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JP4670235B2 - ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体用として好適に用いることができるポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムに関する。
ポリエステル樹脂はジカルボン酸成分とジオール成分の重縮合によって得られ、特に、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるポリエチレンテレフタレート樹脂は汎用性、実用性の点で優れており、ポリエステルフィルムなどに好適に使用されている。
ポリエチレンテレフタレート樹脂をテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから高分子量のポリマーとして製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物やゲルマニウム化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチモン化合物を含有するポリマーは以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を有している。
例えば、アンチモン触媒を使用して得られたポリマーはアンチモン金属を含む異物を含有しており、フィルム成形に際してはフィルターの目詰まりや筋状欠点の発生、フィルム表面の粗大突起形成などが問題となる。
上記のような背景からアンチモン含有量が少ないか、あるいは含有しないポリエステルが求められている。そこで、重縮合触媒の役割をアンチモン系化合物以外の化合物に求める場合、これまではゲルマニウム化合物が用いられることが多かったが、ゲルマニウム化合物は非常に高価であり汎用的に用いることは難しいものであった。
そこで、かかる問題に対し、例えば特許文献1ではアルカリ化合物を含有する水、有機溶媒またはこれらの混合物でチタン化合物を処理してポリエステル重合工程へ添加する方法が、特許文献2では平均一次粒子径が100nm以下である二酸化チタンのポリエステル重合触媒が、特許文献3では高純度のジカルボン酸成分とチタン化合物によるポリエステル組成物が、特許文献4では有機チタン化合物と有機スズ化合物とを混合・加熱処理した生成物を触媒としたポリエステル樹脂の製造方法が、特許文献5では特定量のマンガン化合物とアルカリ金属化合物、リン化合物、有機チタン化合物を用いたポリエステルの製造方法が、特許文献6ではゼオライト等の多孔性無機粒子によって触媒金属を除去するポリエステルの製造方法が、特許文献7では亜鉛化合物、コバルト化合物および芳香族多価カルボン酸とテトラアルキルチタネートからポリエステルを製造する方法が、特許文献8では特定量のマンガン化合物、コバルト化合物でのエステル交換反応ののち、芳香族多価カルボン酸とテトラアルキルチタネート反応物による触媒を用いて重合するポリエステルの製造方法が、特許文献9では酸化チタンを触媒として用い、テルル化合物、コバルト化合物、リン化合物のコバルト塩を添加する方法が、特許文献10では酸化チタンを触媒として用い、ビスマス化合物、コバルト化合物、リン化合物のコバルト塩を添加する方法が、特許文献11では酸化チタンを触媒として用い、ニッケル化合物を添加する方法が示されている。特許文献12では、触媒による金属析出粒子含有量を特定量以下とすることが示されている。
しかしながら、これら従来の技術では、チタン化合物(ポリエステル重合触媒)がポリエステル重合反応中に変質したり凝集したりして異物となったり、たとえ異物含有量を減少せしめたとしても、粗大な粒子の形成を抑えることができず、特に平滑な表面を求められる磁気記録媒体用フィルムを得ることが困難であった。
特開2002−187942号公報 特開2000−119383号公報 特開2000−17065号公報 特開平10−316749号公報 特開昭63−278927号公報 特開昭62−95317号公報 特開昭54−43294号公報 特開昭54−37196号公報 特開昭51−81896号公報 特開昭51−81895号公報 特開昭51−66395号公報 特開平7−292087号公報
チタン化合物を触媒とした場合、酸化チタン粒子などのチタン化合物に由来した異物が発生してフィルムなどの成型品とした際には粗大突起などの欠点が発生するなどアンチモン化合物触媒と同様の問題点を有していた。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、磁気記録媒体用として好適な、触媒起因の異物を低減させたポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らはチタン化合物起因の異物を特定量以下としたポリエステル組成物によって前記課題が解決できることを見いだし本発明に至った。すなわち本発明は、等価円直径が1μm以上である、チタン元素を含有する粒子の個数密度が100個/0.02mg未満であり、かつ、乳酸キレートチタン化合物、クエン酸キレートチタン化合物のいずれか一種以上のチタン化合物をチタン元素として0.5〜50ppm(重量基準)含有し、ジエチルホスホノ酢酸エチルをリン元素として0.1〜100ppm(重量基準)含有し、アンチモン元素の含有量が30ppm(重量基準)以下であるポリエステル樹脂組成物を特徴とする。
