[go: up one dir, main page]

JP5375025B2 - 研磨液 - Google Patents

研磨液 Download PDF

Info

Publication number
JP5375025B2
JP5375025B2 JP2008274327A JP2008274327A JP5375025B2 JP 5375025 B2 JP5375025 B2 JP 5375025B2 JP 2008274327 A JP2008274327 A JP 2008274327A JP 2008274327 A JP2008274327 A JP 2008274327A JP 5375025 B2 JP5375025 B2 JP 5375025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
polishing
polishing liquid
cerium oxide
saturated monocarboxylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008274327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009231795A (ja
Inventor
宗宏 太田
英一 佐藤
陽介 星
茂 野部
和宏 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Resonac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd, Resonac Corp filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2008274327A priority Critical patent/JP5375025B2/ja
Publication of JP2009231795A publication Critical patent/JP2009231795A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5375025B2 publication Critical patent/JP5375025B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、研磨液、より詳しくは、酸化ケイ素を含む被研磨面を研磨するための研磨液に関する。
半導体製造の分野では、超LSIデバイスの高性能化に伴い、従来の延長線上の微細化技術では、上記高性能化に応え得る高集積化と高速化とを両立することが限界となってきている。そのため、半導体素子の微細化も進めつつ、垂直方向にも高集積化(配線を多層化)する技術が開発されている。このような多層配線化に必要なプロセスにおいて、最も重要な技術の一つにCMP(化学機械研磨)技術がある。多層配線化では、リソグラフィの焦点深度を確保するために一層ずつデバイスを平坦化することが不可欠である。デバイスに凹凸がある場合、露光工程において焦点合わせが困難となったり、微細配線構造を形成できなかったりするからである。
このようなCMPの工程は、例えば、素子分離構造を形成した後に埋め込むプラズマ酸化膜(BPSG・HDP−SiO・p−TEOS)や層間絶縁膜等、酸化ケイ素を含む膜を金属配線に埋め込んだ後のプラグ(例えば、Al・Cuプラグ)の平坦化にも適用され、半導体製造には欠かせない技術となっている。素子分離構造部分を酸化ケイ素膜により埋め込んだ場合、素子分離構造が有している凹凸に対応して酸化ケイ素膜にも凹凸が形成され、これに対してCMPを行うと、凸部を優先的に除去するとともに、凹部をゆっくりと除去することによって平坦化がなされる。
加工寸法の微細化に伴って、素子分離幅を狭くするための技術が要求されており、そのような素子分離の方法としては、シャロー・トレンチ分離(STI)が用いられつつある。ここで、図1に、半導体のSTI構造を形成する際における研磨工程の断面概略図を示す。図1(a)は研磨前の、図1(b)は研磨途中の、図1(c)は研磨後の状態を表している。同図に示すように、STIでは、シリコン基板1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差4を解消するため、表面から突出している余分な部分を除去する目的でCMPを使用する。この際、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜2(ストッパ膜)が形成される。これにより、研磨後には、平坦な表面5が形成される。高効率な研磨を達成するには、窒化ケイ素膜の研磨速度に対する酸化ケイ素膜の研磨速度の比が大きいこと、すなわち窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の選択性(「選択比」ともいう)が高いことが望まれる。
砥粒としてシリカを使用したSTI研磨用途のスラリ(シリカスラリ)としては、従来、種々のものが知られている。しかしながら、シリカスラリは一般的に、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の選択性が低く、最大でも、約5(5/1)の酸化ケイ素/窒化ケイ素選択比である。このシリカスラリとしては砥粒としてコロイダルシリカやヒュームドシリカを用いるものがあるが、いずれも酸化ケイ素膜の研磨速度が十分でなく、上記選択比も低いという問題がある。
そこで、近年では選択比の向上を目的として、酸化セリウムを含むCMP研磨液を用いることが行われつつある(例えば、特許文献1参照)。この文献には、高選択比を達成するため、酸化セリウム、カルボン酸又はその塩、アルコール系化合物、及び水を含むCMP研磨液が開示されている。また、pH7以上であれば高い選択比が得られ、例えば200程度の選択比が得られることが示されている。
特開2006−19740号公報
しかしながら、次世代の半導体素子は、従来に比して更なる微細化・高集積化が求められるが、これに対応するため、研磨液には、より高い研磨速度及び選択比の値が得られるものが必要となってきており、この点において、上述した研磨液には更なる改良が求められている。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度が得られるとともに、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の選択比を高くできる研磨液を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の研磨液は、酸化ケイ素を含む被研磨面の研磨に用いられる研磨液であって、(A)炭素数が1〜6である飽和モノカルボン酸と、(B)酸化セリウム粒子と、(C)水とを含み、且つ、pHが2.0〜5.5であることを特徴とする。
