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JP4749201B2 - 半導体発光素子封止用組成物 - Google Patents

半導体発光素子封止用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、透明性、分散性、耐光性、耐候性等に優れた高屈折率の無機酸化物超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液、該超微粒子を高濃度に透明樹脂等の有機物質中に分散させてなる半導体発光素子封止用組成物、および該組成物を含んでなる光学部材に関する。
一般的にディスプレイ、バックライト、表示板等に使用されている発光ダイオード(LED)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の半導体発光素子を封止する組成物としてビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の透明な樹脂が用いられている。これによって、空気中に直接取り出す場合に比べて、発光素子からの光取り出し効率を約2倍にすることができる。
発光ダイオード(LED)を形成させる場合は、まず、発光素子を電気的に接続し、その後所望に応じて発光素子などを該透明樹脂によりモールドさせる。そして電極間に電力を供給させると発光素子の発光面などから光を取り出すことができる。
近年、青色LEDの実用化に伴い、フルカラーLED表示装置、光ディスクなどが開発されている。また、高効率の白色LEDが得られるようになり、電球、蛍光灯に比べて低電力で高感度を実現できるとして、次世代照明用光源としても期待されている。このような用途拡大に伴い、さらに高輝度の発光ダイオード(LED)が望まれている。
一般に発光ダイオード(LED)を構成している発光素子の屈折率は非常に高く、発生した光は、発光素子と封止材との界面において、臨界角を超える光は、界面での全反射によって、封止材内に進入することができず、内部において吸収され消滅する。一般的に用いられている透明樹脂の屈折率は低いため、臨界角も小さくなり全反射が起こりやすく、結果として光の取り出し効率が低いという問題があった。例えばエポキシ樹脂では屈折率が1.5程度であり、空気に比べて向上はするものの、熱変換される光の割合は依然大きい。そのため、より屈折率の高い物質で発光素子をつつむことが出来れば全反射の起こる角度を大きくでき、その分外部での光束取り出し効率が向上する。
また、樹脂に無機充填剤を含有させることにより熱膨張係数を下げ、発光素子の耐冷熱サイクル特性等を向上させるといった手法をとる場合がある。
しかしながら、上記目的で添加した無機酸化物微粒子(シリカ粒子等)は、樹脂(エポキシ樹脂等)との親和性が低く、樹脂中で容易に大きな凝集体となりやすく、この凝集体と樹脂との界面で光が乱反射し、光透過性が著しく低下するという問題があった。
一方、透明光学用樹脂の開発がガラスに代わる素材として盛んに行われている。アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂に代表される非晶性熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の硬化性樹脂は、可視領域波長における良好な透明性を有し、可撓性、強靱性、耐衝撃性等の優れた特徴を有する汎用透明樹脂材料である。このような透明樹脂材料に高い屈折率を付与することによって、半導体用封止材料だけでなく、光学レンズ(メガネレンズ、フレネルレンズ、CD、DVDなどの情報記録機器におけるピックアップレンズ、デジタルカメラなどの撮影機器用レンズ等)、光学プリズム、光導波路、光ファイバー、薄膜成形物、光学用接着剤、回折格子、導光板、液晶基板、光反射板、反射防止材等の高屈折光学部材の材料等への展開が期待されている。しかしながら、有機樹脂の屈折率は使用される元素、分子構造により決まるため、ハロゲン元素あるいは硫黄元素の導入によっても高くなるが、通常1.4〜1.7程度の範囲が限度である。
このような樹脂の高屈折率化を目的として、Zr、Sn、Sb、Mo、In、Zn、Ti等の結晶構造を有する屈折率の高い透明性無機酸化物微粒子あるいはそれらの複合酸化物を、分散状態を保ったまま樹脂中に導入して、無色透明な高屈折率樹脂を形成する技術が提案されている。このような用途に用いるためには高分散性や透明性が要求されるため、無機酸化物は超微粒子であることが望ましい。
しかしながら、上記の技術では、強度などを保持できるマトリックス量を用いながら高い屈折率の樹脂を設計することは、未だ不十分であった。屈折率を上げようと微粒子の含有量が多すぎると樹脂が脆弱となってしまうからである。また、無機酸化物を粉砕してなる微粒子などでは透明性を得るに十分な分散性を有しておらず、樹脂が白濁化する傾向があった。
そこで酸化チタン超微粒子および/またはそのゾル液を用いる方法が提案されている。酸化チタンは特に屈折率が高く、かつ透明性も高いため、他微粒子に比べて少ない量で樹脂の高屈折率化が可能である。酸化チタンには代表的な結晶型としてルチル型とアナターゼ型とがある。これまで高屈折率用の金属酸化物超微粒子ゾル液として、屈折率no=2.56、ne=2.49を有するアナターゼ型酸化チタン超微粒子を主成分とした材料が、主に用いられている。これに対し、ルチル型酸化チタンはその屈折率が屈折率no=2.61、ne=2.9(no:常光線に対する屈折率、ne:異常光線に対する屈折率)(実験科学講座 日本化学会編)であり、アナターゼ型に比べて高屈折率、紫外線吸収といった光学特性などに優れていることが知られており、このルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液を合成する試みが積極的に行われていた。しかしながら、産業的に用い得るルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液は未だ得られていないのが現状であった。例えばJpn. J. Appl. Phys., 37, 4603(1998)に報告されているように長繊維状のルチル型酸化チタンが寄せ集まった凝集粒子径200〜400nmの凝集体が生成するが、このままでは産業的には利用不可能であった。
一方、有機マトリックスと酸化チタン微粒子からなる樹脂は、その耐光性が低下するという欠点があった。すなわち、酸化チタンの光触媒作用により、光吸収で発生した電子−ホールによる有機物分解を起こし、透明性、耐光性、耐候性、耐熱性等が大きな問題となっている。
現在ではこのようなアナターゼ型酸化チタン超微粒子を含有する樹脂組成物の耐光性を改善させる目的で、例えば特許文献1記載のようなアナターゼ型酸化チタンと無機酸化物を複合した超微粒子、あるいはアナターゼ型酸化チタンを無機酸化物で被覆した超微粒子及びそのゾル液が適用されている。
これらはいずれも無機酸化物被覆によるアナターゼ型酸化チタン超微粒子の不活性化を目標としたものである。このように酸化チタン超微粒子を無機酸化物で被覆することで耐光性は改善される。しかし、周辺有機物劣化による変色や退色、硬度の低下等、長期間にわたる耐光安定性を満足し得るものではなかった。さらには用いる金属によっては着色が見られるといった問題があった。また、使用されている酸化チタンはアナターゼ型であるために、屈折率が約2.5であり、耐光性向上のために酸化物で被覆した場合には大幅に屈折率が低下してしまい、本来のアナターゼ型酸化チタンの屈折率よりは低くなり、屈折率を向上させる効果は低い。また、被覆する金属酸化物の量を減らし屈折率を上げたとしても耐光性が不十分となり、樹脂組成物の透明性、耐光性、耐候性、耐熱性等が問題となっている。
これに対して従来のアナターゼ型酸化チタンより屈折率の高いルチル型酸化チタンは、前記した通り、用い得る超微粒子、ゾル液が無いのが現状であった。
