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JP5161731B2 - 脂肪族ポリエステル樹脂ペレットおよびそれらを成形してなる成形体 - Google Patents

脂肪族ポリエステル樹脂ペレットおよびそれらを成形してなる成形体 Download PDF

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Description

本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂中にビニロン繊維を配合して、機械的強度を向上させた脂肪族ポリエステル樹脂ペレットおよびそれらを成形してなる成形体に関する。
近年、環境問題への高まりから、生分解性を有する各種の脂肪族ポリエステルが注目さ
れている。脂肪族ポリエステル樹脂の代表格であるポリ乳酸は、トウモロコシやサツマイモなど、植物由来の原料からの量産技術が確立しており、さらに他の脂肪族ポリエステルと比較して融点(Tm)が高いという特徴を持つ。そして、この様な樹脂を使用した一例として携帯電話の筐体や複写機の部品に使用されている。
一方、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル樹脂として、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリグリコール酸等があるが、いずれもポリ乳酸と比較して、耐熱性、耐衝撃性、耐久性が十分とはいえない。 また、樹脂成分としてポリ乳酸単独使いで成形体を得たとしても、汎用に用いられるポリプロプレンやポリエチレンテレフタレートに比べ耐熱性、耐衝撃性、耐久性は劣り、通常はガラス繊維やタルク等の無機強化材を配合して補強する必要があった。一方で、ガラス繊維やタルク等の無機強化材は相当量充填することで成形体の比重は高くなり、またコンポスト処理によって脂肪族ポリエステル樹脂を分解処理したり、焼却してもそれら無機強化材が残渣として残ることから環境負荷が高く問題であった。このような問題を解決する方法として、繊維状強化材として有機繊維を用いることが行われている。
特許文献1ではポリ乳酸に所定含有量の合成繊維を混合し、結晶化促進剤、柔軟性付与剤、相溶化剤を添加し溶融混練することで耐衝撃性、耐熱性を向上させる方法の開示がある。しかしながら、補強用の合成繊維は、マトリックスとなるポリ乳酸と一括混練されるため、合成繊維が折れたり、短くなったりで十分な補強強化が得られないという問題点があった。
また、特許文献2では、熱可塑性樹脂の補強繊維として多数本のビニロン繊維束を、溶融状態の熱可塑性樹脂中を通すことにより、繊維束の外周に熱可塑性樹脂が接着させ、補強効果が得る方法の開示がある。 しかしながら、溶融させた熱可塑性樹脂にビニロン繊維束を通しただけでは、ビニロン繊維束の繊維束間に溶融樹脂が十分に浸透せず、また、樹脂とビニロンとの密着強度も不十分であることから、得られる成形品の耐衝撃性が不十分であった。
特開2007―63516号公報 特開2007−162172号公報
本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂の耐熱性と耐衝撃性を改善し、尿素ホルマリン系樹脂による表面処理を有するビニロン繊維を配合することで、環境負荷が低く、しかも機械的強度に優れた脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、脂肪族ポリエ
ステル樹脂にビニロン繊維を配合した脂肪族ポリエステル樹脂ペレットにおいて、特定の
表面処理を行ったビニロン繊維を用いることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対し、ビニロン繊維10〜100質量部を配合した脂肪族ポリエステル樹脂ペレットであって、ビニロン繊維が尿素ホルマリン系樹脂で表面処理された平均繊維長1〜15mmで平均繊維径が15〜30μmのビニロン繊維フィラメントが200〜10000本の束からなることを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂ペレット。
(2)脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ3−ヒドロキシブチレートから選ばれる1種類以上の組合せからなることを特徴とする(1)の脂肪族ポリエステル樹脂ペレット。
(3)ビニロン繊維束からなるロービングを一定速度で引きながら、溶融状態にある脂肪族ポリエステル内を通過させ、ビニロン繊維束に溶融樹脂を含浸、冷却してなる(1)または(2)の脂肪族ポリエステル樹脂ペレットの製造方法。
(4)(1)または(2)の脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを成形してなる成形体。