上記本発明の研磨液は、(A)〜(C)成分を組み合わせて含み、上記特定のpHを有することから、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度が得られるとともに、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨速度の高い選択比が得られるものとなる。かかる要因については必ずしも明らかではないものの、次のように推測される。
すなわち、研磨液は、そのpHが2〜5.5であることから、この研磨液においては、まず、(A)飽和モノカルボン酸の酸解離度合いが変化しており、これにより研磨液の疎水性が変化して、酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜への濡れ性や親和性が変化している。特に酸化ケイ素膜に対しては濡れ性や親和性が向上している。また、(B)酸化セリウム粒子のゼータ電位の符号が正となっており、これによりゼータ電位の符号が負である酸化ケイ素膜との間に静電的引力が働くため、酸化セリウム粒子の酸化ケイ素膜への接触効率が高まっている。一方、窒化ケイ素膜のゼータ電位の符号が正であることから、酸化セリウム粒子との間に静電的斥力が働くため、酸化セリウム粒子の窒化ケイ素膜への接触効率は低下する。これらの要因により、本発明の研磨液によれば、酸化ケイ素膜に対して高い研磨速度が得られるとともに、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の選択比が高められる。
上記本発明の研磨液においては、研磨液のpHと、(A)飽和モノカルボン酸のpKaとが、下記式(1)で表される条件を満たすとより好ましい。
(pKa−1.5)≦pH≦pKa …(1)
かかる条件を満たす研磨液では、上述した飽和モノカルボン酸による疎水性の向上効果がより高く生じ、本発明の効果が一層良好に得られるようになる。
このような効果を得るために、(A)飽和モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヒドロアンゲリカ酸、カプロン酸、2−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸及び3,3−ジメチルブタン酸からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
なかでも、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸及びピバル酸からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、酢酸、プロピオン酸、酪酸及び吉草酸のうちのいずれか1種が更に好ましく、プロピオン酸又は酪酸が特に好ましい。
(A)飽和モノカルボン酸の含有量は、研磨液の合計質量に対し、0.01〜1重量%であると好ましい。このような含有量であると、上述した疎水化が良好に生じるなどして、高い研磨速度及び選択比を両立させ易くなる。
また、(B)酸化セリウム粒子は、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウムであると好適である。このような酸化セリウム粒子は、研磨中に、それ自体が細かくなるとともに活性面が次々と現れる挙動を示すため、酸化ケイ素被膜の研磨速度をさらに向上させることができる。
このような(B)酸化セリウム粒子の含有量は、研磨液の合計質量に対し0.1〜5重量%であると好ましい。これにより、優れた酸化ケイ素被膜の研磨速度が得られるようになる。
さらに、(B)酸化セリウム粒子の平均粒径が、50〜300nmであると好ましい。このような平均粒径を有する酸化セリウム粒子は、更なる研磨速度の向上に有利である。
そして、研磨液のpHは、3.0〜4.7の範囲であると、酸化ケイ素被膜の研磨速度、及び、窒化ケイ素被膜に対する酸化ケイ素被膜の研磨速度の選択比が一層高められる傾向にある。
本発明によれば、従来のシリカスラリに比して、極めて高い酸化ケイ素膜に対する研磨速度が得られるとともに、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨速度の高い選択比も得られる研磨液を提供することが可能となる。このような研磨液は、酸化ケイ素膜等の酸化ケイ素を含む被研磨面を研磨するためのCMP研磨液として有用である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
[研磨液]
本発明の好適な実施形態の研磨液は、(A)炭素数が1〜6である飽和モノカルボン酸と、(B)酸化セリウム粒子と、(C)水とを少なくとも含み、且つ、pHが2.0〜5.5である。以下、このような研磨液の各構成について説明する。
((A)飽和モノカルボン酸)
(A)飽和モノカルボン酸は、炭素原子を1〜6個含む直鎖状又は分岐鎖状の飽和モノカルボン酸である。飽和モノカルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヒドロアンゲリカ酸、カプロン酸、2−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸等が挙げられる。これらは、単独で又は二種類以上を混合して使用することができる。
研磨液における飽和モノカルボン酸の含有量は、酸化ケイ素膜の研磨速度や、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨速度の選択比を向上させる観点から、研磨液の合計質量に対して、0.01〜1重量%であると好ましい。この含有量が1重量%以下であると、砥粒の凝集を抑えやすくなり、良好な研磨速度が得られる傾向にある。このような観点からは、飽和モノカルボン酸の含有量は、0.8重量以下であるとより好ましく、0.5重量%以下であるとさらに好ましい。また、安定した研磨速度を得る観点から、この含有量は、0.01重量%以上が好ましく、0.02重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上がさらに好ましい。
((B)酸化セリウム粒子)
本実施形態において、酸化セリウム粒子は、酸化セリウムからなり粒子状を有するものであればどのようなものであっても適用できる。例えば、酸化セリウム粒子は、どのような製造方法によって得られたものであってもよい。酸化セリウム粒子を作製する方法としては、焼成又は過酸化水素等による酸化法などを適用することができる。この場合、焼成温度は、350〜900℃とすることが好ましい。これらの方法によって製造された酸化セリウム粒子が凝集している場合は、凝集した粒子を機械的に粉砕してもよい。粉砕方法としては、例えば、ジェットミルなどによる乾式粉砕や、遊星ビーズミルなどによる湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミルは、例えば、「化学工学論文集」、第6巻第5号、(1980)、527〜532頁に説明されている方法を適用することができる。