特開2001−123115号公報
本発明の目的は上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、高屈折率で透明性、分散性、耐光性、耐候性等に優れた無機酸化物超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液、および当該超微粒子が高濃度に分散した高屈折率かつ透明な樹脂組成物及び光学部材を提供することにある。特に半導体発光素子封止材料の少なくとも一部を構成して、光の取り出し効率を更に高めることのできる高屈折率かつ透明な半導体発光素子封止用組成物、およびそれを含んでなる光学部材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、焼結剤として用いられるスズ化合物が長繊維化を防止すると共に凝集も防止し、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、透明性、分散性等に優れたゾル液が得られることを見出し、さらにこれを核超微粒子とし、特定の方法でケイ素酸化物を含む被覆層を設けることによって、従来の被覆法では得られなかった透明性、分散性、耐光性、耐候性等に優れた高屈折率の平均粒子径が1〜100nmの被覆型無機酸化物超微粒子、分散性に優れたゾル液が得られることを見出した。そして、当該超微粒子を樹脂マトリックス中に高濃度に分散することにより、従来のアナターゼ型酸化チタンを用いた場合では得られなかった高屈折率、透明性、耐光性、耐候性、耐熱性、成形加工性等に優れた樹脂組成物、特に半導体発光素子封止材料の少なくとも一部を構成して、光の取り出し効率を更に高めることの出来る高屈折率かつ透明な半導体発光素子封止用組成物、及びそれを用いた光学部材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、
[1] 屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子および/または当該超微粒子を核(A)とし、一種以上の無機酸化物を含む被覆層(B)を有する被覆型無機酸化物超微粒子と樹脂とを含有してなる半導体発光素子封止用組成物。
[2] 前記超微粒子または前記核(A)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、
チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であることを特徴とする[1]記載の半導体発光素子封止用組成物。
[3] 前記被覆層(B)がケイ素酸化物を含む被覆層であり、該被覆層が二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である[1]または[2]記載の半導体発光素子封止用組成物。
(1)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
(2)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
[4] 前記の被覆型無機酸化物超微粒子の結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである[1]〜[3]の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
[5] 前記の被覆型無機酸化物超微粒子からなる凝集体の平均凝集粒子径が、10〜100nmである[1]〜[4]の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
[6] 前記の被覆型無機酸化物超微粒子が、水あるいは有機溶媒に分散してなるゾルを用いることを特徴とする[1]〜[5]の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
[7] 前記の被覆型無機酸化物超微粒子の表面が有機ケイ素化合物および/またはアミン類で処理されていることを特徴とする[1]〜[6]の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
[8] 屈折率が1.5〜2.8である[1]〜[7]の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
[9] 前記樹脂がエポキシ樹脂および/またはシリコーン樹脂である[1]〜[8]の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
[10] [1]〜[9]の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物を含んでなる光学部材。
に関するものである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子は、従来の製法では成し得なかったものであり、かつアナターゼ型では得られない高屈折率の超微粒子、ゾル液を提供することが出来る。このスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を核超微粒子とし、特定の方法でケイ素酸化物を含む被覆層を設けることによって従来の被覆法では得られなかった透明性、分散性、耐光性、耐候性等に優れた高屈折率の被覆型無機酸化物超微粒子を提供することが出来る。これらの得られた超微粒子、ゾル液を光学材料に適用した場合に高屈折率、透明性、耐光性、耐候性、耐熱性、成形加工性等に優れた樹脂組成物、特に半導体発光素子封止材料の少なくとも一部を構成して、光の取り出し効率を更に高めることの出来る高屈折率かつ透明な半導体発光素子封止用組成物、及びそれを用いた光学部材を提供することが可能になった。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明は、屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子および/または当該超微粒子を核(A)とし、一種以上の無機酸化物を含む被覆層(B)を有する被覆型無機酸化物超微粒子と樹脂とを含有してなる半導体発光素子封止用組成物、である。
より好適には、
前記超微粒子または前記核(A)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、
チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であることを特徴とする、前記の半導体発光素子封止用組成物、である。
さらに好適には、
前記被覆層(B)がケイ素酸化物を含む被覆層であり、該被覆層が二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である、前記半導体発光素子封止用組成物、である。
(1)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
(2)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
前述の通り、ルチル型はアナターゼ型に比べてより高い屈折率を有するため、超微粒子化したルチル型酸化チタンを用いることで、より高屈折率化が可能となる。さらに、樹脂の透明性等を損なわないためには、ルチル型酸化チタンは超微粒子である必要がある。
本発明における、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子、とは、上記のように、超微粒子化したルチル型酸化チタンを含んでいればよく、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンとの複合体であっても、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを被覆するような形状であってもよく、特に制限はないが、通常、当該無機酸化物超微粒子中、ルチル型酸化チタンの割合は5〜100%(重量比)、好ましくは、50〜100%、さらに好ましくは70〜100%である。
