以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の半導体装置において、半導体素子が有する半導体膜と、該半導体膜と重なるように配置された空洞の構成について、図1を用いて説明する。図1(A)は、本発明で用いられる半導体素子が有する半導体膜100と、空洞101の断面図である。
図1(A)に示す半導体膜100は、接合によりベース基板102上に貼り合わされている。具体的に半導体膜100は、凹部を有するボンド基板を接合によりベース基板102上に貼り合わせた後、凹部以外の部分において該ボンド基板を劈開することで、ベース基板102上に形成される。図1(A)では、半導体膜100に接する絶縁膜103と、ベース基板102に接する絶縁膜104とが接合することで、ベース基板102上に半導体膜100が貼り合わされている。そして本実施の形態では、半導体膜100がベース基板102側に凹部を有しており、該凹部により、半導体膜100とベース基板102の間に空洞101が形成されている。空洞101は、半導体膜100とベース基板102の間に単数設けられていても良いし、複数設けられていても良い。
そして半導体膜100は、空洞101と重なる領域が、他の領域と比べると、ベース基板102側に引っ張られるように近くなっている。図1(B)に、図1(A)の破線105で囲まれた空洞101付近の拡大図を示す。図1(B)に示すように、半導体膜100のうち、空洞101と重なる領域106は、領域106以外の領域107に比べて、たわみ量δだけベース基板102に近づいている。
半導体膜100のうち空洞101と重なる領域106は、空洞101の内と外に圧力差を生じさせることで、ベース基板102側に近づけるように歪ませることができる。具体的には、接合による半導体膜100とベース基板102との貼り合わせを、減圧雰囲気下で行う。そして、貼り合わせにより内部が減圧雰囲気の状態である空洞101が形成された後で、ベース基板102及び半導体膜100を大気雰囲気下にさらすことで、領域106を空洞101内に向かって歪ませることができる。
なお、空洞101内を減圧雰囲気とすることで空洞101の内部と外部に圧力差を生じさせる場合、半導体膜100、ベース基板102、絶縁膜103または絶縁膜104を用いて空洞101を囲むことで、空洞101の内部と外部を隔てるようにする。ただし、半導体膜100に歪みを加えた後は、層間絶縁膜などの形成により該歪みをある程度保持できるのであれば、必ずしも空洞101の内部と外部を隔てる必要はない。
空洞101と重なる領域106がベース基板102に近づくことで、半導体膜100のうち空洞101と重なる領域106の内部には、よりベース基板102に近い領域に引っ張り応力が生じ、逆によりベース基板102から遠い領域に圧縮応力が生じる。
半導体中におけるキャリアの移動度μは、以下の式1で表される。ただし式1において、τはキャリアの緩和時間、qはキャリアの電荷、m*はキャリアの有効質量である。
(式1)
μ=τq/m*
そして、正孔の有効質量は、シリコンやゲルマニウムであれば、重い正孔(mh1)と、軽い正孔(mh2)と、分離した正孔(mh3)が存在しており、エネルギー的には重い正孔と軽い正孔の両方の有効質量で、総合的な正孔の有効質量m*が決まる。半導体膜に歪みを加えると、縮退していたバンドが分裂し、軽い正孔がエネルギー的に支配的となるため、総合的な正孔の有効質量m*を軽くすることができる。よって、式1から、半導体膜に歪みを加えることで、移動度μを高くできることが分かる。
ゲルマニウムなどの圧縮応力によりキャリアの移動度が向上する半導体材料を、半導体膜100に用いる場合、よりベース基板102から遠い圧縮応力の生じる領域を、キャリアの移動する領域として用いるように、半導体素子を形成する。
図1(C)に、図1(A)に示した半導体膜100を用いたトランジスタの断面図を一例として示す。図1(C)に示すトランジスタでは、半導体膜100のうち空洞101と重なる領域106に、チャネル形成領域108が形成されている。またチャネル形成領域108は、半導体膜100のうち領域106以外の領域107に形成された、一対の不純物領域109に挟まれている。そしてチャネル形成領域108上には、ゲート絶縁膜110を間に挟んで電極111が形成されている。
図1(C)に示すトランジスタでは、ゲート絶縁膜110及び電極111が、半導体膜100のうち空洞101と重なる領域106を間に挟んで、空洞101の反対側に形成されている。よってチャネル形成領域108には、空洞101及びベース基板102からより遠い領域にキャリアの移動するチャネルが形成されることになる。したがって、ゲルマニウムなどの圧縮応力によりキャリアの移動度が向上する半導体材料を、半導体膜100に用いることで、トランジスタの移動度を向上させることができる。
特にゲルマニウムであれば、(100)面においてキャリアの移動する方向が[011]となるように半導体素子を作製することで、最も正孔の移動度を高くすることができる。
なお、ベース基板102に対して垂直方向から見たときの空洞の形状が例えば矩形である場合、たわみ量δは、以下の式2で表される。ただしαは最大たわみ係数、Pは等分布荷重(圧力)、aは矩形の短辺方向における長さ、Eはヤング率、tは空洞101と重なる領域106における半導体膜100の膜厚である。
(式2)
δ=αPa4/(Et3)
例えば、矩形の長辺方向における長さbと短辺方向における長さaの比がb/a=1とすると、最大たわみ係数αは0.0138である。またPは、大気圧だと0.1MPaである。aは65nmと仮定する。Eは、ゲルマニウムの(100)面だと102.7GPaとなる。上記値を式2に代入すると、t=50nmのときδ=0.004nm、t=20nmのとき、δ=0.0625nm、t=10nmのときδ=0.5002nmとなる。このように、半導体材料の特性に合わせて、空洞101の形状、膜厚tによりたわみ量δを設定することができる。よって、より高い移動度が得られるようなたわみ量δの値を得るために、空洞101の形状、膜厚tの値を適宜設定すれば良い。
なお、絶縁膜103と絶縁膜104は、単数の絶縁膜で形成されていても良いし、複数の絶縁膜が積層されるように形成されていても良い。また、図1(A)では、半導体膜100の凹部以外の領域と接するように絶縁膜103が形成されているが、絶縁膜103が半導体膜100の凹部にも接するように形成されていても良い。絶縁膜104はベース基板102の全面に形成されていても良いし、少なくとも絶縁膜103と重なる領域をカバーするように部分的に形成されていても良い。
また図1(A)では、絶縁膜103及び絶縁膜104を用いて半導体膜100とベース基板102とを貼り合わせているが、本発明はこの構成に限定されない。絶縁膜103と絶縁膜104は、必ずしも両方設ける必要はなく、いずれか一方のみ設けても良いし、両方設けなくとも良い。例えば絶縁膜103と絶縁膜104のうち、絶縁膜104のみを形成する場合、絶縁膜104と半導体膜100を接合させることで、ベース基板102と半導体膜100とを貼り合わせることが出来る。逆に、絶縁膜103と絶縁膜104のうち絶縁膜103のみを形成する場合、絶縁膜103とベース基板102を接合させることで、ベース基板102と半導体膜100とを貼り合わせることが出来る。また絶縁膜103及び絶縁膜104を設けない場合、半導体膜100とベース基板102とを直接接合させれば良い。ただし、絶縁膜103と絶縁膜104を接合させる場合、ベース基板102の種類によらず、貼り合わせの強度を確実に確保することができる。
また本実施の形態では、半導体膜100と空洞101とが直接接しているが、本発明はこの構成に限定されない。半導体膜100が有する凹部に絶縁膜を形成しておくことで、半導体膜100と空洞101の間に絶縁膜を設けることができる。ただしこの場合、最適なたわみ量δの値を得るために、上記絶縁膜の存在を考慮に入れるようにする。
また図1(C)では、一対の不純物領域109は、その一部が、半導体膜100のうち空洞101と重なる領域106に形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。一対の不純物領域109が、領域106以外の領域107にだけ形成されていても良い。ただし、チャネル形成領域108と、ドレインとして機能する不純物領域109との境目近傍において、セルフヒーティングによる発熱量は高くなる。よって、上記境目近傍と重なるように、空洞101をレイアウトすることで、セルフヒーティングによる熱を効率よく放射することができ、トランジスタの閾値電圧が熱により変動するのを防ぐことができる。
また、空洞101がチャネル形成領域108のみならず不純物領域109とも重なっていて、なおかつ不純物領域109が空洞101と直接接している場合、トランジスタの寄生容量または接合容量をより低減させることが出来る。ただしこの場合、酸化珪素などの無機絶縁膜に比べて比誘電率の低い空気、窒素、不活性ガスなどで空洞101を減圧雰囲気で満たしておく。なお、実際のところ、半導体膜100の空洞101と接する部分には、自然酸化膜が形成されやすい。しかし自然酸化膜の膜厚は数nm程度と飛躍的に薄いので、空洞101と半導体膜100の間に数μm以上の膜厚を有する絶縁膜を形成する場合に比べて、トランジスタの寄生容量または接合容量を低減できると言える。
本発明では、空洞101の内と外の圧力差を利用することで、空洞101と重なる半導体膜100に歪みを加えることができる。よって、層間絶縁膜の材料または膜厚にとらわれることなく、半導体膜100に適切な圧縮応力を加えることができ、移動度のより高い半導体素子を有する半導体装置を形成することができる。
なお本発明の範疇に含まれる半導体装置には、マイクロプロセッサ、画像処理回路などの集積回路や、質問器とデータの送受信が非接触でできるRFタグ、半導体表示装置等、ありとあらゆる半導体装置が含まれる。半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、半導体膜を用いた回路素子を駆動回路に有しているその他の表示装置がその範疇に含まれる。
(実施の形態2)
本発明の半導体装置において、半導体素子が有する半導体膜と、該半導体膜と重なるように配置された空洞の構成について、図2を用いて説明する。図2(A)は、本発明で用いられる半導体素子が有する半導体膜200と、空洞201の断面図である。
図2(A)に示す半導体膜200は、接合によりベース基板202上に貼り合わされている。具体的には、開口部を有する絶縁膜203をベース基板202上に形成した後、該絶縁膜203と半導体膜200とを接合させることで、半導体膜200がベース基板202上に貼り合わされている。そして本実施の形態では、半導体膜200が絶縁膜203の開口部と重なるように上記貼り合わせを行うことで、該開口部により、半導体膜200とベース基板202の間に空洞201が形成されている。空洞201は、半導体膜200とベース基板202の間に単数設けられていても良いし、複数設けられていても良い。
なお、絶縁膜203は、単数の絶縁膜で形成されていても良いし、複数の絶縁膜が積層されるように形成されていても良い。また本実施の形態では、絶縁膜203が開口部を有する場合について述べたが、絶縁膜203が開口部の代わりに凹部を有していても良い。絶縁膜203が凹部を有する場合、半導体膜200が絶縁膜203の凹部と重なるように貼り合わせを行うことで、該凹部により、半導体膜200とベース基板202の間に空洞201が形成される。なお、この場合においても、絶縁膜203は、単数の絶縁膜で形成されていても良いし、複数の絶縁膜が積層されるように形成されていても良い。
また本実施の形態では、開口部または凹部を有する絶縁膜203をベース基板202側に形成してから、半導体膜200とベース基板202とを貼り合わせているが、本発明はこの構成に限定されない。開口部または凹部を有する絶縁膜203を半導体膜200側に形成し、絶縁膜203を間に挟んで半導体膜200をベース基板202上に貼り合わせても良い。
また本実施の形態では、半導体膜200と空洞201とが直接接しているが、本発明はこの構成に限定されない。半導体膜200に接する絶縁膜を形成し、該絶縁膜とベース基板202上の絶縁膜203とを接合させることで、半導体膜200と空洞201の間に絶縁膜を設けることができる。絶縁膜どうしを接合させる場合、ベース基板202の種類によらず、貼り合わせの強度を確実に確保することができる。ただしこの場合、最適なたわみ量δの値を得るために、上記絶縁膜の存在を考慮に入れるようにする。
そして半導体膜200は、空洞201と重なる領域が、他の領域と比べると、ベース基板202側に引っ張られるように近くなっている。図2(B)に、図2(A)の破線205で囲まれた空洞201付近の拡大図を示す。図2(B)に示すように、半導体膜200のうち、空洞201と重なる領域206は、領域206以外の領域207に比べて、たわみ量δだけベース基板202に近づいている。
半導体膜200のうち空洞201と重なる領域206は、空洞201の内と外に圧力差を生じさせることで、ベース基板202側に近づけるように歪ませることができる。具体的には、接合による半導体膜200とベース基板202との貼り合わせは、減圧雰囲気下で行う。そして、貼り合わせにより内部が減圧雰囲気の状態である空洞201が形成された後で、ベース基板202及び半導体膜200を大気雰囲気下にさらすことで、領域206を空洞201内に向かって歪ませることができる。
なお、空洞201内を減圧雰囲気とすることで空洞201の内部と外部に圧力差を生じさせる場合、半導体膜200、ベース基板202、絶縁膜203、または絶縁膜203と半導体膜200の間に形成される絶縁膜を用いて空洞201を囲むことで、空洞201の内部と外部を隔てるようにする。ただし、半導体膜200に歪みを加えた後は、層間絶縁膜などの形成により該歪みをある程度保持できるのであれば、必ずしも空洞201の内部と外部を隔てる必要はない。
空洞201と重なる領域206がベース基板202に近づくことで、半導体膜200のうち空洞201と重なる領域206の内部には、よりベース基板202に近い領域に引っ張り応力が生じ、逆によりベース基板202から遠い領域に圧縮応力が生じる。
ゲルマニウムなどの圧縮応力によりキャリアの移動度が向上する半導体材料を、半導体膜200に用いる場合、よりベース基板202から遠い圧縮応力の生じる領域を、キャリアの移動する領域として用いるように、半導体素子を形成する。
図2(C)に、図2(A)に示した半導体膜200を用いたトランジスタの断面図を一例として示す。図2(C)に示すトランジスタでは、半導体膜200のうち空洞201と重なる領域206に、チャネル形成領域208が形成されている。またチャネル形成領域208は、半導体膜200のうち領域206以外の領域207に形成された、一対の不純物領域209に挟まれている。そしてチャネル形成領域208上には、ゲート絶縁膜210を間に挟んで電極211が形成されている。
図2(C)に示すトランジスタでは、ゲート絶縁膜210及び電極211が、半導体膜200のうち空洞201と重なる領域206を間に挟んで、空洞201の反対側に形成されている。よってチャネル形成領域208には、空洞201及びベース基板202からより遠い領域にキャリアの移動するチャネルが形成されることになる。したがって、ゲルマニウムなどの圧縮応力によりキャリアの移動度が向上する半導体材料を、半導体膜200に用いることで、トランジスタの移動度を向上させることができる。
特にゲルマニウムであれば、(100)面においてキャリアの移動する方向が[011]となるように半導体素子を作製することで、最も正孔の移動度を高くすることができる。そして、より高い移動度が得られるような最大のたわみ量δを得るために、空洞201の形状、領域206における半導体膜200の膜厚を適宜設定すれば良い。
なお図2(C)では、一対の不純物領域209は、その一部が、半導体膜200のうち空洞201と重なる領域206に形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。一対の不純物領域209が、領域206以外の領域207にだけ形成されていても良い。ただし、チャネル形成領域208と、ドレインとして機能する不純物領域209との境目近傍において、セルフヒーティングによる発熱量は高くなる。よって、上記境目近傍と重なるように、空洞201をレイアウトすることで、セルフヒーティングによる熱を効率よく放射することができ、トランジスタの閾値電圧が熱により変動するのを防ぐことができる。
また、空洞201がチャネル形成領域208のみならず不純物領域209とも重なっていて、なおかつ不純物領域209が空洞201と直接接している場合、トランジスタの寄生容量または接合容量をより低減させることが出来る。ただしこの場合、酸化珪素などの無機絶縁膜に比べて比誘電率の低い空気、窒素、不活性ガスなどで空洞201を減圧雰囲気で満たしておく。なお、実際のところ、半導体膜200の空洞201と接する部分には、自然酸化膜が形成されやすい。しかし自然酸化膜の膜厚は数nm程度と飛躍的に薄いので、空洞201と半導体膜200の間に数μm以上の膜厚を有する絶縁膜を形成する場合に比べて、トランジスタの寄生容量または接合容量を低減できると言える。
本発明では、空洞201の内と外の圧力差を利用することで、空洞201と重なる半導体膜200に歪みを加えることができる。よって、層間絶縁膜の材料または膜厚にとらわれることなく、半導体膜200に適切な圧縮応力を加えることができ、移動度のより高い半導体素子を有する半導体装置を形成することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の半導体装置が有するトランジスタの、より具体的な構成について説明する。図3(A)は、本実施の形態のトランジスタの上面図である。また図3(B)は、図3(A)に示す上面図の破線A−A’における断面図であり、図3(C)は、図3(A)に示す上面図の破線B−B’における断面図である。
図3に示すトランジスタは、半導体膜300と、ゲートとして機能する電極301と、半導体膜300と電極301の間に設けられたゲート絶縁膜302とを有している。また半導体膜300は、ソースまたはドレインとして機能する一対の不純物領域303、304と、不純物領域303、304の間に設けられたチャネル形成領域305と、不純物領域303、304とチャネル形成領域305の間に設けられたLDD(Lightly Doped Drain)領域308、309とを有する。電極301は、ゲート絶縁膜302を間に挟んでチャネル形成領域305と重なっている。
また半導体膜300はベース基板306側に凹部を有しており、該凹部とベース基板306との間には、空洞307が形成されている。なお、空洞307は半導体膜300とベース基板306の間に形成されているため、図3(A)では、空洞307が形成されている領域を破線で示している。図3に示すように、本実施の形態では、空洞307の形成されている領域が、半導体膜300の形成されている領域に囲まれている。そして本実施の形態では、半導体膜300が有するチャネル形成領域305と、空洞307とが重なっている。半導体膜300は、空洞307と重なる領域が、他の領域と比べて、ベース基板306側に引っ張られるように近くなっている。
半導体膜300は、凹部を有するボンド基板を接合によりベース基板306上に貼り合わせた後、凹部以外の部分において該ボンド基板を劈開することで、ベース基板306上に形成される。なお図3では、1つの半導体膜300と1つの空洞307とが重なっている例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。1つの半導体膜300と複数の空洞とが重なっていても良い。
なお、半導体膜300に歪みを加えるために、空洞307内を減圧雰囲気とすることで空洞307の内部と外部に圧力差を生じさせる場合、半導体膜300、ベース基板306、または半導体膜300とベース基板306の間に形成された各種絶縁膜等を用いて空洞307を囲むことで、空洞307の内部と外部を隔てるようにする。ただし、半導体膜300に歪みを加えた後は、層間絶縁膜などの形成により該歪みをある程度保持できるのであれば、必ずしも空洞307の内部と外部を隔てる必要はない。
なお本発明で用いられるトランジスタは、ゲートとして機能する電極301を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造であっても良い。
また、図3に示すトランジスタは、半導体膜300がLDD領域308、309を有しているが、本発明はこの構成に限定されない。LDD領域308、309は必ずしも設けなくとも良いし、或いはいずれか一方のみが設けられていても良い。また図3に示すトランジスタは、半導体膜300のうち、電極301と重なっている領域とは異なる領域にLDD領域308、309が設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。LDD領域308、309は、電極301と重なっている領域に設けられていても良い。或いは、電極301と重なっている領域と、それ以外の領域とに跨るように設けられていても良い。
また、図3に示すトランジスタは、LDD領域308、309を形成する際にマスクとして用いるサイドウォール310が電極301のサイドに設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の半導体装置が有するトランジスタの、より具体的な構成について説明する。図4(A)は、本実施の形態のトランジスタの上面図である。また図4(B)は、図4(A)に示す上面図の破線A−A’における断面図であり、図4(C)は、図4(A)に示す上面図の破線B−B’における断面図である。
図4に示すトランジスタは、半導体膜400と、ゲートとして機能する電極401と、半導体膜400と電極401の間に設けられたゲート絶縁膜402とを有している。また半導体膜400は、ソースまたはドレインとして機能する一対の不純物領域403、404と、不純物領域403、404の間に設けられたチャネル形成領域405と、不純物領域403、404とチャネル形成領域405の間に設けられたLDD(Lightly Doped Drain)領域408、409とを有する。電極401は、ゲート絶縁膜402を間に挟んでチャネル形成領域405と重なっている。
また半導体膜400とベース基板406の間には、空洞407が形成されている。具体的に本実施の形態では、半導体膜400とベース基板406の間に形成された開口部を有する絶縁膜411と、半導体膜400と、ベース基板406とによって、空洞407が形成されている。
なお、空洞407は半導体膜400とベース基板406の間に形成されているため、図4(A)では、空洞407が形成されている領域を破線で示している。図4に示すトランジスタでは、空洞407の形成されている領域が、半導体膜400の形成されている領域に囲まれている。そして本実施の形態では、半導体膜400が有するチャネル形成領域405と、空洞407とが重なっている。半導体膜400は、空洞407と重なる領域が、他の領域と比べて、ベース基板406側に引っ張られるように近くなっている。
半導体膜400は、開口部を有する絶縁膜411上にボンド基板を接合により貼り合わせた後、ボンド基板を劈開することで、ベース基板406上に形成される。なお図4では、1つの半導体膜400と1つの空洞407とが重なっている例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。1つの半導体膜400と複数の空洞とが重なっていても良い。
なお、半導体膜400に歪みを加えるために、空洞407内を減圧雰囲気とすることで空洞407の内部と外部に圧力差を生じさせる場合、半導体膜400、ベース基板406、または開口部を有する絶縁膜411等を用いて空洞407を囲むことで、空洞407の内部と外部を隔てるようにする。ただし、半導体膜400に歪みを加えた後は、層間絶縁膜などの形成により該歪みをある程度保持できるのであれば、必ずしも空洞407の内部と外部を隔てる必要はない。
また、絶縁膜411は、単数の絶縁膜で形成されていても良いし、複数の絶縁膜が積層されるように形成されていても良い。また本実施の形態では、絶縁膜411が開口部を有する場合について述べたが、絶縁膜411が開口部の代わりに凹部を有していても良い。絶縁膜411が凹部を有する場合、半導体膜400が絶縁膜411の凹部と重なるように貼り合わせを行うことで、該凹部により、半導体膜400とベース基板406の間に空洞407が形成される。なお、この場合においても、絶縁膜411は、単数の絶縁膜で形成されていても良いし、複数の絶縁膜が積層されるように形成されていても良い。
また本実施の形態では、開口部または凹部をボンド基板側に有する絶縁膜411をベース基板406上に形成してから、絶縁膜411を間に挟んでボンド基板とベース基板406とを貼り合わせる場合について述べたが、本発明はこの構成に限定されない。開口部または凹部をベース基板406側に有する絶縁膜411をボンド基板上に形成し、絶縁膜411を間に挟んでボンド基板とベース基板406とを貼り合わせても良い。
また本実施の形態では、半導体膜400と空洞407とが直接接しているが、本発明はこの構成に限定されない。半導体膜400に接する絶縁膜を形成し、該絶縁膜とベース基板406上の絶縁膜411とを接合させることで、半導体膜400と空洞407の間に絶縁膜を設けることができる。絶縁膜どうしを接合させる場合、ベース基板406の種類によらず、貼り合わせの強度を確実に確保することができる。
なお本発明で用いられるトランジスタは、ゲートとして機能する電極401を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造であっても良い。
また、図4に示すトランジスタは、半導体膜400がLDD領域408、409を有しているが、本発明はこの構成に限定されない。LDD領域408、409は必ずしも設けなくとも良いし、或いはいずれか一方のみが設けられていても良い。また図4に示すトランジスタは、半導体膜400のうち、電極401と重なっている領域とは異なる領域にLDD領域408、409が設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。LDD領域408、409は、電極401と重なっている領域に設けられていても良い。或いは、電極401と重なっている領域と、それ以外の領域とに跨るように設けられていても良い。
また、図4に示すトランジスタは、LDD領域408、409を形成する際にマスクとして用いるサイドウォール410が電極401のサイドに設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の半導体装置が有するトランジスタの、より具体的な構成について説明する。図5(A)は、本実施の形態のトランジスタの上面図である。また図5(B)は、図5(A)に示す上面図の破線A−A’における断面図であり、図5(C)は、図5(A)に示す上面図の破線B−B’における断面図である。
図5に示すトランジスタは、半導体膜420と、ゲートとして機能する電極421と、半導体膜420と電極421の間に設けられたゲート絶縁膜422とを有している。また半導体膜420は、ソースまたはドレインとして機能する一対の不純物領域423、424と、不純物領域423、424の間に設けられたチャネル形成領域425と、不純物領域423、424とチャネル形成領域425の間に設けられたLDD(Lightly Doped Drain)領域428、429とを有する。電極421は、ゲート絶縁膜422を間に挟んでチャネル形成領域425と重なっている。
また半導体膜420とベース基板426の間には、空洞427が形成されている。具体的に本実施の形態では、半導体膜420とベース基板426の間に形成された開口部を有する絶縁膜431と、絶縁膜431と半導体膜420の間に形成された絶縁膜432と、ベース基板426とによって、空洞427が形成されている。
なお、空洞427は半導体膜420とベース基板426の間に形成されているため、図5(A)では、空洞427が形成されている領域を破線で示している。図5に示すトランジスタでは、空洞427の形成されている領域が、半導体膜420の形成されている領域と部分的に重なっている。そして本実施の形態では、半導体膜420が有するチャネル形成領域425と、空洞427とが重なっている。半導体膜420は、空洞427と重なる領域が、他の領域と比べて、ベース基板426側に引っ張られるように近くなっている。
半導体膜420は、絶縁膜432が形成されたボンド基板を、絶縁膜432と、開口部を有する絶縁膜431とを接合させることによりベース基板426上に貼り合わせた後、ボンド基板を劈開することで、ベース基板426上に形成される。本実施の形態では、絶縁膜432と絶縁膜431を接合させるので、ベース基板426の種類によらず、貼り合わせの強度を確実に確保することができる。なお図5では、1つの半導体膜420と1つの空洞427とが重なっている例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。1つの半導体膜420と複数の空洞とが重なっていても良い。
なお、半導体膜420に歪みを加えるために、空洞427内を減圧雰囲気とすることで空洞427の内部と外部に圧力差を生じさせる場合、ベース基板426、絶縁膜432、または開口部を有する絶縁膜431等を用いて空洞427を囲むことで、空洞427の内部と外部を隔てるようにする。ただし、半導体膜420に歪みを加えた後は、層間絶縁膜などの形成により該歪みをある程度保持できるのであれば、必ずしも空洞427の内部と外部を隔てる必要はない。
また、絶縁膜431は、単数の絶縁膜で形成されていても良いし、複数の絶縁膜が積層されるように形成されていても良い。また本実施の形態では、絶縁膜431が開口部を有する場合について述べたが、絶縁膜431が開口部の代わりに凹部を有していても良い。絶縁膜431が凹部を有する場合、絶縁膜432が絶縁膜431の凹部と重なるように貼り合わせを行うことで、該凹部により、半導体膜420とベース基板426の間に空洞427が形成される。なお、この場合においても、絶縁膜431は、単数の絶縁膜で形成されていても良いし、複数の絶縁膜が積層されるように形成されていても良い。
また本実施の形態では、開口部または凹部をボンド基板側に有する絶縁膜431をベース基板426側に形成してから、絶縁膜431を間に挟んでボンド基板とベース基板426とを貼り合わせる場合について述べたが、本発明はこの構成に限定されない。ベース基板426側に凹部を有する絶縁膜432をボンド基板上に形成し、絶縁膜432を間に挟んでボンド基板とベース基板426とを貼り合わせても良い。
なお本発明で用いられるトランジスタは、ゲートとして機能する電極421を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造であっても良い。
また、図5に示すトランジスタは、半導体膜420がLDD領域428、429を有しているが、本発明はこの構成に限定されない。LDD領域428、429は必ずしも設けなくとも良いし、或いはいずれか一方のみが設けられていても良い。また図5に示すトランジスタは、半導体膜420のうち、電極421と重なっている領域とは異なる領域にLDD領域428、429が設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。LDD領域428、429は、電極421と重なっている領域に設けられていても良い。或いは、電極421と重なっている領域と、それ以外の領域とに跨るように設けられていても良い。
また、図5に示すトランジスタは、LDD領域428、429を形成する際にマスクとして用いるサイドウォール430が電極421のサイドに設けられているが、本発明はこの構成に限定されない。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、半導体基板(ボンド基板)を用いて、支持基板(ベース基板)上に、凹部を有する半導体膜を形成する、本発明の半導体装置の作製方法について説明する。
まず図6(A)に示すように、ボンド基板600上に絶縁膜601を形成する。ボンド基板600として、ゲルマニウムなどの圧縮応力により移動度が高まる単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を用いることができる。その他に、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体で形成された単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を、ボンド基板600として用いることができる。
絶縁膜601は、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜601は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。例えば本実施の形態では、ボンド基板600に近い側から、窒素よりも酸素の含有量が高い窒化酸化珪素、酸素よりも窒素の含有量が高い窒化酸化珪素の順に積層された絶縁膜601を用いる。
例えば酸化珪素を絶縁膜601として用いる場合、絶縁膜601はシランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の気相成長法によって形成することができる。この場合、絶縁膜601の表面を酸素プラズマ処理で緻密化しても良い。また、窒化珪素を絶縁膜601として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。また、窒化酸化珪素を絶縁膜601として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガス、またはシランと酸化窒素の混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。
また、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜601として用いても良い。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
次に図6(A)に示すように、ボンド基板600に、矢印で示すように水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入し、ボンド基板600の表面から一定の深さの領域に、微少ボイドを有する欠陥層602を形成する。欠陥層602が形成される位置は、上記注入の加速電圧によって決まる。そして欠陥層602の位置により、ボンド基板600からベース基板606に転置する半導体膜608の厚さが決まるので、注入の加速電圧は上記半導体膜608の厚さを考慮して行う。また上記注入の加速電圧のみならず、絶縁膜601の膜厚によっても、欠陥層602の位置を変えることができる。例えば、絶縁膜601の膜厚をより大きくすることで、半導体膜608の膜厚をより小さくすることができる。半導体膜608の厚さは、例えば10nm乃至200nm、好ましくは10nm乃至50nmの厚さとする。例えば水素をボンド基板600に注入する場合、ドーズ量は1×1016乃至1×1017/cm2とするのが望ましい。本実施の形態では、ドーズ量を1.75×1016/cm2、加速電圧を40kVとし、水素または水素イオンのイオン注入を行う。
なお、欠陥層602を形成する上記工程において、ボンド基板600に高い濃度の水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入するので、ボンド基板600の表面が粗くなってしまい、ベース基板606との間における接合で十分な強度が得られない場合がある。絶縁膜601を設けることで、水素又は希ガス、或いは水素と希ガスのイオンを注入する際にボンド基板600の表面が保護され、ベース基板606とボンド基板600の間における接合を良好に行うことが出来る。
次に図6(B)に示すように、絶縁膜601上に絶縁膜605を形成する。絶縁膜605は、絶縁膜601と同様に、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜605は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。また、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜605として用いても良い。本実施の形態では、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜605として用いる。
なお絶縁膜601または絶縁膜605に窒化珪素、窒化酸化珪素などのバリア性の高い絶縁膜を用いることで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物が、ベース基板606から、ベース基板606上に形成される半導体膜608に入るのを防ぐことができる。
なお本実施の形態では、欠陥層602を形成した後に絶縁膜605を形成しているが、絶縁膜605は必ずしも設ける必要はない。ただし絶縁膜605は欠陥層602を形成した後に形成されるので、欠陥層602を形成する前に形成される絶縁膜601よりも、その表面の平坦性は高い。よって、絶縁膜605を形成することで、後に行われる接合の強度をより高めることができる。
次に図6(C)に示すように、絶縁膜601、絶縁膜605及びボンド基板600を部分的にエッチングすることで、絶縁膜601、絶縁膜605及びボンド基板600に凹部604を形成する。凹部604は、欠陥層602に到達しない程度の深さになるように、すなわち欠陥層602の深さよりも浅くなるように形成する。凹部604は、後にトランジスタの半導体膜610とベース基板606の間に形成される空洞609となる。よって凹部604の形成は、トランジスタ611の半導体膜610のレイアウトを考慮して行われる。
なお本実施の形態では、凹部604を形成する前に絶縁膜605を形成しているが、絶縁膜605の形成は、凹部604を形成した後に行うようにしても良い。この場合、凹部604の内部を覆うように絶縁膜605が形成される。
一方、ベース基板606上に絶縁膜607を形成する。絶縁膜607は、絶縁膜601と同様に、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜607は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。また絶縁膜607として、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を用いていても良い。本実施の形態では、絶縁膜607として酸化珪素を用いる。
次に、ボンド基板600とベース基板606とを接合により貼り合わせる前に、ボンド基板600に水素化処理を行うようにしても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
そして図6(D)に示すように、ボンド基板600と、ベース基板606とを、絶縁膜601、絶縁膜605、絶縁膜607を間に挟むように貼り合わせる。ボンド基板600とベース基板606の貼り合わせは、凹部604がベース基板606側を向くように行う。絶縁膜605と絶縁膜607とが、凹部604以外の領域において接合することで、ボンド基板600とベース基板606とを貼り合わせることができる。なお、本発明では、上記接合による貼り合わせを、減圧雰囲気下で行う。具体的には、ターボ分子ポンプまたはドライポンプなどを用いて、窒素等の不活性ガスが10−6Pa〜10−10Paである雰囲気で行うと良い。
接合の形成はファン・デル・ワールス力を用いて行われているため、室温でも強固な接合が形成される。なお、上記接合は低温で行うことが可能であるため、ベース基板606は様々なものを用いることが可能である。例えばベース基板606としては、アルミノシリケートガラスバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他、石英基板、サファイア基板などの基板を用いることが出来る。さらにベース基板606として、シリコン、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの半導体基板などを用いることができる。或いは、ステンレス基板を含む金属基板をベース基板606として用いても良い。
なおベース基板606とボンド基板600とを貼り合わせた後に、加熱処理又は加圧処理を行っても良い。加熱処理又は加圧処理を行うことで接合の強度を向上させることができる。
ボンド基板600とベース基板606の間で、絶縁膜605と絶縁膜607との接合を行った後、熱処理を行うことにより、欠陥層602において隣接する微少ボイドどうしが結合して、微少ボイドの体積が増大する。その結果、図7(A)に示すように、欠陥層602においてボンド基板600が劈開し、ボンド基板600の一部であった半導体膜608が乖離する。熱処理の温度はベース基板606の耐熱温度以下で行うことが好ましく、例えば400℃乃至600℃の範囲内で熱処理を行えば良い。この剥離により、半導体膜608が、絶縁膜601及び絶縁膜605と共にベース基板606上に形成される。その後、絶縁膜605と絶縁膜607の接合をさらに強固にするため、400℃乃至600℃の熱処理を行うのが好ましい。絶縁膜607の凹部604が絶縁膜605とベース基板606の間に挟まれることで、空洞609が形成される。
半導体膜608の結晶面方位はボンド基板600の面方位によって制御することができる。形成する半導体素子に適した結晶面方位を有するボンド基板600を、適宜選択して用いればよい。またトランジスタ611の移動度は半導体膜608の結晶面方位によって異なる。より移動度の高いトランジスタを得たい場合、チャネルの向きと結晶面方位とを考慮し、ボンド基板600の貼り合わせの方向を定めるようにする。
なお、ベース基板606は、その表面に絶縁膜607が必ずしも形成されていなくとも良い。この場合、ベース基板606とボンド基板600との貼り合わせは、ベース基板606と、絶縁膜605との接合により行われる。ただし、ベース基板606の表面に絶縁膜607を形成しておくことで、ベース基板606から半導体膜608に、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物が入り込むのを防ぐことができる。
次に、形成された半導体膜608の表面を平坦化する。平坦化は必ずしも必須ではないが、平坦化を行うことで、後に形成されるトランジスタにおいて半導体膜608とゲート絶縁膜の界面の特性を向上させることが出来る。具体的に平坦化は、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)または液体ジェット研磨法などにより、行うことができる。半導体膜608の厚さは、上記平坦化により薄膜化される。
なお、半導体膜608にエネルギービームを照射して、結晶欠陥を補修しても良い。エネルギービームは、半導体膜608に選択的に吸収されるもの、例えばレーザビームを用いるのが望ましい。レーザビームは、エキシマレーザなどの気体レーザ、YAGレーザなどの固体レーザを光源として用いることができる。レーザビームの波長は、紫外光から可視光域であることが好ましく、波長190nm〜700nmの領域のレーザ光を用いるのが望ましい。その他、ハロゲンランプ若しくはキセノンランプなどを用いたフラッシュランプアニールを、結晶欠陥の補修のために用いても良い。
なお本実施の形態では、欠陥層602の形成により半導体膜608をボンド基板600から剥離するスマートカット法を用いる場合について示すが、ELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)、誘電体分離法、PACE(Plasma Assisted Chemical Etching)法などの、他の貼り合わせ法を用いて半導体膜608をベース基板606に貼り合わせるようにしても良い。
次に、図7(B)に示すように、半導体膜608をパターニングすることで、島状の半導体膜610を形成する。半導体膜608をパターニング後においても、島状の半導体膜610とベース基板606の間には、凹部604によって形成される空洞609が維持されている。
なお、本実施の形態では、ボンド基板600を用いて半導体膜608を形成した後、該半導体膜608をパターニングすることで、島状の半導体膜610を形成する例について説明したが、ボンド基板600を予め所望の形状に加工しておくことで、島状の半導体膜610を直接ベース基板606上に形成することも可能である。
上記工程を経て形成された半導体膜610を用い、本発明はトランジスタ等の各種半導体素子を形成することが出来る。図7(C)には、半導体膜610を用いて形成されたトランジスタ611を例示している。
なお、本発明では、ボンド基板600とベース基板606の貼り合わせを減圧雰囲気下で行っているので、トランジスタ611を大気雰囲気下にさらしたとき、半導体膜610のうち空洞609と重なる領域が、ベース基板606に近づくように歪む。よって、半導体膜610のうちチャネルが形成される領域に圧縮応力を加えることができ、トランジスタ611の移動度をより高めることができる。なお、本実施の形態では、図7(C)においてのみ、半導体膜610に歪みが加えられている状態を図に反映させているが、図7(C)に至るまでの作製の過程においても、半導体膜608または半導体膜610が大気雰囲気下にさらされたときに、半導体膜608または半導体膜610には歪みが加えられる。
また図7では、1つの半導体膜610と1つの空洞609とが重なっている例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。複数の半導体膜610と1つの空洞609とが重なっていても良いし、1つの半導体膜610と複数の空洞609とが重なっていても良い。
なお本発明の作製方法を用いて形成されるトランジスタは、図7に示す構成に限定されない。例えば半導体膜610がLDD領域を有していても良いし、ゲートとして機能する電極を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造であっても良い。
また、半導体膜608を所望の形状に加工することで素子分離を行うのではなく、選択酸化法(LOCOS:Local Oxidation of Silicon)、トレンチ分離法(STI:Shallow Trench Isolation)などを用いて行っても良い。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、半導体基板(ボンド基板)を用いて、開口部を有する絶縁膜が形成された支持基板(ベース基板)に半導体膜を形成する、本発明の半導体装置の作製方法について説明する。
まず図8(A)に示すように、ボンド基板700上に絶縁膜701を形成する。ボンド基板600として、ゲルマニウムなどの圧縮応力により移動度が高まる単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を用いることができる。その他に、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体で形成された単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を、ボンド基板600として用いることができる。
絶縁膜701は、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜701は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。例えば本実施の形態では、ボンド基板700に近い側から、窒素よりも酸素の含有量が高い窒化酸化珪素、酸素よりも窒素の含有量が高い窒化酸化珪素の順に積層された絶縁膜701を用いる。
例えば酸化珪素を絶縁膜701として用いる場合、絶縁膜701はシランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の気相成長法によって形成することができる。この場合、絶縁膜701の表面を酸素プラズマ処理で緻密化しても良い。また、窒化珪素を絶縁膜701として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。また、窒化酸化珪素を絶縁膜701として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガス、またはシランと酸化窒素の混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。
また絶縁膜701として、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を用いていても良い。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
次に図8(A)に示すように、ボンド基板700に、矢印で示すように水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入し、ボンド基板700の表面から一定の深さの領域に、微少ボイドを有する欠陥層702を形成する。欠陥層702が形成される位置は、上記注入の加速電圧によって決まる。そして欠陥層702の位置により、ボンド基板700からベース基板704に転置する半導体膜707の厚さが決まるので、注入の加速電圧は半導体膜707の厚さを考慮して行う。また上記注入の加速電圧のみならず、絶縁膜701の膜厚によっても、欠陥層702の位置を変えることができる。例えば、絶縁膜701の膜厚をより大きくすることで、半導体膜707の膜厚をより小さくすることができる。半導体膜707の厚さは10nm乃至200nm、好ましくは10nm乃至50nmの厚さとする。例えば水素をボンド基板700に注入する場合、ドーズ量は1×1016乃至1×1017/cm2とするのが望ましい。本実施の形態では、ドーズ量を1.75×1016/cm2、加速電圧を40kVとし、水素または水素イオンのイオン注入を行う。
なお、欠陥層702を形成する上記工程において、ボンド基板700に高い濃度の水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入するので、ボンド基板700の表面が粗くなってしまい、ベース基板704との間における接合で十分な強度が得られない場合がある。絶縁膜701を設けることで、水素又は希ガス、或いは水素と希ガスのイオンを注入する際にボンド基板700の表面が保護され、ベース基板704とボンド基板700の間における接合を良好に行うことが出来る。
次に図8(B)に示すように、絶縁膜701上に絶縁膜703を形成する。絶縁膜703は、絶縁膜701と同様に、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜703は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。また絶縁膜703として、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を用いていても良い。本実施の形態では、絶縁膜703として、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を用いる。
なお絶縁膜701または絶縁膜703に窒化珪素、窒化酸化珪素などのバリア性の高い絶縁膜を用いることで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がベース基板704から半導体膜709に入るのを防ぐことができる。
なお本実施の形態では、欠陥層702を形成した後に絶縁膜703を形成しているが、絶縁膜703は必ずしも設ける必要はない。ただし絶縁膜703は欠陥層702を形成した後に形成されるので、欠陥層702を形成する前に形成される絶縁膜701よりも、その表面の平坦性は高い。よって、絶縁膜703を形成することで、後に行われる接合の強度をより高めることができる。
一方、図8(C)に示すように、ベース基板704上に、開口部705を有する絶縁膜706を形成する。開口部705は、例えばレジストで形成されたマスクを用い、エッチングにより形成することができる。ベース基板704は開口部705において露出している。開口部705は、後にトランジスタの半導体膜709とベース基板704の間に形成される空洞となる。よって開口部705の形成は、トランジスタの半導体膜のレイアウトを考慮して行われる。
なお、本実施の形態では絶縁膜706が開口部705を有する場合について例示しているが、絶縁膜706が開口部705の代わりに凹部を有していても良い。この場合、凹部においてベース基板704は露出せず、絶縁膜706に覆われていることになる。絶縁膜706は、絶縁膜701と同様に、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜706は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。また絶縁膜706として、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を用いていても良い。本実施の形態では、絶縁膜706として酸化珪素を用いる。
次に、ボンド基板700とベース基板704とを接合により貼り合わせる前に、ボンド基板700に水素化処理を行うようにしても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
そして図8(D)に示すように、ボンド基板700と、ベース基板704とを、絶縁膜701、絶縁膜703、絶縁膜706を間に挟むように貼り合わせる。ボンド基板700とベース基板704の貼り合わせは、開口部705がボンド基板700側を向くように行う。絶縁膜703と絶縁膜706とが、開口部705以外の領域において接合させる、ボンド基板700とベース基板704とを貼り合わせることができる。なお、本発明では、上記接合による貼り合わせを、減圧雰囲気下で行う。具体的には、ターボ分子ポンプまたはドライポンプなどを用いて、窒素等の不活性ガスが10−6Pa〜10−10Paである雰囲気で行うと良い。
接合の形成はファン・デル・ワールス力を用いて行われているため、室温でも強固な接合が形成される。なお、上記接合は低温で行うことが可能であるため、ベース基板704は様々なものを用いることが可能である。例えばベース基板704としては、アルミノシリケートガラスバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他、石英基板、サファイア基板などの基板を用いることが出来る。さらにベース基板704として、シリコン、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの半導体基板などを用いることができる。或いは、ステンレス基板を含む金属基板をベース基板704として用いても良い。
なおベース基板704とボンド基板700とを貼り合わせた後に、加熱処理又は加圧処理を行っても良い。加熱処理又は加圧処理を行うことで接合の強度を向上させることができる。
ボンド基板700とベース基板704の間で、絶縁膜703と絶縁膜706との接合を行った後、熱処理を行うことにより、欠陥層702において隣接する微少ボイドどうしが結合して、微少ボイドの体積が増大する。その結果、図9(A)に示すように、欠陥層702においてボンド基板700が劈開し、ボンド基板700の一部であった半導体膜707が乖離する。熱処理の温度はベース基板704の耐熱温度以下で行うことが好ましく、例えば400℃乃至600℃の範囲内で熱処理を行えば良い。この剥離により、半導体膜707が、絶縁膜701及び絶縁膜703と共にベース基板704に転置される。その後、絶縁膜703と絶縁膜706の接合をさらに強固にするため、400℃乃至600℃の熱処理を行うのが好ましい。絶縁膜706の開口部705が絶縁膜703とベース基板704の間に挟まれることで、空洞708が形成される。
半導体膜707の結晶面方位はボンド基板700の面方位によって制御することができる。形成する半導体素子に適した結晶面方位を有するボンド基板700を、適宜選択して用いればよい。またトランジスタ710の移動度は半導体膜707の結晶面方位によって異なる。より移動度の高いトランジスタ710を得たい場合、チャネルの向きと結晶面方位とを考慮し、ボンド基板700の貼り合わせの方向を定めるようにする。
次に、形成された半導体膜707の表面を平坦化する。平坦化は必ずしも必須ではないが、平坦化を行うことで、後に形成されるトランジスタにおいて半導体膜707とゲート絶縁膜の界面の特性を向上させることが出来る。具体的に平坦化は、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)または液体ジェット研磨法などにより、行うことができる。半導体膜707の厚さは、上記平坦化により薄膜化される。
なお、半導体膜707にエネルギービームを照射して、結晶欠陥を補修しても良い。エネルギービームは、半導体膜707に選択的に吸収されるもの、例えばレーザビームを用いるのが望ましい。レーザビームは、エキシマレーザなどの気体レーザ、YAGレーザなどの固体レーザを光源として用いることができる。レーザビームの波長は、紫外光から可視光域であることが好ましく、波長190nm〜700nmの領域のレーザ光を用いるのが望ましい。その他、ハロゲンランプ若しくはキセノンランプなどを用いたフラッシュランプアニールを、結晶欠陥の補修のために用いても良い。
なお本実施の形態では、欠陥層702の形成により半導体膜707をボンド基板700から剥離するスマートカット法を用いる場合について示すが、ELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)、誘電体分離法、PACE(Plasma Assisted Chemical Etching)法などの、他の貼り合わせ法を用いて半導体膜707をベース基板704に貼り合わせるようにしても良い。
次に、図9(B)に示すように、半導体膜707を所望の形状に加工(パターニング)することで、島状の半導体膜709を形成する。半導体膜707をパターニング後においても、島状の半導体膜709とベース基板704の間には、開口部705によって形成される空洞708が維持されている。
なお、本実施の形態では、ボンド基板700を用いて半導体膜707を形成した後、該半導体膜707をパターニングすることで、島状の半導体膜709を形成する例について説明したが、ボンド基板700を予め所望の形状に加工しておくことで、島状の半導体膜709を直接ベース基板704上に形成することも可能である。
上記工程を経て形成された半導体膜709を用い、本発明はトランジスタ等の各種半導体素子を形成することが出来る。図9(C)には、半導体膜709を用いて形成されたトランジスタ710を例示している。
なお、本発明では、ボンド基板700とベース基板704の貼り合わせを減圧雰囲気下で行っているので、トランジスタ710を大気雰囲気下にさらしたとき、半導体膜709のうち空洞708と重なる領域が、ベース基板704に近づくように歪む。よって、半導体膜709のうちチャネルが形成される領域に圧縮応力を加えることができ、トランジスタ710の移動度をより高めることができる。なお、本実施の形態では、図9(C)においてのみ、半導体膜709に歪みが加えられている状態を図に反映させているが、図9(C)に至るまでの作製の過程においても、半導体膜707または半導体膜709が大気雰囲気下にさらされたときに、半導体膜707または半導体膜709には歪みが加えられる。
また図9では、1つの半導体膜709と1つの空洞708とが重なっている例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。複数の半導体膜709と1つの空洞708とが重なっていても良いし、1つの半導体膜709と複数の空洞708とが重なっていても良い。
なお本発明の作製方法を用いて形成されるトランジスタは、図9に示す構成に限定されない。例えば半導体膜709がLDD領域を有していても良いし、ゲートとして機能する電極を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造であっても良い。
また、半導体膜707を所望の形状に加工することで素子分離を行うのではなく、選択酸化法(LOCOS:Local Oxidation of Silicon)、トレンチ分離法(STI:Shallow Trench Isolation)などを用いて行っても良い。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の半導体装置におけるトランジスタの具体的な作製方法の一例について説明する。なお、本実施の形態では実施の形態7に示す作製方法により形成された半導体膜を用いる場合について説明するが、実施の形態6に示す作製方法により形成された半導体膜を用いていても良い。
まず図10(A)に示すように、開口部を有する絶縁膜502を、ベース基板501との間に有する島状の半導体膜503、島状の半導体膜504を形成する。絶縁膜502が有する開口部により、ベース基板501と島状の半導体膜503及び島状の半導体膜504との間に空洞505が形成されている。
島状の半導体膜503、504には、閾値電圧を制御するために不純物が添加されていても良い。例えば、p型を付与する不純物としてボロンを添加する場合、5×1017cm−3以上1×1018cm−3以下の濃度で添加すれば良い。閾値電圧を制御するための不純物の添加は、ベース基板501上に半導体膜を形成する前に行っても良いし、形成後に行っても良い。
また島状の半導体膜503、504を形成した後、ゲート絶縁膜506を形成する前に水素化処理を行っても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
次に図10(B)に示すように、島状の半導体膜503、504を覆うように、ゲート絶縁膜506を形成する。ゲート絶縁膜506は、高密度プラズマ処理を行うことにより島状の半導体膜503、504の表面を酸化または窒化することで形成することができる。高密度プラズマ処理は、例えばHe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスとを用いて行う。この場合プラズマの励起をマイクロ波の導入により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化または窒化することにより、1〜20nm、望ましくは5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に接するように形成される。この5〜10nmの絶縁膜をゲート絶縁膜506として用いる。
上述した高密度プラズマ処理による半導体膜の酸化または窒化は固相反応で進むため、ゲート絶縁膜506と島状の半導体膜503、504の界面準位密度をきわめて低くすることができる。また高密度プラズマ処理により半導体膜を直接酸化または窒化することで、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを抑えることが出来る。また半導体膜が結晶性を有する場合、高密度プラズマ処理を用いて半導体膜の表面を固相反応で酸化させることにより、結晶粒界においてのみ酸化が速く進んでしまうのを抑え、均一性が良く、界面準位密度の低いゲート絶縁膜を形成することができる。高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜を、ゲート絶縁膜の一部または全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを抑えることができる。
或いは、プラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウムまたは酸化タンタルを含む膜を、単層で、または積層させることで、ゲート絶縁膜506を形成しても良い。
次に図10(C)に示すように、ゲート絶縁膜506上に導電膜を形成した後、該導電膜を所定の形状に加工(パターニング)することで、島状の半導体膜503、504の上方に電極507を形成する。導電膜の形成にはCVD法、スパッタリング法等を用いることが出来る。導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。
2つの導電膜の組み合わせとして、1層目に窒化タンタルまたはタンタル(Ta)を、2層目にタングステン(W)を用いることが出来る。上記例の他に、窒化タングステンとタングステン、窒化モリブデンとモリブデン、アルミニウムとタンタル、アルミニウムとチタン等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、2層の導電膜を形成した後の工程において、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層目の導電膜の組み合わせとして、例えば、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とNiSi(ニッケルシリサイド)、n型を付与する不純物がドーピングされたSiとWSix等も用いることが出来る。
また、本実施の形態では電極507を単層の導電膜で形成しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。電極507は積層された複数の導電膜で形成されていても良。3つ以上の導電膜を積層する3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
なお電極507を形成する際に用いるマスクとして、レジストの代わりに酸化珪素、酸化窒化珪素等をマスクとして用いてもよい。この場合、パターニングして酸化珪素、酸化窒化珪素等のマスクを形成する工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストよりも少ないため、所望の幅を有する電極507を形成することができる。またマスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的に電極507を形成しても良い。
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
また電極507は、導電膜を形成後、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、所望のテーパー形状を有するようにエッチングすることができる。また、テーパー形状は、マスクの形状によっても角度等を制御することができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などの塩素系ガス、CF4、SF6もしくはNF3などのフッ素系ガス又は酸素を適宜用いることができる。
次に図10(D)に示すように、電極507をマスクとして一導電型を付与する不純物元素を半導体膜503、504に添加する。本実施の形態では、半導体膜503にp型を付与する不純物元素(例えばボロン)を、半導体膜504にn型を付与する不純物元素(例えばリンまたはヒ素)を添加する。なお、p型を付与する不純物元素を半導体膜503に添加する際、n型の不純物が添加される半導体膜504はマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。逆にn型を付与する不純物元素を半導体膜504に添加する際、p型の不純物が添加される半導体膜503はマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。或いは、先に半導体膜503及び半導体膜504にp型もしくはn型のいずれか一方を付与する不純物元素を添加した後、一方の半導体膜のみに選択的により高い濃度でp型もしくはn型のうちの他方を付与する不純物元素のいずれか一方を添加するようにしても良い。上記不純物の添加により、半導体膜503に不純物領域508、半導体膜504に不純物領域509が形成される。
次に、図11(A)に示すように、電極507の側面にサイドウォール510を形成する。サイドウォール510は、例えば、ゲート絶縁膜506及び電極507を覆うように新たに絶縁膜を形成し、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより、新たに形成された該絶縁膜を部分的にエッチングすることで、形成することが出来る。上記異方性エッチングにより、新たに形成された絶縁膜が部分的にエッチングされて、電極507の側面にサイドウォール510が形成される。なお上記異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜506も部分的にエッチングしても良い。サイドウォール510を形成するための絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成することができる。本実施の形態では、膜厚100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法によって形成する。またエッチングガスとしては、CHF3とHeの混合ガスを用いることができる。なお、サイドウォール510を形成する工程は、これらに限定されるものではない。
次に図11(B)に示すように、電極507及びサイドウォール510をマスクとして、半導体膜503、504に一導電型を付与する不純物元素を添加する。なお、半導体膜503、504には、それぞれ先の工程で添加した不純物元素と同じ導電型の不純物元素をより高い濃度で添加する。なお、p型を付与する不純物元素を半導体膜503に添加する際、n型の不純物が添加される半導体膜504はマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。逆にn型を付与する不純物元素を半導体膜504に添加する際、p型の不純物が添加される半導体膜503はマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。
上記不純物元素の添加により、半導体膜503に、一対の高濃度不純物領域511と、一対の低濃度不純物領域512と、チャネル形成領域513とが形成される。また上記不純物元素の添加により、半導体膜504に、一対の高濃度不純物領域514と、一対の低濃度不純物領域515と、チャネル形成領域516とが形成される。高濃度不純物領域511、514はソース又はドレインとして機能し、低濃度不純物領域512、515はLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する。
なお、半導体膜504上に形成されたサイドウォール510と、半導体膜503上に形成されたサイドウォール510は、キャリアが移動する方向における幅が同じになるように形成しても良いが、該幅が異なるように形成しても良い。p型トランジスタとなる半導体膜504上のサイドウォール510の幅は、n型トランジスタとなる半導体膜503上のサイドウォール510の幅よりも長くすると良い。なぜならば、p型トランジスタにおいてソース及びドレインを形成するために注入されるボロンは拡散しやすく、短チャネル効果を誘起しやすいためである。p型トランジスタにおいて、サイドウォール510の幅より長くすることで、ソース及びドレインに高濃度のボロンを添加することが可能となり、ソース及びドレインを低抵抗化することができる。
次に、ソース及びドレインをさらに低抵抗化するために、半導体膜503、504をシリサイド化することで、シリサイド層を形成しても良い。シリサイド化は、半導体膜に金属を接触させ、加熱処理、GRTA法、LRTA法等により、半導体層中の珪素と金属とを反応させて行う。シリサイド層としては、コバルトシリサイド若しくはニッケルシリサイドを用いれば良い。半導体膜503、504の厚さが薄い場合には、この領域の半導体膜503、504の底部までシリサイド反応を進めても良い。シリサイド化に用いる金属の材料として、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、Ha(ハフニウム)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ネオジム(Nb)、クロム(Cr)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等を用いることができる。また、レーザ照射やランプなどの光照射によってシリサイドを形成しても良い。
上述した一連の工程により、nチャネル型トランジスタ517と、pチャネル型トランジスタ518とが形成される。
次に図11(C)に示すように、トランジスタ517、518を覆うように絶縁膜519を形成する。絶縁膜519は必ずしも設ける必要はないが、絶縁膜519を形成することで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がトランジスタ517、518へ侵入するのを防ぐことが出来る。具体的に絶縁膜519として、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などを用いるのが望ましい。本実施の形態では、膜厚600nm程度の酸化窒化珪素膜を、絶縁膜519として用いる。この場合、上記水素化の工程は、該酸化窒化珪素膜形成後に行っても良い。
次に、トランジスタ517、518を覆うように、絶縁膜519上に絶縁膜520を形成する。絶縁膜520は、ポリイミド、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜520を形成しても良い。絶縁膜520は、その表面をCMP法などにより平坦化させても良い。
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち、少なくとも1種を有していても良い。
絶縁膜520の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
次に図12に示すように、島状の半導体膜503、504がそれぞれ一部露出するように絶縁膜519及び絶縁膜520にコンタクトホールを形成する。そして、該コンタクトホールを介して島状の半導体膜503、504に接する導電膜521、522を形成する。コンタクトホール開口時のエッチングに用いられるガスは、CHF3とHeの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
導電膜521、522は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的に導電膜521、522として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。導電膜521、522は、上記金属が用いられた膜を単層または複数積層させて形成することが出来る。
アルミニウムを主成分とする合金の例として、アルミニウムを主成分としニッケルを含むものが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素または珪素の一方または両方とを含むものも例として挙げることが出来る。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜521、522を形成する材料として最適である。特にアルミニウムシリコン(Al−Si)膜は、導電膜521、522をパターニングで形成するとき、レジストベークにおけるヒロックの発生をアルミニウム膜に比べて防止することができる。また、珪素(Si)の代わりに、アルミニウム膜に0.5%程度のCuを混入させても良い。
導電膜521、522は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデンまたはモリブデンの窒化物を用いて形成された膜である。アルミニウムシリコン(Al−Si)膜を間に挟むようにバリア膜を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生をより防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、島状の半導体膜503、504上に薄い酸化膜ができていたとしても、バリア膜に含まれるチタンがこの酸化膜を還元し、導電膜521、522と島状の半導体膜503、504が良好なコンタクトをとることができる。またバリア膜を複数積層するようにして用いても良い。その場合、例えば、導電膜521、522を下層からTi、窒化チタン、Al−Si、Ti、窒化チタンの5層構造とすることが出来る。
なお、導電膜521はnチャネル型トランジスタ517の高濃度不純物領域511に接続されている。導電膜522はpチャネル型トランジスタ518の高濃度不純物領域514に接続されている。
図12には、nチャネル型トランジスタ517及びpチャネル型トランジスタ518と、空洞505の上面図が示されている。ただし図12では導電膜521、522を省略した図を示している。チャネル形成領域513とチャネル形成領域516は、それぞれ空洞505と重なっており、ベース基板501側に近づくように歪んでいる。
また本実施の形態では、nチャネル型トランジスタ517とpチャネル型トランジスタ518が、それぞれゲートとして機能する電極507を1つずつ有する場合を例示しているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の半導体装置が有するトランジスタは、ゲートとして機能する電極を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造を有していても良い。
また本発明の半導体装置が有するトランジスタは、ゲートプレナー構造を有していても良い。
本発明の作製方法では、絶縁膜502をエッチングすることで空洞505を形成しているので、所望の深さ及び形状を有する空洞505を、簡単な手順で制御良く形成することが出来る。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。