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JP4006175B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents

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JP4006175B2
JP4006175B2 JP2000288168A JP2000288168A JP4006175B2 JP 4006175 B2 JP4006175 B2 JP 4006175B2 JP 2000288168 A JP2000288168 A JP 2000288168A JP 2000288168 A JP2000288168 A JP 2000288168A JP 4006175 B2 JP4006175 B2 JP 4006175B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録材料に関し、更に詳しくは、フォトライクな高い光沢を有し、インク吸収性に優れ、かつ印字後の保存性が改良されたインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同平10−193776号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが開示されている。この気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受容層が塗設された記録材料が提案されている。
【0005】
従来から一般的に用いられてきた紙支持体は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していたが、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要がある。従って、気相法シリカの塗布量を多くし、更に、気相法シリカに対するバインダーの比率を低減する必要があった。
【0006】
しかしながら気相法シリカのような無機微粒子を用いた多孔質記録材料は、印字後の保管中に印字画像が変色しやすいという問題を有している。即ち、光による変色や大気中の微量ガスによる変色が生じやすく、特に大気中の微量ガスによる変色はより重要な問題であった。
【0007】
特開昭61−177279号公報には含窒素複素環メルカプト系化合物を用いる事が記載され、特開平7−314882号公報にはジチオカルバミン酸、チオシアン酸等の化合物を、また特開平8−25796号公報にはヨード化合物とチオ尿素化合物等を組み合わせて、大気中の微量ガスによる変色を防止することが記載されている。しかし、画像保存性改良効果が十分でなかったり、白地の変色をもたらしたり、さらにはその化合物自体が毒性を有していたりして、十分満足できるものではなかった。
【0008】
特開平1−115677号公報には、ファイル等の接触物からの添加剤をインク受容層のシリカ粒子が吸着して黄変するという問題をチオエーテル化合物の使用によって解決することが記載されているが、大気中の微量ガスによる変色については示されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、フォトライクの高光沢と高いインク吸収性、及び保存性が改良されたインクジェット記録用材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について種々検討した結果、インクジェット記録材料のインク受容層の上層部にチオエーテル系化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、メルカプト系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1種を下層部よりも高密度で含有させることにより解決されることを見出した。即ち、下記の手段により本発明の目的が達成された。
【0011】
水性支持体上に無機微粒子を含有するインク受容層を有しているインクジェット記録材料において、チオエーテル系化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、メルカプト系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1種の固形分濃度が、該インク受容層を有する側に設けられる層の、無機微粒子を含有し支持体に近い部分よりも表面部のほうが高いことを特徴とするインクジェット記録材料。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層が無機微粒子を含有させたインク吸収層中で形成された空隙にインクの主たる量を吸収させるものであり、高いインク吸収性を発現させるためには空隙容量を高める必要から支持体上には比較的多量の無機微粒子を塗布している。インク受容層を2層以上で設ける場合には、上層には無機微粒子を含有させなくても良く、搬送性や耐ブロックング性のために無機又は有機顔料を含有させても良い。
【0024】
本発明に用いられる無機微粒子としては、平均粒径が1μm以下であり、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等公知の各種微粒子が挙げられるが、特にシリカが好ましい。インク受容層には、無機微粒子を8g/m2以上含有するのが好ましく、10〜35g/m2の範囲で用いるのがより好ましい。この範囲より少ないと、インク吸収性が劣る。親水性バインダー量は、無機微粒子に対して40重量%以下、好ましくは35重量%以下であり、特に10〜30重量%が好ましい。このように親水性バインダーの比率を小さくすることによって、インク吸収性は向上するが、印字後の保存性、特に耐ガス性が低下しやすく、本発明は、これらの性能を同時に満足させることを特徴とする。
【0025】
本発明において、無機微粒子は、インク吸収層A中の主たる割合、すなわちインク吸収層Aの全固形分に対して無機微粒子を50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは65重量%以上含有することが好ましい。
【0026】
本発明において、無機微粒子を含有させたインク吸収層Aは印字されたインクの主たる割合を吸収する層であり、主たるインク吸収層である。即ち、印字されたインクの50重量%以上を吸収する層である。本発明ではインク受容層がインク吸収層A単層の場合と、インク吸収層A、及び支持体から離れた側にインク吸収層Aと同一配合か異なった配合の上部層Bを設ける場合とがある。上部層Bは単層でも2層以上でも良く、インク吸収性を有しても有さなくても良い。尚、インク吸収層Aが単層の場合の表面部とは、インク吸収層Aの厚さ方向の中心面より上部の支持体から離れた部分を意味し、下層部とは中心面より下部の支持体に近い部分を意味する。表面部、下層部の化合物濃度の評価は断面の電子顕微鏡観察でのEDAX測定や一定厚み毎に削って成分分析を行うことで評価される。
【0027】