また、超微粒子化したルチル型酸化チタン以外の成分については、本発明の樹脂の透明性を損なわないものであればよく、特に制限はないが、中でも無機酸化物が望ましい。具体的には、例えば、Al、Si、V、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Sb、W等の酸化物が挙げられ、好ましくは、Al、Si、Zr、Sn、Sbの酸化物である。
次に、一種以上の無機酸化物を含む被覆層(B)の調製方法について述べる。
本発明において、酸化チタンの光触媒性による周辺有機物の劣化を防止するため、耐光性を付与することが必要になる。この目的のためにスズ修飾ルチル型酸化チタン微粒子を無機酸化物で被覆することが行われる。なお、被覆とは微粒子表面を完全に覆った形態、あるいは隙間が空いた形態両方を意味する。
上記被覆に用いられる無機酸化物としてはZr、Si、Al、Sb、Sn、Mo、Nb、Zn、Ta、Fe、W、Bi、Ce、Pb、Cu、Y、In、V、Mg、La等の酸化物が好適である。これらを一種のみで被覆して用いることも、2種以上用いて被覆することも可能である。無機酸化物同士が個々に被覆した形態、複合化して被覆した状態、固溶体となって被覆した形態、あるいは一種で被覆した後、さらにもう一種で被覆した形態となっていてもよい。また、無定形の酸化物、結晶性の酸化物、あるいは水和した状態であってもよい。また、ケイ酸、アンチモン酸などの酸、それらのオリゴマーあるいはそれらの塩の形態で核微粒子表面に吸着、結合した状態であってもよい。
このようにして得られる無機酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子は、被覆層に選ばれる無機酸化物種とその量により、超微粒子自体の屈折率と耐光性を調節することが出来る。耐光性を付与出来、かつ屈折率が1.5〜2.8で調節することが出来、さらに好ましくは2.0〜2.8の範囲で調製出来る。
本発明において好適な、ルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(A)とし、一種以上の無機酸化物を含む被覆層(B)を有する被覆型無機酸化物超微粒子の核(A)、としては、より具体的にはルチル型酸化チタン超微粒子が、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であって、該超微粒子のSn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であり、且つ結晶径の短軸、長軸が2〜20nm、超微粒子凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmであることを特徴とするスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子である。
なお、ここで言う結晶径とは、いわゆる一次粒子径のことであって、化学便覧改訂3版(基礎編 丸善株式会社)記載のようにa、c軸方向長さで表現される。本明細書ではそれぞれ短軸、長軸と呼ぶ。また、平均凝集粒子径とは、一次粒子が凝集してなる粒子径を表す。
まず、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の製造法について説明する。
本発明において用いられるスズ化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば塩化スズ、硝酸スズ、硫酸スズ、スズ酸塩などのスズ塩化合物あるいは酸化物、水酸化物、金属スズ等から選ばれるスズ化合物等が好ましいものとして挙げられる。
本発明において用いられるチタン化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、塩化酸化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、チタンアルコキシド、水和酸化チタン(あらかじめチタン化合物をアルカリ条件で加水分解させたものも含む)などから選ばれるチタン化合物等が好ましいものとして挙げられる。
まず、スズ化合物を水溶液に添加しておき、これにチタン化合物を加える。スズ化合物とチタン化合物は同時に加えてもよいし、どちらが先であってもよい。また、混合化合物の形態であってもよい。反応溶媒は水が望ましいが、アルコール等の有機溶剤あるいは水と有機溶媒の混合溶媒でもよい。
ルチル型酸化チタンの結晶成長制御のための修飾剤として反応に用いるスズ化合物の量は、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2、好ましくは0.01〜1であることが望ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子は生成するが、結晶径、凝集粒子径が大きくなり、したがって分散性が悪くなる可能性がある。また、樹脂組成物の透明性が低下する可能性がある。また、上記範囲より多くしていっても、ルチル型を有する酸化チタン超微粒子の合成は可能であるが、反応に要する時間が長くなり、この場合はルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られる可能性がある。また、これより大きいと残存スズ化合物量が多くなり、粒子屈折率が低下する可能性がある。
反応液中のTi濃度は0.07〜5mol/l、好ましくは0.1mol/lから1mol/lが望ましい。上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.01〜0.03の範囲でスズ化合物を添加してもアナターゼ型とルチル型の混合酸化チタン超微粒子が生成する可能性がある。同様に上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.03より大きい範囲でスズ化合物を添加すると、ルチル型酸化スズを有する酸化チタン酸化スズ混合超微粒子が生成する可能性がある。
反応液のpHは−1〜3が望ましい。必要に応じて塩酸や硝酸などで調節する。pHが3より大きい条件で反応させると、スズ化合物を加えない場合ではアナターゼ型酸化チタンになってしまい、これを避けるためにスズ化合物を添加してルチル構造を得ようとすると、酸化スズなどのルチル型酸化チタンではない異種物質が生成してしまう可能性がある。
反応温度に関しては、Ti濃度とpHが上記の範囲であれば良く、特に制限は無いが、好ましくは−10〜100℃、さらに好ましくは20〜60℃が推奨される。反応温度に応じて反応完了時間が決定されるが、通常は0.5〜10時間で実施する。
上記の反応により生成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子中に含まれるスズ化合物量として、Sn/Tiモル比=0.001〜0.5であることが好ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子の粒子径が大きくなり、分散性が悪くなる可能性がある。また、上記範囲より多くしていくと、より効率よく結晶成長及び凝集を制御し、粒子径の小さな超微粒子が得られるが、ルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られ、結果として屈折率の低い超微粒子が得られる可能性がある。
