以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置を示す概略斜視図である。図1を参照して、本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置について説明する。本実施の形態における半導体レーザ装置100aは、図1に示すように、半導体レーザ素子117と、被マウント基台と、ワイヤ116aとを備えている。半導体レーザ素子117は、基板100と、基板100上に形成された活性層104と、活性層104上に形成された他の層117aと、他の層117a上に形成された電極とを含んでいる。他の層117aにおける活性層104に対向する側と反対側の表面には、リッジ部117bと、リッジ部117bを挟んでリッジ部117bと平行に延びるダミーリッジ部117cとが形成されている。リッジ部117bの頂面上に形成された電極と被マウント基台との間には空洞130が形成され、半導体レーザ素子117におけるリッジ部117bの頂面上に形成された電極は空洞130に露出している。なお、図1に示すように、半導体レーザ装置100aは、重力方向に対して基板100が上側(被マウント基台から見て他の層117aより遠い側)になるように配置された半導体レーザ素子117と被マウント基台とが固定されたジャンクション・ダウン構造である。
本実施の形態における半導体レーザ装置100aは、図1に示すように、半導体レーザ素子117と、ステム115と、サブマウント118と、ワイヤ116a,116bと、金属膜111と、リード線119a,119bとを備えている。
半導体レーザ素子117は、基板100と、n型バッファ層101と、n型クラッド層102と、n型ガイド層103と、活性層104と、p型蒸発防止層105と、p型クラッド層106と、p型コンタクト層107と、絶縁膜108と、p型電極層109と、n型電極層110とを含んでいる。
基板100は、たとえばn型GaN(窒化ガリウム)などの導電性材料からなっており、厚みは100μmである。n型バッファ層101は、基板100に接して設けられ、たとえばn型GaNからなっており、厚みは0.2μmである。n型クラッド層102は、n型バッファ層101に接して設けられ、たとえばAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)からなっており、厚みは2μmである。n型ガイド層103は、n型クラッド層102に接して設けられ、たとえばGaNからなっており、厚みは20nmである。活性層104は、n型ガイド層103に接して設けられ、たとえばInGaN(窒化インジウムガリウム)井戸層とGaNバリア層とがそれぞれ3層ずつ積層された多重量子井戸構造であり、井戸層の厚みが4nm、バリア層の厚みが8nmである。
本実施の形態における他の層117aは、p型蒸発防止層105と、p型クラッド層106と、p型コンタクト層107とを含んでいる。p型蒸発防止層105は、活性層104に接して設けられ、たとえばAlGaNからなっており、厚みは20nmである。p型クラッド層106は、p型蒸発防止層105に接して設けられ、たとえばAlGaNからなっており、厚みは0.55μmである。p型コンタクト層107は、p型クラッド層106に接して設けられ、たとえばGaNからなっており、厚みは0.1μmである。
絶縁膜108は、リッジ部117bを除く領域のp型コンタクト層107に接して設けられ、リッジ部117bのみに電流を注入する役割りを担う。絶縁膜108は、たとえばSiO2(酸化シリコン)からなっており、厚みは0.2μmである。p型電極層109は、リッジ部117bではp型コンタクト層107に接して設けられ(図1においてp型電極層109のうち、リッジ部117bの頂面上に形成された部分はp型電極層109a)、リッジ部117b以外の領域(ダミーリッジ部117c、および、ダミーリッジ部117cとリッジ部117bとの間に形成された溝)では絶縁膜108に接して設けられ、たとえばPd(パラジウム)およびAu(金)からなっており、Pdの厚みが50nm、Auの厚みが0.2μmである。n型電極層110は、基板100においてn型バッファ層101が形成された面と反対側の面に接して設けられ、たとえばHf(ハフニウム)、Pt(白金)およびAuからなっており、Hfの厚みが50nm、Ptの厚みが100nm、Auの厚みが0.2μmである。
半導体レーザ素子117は、p型コンタクト層107、およびp型クラッド層106の一部に渡って溝が形成された構造、すなわちストライプ状のリッジ部117bおよびダミーリッジ部117cのダブルチャネル構造である。なお、リッジ部117bとは、溝に挟まれた断面形状が略台形の部分である。リッジ部117bの頂面にはp型電極層109aが接して設けられ、リッジ部117bの側面には絶縁膜108が接して設けられている。また、ダミーリッジ部117cとは、リッジ部117bと溝を介して平行に延びる部分である。ダミーリッジ部117cおよびダミーリッジ部117cとリッジ部117bとの間の溝には絶縁膜108およびp型電極層109の積層体が絶縁膜108側と接して設けられている。
なお、本実施の形態では、半導体レーザ素子117として窒化物半導体レーザ素子を使用したが、特にこれに限定されず、半導体レーザ素子117として赤色半導体レーザ素子、赤外半導体レーザ素子などを用いてもよい。また、半導体レーザ素子117の各層の構成なども、上述した層に限定されない。
金属膜111は、ダミーリッジ部117cと被マウント基台との間に配置されている。本実施の形態の金属膜111は、ダミーリッジ部117c、および、他の層117aの表面においてダミーリッジ部117cとリッジ部117bとの間に形成された溝と、サブマウント118との間に、絶縁膜108およびp型電極層109を介して形成されている。金属膜111は、たとえばAuなどからなるメッキ導電層などを用いることができる。