本願によれば、脂肪族ポリエステル樹脂に、尿素ホルマリン系樹脂で表面処理された
ビニロン繊維を用いることで、耐熱性、耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂ペレットとすることができる。また、脂肪族ポリエステル樹脂とビニロン繊維を組み合わせることで、環境負荷の低減が行えるという効果が得られ、環境対応に優れ、耐熱性、耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを提供することができる。
本発明で使用される脂肪族ポリエステル樹脂としては、乳酸の単独重合体、または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等との共重合体、または乳酸と脂肪族カルボン酸及びグリコール類との共重合体、またはポリ乳酸と他のポリヒドロキシカルボン酸、ポリカプロラクトン、あるいは脂肪族ポリエステル等との混合物が挙げられる。
これら脂肪族ポリエステル樹脂の中でも、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ3−ヒドロキシブチレートは、成形性に優れ、従来の成形機による各種成形が可能であるという利点を持つ。さらに、土中に廃棄した後、自然環境中の微生物によって水と炭酸ガスに分解される。或いは、燃焼した場合でも、燃焼カロリーが紙並と低く、ポリオレフィンと比較して、燃焼時の二酸化炭素発生量などが少ないという特徴も有している。以上の様な環境負荷の低減という観点からこれらの脂肪族ポリエステル樹脂の使用が好ましく、とりわけ、ポリ乳酸は、融点が高く、耐熱性の観点から好適であり、本願発明の脂肪族ポリエステル樹脂としては、最も好ましい。また、ポリ乳酸を用いる場合は、単独重合体、共重合体のいずれでもよく、共重合体とする場合は、ポリ乳酸由来の耐熱性を損なわないために、共重合脂肪族ポリエステル樹脂中の乳酸単位は、50モル%以上であることが必要であり、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。
また、ポリ乳酸の結晶性を高めるために、アクリル酸エステル等を混練して用いることができる。その場合のポリ乳酸のへのアクリル酸エステルの配合は、ポリ乳酸100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、混練に当たっては、過酸化物、可塑剤を併用してもよい。一般的に、ポリ乳酸の結晶化速度は極めて遅く、このようにして得られるポリ乳酸の結晶化速度は約100倍に高めることができ、降温結晶化温度Tcは100〜120℃である。そのようなポリ乳酸を成形して得られる成形品は耐熱性、耐衝撃性を高めることができ、本願発明において、最も好ましく使用することができる。
本発明で補強用繊維として用いられるビニロン繊維は、尿素ホルマリン系樹脂で表面処理された平均繊維長1〜15mmのビニロン繊維である必要がある。用いるビニロン繊維の表面に尿素ホルマリン系樹脂による処理がないと、表面処理された補強用繊維を脂肪族ポリエステル樹脂に配合した際に、ビニロン繊維が脂肪族ポリエステル樹脂に十分に親和せず、必要とする衝撃強度が得られない。
用いるビニロン繊維としては、平均繊維長が1〜15mmであれば、連続繊維であるロービング糸、短くカットされたチョップドストランドの何れも用いることができるが、本願発明を実施するには、連続繊維であるロービング糸を用いる方が、残存繊維長を長く保持でき、高い耐衝撃性を得られやすいという観点で好ましく、作業適性にも優れるため最も好ましい。
配合するビニロン繊維は、射出成形時に折れて短くなるが、連続繊維であるロービング
糸を用いることで、平均繊維長が1〜15mmの脂肪族ポリエステル樹脂を含浸させたペレットとすることができる。チョップドストランドを用いる場合は、初期の繊維長が短いために、脂肪族ポリエステル樹脂との溶融混練、射出成形において短く折れ、必要とする耐熱性、耐衝撃性を得ることが難しくなる。
ロービング糸を用いる場合は、形態的には連続繊維であれば、フィラメント糸を多数に集束して形成されたビニロン繊維からなるロービング糸が好ましい。補強繊維束を構成する補強繊維の繊維径、フィラメント本数は特に限定されないが繊維径は3〜200μmであることが好ましく、より好ましくは15〜30μmであり、一方フィラメント本数は200〜10000本であることが好ましく、より好ましくは350〜2000本である。
チョップドストランドを用いる場合は、上記フィラメント糸を多数に集束して形成されたビニロン繊維からなるロービング糸を、所定長に裁断してチョップドストランドとして使用する。裁断後の長さは特に限定されないが3〜15mmであることが好ましく、より好ましくは4〜10mmである。
