を開始した単一の細胞が移動され、他の細胞と混合することはなかったので、半固体培地中で増殖されたコロニーは、クローンであると考えられる。コロニーによって産生されている抗体と蛍光を発するヤギ抗マウスIgGFc−FITCとの間で免疫沈降反応が起こる。蛍光が明るいほど、より多くの抗体がコロニーによって産生される。
ClonepixFL上の蛍光に関してコロニーを分析し(図6参照)、10%FBSを加えたHSFMを含有する96ウェル組織培養プレートへの自動化された転移のために、最も強いシグナルを有するコロニーを選択した。これらのプレートを7から10日間温置し、上に先述されているように、抗NGAL力価に関してクローン上清を検査した。さらなる評価のために、クローン1−903−102を選択した。FBSを加えないHSFMにこの細胞株を引き離し、上記半固体培地を用いてサブクローニングした。大規模化及び細胞バンクへの保管の目的で、細胞株1−903−430も選択した。細胞バンクの長期間保存のために、液体窒素凍結装置を使用する。要約すると、抗NGALmAbハイブリッド1−903−102は、サブクローン1−903−430が由来した親クローンである。
限界希釈によるクローニングのために、ハイブリッド1−2322を選択した。簡潔に述べると、10%FBSを含有するHSFM中にハイブリッド細胞を系列希釈し、96ウェル組織培養プレート中に播種した。集密な増殖が明白になるまで、これらのプレートを温置した。上に先述されているように、抗NGAL力価に関して、クローン上清を検査した(図7参照)。さらなる評価のために、クローン1−2322−101を選択し、増殖のために、FBSを加えないHSFM中に引き離した。上記半固体培地を用いて、この細胞株をサブクローニングした。大規模化及び細胞バンクへの保管の目的のために、細胞株1−2322−455を選択した。細胞バンクの長期間保存のために、液体窒素凍結装置を使用する。要約すると、抗NGALmAbハイブリッド1−2322−101は、サブクローン1−2322−455が由来した親クローンである。
抗体の性質決定
Isostrip Mouse Monoclonal Antibody Isotyping Kit(Roche Diagnostics, Basel, Switzerland)を用いて、1−903−430及び1−2322−455細胞株の各々から精製された抗体を検査した。各試料に対して0.2μg/mLの分取試料150μLを発色チューブに添加し、混合した。各チューブにIsostripを加え、細片のバンド上で発色するまで、5から10分間温置した。結果は、1−903−430及び1−2322−455の何れもがκ軽鎖を有するマウスIgG1サブタイプであることを示唆した。
抗体産生及び精製
1−903−430及び1−2322−455細胞株をHSFM中で増殖させ、約0.5×10−5細胞/mLで、ローラー瓶の中に播種した。約1回転/分で回転させながら、10から14日間又は最終の終末培養が得られるまで、37℃で培養物を温置した。最終ローラー瓶の上清を採集し、0.45μMフィルターで清澄化した。Pelliconシステムを用いて、清澄化された上清を濃縮し、0.45μMフィルターを用いてろ過した。pH8.9の1.5Mグリシン/3NaCl緩衝液の等容量を用いて、mAb濃縮物を希釈し、次いで、AKTA自動化精製システム(Amersham/Pharmacia)を用いて、予め平衡化された5mLのプロテインAカラム上に搭載した。次いで、結合緩衝液の5カラム容量を用いて、カラムを洗浄し、安定なベースラインが達成された時点で、pH3.0のクエン酸緩衝液を用いて、mAbを溶出した。次いで、PBS中への交換のために、G25カラム70mLにmAbを移した。抗体を分取し、−70℃で保存した。
抗体結合親和性
Sapidyne Instruments(Boise, Idaho)から入手可能なKinetic Exclusion Assay(KinExA(R))を用いて、抗NGAL1−2322−455及び1−903−430mAbの両方に対する平衡解離定数を測定した(Darling and Brault, Assay and Drug Development Technologies,2(6):647−657(2004)参照)。IgG抗体(1−2322−455又は1−903−430)の一定量をヒトNGAL抗原の様々な濃度(5×10−8Mから10−12M)とともに温置し、試料採取前に、平衡化に到達させた(3から8時間)。固相ポリメチルメタクリラート(PMMA)ビーズ上に固定化されたヒトNGAL上に抗体/ヒトNGAL反応混合物を注射することによって、遊離の結合部位の量を測定した。続いて、蛍光性CY5が連結されたヤギ抗マウスポリクローナル抗体(GAM−Cy5)を用いて、ヒトNGALによって被覆されたビーズに結合された遊離の抗NGAL抗体を検出した。結合されたGAM−Cy5の程度は、ヒトNGALによって被覆されたビーズに結合された抗NGALIgGの量に比例した。製造業者(Sapidyne Instruments, Boise, Idaho)によって提供されたソフトウェアを用いて、反応試料中に存在する抗原の量に対して、遊離の結合部位の量を分析することによって、Kを求めた。実験は、PBS、pH7.4及び1%BSA反応希釈剤中で行った。NGAL野生型抗原及びNGAL変異体C87S抗原に対する抗NGAL1−2322−455IgG及び1−903−430IgGのKが、下表7に報告されている。
Figure 0005746861
KinExAによって測定された親和性の結果は、モノクローナル抗体1−2322−455が野生型NGAL及び変異体C87SNGALの両方に対して同じ親和性を有することを示した。モノクローナル抗体1−903−430は、変異体C87SNGAL抗原の親和性より高い親和性を野生型NGAL抗原に対して有する。
精製された抗体の能力
この実験の目的は、化学発光アッセイフォーマット中でサンドイッチを形成する能力に関してクローンを検査することであった。PBS中、2μg/mLで、白色の96ウェルマイクロタイターイムノアッセイプレート上に、ヤギ抗マウスIgGFcを被覆した。捕捉試薬が固相上に被覆された後、捕捉試薬を除去し、PBS溶液中の2%Fishゲルを用いて、プレート上の全ての開放された結合部位をブロックした。次いで、ブロック溶液を洗浄除去し、mAb1−2322−101からの精製された抗体をPBS中に1μg/mLで添加し、室温で1時間温置した。この温置後、水でプレートを洗浄し、CHO細胞中で産生されたNGALrAgを、PBS中に、0から100ng/mLまでlog2系列希釈でプレートに添加し、室温で1時間温置した。この温置後、水でプレートを洗浄し、二次mAb試薬を添加する前に、未結合のヤギ抗マウスIgGFc捕捉抗体を占拠させるために、FishGelブロック中の1%正常マウス溶液で再びブロッキングした。このブロッキングの後、プレートを洗浄し、アクリジニウム標識された二次モノクローナル試薬を、ブロック溶液中に、250から500ng/mLで添加した。室温で30分間、二次mAbを温置し、次いで、水で洗浄した。Architect Pre−trigger Solution(Abbott No.6E23−65)及びArchitect Trigger Solution(Abbott No.6C55−60)がその中に添加されているWallac Microbeta Jet Instrument (Perkin Elmer, Waltham MA)上で、アッセイシグナルを読み取り、発光カウント/秒(LCPS)でフラッシュ化学発光を測定する。
図8は、抗原滴定曲線のグラフ化を示し、1−2322−101捕捉された抗体はこのアッセイにおいて検査されたエピトープ群1(すなわち、HYB211−01及び1−181−128)の2つの他の要素とサンドイッチを形成しないことを示す。
MAb1−2322−101は、エピトープ群2(すなわち、1−903−102及びHYB211−02)及びエピトープ群3(すなわち、1−419−182)の要素と首尾よくサンドイッチを形成することができる。このデータは、BIACore阻害エピトープグループ分けアッセイを用いて、ハイブリッド段階で同定されたエピトープのグループ分けを確認する。このデータは、二次抗体1−903−102とともに使用された捕捉mAb1−2322−101が最良の抗体対であったことも示唆する。
抗体の配列決定
この実験の目的は、NGALmAb1−903−430可変遺伝子配列及びNGALmAb1−2322−455可変遺伝子配列を決定することであった。
製造業者の推奨に従って、市販の試薬(Oligotex direct mRNA kit, Qiagen)を用いて、適切なハイブリドーマ細胞培養物からmRNAを抽出した。標準的なプロトコールに従って、それぞれ、市販のマウスIgプライマーMuIgGVH3’−2及びMuIgkVL3’−1(Mouse Ig−Primer set, Novagen)を用いて、抽出されたmRNAからIgG重鎖cDNA及びκ軽鎖cDNAを作製した。次いで、標準的な方法を用いて、上記されている同じ市販のマウスIgプライマーキットからのIgG及びIgκ特異的プライマーのプールを用いて、それぞれのcDNAから、可変重(VH)及び可変軽(VL)遺伝子をPCR増幅した。製造業者の指示に従って、市販のベクター(pCR2.1−TOPO cloning kit, QIAGEN, Valencia, CA)中に、増幅されたVH及びVLPCR産物をクローニングし、イー・コリ中に形質転換した。VH及びVL遺伝子配列を同定するために、複数の形質転換されたイー・コリコロニーから単離されたプラスミドに対して、配列分析を行った(BigDye Terminator v3.1 cycle sequencing kit, Applied Biosystems, Foster City, CA))。
NGALmAb1−2322−455及び1−903−430可変遺伝子及びポリペプチド配列が、図9AからB及び10AからB並びに配列番号17及び21(mAb1−903−430に対して)並びに配列番号7及び11(mAb1−2322−455に対して)に示されている。
mAb結合のためにエネルギー的に重要なNGAL残基の同定