図1に示すように、金属膜111においてリッジ部117bから突出している厚みLは、空洞130が保持されやすい観点から、0.5μm以上5μm以下が好ましい。
ワイヤ116aは、半導体レーザ素子117の基板100に電気的に接続している。本実施の形態におけるワイヤ116aは、基板100と、電極引き出し用のリード線119aとを電気的に接続している。ワイヤ116aは、たとえばAuなどを用いることができる。
ワイヤ116bは、被マウント基台に電気的に接続している。本実施の形態におけるワイヤ116bは、サブマウント118のサブマウント電極層113bと電極引き出し用のリード線119bとを電気的に接続している。ワイヤ116bは、たとえばAuなどを用いることができる。
被マウント基台は、サブマウント118と、サブマウント118と接続されているステム115とを含んでいる。
サブマウント118は、半導体レーザ素子117における他の層117aと接続されている。サブマウント118は、サブマウント材112と、サブマウント電極層113a,113bと、半田層114a,114bとを含んでいる。サブマウント材112は、たとえばSiC(炭化珪素)からなっている。サブマウント電極層113a,113bは、サブマウント材112の表面上および裏面上に形成され、たとえばTi(チタン)とPt(白金)とAuとが積層されてなる。半田層114a、114bは、サブマウント電極層113a,113bの表面上に形成され、たとえばAuSn(金錫)からなっている。半田層114bは、ダミーリッジ部117cと固定されている。
サブマウント118において半導体レーザ素子117と接続されない側の半田層114aは、ステム115と接続されている。ステム115は、たとえばCu(銅)からなっている。
次に、図1〜図7を参照して、本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置の製造方法について説明する。なお、図2は、本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置の製造方法を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態1における準備する工程を説明するための模式図である。図4は、本発明の実施の形態1における準備する工程を説明するための別の模式図である。図5は、本発明の実施の形態1におけるダミーリッジ部と被マウント基台とを固定する工程を説明するための模式図である。図6は、本発明の実施の形態1におけるダミーリッジ部と被マウント基台とを固定する工程を実施した後の状態を示す模式図である。図7は、本発明の実施の形態1における空洞を半田で埋め込む工程を説明するための模式図である。
図2および図3に示すように、まず、基板100と、基板100上に形成された活性層104と、活性層104上に形成された他の層117aと、他の層117a上に形成された電極とを含み、他の層117aにおける活性層104に対向する側と反対側の表面にはリッジ部117bとリッジ部117bを挟んでリッジ部117bと平行に延びるダミーリッジ部117cとが形成された半導体レーザ素子117を準備する工程(S10)を実施する。準備する工程(S10)では、たとえば上述した半導体レーザ素子117を準備する。
具体的には、図3に示すように、たとえばGaNなどの導電性材料からなる基板100を準備する。そして、基板100上に、GaNからなるn型バッファ層101、AlGaNからなるn型クラッド層102、GaNからなるn型ガイド層103、InGaN井戸層とGaNガイド層とが積層された多重量子構造の活性層104、AlGaNからなるp型蒸発防止層105、AlGaNからなるp型クラッド層106、およびGaNからなるp型コンタクト層107をこの順で、たとえばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法により結晶成長させることにより形成する。引き続き、たとえばp型コンタクト層107においてリッジ部117bおよびダミーリッジ部117cとなるべき領域上にマスク層を形成し、p型コンタクト層107およびp型クラッド層106の途中までエッチングにより溝を掘る。マスク層を除去すると、リッジ部117bおよびダミーリッジ部117cを形成でき、ダブルチャネル構造にできる。
その後、リッジ部117b上にマスク層を形成して、リッジ部117b以外の領域に、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により絶縁膜108を形成する。マスク層を除去した後、リッジ部117bを含みダミーリッジ部117cに至る領域まで(リッジ部117bにおけるp型コンタクト層107、溝、およびダミーリッジ部117cにおける絶縁膜108の上に)、たとえば蒸着法によりp型電極層109を形成する。
その後、基板100の裏面(基板100においてn型バッファ層101が形成された面と反対側の面)を研磨して厚みをたとえば100μmにし、裏面上にn型電極層110をたとえば蒸着法により形成する。そして、へき開により反射端面を形成し、端面に端面反射膜を形成し、最後にチップに分割して半導体レーザ素子117を作製する。
なお、準備する工程(S10)では、半導体レーザ素子117の成長条件および成長方法などは特にこれに限定されず、たとえばMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシ)法などの他の結晶成長法を採用してもよい。
次に、図2〜図4に示すように、半導体レーザ素子117における他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、リッジ部117bの頂面上に形成された電極と被マウント基台との間には空洞130が形成され、半導体レーザ素子117におけるリッジ部117bの頂面上に形成された電極を空洞130に露出させる工程を含んでいる。