研磨液に含まれる酸化セリウム粒子は、結晶粒界を持つ多結晶酸化セリウムを含むことが好ましい。結晶粒界を持つ多結晶酸化セリウム粒子は、研磨中に細かくなるとともに、これにより活性面が次々と現れるという挙動を示し、これにより酸化ケイ素膜の研磨速度を向上させることができる。このような結晶粒界を有する酸化セリウム粒子としては、例えば、再公表特許WO99/31195号パンフレットに開示されたものを適用できる。
酸化セリウム粒子の平均粒径は、酸化ケイ素膜の研磨速度を高める観点から、50〜300nmであることが好ましい。この粒径は、大きすぎると研磨傷が多くなる場合があることから、300nm以下であることが好ましく、280nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましく、200nm以下であることが特に好ましい。一方、粒径が小さすぎると、研磨速度が小さくなり過ぎるおそれがあるため、この粒径は50nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましい。
ここで、「平均粒径」とは、例えば、研磨液をレーザー回折式粒度分布計で直接測定して得られる体積分布の中央値である。具体的には、堀場製作所製のLA−920などを用いて得られた値を適用することができる。この測定は、LA−920の測定時透過率(H)が60〜70%となるようにスラリを滴下し、その際に得られた算術平均径によって平均粒径を求める。なお、研磨剤砥粒(酸化セリウム粒子)の凝集は、このLA−920で中央値(メジアン径)を測定することで判別することができる。
このような酸化セリウム粒子を研磨液に適用する場合には、主な分散媒である水中に分散させて酸化セリウムスラリを得ることが好ましい。分散方法としては、例えば、通常の攪拌機による分散処理のほか、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いた方法が挙げられる。
上記の方法により分散された酸化セリウムは、さらに微粒子化してもよく、その方法としては、例えば、酸化セリウムスラリを小型遠心分離機で遠心分離した後、強制沈降させ、この上澄み液のみを取り出す、沈降分級法が挙げられる。ほかに、分散媒中の酸化セリウム粒子同士を、高圧で衝突させる高圧ホモジナイザを用いてもよい。
研磨液において、酸化セリウム粒子の含有量(濃度)は、研磨液の合計質量に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。この酸化セリウム粒子の濃度が高すぎると、粒子が凝集しやすくなる傾向にある。そのため、酸化セリウム粒子の濃度は5重量%以下が好ましく、4重量%以下がより好ましく、3重量%以下が更に好ましく、2重量%以下が特に好ましく、1重量%以下が最も好ましい。一方、酸化セリウム粒子の濃度が低すぎると、研磨速度が小さくなるおそれがある。そこで、この濃度は、0.1重量%以上が好ましく、0.2重量%以上がより好ましく、0.3重量%以上が更に好ましく、0.5重量%以上が特に好ましい。
((C)水)
研磨液の媒体である水としては、特に制限されないが、脱イオン水、イオン交換水、超純水等が好ましい。なお、研磨液は、必要に応じて水以外の溶媒、例えばエタノール、酢酸、アセトン等の極性溶媒等を更に含有してもよい。
(研磨液のpH)
本実施形態の研磨液のpHは、2〜5.5の範囲である。このようなpHを有する研磨液によれば、上述したように、飽和モノカルボン酸の酸解離度合いが変化することによる研磨液の疎水性の向上や、酸化セリウム粒子のゼータ電位の符号が正となることによる酸化ケイ素膜への接触効率の向上が生じると推定される。これらにより、研磨液は、酸化ケイ素膜の研磨速度が大幅に高くなるとともに、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の選択性も極めて高いという、従来知られていなかった優れた効果を発揮することができる。
研磨液のpHが高すぎると、酸化セリウム粒子のゼータ電位の絶対値が小さくなる傾向にある。これにより粒子同士の静電的反発が弱まって、凝集が起こり易くなるため、研磨速度が低下するおそれがある。そのため、研磨液のpHは5.5以下であり、5.0以下であると好ましく、4.7以下であると更に好ましい。また、pHが低すぎると、酸化ケイ素膜のゼータ電位の絶対値が小さくなり、酸化セリウム粒子との間の静電的引力が弱まって、研磨速度が小さくなる傾向にある。そのため、研磨液のpHは2以上であり、2.5以上であると好ましく、3以上であると更に好ましい。
また、飽和モノカルボン酸は、その種類によってpKaが異なるものである。そこで、上述したようなpH範囲を設定することによって得られる効果をより向上させる観点からは、用いる飽和モノカルボン酸のpKaを考慮して、研磨液のpHを設定することが好ましい。まず、飽和モノカルボン酸の種類にできるだけ影響されずに高い効果を得る観点からは、研磨液のpHは3〜4.7の範囲であるより好ましい。
また、上記pHの範囲を満たすとともに、研磨液のpHと、飽和モノカルボン酸のpKaとが、下記式(1)の関係を満たすと更に好ましく、下記式(2)の関係を満たすと一層好ましい。これらにより、研磨液による酸化ケイ素被膜の研磨速度、及び、窒化ケイ素被膜に対する酸化ケイ素被膜の選択比が、更に高められる傾向にある。
(pKa−1.5)≦pH≦pKa …(1)
(pKa−1.5)≦pH≦(pKa−0.5) …(2)
ここで、「pKa」とは、酸のプロトンの結合度合いを表す数値であり、pKaと研磨液のpHが同じ時、その酸は、プロトンと結合している種としていない種とがちょうど半分ずつとなっている。また、pKaよりもpHが低ければ低いほど、プロトンが結合している種の割合が大きくなり、pKaよりもpHが高ければ高いほどプロトンが結合している種の割合が小さくなる。なお、研磨液のpHは、飽和カルボン酸や、後述するpH調整剤等によって影響される。したがって、上述したような所定のpHや、pHとpKaとの関係を得るためには、例えば、飽和カルボン酸の種類や量、或いはpH調整剤の添加量等を適切に設定すればよい。
(D)pH調
研磨液は、上述した(A)〜(C)の各成分に加えて、pH調剤を含んでいてもよい。研磨液のpHは、飽和モノカルボン酸の量にも依存するが、所望のpHは、pH調整剤として最小限の酸や塩基を使用しても得ることができる。ただし、(D)pH調剤を含まなくても研磨液が所定のpH範囲にある場合は、このpH調整剤は特に添加しなくてもよい。
pH調整剤としては、特に限定されないが、主としてpHの調整に寄与することができ、研磨特性に悪い影響を与えないものが好ましい。そのような観点から、pH調剤としては、無機酸又は無機塩基が好ましい。具体的には、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸等酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア水等の塩基を挙げることができる。
(E)その他の添加剤
研磨液は、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨速度の選択比を更に向上させる目的、或いは、その他の研磨特性を向上させる目的で、必要に応じて、上記(A)〜(D)成分以外の成分を、(E)その他の添加剤として更に含むことができる。
(E)その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤、水溶性高分子等を挙げることができる。水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩等を挙げることができる。これらの添加剤の添加量は、(A)飽和カルボン酸を添加することによって研磨速度や選択比が向上する効果を妨げない範囲内とすることが好ましい。
ここで、研磨液は、(A)成分を添加することにより研磨速度及び選択比が向上する効果を充分に得られるのであれば、実質的に上記(A)〜(C)成分のみからなる研磨液であってもよく、(D)pH調剤を更に含む場合は、実質的に(A)〜(D)成分のみからなる研磨液であってもよい。すなわち、研磨液は、化学成分としては実質的に(A)飽和カルボン酸のみを含み、(E)その他の成分等を含まないか、微量だけ含むものであってもよい。
例えば、研磨液が(A)〜(E)成分を組み合わせて含む場合は、(A)による研磨速度向上の効果が十分に発揮されるように、その(B)(C)及び(D)成分以外の成分、すなわち、[(A)成分と(E)成分との合計]を100%としたとき、これらの割合が、(A)成分が90%以上となる割合であることが好ましく、95%以上となる割合であることがより好ましく、97%以上となる割合であることがさらに好ましく、99%以上となる割合であることが特に好ましく、99.5%以上となる割合であることが一層好ましい。
[研磨液の種類]
研磨液は、どのような作製方法によって得られたものであるかは特に制限されず、研磨に用いる際に上述したような特徴を具備しているものであればよいが、研磨に使用する時以外は、例えば、以下の(X)通常タイプ、(Y)濃縮タイプ及び(Z)2液タイプ等の形態を有することができる。
まず、(X)通常タイプとは、研磨時に希釈などの前処理をせずに、そのまま使用できるタイプの研磨液である。この通常タイプの研磨液の作製方法は特に制限されないが、例えば、使用時の酸化セリウム含有量を0.5重量%とし、飽和モノカルボン酸であるプロピオン酸の含有量を0.1重量%とする研磨液1000gを作製する場合は、通常タイプでは、研磨液の全量に対して、酸化セリウムを5g、プロピオン酸を1gそれぞれ投入すればよい。
また、(Y)濃縮タイプとは、(X)通常タイプに対して含有成分を濃縮することで、研磨液の作製、保管や輸送の利便性を高めたものである。この(Y)濃縮タイプの研磨液は、使用直前に、含有成分が目的の含有量となるように水と混合し、通常タイプと同程度の液状特性(例えば、pHや粒径等)、研磨特性(例えば、研磨速度や選択比)を再現できるように任意の時間攪拌して用いる。このような(Y)濃縮タイプの研磨液は、保管や輸送のために必要な容積を、濃縮の度合いに応じて小さくできるため、保管や輸送にかかるコストを減らすことが出来る。
(Y)濃縮タイプの研磨液の場合、(X)通常タイプに対する濃縮倍率が、保存安定性と利便性の点から1.5〜20倍であると好ましい。濃縮しすぎると、酸化セリウム粒子が凝集しやくなるため、濃縮倍率の上限は20倍が好ましく、17倍がより好ましく、15倍が更に好ましく、10倍が特に好ましく、5倍が極めて好ましい。また、薄すぎると、保管や輸送のメリットはあるものの、(X)通常タイプと比較して希釈の手間がかかるデメリットの方が大きくなる場合がある。そのため、濃縮倍率の下限は1.5倍が好ましく、2倍がより好ましく、3倍がさらに好ましく、4倍が特に好ましい。
(Y)濃縮タイプの研磨液の作製に際して注意すべき点は、使用時に水で希釈する際に、この希釈前後でpHが変化するという点である。例えば、濃縮タイプの研磨液から通常タイプと同じpHの研磨液を調製しようとすると、水のpHは理論的には7である(ただし、実際の水は二酸化炭素が溶解しており、水だけであるとpHは約5.6である)ため、例えばpH5.5以下の濃縮タイプを用いた場合、希釈後、これよりも高いpHの研磨液しか得られなくなる。そこで、使用時に目的のpHが得られ易いように、濃縮タイプの研磨液では、pHをあらかじめ低めに調整しておくことが好ましい。
例えば、酸化セリウム粒子を5重量%、飽和モノカルボン酸であるプロピオン酸を1重量%含む10倍濃縮タイプの研磨液を10倍に希釈すると、pHは2.9から3.3まで上がる。そこで使用時の目的pHをpH3.3と設定した場合は、10倍に濃縮した研磨液では、pHを2.9に設定する必要がある。このような観点から、濃縮タイプのpH範囲は、通常タイプの最適pHを考慮して、1.5〜5.4であることが好ましい。
なお、上述したように、研磨液のpHは高すぎると酸化セリウム粒子のゼータ電位の絶対値が小さくなり、この粒子同士の静電的反発が弱まることで、凝集が起こりやすくなる。そのため、(Y)濃縮タイプの研磨液のpHは5.4以下が好ましく、4.9以下がより好ましく、4.3以下がさらに好ましく、3.8以下が一層好ましく、3.5以下が特に好ましい。また、pHが低すぎると、酸化ケイ素膜のゼータ電位の絶対値が小さくなり、酸化セリウム粒子との間の静電的引力が弱まり、これにより研磨速度が小さくなる傾向にある。そこで、濃縮タイプの研磨液のpHは、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましく、3以上が一層好ましく、3.2以上が特に好ましい。
さらに、(Z)2液タイプの研磨液は、例えば、液Aと液Bとに研磨液の含有量をわけ、使用の一定時間前にこれらを混合して1つの研磨液とするものである。このような2液タイプによれば、(Y)濃縮タイプの場合の酸化セリウム粒子の凝集のし易さを回避することが容易である。2液タイプの研磨液における液Aと液Bは、それぞれ任意の割合で含有成分を含むことができる。2液タイプの研磨液の例としては、特に限定されないが、例えば、液Aが酸化セリウム粒子のみ、又は酸化セリウム粒子+不飽和カルボン酸(+pH調整剤等)を含み、液Bが飽和カルボン酸(+pH調整剤)を含むように分割されたものが好適である。
(Z)2液タイプの研磨液は、例えば、研磨液の各成分を混合してからある一定の時間経過すると、酸化セリウム粒子の凝集等で研磨特性が悪化してしまう組み合わせなどにおいて適用することが有効である。また、液A及び液Bの容積を小さくするために、液Aと液Bをそれぞれ濃縮タイプとすることもできる。この場合、液Aと液Bとの混合時にさらに水を加えて、1つの研磨液とすることができる。液A及び液Bの濃縮倍率や、これらのpHは任意であり、最終的な研磨液が通常タイプの組成と液状特性や研磨特性が同様となるものであればよい。
[研磨方法]
研磨液を使用して基板を研磨する方法においては、通常、研磨すべき膜(研磨膜)を形成した基板を、研磨定盤の研磨布に押しあてて加圧し、この状態で研磨液を研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に動かすことにより研磨膜を研磨する。このような研磨方法は、特に、表面に段差を有する基板を研磨し、これにより段差を平坦化するような研磨工程に好適である。
以下、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、多結晶シリコン膜のような無機絶縁層が形成された半導体基板を研磨する場合を例に挙げて研磨方法を説明する。
この方法に用いる研磨装置としては、例えば、半導体基板等の被研磨膜を有する基板を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付け可能であり、回転数が変更可能なモータ等が設けられた研磨定盤とを有するような研磨装置が挙げられる。
このような研磨装置としては、例えば、荏原製作所株式会社製の研磨装置(型番:EPO−111)や、AMAT製の研磨装置(商品名:Mirra3400、Reflection研磨機)等が挙げられる。また、研磨布としては、特に制限されないが、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。この研磨布には、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件は、特に制限されないが、半導体基板が飛び出さないようにする観点から、研磨定盤の回転速度を200min−1以下の低回転とすることが好ましい。ただし、回転数が低すぎると研磨速度が遅くなりすぎるため、少なくとも10min−1以上の回転で行うことが好ましい。また、半導体基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨後に傷が発生しないようにするため、100kPa以下とすることが好ましく、良好な研磨速度を得る観点からは、5kPa以上とすることが好ましい。
研磨を行っている間、研磨布には、研磨液をポンプなどで連続的に供給することが好ましい。この供給量には特に制限はないが、少なくとも研磨布の表面が常に研磨液で覆われている状態にできる量であることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄した後、スピンドライヤなどを用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
このようにして、研磨膜である無機絶縁層を上述した研磨液で研磨することにより、表面の凹凸を解消して、半導体基板全面にわたって平滑な面を形成することができる。そして、このような工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数を有する半導体基板を製造することができる。
本発明の研磨液が適用される研磨膜である酸化ケイ素被膜は、例えば、低圧CVD法、プラズマCVD法等によって形成される。この低圧CVD法による酸化ケイ素膜の形成は、Si源としてモノシラン:SiH、酸素源として酸素:Oを用い、SiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行わせることにより行うことができる。また、場合によっては、CVD後、1000℃又はそれ以下の温度で熱処理してもよい。
また、被膜の形成後、高温リフローを行うことにより表面の平坦化を図る場合は、かかる平坦化を行い易くするため、リン:Pをドープすることにより軟化点を下げることもある。その場合、成膜にはSiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。さらに、プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とするような化学反応を、低温で生じさせることができるという利点を有する。プラズマの発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。
上記の方法で用いる反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスと、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。この際、基板温度は250℃〜400℃とし、反応圧力は67〜400Paとすることが好ましい。
上記のように、研磨液により研磨される酸化ケイ素膜は、リン、ホウ素等の元素がドープされたものであってもよい。
また、低圧CVD法による窒化ケイ素膜の形成は、例えば、Si源としてジクロルシラン:SiHCl、窒素源としてアンモニア:NHを用い、SiHCl−NH系酸化反応を900℃程度の高温で生じさせることにより行うことができる。プラズマCVD法の場合、反応ガスとしては、Si源としてSiH、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが挙げられる。基板温度は300℃〜400℃とすることが好ましい。
また、研磨方法において研磨膜が形成される基板としては、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASICなどの理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体などの集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子などを含有する基板を適用することができる。
なお、本発明の研磨液は、上述した実施形態で述べたような、半導体基板に形成された窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜の研磨に限られず、所定の配線を有する配線板に形成された酸化ケイ素膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜の研磨に適用することが可能である。
そして、上記の研磨方法で研磨された基板を備える電子部品としては、種々のものが挙げられる。電子部品としては、半導体素子だけでなく、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザー単結晶、青色レーザーLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等が挙げられる。これらは、各層が本発明の研磨液によって研磨されているため、高集積化が図られるとともに、優れた特性を発揮することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験方法]
以下、まず、下記の各試験で実施した実験方法について説明する。
(酸化セリウム粉末(粒子)の作製)
