JP3776265B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録材料に関し、更に詳しくは、インク受容層表面のひび割れがなく、高い光沢を有し、インク吸収性に優れたインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平8−174992号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いて画質を向上させることが開示されている。
【0005】
上述した記録材料の支持体としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)等が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸収性が重要であり、従って、紙支持体の記録材料に比べ、耐水性支持体の記録材料は、多量の顔料を塗布する必要があった。顔料の塗布量を多くすることによって、乾燥時にひび割れが生じやすく品質を著しく低下させた。
【0006】
特に、気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの微粒子であるため高いインク吸収性とフォトライクの画質が得られるという特徴があるが、その反面、微粒子であるが故にひび割れが生じやすいと云う問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ひび割れがなく、かつフォトライクの画質が得られるインクジェット記録材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体上に気相法シリカを含有する少なくとも1層のインク受容層を有するインクジェット記録材料において、前記支持体のインク受容層が設けられる側の表面がJIS−P8142による75度鏡面光沢度が30%未満になるように型付け加工され、且つ前記インク受容層は気相法シリカを10〜25g/m 2 含有し、親水性バインダーを前記気相法シリカに対して30重量%以下で含有し、さらに水溶性多価金属化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料によって達成された。
【0009】
従来、ポリオレフィン樹脂被覆紙としては、鏡面性が高いものが一般に用いられていたが、インク受容層表面に微小なひび割れ(亀裂)が生じやすいとう問題が新たに判明した。そこで、この問題を解決するために鋭意検討した結果、上記したような特定の表面光沢を持つように粗面もしくは型付け加工されたポリオレフィン樹脂被覆紙支持体を用いることによって解決することを見いだした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体は、少なくともインク受容層が塗設される側の表面がJIS−P8142による75度鏡面光沢度が30%未満になるように型付け加工されたものである。
【0011】
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0012】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0013】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0014】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0015】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0016】
ポリオレフィン樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。
【0017】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体は、ポリオレフィン樹脂層表面の光沢度が30%未満になるように型付け加工されたものである。ポリオレフィン樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、紙基体とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により高光沢か、無光沢か、またはパターン化された例えば絹目状やマット状等に形成することが出来る。本発明では、型付け加工したクーリングロールを使用し、インク受容層を設ける側のポリオレフィン樹脂層表面のJIS−P8142による75度鏡面光沢度を30%未満となるようにする。好ましくは光沢度が10%以上30%未満であり、より好ましくは、10%以上28%以下である。
【0018】
本発明において、型付け加工された面とは、表面にある程度の深さの凹凸有するもので、例えば、中心面平均粗さ(SRa)で表すことができる。このSRa値が、0.5より大であることが好ましく、0.7〜5.0の範囲がより好ましく、更に0.8〜4.5の範囲が好ましい。
【0019】
上記中心面平均粗さ(SRa)は、触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでのSRa値であり、下記数1で規定されるものである。
【0020】
【数1】
数1において、Wxは試料面域のx軸方向の長さを表し、Wyは試料面域のy軸方向の長さを表し、Saは試料面域の面積を表す。
【0021】
具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び3次元粗さ解析装置として、小坂研究所製、SE−3AK型機及びSPA−11型機を用いて、カットオフ値0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従って、Sa=160mm2の条件で求めることができる。
【0022】
本発明において、上記型付け加工された面を得るために用いられるクーリングロールとしては、その表面が、マット面、絹目状、網目状、キャンバス状、微粒面状等に型付け加工されたものである。
【0023】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0024】
本発明のインクジェット記録材料は、前記したポリオレフィン樹脂被覆紙支持体支持体上に気相法シリカを主体に含有するインク受容層を有する。気相法シリカを主体に含有するとは、インク受容層の全固形分に対して、気相法シリカを50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは65重量%以上含有するものである。
【0025】
本発明に用いられるシリカ微粒子は気相法によるものである。合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0026】
本発明に用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0027】
本発明に用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、3〜10nmでかつBET法による比表面積が250m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いるのが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0028】
本発明において、インク受容層に含有させる気相法シリカの量は、10〜25g/m2が好ましく、12〜25g/m2の範囲がより好ましい。気相法シリカの含有量が上記範囲より多くなるとひび割れが生じやすくなり、また少なくなるとインク吸収性が低くなる。気相法シリカを含有するインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためにバインダーを有していることが好ましい。このバインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。気相法シリカの分散には、高圧ホモジナイザー、ボールミル等の一般に知られている分散機を用いることができる。
【0029】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
【0030】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0031】