この方法により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる反応機構(反応メカニズム)は現在十分に明らかではないが、これは表面がスズ化合物で修飾されていることを特徴としている。原料に用いたスズ化合物、あるいは溶液中で解離したスズイオン、あるいは加水分解等により溶液中で生成したスズ化合物が、酸化チタン表面に配位、吸着、化学結合等により付着したものと推測される。また、元々アナターゼ型ではなくルチル型酸化チタン生成条件でスズ化合物を修飾剤として添加したもので、長軸方向への結晶成長が阻止された結果生じたものと推測される。このことは超微粒子の結晶径が2〜20nmであるスズ修飾酸化チタン超微粒子を得るために必要な修飾スズ化合物量が酸化チタンを隙間無く被覆する量には程遠い、チタンに対するモル比が0.001〜0.5という少量であることからも窺える。
上記により得られた反応生成物は、そのままスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の有機溶媒に対して再分散させることも可能である。スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を水に分散させたゾル液は、メタノールなどのアルコール類、2−メトキシエタノールなどのセロソルブ類といった有機溶媒に溶媒置換して、有機溶媒分散スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いることも可能である。
次に本発明において好適な、ケイ素酸化物を含む被覆層(B)、の調製方法について述べる。
該被覆層(B)、即ちケイ素酸化物を含む被覆層とは、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られ、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆層である。
(1)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
(2)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
本発明において、上記で合成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子あるいはそのゾル液を樹脂組成物等に用いる場合、酸化チタンの光触媒性による周辺有機物の劣化を防止するため、耐光性を付与することが必要になる。この目的のためにケイ素酸化物を含む被覆層をルチル型酸化チタン超微粒子に設ける。なお、被覆とは超微粒子表面を完全に覆った形態、あるいは隙間が空いた形態両方を意味する。
上記被覆に用いられるケイ素酸化物としては、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾル、ケイ酸ナトリウム、あるいはケイ酸カリウムなどのケイ酸塩を挙げることが出来る。ここでいうケイ素酸化物とは無定形の酸化物、結晶性の酸化物、あるいは水和した状態であってもよい。また、ケイ酸、ケイ酸オリゴマーあるいはそれらの塩であってもよく、それらが核微粒子表面に吸着、結合した状態であってもよい。
被覆層の形成方法としては、まず、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のゾル液を調製する。上記で調製したゾル液を希釈あるいは濃縮し、固形分として0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にすることが望ましい。ゾル液の固形分濃度が0.01重量%未満の場合は生産性が低く工業的に有効でなく、ゾル液の固形分濃度が20重量%を越えると得られる超微粒子が凝集体となる可能性がある。
核微粒子(この場合、核(A)であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、をさす)を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて(核微粒子ゾル液がゲル化しない程度に)滴下することが望ましい。反応液中でのケイ素酸化物の滴下終了後の濃度は酸化ケイ素換算で0.01〜5wt%が好ましい。これより小さいと生産性が低く工業的に有効でなく、これより大きいと(ケイ素酸化物のみで)重合が進行しすぎてケイ素酸化物の不溶物が生成する可能性がある。
[ 工程(1):核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程 ]
まず、核微粒子即ち核(A)と、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物を、pH<7の条件下で反応させる。
ここで用いられるケイ素酸化物としては特に制限はないが、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾルが好ましい。用いる量としては、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10が好ましく、0.01〜0.5であることが好ましい。この範囲、即ち10より大きいと十分な屈折率が得られなくなる可能性がある。この範囲、即ち0.001より小さいと分散安定性が低くなる可能性がある。
反応液のpHは7より小さいことが好ましく、さらには2〜4が好ましい。pHが7以上だと核微粒子であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が凝集、ゲル化を引き起こす可能性がある。さらにpHが1よりも小さすぎると、核微粒子のもつ電気二重層が過剰のプラスイオンによって遮蔽され、凝集を引き起こす可能性がある。pHは必要に応じて酸性化合物あるいは塩基性化合物を加えて調整してもよい。例えば酸性化合物としては塩酸、硫酸、硝酸などが、塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
本工程では、核微粒子を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて核微粒子ゾル液がゲル化しない程度に滴下することが望ましい。これより長いと経済的に効率的でない。これより短いと反応が不十分となる可能性がある。
反応温度は特に制限はないが、0〜200℃が好ましく、30〜100℃がより好ましい。この範囲、即ち200℃より大きいと超微粒子が凝集する可能性がある。この範囲、即ち0℃より小さいと反応が十分に進行しない可能性がある。
[ 工程(2):核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程 ]
工程(1)で得られた被覆超微粒子あるいはゾル液を必要に応じて解こうした後、続いて、(1)で得られた被覆超微粒子と、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物を、pH≧7の条件下で反応させる。
ここで用いられるケイ素酸化物としては特に制限はないが、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾルが好ましい。用いる量としては、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10が好ましく、0.1〜1であることが好ましい。この範囲、即ち10より大きいと十分な屈折率が得られなくなる可能性がある。この範囲、即ち0.001より小さいと十分な耐光性が得られなくなる可能性がある。
反応液のpHは7以上であることが好ましく、さらには8〜11が好ましい。適宜この範囲にpHを調節すればよい。pHが7より小さいと緻密な被覆層が形成できない可能性がある。pHは塩基性化合物を加えて適宜調整すればよい。該塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
本工程では、核微粒子を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて添加することが望ましい。これより長いと経済的に効率的でない。これより短いと反応が不十分となる可能性がある。