抗NGALモノクローナル抗体は、NGALの概ね完全長を包含する約10から20残基長の一連の直鎖配列に対して反応性を示さなかった。このことは、抗NGAL1−903−430及び1−2322−455mAb系統が立体構造的エピトープ又は不連続なエピトープに反応したことを示唆する。従って、抗NGALmAbの群との相互作用にとって重要な残基を決定するために、変異されていない(野生型(「WT」))NGAL抗原及び酵母接合タンパク質AGA2への融合物として酵母表面上のNGAL抗原のライブラリーを発現させるために、酵母ディスプレイ系を使用した(Boder and Wittrup, Nature Biotechnology, 15:553−557(June 1997)参照)。プライマーNGALpYD41for及びNGALpYD41revを用いて、野生型NGAL抗原DNAコード配列をPCR増幅し、標準的な分子生物学技術を用いて、酵母ディスプレイベクターpYD1(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)中にクローニングした。pYD1ベクターは、ガラクトース誘導性プロモーター、C末端V5エピトープタグ並びに、それぞれ、EBY100及びイー・コリ選択のためのトリプトファン及びアンピシリンマーカーを含む。プライマーは、以下のとおりである。
NGALpYD41for:
Figure 0005746861
NGALpYD41 rev:
Figure 0005746861
プライマーpYD41for及びpYD41revを用いて、製造業者の指示に従い、GenemorphII無作為突然変異導入キット(Stratagene, LaJolla, CA)を用いる変異誘発条件下で、野生型NGAL抗原DNAコード配列を増幅することによって、NGAL中に無作為な変異を含有するライブラリーを作製した。これらのプライマーは、以下のとおりである。
pYD41for:
Figure 0005746861
pYD41rev:
Figure 0005746861
記載されているように(Schiestl and Gietz, Current Genetics, 16(5−6):339−46(Dec 1989))、酵母中に形質転換した後、内在性の相同的組換え系を用いて、得られたレパートリーを直鎖化されたpYD1酵母ディスプレイベクター中に挿入した。再構成されたベクター上に存在する栄養要求性トリプトファンマーカーを用いて、形質転換された酵母細胞を選択的に回収した。変異体ライブラリーは、178残基のNGALrAgの各位置での全てのアミノ酸の置換の可能な数より二桁超高い5×10の多様な要素を含有していた。
NGAL抗原発現のために誘導された変異体ライブラリーは、抗NGALmAbの群(1−2322−101及び1−903−102)を用いる、「Chao et al., J.Mol.Biol, 342:539−550(2004))」に記載されているような蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)の連続する繰り返しのための最初のプールであった。抗NGALmAb1−2322−101及び1−903−102は、それぞれ、抗NGALサブクローン1−2322−455及び1−903−430が得られた親クローンである。一次NGALmAbとともに細胞を温置し、洗浄し、フィコエリトリン(GaM−PE)と連結されたヤギ抗マウスポリクローナル抗体を用いて、細胞表面に結合された残りのmAbを検出した。選択の各巡において、特定の抗NGALmAbによって結合され得る能力を破壊した変異を含有する完全長クローンを、結合相互作用を変化させなかった変異を含有するクローンから選択的に濃縮した。mAb結合の喪失をもたらす変異の位置を特定するために、各mAb選択から単離された多数の各クローンを配列決定した。次いで、NGAL抗原の立体構造を全体的に破壊する明白な変異を除去するために、溶媒が接近可能な表面領域に従って、変異体残基のリストを篩にかけた(下表8参照)。
Figure 0005746861
各NGALmAbサブクローンの機能的エピトープ(直接接触残基)を確認するために、アラニンへの部位指定突然変異導入によって、エピトープ選択から同定されたNGALrAg残基の各々の側鎖を変化させた。酵母細胞表面上に、各NGALrAgアラニン変異体を発現させ、各NGALmAbの滴定後に(5×10−6Mから1×10−11M)、結合の量を測定することによって、親和性を測定した。簡潔に述べれば、室温で4時間から一晩、一次NGALmAb(1−2322−455又は1−903−430)とともに室温を温置し、洗浄し、フローサイトメトリーアッセイを用いて、フィコエリトリンが連結されたヤギ抗マウスポリクローナル抗体(GaM−PE)を用いて、細胞表面上の抗原に結合されたままのmAbを検出した。
親和性は、以下の式[1]を用いて計算した。
Figure 0005746861
(Fは抗原結合チャンネル中の観察された平均蛍光強度(「観察された蛍光」)であり、Fmaxは飽和されたmAb結合での蛍光の量、Lは遊離のリガンド濃度であり、Kは平衡解離定数であり、及びBはバックグラウンド蛍光である。)
mAb結合に対する各アラニン置換のエネルギー的影響を評価するために、Gibbsの自由結合エネルギーの変化(デルタデルタGAla−WT)を測定した。以下の式[2]を用いて、アラニン置換時のGibbsの自由結合エネルギーの変化を計算した。
Figure 0005746861
(Rは気体定数(1.9872×10−3kcal/M・Kelvin)であり、Tは温度であり(297°Kelvin)であり、KD,Ala及びKD,WTは、それぞれ、変異体及び野生型抗原に対する平衡解離定数である。)
これらの実験に関して、式[1]を用いてKを求めるために、観察された蛍光(F)を使用した。次いで、アラニン置換の際のGibbsの自由結合エネルギーの変化を求めるために、式[1]に由来するKを式[2]において使用した。接触残基を求めるためのデータとして使用されたエピトープマッピング結合等温式が、図11及び図12に示されている。Kは、変曲点で曲線の各々の横軸から読み取られる。
1kcal/mole以上のデルタデルタGAla−WT値を有する残基を有意と考え、下表9に太字で列記されている。
Figure 0005746861
表9から明らかなように、抗NGALmAb1−2322−455は、セリン(S,Ser)112、ヒスチジン(H、His)118及びグルタミン酸(E,Glu)147残基に直接接触する。抗NGAL1−903−430は、リジン(K,Lys)15及びアルギニン(R,A4g)109側鎖に直接接触する。これらの残基の何れかをアラニンに変化させる(及びこれらの側鎖を除去する)ことによって結合が喪失するので、抗NGAL1−903−430認識のために、これらの残基の両方が必要とされる。ヒトNGALのX線結晶構造上のmAb結合変異のために不可欠なアミノ酸残基(PDB1QQS)の分子モデル化が、図13に示されている。ヒトNGALとの抗体結合において重要であるとして図13に強調表示され及び本実施例に記載されている部位指定突然変異導入によって同定された残基も、以下の実施例に記載されているように、NMRを用いて同定されたことには注目する価値がある。
NMRを用いた抗体相互作用の性質決定
イー・コリ中でのヒトNGALの発現
それぞれ、5’及び3’末端に、EcoRI及びBamHI部位を有するように、成熟ヒトNGALタンパク質(配列番号33)をコードするポリペプチド配列を設計した。開始コドンがベクターによって供給されるシャイン・ダルガルノ配列の開始から最適な距離の下流に位置するように(典型的には、12から14塩基)、所望の配列のすぐ上流に、開始コドンをインフレームに挿入した。開始コドンの後に、設計された配列は、成熟NGALタンパク質(シグナルペプチドなし(配列番号33参照))に加えて、6ヒスチジンのC末端配列をコードする。この配列は、イー・コリ中での高レベル発現に対してコドン最適化された。NGALタンパク質の一部をコードし、相補的な重複する末端を含有するオリゴヌクレオチドを徐冷し、末端を充填し、二段階PCRプロセスにおいて、得られた組み立てられた産物を増幅した。第一のPCR工程において、5’−クローニング部位(EcoRI)及びC末端ヒスチジンタグの一部をコードする配列を組み立てられた遺伝子の末端に導入し、第二のPCR工程において、ヒスチジンタグをコードする配列の残りが取り込まれ、その後に停止コドンが続いた。増幅された産物を精製し、EcoRI及びBamHIを用いて消化し、同様に消化されたpKRR826ベクター(非融合産物を生成するpLを基礎とする発現ベクター、例えば、米国特許第5,922,533号に記載されている。)中に連結した。イー・コリのプロテアーゼ欠損BL21系統中に、連結産物を形質転換した。アンピシリン耐性によって、クローンを選択した。設計されたヒトNGAL配列を有するクローン(NGAL(+)1と称された。)が確認された。
発現されたNGALがジスルフィド結合された二量体を形成する可能性を最小限に抑えるために、QuikChange Site−Directed Mutagenesis Kit(Stratagene, Cedar Creek,TX)(配列番号29及び30並びに図14参照)を用いて、クローンNGAL(+)1のアミノ酸87をCys残基からSer残基に変化させた。変異されたプラスミドの配列を確認し(配列番号29に記載されており、残基−1にMetをコードする変異を受けたNGALポリヌクレオチド配列)、得られたプラスミド(NGAL(+)mut8と称される。)をプロテアーゼ欠損イー・コリ株BL2−21(Amersham Pharmacia Biotech(ApBiotech), Uppsala, Sweden,現在GE Healthcare)中に形質転換した。
0.55のOD595に達するまで、細胞を30℃で増殖させ、この時点で、発現を誘導するために温度を42℃にシフトさせた。42℃での誘導の3時間後、遠心によって細胞を採集し、BugBuster Extraction Reagent(Novagen,Madison,WI)を用いて、沈降された細胞を溶解した。発現されたNGALは可溶化液の可溶性画分中に存在し、His−Bind(R)Purification Kit(Novagen, Madison, WI)を用いて精製し、0.15MNaCl(PBS)を含有する0.01Mリン酸緩衝液、pH7.4中に透析した。
NMR研究用の同位体標識されたNGALの調製
