JP3730081B2 - フィルム状トローチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔内の殺菌・消毒用のフィルム状トローチ剤に関する。更に詳しくは、薬剤を含有しないコーティング層、溶解性の異なる薬物含有層I及び薬物含有層IIからなり、粘膜上の水分により粘膜に付着し、口腔内の水分により徐々に溶解して、薬物を持続的に放出することにより薬効を発揮させるフィルム状のトローチ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
口腔内の殺菌・消毒のための剤形としては、従来より液剤、練薬、噴霧剤、トローチ剤、チュウアブル剤などがあり、又口腔内徐放製剤としては、口腔内粘膜貼付剤やトローチ剤、チュウアブル剤などがある。そして最近徐放性の口腔内殺菌・消毒用の製剤として、トローチ剤がかなり広く使用されている。特にフィルム状の粘膜貼着製剤として、例えば、「分子量が5〜50万であるプルランおよび/またはプルラン誘導体、および薬剤を含有する粘着性層と非粘着性層との2層で構成された口腔粘膜付着用フィルム状製剤。」(特公平7−553号公報)、「放出コントロール層と薬物含有層との積層体であって、該放出コントロール層内に1または2以上の薬物含有層を封入させて成ることを特徴とする薬物断続放出性口腔内適用製剤。」(特許第2573969号公報)、「口臭防止効果を有する有効成分を含有し、口腔粘膜に付着する水溶性高分子物質より成るフィルム状の口腔粘膜貼付型口臭防止剤であって、前記有効成分としてl−メントール、dl−カンフル、ハツカ油、ウイキョウ油、アセンヤク、カンゾウ、クロロフイリン誘導体、ケイヒ、コショウ、シユクシヤ、シヨウキヨウ、チヨウジ、トウガラシ、dl−メントール、ヒヤクソウ、モツコウ、ヤクチ、リユウノウ、ニクズク、チヨウジ油、ケイヒ油、サフラン、ローズ油、抹茶から選ばれた少なくとも1種からなるa成分及び/又はフラボノイド、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、グルコン酸クロルヘキシジンから選ばれた少なくとも1種からなるb成分を含有することを特徴とする口腔粘膜貼付型口臭防止剤。」(特公平5−41602号公報)、「水に溶解又は水でゲル化する水親和性高分子物質層と、水に非又は遅延溶解性の高分子物質層からなり、口腔内粘膜への貼着時間が20〜90分、膜厚が300〜400μmの粘膜製剤」(特開昭58−128314号公報)等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトローチ剤については、違和感があるものが多く、噛み砕かれたり、飲み込まれたりしやすく、効き目がすぐなくなるなどの欠点がある。又、徐放性の口腔粘膜貼付剤については、一般的に言って製法が煩雑であったり、徐放性が不充分とか、再現性がよくないとか、或いは徐放性のコントロールが困難などの問題があった。又、特開昭58−128314号公報記載の発明では、水親和性高分子物質層と、水に非又は遅延溶解性の高分子物質層のうち、表側になるのは後者の層であり、この層は遅溶性であり、薬物の初期放出が充分でないという問題があった。
本発明の目的は、粘膜に容易に付着し、適切な徐放性を有し、その再現性がよく、そして柔軟性に富むとともに弾力性があって、適用時違和感がないトローチ剤を提供することを目的とするものである。そしてそのような目的にはフィルム状のトローチ剤が適している。そして、口腔内殺菌・消毒用のトローチ剤としては、その溶解時間に特に規定があるわけではないが、あまり早く溶解してしまうと有効成分が口腔内に留まりにくく、殺菌効果などが充分に発揮されない。又違和感が少ないとはいえ、必要以上に長く上顎に貼着していると、その間に飲食をしようとした場合、含まれる薬物自身の味や香料などにより、逆に邪魔になり好ましくない、等の問題があるが、この点をも解決し得るフィルム状のトローチが提供されることが望まれているところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく、即ち、適切な徐放性を有し、適用時違和感がない口腔内殺菌・消毒用のトローチ剤を提供すべく鋭意検討した結果、特定のコーティング層と溶解性の異なる2種の薬物含有層とを一定の厚さになるように組み合わせることにより適切な徐放性を持ち、適用時違和感がなく、目的とする粘膜への付着が容易であるフィルム状トローチ剤がえられることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、(1)a 水溶性且つ非吸水性の多糖類及び軟化剤から成るコーティング層、b 薬物及び可食性水溶性高分子物質から成る薬物層I、c 薬物、可食性水溶性高分子物質及びタンニン物質から成る薬物層II、これら3種の層をa、b、c、b、aの順に積層して成るフィルム状トローチ、(2)bの薬物層I及びcの薬物層IIが甘味料を含有する請求項1記載のフィルム状トローチ、(3)bの薬物及びcの薬物が殺菌・消毒薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬から成るものである(1)及び(2)記載のフィルム状トローチ、(4)aのコーティング層がショ糖脂肪酸を含有する(1)、(2)又は(3)記載のフィルム状トローチ、(5)bの薬物層I及びcの薬物層IIがポリエチレングリコールを含有する(1)、(2)、(3)又は(4)記載のフィルム状トローチ、(6)水溶性且つ非吸水性多糖類が水溶性澱粉、プルラン、プルランエーテル(メチル、エチル、プロピル)及びプルランエステル(アセテート、ブチレート)の少なくとも1つであり、軟化剤がグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、D−ソルビトール、マルチトール、マンニトール及びキシリトールの少なくとも1つであり、可食性水溶性高分子物質がヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)、メチルセルロース(MC)、水溶性エチルセルロース(EC)、水溶性ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC・Na)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム及びアクリル酸ナトリウムの少なくとも1つであり、タンニン物質がタンニン酸及び没食子酸の少なくとも1つである(1)のフィルム状トローチ、(7)殺菌・消毒薬が塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン及びグルコン酸クロルヘキシジンの少なくとも1つであり、抗ヒスタミン薬がマレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジンの少なくとも1つであり、抗炎症薬がグリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム及びグリチルリチン酸二ナトリウムの少なくとも1つである(3)のフィルム状トローチ、(8)aがプルラン、D−ソルビトール、bが塩化セチルピリジニウム、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸二カリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、サッカリンナトリウム、cが前記bに更にタンニン酸を含むものから成る(1)のフィルム状トローチ、(9)甘味料がサッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、砂糖、果糖及びグルコースの1つである(2)記載のフィルム状トローチ、(10)aのコーティング層がショ糖脂肪酸エステルを含有し、bの薬物層Iが更にポリエチレングリコールを含有し、薬物が殺菌・消毒薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬であり、cの薬物層IIが更にポリエチレングリコールを含有し、薬物が殺菌・消毒薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬である(1)記載のフィルム状トローチ、(11)水溶性可食性の多糖類が水溶性澱粉、プルラン、プルランエーテル(メチル、エチル、プロピル)及びプルランエステル(アセテート、ブチレート)の少なくとも1つであり、軟化剤がグリセリン、エチレングリコール、D−ソルビトール、マルチトール、マンニトール及びキシリトールの少なくとも1つであり、殺菌・消毒薬が塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン及びグルコン酸クロルヘキシジンの少なくとも1つであり、抗ヒスタミン薬がマレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジンの少なくとも1つであり、抗炎症薬がグリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム及びグリチルリチン酸二ナトリウムの少なくとも1つであり、可食性水溶性高分子物質がHPC、HPMC、HPEC、MC、水溶性EC、水溶性HEC、CMC・Na、PVA、PVP、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム及びアクリル酸ナトリウムの少なくとも1つであり、甘味料がサッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、砂糖、果糖及びグルコースの1つであり、ポリエチレングリコールがマクロゴール300及びマクロゴール400の少なくとも1つである(1)又は(10)記載のフィルム状トローチ、(12)aがプルラン、D−ソルビトール、ショ糖脂肪酸エステル、bが塩化セチルピリジニウム、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸二カリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンK90、マクロゴール400、サッカリンナトリウム、cが前記bに更にタンニン酸を含むものから成る(11)のフィルム状トローチ、(13)aコーティング層の厚さが8〜12μm、b薬物層Iの厚さが60〜80μm、c薬物層IIの厚さが180〜220μm、全体の厚さが320〜400μmであり、直径が12〜15mmである(1)〜(11)のフィルム状トローチ、に関する。
本発明においては、a、b、cの各層を積層するが、各層の特性からして、a、b、c、b、aの順に積層するのが、最も適切である。即ち、a層は水溶性であって、吸水性ではない多糖類であるプルラン等を主体とするので、製品の表面保護的役目を果たす。そして、上記の如く、口中に入れ、上顎に付着せしめると、付着した薬物層Iは(b)でない反対側の薬物層I(b)が口中の水分によって溶かされる。そしてこの薬物層Iは即溶性であるため、すぐに爽快感があり、薬物も早く放出される。次いで遅溶性である薬物層II(c)がゆっくりと溶解し、薬剤を徐々に放出する。そして最後に薬物層I(b)が比較的早く溶解する。このようにして、適切な時間、即ち20〜30分掛かって溶解する。
仮に、a、c、b、c、aとした場合は、薬物層II(c)が遅溶性のため、最初の爽快感があまり感じられず、又遅溶性のため薬物の初期放出が不充分で不利である。そして薬物層I(b)が早く解け、次いで遅溶性の薬物層II(c)がゆっくり溶解するが、そのときの条件によってa、b、c、b、aの場合に比して溶解時間がかなり変動することも考えられる。又a、b、c、aとした場合は、その構成上製品に表裏が出来てしまうので、どちら側が上顎に付着したかによって状況がかなり変わってくる。薬物層II(c)が上顎側になった場合は逆の場合よりも好ましい。このように表裏のある製品は、その表裏の選択が使用上効果の点で大きく影響することが判った。
前記従来法の類似するものとして挙げた、口腔内粘膜への貼着時間が20〜90分、膜厚が300〜400μmの粘膜製剤である特開昭58−128314号公報記載の発明は、水に溶解又は水でゲル化する水親和性高分子物質層と、水に非又は遅延溶解性の高分子物質からなっており、当然前者の層を粘膜に貼着せしめており、表側になるのは、後者の層である。この層は架橋されたかなりの遅溶性のものである。よって、薬物の初期放出が充分でない事が考えられる。このような製剤において、貼着時間については特に規定があるわけではないが、この従来の発明における90分は少し長いのである。これに対し、本願発明の製剤は、上顎に貼着したまま適切な時間即ち20〜40分で溶解するのであり、極めて実用的で好ましいものである。