本実施の形態における他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)は、ダミーリッジ部117cおよび被マウント基台におけるダミーリッジ部117cと対向する表面の少なくともいずれか一方上に金属膜111を配置する工程(S21)と、金属膜111を介して、ダミーリッジ部117cと被マウント基台とを固定する工程(S22)とを含んでいる。
具体的には、図3に示すように、サブマウント材112を準備し、その両面にTi、PtおよびAuを順に蒸着法により形成することにより、サブマウント電極層113a,113bを形成する。そして、サブマウント電極層113a,113b上に半田層114a,114bを形成する。これにより、サブマウント118を準備できる。なお、サブマウント118の半導体レーザ素子117と対向する側の半田層114bは、サブマウント材112の全面に形成されずに、端部においてサブマウント電極層113bが露出するように形成することが好ましい。
続いて、たとえば、リッジ部117b上にマスク層を形成して、図3に示すように、リッジ部117b以外の領域のp型電極層109上に電解メッキ法により金属膜111を形成する。また、たとえば、サブマウント118の半田層114bにおいてリッジ部117bに対向する領域上にマスク層を形成して、図4に示すように、リッジ部117bと対向する領域以外の領域の半田層114b上に電解メッキ法により金属膜111を形成する。その後、マスク層を除去すると、図3および図4に示すように、ダミーリッジ部117cおよび被マウント基台(本実施の形態ではサブマウント118)におけるダミーリッジ部117cと対向する表面の少なくともいずれか一方上に金属膜111を配置する工程(S21)を実施できる。
なお、金属膜111の形成方法は特に限定されず、たとえば他の蒸着法やスパッタ法などを採用できるが、比較的容易に厚い金属膜111を形成できるので、電気メッキ法により形成することが好ましい。
その後、図3および図4に示す半導体レーザ素子117およびサブマウント118を上下の方向を逆にして、図5に示すように、サブマウント118の半田層114bと半導体レーザ素子117における他の層117aの表面(リッジ部117bが形成された面およびダミーリッジ部117cが形成された面)とが対向するように、サブマウント118上に半導体レーザ素子117を載せる。
また、図5に示すように、ステム115を準備する。そして、サブマウント118の半田層114aとステム115とが対向するように、ステム115上にサブマウント118を載せる。すなわち、ステム115上にサブマウント118を載せ、その上に半導体レーザ素子117をリッジ部117b側を下向きにして載せる。
図5に示す半導体レーザ素子117をサブマウント118を介してステム115にマウントした状態(ジャンクション・ダウンでマウントされた状態)では、金属膜111がリッジ部117bの頂面上に形成されたp型電極層109aと対向する位置に配置されていないので、半導体レーザ素子117のリッジ部117bの頂面上に形成されたp型電極層109aと被マウント基台(本実施の形態ではサブマウント118)との間には空洞が形成される。
そして、この状態で、半田層114a,114bが融解する温度以上(本実施の形態ではたとえば310℃)に上昇させると、図6に示すように、半田層114a,114bが融解して、ステム115、サブマウント118および半導体レーザ素子117が一体化される。これにより、金属膜111を介して、ダミーリッジ部117cと被マウント基台(本実施の形態ではサブマウント118)とを固定する工程(S22)を実施できる。
半導体レーザ素子117における他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)では、半導体レーザ素子117と被マウント基台との間の領域であって、リッジ部117bを除いた領域に、金属膜111が突出するように形成されているため、リッジ部117bとサブマウント118の間には空洞130が形成される。なお、固定する工程(S22)で温度を上げると、半田層114a,114bは溶けて空洞130に流れ込むが、リッジ部117bの頂面上に形成されたp型電極層109aは空洞130に露出する。空洞130が保持されやすい観点から、金属膜111を配置する工程(S21)では、金属膜111においてリッジ部117bから突出している厚みL(図1参照)を0.5μm以上5μm以下になるように金属膜111を形成することが好ましい。
次に、図1および図2に示すように、半導体レーザ素子117の基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)を実施する。この工程(S30)では、たとえばキャピラリーを用いたボールボンディングを行なう。
具体的には、半導体レーザ素子117のn型電極層110から電極引き出し用のリード線119aにワイヤ116aをボンディングする。また、サブマウント電極層113bからp型電極引き出し用のリード線119bにワイヤ116bをボンディングする。ワイヤボンディング時には、キャピラリーにより基板100を介して半導体レーザ素子117を押さえつけ、超音波によりボンディングする。この際、リッジ部117bの頂面上に形成されたp型電極層109aとサブマウント118との間には空洞130が形成されているので、空洞130がクッションとなり、リッジ部117bへ加えられる衝撃が抑制される。そのため、半導体レーザ素子117へのダメージが低減されるので、半導体レーザ装置100aの動作電圧の上昇を抑制でき、効率の劣化が無く、信頼性を向上でき、出力を向上できる。
なお、基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)でボンディングする方法は、ボールボンディングに特に限定されず、一般公知の方法を採用できる。他の方法であっても、熱と荷重とが基板100上から加えられるが、空洞130により半導体レーザ装置100aの動作電圧の上昇を抑制できる。