本明細書に先述されているように、イー・コリ株BL21中でタンパク質を発現させることによって、ヒトNGALタンパク質を調製した。100%Oを含有する市販のリッチ培地(Cambridge Isotope Laboratories (CIL), Andover, MA)中で細胞を増殖させることによって、Hバックグラウンド中の均一に15N標識されたヒトNGAL試料を調製した。U−13C−グルコース(3g/L、Cambridge Isotope Laboratories (CIL), Andover, MA)及び15NHCl(1g/L, Cambridge Isotope Laboratories (CIL), Andover, MA)を用いて、均一に13C,15N標識された試料をM9培地上で調製し、HO及び10μMFeSOを添加した。本明細書に先述されているように、可溶性タンパク質を精製した。
モノクローナル抗体(mAb2322、mAb809、mAb269、mAb181及びmAb903)からのFab断片の調製
選択されたハイブリドーマを大規模化し、rProteinA−PorosA50カラムを用いて、組織培地からモノクローナル抗体を単離した。さらなる研究のために、6つのモノクローナル抗体、すなわち、mAb2322、mAb809、mAb269、mAb181及びmAb903を選択した。
以下のように、一般的な消化プロトコールを用いて、パパインでのIgG抗体の限定的消化によって、Fab断片を調製した。簡潔に述べると、1mMジチオスレイトール(DTT)及び1mMEDTAの存在下で、100:1(w/w)のIgG/パパイン比で固定化されたパパイン(Pierce Biotechnology, Rockford, IL)と、PBS中の2から6mg/mLの濃度範囲の抗体を混合し、室温で回転装置の上に置いた。ToshoK3433G2000SWxIHPLCカラム上で、30分又は60分ごとに、試料を走行させることによって、消化をモニターした。完了後、遠心によって、固定化された酵素を除去し、消化されていないIgG及びFc断片を吸収させるために、rProteinA−PorosA50カラムに試料を通過させた。濃縮後、PBSに対してFab断片を透析した。PAGE及びHPLCによって、80%より高いFab断片の純度が確認された(図15参照)。Fab調製物中の何れの不純物も5%を超えなかった。
NMR実験(NGAL共鳴のアサインメント)
NMR試料は、90%HO/10%O中に、0.15から0.50mMの標識されたタンパク質を含有した。ヒトNGALに対するタンパク質共鳴のアサインメントは、公開データベースBiological Magnetic Resonance Data Bank(データベースエントリー4267;http://www.bmrb.wisc.edu/data/library gen saveframe)から得られた(Coles, M., et al., J Mol Biol 289: 139−57(1999)参照)。本実施例で使用した構築物はC87S置換を有するが、その他の点では、「Coles, M., et al., J Mol Biol 289:139−57(1999)」に記載されている研究において使用されたものと同じである。3DHNCA(Yamazaki, T., et al., J.Am.Chem.Soc.116,11655−11666(1994)参照)実験及び3DH/15N分解されたNOESY(Fesik, S.W., et al., J.Magn.Reson.78, 588−593(1988)参照)スペクトルを取得し、公開されたアサインメントと比較した(Coles, M., et al., JMol Biol 289:139−57(1999)参照)。C87S変異に隣接する残基を除き、アサインメントに著しい差は観察されなかった。アサインメントは、pH6.0の50mM酢酸ナトリウム緩衝液中の500μMヒトNGALからなる試料を用いて行った。全てのNMRスペクトルは、BrukerDRX600又はDRX800NMR分光光度計上で、25℃で収集した。
NMR実験(結合によって誘導されたシフト)
ヒトNGAL−Fab複合体は150μM同位体標識されたヒトNGALを含有し、6つのmAbの各々から得られた非標識Fab断片200μMを研究した。15N,H標識されたNGALのH−15N−TROSYHSQC(Pervushin, K., et al., Proc Natl Acad Sci USA 94, 12366−71(1997)及びShimada, I, Methods Enzymol 394, 483−506(2005)参照)スペクトル又は13C,H標識されたヒトNGAL単独及びNGAL−Fab複合体中のH−13CHSQC(Bodenhausen,G,et al., Chem.Phys.Lett.69, 185−188(1980)参照)を比較することによって、化学シフト又はピーク幅の増大をモニターした。抗体結合によって共鳴の擾乱が最低限であった場合に、化学的シフトの変化又は相対的な幅の増大は「変化なし」と分類され、又はスペクトルの変化の大きさに応じて、「中」若しくは「大きな」擾乱と分類した。これらの擾乱の例は、mAb2322の添加後、ヒトNGALに対して図16に示されている。
NMRの結果及び考察
NMRは、タンパク質−タンパク質相互作用の接触残基又はエピトープの決定を可能にする方法である(Shimada,I, Methods Enzymol., 394:483−506(2005), Clarkson, J., et al., Biochem Soc Trans., 31:1006−9 (2003), Foster, M.P., et al, Biochemistry, 46:331−40 (2007), Zuiderweg, E.R., Biochemistry, 41:1−7(2002), Betz, S.F., et al., Proc Natl Acad Sci USA, 95:7909−7914 (1998)参照)。この方法は、タンパク質配列中で連続していないが、タンパク質の折り畳みのために近接している接触残基(いわゆる、「不連続」又は「立体構造的」エピトープ)を同定することができる。NMRスペクトルは、固有の抗原−抗体相互作用を反映し、接触の極めて強固な指標である。
図16は、ヒトNGAL及びヒトNGAL/抗体mAb2322複合体のH−15NTROSYHSQCスペクトルの一部を示す(Shimada, I, Methods Enzymol, 394:483−506(2005)及びFernandez, C, et al., Curr Opin Struct Biol, 13:570−80(2003)参照)。図16は、複合体のスペクトル(太い灰色の線)中の共鳴の多くが、遊離のタンパク質のスペクトル(細い黒線)の共鳴位置上にほぼ正確に重なることを示している。これらのヒトNGAL共鳴は、抗体結合によって著しい影響を受けない。一例が図16中の93Tであり、位置の著しいスペクトル変化を示さず、従って、抗体接触部位から遠いと推測される(Shimada, I, Methods Enzymol, 394:483−506(2005), Clarkson, J., et al., Biochem Soc Trans., 31:1006−9(2003), Foster, M.P., et al., Biochemistry, 46:331−40(2007), Zuiderweg, E.R., Biochemistry, 41:1−7(2002)参照)。しかしながら、抗体の存在によって非常に擾乱される115Y及び150Eのような残基は、抗体と直接接触しており(第一の接触殻)、又は直接接触している残基と接触している残基(第二球体接触(second sphere contact))と推定される。これらの接触結果は何れも、NMRによって検出可能なmAb接触のスペクトルのシグナチャをもたらす。残基115、118及び150に対する擾乱を示すこれらのデータは、実施例7中の機能喪失変異データ及び自由エネルギー結合データの変化と合致し、これらを補うものであって、mAb2322によって残基112、118及び147が直接接触されていることを裏付ける。これらの残基又は付近の残基は、抗体の結合によって擾乱され得ると予想される。
H−15NTROSYHSQCスペクトルの他に、側鎖共鳴の擾乱は、特に、H−13CHSQCスペクトルからのメチル基中において測定することができる。共鳴が重複しているので、H−13C共鳴のごく一部のみを分析において使用した。H−13Cから得られたこの追加のデータは、H−15NTROSYHSQCスペクトルの結果を補い、擾乱された共鳴を有する残基を列記する下表10に含まれている。
Figure 0005746861
以下の分類に従って、表10中の擾乱の大きさを順位付けした。
(a)「測定せず」−実験中の共鳴状態が不明瞭であったので、測定されなかった。ピークが十分に分割されておらず、擾乱を割り当てることができない。
(b)「0」−変化なし、シフト<0.2ppm(1H+15N)。他のピーク同様に幅が広がっている。
(c)「1」−小さなシフト:0.5ppm>シフト>0.2ppm(1H+15N)。
(d)「2」−大きなシフト。シフト>0.5ppm(1H+15N)。
(e)「3」−幅広い又は大きなシフト、ピークが消失。
(f)重複したピークは、表10に含まれていない。
図17Aに示されているように、mAb903結合(図17A)による固有の抗原であるヒトNGALの共鳴の擾乱を観察することができ、mAb2322などの異なる抗体の結合によって観察される擾乱(図17B)と区別することができる。これは、異なる結合界面が特徴的な異なるスペクトル変化をどのように有するかを図解する。このアプローチによって、抗原タンパク質であるヒトNGALの異なる表面上で相互作用する抗体間の識別が可能とする。
図18Aから18Fは、研究された全ての抗体に対して観察された共鳴変化を要約するグラフを示している。共鳴変化(縦軸)を配列(横軸)に対してグラフ化すると、擾乱された共鳴の全てが配列中で連続する残基から得られるわけではないことが明らかである。さらに、プロットは共鳴の同じ組を比較するので、共鳴の擾乱が抗体に関して異なっているときに観察することが容易である。このデータの比較から、6つの研究されているmAbを3つの異なる群に組み合わせることができる。第一の群(「エピトープ群1」)には、図18AからDに示されているmAb2322、mAb809及びmAb269及びmAb181が含まれる。残りの2つの抗体mAb903(図18E)及びmAb419(図18F)は、明瞭に異なるNMR共鳴擾乱シグナチャを示し、2つの別個の群、すなわち、群2及び群3に割り当てられる(すなわち、それぞれ、「エピトープ群2」及び「エピトープ群3」)。