本発明に用いられるビニロン繊維の製法は特に限定されないが、例えば、重合度1500〜7000のPVAをジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒に溶解して調製した紡糸原液を、空気層を介してメタノール等の凝固浴に乾・湿式紡糸し、次いでメタノール等で溶媒を抽出し、乾燥した後、15倍以上に熱延伸することによって得ることができる。また、PVA水溶液にほう酸又はその塩をPVAに対して0.5〜5重量%添加したものを紡糸原液とし、これを45〜95℃のアルカリ性凝固浴に紡糸し、常法に従って、ローラ延伸、中和、 湿熱延伸、水洗の流れで処理を行なった後、 乾燥した後に、全延伸倍率が15倍以上となるように延伸することによって得ることができる。
本発明で使用する尿素ホルマリン系樹脂としては、尿素−メラミン−ホルマリン系の初期縮合物であるメラミン系のものが好ましい。尿素ホルマリン系樹脂の使用形態としては、水系エマルションとして用いることが作業性の面で好適であり、その際の不揮発性成分の濃度は、5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがさらに好ましい。
尿素ホルマリン系樹脂は、初期縮合物であると、ホルムアルデヒドの含有量が低く調整されているため、水分散液の粘度が低く整えられ、樹脂加工工程において人体への影響が低減される。それに対して同じ組成で高縮合型の尿素ホルマリン系樹脂は粘性が高く、樹脂の不揮発分が低縮合型に比べて2倍ほど大きくなるため、樹脂加工の作業性が劣る。ビニロン繊維の表面処理を行うための表面加工剤としては尿素ホルマリン系樹脂のほかに、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、PVA樹脂等の水系エマルション、水溶液の使用を想定することができるが、ビニロン繊維への含浸、特に、ビニロン繊維を多数本束ねたロービングとして取り扱う際には、ロービングの内部まで処理剤の浸透が行われることが必要であり、また、処理剤の浸透の後に、脂肪族ポリエステル樹脂を高濃度で含浸させるための親和性、密着強度の点で、尿素ホルマリン系樹脂を用いることが最も高い耐熱性、耐衝撃性を得ることができ、本願発明において、尿素ホルマリン系樹脂を用いることが必要である。
本発明において、ビニロン繊維に処理剤を付与する方法としては、スプレー法、コーティング法、ディップ法等の公知の方法を採用することができるが,尿素ホルマリン系樹脂の水分散液を混合した液にビニロン繊維を引き取りながら連続して含浸させた後、乾燥させる方法を用いることができる。
ビニロン繊維表面に尿素ホルマリン系樹脂を付与する際に適正な処理量としては、ビニロン繊維100質量部あたり、2.0〜 12質量部(固形分)であり、2.5 〜7.0 質量部(固形分)で用いることがさらに好ましい。ビニロン繊維表面に尿素ホルマリン系樹脂を付与する処理量が、2.0質量部未満であると、ビニロン繊維全体を有効に表面処理を行う事が困難になり問題である。尿素ホルマリン系樹脂を付与する処理量が12質量部を超えると、表面処理剤が過剰となり、表面処理剤の余剰分同士が固まるため、一旦巻き取ったビニロン繊維の解除が困難となり、また問題である。
具体的な方法としては、尿素ホルマリン系樹脂の水分散液に対しビニロン繊維を浸漬させた後、水分をディップなどで絞り出し、更に残った水分を130℃の条件で乾燥させて尿素ホルマリン系樹脂で表面処理されたビニロン繊維を得る事が出来る。乾燥は連続して糸を巻取る時に、熱風乾燥機の中を通過させながら行うのが望ましい。このようにビニロン繊維を尿素ホルマリン系樹脂で表面処理することにより、ビニロン繊維中の水酸基がホルマリンと架橋して水と結合し難くなり、このため耐水性が著しく向上する。
また、表面処理されたビニロン繊維と脂肪族ポリエステル樹脂の親和性が向上し、ビニロン繊維からなるロービング糸への溶融した脂肪族ポリエステル樹脂の含浸において、ビニロン繊維からなるロービング糸への溶融樹脂の浸透が高まり、得られた樹脂ペレット中のビニロン繊維の分散が向上し、それを用いて成形した成形品は、耐熱性、耐衝撃性が向上する。さらに、ビニロン繊維からなるロービング糸を尿素ホルマリン系樹脂で表面処理することで、ビニロン繊維1本1本の強度も高くなり、樹脂中においても細かく折れたり、砕けたりすることなく、形態安定性が向上する。このような表面処理されたビニロン繊維を用いることで、樹脂ペレットの長手方向に配列するため、より得られた成形品の耐衝撃性を更に高めることができる。
次に、表面処理されたビニロン繊維からなるロービング糸に対し、脂肪族ポリエステル樹脂を含浸させる方法を説明する。
本発明は、多数本のビニロン繊維ロービングを走行させた状態で、その繊維束を包囲するように溶融した脂肪族ポリエステル樹脂を押出し、その周囲に脂肪族ポリエステル樹脂を通す円筒状の通路を有している芯鞘タイプの含浸ダイスを用い、芯部にビニロンロービングを通過させ、鞘部より脂肪族ポリエステル樹脂を加圧下で前記ビニロン繊維束の外周に接触させて、繊維束内部まで含浸させる方法がより好ましい。