合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0028】
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0029】
本発明に特に好ましく用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0030】
本発明において、インク吸収層Aで無機微粒子とともに用いられる親水性バインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0031】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。
【0032】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0033】
本発明は、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましい。
【0034】
本発明は、主たるインク吸収層Aに無機微粒子、特に気相法シリカを用いた場合でも、チオエーテル化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1つをインク吸収層Aの下層部よりも支持体から遠い側の表面部の方に高濃度とすることで、インク受容層が2層以上の場合にはインク吸収層Aよりも上部層Bの方に高濃度で用いることによって、印字後の保存性を著しく改良するものである。上部層Bが2層以上の場合には上記化合物の濃度が表面部である最上層に高くする方が好ましい。インク吸収層Aのみに均一に上記化合物を添加した場合には、活性が高くガスを吸着しやすい無機微粒子に多く接触するためか上記化合物は劣化しやすく、良好な耐ガス性効果を得るために添加量を増やす必要からインク吸収性が低下しやすい。本発明ではインク受容層の表面部に上記化合物の濃度を高くすることにより高いインク吸収性を維持しながら劣化を押さえ、印字画像の耐ガス性を向上させることが可能となる。
【0035】
上部層Bには無機微粒子を用いても用いなくても良く、インク吸収層Aで使用されるような親水性バインダーが使用可能であり、その他、膨潤性バインダー、疎水性バインダー、平均粒径1μm以上のシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの無機顔料、ポリスチレン、ポリプロピレン等の有機顔料も併用可能である。
【0036】
本発明のインク吸収層Aの上層部、上部層Bに主として用いられるチオエーテル系化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族系チオエーテル化合物(下記の化5〜化7)、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基(好ましくは炭素数4以上)を有する脂肪族系チオエーテル化合物(下記の化8〜化9)等がある。
【0037】
【化5】
Figure 0004006175
【0038】
【化6】
Figure 0004006175
【0039】
【化7】
Figure 0004006175
【0040】
【化8】
Figure 0004006175
【0041】
【化9】
Figure 0004006175
【0042】
本発明では特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましく、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
【0043】
【化10】
Figure 0004006175
【0044】
一般式(3)において、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表し、R1とR2は同一でも異なっていてもよく、結合して環を形成してもよい。またR1とR2の少なくとも一方は、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基等の親水性基で置換されたアルキル基である。R3は置換されていてもよく、場合によっては酸素原子を有するアルキレン基を表す。mは0〜10の整数を表し、mが1以上の場合R3に結合する少なくとも1つの硫黄原子はスルホニル基であってもよい。
【0045】
一般式(3)の特に好ましい化合物は、R1及びR2の両方が置換基として上述したアミノ基、アミド基、アンモニウム基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基の親水性基を有するアルキル基の化合物である。以下に一般式(3)の化合物の具体例(下記の化11、化12)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【化11】
Figure 0004006175
【0047】
【化12】
Figure 0004006175
【0048】
本発明では、チオウレア系化合物が前記一般式(1)で表される構造を分子中に1個以上有する化合物が好ましい。具体的には、チオウレア、N−メチルチオウレア、N−アセチルチオウレア、1,3−ジフェニルチオウレア、テトラメチルチオウレア、グアニルチオウレア、4−メチルチオセミカルバジド、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2(3H)ベンズイミダゾールチオン、6−ヒドロキシ−1−フェニル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−チオン、1−アリル−2−チオウレア、1,3−ジメチル−2−チオウレア、1,3−ジエチル−2−チオウレア、エチレンチオウレア、トリメチルチオウレア、1−カルボキシメチル−2−チオヒダントイン、チオセミカルバジド等が挙げられる。
【0049】
本発明では、ジスルフィド系化合物が前記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種であり、特にDL−α−リポ酸、4,4’−ジチオジモルフォリン、4,4’−ジチオジブタン酸が好ましい。
【0050】
本発明で用いられるメルカプト化合物は、チオサリチル酸系等や含窒素複素環化合物が好ましく、例えば、2−メルカプトピリジン、3−ヒドロキシ−2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトピリミジン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0051】
本発明で用いられるスルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物の具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。
【0052】
【化13】
Figure 0004006175
【0053】
【化14】
Figure 0004006175
【0054】
【化15】
Figure 0004006175
【0056】
