JP3611791B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録材料に関し、更に詳しくは、フォトライクな高い光沢を有し、インク吸収性に優れ、かつ印字後の保存性が改良されたインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカやアルミナ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
一方、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同平10−193776号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11ー34481号公報等には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが開示されている。この気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、インク吸収性が良好で高い光沢が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受容層が塗設された記録材料が提案されている。
【0005】
従来から一般的に用いられてきた紙支持体は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していたが、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要がある。従って、気相法シリカの塗布量を多くし、更に、気相法シリカに対するバインダーの比率を低減する必要があった。
【0006】
しかしながら高空隙率の記録層を有するインクジェット記録材料は、インク吸収性は非常に優れているが、耐水性に劣っていたり、印字後の保管中に印字画像が変色しやすいという問題を有している。即ち、気相法シリカの空隙層を有する記録媒体は、耐光性に劣るだけでなく、特に大気中の微量ガスによる退色が生じやすいという問題が十分には解決できていない。
【0007】
特開昭57−74193号、同昭61−154989号、同昭61−146591号、同昭61−177279号、特開平1−115677号、同平1−36480号等には、紫外線吸収剤、ヒドラジド系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、メルカプト基を有する含窒素複素環化合物、チオエーテル系化合物等が記載されているが、高空隙の多孔質インク受容層に含有した場合、微量ガスによる退色を防止する効果(以降、耐ガス性という)があっても耐光性を悪くしたり、逆に耐光性が良くなっても耐ガス性が悪くなったりし、またそれら耐ガス性改良剤および耐光性改良剤を組み合わせても必ずしも耐ガス性および耐光性の両方を満足できるまでに改良することはできず、両方の目的を満足することは極めて困難であるのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、フォトライクの高光沢、高インク吸収性、高耐水性及び保存性が改良されたインクジェット記録用材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、支持体上にインク受容層を設けたインクジェット記録材料において、該インク受容層が、メルカプト基を有しない含硫黄有機化合物として、チオスルフィン酸化合物及びチオエーテル化合物の中から選ばれる少なくとも1つと、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1つとを含有することを特徴とするインクジェット記録材料、
あるいは、該インク受容層が、メルカプト基を有しない含硫黄有機化合物として、チオスルフィン酸化合物、チオエーテル化合物及びポリスルフィド化合物の中から選ばれる少なくとも1つと、下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つとを含有することを特徴とするインクジェット記録材料、により達成される。
【0010】
【化3】
【0011】
一般式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アシル基を表し、R2〜R7はそれぞれ水素原子またはアルキル基を表す。X1は−O−、−N(R8)−または−C(R9)(R10)−を表し、R8〜R10はそれぞれ水素原子または置換基を表す。
【0012】
【化4】
【0013】
一般式(2)中、Aは水素原子または脂肪族基を表し、X2は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、該5〜7員環は更に縮合して縮合環を形成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい態様によれば、支持体上に無機微粒子を含有する多孔質のインク受容層を設けたインクジェット記録用材料の該インク受容層中にメルカプト基を有しない含硫黄有機化合物(非メルカプト含硫黄有機化合物)として、チオスルフィン酸化合物及びチオエーテル化合物の中から選ばれる少なくとも1つと、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1つとを含有したインクジェット記録材料、
あるいは、該インク受容層中にメルカプト基を有しない含硫黄有機化合物(非メルカプト含硫黄有機化合物)として、チオスルフィン酸化合物、チオエーテル化合物及びポリスルフィド化合物の中から選ばれる少なくとも1つと、一般式(2)で表される化合物の少なくとも1つとを含有したインクジェット記録材料、が提供される。
【0015】
本発明に用いられる非メルカプト含硫黄有機化合物とは、特公平4−2113号公報に記載されているようなメルカプト基(−SH基)を有する含窒素複素環化合物ではなく、すなわちメルカプト基を有していない含硫黄有機化合物であり、チオスルフィン酸化合物、チオエーテル化合物、ポリスルフィド化合物が挙げられる。
【0025】
本発明に用いられるチオスルフィン酸化合物としては、下記化7で表される化合物が好ましい。
【0026】
【化7】
【0027】
化7中、Zは置換または無置換アルキル基(好ましくは炭素数1〜18)、置換または無置換アリール基(好ましくは炭素数6〜18)又は置換または無置換ヘテロ環基を表し、Yは置換または無置換芳香環(好ましくは炭素数6〜18)又は置換または無置換ヘテロ環を形成するに必要な原子を表す。Mは金属原子または有機カチオン、nは2〜10の整数を表す。
上記のZおよびYで表される基の置換基としては、例えばメチル基、エチル基等の低級アルキル基、フェニル基等のアリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、塩素等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基などを挙げることができる。Mで表される金属原子としては、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属原子が、有機カチオンとしては、アンモニウム、グアニジン基などが好ましい。
【0028】