反応温度は特に制限はないが、0〜200℃が好ましく、80〜200℃がより好ましい。この範囲、即ち200℃より大きいと微粒子が凝集する可能性がある。この範囲、即ち0℃より小さいと反応が十分に進行しない可能性がある。
なお、該被覆層(B)、即ちケイ素酸化物を含む被覆層に含まれるその他の無機酸化物としては得られる微粒子の耐光性、分散性、保存安定性を損なうものでなければ特に制限はないが、具体的には、例えば、Al、Si、V、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Sb、W等の酸化物が挙げられ、好ましくは、Al、Si、Zr、Sn、Sbの酸化物が挙げられる。
また、被覆層としては上記記載の二層のケイ素酸化物からなる被覆層のみが望ましいが、他の無機酸化物の被覆層を設けても良い。この場合、上記記載の二層のケイ素酸化物からなる被覆層の内側に設けることが望ましい。
本発明により得られた二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmであることが好ましい。結晶径が2nmより小さいと、本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、ゾル液、得られる樹脂組成物等が白濁し、不透明となる可能性がある。
上記手法によって得られる核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比はSiO2換算で0.001〜20である。被覆層の量により、超微粒子自体の屈折率と耐光性を調節することが出来る。これにより所望する耐光性を付与出来、かつ屈折率が1.5〜2.8で調節可能である。
上記により得られた反応生成物は、そのまま被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の溶媒に対して再分散させることも可能である。特に限外ろ過を行うことによって、微粒子周りの電気二重層を遮蔽して微粒子の凝集を引き起こす原因となるイオン分を取り除くことが出来るため、分散安定性が向上する。二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を分散させた水ゾル液は、メタノールなどのアルコール類、2−メトキシエタノールなどのセロソルブ類といった有機溶媒に溶媒置換して、有機溶媒に分散したゾル液として用いることも可能である。
酸化チタン超微粒子は通常中性域に等電位点を持ち、従来の製法では酸性領域で安定なゾル液である。そのため従来の手法で製造した酸化チタン超微粒子ゾル液は中性〜塩基性では凝集、ゲル化を引き起こし、使用範囲が限定されるという問題があった。また有機溶媒に置換しようとすると凝集、ゲル化を引き起こし、安定性を損なうという問題があった。さらには分散媒が水の場合でも10重量%以上に濃縮しようとするとゲル化を引き起こし、高濃度に分散したゾル液を得るのは困難であり、生産性が低いといった問題があった。本発明に係るケイ素酸化物をpH<7の範囲で反応させることによって、広範囲pH、特に14>pH>3の条件において、凝集、ゲル化を生じず、分散性、保存安定性に優れた薄層のケイ素酸化物で被覆された酸化チタン超微粒子ゾル液が得られ、かつpH≧7の範囲で反応させることによって緻密で厚いケイ素酸化物被覆層を設けることができる。
通常酸性領域において安定な酸化チタン超微粒子ゾル液はその表面がプラスに帯電している。そこに上記条件において反応させることによって反対符号の電荷を持ち、かつ核微粒子よりもサイズの小さな超微粒子を選択することによって核微粒子表面でヘテロ凝集を引き起こし、より効果的に一様に薄層のケイ素酸化物被膜が形成され、これにより、核微粒子表面にSiOの特性が付与され、本発明に係る酸化チタン超微粒子ゾルはpH=3〜14という広範囲のpH領域において安定となると考えられる。pH≧7の塩基性条件下で、緻密で厚いケイ素酸化物層に成長させることによって高分散性を保ちながら耐光性、耐候性を有する超微粒子が得られる。すなわち、pH<7で形成される被覆内層及びpH≧7で形成される被覆外層の二層構造を持つ透明性、分散性、保存安定性、耐光性、耐候性等に優れた酸化チタン超微粒子、ゾル液である。
前記ケイ素酸化物被覆によりゾル液の濃度は固形分換算で20重量%以上、さらには35重量%以上の高濃度にした場合でも広範囲のpHで安定に存在し、有機溶媒に置換した際でも高濃度に安定に存在する。
本発明により得られた被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の表面は、有機ケイ素酸化物および/またはアミン類で処理されていることが望ましい。これによって有機溶媒に分散した超微粒子の分散安定性が大きく向上する。また、有機溶媒、樹脂あるいはそのモノマー中への分散性、相溶性が向上する。特にメタノールよりも比誘電率が小さい溶媒を用いる場合には、微粒子同士の電気反発による分散安定性は期待できないため、表面処理により溶剤との親和性を向上させることが好ましい。これによって組成物の透明性等が向上する。なおここでの表面処理とは表面に、化学結合したもの、化学吸着、物理吸着などの何れであってもよい。
有機ケイ素化合物で表面処理する際には、シランカップリング剤として知られている化合物が好適である。具体的には、以下の一般式(1)、(2)で表される有機ケイ素化合物が好ましいものとして挙げられる。
(Ra(RbSi(OR(3-a-b) (1)
Si(OR4 (2)
(式中、R、Rはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ビニル基、アリル基、アシル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基等を有する有機基であり、Si−C結合によりケイ素と結合するものである。Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(a)におけるR、R及びRとしては、具体的には例えば、アルキル基を有する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が、ハロゲン化アルキル基を有する有機基としては、クロロメチル基、3−クロロプロピル基等が、アシル基を有する有機基としては、アセトキシプロピル基等が、アクリロキシ基を有する有機基としては、3−アクリロキシプロピル基等が、メタクリロキシ基を有する有機基としては、メタクリロキシプロピル基等が、メルカプト基を有する有機基としては、メルカプトメチル基等が、アミノ基を有する有機基としては、3−アミノプロピル基等が、エポキシ基を含有する有機基としては、3−グリシドキシプロピル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられる。
一般式(2)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等が挙げられる。
一般式で表される有機ケイ素化合物の加水分解は塩酸などを添加することにより行われる。これによりアルコキシ基の一部または全てが加水分解される。メタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などで希釈して行ってもよい。
これらは、加水分解せずに反応を行っても、加水分解した後、その加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物を超微粒子と反応させてもよい。分散媒中に残存する水、超微粒子に吸着した水によって加水分解される。さらにはこれらが縮合した形である加水分解性基、ヒドロキシル基を有するポリシロキサンのようなシリコーン樹脂で反応させてもよい。また、これらを単独で又は混合物として使用する事も可能である。