即ち、溶融樹脂とビニロン繊維束を接触させる前に、ビニロン繊維束を開繊させてビニロン単繊維1本、1本に溶融樹脂が接触するような状態で行なうのが望ましい。含浸ダイス内部で吐出された溶融樹脂と多数本のビニロン繊維が貼り合わせられた後に樹脂を溶融させて束ねる。その後、しごきを与えて外圧を掛ける様にして溶融樹脂が繊維束内部まで行き渡らせることにより、含浸が十分に行えるようになる。そのため、溶融樹脂が繊維束に接着して含浸ダイスから出るまでにその様なしごきを与えることが出来る構造のものを用いるのが望ましい。
脂肪族ポリエステル樹脂をビニロン繊維からなるロービングに含浸して得られる脂肪族ポリエステル樹脂のロービング含有量は、溶融脂肪族ポリエステル樹脂の吐出量が一定の時、ロービングの走行速度により調整することができる。その含有量は、脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対しビニロン繊維が10〜100質量部であり、 さらには10〜42質量部であることがさらに好ましい。ビニロン繊維の含有量が10質量部より少ないと、目的とする耐衝撃性、曲げ特性が得られない場合がある。100質量部を越えると、射出成形時の流動性が低下してしまうため、均一な成形物を得られない場合がある。
本発明においては、必要に応じて、 ポリメタクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂や着色剤や充填剤、難燃剤、可塑剤等の添加剤を配合することができる。その際、得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の特性を損なわない範囲で用いることができる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂ペレットは、多数本から構成されるビニロン繊維ロービングに溶融した脂肪族ポリエステル樹脂を含浸させ、ダイス先端のノズルから引き抜くことにより得られるため、通常、樹脂と繊維状強化材の混合において用いられる、溶融押出し混練機に樹脂と繊維を混合して供給して溶融混練を行う方法に比べて、繊維長が短くなるということがなく、繊維長の長さを保ったままの樹脂ペレットを得ることができる。つまり、ペレット中に、ビニロン繊維がペレット長と同じ長さで存在した状態で得る事が出来るため、上記した混練・成形方法に比べると繊維長が長く成形片内で保持され、優れた耐衝撃性を有する脂肪族ポリエステル樹脂ペレットおよびそれを成形してなる成形体を得ることが出来る。
もし、繊維束内部に脂肪族ポリエステル樹脂がほとんど含浸しないような含浸方法を用いて加工した場合は、溶融熱可塑性樹脂内にビニロン繊維束を通して冷却後、ペレットに裁断する際、含浸されていない多数本のビニロン繊維部分が熱可塑性樹脂と分離してしまい、樹脂分の脱落が起こりやすくなる。そのため、熱可塑性樹脂とビニロン繊維の配合比が不安定になりがちになり、裁断した樹脂ペレットを用いて射出成形を行う時、スクリューへの供給が困難になり、成形機内部への送り込みも不十分になりやすくなる。このように、繊維束内部に脂肪族ポリエステル樹脂を十分に含浸させることは、所定の耐熱性、耐衝撃性を有する脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを得るためには重要なことである。
さらに、この様に十分に含浸を行うことは、成形時に繊維の分散が促進され外観の改良に結びつくためより好ましい。
次に、脂肪族ポリエステル樹脂を含浸したビニロン繊維からなるロービングのカット方法について説明する。用いる裁断機としては、通常のペレタイザーを用いることができるが、平均繊維長1〜15mmの樹脂ペレットを得るためには、ロータリー方式あるいはスライドカット方式の裁断機を用いることが好ましい。本願発明の脂肪族ポリエステル樹脂ペレットにおいて、ビニロン繊維からなるロービング糸は、尿素ホルマリン系樹脂で表面処理されているため、脂肪族ポリエステル樹脂がビニロン繊維ロービングからなる繊維束の内部に位置する連続繊維に含浸されていることにより、脂肪族ポリエステル樹脂が剥がれ難くなる。したがって、この樹脂組成物をロータリー方式あるいはスライドカット方式の裁断機等による裁断の工程において脂肪族ポリエステル樹脂がビニロン繊維の繊維束から剥がれる等のトラブルを防止することができる。