本発明に用いられるジシアンジアミド系樹脂としては、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物等が挙げられ、分子量は10,000以下、好ましくは5,000以下であることが好ましい。これらの樹脂は例えば日華化学からネオフィックスRP−70Y、里田化工からジェットフィックス20、三洋化成からサンフィックス70、日本カーバイドからニカフロックD1000、里田化工からジェットフィックス105の商品名で入手することができる。
【0057】
上記化合物のインク受容層中における含有量は、一般的には0.1〜8g/m2であり、0.2〜5g/m2がより好ましい。上記化合物が0.1g/m2より少ないと耐ガス性等の効果が得られにくく、8g/m2より多いとインク吸収性が低下しやすく、コストも高くなり好ましくない。上記化合物のうちで異種を組み合わせて用いることで同量を単独で用いるよりも画像保存性に有効な期間を延ばすことが可能となり好ましい。特にチオエーテル化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物及びチオスルフィン酸化合物の少なくとも1つとジシアンジアミド系樹脂の組み合わせが好ましい。尚、インク吸収層Aの下層、及びインク受容層が2層以上の場合のインク吸収層Aには上記化合物は実質的には含有されなくてもよいが、上層部や上部層Bから浸透する場合やインク吸収性が低下しない範囲で添加することも可能である。
【0058】
インク吸収層Aの塗布量は、5〜40g/m2が一般的であり、上部層Bの塗布量は0.1〜10g/m2が一般的である。
【0059】
本発明におけるインク吸収層Aにはカチオン性化合物を含有させるのが好ましい。インク吸収層Aの上層部又は上部層Bにチオエーテル系化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、メルカプト系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1種を用い、インク吸収層にカチオン性化合物を用いることによって、更に画像保存性が改良される。
【0060】
カチオン性化合物としては、例えばカチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げられる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0061】
これらのカチオン性ポリマーの使用量は無機微粒子に対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。
【0062】
本発明に用いられる水溶性金属化合物として、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0063】
本発明において、特に水溶性アルミニウム化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
【0064】
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式4、5又は6で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0065】
[Al2(OH)nCl6-nm 一般式4
[Al(OH)3nAlCl3 一般式5
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式6
【0066】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
【0067】
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物としては酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0068】
本発明において、上記水溶性の金属化合物のインク吸収層中の含有量は、無機微粒子に対して0.1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは1〜5重量%である。
【0069】
上記したカチオン性化合物は2種以上を併用することができる。例えば、カチオン性ポリマーと水溶性金属化合物を併用するのが好ましい。
【0070】
本発明において、インク受容層を構成する、無機微粒子を含有するインク吸収層A、又はインク吸収層Aと上部層Bの膜面pHが2〜6であることが好ましく、特に3〜5が好ましい。上記したインク吸収層A又は上部層Bでチオエーテル系化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、メルカプト系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1種を用い、膜面pHの好ましい範囲とを組み合わせることによって更に保存性が向上する。インク受容層の膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法N0.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した表面pHである。
【0071】
インク吸収層A、又はインク吸収層Aと上部層BのpHは、塗布液の段階で調整するのが好ましいが、塗布液のpHと塗布乾燥された状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくことが所定の膜面pHにするために必要である。塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ金属塩が用いられる。
【0072】
本発明のインク吸収層Aには、更に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0073】
本発明において、インク吸収層Aに界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク吸収層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくない。界面活性剤の添加量はインク吸収層Aを構成するバインダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gである。
【0074】
本発明において、インク吸収層Aには更に、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0075】
本発明に用いられる耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙の両面にポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。本発明に用いられる耐水性支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好ましい。
【0076】