以下に前述したチオスルフィン酸化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0031】
【化10】
【0032】
本発明に用いられるチオエーテル化合物は、特開平1−115677号公報に記載の化合物も使用できるが、好ましくは親水性基または塩基性窒素原子を有する基で置換されたアルキル基を有するチオエーテル化合物であり、好ましくは下記化11で表される化合物が挙げられる。
【0033】
【化11】
【0034】
化11において、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基またはそれらを含む基を表し、R1とR2は同一でも異なっていてもよく、結合して環を形成してもよい。ただしR1とR2の少なくとも一方は、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、(ポリ)エチレンオキシ基、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、含窒素ヘテロ環基、アミノカルボニル基、アミノスルホニル基等の親水性基または塩基性窒素原子を有する基で置換されたアルキル基またはそれを含む基(たとえばこの置換アルキル基はさらにカルバモイル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基等の2価の連結基を介してチオエーテルの硫黄原子に結合していてもよい)である。R3は置換されていてもよく、場合によっては酸素原子を有するアルキレン基を表す。mは0〜10の整数を表し、mが1以上の場合R3に結合する少なくとも1つの硫黄原子はスルホニル基であってもよい。
【0035】
化11の特に好ましい化合物は、R1及びR2の少なくとも一方がヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アンモニウム基で置換されたアルキル基を有する化合物である。またアミノ基置換アルキル基のアミノ基としては、アミノ基、モノアルキル(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)置換アミノ基、ジアルキル(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)置換アミノ基を含み、更に含窒素ヘテロ環基であることができる。以下にチオエーテル化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
本発明に用いられるポリスルフィド化合物は、好ましくは下記化14で表される化合物が挙げられる。
【0039】
【化14】
【0040】
化14において、R1及びR2はそれぞれ、ポリスルフィドの硫黄原子に結合している炭素原子を含む有機基である。この有機基は、ポリスルフィドの硫黄原子に結合している炭素原子と共に置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の芳香族基、あるいは置換もしくは未置換の複素環基を形成したものであっても、ポリスルフィドの硫黄原子に結合している炭素原子に置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、複素環基またはアミノ基、ならびにイミノ基、酸素原子、硫黄原子等が結合した有機基であってもよい。またR1とR2は同一でも異なっていてもよく、結合して環を形成してもよい。またR1とR2の上記した置換基は、アルキル基、アリール基、複素環基、アミノ基、アミド基、イミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基、ハロゲン原子等の置換基である。nは2以上(好ましくは2〜6)の整数を表す。
【0041】
化14の特に好ましい化合物は、R1及びR2の少なくとも一方が上述したアミノ基、アミド基、イミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基の親水性置換基を有する化合物である。以下にポリスルフィド化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0052】
本発明に用いられる非メルカプト含硫黄有機化合物のインク受容層中における含有量は、0.1〜50ミリモル/m2が好ましくは0.2〜20ミリモル/m2がより好ましい。
【0053】
本発明に用いられる一般式(1)の化合物の具体例を化21〜化23に示すが、これらに限定されるものではない。
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
本発明に用いられる一般式(2)の化合物において、X2で表される5〜7員環は例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよく、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。一般式(2)で表される化合物の具体例を化24〜化26に示すが、これらに限定されるものではない。
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】
【化26】
【0061】
一般式(1)および(2)で表される化合物は、適当な溶剤に溶解あるいは分散して添加しても、高沸点有機溶媒たとえばジ−2−エチルヘキシルフタレート、トリクレジルホスフェート等と共に親水性バインダー中に乳化分散して添加してもよい。
【0062】
一般式(1)および(2)で表される化合物の使用量は、約0.01〜10g/m2、好ましくは約0.05〜2g/m2である。
【0063】
非メルカプト含硫黄有機化合物の、一般式(1)および(2)で表される化合物(又はそれらの併用)に対する使用量比率は、重量比で約0.1〜10である。
【0064】
本発明の好ましいインクジェット記録材料は、無機微粒子によって皮膜中に形成された空隙にインクを吸収させるものであり、高いインク吸収性を発現させるためには空隙容量を高める必要がある。このため、支持体上には比較的多量の無機微粒子を塗布する必要があり、また、親水性バインダー量は空隙率を高めるために減量することが好ましい。
【0065】
本発明に用いられる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ等公知の各種微粒子が挙げられるが、特にシリカが好ましい。インク受容層に、無機微粒子は8g/m2以上含有するのが好ましく、10〜30g/m2の範囲で用いるのがより好ましい。この範囲より少ないと、インク吸収性が劣る。親水性バインダー量は、無機微粒子に対して10〜40重量%が好ましい。このように親水性バインダーの比率を小さくすることによって、インク吸収性は向上するが、印字後の保存性(耐光性、耐ガス性)が低下しやすく、本発明はこれらの性能を同時に満足させることをができる。
【0066】
本発明において、無機微粒子はインク受容層中に主たる割合、すなわちインク受容層の全固形分に対して無機微粒子を50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは65重量%以上含有することが好ましい。
【0067】
合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0068】