ここで、多数本のビニロン繊維からなるロービングの外周に溶融した脂肪族ポリエステル樹脂を連続的に接着させる場合、繊維束内部まで溶融された脂肪族ポリエステル樹脂が含浸されていないと、そのストランドを冷却した後、所定の長さに裁断する時に障害が生じる。そのような脂肪族ポリエステル樹脂からなるストランドを裁断機の回転刃に通しながら裁断する場合、繊維束内部に脂肪族ポリエステル樹脂が含浸されていないため、繊維束表面は樹脂接着により形状が安定し、良好に裁断を行う事が出来るが、脂肪族ポリエステル樹脂が含浸されていない繊維束中心部は軟らかく、形状が不安定であり、裁断する時カット不良となり、整った形状の樹脂ペレットを得ることが難しくなる。また、脂肪族ポリエステル樹脂と繊維束の剛性が異なるため、切断時に回転刃の剪断力に抗して反発する挙動が両者で異なるため、樹脂と繊維が分離するという事が起こる。樹脂と繊維が分離してしまうと射出成形に樹脂組成物を投入する際、供給ホッパー内でブリッジが起こり、偏析が起きるなどの障害が生ずる恐れがある。そして、繊維含有率を一定に調整することが困難になる。
上記例示した裁断方法により得られるペレットの長さは、後に射出成形する等の方法により成形体を製造する際の、補強繊維の分散性の面から2〜15mmであることが好ましく、3〜10mmの長さであることがより好ましい。長さが15mmを超えると、射出成形時にホッパー内でペレットがブリッジを起こし、十分なペレットの送り出しが出来なくなる可能性がある。一方、ペレット長が2mm未満になると、ストランドを裁断する際、樹脂と繊維の分離が起きやすくなる。また、ストランドの断面は円形でも扁平でもどちらの形状でも構わない。ストランドの形状が円形の場合、直径が5mm以下であればさらに好ましい。一方、ストランドの形状が扁平の場合、幅が5mm以下であればよい。それ以上の大きさになると、ストランドを裁断する時、連続的送り込む事が出来なくなる。また、ストランドの直径が3mm未満になると、ストランドの形状安定性が不安定になり、折れやすくなるので、これもまた連続して裁断を行う時に効率が低下する。
得られた樹脂ペレットは、熱風乾燥機等で乾燥し、ペレット中の水分率を低くすることが溶融押出機で押出しする際や、射出成形する際の脂肪族ポリエステル樹脂の加水分解を抑制し、分子量の低下を抑制するためより好ましい。
以上の方法にて得られたペレットを射出成形、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形など通常公知の溶融成形法を用いて所望の形状に成形して成形部品とすることが出来る。このようにして得られる成形体は、従来の溶融押出混練時にチョップドストランドの状態で繊維を投入して溶融樹脂と混合する方法では達成できなかった、耐衝撃性、曲げ特性等において優れた補強性能を有するものとなる。
本発明の成形部品を例示する。自動車部品としては、ダッシュボード、インテークマニホールド、ベースプレート、スイッチ類、サンバイザー、ラジエーター、コンソールボックス、キャニスタ、フロントフェンダーなどが挙げられる。自転車部品としては、ブレーキ類、レバー類、ライトカバー、ホイールカバー、サドルカバー、スタンドなどが挙げられる。家電製品としては、リモコンの筐体、スイッチ類、携帯電話の筐体、一般産業資材としては、ハンガー、門柱の筐体、内壁のカバー、防音壁、化粧板、浴室の蓋などに使用できる。
次に実施例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお以下の実施例及び比較例において、各種物性値の測定方法は次の通りである。
1.測定方法
(1)繊維状強化材表面への処理剤の付着量
用いるロービングを長さ100 mmで切り出し、5本を調整した後、質量を測定し、その平均値をWgとした。調整したロービング糸片を130℃の温度に調整した熱風乾燥機に投入し、1昼夜乾燥した。乾燥後、ロービングをデシケーターに移し、冷却した後に質量を測定し、平均質量Wgとする。処理剤の付着量(質量%)は次式で求めた。
処理剤の付着量(質量%)=(W−W)/W ×100
(2)比重
電子比重計(京都電子工業社製)を用いて成形片の比重を測定し求めた。脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを用いた成形体の比重は、出来るだけ小さい値であることが好ましい。ポリ乳酸100質量部に強化繊維11質量部の配合を行った時、比重は1.3未満であるのが好ましい。
(3)シャルピー衝撃強度 [kJ/m]
ISO 179に準拠してノッチ付き試験片を測定した。
(4)曲げ強度 [MPa]
ISO 178に準拠して測定した。
(5)荷重たわみ温度(DTUL(0.45MPa))[℃]
ISO 75に準拠して測定した。
(6)ペレット長[mm]
溶融樹脂をビニロン繊維ロービングに含浸、冷却させた後、裁断した後に得られるペレットの長さを測定した。その測定は、定規を用いて行った。
(7)残存繊維長[μm]
成形片を所定の長さに揃え、有機溶媒を用いて溶解させた後、残渣を洗浄し、残存繊維を得た。マイクロスコープを用いて、一本一本の長さを測定し、重量平均で評価した。
2.使用材料
(1)ポリエステル樹脂
・脂肪族ポリエステル樹脂(A-1):ポリ乳酸(ユニチカ社製TE−6000)、融点168℃、Tc=107℃
・脂肪族ポリエステル樹脂(A−2):ポリ乳酸(ユニチカ社製3001D)、融点168℃、Tg=59℃