本発明において好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0077】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0078】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0079】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0080】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0081】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。
【0082】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0083】
本発明において、インク吸収層A,及び上部層Bの塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。好ましくは、インク吸収層A及び上部層Bを設ける場合には乾燥工程無しでほぼ同時に塗布出来るスライドリップ方式、カーテン方式が上層の成分が下層へ殆ど浸透しないので好ましい。
【0084】
本発明でインク受容層が1層の無機微粒子含有のインク吸収層Aの場合には、非吸水性支持体にインク吸収層Aを設けた後、チオエーテル系化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、メルカプト系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1種を含有する水性液を塗布か含浸させ、乾燥することによりインク吸収層Aの上層部に上記化合物を高濃度に存在させる製造方法が好ましい。
【0085】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部とは固形分重量部を意味する。
【0086】
実施例1
支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0087】
上記支持体上に、下記組成のインク吸収層A用塗液、上部層B用塗液を調整し、気相法シリカの塗布量が固形分で下層14g/m2、上層6g/m2となるようにスライドリップ方式で塗布、乾燥して実施例1のインクジェット記録材料を作成した。尚、いずれの記録材料もインク受容層の膜面pHが4.2になるように調整した。
【0088】
<インク吸収層Aの組成>
気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) 100部
ポリビニルアルコール 24部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント製)
【0089】
<上部層Bの組成>
気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント製)
化11の(7)の化合物 16部
【0090】
実施例2
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化5の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
【0091】
実施例3
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化6の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
【0092】
実施例4
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化7の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
【0093】
実施例5
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化8の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
【0094】
実施例6
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化9の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を得た。
【0095】
実施例7
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化12の(23)化合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録材料を得た。
【0096】
実施例8
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えてN−メチルチオウレアを使用した以外は実施例1と同様にして実施例8のインクジェット記録材料を得た。
【0097】
実施例9
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えてDL−α−リポ酸を使用した以外は実施例1と同様にして実施例9のインクジェット記録材料を得た。
【0098】
実施例10
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて2−メルカプトベンズイミダゾールを使用した以外は実施例1と同様にして実施例10のインクジェット記録材料を得た。
【0099】
実施例11
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化13のA−1を使用した以外は実施例1と同様にして実施例11のインクジェット記録材料を得た。
【0100】
実施例12
実施例1で上部層Bの化1の化合物に代えて化14のB−4を使用した以外は実施例1と同様にして実施例12のインクジェット記録材料を得た。
【0101】
実施例13
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化15のC−1を使用した以外は実施例1と同様にして実施例13のインクジェット記録材料を得た。
【0103】
実施例15
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えてジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例15のインクジェット記録材料を得た。
【0104】
実施例16
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えてジシアンジアミドホルマリン縮合物を使用した以外は実施例1と同様にして実施例16のインクジェット記録材料を得た。
【0105】
実施例17
実施例1でインク吸収層Aの塗液を気相法シリカの塗布量が固形分で20g/m2、下記組成の上部層Bの塗液を固形で3g/m2になるようにスライドリップ方式で塗布、乾燥させて実施例17のインクジェット記録材料を得た。