まず、炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製の容器に入れ、830℃で2時間、空気中で焼成して黄白色の粉末を20kg得た。この粉末について、X線回折法で相同定を行ったところ、酸化セリウムであることが確認された。また、焼成粉末の粒子径は、20〜100μmであった。
次いで、酸化セリウム粉末20kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕を行い、酸化セリウム粉砕粉からなる酸化セリウム粒子を得た。この酸化セリウム粒子は、多結晶体であった。得られた多結晶体の比表面積をBET法により測定した結果、9.4m/gであった。
(研磨液の作製)
<サンプル1>
酸化セリウム粉末15.0kg及び脱イオン水84.98kgを混合し、これに飽和モノカルボン酸として市販のプロピオン酸20gを添加して、10分間攪拌し、酸化セリウム混合液を得た。その後、別の容器に送液しつつ、送液する配管内で超音波照射を行った。この際、超音波周波数は400kHzとし、30分かけて送液を行った。
次に、500mLビーカー4個にそれぞれ500g±20gの送液された酸化セリウム混合液を入れて、遠心分離した。遠心分離は、外周にかかる遠心力が500Gとなるように設定した条件で2分間行い、分離後、ビーカーの底に沈降した酸化セリウム粉末を取り除いた。このようにして得られた酸化セリウム混合液の固形分濃度を測定したところ、7.0重量%であった。
次いで、この酸化セリウム混合液の固形分濃度が0.5重量%になるように脱イオン水で希釈した。これにより研磨液(CMP研磨液)を得た。
得られた研磨液について、pHを測定したところ、3.35であった。また、屈折率1.93、透過度68%としてレーザー回折式粒度分布計〔株式会社堀場製作所社製、商品名:LA−920〕による測定を行ったところ、研磨液の平均粒径の値は113nmであった。
<サンプル2〜5>
酸化セリウム混合液の固形分濃度が0.5重量%になるように脱イオン水で希釈しながら、塩基として水酸化カリウムを混合して目的とするpHに調整したこと以外は、サンプル1と同様にして、それぞれ所定のpHを有するサンプル2〜5の研磨液を得た。
<サンプル6〜10>
飽和モノカルボン酸として、プロピオン酸に代えて酢酸を用いたこと以外は、サンプル1〜5と同様にして、それぞれ所定のpHを有するサンプル6〜10の研磨液を得た。
(研磨の評価)
CMP評価用試験ウエハとして、TEOS−プラズマ−CVD法で作製した酸化ケイ素膜を形成した直径200mmのウエハと、低圧CVD法で作製した窒化ケイ素膜を形成した直径200mmのウエハをそれぞれ用いた。そして、研磨装置(アプライドマテリアル製、商品名:Mirra3400)における基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、上記いずれかの試験ウエハをセットした。また、直径500mmの研磨定盤に、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド(k−groove溝、ロデール社製、型番:IC−1400)を貼り付けた。
それから、研磨パッド上に、絶縁膜面が下を向くように配置した上記のホルダーを載せ、インナーチューブ圧力、リテーナリング圧力及びメンブレン圧力をそれぞれ28kPa、38kPa及び28kPaに設定した。
定盤上に上記で作製した研磨液を200mL/分の流量で滴下しながら、定盤とウエハとをそれぞれ93(1/min)、87(1/min)で作動させて、酸化ケイ素膜を形成した直径200mmのウエハと窒化ケイ素膜を形成した直径200mmのウエハそれぞれを60秒間研磨した。研磨後のウエハをPVAブラシと純水で良く洗浄した後、乾燥した。
そして、光干渉式膜厚装置(大日本スクリーン製造株式会社製、商品名:RE−3000)を用い、試験ウェハの69点における研磨前後の膜厚変化を測定し、膜厚変化量の平均から研磨速度を算出した。
[試験1]
試験1では、実質的に酸化セリウムと飽和モノカルボン酸と水からなる研磨液が、pH2〜5.5の範囲内とすることで、酸化ケイ素膜の研磨速度、及び、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨速度の選択比において、極めて優れた特性が得られることを示す。
すなわち、表1に示すような各成分を混合し、それぞれ異なるpHに調整した各種の研磨液を用いて、上記評価方法にしたがって酸化ケイ素被膜ウエハ及び窒化ケイ素膜ウエハをそれぞれ研磨した(サンプル1〜10)。研磨液の酸化セリウム粒子の濃度は0.5重量%とし、また、飽和モノカルボン酸の濃度は0.1重量%とした。なお、研磨液は、pH3.3(サンプル1)又は3.35(サンプル6)に合わせる際にはpH調整剤は不必要であったが、それ以外の場合は、pHを合わせるため、適量の水酸化カリウム(KOH)を添加した。
研磨液に用いた飽和モノカルボン酸の種類及びpKa、研磨液の酸含有量、pH、「飽和モノカルボン酸のpKa−研磨液のpH」の値、pH調整剤の種類のほか、評価の結果得られた酸化ケイ素膜の研磨速度、窒化ケイ素膜の研磨速度及び選択比(酸化ケイ素膜の研磨速度/窒化ケイ素の膜研磨速度)をまとめて表1に示す。
Figure 0005375025
表1に示すように、pH3.5付近を中心として、酸化ケイ素膜の研磨速度及び選択比が、極めて大きくなることが判明した。特に0.1%プロピオン酸を含有するサンプルNo.2の場合(研磨液のpH3.56)は、酸化ケイ素膜の研磨速度及び選択比の向上効果が顕著であった。
また、上記の結果から、飽和モノカルボン酸としてプロピオン酸や酢酸を用いた場合に、研磨速度及び選択比が最大となったのは、上述した「pKa−pH」の値が約1(すなわちpKa−1≒pH)の場合であった(サンプルNo.2)。
このような表1の結果から、モノカルボン酸の種類や、pH、pHとpKaとの関係を最適化することで、酸化ケイ素膜の研磨速度と、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の選択性とが極めて良好に得られることが判明した。これらの効果は、単に酸化セリウム等を使用しただけの従来の研磨液では得られなかったものである。
(試験2)
試験2では、研磨液が炭素が1〜6である飽和モノカルボン酸を含むことにより、優れた酸化ケイ素膜の研磨速度と化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨速度の選択比が得られることを示す。
この試験2では、表2に示すような各成分を混合し、それぞれ異なる飽和モノカルボン酸を含む各種の研磨液を調製し(サンプル11〜19)、これらを用いて、上記評価方法にしたがって酸化ケイ素被膜ウエハ及び窒化ケイ素膜ウエハを研磨した。研磨液の酸化セリウム濃度は0.5重量%とし、酸濃度は0.1重量%とした。また、研磨液には、必要に応じて、pH調剤として適量の水酸化カリウム(KOH)を添加し、これによりpH調整を行った。