・脂肪族ポリエステル樹脂(A-3):ポリブチレンサクシネート樹脂(三菱化学社製GsPla)、融点110℃、Tg=−32℃
・脂肪族ポリエステル樹脂(A‐4):ポリカプロラクトン樹脂(ダイセル化学工業社製セルグリーン)融点60℃、Tg=−60℃
・芳香族ポリエステル樹脂(A−5):PET樹脂(ユニチカ社製G-PET)融点255℃
(2)ビニロン繊維
・ビニロン繊維ロービング(B−1):平均繊維径26μmのビニロン繊維フィラメント375本からなる束(ユニチカ社製2500T−375F−HM1)
・ビニロン繊維ロービング(B−2):平均繊維径18μmのビニロン繊維フィラメント750本からなる束(ユニチカ社製2000T−750F−HM1)
・ビニロン繊維ロービング(B−3):平均繊維径13μmのビニロン繊維フィラメント250本からなる束(ユニチカ社製720T-250F-AS)
・ガラス 繊維ロービング(B−4):平均繊維径9μmのガラス繊維フィラメント2000本からなる束(ユニチカ社製)
(3)表面加工剤
・加工剤(C−1):尿素ホルマリン樹脂系水系エマルション(DIC社製ベッカミンN13、不揮発分20質量%)、不揮発分が12.5質量%となるよう希釈して使用した。
・加工剤(C−2):ウレタン樹脂系水系エマルション(日華化学社製ネオステッカー700、不揮発分37質量%)、不揮発分が10質量%となるよう希釈して使用した。
・加工剤(C−3):エポキシ樹脂系水系エマルション(DIC社製テ゛ィックファインEN-0270、不揮発分20質量%)、不揮発分が10質量%となるよう希釈して使用した。
・加工剤(C−4):PVA樹脂(日本酢ビ・ポバール社製JL05EY)
樹脂分10%となるよう水に溶解してPVA水溶液として使用した。
(製造例)
下記に示す方法で、ビニロン繊維の樹脂加工を行った。
製造例1
加工剤(C−1)を、ビニロン繊維ロービング(B‐1)に浸漬し、繊維状強化材100質量部あたり3.2質量部となるよう加工剤を付着させた後、130℃で乾燥させながら巻き取り、表面処理繊維状強化材(D−1)を得た。得られた表面処理繊維状強化材(D-1)は、加工剤(C−1)の付着量が3.1質量%(固形分)であった。その結果を表1に示す。
製造例2
加工剤(C−2)を塗布した以外は、製造例1と同様の方法で表面処理繊維状強化材(
D−2)を得た。加工剤(C−2)の付着量は6.1質量%(固形分)であった。
製造例3
加工剤(C−3)を塗布した以外は、製造例1と同様の方法で表面処理繊維状強化材(
D−3)を得た。加工剤(C−3)の付着量が5.7質量%(固形分)であった。
製造例4
加工剤(C−4)を塗布した以外は、製造例1と同様の方法で表面処理繊維状強化材(D−4)を得た。加工剤(C−4)の付着量が4.2質量%(固形分)であった。
製造例5
ビニロン繊維ロービング(B−2)を使用した以外は製造例1と同様の方法で、表面処理繊維状強化材(D−5)を得た。加工剤(C−1)の付着量は3.8質量%(固形分)であった。
製造例6
ビニロン繊維(B−3)を用いて、製造例1と同様の方法で、表面処理繊維状強化材(D−6)を得た。加工剤(C−1)の付着量は3.5質量%(固形分)であった。
製造例7
ガラス繊維(B−4)を用いて、製造例1と同様の方法で、表面処理繊維状強化剤(D−7)を得た。加工剤(C−1)の付着量は3.0質量%(固形分)であった。
実施例1
二軸押出機(池貝製作所製:PCM−30)の先端に含浸ダイス(長田製作所製:内外径φ1.5×φ2.0)を取り付け、長繊維樹脂含浸装置を調整した。
脂肪族ポリエステル樹脂(A1)を二軸押出機の主ホッパーに供給し、220℃で溶融した。含浸ダイスに貫通させてあった表面処理繊維状強化材(D−1)に溶融した脂肪族ポリエステル樹脂(A―1)を含浸させ、(A―1)100質量部、ビニロン繊維11質量部になるように調整した後、先端ノズルから引き抜いて冷却固化した後、2個の回転するロールの間を通して引き取った。さらに回転カッターで裁断しながら、ペレット長を10mmに調整して脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを得た。
得られた脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械
社製:EC−100型)を用いてシリンダ温度190℃、金型温度100℃、射出時間30秒、冷却時間50秒で射出成形し評価用の成形品を得た。得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表2に示す。
実施例2
脂肪族ポリエステル樹脂(A―2)を二軸押出機の主ホッパーに供給し、190℃で溶融した。射出成形のシリンダ温度190℃、金型温度20℃、射出時間15秒、冷却時間30秒で行った他は、実施例1と同様にして成形品を得た。得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表2に示す。
実施例3