【0106】
<上部層B組成>
湿式合成シリカ(平均粒径2μm) 5部
ポリビニルアルコール 65部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
化11の(7)の化合物 30部
【0107】
実施例18
実施例1でインク吸収層Aの塗液を気相法シリカの塗布量が固形分で20g/m2になるように塗布、乾燥したインク吸収層Aに化11の(7)の化合物の6重量%の水性液を固形で1g/m2になるように含浸、乾燥させて実施例18のインクジェット記録材料を得た。尚、電子顕微鏡のEDAX断面観察によるイオウ分析によりインク吸収層Aの上層部にイオウが高濃度に存在することを確認した。
【0108】
実施例19
実施例1で上部層Bの塗液を下記組成で調整し、固形分で8g/m2になるように塗布、乾燥して実施例19のインクジェット記録材料を得た。
【0109】
<上部層Bの組成>
アルカリ処理ゼラチン 30部
ポリビニルピロリドン 30部
ポリビニルアルコール 20部
(クラレ社製、PVA205)
化11の(7)の化合物 12部
【0111】
比較例1
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化16の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
【0112】
比較例2
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化17の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
【0113】
比較例3
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物に代えて化18の化合物を使用した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
【0114】
比較例4
実施例1で上部層Bの化11の(7)の化合物を抜いた以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を得た。
【0115】
比較例5
実施例1でインク受容層Aに化11の(7)の化合物を5部添加し、インク吸収層Aのみで気相法シリカとして固形分で20g/m2になるように塗布、乾燥して比較例5のインクジェット記録材料を得た。
【0116】
【化16】
Figure 0004006175
【0117】
【化17】
Figure 0004006175
【0118】
【化18】
Figure 0004006175
【0119】
得られた各々のインクジェット記録材料について、インク吸収性、印字後の保存性(耐光性及び耐ガス性)、及び光沢度を評価した。その結果を表1に示す。
【0120】
<インク吸収性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いて、C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く転写しない。
△:やや転写するが実使用可。
×:転写し実使用不可。
【0121】
<耐光性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いてCYMKのインクでそれぞれベタ印字を行い、アトラス社製サンテストCPS光退色試験機にて600W/m2で30時間照射した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(照射後濃度/照射前の濃度)を求め、CMYK画像の内、最も残存率が低いものを表示した。
【0122】
<耐ガス性>
上記耐光性試験と同様に印字後、室内壁面に室温で100日間曝露した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(曝露後濃度/曝露前の濃度)を求め、CMYK画像の内、最も残存率が低いものを表示した。
【0123】
<光沢度>
JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って測定した。
【0124】
【表1】
Figure 0004006175
【0125】
光沢度は、いずれの記録材料も65〜75%で、高い光沢を示した。
【0126】
上記結果から明らかなようにインク吸収層Aの上層部や上部層Bに本発明のチオエーテル系化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、メルカプト系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1つを用いることによって、高いインク吸収性を維持しつつ保存性が改良される市販の保存性改良剤を用いた比較例1〜3は特に耐ガス性に劣り、保存性改良材を入れなかった比較例4は耐光性、耐ガス性が大幅に劣った。単層のインク吸収層Aにチオエーテル系化合物をシリカ100部に対して5部添加した比較例5は実施例1よりも耐ガス性が劣った。即ち本発明は、インク吸収性と保存性が同時に改良され、かつフォトライクな高光沢が得られる。
【0127】
実施例21〜27
実施例1、5、8、9、10及び15のインクジェット記録材料で、インク吸収層Aの組成に更にカチオン性化合物として、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化硫黄共重合物(日東紡(株)製、商品名PAS−92)及び塩基性ポリ水酸化アルミニウム(理研ク゛リーン株製のヒ゜ュラケムWT)を各2部使用して実施例21〜27の記録材料を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0128】
【表2】
Figure 0004006175
【0129】
光沢度は、いずれの記録材料も65〜75%で、高い光沢を示した。
【0130】
上記結果から分かるように、インク吸収層上層部、または上部層Bに本発明の化合物の少なくとも1つを用い、更にインク吸収層Aにカチオン性化合物を用いることによって、さらに保存性が向上する。
【0131】
【発明の効果】
本発明によれば、高いインク吸収性、高光沢でかつ保存性の改良されたフォトライクなインクジェット記録材料が得られる。

Claims (1)

  1. 耐水性支持体上に無機微粒子を含有するインク受容層を有しているインクジェット記録材料において、チオエーテル系化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、メルカプト系化合物、スルフィン酸化合物、チオスルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物およびジシアンジアミド系樹脂の少なくとも1種の固形分濃度が、該インク受容層を有する側に設けられる層の、無機微粒子を含有し支持体に近い部分よりも表面部のほうが高いことを特徴とするインクジェット記録材料。
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