図19AからBは、共鳴が擾乱されている残基がタンパク質の三次元構造上にどのようにマッピングされるかを示している。NMR(Coles, M., et al., J Mol Biol, 289:139−57(1999)参照)及びX線結晶学(Goetz, D.H., et al., Mol Cell, 10:1033−43 (2002)及びHolmes, M.A., et al., Structure, 13:29−41 (2005)参照)を用いて、NGAL三次元構造を決定した。予想通り、抗体結合によってその共鳴が影響を受けたアミノ酸残基は、タンパク質表面上に位置しており、抗体との接触相互作用に関与している可能性がある。これらのアミノ酸残基は、第一球体又は接触残基としばしば定義される。表面上に露出されておらず、タンパク質分子の内部に埋め込まれている所謂第二球体残基も存在する。これらのアミノ酸は、第一球体中の残基の位置決めに必要であり、この微小環境は、抗体と相互作用した際にも擾乱され得る。
その上、これらのアミノ酸残基は、結合エピトープのNMRシグナチャにも寄与する。さらに、抗体と直接接触していないが、結合表面中での結合によって誘導される立体構造の調整のために擾乱された状態となるエピトープの周辺上の残基の共鳴中に擾乱を登録することもしばしば可能である。
図19Aに示されているように、mAb2322によって(例えば、下表11から、残基K142からE150まで)、ヒトNGALのその共鳴が擾乱されている残基は全て、タンパク質の1つの表面上に存在する。これらの残基には、実施例7の自由エネルギー結合データの機能喪失変異及び変化によって独立に同定された残基147が含まれる。表面上で擾乱された残基は、直接接触球体中に存在する。第二球体中の残基はこれらの残基に接触し、結合による構造的再配置のために、間接的に擾乱される可能性がある。これらの残基は、抗体との相互作用表面を確定するために使用され得る。表面は、タンパク質の折り畳みのために近接している非連続的な残基からなる。従って、抗体は、タンパク質の固有状態に類似する折り畳みを認識する。
mAb903結合によって擾乱される残基の対応する位置が、図19Bに示されている。これは、図中に示されているように、mAb2322のものから追放された相互作用表面がタンパク質の底部に位置していることを確定する。2つの接触領域は、重複しておらず、従って、それらを識別するために使用することができるNMR共鳴の擾乱によって確定された相互作用表面を有する。従って、それらがタンパク質の隣接する表面上に位置する場合でさえ、各抗体に特有な接触が存在する。実施例7中の機能喪失変異及び自由エネルギー結合データの変化によって同定された、擾乱された残基L18及びQ88が残基15及び109に近接していることに注目することも意味がある。
メチル(H−13C)基スペクトル及びアミド(H−15N)スペクトル中のシフト並びに(H−15N)スペクトルの幅の増大が、以下の表11に要約されている。
Figure 0005746861
一般に、本実施例のデータは、機能喪失変異及び自由エネルギー結合データの変化に関して実施例7に得られたエピトープマッピングデータと一致し、これを補う。幾つかの事例において、13C/15Nマッピングデータの不存在は、シフトの規模が極めて大きいので、シフトしたピークの同定が妨げられることに起因し得る。
溶液中での抗体親和性及びサンドイッチ形成の測定
蛍光性標識及び消光物質でのNGAL及びmAbの標識化
His−BindPurificationKits(Novagen, EMD Chemicals, Inc.San Diego)を用いて、イー・コリ中で産生されたヒトNGAL(C87S)を精製した。BHQ−10Sスクシンイミジルエステル(Black Hole Quencher(R), Biosearch Technologies, Inc.Novato, CA)を用いて、精製されたヒトNGALを標識した。ALEXAFluor488カルボン酸、スクシンイミジルエステル(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)を用いて、抗NGALmAb(1−809−174、1−903−102、2−9405、1−2322−101)を標識した。PBSで平衡化されたG−25カラム上で、標識されていないBHQ−10及びALEXAFluor488を除去した。
BHQ−10Sからの寄与に関する補正を含めて、Cary4分光光度計(Varian, Sugarland, TX)上で、E279 1mg/mL=1.25を用いて、1cmキュベット中でのUV吸収によって、標識されたNGALの濃度を測定した。ALEXAFluor488からの寄与に関する補正を含めて、E279 1mg/mL=1.50を用いて、1cmキュベット中でのUV吸収によって、標識されたmAbの濃度を測定した。
製造業者によって提供された指示書に従って、標識されたタンパク質の標識手法及び濃度測定を行った。
平衡解離定数の測定
直接的結合実験において、NGAL及び6つの抗NGAL抗体の平衡解離定数(K)を測定した。15の試料の系列で、pMからμM以下の範囲まで、BHQ−NGAL濃度を増分で増加させながら、ALEXA488−mAbを一定の濃度(0.05nM)に保った。30分の温置後、SLM8100光子計数分光蛍光光度計上で全ての試料を測定した。480nmで試料を励起し、530nm(30nmのバンド幅)干渉フィルター(Chroma Technology Corp., Rockingham, VT)を通じて、発光を収集した。全ての結合測定は、0.15MnaCl、3mMEDTA及び0.005%界面活性剤P20を含有する10mMHEPES緩衝液、pH7.4中で行った。
ALEXA488標識された抗体(mAb2322、mAb809、mAb269、mAb181及びmAb903)の蛍光発光は、BHQ標識されたNGALに結合すると、25から40%消光されることが見出された。残念ながら、ALEXA488−mAb419へのBHQ−NGALの結合は、抗体蛍光を10%未満消光し、このため、その滴定を正確に定量することが不可能であった。従って、mAb419に対する解離定数は、測定されなかった。
蛍光強度の変化がBHQ−NGALに結合された抗体の割合に正比例すると仮定すると、リガンドが結合していない(又は遊離の)BHQ−NGALの濃度は、以下の式[3]から計算することができる。
Figure 0005746861
(リガンド及びABSは、それぞれ、BHQ−NGAL濃度及び総抗体結合部位であり、F結合は結合された抗体部位の割合である。)。式[4]に従って、平衡解離定数(K)を得るために、結合データを単純な結合モデルとフィッティングさせた。
Figure 0005746861
図20は、抗NGALmAb及びNGALの結合曲線を示し、抗NGALmAbに対する計算された平衡解離定数(K)が表12に列記されている。
Figure 0005746861
表12中の測定された値は全て、NGALへの高い親和性を示唆する。
サンドイッチ形成に対する抗NGAL抗体の評価
二重色蛍光交差相関分光法(DC−FCCS;dual−color fluorescence cross−correlation spectroscopy)を用いて、6つの抗NGALmAbに対して、2つの抗体及びヒトNGALからなる複合体(以下、サンドイッチと称する。)を形成する能力を評価した。
DC−FCCSの概念は、「Proc Natl Acad Sci USA 91:5740−5747 (1994)」に記載されているように、Eigen及びRiglerによって定式化された。交差相関曲線は、2つの異なる発光波長に対して最適化された2つの光学チャンネル中で測定されたシグナルの時間的相関によって計算される。関心を有する2つの分子種に2つの異なる蛍光標識をタグ付加すると、分子複合体のみが、両チャンネル中で同時に検出することができる。これは、溶液中の分子複合体の濃度に比例する交差相関プロットの規模をもたらす。DC−FCCSは、実際上、あらゆるサイズの分子に適用することができる。従って、DC−FCCSは、自動相関機能分析を用いてこれらの種を分割するために、遊離の種及び結合された種の拡散係数の少なくとも2倍の差が存在する必要性によって制約を受ける伝統的な蛍光相関分光法(FCS)の能力を拡張する(Meseth, U., et al., Biophys J., 76:1619−31 (1999)参照)。
DC−FCCSの最初の実験的な実践は、異なる蛍光色素で標識された2つの一本鎖オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成の研究において達成された(Schwille, P., et al., Biophys J., 72:1878−86(1997)参照)。計算された交差相関曲線の大きさが形成された二本鎖DNA複合体の量に依存するように、蛍光標識された各一本鎖DNAを別個のチャンネル中で独立にモニターした。その後、DC−FCCSは、幾つかのDNAプロセッシング酵素の活性を研究するために(Collini, M., et al., Nucleic Acids Res., 33:e165(2005), Kettling, U., et al., Proc Natl Acad Sci USA, 95:1416−20(1998)及びRarbach, M., et al., Methods, 24:104−116(2001)参照)、特異的なDNA配列を検出するために(Berland, K.M., J Biotechnol, 108:127−136(2004)参照)及びタンパク質への2つのDNA二重鎖の同時結合を性質決定するために(Rippe, K., Biochemistry, 39:2131−2139(2000)参照)使用された。DNA研究の他に、タンパク質−タンパク質相互作用の定量的性質決定に対して、DC−FCCSを応用することが提案されている(Schwille, P., et al., Biophys., 772:1878−1886(1997)及びWeidemann, T., et al., Single Molecules, 3:49−61(2002)参照)。
DC−FCCS装置及びデータ解析