また、他の親水性バインダーも併用することができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量%以下であることが好ましい。気相法シリカと共に用いられる親水性バインダーの量は、気相法シリカに対して、30重量%以下が好ましく、27重量%以下がより好ましい。高いインク吸収性を得るためには、気相法シリカに対するバインダーの含有比率を低くする方が好ましいが、ひび割れが更に発生しやすくなる。従って、本発明の型付け加工された耐水性支持体を用いることによって、インク吸収性を低下させずにひび割れを防止できることも本発明の1つの特徴である。
【0032】
本発明においては、微粗面加工されたポリオレフィン樹脂被覆紙支持体と組み合わせて、インク受容層に水溶性の多価金属化合物を含有することによって、更にひび割れを防止することができる。従って、インク吸収性を向上させるために親水性バインダー量の更なる低減及び気相法シリカ付着量の更なる増量が可能となる。
【0033】
本発明に用いられる水溶性金属化合物は、例えば水溶性の多価金属塩として、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0034】
本発明において、特に水溶性アルミニウム化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
【0035】
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0036】
[Al2(OH)nCl6-n]m 式1
[Al(OH)3]nAlCl3 式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 式3
【0037】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
【0038】
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物としては酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0039】
本発明において、上記水溶性の金属化合物のインク受容層中の含有量は、0.1g/m2〜10g/m2、好ましくは0.2g/m2〜5g/m2である。
【0040】
本発明において、耐水性を向上させるためにカチオンポリマーを含有させるのが好ましい。カチオンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59ー33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0041】
これらのカチオンポリマーの使用量は気相法シリカに対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。
【0042】
本発明におけるインク受容層は、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0043】
本発明において、インク受容層には、耐水性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する水溶性ポリマー100gに対して0.01〜10gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0044】
本発明において、インク受容層には、更に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0045】
本発明において、塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。
【0046】
本発明において、支持体上にインク受容層が塗布された後の好ましい乾燥条件は、塗布後15℃以下の温度(より好ましくは10℃以下の温度)で10秒以上冷却し、最高温度が60℃以下(より好ましくは55℃以下)で乾燥することである。この乾燥条件を用いることによって、更にひび割れが防止できる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0048】
参考例
<耐水性(不透明)支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、ポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出コーティングし、表1記載の光沢度になるように各種クーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70重量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30重量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆した。
【0049】
表1に記載の支持体のSRa値は、鏡面の支持体が0.09〜0.10、参考例1の微粒面の支持体が1.5、参考例2の絹目の支持体が3.5、参考例3のマット面の支持体が2.0である。
【0050】
上記支持体に下記組成のインク受容層塗布液Aをスライド塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示すインク受容層塗布液は、気相法シリカが8重量%の固形分濃度になるように調製した。この塗布液を気相法シリカの塗布量が固形分で、18g/m2になるように塗布した。塗布後の乾燥条件は、塗布後先ず8℃で15秒間冷却し、最高温度が50℃で乾燥した。
【0051】
<インク受容層塗布液A>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
【0052】
上記のようにして作製したインクジェット記録シートについて、インク受容層面に発生したひび割れ状態を観察した。その結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例1
下記のインク受容層塗布液を作製した。
<インク受容層塗布液B>
参考例の塗布液Aのポリビニルアルコールの量を19部に代えた以外は塗布液Aと同様にして作製した。
【0055】
<インク受容層塗布液C>
上記塗布液Bに、塩基性ポリ水酸化アルミニウム(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)を4部加えた。
【0056】
<インク受容層塗布液D>
上記塗布液Bに、硝酸ジルコニウム(日本軽金属(株)製)を4部加えた。
【0057】
上記インク受容層塗布液B、CとDを、参考例の型付け加工された支持体(微粒面、絹目面、マット面)にそれぞれ塗布、乾燥した。但し、インク受容層塗布液の気相法シリカの付着量を20g/m2に増量した。
【0058】
得られた記録材料を参考例と同様に評価した。インク受容層塗布液Bは、僅かにひび割れの発生があったが、塗布液C及びDは、ひび割れの発生が全くなかった。いずれの記録材料もインク吸収性は、ポリビニルアルコールを減量し、気相法シリカを増量した分向上した。
【0059】
上記結果から、水溶性の多価金属化合物を用いることによって、ひび割れに対して更に厳しい条件(気相法シリカに対するPVA減量、気相法シリカの塗布量の増量)であっても、ひび割れの発生を防止できることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
上記実施例より明らかなように、本発明によれば、ひび割れが防止されたフォトライクのインクジェット記録材料が提供できる。
Claims (2)
- ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体上に気相法シリカを含有する少なくとも1層のインク受容層を有するインクジェット記録材料において、前記支持体のインク受容層が設けられる側の表面がJIS−P8142による75度鏡面光沢度が30%未満になるように型付け加工され、且つ前記インク受容層は気相法シリカを10〜25g/m 2 含有し、親水性バインダーを前記気相法シリカに対して30重量%以下で含有し、さらに水溶性多価金属化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
- 水溶性多価金属化合物が、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物および周期表4A属元素を含む化合物から選択される少なくとも1つである請求項1に記載のインクジェット記録材料。
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