研磨液に用いた飽和モノカルボン酸の種類及びpKa、研磨液の酸含有量、pH、研磨液における「飽和モノカルボン酸のpKa−研磨液のpH」の値、pH調整剤の種類のほか、評価の結果得られた酸化ケイ素膜の研磨速度、窒化ケイ素膜の研磨速度及び選択比(酸化ケイ素膜の研磨速度/窒化ケイ素の膜研磨速度)をまとめて表2に示す。なお、表中、サンプルNo.16〜19は本発明の研磨液の組成を有しないため、比較例に該当する。
Figure 0005375025
表2に示すように、まず、飽和カルボン酸を添加したNo.11〜15のサンプルは、酸化ケイ素膜の研磨速度選択比との数値が大きかった。
また、炭素数が2〜3の飽和ジカルボン酸を用いたサンプルNo.16、17において、飽和モノカルボン酸を用いた場合と同様に研磨液を作製しようとしたが、酸化セリウムが凝集・沈降してしまい、研磨特性の測定自体を行うことができなかった。さらに、不飽和ジカルボン酸であるマレイン酸を用いたサンプルNo.18では、pHを5付近に調製して研磨を行ったものの、酸化ケイ素膜の研磨速度があまり大きくなく、マレイン酸の添加の効果は小さいことが判明した。
さらに、アスコルビン酸を用いたサンプルNo.19では、pKaが4であるアスコルビン酸水溶液のpHを、pKaよりも約0.5大きい値に調整したが、サンプルNo.14と比較しても、アスコルビン酸の添加による効果は殆ど見られなかった。
これらの表2の結果から、優れた研磨特性(研磨速度及び選択比)は、研磨液のpHや、添加する酸のpKaだけで得られるものでもなく、飽和モノカルボン酸を用いるからこそ得られることが判明した。
半導体のSTI構造を形成する際における研磨工程の断面概略図である。
符号の説明
1…シリコン基板、2…窒化ケイ素膜、3…酸化ケイ素膜、4…段差、5…平坦な表面。

Claims (11)

  1. 酸化ケイ素を含む被研磨面の研磨に用いられる研磨液であって、
    (A)炭素数が1〜6である飽和モノカルボン酸と、
    (B)酸化セリウム粒子と、
    (C)水と、を含み
    pHが2.0〜5.5であり、且つ、
    当該研磨液のpHと、前記(A)飽和モノカルボン酸のpKaとが、下記式(1a)で表される条件を満たす、研磨液。
    pH≦pKa …(1a)
  2. 当該研磨液のpHと、前記(A)飽和モノカルボン酸のpKaとが、下記式(1)で表される条件を満たす、請求項1記載の研磨液。
    (pKa−1.5)≦pH≦pKa …(1
  3. 前記(A)飽和モノカルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヒドロアンゲリカ酸、カプロン酸、2−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸及び3,3−ジメチルブタン酸からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2記載の研磨液。
  4. 前記(A)飽和モノカルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸及びピバル酸からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2記載の研磨液。
  5. 前記(A)飽和モノカルボン酸が、酢酸、プロピオン酸、酪酸及び吉草酸のうちのいずれか1種である、請求項1又は2記載の研磨液。
  6. 前記(A)飽和モノカルボン酸が、プロピオン酸又は酪酸である、請求項1又は2記載の研磨液。
  7. 当該研磨液の合計質量に対し、前記(A)飽和モノカルボン酸の含有量が、0.01〜1重量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨液。
  8. 前記(B)酸化セリウム粒子が、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウムである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の研磨液。
  9. 当該研磨液の合計質量に対し、前記(B)酸化セリウム粒子の含有量が、0.1〜5重量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨液。
  10. 前記(B)酸化セリウム粒子の平均粒径が、50〜300nmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の研磨液。
  11. pHが3.0〜4.7である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の研磨液。
JP2008274327A 2008-02-27 2008-10-24 研磨液 Active JP5375025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274327A JP5375025B2 (ja) 2008-02-27 2008-10-24 研磨液

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008045940 2008-02-27
JP2008045940 2008-02-27
JP2008274327A JP5375025B2 (ja) 2008-02-27 2008-10-24 研磨液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009231795A JP2009231795A (ja) 2009-10-08
JP5375025B2 true JP5375025B2 (ja) 2013-12-25

Family

ID=41246809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008274327A Active JP5375025B2 (ja) 2008-02-27 2008-10-24 研磨液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5375025B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5397386B2 (ja) * 2008-12-11 2014-01-22 日立化成株式会社 Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP2011171446A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Hitachi Chem Co Ltd Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP5648567B2 (ja) 2010-05-07 2015-01-07 日立化成株式会社 Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