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0069】
本発明に特に好ましく用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、20nm以下が好ましい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0070】
本発明において、無機微粒子とともに用いられる親水性バインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0071】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。
【0072】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0073】
本発明は、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましい。
【0074】
本発明の好ましい態様によれば、気相法シリカと組み合わせて、膜面pH3〜6、好ましくはpH3〜5.5のインク受容層とすることによって、耐水性と印字後の保存性を著しく改良することができる。
【0075】
本発明のインク受容層は、気相法シリカと組み合わせて、その他のカチオン性化合物を含有することができる。
【0076】
本発明に用いることができる、その他のカチオン性化合物としては、例えばカチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げられる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0077】
本発明に用いられる水溶性金属化合物として、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0078】
本発明において、特に水溶性アルミニウム化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
【0079】
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0080】
[Al2(OH)nCl6−n]m 式1
[Al(OH)3]nAlCl3 式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n 式3
【0081】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
【0082】
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物としては酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0083】
本発明において、上記水溶性の金属化合物のインク受容層中の含有量は、気相法シリカ微粒子に対して0.1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは1〜5重量%である。
【0084】
本発明において、インク受容層の膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法N0.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した表面pHである。
【0085】
インク受容層のpHは、塗布液の段階で調整するのが好ましいが、塗布液のpHと塗布乾燥された状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくことが所定の膜面pHにするために必要である。インク受容層塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ金属塩が用いられる。
【0086】
本発明のインク受容層は、更に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0087】
本発明において、インク受容層に界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくない。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバインダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gである。
【0088】
本発明において、インク受容層には更に、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0089】
本発明に用いられる支持体としては耐水性支持体が好ましい。耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙の両面にポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。本発明に用いられる耐水性支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好ましい。
【0090】
本発明において好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0091】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0092】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0093】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0094】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0095】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。
【0096】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0097】
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0098】
本発明において、インクジェット記録材料には、少なくとも1つの気相法シリカを含有する層に加え、さらにインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。例えば、下層に水溶性ポリマー層を塗設したり、上層に膨潤層や多孔質層を塗設しても良い。特に下層の気相法シリカより少ない塗布量でアルミナ水和物の多孔質上層を設けることにより印字濃度が高く保存性に優れたインクジェット記録材料を得ることができる。
【0099】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部とは固形分重量部を意味する。
【0100】
実施例1
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70重量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30重量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。
【0101】
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成した。
【0102】
(オイル分散液−1の作製)ジ−i−デシルフタレート3.4Kgと酢酸エチル4.5リットルを、ゼラチン1.1Kg、カチオンポリマー(シャロールDC902P)1Kgおよび界面活性剤(商品名:SWAM AM−2150、日本サーファクタント製)1Kgを含有する水溶液27リットルに50℃で添加し、高圧ホモジナイザーで乳化分散した後、全量を38リットルに純粋で仕上げてオイル分散液−1とした。
【0103】
気相法シリカとシャロールDC902Pを含む水溶液を高圧ホモジナイザーで分散し、ポリビニルアルコール等を加えて下記組成となるようなインク受容層塗液を調整し、気相法シリカの塗布量が固形分で18g/m2となるように塗布、乾燥してインクジェット記録シートを作成した。尚、いずれの記録シートもインク受容層の膜面pHが4.0になるように調整した。
【0104】
【0105】
<記録シート2>
上記記録シート1において、オイル分散液−1に例示化合物(G−3)が3ミリモル/m2の塗布量になるように添加する以外は同様にしてオイル分散液−2を作製し、インク受容層に加えた。
【0106】
<記録シート3>
上記記録シート1において、オイル分散液−1に例示化合物(H−8)が3ミリモル/m2の塗布量になるように添加する以外は同様にしてオイル分散液−3を作製し、インク受容層に加えた。
【0107】
<記録シート4>
上記記録シート1のインク受容層に下記の化27を5ミリモル/m2加えた。
【0108】
<記録シート5>
上記記録シート2のインク受容層に下記の化27を5ミリモル/m2加えた。
【0109】
<記録シート6>
上記記録シート3のインク受容層に下記の化27を5ミリモル/m2加えた。
【0110】
<記録シート7>
上記記録シート1のインク受容層に例示化合物(D−9)を5ミリモル/m2加えた。
【0111】
<記録シート8>
上記記録シート2のインク受容層に例示化合物(D−9)を5ミリモル/m2加えた。
【0112】
<記録シート9>
上記記録シート3のインク受容層に例示化合物(D−9)を5ミリモル/m2加えた。
【0113】
<記録シート10>
上記記録シート2のインク受容層に例示化合物(C−1)を5ミリモル/m2加えた。
【0114】
<記録シート11>
上記記録シート3のインク受容層に例示化合物(C−1)を5ミリモル/m2加えた。
【0116】
<記録シート12>
上記記録シート3のインク受容層に例示化合物(E−8)を5ミリモル/m2加えた。
【0119】
【化27】
【0120】
得られた各々のインクジェット記録シートについて、インク吸収性、耐水性、印字後の保存性(耐光性及び耐ガス性)、及び光沢度を評価した。その結果を表1に示す。
【0121】
<インク吸収性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて、C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く転写しない。
×:転写する。
【0122】
<耐水性>
幅100μmの細線を100μm間隔で印字し、1日放置した後で、35℃90%相対湿度(RH)の条件下に2日間置いた後、細線の滲みを下記の基準で評価した。
○:ほとんど滲んでいなく、細線と細線の間隔が明確である。
△:滲みがあるが、細線と細線の間が完全には潰れていない。
×:細線が滲み、細線と細線の間隔が無くなっている。
【0123】
<耐光性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いてCYMKのインクでそれぞれベタ印字を行い、アトラス社製サンテストCPS光退色試験機にて600W/m2で30時間照射した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(照射後濃度/照射前の濃度)を求め、CMYK画像の内、最も残存率が低いものを表示した。
【0124】
<耐ガス性>
上記耐光性試験と同様に印字後、空気中に室温で3ヶ月間曝露した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(曝露後濃度/曝露前の濃度)を求め、CMYK画像の内、最も残存率が低いものを表示した。
【0125】
<光沢度>
JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って測定した。
【0126】
【表1】
【0127】
光沢度は、いずれの記録シートも60〜66%で、高い光沢を示した。上記結果から明らかなように、本発明の記録シートは、高いインク吸収性、高い耐水性を維持しつつ耐光性と耐ガス性が改良される。即ち本発明は、インク吸収性、耐水性および保存性が同時に改良され、かつフォトライクな高光沢が得られる。
【0128】
実施例2
実施例1に用いた気相法シリカを平均一次粒径が15nmのものに代える以外は同様に試験した。その結果、インク吸収性及び保存性はほぼ同じ結果が得られたが、光沢度が3〜6%低下した。
【0129】
実施例3
実施例1の支持体としてポリエステルフイルムを用いる以外は実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様の結果を得た。
【0130】
実施例4
実施例1の支持体上に下記2種類の組成のインク受容層A、B塗布液を同時にスライドビード塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示す支持体に近い下層用のインク受容層A、上層用のインク受容層B塗布液は、無機微粒子を9重量%の固形分濃度になるように高圧ホモジナイザーで分散した後調製した。これらの塗布液を、インク受容層Aは気相法シリカが固形で16g/m2、インク受容層Bの擬ベーマイトが4g/m2になるように塗布、乾燥した(記録シート1A)。
【0131】
【0133】
塗布後の乾燥条件を下記に示す。
5℃で30秒間冷却後、全固形分濃度が90重量%までを45℃10%RHで乾燥し、次いで35℃10%RHで乾燥した。
【0134】
インク受容層Aに実施例1の記録シート2〜12で用いた化合物を同様に添加して記録シート2A〜12Aを同様に作成した。
【0135】
上記のようにして作成したインクジェット記録シートについて実施例1と同様に評価を行った。実施例1と同様傾向の結果が得られた。
【0136】
【発明の効果】
本発明によれば、高インク吸収性、高耐水性、高光沢でかつ保存性の改良されたフォトライクなインクジェット記録材料が得られる。
Claims (7)
- 気相法シリカを含有する多孔質のインク受容層である請求項1または2記載のインクジェット記録材料。
- インク受容層が一般式(1)の化合物以外のカチオン化合物を更に含有する請求項1、2または3記載のインクジェット記録材料。
- インク受容層の膜面pHが3〜6である請求項1〜4いずれか記載のインクジェット記録材料。
- インク受容層が架橋されている請求項1〜5いずれか記載のインクジェット記録材料。
- 支持体が耐水性支持体である請求項1〜6いずれか記載のインクジェット記録材料。
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