倒立NikonEclipseTE300蛍光顕微鏡(Nikon Ins Tech Co., Ltd., Kanagawa, Japan)が一体化された二重チャンネル蛍光相関分光測定装置ALBA(ISS,Champaign,IL)を用いて、DC−FCCS実験を行った。
5W Millennia VI(Spectra−Physics, Mountain View, CA)を用いて拍動される、モードがロックされたTsunami Titanium−Sapphireレーザーを、二光子励起光源として使用した。Tsunamiは、100f秒パルス幅を用いて80MHzで作動し、700nmと1000nmの間で整調可能である。レーザー光線は、NikonPlanApo60X/1.2W対物レンズの背部開口部を過充填して、回折限界の局所スポットを作製するために、650から10000nm領域に対して被覆されたHigh Laser Beam Expander HB−4X−AR.16(Newport Corp.,Irvine CA)を用いて、レーザー光線が拡大される。
試料へ励起光線を、及び発光蛍光を検出装置に誘導するために、二色性鏡(700DCSPXR, Chroma Technology Corp., Rockingham, VT)が顕微鏡中に取り付けられている。さらに、励起光の全ての漏れをさらに低下させるために、検出装置の前に、バンドパスフィルター(E700sp−2p, Chroma Technology)が配置されている。
検出ボックス(Alba box)は、垂直に併置された、50未満のダークカウント/秒を有する2つのSPCM−AQR−15−SiAPDSingle Photon Counting Modules(Perkin Elmer Inc., Fremont, CA)からなる。DC−FCCS測定を行うときには、さらなる二色性の鏡Q5651p及び2つのバンドパスフィルターHQ535/50、HQ645/75(全てChroma Technology)を、検出装置の前の光の通路に配置した。
ISSによって開発された特有のFCSデータ獲得カード(ISS,Champagne, IL)は、さらなる分析又は悪いデータ点の除去のために使用することができる全ての生データを保存する。カードの他の特徴には、2つのチャンネルから別個に得られるデータを同時に保存し、最短40ナノ秒(ns)又は最長1.3ミリ秒(ms)のデータを収集する能力が含まれる。
ローダミン110(Molecular Probes, Eugene, OR)の分析的に調製された35nM溶液を用いて、励起容積のサイズを較正した。FCSデータから計算された自己相関曲線を、単一成分モデル及び270μm/秒に等しいローダミン110拡散係数を用いてフィッティングした。典型的には、得られたω値及びZ/ω比は、それぞれ、0.3μm及び4であった。
自己相関曲線を計算するために、強度自己相関関数を使用するVistaFCSソフトウェア(ISS)を用いて、DC−FCCSデータを処理した。
96マイクロウェル光学底プレート(Nalge Nunc International, Rochester, NY)中に、試料を配置した。試料に対して810nm、3mWに、励起波長を設定した。試料採取速度を200KHzに設定し、各測定のために1,000万の点を収集した。各試料は、二回測定した。1時間の温置後、各試料に対して実験を行った。
各抗体対において、一方の抗体は緑の蛍光色素(ALEXA488)で標識し、他の抗体は赤色の蛍光色素(TexasRed)で標識した。標識された抗体を等濃度で(10nMmAbの40μL)混合し、リガンド(15nMNGAL)を溶液に添加した。NGALを添加する前及び後に、交差相関曲線を各チャンネル中に獲得されたデータの組から計算し、データを標準化した。
2つのチャンネルi及びjに対して、標準化された蛍光交差相関関数G(τ)は、式[5]において、以下に定義されている。
Figure 0005746861
(観察された蛍光F(t)と平均蛍光値<F>の差デルタF(t)は、時間tの関数としてチャンネルi内の蛍光強度の変動を表す:デルタF(t)=F(t)−<F>。減衰時間τ=0において、G(0)の外挿された値は、自己又は交差相関関数の大きさを反映する。
DC−FCCS実験の結果
図21は、NGALの添加前及び添加後に、3つの抗体対[(A)mAb2322及びmAb903;(B)mAb2322及びmAb809;(C)mAb809及びmAb181)]の交差相関曲線の例を示す。交差相関曲線の大きさは、形成された抗体サンドイッチの濃度に比例する。従って、交差相関曲線及びGx(0)値の大きさの大きな増加は、生産的なサンドイッチ形成を示唆する。
例示のために、実際、抗体にNGALを添加する前及び後のGx(0)値の比である各抗体対に相対的な数を割り当てた(表13)。全ての比の値は、バックグラウンドに対して補正した。「1」の値は、サンドイッチが形成されないことを示し、1.1と2.5の間の値は不良なサンドイッチ形成を示し、2.6を上回る全ての値は、生産的な抗体対形成を示す。
下表13は、各抗体対にNGALを添加する前及び後に、Gx(0)の比の値(補正されたバックグラウンド)を示す。
Figure 0005746861
表13から明らかなように、DC−FCCS実験の結果は、前述されているNMRの擾乱とよく一致する。すなわち、mAb2322及びエピトープ群1から得られる他の抗体(例えば、mAb181、mAb269及びmAb809)は、mAb903(エピトープ群2)と効果的にサンドイッチを作製する。これに対して、mAb419(エピトープ群3)は、群1又は群2の何れかから得られた抗体とのサンドイッチ形成において効果的でない。
ATCC寄託情報
2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号(NGAL抗原に関するその教示に関して、参照により組み込まれる。)に記載されているように、野生型NGALrAgCHO662細胞株は、2006年11月21日に、10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110−2209のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託され、ATCC受託番号PTA−8020を与えられ、変異体NGALrAgCHOC87S細胞株(CHO細胞クローン#734(変異体C87SNGALrAgCHO734としても知られる。))は、2007年1月23日に、10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110−2209のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託され、ATCC受託番号PTA−8168を与えられた。
マウスハイブリドーマ細胞株1−903−430及び1−2322−455は、2006年11月21日に、10801 University Blvd., Manassas, VA 20110−2209のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(以下、A.T.C.C)にそれぞれ寄託された。細胞株1−903−430には、ATCC受託番号PTA−8026が割り当てられた。細胞株1−2322−455には、ATCC受託番号PTA−8024が割り当てられた。
当業者に容易に理解されるように、本発明は目的を実施し、記載されている結果及び利点を得ると共に、それらに内在する結果及び利点を得るために好適である。本明細書に記載されている分子複合体及び方法、手順、処置、分子、具体的化合物は好ましい実施形態の本明細書における代表例であり、例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。当業者に容易に理解されるように、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に開示されている本発明に種々の置換及び変更を加えることができる。
本明細書に引用した全ての特許及び公報は、本発明が属する分野の当業者の技術水準を示唆するものである。全ての特許及び公報は、個別の各公報が参照により具体的且つ個別に取り込まれると記されているのと同じ程度まで、参照によって本明細書に組み込まれる。特に、本開示と同時出願された以下の2つの米国特許出願、2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,470号及び2007年10月19日に出願された米国仮特許出願60/981,473号の全体が、参照により組み込まれる。
本明細書に具体的に記載する本発明は、本明細書に具体的に開示しない要素、限定の不在下で適切に実施され得る。従って、例えば、本明細書の各事例において、「〜を含む」、「〜から本質的に構成される」及び「から構成される」という用語は何れも、相互に置き換えることができる。利用した用語及び表現は、限定ではなく、説明として使用されており、このような用語及び表現の使用において、表示及び記載されている特徴又はその部分の等価物を除外することを意図するものではなく、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲内で、種々の変更が可能であるとみなされる。従って、本発明は好ましい実施形態及び非必須の特徴によって具体的に開示されているが、当然のことながら本明細書に開示されている概念の変更及び変形が当業者によって採用することができ、並びにこのような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に定義するような本発明の範囲に含むものとみなす。さらに、「定義」においてある種の用語が定義されており、「詳細な説明」の他の箇所で別段の定義、記載又は論述が為されている場合には、このような定義、記載及び論述は全て、このような用語に帰するものと理解しなければならない。また、このような用語及び表現の使用に際して、表示及び記載されている特徴又はその部分の等価物を除外することを意図するものではない。さらに、小見出し(例えば、「定義」)が「詳細な説明」において使用されているが、このような使用は、参照を容易にするためのものに過ぎず、ある見出し内に行われた何れかの開示をその見出しのみに限定することを意図するものではない。むしろ、1つの小見出しの下に為されたあらゆる開示は、それぞれのあらゆる他の小見出し下の開示を構成するものとする。