以下説明するように、本発明によれば、異物が少なく、環境衛生性に優れたポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得ることができ、これらは磁気記録媒体用のベースフィルムとして好適に使用することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、等価円直径が1μm以上である、チタン元素を含有する粒子の個数密度が100個/0.02mg未満であり、かつ、乳酸キレートチタン化合物、クエン酸キレートチタン化合物のいずれか一種以上のチタン化合物をチタン元素として0.5〜50ppm(重量基準)含有し、ジエチルホスホノ酢酸エチルをリン元素として0.1〜100ppm(重量基準)含有し、アンチモン元素の含有量が30ppm(重量基準)以下である。上記のチタン元素は、重合用触媒として主にチタン化合物を用いた際に残留するものである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーであり、繊維、フィルム、ボトル等の成型品として用いることができるものであれば特に限定はない。このようなポリエステルとして例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキサンジメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等をあげることができ、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
このようなポリエチレンテレフタレートとしてはジカルボン酸成分やグリコール成分に共重合成分を含有していてもよい。ジカルボン酸成分として例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体等をあげることができ、グリコール成分としては例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物等またはそのエステル形成性誘導体が挙げられ、さらにはパラヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体を挙げることができる。
また本発明のポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。
重合用触媒としてチタン化合物を用いる場合、チタン化合物の置換基がアルコキシ基、フェノキシ基、アシレート基、アミノ基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種であるチタン化合物が好ましく、またチタン酸化物も好ましく用いられる。
具体的なアルコキシ基には、テトラエトキシド、テトラプロポキシド、テトライソプロポキシド、テトラブトキシド、テトラ−2−エチルヘキソキシド等のテトラアルコキシ基、さらに有機基が酸素原子を介してチタン原子と結合した官能基としては例えば、アセチルアセトン等のβ−ジケトン系官能基、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸等のヒドロキシ多価カルボン酸系官能基、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のケトエステル系官能基が挙げられ、特に脂肪族アルコキシ基が異物形成抑制の観点から好ましい。また、フェノキシ基には、フェノキシ、クレシレイト等が挙げられる。また、官能基には、ラクテート、ステアレート等のテトラアシレート基、フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸またはそれらの無水物等の多価カルボン酸系官能基、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラミノ六酢酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸等の含窒素多価カルボン酸系官能基が挙げられ、特に脂肪族官能基が異物形成抑制の観点から好ましい。また、アミノ基には、アニリン、フェニルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。また、これらの置換基を2種含んでなるジイソプロポキシビスアセチルアセトンやトリエタノールアミネートイソプロポキシド等が挙げられる。
本発明ではこれらチタン化合物のうちでも特にテトラアルコキシチタン化合物やアシレートチタン化合物が異物形成抑制の観点から好ましい。
本発明におけるチタン酸化物としては、主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物や超微粒子酸化チタンが挙げられる。
なお、本発明において触媒とは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーにおいて、以下の(1)〜(3)の反応全てまたは一部の素反応の反応促進に実質的に寄与する化合物を指す。
(1)ジカルボン酸成分とジオール成分との反応であるエステル化反応
(2)ジカルボン酸のエステル形成性誘導体成分とジオール成分との反応であるエステル交換反応
(3)実質的にエステル反応またはエステル交換反応が終了し、得られたポリエチレンテレフタレート低重合体を脱ジオール反応にて高重合度化せしめる重縮合反応