以上の工程(S10〜S30)を実施することにより、本実施の形態における図1に示す半導体レーザ装置100aが得られる。なお、半導体レーザ素子117の基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)後に、空洞130を半田140で埋め込む工程(S40)をさらに実施してもよい。半田140は、熱伝導率が高い材料からなることが好ましい。工程(S40)を実施すると、図7に示すように、半田140により、半導体レーザ装置100aの放熱効果を向上できる。
以上説明したように、本発明の実施の形態1における半導体レーザ装置100aによれば、リッジ部117bの頂面上に形成されたp型電極層109aとサブマウント118との間には空洞130が形成され、半導体レーザ素子117においてリッジ部117bの頂面上に形成されたp型電極層109aが形成された面を空洞130に露出している。そのため、基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)時にリッジ部117bに与えられる衝撃を低減できるので、半導体レーザ素子117へのダメージが低減される。よって、半導体レーザ装置100aの動作電圧の上昇を抑制でき、効率の劣化が無く、信頼性が向上するので、高出力の半導体レーザ装置100aが得られる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における半導体レーザ装置を示す断面図である。図8を参照して、本発明の実施の形態2における半導体レーザ装置を説明する。図8に示すように、実施の形態2における半導体レーザ装置100bは、基本的には図1に示す実施の形態1における半導体レーザ装置100aと同様の構成を備えているが、半田層114bおよび金属膜111の代わりに、ダミーリッジ部117cと被マウント基台との間に配置される半田層114cを備えている点においてのみ異なる。
具体的には、被マウント基台はステム115とサブマウント118とを含んでいる。サブマウント118は、半田層114cを介してダミーリッジ部117cと固定されている。半田層114cは、たとえばAuSnなどを用いることができる。
次に、図8〜図12を参照して、本発明の実施の形態2における半導体レーザ装置の製造方法を説明する。なお、図9は、本発明の実施の形態2における半導体レーザ装置の製造方法を示すフローチャートである。図10は、本発明の実施の形態2における準備する工程を説明するための模式図である。図11は、本発明の実施の形態2におけるダミーリッジ部と被マウント基台とを固定する工程を説明するための模式図である。図12は、本発明の実施の形態2におけるダミーリッジ部と被マウント基台とを固定する工程を実施した後の状態を示す模式図である。
図9および図10に示すように、まず、基板100と、基板100上に形成された活性層104と、活性層104上に形成された他の層117aと、他の層117a上に形成された電極とを含み、他の層117aにおける活性層104に対向する側と反対側の表面にはリッジ部117bとリッジ部117bを挟んでリッジ部117bと平行に延びるダミーリッジ部117cとが形成された半導体レーザ素子117を準備する工程(S10)を実施する。この工程(S10)は、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
次に、図9および図10に示すように、半導体レーザ素子117における他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)を実施する。この工程(S20)は、被マウント基台においてダミーリッジ部117cと対向する表面に半田(半田層114c)を配置する工程(S23)と、半田層114cを介して、ダミーリッジ部117cと被マウント基台とを固定する工程(S24)とを含んでいる。
具体的には、図10に示すように、サブマウント118を準備する。準備されるサブマウント118は、実施の形態1と基本的には同様であるが、半田層114bを形成しない点においてのみ異なる。
続いて、たとえば、サブマウント118のサブマウント電極層113bにおいてリッジ部117bと対向する領域にマスク層を形成する。そして、マスク層が形成されていない領域に半田層114cを、たとえば蒸着法により形成する。そして、マスク層を除去すると、図10に示すように、半導体レーザ素子117のリッジ部117bを挟むように分割されたストライプ状の半田層114cが形成される。これにより、被マウント基台(本実施の形態ではサブマウント118)においてダミーリッジ部117cと対向する表面に半田(半田層114c)を配置する工程(S23)を実施できる。
その後、図11に示すように、サブマウント118の半田層114aとステム115とが対向するように、ステム115上にサブマウント118を載せる。また、半導体レーザ素子117の上下方向を逆にして、サブマウント118の半田層114cと半導体レーザ素子117のダミーリッジ部117cとが対向するように、サブマウント118上に半導体レーザ素子117を載せる。図11に示すジャンクション・ダウンでマウントされた状態では、サブマウント118の半田層114cがリッジ部117bと対向する位置に配置されていないので、半導体レーザ素子117のリッジ部117bと接して設けられているp型電極層109aとサブマウント118との間には空洞が形成される。
そして、半田層114cが融解する温度以上(本実施の形態では310℃)に上昇させると、図12に示すように、半田層114cが融解して、ステム115、サブマウント118および半導体レーザ素子117が一体化される。これにより半田層114cを介して、ダミーリッジ部117cと被マウント基台(本実施の形態ではサブマウント118)とを固定する工程(S22)を実施できる。
次に、図8および図9に示すように、半導体レーザ素子117の基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)を実施する。この工程(S30)は、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
以上の工程(S10〜S30)を実施することにより、図8に示す本実施の形態における半導体レーザ装置100bを製造することができる。また、実施の形態1と同様に、半導体レーザ素子117の基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)後に、空洞130を半田140で埋め込む工程(S40)をさらに実施してもよい。
次に、図13を参照して本発明の実施の形態2における半導体レーザ装置の変形例の製造方法について説明する。なお、図13は、本発明の実施の形態2の変形例における準備する工程を説明するための模式図である。
変形例における半導体レーザ装置の製造方法は、基本的には実施の形態2における半導体レーザ装置の製造方法と同様の構成を備えているが、半導体レーザ素子117における他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)においてのみ異なる。
具体的には、半導体レーザ素子117における他の層117aと被マウント基台(本変形例ではサブマウント118)とを固定する工程(S20)は、図13に示すように、ダミーリッジ部117cに接するように半田層114eを配置する工程と、半田層114eを介して、ダミーリッジ部117cと被マウント基台とを固定する工程とを含んでいる。なお、半田層114eは、上述した半田層114cと同じ材料を用いることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2における半導体レーザ装置100bによれば、ダミーリッジ部117cと被マウント基台との間に配置される半田層114c,114eをさらに備えている。これにより、他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)において、半田層114c,114eによりリッジ部117bの頂面上に形成されたp型電極層109aとサブマウント118との間に空洞130を容易に設けることができる。
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3における半導体レーザ装置を示す断面図である。図14を参照して、本発明の実施の形態3における半導体レーザ装置を説明する。図14に示すように、実施の形態3における半導体レーザ装置100cは、基本的には実施の形態1における半導体レーザ装置100aと同様の構成を備えているが、金属膜111の代わりにダミーリッジ部117cと被マウント基台との間に配置される融点の異なる2種以上の半田(第1半田層121bおよび第2半田層120)を備えている点においてのみ異なる。
具体的には、図14に示すように、ダミーリッジ部117cと接するように設けられた絶縁膜108およびp型電極層109の積層体におけるp型電極層109に接するように、第2半田層120が形成されている。すなわち、第2半田層120は、リッジ部117bを挟んで形成されたダミーリッジ部117c上のp型電極層109に接するように設けられている。また、第1半田層121bは、第2半田層120と接するとともに、サブマウント118におけるサブマウント電極層113bと接するように形成されている。また、第1半田層121aは、サブマウント118においてサブマウント電極層113a上に形成されている。
半導体レーザ素子117と対向する側の面に形成された第1半田層121bの融点は、第2半田層120の融点よりも低い。そのため、半導体レーザ装置100cにおいて、第1半田層121bは溶解および硬化されてなるので、形状が変形している。一方、第2半田層120は溶解および硬化されていない。
第1半田層121bは、第2半田層120の融点よりも低い材料からなっていれば特に限定されないが、たとえばSnAgCu(錫、銀および銅の合金)を用いることができる。また、第2半田層120は、たとえばAuSnを用いることができる。また、ステム115と対向する側の面に形成された第1半田層121aは、半導体レーザ素子117と対向する側の面に形成された第1半田層121bと同じ材料からなっていてもよいし、異なる材料からなっていてもよい。
次に、図14〜図18を参照して、本発明の実施の形態3における半導体レーザ装置の製造方法について説明する。なお、図15は、本発明の実施の形態3における半導体レーザ装置の製造方法を示すフローチャートである。図16は、本発明の実施の形態3における準備する工程を説明するための模式図である。図17は、本発明の実施の形態3におけるダミーリッジ部と被マウント基台とを固定する工程を説明するための模式図である。図18は、本発明の実施の形態3における空洞を埋め込む工程を説明するための模式図である。
図15および図16に示すように、基板100と、基板100上に形成された活性層104と、活性層104上に形成された他の層117aと、他の層117a上に形成された電極とを含み、他の層117aにおける活性層104に対向する側と反対側の表面にはリッジ部117bとリッジ部117bを挟んでリッジ部117bと平行に延びるダミーリッジ部117cとが形成された半導体レーザ素子117を準備する工程(S10)を実施する。この工程(S10)は、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
次に、図15〜図17に示すように、半導体レーザ素子117における他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)を実施する。この工程(S20)は、ダミーリッジ部117cおよび被マウント基台の少なくともいずれか一方上に、融点の異なる2種以上の半田(本実施の形態では第1半田層121bおよび第2半田層120)を配置する工程(S25)と、半田のうち相対的に低い融点の半田(本実施の形態では第1半田層121b)が溶ける一方、相対的に高い融点の半田(本実施の形態では第2半田層120)が溶けない温度に加熱することにより、相対的に低い融点の半田を介して、ダミーリッジ部117cと被マウント基台とを固定する工程(S24)とを含んでいる。
具体的には、図16に示すように、サブマウント118を準備する。準備されるサブマウント118は、実施の形態1と基本的には同様であるが、半田層114a,114bの代わりに、第2半田層120よりも融点の低い第1半田層121a,121bを形成する点においてのみ異なる。
続いて、図16に示すように、半導体レーザ素子117においてリッジ部117bを挟んだダミーリッジ部117c上に第2半田層120を形成する。これにより、図16に示すように、ダミーリッジ部117c上に相対的に融点が高い第2半田層120を、サブマウント118において半導体レーザ素子117と対向する側に相対的に融点が低い第1半田層121bを配置することができる。
その後、図17に示すように、サブマウント118の第1半田層114bとステム115とが対向するように、ステム115上にサブマウント118を載せる。また、サブマウント118の第1半田層121bと半導体レーザ素子117のダミーリッジ部117cとが対向するように、半導体レーザ素子117の上下方向を反対にしてサブマウント118上に半導体レーザ素子117を載せる。
そして、図17に示すジャンクション・ダウンでマウントされた状態で、第1半田層121bの融点以上第2半田層120の融点未満の温度(本実施の形態ではたとえば270℃)になるように加熱する。これにより、第1半田層121bのみが溶解し、第2半田層120は溶解しない。そのため、第1半田層121bおよび第2半田層120を介して、ダミーリッジ部117cとサブマウント118とを固定することができる。この際、第2半田層120がリッジ部117bと接して設けられていないので、半導体レーザ素子117のリッジ部117bとサブマウント118との間には空洞が形成される。
また、第1半田層121a,121bが同じ材料である場合には、ステム115、サブマウント118、および半導体レーザ素子117を同時に一体化できる。そのため、工程を減らすことができるので、第1半田層121a,121bが同じ材料であることが好ましい。
次に、図14および図15に示すように、半導体レーザ素子117の基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)を実施する。この工程(S30)は実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
以上の工程(S10〜S30)を実施することによって、図14に示す半導体レーザ装置100cが得られる。
なお、放熱効果を向上するため、図15および図18に示すように、半田(本実施の形態では第1半田層121bおよび第2半田層120)のうち相対的に高い融点の半田(本実施の形態では第2半田層120)が溶ける温度に加熱することにより、相対的に高い融点の半田を介して空洞130を埋め込む工程(S40)をさらに実施することが好ましい。
具体的には、第2半田層120が溶解する温度(本実施の形態ではたとえば310℃)まで再度昇温して、第2半田層120を溶解させる。その結果、空洞130を第2半田層120が埋め込む。この工程(S40)を実施することによって、図18に示す半導体レーザ装置100dが得られる。
次に、図15および図19を参照して、本発明の実施の形態3における半導体レーザ装置の変形例1の製造方法について説明する。なお、図19は、本発明の実施の形態3の変形例1における準備する工程を説明するための模式図である。
図15および図19に示すように、変形例1における準備する工程(S10)は、基本的には実施の形態3における準備する工程(S10)と同様であるが、第2半田層120を、サブマウント118においてダミーリッジ部117cと対向する位置に、第1半田層121bと接するように設けられている点においてのみ異なる。
次に、図15および図20を参照して、本発明の実施の形態3における半導体レーザ装置の変形例2の製造方法について説明する。なお、図20は、本発明の実施の形態3の変形例2における準備する工程を説明するための模式図である。
図15および図20に示すように、変形例2における準備する工程(S10)は、基本的には実施の形態3と同様であるが、第1半田層121bを、半導体レーザ素子117においてダミーリッジ部117c上に第2半田層120と接するように設けられている点においてのみ異なる。
なお、上述した図16〜図20の構造に特に限定されず、融点の異なる2種以上の半田を配置する工程(S25)では、第1半田層121bを第2半田層120の融点よりも高い材料からなる別の構造としてもよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態3における半導体レーザ装置100c,100dによれば、ダミーリッジ部117cとサブマウント118との間に配置される融点の異なる2種以上の半田である第1半田層121bおよび第2半田層120をさらに備えている。相対的に高い融点の第2半田層120により、リッジ部117bとサブマウント118との間に空洞130を容易に設けることができる。
また、基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)後に相対的に高い融点の第1半田層120を溶解することにより、基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)時には空洞130により半導体レーザ素子117に加えられる衝撃を低減するとともに、半導体レーザ装置100dの使用時には相対的に高い融点の第1半田層121bにより放熱性を向上できる。
(実施の形態4)
図21は、本発明の実施の形態4における半導体レーザ装置を示す断面図である。図21を参照して、本発明の実施の形態4における半導体レーザ装置を説明する。図21に示すように、実施の形態4における半導体レーザ装置100eは、基本的には実施の形態3と同様の構成を備えているが、サブマウント118を備えていない点において異なる。
具体的には、半導体レーザ装置100eにおいて、半導体レーザ素子117は、ステム115に第1半田層123を介して接続されている。すなわち、半導体レーザ素子117は、サブマウントを用いず、直接ステム115にジャンクション・ダウンによりマウントされている。第1半田層123は、たとえばSnAgCuなどを用いることができる。
次に、図21〜図24を参照して、本発明の実施の形態4における半導体レーザ装置の製造方法について説明する。なお、図22は、本発明の実施の形態4における準備する工程を説明するための模式図である。図23は、本発明の実施の形態4におけるダミーリッジ部と被マウント基台とを固定する工程を説明するための模式図である。図24は、本発明の実施の形態4における空洞を埋め込む工程を説明するための模式図である。
具体的には、図15および図21に示すように、まず、基板100と、基板100上に形成された活性層104と、活性層104上に形成された他の層117aと、他の層117a上に形成された電極を含み、他の層117aにおける活性層104に対向する側と反対側の表面にはリッジ部117bとリッジ部117bを挟んでリッジ部117bと平行に延びるダミーリッジ部117cとが形成された半導体レーザ素子117を準備する工程(S10)を実施する。この工程(S10)は、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
次に、図15および図22に示すように、半導体レーザ素子117における他の層117aと被マウント基台とを固定する工程(S20)を実施する。この工程(S20)は、基本的には実施の形態3と同様である。
具体的には、図22に示すように、半導体レーザ素子117のダミーリッジ部117c上に第2半田層120を形成する。続いて、図23に示すように、被マウント基台としてステム115を準備する。そして、ステム115において半導体レーザ素子117と対向する側の面に接するように、第1半田層123を形成する。そして、半導体レーザ素子117を上下方向を反対にして、ステム115と半導体レーザ素子117のダミーリッジ部117cが形成された側とが対向するように、ステム115上に半導体レーザ素子117を載せる。このジャンクション・ダウンでマウントされた状態で、第1半田層123が溶解する温度(本実施の形態では270℃)に上昇し、第1半田層123のみ融解させる。これにより、ステム115上に第1半田層123および第2半田層120を介して半導体レーザ素子117を固定できる。
次に、半導体レーザ素子117の基板100とワイヤ116aとを電気的に接続する工程(S30)を実施する。この工程(S30)は実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。以上の工程(S10〜S30)を実施することによって図21に示す半導体レーザ装置100eを製造できる。
次に、半田(本実施の形態では第1半田層123および第2半田層120)のうち相対的に高い融点の半田(本実施の形態では第2半田層120)が溶ける温度に加熱することにより、相対的に高い融点の半田を介して空洞130を埋め込む工程(S40)を実施する。この工程(S40)は実施の形態3と同様であるので、その説明は繰り返さない。
以上の工程(S10〜S40)を実施することにより、図24に示す半導体レーザ装置100fを製造できる。
以上説明したように、本発明の実施の形態4における半導体レーザ装置100fによれば、被マウント基台はステム115からなる。これにより、半導体レーザ装置100fの構成部材を低減できるので、製造コストを低減できる。
(本発明例1)
本発明例1の半導体レーザ装置は、実施の形態1における半導体レーザ装置の製造方法に従って製造した。具体的には、準備する工程(S10)では、n型GaNからなっており、厚みが100μmである基板100と、n型GaNからなっており、厚みが0.2μmであるn型バッファ層101と、AlGaNからなっており、厚みが2.0μmであるn型クラッド層102と、GaNからなっており、厚みが20nmであるn型ガイド層103と、InGaN井戸層とGaNバリア層とがそれぞれ3層ずつ積層された多重量子井戸構造であり、井戸層の厚みが4nmでバリア層の厚みが8nmの活性層104と、AlGaNからなっており、厚みが20nmであるp型蒸発防止層105と、AlGaNからなっており、厚みが0.55μmであるp型クラッド層106と、GaNからなっており、厚みが0.1μmであるp型コンタクト層107と、SiO2からなっており、厚みが0.2μmである絶縁膜108と、PdおよびAuからなっており、Pdの厚みが50nmでAuの厚みが0.2μmであるp型電極層109と、Auからなっており、Hfの厚みが50nm、Ptの厚みが0.1μm、Auの厚みが0.2μmであるn型電極層110とを含む半導体レーザ素子を準備した。
次に、金属膜111は、厚み(図1における厚みL)が0.5μmであり、Auからなっているメッキ層を半導体レーザ素子117のダミーリッジ部117c上に形成されたp型電極層109上に形成した。
次に、サブマウント118として、SiCからなっており、厚みが300μmであるサブマウント材112と、TiとPtとAuとが積層されており、Tiの厚みが0.1μm、Ptの厚みが0.2μm、Auの厚みが0.2μmであるサブマウント電極層113a,113bと、AuSnからなっており、厚みがそれぞれ5μmおよび3μmである半田層114a,114bを準備した。次に、Cuからなっており、厚みが1mmであるステムを準備した。
次に、ステム115上にサブマウント118を配置し、サブマウント118上に半導体レーザ素子117を配置して、温度を310℃として半田層114a,114bを融解および硬化させることにより、半田層114a,114bを介して一体化した。これにより、半導体レーザ素子117における他の層と被マウント基台とを固定した。
次に、半導体レーザ素子117の基板100上にキャピラリーを落としてワイヤボンディングを行ない、半導体レーザ素子117の基板100と、Auからなるワイヤ116a,116bとを電気的に接続した。
以上の工程を実施することによって、本発明例1における半導体レーザ装置100aを製造した。本発明例1の半導体レーザ装置は、リッジ部117bの頂面上に形成された電極と被マウント基台との間には空洞130が形成され、半導体レーザ素子117におけるリッジ部117bの頂面上に形成された電極は空洞130に露出していた。
(本発明例2)
本発明例2の半導体レーザ装置は、基本的に本発明例1と同様に製造したが、金属膜111の厚みを5μm、とした点においてのみ異なる。
(本発明例3)
本発明例3の半導体レーザ装置は、基本的に本発明例1と同様に製造したが、金属膜111の厚みを3μmとした点においてのみ異なる。
(本発明例4)
本発明例4の半導体レーザ装置は、基本的に本発明例1と同様に製造したが、金属膜111の厚みを0.2μmとした点においてのみ異なる。
(本発明例5)
本発明例5の半導体レーザ装置は、基本的に本発明例1と同様に製造したが、金属膜111の厚みを10μmとした点においてのみ異なる。
(比較例1)
比較例1における半導体レーザ装置は、基本的には本発明例1と同様に製造したが、半導体レーザ素子117の基板100とサブマウント118とを固定(ジャンクション・アップでマウント)した点、および、リッジ部117b上に形成されたp型電極層109aにキャピラリーを落としてワイヤボンディングを行ない、半導体レーザ素子とワイヤとを電気的に接続した点においてのみ異なる。
(比較例2)
比較例2における半導体レーザ装置は基本的には比較例1と同様であるが、ダミーリッジ部上のp型電極にキャピラリーを落としてワイヤボンディングをした点においてのみ異なる。
(比較例3)
比較例3における半導体レーザ装置は基本的には比較例1と同様であるが、ジャンクション・ダウンで半導体レーザ素子とサブマウントとを空洞を設けずに固定し、基板上にキャピラリーを落としてワイヤボンディングした点においてのみ異なる。
(測定方法)
本発明例1〜5および比較例1〜3における半導体レーザ装置について、動作電圧Vopを半導体レーザ装置に電流を注入し、光出力が100mWになったときの電圧値を測定した。
(測定結果)
リッジ部上にキャピラリーを落としてワイヤボンドした比較例1の半導体レーザ装置は、リッジ部に当たらないようにキャピラリーを落としてワイヤボンドした比較例2の半導体レーザ装置よりも動作電圧Vopが上昇したことがわかった。これは、ワイヤボンド時にキャピラリーをリッジ部上に降ろしたときの衝撃、およびボンディングする際の超音波による衝撃により、リッジ部に強い応力がかかり、動作電圧Vopが上昇したと本発明者は考えた。
また、半導体レーザ素子とサブマウントとの間に空洞を設けないジャンクション・ダウンでキャピラリーを落としてワイヤボンドした比較例3の半導体レーザ装置は、ジャンクション・アップでリッジ上にキャピラリーを落としてワイヤボンドした比較例1と同様に、ジャンクション・アップでリッジに当たらないようにキャピラリーを落としてワイヤボンドした比較例2と比べて、動作電圧Vopが上昇したことがわかった。これは、ジャンクション・ダウンにより、リッジ部がサブマウントに押さえつけられている状態でワイヤボンドすることになるため、リッジ部に応力がかかり動作電圧Vopが上昇したと本発明者は考えた。
以上より、本発明者は、従来のダブルチャネル型とした半導体レーザ素子をジャンクション・ダウンでマウントすると、ジャンクション・アップでマウントした場合に比べて動作電圧が上昇し、信頼性も低下することを見出した。また、ジャンクション・ダウンでマウントされた半導体レーザ装置の動作電圧の上昇は、半導体レーザ素子がワイヤボンドされる際に衝撃が加えられることにより、半導体レーザ素子へダメージが加えられることに起因することを本発明者は見出した。
一方、本発明例1〜5の半導体レーザ装置は、通常のジャンクション・アップによるマウントした比較例2の半導体レーザ装置と比べて、動作電圧Vopの上昇は見られなかった。そのため、本発明例1〜5の半導体レーザ装置は、ジャンクション・ダウンによりマウントされたので、ジャンクション・アップによりマウントした半導体レーザ装置と比べて、高出力動作でも信頼性の高い半導体レーザ装置が得られたことを確認できた。
本発明例1〜5の半導体レーザ装置の動作電圧は、比較例2と同程度であった。特に、金属膜の厚みが0.5μm以上5μm以下の本発明例1および2は、空洞が十分に、かつ大きすぎずに設けられたので、動作電圧を低減でき、かつ放熱効果が良好であった。以上より、金属膜111の厚みが0.5μm以上5μm以下のときに、動作電圧Vopと信頼性とが両立できたことを確認した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100a,100b,100c,100d,100e,100f 半導体レーザ装置、100 基板、101 n型バッファ層、102 n型クラッド層、103 n型ガイド層、104 活性層、105 p型蒸発防止層、106 p型クラッド層、107 p型コンタクト層、108 絶縁膜、109,109a p型電極層、110 n型電極層、111 金属膜、112 サブマウント材、113a,113b サブマウント電極層、114a,114b,114c,114e 半田層、115 ステム、116a,116b ワイヤ、117 半導体レーザ素子、117a 他の層、117b リッジ部、117c ダミーリッジ部、118 サブマウント、119a,119b リード線、120 第2半田層、121a,121b,123 第1半田層、130 空洞、140 半田。