JP5575671B2 - ポリエステル樹脂の重合方法、並びにポリエステル樹脂組成物及びポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
この一因としては、溶融重合時は、反応活性が高く短時間で所定粘度に到達した為、副反応による着色の影響が小さかったが、チタン活性を十分に抑制できていない状態で重合が完了したために、その後の溶融押出の際に着色してしまったものと推定される。このように、ポリエステル樹脂としてチタン化合物を利用するためには、その重合反応活性を損なわずに副反応を抑制し、重合時における着色を低減するだけでなく、重合後の成形過程での着色に対しても高い耐性を与える手段を施す必要があるといった課題がある。
<1> 芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを、チタン化合物を含有する触媒の存在下で重合するとともに、前記チタン化合物の少なくとも一種が有機酸を配位子とする有機キレートチタン錯体であって、(1)前記有機キレートチタン錯体と、(2)マグネシウム化合物と、(3)置換基として芳香環を有しない5価のリン酸エステルとをこの順序で添加する過程を少なくとも含むエステル化反応工程と、前記エステル化反応工程で生成したエステル化反応生成物を重縮合反応させる重縮合工程と、を有するポリエステル樹脂の重合方法である。
(i)Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量)
(ii)0≦Z≦+5.0
(ii−a)+1.5≦Z≦+5.0
(i)Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量)
(ii)0≦Z≦+5.0
(ii−a)+1.5≦Z≦+5.0
(iii)重縮合後にペレットとしたときのb値≦4.0
(iv)前記ペレットを300℃で溶融保持した際の色調変化速度[Δb/分]≦0.15
<11> 前記<7>〜前記<10>のいずれか1つに記載のポリエステル樹脂組成物を用いたポリエステルフィルムである。
本発明によれば、適度に良好な重合反応性及び静電印加性と黄色味の少ない色調を有し、重合反応後の製膜時(溶融時)などの高温下でも黄着色を生じ難い耐熱性に優れたポリエステル樹脂組成物及びポリエステルフィルムを提供することができる。
これにより、重合時の着色及びその後の溶融製膜時における着色が少なくなり、従来のアンチモン(Sb)触媒系のポリエステル樹脂に比べて黄色味が軽減され、また、透明性の比較的高いゲルマニウム(Ge)触媒系のポリエステル樹脂に比べて遜色のない色調、透明性を持ち、しかも耐熱性に優れたポリエステル樹脂を提供できる。また、コバルト化合物や色素などの色調調整材を用いずに高い透明性を有し、黄色味の少ないポリエステル樹脂が得られる。
本発明におけるエステル化反応工程は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを、チタン化合物を含有する触媒の存在下で反応させる。このエステル化反応工程では、触媒であるチタン化合物として、有機酸を配位子とする有機キレートチタン錯体を用いると共に、工程中に少なくとも、有機キレートチタン錯体と、マグネシウム化合物と、置換基として芳香環を有しない5価のリン酸エステルとをこの順序で添加する過程を設けて構成されている。
ジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種が用いられる。好ましくは、ジカルボン酸成分のうち芳香族ジカルボン酸を主成分として含有する。なお、「主成分」とは、ジカルボン酸成分に占める芳香族ジカルボン酸の割合が80質量%以上であることをいう。
ジオール成分として、脂肪族ジオールの少なくとも1種が用いられる。脂肪族ジオールとして、エチレングリコールを含むことができ、好ましくはエチレングリコールを主成分として含有する。なお、主成分とは、ジオール成分に占めるエチレングリコールの割合が80質量%以上であることをいう。
触媒成分であるチタン化合物として、有機酸を配位子とする有機キレートチタン錯体の少なくとも1種が用いられる。有機酸としては、例えば、クエン酸、乳酸、トリメリット酸、リンゴ酸等を挙げることができる。中でも、クエン酸又はクエン酸塩を配位子とする有機キレート錯体が好ましい。
また、一般に、末端カルボキシル基量が多いほど耐加水分解性が悪化することが知られており、本発明の添加方法によって末端カルボキシル基量が少なくなることで、耐加水分解性の向上が期待される。