Claims (9)

  1. 配列番号1、2、30又は33に記載のヒトNGALタンパク質に特異的に結合する単離抗体であって、
    (i)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)重鎖1;配列番号9に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖2;及び配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖3を含む可変重鎖、並びに
    (ii)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖1;配列番号13に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖2;及び配列番号14に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖3を含む可変軽鎖
    を有する抗体。
  2. ヒトNGALタンパク質に特異的に結合する単離抗体であって、前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する抗体である、抗体。
  3. 前記抗体が、モノクローナル抗体、多重特異的抗体、ヒト抗体、完全にヒト化された抗体、部分的にヒト化された抗体、動物抗体、組換え抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合されたFv又は抗イディオタイプ抗体である、請求項1又は2に記載の単離抗体。
  4. ATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455。
  5. ATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455によって産生される抗体。
  6. (a)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、(i)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)重鎖1;配列番号9に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖2;及び配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖3を含む可変重鎖、並びに
    (ii)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖1;配列番号13に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖2;及び配列番号14に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖3を含む可変軽鎖
    を有する単離抗体;
    (b)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離抗体;及び
    (c)ATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455によって産生される抗体;
    からなる群から選択される1つ又はそれ以上の抗体を含む免疫診断試薬。
  7. (d)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、(i)配列番号18に記載のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)重鎖1;配列番号19に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖2;及び配列番号20に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖3を含む可変重鎖、並びに
    (ii)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖1;配列番号23に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖2;及び配列番号24に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖3を含む可変軽鎖
    を有する単離抗体;
    (e)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、配列番号17のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離抗体;及び
    (f)ATCC受託番号PTA−8026を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−903−430によって産生される抗体;
    からなる群から選択される1つ又はそれ以上の抗体を更に含む、請求項6に記載の免疫診断試薬。
  8. 配列番号1又は33に記載のヒトNGALタンパク質に特異的に結合する、請求項1又は2に記載の単離抗体であって、
    (a)残基Y64に関して、H=9.15又は15N=113.30に位置する共鳴位置;
    (b)残基V84に関して、H=9.34又は15N=121.50に位置する共鳴位置;
    (c)残基G86に関して、H=8.32又は15N=111.60に位置する共鳴位置;
    (d)残基T93に関して、H=9.32又は15N=112.80に位置する共鳴位置;
    (e)残基L94に関して、H=7.71又は15N=122.72に位置する共鳴位置;
    (f)残基G95に関して、H=9.30又は15N=113.70に位置する共鳴位置;及び
    (g)残基S99に関して、H=8.18又は15N=114.50に位置する共鳴位置;
    からなる群から選択される配列番号1又は33の残基に対応するアミノ酸に対するアミド共鳴位置の少なくとも4つのTROSYプロトン−窒素相関NMRスペクトルにおいて、
    前記抗体をヒトNGALタンパク質に添加した結果として、前記抗体が添加されていない場合と比べて、前記抗体は、
    (1)H共鳴位置における0.05ppmから1.0ppmまでの擾乱、
    (2)15N共鳴位置における0.3ppmから3.0ppmまでの擾乱、又は
    (3)共鳴強度の2.5倍から20倍の減少、
    を引き起こす、抗体。
  9. 第一抗体及び第二抗体を含むキットであって、第一抗体は、
    (a)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、(i)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)重鎖1;配列番号9に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖2;及び配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖3を含む可変重鎖、並びに
    (ii)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖1;配列番号13に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖2;及び配列番号14に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖3を含む可変軽鎖
    を有する単離抗体;
    (b)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号11のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離抗体;及び
    (c)ATCC受託番号PTA−8024を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−2322−455によって産生される抗体;
    からなる群より選択され、
    第二抗体は、
    (d)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、(i)配列番号18に記載のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)重鎖1;配列番号19に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖2;及び配列番号20に記載のアミノ酸配列を有するCDR重鎖3を含む可変重鎖、並びに
    (ii)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖1;配列番号23に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖2;及び配列番号24に記載のアミノ酸配列を有するCDR軽鎖3を含む可変軽鎖
    を有する単離抗体;
    (e)ヒトNGALタンパク質に特異的に結合し、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域及び配列番号21のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を有する単離抗体;及び
    (f)ATCC受託番号PTA−8026を有するマウスハイブリドーマ細胞株1−903−430によって産生される抗体;
    からなる群から選択される、キット。
JP2010530148A 2007-10-19 2008-10-17 哺乳動物のngalに結合する抗体及びその使用 Expired - Fee Related JP5746861B2 (ja)