表面処理繊維状強化材(D−5)を用いた他は、実施例1と同様にして成形品を得た。
得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表2に示す。
実施例4
表面処理繊維状強化材(D−1)を、4mmの長さに調整し、二軸押出機(東芝機械製:TEM26SS、スクリュー径26mm)で溶融した脂肪族ポリエステル樹脂(A1)に二軸押出機のサイドフィーダーから供給し、脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを得た。得られる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の構成が、ポリ乳酸100質量部及びチョップドストランドを11質量部となるように各供給量を調整し、190℃で溶融混練した後、ストランド状に押出して冷却固化させペレット状に加工して脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを得た。得られた樹組成物を十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製:EC−100型)を用いてシリンダ温度190℃、金型温度100℃、射出時間30秒、冷却時間50秒で射出成形し評価用の成形品を得た。得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表2に示す。
実施例5
表面処理繊維状強化材(D−1)を用いて、ポリ乳酸100質量部、ビニロン繊維5.3質量部になるように含有量を調整した他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表2に示す。
実施例
表面処理繊維状強化材(D−1)を用いて、ポリ乳酸100質量部、ビニロン繊維42.9質量部になるように含有量を調整した他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表2に示す。
実施例
表面処理繊維状強化材(D−1)を用いて、ポリ乳酸100質量部、ビニロン繊維100質量部になるように含有量を調整した他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表2に示す。
実施例
脂肪族ポリエステル樹脂(A−3)を用いて、溶融温度140℃で含浸、シリンダ温度140℃で射出成形した他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表2に示す。
実施例
脂肪族ポリエステル樹脂(A−4)を用いて、溶融温度80℃で含浸、シリンダ温度80℃で射出成形した他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表2に示す。
比較例1
表面処理繊維状強化材(D−2)を用いた他は、実施例1と同様にして成形品を得た。
得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表3に示す。
比較例2
表面処理繊維状強化材(D−3)を用いた他は、実施例1と同様にして成形品を得た。
得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表3に示す。
比較例3
表面処理繊維状強化材(D−4)を用いた他は、実施例1と同様にして成形品を得た。
得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表3に示す。
比較例4
表面処理繊維状強化材(D−1)を用いて、ポリ乳酸100質量部、ビニロン繊維3.1質量部になるように含有量を調整した他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表3に示す。
比較例5
表面処理繊維状強化材(D−1)を用いて、ポリ乳酸100質量部、ビニロン繊維120質量部になるように含有量を調整した他は、実施例1と同様にしたが、樹脂の比率が少なく、繊維全体を樹脂が含浸することが出来ないため、評価用成形品を得る事が出来なかった。その結果を表3に示す。
比較例6
表面処理繊維状強化材(D−1)を用いて、ペレット長を3mmに調整して行った他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表3に示す。
比較例
表面処理繊維状強化材(D−6)を使用した他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表3に示す。
比較例
表面を加工剤(C−1)で表面加工したガラス繊維(単繊維径9μm、2000フィラメント)を用いた他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表3に示す。
比較例