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる水溶性且つ非吸水性の多糖類としては、水溶性澱粉、プルラン、プルランエーテル(メチル、エチル、プロピル)やプルランエステル(アセテート、ブチレート)が挙げられるが、プルランが好適に用いられる。軟化剤としてはグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、D−ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール等が挙げられるが、D−ソルビトールが好適に用いられる。可食性水溶性高分子物質としては特に制限はなく、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)、メチルセルロース(MC)、水溶性エチルセルロース(EC)、水溶性ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC・Na)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム等が挙げられるが、HPCやPVP(特にポリビニルピロリドンK−90)が好適に用いられる。本発明で用いる甘味料としては、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、砂糖、果糖及びグルコースなどが挙げられるがサッカリンナトリウムが好適に用いられる。ポリエチレングリコールとしては、マクロゴール300やマクロゴール400が挙げられるが、マクロゴール400が好適である。タンニン物質としては、タンニン酸や没食子酸などが挙げられるが、タンニン酸が好適に用いられる。
本発明で用いる薬物は(イ)殺菌・消毒薬、(ロ)抗ヒスタミン薬及び(ハ)抗炎症薬であることができる。(イ)殺菌・消毒薬としては、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジンやグルコン酸クロルヘキシジンなどが挙げられる。(ロ)抗ヒスタミン薬としては、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミンや塩酸プロメタジンなどが挙げられる。この中でマレイン酸クロルフェニラミンが好適である。そして(ハ)抗炎症薬としては、グリチルリチン酸及びその塩類(カリウム塩、ナトリウム塩)が挙げられるが、グリチルリチン酸二カリウム塩が好適である。これらの薬物(イ)、(ロ)及び(ハ)は必要に応じて適宜に用いることができるが、(イ)単独、(イ)及び(ロ)、(ハ)のいずれか、或いは(イ)及び(ロ)、(ハ)の両者の組合わせで用いることが好ましい。
本発明で用いる甘味料はサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、砂糖、果糖及びグルコースである。又タンニン物質はタンニン酸及び没食子酸等である。
本発明においては、上記成分の他に、着色剤(例えば銅クロロフィリンナトリウム)、着香剤(例えばl−メントール)、保存剤等を添加することは無論差し支えない。
本願発明において、前記3種の有効成分(イ)殺菌・消毒薬、(ロ)抗ヒスタミン薬及び(ハ)抗炎症薬の配合比率は、製剤全体に対して(イ)と(ロ)が夫々0.01〜5%、同じく(ハ)は0.1〜5%が良い。主な粘着性成分である可食性水溶性高分子物質の配合比率は同じく40〜90%である。甘味料は同じく0.2〜0.8%、水溶性且つ非吸収性の多糖類の配合比率は同じく3〜6%、軟化剤は0.5〜2%が良い。更に、タンニン物質は同じく0.5〜5%、ポリエチレングリコールは同じく1〜10%が良い。
本トローチ剤において、コーティング層(a)の厚さは10μm前後(8〜12μm)、上下2層で20μm前後(16〜24μm)、薬物層I(b)の厚さは70μm前後(60〜80μm)、上下2層で140μm前後(120〜160μm)、薬物層II(c)の厚さは200μm前後(180〜220μm)が適切である。そして全体としての厚さは320〜400μmが適切である。
コーティング層(a)が厚くなりすぎると、製剤の柔軟性が失われ、又溶けやすいとは云っても、厚いことにより多少時間が掛かり、口腔内(上顎)にスムースに付着しなくなる。逆に薄すぎる場合は、塗工時に厚さにムラが出来易くなり、極端な場合、塗工されない部分が出る恐れがあり、そのような場合は薬物層の保護が不充分になる。薬物層I(b)が厚くなりすぎると、l−メントールなどの香料が短時間で放出されるので苦味を感じ易くなる。逆に薄すぎる場合は、香りが充分に感じられなくなる恐れがある。薬物層II(c)が厚くなりすぎると、溶解時間が長くなり好ましくない。逆に薄い場合は、持続時間が短くなってしまい、薬効が充分発揮されない恐れがある。
本発明のトローチ剤は下記の方法によって製造される。
(1)コーティング層(a)溶液の調製
水溶性且つ非吸水性の多糖類、軟化剤、更にはショ糖脂肪酸エステルを均一に混合し、これに適量の水を加えて均一に混合溶解する。
(2)薬物層I(b)溶液の調製
薬物(有効成分)(イ)殺菌・消毒薬、同じく(ロ)抗ヒスタミン薬、更にはポリエチレングリコール、必要により矯味剤、着香剤を適量のエタノールに溶解させたのち、可食性水溶性高分子物質を加えて均一に混合溶解する。次ぎに、薬物(有効成分)(ハ)抗炎症薬、甘味料、更には必要により着色料を適量の水に溶解させたものを加えて、均一に混合する。
(3)薬物層II(c)溶液の調製
薬物(有効成分)(イ)殺菌・消毒薬、同じく(ロ)抗ヒスタミン薬、タンニン物質、更にはポリエチレングリコール、必要により矯味剤、着香剤を適量のエタノールに溶解させたのち、可食性水溶性高分子物質を加えて均一に混合溶解する。次ぎに、有効成分(ハ)抗炎症薬、甘味料、更には必要により着色料を適量の水に溶解させたものを加えて、均一に混合する。
このようにして調製した各溶液を、a、b、c、b、aの順に積層してフィルム状製品とする。
次に、このフィルム状製品を直径12〜15mmの円形状に打ち抜き、フィルム状トローチ製品とする。
本発明のトローチ剤で用いられるプルラン等の水溶性且つ非吸水性の多糖類は、水溶性ではあるが吸水性ではないので、上下がプルラン層である本トローチ剤は、保存中も吸水によって溶けてしまうような事はない。
このように一定の厚さで特定の五層構造を持ち、一定の大きさの円盤状トローチ剤としたことにより、トローチ剤を上顎に簡単に付着させることが出来る。即ち、上下両面がプルランの薄層であるため、トローチを舌に載せると、そこにある水分によりプルラン層はすぐ溶け、薬物層Iが舌に接触するが、水分が多いため薬物層Iは舌に付着してしまうことはない。そこでトローチ剤を上顎に押しつけると、上顎部分の水分によりプルラン層はすぐ溶けるが、水分は舌の部分ほど多くないので、薬物層Iが上顎に接触して付着し、すぐ剥がれるようなことはない。そして上記の如く薄い円盤状のトローチ剤ゆえ付着当初も違和感がなく、その後適切な時間(20〜30分)を以って溶解する。