Applications Claiming Priority (13)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US98147107P 2007-10-19 2007-10-19
US98147007P 2007-10-19 2007-10-19
US98147307P 2007-10-19 2007-10-19
US60/981,470 2007-10-19
US60/981,473 2007-10-19
US60/981,471 2007-10-19
US10440808A 2008-04-16 2008-04-16
US12/104,413 US20090124022A1 (en) 2007-10-19 2008-04-16 Antibodies that bind to mammalian ngal and uses thereof
US12/104,410 US20090269777A1 (en) 2007-10-19 2008-04-16 Immunoassays and kits for the detection of ngal
US12/104,410 2008-04-16
US12/104,413 2008-04-16
US12/104,408 2008-04-16
PCT/US2008/080340 WO2009052400A1 (en) 2007-10-19 2008-10-17 Antibodies that bind to mammalian ngal and uses thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011501753A JP2011501753A (ja) 2011-01-13
JP5746861B2 true JP5746861B2 (ja) 2015-07-08

Family

ID=42238375

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010530148A Expired - Fee Related JP5746861B2 (ja) 2007-10-19 2008-10-17 哺乳動物のngalに結合する抗体及びその使用
JP2010530146A Expired - Fee Related JP5848006B2 (ja) 2007-10-19 2008-10-17 Ngalの検出用イムノアッセイ及びキット
JP2010530144A Withdrawn JP2011501673A (ja) 2007-10-19 2008-10-17 グリコシル化された哺乳動物ngal及びその使用

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010530146A Expired - Fee Related JP5848006B2 (ja) 2007-10-19 2008-10-17 Ngalの検出用イムノアッセイ及びキット
JP2010530144A Withdrawn JP2011501673A (ja) 2007-10-19 2008-10-17 グリコシル化された哺乳動物ngal及びその使用

Country Status (4)

Country Link
EP (3) EP2225268B1 (ja)
JP (3) JP5746861B2 (ja)
CA (3) CA2702612C (ja)
WO (3) WO2009052390A1 (ja)