US20130161285A1 (en) * 2010-09-08 2013-06-27 Basf Se Aqueous polishing composition and process for chemically mechanically polishing substrate materials for electrical, mechanical and optical devices
JP2012146975A (ja) * 2010-12-24 2012-08-02 Hitachi Chem Co Ltd 研磨液及びこの研磨液を用いた基板の研磨方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5759917A (en) * 1996-12-30 1998-06-02 Cabot Corporation Composition for oxide CMP
JPH11181403A (ja) * 1997-12-18 1999-07-06 Hitachi Chem Co Ltd 酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法
ES2216490T3 (es) * 1998-02-24 2004-10-16 Showa Denko Kabushiki Kaisha Composicion abrasiva para pulir un dispositivo semiconductor y procedimiento para producir un dispositivo semiconductor con la misma.
JP2001007059A (ja) * 1999-06-18 2001-01-12 Hitachi Chem Co Ltd Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2001185514A (ja) * 1999-12-27 2001-07-06 Hitachi Chem Co Ltd Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2001284296A (ja) * 2000-03-02 2001-10-12 Eternal Chemical Co Ltd 研磨性スラリー及びその使用
US7071105B2 (en) * 2003-02-03 2006-07-04 Cabot Microelectronics Corporation Method of polishing a silicon-containing dielectric
JP4267348B2 (ja) * 2003-03-05 2009-05-27 花王株式会社 研磨基板の製造方法
JP2005353681A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Hitachi Chem Co Ltd 半導体絶縁膜用cmp研磨剤、その製造方法及び基板の研磨方法
US7504044B2 (en) * 2004-11-05 2009-03-17 Cabot Microelectronics Corporation Polishing composition and method for high silicon nitride to silicon oxide removal rate ratios

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009231795A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5761234B2 (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
KR101419156B1 (ko) Cmp용 연마액 및 이것을 사용한 연마 방법
JP5648567B2 (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP2011142284A (ja) Cmp研磨液、基板の研磨方法及び電子部品
US7311855B2 (en) Polishing slurry for chemical mechanical polishing and method for polishing substrate
JP5326492B2 (ja) Cmp用研磨液、基板の研磨方法及び電子部品
JP5088452B2 (ja) Cmp研磨液、基板の研磨方法及び電子部品
JP2008182179A (ja) 研磨剤用添加剤、研磨剤、基板の研磨方法及び電子部品
JP5375025B2 (ja) 研磨液
JP6551053B2 (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP2013038211A (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP2010087454A (ja) Cmp研磨剤及びこれを用いた研磨方法
JP6601209B2 (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
WO2016021325A1 (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP2011243789A (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP6657935B2 (ja) 研磨液
JP6627283B2 (ja) 研磨液及び研磨方法
JP2017228576A (ja) 研磨液及び研磨方法
JP6938855B2 (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法
JP2002203819A (ja) Cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2011233748A (ja) 基板の研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130417

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130909

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5375025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S801 Written request for registration of abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311801

ABAN Cancellation due to abandonment
R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350