(OR)基が加水分解した後、超微粒子表面の−OH基と脱水反応を起こしSi−O−Mの結合を生じる事が好ましいが、一部が残存していてもかまわない。
処理方法としては有機ケイ素化合物を含む溶媒にゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、一定時間加熱して得る。必要に応じて限外ろ過、遠心分離などの方法で混合液中の未反応分を除去する等の方法で行われる。
また、表面処理に用いられるアミン(類)としては、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、トリエチルアミン、ドデシルアミンなどが好適に用いられる。これらで表面処理を行うには、例えばこれらの水あるいはアルコールなどの溶液に超微粒子あるいはゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、所定時間常温で放置するか、加熱処理を行うとよい。
また上記官能基を有するポリマーなども効果的である。例えばポリスチレンをアミノ化した、さらにはそれらの誘導体であるスチロール系樹脂、ポリメチルメタクリレート側鎖に加水分解性ケイ素基を持つポリマー、加水分解性基あるいはヒドロキシル基を持つシリコーン樹脂等が挙げられる。表面処理方法は上記記載の方法で行えばよい。
用いられる表面処理剤の量は、用いる有機溶媒、樹脂などのバインダー等への分散性を考慮して適宜設定される。
また、酸化チタン超微粒子表面はカルボン酸と反応しやすいため、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酒石酸、グリコール酸、ポリアクリル酸などを用いることも可能である。ケイ素酸化物被覆層を考慮して適宜設定される。
この方法により結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmの二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる。 結晶径が2nmより小さいと、これらを含む媒体等に用いた場合に本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、ゾル液、得られる樹脂組成物等が白濁し、不透明となる可能性がある。
本発明において超微粒子を分散するのに用いられる有機溶媒(分散媒)としては、特に制限はなく、具体的には例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などの有機溶媒が挙げられ、2種以上混合して用いてもよい
さらには、上記のような分散媒以外にも樹脂モノマーなどの有機物質を分散媒として、超微粒子を分散させることも可能である。これにより有機溶媒分散ゾル液を直接硬化させることが可能となり、製造法の簡略化が可能となる。エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等のモノマーなどが挙げられる。微粒子表面処理は用いる樹脂モノマーの極性に応じて適宜設定される。いずれもエバポレーター等によって分散媒を置換する方法がとられる。
上記方法によって得られた被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の屈折率は、1.5〜2.8、特に2.0〜2.8のものが得られ、各用途に合わせて適宜設定される。
次に本発明に用いられる樹脂について述べる。半導体発光素子封止用組成物には無色透明で、吸湿性が小さく吸湿変形しないこと、製造工程や使用環境での耐熱性が高いこと、成形性が優れていることなどの特性が要求され、これらを満たすものであれば特に限定されず、従来の半導体発光素子封止用樹脂に用いられているものでかまわない。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式アクリル樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂に代表される非晶性熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられ、この中でもビスフェノール型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
本発明における半導体発光素子封止用組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、微粒子と樹脂を均一に混合するのに用いられる方法であれば良く、通常用いられる従来公知の方法で何ら構わない。
すなわち、具体的には例えば、樹脂成分と超微粒子ゾル液あるいは超微粒子粉末をそれぞれ独立して作成し、その後に両者を混合させる、あるいは混練する方法、予め作成した超微粒子が存在する条件で樹脂を重合する方法、予め作成した樹脂が存在する条件で超微粒子を作成する方法など、いずれの方法も採用できる。
超微粒子の分散安定性の観点からは、超微粒子ゾル液と樹脂が溶解した溶液を均一に混合し、溶剤を除去することで組成物を得る方法、あるいは樹脂モノマー中に超微粒子が分散したゾルを重合させて直接組成物を作成する方法などが好ましく挙げられる。
本発明の組成物は、熱可塑性である場合、押し出し成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、圧縮成形等の従来公知の成型加工が可能であり、ディスク、フィルム等種々の成形体を得ることが出来る。
本発明において用いられる半導体発光素子封止用組成物に含まれる超微粒子含有量は、特に制限はなく、用途に応じて適宜設定されるが、0.1〜90重量%であることが好ましい。さらに好ましくは10〜70重量%である。これより小さいと高屈折率化など微粒子の特性が付与されない可能性がある。これより大きいとが脆くなる可能性がある。
本発明において用いられる超微粒子、ゾル液は二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のみが望ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、屈折率向上などの効果が劣るものの他の無機酸化物超微粒子と併用することも可能である。例えばコロイダルシリカ、酸化アンチモンコロイドなどを挙げることが出来る。
また、本発明において用いられる超微粒子以外に、樹脂の種類に応じて、硬化剤や硬化触媒を適宜配合することが好ましい。硬化剤としては、酸無水物系、アミン系、あるいはフェノール系硬化剤などを用いることができる。エポキシ樹脂である場合は、酸無水物系硬化剤を用いることが好ましい。
また、本発明の組成物に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、可塑剤、分散染料、顔料、色素、染色向上剤等、必要に応じて任意の添加物を添加することも可能である。
従って、本発明に係る被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子は高屈折率であり、透明性、分散性、耐光性、耐光性等に優れているため、該超微粒子を用いて形成した半導体発光素子封止用組成物は高屈折率、透明性、耐光性、耐候性、耐熱性、成形加工性等を併せ持ち、任意に屈折率を調節できるものである。
本発明の半導体発光素子封止用組成物を含んで構成される光学部材には特に制限はなく、例えば部材の全部あるいは一部に使用することが出来る。
さらには、半導体発光素子封止用組成物だけでなく、被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を含んでなるアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式アクリル樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂に代表される非晶性熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂は、光学レンズ(メガネレンズ、フレネルレンズ、CD、DVDなどの情報記録機器におけるピックアップレンズ、デジタルカメラなどの撮影機器用レンズ等)、光学プリズム、光導波路、光ファイバー、薄膜成形物、光学用接着剤、回折格子、導光板、液晶基板、光反射板、反射防止材等の高屈折率光学部材の材料等へも好適に用いることが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(有機溶媒に分散した二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[製造例1]
四塩化スズ五水和物0.27gを100mlナス型フラスコに仕込み、イオン交換水50mlに溶解し、酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti 15重量%含有)5mlを加えた。溶液のpHは−0.1であった。(仕込みTi濃度=0.45、Sn/Ti=0.03)マグネチックスターラーで攪拌し、50℃で1時間加熱したところ、白色の沈殿を得た。遠心分離を行い、白色沈殿を回収、イオン交換水に再分散させた。限外ろ過を行い、固形分2重量%のゾル液を得た。この固形分の粉末X線回折測定、電子顕微鏡観察を行った。120℃で2時間熱風乾燥を行った後に粉末X線回折測定を行ったところ、酸化チタンルチル型であった。結晶径は回折ピークの半値幅からDebye−Sherrerの式を用いて計算した。その結果、結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmであった。電子顕微鏡観察は透過型電子顕微鏡を用い、メッシュに希薄ゾル液を滴下したものを倍率20万倍、200万倍で観察した。その結果、平均凝集粒子径が23nmのルチル型酸化チタンであった。誘導結合プラズマ法分析によるSn/Tiの元素モル比は0.02であった。
このスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液2500gをpH=3に調整した後、80℃に加熱した。2重量%のケイ素酸化物水溶液125gを1時間かけて滴下し、さらに30分加熱した。室温にまで冷却した後、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてゾル液にした。80℃に昇温し、pH=9に維持しながら、2重量%ケイ素酸化物水溶液625gを2時間かけて滴下しさらに4時間加熱した。限外ろ過を行い精製し、2重量%ゾル液を得た。誘導結合プラズマ法分析による被覆層/微粒子の重量比は=0.13/1であった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
[製造例2]
製造例1で四塩化スズ五水和物を0.9g用いた以外は製造例1と同様に実施した。(仕込みTi濃度=0.45、Sn/Ti=0.1)得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところSn/Tiの元素モル比は0.06であった。結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmで、平均凝集粒子径が20nmのルチル型酸化チタンであった。被覆層/微粒子の重量比は=0.13/1であった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
(ルチル型酸化チタンの合成)
[比較製造例1]
四塩化スズ五水和物を添加しない以外は製造例1と同様に実施した。得られた白色沈殿は再分散しなかった。同様に分析したところ、凝集粒子径200nm以上のルチル型酸化チタンであった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%濃度としたが、ゲル化、沈殿を生成した。
(アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[比較製造例2]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti含有率15重量%)20mlを加え、60℃で6時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、固形分2重量%ゾル液とした。得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところ、結晶径が短軸、長軸共に平均5nmのアナターゼ型酸化チタンであった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
(ジルコニウム酸化物被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[比較製造例3]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti含有率15重量%)20mlを加え、60℃で6時間加熱した。酸化塩化ジルコニウム八水和物32gを溶解した水溶液50gを滴下し、90℃に昇温し、1時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過を行った。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、2重量%ゾル液とした。得られたゾル液の固形分を実施例1と同様に分析したところ、結晶径が短軸、長軸共に平均5nmのアナターゼ型酸化チタンであった。ジルコニウム酸化物被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子の組成は酸化物換算で酸化ジルコニウム/酸化チタン重量比=0.85/1であった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
[比較製造例4]
市販の五酸化アンチモン超微粒子ゾル液を20重量%メタノール分散ゾル液とした。
(封止用組成物の調製)
製造例1で得られた20重量%メタノール分散ゾル液を40gにエタノール60g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2gを加えて室温で30分攪拌した。エバポレーターを用いて50℃で濃縮後、攪拌しながら2−ヒドロキシエチルアクリレート2g、ジエチレングリコールジアクリレート1gを加えた。さらにエバポレーターにより溶媒を除去し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理された2−ヒドロキシエチルアクリレート+ジエチレングリコールジアクリレート分散ゾル液を得た。次に光開始剤としてヘキサフルオロヒ酸ジフェニルヨードニウム0.04gおよびエチルベンゾインエーテル0.1gを混合した。得られた混合物を1cm角の型に流し込み、40分乾燥後、メタルハライドランプ(強度120W/cm)を60秒間照射し、2mm厚のブロック状樹脂成形体を得た。
製造例2で得られた20重量%メタノール分散ゾル液を用いた以外は実施例1と同様にして行い、ブロック状樹脂成形体を得た。
製造例2で得られた20重量%メタノール分散ゾル液35gを用いた以外は実施例1と同様にして行い、ブロック状樹脂成形体を得た。
製造例1で得られた20重量%メタノール分散ゾル液100gに1mol/l硫酸水溶液を加えてpHを5にした後、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを1g加えて60℃で加熱した。エバポレーターによりプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて濃縮する操作を繰り返し、20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散ゾルとした。次に20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散ゾルをエバポレーターによりメチルイソブチルケトンを加えて濃縮する操作を繰り返した後、ドデシルアミン0.2gを加えて50℃で加熱し、20重量%メチルイソブチルケトン分散ゾルとした。
市販の封止材用ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの共重合ポリマーから形成される)1.2gをブタノール:トルエン(1:1)混合溶媒10gに溶解し、上記で得られた20重量%メチルイソブチルケトン分散ゾル液9gを加えて攪拌した。キャスト法で120℃で乾燥させ、2mm厚みのフィルムを作成した。フィルムは無色透明であった。また、熱プレス機を用いて180℃で成形し、1cm角のブロック状樹脂成形体、および2mm厚フィルムとした。いずれも無色透明であった。
製造例2で得られた20重量%メタノール分散ゾル液を用いた以外は実施例4と同様にして行い、樹脂成形体を得た。
製造例2で得られた20重量%メタノール分散ゾル液5.3gを用いた以外は実施例4と同様にして行い、樹脂成形体を得た。
〔比較例1〕
比較製造例1で得られたゾル液5.3gを用いた以外は実施例4と同様にして行い、樹脂成形体を得た。
〔比較例2〕
比較製造例2で得られたゾル液を用いた以外は実施例4と同様にして行い、樹脂成形体を得た。
〔比較例3〕
比較製造例3で得られたゾル液6.2gを用いた以外は実施例4と同様にして行い、樹脂成形体を得た。
〔比較例4〕
比較製造例4で得られたゾル液5.3gを用いた以外は実施例4と同様にして行い、樹脂成形体を得た。
上記方法により得られた樹脂成形体について、以下に示すように屈折率、耐光性、透明性を評価した。その結果を表1に示す。
(a)屈折率の測定:
実施例1〜3で得た硬化前の組成物溶液をメタノールで希釈し、石英基板上にをスピンコート法により硬化後の膜厚が約700Åとなるように塗布した。実施例1と同様にして硬化させた後、熱風乾燥した硬化膜を自動波長走査型エリプソメーターM−150(日本分光(株)製)を用いて550nmでの屈折率を測定した。実施例4〜6及び比較例1〜4はブタノール:トルエン(1:1)混合溶媒で希釈した後、測定した。
(b)耐光性:得られた樹脂成形体をソーラーシュミレーター(Type:sss−252161−ER ウシオ電機(株)製)による500時間照射後のクラックの発生、および黄変、褐色化の程度をまったく無いものを○として程度がひどくなる順に△、×で判定した。
(c)光線透過率:分光光度計(UV2200 島津製作所(株)製)によりソーラーシュミレーター(Type:sss−252161−ER ウシオ電機(株)製)による500時間照射後の400nm〜600nm間の透過率を測定した。
○…85%以上
×…85%未満
Figure 0004749201
表1に示すように、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子に本願発明者らが見出した二層ケイ素酸化物被覆法を適用することによって、高い屈折率かつ、従来の金属酸化物被覆より効率的に酸化チタンの光触媒作用を抑制していることが分かる。これにより、特に発生した光の取り出し効率を向上させるための封止用組成物として好適であることが分かる。
本発明によれば、優れた透明性、高い屈折率を有し、光学部材として用いられる新規な半導体発光素子封止用組成物が提供できる。詳しくは、透明性、分散性、耐光性、耐候性等に優れた高屈折率の被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を高濃度に透明樹脂等の有機物質へ分散させた半導体発光素子封止用組成物が提供できる。
上記により得られる当該組成物は、光学材料に適用した場合に高屈折率、透明性、耐光性、耐候性、耐熱性、成形加工性等に優れた樹脂組成物、特に半導体発光素子封止材料の少なくとも一部を構成して、光の取り出し効率を更に高めることの出来る高屈折率かつ透明な半導体発光素子封止用組成物、及びそれを用いた光学部材を提供することが可能である。
また、本発明の半導体発光素子封止用組成物を含んで構成される光学部材には特に制限はなく、例えば部材の全部あるいは一部に使用することが出来る。
さらには、半導体発光素子封止用組成物だけでなく、二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を含んでなるアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式アクリル樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂に代表される非晶性熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂は、光学レンズ(メガネレンズ、フレネルレンズ、CD、DVDなどの情報記録機器におけるピックアップレンズ、デジタルカメラなどの撮影機器用レンズ等)、光学プリズム、光導波路、光ファイバー、薄膜成形物、光学用接着剤、回折格子、導光板、液晶基板、光反射板、反射防止材等の高屈折率光学部材の材料等へも好適に用いることが可能である。

Claims (8)

  1. 屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(A)とし、ケイ素酸化物を含む被覆層(B)から構成される無機酸化物被覆層を有する被覆型無機酸化物超微粒子と樹脂とを含有してなる半導体発光素子封止用組成物であって、
    前記核(A)を構成する無機酸化物超微粒子は、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であり、
    前記(B)のケイ素酸化物を含む被覆層が、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO 2 換算で0.001〜20である被覆型無機酸化物超微粒子であることを特徴とする半導体発光素子封止用組成物。
    (1)核(A)に対する重量比がSiO 2 換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
    (2)核(A)に対する重量比がSiO 2 換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
  2. 前記の被覆型無機酸化物超微粒子の結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである請求項記載の半導体発光素子封止用組成物。
  3. 前記の被覆型無機酸化物超微粒子からなる凝集体の平均凝集粒子径が、10〜100nmである請求項1又は2記載の半導体発光素子封止用組成物。
  4. 前記の被覆型無機酸化物超微粒子が、水あるいは有機溶媒に分散してなるゾルを用いることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
  5. 前記の被覆型無機酸化物超微粒子の表面が有機ケイ素化合物またはアミン類で処理されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
  6. 屈折率が1.5〜2.8である請求項1〜の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
  7. 前記樹脂がエポキシ樹脂および/またはシリコーン樹脂である請求項1〜の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物。
  8. 請求項1〜の何れかに記載の半導体発光素子封止用組成物で封止してなる半導体発光素子
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