このようなチタン化合物の例としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート等のチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、チタンアルコキシドと珪素アルコキシドもしくはジルコニウムアルコキシドとの混合物の加水分解により得られるチタン−珪素もしくはジルコニウム複合酸化物、酢酸チタン、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム、蓚酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、チタンアセチルアセトナート等が挙げられる。
5価のリン化合物として、置換基として芳香環を有しない5価のリン酸エステルの少なくとも一種が用いられる。本発明における5価のリン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ−n−ブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリス(トリエチレングリコール)、リン酸メチルアシッド、リン酸エチルアシッド、リン酸イソプロピルアシッド、リン酸ブチルアシッド、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸トリエチレングリコールアシッド等が挙げられる。
マグネシウム化合物を含めることにより、静電印加性が向上する。この場合に着色がおきやすいが、本発明においては、着色を抑え、優れた色調、耐熱性が得られる。
(i)Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量)
(ii)0≦Z≦+5.0
これは、リン化合物はチタンに作用するのみならずマグネシウム化合物とも相互作用することから、3者のバランスを定量的に表現する指標となるものである。
前記式(i)は、反応可能な全リン量から、マグネシウムに作用するリン分を除き、更にチタンに作用可能なリンの量を表現したものである。値Zが正の場合は、チタンを阻害するリンが余剰な状況にあり、逆に負の場合はチタンを阻害するために必要なリンが不足する状況にあるといえる。反応においては、Ti、Mg、Pの各原子1個は等価ではないことから、式中の各々の粒子数(ppm/原子量)に価数を乗じて重み付けを施してある。
エステル化反応を一段階で行なう場合、エステル化反応温度は230〜260℃が好ましく、240〜250℃がより好ましい。
エステル化反応を多段階に分けて行なう場合、第一反応槽のエステル化反応の温度は230〜260℃が好ましく、より好ましくは240〜250℃であり、圧力は1.0〜5.0kg/cm2が好ましく、より好ましくは2.0〜3.0kg/cm2である。第二反応槽のエステル化反応の温度は230〜260℃が好ましく、より好ましくは245〜255℃であり、圧力は0.5〜5.0kg/cm2、より好ましくは1.0〜3.0kg/cm2である。さらに3段階以上に分けて実施する場合は、中間段階のエステル化反応の条件は、前記第一反応槽と最終反応槽の間の条件に設定するのが好ましい。
本発明における重縮合工程は、前記エステル化反応工程で生成されたエステル化反応生成物を重縮合反応させて重縮合物を生成する。
重縮合反応は、1段階で行なってもよいし、多段階に分けて行なうようにしてもよい。
また、例えば3段階の反応槽で行なう場合、重縮合反応条件は、第一反応槽は、反応温度が255〜280℃、より好ましくは265〜275℃であり、圧力が100〜10torr(13.3×10−3〜1.3×10−3MPa)、より好ましくは50〜20torr(6.67×10−3〜2.67×10−3MPa)であって、第二反応槽は、反応温度が265〜285℃、より好ましくは270〜280℃であり、圧力が20〜1torr(2.67×10−3〜1.33×10−4MPa)、より好ましくは10〜3torr(1.33×10−3〜4.0×10−4MPa)であって、最終反応槽内における第三反応槽は、反応温度が270〜290℃、より好ましくは275〜285℃であり、圧力が10〜0.1torr(1.33×10−3〜1.33×10−5MPa)、より好ましくは5〜0.1torr(6.67×10−4〜1.33×10−5MPa)である態様が好ましい。
(i)Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量)
(ii)0≦Z≦+5.0