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限られるものではない。
実施例1
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 4.5重量部、l−メントール2.5重量部、ポリビニルピロリドンK90 22.5重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース59.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸7.0重量部、マクロゴール400 13.5重量部、l−メントール7.5重量部、ポリビニルピロリドンK90 67.5重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース182.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例2
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 4.5重量部、及びポリビニルピロリドンK90 84.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸10.0重量部、マクロゴール400 13.5重量部、及びポリビニルピロリドンK90 254.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例3
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 5.0重量部、l−メントール1.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース83.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸10.0重量部、マクロゴール400 15.0重量部、l−メントール3.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース249.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例4
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 5.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 25.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース49.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸8.0重量部、マクロゴール400 15.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 75.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース189.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例5
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 5.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 50.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース48.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸12.0重量部、マクロゴール400 15.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 30.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース206.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
比較例1(薬物層IIのみ使用)
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム6.0重量部、マレイン酸クロルフェニラミン6.0重量部、タンニン酸7.0重量部、マクロゴール400 18.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 90.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース251.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム15.0重量部、サッカリンナトリウム2.0重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約340μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
比較例2(薬物層Iのみ使用)
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム6.0重量部、マレイン酸クロルフェニラミン6.0重量部、マクロゴール400 18.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 90.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース258.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム15.0重量部、サッカリンナトリウム2.0重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約340μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
なお、実施例1〜5、比較例1〜2の成分組成は表1の通りである。
【表1】
実施例6
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース89.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸7.0重量部及びヒドロキシプロピルセルロース272.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例7
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部及びヒドロキシプロピルセルロース94.3重量部を加えて撹拌溶解して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、タンニン酸7.0重量部及びヒドロキシプロピルセルロース287.7重量部を加えて撹拌溶解して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例8
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マクロゴール400 4.5重量部、l−メントール2.5重量部、ポリビニルピロリドンK90 22.5重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース64.3重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にサッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、タンニン酸7.0重量部、マクロゴール400 13.5重量部、l−メントール7.5重量部、ポリビニルピロリドンK90 67.5重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース197.7重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にサッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例9
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部及びヒドロキシプロピルセルロース88.5重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸7.0重量部及びヒドロキシプロピルセルロース270.5重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例10
適量の精製水にプルラン20.0重量部、D−ソルビトール4.9重量部及びショ糖脂肪酸エステル0.1重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部及びヒドロキシプロピルセルロース88.5重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸7.0重量部及びヒドロキシプロピルセルロース270.5重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例11
適量の精製水にプルラン20.0重量部、D−ソルビトール4.9重量部及びショ糖脂肪酸エステル0.1重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 4.5重量部及びヒドロキシプロピルセルロース59.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸7.0重量部、マクロゴール400 13.5重量部及びヒドロキシプロピルセルロース257.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例12
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール5.0重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マクロゴール400 4.5重量部及びヒドロキシプロピルセルロース85.5重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、タンニン酸7.0重量部、マクロゴール400 13.5重量部及びヒドロキシプロピルセルロース261.5重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
実施例13
適量の精製水にプルラン20.0重量部、及びD−ソルビトール4.9重量部及びショ糖脂肪酸エステル0.1重量部を加えて撹拌溶解してコーティング層溶液とする。別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 5.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 50.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース48.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I溶液とする。これらとは別に適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸12.0重量部、マクロゴール400 15.0重量部、ポリビニルピロリドンK90 30.0重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース206.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II溶液とする。次に、コーティング層溶液をポリエステル剥離フィルム上に展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。その上に薬物層I溶液に展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。その上に薬物層II溶液を展延乾燥して厚さ約200μmのフィルムとする。更にその上に薬物層I溶液を展延乾燥して厚さ約70μmのフィルムとする。最後にその上にコーティング層溶液を展延乾燥して厚さ約10μmのフィルムとする。このように積層し全体として約360μmのフィルム状製品とする。これを直径15mmの円形状に打ち抜きフィルム状トローチ剤を得た。
なお、実施例6〜13の成分組成は表2の通りである。
【表2】
以下に、本発明のトローチ剤との比較で溶解性について測定した結果は表3の通りである。
なお、本発明の他の実施例にいても同様の結果が得られた。
該溶解性の測定方法はフィルム状トローチ剤を口に含み上顎に付着させた後、完全に溶解するまでの時間を1分単位で測定する方法によるものである。
【表3】
表3に示す通り、本発明のものでは、30分前後の溶解時間を示したが、薬物層IIのみのものでは(比較例1)では溶解時間は50分で明らかに溶解時間は伸びている。また、薬物層Iのみのもの(比較例2)では短くなっている。薬物層を適正な構成にすることで、持続性がコントロールされていることを示す。