従って、繊維の艶消し剤等に無機粒子として一般的に用いられている酸化チタン粒子は上記の反応に対して実質的に触媒作用を有しておらず、本発明において触媒として用いるチタン化合物とは異なる。
主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物及び超微粒子酸化チタンの製造方法は、特に限定されないが、例えば、チタンのアルコキシド化合物を原料として、加水分解反応により製造する方法において、この加水分解の速度を制御することによって得られる。具体的には、例えば主原料であるチタンアルコキシド化合物に対して、ケイ素やジルコニウム等の少量の他の金属アルコキシド化合物や多価アルコール化合物を共存させ、両者の共沈法、部分加水分解法、配位化学ゾル・ゲル法等によって合成することができる。ここで共沈法とは2種あるいはそれ以上の成分を含有する所定の組成の溶液を調製し、その組成のまま加水分解反応を進行させる方法である。また、部分加水分解法とは、一方の成分をあらかじめ加水分解した状態としておき、そこへもう一方の成分を加えさらに加水分解を進行させる方法である。また、配位化学ゾル・ゲル法とは、チタンアルコキシド原料とともに分子内に官能基を複数持つ多価アルコール化合物等を共存させ、両者の間であらかじめ反応物を形成させることによって、その後の加水分解反応の速度を制御しようとするものである。以上のような化合物の合成方法は、例えば、上野ら、「金属アルコキシドを用いる触媒調製」、アイピーシー(1993)等に記載されている。なお、触媒として用いる超微粒子酸化チタンは数平均分子量が100,000より小さいと触媒活性、異物抑制の点で好ましい。超微粒子酸化チタンの数平均分子量はより好ましくは500〜100,000、更に好ましくは1,000〜50,000、特に好ましくは1,500〜20,000である。
本発明における触媒としてのチタン化合物は得られるポリマーに対してチタン原子重量換算で0.5〜50ppm添加すると重合活性が高く、得られるポリマーの熱安定性や色調も良好となり好ましい。より好ましくは1〜30ppm、更に好ましくは3〜20ppmである。チタン原子重量換算で0.5ppm未満であれば重合活性が不足しており、一方50ppmを超える場合にはチタン触媒起因の異物が発生しやすくなり、また得られたポリエステルの耐熱性も悪くなる。なお、上記チタン化合物中のチタン元素は得られる樹脂組成物中にそのまま保存される。
本発明のポリエステル組成物は、チタン元素と共にリン元素をポリエステル組成物に対してリン原子重量換算で0.1〜100ppm含有されている。なお、製糸時や製膜時におけるポリエステルの熱安定性や色調の観点からリン元素含有量は、1〜80ppmが好ましく、さらに好ましくは3〜50ppmであり、またさらに好ましくは3〜20ppmである。リン原子重量換算で0.1ppm未満では触媒起因の異物が形成され易くなり、また得られたポリエステルの色調や耐熱性が悪化し、一方、100ppmを超える場合にも触媒起因の異物が形成されやすく、また重合反応の時間がかかるようになりポリエステル樹脂の生産性が低下する。
なお、本発明のポリエステル組成物に含有されるリンは、ポリエステルの製造過程で添加したリン化合物の残渣である。このようなリン化合物としてはジエチルホスホノ酢酸エチルである必要がある。
本発明のポリエステル組成物においてはアンチモン元素の含有量が金属原子重量換算で30ppm以下である。この範囲とすることで、成形加工時の口金汚れやフィルターの詰まり、異物の発生等が少なく、かつ比較的安価なポリマーを得ることができる。より好ましくは、10ppm以下、特には実質的に含有しないことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、チタン元素を含有した等価円直径が1μm以上である粒子(以下、チタン元素含有粒子という)の個数密度がポリエステル樹脂組成物0.02mgあたり100個未満である。該粒子個数密度が100個以上である場合、ポリエステルフィルムとした際に表面粗さが粗くなったり、フィルムの透明性が損なわれることがある。上記したチタン元素含有粒子の個数密度は、ポリエステル組成物0.02mgあたり80個未満であることが好ましく、50個未満であればより好ましい。なお、等価円直径とは、粒子の投影面積に等しい円が有する直径のことである。
重合する際には、アルカリ土類金属元素を含有せしめることが異物形成抑制、重合活性、ポリエステル樹脂溶融時の体積比抵抗の点から好ましく、アルカリ土類金属元素の含有量が5〜100ppm(重量基準、以下同様)であることが好ましい。中でも、特にカルシウム、マグネシウム元素を5〜100ppm(重量基準)ポリエステル樹脂に含有させることが好ましく、より好ましくは10〜80ppm(重量基準)、さらに好ましくは15〜60ppm(重量基準)である。特にマグネシウムは異物形成抑制やポリエステル樹脂溶融時の体積比抵抗の観点から好ましく、その塩化物やカルボン酸塩を用いることができ、特に酢酸マグネシウムを同観点から好ましく用いることができる。100ppmを超えてアルカリ土類金属元素をポリエステル樹脂に含有させた場合、チタン元素を含有した異物を形成しやすくなる。
本発明のポリエステル樹脂組成物をフィルムに成形する際、スリット状口金から溶融押出し、静電印加法によって未延伸シートを製造することが延伸フィルムの表面平滑性、厚み均一性の点から好ましい。静電印加法によって未延伸シートを製造するに際しては、溶融成形温度におけるポリエステル樹脂の体積比抵抗が1×106〜1×109Ω・cmであることが好ましく、特に1×107〜5×108Ω・cmが好ましい。このような体積比抵抗の設定は、ポリエステル樹脂に添加するアルカリ土類金属元素の含有量、およびリン元素の含有量を調整することによってできる。具体的には、アルカリ土類金属元素の添加量を増量し、リン元素量を低減すれば体積比抵抗値は小さくなり、逆にアルカリ土類金属元素の添加量を減量し、リン元素量を増量すれば体積比抵抗値は大きくなる。