本発明においては、上記同様の理由から、前記式(ii)は、+1.5≦Z≦+5.0を満たす場合が好ましく、+1.5≦Z≦+4.0を満たす場合が好ましく、+1.5≦Z≦+3.0を満たす場合がより好ましい。
重縮合後にペレットとしたときのb値 ≦ 4.0 ・・・(iii)
重縮合して得られたポリエステル樹脂をペレット化し、該ペレットのb値が4.0以下であることにより、黄色味が少なく、透明性に優れる。b値が3.0以下である場合、Ge触媒で重合したポリエステル樹脂と遜色ない色調になる。
色調変化速度[Δb/分]≦ 0.15 ・・・(iv)
重縮合して得られたポリエステル樹脂ペレットを、300℃で溶融保持した際の色調変化速度[Δb/分]が0.15以下であることにより、加熱下に曝された際の黄着色を低く抑えることができる。これにより、例えば押出機で押し出して製膜する等の場合に、黄着色が少なく、色調に優れたフィルムを得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物のペレットを、射出成形機(例えば東芝機械(株)製のEC100NII)のホッパーに投入し、シリンダ内(300℃)で溶融保持させた状態で、その保持時間を変更してプレート状に成形し、このときのプレートb値をスガ試験機(株)製のSMカラーメーターにより測定する。b値の変化をもとに変化速度[Δb/分]を算出する。
上記の重縮合工程を終了した後には、得られたポリエステル樹脂をペレット状等に加工し、これを用いて固相重合を行なってもよい。
固相重合は、連続法(タワーの中に樹脂を充満させ、これを加熱しながらゆっくり所定の時間滞流させた後、順次送り出す方法)でもよく、バッチ法(容器の中に樹脂を投入し、所定の時間加熱する方法)でもよい。具体的には、固相重合として、特許第2621563号、特許第3121876号、特許第3136774号、特許第3603585号、特許第3616522号、特許第3617340号、特許第3680523号、特許第3717392号、特許第4167159号等に記載の方法を用いることができる。
上記の重縮合工程もしくは固相重合工程を終了した後、得られた既述の本発明のポリエステル樹脂組成物をフィルム状やシート状に成形することによって、ポリエステルフィルムを得ることができる。フィルム状やシート状に成形する場合、ポリエステル樹脂を例えばシリンダ内部にスクリュを備えた一軸混練押出機などの溶融押出機等を用いて溶融混練し、ダイから押出して成形することができる。このとき、好ましい成形温度は、250℃以上300℃以下の範囲、より好ましくは260℃以上290℃以下の範囲である。
この場合、例えば押出機などで溶融製膜する際に、押出機内部で剪断発熱して温度が300℃を超える場合があり、重合後の製膜過程で着色を起こすことがあるが、本発明においては、このように高温で押し出す等する場合でも着色が少なく抑えられる。即ち、重合工程での着色を抑制するのみならず、重合後の製膜過程での着色耐性(耐熱性)にも優れる。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、光安定化剤、酸化防止剤などの添加剤を更に含有することができる。
これらの紫外線吸収剤のうち、繰り返し紫外線吸収に対する耐性が高いという点で、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。なお、これらの紫外線吸収剤は、上述の紫外線吸収剤単体でフィルムに添加してもよいし、有機系導電性材料や、非水溶性樹脂に紫外線吸収剤能を有するモノマーを共重合させた形態で導入してもよい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記工程の後、押出して作製された押出フィルム(未延伸フィルム)を2軸延伸してポリエステルフィルムとすることができる。
延伸率は、長手方向と幅方向とにおいて、それぞれ3倍以上5倍以下とするのが好ましい。また、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は、9倍以上15倍以下であることが好ましい。面積倍率が9倍以上であると、得られる二軸延伸積層フィルムの反射率や隠蔽性、フィルム強度が良好であり、また面積倍率が15倍以下であると、延伸時の破れを回避することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、例えば溶融重合で得られたペレットに対して固相重合を行ない、押出成形にてフィルム状に成形することにより、太陽電池発電モジュールの太陽光入射側とは反対側に配される保護シート(いわゆるバックシート)やバリアシート等の、フィルム状やシート状等の板状材の用途として好適である。