Families Citing this family (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090197280A1 (en) 2006-05-30 2009-08-06 Kristian Bangert Methods and Devices for Rapid Assessment of Severity of Injury
JP2010521694A (ja) 2007-03-21 2010-06-24 バイオポルト・ダイアグノスティクス・アクティーゼルスカブ 腎傷害のための診断テスト
US8846036B2 (en) * 2007-10-19 2014-09-30 Abbott Laboratories Antibodies that bind to mammalian NGAL and uses thereof
EP2215481B2 (en) 2007-11-15 2017-01-18 Bioporto Diagnostics A/S Diagnostic use of individual molecular forms of a biomarker
JP5646457B2 (ja) 2008-04-29 2014-12-24 アッヴィ・インコーポレイテッド 二重可変ドメイン免疫グロブリン及びその使用
BRPI0912683A2 (pt) 2008-05-15 2016-01-26 Transmolecular Inc tratamento de tumores metastáticos
JP2011523853A (ja) 2008-06-03 2011-08-25 アボット・ラボラトリーズ 二重可変ドメイン免疫グロブリン及びその使用
RU2010153578A (ru) 2008-06-03 2012-07-20 Эбботт Лэборетриз (Us) Иммуноглобулины с двойными вариабельными доменами и их применение
US8822645B2 (en) 2008-07-08 2014-09-02 Abbvie Inc. Prostaglandin E2 dual variable domain immunoglobulins and uses thereof
CA2742291A1 (en) * 2008-11-05 2010-05-14 Abbott Laboratories Neutrophil gelatinase-associated lipocalin (ngal) protein isoforms enriched from urine and recombinant chinese hamster ovary (cho) cells and related compositions, antibodies, andmethods of enrichment, analysis and use
ES2718731T3 (es) * 2008-11-21 2019-07-04 Future Medical Diagnostics Co Ltd Métodos, dispositivos y kits para detectar o monitorizar la lesión renal aguda
FR2945042B1 (fr) * 2009-04-30 2016-05-13 Immunosearch Nouveaux polypeptides pour l'evaluation in vitro du potentiel sensibilisant d'un compose test
RU2011148918A (ru) * 2009-05-01 2013-06-10 Эбботт Лэборетриз Иммуноглобулин с двумя вариабельными доменами и его применение
IN2012DN02737A (ja) 2009-09-01 2015-09-11 Abbott Lab
PE20121531A1 (es) 2009-10-15 2012-12-22 Abbott Lab Inmunoglobulinas con dominio variable dual
UY32979A (es) 2009-10-28 2011-02-28 Abbott Lab Inmunoglobulinas con dominio variable dual y usos de las mismas
EP2990798B1 (en) * 2009-12-07 2019-09-25 Pieris Pharmaceuticals GmbH Muteins of human lipocalin 2 (lcn2, hngal) with affinity for a given target
AU2011213678B2 (en) 2010-02-04 2015-01-29 Eisai Inc. Chlorotoxin polypeptides and conjugates and uses thereof
ES2601182T3 (es) 2010-05-11 2017-02-14 Fred Hutchinson Cancer Research Center Variantes de clorotoxina, conjugados y métodos para su utilización
BR112013002578A2 (pt) 2010-08-03 2019-05-14 Abbvie Inc. imunoglobinas de domínio variável duplo e usos das mesmas
MX2013002270A (es) 2010-08-26 2013-05-14 Abbvie Inc Inmonoglubinas de dominio variable doble y usos de las mismas.
CN104159920A (zh) 2011-12-30 2014-11-19 艾伯维公司 针对il-13和/或il-17的双重可变结构域免疫球蛋白
CN102776153A (zh) * 2012-07-05 2012-11-14 南京基蛋生物科技有限公司 鼠抗人ngal单克隆抗体及其杂交瘤细胞株和应用
CN102759623A (zh) * 2012-07-06 2012-10-31 南京基蛋生物科技有限公司 一种检测ngal胶体金试纸条及其制备方法
CN102775473B (zh) * 2012-07-30 2018-10-12 重庆业为基生物科技有限公司 人中性粒细胞明胶酶相关脂质运载蛋白的b细胞表位肽段及其应用
TW202210507A (zh) 2012-11-01 2022-03-16 美商艾伯維有限公司 抗-vegf/dll4雙重可變區域免疫球蛋白及其用途
US10526384B2 (en) 2012-11-19 2020-01-07 Pieris Pharmaceuticals Gmbh Interleukin-17A-specific and interleukin-23-specific binding polypeptides and uses thereof
CN102967714A (zh) * 2012-12-10 2013-03-13 天津市协和医药科技集团有限公司 中性粒细胞明胶酶相关脂质运载蛋白化学发光检测试剂盒
SG11201504600UA (en) 2012-12-10 2015-07-30 Hutchinson Fred Cancer Res Methods for screening
EP2970459A2 (en) 2013-03-15 2016-01-20 AbbVie Inc. Dual specific binding proteins directed against il-1beta and il-17
CN104181305B (zh) * 2013-05-27 2016-02-24 中国科学院上海生命科学研究院 抗人中性粒细胞明胶酶相关脂质运载蛋白抗体及其用途
US11559580B1 (en) 2013-09-17 2023-01-24 Blaze Bioscience, Inc. Tissue-homing peptide conjugates and methods of use thereof
EP3789397B1 (en) 2014-05-22 2023-12-06 Pieris Pharmaceuticals GmbH Novel specific-binding polypeptides and uses thereof
JP6788586B2 (ja) * 2014-11-19 2020-11-25 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. Hnlを用いる診断方法
WO2016094881A2 (en) 2014-12-11 2016-06-16 Abbvie Inc. Lrp-8 binding proteins
SG10201906859PA (en) 2015-01-28 2019-08-27 Pieris Pharmaceuticals Gmbh Novel proteins specific for angiogenesis
SG11201708334RA (en) 2015-05-04 2017-11-29 Pieris Pharmaceuticals Gmbh Anti-cancer fusion polypeptide
KR102734408B1 (ko) 2015-05-04 2024-11-27 피어이스 파마슈티컬즈 게엠베하 Cd137에 특이적인 신규한 단백질
SI3298030T1 (sl) 2015-05-18 2023-05-31 Pieris Pharmaceuticals Gmbh Protirakav fuzijski polipeptid
SG11201707872WA (en) 2015-05-18 2017-10-30 Pieris Pharmaceuticals Gmbh Muteins of human lipocalin 2 with affinity for glypican-3 (gpc3)
TW201710286A (zh) 2015-06-15 2017-03-16 艾伯維有限公司 抗vegf、pdgf及/或其受體之結合蛋白
WO2017049035A1 (en) 2015-09-17 2017-03-23 Amgen Inc. Prediction of clinical response to il23-antagonists using il23 pathway biomarkers
US10703810B2 (en) 2015-11-30 2020-07-07 Pieris Australia Pty Ltd. Fusion polypeptides which bind vascular endothelial growth factor a (VEGF-A) and angiopoietin-2 (Ang-2)
TW201725212A (zh) 2015-12-10 2017-07-16 第一三共股份有限公司 特異性於降鈣素基因相關胜肽的新穎蛋白
US12048732B2 (en) 2016-04-15 2024-07-30 Blaze Bioscience, Inc. Methods of treating breast cancer
CN105974128A (zh) * 2016-06-12 2016-09-28 吉林大学 一种人中性粒细胞载脂蛋白同源二聚体的定量装置
WO2018109667A1 (en) 2016-12-15 2018-06-21 Nestec Sa Compositions and methods that modulate white blood cells or neutrophils in a companion animal
WO2024191972A2 (en) * 2023-03-13 2024-09-19 New York University Anti-lipocalin-2 antibodies and uses thereof

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5006309A (en) 1988-04-22 1991-04-09 Abbott Laboratories Immunoassay device with liquid transfer between wells by washing
US5089424A (en) 1988-06-14 1992-02-18 Abbott Laboratories Method and apparatus for heterogeneous chemiluminescence assay
WO2003029462A1 (en) * 2001-09-27 2003-04-10 Pieris Proteolab Ag Muteins of human neutrophil gelatinase-associated lipocalin and related proteins
AU2003240495A1 (en) * 2002-06-04 2003-12-19 Incyte Corporation Diagnostics markers for lung cancer
DE10230631A1 (de) * 2002-07-02 2004-01-22 Metagen Pharmaceuticals Gmbh Verwendungen von an Ngal bindenden Substanzen zur Diagnose und Behandlung von Krebserkrankungen
US20050272101A1 (en) * 2004-06-07 2005-12-08 Prasad Devarajan Method for the early detection of renal injury
EP1814988A2 (en) * 2004-11-26 2007-08-08 Pieris AG Compound with affinity for the cytotoxic t lymphocyte-associated antigen (ctla-4)
US20080274104A1 (en) * 2005-02-10 2008-11-06 Arlinghaus Ralph B Targeting a Secreted Pro-Apoptotic Factor for Cancer Therapeutics
US20070037232A1 (en) * 2005-03-31 2007-02-15 Barasch Jonathan M Detection of NGAL in chronic renal disease
AU2007217861A1 (en) * 2006-02-17 2007-08-30 Children's Medical Center Corporation Free NGAL as a biomarker for cancer

Also Published As

Publication number Publication date
JP5848006B2 (ja) 2016-01-27
CA2702612C (en) 2016-05-03
CA2702612A1 (en) 2009-04-23
CA2702611A1 (en) 2009-04-23
CA2702590A1 (en) 2009-04-23
EP2235053A1 (en) 2010-10-06
EP2225268A1 (en) 2010-09-08
EP2209803A1 (en) 2010-07-28
JP2011501753A (ja) 2011-01-13
JP2011501159A (ja) 2011-01-06
WO2009052390A1 (en) 2009-04-23
WO2009052400A1 (en) 2009-04-23
WO2009052400A8 (en) 2009-06-25
JP2011501673A (ja) 2011-01-13
EP2225268B1 (en) 2012-08-29
WO2009052392A1 (en) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5746861B2 (ja) 哺乳動物のngalに結合する抗体及びその使用
US8846036B2 (en) Antibodies that bind to mammalian NGAL and uses thereof
US20090124022A1 (en) Antibodies that bind to mammalian ngal and uses thereof
JP5706320B2 (ja) PlGF−1アッセイ並びにそのキット及び成分
US20090269777A1 (en) Immunoassays and kits for the detection of ngal
US8349325B2 (en) Soluble FMS-like tyrosine kinase-1 (sFLT-1) antibody and related composition, kit, methods of using, and materials and method for making
US20090123946A1 (en) Immunoassays and kits for the detection of ngal
JP5913443B2 (ja) 抗T.cruzi抗体及び使用方法
US20090176274A1 (en) Glycosylated mammalian ngal and use thereof
US20100227775A1 (en) Immunoassays and kits for the detection of ngal
JP2023542497A (ja) 抗セルロプラスミン抗体及びその使用
US20110229921A1 (en) METHODS OF ASSAYING URINARY NEUTROPHIL GELATINASE-ASSOCIATED LIPOCALIN (uNGAL) IN THE PROGNOSIS OF CADAVERIC KIDNEY TRANSPLANT FUNCTION IN A PATIENT, INCLUDING A PATIENT DIAGNOSED WITH DELAYED GRAFT FUNCTION (DGF), A METHOD OF ASSAYING uNGAL IN THE ASSESSMENT OF RISK OF DGF IN A PATIENT DIAGNOSED WITH EARLY GRAFT FUNCTION (EGF), AND RELATED KITS

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130430

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130725

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140410

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140729

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20141023

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20141030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5746861

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees