以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法の一つについて説明する。
まず図1(A)に示すように、ボンド基板100上に絶縁膜101を形成する。ボンド基板100として、シリコン、ゲルマニウムなどの単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を用いることができる。その他に、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体で形成された単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を、ボンド基板100として用いることができる。またボンド基板100として、結晶格子に歪みを有するシリコン、シリコンに対しゲルマニウムが添加されたシリコンゲルマニウムなどの半導体基板を用いていても良い。歪みを有するシリコンは、シリコンよりも格子定数の大きいシリコンゲルマニウムまたは窒化珪素上における成膜により、形成することができる。
絶縁膜101は、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜101は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。例えば本実施の形態では、酸化珪素を絶縁膜101として用いる。
酸化珪素を絶縁膜101として用いる場合、絶縁膜101はシランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の気相成長法によって形成することができる。この場合、絶縁膜101の表面を酸素プラズマ処理で緻密化しても良い。また、窒化珪素を絶縁膜101として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。また、窒化酸化珪素を絶縁膜101として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガス、またはシランと酸化窒素の混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。
また、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜101として用いても良い。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
次に図1(B)に示すように、ボンド基板100に、矢印で示すように水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入し、ボンド基板100の表面から一定の深さの領域に、微少ボイドを有する欠陥層102を形成する。欠陥層102が形成される位置は、上記注入の加速電圧によって決まる。そして欠陥層102の位置により、ボンド基板100から形成される半導体膜106、半導体膜108の厚さが決まるので、注入の加速電圧は上記半導体膜106、半導体膜108の厚さを考慮して行う。また上記注入の加速電圧のみならず、絶縁膜101の膜厚によっても、欠陥層102の位置を変えることができる。例えば、絶縁膜101の膜厚をより大きくすることで、半導体膜106、半導体膜108の膜厚をより小さくすることができる。半導体膜106、半導体膜108の厚さは、例えば10nm乃至200nm、好ましくは10nm乃至50nmの厚さとする。例えば水素をボンド基板100に注入する場合、ドーズ量は1×1016乃至1×1017/cm2とするのが望ましい。本実施の形態では、ドーズ量を1.75×1016/cm2、加速電圧を40kVとし、水素または水素イオンのイオン注入を行う。
なお、欠陥層102を形成する上記工程において、ボンド基板100に高い濃度の水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入するので、ボンド基板100の表面が粗くなってしまい、ボンド基板100から形成される半導体膜と、該半導体膜に接するゲート絶縁膜との界面準位密度にばらつきが生じてしまう場合がある。絶縁膜101を設けることで、水素又は希ガス、或いは水素と希ガスのイオンを注入する際にボンド基板100の表面が保護され、ボンド基板100の表面が荒れるのを防ぎ、上記界面準位密度にばらつきが生じるのを防ぐことができる。
次に、ボンド基板100を部分的に除去する。本実施の形態では、図1(C)に示すように、マスク104を用い、絶縁膜101と共にボンド基板100を部分的にエッチングにより除去し、複数の凸部103を有するボンド基板100を形成する。
ボンド基板100は、複数の凸部103のボンド基板100に対して垂直方向(深さ方向)における幅dが、欠陥層102の深さと同じか、それ以上の大きさを有する。なお、複数の凸部103のボンド基板100に対して垂直方向(深さ方向)における幅dは、必ずしも一定である必要はなく、場所によって異なる値を有していても良い。具体的に、幅dは、半導体膜106の厚さを考慮して、例えば10nm以上、好ましくは200nm以上とする。
なお、ボンド基板100は、反りや撓みを有している場合や、端部に弱冠丸みを帯びている場合がある。そして、ボンド基板100から半導体膜を剥離するために水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入する際、ボンド基板100の端部において上記ガスまたはイオンの注入を十分に行うことができない場合もある。そのため、ボンド基板100の端部に位置する部分は、半導体膜を剥離させるのが難しい。よって、ボンド基板100が有する複数の凸部103は、ボンド基板100の縁から所定の間隔を有するよう、離れた位置に形成するのが望ましい。ボンド基板100の縁から所定の間隔を有するよう、離れた位置に凸部103を形成することで、再現性良く劈開による半導体膜の形成を行うことができる。例えば、最も端部に位置する凸部103と、ボンド基板100の縁との間隔は、数十μm乃至数十mmとすると良い。
次に、マスク104を除去した後、熱処理を行うことにより、欠陥層102において隣接する微少ボイドどうしが結合して、微少ボイドの体積が増大する。その結果、欠陥層102においてボンド基板100が劈開し、凸部103の一部であった半導体膜106が、絶縁膜101と共に、ボンド基板100から剥離する。熱処理は、例えば400℃乃至600℃の温度範囲内で行えば良い。
なお、熱処理は、マイクロ波などの高周波による誘電加熱を用いて行っても良い。上記誘電加熱による熱処理は、高周波発生装置において生成された周波数300MHz乃至3THzの高周波をボンド基板100に照射することで行うことができる。具体的には、例えば、2.45GHzのマイクロ波を900W、14分間照射することで、欠陥層において隣接する微少ボイドどうしを結合させ、最終的にボンド基板100を劈開させることができる。
そして、図1(D)に示すように、コレット105を半導体膜106上に形成された絶縁膜101に固着させ、半導体膜106をボンド基板100から引き離す。上記熱処理によるボンド基板100の劈開が不完全である場合でも、コレット105を用いて力を加えることで、半導体膜106をボンド基板100から完全に剥離させることができる。コレット105として、真空チャック、メカニカルチャックなどのチャック、先端に接着剤が付着したマイクロニードルなど、凸部103の一つに選択的に固着させることができる手段を用いる。図1(D)では、コレット105として真空チャックを用いる場合を例示している。
また、マイクロニードルに付着させる接着剤として、エポキシ系接着剤、セラミック系接着剤、シリコーン系接着剤、低温凝固剤などを用いることができる。低温凝固剤は、例えばMW−1(株式会社エミネントサプライ製)を用いることができる。MW−1は、凝固点が17度であり、それ以下の温度(好ましくは、10度以下)で接着効果を有し、17度以上(好ましくは25度程度)では接着効果を有さない。
なお、ボンド基板100を劈開させる前に、ボンド基板100に水素化処理を行うようにしても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
次に、図2(A)に示すように、半導体膜106の剥離により露出した面がベース基板107側を向くように、半導体膜106とベース基板107とを貼り合わせる。本実施の形態では、ベース基板107上に絶縁膜114が形成されており、絶縁膜114と半導体膜106とが接合することで、半導体膜106とベース基板107とを貼り合わせることができる。半導体膜106と絶縁膜114とを接合させた後、該接合をさらに強固にするため、400℃乃至600℃の熱処理を行うのが好ましい。
接合の形成はファン・デル・ワールス力を用いて行われているため、室温でも強固な接合が形成される。なお、上記接合は低温で行うことが可能であるため、ベース基板107は様々なものを用いることが可能である。例えばベース基板107としては、アルミノシリケートガラスバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他、石英基板、サファイア基板などの基板を用いることが出来る。さらにベース基板107として、シリコン、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの半導体基板などを用いることができる。或いは、ステンレス基板を含む金属基板をベース基板107として用いても良い。
なお、ベース基板107は、その表面に絶縁膜114が必ずしも形成されていなくとも良い。絶縁膜114が形成されていない場合でも、ベース基板107と半導体膜106とを接合させることは可能である。ただし、ベース基板107の表面に絶縁膜114を形成しておくことで、ベース基板107から半導体膜106に、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物が入り込むのを防ぐことができる。
絶縁膜114を形成する場合、ベース基板107ではなく絶縁膜114が半導体膜106と接合するので、ベース基板107として用いることができる基板の種類がさらに広がる。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は耐熱温度が一般的に低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば、絶縁膜114を形成する場合において、ベース基板107として用いることが可能である。プラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
なお、半導体膜106をベース基板107に貼り合わせる前または貼り合わせた後に、半導体膜106の剥離により露出した面に、レーザ光の照射による熱アニールを施しても良い。半導体膜106をベース基板107に貼り合わせる前に熱アニールを施すと、剥離により露出した面が平坦化され、接合の強度をより高めることができる。また、半導体膜106をベース基板107に貼り合わせた後に熱アニールを施すと、半導体膜106が一部溶解し、接合の強度をより高めることができる。
レーザ光の照射による熱アニールを行う場合、半導体に選択的に吸収される固体レーザの基本波または第2高調波のレーザ光を照射することが望ましい。例えば、連続発振のYAGレーザから射出された出力100Wのレーザ光を用いる。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、半導体膜106の剥離により露出した面に照射する。このときのエネルギー密度は1kW/cm2〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。
連続発振の気体レーザとして、Arレーザ、Krレーザなどを用いることが出来る。また連続発振の固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、フォルステライト(Mg2SiO4)レーザ、GdVO4、Y2O3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザなどを用いることが出来る。またパルス発振のレーザとして、例えばArレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いることができる。
また、半導体膜106をベース基板107上に接合のみによって貼り合わせるのではなく、半導体膜106に10MHz〜1THz程度の高周波数の振動を加えることで、半導体膜106とベース基板107の間に摩擦熱を生じさせ、該熱により半導体膜106を部分的に溶解させ、半導体膜106をベース基板107に貼り合わせるようにしても良い。
なお、MW−1を低温凝固剤として用いる場合、まず低温凝固剤が接着効果を有しない温度(例えば25度程度)において、マイクロニードルの先端に付着した低温凝固剤を、凸部103上の絶縁膜101に接触させる。次に、低温凝固剤が接着効果を有する温度(例えば5度程度)まで温度を下げて、低温凝固剤を凝固させることで、マイクロニードルと凸部103上の絶縁膜101とを固着させる。そして、ボンド基板100から引き離した半導体膜106を、ベース基板107に貼り合わせた後、再び接着効果を有しない温度(例えば25度程度)まで低温凝固剤の温度を高めることで、マイクロニードルを半導体膜106から引き離すことができる。
次に図2(B)に示すように、半導体膜106を形成するボンド基板100とは異なる結晶面方位を有するボンド基板100から、半導体膜106と同様の手法を用いて半導体膜108を剥離し、ベース基板107に貼り合わせる。
半導体中における多数キャリアの移動度は、結晶面方位によって異なる。よって、形成する半導体素子に適した結晶面方位を有するボンド基板100を、適宜選択して半導体膜106または半導体膜108を形成すればよい。例えば半導体膜106を用いてn型の半導体素子を形成するならば、{100}面を有する半導体膜106を形成することで、該半導体素子における多数キャリアの移動度を高めることができる。また、例えば半導体膜108を用いてp型の半導体素子を形成するならば、{110}面を有する半導体膜108を形成することで、該半導体素子における多数キャリアの移動度を高めることができる。そして、半導体素子としてトランジスタを形成するならば、チャネルの向きと結晶面方位とを考慮し、半導体膜106または半導体膜108の貼り合わせの方向を定めるようにする。
なお、上述したように、ボンド基板100は、反りや撓みを有している場合や、端部に弱冠丸みを帯びている場合がある。また、ボンド基板100から半導体膜を剥離するために水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入する際、ボンド基板100の端部において上記ガスまたはイオンの注入を十分に行うことができない場合もある。そのため、ボンド基板100の端部に位置する部分は、半導体膜を剥離させるのが難しく、ボンド基板をベース基板に貼り合わせた後にボンド基板を劈開して半導体膜を形成する場合、半導体膜間の間隔が数mm〜数cmとなってしまう。しかし、本発明では、ボンド基板100をベース基板107に貼り合わせる前に、ボンド基板100を劈開させて半導体膜106と半導体膜108を形成している。よって、半導体膜106と半導体膜108をベース基板107に貼り合わせる際、半導体膜106と半導体膜108の間隔を、数十μm程度に小さく抑えることができ、半導体膜106と半導体膜108の隙間をまたぐように半導体装置を作製することが容易となる。
次に図2(C)に示すように、半導体膜106及び半導体膜108上に形成されている絶縁膜101を除去する。図2(C)には、半導体膜106及び半導体膜108の断面図に加えて、半導体膜106及び半導体膜108の上面図も示す。図2(C)に示す断面図は、上面図の破線A−A’における断面に相当する。
次に、図3(A)に示すように、半導体膜106と半導体膜108を部分的にエッチングすることで、半導体膜106から半導体膜109を、半導体膜108から半導体膜110を形成する。図3(A)には、半導体膜109及び半導体膜110の断面図に加えて、半導体膜109及び半導体膜110の上面図も示す。図3(A)に示す断面図は、上面図の破線A−A’における断面に相当する。半導体膜106及び半導体膜108をさらにエッチングすることで、半導体膜106及び半導体膜108の端部において接合の強度が不十分である領域を、除去することができる。
なお、本実施の形態では、一つの半導体膜106をエッチングすることで1つの半導体膜109を形成し、一つの半導体膜108をエッチングすることで1つの半導体膜110を形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、一つの半導体膜106をエッチングすることで複数の半導体膜109を形成しても良いし、一つの半導体膜108をエッチングすることで複数の半導体膜110を形成しても良い。
図3(A)に示すように半導体膜109及び半導体膜110が形成された後、図3(B)に示すように半導体膜109及び半導体膜110の表面を平坦化しても良い。平坦化は必ずしも必須ではないが、平坦化を行うことで、後に形成されるトランジスタにおいて半導体膜109及び半導体膜110とゲート絶縁膜の界面の特性を向上させることが出来る。具体的に平坦化は、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)または液体ジェット研磨などにより、行うことができる。半導体膜109及び半導体膜110の厚さは、上記平坦化により薄膜化される。上記平坦化は、エッチングにより形成された半導体膜109及び半導体膜110に施しても良いし、エッチングする前の半導体膜106及び半導体膜108に施しても良い。
なお、劈開により露出される半導体膜の表面と、ゲート絶縁膜とが接するように、半導体膜をベース基板に貼り合わせることもできる。ただし、本実施の形態のように、劈開により露出される半導体膜の表面をベース基板側に向けると、より平坦性の高い側の表面がゲート絶縁膜に接するため、半導体膜とゲート絶縁膜の間の界面準位密度を低く、なおかつ均一にすることができる。よって、ゲート絶縁膜に接する半導体膜の表面を平坦化するための研磨を省略、もしくは研磨時間を短縮化することができ、コストを抑えスループットを向上させることができる。
また、半導体膜109及び半導体膜110、或いはエッチングを行う前の半導体膜106及び半導体膜108にエネルギービームを照射して、結晶欠陥を補修しても良い。エネルギービームは、半導体に選択的に吸収されるもの、例えばレーザ光を用いるのが望ましい。レーザ光は、エキシマレーザなどの気体レーザ、YAGレーザなどの固体レーザを光源として用いることができる。レーザ光の波長は、紫外光から近赤外光であることが好ましく、波長190nm〜2000nmの領域のレーザ光を用いるのが望ましい。その他、ハロゲンランプ若しくはキセノンランプなどを用いたフラッシュランプアニールを、結晶欠陥の補修のために用いても良い。
なお本実施の形態では、欠陥層102の形成により半導体膜106と半導体膜108とを、ボンド基板100からそれぞれ剥離するスマートカット法を用いる場合について示すが、ELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)、誘電体分離法、PACE(Plasma Assisted Chemical Etching)法などの、他の貼り合わせ法を用いても良い。
上記工程を経て形成された半導体膜109、半導体膜110を用い、図3(B)に示すようにトランジスタ111〜113などの各種半導体素子を形成することが出来る。
なお、図1乃至図3では、マザーアイランドに相当する複数の半導体膜106と半導体膜108とが全て同程度の大きさを有する例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。サイズまたは形状の異なる複数の半導体膜106と半導体膜108とを劈開により形成し、それぞれをベース基板107に貼り合わせるようにしても良い。図4に、ボンド基板100から形状またはサイズの異なる半導体膜106a、半導体膜106b、半導体膜106cを形成し、ベース基板107に貼り合わせている様子を示す。
半導体膜106aは矩形を有しており、例えばベース基板107のうち、後に半導体表示装置の画素部130となる領域に貼り合わされる。半導体膜106aをエッチングすることで、画素部130に配置される表示素子の駆動を制御するトランジスタまたは容量素子等の半導体素子が有する半導体膜を形成することができる。
半導体膜106bは、一方の辺が他方の辺よりも数倍以上長い矩形を有している。半導体膜106bは、例えばベース基板107のうち、後に半導体表示装置の信号線駆動回路131となる領域に貼り合わされる。半導体膜106bをエッチングすることで、信号線駆動回路131に配置されるトランジスタ、容量素子またはダイオード等の半導体素子が有する半導体膜を形成することができる。
半導体膜106cは、半導体膜106aよりもサイズの小さい矩形を有している。半導体膜106cは、例えばベース基板107のうち、後に半導体表示装置の走査線駆動回路132となる領域のうち、最終出力のバッファが形成される領域に貼り合わされる。半導体膜106cをエッチングすることで、走査線駆動回路132のバッファに配置されるトランジスタ等の半導体素子が有する半導体膜を形成することができる。
このように、ベース基板107において半導体膜106a、半導体膜106b、半導体膜106cを貼り合わせる位置は、半導体素子のマスク図面の情報を元に決めることができる。
なお、図4では1つのボンド基板100から半導体膜106a、半導体膜106b、半導体膜106cを剥離する例について示しているが、ボンド基板は2つ以上用いていても良い。
また図4では、画素部130において、複数の半導体膜106aが縦方向及び横方向に複数配置されているが、本発明はこの構成に限定されない。
図5(A)に、1つの半導体膜1801から、走査線方向に配列されている画素のトランジスタに用いられている半導体膜1802を形成する場合の、半導体膜1801と半導体膜1802のレイアウトを示す。図5(A)では、半導体膜1801と半導体膜1802のレイアウトに加えて、走査線1803が形成される領域を破線で、信号線1804が形成される領域を破線で示す。
各画素1805は、走査線1803の一つと、信号線1804の一つと、半導体膜1802を有するトランジスタとを少なくとも有する。該トランジスタは、走査線駆動回路から走査線1803に与えられる信号に従ってスイッチングを行い、該トランジスタがオンになると、信号線駆動回路から信号線1804に与えられるビデオ信号が画素1805に入力される。
半導体膜1801は、走査線1803方向に配列されている画素1805において、後に半導体膜1802が形成される領域と重なっている。なお、結晶性、内部応力などのトランジスタの動作特性に影響を与えうる特性が半導体膜1801どうしで異なっていたとしても、任意の1フレーム期間において、一の信号線を有する画素に同じ極性のビデオ信号が入力され、隣り合う信号線を有する画素どうしで逆の極性のビデオ信号が入力されるソースライン反転駆動を行うことで、ビデオ信号に従って階調を表示する表示素子の輝度のばらつきをおさえることができる。
また、図5(A)では1つの走査線1803を有する画素1805において、後に半導体膜1802が形成される領域と、一つの半導体膜1801とが重なっている例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。複数の走査線1803を有する画素1805において、後に半導体膜1802が形成される領域と、一つの半導体膜1801とが重なっていても良い。
図5(B)に、1つの半導体膜1811から、信号線方向に配列されている画素のトランジスタに用いられている半導体膜1812を形成する場合の、半導体膜1811と半導体膜1812のレイアウトを示す。図5(B)では、半導体膜1811と半導体膜1812のレイアウトに加えて、走査線1813が形成される領域を破線で、信号線1814が形成される領域を破線で示す。
各画素1815は、走査線1813の一つと、信号線1814の一つと、半導体膜1812を有するトランジスタとを少なくとも有する。該トランジスタは、走査線駆動回路から走査線1813に与えられる信号に従ってスイッチングを行い、該トランジスタがオンになると、信号線駆動回路から信号線1814に与えられるビデオ信号が画素1815に入力される。
半導体膜1811は、信号線1814方向に配列されている画素1815において、後に半導体膜1812が形成される領域と重なっている。なお、結晶性、内部応力などのトランジスタの動作特性に影響を与えうる特性が半導体膜1811どうしで異なっていたとしても、任意の1フレーム期間において、一の走査線を有する画素に同じ極性のビデオ信号が入力され、隣り合う走査線を有する画素どうしで逆の極性のビデオ信号が入力されるソースライン反転駆動を行うことで、ビデオ信号に従って階調を表示する表示素子の輝度のばらつきをおさえることができる。
また、図5(B)では1つの信号線1814を有する画素1815において、後に半導体膜1812が形成される領域と、一つの半導体膜1811とが重なっている例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。複数の信号線1814を有する画素1815において、後に半導体膜1812が形成される領域と、一つの半導体膜1811とが重なっていても良い。
図6(A)に、1つの半導体膜1821から、1つの画素のトランジスタに用いられている半導体膜1822を形成する場合の、半導体膜1821と半導体膜1822のレイアウトを示す。図6(A)では、半導体膜1821と半導体膜1822のレイアウトに加えて、走査線1823が形成される領域を破線で、信号線1824が形成される領域を破線で示す。
各画素1825は、走査線1823の一つと、信号線1824の一つと、半導体膜1822を有するトランジスタとを少なくとも有する。該トランジスタは、走査線駆動回路から走査線1823に与えられる信号に従ってスイッチングを行い、該トランジスタがオンになると、信号線駆動回路から信号線1824に与えられるビデオ信号が画素1825に入力される。
半導体膜1821は、1つの画素1825において、後に半導体膜1822が形成される領域と重なっている。上記構成により、結晶性、内部応力などのトランジスタの動作特性に影響を与えうる特性が半導体膜1821どうしで異なっていたとしても、ビデオ信号に従って階調を表示する表示素子の輝度のばらつきをおさえることができる。
図6(B)に、1つの半導体膜1831から、信号線方向に複数配列され、なおかつ走査線方向に複数配列されている画素のトランジスタに用いられている半導体膜1832を形成する場合の、半導体膜1831と半導体膜1832のレイアウトを示す。図6(B)では、半導体膜1831と半導体膜1832のレイアウトに加えて、走査線1833が形成される領域を破線で、信号線1834が形成される領域を破線で示す。
各画素1835は、走査線1833の一つと、信号線1834の一つと、半導体膜1832を有するトランジスタとを少なくとも有する。該トランジスタは、走査線駆動回路から走査線1833に与えられる信号に従ってスイッチングを行い、該トランジスタがオンになると、信号線駆動回路から信号線1834に与えられるビデオ信号が画素1835に入力される。
半導体膜1831は、複数の走査線1813及び複数の信号線1814を有する複数の画素1835において、後に半導体膜1832が形成される領域と重なっている。
本実施例は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施の形態の半導体装置の作製方法では、半導体素子に用いられる半導体膜(アイランド)のレイアウトに合わせて、間隔をあけて複数の半導体膜(マザーアイランド)を貼り合わせることができるので、ベース基板全面に半導体膜を貼り合わせる場合に比べて、必要となるボンド基板の枚数を最小限に抑えることができる。また、半導体素子の有する極性に合わせて半導体膜の面方位を適宜選択することができるので、半導体素子の移動度を高めることができ、より高速駆動が可能な半導体装置を提供することができる。
なお本発明は、マイクロプロセッサ、画像処理回路などの集積回路や、質問器とデータの送受信が非接触でできるRFタグ、半導体表示装置等、ありとあらゆる半導体装置の作製に用いることができる。半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、半導体膜を用いた回路素子を駆動回路に有しているその他の半導体表示装置がその範疇に含まれる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の製造装置の構成について説明する。
図7(A)に、本発明の製造装置の構成を一例として示す。図7(A)に示す製造装置は、ボンド基板901を載置するステージ902と、ベース基板903を載置するステージ904とを有する。なお図7(A)では、ボンド基板901とベース基板903とを、互いに異なるステージに載置する例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。ボンド基板901とベース基板903とを同一のステージに載置することも可能である。
また図7(A)では、1つのボンド基板901を載置するための1つのステージ902を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば本発明の製造装置は、一つのボンド基板901を載置するためのステージ902を複数有していても良いし、ステージ902上に複数のボンド基板901が載置できるようにしても良い。
さらに図7(A)に示す製造装置は、ボンド基板901の劈開により形成される半導体膜に固着し、なおかつ該半導体膜をベース基板903の所定の位置に貼り合わせるコレット905を有する。コレット905として、真空チャック、メカニカルチャックなどのチャック、先端に接着剤が付着したマイクロニードルなど、半導体膜の一つに選択的に固着させることができる手段を用いる。
また図7(A)に示す製造装置は、上記コレット905の位置を制御するコレット駆動部906と、ステージ902、ステージ904の位置を制御するステージ駆動部907と、コレットの位置情報またはステージの位置情報に従って、コレット駆動部906とステージ駆動部907の動作を制御するCPU908とを少なくとも有する。
コレットの位置情報またはステージの位置情報は、ボンド基板901のどの位置に形成される半導体膜を、ベース基板903上のどの位置に貼り合わせるか、といった位置情報を元に作製することができる。なお、ボンド基板901の位置合わせまたはベース基板903の位置合わせを行うために、図7(A)に示す製造装置に、CCD(電荷結合素子)などの撮像素子を有するカメラを設けても良い。
また、ステージ902上に、ボンド基板901が有する熱を吸収または発散させるためのヒートシンクを設け、コレット905としてマイクロニードルの先端に低温凝固剤を付着させたものを用いる場合において、ヒートシンクを用いることでボンド基板901の温度を効率的に下げることができる。
また本発明の製造装置は、ボンド基板901から半導体膜を拾い上げた後に、上記半導体膜を裏返すための反転装置を有していても良い。図7(B)に、図7(A)に示した製造装置に反転装置909を付加した形態を示す。反転装置909は、反転用コレット910を有しており、該反転用コレット910により半導体膜を拾い上げて一時的に保持することができる。コレット905は、反転用コレット910に保持されている半導体膜の、反転用コレット910が固着している面とは反対側の面に固着することで、反転用コレット910から半導体膜を受け取ることができる。
次に、図7(A)に示したボンド基板901、ステージ902、ベース基板903、ステージ904、コレット905、コレット駆動部906、ステージ駆動部907の位置関係と具体的な構成を示すために、図8にそれらの斜視図を示す。なお図8では、ステージ902の動作を制御するステージ駆動部907aと、ステージ904の動作を制御するステージ駆動部907bとを用いている例を示している。
CPU908からの指示に従い、ステージ駆動部907aは、X方向またはX方向と交わるY方向にステージ902を移動させる。なおステージ駆動部907aが、X方向またはY方向に加え、X方向及びY方向によって形成される平面とは異なる平面に存在するZ方向に、ステージ902を移動させるようにしても良い。同様にステージ駆動部907bは、X方向またはX方向と交わるY方向にステージ904を移動させる。ステージ駆動部907bは、X方向またはY方向に加え、X方向及びY方向によって形成される平面とは異なる平面に存在するZ方向に、ステージ904を移動させるようにしても良い。
またコレット905は、ボンド基板901の劈開によって形成される複数の半導体膜の一つを拾い上げる。そしてコレット駆動部906は、半導体膜を保持した状態のコレット905を、ボンド基板901からベース基板903まで移送する。なお図8では、1つのコレット905がボンド基板901とベース基板903の間を行き来している例を示しているが、コレット905は複数用いられていても良い。複数のコレット905を用いる場合、各コレット905の動作を独立して制御するためにコレット駆動部906を複数用意しても良いし、全てのコレット905を1つのコレット駆動部906で制御しても良い。
次に、図8において複数のステージ902用いた場合の形態を、図9に示す。図9では、ステージ902a、ステージ902b、ステージ902cを用いている例を示しており、全てのステージ902a、ステージ902b、ステージ902cが、ステージ駆動部907aによって制御されている。なお、ステージ902a、ステージ902b、ステージ902cの動作を独立して制御するために、ステージ駆動部907aを複数用意しても良い。
また図9では、ステージ902a上にボンド基板901a、ステージ902b上にボンド基板901b、ステージ902c上にボンド基板901cが、それぞれ載置されている様子を示す。ボンド基板901a、ボンド基板901b、ボンド基板901cの結晶面方位は、異なっていても、同じであっても良い。
また図9では、コレット905は、ボンド基板901a、ボンド基板901b、ボンド基板901cの劈開によって形成される複数の半導体膜の一つを拾い上げている。コレット駆動部906は、半導体膜を保持した状態のコレット905を、ボンド基板901a、ボンド基板901b、ボンド基板901cからベース基板903まで移送する。なお図9では、1つのコレット905が、ボンド基板901a、ボンド基板901b、ボンド基板901cとベース基板903の間を行き来している例を示しているが、ボンド基板901a、ボンド基板901b、ボンド基板901cのそれぞれに、少なくとも1つのコレット905の対応するように、コレット905を複数用いても良い。
本発明の製造装置は、一つのボンド基板901から形成される複数の半導体膜を、適宜ベース基板903上の所望の位置に移送し、貼り合わせることができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1に示した作製方法において、エッチングによりボンド基板に凸部を形成する代わりに、ドーピングを用いてボンド基板に欠陥層を形成する、本発明の半導体装置の作製方法の一つについて説明する。
まず図10(A)に示すように、ボンド基板200上に絶縁膜201を形成する。ボンド基板200として、シリコン、ゲルマニウムなどの単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を用いることができる。その他に、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体で形成された単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を、ボンド基板200として用いることができる。またボンド基板200として、結晶格子に歪みを有するシリコン、シリコンに対しゲルマニウムが添加されたシリコンゲルマニウムなどの半導体基板を用いていても良い。歪みを有するシリコンは、シリコンよりも格子定数の大きいシリコンゲルマニウムまたは窒化珪素上における成膜により、形成することができる。
絶縁膜201は、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜201は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。例えば本実施の形態では、酸化珪素を絶縁膜201として用いる。
酸化珪素を絶縁膜201として用いる場合、絶縁膜201はシランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の気相成長法によって形成することができる。この場合、絶縁膜201の表面を酸素プラズマ処理で緻密化しても良い。また、窒化珪素を絶縁膜201として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。また、窒化酸化珪素を絶縁膜201として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガス、またはシランと酸化窒素の混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。
また、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜201として用いても良い。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
次に図10(B)に示すように、ボンド基板200に、矢印で示すように水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入し、ボンド基板200の表面から一定の深さの領域に、微少ボイドを有する欠陥層202を形成する。欠陥層202が形成される位置は、上記注入の加速電圧によって決まる。そして欠陥層202の位置により、ボンド基板200から形成される半導体膜206の厚さが決まるので、注入の加速電圧は上記半導体膜206の厚さを考慮して行う。また上記注入の加速電圧のみならず、絶縁膜201の膜厚によっても、欠陥層202の位置を変えることができる。例えば、絶縁膜201の膜厚をより大きくすることで、半導体膜206の膜厚をより小さくすることができる。半導体膜206の厚さは、例えば10nm乃至200nm、好ましくは10nm乃至50nmの厚さとする。例えば水素をボンド基板200に注入する場合、ドーズ量は1×1016乃至1×1017/cm2とするのが望ましい。本実施の形態では、ドーズ量を1.75×1016/cm2、加速電圧を40kVとし、水素または水素イオンのイオン注入を行う。
なお、欠陥層202を形成する上記工程において、ボンド基板200に高い濃度の水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入するので、ボンド基板200の表面が粗くなってしまい、ボンド基板200から形成される半導体膜と、該半導体膜に接するゲート絶縁膜との界面準位密度にばらつきが生じてしまう場合がある。絶縁膜201を設けることで、水素又は希ガス、或いは水素と希ガスのイオンを注入する際にボンド基板200の表面が保護され、ボンド基板200の表面が荒れるのを防ぎ、上記界面準位密度にばらつきが生じるのを防ぐことができる。
次に、絶縁膜201上にマスク210を形成し、矢印で示すように水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンをボンド基板200に選択的に注入し、微少ボイドを有する欠陥層211を形成する。欠陥層211を形成する場合、欠陥層202を形成する場合よりも、注入するガスまたはイオンのドーズ量を多くするか、もしくはより大きい質量を有するガスまたはイオンを注入する。上記構成により、ボンド基板200の深さ方向における欠陥層211の幅を広くすることができる。例えば水素をボンド基板200に注入する場合、ドーズ量は5×1017乃至5×1018/cm2とするのが望ましい。本実施の形態では、ドーズ量を1×1018/cm2、加速電圧を40kVとし、水素または水素イオンのイオン注入を行う。
欠陥層211のボンド基板200に対して垂直方向(深さ方向)における幅dは、欠陥層202の深さと同じか、それ以上の大きさを有することが望ましい。具体的に、幅dは、半導体膜206の厚さを考慮して、例えば10nm以上、好ましくは200nm以上とする。
なお、ボンド基板200は、反りや撓みを有している場合や、端部に弱冠丸みを帯びている場合がある。そして、ボンド基板200から半導体膜を剥離するためにガスまたはイオンを注入する際、ボンド基板200の端部において水素イオンの注入を十分に行うことができない場合もある。そのため、ボンド基板200の端部に位置する部分は、半導体膜を剥離させるのが難しい。よって、欠陥層211を、ボンド基板200の端部においても形成することが望ましい。ボンド基板200の端部に欠陥層211を形成することで、端部の劈開しにくい箇所を避けて、再現性良く劈開による半導体膜の形成を行うことができる。例えば、端部に位置する欠陥層211の、幅dに対して垂直方向における幅は、数十μm乃至数十mmとすると良い。
次に、マスク210を除去した後に熱処理を行うことにより、欠陥層202及び欠陥層211において隣接する微少ボイドどうしが結合して、微少ボイドの体積が増大する。その結果、欠陥層202及び欠陥層211においてボンド基板200が劈開し、半導体膜206が絶縁膜201と共に、ボンド基板200から剥離する。熱処理は、例えば400℃乃至600℃の温度範囲内で行えば良い。
なお、熱処理は、マイクロ波などの高周波による誘電加熱を用いて行っても良い。上記誘電加熱による熱処理は、高周波発生装置において生成された周波数300MHz乃至3THzの高周波をボンド基板200に照射することで行うことができる。具体的には、例えば、2.45GHzのマイクロ波を900W、14分間照射することで、欠陥層において隣接する微少ボイドどうしを結合させ、最終的にボンド基板200を劈開させることができる。
そして、図10(D)に示すように、コレット205を半導体膜206上に形成された絶縁膜201に固着させ、半導体膜206をボンド基板200から引き離す。上記熱処理によるボンド基板200の劈開が不完全である場合でも、コレット205を用いて力を加えることで、半導体膜206をボンド基板200から完全に剥離させることができる。コレット205として、真空チャック、メカニカルチャックなどのチャック、先端に接着剤が付着したマイクロニードルなど、半導体膜206の一つに選択的に固着させることができる手段を用いる。図10(D)では、コレット205として真空チャックを用いる場合を例示している。
なお、ボンド基板200を劈開させる前に、ボンド基板200に水素化処理を行うようにしても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
また、マイクロニードルに付着させる接着剤として、エポキシ系接着剤、セラミック系接着剤、シリコーン系接着剤、低温凝固剤などを用いることができる。低温凝固剤は、例えばMW−1(株式会社エミネントサプライ製)を用いることができる。
以下、実施の形態1と同様の作製方法を経て、本発明の半導体装置を作製することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法の一つについて説明する。
まず図11(A)に示すように、ボンド基板300上に絶縁膜301を形成する。ボンド基板300として、シリコン、ゲルマニウムなどの単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を用いることができる。その他に、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体で形成された単結晶半導体基板または多結晶半導体基板を、ボンド基板300として用いることができる。またボンド基板300として、結晶格子に歪みを有するシリコン、シリコンに対しゲルマニウムが添加されたシリコンゲルマニウムなどの半導体基板を用いていても良い。歪みを有するシリコンは、シリコンよりも格子定数の大きいシリコンゲルマニウムまたは窒化珪素上における成膜により、形成することができる。
絶縁膜301は、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜301は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。例えば本実施の形態では、ボンド基板100に近い側から、窒素よりも酸素の含有量が高い窒化酸化珪素、酸素よりも窒素の含有量が高い窒化酸化珪素の順に積層された絶縁膜301を用いる。
酸化珪素を絶縁膜301として用いる場合、絶縁膜301はシランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の気相成長法によって形成することができる。この場合、絶縁膜301の表面を酸素プラズマ処理で緻密化しても良い。また、窒化珪素を絶縁膜301として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。また、窒化酸化珪素を絶縁膜301として用いる場合、シランとアンモニアの混合ガス、またはシランと酸化窒素の混合ガスを用い、プラズマCVD等の気相成長法によって形成することができる。
また、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜301として用いても良い。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
次に、ボンド基板300に、矢印で示すように水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入し、ボンド基板300の表面から一定の深さの領域に、微少ボイドを有する欠陥層302を形成する。欠陥層302が形成される位置は、上記注入の加速電圧によって決まる。そして欠陥層302の位置により、ボンド基板300から形成される半導体膜306、半導体膜308の厚さが決まるので、注入の加速電圧は上記半導体膜306、半導体膜308の厚さを考慮して行う。また上記注入の加速電圧のみならず、絶縁膜301の膜厚によっても、欠陥層302の位置を変えることができる。例えば、絶縁膜301の膜厚をより大きくすることで、半導体膜306、半導体膜308の膜厚をより小さくすることができる。半導体膜306、半導体膜308の厚さは、例えば10nm乃至200nm、好ましくは10nm乃至50nmの厚さとする。例えば水素をボンド基板300に注入する場合、ドーズ量は1×1016乃至1×1017/cm2とするのが望ましい。本実施の形態では、ドーズ量を1.75×1016/cm2、加速電圧を40kVとし、水素または水素イオンのイオン注入を行う。
なお、欠陥層302を形成する上記工程において、ボンド基板300に高い濃度の水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入するので、ボンド基板300の表面が粗くなってしまい、ベース基板307との間における接合で十分な強度が得られない場合がある。絶縁膜301を設けることで、水素又は希ガス、或いは水素と希ガスのイオンを注入する際にボンド基板300の表面が保護され、ベース基板307とボンド基板300の間における接合を良好に行うことが出来る。
次に図11(B)に示すように、絶縁膜301上に絶縁膜320を形成する。絶縁膜320は、絶縁膜301と同様に、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。絶縁膜320は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。また、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜320として用いても良い。本実施の形態では、有機シランガスを用いて化学気相成長法により作製される酸化珪素を、絶縁膜320として用いる。
なお絶縁膜301または絶縁膜320に窒化珪素、窒化酸化珪素などのバリア性の高い絶縁膜を用いることで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物が、ベース基板307から、ベース基板307上に形成される半導体膜306及び半導体膜308に入るのを防ぐことができる。
なお本実施の形態では、欠陥層302を形成した後に絶縁膜320を形成しているが、絶縁膜320は必ずしも設ける必要はない。ただし絶縁膜320は欠陥層302を形成した後に形成されるので、欠陥層302を形成する前に形成される絶縁膜301よりも、その表面の平坦性は高い。よって、絶縁膜320を形成することで、後に行われる接合の強度をより高めることができる。
次に、ボンド基板300を部分的に除去する。本実施の形態では、図11(C)に示すように、マスク304を用い、絶縁膜301と共にボンド基板300を部分的にエッチングにより除去し、複数の凸部303を有するボンド基板300を形成する。
ボンド基板300は、複数の凸部303のボンド基板300に対して垂直方向(深さ方向)における幅dが、欠陥層302の深さと同じか、それ以上の大きさを有する。なお、複数の凸部303のボンド基板300に対して垂直方向(深さ方向)における幅dは、必ずしも一定である必要はなく、場所によって異なる値を有していても良い。具体的に、幅dは、半導体膜306の厚さを考慮して、例えば10nm以上、好ましくは200nm以上とする。
なお、ボンド基板300は、反りや撓みを有している場合や、端部に弱冠丸みを帯びている場合がある。そして、ボンド基板300から半導体膜を剥離するために水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入する際、ボンド基板300の端部において上記ガスまたはイオンの注入を十分に行うことができない場合もある。そのため、ボンド基板300の端部に位置する部分は、半導体膜を剥離させるのが難しい。よって、ボンド基板300が有する複数の凸部303は、ボンド基板300の縁から所定の間隔を有するよう、離れた位置に形成するのが望ましい。ボンド基板300の縁から所定の間隔を有するよう、離れた位置に凸部303を形成することで、再現性良く劈開による半導体膜の形成を行うことができる。例えば、最も端部に位置する凸部303と、ボンド基板300の縁との間隔は、数十μm乃至数十mmとすると良い。
次に、マスク304を除去した後、ボンド基板300を保持手段321に固着させる。ボンド基板300の固着は、凸部303が保持手段321側を向くように行う。保持手段321として、後の熱処理に耐えることができ、なおかつ複数の凸部303と重なるように固着させることができる大型の真空チャックまたはメカニカルチャック、具体的には多孔質真空チャック、非接触式真空チャックなどを用いることができる。本実施の形態では、真空チャックを保持手段321として用いる例を示す。
次に、熱処理を行うことにより、欠陥層302において隣接する微少ボイドどうしが結合して、微少ボイドの体積が増大する。その結果、図12(A)に示すように、欠陥層302においてボンド基板300が劈開し、凸部303の一部であった半導体膜306が、絶縁膜301、絶縁膜320、マスク304と共に、ボンド基板300から剥離する。熱処理は、例えば400℃乃至600℃の温度範囲内で行えば良い。
なお、熱処理は、マイクロ波などの高周波による誘電加熱を用いて行っても良い。上記誘電加熱による熱処理は、高周波発生装置において生成された周波数300MHz乃至3THzの高周波をボンド基板300に照射することで行うことができる。具体的には、例えば、2.45GHzのマイクロ波を900W、14分間照射することで、欠陥層において隣接する微少ボイドどうしを結合させ、最終的にボンド基板300を劈開させることができる。
また、ボンド基板300を劈開させる前に、ボンド基板300に水素化処理を行うようにしても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
そして、図12(B)に示すように、コレット305を半導体膜306の劈開により露出した面に固着させ、半導体膜306を保持手段321から引き離す。コレット305として、真空チャック、メカニカルチャックなどのチャック、先端に接着剤が付着したマイクロニードルなど、凸部303の一つに選択的に固着させることができる手段を用いる。図12(B)では、コレット305として真空チャックを用いる場合を例示している。
なお、本実施の形態では、コレット305が半導体膜306の劈開により露出した面に固着している例を示しているがコレット305により傷つくのを防ぐために、絶縁膜などの保護膜を形成しても良い。ただし、上記保護膜は、後にベース基板307に半導体膜306を貼り合わせた後に、除去する。
また、マイクロニードルに付着させる接着剤として、エポキシ系接着剤、セラミック系接着剤、シリコーン系接着剤、低温凝固剤などを用いることができる。低温凝固剤は、例えばMW−1(株式会社エミネントサプライ製)を用いることができる。MW−1は、凝固点が17度であり、それ以下の温度(好ましくは、10度以下)で接着効果を有し、17度以上(好ましくは25度程度)では接着効果を有さない。
次に、図12(C)に示すように、絶縁膜320がベース基板307側を向くように、すなわち劈開により露出した面の反対側の面がベース基板307側を向くように、半導体膜306とベース基板307とを貼り合わせる。本実施の形態では、ベース基板307上に絶縁膜314が形成されており、絶縁膜314と絶縁膜320とが接合することで、半導体膜306とベース基板307とを貼り合わせることができる。絶縁膜314と絶縁膜320とを接合させた後、該接合をさらに強固にするため、400℃乃至600℃の熱処理を行うのが好ましい。
接合の形成はファン・デル・ワールス力を用いて行われているため、室温でも強固な接合が形成される。なお、上記接合は低温で行うことが可能であるため、ベース基板307は様々なものを用いることが可能である。例えばベース基板307としては、アルミノシリケートガラスバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他、石英基板、サファイア基板などの基板を用いることが出来る。さらにベース基板307として、シリコン、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの半導体基板などを用いることができる。或いは、ステンレス基板を含む金属基板をベース基板307として用いても良い。
なお、ベース基板307は、その表面に絶縁膜314が必ずしも形成されていなくとも良い。絶縁膜314が形成されていない場合でも、ベース基板307と絶縁膜320とを接合させることは可能である。ただし、ベース基板307の表面に絶縁膜314を形成しておくことで、ベース基板307から半導体膜306に、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物が入り込むのを防ぐことができる。
絶縁膜314を形成する場合、ベース基板307ではなく絶縁膜314が絶縁膜320と接合するので、ベース基板307として用いることができる基板の種類がさらに広がる。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は耐熱温度が一般的に低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば、絶縁膜314を形成する場合において、ベース基板307として用いることが可能である。プラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
なお、半導体膜306をベース基板307に貼り合わせる前に、絶縁膜320の表面を研磨しても良い。保持手段321が絶縁膜320に接触することで絶縁膜320の表面に傷が付いた場合でも、研磨によりその表面の平坦性を高めることができるので、接合の強度を確保することができる。
なお、MW−1を低温凝固剤として用いる場合、まず低温凝固剤が接着効果を有しない温度(例えば25度程度)において、マイクロニードルの先端に付着した低温凝固剤を、凸部303上の絶縁膜320に接触させる。次に、低温凝固剤が接着効果を有する温度(例えば5度程度)まで温度を下げて、低温凝固剤を凝固させることで、マイクロニードルと凸部303上の絶縁膜320とを固着させる。そして、保持手段321から引き離した半導体膜306を、ベース基板307に貼り合わせた後、再び接着効果を有しない温度(例えば25度程度)まで低温凝固剤の温度を高めることで、マイクロニードルを半導体膜306から引き離すことができる。
また図12(C)では、半導体膜306を形成するボンド基板300とは異なる結晶面方位を有するボンド基板300から、半導体膜306と同様の手法を用いて半導体膜308を剥離し、ベース基板307に貼り合わせる。
半導体中における多数キャリアの移動度は、結晶面方位によって異なる。よって、形成する半導体素子に適した結晶面方位を有するボンド基板300を、適宜選択して半導体膜306または半導体膜308を形成すればよい。例えば半導体膜306を用いてn型の半導体素子を形成するならば、{100}面を有する半導体膜306を形成することで、該半導体素子における多数キャリアの移動度を高めることができる。また、例えば半導体膜308を用いてp型の半導体素子を形成するならば、{110}面を有する半導体膜308を形成することで、該半導体素子における多数キャリアの移動度を高めることができる。そして、半導体素子としてトランジスタを形成するならば、チャネルの向きと結晶面方位とを考慮し、半導体膜306または半導体膜308の貼り合わせの方向を定めるようにする。
なお、上述したように、ボンド基板300は、反りや撓みを有している場合や、端部に弱冠丸みを帯びている場合がある。また、ボンド基板300から半導体膜を剥離するために水素又は希ガス、或いは水素イオン又は希ガスイオンを注入する際、ボンド基板300の端部において上記ガスまたはイオンの注入を十分に行うことができない場合もある。そのため、ボンド基板300の端部に位置する部分は、半導体膜を剥離させるのが難しく、ボンド基板をベース基板に貼り合わせた後にボンド基板を劈開して半導体膜を形成する場合、半導体膜間の間隔が数mm〜数cmとなってしまう。しかし、本発明では、ボンド基板300をベース基板307に貼り合わせる前に、ボンド基板300を劈開させて半導体膜306と半導体膜308を形成している。よって、半導体膜306と半導体膜308をベース基板307に貼り合わせる際、半導体膜306と半導体膜308の間隔を、数十μm程度に小さく抑えることができ、半導体膜306と半導体膜308の隙間をまたぐように半導体装置を作製することが容易となる。
次に、半導体膜306及び半導体膜308の表面を平坦化しても良い。平坦化は必ずしも必須ではないが、平坦化を行うことで、後に形成される半導体膜309及び半導体膜310とゲート絶縁膜の界面の特性を向上させることが出来る。具体的に平坦化は、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)または液体ジェット研磨などにより、行うことができる。半導体膜309及び半導体膜310の厚さは、上記平坦化により薄膜化される。上記平坦化は、エッチングにより形成された半導体膜309及び半導体膜310に施しても良い。
上記作製方法を経ることで、図13(A)に示すように、半導体膜306及び半導体膜308をベース基板307上に形成することができる。図13(A)には、半導体膜306及び半導体膜308の断面図に加えて、半導体膜306及び半導体膜308の上面図も示す。図13(A)に示す断面図は、上面図の破線A−A’における断面に相当する。
次に、図13(B)に示すように、半導体膜306と半導体膜308を部分的にエッチングすることで、半導体膜306から半導体膜309を、半導体膜308から半導体膜310を形成する。図13(B)には、半導体膜309及び半導体膜310の断面図に加えて、半導体膜309及び半導体膜310の上面図も示す。図13(B)に示す断面図は、上面図の破線A−A’における断面に相当する。半導体膜306及び半導体膜308をさらにエッチングすることで、半導体膜306及び半導体膜308の端部において接合の強度が不十分である領域を、除去することができる。
なお、本実施の形態では、一つの半導体膜306をエッチングすることで1つの半導体膜309を形成し、一つの半導体膜308をエッチングすることで1つの半導体膜310を形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、一つの半導体膜306をエッチングすることで複数の半導体膜309を形成しても良いし、一つの半導体膜308をエッチングすることで複数の半導体膜310を形成しても良い。
なお、半導体膜309及び半導体膜310、或いはエッチングを行う前の半導体膜306及び半導体膜308にエネルギービームを照射して、結晶欠陥を補修しても良い。エネルギービームは、半導体に選択的に吸収されるもの、例えばレーザ光を用いるのが望ましい。レーザ光は、エキシマレーザなどの気体レーザ、YAGレーザなどの固体レーザを光源として用いることができる。レーザ光の波長は、紫外光から近赤外光であることが好ましく、波長190nm〜2000nmの領域のレーザ光を用いるのが望ましい。その他、ハロゲンランプ若しくはキセノンランプなどを用いたフラッシュランプアニールを、結晶欠陥の補修のために用いても良い。
なお本実施の形態では、欠陥層302の形成により半導体膜306と半導体膜308とを、ボンド基板300からそれぞれ剥離するスマートカット法を用いる場合について示すが、ELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)、誘電体分離法、PACE(Plasma Assisted Chemical Etching)法などの、他の貼り合わせ法を用いても良い。
上記工程を経て形成された半導体膜309、半導体膜310を用い、図13(C)に示すようにトランジスタ311〜313などの各種半導体素子を形成することが出来る。
なお、本実施の形態では、保持手段321を用いて複数の半導体膜306をボンド基板300から引き離した後、保持手段321から複数の半導体膜306をコレット305で選択しているが、本発明は構成に限定されない。保持手段321またはコレット305で、複数の半導体膜306を複数まとめてもしくは1つずつボンド基板300から引き離して平坦性の高い基板上に載置した後、該複数の半導体膜306を反転させてからコレット305で選択してベース基板に貼り合わせても良い。
本実施の形態の半導体装置の作製方法では、半導体素子に用いられる半導体膜(アイランド)のレイアウトに合わせて、間隔をあけて複数の半導体膜(マザーアイランド)を貼り合わせることができるので、ベース基板全面に半導体膜を貼り合わせる場合に比べて、必要となるボンド基板の枚数を最小限に抑えることができる。また、半導体素子の有する極性に合わせて半導体膜の面方位を適宜選択することができるので、半導体素子の移動度を高めることができ、より高速駆動が可能な半導体装置を提供することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施の形態では、本発明に用いられるトランジスタの具体的な作製方法の一例について説明する。
まず図16(A)に示すように、ベース基板601上に{100}面を有する半導体膜603、{110}面を有する半導体膜604を形成する。本実施例では、ベース基板601と、半導体膜603及び半導体膜604との間に、絶縁膜602が設けられている場合を例示している。絶縁膜は複数の絶縁膜が積層されることで形成されていても良いし、単層の絶縁膜で形成されていても良い。
半導体膜603と半導体膜604には、閾値電圧を制御するために不純物が添加されていても良い。例えば、p型を付与する不純物としてボロンを添加する場合、5×1017cm−3以上1×1018cm−3以下の濃度で添加すれば良い。閾値電圧を制御するための不純物の添加は、ベース基板601上に半導体膜を貼り合わせる前に行っても良いし、貼り合わせた後に行っても良い。
また半導体膜603と半導体膜604を形成した後、ゲート絶縁膜606を形成する前に水素化処理を行っても良い。水素化処理は、例えば、水素雰囲気中において350℃、2時間程度行う。
次に図16(B)に示すように、半導体膜603と半導体膜604を覆うように、ゲート絶縁膜606を形成する。ゲート絶縁膜606は、高密度プラズマ処理を行うことにより半導体膜603と半導体膜604の表面を酸化または窒化することで形成することができる。高密度プラズマ処理は、例えばHe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスとを用いて行う。この場合プラズマの励起をマイクロ波の導入により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化または窒化することにより、1〜20nm、望ましくは5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に接するように形成される。この5〜10nmの絶縁膜をゲート絶縁膜606として用いる。
上述した高密度プラズマ処理による半導体膜の酸化または窒化は固相反応で進むため、ゲート絶縁膜606と半導体膜603及び半導体膜604との界面準位密度をきわめて低くすることができる。また高密度プラズマ処理により半導体膜を直接酸化または窒化することで、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを抑えることが出来る。また半導体膜が結晶性を有する場合、高密度プラズマ処理を用いて半導体膜の表面を固相反応で酸化させることにより、結晶粒界においてのみ酸化が速く進んでしまうのを抑え、均一性が良く、界面準位密度の低いゲート絶縁膜を形成することができる。高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜を、ゲート絶縁膜の一部または全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを抑えることができる。
或いは、半導体膜603と半導体膜604を熱酸化させることで、ゲート絶縁膜606を形成するようにしても良い。また、プラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウムまたは酸化タンタルを含む膜を、単層で、または積層させることで、ゲート絶縁膜606を形成しても良い。
次に図16(C)に示すように、ゲート絶縁膜606上に導電膜を形成した後、該導電膜を所定の形状に加工(パターニング)することで、半導体膜603と半導体膜604の上方に電極607を形成する。導電膜の形成にはCVD法、スパッタリング法等を用いることが出来る。導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。
2つの導電膜の組み合わせとして、1層目に窒化タンタルまたはタンタル(Ta)を、2層目にタングステン(W)を用いることが出来る。上記例の他に、窒化タングステンとタングステン、窒化モリブデンとモリブデン、アルミニウムとタンタル、アルミニウムとチタン等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、2層の導電膜を形成した後の工程において、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層目の導電膜の組み合わせとして、例えば、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とニッケルシリサイド、n型を付与する不純物がドーピングされたSiとWSix等も用いることが出来る。
また、本実施の形態では電極607を単層の導電膜で形成しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。電極607は積層された複数の導電膜で形成されていても良い。3つ以上の導電膜を積層する3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
なお電極607を形成する際に用いるマスクとして、レジストの代わりに酸化珪素、窒化酸化珪素等をマスクとして用いてもよい。この場合、パターニングして酸化珪素、窒化酸化珪素等のマスクを形成する工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストよりも少ないため、所望の幅を有する電極607を形成することができる。またマスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的に電極607を形成しても良い。
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
また電極607は、導電膜を形成後、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、所望のテーパー形状を有するようにエッチングすることができる。また、テーパー形状は、マスクの形状によっても角度等を制御することができる。なお、エッチング用ガスとしては、塩素、塩化硼素、塩化珪素もしくは四塩化炭素などの塩素系ガス、四弗化炭素、弗化硫黄もしくは弗化窒素などのフッ素系ガス又は酸素を適宜用いることができる。
次に図16(D)に示すように、電極607をマスクとして一導電型を付与する不純物元素を半導体膜603、半導体膜604に添加する。本実施の形態では、半導体膜603にp型を付与する不純物元素(例えばボロン)を、半導体膜604にn型を付与する不純物元素(例えばリンまたはヒ素)を添加する。なお、p型を付与する不純物元素を半導体膜603に添加する際、n型の不純物が添加される半導体膜604はマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。逆にn型を付与する不純物元素を半導体膜604に添加する際、p型の不純物が添加される半導体膜603はマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。或いは、先に半導体膜603及び半導体膜604にp型もしくはn型のいずれか一方を付与する不純物元素を添加した後、一方の半導体膜のみに選択的により高い濃度でp型もしくはn型のうちの他方を付与する不純物元素のいずれか一方を添加するようにしても良い。上記不純物の添加により、半導体膜603に不純物領域608、半導体膜604に不純物領域609が形成される。
次に、図17(A)に示すように、電極607の側面にサイドウォール610を形成する。サイドウォール610は、例えば、ゲート絶縁膜606及び電極607を覆うように新たに絶縁膜を形成し、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより、新たに形成された該絶縁膜を部分的にエッチングすることで、形成することが出来る。上記異方性エッチングにより、新たに形成された絶縁膜が部分的にエッチングされて、電極607の側面にサイドウォール610が形成される。なお上記異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜606も部分的にエッチングしても良い。サイドウォール610を形成するための絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素膜、酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成することができる。本実施の形態では、膜厚100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法によって形成する。またエッチングガスとしては、CHF3とヘリウムの混合ガスを用いることができる。なお、サイドウォール610を形成する工程は、これらに限定されるものではない。
次に図17(B)に示すように、電極607及びサイドウォール610をマスクとして、半導体膜603、半導体膜604に一導電型を付与する不純物元素を添加する。なお、半導体膜603、半導体膜604には、それぞれ先の工程で添加した不純物元素と同じ導電型の不純物元素をより高い濃度で添加する。なお、p型を付与する不純物元素を半導体膜603に添加する際、n型の不純物が添加される半導体膜604はマスク等で覆い、p型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。逆にn型を付与する不純物元素を半導体膜604に添加する際、p型の不純物が添加される半導体膜603はマスク等で覆い、n型を付与する不純物元素の添加が選択的に行われるようにする。
上記不純物元素の添加により、半導体膜603に、一対の高濃度不純物領域611と、一対の低濃度不純物領域612と、チャネル形成領域613とが形成される。また上記不純物元素の添加により、半導体膜604に、一対の高濃度不純物領域614と、一対の低濃度不純物領域615と、チャネル形成領域616とが形成される。高濃度不純物領域611、614はソース又はドレインとして機能し、低濃度不純物領域612、615はLDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する。
なお、半導体膜604上に形成されたサイドウォール610と、半導体膜603上に形成されたサイドウォール610は、キャリアが移動する方向における幅が同じになるように形成しても良いが、該幅が異なるように形成しても良い。p型トランジスタとなる半導体膜604上のサイドウォール610の幅は、n型トランジスタとなる半導体膜603上のサイドウォール610の幅よりも長くすると良い。なぜならば、p型トランジスタにおいてソース及びドレインを形成するために注入されるボロンは拡散しやすく、短チャネル効果を誘起しやすいためである。p型トランジスタにおいて、サイドウォール610の幅より長くすることで、ソース及びドレインに高濃度のボロンを添加することが可能となり、ソース及びドレインを低抵抗化することができる。
次に、ソース及びドレインをさらに低抵抗化するために、半導体膜603、半導体膜604をシリサイド化することで、シリサイド層を形成しても良い。シリサイド化は、半導体膜に金属を接触させ、加熱処理、GRTA法、LRTA法等により、半導体層中の珪素と金属とを反応させて行う。シリサイド層としては、コバルトシリサイド若しくはニッケルシリサイドを用いれば良い。半導体膜603、半導体膜604の厚さが薄い場合には、この領域の半導体膜603、半導体膜604の底部までシリサイド反応を進めても良い。シリサイド化に用いる金属の材料として、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、Ha(ハフニウム)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ネオジム(Nb)、クロム(Cr)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等を用いることができる。また、レーザ照射やランプなどの光照射によってシリサイドを形成しても良い。
上述した一連の工程により、nチャネル型トランジスタ617と、pチャネル型トランジスタ618とが形成される。なお、p型の半導体だと、多数キャリアである正孔の移動度が最も高くなる結晶の方位が{110}面であり、n型の半導体だと、多数キャリアである電子の移動度が最も高くなる結晶の方位が{100}面である。よって本発明では、半導体素子の有する極性に合わせて半導体膜の面方位を適宜選択することができるので、半導体素子の移動度を高めることができ、より高速駆動が可能な半導体装置を提供することができる。
次に図17(C)に示すように、トランジスタ617、トランジスタ618を覆うように絶縁膜619を形成する。絶縁膜619は必ずしも設ける必要はないが、絶縁膜619を形成することで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がトランジスタ617、トランジスタ618へ侵入するのを防ぐことが出来る。具体的に絶縁膜619として、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などを用いるのが望ましい。本実施の形態では、膜厚600nm程度の窒化酸化珪素膜を、絶縁膜619として用いる。この場合、上記水素化の工程は、該窒化酸化珪素膜形成後に行っても良い。
次に、トランジスタ617、トランジスタ618を覆うように、絶縁膜619上に絶縁膜620を形成する。絶縁膜620は、ポリイミド、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜620を形成しても良い。絶縁膜620は、その表面をCMP法などにより平坦化させても良い。
なお、半導体膜603と半導体膜604が、実施の形態3で示す方法でベース基板601に貼り合わされている場合、半導体膜603、半導体膜604と、ベース基板601との間に、互いに分離している絶縁膜がそれぞれ存在する。しかし、例えば上記ポリイミド、シロキサン系樹脂などを用いて塗布法で絶縁膜620を形成することで、分離して存在する上記絶縁膜間に段差が存在していても、絶縁膜620の表面の平坦性が損なわれるのを防ぐことができる。よって、絶縁膜620の表面に凹凸が生じることで、後に絶縁膜620上に形成される導電膜621、導電膜622が部分的に極端に薄くなる、または最悪の場合段切れを起すのを防ぐことができる。したがって、塗布法で絶縁膜620を形成することにより、結果的に本発明を用いて形成される半導体装置の歩留まり及び信頼性を高めることができる。
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち、少なくとも1種を有していても良い。
絶縁膜620の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
次に図18に示すように、半導体膜603と半導体膜604がそれぞれ一部露出するように絶縁膜619及び絶縁膜620にコンタクトホールを形成する。そして、該コンタクトホールを介して半導体膜603と半導体膜604に接する導電膜621、622を形成する。コンタクトホール開口時のエッチングに用いられるガスは、CHF3とHeの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
導電膜621、622は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的に導電膜621、622として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。導電膜621、622は、上記金属が用いられた膜を単層または複数積層させて形成することが出来る。
アルミニウムを主成分とする合金の例として、アルミニウムを主成分としニッケルを含むものが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素または珪素の一方または両方とを含むものも例として挙げることが出来る。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜621、622を形成する材料として最適である。特にアルミニウムシリコン(Al−Si)膜は、導電膜621、622をパターニングで形成するとき、レジストベークにおけるヒロックの発生をアルミニウム膜に比べて防止することができる。また、珪素(Si)の代わりに、アルミニウム膜に0.5%程度のCuを混入させても良い。
導電膜621、622は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデンまたはモリブデンの窒化物を用いて形成された膜である。アルミニウムシリコン(Al−Si)膜を間に挟むようにバリア膜を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生をより防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、半導体膜603と半導体膜604上に薄い酸化膜ができていたとしても、バリア膜に含まれるチタンがこの酸化膜を還元し、導電膜621、622と、半導体膜603及び半導体膜604とがそれぞれ良好なコンタクトをとることができる。またバリア膜を複数積層するようにして用いても良い。その場合、例えば、導電膜621、622を下層からTi、窒化チタン、Al−Si、Ti、窒化チタンの5層構造とすることが出来る。
なお、導電膜621はnチャネル型トランジスタ617の高濃度不純物領域611に接続されている。導電膜622はpチャネル型トランジスタ618の高濃度不純物領域614に接続されている。
図18には、nチャネル型トランジスタ617及びpチャネル型トランジスタ618の上面図が示されている。ただし図18では導電膜621、622、絶縁膜619、絶縁膜620を省略した図を示している。
また本実施の形態では、nチャネル型トランジスタ617とpチャネル型トランジスタ618が、それぞれゲートとして機能する電極607を1つずつ有する場合を例示しているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明で作製されるトランジスタは、ゲートとして機能する電極を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造を有していても良い。
また本発明で作製される半導体装置が有するトランジスタは、ゲートプレナー構造を有していても良い。
なお、SOI基板が有する半導体膜は、ほぼ単結晶に近いものが得られる。そのため、多結晶の半導体膜と比べて、配向のばらつきが小さいのでトランジスタの閾値電圧のばらつきも小さくすることができる。また、多結晶の半導体膜とは異なり結晶粒界が殆ど見られないので、結晶粒界に起因するリーク電流を抑え、半導体装置の省電力化を実現することができる。さらに、複数のボンド基板を用いることで、例えば結晶面方位が{100}の半導体膜と、結晶面方位が{110}の半導体膜とを同一のベース基板上に形成することができる。そしてレーザ結晶化により得られる多結晶の半導体膜では、ビームスポット内のエネルギー密度の分布に起因して、半導体膜の表面に突起(リッジ)が現れやすい。しかし、SOI基板が有する半導体膜は、レーザ光を照射する必要がない、或いは、貼り合わせにより生じた半導体膜内の欠陥を修復できる程度に、低いエネルギー密度で照射すれば良い。よって、SOI基板が有する半導体膜の表面の平坦性は、レーザ結晶化により得られる多結晶の半導体膜に比べて飛躍的に高いため、SOI基板が有する半導体膜上に形成されるゲート絶縁膜の膜厚を5nm乃至50nm程度まで薄くすることが可能である。よって、ゲート電圧を抑えつつも高いオン電流を得ることができる。また、レーザ結晶化により得られる多結晶の半導体膜を用いる場合、高い移動度を得るために、レーザ光の走査方向に沿ってトランジスタが有する半導体膜の配置を決める必要があったが、SOI基板が有する半導体膜ではその必要がないため、半導体装置の設計における制約が少なくなる。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。