−PET1の作製−
以下に示すように、テレフタル酸及びエチレングリコールを直接反応させて水を留去し、エステル化した後、減圧下で重縮合を行なう直接エステル化法を用いて、連続式の重合装置によりポリエステル樹脂を得た。
第一エステル化反応槽に、高純度テレフタル酸4.7トンとエチレングリコール1.8トンを90分かけて混合してスラリー形成させ、3800kg/hの流量で連続的に第一エステル化反応槽に供給した。更にクエン酸がTi金属に配位したクエン酸キレートチタン錯体(VERTEC AC−420、ジョンソン・マッセイ社製)のエチレングリコール溶液を連続的に供給し、反応槽内温度251℃、攪拌下で平均滞留時間約4.3時間で反応を行なった。このとき、クエン酸キレートチタン錯体は、Ti添加量が元素換算値で9ppmとなるように連続的に添加した。このとき、得られたオリゴマーの酸価は500eq/トンであった。
上記で得られたエステル化反応生成物を連続的に第一重縮合反応槽に供給し、攪拌下、反応温度270℃、反応槽内圧力20torr(2.67×10−3MPa)で、平均滞留時間約1.8時間で重縮合させた。
得られたポリエステル樹脂について、高分解能型高周波誘導結合プラズマ−質量分析(HR-ICP-MS;SIIナノテクノロジー社製AttoM)を用いて測定した結果、Ti=9ppm、Mg=75ppm、P=60ppmであった。ポリエステル中のPの含有量は、初期添加量に対して僅かに減少しているが、これは重縮合反応過程で揮発したものと考えられる。また、上記の含有量を用いて、以下の(i)式で表されるZ値を算出した結果、Z=+2.8であった。
(i)Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量)
前記PET1の作製において、エステル化反応時に加えるリン酸トリメチルのエチレングリコール溶液の添加量を変更したこと以外は、エステル化反応条件及び重縮合反応条件をPET1の作製と同じ条件で行ない、ポリエチレンテレフタレート(PET)を生成し、ペレットを作製した。
前記PET1の作製において、チタン化合物又はリン化合物の種類を下記表1に示すように変更したこと以外は、PET1の作製と同様にして、ポリエチレンテレフタレート(PET)を生成した。
PET10は、前記PET1の作製において、特開2004-307597号公報の実施例1に記載のチタン化合物を合成して使用し、エステル化反応時に加えるリン酸トリメチルのエチレングリコール溶液の添加量や酢酸マグネシウムの添加量を変更した以外は、前記PET1と同じ条件でポリエチレンテレフタレート(PET)を生成した。
また、PET11は、特開2004-224858号公報の実施例7に記載のチタン化合物を合成して使用し、エステル化反応時に加えるリン酸トリメチルのエチレングリコール溶液の添加量や酢酸マグネシウムの添加量を変更した以外は、前記PET1と同じ条件でポリエチレンテレフタレート(PET)を生成した。
前記PET1の作製において、クエン酸キレートチタン錯体(Ti化合物)、酢酸マグネシウム(Mg化合物)、及びリン酸トリメチル(リン化合物)の添加順序を、下記表1に示すように変更したこと以外は、PET1の作製と同様にして、比較用のポリエチレンテレフタレート(PET)を生成し、ペレットを作製した。
前記PET1の作製において、クエン酸キレートチタン錯体(Ti化合物)の添加を、重縮合反応を開始する前のエステル化反応後において行なうようにしたこと以外は、PET1の作製と同様にして、比較用のポリエチレンテレフタレート(PET)を生成し、ペレットを作製した。
前記PET1の作製において、クエン酸キレートチタン錯体(Ti化合物)を酸化アンチモン又は酸化ゲルマニウムに代えたこと以外は、PET1の作製と同様にして、比較用のポリエチレンテレフタレート(PET)を生成し、ペレットを作製した。
前記PET1の作製において、リン酸トリメチルを3価の亜リン酸トリフェニルに代えたこと以外は、PET1の作製と同様にして、比較用のポリエチレンテレフタレート(PET)を生成し、ペレットを作製した。
上記で得られた各PET(ポリエチレン樹脂組成物)及びそのペレットに対して、下記の測定、評価を行なった。測定、評価の結果は、下記表1に示す。
高分解能型高周波誘導結合プラズマ−質量分析(HR-ICP-MS;SIIナノテクノロジー社製AttoM)を用いて、PET中のチタン元素(Ti)、マグネシウム元素(Mg)、及びリン元素(P)もしくはアンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)を定量し、得られた結果から含有量[ppm]を算出した。得られた値から、下記式(i)で算出される値Zを求めた。
Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量) ・・・(i)
重縮合後に得られたPETペレットを、1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(=2/3[質量比])の混合溶液に溶解させ、ウベローデ型粘度計を用いて25℃での相対粘度η0を測定し、この相対粘度から求めた比粘度(ηsp)と濃度cからηsp/cを求め、3点法により固有粘度(IV)を算出した。
得られたペレットについて、スガ試験機(株)製のSMカラーメーターを用いて色合いを測定することによりb値を求め、色調を評価する指標とした。
PETペレット0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解後、クロロホルムを加えた混合溶液にフェノールレッド指示薬を滴下し、これを基準液(0.01N KOH−ベンジルアルコール混合溶液)で滴定した。滴下量から末端カルボキシル基量を算出した。
得られたPETの体積固有抵抗値R(Ω・m)を、下記の測定方法により測定し、得られた測定値の常用対数値をLogRとした。
<体積固有抵抗値Rの測定>
重縮合後に得られたPETペレットを真空乾燥機で乾燥、結晶化させた後、15gを秤量して試験管に入れ、290℃のオイルバス中にて溶融させた。そこに測定用電極を挿入し、体積固有抵抗値をデジタルマルチメーター(岩通計測社製)にて読み取った。
重縮合後に得られたPETペレットを、射出成形機(EC100NII、東芝機械(株)製)の原料ホッパーから投入し、シリンダ内(300℃)で溶融させた状態で保持させ、保持時間を変更してプレート状に成形した。成形したプレートについて、スガ試験機(株)製のSMカラーメーターを用いて、透過におけるb値を測定した。このプレートb値の時間変化率から色調変化速度[Δb/分]を算出し、耐熱性の指標とした。
PET1〜18の重合反応性は、実施例1におけるPET1と同じ重合条件を用い、得られるポリマー(ペレット)の溶融粘度(IV)を測定し、以下の5段階に分類した(IVが高いほど反応性が高い)。製膜工程適性を考慮すると、ランク3以上が実用上許容可能な程度である。
5:0.65以上
4:0.63以上0.65未満
3:0.61以上0.63未満
2:0.59以上0.61未満
1:0.59未満
重縮合後に得られたPETペレットを真空乾燥機で乾燥、結晶化させた後、1粒をカバーガラス上に乗せ、290℃に加熱したホットプレート上で溶融させた後、光学顕微鏡で樹脂中の異物を観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:異物の発生は全くみられなかった。
△:僅かに異物の発生がみられたが、実用上許容可能な程度であった。
×:異物の発生が顕著であった。
−PET19〜30の作製−
前記PET1の作製において、クエン酸キレートチタン錯体(Ti化合物)、酢酸マグネシウム(Mg化合物)、及びリン酸トリメチル(リン化合物)のそれぞれの添加量を、各元素換算値が下記表2に示す値になるように変更してポリエチレンテレフタレート(PET)を生成し、ペレットを作製した。
尚、PET19〜30の作製では、バッチ式重合装置を用いて以下に示す条件にてポリエステルを得た。
50m3のエステル化反応槽に、高純度テレフタル酸17.3kgとエチレングリコール8.4kgを混合し、常法に従ってエステル化反応を行ない、反応液の内温が250℃に到達した時点で反応終了とした。エステル化が終了するまでの過程で、クエン酸キレートチタン錯体(VERTEC AC−420、ジョンソン・マッセイ社製)のエチレングリコール溶液、酢酸マグネシウムのエチレングリコール溶液、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液をこの順序で添加して、エステル化を完了し、エステル化反応生成物を得た。
上記で得られたエステル化反応生成物を重縮合反応槽に移送し、攪拌下、反応温度280℃、反応槽内圧力0.1torr(1.33×10−5MPa)で、所定粘度(IV=0.65)に到達した時点で反応終了とした。