また、リン元素に対するチタン元素のモル比(Ti/P)が0.1〜20であるとポリエステルの熱安定性や色調が良好となり好ましい。より好ましくはTi/Pは0.2〜10であり、さらに好ましくは0.3〜5である。
チタン元素含有粒子(異物)は、重合用触媒として用いたチタン化合物が重合反応中に加水分解されるなどして形成されやすい。本願発明のポリエステル樹脂組成物を得るにはこれを抑制することが重要である。
本発明の触媒としてのチタン化合物及びリン化合物は、ポリエステルの反応系にそのまま添加してもよいが、重合用触媒の粒子化を抑制するには、予め該化合物をエチレングリコールやプロピレングリコール等のポリエステルを形成するジオール成分を含む溶媒と混合し、溶液またはスラリーとし、必要に応じて該化合物合成時に用いたアルコール等の低沸点成分を除去した後、反応系に添加すると、ポリマー中での異物生成がより抑制されるため好ましい。添加時期はエステル化反応触媒やエステル交換反応触媒として、原料添加直後に触媒を添加する方法や、原料と同伴させて触媒を添加する方法がある。しかしながらチタン化合物は重合触媒として使用することが好ましく、重縮合反応触媒として添加する場合は、実質的に重縮合反応開始前であればよく、エステル化反応やエステル交換反応の前、あるいは該反応終了後、重縮合反応触媒が開始される前に添加してもよい。この場合、チタン化合物とリン化合物が接触することによる触媒の失活を抑制するために、異なる反応槽に添加する方法や、同一の反応槽においてチタン化合物とリン化合物の添加間隔を1〜15分とする方法や添加位置を離す方法がある。
また、本発明のチタン化合物を予めリン化合物と反応させた触媒とする場合には、(1)チタン化合物を溶媒に混合してその一部または全部を溶媒中に溶解し、この混合溶液にリン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下する。(2)チタン化合物に配位子を配位させた錯体を用いる場合には、チタン化合物、または前記ヒドロキシカルボン酸系化合物や多価カルボン酸系化合物等の配位子化合物を溶媒に混合してその一部または全部を溶媒中に溶解し、この混合溶液に錯体を形成する相手となる配位子化合物またはチタン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下する。また、この混合溶液にさらにリン化合物を原液または溶媒に溶解希釈させ滴下すると、熱安定性及び色調改善の観点から好ましい。上記の反応条件は0〜200℃の温度で1分以上、好ましくは20〜100℃の温度で2〜100分間加熱することによって行われる。この際の反応圧力には特に制限はなく、常圧でも良い。また、上記溶媒としては、チタン化合物、リン化合物及びカルボニル基含有化合物の一部または全部を溶解し得るものから選択することができるが、好ましくは、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ベンゼン、キシレンから選ばれる。
本発明において、任意の時点でマンガン化合物をポリエステル樹脂組成物に対するマンガン原子重量換算で1〜400ppm含有せしめ、リン元素に対するマンガン元素のモル比率(Mn/P)が0.1〜200となるように制御すると、重合活性の低下を抑制することができ、それにより得られるポリマーの色調が良好となり好ましい。本発明のマンガン化合物としては特に限定はないが、具体的には、例えば、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸マンガン四水塩、酢酸マンガン二水塩等が挙げられる。
また、本発明において任意の時点でさらにコバルト化合物を添加すると得られるポリマーの色調が良好となり好ましい。本発明のコバルト化合物としては特に限定はないが、具体的には、例えば、塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト四水塩等が挙げられる。
また、得られるポリマーの色調やポリマーの耐熱性を向上させる目的で、種々のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、スズ化合物等を添加してもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、単層構成であってもよいが、チタン化合物を重合用触媒として使用した上記のポリエステル樹脂からなる層を少なくとも片表面に積層した積層ポリエステルフィルムであることが好ましい。この場合、両表面を上記のポリエステル樹脂(ポリエステルフィルム)で構成することがさらに好ましい。また、アンチモン元素を30ppm(重量基準、以下同様)以上含有するポリエステル樹脂を用いた場合でもアンチモン金属を含有しないか若しくは30ppm未満の本発明のポリエステル樹脂と積層することによってフィルム全体としてアンチモン金属含有量量を30ppm未満とすることができ好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは異物をほとんど含有しないため、表面平坦性が優れている。フィルム表面平均粗さRaは0.5〜30nmであることが好ましく、さらに1〜20nm、特に1〜10nmであることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムおよび積層ポリエステルフィルムはフィルム表面平均粗さが小さく、磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いると好適である。特に記録密度が高いコンピューターデータ記録用磁気記録媒体やデジタルビデオテープ用として好適である。
次に、本発明のポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムの製造方法を説明する。具体例としてポリエチレンテレフタレートの例を記載するが特に限定されるものではない。
ポリエチレンテレフタレートは通常、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセスである。ここでエステル化反応は無触媒でも反応は進行するが、本発明のチタン化合物を触媒として添加してもよい。また、エステル交換反応においては、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム等の元素を含む化合物や本発明のチタン触媒を用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加してもよい。
本発明においては、(1)または(2)の一連の反応の任意の段階、好ましくは(1)または(2)の一連の反応の前半で得られた低重合体に、必要に応じて艶消し剤として酸化チタン粒子や、コバルト化合物等の添加物を添加した後、重縮合触媒として上記したチタン化合物を添加し重縮合反応を行い、高分子量のポリエチレンテレフタレートを得ることができる。
また、上記の反応は回分式、半回分式あるいは連続式等の形式で実施されるが、本発明の製造方法はそのいずれの形式にも適応し得る。
次にポリエステルフィルムの製造では、上記によって得たポリエステル樹脂組成物を用意し、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは減圧下で行い、押出機に供給する。
押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂がろ過される。さらに、樹脂は、ダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。
積層フィルムとする場合には、例えば、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出されたポリエステル樹脂をフィードブロックやスタティックミキサー、マルチマニホールドダイ等を用いて積層する方法等を使用することができる。ここでスタティックミキサーとしては、パイプミキサー、スクエアーミキサー等が挙げられるが、本発明ではスクエアーミキサーを用いることが好ましい。
積層に際しては本発明のポリエステル樹脂組成物からなる層が少なくとも片表面を構成することが好ましい。
このようにしてダイから吐出された積層構造を有するシートもしくは単膜シートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ、急冷固化させるのが好ましい。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸しても構わない。二軸延伸とは、縦方向および横方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に再延伸を行ってもよい。
ここで、縦方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸をいい、例えば、ロールの周速差により施される。この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては、2〜15倍が好ましく、より好ましくは2.5〜7倍がとくに好ましく用いられる。
また、こうして得られたフィルムの表面に、グラビアコーターやメタリングバー等のコーティング技術を用いて、コーティングを施すことにより、易接着層や易滑層を付与しても構わない。
また、横方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸をいい、例えば、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては、2〜10倍が好ましい。
また、同時二軸延伸の場合には、テンター内にてフィルムの両端をクリップで把持しながら搬送しつつ、縦方向および横方向に同時に延伸するものであり、この方法を用いてもよい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましく、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。本発明のフィルムにおいては、熱処理温度としては120℃〜240℃であることが、平面性、寸法安定性等の点からは好ましい。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリエステル樹脂組成物中のチタン元素、アルカリ土類金属元素、リン元素、アンチモン元素の含有量
理学電機社製蛍光X線装置(型番3270)を用い、ポリマ8gを溶融し板状に成型し、蛍光X線の強度を測定した。この値を含有量既知のサンプルで予め作成した検量線を用い、金属含有量に換算した。
(2)ポリエステル樹脂組成物中の粗大異物の数(チタン元素含有粒子の個数密度)
測定にはハイビジョン画像解析装置を適用し、測定装置として、ハイビジョンパーソナル画像解析システム(株)ピアス製PIAS−IV、光学顕微鏡としてLeitz社製Metaloplanを使用した。
(A)プレパラート作製
ポリエステルチップを希塩酸で洗浄し、その後、精製水で洗浄した後、スライドグラスの上に試料0.2mgを乗せ、280℃にて溶融した後、挟み込むようにカバーグラスをその上に置く。試料はスライドガラスとカバーグラス間で引き延ばされた状態になり、この後カバーガラスをスライドさせながら相互に剥離した。このようにしてカバーガラス上にポリマー薄膜が形成されたプレパラートを作成した。プレパラート上のポリマー薄膜には鋭利なカミソリにて10行×10列の切れ込みを入れ、合計100個の升目を作成した。
(B)調整法および測定条件
光学顕微鏡の対物レンズを32倍に設定して、暗視野法で検鏡し、画像解析装置のハイビジョンモニターにその画像を取り込む。このとき、対物レンズが高倍率であり焦点深度が小さくなるため、上側の面にピントを合わせると上側の表層約1μm程度の部分を観察することになる。
また、このとき、モニター上での観察倍率は1,560倍となる。画像を入力する場合は白黒画像で、入力した画像は二値化を行って輝度変換する。このときの濃度レベルを表す輝度値は160に設定する。設定前は、あらかじめブランク値として試料をセットしない条件で測定したときの輝度平均値が183になるように、光学顕微鏡の絞り等の明るさを調節する。
(C)測定
二値化して得られた画素の等価円の直径を粒子径とし、1μm以上の粒子個数をカウントし、その粒子位置を升目から読みとった。
プレパラートは、ポリマー薄膜部のプラズマ灰化処理を施した後にカーボン蒸着をおこない、光学顕微鏡で1μm以上とカウントされた粒子の存在する升目をSEM−XMAにて観察し、該当粒子に含有されるチタン元素の有無を確認した。このようにしてチタン元素を含有する1μm以上の粒子個数をポリマー0.02mg当たりに換算した数値を粒子個数密度とした。
(3)キャスト表面性
キャストされたシート表面10m2以上に光を当て、その反射光を肉眼で見てクレーターなどの表面凹凸が認められるかどうかで判定する。判定基準は、全く表面に凹凸が見られない場合を○、表面に凹凸があるが、深さが0.1μm未満と浅く、延伸によって消失する場合を△、全面に凹凸が見られる場合を×とした。
(4)溶融樹脂の体積比抵抗
樹脂を減圧乾燥後、内径50mmの試験管に入れ、窒素雰囲気下でフィルム製造温度にて溶融した後、溶融樹脂中に一対の銅製電極を挿入し、直流電圧を印加し、次式によって溶融樹脂の体積比抵抗[ρ]を求めた。単位はΩ・cmである。
[ρ]= (V×S)/(I×D)
ここで、Vは印加電圧(V)、Sは電極面積(cm2)、Iは電流値(A)、Dは電極距離(cm)である。
(5)表面粗さRa
JIS−B0601に則り測定をおこなった。
具体的には、(株)小坂研究所製の高精度薄膜段差計ET−10を用いて測定した。条件は、触針先端半径0.5μm、針圧5mg、測定長1ミリ、カットオフ0.08ミリとした。
(6)ドロップアウト特性
フィルム表面に下記組成の磁性塗料およびバックコート層を塗布した。さらに小型テストカレンダー装置に(スチロール/ナイロンロール)より温度70℃、線圧2,000N/cmでカレンダー処理した後70℃で48時間キュアをおこなった。その後テープ原反を8mm幅にスリットし、カセットに組み込んでカセットテープとした。
ドロップアウト個数は、市販のHi8用VTRを用い、TV試験信号発生器から4.4MHzの信号を供給し、ドロップアウトカウンターを用いて再生信号の減衰が−16dB以上、長さが15μ秒以上のドロップアウト個数を求めた。25℃、65%RH下で3分間再生/巻き戻しを100回繰り返した後、3分間再生した際のドロップアウトの個数を1分間当たりの個数に換算し、次の基準にて判定した。
0〜15個/分・・優(合格)
16〜30個/分・・良(合格)
31個/分以上・・ 不良(不合格)
(磁性塗料の組成)
・鉄系メタル強磁性粉末 100重量部
・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 10重量部
・ポリウレタンエラストマー 10重量部
・ポリイソシアネート 5重量部
・レシチン 1重量部
・メチルエチルケトン 75重量部
・メチルイソブチルケトン 75重量部
・トルエン 75重量部
・カーボンブラック 2重量部
・ラウリン酸 1.5重量部
(バックコート層塗料の組成)
・カーボンブラック 100重量部
・ポリエステルポリウレタン樹脂 100重量部
・メチルエチルケトン 500重量部
・トルエン 500重量部
参考例1(コロイダルシリカ粒子の製造)
40重量部のエチルアルコールに4重量部の飽和アンモニア水を混合し、これを撹拌しながら4重量部の4ペンチルケイ素を添加して平均粒子径が0.1μmのコロイダルシリカを得た。ついでエチレングリコールを100重量部添加し、加熱することでエチルアルコールおよび水を留出させ、コロイダルシリカのエチレングリコールスラリーを得た。
参考例2(クエン酸キレートチタン化合物の合成方法)
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)を仕込み、これにクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、その後イソプロパノール/水混合物を減圧下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして減圧下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。これをエチレングリコールで希釈し、チタン化合物1重量%のエチレングリコール溶液を得た。これを触媒Aとした。
参考例3(乳酸キレートチタン化合物の合成方法)
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた1Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節した。その反応混合物を15分間撹拌し、その反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量%水溶液を加え、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。これをエチレングリコールで希釈し、チタン化合物1重量%のエチレングリコール溶液を得た。これを触媒Bとした。
参考例4(チタンアルコキシド化合物の合成方法)
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(496g、8.00モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節した。その反応フラスコに、NaOH(125g、1.00モル)の32重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えて透明な黄色の液体を得た(Ti含有量4.44重量%)。これをエチレングリコールで希釈し、チタン化合物1重量%のエチレングリコール溶液を得た。これを触媒Cとした。
参考例5
(ポリエチレンテレフタレートの製造)
高純度テレフタル酸100重量部とエチレングリコール43重量部のスラリーを予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約120重量部が仕込まれ、温度が250℃に保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけて水を留出させながらエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の120重量部を重縮合槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、ジエチルホスホノ酢酸エチルを0.01重量部添加し、さらに酢酸マグネシウム4水塩を0.03重量部、さらに参考例4の触媒Cをチタン元素として5ppmとなるように添加した。ついで、参考例1にて調製したコロイダルシリカのエチレングリコールスラリーをポリマー中の粒子濃度が0.1%となるように添加した。
その後、低重合体を攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を100Paまで下げた。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素ガスによりパージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。
ペレットの溶融時(280℃)の体積比抵抗は80MΩ・cm(8×107Ω・cm)であった。
(ポリエステルフィルムの製膜)
前記のポリエチレンテレフタレート樹脂を減圧乾燥機にて乾燥し、押出機に供給した。
ポリエチレンテレフタレート樹脂は押出機にて280℃で溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、Tダイに供給しシート状に成形した後、ワイヤー状電極にて静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
得られたキャストフィルムは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で200℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、10μmであった。
得られたフィルムの特性および磁気テープに加工した後ドロップアウト評価した結果を表1に示す。
実施例2〜4
添加するチタン触媒量や種類、アルカリ土類金属化合物(実施例4は酢酸カルシウム1水塩)、リン元素添加量を変更する以外は実施例1と同様にポリエステル樹脂およびフィルムおよび磁気テープを得た。結果を表1に示す。
比較例1
ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有されるチタン元素量を60ppmにする以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂、フィルム、磁気テープを得た。
チタン元素量が本願範囲を超えるために樹脂中に生成した異物粒子量が多く、磁気テープとした際にはドロップアウトが頻発した。
比較例2
ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有されるチタン元素量を0.2ppmにして重合したが、フィルムが形成できる重合度を有した樹脂を得ることができなかった。
比較例3
重合用触媒として三酸化アンチモンを用い、アルカリ土類金属元素を用いずに実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
該樹脂を用いて製膜を実施したが、キャスト性が不良であり、得られたフィルム表面にはクレーター状欠点が発生した。磁気テープ加工するに値しないフィルムであった。
実施例5
2台の押出機を用い、コロイダルシリカを添加しない以外は実施例2と同様に重合したポリエステル樹脂、比較例3で用いたポリエステル樹脂をそれぞれ押出、フィードブロックにて2層に積層し、Tダイに供給しシート状に成形した後、ワイヤー状電極にて静電印加しながら、表面温度20℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
得られたキャストフィルムは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.0倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で200℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの積層比率は実施例2のポリエステル樹脂が90%(重量比率)、比較例3のポリエステル樹脂が10%であった。なお、磁性体は実施例2のポリエステル樹脂を積層した表面に塗布した。結果を表1に示す。
参考例6
リン化合物をトリメチルリン酸とする以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂およびフィルムおよび磁気テープを得た。結果を表1に示す。
参考例7
リン化合物をリン酸とする以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂およびフィルムおよび磁気テープを得た。結果を表1に示す。
参考例8
ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有されるチタン元素量を35ppmにする以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂、フィルム、磁気テープを得た。
結果を表1に示す。
実施例9〜12
ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有されるマグネシウム元素量を変更する以外は実施例3と同様にしてポリエステル樹脂およびフィルムおよび磁気テープを得た。結果を表1に示す。
実施例13、14
ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有されるリン元素量を変更する以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂およびフィルムおよび磁気テープを得た。結果を表1に示す。
比較例4
ポリエチレンテレフタレート樹脂に含有されるリン元素量を変更する以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂およびフィルムおよび磁気テープを得た。結果を表1に示す。
比較例5
ポリエチレンテレフタレートに含有されるリン元素量を変更する以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂を重合したが、重合速度が極めて遅く、フィルムが形成できる重合度を有した樹脂を得ることができなかった。
Figure 0004670235

Claims (10)

  1. 等価円直径が1μm以上である、チタン元素を含有する粒子の個数密度が100個/0.02mg未満であり、かつ、乳酸キレートチタン化合物、クエン酸キレートチタン化合物のいずれか一種以上のチタン化合物をチタン元素として0.5〜50ppm(重量基準)含有し、ジエチルホスホノ酢酸エチルをリン元素として0.1〜100ppm(重量基準)含有し、アンチモン元素の含有量が30ppm(重量基準)以下であるポリエステル樹脂組成物。
  2. チタン化合物を重合触媒として用いた請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. アルカリ土類金属元素を5〜100ppm(重量基準)含有している、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. マグネシウム元素を15〜60ppm(重量基準)含有している、請求項3に記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 溶融時の体積比抵抗が1×106〜1×109Ω・cmである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. リン元素に対するチタン元素のモル比(Ti/P)が0.1〜20である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. チタン酸化物を含んでいる、請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を含むポリエステルフィルム。
  9. 請求項8に記載のポリエステルフィルムを少なくとも1層積層してなる積層ポリエステルフィルム。
  10. 請求項9に記載の積層ポリエステルフィルムを用いてなる磁気記録媒体。
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