【本願発明の効果】
本発明のトローチ剤は柔軟性に富み、適用時に違和感がなく、上顎に簡単に付着させることができ、口腔内での溶解時間が適当で、薬物の適切な徐放性を有し、殺菌効果が充分に発揮されるという効果を有し、実用性の高いものである。
Claims (13)
- a 水溶性澱粉、プルラン、プルランエーテル(メチル、エチル、プロピル)及びプルランエステル(アセテート、ブチレート)の少なくとも1つのものである水溶性且つ非吸水性の多糖類及び軟化剤から成るコーティング層、
b 薬物及び可食性水溶性高分子物質から成る薬物層I、
c 薬物、可食性水溶性高分子物質及びタンニン物質から成る薬物層II、
これら3種の層をa、b、c、b、aの順に積層して成るフィルム状トローチ。 - bの薬物層I及びcの薬物層IIが甘味料を含有する請求項1記載のフィルム状トローチ。
- bの薬物及びcの薬物が殺菌・消毒薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬から成るものである請求項1及び2記載のフィルム状トローチ。
- aのコーティング層がショ糖脂肪酸エステルを含有する請求項1、2又は3記載のフィルム状トローチ。
- bの薬物層I及びcの薬物層IIがポリエチレングリコールを含有する請求項1、2、3又は4記載のフィルム状トローチ。
- 水溶性且つ非吸水性の多糖類が水溶性澱粉、プルラン、プルランエーテル(メチル、エチル、プロピル)及びプルランエステル(アセテート、ブチレート)の少なくとも1つであり、軟化剤がグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、D−ソルビトール、マルチトール、マンニトール及びキシリトールの少なくとも1つであり、可食性水溶性高分子物質がヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)、メチルセルロース(MC)、水溶性エチルセルロース(EC)、水溶性ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC・Na)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムの少なくとも1つであり、タンニン物質がタンニン酸及び没食子酸の少なくとも1つである請求項1のフィルム状トローチ。
- 殺菌・消毒薬が塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン及びグルコン酸クロルヘキシジンの少なくとも1つであり、抗ヒスタミン薬がマレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジンの少なくとも1つであり、抗炎症薬がグリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム及びグリチルリチン酸二ナトリウムの少なくとも1つである請求項3のフィルム状トローチ。
- aがプルラン、D−ソルビトール、bが塩化セチルピリジニウム、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸二カリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、サッカリンナトリウム、cが前記bに更にタンニン酸を含むものから成る請求項1のフィルム状トローチ。
- 甘味料がサッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、砂糖、果糖及びグルコースの1つである請求項2記載のフィルム状トローチ。
- aのコーティング層がショ糖脂肪酸エステルを含有し、bの薬物層Iが更にポリエチレングリコールを含有し、薬物が殺菌・消毒薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬であり、cの薬物層IIが更にポリエチレングリコールを含有し、薬物が殺菌・消毒薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬である請求項1記載のフィルム状トローチ。
- 水溶性且つ非吸水性の多糖類が水溶性澱粉、プルラン、プルランエーテル(メチル、エチル、プロピル)及びプルランエステル(アセテート、ブチレート)の少なくとも1つであり、軟化剤がグリセリン、エチレングリコール、D−ソルビトール、マルチトール、マンニトール及びキシリトールの少なくとも1つであり、殺菌・消毒薬が塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジン及びグルコン酸クロルヘキシジンの少なくとも1つであり、抗ヒスタミン薬がマレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジンの少なくとも1つであり、抗炎症薬がグリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム及びグリチルリチン酸二ナトリウムの少なくとも1つであり、可食性水溶性高分子物質がHPC、HPMC、HPEC、MC、水溶性EC、水溶性HEC、CMC・Na、PVA、PVP、カルボキシビニルポリマー及びアルギン酸ナトリウムの少なくとも1つであり、甘味料がサッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、砂糖、果糖及びグルコースの1つであり、ポリエチレングリコールがマクロゴール300及びマクロゴール400の少なくとも1つである請求項1又は10記載のフィルム状トローチ。
- aがプルラン、D−ソルビトール、ショ糖脂肪酸エステル、bが塩化セチルピリジニウム、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸二カリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンK90、マクロゴール400、サッカリンナトリウム、cが前記bに更にタンニン酸を含むものから成る請求項11のフィルム状トローチ。
- aコーティング層の厚さが8〜12μm、b薬物層Iの厚さが60〜80μm、c薬物層IIの厚さが180〜220μm、全体の厚さが320〜400μmであり、直径が12〜15mmである請求項1〜11のフィルム状トローチ。
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