芳香族ポリエステル樹脂(A−5)を二軸押出機の主ホッパーに供給し、280℃で溶融した。実施例1と同様に含浸ダイスに貫通させてあったビニロン繊維ロービング(D−1)に溶融した芳香族ポリエステル樹脂を含浸させようとしたが、含浸温度がビニロン繊維の融点である230℃を大きく上回っていたため、ロービングが容易に切れてしまい、作業を連続して行う事が困難で目的の樹脂ペレットを得る事が出来なかった。その結果を表3に示す。
比較例
ビニロン繊維ロービング(B−1)に表面処理を行なわずに実施に用いた他は、実施例1と同様にして評価用成形品を得た。その結果を表3に示す。
以上の結果から明らかなように、実施例では、尿素ホルマリン系樹脂で表面処理した表面処理繊維状強化材を一定速度で引きながら、溶融状態にある脂肪族ポリエステル内を通過させて、溶融樹脂を含浸、冷却することにより、耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを得た。ビニロン繊維ロービングの繊度は375フィラメント数、750フィラメント数の2種類を使用したが物性に対する影響は認められなかった。
また、同様の表面処理繊維状強化材を4mmの長さに調整して得たチョップドストランドを用いた場合、成形後の残存繊維長がロービングを用いた場合と比較して短くなるため、特性値は小さくなった。
また、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル樹脂として、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトンを用いた時は、ポリ乳酸を用いた時ほどの耐衝撃性、曲げ強度、耐熱性が得られなかった。
比較例1〜3において、ウレタン系あるいはエポキシ系樹脂で表面処理したビニロン繊維束からなるロービングを用いたため、脂肪族ポリエステル樹脂ペレットから得られた成形体の耐衝撃性は、尿素ホルマリン系樹脂を用いた時ほどの耐衝撃性を得る事が出来なかった。
比較例4、5では、脂肪族ポリエステル樹脂に対するビニロン繊維の比率が、過小あるいは過剰すぎると、十分な特性をもつ脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを得る事が出来なかった。
比較例6では、脂肪族ポリエステル樹脂ペレットのペレットが短くなったため、操業性が不良となり、成形片中の繊維長も短くなってしまった。
比較例では、ビニロン繊維の単繊維径が15μmを下回るため、十分な特性を持つ脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを得る事が出来なかった。
比較例では、ビニロン繊維の代わりにガラス繊維を用いた。ビニロン繊維を用いた時より大きな特性値を示したが、比重が大きくなり軽量化に不適格であり、樹脂組成物の再利用を考慮した時、ガラス繊維を用いた時は残渣として残ることが懸念される。
比較例では、芳香族ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート樹脂を使用したが、溶融温度がビニロン繊維融点を上回るため、含浸作業を行う事が出来なかった。
比較例では、表面処理を行なわなかったビニロン繊維束からなるロービングを一定速度で引きながら、溶融状態にある脂肪族ポリエステル内を通過させて、ビニロン繊維束に溶融樹脂を含浸、冷却したため、実施例1と比較して脂肪族ポリエステル樹脂ペレットの補強効果の低減が見られた。

Claims (4)

  1. 脂肪族ポリエステル樹脂100質量部に対し、ビニロン繊維10〜100質量部を配合した脂肪族ポリエステル樹脂ペレットであって、ビニロン繊維が尿素ホルマリン系樹脂で表面処理された平均繊維長1〜15mmで平均繊維径が15〜30μmのビニロン繊維フィラメントが200〜10000本の束からなることを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂ペレット。
  2. 脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ3−ヒドロキシブチレートから選ばれる1種類以上の組合せからなることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリエステル樹脂ペレット。
  3. ビニロン繊維束からなるロービングを一定速度で引きながら、溶融状態にある脂肪族ポリエステル内を通過させ、ビニロン繊維束に溶融樹脂を含浸、冷却してなる請求項1または2のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル樹脂ペレットの製造方法。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル樹脂ペレットを成形してなる
    成形体。











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