重合反応性の評価指標としては、所定粘度IV=0.65に到達するまでの所要時間を用い、以下の5段階に分類した。なお、連続重合に置き換えた場合の生産性及び製膜工程適性を考慮すると、ランク3以上が実用上許容可能な程度である。
5…120min以下
4…120超160min以下
3…160超〜200min以下
2…200min超
1…重合不可
上記で得られたPET(ポリエチレン樹脂組成物)19〜30及びそのペレットに対して、実施例1と同様の測定、評価を行なった。測定、評価の結果は、下記表2に示す。
なお、3価のリン酸エステルを用いた組成では、5価のリン酸エステルを用いた組成に比べ、さらに色味及び耐熱性の点で劣っていた。
Claims (11)
- 芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを、チタン化合物を含有する触媒の存在下で重合するとともに、前記チタン化合物の少なくとも一種が有機酸を配位子とする有機キレートチタン錯体であって、前記有機キレートチタン錯体とマグネシウム化合物と置換基として芳香環を有しない5価のリン酸エステルとをこの順序で添加する過程を少なくとも含むエステル化反応工程と、
前記エステル化反応工程で生成したエステル化反応生成物を重縮合反応させる重縮合工程と、
を有するポリエステル樹脂の重合方法。 - 前記有機キレートチタン錯体の少なくとも一種が、クエン酸又はクエン酸塩を配位子とする有機キレートチタン錯体であって、前記5価のリン酸エステルの少なくとも一種が、炭素数2以下の低級アルキル基を置換基として有するリン酸エステルである請求項1に記載のポリエステル樹脂の重合方法。
- 前記エステル化反応工程は、前記有機キレートチタン錯体、前記マグネシウム化合物、及び前記リン酸エステルを、下記式(i)から算出される値Zが下記の関係式(ii)を満たすように添加する請求項1又は請求項2に記載のポリエステル樹脂の重合方法。
(i)Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量)
(ii)0≦Z≦+5.0 - 前記エステル化反応工程は、前記値Zが下記の関係式(ii−a)を満たすように添加する請求項3に記載のポリエステル樹脂の重合方法。
(ii−a)+1.5≦Z≦+5.0 - 前記エステル化反応工程は、前記過程において前記有機キレートチタン錯体と前記マグネシウム化合物と前記5価のリン酸エステルとの各々について、それぞれ全添加量の70質量%以上を、前記順序で添加する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂の重合方法。
- 前記エステル化反応工程は、減圧を開始する前に前記リン酸エステルを添加する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂の重合方法。
- 芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを、チタン化合物を含有する触媒の存在下で重合するとともに、前記チタン化合物の少なくとも一種が有機酸を配位子とする有機キレートチタン錯体であって、前記有機キレートチタン錯体とマグネシウム化合物と置換基として芳香環を有しない5価のリン酸エステルとをこの順序で添加する過程を少なくとも含むエステル化反応工程と、
前記エステル化反応工程で生成したエステル化反応生成物を重縮合反応させる重縮合工程と、を有するポリエステル樹脂の重合方法により得られ、
チタン原子(Ti)、マグネシウム原子(Mg)、及びリン原子(P)を含んでおり、下記式(i)から算出される値Zが、下記の関係式(ii)を満たすポリエステル樹脂組成物。
(i)Z=5×(P含有量[ppm]/P原子量)−2×(Mg含有量[ppm]/Mg原子量)−4×(Ti含有量[ppm]/Ti原子量)
(ii)0≦Z≦+5.0 - 前記値Zは、下記の関係式(ii−a)を満たす請求項7に記載のポリエステル樹脂組成物。
(ii−a)+1.5≦Z≦+5.0 - 更に、下記の関係式(iii)及び関係式(iv)で表される関係を満たす請求項7又は請求項8に記載のポリエステル樹脂組成物。
(iii)重縮合後にペレットとしたときのb値≦4.0
(iv)前記ペレットを300℃で溶融保持した際の色調変化速度[Δb/分]≦0.15 - マグネシウム原子(Mg)の含有量が50ppm以上である請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物を用いたポリエステルフィルム。
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